(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】ポリマー材料の調製および分注ならびにそれからのポリマー物品の生産
(51)【国際特許分類】
B29C 39/44 20060101AFI20230424BHJP
B29C 39/24 20060101ALI20230424BHJP
G02B 5/00 20060101ALN20230424BHJP
【FI】
B29C39/44
B29C39/24
G02B5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020524500
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(86)【国際出願番号】 US2018058366
(87)【国際公開番号】W WO2019089701
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バガト, シャラド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シン, ビクラムジト
(72)【発明者】
【氏名】ペロズ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チエ
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-510168(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0052284(US,A1)
【文献】特表2011-506110(JP,A)
【文献】特開2002-189103(JP,A)
【文献】特開昭61-063416(JP,A)
【文献】特開平07-016852(JP,A)
【文献】特開平10-010477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/00-39/44
B29D 11/00-11/02
B29B 7/00- 7/94
B29C 31/00-31/10
B01F 21/00-25/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオール-エンポリマー物品を形成するために、成分を混合し、混合物を分注するためのシステムであって、
第1の重合性化合物を含む前記チオール-エンポリマーの第1の成分を含有する第1のリザーバと、
第2の重合性化合物を含む前記チオール-エンポリマーの第2の成分を含有する第2のリザーバと、
混合チャンバを有する混合容器と、
前記第1および第2のリザーバから前記混合容器への流体のための導管を提供する送達マニホールドと、
前記混合容器からの流体のための導管を提供する分注マニホールドと、
前記送達マニホールドおよび前記分注マニホールドと通信する制御モジュールであって、前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、前記第1のリザーバから前記第1の成分の計測された量と、前記第2のリザーバから前記第2の成分の計測された量とを、前記混合容器の混合チャンバの中に送達させることにより混合物を形成することであって、前記混合物は、前記混合物の粘度が経時的に増加するように、前記混合物中の前記第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合容器内で、前記第1および第2の成分の計測された量を含む、ことと、前記混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、前記分注マニホールドに、前記システムの動作の間に前記混合物を前記混合容器から金型の中に分注させることとを行うようにプログラムされる、制御モジュールと
を備える、システム。
【請求項2】
それぞれが前記チオール-エンポリマーの対応する成分を含有する1つ以上の付加的リザーバをさらに備え、各リザーバは、前記送達マニホールドによって前記混合容器に接続され、前記制御モジュールはさらに、前記チオール-エンポリマーの成分のそれぞれの計測された量の、それらの対応するリザーバから前記混合チャンバへの送達を引き起こし、前記システムの動作の間に前記混合物を形成するようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、前記成分のそれぞれを前記混合チャンバに順次送達させるようにプログラムされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、任意の付加的成分を送達する前に、前記第1および第2の成分を前記混合チャンバに送達させるようにプログラムされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、前記成分のそれぞれを前記混合チャンバに同時に送達させるようにプログラムされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記混合チャンバは、疎水性表面を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記疎水性表面は、PTFE、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、フルオロシランポリマー、マイクロテクスチャポリカーボネート、またはパリレンの層によって提供される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記疎水性表面は、シリコーン材料の層によって提供される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記混合容器は、少なくとも1つの非極性アルキル基、少なくとも1つの非極性アリール基、少なくとも1つの非極性フルオライド基、またはそれらの組み合わせを含む化合物を含む材料から形成される表面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記送達マニホールドによって前記混合容器に接続されるガスリザーバをさらに備え、前記制御モジュールはさらに、前記システムの動作の間に、前記ガスリザーバから前記混合チャンバへのガスの前記送達を引き起こすようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記送達マニホールドによって前記混合容器に接続される溶媒リザーバをさらに備え、前記制御モジュールはさらに、前記システムの動作の間に、前記溶媒リザーバから前記混合チャンバへの溶媒の前記送達を引き起こすようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記混合容器は、前記システムの動作の間に前記混合物の混合を促進するための撹拌器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御モジュールは、前記撹拌器と通信し、前記システムの動作の間の前記撹拌器の動作を制御するようにプログラムされる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記送達マニホールドは、前記混合チャンバの中へのそれらの送達に先立って、前記第1の成分および/または第2の成分を濾過するように配列される濾過サブシステムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記分注マニホールドは、前記混合物を前記金型の中に分注することに先立って、前記混合物を濾過するように配列される濾過サブシステムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記混合チャンバ内の温度を-40℃~400℃の範囲内に維持するように配列される加熱器をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
10kPa~500kPaの前記混合チャンバ内の圧力差を維持するように配列されるポンプをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
成型されたチオール-エンポリマー物品を作製する方法であって、
第1の重合性化合物を含む前記チオール-エンポリマーの第1の成分を提供することと、
第2の重合性化合物を含む前記チオール-エンポリマーの第2の成分を提供することと、
混合物の粘度が経時的に増加するように、前記混合物中の前記第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合容器内で、前記第1および第2の成分の計測された量を含む前記混合物のバッチを形成することと、
前記混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、前記混合物を前記混合容器から金型の中に分注することと、
前記混合物を前記金型の中で硬化させ、前記成型されたチオール-エンポリマー物品を提供することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記混合物を分注した後、前記混合容器を洗浄し、前記混合物の残留物を除去することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記混合物の粘度が経時的に増加するように、前記混合物中の前記第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合容器内で、前記第1および第2の成分の計測された量を含む前記混合物の第2のバッチを形成することと、
前記混合物の粘度が1,000mPa.s未満である間、前記混合物を前記混合容器から前記金型の中に分注することと、
前記混合物を前記金型の中で硬化させ、第2の成型されたチオール-エンポリマー物品を提供することと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記チオール-エンポリマーの第3の成分を提供することをさらに含み、前記混合物を形成することは、前記混合容器の中で、前記第3の成分の計測された量を前記第1および第2の成分と合わせることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合物のバッチを形成することは、前記混合容器を-40℃~400℃の範囲内の温度に維持することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合物のバッチを形成することは、前記混合容器を10kPa~500kPaの圧力差に維持することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記混合物を分注することは、前記混合物で前記金型の少なくとも一部をコーティングすることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記チオール-エンポリマーは、1.55以上の屈折率を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
不活性ガスを含有するガスリザーバをさらに備え、
前記送達マニホールドはさらに、前記ガスリザーバから前記混合容器への前記不活性ガスのための導管を提供し、
前記制御モジュールはさらに、前記システムの動作中に、
前記送達マニホールドに、前記第1のリザーバから前記第1の成分の計測された量と、前記第2のリザーバから前記第2の成分の計測された量とを、前記混合容器の混合チャンバの中に送達させた後に、前記送達マニホールドに前記不活性ガスを前記ガスリザーバから前記混合容器の中に送達させること
を行わせるようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
溶媒を含有する溶媒リザーバをさらに備え、
前記送達マニホールドはさらに、前記溶媒リザーバからの前記溶媒のための導管を提供し、
前記制御モジュールはさらに、前記システムの動作中に、
前記分注マニホールドに、前記混合物を前記混合容器から分注させた後に、前記混合容器を洗浄するために、前記送達マニホールドに、前記溶媒を前記混合容器の中に送達させること
を行わせるようにプログラムされる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記混合容器内で、前記第1および第2の成分の計測された量を含む前記混合物のバッチを形成した後に、ガスリザーバから前記混合
容器の中に不活性ガスを送達することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記混合物を前記混合容器から金型の中に分注した後、前記混合容器を洗浄するために、溶媒リザーバから前記混合容器の中に溶媒を送達することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2017年11月2日に出願された、米国仮出願第62/580,842号の出願日の利益を主張する。米国出願第62/580,842号の内容は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、ポリマー材料を調製および分注し、それから随意のポリマー膜等のポリマー物品を生産するための、システムならびに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー物品は、種々の製品において使用されることができる。例として、ウェアラブル結像ヘッドセット等の光学システムは、ユーザに投影された画像を提示する、1つまたはそれを上回るポリマー膜接眼レンズを含むことができる。ある場合には、ポリマー膜接眼レンズは、仮想現実(VR)または拡張現実(AR)システムの一部として使用されることができる。
【0004】
多くの用途では、ポリマー材料の均質性が、重要である。例えば、ポリマー物品が光学システム内で使用される場合、ポリマー材料の不均質性は、物品の光学性質に望ましくない変動をもたらし得る。組成物の不均質性はまた、(例えば、不規則的な硬化および/または歪みに起因して)物品の物理的変形につながり得、これは、ひいては、物品の光学性能に影響を及ぼし得る。接眼レンズのための格子構造を形成するポリマー材料の不均質性は、例として、光の散乱、層間剥離等の望ましくない影響、ならびに光学構造(例えば、格子構造)の低減された性能を生じさせ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学ポリマー膜等のポリマー物品を形成するために混合物を混合および分注するためのシステムならびに技法が、本明細書に説明される。説明される実装は、非常に均質な材料の制御された体積を調製および分注するために使用されることができる。分注された材料は、非常に精密な、制御された、かつ再現可能な様式でポリマー物品(例えば、成型された光学コンポーネント)を生産するために使用されることができる。結果として生じるポリマー物品は、種々の変動に敏感な用途において(例えば、光学結像システム内の接眼レンズの一部として)使用されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実装では、ポリマー物品は、生産条件が精密に調整されるように生産されることができる。例として、ポリマー物品は、特定の物理的条件(例えば、特定の濃度、温度、粘度等)下で貯蔵された、構成材料(例えば、モノマーおよび/またはオリゴマー材料等のポリマー前駆体材料)の具体的な量を使用して生産されることができる。さらに、構成材料は、精密に調整された様式で(例えば、具体的な率において、具体的な物理的条件下で等)結合されることができる。本精密な調整は、混合物が極めて小さい、精密な特徴を伴うポリマー物品を成型するために好適であるような条件(例えば、温度、圧力、粘度)下で非常に均質な混合物の精密な体積を提供することができる。故に、本明細書に開示される実装は、予測可能かつ精密な物理的および/または光学性質を呈するポリマー物品を繰り返して形成するために使用されることができる。例えば、本様式で生産されたポリマー膜は、光をより予測可能かつ一貫した様式で回折させることができ、したがって、高分解能光学結像システムの使用のためにより好適であり得る。ある場合には、これらのポリマー膜を使用する光学結像システムは、そうでなければ他のポリマー膜で可能性であり得るものより鮮明および/または高い分解能の画像を生産することができる。また、開示されるシステムおよび技法を使用したそのようなポリマー膜の生産は、従来の技法より少ない生産ラインの中断時間(例えば、清掃ならびに保守のための)を伴うより高い収率を提供することができる。
【0007】
ある側面では、システムは、チオール-エンポリマー物品を形成するために、成分を混合し、混合物を分注するように構成される。本システムは、第1の重合性化合物を含む、チオール-エンポリマーの第1の成分を含有する、第1のリザーバと、第2の重合性化合物を含む、チオール-エンポリマーの第2の成分を含有する、第2のリザーバとを含む。本システムはまた、混合チャンバを有する、混合容器と、第1および第2のリザーバから混合容器への流体のための導管を提供する、送達マニホールドと、混合容器からの流体のための導管を提供する、分注マニホールドとを含む。本システムはまた、送達マニホールドおよび分注マニホールドと通信する、制御モジュールを含む。制御モジュールは、送達マニホールドに、第1のリザーバから第1の成分の計測された量と、第2のリザーバから第2の成分の計測された量とを、混合容器の混合チャンバの中に送達させ、第1および第2の重合性化合物間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、かつ混合物の粘度が経時的に増加するように、混合物を形成するようにプログラムされる。制御モジュールはまた、システムの動作の間に、分注マニホールドに、混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、混合物を混合容器から金型の中に分注させるようにプログラムされる。
【0008】
本側面の実装は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0009】
いくつかの実装では、本システムはさらに、それぞれが、チオール-エンポリマーの対応する成分を含有する、1つまたはそれを上回る付加的リザーバを含むことができる。各リザーバは、送達マニホールドによって混合容器に接続されることができる。制御モジュールはさらに、チオール-エンポリマーの成分のそれぞれの計測された量の、それらの対応するリザーバから混合チャンバへの送達を引き起こし、システムの動作の間に混合物を形成するようにプログラムされることができる。
【0010】
いくつかの実装では、制御モジュールは、送達マニホールドに、成分のそれぞれを混合チャンバに順次送達させるようにプログラムされることができる。
【0011】
いくつかの実装では、制御モジュールは、送達マニホールドに、任意の付加的成分を送達する前に、第1および第2の成分を混合チャンバに送達させるようにプログラムされることができる。
【0012】
いくつかの実装では、制御モジュールは、送達マニホールドに、成分のそれぞれを混合チャンバに同時に送達させるようにプログラムされることができる。
【0013】
いくつかの実装では、混合チャンバは、疎水性表面を有することができる。
【0014】
いくつかの実装では、疎水性表面は、PTFE、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、フルオロシランポリマー、マイクロテクスチャポリカーボネート、またはパリレンの層によって提供されることができる。
【0015】
いくつかの実装では、疎水性表面は、シリコーン材料の層によって提供されることができる。
【0016】
いくつかの実装では、混合容器は、少なくとも1つの非極性アルキル基、少なくとも1つの非極性アリール基、少なくとも1つの非極性フルオライド基、またはそれらの組み合わせを有する化合物を含む、材料から形成される、表面を含むことができる。
【0017】
いくつかの実装では、本システムはさらに、送達マニホールドによって混合容器に接続される、ガスリザーバを含むことができる。制御モジュールはさらに、システムの動作の間に、ガスリザーバから混合チャンバへのガスの送達を引き起こすようにプログラムされることができる。
【0018】
いくつかの実装では、本システムはさらに、送達マニホールドによって混合容器に接続される、溶媒リザーバを含むことができる。制御モジュールはさらに、システムの動作の間に、溶媒リザーバから混合チャンバへの溶媒の送達を引き起こすようにプログラムされることができる。
【0019】
いくつかの実装では、混合容器は、システムの動作の間に混合物の混合を促進するための、撹拌器を含むことができる。
【0020】
いくつかの実装では、制御モジュールは、撹拌器と通信することができ、システムの動作の間の撹拌器の動作を制御するようにプログラムされることができる。
【0021】
いくつかの実装では、送達マニホールドは、混合チャンバの中へのそれらの送達に先立って、第1および/または第2の成分を濾過するように配列される、濾過サブシステムを含むことができる。
【0022】
いくつかの実装では、分注マニホールドは、混合物を金型の中に分注するステップに先立って、混合物を濾過するように配列される、濾過サブシステムを含むことができる。
【0023】
いくつかの実装では、本システムはさらに、混合チャンバ内の温度を-40℃~400℃の範囲内に維持するように配列される、加熱器を含むことができる。
【0024】
いくつかの実装では、本システムはさらに、約10kPa~500kPaの混合チャンバ内の圧力差を維持するように配列される、ポンプを含むことができる。
【0025】
別の側面では、成型されたチオール-エンポリマー物品を作製する方法は、第1の重合性化合物を含む、チオール-エンポリマーの第1の成分を提供するステップと、第2の重合性化合物を含む、チオール-エンポリマーの第2の成分を提供するステップとを含む。本方法はまた、混合物の粘度が、経時的に増加するように、混合物中の第1および第2の重合性化合物間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合容器内で、第1ならびに第2の成分の計測された量を含む、混合物のバッチを形成するステップを含む。本方法はまた、混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、混合物を混合容器から金型の中に分注するステップを含む。本方法はまた、混合物を金型の中で硬化させ、成型されたチオール-エンポリマー物品を提供するステップを含む。
【0026】
本側面の実装は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0027】
いくつかの実装では、本方法はさらに、混合物を分注した後、混合容器を洗浄し、混合物の残留物を除去するステップを含むことができる。
【0028】
いくつかの実装では、本方法はさらに、混合物の粘度が、経時的に増加するように、混合物中の第1および第2の重合性化合物の間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合容器内で、第1ならびに第2の成分の計測された量を含む、混合物の第2のバッチを形成するステップを含むことができる。本方法はさらに、混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、混合物を混合容器から金型の中に分注するステップを含むことができる。本方法はまた、混合物を金型の中で硬化させ、第2の成型されたチオール-エンポリマー物品を提供するステップを含むことができる。
【0029】
いくつかの実装では、本方法はさらに、チオール-エンポリマーの第3の成分を提供するステップを含むことができる。混合物を形成するステップは、混合容器の中で、第3の成分の計測された量を第1および第2の成分と合わせるステップを含むことができる。
【0030】
いくつかの実装では、化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合物のバッチを形成するステップは、混合容器を-40℃~400℃の範囲内の温度に維持するステップを含むことができる。
【0031】
いくつかの実装では、化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合物のバッチを形成するステップは、混合容器を約10kPa~500kPaの圧力差に維持するステップを含むことができる。
【0032】
いくつかの実装では、混合物を分注するステップは、混合物で金型の少なくとも一部をコーティングするステップを含むことができる。
【0033】
いくつかの実装では、チオール-エンポリマーは、1.55またはそれを上回る屈折率を有することができる。
【0034】
1つまたはそれを上回る実施形態の詳細が、付随の図面および下記の説明に記載される。他の特徴および利点もまた、説明ならびに図面から、かつ請求項から明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
チオール-エンポリマー物品を形成するために、成分を混合し、混合物を分注するためのシステムであって、
第1の重合性化合物を含む、前記チオール-エンポリマーの第1の成分を含有する、第1のリザーバと、
第2の重合性化合物を含む、前記チオール-エンポリマーの第2の成分を含有する、第2のリザーバと、
混合チャンバを有する、混合容器と、
前記第1および第2のリザーバから前記混合容器への流体のための導管を提供する、送達マニホールドと、
前記混合容器からの流体のための導管を提供する、分注マニホールドと、
前記送達マニホールドおよび前記分注マニホールドと通信する、制御モジュールであって、前記送達マニホールドに、前記第1のリザーバから前記第1の成分の計測された量と、前記第2のリザーバから前記第2の成分の計測された量とを、前記混合容器の混合チャンバの中に送達させ、前記混合物の粘度が、経時的に増加するように、前記混合物中の前記第1ならびに第2の重合性化合物間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合容器内で、前記第1および第2の成分の計測された量を含む、混合物を形成し、前記混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、前記分注マニホールドに、前記システムの動作の間に前記混合物を前記混合容器から金型の中に分注させるようにプログラムされる、制御モジュールと
を備える、システム。
(項目2)
それぞれが、前記チオール-エンポリマーの対応する成分を含有する、1つまたはそれを上回る付加的リザーバであって、各リザーバは、前記送達マニホールドによって前記混合容器に接続される、1つまたはそれを上回る付加的リザーバをさらに備え、前記制御モジュールはさらに、前記チオール-エンポリマーの成分のそれぞれの計測された量の、それらの対応するリザーバから前記混合チャンバへの送達を引き起こし、前記システムの動作の間に前記混合物を形成するようにプログラムされる、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、前記成分のそれぞれを前記混合チャンバに順次送達させるようにプログラムされる、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、任意の付加的成分を送達する前に、前記第1および第2の成分を前記混合チャンバに送達させるようにプログラムされる、項目2に記載のシステム。
(項目5)
前記制御モジュールは、前記送達マニホールドに、前記成分のそれぞれを前記混合チャンバに同時に送達させるようにプログラムされる、項目2に記載のシステム。
(項目6)
前記混合チャンバは、疎水性表面を有する、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記疎水性表面は、PTFE、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、フルオロシランポリマー、マイクロテクスチャポリカーボネート、またはパリレンの層によって提供される、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記疎水性表面は、シリコーン材料の層によって提供される、項目6に記載のシステム。
(項目9)
前記混合容器は、少なくとも1つの非極性アルキル基、少なくとも1つの非極性アリ-ル基、少なくとも1つの非極性フルオライド基、またはそれらの組み合わせを含む化合物を含む、材料から形成される、表面を含む、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記送達マニホールドによって前記混合容器に接続される、ガスリザーバをさらに備え、前記制御モジュールはさらに、前記システムの動作の間に、前記ガスリザーバから前記混合チャンバへのガスの前記送達を引き起こすようにプログラムされる、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記送達マニホールドによって前記混合容器に接続される、溶媒リザーバをさらに備え、前記制御モジュールはさらに、前記システムの動作の間に、前記溶媒リザーバから前記混合チャンバへの溶媒の前記送達を引き起こすようにプログラムされる、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記混合容器は、前記システムの動作の間に前記混合物の混合を促進するための、撹拌器を備える、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記制御モジュールは、前記撹拌器と通信し、前記システムの動作の間の前記撹拌器の動作を制御するようにプログラムされる、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記送達マニホールドは、前記混合チャンバの中へのそれらの送達に先立って、前記第1および/または第2の成分を濾過するように配列される、濾過サブシステムを備える、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記分注マニホールドは、前記混合物を前記金型の中に分注するステップに先立って、前記混合物を濾過するように配列される、濾過サブシステムを備える、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記混合チャンバ内の温度を-40℃~400℃の範囲内に維持するように配列される、加熱器をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目17)
約10kPa~500kPaの前記混合チャンバ内の圧力差を維持するように配列される、ポンプをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目18)
成型されたチオール-エンポリマー物品を作製する方法であって、
第1の重合性化合物を含む、前記チオール-エンポリマーの第1の成分を提供するステップと、
第2の重合性化合物を含む、前記チオール-エンポリマーの第2の成分を提供するステップと、
前記混合物の粘度が、経時的に増加するように、前記混合物中の前記第1および第2の重合性化合物間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合容器内で、前記第1ならびに第2の成分の計測された量を含む、混合物のバッチを形成するステップと、
前記混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、前記混合物を前記混合容器から金型の中に分注するステップと、
前記混合物を前記金型の中で硬化させ、前記成型されたチオール-エンポリマー物品を提供するステップと
を含む、方法。
(項目19)
前記混合物を分注した後、前記混合容器を洗浄し、前記混合物の残留物を除去するステップをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記混合物の粘度が、経時的に増加するように、前記混合物中の前記第1および第2の重合性化合物の間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合容器内で、前記第1ならびに第2の成分の計測された量を含む、前記混合物の第2のバッチを形成するステップと、
前記混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、前記混合物を前記混合容器から前記金型の中に分注するステップと、
前記混合物を前記金型の中で硬化させ、第2の成型されたチオール-エンポリマー物品を提供するステップと
をさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記チオール-エンポリマーの第3の成分を提供するステップをさらに含み、前記混合物を形成するステップは、前記混合容器の中で、前記第3の成分の計測された量を前記第1および第2の成分と合わせることを含む、項目18に記載の方法。
(項目22)
前記化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合物のバッチを形成するステップは、前記混合容器を-40℃~400℃の範囲内の温度に維持することを含む、項目18に記載の方法。
(項目23)
前記化学反応を引き起こすために十分な条件下で、前記混合物のバッチを形成するステップは、前記混合容器を約10kPa~500kPaの圧力差に維持することを含む、項目18に記載の方法。
(項目24)
前記混合物を分注するステップは、前記混合物で前記金型の少なくとも一部をコーティングすることを含む、項目18に記載の方法。
(項目25)
前記チオール-エンポリマーは、1.55またはそれを上回る屈折率を有する、項目18に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、ポリマー物品を生産するためのシステムの概略図である。
【0036】
【
図2-1】
図2A-2Eは、例示的混合容器の概略図である。
【
図2-2】
図2A-2Eは、例示的混合容器の概略図である。
【0037】
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、例示的計測システムの概略図である。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、例示的計測システムの概略図である。
【0038】
【
図4】
図4は、例示的鋳造、パターン化、および硬化システムの概略図である。
【0039】
【
図5】
図5Aおよび5Bは、例示的ポリマー物品の略図である。
【0040】
【
図6】
図6は、ポリマー物品を生産するための例示的プロセスのフローチャート図である。
【0041】
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
ポリマー物品を生産するための例示的システム100が、
図1に示される。システム100の実装は、光硬化性材料(例えば、光に暴露されると硬化する、光重合体または光活性化樹脂)を使用して、光学ポリマー膜等のポリマー物品を生産するために使用されることができる。
【0043】
システム100は、リザーバ102と、混合容器104と、濾過システム106と、計測システム108と、コーティングシステム110と、鋳造、パターン化、および硬化システム112とを含む。システム100はまた、相互接続されたコンポーネント間に流体連通を提供する、送達マニホールド114を含む。システム100はまた、システム100およびその組成コンポーネントのそれぞれの動作を制御するための、制御モジュール116を含む。
【0044】
リザーバ102は、ポリマー物品を生産するための構成材料を貯蔵する。ある場合には、リザーバ102は、流体材料をしっかりと貯蔵するための、容器、タンク、バット、プール、またはいくつかの他のチャンバ等の液密チャンバを含む。
【0045】
種々の材料が、リザーバ102内に貯蔵されることができる。例えば、いくつかのポリマーが、混合されると、および/または光に暴露されると重合する、2つまたはそれを上回る材料(例えば、チオール-エンポリマーに重合する、エンモノマーならびに対応するチオールモノマー等のモノマーおよび/またはオリゴマーを含有する、前駆体)を合わせることによって生産されることができる。リザーバ102はそれぞれ、材料が、別個に保たれ、時期尚早に重合しないように、特定の材料を貯蔵することができる。
【0046】
ある場合には、リザーバ102の1つは、エンモノマーを貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、対応するチオールモノマーを貯蔵することができる。実施例として、リザーバ102の1つは、4,4-チオビスベンゼンチオールを貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、(その例示的交差重合反応が
図7に示される)テトラビニルシランを貯蔵することができる。別の実施例として、リザーバ102の1つは、1,3-ベンゼンジチオール(チオールモノマー)を貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、テトラビニルシラン(エンモノマー)を貯蔵することができる。実施例として、リザーバ102の1つは、1,3-ベンゼンジチオール(チオールモノマー)を貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、テトラビニルシラン(エンモノマー)を貯蔵することができる。別の実施例として、リザーバ102の1つは、1,3-ベンゼンジチオールを貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、1,3,5-トリアリル1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを貯蔵することができる。別の実施例として、リザーバ102の1つは、1,2,4,5-ベンゼンテトラチオールを貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、テトラビニルシランを貯蔵することができる。別の実施例として、リザーバ102の1つは、1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジチオールを貯蔵することができ、リザーバ102の別のものは、テトラビニルシランを貯蔵することができる。材料の例示的組み合わせが、上記に説明されるが、これらは、例証的実施例にすぎない。材料の他の組み合わせもまた、上記に説明されるものの代わりに、またはそれに加えてのいずれかで使用されることができる。
【0047】
さらに、リザーバ102は、成型されたチオレンまたは他のポリマー物品の生産を促進する、添加材料を含有することができる。例えば、リザーバ102のうちの1つまたはそれを上回るものは、(例えば、光重合を開始するための)光開始剤/増感剤、(例えば、重合率を低減させる、もしくは別様にそれを制御するための)阻害剤、(例えば、ポリマー材料へのUV損傷を低減させるための)UV吸収体、および/または(例えば、ポリマー材料の酸化を低減させるための)抗酸化剤を含有することができる。
【0048】
例示的材料は、2017年5月8日に出願された、米国特許出願第62/502,973号(その内容は、それらの全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0049】
各リザーバ102内の貯蔵条件は、個々に制御されることができる。例えば、ある場合には、各リザーバ102の貯蔵温度は、温度制御アセンブリ126(例えば、冷却ユニットおよび/または加熱ユニット)を使用して調整されることができる。別の実施例として、ある場合には、各リザーバ102の貯蔵圧力は、圧力制御システム128(例えば、リザーバ102内の圧力を調整する、真空アセンブリ、圧縮器アセンブリ、および/または弁アセンブリ)を使用して調整されることができる。ある場合には、リザーバ102のうちの1つまたはそれを上回るものの温度は、-20℃~50℃の範囲内に維持されることができる。ある場合には、リザーバ102のうちの1つまたはそれを上回るものの貯蔵圧力は、50kPa~200kPaの範囲内に維持されることができる。
【0050】
各リザーバ102内の貯蔵条件を調整することは、種々の利点をもたらすことができる。ある場合には、具体的な条件に従って貯蔵された材料は、劣化することなくより長い時間周期にわたって貯蔵されることができ、より一貫した様式でポリマー物品を生産するために使用されることができる。例えば、材料は、より少ない変動または不均質性を有するポリマー物品を生産するために使用されることができる。別の実施例として、材料は、工程間の生産されたポリマー物品の一貫性に悪影響を及ぼすことなく、製造工程間で貯蔵され、それによって、材料の損傷または廃棄を低減させることができる。ある場合には、具体的な条件に従って貯蔵された材料は、より容易に分注されることができる。例えば、材料は、材料が、より迅速に、および/または高い圧力もしくは力を要求することなく、リザーバ102から分注されることを可能にする、特定の粘度または粘度の範囲を有することができる。
【0051】
実施例として、構成材料の第1のタイプ(例えば、モノマーの第1のタイプ)は、理想的には、第1の温度範囲(例えば、5℃~10℃)内で貯蔵され、理想的には、使用に先立って加熱される(例えば、室温まで加熱される)。別の実施例として、構成材料の第2のタイプ(例えば、モノマーの第2のタイプ)は、室温において固体であり、使用に先立って融解されなければならない(例えば、40℃~50℃まで加熱される)。2つの異なるリザーバが、材料が、それらの個別の理想的条件下で貯蔵および使用されるように、各構成材料を独立して貯蔵、加熱、冷却、ならびに/もしくは分注するために使用されることができる。
【0052】
図1に示されるように、システム100は、(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれを上回る)複数のリザーバ102を含むことができる。ある場合には、各リザーバ102は、異なる材料を貯蔵することができる。ある場合には、2つまたはそれを上回るリザーバ102が、同一の材料を貯蔵することができる(例えば、重複性を提供する、ならびに/もしくはシステム100の貯蔵容量を拡張させるために)。ある場合には、2つまたはそれを上回るリザーバが、異なる貯蔵条件(例えば、異なる貯蔵温度、圧力、体積等)に従って、同一の材料を貯蔵することができる。
【0053】
システム100は、材料の計測された量をリザーバ102から混合容器104の中に分注する。各構成材料の正確な量を分注することは、試薬が適切な比率で混合されることを確実にし、ポリマー材料の均一な混合および硬化を確実にするために重要であり得る。ある場合には、材料は、具体的なモル比率に従って、リザーバ102から混合容器104の中に分注されることができる。例えば、1つのリザーバ102からの材料(例えば、エンモノマー)の特定の量、および別のリザーバ102からの材料(例えば、対応するチオールモノマー)の特定の量が、混合容器内でのエンモノマーとチオールモノマーとの間のモル比率が、1:1.5~1:2.20になるように、混合容器104の中に分注されることができる。これは、例えば、特に、光学結像システム内の接眼レンズとしての使用のために好適である、光硬化性ポリマー(例えば、特に、好適な機械的性質および/または1.55またはそれを上回る屈折率等の光学性質を有する、高度架橋ポリマー)を生産するステップにおいて有用であり得る。他のモル比率もまた、実装に応じて可能性として考えられる。
【0054】
リザーバ102から材料を分注するステップは、送達マニホールド114を使用して調整されることができる。例えば、送達マニホールド114は、リザーバ102と混合容器104との間に延在する、導管114a(例えば、パイプ、管、給送ライン等)と、導管114aに沿って位置付けられる、弁114bとを含むことができる。システム100は、弁114bを選択的に作動させ(例えば、弁114bを開放または閉鎖させる)、リザーバ102から混合容器104の中への材料の流動を調整することができる。ある場合には、送達マニホールド114は、各リザーバ102から分注される材料の体積、および材料が分注される率を調整することができる。
【0055】
ある場合には、送達マニホールド114は、特定の順序で、材料を混合容器104の中に送達するように動作されることができる。例えば、ある場合には、1つまたはそれを上回る材料が、最初に混合容器104の中に分注され、順に、もう1つの他の材料が、続くことができる。ある場合には、送達マニホールド114が、1つまたはそれを上回る材料を混合容器104の中に同時もしくは実質的に同時に送達するように動作されることができる。これは、材料が、材料間の相互作用が綿密に制御されるような、調整された様式で混合されることを可能にする。ある場合には、これは、結果として生じるポリマー物品の一貫性を改良することができる。
【0056】
混合容器104は、リザーバ102からの構成材料を結合させ、混合物を形成するように構成される。混合容器104は、その中にリザーバ102からの材料が指向される、内側混合チャンバ118を含む。
【0057】
ある場合には、混合チャンバ118の内部表面120は、材料の混合チャンバ118の中への、およびそれから外への効率的な移送を促進する、材料の1つまたはそれを上回る層でコーティングされることができる。例えば、内部表面120は、1つまたはそれを上回る疎水性材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、フルオロシランポリマー、マイクロテクスチャポリカーボネート、もしくはパリレン)でコーティングされることができる。別の実施例として、内部表面120は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコン系材料でコーティングされることができる。別の実施例として、内部表面120は、少なくとも1つの非極性アルキル基、少なくとも1つの非極性アリール基、少なくとも1つの非極性フルオライド基、またはそれらの組み合わせを含む、化合物でコーティングされることができる。これらのコーティングは、例えば、材料が内部表面120に粘着または固着する可能性を低減させることにおいて有益であり得る。
【0058】
混合チャンバの内部表面をコーティングすることは、種々の利点をもたらすことができる。ある場合には、これは、生産プロセス効率を改良することができる。例えば、内部表面をコーティングすることは、混合チャンバ118内に粘着または留保される材料の量を低減させ、それによって、材料廃棄を低減させ、生産収率を向上させることができる。別の実施例として、これは、(例えば、清掃および保守要件を低減させることによって)生産ラインの中断時間を減少させることができる。ある場合には、これは、生産プロセスの一貫性を改良することができる。例えば、材料は、生産工程間で混合チャンバ内に留保される可能性が低いため、相互汚染の可能性は、低減される。したがって、異なる製造工程を横断しても予測可能かつ精密な物理的および/または光学性質を有する、ポリマー物品が、形成されることができる。
【0059】
送達マニホールド114はまた、1つまたはそれを上回るガスもしくは溶媒を混合容器104の混合チャンバ118の中に導入することができる。これは、例えば、付加的材料を混合チャンバ118の中に導入し、混合、重合、または生産プロセスの他の側面を促進する、ならびに/もしくは使用の間に混合容器104を清浄することにおいて有用であり得る。
【0060】
例えば、
図1に示されるように、送達マニホールド114は、ガス(例えば、周囲空気、O
2、Ar、N
2、または他のガス)を混合容器の中に送達するための、導管114cと、ガスの送達を調整するための、導管114cに沿って位置付けられる、弁114dとを含むことができる。
図1に示されるように、ある場合には、導管114cは、システム100内での使用のためのガスの量を貯蔵する、1つまたはそれを上回るガス源122(例えば、ガスタンク)と流体連通することができる。ある場合には、不活性ガス(例えば、O
2、Ar、N
2、または湿気を伴わない空気)が、混合容器の中に送達されることができる。これは、例えば、システム100内での官能基および/またはポリマー鎖の酸化もしくは加水分解を排除または低減させることにおいて有益であり得る。
【0061】
さらに、
図1に示されるように、送達マニホールド114は、1つまたはそれを上回る溶媒(例えば、アセトン、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、ヘキサン、もしくは他の溶媒)を混合容器の中に送達するための、導管114eと、溶媒の送達を調整するための、導管114eに沿って位置付けられる、弁114fとを含むことができる。
図1に示されるように、ある場合には、導管114eは、システム100内での使用のための溶媒の量を貯蔵する、1つまたはそれを上回る溶媒源124(例えば、貯蔵タンク)と流体連通することができる。溶媒は、例えば、混合容器を洗浄する、またはシステム100を通して流動もしくは洗浄されているポリマー材料の少ない残留物および/または残留内容物を維持することを補助するために使用されることができる。
【0062】
送達マニホールド114はまた、混合容器104の混合チャンバ118からの物質を除去することができる。これは、例えば、混合チャンバ118から不要な物質(例えば、廃棄物、廃棄ガス等)を除去し、混合、重合、または生産プロセスの他の側面を促進する、ならびに/もしくは使用の間に混合容器104を清浄することにおいて有用であり得る。
【0063】
例えば、
図1に示されるように、送達マニホールド114は、混合容器104から廃棄物を除去するための、導管114gと、廃棄物の除去を調整するための、導管114gに沿って位置付けられる、弁114hとを含むことができる。導管114gは、廃棄物流と流体連通し、システム100および/またはシステム100を収容する設備からの除去を促進することができる。
【0064】
ある場合には、溶媒は、使用の間に混合チャンバ118を洗い流すために使用されることができる。例えば、混合物が、形成され、混合チャンバ118から分注された後、溶媒のある量が、導管114eを介して混合チャンバ118の中に導入され、混合物のいかなる残りも分解することもできる。溶媒および分解された混合物は、導管114gを通して除去され、処分されることができる。
【0065】
ある場合には、混合容器104は、静的構造を使用して、材料の混合を促進することができる。例えば、
図2A-2Dに示されるように、混合容器104は、材料が混合チャンバ118を通して流動するにつれて、それらを摂動させる、種々の静的構造202(例えば、壁またはバッフル)を混合チャンバ118内に含むことができる。ある場合には、静的構造は、材料が、混合チャンバ118の中に導入されるにつれて混合されるように、導管114aの流路に沿って、混合容器104の中に位置付けられることができる。ある場合には、静的構造は、材料が、混合チャンバ118から退出するにつれて混合されるように、混合チャンバ118の流路に沿って、導管114iに向かって位置付けられることができる。例示的静的構造202が、
図2A2-Dに示されるが、これらは、例証的目的のための単純化された実施例であることを理解されたい。他の静的構造202もまた、実装に応じて可能性として考えられる。
【0066】
ある場合には、混合容器104は、動的移動構造を使用して、材料の混合を促進することができる。例えば、
図2Eに示されるように、混合容器104は、混合チャンバ118内の材料を能動的に摂動させる、種々の動的移動構造204を混合チャンバ118内に含むことができる。例えば、混合容器104は、アクチュエータ208を介して混合要素206(例えば、ブレード、ロータ、バー等)を回転させる、1つまたはそれを上回る機械的に作動されるインペラもしくは撹拌器を含むことができる。同様に、例示的動的移動構造204が、
図2Bに示されるが、これらは、単純化された実施例であることを理解されたい。他の動的移動構造204もまた、実装に応じて可能性として考えられる。
【0067】
ある場合には、混合容器104は、混合チャンバ118内での材料の混合を促進するための、静的構造と、動的移動構造との両方を含むことができる。
【0068】
ある場合には、静的構造および/または動的移動構造は、混合容器104内の材料を撹拌する、ならびに/もしくはその中に乱流を導入することによって、混合するステップを促進することができる。ある場合には、これは、混合容器104を通した非層流をもたらすことができ、これは、材料が混合される程度を増加させることができる。
【0069】
ある場合には、静的構造202および/または動的移動構造204は、それらに粘着もしくは固着する材料の量を低減させる、材料の1つまたはそれを上回る層でコーティングされることができる。例えば、静的構造202および/または動的移動構造204は、混合チャンバ118の内部表面120に関して説明されるものに類似する材料でコーティングされることができる。これは、例えば、(例えば、生産工程間での廃棄物および/または非一貫した材料の混合につながり得る、構造に粘着される材料の量を低減させることによって)混合プロセスを改良すること、廃棄物を低減させること、結果として生じるポリマー物品の一貫性を向上させることにおいて有益であり得る。
【0070】
混合容器104内の混合条件は、精密に調整されることができる。例えば、ある場合には、混合容器104内の貯蔵温度は、温度制御アセンブリ130(例えば、冷却ユニットおよび/または加熱ユニット)を使用して調整されることができる。ある場合には、温度は、-40℃~400℃の範囲内に調整されることができる。別の実施例として、ある場合には、混合容器104内の圧力は、圧力制御システム132(例えば、混合チャンバ118内の圧力を調整する、真空アセンブリ、圧縮器アセンブリ、および/または弁アセンブリ)を使用して調整されることができる。ある場合には、温度は、周囲環境に対して約10kPa~500kPaの混合チャンバ内の圧力差を維持するように調整されることができる。
【0071】
混合容器104内の混合条件を調整することは、種々の利点をもたらすことができる。ある場合には、具体的な条件に従って混合された材料は、(例えば、混合物から沈殿する1つまたはそれを上回る材料を低減もしくは排除することによって)結果として生じるポリマー物品の一貫性を向上させることができる。故に、混合物は、より少ない変動または不均質性を有するポリマー物品を生産するために使用されることができる。別の実施例として、具体的な条件に従って混合された材料は、より容易に分注されることができる。例えば、混合物は、材料が、より迅速に、および/または高い圧力もしくは力を要求することなく混合容器104から分注されることを可能にする、特定の粘度または粘度の範囲を有することができる。ある場合には、混合物の重合率は、具体的な条件に従って材料を混合することによって制御されることができる。例えば、重合率は、これが過度に高くなる(例えば、鋳造する、パターン化する、硬化する、または混合物が過度に固化する前に混合物を下流で別様に処理するために不十分な時間を残す)、もしくは過度に低くなる(例えば、生産時間を増加させ、生産収率を減少させる)ことのないように制御されることができる。したがって、異なる製造工程を横断しても、予測可能かつ精密な物理的および/または光学性質を有する、ポリマー物品が、形成されることができる。
【0072】
ある場合には、送達マニホールド114はまた、混合物の表面にわたって低い圧力を作成し、混合物を分注するステップに先立って、混合物内に捕捉された空気またはガス気泡を除去することを促進するために使用されることができる。
【0073】
混合容器内で混合された材料は、濾過システム106に移送されることができる。例えば、
図1に示されるように、送達マニホールド114は、混合物を混合容器104から濾過システム106に送達するための、導管114iと、混合物の移送を調整するための、導管114iに沿って位置付けられる、弁114jとを含むことができる。
【0074】
濾過システム106は、混合物を濾過するように構成される。ある場合には、濾過システム106は、特定のサイズを超過している構造を混合物の中に収集する、濾過アセンブリ(例えば、グリッド状の開口を有する、グリッド構造)を含むことができる。例えば、ある場合には、濾過アセンブリは、寸法に沿って10μmまたはそれ未満、1μmまたはそれ未満、0.5μmまたはそれ未満、もしくは0.1μmまたはそれ未満の開口を有する、グリッド構造を含むことができる。混合物を濾過するステップは、(例えば、混合物から不均質性または異物を除去することによって)結果として生じるポリマー物品の一貫性を改良することができる。
【0075】
図1は、混合容器104と計測システム108との間に位置付けられる、濾過システム106を示すが、他の配列もまた、可能性として考えられる。例えば、濾過システム106は、リザーバ102のうちの1つまたはそれを上回るものと混合容器104との間に設置され、混合容器104の中への導入に先立って材料を混合することができる。同様に、濾過システム106は、システム100の任意のコンポーネント間に設置され、それらの間で移送されている物質を濾過することができる。さらに、また、単一の濾過システム106が、示されているが、実践では、システム100の種々の位置に位置付けられる、複数の濾過システム106が存在し、システム100の任意の点に沿って濾過し得る。
【0076】
濾過された材料が、計測システム108に移送されることができる。例えば、
図1に示されるように、送達マニホールド114は、混合物を濾過システム106から計測システム108に送達するための、導管114kと、混合物の移送を調整するための、導管114kに沿って位置付けられる、弁114lとを含むことができる。
【0077】
計測システム108は、混合物の所定の量を濾過システム106からコーティングシステム110および/または鋳造、パターン化、ならびに硬化システム112の中に分注するように構成される。ひいては、分注された混合物は、(例えば、コーティングシステム110を使用して)金型をコーティングする、および/または(例えば、鋳造、パターン化、ならびに硬化システム112を使用して)ポリマー物品を生産するために生産するために使用されることができる。ある場合には、計測システム108は、混合物の0.5ml~15mlの量を分注するように構成されることができる。実施例として、100mlの直径と、325μmの厚さとを有するポリマー接眼レンズを生産するために、混合物の約2.5mlが、分注されることができる。
【0078】
計測システム108は、圧力の印加を介して混合物の分注を精密に調整することができる。例えば、ある場合には、計測システム108は、ピペットベースのシステム、スロットダイシステム、ナイフエッジコーティングシステム、またはシリンジポンプシステムであることができる。
【0079】
実施例として、ピペットベースの計測システム108が、
図3Aに示される。計測システム108は、ピペット302と、プランジャ304とを含む。混合物の所定の体積が、給送ライン306を通して吸引される、または真空に引かれ、プランジャ304を使用してピペット302を通して押動され、それによって、混合物の精密な体積を分注することができる。プランジャ304の動作は、例えば、アクチュエータ308を使用して制御されることができる。
【0080】
別の実施例として、精密な体積を分注することに加えて、スロットダイシステムまたはナイフエッジシステムはさらに、所望される場合、流体を所望される湿潤厚に予め広げることができる。実施例として、スロットダイまたはナイフエッジ計測システム108が、
図3Bに示される。ここで、計測システム108は、原材料/メイン供給ユニット350と、中間供給ユニット352と、分注モジュール354と、制御ボックス356aおよび356bとを含む。原材料/メイン供給ユニット350、中間供給ユニット352、および分注モジュール354は、混合物のある体積が、それらの間で流動し得るように、相互に流体連通する。
【0081】
計測システム108のコンポーネント間での混合物の流動は、弁358および/または制御ボックス356aならびに356bによって制御される。例えば、弁358は、流体が弁358を通して流動する率を測定する、流動センサを含むことができる。さらに、弁は、開放または閉鎖し、測定値に応答して流率を調整することができる。加えて、制御ボックス356aおよび356bは、圧力ならびに/もしくは真空を選択的に印加し、混合物が計測システム108の特定のコンポーネント間で流動する率をさらに制御する。
【0082】
計測システム108の例示的使用では、原材料/メイン供給ユニット350は、混合物を受容し、混合物の一部を中間供給ユニット352の中に給送する。ひいては、中間供給ユニット352は、分注/コーティングのために、混合物の調整される量を分注モジュール354に給送する。分注モジュール354は、例えば、スロットダイ、ナイフエッジ、またはマイクログラビアシステムであることができる。
【0083】
コーティングシステム110は、混合物で金型をコーティングするように構成される。例えば、コーティングシステム110は、混合物のある量を金型上に分注し、混合物を金型を横断して広げることができる。実施例として、スロットダイコーティングシステムでは、混合物は、ダイが基板に対して移動される間、基板から離れるように具体的な距離(例えば、約50μm~5mm)を空けて、ダイを介して分注されることができる。混合物は、混合物が基板の範囲に沿って特定の厚さ(例えば、「湿潤」厚)を有するように堆積されることができる。例えば、湿潤厚は、約1μm~100であることができる。
【0084】
別の実施例として、ナイフエッジコータシステムでは、分注された混合物は、平坦、平滑、または面取りされた縁によって物理的に押動されることができ、混合物の湿潤厚は、基板の表面からのナイフエッジの距離によって統制される。
【0085】
別の実施例として、マイクログラビアタイプコータでは、混合物の具体的な量が、適用され、これが具体的な湿潤厚を有するコーティングを形成するように、ローラの表面に適用されることができる。ローラは、次いで、(例えば、ローラを基板の表面に直接接触させる、または1つまたはそれを上回る付加的ローラの使用等を通して間接的に接触させることによって)コーティングを基板の表面に移送するために使用される。
【0086】
実践では、他のコーティング技法もまた、実装に応じて使用されることができる。
【0087】
金型をコーティングすることは、種々の利点をもたらすことができる。例えば、コーティングは、硬化されていない多成分系材料を予め広げるために使用されることができ、(例えば、パドルタイプ分注プロセスの間の)気泡を捕捉するリスクを低減させることができる。ある場合には、金型をコーティングすることによって、混合物は、これが必要とされている金型の領域まで選択的に分散されることができる。例えば、ある場合には、金型のある領域(例えば、縁)が、(例えば、それらの領域においてパターン化するための、高密度またはより大きい特徴サイズに起因して)より多くの混合物を必要とし得る。スロットダイ、ナイフエッジ、またはマイクログラビアシステム等を使用して金型をコーティングすることは、製品が正しく形成され得るように、これらの領域への混合物の送達を促進させることができる。
【0088】
分注プロセスを調整することは、種々の利点をもたらすことができる。ある場合には、材料は、(例えば、過度に多くの材料が分注された場合)材料のより少ないものが、生産プロセスの間に廃棄されるように、より精密に分注されることができる。さらに、結果として生じるポリマー物品の一貫性が、向上されることができる(例えば、材料の一貫した量が、ポリマー物品毎に分注され、ポリマー物品間により少ない変動をもたらすため)。なおもさらに、本精密な調整は、極めて小さい、精密な特徴を伴うポリマー物品の成型を可能にすることができる。故に、結果として生じるポリマー物品は、予測可能かつ精密な物理的および/または光学性質を呈する。
【0089】
鋳造、パターン化、および硬化システム112は、混合物をポリマー物品に鋳造、パターン化、ならびに硬化させるように構成される。
図4に示されるように、鋳造、パターン化、および硬化システム112は、パターン化された金型402と、光源404とを含む。混合物のある量が、(例えば、計測システム108を使用して)金型402の中に分注され、続いて、(例えば、混合物を光硬化させるために好適な1つまたはそれを上回る波長の放射を生成し、光を金型402に向かって指向することによって)硬化される。これは、金型402内の混合物を硬化させ、金型402によって画定されるパターンを有する、ポリマー物品(例えば、ポリマー膜)をもたらす。硬化の後、ポリマー物品は、使用のために、金型402から抽出されることができる。
【0090】
ある場合には、2つまたはそれを上回る構成材料の混合(例えば、混合チャンバ118内の2つのモノマー前駆体の混合)に応じて、混合された材料は、重合し始め、混合された材料の粘度を経時的に増加させることができる。ある場合には、光硬化性の混合物は、それらが光に暴露されない場合でも重合し始めることができる。例えば、混合物は、ある物理的条件(例えば、40℃~400℃の温度、および周囲環境に対する約10kPa~500kPaの圧力差)下で、特定の量の光開始剤/増感剤(例えば、1~15重量%)と、阻害剤(例えば、1~15重量%)と、UV吸収体(例えば、1~15重量%)と、抗酸化剤(例えば、1~15重量%)とを含むことができ、これは、材料を経時的に重合させる。ある場合には、混合物は、0.2~1重量%の光開始剤/増感剤と、0.2~1重量%の阻害剤と、0.2~1重量%のUV吸収体と、0.2~1重量%の抗酸化剤とを含むことができる。
【0091】
ある場合には、混合物が、より容易に移送および/または操作され得るように、これが、依然として粘度が比較的に低い間に、これを分注することが、より好ましい。例えば、混合物が、比較的に低い粘度を有するとき、これは、より容易に送達マニホールド114を通して移送されることができる。別の実施例として、混合物が、比較的に低い粘度を有するとき、これは、より均一に金型をコーティングするために使用されることができる。別の実施例として、比較的に低い粘度を有する混合物が、硬化のために金型の中に設置されると、結果として生じる製品は、硬化の後、より物理的および/または化学的に一貫することができる。
【0092】
ある場合には、計測システム108は、混合物が、依然として、粘度が比較的に低い間、混合物を分注する(例えば、コーティングシステム110に分注し、金型をコーティング、および/または鋳造、パターン化、ならびに硬化システム112に分注し、硬化されたポリマー物品を生産する)ことができる。例えば、計測システム108は、粘度が、約1,000mPa.s(センチポアズ)またはそれ未満である間、混合物を分注することができる。
【0093】
制御モジュール116は、システム100の動作を制御するように構成される。例えば、制御モジュール116は、システム100のコンポーネント間への材料の移送を調整するように、(例えば、精密な時間において、弁114b、114d、114f、114h、114j、および114lのうちの1つまたはそれを上回るものを開放ならびに/もしくは閉鎖させることによって)送達マニホールド114を動作させるように構成されることができる。別の実施例として、制御モジュール116は、(例えば、リザーバ102、混合容器104等の中の温度および圧力を調整することによって)システム100のコンポーネント内の物理的条件を調整するように構成されることができる。別の実施例として、制御モジュール116は、(例えば、計測システム108によって混合物の分注を調整することによって、コーティングシステム110の動作を調整することによって、および/またはコーティングシステム110の光硬化動作を調整することによって)金型コーティングプロセスならびに鋳造、パターン化、および硬化プロセスを調整するように構成されることができる。
【0094】
ある場合には、制御モジュール116は、1つまたはそれを上回る流動センサによって取得される流動測定値に基づいて、システム100を通した材料の流動を調整することができる。例えば、システム100は、リザーバ102、混合容器104、濾過システム106、計測システム108、コーティングシステム110、および/または鋳造、パターン化、ならびに硬化システム112上もしくはその間に位置付けられる、1つまたはそれを上回る流動センサを含むことができる。各流動センサは、例えば、流動センサを通過して流動する材料の量、および/または材料が流動センサを通過して流動する率を測定することができる。これらの測定値に基づいて、制御モジュール116は、ステップの特定のシーケンスが、システム100内の材料に対して実施されるように、システム100のコンポーネントのそれぞれを選択的に動作させることができる。実施例として、制御モジュール116は、弁114bを開放させ、流動センサを使用してリザーバ102から混合容器104の中への材料の流動を追跡することができる。各材料の具体的な量が、混合容器104内に堆積された後、制御モジュール116は、弁114bを閉鎖させることができる。さらに、いったん弁114bが閉鎖されると、制御モジュール116は、弁114dを開放させ、混合容器104の中に不活性ガスを堆積させることができる。類似する様式で、制御モジュール116は、材料が各コンポーネントによって選択的に移動および処理されるように、混合容器104から濾過システム106の中、計測システム108の中、コーティングシステム110の中、および/または鋳造、パターン化、ならびに硬化システム112の中への材料の流動を追跡することができる。いくつかの実装では、制御モジュール116は、デジタル電子回路を使用して、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア、またはそれらのうちの1つまたはそれを上回るものの組み合わせにおいて実装されることができる。例えば、制御モジュール116は、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラム(例えば、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行のためにコンピュータ記憶媒体上にエンコードされる、もしくはその動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたはそれを上回るモジュール)を実行する、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサを使用して実装されることができる。
【0095】
さらに、制御モジュール116は、種々のセンサおよびフィードバック信号を使用し、システム100の各サブシステムを通した流動を正確に制御し、材料の所望される質量を分注することができる。例えば、設定された温度および圧力条件下で較正される流動制御を前提として、制御モジュール116は、材料の所与の量が、1つまたはそれを上回るリザーバ102を通して混合容器104の中に押動されるように、システム100を動作させることができる。さらに、制御モジュール116は、混合された材料が、濾過システム106の中に給送されるように、流体ラインを加圧することができる。(例えば、弁114lの上またはその近傍の)質量流動センサが、濾過システム106の中に通過する混合物の量を測定することができる。これらの測定値は、(例えば、フィードバック信号の形態で)制御モジュール116の閉ループコントローラの中にフィードバックされ、流体送達ラインの設定された動作圧力および温度を前提として、材料の流動の任意の変動を補正することができる。混合物が、基板上に分注されるにつれて、(例えば、それにわたって混合物が分注/コーティングされる基板に接続される)重量測定センサが、基板にわたって添加される材料の重量を記録するために使用されることができる。本情報はまた、調節が、必要に応じて行われ得るように(例えば、分注されるべき材料の所望される量と分注された材料の実際の量との間の変動を補正するために)、(例えば、フィードバック信号の形態で)制御モジュール116にフィードバックされることができる。さらに、これらのフィードバック信号は、タイムスタンプが付けられ、および/または記録され、例えば、各リザーバから混合チャンバへの、かつそれを通した最終分注サブシステムへの材料の個々の段階的もしくは順次の送達を推定することができる。
【0096】
ある場合には、制御モジュール116は、ユーザによって手動で制御されることができる。例えば、ある場合には、制御モジュール116は、(例えば、ユーザインターフェースから)ユーザコマンドを受信し、ユーザコマンドに従ってシステム100のコンポーネントのそれぞれを動作させるように構成されることができる。
【0097】
ある場合には、制御モジュール116は、システム100の動作の一部または全てを自動的に制御することができる。例えば、ある場合には、制御モジュール116は、人間の介入なく、自動的に材料を混合容器の中に分注する、材料を混合する、材料を濾過する、材料を金型上に分注する、金型をコーティングする、および/または材料を硬化させるように構成されることができる。ある場合には、制御モジュール116は、(例えば、ユーザによって)予めプログラムされ、ユーザの介入を使用して、動作の特定のシーケンスを実施することができる。
【0098】
ある場合には、制御モジュール116は、1つまたはそれを上回る動作を繰り返し、いくつかのポリマー物品(例えば、複数の同じポリマー物品)を生産することができる。ある場合には、制御モジュール116は、類似するが、同じではない様式で(例えば、異なる材料、異なる処理条件等を使用して)、1つまたはそれを上回る動作を繰り返し、いくつかの異なるポリマー物品を生産することができる。
【0099】
システム100は、ポリマー物品が、精密に調整される生産条件に従って生産されることを可能にする。例えば、ポリマー物品は、具体的な物理的条件下で貯蔵される、構成材料の具体的な量を使用して生産されることができる。さらに、構成材料は、精密に調整された様式で結合されることができる。本精密な調整は、混合物が、極めて小さい、精密な特徴を伴う精密な特徴を成型するために好適になるような条件下で、非常に均質な混合物の精密な体積を提供することができる。故に、本明細書に開示される実装は、予測可能かつ精密な物理的および/または光学性質を呈するポリマー物品を繰り返して形成するために使用されることができる。ある場合には、本様式で生産されたポリマー膜は、より予測可能かつ一貫した様式で光を回折させることができ、したがって、高分解能光学結像システムの使用のためにより好適であり得る。ある場合には、これらのポリマー膜を使用する光学結像システムは、そうでなければ他のポリマー膜で可能であり得るものより鮮明および/またはより高分解能の画像を生産することができる。また、開示されるシステムおよび技法を使用する、そのようなポリマー膜の生産は、従来の技法より少ない生産ラインの中断時間を伴う、より高い収率を提供することができる。
【0100】
例示的ポリマー物品500が、
図5に示される。本実施例では、ポリマー物品500は、VRまたはARシステム内での接眼レンズとしての使用のために好適な、モノリシックな光透過性フォトニック膜である。ポリマー物品500は、パターン化された第1の表面502と、平坦な第2の表面504とを含む。パターン化された第1の表面502は、突出部506と、陥凹部508とを有する。突出部506および陥凹部508は、寸法が均一である、または変動してもよい。突出部506は、ナノ構造、ミクロ構造、またはそれらの組み合わせである。ポリマー物品500は、10μm~1cmの範囲内の残留層厚rを有する。本明細書で使用されるように、「残留層厚」は、ポリマー物品の第1の表面とポリマー物品の第2の表面との間の最短距離を指す。
【0101】
図5Bは、別の例示的ポリマー物品550を描写する。ポリマー物品550もまた、VRまたはARシステム内での接眼レンズとしての使用のために好適な、モノリシックな光透過性フォトニック膜である。ポリマー物品550は、パターン化された第1の表面512と、パターン化された第2の表面514とを有する。パターン化された第1の表面512およびパターン化された第2の表面514は、突出部506と、陥凹部508とを有する。突出部506および陥凹部508は、寸法が均一である、または変動してもよい。突出部506は、ナノ構造、ミクロ構造、またはそれらの組み合わせである。ポリマー物品550は、10μm~1cmの範囲内の残留層厚rを有する。
【0102】
他の例示的ポリマー物品が、2017年5月8日に出願された、米国特許出願第62/502,973号に説明される。
【0103】
成型されたポリマー物品を作製する例示的プロセス600が、
図6に示される。ある場合には、プロセス600は、チオール-エン光学ポリマー膜を生産するために使用されることができる。プロセス600の実装は、例えば、
図1に関して示され、説明される、システム100を使用して実施されることができる。
【0104】
チオール-エンポリマーの第1の成分が、提供される(ステップ610)。第1の成分は、第1の重合性化合物(例えば、モノマー前駆体)を含むことができる。
【0105】
チオール-エンポリマーの第2の成分もまた、提供される(ステップ620)。第2の成分は、第2の重合性化合物(例えば、第1のモノマー前駆体と結合および/または光硬化されると重合する、別のモノマー前駆体)を含むことができる。
【0106】
混合物のバッチが、混合容器の中に形成される(ステップ630)。混合物は、第1および第2の成分の計測された量を含む。混合物は、混合物の粘度が、経時的に増加するように、混合物中の第1および第2の重合性化合物間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で形成される。実施例として、混合物は、
図1、2A、および2Bに関して示され、説明される、混合容器104を使用して形成されることができる。
【0107】
混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、混合物は、混合物から金型の中に分注される(ステップ640)。実施例として、混合物は、
図1および3に関して示され、説明される、計測システム108を使用して分注されることができる。
【0108】
金型の中の混合物が、硬化され、成型されたチオール-エンポリマー物品を提供する(ステップ650)。実施例として、混合物は、
図1および4に関して示され、説明される、鋳造、パターン化、ならびに硬化システム112を使用して硬化されることができる。
【0109】
ある場合には、混合容器は、混合物を分注した後、(例えば、溶媒で)洗浄され、混合物の残留物を除去することができる。
【0110】
ある場合には、混合物の第2のバッチが、形成されることができる。第2のバッチは、混合物の粘度が、経時的に増加するように、混合物中の第1および第2の重合性化合物の間での化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合容器内で、第1ならびに第2の成分の計測された量を含むことができる。混合物の粘度が、1,000mPa.s未満である間、混合物は、混合容器から金型の中に分注されることができる。混合物は、続いて、金型の中で硬化され、第2の成型されたチオール-エンポリマー物品を提供することができる。
【0111】
ある場合には、3つを上回る構成材料が、ポリマー物品を生産するために使用されることができる。例えば、チオール-エンポリマーの第3の成分が、提供されることができ、混合物は、混合容器の中で、第3の成分の計測された量を第1および第2の成分と合わせることによって形成されることができる。
【0112】
ある場合には、化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合物のバッチを形成するステップは、混合容器を-40℃~400℃の範囲内の温度に維持するステップを含むことができる。ある場合には、化学反応を引き起こすために十分な条件下で、混合物のバッチを形成するステップは、混合容器を約10kPa~500kPaの圧力差に維持するステップを含むことができる。
【0113】
ある場合には、混合物は、(例えば、コーティングシステム110を使用して)混合物で金型の少なくとも一部をコーティングすることによって分注されることができる。
【0114】
ある場合には、生産されたチオール-エンポリマーは、1.55またはそれを上回る屈折率を有することができ、種々の変動に敏感な用途において(例えば、光学結像システム内の接眼レンズの一部として)使用されることができる。
【0115】
本明細書は、多くの詳細を含有するが、これらは、請求されるものの範囲上の限定としてではなく、むしろ、特定の実施例に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書に別個の実装という文脈において説明されるある特徴はまた、組み合わせられることができる。逆に、単一の実装という文脈において説明される、種々の特徴もまた、複数の実施形態において、別個または任意の好適な部分的組み合わせで実装されることができる。さらに、種々の修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく成され得ることを理解されたい。故に、他の実装もまた、以下の請求項の範囲内にある。