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特許7267301立位及び座位の患者のための下部シェルフを備えたX線撮影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】立位及び座位の患者のための下部シェルフを備えたX線撮影システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/14 20060101AFI20230424BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230424BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
A61B6/14 311
A61B6/00 300X
A61B6/00 300D
A61B6/04 333
A61B6/04 335
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020555853
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019058904
(87)【国際公開番号】W WO2019197378
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】15/952,539
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509353665
【氏名又は名称】パロデックス グループ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】サミ バルティアイネン
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-525822(JP,A)
【文献】特開2016-010687(JP,A)
【文献】登録実用新案第3028330(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0104634(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立位位置にある患者及び座位位置にある患者の医療用撮影のためのX線歯科撮影システムであって、
カラム(14)と、
第1回転軸(A3)の周りで前記カラムに回転可能に連結され、前記第1回転軸に沿って垂直方向に調整可能な上部シェルフ(26)と、
前記第1回転軸から間隔をあけた第2回転軸(A4)の周りで前記上部シェルフに回転可能に連結された回転部分(30)と、
前記カラムから間隔をあけた椅子(66)と、
前記X線歯科撮影システムを制御する制御装置(54)であって、
第1の患者が前記椅子に座っているときは、前記上部シェルフの高さを前記第1回転軸に沿って垂直方向に調整し、前記上部シェルフを前記第1回転軸周りで回転調整し、前記回転部分を前記第2回転軸周りで回転調整して、前記回転部分を前記第1の患者の頭部周りの第1位置に位置決めし、
第2の患者が前記椅子から離れた位置で立っているときは、前記上部シェルフの高さを前記第1回転軸に沿って垂直方向に調整し、前記上部シェルフを前記第1回転軸周りで回転調整し、前記回転部分を前記第2回転軸周りで回転調整して、前記回転部分を前記第2の患者の頭部周りの、前記第1位置とは異なる第2位置に位置決めするように構成されている、制御装置(54)と、
を具備する、X線歯科撮影システム(10)
【請求項2】
前記回転部分はさらに、前記上部シェルフのレール(34)に沿って、前記上部シェルフに対して、直線的に移動可能である、請求項に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項3】
前記上部シェルフを回転するモータ(58)をさらに具備し、前記制御装置は、前記椅子と前記カラムとの間の距離を決定し、前記回転部分が前記第1位置にくるまで、前記上部シェルフを回転するよう前記モータに信号を送信するように構成されている、請求項に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項4】
前記椅子は、脚部(66A)と、前記脚部に連結された座席(66B)とを具備し、前記座席は、前記第1の患者の太ももを支持するための第1表面(66C)と前記第1の患者の腰部を支持するための第2表面(66D)とを有する、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項5】
フレーム(18)をさらに具備し、前記カラムの一部分は、前記フレームに堅固に固定され、前記椅子の一部分は、前記フレームに堅固に固定される、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項6】
前記椅子の少なくとも一部分は、上下移動するよう垂直に調整可能である、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項7】
前記椅子は、前記椅子と前記カラムとの間の距離を調整するために、レール(70)に沿って直線的に移動可能である、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項8】
第1端部と第2対向端部とを有する支持壁(118)をさらに具備し、前記カラムは、前記支持壁の前記第1端部から延び、前記椅子は、前記支持壁の前記第2対向端部から延びる、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項9】
前記支持壁は、アーチ形表面(118A)を含む、請求項に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項10】
前記回転部分は、X線源(38)と、検出装置(42)との両方を具備し、前記X線源と前記検出装置は、パノラマ撮影、コンピュータ断層撮影及び頭部計測撮影の少なくとも1つのデータを提供する、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項11】
ハウジングに連結された頭部計測アーム(74)と、前記回転部分の一側面に連結された頭部計測コリメーター(94)とをさらに具備し、前記X線源は第1X線源(38)であり、頭部計測撮影用の第2頭部計測アームに第2X線源(86)が連結される、請求項10に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項12】
前記上部シェルフは、前記カラムの長さに沿って直線的に調整可能である、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項13】
前記カラムと前記椅子との両方に連結されたフレーム(18)をさらに具備し、前記カラムは、前記フレームに堅固に固定され、前記回転部分は、X線源(38)と検出装置(42)との両方を具備し、前記X線源と前記検出装置は、パノラマ撮影、コンピュータ断層撮影及び頭部計測撮影の少なくとも1つのデータを提供し、前記椅子は、前記カラムから間隔をあけて前記フレームに堅固に固定される、請求項1に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項14】
前記X線歯科撮影システムは、少なくとも1つの同一撮影モードが、前記第1位置及び前記第2位置の各々で使用されるように構成され、同一の撮影が、前記第1又は第2の患者に対し、前記第1又は第2の患者の座位又は立位の状態に関わらず行われるように構成されている、請求項に記載のX線歯科撮影システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの同一撮影モードは、パノラマ撮影モードとコンピュータ断層撮影モードとを含む、請求項14に記載のX線歯科撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、X線撮影システムに関し、より詳細には、医療用X線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療(歯科等の)分野のX線撮影において、患者は、解剖学的特徴又は対象とする解剖学的構造の画像が得られるよう、X線撮影装置に対する位置を決めることが求められる。患者の位置設定が適切でないと、結果得られる画像には、対象とする解剖学的構造が映らない場合がある。患者の動作によっても、このような問題が生じ得る。患者の動作で、人為的な不具合が起こる場合もある。いくつかの例において、患者の頭部又は歯の画像を所望する場合等で、患者は立位が好ましい。しかしながら、いくつかの例において、撮影作業中に座位の姿勢を好む患者がおり、及び/又はオペレータは、撮影作業中患者に座位を求める場合がある。例として、撮影に時間がかかるほど、患者を座位にすると静止状態に保つことが容易になる。このため、オペレータは、特定の撮影作業中、患者に座位を求める場合がある。他の例においては、患者が神経疾患又は損傷を抱える場合等で、立位がとれないことがある。実施形態はとりわけ、患者を立位及び座位両方の状態で収容する撮影システムを提供する。
【発明の概要】
【0003】
1つの態様において、実施形態は、医療用撮影のためのX線歯科撮影システムを提供する。X線撮影システムは、カラムと、カラムに回転可能に連結された上部シェルフと、上部シェルフに回転可能に連結された回転部分と、カラムから間隔をあけた椅子と、を具備する。
【0004】
別の態様において、実施形態は、医療用撮影のためのX線歯科撮影システムを提供する。X線撮影システムは、カラムと、カラムに連結されたハウジングと、カラムとハウジングの少なくとも1つに移動可能に連結された下部シェルフと、を具備する。
【0005】
X線撮影システムの他の特徴や態様は、以下の詳細な説明や添付図面を考慮することで、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】患者が座位状態の、1つの実施形態に係るX線歯科撮影システムの斜視図である。
図2図1のX線歯科撮影システムの第2斜視図である。
図3】患者が立位状態の、図1のX線歯科撮影システムの斜視図である。
図4図3のX線歯科撮影システムの第2斜視図である。
図5】頭部計測アームが追加された、図3のX線歯科撮影システムの斜視図である。
図6】別の実施形態に係るX線歯科撮影システムの正面図である。
図7図6のX線歯科撮影システムの側面図である。
図8図6のX線歯科撮影システムの上面図である。
図9】立位状態の患者を収容した、さらに別の実施形態に係るX線歯科撮影システムの側面図である。
図10図9のX線歯科撮影システムの斜視図である。
図11図9のX線歯科撮影システムの部分斜視図である。
図12】座位状態の患者を収容した、図9のX線歯科撮影システムの正面図である。
図13図12のX線歯科撮影システムの斜視図である。
図14図12のX線歯科撮影システムの部分後面斜視図である。
図15】固定下部シェルフと頭部支持体を示す、請求項12のX線歯科撮影システムの斜視図である。
図16】水平及び垂直の両方向に回転する下部シェルフを示す、請求項12のX線歯科撮影システムの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いかなる実施形態を詳細に説明する前に、そのような実施形態は、出願において、以下の実施形態に記載され、以下の図面に示された構成及び要素の配列の詳細に限定されないことを理解されたい。他の実施形態の採用は可能であり、実施形態は、様々な方法で実践又は実行可能である。本明細書で使用する言い回しや専門用語は、説明目的であって、意味を限定するものとはみなされないことも理解されたい。
【0008】
X線歯科撮影システム10を図1及び図2に示す。撮影システム10は、フレーム18に連結された(堅固に固定された等の)カラム14を具備する。フレーム18は、床板に設置又は固定されて、床板部分として一体化されて、(床板に接触させない等で)壁に設置又は固定されて、又は床部分として一体化される等、測定室内部の様々な場所に位置決めされ得る。フレーム18は、様々に異なる形態・形状をとる場合がある。例えば、フレーム18は、床板上に設置する一般的に平らな構造を有し、一般的に伸長した垂直構造を有し、円形、四角、又は別の形状であって、及び/又はカラム14の下部と一体的に形成される場合がある。フレーム18は、X線撮影システム10全体を支持し得る。図1及び図2の実施形態において、カラム14は、矢印A1に示す通り、縦方向にフレーム18から垂直上方にかつそれを横断して延びる。その代わりとして、カラム14は、フレーム18から異なる方向に延びる記載以外の場合がある。カラム14は、(互いに対して垂直に収縮する2つ以上の要素を含む場合がある等の)伸縮配列により伸縮可能であり得、縦方向A1に延伸し、A1方向と反対方向に沿って収縮して、撮影システム10の全高を変更する。
【0009】
図1及び図2に示す通り、X線撮影システム10は、カラム14に(取り付けられた等の)連結された(中空ボックス又はエンクロジャー等の)ハウジング22をさらに具備する。カラム14は、ハウジング22を通過して延在し得る。ハウジング22は、カラム14に対して上下垂直に摺動し、又はカラム14の上端部に(取り付け等の)固定されて、延伸・収縮するカラム14とともに移動する場合がある。ハウジング22は、以下でより詳細に記載する通り、様々な電気部品を含む又は格納し得る。
【0010】
図1及び図2を引き続き参照すると、X線撮影システムは、カラム14及び/又はハウジング22に連結された(アーム又は上部支持部材等の)上部シェルフ26を、一般的にハウジング22の上端部でさらに具備する。上部シェルフ26は、カラム14の縦方向A1を横断する、矢印A2で示す縦方向に沿って配向されて、少なくとも1つの方向に遠位端26Aで張り出し部を形成する、ハウジング22の先にある縦方向A2に沿って長さを有する。上部シェルフ26の(遠位端26Aに対向する)近位端26Bは、第1軸A3の周りでカラム14に回転可能に連結されて、上部シェルフ26が、第1回転方向R1(及び/又は第1回転方向R1の反対方向)に第1軸A3の周りで、カラム14の周りを回転可能である。例えば、上部シェルフ26は、対象物の周りの第1位置から対象物の周りの第2位置までの間の第1軸A3の周りで、最大400度(又は他の値や範囲)で回転する場合がある。モータを上部シェルフ26に設置、又はカラム14に設置し得、上部シェルフ26を回転させる。上部シェルフ26は、(スクリュー軸等により軌道に沿って垂直に摺動する等、)近位端26Bでカラム14に対して垂直に(モータ等により)移動される場合がある。
【0011】
図1及び図2を引き続き参照すると、(アーム又はガントリーアーム等の)回転部分30は、上部シェルフ26に連結される。図1及び図2に示す通り、回転部分30は、患者の頭部等の対象物に適合しその周りを回転するような大きさのC字形ガントリーアームであり得る。その代わりとして、回転部分30は、U字形又は、記載以外のその他形状や大きさを有する場合がある。回転部分30は、第1軸A3から間隔をあけたかつそれに平行な第2軸A4の周りで、上部シェルフ26に回転可能に取り付けられる。回転部分30は、第2回転方向R2(及び/又は第2回転方向R2の反対方向)に回転する。例えば、回転部分30は、第2軸A4の周りで、最大400度(又は他の値や範囲)で回転する場合がある。回転部分30は、患者の頭部等の対象物の周りで、全体を回転可能である。回転部分30及び/又は上部シェルフ26は、モータ駆動の軌道又はレールシステム34等の1つ以上のアクチュエータを具備し、回転部分30を上部シェルフ26に対して(方向A2に沿って等の)直線運動させる。回転部分30は、C字形アームの1端部でX線源38(図2)を、対向端部で検出装置42(図1)を支持する。X線源38は、X線ビームを発生させ、検出装置42は、X線ビームを検出する。X線源38と検出装置42は、互いに対向して位置決めされて、(子供や成人等の)患者の頭部をその間に配置可能で、パノラマ撮影、コンピュータ断層撮影又は頭部計測撮影等を実施(そのデータの提供等が)する。図2に示す通り、ビーム制限装置44は、X線源38に取り付けられ得、X線源38から照射されるX線ビームの幅や高さを制御する。ビーム制限装置44は、図2の矢印で示す通り、様々な方向に(モータ等により)調整可能である。
【0012】
X線源38は、少なくとも2つの撮影モード(パノラマ撮影とコンピュータ断層撮影等)用に一般的であり得る。検出装置42は、撮影される画像の型により、位置決めされ互いに対して移動可能であり得る1つ以上のX線検出器を具備する場合がある。例えば、米国特許出願第2015/0374320は、この出願のすべての内容が本明細書に引用されることで組み込まれが、様々な型の撮影に使用するX線検出器227a、227bの実施例の他に、撮影される画像の型に基づいて検出器が位置決めされる方法も記載する。さらに、検出装置42全体(又はその中の1つ以上のX線検出器)は、回転部分30の残部に対して検出装置42を回転し、又は回転部分30の残部に対して検出装置42を直線的に移動すること等により)、調整可能な場合がある。1つ以上のモータを設置して、検出装置42及び/又はそのX線検出器の移動を調整可能にする。
【0013】
図1及び図2を参照すると、(アーム等の)下部シェルフ46は、ハウジング22に連結される。下部シェルフ46は、ハウジング22に回転可能に連結され得る。例えば、図1に記載の通り、下部シェルフ46は、一般的にA1方向に平行な垂直軸の周りで、第3回転方向R3(及び/又は第3回転方向R3の反対方向)にハウジング22に対して水平に(旋回等の)回転する場合がある。
【0014】
下部シェルフ46は、カラム14の近位端46Bから遠位端46Aまで延びるアームを具備するフレーム部材であり得る。下部シェルフ46は、カラム14の縦方向A1を横断する、一般的に図1及び図2の矢印A5で示す縦方向に延びる場合がある。下部シェルフ46は、ハウジング22に対して回転可能で、ハウジング22とともに(上下垂直等に)カラム14の長さに沿って移動する場合がある。下部シェルフ46は、立位及び座位等の患者に対応する様々な高さと位置で患者を収容する場合がある。
【0015】
図3~5を参照すると、下部シェルフ46は、下部シェルフ46の遠位端46Aに連結された頭部支持体50(支持フレーム等)を具備する場合がある。頭部支持体50は、患者の下あごを支持するように形成された下あご固定具を具備する非平面フレーム構造体であり得る。下部シェルフ46は、遠位端46Aと近位端46Bとの間に凹凸部を有する、非直線の場合があるが、代わりとして、下部シェルフ46は、遠位端46Aと近位端46Bとの間で完全に直線的に延び、又は(図5に記載のより弓状のもの等の)記載以外の形状や大きさを有する場合がある。図1~5に示す通り、ハンドル64は、下部シェルフ46に連結され得る。ハンドル64は、ユーザー(すなわち、オペレータや患者)がハウジング22に対して下部シェルフ46を手動で回転するための握り等となる。下部シェルフ46が特定の位置に繋止される場合、ハンドル64は、患者が下部シェルフ46に対してバランスをとる手すりとなる。他の実施形態において、ハンドル64は設置されず、又は記載以外の異なる形状又は大きさを有する。いくつかの実施形態において、下部シェルフ46と頭部支持体50は、患者がカラム14に対向するように配列される場合がある。いくつかの実施形態において、下部シェルフ46は、いかなる端部においてもカラム14に固定されず、又はカラム14に延びる部分を有することなく、カラム14に対して(垂直及び/又は水平等に)移動可能であり得る。
【0016】
図1~5は、ハウジング22に回転可能に連結された下部シェルフ46を示しているが、その代わりに、下部シェルフ46は、カラム14に直接回転可能に連結されてよい。例えば、カラム14は、円柱状(すなわち、円形の断面形状を有する)であり得、下部シェルフ46は、カラム14周りで延びるカラー又は他の構造体を具備する場合があり、下部シェルフ46がカラム14周りで直接(揺動等の)回転可能である。
【0017】
下部シェルフ46は、上部シェルフ26と同様に、モータ(表示なし)により自動回転し得、又はそうでなければ手動回転される場合がある。ハウジング22と、カラム14及び/又は下部シェルフ46は、1つ以上の軸受面が与えられる場合があり、下部シェルフ46を回転運動させる。さらに、下部シェルフ46は、物理的な繋止接触面(ピンや開口の配置等)、戻り止め構造体、動力伝達装置内の摩擦(下部シェルフ46がモータにより回転可能である場合等)、又は他の機構により、様々な回転位置で繋止可能な場合がある。
【0018】
図1~5を引き続き参照すると、X線撮影システム10は、椅子66を具備する。椅子66は、ある距離(固定距離又は可変距離等)でカラム14から間隔をあける場合がある。椅子66は、例えば、フレーム18に連結(堅固に固定、又は部分として一体的に形成等)された脚部66Aと、患者に座位面を提供する、脚部66Aに連結された座席66Bとを具備する。図1及び図2に示す通り、座席66Bは、患者の太ももを支持するための下部第1面66Cと、患者の腰部を支持するための上部第2面66Dとを具備する。脚部66Aは、第1面66Cの高さを調整(上下させる等)して様々な身長の患者を収容するため、フレーム18に対して調整可能な場合がある。さらに、椅子66の少なくとも一部分は、フレーム18に対して回転調整可能(方向A1に平行に延びる軸の周りで回転可能等)な場合がある。椅子66は、90度、180度又は他の様々な角度や範囲等で回転し、異なるX線撮影で患者を収容し得る。さらに、椅子66は、X線源38を使用する場合に所望でない回転を防ぐため、様々な高さや回転角度で繋止可能な場合がある。椅子66の少なくとも一部分(座席66B等)は、直立座位の椅子66として示しているが、それ以外では、X線撮影を行うのに適切な角度を提供するため、ある角度で(患者又はオペレータによる調整等で)余裕を持たせて後ろにもたれる状態でもよい。他の実施形態は、クッション材、詰め物、腰部や脚の支持体等を備えた椅子を含む、他の様々な椅子66を含む。
【0019】
図2に示す通り、椅子66は、フレーム18に対して移動し得る。例えば、椅子66は、フレーム18上又は内に位置決めされたレール70に沿って移動してよい。レール70に沿って移動すると、椅子66の座席66Bは、カラム14から近位又は遠位に移動する。したがって、回転部分30は、椅子66をフレーム18に対して移動、回転部分30を上部シェルフ26に対して移動、又はその2つの組み合わせのいずれかにより、患者の頭部の周りに位置決め可能である。
【0020】
図1を参照すると、システム10は、制御装置54(マイクロプロセッサ、メモリ、及び関連部品等)を具備又は格納し得る。制御装置54は、X線撮影システム10の様々な態様を制御するようにプログラムされている。例えば、制御装置54は、入力装置278(図9)によりオペレータ入力を受信し、X線源38により出力を作成し、モータ又は類似装置に上部シェルフ26及び/又は下部シェルフ46を第1回転軸A3の周りで回転させ、回転部分30を第2回転軸A4の周りで回転するようにプログラム可能である。制御装置54は、モータ58に信号を送信し、回転部分30が患者の頭部の周りに位置決めされるまで、上部シェルフ26を回転する。患者が座位の場合、制御装置54は、(センサから等の)入力を使用して、椅子66とカラム14との間の距離を決定し、回転部分30の所望の位置を近似又は決定することができる。制御装置54は、モータ58を作動して、回転部分30を上部シェルフ26に沿って移動させ、上部シェルフ26及び/又はハウジング22をカラム14に沿って移動させ、及び/又は下部シェルフ46をハウジング22に対して回転することもできる。
【0021】
図5を参照すると、X線撮影システム10は、ハウジング22又はカラム14に連結(ハウジング22又はカラム14に回転可能に連結又は固定等)された近位端78を有する頭部計測アーム74を具備し得る。頭部計測アーム74は、頭部計測撮影で使用する第2X線源86を有する遠位端82と、第2X線源86に連結された第2ビーム制限装置90とを具備する。図5に示す通り、回転部分30は、(第1X線源38の側面に位置決めされた)コリメーター94を具備し得る。第2X線源86は、第3軸A6の周りに回転されて、頭部計測用に走査する場合がある。第3軸A6は、第1軸A3と第2軸A4に平行な垂直軸でよい。第2ビーム制限装置90は、走査を容易にするため、第2X線源86に対して、追加で又は代わりとして移動される(図2のビーム制限装置44と同様、直線的に移動される等)場合がある。図5に示す通り、頭部計測撮影中に、頭部計測アーム74は、回転又はそうでなければ、第2X線源86が、回転部分30の検出装置42に向けてX線ビームを照射し得る位置まで移動される。米国特許出願第2015/0374320は、この出願のすべての内容が本明細書に引用されることで組み込まれるが、カラム14に連結されて、撮影システム10(段落[0011]、[0079]、[0082]と図1a~b及び図2a~d等を参照)にて使用され得る、頭部計測アーム160、260、261のさらなる実施例を開示する。いくつかの実施例において、頭部計測撮影は、第3患者位置決め位置を有し、米国特許出願第2015/0374320のアーム260等の第2頭部計測アームを必要とする。
【0022】
図1及び図2を参照すると、X線撮影システム10は、患者が座位位置の場合に、使用可能である。椅子66の座位位置のオペレータ(技師等)又は制御装置54は、椅子66の高さやカラム14に対する椅子66の間隔を調整可能である。これらの調整は、患者が椅子66に座る前に行い得る。椅子66の位置が設定されると、上部シェルフ26と下部シェルフ46と回転部分30は、椅子66とカラム14との間の空間関係に基づいて、所望の対象物の周り(患者の頭部の周り等)に適合するように自動で回転・移動可能である。代わりとして、オペレータは、上部シェルフ26と下部シェルフ46と回転部分30の位置を手動で調整する場合がある。この手動調整は、様々な部品を物理的に回転・移動し、及び/又は制御装置54とモータ(モータ58を含む)を具備する電気機械システムに入力することを含む場合がある。患者の頭部が回転部分30内に適切に位置決めされると、オペレータは、X線源38を作動して、X線を発生することができる。下部シェルフ46(また特に、頭部支持体50)は、支持構造体として患者の頭部に接しながら回転し、X線画像が撮影される時に頭部の位置を維持し得る。
【0023】
図3及び図4は、患者が立位位置にある時に位置決めされる(又はそうでなければ使用調整される)X線撮影システム10を示す。患者を(椅子66から離れた位置で)撮影作業中、立位状態にさせることが所望である場合、オペレータ又は制御装置54は、カラム14の全体高さを(伸縮等で)調整し、回転部分30の高さを調整することで、撮影システム10の高さを調整する。回転部分30は、対象物(患者の頭部等)が回転部分30と検出装置42に一直線に適切に並ぶような適当な高さである場合、下部シェルフ46は、患者の下あごを頭部支持体50に載せるように位置決めされる。患者が座位位置にある場合と同様に、上部シェルフ26と下部シェルフ46を回転・移動すると、自動又は手動で適当な位置に作動する。患者の頭部が回転部分30内に適切に位置決めされると、オペレータは、X線源38を作動して、検出装置42に向けてX線を発生させることができる。このように、回転部分30は、患者が立位又は座位の状態に関わらず、患者を収容するように調整可能である。
【0024】
X線撮影システム10は、パノラマ撮影モード、コンピュータ断層撮影モード、及び頭部計測撮影モードの1つ、複数又はすべてにおいて機能するようにプログラム可能である。パノラマ撮影モードは、パノラマX線撮影法としても知られており、歯、上下あご、周辺構造と組織を含む、1枚の2次元画像に口全体を映す歯科撮影モードである。回転部分30は、パノラマ撮影モードで使用する場合、曲線状のあご構造体の平らな2次元画像を生成する特定の経路に沿って、X線源38と検出装置42を移動する。コンピュータ断層撮影モードは、CTスキャンとしても知られており、異なる角度で行うX線測定を利用し、走査対象物の特定領域の断面又は断層撮影の画像を作成する。X線撮影システム10がコンピュータ断層撮影モードの場合、回転部分30は、対象物の周りを回転し(すなわち、患者の頭部を少なくとも180度等で)、異なる角度から複数の画像を撮影し得る。このような画像を再構成して、3次元画像を作成する。頭部計測撮影モードは、患者頭部の側面等のX線画像を作成し、歯系組織のみならず周辺組織や鼻腔を表示する。回転部分30(又は他の頭部計測アーム)は、頭部計測撮影モードで使用する場合、対象物に対して位置決めされて、X線撮影を行う。いくつかの実施形態において、(検出器が、1回の頭部計測撮影に十分な大きさである場合等)回転部分30と患者の両方を固定する。X線撮影システム20は、同一の撮影モードが、患者が立位又は座位の状態に関わらず、使用され得るように構成される。このように、パノラマ撮影モード、コンピュータ断層撮影モード、及び/又は頭部計測撮影モードは、患者が立位又は座位の状態に関わらず、使用され得る。
【0025】
図6~8は、X線撮影システム110の形態とする、他の実施形態を示す。図5~7記載の実施形態は、図1~5に関して記載の実施形態と特定の類似性を併せ持つ。同一又は類似の構成要素は、既出要素の参照番号に100を加えた類似の参照番号で分類する。X線源138と検出装置142の機能は、図1~5に関して記載の構成要素に類似する。撮影システム110において、壁板フレーム118は、支持壁又は壁板である。壁板フレーム118は、図1~5記載のフレーム18に代わる又は追加で使用する。図8記載の実施例において、壁板フレーム118は、カラム114と椅子166の周りで少なくとも部分的に延びるアーチ形表面118Aを有する曲線状の壁板であって、カラム114は、壁板フレーム118の第1端部から延び、椅子166は、壁板フレーム118の第2対向端部から延びる。図7に示す通り、カラム114は、L字形であって、床上の高さで壁板フレーム118に取り付けられた第1部分114Aと、90度で第1部分114Aから上方に(すなわち、床から離れて)延びる第2部分114Bとを具備する。ハウジング122と、上部シェルフ126及び下部シェルフ146は、図1~5記載のハウジング22と、シェルフ26、46との取付け配置に類似の方法で設置される。
【0026】
椅子166は同様に、壁板フレーム118に連結(取付け等)される。椅子166の脚部166Aは、L字形であって、床上の高さで壁板フレーム118に取り付けられた第1部分166Eと、90度で第1部分166Eから上方に延びる第2部分166Fとを具備し、座席166Bまでがその範囲となる。
【0027】
図9~16は、X線撮影システム、つまりX線撮影システム210のさらに別の実施形態を示す。類似の構成要素は、図1~5記載の実施形態の参照番号に200を加えた類似の参照番号で分類する。図9~14、及び図16に示す通り、X線撮影システム210は、ハウジング222に連結(ハウジング222に回転可能に連結又は固定等)可能な下部シェルフ246を具備する。図9に示す通り、下部シェルフ246の近位端246Bは、ハウジング222から下部シェルフ246の遠位端246Aまで延びる。遠位端246Aで、下部シェルフ246は、ハンドル264の下方まで、頭部支持体250(非平面頭部支持要素等)の上方まで延びる。ハンドル264は、患者用の個々の手すりとして機能する、少なくとも1つの垂直に延びるロッド264A及び/又は水平ロッド264Bを具備する。頭部支持体250は、患者頭部の側面に対応するように一般的に曲線状である。図9~11に記載の通り、患者は、例えば、あごを頭部支持体250の下あご固定具250A上に、額を頭部支持体250の上部分250B(ヘッドレスト等)に対して置き、立位の状態で患者の頭部の位置を保持し得る。他の実施形態は、ハンドル264及び/又は頭部支持体250の他の様々な構成を含む。例えば、図16に記載の通り、いくつかの実施形態において、ハンドル264の一部分は、下部シェルフ246の遠位端の上下両方向に延在し得る。
【0028】
図12~14を参照すると、下部シェルフ246は、椅子266に座位の患者の後方の周りを回転可能である。頭部支持体250は、後方頭部支持体として座位位置で機能する一方、患者頭部の後部(頭頂骨又は後頭骨等)を頭部支持体250の上部分250Bに対して置き、座位の状態で患者の頭部の位置を保持し得る。下部シェルフ246は、手動又は自動のいずれかで回転可能及び/又は移動可能で、患者を多くの異なる位置に(カラム214の周りの様々な位置で立位及び座位の状態等で)収容し得る。
【0029】
図12を参照すると、下部シェルフ246は、第2シェルフ構造体252(アーム等)を具備し得る。第2シェルフ構造体252は、例えば、上下シェルフ226、246に平行に延び、それに取り付けられた電子入力装置278を具備するアームである場合がある。電子入力装置278は、タッチスクリーン、マウス、キーパッド等の入力装置を備えたタブレット又はコンピュータであり得る。電子入力装置278は、第2シェルフ構造体252に固定、又は撮影システム210の残部とのワイヤレス通信用に取外し可能である。電子入力装置278は、制御装置(図1の制御装置54のような制御装置等)と通信し、又はそうでなければ制御装置の代わりとして使用され得る。電子入力装置278により、オペレータは、X線撮影システム210に所望の変更、例えば、カラム214を延伸又は収縮させ、上下シェルフ226、246の1つを回転し、回転部分230を回転又は移動し、椅子266をカラム214に対して移動し、又は椅子266の高さを調整することを入力できる。さらに、オペレータは、X線源238の作動や設定(強度、焦点等)を制御可能で、X線撮影システム210に複数のX線撮影源が備われば、様々な線源間で調整が可能である。さらに、電子入力装置278は、オペレータに、X線源238の設定の状況を示す数値又は走査結果等を出力し得る。いくつかの実施形態において、電子入力装置278は、撮影モードと撮影パラメーターの選択を可能にする。
【0030】
図15を参照すると、回転可能な下部シェルフ246を具備しない代わりとして、下部シェルフ246は、ハウジング222に回転可能に固定され得る。さらに、記載の下部シェルフ246がハウジング222に連結されて記載される一方で、下部シェルフ246は、その代わりとして、カラム214に直接連結(回転可能に連結又は固定等)され得る。
【0031】
図16を参照すると、下部シェルフ246は追加で又は代わりとして、垂直に回転(旋回等)して、下部シェルフ46が(下部シェルフ246上で丁番又は継手等により)使用しない場合、下部シェルフ46を上にあげて、ハウジング22近傍に収納し得る。このように、下部シェルフ246の少なくとも一部分は、第3回転方向R3の周り(水平回転等)のみならず、第4回転方向R4の周り(垂直回転等)で回転し得る。第3回転方向R3及び/又は第4回転方向R4を使用すると、測定室内部の無駄なスペースを省き、下部シェルフ246を使用しない間はオペレータや患者にとって、より広いスペース(オペレータや装置の移動のため)が生まれる。
【0032】
本明細書記載のX線撮影システム10、110及び210の態様は、互いに併用してかつ様々な組み合わせで使用され得る。例えば、X線撮影システム10及び210は、撮影システム110で記載したものと類似の、フレーム118を具備する場合がある。X線撮影システム10及び110は、撮影システム210で記載したものと類似の、下部シェルフ246及び/又は頭部支持体250を具備する場合がある。X線撮影システム110及び210は、撮影システム10で記載したものと類似の、頭部計測アーム74を具備する場合がある。X線撮影システム10及び110は、図15と同様に固定下部シェルフ246、又は図16と同様にカラムに対して旋回・回転し得る下部シェルフ246を具備する場合がある。
【0033】
図1~16を参照すると、本明細書記載のX線撮影システムは、患者が座位又は立位の場合、コンピュータ断層撮影、パノラマ撮影、及び頭部計測撮影の少なくとも1つを実行するように使用され得る。例えば、図1を参照すると、コンピュータ断層撮影画像を得るため、患者は、椅子66に座り得る。コンピュータ断層撮影画像を得るため、第1X線源38を作動させて、ビーム制限装置44により形作られ、検出装置42に送信されるX線ビームを照射し得る。回転部分30は、患者の頭部の周りを回転し(少なくとも180度等)、異なる角度から複数の画像をとる場合がある。図3及び図4を参照すると、パノラマ画像を得るため、患者は立位であってよい。第1X線源38は、再度作動して、ビーム制限装置44により形作られ、検出装置42に送信されるX線ビームを照射し得る。回転部分30は、曲線状のあご構造体の平らな2次元画像を生成する特定の経路に沿って、X線源38と検出装置42を移動する場合がある。図5を参照すると、頭部計測画像を得るため、患者は再度、(異なる位置等で)立位であり得る。第2X線源86は、作動して、第2ビーム制限装置90により形作られ、コリメーター94と検出装置42に送信されるX線ビームを照射し得る。
【0034】
様々な特徴、態様、及び実施形態を、特許請求の範囲に記載する。
[構成1]
医療用撮影のためのX線歯科撮影システムであって、
カラムと、
前記カラムに連結された上部シェルフと、
前記上部シェルフに回転可能に連結された回転部分と、
前記カラムから間隔をあけた椅子と、を具備する、X線歯科撮影システム。
[構成2]
前記上部シェルフは、第1回転軸の周りで前記カラムに回転可能に連結されて、前記回転部分を、対象物の周りの少なくとも第1位置と前記対象物の周りの少なくとも第2位置とに位置決めする、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成3]
前記回転部分は、患者が前記椅子に座っているときの前記第1位置から前記患者が前記椅子から間隔をあけた位置に立っているときの前記第2位置まで調整可能である、構成2に記載のX線歯科撮影システム。
[構成4]
前記回転部分は、前記上部シェルフのレールに沿って、前記上部シェルフに対して、直線的に移動可能である、構成3に記載のX線歯科撮影システム。
[構成5]
前記上部シェルフを回転するモータと、制御装置とをさらに具備し、前記制御装置は、前記椅子と前記カラムとの間の距離を決定し、前記回転部分が前記第1位置にくるまで、前記上部シェルフを回転するよう前記モータに信号を送信するように構成されている、構成3に記載のX線歯科撮影システム。
[構成6]
前記回転部分は、前記第1回転軸から間隔をあけた第2回転軸の周りで、前記上部シェルフに回転可能に連結される、構成2に記載のX線歯科撮影システム。
[構成7]
前記椅子は、脚部と、前記脚部に連結された座席とを具備し、前記座席は、患者の太ももを支持するための第1表面と前記患者の腰部を支持するための第2表面とを有する、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成8]
フレームをさらに具備し、前記カラムの一部分は、前記フレームに堅固に固定され、前記椅子の一部分は、前記フレームに堅固に固定される、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成9]
前記椅子の少なくとも一部分は、上下移動するよう垂直に調整可能である、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成10]
前記椅子は、前記椅子と前記カラムとの間の距離を調整するために、レールに沿って直線的に移動可能である、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成11]
第1端部と第2対向端部とを有する支持壁をさらに具備し、前記カラムは、前記支持壁の前記第1端部から延び、前記椅子は、前記支持壁の前記第2対向端部から延びる、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成12]
前記支持壁は、アーチ形表面を含む、構成11に記載のX線歯科撮影システム。
[構成13]
前記回転部分は、X線源と、検出装置との両方を具備し、前記X線源と前記検出装置は、パノラマ撮影、コンピュータ断層撮影又は頭部計測撮影の少なくとも1つのデータを提供する、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成14]
ハウジングに連結された頭部計測アームと、前記回転部分の一側面に連結された頭部計測コリメーターとをさらに具備し、前記X線源は第1X線源であり、頭部計測撮影用の第2頭部計測アームに第2X線源が連結される、構成13に記載のX線歯科撮影システム。
[構成15]
前記上部シェルフは、前記カラムの長さに沿って直線的に調整可能である、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成16]
前記カラムと前記椅子との両方に連結されたフレームをさらに具備し、前記カラムは、前記フレームに堅固に固定され、前記上部シェルフは、第1回転軸の周りで、前記カラムに回転可能に連結され、前記上部シェルフは、前記カラムの長さに沿って直線的に調整可能であり、前記回転部分は、前記第1回転軸から間隔をあけた第2回転軸の周りで、前記上部シェルフに回転可能に連結され、前記回転部分は、X線源と検出装置との両方を具備し、前記X線源と前記検出装置は、パノラマ撮影、コンピュータ断層撮影又は頭部計測撮影の少なくとも1つのデータを提供し、前記椅子は、前記フレームに堅固に固定され、且つ前記カラムから間隔をあけ、前記回転部分は、患者が前記椅子に座っているときの対象物の周りの第1位置から前記患者が前記椅子から間隔をあけた位置の前記フレームに立っているときの前記対象物の周りの第2位置まで調整可能である、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成17]
前記X線歯科撮影システムは、前記椅子上の患者の第1座位位置と、前記椅子から離れた患者の第2立位位置とを提供する、構成1に記載のX線歯科撮影システム。
[構成18]
前記X線歯科撮影システムは、少なくとも1つの同一撮影モードが、前記第1座位位置及び前記第2立位位置の各々で使用され得、同一の撮影が、患者に対し、前記患者の座位又は立位の状態に関わらず行われ得るように構成されている、構成17に記載のX線歯科撮影システム。
[構成19]
前記少なくとも1つの同一撮影モードは、パノラマ撮影モードとコンピュータ断層撮影モードとを含む、構成18に記載のX線歯科撮影システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16