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特許7267339自動車用ランプ及びそのランプを含む自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】自動車用ランプ及びそのランプを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/365 20180101AFI20230424BHJP
   F21S 41/675 20180101ALI20230424BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20230424BHJP
   F21S 41/25 20180101ALI20230424BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20230424BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20230424BHJP
   F21S 41/39 20180101ALI20230424BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20230424BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230424BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20230424BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 102/145 20180101ALN20230424BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230424BHJP
【FI】
F21S41/365
F21S41/675
F21S41/24
F21S41/25
F21S41/143
F21S41/19
F21S41/39
F21V7/00 570
F21V7/00 590
F21V19/00 150
F21V19/00 600
F21V17/00 250
F21W102:155
F21W102:145
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021066106
(22)【出願日】2021-04-08
(65)【公開番号】P2021168293
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0043376
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ヨン ヒ
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-123855(JP,A)
【文献】特開2017-117725(JP,A)
【文献】国際公開第2020/067337(WO,A1)
【文献】特開2019-204711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/365
F21S 41/675
F21S 41/24
F21S 41/25
F21S 41/143
F21S 41/19
F21S 41/39
F21V 7/00
F21V 19/00
F21V 17/00
F21W 102/155
F21W 102/145
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を出射する光源と、
前記第1光中一部を透過するようにして透過光を形成し、前記第1光中他の一部を反射して反射光を形成するビームスプリッター(beam splitter)と、を含んでなり、
前記ビームスプリッターで透過された前記透過光と、前記ビームスプリッターで反射された前記反射光とがそれぞれ外部にビームパターンを形成し、
前記ビームスプリッターで透過された前記透過光を分散させるスプレッドユニットをさらに含み、前記光源、前記ビームスプリッター及び前記スプレッドユニットは直線上に配置され、
前記透過光はロービームを形成し、
前記ビームスプリッターで反射された前記反射光を再度後方に反射するリフレクターをさらに含み、
前記リフレクターで反射された前記反射光を再度反射するDMD(digital micro-mirror device)を含み、
前記DMDで反射された前記反射光が外部にビームパターンを形成し、
前記光源及び前記DMDが付着される基板をさらに含み、
前記光源及び前記DMDは、一つの前記基板上に付着される、
自動車用ランプ。
【請求項2】
前記光源と前記ビームスプリッターとの間に備えられ、前記光源から出射された前記第1光が透過されるイルミネーションユニットをさらに含み、
前記イルミネーションユニットは、
前記光源から出射された前記第1光の供給を受けた後、前方に出射する導光部と、
前記導光部から出射された前記第1光を平行光に作って前記ビームスプリッターに出射するコリメーターと、を含む、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項3】
前記DMDで反射された前記反射光が透過されるプロジェクションユニットをさらに含む、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項4】
前記DMDと前記プロジェクションユニットが配置される方向と、前記光源と前記スプレッドユニットが配置される方向とは互いに並んでいる、請求項3に記載の自動車用ランプ。
【請求項5】
前記ビームスプリッターを透過した前記透過光によって形成されるビームパターンと、
前記ビームスプリッターで反射された前記反射光によって形成されるビームパターンとは互いに一部が重畳される、請求項1に記載の自動車用ランプ。
【請求項6】
前記透過光が形成するビームパターンと前記反射光が形成するビームパターンとが互いに重畳される領域は、ロービームパターンの一部を形成する、請求項5に記載の自動車用ランプ。
【請求項7】
自動車用ランプを含む自動車であって、
前記自動車用ランプは、
第1光を出射する光源と、
前記第1光中一部を透過するようにして透過光を形成し、前記第1光中他の一部を反射して反射光を形成するビームスプリッター(beam splitter)と、を含んでなり、
前記ビームスプリッターで透過された前記透過光と、前記ビームスプリッターで反射された前記反射光とがそれぞれ外部にビームパターンを形成し、
前記ビームスプリッターで透過された前記透過光を分散させるスプレッドユニットをさらに含み、前記光源、前記ビームスプリッター及び前記スプレッドユニットは直線上に配置され、
前記透過光はロービームを形成し、
前記ビームスプリッターで反射された前記反射光を再度後方に反射するリフレクターをさらに含み、
前記リフレクターで反射された前記反射光を再度反射するDMD(digital micro-mirror device)を含み、
前記DMDで反射された前記反射光が外部にビームパターンを形成し、
前記光源及び前記DMDが付着される基板をさらに含み、
前記光源及び前記DMDは、一つの前記基板上に付着される、
自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ランプ及びそのランプを含む自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
DMD(digital micro-mirror device)は、マイクロミラーの集合体(array)を含む構成であって、微細電流を通じてマイクロミラーの角度を個別的に制御して所定のパターンまたは画像を表現する構成である。DMDをなすマイクロミラーは、それぞれ一つのパターンまたは画像をなすピクセル(pixel)に対応されるので、DMDに備えられたマイクロミラーを個別的に制御することにより、精緻なパターンまたは画像を具現することができる。
【0003】
一方、最近は、自動車のヘッドランプにこのようなDMDが搭載される場合がある。自動車のヘッドランプに搭載されたDMDは、路面に所定の情報を表示する役割を担うか、前方に車両や歩行者がある場合に当該領域にだけ暗部を形成することにより、運転手の視野を確保しながらも、他の車両の運転手や歩行者に眩しさが発生しないようにするADB(adaptive driving beam)の機能を行なう。
【0004】
しかし、従来の技術によれば、このようなDMDは、自動車のヘッドランプに必ず備えられるロービームの役割を担うことができないので、自動車にDMDを含むランプモジュールを搭載するとしても、ロービームを形成するランプモジュールも搭載しなければならないので、ヘッドランプの構成に多数の部品及び体積が必要であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一つのランプモジュールで多様な形態のビームパターンを具現させることにより、自動車用ヘッドランプの構成に必要な部品の数及び体積を減縮し、ヘッドランプの製造工程を簡素化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の一側面によれば、第1光を出射する光源と、前記第1光中一部を透過するようにして透過光を形成し、前記第1光中他の一部を反射して反射光を形成するビームスプリッター(beam splitter)と、を含んでなり、前記ビームスプリッターで透過された前記透過光と、前記ビームスプリッターで反射された前記反射光とがそれぞれ外部にビームパターンを形成する自動車用ランプが提供される。
【0007】
前記ビームスプリッターで反射された前記反射光を再度反射するリフレクターをさらに含み、前記リフレクターで反射された前記反射光が外部にビームパターンを形成することができる。
【0008】
前記リフレクターで反射された前記反射光を再度反射するDMD(digital micro-mirror device)を含み、前記DMDで反射された前記反射光が外部にビームパターンを形成することができる。
【0009】
前記光源と前記ビームスプリッターとの間に備えられ、前記光源から出射された前記第1光が透過されるイルミネーションユニットをさらに含み、前記イルミネーションユニットは、前記光源から出射された前記第1光の供給を受けた後、前方に出射する導光部と、前記導光部から出射された前記第1光を平行光に作って前記ビームスプリッターに出射するコリメーターと、を含むことができる。
【0010】
前記ビームスプリッターで透過された前記透過光を分散させるスプレッドユニットをさらに含むことができる。
【0011】
前記DMDで反射された前記反射光が透過されるプロジェクションユニットをさらに含むことができる。
【0012】
前記DMDと前記プロジェクションユニットが配置される方向と、前記光源と前記イルミネーションユニットが配置される方向とは互いに並んでいてよい。
【0013】
前記光源及び前記DMDが付着されるPCB基板をさらに含み、前記光源及び前記DMDは、一つの前記PCB基板上に付着されてよい。
【0014】
前記ビームスプリッターを透過した前記透過光によって形成されるビームパターンと、前記ビームスプリッターで反射された前記反射光によって形成されるビームパターンとは互いに一部が重畳されてよい。
【0015】
前記透過光が形成するビームパターンと前記反射光が形成するビームパターンとが互いに重畳される領域は、ロービームパターンの一部を形成することができる。
【0016】
前記目的を達成するための本発明の他の側面によれば、自動車用ランプを含む自動車であって、前記自動車用ランプは、第1光を出射する光源と、前記第1光中一部を透過するようにして透過光を形成し、前記第1光中他の一部を反射して反射光を形成するビームスプリッター(beam splitter)と、を含んでなり、前記ビームスプリッターで透過された前記透過光と、前記ビームスプリッターで反射された前記反射光とがそれぞれ外部にビームパターンを形成する自動車が提供される。
【0017】
前記ビームスプリッターで反射された前記反射光を再度反射するリフレクターと、前記リフレクターで反射された前記反射光を再度反射するDMDと、をさらに含み、前記DMDは複数のマイクロミラーを含み、前記DMDで反射された前記反射光が外部にビームパターンを形成し、かつ、前記DMDの前記複数のマイクロミラーは個別的に制御されることにより、前記DMDで反射された前記反射光によって外部に複数の種類のビームパターンが形成されてよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一つのランプモジュールで多様な形態のビームパターンを具現させることにより、自動車用ヘッドランプの構成に必要な部品の数及び体積を減縮し、ヘッドランプの製造工程を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る自動車用ランプの構造を概略的に示した側面図である。
図2】本発明に係る自動車用ランプに適用可能なイルミネーションユニット、ビームスプリッター及びスプレッドユニットの構造の一例を拡大して示した側面図である。
図3】本発明に係る自動車用ランプに適用可能なプロジェクションユニットの構造の一例を拡大して示した側面図である。
図4】本発明に係る自動車用ランプによって形成され得るビームパターンを領域別に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図を参照しつつ、本発明に係る自動車用ランプを説明する。
【0021】
[自動車用ランプ]
図1は、本発明に係る自動車用ランプの構造を概略的に示した側面図である。図2は、本発明に係る自動車用ランプに適用可能なイルミネーションユニット、ビームスプリッター及びスプレッドユニットの構造の一例を拡大して示した側面図である。そして、図3は、本発明に係る自動車用ランプに適用可能なプロジェクションユニットの構造の一例を拡大して示した側面図である。
【0022】
図1に示されている通り、本発明に係る自動車用ランプ(以下、「ランプ」)10は、第1光を出射する光源100を含むことができる。光源100は、例えば、LED(light emitting diode)であってよいが、これに制限されず、多様な種類の光源が用いられてよい。
【0023】
さらに、ランプ10は、光源100から出射された第1光中一部を透過するようにして第1光中一部から透過光を形成し、第1光中他の一部を反射して第1光中他の一部から反射光を形成するビームスプリッター(beam splitter)200を含むことができる。本明細書では、光源100から出射された第1光中、ビームスプリッター200を透過した光を「透過光」と称し、ビームスプリッター200で反射された光を「反射光」と称する。
【0024】
ビームスプリッターは、入射された光を所定の割合によって二つの光に分離する光学要素である。ビームスプリッターは、キューブ型ビームスプリッターまたはプレート型ビームスプリッターに分けられ得る。本発明に係るランプ10のビームスプリッター200もまたキューブ型ビームスプリッターまたはプレート型ビームスプリッターであってよい。
【0025】
図1に示されている通り、ビームスプリッター200で透過された透過光は、ビームスプリッター200を通過して前方に進むようになり、ビームスプリッター200で反射された反射光は上方に進むことができる。しかし、図1と違って、ビームスプリッター200で反射された反射光は下方に進むこともできる。
【0026】
本発明によれば、ビームスプリッター200で透過された透過光と、ビームスプリッター200で反射された反射光とは、それぞれ外部に出射されて所定のビームパターンを形成することができる。よって、本発明によれば、光源100から出射された第1光がビームスプリッター200で透過光と反射光に分けられるようになり、透過光と反射光はそれぞれ異なる経路を経て外部に出射されるので、一つの光源を利用して多様な種類のビームパターンを形成することができる。例えば、後述するところのように、透過光はロービーム機能を行なうことができ、反射光は、前方に車両や歩行者がある場合に当該領域にだけ暗部を形成することにより、運転手の視野を確保しながらも、他の車両の運転手や歩行者に眩しさが発生しないようにするADB(adaptive driving beam)機能、及び路面に所定の情報を表示する機能を行なうことができ、ロービームの一部を形成することもできる。
【0027】
引き続き図1に示されている通り、本発明に係るランプ10は、入射された光を反射するリフレクター300をさらに含むことができる。リフレクター300は、ビームスプリッター200で反射された反射光を再度反射する構成であってよい。図1に示されている通り、ビームスプリッター200で反射された反射光が上方に進む場合、リフレクター300は、ビームスプリッター200の上方に備えられてよい。しかし、図1に示されている通り、ビームスプリッター200で反射された反射光が下方に進む場合、リフレクター300は、ビームスプリッター200の下方に備えられてよい。
【0028】
本発明によれば、ビームスプリッター200で反射された反射光は、リフレクター300で再度反射された後、外部に出射されてビームパターンを形成することができる。
【0029】
さらに、図1に示されている通り、本発明に係るランプ10は、リフレクター300で反射された反射光を再度反射するDMD(digital micro-mirror device、400)をさらに含むことができる。
【0030】
DMDは、多数のマイクロミラーを含む構成であって、微細電流を通じてマイクロミラーの角度を個別的に制御して所定のビームパターンを具現する構成であってよい。本発明によれば、DMD400で再度反射された反射光は、外部に出射されてビームパターンを形成することができる。
【0031】
特に、DMD400に備えられる多数のマイクロミラーの角度が個別的に制御されるため、DMD400を利用して多様な形態のビームパターンを具現することができる。例えば、DMD400を利用して路面に所定の情報を表示するビームパターンを具現することができ、前面に車両または歩行者がある場合、当該領域には暗部が形成されるビームパターンを具現することができる。
【0032】
一方、本発明に係るランプ10は、複数の光学系が備えられてよい。以下、光学系に対して詳しく説明する。
【0033】
図1及び図2に示されている通り、本発明に係るランプ10は、光源100とビームスプリッター200との間に備えられ、光源100から出射された第1光が透過されるイルミネーションユニット500を含むことができる。本発明によれば、イルミネーションユニット500は、光源100から出射された第1光の供給を受けた後で前方に出射する導光部510、及び導光部510から出射された第1光を平行光に作った後でビームスプリッター200に出射するコリメーター(collimator)520を含むことができる。導光部510は、光源100から出射された第1光を集光してコリメーター520に供給することにより、光源100から出射された第1光が分散されることを防止するための構成であってよく、例えば、導光部510は、導光部510に供給された第1光が導光部510の内部で反射されながら移動できるよう、内部の表面に反射面(図示省略)がコーティングされた構造を有することができる。
【0034】
さらに、図1及び図2に示されている通り、本発明に係るランプ10は、ビームスプリッター200で透過された透過光を分散させるスプレッドユニット600をさらに含むことができる。本発明によれば、スプレッドユニット600は、ビームスプリッター200で透過された透過光を分散させることにより、本発明に係るランプ10によって形成されるビームパターンの幅を拡張する構成であってよい。特に、本発明に係るランプ10はロービームを形成することができ、この際、スプレッドユニット600は、ロービームを形成するビームパターン中、周辺領域を形成するための構成であってよい。例えば、スプレッドユニット600は、平行に入射された光を上下方向及び左右方向に分散する一つのレンズからなされてよい。
【0035】
一方、図1及び図3に示されている通り、本発明に係るランプ10は、DMD400で反射された反射光が透過されるプロジェクションユニット700をさらに含むことができる。DMD400で反射された反射光は、プロジェクションユニット700を透過した後、多様な形態のビームパターンを形成することができる。例えば、プロジェクションユニット700を透過した前記反射光は、ロービームの一部を形成するかADB機能を行なうことができ、路面に所定の情報を表示する機能も行なうことができる。図3に示されている通り、プロジェクションユニット700は、多様な形状のレンズが組み合わせられたレンズアレイ(array)の構造を有することができるが、プロジェクションユニット700の構造は図3に示されているところに制限されない。
【0036】
一方、図1に示されている通り、本発明によれば、DMD400及びプロジェクションユニット700が配置される方向と、光源100とイルミネーションユニット500が配置される方向とは互いに並んでいてよい。より好ましく、DMD400及びプロジェクションユニット700が配置される方向は、光源100、イルミネーションユニット500、ビームスプリッター200及びスプレッドユニット600が配置される方向と互いに並んでいてよい。よって、本発明によれば、光源100から出射された第1光中ビームスプリッター200を透過した透過光の光経路と、第1光中ビームスプリッター200で反射された反射光の光経路中DMD400から出射された後の反射光の光経路とは互いに並んで形成されてよい。
【0037】
一方、本発明に係るランプ10は、光源100及びDMD400が付着されるPCB基板800をさらに含むことができる。このとき、図1に示されている通り、光源100及びDMD400は一つのPCB基板800上に付着されてよい。より好ましく、光源100及びDMD400は、PCB基板800の同一の平面上に備えられてよい。
【0038】
従来の技術によれば、DMDが搭載された自動車用ランプの場合はビームスプリッターが存在しないので、光源で生成された光がリフレクターに直接入射される必要がある。しかし、この場合、光源で生成された光がリフレクターに入射される時の光経路と、DMDで反射されてプロジェクションユニットに入射される光の光経路とが互いに交差しなければならないので、光源が設けられる基板の表面を含む仮想の平面と、DMDが設けられる基板の表面を含む仮想の平面とがまた互いに交差するようになる。よって、光源が設けられる基板とDMDが設けられる基板とは、それぞれ別に備えられる必要がある。
【0039】
一方、光源及びDMDが付着される基板は、ランプで発生する熱を外部に放熱する放熱部にそれぞれ付着されるのが一般的なので、従来の技術によって光源及びDMDを配置するためには、放熱部に、光源が設けられる基板とDMDが設けられる基板とがなす角に対応される角形領域が形成されるしかなかった。しかし、このような放熱部がこのような構造を有する場合、放熱部と放熱部周辺の構成の公差の管理が難しくなって組立性が落ちるようになり、光源が付着される基板及びDMDが付着される基板をそれぞれ放熱部に固定するための構成が必要であるという点で、ランプの製造に必要な部品の数もまた増大するという問題があった。
【0040】
しかし、本発明によれば、光源100及びDMD400は一つのPCB基板800上に付着され得るので、放熱部中、前記PCB基板が固定される領域は、平面の形状を有することができるようになる。よって、本発明によれば、ランプの組立性が向上され、ランプの製造に必要な部品の数もまた減縮され得る。
【0041】
図4は、本発明に係る自動車用ランプによって形成され得るビームパターンを領域別に示した図である。
【0042】
図4に示されている通り、本発明に係るランプによって形成されるビームパターンは、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4に分けられ得る。
【0043】
第1領域R1は、反射光によって形成される領域であって、ロービームの一部を形成することができる。より詳しく、第1領域R1は、ロービームの上端に形成される段差形状のカットオフ(cut off)領域を形成することができる。
【0044】
第2領域R2もまた反射光によって形成される領域であって、ADBを形成することができる。より詳しく、夜間で前方に歩行者または他の車両が存在する場合、DMD(図1参照)400に備えられた複数のマイクロミラーの角度をそれぞれ制御することにより、第2領域R2中、前方に歩行者または他の車両が存在する領域に暗部領域が形成され得る。
【0045】
第3領域R3は、反射光と透過光が同時に到達して形成される領域であって、ロービームの中でも相対的に明るい光度を有する中心領域を形成することができる。すなわち、本発明によれば、第3領域R3は、反射光と透過光が互いに重畳される領域に理解されてよい。より詳しく、本発明によれば、ビームスプリッター(図1など参照)200を透過した透過光によって外部に形成されるビームパターンと、ビームスプリッターで反射された反射光によって外部に形成されるビームパターンとは互いに一部が重畳されてよい。例えば、前記透過光が形成するビームパターンと前記反射光が形成するビームパターンとが互いに重畳される領域は、本発明に係るランプによって形成されるロービームパターンの一部を形成することができる。より好ましく、前記透過光が形成するビームパターンと前記反射光が形成するビームパターンとが互いに重畳される領域は、ロービームの中でも相対的に明るい光度を有する中心領域を形成することができる。
【0046】
第4領域R4は、透過光によって形成される領域であって、ロービームの中でも相対的に低い光度を有する周辺領域を形成することができる。前述したところのように、本発明によれば、DMDが備えられた自動車用ランプで第4領域R4が形成され得るので、別途のモジュールを搭載しなくとも、広い範囲のビームパターンの形状を持つロービームを具現することができる。
【0047】
[自動車]
本発明に係る自動車は、ランプ10を含むことができる。このとき、ランプ10はヘッドランプであってよい。
【0048】
このとき、図1に示されている通り、ランプ10は、第1光を出射する光源100、及び第1光中一部を透過するようにして透過光を形成し、第1光中他の一部を反射して反射光を形成するビームスプリッター200を含むことができる。このとき、ビームスプリッター200で透過された透過光と、ビームスプリッター200で反射された反射光とは、それぞれ外部に出射されてビームパターンを形成することができる。
【0049】
一方、本発明に係る自動車に備えられるランプ10は、ビームスプリッター200で反射された反射光を再度反射するリフレクター300、及びリフレクター300で反射された反射光を再度反射するDMD400をさらに含むことができ、DMD400は複数のマイクロミラーを含むことができる。
【0050】
このとき、DMD400で反射された反射光は、外部に出射されてビームパターンを形成し、かつ、DMD400に備えられた複数のマイクロミラーは個別的に制御されることにより、DMD400で反射された反射光によって外部に複数の種類のビームパターンが形成され得る。より詳しく、DMD400に備えられた複数のマイクロミラーの角度が個別的に制御されることにより、複数の種類のビームパターンが形成され得る。
【0051】
以上、本発明は例示された特定の実施形態と図によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 ランプ
100 光源
200 ビームスプリッター
300 リフレクター
400 DMD
500 イルミネーションユニット
600 スプレッドユニット
700 プロジェクションユニット
800 PCB基板
図1
図2
図3
図4