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特許7267355経血管又は経室アクセスポートを閉鎖するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】経血管又は経室アクセスポートを閉鎖するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021127471
(22)【出願日】2021-08-03
(62)【分割の表示】P 2019507068の分割
【原出願日】2017-04-24
(65)【公開番号】P2021180877
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】15/277,798
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/326,710
(32)【優先日】2016-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518373829
【氏名又は名称】トランスミューラル システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Transmural Systems LLC
【住所又は居所原語表記】4 Dundee Park Drive,Suite 101,Andover,MA 01810 United States of America
(73)【特許権者】
【識別番号】518373933
【氏名又は名称】アメリカ合衆国
【氏名又は名称原語表記】The United States of America,as represented by the Secretary,Department of Health and Human Service(National Institutes of Health,Office of Technology Transfer)
【住所又は居所原語表記】6011 Executive Boulevard,Suite 325,MSC 766,Bethesda,MD 20852-7660 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー,ナッサー
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】レーダーマン,ロバート,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,トビー
(72)【発明者】
【氏名】バソルド,レイニー
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー,クーシャ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/148821(WO,A1)
【文献】特表2002-502625(JP,A)
【文献】特表2009-532123(JP,A)
【文献】特表2012-501793(JP,A)
【文献】特表2015-500676(JP,A)
【文献】特許第6640829(JP,B2)
【文献】特許第6926195(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向へ向けて伸縮するプロテーゼにおいて、
a)分離した複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を備え、
前記本体のそれぞれは、互いに交差して摺動できる複数のフィラメントから形成され、
前記編みメッシュ本体のそれぞれは、自己拡張して少なくとも一つのディスクになるよう構成され、
それぞれの径方向拡張可能編みメッシュ本体は、そのなかに容積を画定し、
前記複数のメッシュ本体は、互いに対して軸方向へ向けて変位可能であり、
b)分離した前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を互いに接続する弾性部材を備え、
(i)前記径方向拡張可能編みメッシュ本体は、前記弾性部材を引き伸ばすか弛緩させるかすることにより、前記プロテーゼの中心長手方向軸に沿って、選択的に互いから伸縮して変位可能であり、これにより、大きさが異なる解剖学的組織を収容し、
(ii)前記弾性部材は、前記プロテーゼの前記中心長手方向軸と実質的に同軸であり、
(iii)前記弾性部材は、前記弾性部材が弛緩したとき、前記プロテーゼを前記軸に沿って短縮させ、径方向へ向けて拡張させるよう構成され
前記プロテーゼの分離した前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体の遠位ディスクは、遠位浮遊スリーブ又はマーカーバンドを含み、これは、前記弾性部材が拡張したとき、前記弾性部材の外側表面を越えて摺動するよう構成され、
前記遠位ディスクの遠位面は、その中心領域で前記弾性部材に取り付けられ、
前記プロテーゼの分離した前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体の近位ディスクは、近位浮遊スリーブ又はマーカーバンドを含み、これは、前記弾性部材の前記外側表面を覆って摺動するよう構成されている、
プロテーゼ。
【請求項2】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、更に、
分離した前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を互いに取り付ける少なくとも一つの長さ制限テザーを備え、
前記少なくとも一つの長さ制限テザーは、前記弾性部材が所定の長さを超えて伸長するのを防ぐ役割を果たす、
プロテーゼ。
【請求項3】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、
前記径方向拡張可能編みメッシュ本体のそれぞれは、互いに独立して拡張し潰れることができる、
プロテーゼ。
【請求項4】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、更に、
前記径方向拡張可能メッシュ本体のそれぞれのなかに配設された少なくとも一つの織物ディスクを備える、
プロテーゼ。
【請求項5】
請求項4の前記プロテーゼにおいて、更に、
前記織物ディスクのうち少なくとも一つに取り付けられた管状織物部分を備え、
前記管状織物部分は、近位へ向けて延び、前記プロテーゼの首領域のなかへ入る、
プロテーゼ。
【請求項6】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、
前記弾性部材は、コイルばねであり、前記プロテーゼを軸方向へ向けて潰し、前記径方向拡張可能編みメッシュ本体を径方向へ向けて拡張させ、これにより、前記プロテーゼが、配備されたのち、そこを通り抜けて送達された解剖学的開口から軸方向へ向けて引きぬかれるのを防ぐ、
プロテーゼ。
【請求項7】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、
前記弾性部材は、引張コイルばねである、
プロテーゼ。
【請求項8】
請求項6の前記プロテーゼにおいて、
前記コイルばねは、直径が異なる複数のセクションを含む、
プロテーゼ。
【請求項9】
請求項6の前記プロテーゼにおいて、
前記コイルばねは、直径が異なる少なくとも三つのセクションを含む、
プロテーゼ。
【請求項10】
請求項6の前記プロテーゼにおいて、
前記コイルばねは、前記プロテーゼを配備したとき、前記プロテーゼの首部分を、径方向外側へ向けて膨らませる拡大中心セクションを含む、
プロテーゼ。
【請求項11】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、
前記プロテーゼは、その長さに沿って二つのディスクを通り抜ける管腔を画定し、
前記管腔は、前記プロテーゼを配備して二つの管腔を接続したとき、長さが調整可能な調整可能短絡路としての役割を果たすよう構成され配列される、
プロテーゼ。
【請求項12】
請求項1の前記プロテーゼにおいて、
前記プロテーゼは、一つの管腔のなかの少なくとも一つの孔を密封するよう構成されている、
プロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、2016年4月23日出願の米国仮特許出願第62/326,710号の利益を主張する。本PCT出願は、また、2016年9月27日出願の米国特許出願第15/277,798号の継続出願でもある。これは、国際出願第PCT/US2015/022782号(アメリカ合衆国を指定、2015年3月26日出願)の一部継続出願であり、かつ、その優先権の利益を主張する。これは、今度は、米国仮特許出願第61/971,458号(2014年3月27日出願)及び米国仮特許出願第62/083,192号(2014年11月22日出願)の優先権の利益を主張する。米国特許出願第15/277,798号は、また、米国仮特許出願第62/326,710号(2016年4月23日出願)の優先権の利益も主張する。前述の特許出願のそれぞれは、あらゆる目的のため、参照により本明細書にその全体として組み入れられる。
【0002】
連邦後援研究開発
本発明は、国立衛生研究所によって与えられた契約第268201500012C号に基づく政府支援を受けてなされた。合衆国政府は、前記発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
本開示は、心血管異常の経カテーテル修正(人工弁を心臓へ送達するなど)のための装置及び方法に関する。本開示は、更に、下大静脈から腹大動脈のなかへ経カテーテル装置を導入することによって生成される大静脈-大動脈医原性瘻を閉鎖するためのインプラントに関する。
【0004】
経カテーテル処置は、現代医学における画期的な前進である。経皮又は経胸腔カテーテルは、脈管系その他の天然の管腔開口を通って前進し、血管形成術を通して機械的再構築を達成し、又は、自己拡張型若しくはバルーン拡張型の閉塞具、ステント及び弁の植込みを通して閉塞若しくは開存若しくは弁機能を達成する。これらの処置は、選択された患者の外科的修復の代わりに、実行してもよい。
【0005】
経皮血管閉塞具は制限される。なぜなら、通常、ガイドワイヤが標的室の間をアクセスするのを控えるよう操作者に要求するからである。近年の革新により、血管閉塞具を中心ガイドワイヤ管腔の周りで操り、閉塞具処置の安全性及び多用途性を向上することができる。
【0006】
近年、Halabi及び同僚ら(JACC 2013;61:1745)、並びに、その後のGreenbaum及び同僚ら(Transcatheter therapeutics conference、サン・フランシスコ、2013)は、大きな血管装置を隣接した下大静脈から大動脈のなかへ導入する新規な処置を報告した。これにより、経カテーテル大動脈弁を患者のなかで交換することが可能になった。それ以外のやり方では、胸部への外科的アクセスがなく、かつ腸骨大腿動脈の内径が不十分なため、不適格である。このいわゆる「大静脈-大動脈」アクセスポートは、セント・ジュード・メディカル社によって販売されたニチノール閉塞装置(Amplatzer(登録商標)筋性心室中隔欠損閉塞具又はAmplatzer(登録商標)管閉塞具)を使用して閉鎖された。これは、先天性心血管欠陥を閉鎖するためのものである。この装置は、止血性が不適切であり、連続したガイドワイヤがアクセスできず、この用途にそれほど適してはいない。
【0007】
経カテーテル構造的左心処置は、一般に、大腿動脈を通して実行される。しかしながら、大腿動脈の内径又は血管内疾患により、経カテーテル大動脈弁交換又は大動脈エンドグラフト療法の候補者のうち無視できない数において、血管アクセスが不可能になるか、困難になるかする。更に、TAVRの最も頻繁な致死的な合併症は、大きな導入シースが大腿動脈に配置されることによる血管合併症である。その代わりとなる心臓への経カテーテルアプローチが、したがって、望ましいであろう。本開示は、本明細書に記載されたとおり、これらの及びその他の問題の解決を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的及び利点は、以下の説明に記述され、かつ、そこから明らかになるであろう。開示された実施形態の更なる利点は、特にこの明細書で説明され、そして添付の図面に示される方法及びシステムによって実現され、達成されるであろう。
【0009】
これらの及びその他の利点を達成するため、並びに、本開示の目的にしたがって、本明細書で具体化されたとおり、一態様において、本開示は、大静脈大動脈アクセスの問題を解決する実施形態を含む。これは、大静脈-大動脈アクセスにおける重要な前臨床の、動物の、画像の及び臨床の経験に基づく。このアプローチは、前述の先行技術とは実質的に異なる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特定の実施形態において、大動脈及び大静脈のアクセスポイントの間の距離が変化するという問題は、本明細書に開示されたとおりの伸縮設計を使用して解決される。大動脈及び大静脈アクセス路の不適切な止血の問題は、いくつかの実装において、「うねる」ニチノール織を使用して血管の孔を埋め、多数のディスクを使用して血管の裂け目のそれぞれを閉塞することにより、解決される。
【0011】
いくつかの実装において、プロテーゼを提供する。これは、近位端部と、遠位端部とを有する。前記プロテーゼは、径方向拡張可能本体を有する。前記径方向拡張可能本体は、非拘束になったのち、拡張して、少なくとも一つの遠位ディスクになるよう構成してもよい。前記少なくとも一つの遠位ディスクは、前記少なくとも一つの遠位ディスクに取り付けられ径方向外側へ向けて延びたパドルを含む。前記パドルは、前記少なくとも一つのディスクが径方向外側へ向けて拡張したとき、径方向に方向付けられるよう構成されている。前記パドルは、前記少なくとも一つのディスクを超えて径方向外側へ向けて延びるよう構成されている。前記パドルは、好ましくは、前記プロテーゼが送達カテーテルに取り付けられたとき、管腔壁のなかの孔のなかに前記プロテーゼを着座させるのを補助することにより、前記プロテーゼが位置付けられた前記孔の位置を容易に確認できるようにし、かつ、抵抗を提供して、前記プロテーゼが前記孔から引き抜かれるのを防ぐのを補助するよう構成され配列される。
【0012】
いくつかの実装において、前記少なくとも一つの遠位ディスクは、複数のフィラメントから形成された編みメッシュ本体から形成されてもよい。これは、拡張している間、互いに交差して摺動できる。前記少なくとも一つの遠位ディスクは、そのなかに容積を画定する。望むなら、前記プロテーゼは、更に、前記メッシュとは別個の弾性部材を含んでもよい。前記弾性部材は、前記プロテーゼの中心領域を画定する軸に沿って、前記プロテーゼの近位領域及び遠位領域に取り付けられている。前記弾性部材が弛緩したとき、前記弾性部材により、前記プロテーゼが前記軸に沿って短縮し、径方向へ向けて拡張するよう構成されている。前記弾性部材及びパドルは、協働して、前記プロテーゼが、体管腔の壁のなかに形成された孔から引き抜かれるのを防ぐ。
【0013】
様々な実施形態において、前記プロテーゼは、更に、前記弾性部材に接続された少なくとも一つの径方向拡張可能近位ディスクを含む。前記弾性部材が非拘束であるとき、前記弾性部材により、前記少なくとも一つの径方向拡張可能近位ディスクが、径方向へ向けて拡張する。前記ディスクは、好ましくは、編みメッシュ本体から形成される。前記本体のそれぞれは、複数のフィラメントから形成される。これは、拡張している間、互いに交差して摺動できる。前記本体は、そのなかに容積を画定する。望むなら、前記プロテーゼは、更に、外側環状織物セクションを含む。これは、前記少なくとも一つの遠位ディスクと前記少なくとも一つの径方向拡張可能近位ディスクとの間に延びて、それらを接合する。前記外側環状織物セクションは、前記少なくとも一つの遠位ディスクと、前記少なくとも一つの径方向拡張可能近位ディスクとの間に配設された前記弾性部材の一部を取り囲んでいる。前記外側織物は、前記ディスクのそれぞれの径方向範囲全体に延びてもよいし、その一部でもよい。好ましくは、前記パドルは、織物材料で覆われる。これは、組織が前記プロテーゼのなかへ内殖するのを向上するよう構成される。例えば、前記織物材料は、配備されたとき近位へ向けて面した前記パドルの面の上に少なくとも配設されてもよい。
【0014】
いくつかの実装において、前記プロテーゼは、前記メッシュ本体のなかに配設された材料を含んでもよい。これは、血液に曝されたとき止血を促進するよう構成される。前記プロテーゼは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含んでもよい。これは、前記少なくとも一つの遠位ディスクの近位へ向けて面し直径が減少する部分の近くに配設される。これは、前記プロテーゼによって閉塞されるべき管壁のなかの開口のなかに留まるよう構成される。前記放射線不透過性マーカーは、前記管壁のなかの前記開口に位置するよう位置付けられ、前記プロテーゼが前記管壁のなかの前記開口のなかに正しく位置付けられたことを内科医に示す。前記放射線不透過性マーカーは、好ましくは、前記プロテーゼの首しぼりセクションの表面の近くに位置付けられる。これは、前記少なくとも一つの遠位ディスクよりも近位側に位置する。例えば、前記放射線不透過性マーカーは、前記パドルの径方向内側へ向けて配設された部分の上に位置してもよい。いくつかの実装において、前記プロテーゼは、更に、外側織物被覆を含んでもよい。これは、前記径方向拡張可能編みメッシュ本体の少なくとも一部を覆って配設される。前記織物は、前記少なくとも一つの編み遠位ディスクの近位へ向けて面した面に少なくとも沿って配設され、近位へ向けて延びて前記プロテーゼの中心部分のなかへ入ってもよい。前記外側織物被覆は、環状形状(例えば管状)であってもよく、前記プロテーゼの前記中心長手方向軸の少なくとも一部を取り囲むよう構成してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記プロテーゼは、少なくとも一つの長さ制限テザーを含んでもよい。これは、前記少なくとも一つの編み遠位ディスクを前記プロテーゼの近位部分(近位ディスクなど)に接続する。前記少なくとも一つの長さ制限テザーは、好ましくは、前記弾性部材が所定の長さを超えて引き伸ばされるのを防ぐよう構成され配列される。前記外側織物材料は、設けても設けなくてもよく、この目的をも果たしてもよい。前記プロテーゼは、更に、少なくとも一つの長さ制限テザーを含んでもよい。これは、前記プロテーゼのディスクを互いに取り付ける。前記少なくとも一つの長さ制限テザーは、前記弾性部材が所定の長さを超えて伸長するのを防ぐ役割を果たす。
【0016】
いくつかの実装において、プロテーゼを送達するためのシステムを提供する。そのようなシステムを使用して、本明細書に記載したいずれのプロテーゼを送達してもよい。前記システムは、好ましくは、外側管状シースを含む。これは、近位端部と遠位端部とを有し、そのなかを通る第一の管腔を、その長さの少なくとも一部に沿って画定する。前記外側管状部材の前記遠位端部は、前記システムによって画定された中心軸に対して斜めである角度に切断してもよい。これにより、前記システムが、角度のある管壁のなかの孔を横断するとき、前記遠位端部が、患者の脈管構造のなかで管壁と整列するのを補助してもよい。いくつかの実装において、前記遠位端部は、更に、前記遠位端部の近くにある放射線不透過性マーカーを含んでもよい。これにより、前記遠位端部が切断された前記斜めの角度が、蛍光透視により見えるようになり、植込みをしている間、前記プロテーゼの傾斜を減らすのを補助する。更に、前記外側管状部材の前記遠位端部は、回転マーカーを含んでもよい。これは、前記プロテーゼが前記カテーテルの前記遠位端部のなかへ装填されるとき、前記プロテーゼを整列するための登録を提供するのを補助する。
【0017】
前記システムは、更に、中間管状部材を含む。これは、前記第一の管腔のなかに少なくとも部分的に配設され、前記外側管状シースに対して摺動可能に配設される。前記中間管状部材は、一般に、近位端部と、遠位端部と、可撓性遠位部分とを含む。これは、前記外側管状シースの前記遠位端部を超えて遠位へ向けて突出可能に構成される。前記中間管状部材は、そのなかを通る第二の管腔を、その長さの少なくとも一部に沿って画定する。前記中間管状部材の遠位部分が前記可撓性を有することにより、前記中間管状部材が、患者の管腔の内部にある間、変形して、前記送達システムの近位部分の中心軸に対して逆向きに曲がった形(疑問符(又は逆疑問符、使用者の位置付けによる)の形など。)になることができるよう構成し適合してもよい。前記遠位部分のセクションが、前記プロテーゼの軸を超えて上方向へ向けて弓なりになり、前記プロテーゼに上向きの力を入力するのを補助し、患者の脈管構造のなかの孔のなかに整列するのを補助する。
【0018】
前記システムは、更に、内側長尺部材を含んでもよい。これは、前記第二の管腔のなかに少なくとも部分的に配設される。前記内側長尺部材は、前記中間管状部材に対して摺動可能に配設される。前記内側長尺部材は、近位端部と、遠位端部とを有する。前記遠位端部は、前記中間管状部材の前記遠位端部を超えて遠位へ向けて変位するよう構成される。前記プロテーゼ(例えば、本明細書に記載したいずれかのプロテーゼ)は、前記中間管状部材の前記遠位端部の上に取り外し可能に装着される。前記内側長尺部材の前記遠位端部は、前記プロテーゼの一部に係合するよう構成される。前記プロテーゼは、前記内側長尺部材を前記中間管状部材に対して遠位へ向けて前進させることにより、長手方向又は軸方向へ向けて引き伸ばすことができる。前記プロテーゼを前記長手方向へ向けて引き伸ばすことにより、前記プロテーゼが、径方向内側へ向けて潰れ、前記外側管状部材の前記遠位端部のなかへ装填できるようになる。これは、前記プロテーゼを最初に装填するためや、前記プロテーゼを回収するためなどである。
【0019】
前記システムのいくつかの実装において、前記内側長尺部材は、管状部材である。これは、ガイドワイヤが通り抜けられるよう構成される。前記プロテーゼは、こうして、前記内側長尺部材を通り抜けた前記ガイドワイヤが、前記プロテーゼの遠位面を通り抜けられるよう構成される。いくつかの実施形態において、前記弾性部材は、コイルばねである。これにより、前記プロテーゼが軸方向へ向けて潰れ、これにより、前記径方向拡張可能編みメッシュ本体が径方向へ向けて拡張して、前記プロテーゼが、配備されたのち、そこを通り抜けて送達された解剖学的開口から軸方向へ向けて引きぬかれるのを防ぐ。前記システム及びプロテーゼにより、前記パドル(そのように構成されている場合。さもなければ、単純に、前記プロテーゼの前記遠位ディスクについて)を、前記プロテーゼの一部がそのなかに置かれた管腔(例えば動脈)のなかの開口に隣接した前記管腔の内壁に押し付けるよう構成され配列される。これにより、前記少なくとも一つの遠位ディスクが前記管腔の前記内壁と平行配列になり、前記少なくとも一つの遠位ディスクが前記管腔のなかで傾斜するのを防ぐ。前記中間管状部材の前記可撓性遠位部分は、第二のディスク(そのように設けられた場合。)が前記プロテーゼから、前記少なくとも一つの遠位ディスクに対向した前記管腔の前記壁の外部に配備されたのち、遠位へ向けて前進したとき、曲がって逆曲線となるよう構成してもよい。これにより、前記プロテーゼを前記管腔の前記壁のなかの前記孔のなかで整列させるのを補助し、前記管腔のなかの前記遠位ディスクを、前記管腔の前記内壁と整列させる。例えば、前記中間管状部材の前記遠位部分は、軸方向へ向かう力を前記プロテーゼの中心軸に沿って発揮し、これにより、曲がって前記逆曲線形状になったとき、前記管腔の前記壁のなかで前記プロテーゼを方向付けるよう構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記プロテーゼの前記コイルばねは、内部中心管腔を、その長さに沿って画定する。これは、そのなかを通る前記内側長尺部材を収容する。前記内部中心管腔は、環状遠位限定部のなかで終端する。これは、前記内側長尺部材の前記遠位端部に係合するよう構成される。前記ガイドワイヤが、前記環状遠位限定部を通り抜け、前記システムの前記遠位端部を通り抜けてもよい一方、前記内側部材の前記遠位端部は、前記プロテーゼに押し当たり、選択的に伸長できるようにしてもよい。
【0021】
本明細書におけるプロテーゼのいずれの実施形態においても、前記プロテーゼは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含んでもよい。これは、前記少なくとも一つの遠位ディスクの近位面の上の径方向内側へ向いた位置の近くに位置する。これは、可視化されたとき前記管壁のなかの前記孔の位置を指示するよう構成され配列される。これにより、内科医が前記プロテーゼを前記孔のなかで位置付けるのを支援し、内科医が前記遠位ディスクを前記孔から引きぬくのを防ぐのを補助する。
【0022】
いくつかの実装において、前記外側管状シースは、その遠位端部に印を設けてもよい。これにより、前記プロテーゼの前記パドルと(前記システムの長手方向軸の周りで)回転的に整列し、前記プロテーゼを前記外側管状シースに対して所定の回転位置で容易に装填できるようにする。
【0023】
本開示は、更に、軸方向へ向けて伸縮するプロテーゼを提供する。これは、今度は、分離した複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を含む。前記本体のそれぞれは、互いに交差して摺動できる複数のフィラメントから形成される。前記編みメッシュ本体のそれぞれは、自己拡張して、少なくとも一つのディスクになるよう構成される。それぞれの径方向拡張可能編みメッシュ本体は、そのなかに容積を画定する。前記複数のメッシュ本体は、互いに対して軸方向へ向けて変位可能である。前記プロテーゼは、更に、弾性部材を含む。これは、分離した前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を互いに接続する。前記径方向拡張可能編みメッシュ本体は、前記弾性部材を引き伸ばすか弛緩させるかすることにより、前記プロテーゼの中心長手方向軸に沿って、選択的に互いから伸縮して変位可能、これにより、大きさが異なる解剖学的組織を収容する。前記弾性部材は、前記プロテーゼの前記中心長手方向軸と実質的に同軸である。前記弾性部材が弛緩したとき、前記弾性部材により、前記プロテーゼが前記軸に沿って短縮し、径方向へ向けて拡張するよう構成される。
【0024】
いくつかの実装において、前記プロテーゼは、更に、少なくとも一つの長さ制限テザーを含んでもよい。これは、分離した前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を互いに取り付ける。前記少なくとも一つの長さ制限テザーは、前記弾性部材が所定の長さを超えて伸長するのを防ぐ役割を果たす。前記径方向拡張可能編みメッシュ本体のそれぞれは、互いに独立して拡張し潰れることができる。
【0025】
様々な実装において、本明細書で開示したいずれの前記プロテーゼにも、少なくとも一つの織物ディスクを設けてもよい。これは、前記プロテーゼの中心のまわりに環状に配列された前記径方向拡張可能メッシュ本体のそれぞれのなかに配設され、前記メッシュ本体の前記メッシュ部分を密封する大きさ及び形状である。これは、そのなかで、容易に止血できるようにするよう位置付けられる。その上、本明細書で提供したいずれの前記プロテーゼにも、外部管状織物部分を設けてもよい。これは、前記織物ディスクのうち少なくとも一つの外部に取り付けられる。前記管状織物部分は、近位へ向けて延び、前記プロテーゼの首領域のなかへ入る。
【0026】
本明細書で開示した前記プロテーゼのいくつかの実装において、前記弾性部材は、コイルばねであってもよい。これにより、前記プロテーゼが軸方向へ向けて潰れ、前記径方向拡張可能編みメッシュ本体が径方向へ向けて拡張する。これにより、前記プロテーゼが、配備されたのち、送達された解剖学的開口から軸方向に引きぬかれるのを防ぐ。前記弾性部材は、例えば、引張コイルばねであってもよい。望むなら、前記コイルばねは、直径が異なる複数のセクションを含んでもよい。例えば、前記コイルばねは、直径が異なる少なくとも三つのセクションを含んでもよい。前記コイルばねは、拡大中心セクションを含む。これにより、前記プロテーゼを配備したとき、前記プロテーゼの首部分が径方向外側へ向けて膨らむ。
【0027】
更なる実装において、本開示のいずれのプロテーゼも、その長さに沿って、二つのディスクを通り抜ける管腔を画定するよう構成し配列してもよい。前記管腔は、前記プロテーゼが配備されて二つの管腔を接続したとき、長さが調整可能な短絡路としての役割を果たすよう構成され配列される。他の実装において、前記プロテーゼは、少なくとも一つの管腔のなかの少なくとも一つの孔を密封するよう構成してもよい。
【0028】
本開示は、更に、プロテーゼを提供する。これは、複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を含む。前記本体のそれぞれは、複数のフィラメントから形成される。これは、互いに交差して摺動できる。前記編みメッシュ本体のそれぞれは、自己拡張して少なくとも一つのディスクになるよう構成される。それぞれの径方向拡張可能編みメッシュ本体は、そのなかに容積を画定する。少なくとも一つの弾性部材が、前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を接続している。前記弾性部材は、好ましくは、前記本体の前記フィラメントから構造的に別個である。前記径方向拡張可能編みメッシュ本体は、前記プロテーゼの中心長手方向軸に沿って、互いから離間している。前記弾性部材は、前記プロテーゼの前記中心長手方向軸と実質的に同軸である。前記弾性部材が弛緩したとき、前記弾性部材によって、前記プロテーゼが前記軸に沿って短縮し、径方向へ向けて拡張するよう構成される。前記プロテーゼは、更に、外側織物被覆を含む。これは、前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体を接続する。前記外側織物は、前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体の前記編み紐の外部に配設される。前記外側織物は、環状形状であってもよく、前記プロテーゼの前記中心長手方向軸の少なくとも一部を取り囲むよう構成してもよい。前記外側織物は、前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体のそれぞれによって形成された前記少なくとも一つのディスクの隣接した面の間に延び、それらを接続してもよい。
【0029】
更なる実装において、前記プロテーゼは、更に、内部織物を含んでもよい。これは、前記複数の径方向拡張可能編みメッシュ本体のそれぞれのなかに配設される。前記内部織物は、前記径方向拡張可能編みメッシュ本体のそれぞれによって形成されたそれぞれのディスクと実質的に径方向へ向けて同一の広がりを持つ。
【0030】
前記プロテーゼ送達システムの前記内側長尺部材は、ガイドワイヤが通り抜けられるよう構成された管状部材であってもよい。更に、前記プロテーゼは、前記ガイドワイヤが前記内側長尺部材を通り抜けることができるよう構成され、これにより、前記プロテーゼの遠位面を通り抜ける。本開示に更にしたがって、本明細書に開示されたいずれのプロテーゼも、少なくとも一部において、複合ワイヤから形成してもよい。いくつかの実施形態において、前記複合ワイヤは、引抜充填ワイヤであってもよい。例えば、前記引抜充填ワイヤは、第一の材料と、第二の材料とを含んでもよい。これは、前記引抜充填ワイヤの異なる領域にあり、前記第一の材料より放射線不透過性が高い。前記第一及び第二の材料は、金属成分や生体吸収性成分を含んでもよい。望むなら、前記第二の材料は、前記ワイヤの芯領域に沿って位置してもよい。第一の材料は、前記第一の材料を取り囲むか、実質的に取り囲むかしてもよい。前記第一の材料は、NiTi合金を含んでもよい。前記第二の材料は、例えば白金を含んでもよい。
【0031】
更なる実装において、本開示は、植込み可能なプロテーゼを提供する。これは、近位端部と遠位端部とを有する膨張可能生体吸収性本体を含む。前記本体は、流体を前記本体のなかへ向かわせることにより径方向に拡張するよう構成されている。前記プロテーゼは、更に、少なくとも一つの径方向拡張可能支柱を含んでもよい。これは、前記本体の前記近位端部及び遠位端部のそれぞれに取り付けられる。前記支柱のそれぞれは、外側へ向けて拡張して、前記プロテーゼが、挿入された解剖学的開口から引き抜かれるのを防ぐよう構成してもよい。
【0032】
望むなら、前述のプロテーゼは、更に、連結器を含んでもよい。これは、送達システムに取り付けられるよう構成された前記プロテーゼの前記近位端部に位置する。前記連結器は、膨張流体が通り抜けられるよう構成してもよい。
【0033】
更なる実施形態において、プロテーゼを提供する。これは、本明細書に記載されたとおり、メッシュ本体を有する。これは、径方向に非拘束になったのち、自己拡張して、首領域によって接続された少なくとも二つのディスクになるよう構成される。前記少なくとも二つのディスクのうち第一のディスクは、漏出を軽減するよう構成してもよい。前記少なくとも二つのディスクのうち第二のディスクは、心血管運動の存在下で前記プロテーゼが適切に配置されるよう構成してもよい。このようなプロテーゼを使用して、例えば、動脈又は心室からの高圧漏出に対処してもよい。いくつかの実装において、このようなプロテーゼを使用して、心室中隔欠損(VSD)(すなわち、心臓における孔)に対処してもよい。これは、誕生時に存在する(先天性の)一般的な心臓欠陥である。前記孔は、心臓の下側の室を分ける前記壁(隔壁)に発生し、血液が心臓の左側から右側へ通過できる。そして、酸素を豊富に含む血液が、身体に送り出されるのではなく、肺に戻され、心臓に負荷を掛ける。前記プロテーゼは、前記欠陥のなかへ送達して配備し、配備して、前記孔を密封してもよい。
【0034】
更なる実施形態において、このようなプロテーゼは、様々な経心臓的用途に使用してもよい。前記第二のディスクによって、前記プロテーゼを一定の位置に確実に保持する。例えば、このようなプロテーゼを使用して、大動脈弁にアクセスするために形成された大動脈弓を通るアクセス開口を、前記弁を置換したのち、密封してもよい。同様に、このようなアプローチを使用して、管腔の又は血管の壁に形成した開口を密封してもよい。(前記心室壁を通って形成された開口を密封し、隔壁に形成された開口(例えば卵円孔開存症(PFO))を密封するなどのための心尖部アクセス処置など。)
【0035】
開示された前記プロテーゼ及び送達システムの独特の利益は、前記プロテーゼを調整し、又は、何らかの所望の理由により、血管開口のなかに設置したのち更に取り外すことができることを含む。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、方法を提供する。これは、本明細書に記載したとおりの送達システムを含む。これは、その上に装着された本明細書に開示したとおりのプロテーゼを含む。標的位置に道づけられたガイドワイヤに乗せて前記送達システムを送達する。そして、前記標的位置で前記プロテーゼを完全に配備して、密封すべき血管開口を塞ぐ。前記プロテーゼは、その後、前記送達システムから切り離してもよい。前記送達システムは、その後、前記プロテーゼを切り離したのち、前記ガイドワイヤに乗って撤退してもよい。その後、望むなら、前記送達システムは、撤退したのち、もう一度、前記ガイドワイヤに乗って前進してもよい。そして、前記プロテーゼは、前記送達システムに再び取り付けてもよい。更なるステップを、その後、前記プロテーゼを使って実行してもよい。これは、以下のうち少なくとも一つを含む。(i)前記プロテーゼを部分的に潰す。(ii)前記プロテーゼを再配置する。(iii)前記プロテーゼを潰して前記送達システムのなかへ撤退させ、前記送達システム及びプロテーゼを前記ガイドワイヤに乗せて取り外す。開示した前記方法は、本明細書で開示したとおりのプッシュロッド(好ましくは管状プッシュロッド)を使用することにより容易になる。
【0036】
理解されるべきことは、前述の概要及び以下の詳細な説明は、いずれも、例示的であり、本明細書で開示された実施形態の更なる説明を提供することを意図するものである。
【0037】
添付の図面は、この明細書のなかに組み入れられ、かつその一部を構成する。これは、本開示の方法及びシステムの更なる理解を例示し、提供するために含まれる。説明とともに、図面は、開示された実施形態の原理の説明に役立つ。
【0038】
前述の及びその他の例示的な実施形態の目的、態様、特徴及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより、もっと明らかになり、もっと良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1A-1D】経血管又は経室アクセスポートを閉鎖するためのプロテーゼを送達するための事例的な送達システムの遠位部分と、前記プロテーゼそれ自体とを描写する。
図2A-2D】図1の前記装置によって送達される前記プロテーゼの様々な態様を例示する。
図3A】本開示にしたがう更なるプロテーゼの実施形態を例示する。
図3B-3C】先行技術のプロテーゼの例を例示する。
図4A-4C】送達システムの前記遠位端部の上に装着された本開示にしたがう植込み可能な装置の更なる実施形態を例示する。
図4D】本開示にしたがう植込み可能な装置の更なる実施形態を例示する。
図5A-5C】送達システムの前記遠位端部の上に装着されたプロテーゼを例示する。前記送達ケーブルシャフトの関節接合を示す。
図6A-6C】巻き線の変種を例示する。これを使用して前記プロテーゼの形成を補助してもよい。
図7-8】本開示にしたがう送達システムの一部を例示する。その上に装着されるプロテーゼを伴わず、前記システムの外側部分が取り外されている。
図8】送達システムの例示的な一実施形態の実例である。その上にプロテーゼが装着されている。
図9A-9B】更に調整可能で、適合的で、操縦性がよく、回収可能で、かつ再配置可能な四ディスク/葉閉鎖システムを例示する。
図10A-10B】三ディスク/葉実施形態を例示する。中心ディスクが大動脈と下大静脈との間に位置している。
図11A-11B】プロテーゼの四ディスク及び三ディスク実施形態を例示する。
図12A-12B】前記プロテーゼを例示する。配備された状況にあり、前記端部ディスクが平らになっている。
図13A-13B】前記プロテーゼを例示する。配備された状況にあり、前記端部ディスクが平らになっている。
図14A-14B】前記プロテーゼ及び送達カテーテルを例示する。テザーが、四つ及び三つのプロテーゼすべてを貫いて、前記送達カテーテルのガイドシースのなかへ入っている。
図15A-15B.16A-16B】三ディスク実施形態の完全な配備を、最初から最後まで例示する。
図17-22】本開示及びその使用方法にしたがう伸縮式閉鎖プロテーゼの更なる事例的な実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ここで、本開示の好ましい本実施形態に詳細に言及し、その例を添付の図面に例示する。開示された前記実施形態の方法及び対応する工程は、前記システムの詳細な記述とともに記述されるであろう。
【0041】
本明細書に例示された例示的な前記実施形態を使用して、経血管又は経室アクセスポートをもっと効果的に閉鎖してもよい。
【0042】
限定ではなく実例を示す目的のため、本明細書で具体化され、かつ、図1で例示したとおり、送達システム200を提供する。これは、その上に装着されたプロテーゼ100を含む。例示的なシステム全体の実例は、図7及び図8のそれぞれで見ることができる。これは、以下で更に詳細に説明する。
【0043】
本明細書で参照されるとおり、「プロテーゼ」という用語は、構造的要素を参照することを意図する。これは、全体的又は部分的に吸収性があってもよいし、なくてもよい。これを使用して、特に心血管系の脈管構造のなかで、解剖学的組織の一部を置き換えたり、解剖学的組織のなかの開口を閉鎖したりしてもよい。前記プロテーゼは、一般に、調整可能な枠組みなどの本体を含む。これを使用して、脈管構造のなかの前記開口を閉鎖してもよい。
【0044】
例示したとおり、前記システム200の前記遠位領域は、外側管状部材124の遠位端部を含む。これは、ガイドカテーテル(不図示)の管腔を通して導入してもよい。これを使用して、経血管又は経室アクセスポートを介して、プロテーゼを送達するなど、いくつかの機能を果たす。前記外側管状部材124の前記遠位端部には、好ましくは、遠位放射線不透過性マーカー120を設ける(望みに応じて、少なくとも一部において、銀、金、白金、その他の放射線不透過性材料から作製されたものなど)。前記外側管状部材の前記遠位先端部122は、斜角に切断し、斜角先端部の近くに前記斜角と整列されたマーカーを設けて、例えば、下大静脈の壁を横切って前記装置を大動脈のなかへ容易に案内できるようにしてもよい。前記斜角は、任意の適切な角度にしてよいが、好ましくは、約30度と約六十度との間の角度、又はその間の約一度単位の任意の角度で、前記カテーテルの中心軸からオフセットされる。事例的な実施形態において、前記角度は、約45度であってもよい。発見されたことには、前記先端部のこのような斜角が補助することにより、設置している間、前記インプラントの「傾斜」や望ましくない傾きが減る。これは、前記斜角と、係合する前記管の前記壁とが整列できるからである。また、いくつかの実施形態において望ましいのは、回転マーカーを有することである。これは、特別な回転位置にある前記プロテーゼの前記遠位端部に(前記外側管状部材の最端部のテーパーされた切断部の端部など)。これが潰れて、前記外側管状部材の前記遠位端部に引き入れられているとき、これを使用して、前記プロテーゼを回転的に整列してもよい。前記外側管状部材は、その遠位端部で関節接合可能又は操作可能であり、これにより、前記システムを容易に操縦できるようにしてもよい。しかし、更に以下で議論するとおり、前記中間部材118は、好ましくは、可撓性であり、操作可能な外側管状部材の必要性を除去するのを補助してもよい。
【0045】
前記外側管状部材124は、様々な材料から作製してよい。例えば、前記シース120は、多層同時押出品(Samuelsonに付与された米国特許第6,464,683号又はFontirrocheに付与された米国特許第5,538,510号に記載されたものなど)を含んでもよい。前述の特許のそれぞれは、参照により本明細書にその全体として組み入れられる。
【0046】
本明細書に記載された前記カテーテルの様々な構成要素の任意の表面又はその一部に、適切な滑らかな一以上の被膜を設け、摩擦力を低減することにより容易に処置できるようにしてもよい。このような被膜は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)若しくはシリコーン油などの疎水性材料、又は、ポリビニルピロリドン(「PVP」)などの親水性被膜を含んでもよい。その他の被膜も可能である。例えば、エコー源性材料、放射線不透過性材料及びヒドロゲルを含む。
【0047】
前記送達システム200の前記外側管状部材124のなかで、管状送達ケーブル(すなわち中間管状部材118)は、摺動可能に配設され、それを通して中心管腔を、その長さに沿って画定する。これは、それを通してプッシュロッド180を摺動可能に受容する。これは、以下で詳細に記述する。前記中間管状部材118の遠位領域は、前記ケーブルの近位領域よりも剛性(すなわちデュロメーター)が低い構成であってもよい。これにより、前記システムの前記遠位端部が関節接合しやすくなる(前記外側管状部材124が関節接合可能な遠位端部又は領域を有する実施形態など)。例示したとおり、前記中間管状部材118は、連結器116で終端する。これは、前記プロテーゼ100に取り付けられる。例示した前記連結器116は、雌部材である。これは、前記プロテーゼ100の上の対応する雄連結部分114を受容する。しかし、理解されるであろうことに、前記送達システムの上の前記連結器116が雄であってもよいし、前記プロテーゼの上の前記連結器が雌であってもよい。いくつかの実装において、雌連結器を前記プロテーゼの上に設けてもよい。これは、巻き部材の内部によって画定される。これは、以下で更に詳細に記述する。これは、前記送達システムの上の雄ねじ切り連結器によって受容される。前記連結器は、ねじ切り連結器であってもよいが、巻き付け係止連結器などでもあってもよい。
【0048】
図1A~1Bで更に例示したとおり、プロテーゼ100の例示的な第一の実施形態を提供する。これは、前記送達システムに接続する近位端部と、遠位端部104とを備える。ここを通して、ガイドワイヤが、ガイドワイヤ管腔106を介して延びることができる。例示したとおり、前記プロテーゼ100は、内部コイル引張ばね101を含む。これは、引き伸ばされていないとき収縮して弛緩状態になるよう構成される。これにより、弛緩したとき、前記プロテーゼが短縮圧縮状態となる。これは、図1Cで最も明白である。これは、前記引張ばね101が弛緩非伸長状況にあるとき、圧縮されたプロテーゼ100を示す。前記コイルばねを引き伸ばすことにより(前記プロテーゼの両端部を引き離すなど)、前記プロテーゼは、図1A又は2Cで描写したように、もっと長尺な外形を呈し、径方向の外形がもっと小さくなる。
【0049】
前記コイルばね101は、その長さに沿って、前記プロテーゼの近位端部から前記プロテーゼの前記遠位端部まで、外径及び内径が実質的に均一であってもよい。その代わりとして、図6Aに例示したとおり、前記コイルばね101は、第二の部分よりも直径が大きい第一の部分を有してもよい。前記小径部分は、前記プロテーゼの前記近位又は遠位端部の方へ向けてもよい。図6Bに例示したとおり、前記コイルばねは、直径が異なる三つの領域を有してもよい。前記コイルばねの中心領域は、両端部分の前記直径に対して、直径が拡大してもよい。前記端部分は、直径が同じでもよいし、異なってもよい。拡大中心部分を有することにより、前記プロテーゼを設置したのち、漏洩を防止するのを補助できる。なぜなら、前記コイルは、前記管腔の間に配備された前記プロテーゼの調整可能な前記首110領域のなかで、前記グラフトやメッシュ材料に押し付けることができ、これにより、前記首が外側へ向けて膨らんで前記外側管腔壁に当たり、容易に密封できるようにし、漏洩を防止するのを補助するからである。前記プロテーゼの前記遠位端部の上の前記高圧ディスクに取り付けられた前記コイルばねの前記巻き線は、前記ハイポチューブが前記プロテーゼの前記遠位端部から抜け出るのを防ぐが、前記ガイドワイヤは通り抜けられる大きさ及び形状であってもよい。同様に、前記送達システムに面した前記プロテーゼの前記近位端部にある前記コイルばねの前記部分は、コイルばねを有してもよい。これは、前記中間管状部材118の雄端部の上に螺合するよう構成され、これにより、前記プロテーゼを前記送達システムに取り付ける。
【0050】
理解されるであろうことには、コイルばねが、本明細書で主に例示され、好ましい一方、その他の弾性又は伸縮部材を、前記コイルばねの代わりに使用してもよい。又は、前記プロテーゼに、その代わりとして、後退可能なテザーを設けてもよい(図9以降に対して以下で詳細に説明する)。例えば、前記径方向拡張可能ディスクに取り付けられた単一又は輪状の伸縮バンドを使用してもよいし、引張ばねとして機能し、適切な薄い形状を有し得る任意の適切な材料でもよい。
【0051】
前記プロテーゼ100は、更に、メッシュ被覆を含む。これは、NiTi合金又は生体吸収性材料など様々な材料から編んでもよい。留意すべきことに、いくつかの実装において、前記プロテーゼは、その全体として生体吸収性材料から作製してもよい。適切な生体吸収性材料及び構築技術は、例えば、米国特許出願第11/398,363号(2006年4月4日出願)及び米国特許出願第14/461,159号(2014年8月5日出願)に見ることができる。このそれぞれは、参照により本明細書にその全体としてあらゆる目的のために組み入れられる。
【0052】
前記メッシュ被覆は、好ましくは、少なくとも一つの近位葉(すなわちディスク112)と、少なくとも一つの遠位葉(すなわちディスク102)とを画定する。これは、狭い首110領域によって接合されている。これは、径方向寸法において調整可能であり、これにより、植込みをしている間、密適合が可能になり、大動脈及びIVCからの漏洩を最小化するか除去するかできる。前記メッシュ被覆は、前記近位及び遠位端部のそれぞれで、前記コイルばねの対応する前記近位及び遠位端部に接合されている。望むなら、前記ディスク102は、高圧管腔内ディスクであってもよい。これは、動脈内壁に当てて配置されるよう構成される。ディスク112は、低圧ディスクであってもよい。これは、例えば、下大静脈の内壁に当てて配置されるよう構成される。
【0053】
前記メッシュの内部は、織込みグラフト材料108や、凝固被膜を伴うエラストマーで満たしてもよい(ポリエチレングリコール(PEG)、その他の非血栓形成性生体不活性のポリマー又はポリマー前駆体など)。
【0054】
例えば、プロテーゼ100の断面を表す図1Dで例示したとおり、前記遠位葉又はディスクの前記遠位面は、第一のディスク型グラフト部分108aを含んでもよい。これは、その中心にある小孔又は開口108bを除き、表面が連続している。これは、前記コイルばね101の前記遠位端部を取り囲んでいる。これが前記メッシュに接触することにより、前記ガイドワイヤが、前記プロテーゼの前記遠位端部を通り抜けられる。この第一のディスク型部分108aは、その外周部のまわりで(例えば編込み又は縫付けにより)第二のディスク型部分108cに接合してもよい。これは、また、そのなかに中心開口108dを画定する。これは、108bよりわずかに大きくてもよい。これにより、そのなかを前記コイルばねが通り抜けられる。これは、今度は、前記ガイドワイヤを包含する前記送達システム(以下に説明する)のプッシュロッド(例えば、ステンレス鋼若しくはNiTiのハイポチューブ、又は、ポリマー(例えばPEEK)若しくは複合材(例えば炭素繊維)の管状部材)が通り抜けられる大きさ及び形状である。更なる管状グラフト部分108eを、第二のディスク型部分108cの前記近位面に取り付けてそこから近位方向に垂れ下げてもよい。これにより、前記プロテーゼ100の前記首領域を並べ、前記コイルばね101の前記中心領域を取り囲む。望むなら、部分108eを一以上の位置で前記メッシュ構造に縫付けてもよい。いくつかの実装において、前記グラフト材料108は、また更に、第三のディスク型部分108fを含んでもよい。これは、管状部分108eの前記近位端部に取り付けられる。これは、また、前記コイル101が通過できるようにするためのそのなかの中心開口108gを画定する。ディスク108fは、同様に、その周辺部のまわりで編込み又は縫付けにより第四の近位ディスク108hに接合してもよい。これは、そのなかに、中心開口108iを画定する。これは、今度は、前記ばねの前記近位端部を取り囲む。これが前記メッシュの前記近位部分に接触し、これにより、前記ばねの周りを密封する。前述した四つの前記ディスクの前記外周部は、互いに及び前記メッシュに縫付けてもよい。これにより、確実に、前記メッシュを前記グラフト材料に適切に登録する。
【0055】
図1Cに更に例示したとおり、プッシュロッド180を、前記中間管状部材118の前記管腔のなかに摺動可能に配設する。前記プッシュロッドは、関節接合可能な近位ハンドル(例えば、図7及び8参照)に取り付けられた近位端部と、前記プロテーゼ100の前記遠位端部分の内側表面に当接した遠位端部とを含む。具体的には、プロテーゼ100の前記遠位中心開口は、ガイドワイヤが通り抜けられるのに十分なほど大きい(0.010及び0.060インチの間、その他適切な直径など)。好ましくは、前記開口は、前記プッシュロッド180(これは、前記ガイドワイヤを摺動可能に収納する中心管腔を画定する。)の前記遠位端部が前記開口を通り抜けられず、その代わりに、前記プロテーゼの前記内側遠位表面に押し当たるのに十分なほど小さい。その代わりとして、前記プッシュロッド(又は、望みに応じて、プッシュチューブ)の前記遠位端部が、前記プロテーゼの内側遠位表面に、前記開口の位置又はその近くで当接する。例えば、前記プロテーゼの前記内側遠位表面は、肩を、前記開口のまわりに画定してもよい。これに、前記プッシュロッドが押し当たる。あるいは、望むなら、ばね101の前記巻き線は、最遠位の巻き線を、前記ガイドワイヤが通り抜けられ、前記プッシュロッド/プッシュチューブはできないようにしてもよい。
【0056】
図2Aは、前記プロテーゼ100の概略的断面表現である。これは、延ばされるか、長手方向に引き伸ばされるかした状態にあり、前記コイルばね101は、引き伸ばされた状況にある。図2Bは、前記プロテーゼを例示する。これは、設置後に現場で弛緩した状況にあり、管腔通路の両側を把持している。図2Cは、同様に、プロトタイプのプロテーゼ100の外観を描写する。これは、拡張された状況にあり、前記プッシュロッド/プッシュチューブは、前記送達システム(不図示)のなかで遠位へ向けて押されて、前記プロテーゼの前記遠位端部に当たり、これにより、前記コイルばねを長手方向に引き伸ばす。図2Dは、同じプロテーゼを例示する。これは、前記プッシュロッド/プッシュチューブが撤退したのち、弛緩した状況にある。理解され得るとおり、前記コイルばね101により、グラフト材料を内部に伴う前記外部メッシュを含む前記葉又はディスクのそれぞれが平らになり、前記管(又は、用途によっては、室)の前記壁にもっと良く接触する。これにより、もっと良く止血できる。
【0057】
図3は、開示された実施形態と先行技術の実施形態との間の相対的性能を例示する。例えば、上述したとおり構築された第一のディスクセクションを有する例示的な実施形態を図3aに表す。この実施形態は、前記管腔の又は室の壁からの引き抜きに抵抗する。なぜなら、前記ばね(すなわち伸縮部材)が、前記遠位又は「高圧」ディスク(これは、例えば、動脈のなかに位置し得る)の中心に取り付けられるからである。これにより、前記遠位ディスクが平らになる。先行技術の実施形態(図3B及び3C)(Amplatzer管閉塞具製品など)は、このような伸縮部材又はばねを有していない。したがって、配備の後退段階(矢印)の間、横長の構成をとり、したがって、不用意な引き抜きの影響を受けやすい。これにより、必然的に、患者に危険な状況をもたらす恐れがある。
【0058】
図4A~4Cは、プロテーゼの更なる実施形態を例示する。これは、前述した構造的特徴をすべて有するのに加えて、更に、追加の長尺な径方向配向支柱又は「翼」136,138を含む。これは、前記プロテーゼの前記メッシュに、前記プロテーゼの前記遠位及び近位面で取り付けられる。これは、前記プロテーゼの径方向中心部分から、前記プロテーゼの外周部まで延びている。この支柱により、前記ばね又は伸縮部材の作用による前記プロテーゼの潰れ易さが向上する。この翼又は支柱は、輪として構築してもよい一方、任意の望ましい又は適切なやり方で作製してもよい。図4Aは、このようなプロテーゼを例示する。これは、長手方向に拡張した構成であり、前記メッシュ外被が前記グラフト材料及びばねを覆って長手方向に引き伸ばされている。一方で、図4Bは、前記プロテーゼを例示する。これは、弛緩した状況にあり、一以上の管腔壁に当たって密封できる。図4Cは、更に、前記プロテーゼを例示する。これは、長手方向に完全に拡張した構成にあり、前記プッシュロッド/プッシュチューブが完全に延びている。これにより、前記プロテーゼが径方向内側へ向けて潰れ、これにより、送達シースに挿入できるようになる。重要なことに、この設計により、前記装置を回収して取り外し、又は、望みに応じて、取り外し再配置し再植込みし移動することができる。言い換えれば、前記伸縮部材又はばねと、プッシュロッド又はプッシュチューブを伴う送達システムとの組み合わせにより、前記プロテーゼの送達性及び配置が大幅に向上する。
【0059】
図4Dは、プロテーゼ140の別の実施形態を例示する。これは、膨張可能で好ましくは生体吸収性の材料から形成された主本体を含む。これは、経室又は経血管アクセスポートその他の密封すべき解剖学的開口を密封するよう構成されている。例示したとおり、前記プロテーゼ140は、近位端部が連結器114に取り付けられている。これは、今度は、前記中間管状部材118の前記遠位端部に位置する連結器116に、取り外し可能に取り付けられている。部材118を通り抜ける管腔(不可視)は、そのなかを通して流体を運搬してもよい。これは、送達している間、プロテーゼ140を膨張させる。流体(生分解性ポリマー、樹脂又は生理食塩水など)を使用して、プロテーゼ140を膨張させてもよい。
【0060】
流体ポート(不可視)を部材114,116のそれぞれのなかに設けてもよい。これにより、前記膨張が容易にできるようになる。ガイドワイヤポート106を更に含んでもよいし、なくてもよい。また、翼136,138を含んでもよい。これにより、前記プロテーゼ140の前記膨張可能本体が、例えば大動脈と下大静脈との間の隔たりに架かり、それぞれの管のなかへわずかに突出する間、前記二つの管の内部表面に当たって保持する。前記プロテーゼ140は、プロテーゼ100と同様、外側管状部材124の前記遠位端部のなかで径方向に圧縮されてもよい。圧縮された前記プロテーゼ140を、植込まれるべき部位まで送達してもよい。前記翼136は、例えば大動脈その他の第一の位置の内部に配備してもよい。前記外側管状部材/シース124を近位側へ向けて後退させてもよい。これにより、前記プロテーゼ140全体を周囲の組織に曝す。流体アクチュエータ(例えば、直線的に、又は、回転ハンドル駆動ねじを用いて回転的に作動する流体プランジャー)を、その後、押圧し/作動させてもよい。これにより、前記送達システムを通して膨張流体を前記プロテーゼ140のなかへ向かわせる。前記プロテーゼ140を所望の程度まで膨張させてもよい。これにより、漏洩を遮断する。前記翼138を(膨張の前、間又は後に)配備してもよい。これにより、前記プロテーゼを所望の位置に留める。前記翼/支柱136/138は、ワイヤループであってもよい。これは、プロテーゼの前記本体を通り抜ける。あるいは、前記プロテーゼ140の両端部に装着してもよい。翼136/138は、好ましくは、容易に潰れ、前記送達システムのなかへ回収できる形状である。
【0061】
前記プロテーゼ140を移動するか取り外すかしたければ、前記流体を前記プロテーゼから排出してもよい。これは、前記流体アクチュエータを反対方向に移動させることによる。前記プロテーゼを、その後、再配置し、植込み、又は、望みに応じて、外側管状部材124の前記遠位端部のなかへ撤退させてもよい。望むなら、プッシュロッド又はプッシュチューブを使用して、前記プロテーゼ100の回収を支援してもよい。
【0062】
図5A~5Cは、更に、前記プロテーゼの実施形態を例示する。これは、様々な関節接合/操作位置にある送達システムの上で潰れた状態にある。これにより、前記装置を配備して最終的に解放するのに必要な前記装置の斜めの角度に適合できる。
【0063】
図7は、本開示にしたがう送達システムの一例の一部を端から端まで示す実例である。これは、前記プロテーゼが装着されず、前記外側管状部材が取り外されている。図7及び8に見ることができるとおり、前記装置それ自体は、前記外側管状部材、中間管状部材、及び、プッシュロッド又はプッシュチューブのそれぞれと同様、ハンドル又は制御ノブに取り付けられた近位端部と、遠位端部とを有する。前記中間管状部材は、図7に例示したとおり、後端部150に取り付けられた比較的硬い近位部分と、移行セグメント148とを含む。これは、今度は、連結器116のなかで終端する遠位可撓性セグメントに取り付けられる。
【0064】
図8に例示したとおり、前記外側管状部材124(すなわち主送達カテーテル)は、後端部160を含む。これは、ハンドル及び操作ノブを含む。これは、主送達カテーテル/外側管状部材124の前記遠位端部を関節接合させるよう構成されている。これは、近位管状領域に取り付けられている。これは、今度は、斜角先端部122のなかで終端する遠位管状領域に接続されている。これは、好ましくは、また、マーカーを含む。これは、前記斜角を追跡し、これにより、設置が容易にできるようにし、設置している間に前記プロテーゼの傾斜(すなわち傾き)を減らす。前記アクチュエータ160は、様々な形態をとってもよい(Lauに付与された米国特許第6,488,694号及びOlsonに付与された米国特許第5,906,619号で描写されたものなど。この明細書は、本明細書に参照によりそれらの全体として組み入れられる)。
【0065】
ガイドカテーテル(不図示)を介して前記システムを患者のなかへ導入する前に、前記プッシュロッド180を完全に遠位へ向けて延ばし、これにより、前記プロテーゼを径方向に潰す。その後、前記中間管状部材を前記主送達カテーテル124の前記遠位端部のなかへ撤退させてもよい。前記中間管状部材118(すなわち送達ケーブルシャフト)は、したがって、好ましくは、剛性が、その長さに沿って可変である。遠位セグメントのほうが柔らかいことにより、前記装置を配備して最終的に解放するのに必要な前記装置の前記斜めの角度に適合できる。本明細書で議論したとおりパドルを前記プロテーゼの上に設けるなら、前記パドル、又は前記プロテーゼの他の部分を、前記外側管状シース(前記外側管状シースの前記端部の上(又はその近く)の選択された回転位置に設けられたマーカー(放射線不透過性マーカーなど)など)に対して径方向に整列してもよい。
【0066】
しかしながら、本開示は、追加の実施形態を提供する。例えば、望むなら、前記プロテーゼに、三つ以上のディスク又は葉を設けてもよい。
【0067】
限定ではなく実例を示す目的のため、図9A及び9Bは、更に調整可能で適合的で操縦性がよく回収可能で再配置可能な四ディスク/葉閉鎖システムを例示する。これは、上述した前記二葉システムと類似しているが、追加の二つのディスク又は葉を、前記近位及び遠位葉の間に設ける点が異なる。前記ディスクは、NiTi合金から形成されているように描写しているが、理解されるであろうことに、任意の適切な材料を使用してもよい。
【0068】
図9A及び9Bで例示したとおり、設置された形態において、前記プロテーゼは、第一の高圧又は動脈対向ディスク16を含む。これは、例えば大動脈のなかに配備される。大静脈壁4及び動脈壁2を、そのなかに装着された前記プロテーゼとともに表す。次の近位ディスク12は、大動脈の前記外壁に当てて配備するために設けられる。マーカーバンド6は、また、前記プロテーゼの保持を向上させるために設けられる。第三の外部大静脈ディスク10は、下大静脈の外部に押し付けるために設けられる。第四のディスク8は、前記IVCのなかに着座するために設けられる。四つの前記ディスクのうち一以上に、外部湾曲部又はテーパー14を設けてもよい。これにより、密封が容易にできるようになる。四つのディスクすべてを、実施形態100と同様、メッシュから形成してもよい。図9の前記プロテーゼのなかにばねが位置する必要はないが、あってもよい。前記プロテーゼが潰れるのを、テザー62を用いて容易にしてもよい。これは、図14A~Bで例示したとおり、四つ及び三つのプロテーゼすべてを貫き通し、前記送達カテーテルのガイドシース64のなかへ入る。図16A~Bで例示したとおり、前記テザーを撤退させ引いてもよい。前記送達カテーテルを強く保持し、これにより、すべての漏出が止まるまで前記テザーを締め付けてもよい。前記テザーを、その後、結び付けてもよいし、切り取ってもよい。前記送達システムを適宜取り外してもよい。
【0069】
図9Aは、配備した後の前記プロテーゼを示す。しかし、これは、前記テザーを締付ける前である。一方、図9Bは、締付け後の前記テザーを示す。図10A~Bは、同様に、三ディスク/葉の実施形態を示す。中心ディスク28が、大動脈と下大静脈との間に位置している。前記構築は、それ以外の点では、図9の前記実施形態と同じである。実施形態100で望む場合と同様、望むなら、内部ばねを用いて構築してもよいし、図9A~9Bの前記実施形態のとおり、テザーを設けてもよい。図10A~Bの前記実施形態にも、ガイドワイヤ管腔30を設けてもよい。
【0070】
図11Aは、プロテーゼの四ディスク実施形態を描写する。放射線不透過性及び/又はエラストマー被覆首36が、前記高圧ディスク38と前記第二のディスク12との間に設けられている。前記エラストマー34は、漏洩の防止を補助するよう設計されている。また、前記低圧大静脈ディスク40及び第三のディスク10も見える。ディスク10,12,40は、それぞれ、放射線不透過性マーカーがその間に配設されている。図12Aは、前記プロテーゼを示す。これは、配備された位置にある。前記端部ディスクは平らになり、前記中央ディスクは完全には平らになっていない。図11Bは、同様に、三ディスク版を提供する。同様の参照番号は同様の構造を表示する。
【0071】
図12Aは、四ディスク実施形態を例示する。これは、配備された状況にあり、前記大静脈ディスク50及び大動脈ディスク52は、圧縮されて固定されている。前記中間ディスク10,12は、拡張されてテーパー14を表し、これにより、密封及び漏洩防止が容易にできる。図12Bは、三葉のプロテーゼを例示する。前記大静脈52及び大動脈50ディスクは、完全に配備され、平らになっている。更に、前記中心ディスク28は、テーパー状密封表面14を画定するよう配備されている。図13A~Bは、四ディスク実施形態の更なる変種を示す。これは、半配備状況にあるものと、解剖学的組織のなかで想定された設置状況にあるものとである。
【0072】
図14A~14Bは、四及び三ディスクプロテーゼ実施形態を、それぞれ例示する。これは、テザー62が通り抜けている。前記大動脈ディスク16は、前記アセンブリの遠位端部に位置する。最近接ディスク8も、設けられている。前記テザー62は、前記プロテーゼを通り抜け、その後、近位へ向かって管状部材(すなわちテザー管腔64)を通り抜け、前記送達システム68の前記近位端部へ向かい、ポートやハンドル66を通り抜ける。ハンドル70を更に設ける。これは、細長い部材又は閉鎖保持シャフト72(例えばチューブ又はロッド)に取り付けられる。これは、前記プロテーゼに、取り外し可能な連結器(ワイヤ管腔を伴う、保持したり解放したり回収関節接合したりするねじなど)を介して取り付けられる。図15~16は、三ディスク実施形態の完全な配備を最初から最後まで示す。
【0073】
図17~19は、本開示にしたがう伸縮式閉鎖プロテーゼの更なる事例的実施形態を表す。前記プロテーゼは、本明細書で上述した前記送達カテーテルを使用して送達されてもよい。
【0074】
図17A~17Eは、前記プロテーゼ1700の特別な構造的態様を例示する。例示したとおり、プロテーゼ1700は、遠位ディスク1702と、近位ディスク1712とを含む。これは、本明細書に記載した先行するプロテーゼと同様である。これは、引張コイルばね1701によって接続されている。しかしながら、プロテーゼ1700は、構造において、本明細書に記載した前述のプロテーゼのいずれとも、かなり顕著に異なる。適切な部分において、前記ディスク1702,1712は、編み材料で形成されているが、編み材料で接続されてはいない。その代わり、前記ばね1701、及び、例示した前記拡張制限テザー1736,1738又は開示した前記外側織物被覆で接続されている。プロテーゼ1700は、密集した形態で表す。これは、図17Dで例示したとおりである。前記引張ばね1701は、前記装置を、軸方向へ向けて完全に潰している。図17Eは、これに対し、前記プロテーゼ1700を例示する。これは、軸方向へ向けて拡張した形式にある。
【0075】
ディスク1702には、更なる構造(すなわち「パドル」)も設けられている。これは、配備されたとき、前記ディスク1702から径方向外側へ向けて延びる。これは、好ましくは、織物によって覆われている。これは、そのなかへ組織を内殖させるよう構成されている。前記パドルは、ディスク1702の内側の面の前記構造に取り付けられてもよい。これにより、前記プロテーゼ1700が潰れたとき、前記送達システムの長手方向軸に平行な向きに方向付けられる。前記パドルが、ディスク1702の平らな前記内側の面に取り付けられているので、配備されたとき、前記送達システムの前記長手方向軸に対して、概して横断する向き、更には垂直な向きにも、再び方向付けられる。望むなら、前記パドルは、送達されるやり方に依存して、前記プロテーゼ1700のいずれの面に取り付けてもよい。更に、多数のパドルを設けてもよい。これは、同一の又は異なるディスクに取り付けられる。一実施形態において、例示したとおり一つではなく、二つのパドルを前記遠位ディスクの前記近位面に取り付ける。これは、前記ディスクの同一の概略周方向位置(互いの隣)に、又は、互いから離れて(180度など)、位置している。別の実施形態において、三つ以上(例えば、四つ五つ)のパドルを設ける。これは、互いから周方向に均一に又は不均一に離れていてもよい。
【0076】
前記パドルは、描写したとおり、ワイヤフレームであってもよい。これは、合成若しくは生体組織又はグラフト材料で部分的に又は完全に覆われていてもよいし、覆われていなくてもよい。例示した前記実施形態において、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)織物を使用する。概して、プロテーゼに対して、前記メッシュディスク(例えば1702)のなかに設ける織物は、非伸縮織のポリエステル(編みポリエステル材料など)から作製する。前記材料は、前記ディスク1702を横切る血液の流れを減少させるか防ぐかする役に立つ。前記織物は、好ましくは、厚さが約0.003から約0.004インチであり、もっと一般的には、厚さが約0.0005から約0.010インチの範囲でもよく、又は、望みに応じて、その間の任意の0.0001インチ刻みでもよい。
【0077】
前記外側織物は、前記プロテーゼ1700の前記首領域を覆って存在する。これは、例えば、前記ディスク1702の前記近位面を覆って延び、近位へ向けて前記プロテーゼの前記首を覆っている。これは、好ましくは、編まれたポリエステルであり、前記ディスクの形状に整合的である。この材料は、編まれていて、そのなかに穴を画定するが、ディスク1702を配備したとき、止血、好ましくは即時の止血が容易にできるようにする。前記材料は、前記プロテーゼを植込んだのち、組織が容易に内殖できるようにするよう適切に構成されてもいる。前記外側織物は、好ましくは、厚さが約0.009インチであり、もっと一般的には、厚さが0.002~0.010インチの範囲でもよく、又は、望みに応じて、その間で任意の0.001インチ刻みでもよい。
【0078】
使用時において、前記パドルは、前記プロテーゼを配備したとき、引出し抵抗を提供する。しかし、これは、前記パドル及びプロテーゼの幾何学的形状によって、内科医が前記管腔(例えば動脈)のなかの前記孔を位置付けるのも補助する。特に、前記プロテーゼを送達している間、著しい力が、前記プロテーゼによって、前記プロテーゼが通り抜けて延びる前記開口の上方にある前記動脈内壁に加わる。前記パドルは、前記動脈の前記開口の上方で上へ向けて延び、前記動脈の方向に平行(すなわち、頭蓋方向)である。前記プロテーゼを前記送達システムによって引き上げたとき、前記パドルは、前記ホールの上方で前記動脈壁に押し付けられ、前記プロテーゼが前記動脈から引き出されるのを防ぐ。しかし、前記パドルは、支点としての役割も果たし、前記プロテーゼを、前記パドルの前記先端部の周りで回転させて、前記ディスクの反対端部を引き、前記管壁と整列させて、傾斜するのを防ぎ、整列を向上する。これは、前記送達システムの前記中間管状部材がとることのできる前記逆曲線構成の協働においてなされる。これは、前記プロテーゼを引き「上げ」て、前記管(例えば動脈)と直交する関係にする。
【0079】
図からわかるとおり、遠位ディスク1702は、動脈環境のなかに置くように構成されている。グラフト材料を、本明細書における図1Cの前記実施形態と同様のやり方で、前記ディスクのなかに配設する。特に、前記遠位ディスク1702の前記遠位面は、第一のディスク型グラフト部分1708aを含んでもよい。これは、連続した表面を有するが、その中心にある小孔又は開口1708bは除く。これは、前記コイルばね1701の前記遠位端部を取り囲んでいる。これは、前記メッシュと接触し、これにより、ガイドワイヤが前記プロテーゼの前記遠位端部を通り抜けられるようにする。この第一のディスク型部分1708aは、その外周部の周りで(例えば、編込み又は縫付けにより)第二のディスク型部分1708cに接合されてもよい。これも、そのなかに中心開口1708dを画定する。これは、1708bよりもわずかに大きくてもよい。これにより、前記コイルばね1701が通り抜けられる。これは、今度は、前記ガイドワイヤを包含する前記送達システムのプッシュロッド(例えば、ステンレス鋼若しくはNiTiのハイポチューブ、又は、ポリマー(例えばPEEK)若しくは合成物(例えば炭素繊維)の管状部材)が通り抜けられる大きさ及び形状である。これは、図1の前記実施形態と同様である。更なる管状グラフト部分1708eを、第二のディスク型部分1708cの前記近位面に取り付け、そこから近位方向にぶら下げてもよい。これにより、前記遠位ディスク1702の首領域を並べ、前記コイルばね1701の一部を取り囲む。図1の前記実施形態とは対照的に、プロテーゼ1700の遠位ディスク1702は、更に、凹状グラフト部分1708fを含む。これは、その中心に開口1708gを画定する。これにより、前記コイルばね1701を、遠位浮遊スリーブ又はマーカーバンド1732とともに収容する。これは、前記ばねが拡張したとき、前記コイルばね1701の外側表面を越えて摺動するよう構成されている。一方、ディスク1702の前記遠位面は、その中心領域で、前記コイルばね1701に取り付けられている。
【0080】
前記グラフト部分1708a、1708c,1708e,1708fは、前記ばね1701の外部表面と協働して、内部区画1709を画定する。これは、様々な目的のために使用してよい。例えば、区画1709は、有益な薬剤(凝固ゲルなど)又は調合化合物など有益な他の薬剤その他の材料を含むために使用できる。前記遠位ディスクの上に画定された前記凹面によって、前記近位ディスクの前記スリーブ1734が、前記遠位ディスク1702の前記メッシュのなかに入れ子になることができ、したがって、必要なら、非常に小型な構成となることができる。織込みグラフト材料の代わりに、又は、それに加えて、弾性ポリマーや親水性ポリマー層を訴えて、プロテーゼ1700の閉鎖及び位置付けを、特に石灰化瘻のなかにおいて、向上する。
【0081】
近位ディスク1712は、図1の前記実施形態のディスク112と多くの観点において同様であるが、以下の点は除く。すなわち、その遠位端部で前記遠位ディスク1712に取り付けられず、その代わり、近位浮遊スリーブ又はマーカーバンド1734に取り付けられている。これは、ばね1701の外側表面を覆って摺動するよう構成される。これは、遠位浮遊スリーブ又はマーカーバンド1732と同様である。ディスク1702,1712は、スリーブ/マーカーバンド1734,1732において、拡張制限テザー1736,1738によって接続されているように例示されている。その最終結果は、前記プロテーゼ1700が、図17A,17Eに例示したとおり、軸方向へ向けて拡張したとき、前記拡張制限テザー1736,1738が緊張下に置かれ始めるまで、完全に配備されたときと同じ弛緩状況を前記ディスク1702,1712が保つことである。拡張制限テザー1736,1738が緊張下に置かれたとき、前記ディスク1702,1712は、径方向の大きさが減少することにより変形するであろう。これは、本明細書で記述したとおり前記プロテーゼ1700を送達シースに装填するとき、又は、処置をしている間に、前記プロテーゼを取り外し、その場で再配置することを望む場合に、役に立つことができる。拡張制限テザー1736,1738は、更に、前記コイルばね1701が、過度に引き伸ばされたり、降伏(例えば可塑的に変形)したりするのを防ぐ役割を果たす。また、ばね1701が壊れた場合に、前記プロテーゼ1700を一緒に保持する役割を果たすことができる。
【0082】
プロテーゼ1700は、上述した他のプロテーゼに比べて追加的な利点を提供した。前記ディスク1702及び1712の前記内側端部が、前記コイル引張ばね1701を覆って、互いに独立して自由に摺動できるおかげで、真に伸縮するプロテーゼを有することができる。これにより、前記ディスク1702,1712が、設置したとき最適な構成となることができ、しかも、前記ディスク1702,1712の間の距離が異なることができ、したがって、設計が同じ一つのプロテーゼ1700を、前記プロテーゼ1700を組み入れる隣接する管腔の間の距離がもっと大きかったりもっと小さかったりする多数の患者に使用できる。更に、プロテーゼ1700の前記ディスク1702,1712を、全体的又は部分的に、生体吸収性材料金属又はポリマー材料から作製してもよい。
【0083】
真に伸縮する能力を提供するのに加えて、前記ディスク1702,1712を互いから切り離すことにより、前記プロテーゼを容易に関節接合できる。図18に見えるとおり、前記遠位ディスク1702は、前記近位ディスク1712に対して、ほぼ90度の角度まで(例えば60、70、80度)、容易に関節接合できる。望むなら、後端プッシュロッド延伸制限器1780(前記送達カテーテルの前記軸を覆うブッシュの形態(図17F)など)を設けてもよい。これにより、前記プロテーゼが軸方向へ向けて過度に引き伸ばされるのを避ける。
【0084】
前記送達システムを使用して、ディスクを潰してもよい。これにより、ディスクを装填し、完全に配備したのち完全に回収し、個別に制御する。例えば、図19Aに例示したとおり、インプラントを前記送達システムのなかに装填し、配備するため対象部位に送達する。前記遠位ディスク1702を、その後、例えば、前記カテーテルから動脈のなかへ前進させる。これは、図19Bに例示するとおりである。図19Cは、前記遠位大動脈ディスク1702を例示する。これは、完全に配備され、着座する準備をしている。図19Dは、ばね1701が軸方向へ向けて延びているところを例示する。これは、プッシュロッド180を押し進めることによる。前記近位静脈ディスク1712は、その後、図19Eに示すとおり、配備される。図19Fは、前記近位静脈ディスク1712を例示する。これは、着座するため完全に配備された状況にある。図19Gは、前記プロテーゼ1700を前記送達システムから解放するところを例示する。これは、図19Hで例示したとおり、その後、取り外してもよい。理解されるであろうことに、図19の前記プロテーゼは、他の図で示す前記パドルを有するものとして例示していない。しかし、望むなら、前記プロテーゼにパドルを設けてもよい。
【0085】
図20は、前記プロテーゼ及び送達システムの更なる態様を例示する。これは、上述した前記パドルを使用することの利点を示す。これは、ディスク1702に取り付けられている。前記プロテーゼは、図20Aで例示する。これは、配備された状況にあり、前記送達システムの上にある。ガイドワイヤが前記システムの前記中心管腔を通り抜けて、前記遠位端部から外に出ている。図20Bは、前記プロテーゼから独立した前記パドルの枠組みを例示する。例示したとおり、前記枠組みは、単純に、金属その他適当な材料の輪であってもよい。これは、その後、前記プロテーゼ1700の前記枠組みに取り付けられる。マーカーを、前記パドル構造の一部又は全体に沿って設けてもよい。あるいは、前記パドル構造を、放射線不透過性材料で形成してもよい(例えば、NiTi70%・白金30%のワイヤなど。これは、「DFT」ワイヤとして知られる)。更に、好ましくは、マーカーを、前記パドルの径方向内側へ向かう位置に設ける。これは、蛍光透視下で別個である。さもなければ、前記プロテーゼが定位置に引き込まれたとき、前記管腔(例えば動脈)のなかの前記孔の上側末端に直接対応する構造的な位置にする。なぜなら、前記マーカーが、可視化されたとき、内科医に見えるからである。前記プロテーゼが(例えば前記動脈の)前記孔のなかにいつあるかが通知される。更に、内科医が前記管腔のなかの前記孔の位置を「位置づけ」るか確認するかするのを補助する。要するに、前記マーカーは、内科医が、前記プロテーゼを前記管壁のなかに正しく位置付けるのを大いに助ける。
【0086】
図20Cは、プロテーゼ1700を例示する。これは、潰れた状況にあり、前記パドルは、前記ディスク1702に取り付けられいる。更に、前記パドルは、そこに取り付けられたグラフト材料を含む。図20Dは、前記送達システムに装着されたプロテーゼの近位-遠位視を例示する。これは、前記近位ディスクの前記近位面を例示する。図20Eは、拡張した前記プロテーゼの側面図である。これは、前記遠位ディスクに取り付けられた前記パドルの位置づけを例示する。図20F及び20Gは、更に、前記プロテーゼ1700の側面図を例示する。特に、グラフト織物材料の位置づけを例示する。これは、前記近位及び遠位ディスクのそれぞれの内側面の上、並びに、前記ディスクの間にあり、これにより、前記グラフト材料が「鞍」形状を形成する。これは、横から見たとき凹状突起として存在する。これは、前記プロテーゼ1700の前記首領域の中央近くで直径が最小になり、それぞれのディスクへ向かって徐々に広くなる。前記プロテーゼの下部構造によって支持された前記グラフト材料のこの形は、(特に、前記動脈壁(腹大動脈など)に対して)植込んだのち、効果的な密封を提供するのに有利であると考える。いくつかの実施形態において、前記プロテーゼ1700は、前記近位ディスクについて、完全な密封を提供しないよう構成される。これは、例えば下大静脈(IVC)の前記内壁に押し付ける。ある事例において、前記インプラントの前記IVCの完全な密封は、望ましくないかもしれない。これは、前記遠位ディスクによって密封された前記動脈から漏出した血液を、対応する前記静脈が取り入れることが望ましい場合でもよい。実際問題として、前記静脈は、顕著な正の圧力を有しないかもしれないから、密封の必要性は、無視できる。そして、実際、前記処置の一部として、前記静脈のなかの前記孔を介して、前記静脈と前記管の間の空間との間の流体連通をある程度維持することが有利であるかもしれない。
【0087】
図20Hは、前記送達システムの位置付けを例示する。これは、中間管状部材118の前記可撓性遠位部分のおかげで成し遂げられてもよい。中間管状部材118の遠位部分の前記可撓性は、極端に有利であり得る。なぜなら、その可撓性によって、図20Hに例示したとおり、前記送達システムの近位部分の中心軸に対して約90度有効に曲がることができるからである。特に、前記プロテーゼ1700を前記動脈側の上に植込むとき、前記パドルは、前記動脈(例えば腹大動脈)のなかの前記孔の上方で前記上側(すなわち頭蓋)壁に押し付けられる。これにより、前記プロテーゼ1700が前記孔から引き抜かれるのを防ぐ。しかし、この整列工程をしている間は、前記動脈の前記上側内壁の上で押し付けた前記パドルを、支点(すなわち「回動点」)として有利に使用できる。これにより、前記プロテーゼが回転して水平に整列される。これにより、前記プロテーゼ1700が通って延びる前記アクセス孔の下方で、前記遠位ディスクの前記下側部分も、前記動脈の前記内壁に引き付けられる。前記「支点」の周りのこの動きは、中間管状部材118の前記遠位可撓性部分を曝し、前記送達システムを遠位へ向けて押して前記静脈(例えばIVC)のなかへ入れることにより実行される。これにより、前記中間管状部材118が反り、逆疑問符(「?」)の形状に似た蛇状構成になる。これは、図20で例示したとおりであり、前記プロテーゼ1700が強制的に部分的に植込まれることによる。この操縦により、前記遠位ディスクの前記近位面を引き、前記動脈壁に当てて面一にし、前記遠位ディスクの植込みを完了させ、したがって、動脈漏洩を最小化する。特に有利である得るのは、前記パドルが前記プロテーゼ遠位ディスクと接触する前記パドルの前記基部にマーカーを設けることである。なぜなら、そのようなマーカーは、そのように位置決めしたとき、蛍光透視のもと、前記動脈孔の位置を示すのに非常に役立つからである。なぜなら、前記マーカーは、上述した前記「支点」又は回動点に位置するからである。前記パドルの上に織物を含むことにより、植込んでいる間に、前記プロテーゼの引出しに対する追加的な抵抗を提供してもよい。前記動脈壁の前記内側表面は、プラーク形成により粗くなり得るからである。前記パドルの前記織物は、この平らでない表面に押し付け、いくらか接着してもよい。これにより、プロテーゼ1700を容易に植込むことができる。
【0088】
図21A~Eは、前記送達システムについて、前記プロテーゼを配備する様々な段階を例示する。図21Aは、前記プロテーゼ1700を例示する。これは、配備された状況にあり、前記パドルが前記プロテーゼに対して径方向外側へ向けて延びている。例示したとおり、前記外側管状部材の前記遠位先端部122を斜角に切断してもよい。これにより、例えば下大静脈の前記壁を越えて前記装置を大動脈のなかへ容易に案内できる。例示したとおり、マーカーバンドを設けるのも有利である。これも、前記遠位先端部122の斜角した前記端部で、角度を有する。そのようなマーカーバンドは、使用時に、前記装置を整列するのに非常に有用である。しかし、これは、また、前記遠位先端部122が近位へ向けて撤退し、これにより、前記プロテーゼ1700を植込むとき、前記動脈及び静脈の前記壁をいつ横断するかを使用者に通知する。その最終結果として、斜角した前記端部及びマーカーにより、植込みをしている間に前記プロテーゼの傾き(すなわち傾斜)を減らすのを補助する優れた整列をすることができる。このような傾斜の減少は、更に、部材118の前記遠位端部の可撓性によって助けられる。
【0089】
図21Bは、前記プロテーゼ1700を例示する。これは、半潰れ状態にあり、前記パドルが(右上で)径方向外側へ向かう方向付けから軸方向へ向かう方向付けに向かって回転し、これにより、前記遠位ディスクの前記近位面の方向付けに一致するところを示す。図21Cは、前記プロテーゼ1700を示す。これは、近位へ向けて部分的にひき、前記送達カテーテルの前記遠位先端部122のなかへ入っている。一方、図21Dは、前記プロテーゼを示す。これは、近位へ向けて完全に撤退し、前記送達カテーテルのなかへ入っている。最後に、図21Eは、前記送達システム及びプロテーゼを前記横向きに方向付けたところを示す。前記植込み処置をしている間に使用しているところが見える。前記パドルが、方向付けにおいて上方向へ向けて延び、前記アクセス開口の上方で前記動脈壁に接触できる。
【0090】
図22は、現場で実際に使用されている開示された前記システムの配置を例示する。前記送達カテーテルが、下大静脈を通って前進し、前記ガイドワイヤ及びプロテーゼが腹大動脈のなかへ延びている。例示したとおり、前記送達システムの一部118は、開示された前記逆疑問符形状に曲がることができ、前記プロテーゼ1700を容易に整列し配置できるようにする。これは、腹大動脈のなかへの前記アクセス開口の上方で前記動脈壁に押し付けられる前記パドルの周りで前記プロテーゼを回転させることによる。また、指摘されるのは、前記パドルの前記基部にある前記マーカーの位置と、前記送達カテーテルの前記斜角先端部122の上にある前記マーカーである。上述したとおり、前記パドルの前記基部にある前記マーカー(又は、本明細書におけるプロテーゼの他の実施形態においてその位置に提供され得る他のマーカー)によって、内科医が前記管壁のなかの前記孔を位置付けるのを補助し、これにより、もっと正確に前記プロテーゼを成功裡に設置する。
【0091】
本開示に更にしたがって、更に、実施形態が提供される。特に例示しないが、これは、図14~17の前記実施形態の束縛する特徴を、本明細書で開示された任意の他の実施形態に追加する。これは、図1~13のうちのいずれかの前記実施形態を含むがこれに限定されず、このような実施形態が弾性部材又はコイルばねを伴って構築されるか否かに関わらない。
【0092】
本開示に更にしたがって、本明細書に開示された任意のプロテーゼは、少なくとも部分的に、複合ワイヤから形成してもよい。いくつかの実施形態において、前記複合ワイヤは、引抜充填ワイヤであってもよい。例えば、前記引抜充填ワイヤは、第一の材料と、前記引抜充填ワイヤの異なる領域にある第二の材料とを含んでもよい。これは、前記第一の材料よりも放射線不透過性が高い。前記第一及び第二の材料は、金属成分や生体吸収性成分を含んでもよい。望むなら、前記第二の材料は、前記ワイヤの芯領域に沿って位置してもよい。第一の材料は、前記第一の材料を取り囲んでもよいし、実質的に取り囲んでもよい。前記第一の材料は、NiTi合金を含んでもよい。前記第二の材料は、例えば白金を含んでもよい。このような複合材料を作製するのに適した他の例は、米国特許出願第10/524,387号(2004年9月13日出願)に見つけることができる。これは、参照により本明細書にその全体としてあらゆる目的のため組み入れられる。
【0093】
本明細書に開示された前記装置は、経壁又は経室用途における前記送達システムを介して、国際特許出願PCT/US2013/072344号(2013年11月27日出願、2015年2月12日に国際公開第2015/020682号として公開)に表れているものに類似した技術を使用して、植込んでもよい。これは、参照により本明細書にその全体としてあらゆる目的のため組み入れられる。しかし、現在開示された前記実施形態は、特に前記伸縮部材及びプッシュロッドのおかげで、もっと容易に配備し、調整し、回収することができる。
【0094】
したがって、本明細書における前記装置のうちのいずれかを使用した例示的方法は、装置を心血管系に経カテーテル送達する方法と組み合わせてもよい。前記方法は、大腿静脈を通して穿刺装置を静脈交差部位まで前進させることを含んでもよい。前記静脈交差部位は、腸骨静脈又は下大静脈に沿って位置する。前記方法は、更に、前記穿刺装置を使用して、前記静脈交差部位で静脈壁を穿刺し、その後、動脈交差部位で隣接する動脈壁を穿刺することを含んでもよい。前記動脈交差部位は、好ましくは、腸骨動脈又は腹大動脈に沿って位置する。前記方法は、更に、前記穿刺装置のうち少なくとも一部を前進させて、腸骨動脈又は腹大動脈のなかへ入れ、これにより、前記静脈交差部位と前記動脈交差部位との間にアクセス路を形成することを含んでもよい。
【0095】
前記方法は、更に、前記アクセス路を通してカテーテルを前記静脈交差部位から前記動脈交差部位まで前進させ、前記カテーテルを通して前記装置を腸骨動脈又は腹大動脈のなかへ送達することを含んでもよい。前記装置は、人工心臓弁、大動脈エンドグラフト、左心補助循環装置、心肺バイパス装置その他の潜在的な装置であってもよい。いくつかの実施形態において、前記穿刺装置を選択的に電気的に活性化して、前記静脈壁と前記動脈壁とを穿刺してもよい。前記穿刺装置は、内側及び外側同軸部材を含んでもよい。前記内側部材は、ガイドワイヤ又は針を備える。これは、前進して、前記静脈及び動脈の壁を最初に穿刺する。前記外側部材は、前記内側部材を覆って前進してもよい。これにより、最初の前記穿刺を拡大し、前記アクセス路を通して、もっと大きな装置を容易に導入できるようにする。標的装置は、前記動脈交差部位に隣接した末梢動脈を通して前進してもよい。前記標的装置を使用して、操作者を案内し、前記穿刺装置が前記動脈壁を通って腸骨動脈又は腹大動脈のなかへ入る経路を導いてもよい。
【0096】
前記アクセス路を形成したのち、前記アクセス路を通してガイドワイヤを導入してもよい。前記カテーテルは、その後、前記ガイドワイヤを覆って前進し、前記アクセス路を通って腸骨動脈又は腹大動脈のなかへ入ってもよい。これにより、前記装置を送達する。前記装置を送達したのち、本明細書に記載したとおり閉塞装置を、ガイドワイヤを覆って前記アクセス路のなかへ送達してもよい。これにより、前記アクセス路を閉鎖する。前記閉塞装置は、好ましくは、経カテーテル送達のため径方向に圧縮可能であり、植込みのため径方向に拡張可能である。前記閉塞装置は、前記動脈交差部位に配置する動脈部分と、前記静脈交差部位に配置する静脈部分と、前記アクセス路に配置する首部分とを含んでもよい。前記閉塞装置は、ガイドワイヤチャネルを含んでもよい。これは、前記静脈部分と、前記首部分と、前記動脈部分とを通って延びる。処置のこの部分は、以下によって実装してもよい。すなわち、本明細書に開示したとおり送達カテーテルを配備し前進させて前記動脈のなかへ入れる。前記プロテーゼの第一の部分(葉又はディスクなど)を前記動脈のなかへ配備する。一以上のディスクを前記動脈及び静脈の間に配備してもよいし、しなくてもよい。そして、ディスク又は葉を前記静脈のなかへ配備する。前記プロテーゼが本明細書に記載したとおりばね又はテザーを含む場合、前記プッシュロッドを押すことにより前記装置を潰してもよい。これにより、前記プロテーゼが部分的に潰れて、再配置し再配備するか、又は、完全に潰れて、撤退し、前記送達システムのなかへ戻るかすることができる。前記インプラントは、好ましくは、動静脈瘻又は経路接続部と交差して動脈と静脈との間に植込まれるよう構成される。前記動脈端部分は、前記動脈のなかに位置付けられ、前記静脈端部分は、前記静脈のなかに位置付けられ、首部分は、前記瘻又は経路接続部のなかに位置付けられる。
【0097】
本明細書に開示された前記システムを使用して、先天性心臓欠陥を閉鎖してもよい。これは、心房中隔欠損、心室中隔欠損、持続性動脈管開存を含む。前記システムを使用して、医原性心臓欠陥を閉鎖してもよい。これは、非解剖学的血管アクセスポートを含む。これは、胸から、左又は右の心室の壁を横切って、それぞれの管腔のなかへ入るか、胸から、左又は右の心房の壁を横切って、それぞれの管腔のなかへ入るかする。いずれも、これにより、一時的に心臓へ経カテーテルでアクセスできるようになり、これにより、治療的カテーテル介入処置又は植込みが可能になる(僧帽弁若しくは三尖弁若しくは大動脈弁若しくは肺動脈弁若しくはプロテーゼ若しくは弁輪形成の植込み、又は、弁傍漏出の変更若しくは修復など)。
【0098】
本発明の原理、態様及び実施形態、並びに、その具体例を列挙する本明細書のすべての記述は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することを意図している。加えて、このような等価物は、現在知られている等価物、及び将来開発される等価物(すなわち、構造に関係なく同じ機能を果たす開発された任意の要素)を含むことを意図している。
【0099】
本開示の方法及びシステムは、上述し図面で示したとおり、患者の管腔系を治療するための改善された技術を提供する。当業者に明らかであろうことに、本開示の装置、方法及びシステムにおいて、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形をなしてもよい。したがって、本開示は、主題の開示及び等価物の範囲のなかである変更及び変種を含むことを意図している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22