(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20230424BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20230424BHJP
【FI】
G06Q20/08
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2021154137
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】堀口 智也
(72)【発明者】
【氏名】梁 在石
(72)【発明者】
【氏名】河野 哲也
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-110961(JP,A)
【文献】特開2020-024495(JP,A)
【文献】特開2020-086590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するユーザ装置から、前記ユーザの決済に用いる第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む第1アカウント情報を取得するアカウント取得部と、
前記第1アカウントに対応付ける第2アカウントであって前記ユーザの取引のための第2アカウントを発行させるタイミングの設定を前記ユーザ装置から受け付けて、前記タイミングを設定する設定部と、
前記ユーザ装置および前記取引を行うための取引装置の少なくともいずれかから、前記ユーザが要求する取引の取引情報を取得する取引取得部と、
前記第1アカウント情報と前記取引情報とに基づいて、前記設定されたタイミングで前記第2アカウントを発行するための処理を行うアカウント制御部と、
前記ユーザ装置に、前記発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む第2アカウント情報を提供する提供部と、
前記ユーザ装置および前記取引装置の少なくともいずれかから、前記第2アカウントによる前記取引の決済要求を示す決済情報を取得する決済取得部と、
前記決済情報に基づいて、前記取引について、前記第1アカウントを用いた決済のための処理を行う決済処理部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記決済処理部は、前記処理の結果を示す決済履歴情報を、前記処理に用いた前記第1アカウントに対応付けられた前記第2アカウントごとに履歴記憶部に登録し、
前記情報処理装置は、前記ユーザ装置から、前記第2アカウントによる取引の決済履歴情報を参照するための参照要求を受け付ける受付部をさらに備え、
前記提供部は、前記ユーザ装置に、前記参照要求に基づいて、前記履歴記憶部を参照して、前記第2アカウントごとの決済履歴情報を提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1アカウントは、決済機関のアカウントであって、
前記情報処理装置は、前記決済機関が使用する決済装置と通信可能に接続され、
前記決済処理部は、前記第1アカウントを用いた決済のための処理として、前記第1アカウントに対する移動指示であって前記取引の取引金額に充当させる資金を移動させるための移動指示を、前記決済装置に行う、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決済取得部は、前記第2アカウントによる前記取引が複数ある場合、複数の取引の決済要求それぞれの複数の決済情報を取得し、
前記決済処理部は、前記複数の決済情報に基づき前記複数の取引の精算を行い、前記精算の結果に基づいて、前記複数の取引について、前記第1アカウントを用いた決済のための処理を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記タイミングは、前記ユーザが要求する取引ごとに前記第2アカウントを発行させるものである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アカウント制御部は、前記決済処理部による前記第1アカウントを用いた決済のための処理が完了した際、前記第2アカウントの取引のための利用を停止にする、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記第2アカウントを発行させるサイクルの設定を前記ユーザ装置から受け付け、前記サイクルを設定し、
前記タイミングは、前記設定されたサイクルで前記第2アカウントを発行させるものである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定部は、前記第2アカウントを発行させる取引相手の設定を前記ユーザ装置から受け付け、前記取引相手を設定し、
前記タイミングは、前記ユーザが要求する取引が前記設定された取引相手との取引であり、かつ前記取引相手の前記第2アカウントが未発行の場合、前記第2アカウントを発行させるものである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定部は、前記第2アカウントを発行させる取引が行われる取引場所であって取引が行われるプログラムおよび取引が行われるサイトの少なくともいずれかを含む取引場所の設定を前記ユーザ装置から受け付け、前記取引場所を設定し、
前記タイミングは、前記ユーザが要求する取引が前記設定された取引場所での取引であり、かつ前記取引場所の前記第2アカウントが未発行の場合、前記第2アカウントを発行させるものである、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記アカウント制御部は、予め設定された発行可能期間以外の期間において、前記第2アカウントの発行を停止する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザが使用するユーザ装置から、前記ユーザの決済に用いる第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む第1アカウント情報を取得するアカウント取得機能と、
前記第1アカウントに対応付ける第2アカウントであって前記ユーザの取引のための第2アカウントを発行させるタイミングの設定を前記ユーザ装置から受け付けて、前記タイミングを設定する設定機能と、
前記ユーザ装置および前記取引を行うための取引装置の少なくともいずれかから、前記ユーザが要求する取引の取引情報を取得する取引取得機能と、
前記第1アカウント情報と前記取引情報とに基づいて、前記設定されたタイミングで前記第2アカウントを発行するための処理を行うアカウント制御機能と、
前記ユーザ装置に、前記発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む第2アカウント情報を提供する提供機能と、
前記ユーザ装置および前記取引装置の少なくともいずれかから、前記第2アカウントによる前記取引の決済要求を示す決済情報を取得する決済取得機能と、
前記決済情報に基づいて、前記取引について、前記第1アカウントを用いた決済のための処理を行う決済処理機能部と、を実現させる、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータが、
ユーザが使用するユーザ装置から、前記ユーザの決済に用いる第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む第1アカウント情報を取得し、
前記第1アカウントに対応付ける第2アカウントであって前記ユーザの取引のための第2アカウントを発行させるタイミングの設定を前記ユーザ装置から受け付け、
前記タイミングを設定し、
前記ユーザ装置および前記取引を行うための取引装置の少なくともいずれかから、前記ユーザが要求する取引の取引情報を取得し、
前記第1アカウント情報と前記取引情報とに基づいて、前記設定されたタイミングで前記第2アカウントを発行するための処理を行い、
前記ユーザ装置に、前記発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む第2アカウント情報を提供し、
前記ユーザ装置および前記取引装置の少なくともいずれかから、前記第2アカウントによる前記取引の決済要求を示す決済情報を取得し、
前記決済情報に基づいて、前記取引について、前記第1アカウントを用いた決済のための処理を行う、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
取引の情報と、アカウント(例えば、口座など)における資金移動の情報と、を照合する技術が知られている。下記特許文献1には、複数の取引の請求データと複数のアカウントに対する入金データとを、予め設定された照合順序に基づいて、請求書発行先名と振込依頼人名、請求金額と入金額などのそれぞれの照合項目を照合するデータ照合プログラムが記載されている。このデータ照合プログラムでは、照合の結果に基づいて、複数の取引の請求データのうち未入金の請求データと入金済みの請求データとを特定して一括消込処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、取引の情報とアカウントにおける資金移動の情報との照合を効率的に行いたいという要望がある。しかしながら、上記従来技術では、取引の情報の照合項目とこれに相当するアカウントの情報の照合項目とを順番に1つ1つ照合していく必要があるため、効率化において改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、取引の情報とアカウントにおける資金移動の情報との照合を効率的に行わせることができる情報処理装置、プログラム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザが使用するユーザ装置から、ユーザの決済に用いる第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む第1アカウント情報を取得するアカウント取得部と、第1アカウントに対応付ける第2アカウントであってユーザの取引のための第2アカウントを発行させるタイミングの設定をユーザ装置から受け付けて、タイミングを設定する設定部と、ユーザ装置および取引を行うための取引装置の少なくともいずれかから、ユーザが要求する取引の取引情報を取得する取引取得部と、第1アカウント情報と取引情報とに基づいて、設定されたタイミングで第2アカウントを発行するための処理を行うアカウント制御部と、ユーザ装置に、発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む第2アカウント情報を提供する提供部と、ユーザ装置および取引装置の少なくともいずれかから、第2アカウントによる取引の決済要求を示す決済情報を取得する決済取得部と、決済情報に基づいて、取引について、第1アカウントを用いた決済のための処理を行う決済処理部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザが使用するユーザ装置から、ユーザの決済に用いる第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む第1アカウント情報を取得するアカウント取得機能と、第1アカウントに対応付ける第2アカウントであってユーザの取引のための第2アカウントを発行させるタイミングの設定をユーザ装置から受け付けて、タイミングを設定する設定機能と、ユーザ装置および取引を行うための取引装置の少なくともいずれかから、ユーザが要求する取引の取引情報を取得する取引取得機能と、第1アカウント情報と取引情報とに基づいて、設定されたタイミングで第2アカウントを発行するための処理を行うアカウント制御機能と、ユーザ装置に、発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む第2アカウント情報を提供する提供機能と、ユーザ装置および取引装置の少なくともいずれかから、第2アカウントによる取引の決済要求を示す決済情報を取得する決済取得機能と、決済情報に基づいて、取引について、第1アカウントを用いた決済のための処理を行う決済処理機能部と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、ユーザが使用するユーザ装置から、ユーザの決済に用いる第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む第1アカウント情報を取得し、第1アカウントに対応付ける第2アカウントであってユーザの取引のための第2アカウントを発行させるタイミングの設定をユーザ装置から受け付け、タイミングを設定し、ユーザ装置および取引を行うための取引装置の少なくともいずれかから、ユーザが要求する取引の取引情報を取得し、第1アカウント情報と取引情報とに基づいて、設定されたタイミングで第2アカウントを発行するための処理を行い、ユーザ装置に、発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む第2アカウント情報を提供し、ユーザ装置および取引装置の少なくともいずれかから、第2アカウントによる取引の決済要求を示す決済情報を取得し、決済情報に基づいて、取引について、第1アカウントを用いた決済のための処理を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取引の情報とアカウントにおける資金移動の情報との照合を効率的に行わせることができる情報処理装置、プログラム、および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る取引支援システムのシステム構成例を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る取引支援システムの概要の一例を説明するための図である。
【
図3】本実施形態に係る取引支援システムの概要の一例を説明するための図である。
【
図4】本実施形態に係る取引支援システムの概要の一例を説明するための図である。
【
図5】本実施形態に係る取引支援システムの概要の一例を説明するための図である。
【
図6】本実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るサーバ装置の動作例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
本実施形態に係る取引支援システム1は、取引の決済を支援するためのシステムである。取引支援システム1は、実際に決済(資金移動)を行うアカウント(以下、「第1アカウント」または「第1AC」ともいう)に対応付けて、取引のためのアカウント(以下、「第2アカウント」または「第2AC」ともいう)を発行させる。そして取引支援システム1では、ユーザに、この第2アカウントを介して第1アカウントを決済に利用させることができる。第1アカウントはユーザの決済(資金移動)に用いるアカウント(例えば、銀行の口座や仮想通貨の口座、電子マネーのアカウントなど)である。第2アカウントは、ユーザの取引のためのアカウントであり、第1アカウントと対応付けられるアカウントである。
【0013】
第1アカウントと第2アカウントとは、例えば、1対1、N対1、1対N、N対N(Nは自然数。以下同じ。)で対応付けられてもよい。また、第1アカウントと第2アカウントとは、テーブルとビューの関係と同じような関係であってもよい。例えば、第2アカウントは、第1アカウントのように実際に残高やトークンなどの価値を保有してはないが、あたかもアカウントのように利用できる仮想的なものであってもよい。具体的には、第2アカウントは、第1アカウントの特定の部分を抽出して、この抽出された特定の部分により仮想的に構成されてもよい。この特定の部分とは、例えば、第1アカウントの総残高に含まれる特定の残高(枠)であってもよい。例えば、第1アカウントの総残高が1,000万円であれば、そのうち500万円の残高を第2アカウント用の残高として抽出して設定してもよい。この設定された500万円の残高については、第2アカウントを介して第1アカウントに対して資金移動の指示が行われ、この指示に基づいて資金移動(例えば、第1アカウントにおける第2アカウント用の残高(500万円)の中から別の口座へ300万円送金など)が行われてもよい。また他の例として、この特定の部分とは、第1アカウントの資金移動の履歴に含まれる特定の履歴(枠)であってもよい。
【0014】
第1アカウントと第2アカウントとは、例えば、発行および維持管理する主体が以下の(1)~(4)のいずれかの組み合わせであってもよい。なお、取引支援システム1が発行および維持管理するアカウントは、言い換えれば、運営事業者が発行および維持管理するアカウントでもある。また、後述する決済システム400が発行および維持管理するアカウントは、言い換えれば、決済機関が発行および維持管理するアカウントでもある。
(1)第1アカウント:取引支援システム1が発行および維持管理するアカウント、第2アカウント:取引支援システム1が発行および維持管理するアカウント
(2)第1アカウント:取引支援システム1が発行および維持管理するアカウント、第2アカウント:決済システム400が発行および維持管理するアカウント
(3)第1アカウント:決済システム400が発行および維持管理するアカウント、第2アカウント:第1アカウントと同じ決済システム400が発行および維持管理するアカウント
(4)第1アカウント:決済システム400が発行および維持管理するアカウント、第2アカウント:第1アカウントと異なる決済システム400が発行および維持管理するアカウント
【0015】
取引支援システム1を運営する事業者(以下、単に「運営事業者」ともいう)は、例えば、取引の決済で利用可能な決済サービスを提供する事業者であってもよい。また、運営事業者は、例えば、取引の決済を行う業者(例えば、PSP(Payment Service Provider))等であってもよい。また、運営事業者は、決済指示サービス提供者(PISP(Payment Initiation Service Provider))として銀行等の金融機関に対して決済や資金移動を指示するサービスを提供するものであってもよい。また、他の例として、運営事業者は、資金移動を行う金融機関(銀行や電子マネー業者)そのものであってもよい。
【0016】
<1.システム構成>
図1を参照して、本実施形態に係る取引支援システム1のシステム構成例を説明する。
【0017】
図1に示すように、取引支援システム1は、運営事業者が使用するサーバ装置100と、ユーザが使用するユーザ装置200とを含む。サーバ装置100とユーザ装置200とは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。また、取引支援システム1は、ネットワークNを介して外部システムと連携(情報連携および/または機能連携を含む。以下同じ。)してもよい。具体的には、サーバ装置100と、ユーザ装置200と、後述する取引装置310と、同じく後述する決済装置410とは、ネットワークNを介して通信可能に接続されていてもよい。
【0018】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0019】
[サーバ装置]
サーバ装置100は、ユーザ装置200や外部システムとの通信が可能な情報処理装置である。サーバ装置100は、所定のプログラムを実行することにより、ユーザ装置200から第1アカウント情報や取引情報を取得して、これらの情報を記憶部140に記憶させる。ここで「第1アカウント情報」とは、第1アカウントに関する情報であって、第1アカウントを識別するための第1アカウント識別情報を含む。第1アカウント情報は、アカウント情報の一態様である。アカウント情報の詳細は後述する。さらに、サーバ装置100は、第1アカウントに対応付ける第2アカウントを発行するための処理を行う。また、サーバ装置100は、取引支援サービスを提供するためのWebサイト(以下、「取引支援サイト」ともいう)を生成し、生成した取引支援サイトのWebページを外部装置に配信するようなWebサーバの機能を実現してもよい。
【0020】
[ユーザ装置]
ユーザ装置200は、ユーザ(個人や法人など)が使用する情報処理装置であり、サーバ装置100や外部システムと通信可能な情報処理装置である。ユーザ装置200は、所定のプログラムを実行することにより、ユーザの取引のための第2アカウントを発行するための各種設定や各種要求の入力受け付けや、これらの結果について取引支援サイトなどの画面を介した出力を行う。ユーザ装置200は、例えば、法人の担当者が使用する販売管理機能や会計管理機能を備えるERPシステム等の業務システムを制御するサーバ装置であってもよい。また他の例として、ユーザ装置200は、個人が使用するスマートフォンやラップトップ等の端末装置であってもよい。
【0021】
[外部システム]
外部システムは、ネットワークNを介して、サーバ装置100および/またはユーザ装置200と通信可能に接続されている。外部システムは、例えば、企業が利用する、取引システム300、決済システム400(クレジットカードシステムまたは銀行システムなどを含む)、クラウド会計システム、SCM(Supply Chain Management)システム、またはERPシステムなどである。
【0022】
取引システム300は、取引を行うためのシステムである。取引システム300は、例えば、取引を仲介したり管理したりする。取引システム300は、例えば、EC(Electronic Commerce:電子商取引)を利用するシステムであり、例えば、商品を販売するためのECサイトを運用するシステムである。取引システム300は、取引装置310を含む。なお、本実施形態では、取引システム300をECシステムとする例を説明するが、取引システムをこれに限る趣旨ではない。本発明に係わる取引システムは、例えば、対面での取引を実行するためのPOSシステムであってもよい。また、取引が送金取引の場合は、決済システム400が取引システムを兼ねてもよい。決済システム400が取引システムを兼ねる場合、決済装置410が取引装置を兼ねる。
【0023】
決済システム400は、決済機関が運営するシステムであって、決済機能を外部に提供するシステムである。決済システム400は、例えば、決済機関が銀行であればこの銀行の銀行システムであってもよいし、決済機関がクレジットカード会社(国際ブランド、イシュア、アクワイアラを含む)であればクレジットカード会社のクレジットカードシステムであってもよい。銀行システムは、例えば、銀行口座(第1アカウント)の口座情報を管理し、この銀行口座に対する振込処理や参照処理を行う。決済システム400は、決済機関が使用する決済装置410を含む。
【0024】
<2.概要>
図2~5を参照して、本実施形態に係る取引支援システム1の概要の一例を説明する。
【0025】
<2-1.全体像>
図2を参照して、取引支援システム1の全体像の一例を説明する。
図2に示すように、取引支援システム1全体が実現する機能は、「A.事前登録機能」、「B.第2アカウント発行機能」、「C.精算機能」、「D.履歴照会機能」の4つのセクションに分類される。取引支援システム1では、それぞれのセクションが互いに連携して、取引支援サービスを提供する。また、それぞれのセクションは、ユーザ装置200や外部システムとも連携を行う。
【0026】
<2-2.取引発生前~取引発生後>
図3を参照して、取引支援システム1の取引発生前後に実行される機能の一例を説明する。取引発生前後に実行される機能には、「A.事前登録機能」、と「B.第2アカウント発行機能」とが含まれている。取引支援システム1は、第2アカウントを発行するための事前登録を行い、この事前登録に基づいて第2アカウントを発行するための処理を行う。
【0027】
(1)<A1)情報取得機能>
図3に示すように、サーバ装置100のアカウント取得部111aは、ユーザ装置200または決済システム400の決済装置410から、第1アカウント情報を取得する。アカウント取得部111aは、取得した第1アカウント情報をアカウント記憶部141に登録させる。なお、取引支援システム1では、複数の第1アカウントを登録させることができる。この場合、アカウント取得部111aは、ユーザ装置200または1以上の決済装置410から、複数の第1アカウント情報それぞれを取得することができる。また、アカウント記憶部141は、第1アカウント情報と、後述する第2アカウントを発行させるための各種設定を示す設定情報とを対応付けて記憶する。
【0028】
アカウント情報は、第1アカウント情報と、第2アカウント情報とを含む。アカウント情報は、例えば、アカウント識別情報、各アカウントに入金されている総額を示す総残高もしくは各アカウントが保有するトークンの情報、または各アカウントを利用した資金移動(アカウントに対する入出金)の履歴を示す入出金履歴、もしくはトークンの移転履歴を示す資金移動履歴などを含む。また、アカウント情報は、例えば、各アカウントに適用される金利、または利用限度額や貯金限度額などを含んでもよい。
【0029】
資金移動履歴は、例えば、各資金移動を識別するための資金移動識別情報、資金移動の相手方を示す相手方のアカウント識別情報、資金移動された日時を示す資金移動日時、アカウントに入金された金額を示す入金額、またはアカウントから出金された金額を示す出金額、移転されたトークン値もしくはトークン識別情報などを含む。
【0030】
アカウント識別情報は、例えば、銀行の口座番号(加えて、金融機関コードや支店コード)、クレジットカードのカード番号や加盟店番号、電子マネーのアカウントIDや加盟店番号などである。アカウント識別情報は、第1アカウント識別情報と、第2アカウント識別情報とを含む。
【0031】
(2)<A2)サービス登録機能>サーバ装置100の設定部112は、ユーザ装置200から、取引の決済に用いる決済機能(決済サービス)の設定を受け付ける。設定部112は、この受け付けた決済機能を、設定情報の1つとしてアカウント記憶部141に設定登録する。ここで「取引の決済に用いる決済機能」とは、例えば、決済システム400が提供する決済機能であってもよい。また、この決済機能の設定にあたっては、決済機能とのIFとして、例えば、決済システム400が提供するアプリもしくはWebサイトのURL、またはディープリンクなどを設定登録してもよい。また、ユーザ装置200に代わって決済装置410から、取引支援システム1が外部に提供するAPIやSDKライブラリなどを介してこの決済機能の設定を受け付けてもよい。
【0032】
サーバ装置100の設定部112は、ユーザ装置200から、第2アカウントを発行させる取引が行われる場所(以下、「取引場所」ともいう)の設定を受け付けてもよい。この取引場所は、例えば、取引が行われるプログラム(アプリ)および取引が行われるサイトの少なくともいずれかを含んでもよい。取引が行われるサイトは、例えば、取引システム300が提供する商品を販売するためのECサイトであってもよい。設定部112は、この受け付けた取引場所を、設定情報の1つとしてアカウント記憶部141に設定登録する。
【0033】
(3)<A3)第2アカウント種別等登録機能>サーバ装置100の設定部112は、ユーザ装置200から、上記(2)で設定した決済機能に対応する第2アカウントの種別(以下、「第2アカウント種別」ともいう)の設定を受け付ける。第2アカウント種別は、第2アカウントを分類するものであり、例えば、口座番号、カード番号、または加盟店番号などの第2アカウントの体系を示すものであってもよい。設定部112は、この受け付けた第2アカウント種別を、設定情報の1つとしてアカウント記憶部141に設定登録する。
【0034】
設定部112は、ユーザ装置200から、第2アカウント種別の他に、例えば、取引相手や取引金額の設定を受け付けてもよい。設定部112は、この受け付けた取引相手や取引金額を、設定情報の1つとしてアカウント記憶部141に設定登録する。また、設定部112は、ユーザ装置200から、第2アカウントに適用する金利や利用限度額の設定を受け付けてもよい。この受け付けた金利や利用限度額を、設定情報の1つとしてアカウント記憶部141に設定登録してもよい。
【0035】
(4)<A4)第2アカウント発行タイミング機能>サーバ装置100の設定部112は、ユーザ装置200から、第2アカウントを発行させるタイミング(以下、「発行タイミング」ともいう)の設定を受け付ける。設定部112は、この受け付けた発行タイミングを、設定情報の1つとしてアカウント記憶部141に設定登録する。発行タイミングは、例えば、(ア)ユーザが要求する取引ごと、(イ)一定のサイクル、などを含んでもよい。なお、設定部112は、上記(2)や(3)で受け付けた第2アカウント種別、取引相手、および/または取引場所を、発行タイミングとして設定してもよい。すなわち、例えば、設定された取引相手との取引の場合、または設定された取引場所での取引の場合、取引支援システム1は、第2アカウントを発行させてもよい。
【0036】
(5)<B1)要求取得機能>サーバ装置100の取引取得部111bは、ユーザ装置200から、ユーザが要求する取引の取引情報を取得する。また、例えば、取引システム300が提供するECサイトでの商品の売買取引がユーザの要求する取引の場合、取引取得部111bは、ユーザ装置200に代えてこの売買取引を行うための取引装置310から、この商品の売買取引の取引情報を取得してもよい。
【0037】
取引情報は、例えば、ユーザに対して提供される商品やサービスの注文を示す注文情報、商品の売買契約やサービスの利用契約を示す契約情報、サービスの提供契約を示す商品やサービスの費用請求を行うための請求書情報などであってもよい。なお、取引情報は、後述する決済情報を兼ねてもよい。
【0038】
注文情報は、例えば、各注文を識別するための注文識別情報、注文先を識別するための注文先識別情報、注文情報を登録した日時を示す登録日時、商品やサービスを注文するユーザに関するユーザ情報、注文された商品やサービスの代金(取引金額)などを含む。
【0039】
請求書情報は、例えば、取引における支払請求を一意に識別するための請求番号、請求日、請求先の事業者を示す請求先、請求元の事業者を示す請求元、請求する金額を示す請求金額(取引金額)、請求明細、支払の期日を示す支払期日などを含んでもよい。
【0040】
(6)<B2)第2アカウント発行機能>サーバ装置100のアカウント制御部113は、第1アカウントの第1アカウント情報と取引情報とに基づいて、上記(4)で設定された発行タイミングで第2アカウントを発行するための処理(以下、「第2アカウント発行処理」ともいう)を行う。アカウント制御部113は、例えば、アカウント記憶部141に記憶されている設定情報を参照して、設定情報に含まれる発行タイミングで、第2アカウント発行処理を行ってもよい。なお、第2アカウント発行処理について、例えば、(ア)第2アカウントを取引支援システム1自らが発行する、(イ)決済システム400に第2アカウントの発行を指示する、などの発行方法が考えられる。アカウント制御部113は、第2アカウント発行処理の結果を発行履歴情報としてアカウント記憶部141に登録する。発行履歴情報は、例えば、発行された第2アカウントの第2アカウント識別情報、発行主体(例えば、取引支援システム1または決済システム400など)、発行日時などを含む。発行履歴情報は、例えば、アカウント情報に含まれてもよい。
【0041】
(7)<A4)DB機能>サーバ装置100のアカウント制御部113は、上記(6)の第2アカウントのアカウント発行処理の結果を、第2アカウント情報として、アカウント記憶部141に第1アカウントの第1アカウント情報に対応付けて登録する。この第2アカウント情報は、上記(6)で発行された第2アカウントを識別するための第2アカウント識別情報を含む。
【0042】
(8)<B3)第2アカウント情報連携機能>サーバ装置100の提供部114は、ユーザ装置200および/または取引情報を提供した取引装置310に、上記(7)で登録された第2アカウント情報を提供する。
【0043】
上記構成によれば、取引支援システム1は、予め設定した発行タイミングで第2アカウントを発行させることができる。このため、取引支援システム1は、第2アカウントを発行させる度に1回1回発行に必要な設定操作をユーザがしなくてもよいため、第2アカウントを効率的に発行させることができる。
【0044】
<2-2.取引発生後~取引完了>
図4を参照して、取引支援システム1の取引発生後から取引完了までに実行される機能の一例を説明する。取引発生後から取引完了までに実行される機能には、「C.精算機能」が含まれている。取引支援システム1は、第2アカウントによる決済要求を受け付けて、この決済要求に基づいて第1アカウントを用いた決済のための処理を行う。
【0045】
(1)<C1)決済情報取得機能>
図4に示すように、サーバ装置100の決済取得部111cは、ユーザ装置200から、第2アカウントによる取引の決済要求を示す決済情報を取得する。決済情報は、例えば、決済対象との取引を識別するための取引識別情報、第2アカウント識別情報、決済金額、決済相手のアカウント情報などを含んでもよい。決済取得部111cは、取得した決済情報を記憶部140に登録する。
【0046】
(2)<C2)第1アカウント情報取得機能>サーバ装置100の決済処理部115は、決済情報の第2アカウント識別情報に基づいて、アカウント記憶部141を参照して、第1アカウントを用いた決済のための処理(以下、「第1アカウント決済処理」ともいう)に用いるための第1アカウントの第1アカウント情報を取得する。
【0047】
(3)<C3)元AC決済機能>サーバ装置100の決済処理部115は、上記(2)で取得された第1アカウント情報に基づいて、取引について、第1アカウント決済処理を行う。第1アカウント決済処理は、例えば、(ア)第1アカウントが取引支援システム1で維持管理されている場合、取引支援システム1が備える決済機能で行う、(イ)第1アカウントが決済システム400で維持管理されている場合、決済システム400が備える決済機能で行う、などの方法が考えられる。
【0048】
上記(ア)の方法で第1アカウント決済処理を行う場合、決済処理部115は、第1アカウントを用いた決済として、第1アカウントと決済相手のアカウントとの間の資金移動の処理を行う。
【0049】
上記(イ)の方法で第1アカウント決済処理を行う場合、決済処理部115は、決済装置410に、第1アカウントを用いた決済のための決済指示を送信する。決済装置410は、この決済指示に基づいて、第1アカウントを用いた決済として、第1アカウントと決済相手のアカウントとの間の資金移動の処理を行う。決済処理部115は、決済装置410から、この資金移動の結果を受信する。
【0050】
(4)<C4)精算DB機能>サーバ装置100の決済処理部115は、上記(3)の第1アカウント決済処理の結果を示す決済履歴情報を、この処理に用いた第1アカウントに対応付けられた第2アカウントごとに履歴記憶部142に登録する。決済処理部115は、他の例として、この決済履歴情報を、第1アカウントごとに履歴記憶部142に登録してもよい。
【0051】
(5)<C5)情報変換・提供機能>サーバ装置100の提供部114は、ユーザ装置200または取引装置310に、履歴記憶部142を参照して、第2アカウントごとの決済履歴情報を提供する。提供部114は、第2アカウントごとではなく第1アカウントごとに決済履歴情報が履歴記憶部142に登録されている場合は、第2アカウントごとに変換した決済履歴情報を提供してもよい。
【0052】
上記構成によれば、取引支援システム1は、取引のためのアカウントとして第2アカウントを発行し、この第2アカウントごとに決済要求を受け付けることができる。また、取引支援システム1は、第1アカウントと第2アカウントとの対応付けにより、第2アカウントごとの決済要求であっても、第1アカウントを用いた決済を行うことができる。このため、取引支援システム1は、第1アカウントと第2アカウントとの対応付けにより、取引の情報とこの取引の決済のためのアカウントにおける資金移動の情報との照合を、効率的に行わせることができる。
【0053】
第1アカウントを用いずに第2アカウントそれぞれを決済に用いる場合、発行タイミングで発行された第2アカウントそれぞれで資金移動が行われるため、残高管理が煩雑になる。上記構成によれば、取引支援システム1は、第2アカウントによる取引の決済要求であっても、第1アカウントを用いた決済が行われるため、残高管理は第1アカウントのみすればよい。このため、取引支援システム1は、取引の情報と決済に用いるアカウントの資金移動の情報との照合を容易にしつつ、この決済に用いるアカウントの管理を容易にすることができる。
【0054】
第2アカウントを用いずに第1アカウントのみ用いる場合、第1アカウントにおけるどの資金移動がどの取引に該当するか判定するために互いの照合項目を1つ1つ突き合わせる必要があり煩雑である。上記構成によれば、取引支援システム1は、取引のためのアカウントとして第2アカウントを発行し、この第2アカウントごとに決済要求を受け付けて、さらに第2アカウントごとに決済履歴情報を登録するため、取引の請求書情報と取引の決済の履歴情報(資金移動の情報)との照合を効率的に行わせることができる。
【0055】
<2-3.取引完了後>
図5を参照して、取引支援システム1の取引完了後に実行される機能の一例を説明する。取引完了後に実行される機能には、「D.履歴照会機能」が含まれている。取引支援システム1は、第2アカウントの発行履歴情報や第2アカウントによる取引の決済履歴情報を照会するための要求を受け付けて、この要求に対する応答として、これらの履歴情報を要求元のユーザ装置200などに提供する。
【0056】
(1)<D1)照会要求受付機能>
図5に示すように、サーバ装置100の受付部116は、ユーザ装置200、取引装置310または決済装置410から、第2アカウントの発行履歴情報や第2アカウントによる取引の決済履歴情報(以下、総称して「履歴情報」ともいう)を参照するための参照要求を受け付ける。
【0057】
(2)<D2)アカウント履歴照会機能>サーバ装置100の提供部114は、アカウント記憶部141を参照して、要求対象の発行履歴情報を取得する。
【0058】
(3)<D2)精算履歴照会機能>サーバ装置100の提供部114は、履歴記憶部142を参照して、要求対象の決済履歴情報を取得する。
【0059】
(4)<D4)履歴提供機能>サーバ装置100の提供部114は、ユーザ装置200、取引装置310または決済装置410に、上記(2)(3)で取得した履歴情報を提供する。
【0060】
上記構成によれば、取引支援システム1は、取引のための第2アカウントごとに決済履歴情報の参照の要求を受け付け、第2アカウントごとに決済履歴情報をユーザ装置200などに提供することができる。このため、ユーザは第1アカウントを意識することなく、第2アカウントを用いて、取引の決済のための資金移動の履歴を照会することができる。
【0061】
<3.サーバ装置の機能構成>
図6を参照して、本実施形態に係るサーバ装置100の機能構成を説明する。
図6に示すように、サーバ装置100は、制御部110と、通信部130と、記憶部140と、を備える。
【0062】
制御部110は、取得部111と、設定部112と、アカウント制御部113と、提供部114と、決済処理部115と、を備える。また、制御部110は、例えば、受付部116を備えてもよい。
【0063】
[取得部]
取得部111は、ユーザ装置200、取引装置310および/または決済装置410から、企業情報等の各種情報を取得する。取得部111が各種情報を取得する態様に関してはどのような態様でもよい。取得部111は、例えば、取引支援サイトで表示する画面にユーザである法人の担当者から第1アカウント情報が入力された際、この入力された第1アカウント情報を示すメッセージを随時受信してもよい。また他の例として、取得部111は、ユーザ装置200から、取引情報や決済情報のデータファイルをサイクリックまたはイベントドリブンで受信してもよい。また他の例として、取得部111は、ユーザ装置200が実装するAPIに取引情報や決済情報の参照を指示して、その結果としてこれらの情報を取得してもよい。
【0064】
取得部111は、アカウント取得部111aを備える。アカウント取得部111aは、ユーザが使用するユーザ装置200から、このユーザの決済に用いる第1アカウントの第1アカウント情報を取得する。
【0065】
取得部111は、取引取得部111bを備える。取引取得部111bは、ユーザ装置200および取引装置310の少なくともいずれかから、ユーザが要求する取引の取引情報を取得する。
【0066】
取得部111は、決済取得部111cを備える。決済取得部111cは、ユーザ装置200および取引装置310の少なくともいずれかから、第2アカウントによる取引の決済要求を示す決済情報を取得する。
【0067】
決済取得部111cは、例えば、第2アカウントによる取引が複数ある場合、複数の取引の決済要求それぞれの複数の決済情報を取得してもよい。
【0068】
[設定部]
設定部112は、取引支援システム1に関する各種情報を設定する。設定部112は、例えば、ユーザの取引のための第2アカウントを発行させる発行タイミングの設定をユーザ装置200から受け付けて、この発行タイミングを設定する。設定部112は、この設定した発行タイミングを設定情報の1つとして記憶部140に登録する。
【0069】
上記構成によれば、予め設定した発行タイミングで第2アカウントを発行させることができる。このため、第2アカウントを発行させる度に1回1回発行に必要な設定操作をユーザがしなくてもよいため、第2アカウントを効率的に発行させることができる。
【0070】
発行タイミングは、例えば、ユーザが要求する取引ごとに第2アカウントを発行させるものであってもよい。この場合、アカウント制御部113は、ユーザが要求する取引都度、すなわち取引情報を取得する度に、第2アカウントを発行させるための処理を行う。このような構成によれば、取引と第2アカウントとが1対1の関係となるため、取引の情報と第2アカウントによる決済要求、すなわち決済情報とが1対1の関係となる。このため、取引とこの取引による資金移動の情報との照合を容易にすることができる。
【0071】
設定部112は、例えば、第2アカウントを発行させるサイクルの設定をユーザ装置200から受け付け、このサイクルを設定してもよい。そしてこの場合、発行タイミングは、この設定されたサイクルで第2アカウントを発行させるものであってもよい。この設定されたサイクルは、例えば、半月ごと、一か月ごと、半年ごと、一年ごとなどであってもよい。
【0072】
上記構成によれば、一定のサイクルごとに第2アカウントを自動で発行させることができる。例えば、半年ごとに発生した取引とこの取引による資金移動の情報とを照合させたい場合、半年ごとに発行させた第2アカウントによる取引の決済履歴の参照要求を行えば、所望の決済履歴情報(資金移動の情報)を参照することができる。
【0073】
設定部112は、例えば、第2アカウントを発行させる取引相手の設定をユーザ装置200から受け付け、取引相手を設定してもよい。「取引相手の設定」とは、例えば、取引相手として、(ア)特定の法人や個人を設定、(イ)取引相手における特定の業種や規模の分類を設定、などの設定方法が考えられる。そしてこの場合、発行タイミングは、ユーザが要求する取引がこの設定された取引相手との取引であり、かつこの取引相手の第2アカウントが未発行の場合、第2アカウントを発行させるものであってもよい。例えば第2アカウントを発行させる取引相手を「会社B」と設定部112が設定した場合、取引情報に示された取引が会社Bとの取引の場合、アカウント制御部113は、会社B用の第2アカウントが未発行であれば、会社B用の第2アカウントを発行させるための処理をしてもよい。
【0074】
上記構成によれば、取引相手ごとに第2アカウントを自動で発行させることができる。このため、同じ取引相手との取引では、同じ第2アカウントによって決済要求を行うことができるため、使い勝手のよい取引支援システム1を提供することができる。例えば、特定の相手との間で発生した取引とこの取引による資金移動の情報とを照合させたい場合、取引相手ごとに発行させた第2アカウントによる取引の決済履歴の参照要求を行えば、所望の決済履歴情報(資金移動の情報)を参照することができる。
【0075】
設定部112は、例えば、第2アカウントを発行させる取引が行われる取引場所の設定をユーザ装置200から受け付け、取引場所を設定してもよい。この取引場所は、例えば、取引が行われるプログラムおよび取引が行われるサイトの少なくともいずれかを含んでもよい。そしてこの場合、発行タイミングは、ユーザが要求する取引が設定された取引場所での取引であり、かつ取引場所の第2アカウントが未発行の場合、第2アカウントを発行させるものである。例えば第2アカウントを発行させる取引場所を取引システム300が提供するECサイトと設定部112が設定し、かつ商品の売買取引がこのECサイトで行われた場合、アカウント制御部113は、このECサイト用の第2アカウントが未発行であれば、このECサイト用の第2アカウントを発行させるための処理をしてもよい。
【0076】
上記構成によれば、取引場所ごとに第2アカウントを自動で発行させることができる。このため、同じ取引場所(例えば、同じECサイト)では、同じ第2アカウントによって決済要求を行うことができるため、使い勝手のよい取引支援システム1を提供することができる。また、例えば、特定のアプリやWebサイトで発生した取引とこの取引による資金移動の情報とを照合させたい場合、取引場所ごとに発行させた第2アカウントによる取引の決済履歴の参照要求を行えば、所望の決済履歴情報(資金移動の情報)を参照することができる。
【0077】
設定部112は、例えば、ユーザ装置200から、第2アカウントの発行を可能とする期間(以下、「発行可能期間」ともいう)の設定を受け付け、発行可能期間を設定してもよい。
【0078】
[アカウント制御部]
アカウント制御部113は、第1アカウント情報と取引情報とに基づいて、設定部112により設定された発行タイミングで第2アカウントを発行するための処理を行う。アカウント制御部113は、第2アカウント発行処理の結果を、第2アカウント情報として、第1アカウントに対応付けてアカウント記憶部141に登録する。
【0079】
アカウント制御部113は、例えば、発行タイミングが取引ごとに第2アカウントを発行させるものである場合など、決済処理部115による第1アカウントを用いた決済のための処理が完了した際、第2アカウントの取引のための利用を停止にしてもよい。この「第2アカウントの取引のための利用を停止」とは、例えば、アカウント制御部113が、第2アカウントによる取引における決済要求(決済情報)の取得を決済取得部111cに拒否させることであってもよい。また、この場合であっても、アカウント制御部113は、第2アカウントによる取引の決済履歴情報の参照要求を受付部116に受け付けを許可させてもよい。
【0080】
上記構成によれば、アカウント制御部113は、取引ごとに発行させた第2アカウントを取引が完了、すなわち取引の決済が完了した際に決済に関する利用を停止することで、第2アカウントの不正利用のリスクを減らすことができる。このため、アカウント制御部113は、取引ごとに第2アカウントを発行させつつ、この発行させた第2アカウント、ひいては第1アカウントのセキュリティを担保することができる。
【0081】
アカウント制御部113は、他の例として、発行タイミングが設定されたサイクルごとに第2アカウントを発行させるものである場合など、予め設定された期間が経過した際、第2アカウントの取引のための利用を停止にしてもよい。第2アカウントの取引のための利用を無期限に許可すると、ユーザが既に利用しなくなった第2アカウントであっても悪意ある第三者がこの第2アカウントを不正に利用する余地を残してしまう。このような構成によれば、ユーザが第2アカウントの取引利用を停止することを忘れてしまっていても、設定された期間が経過すれば自動的に利用を停止することができるため、第2アカウント、ひいては第1アカウントのセキュリティを容易に担保することができる。
【0082】
アカウント制御部113は、例えば、予め設定された発行可能期間以外の期間において、第2アカウントの発行を停止してもよい。この「予め設定された発行可能期間」は、例えば、(ア)システム共通で設定されている期間(例えば、休日や祝日を除く平日のみなど)、(イ)ユーザから受け付けた任意の期間(例えば、2022年〇〇月〇〇日以降、または取引支援サービス開始から1年間など)、などの期間が考えられる。設定された発行タイミングで第2アカウントを自動で発行させるにあたって、第2アカウントの新規発行をユーザが既に不要としていても自動的に発行されてしまう場合がある。このような構成によれば、アカウント制御部113は、設定された発行可能期間以外の期間においては自動で第2アカウントが発行されないため、不要な第2アカウントの発行を抑止することができる。このため、アカウント制御部113は、不要な第2アカウントの発行を抑止することでセキュリティリスクを低減することができる。
【0083】
[提供部]
提供部114は、ユーザ装置200、取引装置310および/または決済装置410に、各種情報を提供する。提供部114が各種情報を提供する態様はどのような態様でもよい。提供部114は、例えば、第2アカウント情報を含むデータファイルやメッセージを、イベントドリブンでこれらの装置に送信してもよい。また、提供部114は、他の例として、自らが実装するAPIやSDKのライブラリを介して、第2アカウント情報や決済履歴情報をこれらの装置に提供してもよい。また、提供部114は、他の例として、ユーザ装置200に表示させた取引支援サイトの画面で第2アカウント情報や決済履歴情報を参照させてもよい。
【0084】
提供部114は、例えば、ユーザ装置200に、アカウント制御部113により発行された第2アカウントの第2アカウント情報を提供してもよい。
【0085】
提供部114は、例えば、受付部116が受け付けた参照要求に基づいて、要求元のユーザ装置200または外部システムに、履歴記憶部142を参照して、第2アカウントごとの決済履歴情報を提供してもよい。
【0086】
[決済処理部]
決済処理部115は、決済取得部111cが取得した決済情報に基づいて、取引について、第1アカウントを用いた決済のための処理を行う。第1アカウントを用いた決済(資金移動)のための処理として、例えば第1アカウントが銀行の口座であれば、決済処理部115は、第1アカウントから決済相手の銀行口座に対して取引金額の口座振込のための処理を行う。決済処理部115は、具体的には、第1アカウントが決済機関の口座の場合、決済システム400に対して、第1アカウントから決済相手の銀行口座への取引金額での口座振込の指示を送信してもよい。他の例として、例えば第1アカウントがクレジットカードの会員アカウントであり、決済システム400がこのクレジットカードのシステムであれば、決済処理部115は、第1アカウントから取引金額を引き落とすためのクレジットカード決済の指示を決済システム400に行ってもよい。
【0087】
上記構成によれば、決済処理部115は、第1アカウントと第2アカウントとの対応付けにより、第2アカウントごとの決済要求であっても、第1アカウントを用いた決済を行うことができる。このため、第1アカウントと第2アカウントとの対応付けにより、取引の情報とこの取引の決済のためのアカウントにおける資金移動の情報との照合を、効率的に行わせることができる。
【0088】
決済処理部115は、例えば、第1アカウント決済処理の結果を示す決済履歴情報を、第1アカウント決済処理に用いた第1アカウントに対応付けられた第2アカウントごとに履歴記憶部142に登録してもよい。
【0089】
上記構成によれば、第1アカウントを用いた決済の決済履歴情報であっても第2アカウントごとにこの情報を登録するため、取引の請求書情報と取引の決済の履歴情報(資金移動の情報)との照合を効率的に行わせることができる。
【0090】
決済処理部115は、例えば第1アカウントが決済機関のアカウントである場合、第1アカウント決済処理として、第1アカウントに対する移動指示であって取引の取引金額に充当させる資金を移動させるための移動指示(決済指示)を、決済装置410に行ってもよい。このような構成によれば、第2アカウントに対して取引の決済要求をユーザが行っても、決済機関の第1アカウントにおいてこの取引の取引金額に充当させる資金を移動させることができる。
【0091】
決済処理部115は、例えば、複数の決済情報に基づき複数の取引の精算を行い、精算の結果に基づいて、複数の取引について、第1アカウントを用いた決済のための処理を行ってもよい。具体的には、決済処理部115は、複数の取引における債権・債務を相殺させてその差額を決済する、いわゆるネッティングのための処理を行ってもよい。
【0092】
上記構成によれば、発行タイミングにより複数の第2アカウントにおける複数の取引に対して、これらの債権・債務を相殺させて第1アカウントを用いた決済の決済金額や回数を低減することができる。このため、複数の第2アカウントを発行しても、効率よく取引の決済を進めることができる。
【0093】
[受付部]
受付部116は、ユーザ装置200、取引装置310および/または決済装置410から各種要求を受け付ける。各種要求を受付部116が受け付ける態様は、どのような態様でもよい。受付部116は、例えば、各種要求を示すデータファイルやメッセージを外部装置から受信してもよい。また他の例として、受付部116は、取引支援サイトのWebページから各種要求をユーザに入力させて受け付けてもよい。また、受付部116は、例えば、サーバ装置100が実装するAPIや取引支援システム1に対応するSDKのライブラリ等をユーザ装置200が利用することで、各種要求を受け付けてもよい。受付部116は、例えば、ユーザ装置200または外部システムから、第2アカウントによる取引の決済履歴情報を参照するための参照要求を受け付ける。
【0094】
[通信部]
通信部130は、ネットワークNを介して、ユーザ装置200、取引装置310または決済装置410と各種情報を送受信する。通信部130は、例えば、ネットワークNを介して、ユーザ装置200から送信された第1アカウント情報や取引情報を受信したり、第2アカウント発行処理の結果として第2アカウント情報をユーザ装置200に送信したりする。
【0095】
[記憶部]
記憶部140は、ユーザ情報を含む各種情報を記憶する。記憶部140は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、上記情報ごとにテーブを設けて、当該テーブル間を関連付けて各情報を管理してもよい。ここで「ユーザ情報」は、各ユーザに関する情報であり、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報、氏名、住所、連絡先(電話番号やメールアドレス)などを含んでもよい。ユーザ情報は、アカウント情報と対応付けられて記憶されていてもよい。
【0096】
記憶部140は、例えば、アカウント記憶部141、および/または履歴記憶部142を備えてもよい。アカウント記憶部141は、ユーザごとに、アカウント情報、および/または設定情報を記憶する。履歴記憶部142は、ユーザごとに、および/または第2アカウントごとに、決済履歴情報を記憶する。
【0097】
<4.動作例>
図7を参照して、本実施形態に係るサーバ装置100の動作例を説明する。
図7(a)は、取引発生前の第2アカウントを発行させるための設定の際の一連の処理の流れの一例を示すフロー図である。
図7(b)は、ユーザ装置200から取引情報を取得し、第2アカウントを発行させて、この発行させた第2アカウントによる取引の決済を行う際の一連の処理の流れの一例を示すフロー図である。
図7(b)の例では、発行タイミングが各取引によるタイミング(例えば、取引相手や取引場所に関するタイミング)である例を説明する。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0098】
図7(a)に示すように、サーバ装置100のアカウント取得部111aは、ユーザが使用するユーザ装置200から、このユーザの決済に用いる第1アカウントの第1アカウント情報を取得する(S10)。設定部112は、ユーザ装置200から、この第1アカウントに対応付ける第2アカウントを発行させる発行タイミングの設定を受け付ける(S11)。設定部112は、この受け付けた発行タイミングを設定する(S12)。
【0099】
図7(b)に示すように、サーバ装置100の取引取得部111bは、ユーザ装置200から、ユーザが要求する取引の取引情報を取得する。アカウント制御部113は、取得された取引情報が示す取引が、設定された発行タイミングの条件を満たすか否か判定する(S21)。アカウント制御部113は、設定された発行タイミングの条件を取引が満たす場合(S21のYes)、第1アカウント情報と取引情報に基づいて第2アカウントを発行するための処理を行う(S22)。提供部114は、ユーザ装置200に、発行された第2アカウントの第2アカウント情報を提供する(S23)。
【0100】
サーバ装置100の決済取得部111cは、ユーザ装置200から、第2アカウントによる取引の決済要求を示す決済情報を取得する(S24)。決済処理部115は、取得された決済情報に基づいて、要求された取引について、第1アカウントを用いた決済のための処理を行う(S25)。決済処理部115は、この処理の結果を示す決済履歴情報を、この処理に用いた第1アカウントに対応付けられた第2アカウントごとに履歴記憶部142に登録する(S26)。
【0101】
<5.ハードウェア構成>
図8を参照して、上述してきたサーバ装置100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0102】
図8に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、および表示装置813を含む。
【0103】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、サーバ装置100の制御部110が備える各機能部等は、メモリ803に一時記憶されたプログラムをプロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0104】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0105】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、アカウント情報や取引情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0106】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0107】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0108】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0109】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0110】
[変形例]
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0111】
[変形例1]
上記実施形態では、アカウント記憶部と履歴記憶部とを、サーバ装置100の記憶部140が備える例を説明したが、本発明に係るこれらの記憶部はこれに限定されない。これらの記憶部は、例えば、外部システムの情報処理装置の記憶部が備えてもよい。例えば、決済装置410の記憶部がアカウント記憶部を備えてもよく、サーバ装置100は遠隔でこのアカウント記憶部が記憶する情報の参照や更新、または削除の等を行ってもよい。
【0112】
[変形例2]
上記実施形態では示していないが、本実施形態に係る取引支援システム1は、まとめて照会したい複数の取引をグルーピングする機能を備えてもよい。例えば、まず、取引取得部111bは、ユーザ装置200から、各要求する取引の取引情報を取得する際に、グルーピングの指定(例えば、重要取引グループの指定など)も併せて取得する。次に、取引情報に対して、設定部112は、グルーピングされた複数の取引それぞれの取引情報に、各グループの識別情報を、タグまたはインデックスとして付与するよう設定する。次に、ユーザ装置200から、照会したい取引のグループのグループ識別情報の指定を含む決済履歴情報の参照要求を受付部116が受け付ける。そして、この指定されたグループに属する取引の決済履歴情報をまとめて、要求元のユーザ装置200に提供部114が提供する。このような構成によれば、ユーザが所望する取引単位だけでなく、複数の取引のグループ単位でも決済履歴情報(資金移動の情報)を照会させることができる。
【0113】
[変形例3]
上記実施形態では示していないが、本実施形態に係る取引支援システム1は、まとめて照会したい複数の第2アカウントをグルーピングする機能を備えてもよい。例えば、まず、取引取得部111bは、ユーザ装置200から、グルーピングしたい複数の第2アカウントの設定を設定部112が受け付けて、複数の第2アカウントのグループを設定する。次に、発行された第2アカウントの第2アカウント情報に対して、設定部112は、各グループの識別情報を、タグまたはインデックスとして付与するよう設定する。次に、ユーザ装置200から、照会したい第2アカウントのグループのグループ識別情報の指定を含むアカウント情報の参照要求を受付部116が受け付ける。そして、この指定されたグループに属する第2アカウントの第2アカウント情報(発行履歴情報を含む)をまとめて、要求元のユーザ装置200に提供部114が提供する。このような構成によれば、ユーザが所望する複数の第2アカウントをまとめて照会させることができる。
【符号の説明】
【0114】
1…取引支援システム、100…サーバ装置、110…制御部、111…取得部、111a…アカウント取得部、111b…取引取得部、111c…決済取得部、112…設定部、113…アカウント制御部、114…提供部、115…決済処理部、116…受付部、130…通信部、140…記憶部、141…アカウント記憶部、142…履歴記憶部、200…ユーザ装置、300…取引システム、310…取引装置、400…決済システム、410…決済装置、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。