(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】便器内容物に応答した便器への水量解放の調節を自動化するシステム、そのシステムを含むトイレ、および関連方法
(51)【国際特許分類】
E03D 5/10 20060101AFI20230424BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20230424BHJP
E03D 11/02 20060101ALI20230424BHJP
E03D 1/34 20060101ALI20230424BHJP
G01V 1/00 20060101ALI20230424BHJP
G01N 29/024 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
E03D5/10
E03D9/00 Z
E03D11/02 Z
E03D1/34
G01V1/00 A
G01N29/024
(21)【出願番号】P 2021184608
(22)【出願日】2021-11-12
(62)【分割の表示】P 2018567914の分割
【原出願日】2017-07-07
【審査請求日】2021-11-12
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517086007
【氏名又は名称】エーエス・アメリカ、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AS America,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド グローバー
(72)【発明者】
【氏名】マヘンドラ ガンアワーディーナ
(72)【発明者】
【氏名】クリス ヘルムステッター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーン マイアーズ
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-021148(JP,A)
【文献】特開2003-074105(JP,A)
【文献】特開2003-082741(JP,A)
【文献】特表2014-515305(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0011391(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 5/10
E03D 9/00
E03D 11/00-11/02
E03D 1/34
E03D 3/12
G01V 1/00
G01N 29/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗トイレであって、前記トイレは、
水源と流体連通している便器と、
送信機および受信機を有する超音波センサと、前記超音波センサに電気的に接続されているマイクロコントローラとを備える監視システムと、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されている洗浄弁であって、前記洗浄弁は、前記便器と前記水源との間に配置されている、洗浄弁と
を備え、
前記監視システムは、監視サイクルを実行するように構成され、前記サイクルは、前記便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、前記超音波信号を受信することと、前記超音波信号の飛行時間(ToF)測定値を決定することと、前記ToF測定値を前記マイクロコントローラに電気的に伝達することと、前記ToF測定値に対応する便器ステータスを決定することとを含
み、
前記マイクロコントローラは、水源弁に、前記便器ステータスに基づいて開放、閉鎖、または現在の状態に留まるように命令するように構成される、トイレ。
【請求項2】
前記監視システムは、前記監視サイクルを実行するように起動させられるように構成される、請求項1に記載のトイレ。
【請求項3】
前記監視システムは、手動で起動させられるように構成される、請求項2に記載のトイレ。
【請求項4】
前記監視システムは、規定時間間隔で起動させられるようにプログラムされる、請求項2に記載のトイレ。
【請求項5】
前記監視システムは、24時間に1回起動させられるようにプログラムされる、請求項2に記載のトイレ。
【請求項6】
前記マイクロコントローラは、使用スケジュールをプログラムされ、前記使用スケジュールは、監視システムが起動させられるときを決定する、請求項2に記載のトイレ。
【請求項7】
前記マイクロコントローラに電気的に接続されている赤外線センサを備え、
前記赤外線センサは、前記便器に近接するユーザの存在または不在を
検出するように構成される、請求項2に記載のトイレ。
【請求項8】
前記赤外線センサがユーザの存在を
検出するときに、前記監視システムは、監視サイクルを実行するように起動させられる、請求項7に記載のトイレ。
【請求項9】
前記赤外線センサがユーザの存在および前記ユーザが前記便器から離れたことを検出するときに、前記監視システムは、監視サイクルを実行するように起動させられる、請求項7に記載のトイレ。
【請求項10】
前記マイクロコントローラは、前記洗浄弁に、前記便器ステータスに基づいて開放、閉鎖、または現在の状態に留まるように命令するように構成される、請求項1に記載のトイレ。
【請求項11】
前記便器ステータスが「液体」であると決定され、前記マイクロコントローラは、前記洗浄弁に、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動し、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出するように命令する、請求項10に記載のトイレ。
【請求項12】
前記便器ステータスが「固体」であると決定され、前記マイクロコントローラは、前記洗浄弁に、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動し、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出するように命令する、請求項10に記載のトイレ。
【請求項13】
前記便器ステータスが「中間」であると決定され、前記マイクロコントローラは、前記洗浄弁に、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動し、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出するように命令する、請求項10に記載のトイレ。
【請求項14】
前記便器ステータスが「低水位」であると決定され、前記マイクロコントローラは、前記洗浄弁に、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動し、水封を復元するために十分な量の水を放出するように命令する、請求項10に記載のトイレ。
【請求項15】
前記便器ステータスが「漏出」、「液体閉塞」、「固体閉塞」、または「物体」であると決定され、前記マイクロコントローラは、前記水源弁に、開放位置から閉鎖位置に移動するかまたは閉鎖位置に留まるように命令する、請求項
1に記載のトイレ。
【請求項16】
前記センサは、ピエゾセラミックトランスデューサを含む、請求項1に記載のトイレ。
【請求項17】
前記センサは、前記便器の外部底部中心に搭載される、請求項1に記載のトイレ。
【請求項18】
水洗トイレ上に搭載するためのシステムであって、前記システムは、
便器の外面に位置するように構成される超音波センサであって、前記超音波センサは、送信機および受信機を有する、超音波センサと、
前記超音波センサに電気的に接続されているマイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されている洗浄弁と
を備え、
前記システムは、便器ステータスを決定するために監視サイクルを実行するように構成され、
前記マイクロコントローラは、前記洗浄弁に、前記便器ステータスに基づいて開放、閉鎖、または現在の状態に留まるように命令するように構成され、
前記監視サイクルは、前記便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、前記超音波信号を受信することと、前記超音波信号の飛行時間(ToF)測定値を決定することと、前記ToF測定値を前記マイクロコントローラに電気的に伝達することと、前記ToF測定値に対応する前記便器ステータスを決定することとを含む、システム。
【請求項19】
前記システムは、「通常」、「漏出」、「液体閉塞」、または「固体閉塞」の便器ステータスを検出するように構成される、請求項
18に記載のシステム。
【請求項20】
水洗トイレであって、前記トイレは、
水源と流体連通している便器と、
送信機および受信機を有する超音波センサと、前記超音波センサに電気的に接続されているマイクロコントローラとを備える監視システムと、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されている洗浄弁であって、前記洗浄弁は、前記便器と前記水源との間に配置されている、洗浄弁と、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されている赤外線センサであって、前記赤外線センサは、前記便器に近接するユーザの存在または不在を検出するように構成されている、赤外線センサと
を備え、
前記監視システムは、監視サイクルを実行するように構成され、前記サイクルは、前記便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、前記超音波信号を受信することと、前記超音波信号の飛行時間(ToF)測定値を決定することと、前記ToF測定値を前記マイクロコントローラに電気的に伝達することと、前記ToF測定値に対応する便器ステータスを決定することとを含む、トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第62/359,696号(2016年7月7日出願)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
節水は、多数の経済的および環境的理由から、個々の消費者ならびに地方および中央政府の両方によって急速に関心事となりつつある。トイレ洗浄は、水洗トイレが普及している地理の平均家庭における単一の最も多い水の使用である。平均的な人は、1日に約5回洗浄し、したがって、トイレは、全体的家庭水消費量の約31%を構成する。
【0003】
使用される水の量を管理することに役立つために、「二重洗浄」トイレが、開発された。二重洗浄トイレは、そのユーザに、「低量洗浄」選択肢(通常、約2~4.5リットル)と「高量」洗浄選択肢(通常、約4~約9リットル)とを提供する。選択される選択肢は、使用後の便器の内容物に依存し、液体廃棄物の洗浄処理は、「低量」選択肢の使用のみを要求する一方、「高量」選択肢は、固体廃棄物処理のために使用され得る。適切に使用されると、二重洗浄トイレは、水の消費量を50%も低減させることができる。
【0004】
しかしながら、二重洗浄トイレは、「低」対「高」洗浄量の選択が、人間ユーザの裁量に任され、人間ユーザが、低洗浄量のみが必要とされる状況において、多くの場合、忘れるか、または混乱し、意図せず「高洗浄」量を使用する点において不完全である。
【0005】
いくつかの従来技術は、トイレ内容物を検出し、成されている洗浄を改変することが可能な便器を開発することによって、ユーザの権限から決定を除くことを試みている。これらの試みは、主として、便器内もしくはその入口における赤外線検出システムの使用、ならびに/または、便器の内容物の可能性が高い推測を可能にする間接的データ(例えば、ユーザのトイレへの近接、使用時間、および/もしくは「糞便ガス」の存在/不在)の検出に焦点を当てている。
【0006】
例えば、「Dual Flush Electronic Flush Valve」と題され、2013年5月7日に付与された米国特許第8,434,172 B2号(特許文献1)は、ユーザが使用中に主として「短い区域」または「長い区域」に位置するかを決定するために、トイレ使用中にトイレユーザの場所を周期的に「ポーリング」する赤外線センサの使用を説明している。ユーザが主に短い区域、すなわち、トイレにより近接していた場合、システムは、ユーザが固体廃棄物を堆積させたと仮定し、より多くの水を用いたより長い洗浄が、自動的に使用される。ユーザが主に長い区域、すなわち、トイレからより遠くにいた場合、システムは、ユーザが液体廃棄物を堆積させたと仮定し、より少ない水を用いたより短い洗浄が、自動的に採用される。
【0007】
「System and Method For A Reduced Water Consumption Vacuum Toilet」と題された米国特許第6,226,807号(特許文献2)は、トイレの便器に加えられた重量を感知するための重量センサを含む真空トイレを開示している。センサは、便器に加えられた重量の存在または不在を測定することによって、ユーザがトイレを使用しているときに立っているか、または座っているかを検出する。重量が検出される場合、センサに接続される洗浄制御ユニットが、標準的量の水がトイレを洗浄するために使用されることを命じる。センサがいかなる重量も検出しない(ユーザが立っていることを示す)場合、洗浄制御ユニットは、少量の水が洗浄において使用されるように命じる。
【0008】
別の例では、「Toilet-Flushing Control Apparatus」と題された米国特許第4,707,867号(特許文献3)は、検出器(光学、熱センサ、またはトイレ上のユーザの存在を検出する他の検出器)、遅延回路、決定回路、第1のタイマ、第2のタイマ、および洗浄弁を含む装置を教示している。検出器は、ある人がトイレを使用していることを検出し、信号を出力し、信号は、遅延回路に入力される。この信号を受信した後の事前決定された時間の経過時、遅延回路は、信号を決定回路に供給する。検出器の信号が基準時間よりも短く持続するとき、決定回路は、トイレユーザが排尿したと決定する。逆に、この信号が基準時間またはより長い時間にわたって持続するとき、決定回路は、トイレユーザが排便したと決定する。第1の場合、第1のタイマが、動作させられ、洗浄弁は、第1のタイマに設定される時間にわたって開放し、それによって、トイレを洗浄する。第2の場合、第2のタイマが、動作させられ、洗浄弁は、第2のタイマに設定される時間にわたって開放し、したがって、トイレを洗浄する。第1のタイマに設定される時間は、第2のタイマに設定されるものよりも短い。したがって、トイレは、各排尿後に少量の水を用いて洗浄され、各排便後に大量の水を用いて洗浄される。
【0009】
「Automatic Dual Flush Activation」と題された米国特許出願第2008/0078014 A1号は、トイレユーザの使用時間(すなわち、ユーザがトイレの使用に費やす時間)を検出することによって、洗浄弁の洗浄量を自動的に制御する方法を開示している。使用時間が事前プログラムされた値の設定と比較したときに「長い」と決定される場合、全洗浄量が、使用される。逆に、使用時間が「短い」と決定される場合、より少ない洗浄量が、使用される。使用時間は、種々のセンサタイプ、すなわち、赤外線、容量、重量、熱、運動、またはそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを使用して、トイレ上の/トイレに近接するユーザの存在の時間を測定することによって決定される。
【0010】
「An Automatic Flushing Device for a Flush Toilet」と題された第EP 0 453 702 A1号は、赤外線センサと、赤外線センサと接続される電子回路とを含む、水洗トイレのための自動的洗浄デバイスを開示している。赤外線センサは、トイレが使用された時間の長さを検出し、電子回路を作動させ、コイルに通電し、丸形ブロックを磁気的に上方に移動させ、丸形ブロックは、3つの洗浄量を分注することが可能な出口をブロックする菱形ボールと接続されている。ユーザがトイレ上で費やした時間の量に応じて、タンクは、対応する適切な洗浄量のためにブロック解除される。
【0011】
「Water Saving Device of Tank System Water Closet」と題された第JPH 0270839号は、ユーザのトイレ上での滞在に基づいて、ユーザが排尿または排便したかを検出し、水を節約するために「洗浄の構成」を自動的に調節するデバイスを説明している。
【0012】
2000年2月17日に付与され、「Lavatory Flush Regulating System」と題された第DE 19825229 C1号は、便器の内容物を検出し、内容物に応じて洗浄水の自動的投与のための情報を提供するためのセンサユニットを有するデバイスを説明している。センサユニットは、糞便ガスを認識するガスセンサである。センサの信号は、制御ユニット内で処理され、それは、便器への洗浄のために好適な最適な水量を供給するように弁を動作させる。
【0013】
水は、トイレが「出し放しである」とき、つまり、漏出する弁、誤動作するフロートアーム、または他の誤動作の結果として、少量の水がタンクから便器の中に常に出し放しであるとき、または流動しているときに不必要に消費される。この誤動作に対してトイレを監視する試みが、例えば、米国特許第8,310,369号(第’369号特許)で成されている。第’369号特許は、センサによって検出される音および/または振動に対応する振幅を有する信号を生産し、漏出を検出または監視するための圧電センサを含み得るセンサの使用を教示している。
【0014】
したがって、ユーザの関与を伴わずに、便器の内容物または状態に応じて、便器の中への水の流量を自動的に調節する水洗トイレと共に使用され得るシステムの必要性がこの分野にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】米国特許第8,434,172号明細書
【文献】米国特許第6,226,807号明細書
【文献】米国特許第4,707,867号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
有利なこととして、本発明の技術は、便器の内容物に応じて、ユーザが選択し得る可能な洗浄量の中でどれを使用するかを決定する難題を水洗トイレユーザから除去する。結果として、各洗浄は、便器から識別された廃棄物を清掃するために必要な最少の量の水を利用するので、強化された節水が、達成される。同様に、本発明のシステムは、例えば、便器出口の閉塞物および/または漏出する洗浄弁を検出し、人間介入を伴わずに便器(またはタンク)への水流の量をゼロまで「自動的に」低減させるように適合されることができる。
【0017】
具体的には、本明細書に説明される発明は、水源と流体連通し、センサシステムを搭載される便器を含む水洗トイレを含む。センサシステムは、超音波信号を伝送し、帰還信号を受信することが可能なトランスデューサを含み得る。センサシステムは、超音波信号を伝送するための送信機と、超音波信号を受信するための受信機とを含み得る。センサシステムは、信号の飛行時間を測定し、飛行時間測定値を取得するように構成される。飛行時間(ToF)は、物体、粒子、音波、電磁波、または他の波が媒体を通してある距離を進行するためにかかる時間を測定する種々の方法を説明する。本発明のある実施形態では、飛行時間は、超音波信号等のセンサ信号が、センサから進行し、それに戻る、または送信機から受信機に進行するためにかかる時間を指す。マイクロコントローラが、センサシステムに電気的に接続され、ToF測定値を受信し、それを処理し、アルゴリズムを使用して便器ステータスを決定するように構成される。トイレは、便器と水源との間に配置され、ある持続時間にわたって第1の位置から第2の位置に移動するように少なくとも1つの水弁に命令するマイクロコントローラに電気的に接続される少なくとも1つの水弁も含み、持続時間は、便器ステータスに対応する。
【0018】
上記に説明されるような、センサ、マイクロコントローラ、および随意に、少なくとも1つの弁を含むトイレに搭載され得るシステムも、説明される。
【0019】
水洗トイレにおける便器ステータスに対応するように便器の中に放出される水の量を調節する方法も、含まれる。ある実施形態では、方法は、便器上に搭載された送信機から便器の内容物に向かって超音波信号を伝送することと、超音波信号を受信することとを含む。信号の受信時、ToF測定値が、マイクロコントローラに電子的に通信される。マイクロコントローラは、ToF測定値に対応する便器状態を決定し、ある持続時間にわたって第1の位置から第2の位置に移動するように便器と流体連通している少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁に電子的に命令するアルゴリズムを適用し、持続時間は、便器ステータスに対応する。持続時間の経過時、少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、第2の位置から第1の位置に移動させられる。
【0020】
トイレの節水を強化する方法、誤動作するトイレからの水浪費を検出および改善する方法、環境中への下水ガスの放出を防止する方法、ならびに商業的用途におけるトイレを監視する方法も、含まれる。
【0021】
ある実施形態によると、水洗トイレが、水源と流体連通し、超音波信号を伝送することが可能な送信機と、超音波信号を受信することが可能な受信機とを備えているセンサを搭載され、センサは、信号の飛行時間(ToF)を測定し、ToF測定値を取得するように構成されている、便器と、センサに電気的に接続され、ToF測定値を受信し、それを処理し、便器ステータスを決定するように構成されている、マイクロコントローラと、便器と水源との間に配置され、ある持続時間にわたって第1の位置から第2の位置に移動するように少なくとも1つの水弁に命令するマイクロコントローラに電気的に接続され、持続時間は、便器ステータスに対応している、少なくとも1つの水弁とを含み得る。
【0022】
実施形態によると、水洗トイレは、ピエゾセラミックセンサであるセンサを含み得る。センサは、便器の外部に搭載され得る。センサは、便器の内部に搭載され得る。センサは、便器の底部の中心に搭載され得る。送信機は、便器の第1の側に搭載され得、受信機は、第1の側と対向する便器の第2の側に搭載され得る。水弁は、電気機械的に動作させられる弁であり得る。水弁は、ソレノイド弁であり得る。水弁は、洗浄弁であり得る。水弁は、水源弁であり得る。
【0023】
実施形態によると、便器ステータスは、「液体」、「固体」、および「中間」から選択され得る。便器ステータスは、「液体」であり得、洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、便器を清掃するために十分な量の水を放出し得る。便器ステータスは、「低水位」であり得、洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、水封を復元するために十分な量の水を放出し得る。便器ステータスは、「固体」であり得、洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、便器を清掃するために十分な量の水を放出し得る。便器ステータスは、「中間」であり得、洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、便器を清掃するために十分な量の水を放出し得る。便器ステータスは、「漏出」、「液体閉塞」、「固体閉塞」、および「物体」から選択され得る。水弁は、開放位置から閉鎖位置に移動させられ得る。
【0024】
実施形態によると、トイレは、マイクロコントローラに電気的に接続される、便器上のユーザまたは前記便器に近接したユーザの存在を検出するための二次センサを含み得る。二次センサは、便器の正面のユーザの存在を検出するための赤外線(IR)センサであり得る。二次センサは、便器の中への便器内容物の堆積を検出するための赤外線(IR)センサであり得る。
【0025】
ある実施形態によると、水洗トイレ上に搭載するためのシステムが、マイクロコントローラに電気的に接続され、超音波信号を伝送するための送信機と、超音波信号を受信するための受信機とを含むセンサであって、使用時、信号のToF測定値を生成するように構成されている、センサと、ToF測定値を受信し、それを処理し、使用時の便器ステータスを決定するように構成され、水洗トイレの少なくとも1つの水弁に電気的に接続可能である、マイクロコントローラとを含み得る。
【0026】
実施形態によると、システムのセンサは、使用時、送信機が便器の第1の側に搭載可能であり、受信機が第1の側と対向する便器の第2の側に搭載可能であるように構成され得る。センサは、ピエゾセラミックセンサであり得る。
【0027】
実施形態によると、システムは、マイクロコントローラに電気的に接続可能である、便器上のユーザまたは前記便器に近接したユーザの存在を検出するための二次センサを含み得る。二次センサは、便器の正面のユーザの存在を検出するための赤外線(IR)センサであり得る。二次センサは、便器の中への便器内容物の堆積を検出するための赤外線(IR)センサであり得る。
【0028】
実施形態によると、水洗トイレにおける便器ステータスに対応するように便器の中に放出される水の量を調節する方法が、便器上に搭載された送信機から便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、受信機によって超音波信号を受信し、信号のToF測定値を決定することと、ToF測定値を、ToF測定値に対応する便器状態を決定し、ある持続時間にわたって第1の位置から第2の位置に移動するように便器と流体連通している少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁に電子的に命令するマイクロコントローラに電気的に伝達することであって、持続時間は、便器ステータスに対応している、ことと、持続時間の経過時、少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁を第2の位置から第1の位置に移動させることとを含み得る。
【0029】
実施形態によると、方法は、ピエゾセラミックセンサである送信機および受信機を含み得る。決定される便器ステータスは、「液体」、「固体」、および「中間」から選択され得る。少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、洗浄弁であり得、決定される便器ステータスは、「液体」であり、第1の位置は、閉鎖位置であり、第2の位置は、開放位置であり、持続時間は、便器を清掃するために十分な量の水を放出する。少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、洗浄弁であり得、決定される便器ステータスは、「固体」であり、第1の位置は、閉鎖位置であり、第2の位置は、開放位置であり、持続時間は、便器を清掃するために十分な量の水を放出する。少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、洗浄弁であり得、決定される便器ステータスは、「中間」であり、第1の位置は、閉鎖位置であり、第2の位置は、開放位置であり、持続時間は、便器を清掃するために十分な量の水を放出する。少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、水源弁であり得、決定される便器ステータスは、「漏出」、「液体閉塞」、「固体閉塞」、および「物体」から選択され得る。第1の位置は、開放位置であり得、第2の位置は、閉鎖位置であり、持続時間は、無期限である。
【0030】
ある実施形態によると、水洗トイレの節水を強化する方法が、トイレに開示されるシステムのいずれかを取り付けることを含む。
【0031】
ある実施形態によると、監視サイクルの周期的起動を含む水洗トイレにおける水浪費を検出および改善する方法が、便器上に搭載された送信機から便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、信号のToF測定値を決定する受信機によって超音波信号を受信することと、ToF測定値を、ToF測定値に対応する便器状態を決定するマイクロコントローラに電気的に伝達することとを含み、決定される便器状態が「通常」であるとき、サイクルは、終了するが、決定される便器状態が「漏出」であるとき、マイクロコントローラは、ある持続時間または無期限の持続時間にわたって開放位置から閉鎖位置に移動するように便器と流体連通している少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁に電子的に命令する。ある実施形態によると、起動は、24時間に1回生じる。
【0032】
ある実施形態によると、水洗トイレが、外面と、内面とを有する便器と、便器の外面上に位置しているセンサとを含み得、センサは、便器の内部空間内の活動を識別するように構成される。センサは、便器の外面の底部上に位置し得る。センサは、便器の外面の第1の側に位置し、受信機が、便器の外面の第2の側に位置し得、送信機および受信機は、便器の外面上の同一の軸方向高さに位置する。水洗トイレは、センサと通信しているマイクロコントローラを含み、マイクロコントローラは、活動への応答を開始するように構成され得る。識別される活動は、便器内の固体廃棄物の存在であり得、応答は、水洗トイレの高量洗浄を実施するために弁を開放することである。活動は、便器内の液体廃棄物の存在であり得、応答は、水洗トイレの低量洗浄を実施するために弁を開放することである。活動は、便器の中への漏出であり得、応答は、水供給弁を閉鎖することである。活動は、便器内の低水位の存在であり得、応答は、水供給弁を開放することである。活動は、便器内の高水位の存在であり得、応答は、水洗トイレの洗浄を防止するために閉鎖することである。便器内の高水位は、水洗トイレ内の固体閉塞物に起因する。便器内の高水位は、水洗トイレの上流のライン閉塞物に起因する。活動は、中間内容物の存在であり得、応答は、水洗トイレの低量洗浄を実施することである。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
水洗トイレであって、前記トイレは、
水源と流体連通している便器であって、前記便器は、超音波信号を伝送することが可能な送信機と、超音波信号を受信することが可能な受信機とを備えているセンサを搭載され、前記センサは、前記信号の飛行時間(ToF)を測定し、ToF測定値を取得するように構成されている、便器と、
前記センサに電気的に接続されているマイクロコントローラであって、前記マイクロコントローラは、前記ToF測定値を受信し、それを処理し、便器ステータスを決定するように構成されている、マイクロコントローラと、
前記便器と前記水源との間に配置されている少なくとも1つの水弁と
を備え、
前記少なくとも1つの水弁は、前記マイクロコントローラに電気的に接続され、前記マイクロコントローラは、ある持続時間にわたって第1の位置から第2の位置に移動するように少なくとも1つの水弁に命令し、前記持続時間は、前記便器ステータスに対応している、トイレ。
(項目2)
前記センサは、ピエゾセラミックセンサである、項目1に記載のトイレ。
(項目3)
前記センサは、前記便器の外部に搭載されている、項目1に記載のトイレ。
(項目4)
前記センサは、前記便器の内部に搭載されている、項目1に記載のトイレ。
(項目5)
前記センサは、前記便器の底部の中心に搭載されている、項目1に記載のトイレ。
(項目6)
前記送信機は、前記便器の第1の側に搭載され、前記受信機は、前記第1の側と対向する前記便器の第2の側に搭載されている、項目1に記載のトイレ。
(項目7)
前記水弁は、電気機械的に動作させられる弁である、項目1に記載のトイレ。
(項目8)
前記水弁は、ソレノイド弁である、項目1に記載のトイレ。
(項目9)
前記水弁は、洗浄弁である、項目1に記載のトイレ。
(項目10)
前記便器ステータスは、「液体」、「固体」、および「中間」から選択される、項目9に記載のトイレ。
(項目11)
前記便器ステータスは、「液体」であり、前記洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出する、項目10に記載のトイレ。
(項目12)
前記便器ステータスは、「低水位」であり、前記洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、水封を復元するために十分な量の水を放出する、項目9に記載のトイレ。
(項目13)
前記便器ステータスは、「固体」であり、前記洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出する、項目10に記載のトイレ。
(項目14)
前記便器ステータスは、「中間」であり、前記洗浄弁は、ある持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動させられ、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出する、項目10に記載のトイレ。
(項目15)
前記水弁は、水源弁である、項目1に記載のトイレ。
(項目16)
前記便器ステータスは、「漏出」、「液体閉塞」、「固体閉塞」、および「物体」から選択される、項目13に記載のトイレ。
(項目17)
前記水弁は、開放位置から閉鎖位置に移動させられる、項目16に記載のトイレ。
(項目18)
前記便器上のユーザまたは前記便器に近接したユーザの存在を検出するための二次センサをさらに備え、前記二次センサは、前記マイクロコントローラに電気的に接続されている、項目1に記載のトイレ。
(項目19)
前記二次センサは、前記便器の正面のユーザの存在を検出するための赤外線(IR)センサである、項目18に記載のトイレ。
(項目20)
前記二次センサは、前記便器の中への便器内容物の堆積を検出するための赤外線(IR)センサである、項目18に記載のトイレ。
(項目21)
水洗トイレ上に搭載するためのシステムであって、前記システムは、
i)マイクロコントローラに電気的に接続されているセンサであって、前記センサは、超音波信号を伝送するための送信機と、前記超音波信号を受信するための受信機とを備え、前記センサは、使用時、前記信号のToF測定値を生成するように構成されている、センサと、
ii)マイクロコントローラと
を備え、
前記マイクロコントローラは、前記ToF測定値を受信し、それを処理し、使用時の便器ステータスを決定するように構成され、水洗トイレの少なくとも1つの水弁に電気的に接続可能である、システム。
(項目22)
前記センサは、使用時、前記送信機が前記便器の第1の側に搭載可能であり、前記受信機が前記第1の側と対向する前記便器の第2の側に搭載可能であるように構成されている、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記センサは、ピエゾセラミックセンサである、項目21に記載のシステム。
(項目24)
前記便器上のユーザまたは前記便器に近接したユーザの存在を検出するための二次センサをさらに含み、前記二次センサは、前記マイクロコントローラに電気的に接続可能である、項目21に記載のシステム。
(項目25)
前記二次センサは、前記便器の正面のユーザの存在を検出するための赤外線(IR)センサである、項目24に記載のシステム。
(項目26)
前記二次センサは、前記便器の中への便器内容物の堆積を検出するための赤外線(IR)センサである、項目24に記載のシステム。
(項目27)
水洗トイレにおける便器ステータスに対応するように便器の中に放出される水の量を調節する方法であって、前記方法は、
i)前記便器上に搭載された送信機から前記便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、
ii)受信機によって前記超音波信号を受信し、前記信号のToF測定値を決定することと、
iii)前記ToF測定値をマイクロコントローラに電気的に伝達することであって、前記マイクロコントローラは、前記ToF測定値に対応する便器ステータスを決定し、ある持続時間にわたって第1の位置から第2の位置に移動するように前記便器と流体連通している少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁に電子的に命令し、前記持続時間は、前記便器ステータスに対応している、ことと、
iv)前記持続時間の経過時、前記少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることと
を含む、方法。
(項目28)
前記送信機および受信機は、ピエゾセラミックセンサである、項目27に記載の方法。(項目29)
前記決定される便器ステータスは、「液体」、「固体」、および「中間」から選択される、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、洗浄弁であり、前記決定される便器ステータスは、「液体」であり、前記第1の位置は、閉鎖位置であり、前記第2の位置は、開放位置であり、前記持続時間は、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、洗浄弁であり、前記決定される便器ステータスは、「固体」であり、前記第1の位置は、閉鎖位置であり、前記第2の位置は、開放位置であり、前記持続時間は、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出する、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、洗浄弁であり、前記決定される便器ステータスは、「中間」であり、前記第1の位置は、閉鎖位置であり、前記第2の位置は、開放位置であり、前記持続時間は、前記便器を清掃するために十分な量の水を放出する、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁は、水源弁であり、前記決定される便器ステータスは、「漏出」、「液体閉塞」、「固体閉塞」、および「物体」から選択される、項目29に記載の方法。
(項目34)
前記第1の位置は、開放位置であり、前記第2の位置は、閉鎖位置であり、前記持続時間は、無期限である、項目29に記載の方法。
(項目35)
トイレに項目21に記載のシステムを取り付けることを含む前記水洗トイレの節水を強化する方法。
(項目36)
水洗トイレにおける水浪費を検出および改善する方法であって、前記方法は、監視サイクルの周期的起動を含み、前記方法は、
i)便器上に搭載された送信機から前記便器の便器内容物に向かって超音波信号を伝送することと、
ii)前記超音波信号のToF測定値を決定する受信機によって前記超音波信号を受信することと、
iii)前記ToF測定値をマイクロコントローラに電気的に伝達することと
を含み、
前記マイクロコントローラは、前記ToF測定値に対応する便器状態を決定し、前記決定される便器状態が「通常」であるとき、前記サイクルは、終了するが、前記決定される便器状態が「漏出」であるとき、前記マイクロコントローラは、ある持続時間または無期限の持続時間にわたって開放位置から閉鎖位置に移動するように前記便器と流体連通している少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁に電子的に命令する、方法。
(項目37)
前記起動は、24時間に1回生じる、項目36に記載の方法。
(項目38)
水洗トイレであって、前記水洗トイレは、
外面と内面とを有する便器と、
前記便器の外面上に位置しているセンサと
を備え、
前記センサは、前記便器の内部空間内の活動を識別するように構成されている、水洗トイレ。
(項目39)
前記センサは、前記便器の外面の底部上に位置している、項目38に記載の水洗トイレ。
(項目40)
前記センサは、前記便器の外面の第1の側に位置している送信機と、前記便器の外面の第2の側に位置している受信機とをさらに備え、前記送信機および受信機は、前記便器の外面上の同じ軸方向高さに位置している、項目38に記載の水洗トイレ。
(項目41)
前記センサと通信しているマイクロコントローラをさらに備え、前記マイクロコントローラは、前記活動への応答を開始するように構成されている、項目38に記載の水洗トイレ。
(項目42)
前記活動は、前記便器内の固体廃棄物の存在であり、前記応答は、前記水洗トイレの高量洗浄を実施するために弁を開放することである、項目41に記載の水洗トイレ。
(項目43)
前記活動は、前記便器内の液体廃棄物の存在であり、前記応答は、前記水洗トイレの低量洗浄を実施するために弁を開放することである、項目41に記載の水洗トイレ。
(項目44)
前記活動は、前記便器の中への漏出であり、前記応答は、水供給弁を閉鎖することである、項目41に記載の水洗トイレ。
(項目45)
前記活動は、前記便器内の低水位の存在であり、前記応答は、水供給弁を開放することである、項目41に記載の水洗トイレ。
(項目46)
前記活動は、前記便器内の高水位の存在であり、前記応答は、前記水洗トイレの洗浄を防止するために閉鎖することである、項目41に記載の水洗トイレ。
(項目47)
前記便器内の高水位は、前記水洗トイレ内の固体閉塞物に起因する、項目46に記載の水洗トイレ。
(項目48)
前記便器内の高水位は、前記水洗トイレの上流のライン閉塞物に起因する、項目46に記載の水洗トイレ。
(項目49)
前記活動は、中間内容物の存在であり、前記応答は、前記水洗トイレの低量洗浄を実施することである、項目41に記載の水洗トイレ。
【図面の簡単な説明】
【0033】
前述の概要ならびに本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付される図面と併せて熟読されるとき、より良好に理解されるであろう。本発明を例証することを目的として、現在好ましい実施形態が、図面に示される。しかしながら、本発明は、示される精密な配列および手段に限定されないことを理解されたい。
【
図1】
図1は、本発明のシステムの実施形態のハードウェアを図示する概略ブロック図であり、水弁を含む。
【
図2】
図2は、負荷感知および/または閉塞物検出ならびに対応する洗浄量もしくは水流の調節を含む本発明の方法を具現化する概略図である。
【
図3】
図3は、システムの第2の実施形態および種々の便器ステータスを検出する方法を図示する本発明の第2の概略表現である。
【
図4】
図4は、センサが、受信機および送信機が便器の外部の対向する側に搭載されるように構成されている本発明のシステムのある実施形態を搭載される断面便器の概略表現である。
【
図5】
図5は、ToF測定値が本発明のある実施形態において取得される方法を図示する超音波レベルブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、媒体を通して信号を伝送および受信するためのシステムの概略表現である。
【
図6】
図6は、完全な水封を伴うトイレの断面である。
【
図7】
図7は、水位が低くなりすぎているので水封がもはや十分ではないトイレの断面である。
【
図8】
図8は、荷重感知実験において使用されるような小規模便器を形成するためにセラミックタイルに固定されているPVC管の写真である。
【
図9】
図9は、液体のみが存在するときに小規模便器内に生成される信号を表すタイミング図である。
【
図10】
図10は、固体が存在するときに小規模便器内に生成される信号を表すタイミング図である。
【
図11A】
図11Aは、ある実施形態による通常の水位を伴うトイレの部分的断面である。
【
図11B】
図11Bは、ある実施形態による低量洗浄を伴うトイレの部分的断面である。
【
図11C】
図11Cは、ある実施形態による全量洗浄を伴うトイレの部分的断面である。
【
図11D】
図11Dは、ある実施形態による越流水位を伴うトイレの部分的断面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書に説明される発明は、便器のステータス(すなわち、便器内容物の量および/または性質、便器の出口が閉塞されているかどうか)に応じて、便器の中に放出される水量を調節し、環境中への下水ガス(例えば、硫化水素、アンモニア、メタン、エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄、および窒素酸化物)の放出を防止するため等のシステムを搭載されるトイレに関連する。
【0035】
システムを使用する方法ならびに漏出または他のトイレ誤動作に起因する水浪費を監視および改善する方法を含む関連方法と、いくつかの実施形態では、節水を改良するために既存のトイレ、および/またはすでに設置されたトイレに追加導入され得るシステムとも、含まれる。
【0036】
有利なこととして、ある側面では、本発明は、いずれの人間介入も全く存在しない、システム自体による洗浄量の調節または制限を「自動的に」可能にする。その結果、人的過失および/または怠慢が障害として除去されるので、より多くの節水が、達成される。別の有益な側面では、本発明は、便器の内容物を周期的に監視し、漏出または他のトイレ誤動作に起因する過剰な水の追加を検出する方法を提供する。本発明のこの側面では、便器内の「漏出」状態が検出されると、システムは、無期限に、または、少なくとも誤動作が識別および改善されることを可能にするために十分に長くにわたって、トイレへの水供給を自動的に遮断する。このように、無用の水浪費が、低減させられる。
【0037】
本発明は、システムを搭載される水洗トイレを含む。「水洗トイレ」とは、洗浄弁から分注される水を使用することによって、液体および固体廃棄物を処理し、それを便器の出口を通して、処理のために別の場所への下水管に洗い流す任意のトイレを意味する。例えば、着座もしくは「西洋式」構成またはしゃがみ構成における水洗トイレ、ならびにサイホン式トイレ、二重トラップサイフォントイレ、弁クローゼットトイレ、ウォッシュアウトトイレ、および/または棚式トイレが、含まれる。
【0038】
ある側面では、本発明は、便器の内容物に応じて洗浄量の選択の自動化を可能にする、および/またはトイレ閉塞物、漏出、もしくは他の類似する誤動作の検出および水供給の後続自動化停止を可能にするように適合されることができる水洗トイレならびに/またはトイレ上に搭載するためのシステムを含む。
【0039】
システムは、センサを含む。センサは、センサと、アナログフロントエンドとを含むセンサシステムを含み得る。センサは、超音波信号等の信号を伝送し、帰還信号を受信することが可能であり得る。アナログフロントエンドは、便器内容物に向かって信号を伝送するようにセンサに開始させ得る。信号は、便器内の液体を通して進行し、液体および空気の交点で反射し得る。トランスデューサは、反射された信号を受け取り、および/または、反射された信号の不在を認め、記録し得る。
【0040】
センサは、代替として、少なくとも送信機および受信機を含み得る。送信機は、使用時、超音波信号を生成し、それを便器内容物に向かって伝送することが可能である。受信機は、信号を受け取り、および/または、便器内容物がそれらが信号を減衰させられ、または遮断するようなものである状況では、信号の不在を認め、記録するように構成される。信号および/または反射された信号は、便器の内容物によって減衰または吸収され得るので、本明細書で使用される場合、センサおよび受信機と併せた語句「信号を受信すること」は、信号および/または反射された信号の不在の認識を含む。
【0041】
センサシステムは、信号の進行についてセンサによって取得された情報を使用し、飛行時間測定値(「ToF測定値」)を生成するように構成される。アナログフロントエンドは、ToF測定値を決定するためのアルゴリズムを使用し得る。いくつかの実施形態では、生成されるToF測定値は、信号の繰り返された伝送/受信によって提供された情報のいくつかの組から取得された平均ToFである。別の実施形態では、ToF測定値は、トイレ使用中および/またはトイレ使用後のある持続時間にわたる時点において取得された複数のToFデータ点であり得る。ToF測定値は、単一のToFデータ点に基づき得る。
【0042】
使用時、センサシステムは、便器の外側上または便器の内部に搭載され得る。多くの実施形態では、残土、水鉱物、および/または洗浄剤の妨害もしくは蓄積を防止するように、便器の外側にセンサを搭載することが、有利である。土、鉱物、および/または洗浄剤の集合は、非衛生的であり得、それらは、センサの有効性を低減させ得、それらは、感知要素に干渉し得、および/または、それらは、感知要素を劣化させ得る。センサシステムを便器の外側に配置することによって、便器内の物体は、感知に干渉しないこともある。つまり、物体は、センサの有効性を損なわず、劣化させず、または、低減させないであろう。
【0043】
ある実施形態では、センサは、便器の中心底部に位置することが好ましくあり得るか(例えば、便器の真下のセンサの位置を示す
図2参照)、または、センサは、送信機が便器の第1の側に位置し、受信機が対向する第2の側に位置するように構成され得る(
図4参照)。種々の実施形態では、送信機および受信機は、便器の外部または内部上に独立して位置し得る。センサ(またはセンサの一部)が便器の外部に位置するとき、ある実施形態では、下記の概略断面に示されるように、それは、便器のセラミック材料に直接隣接するように配置され、セラミック材料は、便器内の液体に直接隣接し、液体は、環境(空気)と直接界面接触し、いかなる介在する空間または層も伴わないことが、好ましくあり得る。
【0044】
【表1】
同様に、センサ(またはセンサの一部)が便器の内部に位置するとき、ある実施形態では、下記の概略断面に示されるように、それが、便器のセラミック面に直接添着されように配置され、便器内の液体に直接隣接して位置し、液体が、環境(空気)と直接界面接触し、いかなる介在する空間または層も伴わないことが、好ましくあり得る。
【0045】
【表2】
センサは、当分野で公知の、または今後開発される任意の超音波センサもしくは音響ベース技術センサであり得る。ある実施形態では、センサは、ピエゾセラミックトランスデューサである。限定ではないが、圧電トランスデューサおよび容量センサ等の他のセンサも、想定され得る。センサが容量センサである実施形態では、センサは、水位および便器ステータスを決定するために、静電容量の変化を比較することによって動作し得る。
【0046】
アナログフロントエンドは、信号を送信し、信号のToF測定値を決定するようにセンサを開始させることが可能な任意のデバイスであり得る。例示的アナログフロントエンド(AFE)は、Texas Instruments,Inc.(12500 TI Boulevard,Dallas,Texas 75243 USA)から利用可能である(例えば、TDC 1000 Ultrasonic Sensing Analog Front End (AFE) for Sensing Applications(その内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる))。
【0047】
センサシステムは、時間/デジタルコンバータを含み得る。時間/デジタルコンバータは、Texas Instruments,Inc.から利用可能なTDC 7200であり得る。時間/デジタルコンバータは、アナログフロントエンドから受信されたToF測定値をマイクロコントローラに伝送するためのデジタル出力に変換し得る。
【0048】
システムは、センサシステムに電気的に接続されるマイクロコントローラも含む。マイクロコントローラは、トイレの上側シェルに、例えば、トイレ上の赤外線(IR)センサに近接して位置し得る。代替として、マイクロコントローラは、トイレの便器の下に、またはタンクの上部部分上に位置し得る。マイクロコントローラとセンサシステムと(および本明細書に説明される任意のその他)の間の電気接続は、伝統的な有線配線、または、例えば、WiFi(WLANまたはWPANが好ましくあり得る)、Bluetooth(登録商標)、BLE、WiMAX接続を介した無線電気接続によるものであり得る。センサシステムによって(すなわち、アナログフロントエンドによって)生成されるToF測定値は、電気接続によってマイクロコントローラに電子的に伝達される。マイクロコントローラは、それがToF測定値を受信および処理することを可能にするアルゴリズムをロードされる。
【0049】
ToF測定値が入力されると、マイクロコントローラは、便器の状態(「便器ステータス」)を決定するために、アルゴリズムを適用する。アルゴリズムは、センサによって生成されるToF測定値が、便器内容物の状態(例えば、存在する場合、ToF測定値が取得されたときに便器内容物中に存在する媒体のタイプ)に応じて異なるであろうため、種々の便器ステータスの検出を促進するように書き込まれることができる。便器内容物は、任意の固体、液体、もしくは中間(組織等)であり得るか、または、便器内の内容物の不在であり得る。種々の便器ステータスは、「通常」ステータスと比較され得る。「通常」便器ステータスは、便器内のルーチン水位におけるToF測定値に基づいて決定され得る。ルーチン水位は、事前決定された水位であり得る。ルーチン水位は、トイレモデルに基づいて事前決定され得る。ルーチン水位は、トイレ内に水封を確立するために十分な水位であり得る。「通常」ステータスは、特定のトイレモデルに対して、例えば、製造施設において決定され得る。「通常」ステータスは、同一または類似するトイレモジュールを表す値の組から選定される設定値(例えば、平均値)であり得る。
【0050】
「通常」状態を含む各「便器ステータス」に対応するToF測定値は、便器構造、製作材料、および便器音響に影響を及ぼす他の物理的パラメータ、ならびに、ToF測定値に集約されるToFデータのタイプ、数量、および性質等の種々の因子に応じて、トイレ毎に異なり得ることを理解されたい。したがって、マイクロコントローラによって適用されるアルゴリズムは、変動するであろう。しかしながら、一般的レベルにおいて、アルゴリズムは、生成されたToF測定値のToF測定値のベースラインセットとの比較を含み、ToF測定値は、プログラマが調節された洗浄量を割り当てることを所望した便器ステータス(「通常」状態を含む)の各々に対応するToF測定値を含む。例えば、プログラマは、漏出、閉塞、より低い量等に対応するToF測定値に調節された洗浄量を割り当て得る。
【0051】
種々のタイプの便器ステータスが、任意のシグニファイア、例えば、文字、数字、記号等を使用して参照されることができる。しかしながら、便宜上、本明細書における便器ステータスは、実際の物理的内容物に対応する単純な名詞を使用して説明される。例示的便器ステータスは、限定ではないが、以下を含み得る:(i)便器水中の固体廃棄物の存在(「固体」)、(ii)便器内の液体のみの存在(「液体」)、(iii)便器の中への連続的な水出し放し/漏出の存在(「漏出」)、(iv)便器内の低水位(「低」)、(v)例えば、便器出口の閉塞物(システムの下流部分に存在する閉塞物が、トイレの上流アレイにおいて閉塞を生成する、商業的用途におけるライン閉塞物等)からもたらされる便器内の高水位(「液体閉塞」)、(vi)便器内に残留する固体からもたらされる便器内の高水位(「固体閉塞」)、(vii)便器水中の紙または組織等の中間内容物の存在(「中間」)、(viii)便器水中の非糞便固体(例えば、子供の玩具、携帯電話、または他の不適切な物体)の存在(「物体」)、および(ix)下水ガスの放出を可能にし得る非常に低い水位(「非水封」)。
【0052】
マイクロコントローラは、便器の状態(「便器ステータス」)を決定するために、アナログフロントエンドから受信されたToF測定値を処理することが可能な当分野で公知であるか、または今後開発され得る。マイクロコントローラは、便器の状態に対応する、トイレシステムによって講じられるべき措置を決定し得る。マイクロコントローラは、洗浄弁、水源弁、または他の弁に、便器ステータスに基づいて開放、閉鎖、または現在の状態に留まるための命令を送信し得る。例示的マイクロコントローラは、Texas Instruments,Inc.(12500 TI Boulevard,Dallas,Texas 75243 USA)から利用可能なもの(Microcontroller MSP 430)またはMicroChip(Phoenix,Arizona)からのPICマイクロコントローラを含む。マイクロコントローラは、ARMベースのマイクロコントローラであり得る。
【0053】
本発明のシステムでは、マイクロコントローラは、便器ステータスを決定するためにアルゴリズム内でToF測定値を使用し、命令をシステム内の水弁または複数の弁に電子的に伝達し、適切な洗浄量を便器に送達するか、または、追加の水が便器もしくはタンクに進入しないようにトイレへの水源を完全に遮断する。
【0054】
ある実施形態では、弁は、当分野で公知の、または今後開発されるいずれかであり得る、電気機械的に動作させられる弁である。いくつかの実施形態では、電気機械的に動作させられる弁は、ソレノイド弁であることが好ましくあり得る。弁は、DCモータ弁またはステッパモータ弁でもあり得る。実施形態が、特定の便器ステータスに応答した洗浄水量の調節を伴う場合、弁は、例えば、便器と水源(例えば、給水本管または水タンク)または全体として水をトイレに供給する水源弁との間に配置される洗浄弁であり得る。
【0055】
例示的実施形態では、アルゴリズムが、便器が便器内容物中に固体廃棄物を含む(便器ステータスが「固体」である)と決定するとき、マイクロコントローラは、第1の洗浄量を放出するために十分な持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動するように洗浄弁または複数の弁に電子的に命令する。対応して、マイクロコントローラが、便器が液体を含む(便器ステータスが「液体」である)と決定するとき、それは、第2の洗浄量を放出するために十分な持続時間にわたって開放するように洗浄弁に電子的に命令し、マイクロコントローラが、便器が紙廃棄物または他の中間物質を含む(便器ステータスが「中間」である)と決定するとき、それは、第3の洗浄量を放出するために十分な持続時間にわたって開放するように洗浄弁に命令する等。適切な量の水が放出されると、弁は、閉鎖位置に移動させられ、システムは、リセットされる。したがって、システムは、カスタマイズされた量の水が、便器の特定の内容物に基づいて、システムを通して洗い流されることを可能にし得ることを理解されたい。
【0056】
各事例では、第1、第2、第3等の量は、異なり得、便器から識別された内容物を清掃するためにちょうど十分な(十分な)水であるように較正され得る。各状況において適切な(または十分な)量は、システムが搭載される特定のトイレの構造に応じて異なるであろう。しかしながら、平均して、固体を除去するために十分な水の量は、約2.5~6リットルの水であり得、液体のみを除去するために十分な水の量は、約0.5~5リットルであり得、紙を除去するために十分な水の量は、約1~5リットルであり得る。
【0057】
ある実施形態では、マイクロコントローラが、便器が連続的水流を受け取っているか(すなわち、便器ステータスが「漏出」である)、または「通常」よりも高い水位を含んでいる(すなわち、便器ステータスが「液体閉塞」または「固体閉塞」である)と決定するとき、それは、ある持続時間にわたって開放位置から閉鎖位置に移動するように水源弁に電気的に命令する。「水源弁」とは、便器の中にだけではなく、全体としてのトイレへの水流を制御する弁を意味する。
【0058】
本実施形態では、目標は、トイレの溢れおよび/または水浪費が、特定の誤動作が修理されるまで回避されることであるので、持続時間は、非常に長く、例えば、1~5時間、10時間、24時間、48時間、72時間、100時間、または無期限の時間量であり得、いずれの場合も、弁が、誤動作が発見され、修復され、システムがリセットされることを可能にするために十分な時間にわたって閉鎖位置のままであることが、好ましくあり得る。システムリセットは、便器の「通常」ステータスを検出し、通常のToF測定値をマイクロコントローラに送信するセンサシステムに基づいて、自動的であり得る。代替として、ユーザが、プッシュボタン等を用いて手動でシステムをリセットし得る。
【0059】
ある実施形態では、システムは、便器内の水位が非常に低い、すなわち、十分に低く、トイレの機械的水封が不十分であるとき、または完全に喪失され得るとき、これを決定することが可能である。「機械的水封」とは、下水ガスが逃散することを防止するトイレトラップ内に位置する水が便器出口を通って戻ることを意味する。当分野で公知のように、トイレ水封の寸法は、垂直距離、すなわち、トラップディップと平均水位との間の垂直距離において説明される。多くの現代の建築基準は、作業システムにおける水封の完全性および十分性を確実にするために、平均水位とトラップディップとの間に最小垂直距離(例えば、1.5インチ、2インチ)の水封を要求する。このように、堰からトラップを通りトラップディップの上方2インチまで延びている水の物理的障壁が存在する。
【0060】
本実施形態では、マイクロコントローラは、水位が低すぎるので、水封が要求される最小垂直距離を下回る(便器ステータス「低水位」)かどうかを決定するようにプログラムされる。この条件がマイクロコントローラによって検出される場合、それは、適切な洗浄量を便器に送達するようにシステム内の水弁または複数の弁に命令を電子的に伝達し、そのような量は、少なくとも水封のために要求または所望される最小垂直距離を復元するために、したがって、水封を維持するために十分である。当業者によって理解されるように、そのような量は、トラップおよび便器の全体的寸法に応じて変動するであろう。
【0061】
システムは、便器内またはそれに近接する追加のイベントを実行することが可能な他の二次センサおよび/もしくは二次デバイスをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、2つ以上の超音波センサ、および/または、例えば、ガス検出器、赤外線センサ、(水位を検出するための)フロートセンサ等の追加のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、二次デバイスは、マイクロコントローラに電気的に接続され、マイクロコントローラからの命令時、追加のイベントを実行し得る。例えば、洗浄弁の解放前、その後、またはその間、二次デバイスは、洗浄剤、脱臭剤、芳香剤、便器もしくはユーザを清掃するための方向性水流、楽曲、もしくは他の音声を分配するように、および/または、照明もしくは複数の照明をオンもしくはオフにするように命令され得る。
【0062】
ある実施形態では、システムは、便器上またはそれに近接するユーザの存在を検出するための二次センサを含む。この二次センサは、例えば、便器の正面のユーザの存在を検出するために、または便器の中への内容物の堆積を検出するために構成される赤外線(IR)センサであり得る。
【0063】
ある実施形態では、赤外線センサが、マイクロコントローラに電気的に接続され、赤外線センサがユーザの存在を検出すると、それは、マイクロコントローラに信号を電気的に送信し、それは、センサの送信機が便器内容物に向かって超音波信号の伝送を開始するように促すことをマイクロコントローラに行わせる。このように、本発明の実践および本明細書に説明される発明的方法は、いずれの意図的人間介入も存在せずに実行されることができる。
【0064】
上での議論から明白であるように、本発明は、上で説明される要素の任意の組み合わせのシステムを搭載される水洗トイレも含む。システムは、製造業者においてトイレ上に搭載され、統合された製品として消費者に提供されることができる。代替として、いくつかの実施形態では、システムは、既存の事前設置されたトイレに対して追加導入されるように別個に提供され得る。ある実施形態では、システムは、電気機械的に動作させられる弁も含み得るか、または、それは、システムとの使用のために電気機械的に動作させられ得るものに従来の機械的弁を変換するために使用され得る電子的にもたらされる駆動装置を含み得る。
【0065】
トイレに本明細書に説明されるシステムの任意のものを搭載することを含むトイレの節水を強化する方法も、含まれる。例えば、システムが漏出を検出するために使用されるとき、トイレ内の1つ以上の弁が、さらなる水の漏出を防止するために閉鎖され得る。加えて、節水は、上で議論されるように、種々の洗浄量のプログラミングを通して、したがって、便器内容物のために適切な量の水がトイレに送達されることを可能にすることを通して達成され得る。
【0066】
本発明の範囲は、便器内の高水位、または便器内容物のほぼ連続的なより低いレベルの乱流(漏出または洗浄弁もしくは他の誤動作を示す)に対してトイレを自動的に監視する方法を提供することによって、水の無用な浪費を検出し、それを防止または改善する方法も含む。そのような方法は、以下を含む監視サイクルの周期的起動を含む:i)便器上に搭載された送信機から便器の内容物に向かって超音波信号を伝送すること、ii)信号のToF測定値を決定する超音波信号を受信機によって受信すること、iii)アルゴリズムを適用し、ToF測定値に対応する便器状態を決定するマイクロコントローラにToF測定値を電気的に伝達すること。
【0067】
マイクロコントローラによって適用されるアルゴリズムが、便器状態が「通常」であることを示す場合、サイクルは、終了する。しかしながら、決定された便器状態が、「漏出」または「高水位」または「乱流」等である場合、マイクロコントローラは、開放位置から閉鎖位置に移動するように便器と流体連通している少なくとも1つの電気機械的に動作させられる弁に電子的に命令する。弁は、誤動作が識別され、修復され、システムがリセットされるまで、閉鎖されたままであり得る。システムは、先に説明されるように、「通常」ステータスを示す新しいToF測定値に基づいて自動的に、またはユーザによって手動でリセットされ得る。
【0068】
監視システムの起動は、手動でもたらされ得るか、または、例えば、24時間に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回等の種々の時間間隔において生じるようにプログラムされ得る。監視システムは、毎時と同程度に頻繁な間隔を含むプログラムされた間隔において信号が伝送され、ToF測定値が記録されるように、略連続的であり得る。そのような略連続的な監視は、「漏出」および「閉塞」等のステータスを迅速に検出し、ステータスが改善されるまで、開放、閉鎖、もしくは現在の状態に留まるように弁を作動させるか、または先に説明される様式で他の構成要素を作動させ得る。監視の頻度は、用途に基づき得る。例えば、スポーツ会場等における商業的使用では、システムは、スポーツイベント中に頻繁にセンサ信号を送信し、会場が空いているときに実質的に休眠または休止するようにプログラムされ得る。オフィスまたは空港等の他の商業的使用では、システムは、勤務時間、または集中的旅行期間中にそれぞれ監視し、時間外に休眠したままであるようにプログラムされ得る。マイクロコントローラは、センサシステムが監視および休止している場合を決定する使用スケジュールをプログラムされ得る。
【0069】
水乱流は、水漏出または立位における男性によってトイレが使用されているとき等のある距離からの人間液体廃棄物の堆積を示し得るので、マイクロコントローラのアルゴリズムは、より低いレベルの乱流(漏出)とより高いレベルの乱流(立位排尿)との間の区別を可能にし得る。トイレ内の漏出に起因して、またはユーザによる排尿を通してのいずれかで、液体がトイレの中に漏出しているとき、便器内の液体の表面における乱流の増加が存在するであろう。センサシステムは、乱流が存在するとき、ToF測定値を決定することが不可能であり得る。センサシステムは、一連の「通常」ToF測定値を生成し、一連の「ゼロ」ToF測定値(いかなる反射された信号または受信機によって受信されるいかなる信号もないことを示す)が続き得る。したがって、アルゴリズムは、例えば、いくつかの「ゼロ」ToF測定値に対応する乱流のレベルを決定し得る。つまり、センサシステムは、交互する一連の「通常」および「ゼロ」ToF測定値を生成し得る。生成される「ゼロ」ToF測定値の数が高く、定常状態の「通常」ToF測定値に接近しない場合、高乱流が存在し、マイクロコントローラは、便器ステータスが「漏出」であると決定し得る。一連の「通常」および「ゼロ」ToF測定値が、定常状態の「通常」ToF測定値に戻るとき、システムは、液体が便器内に堆積されたと決定し得る。決定された便器ステータスに基づいて、マイクロコントローラは、先に説明されるように、適切な措置を講じ得る。
【0070】
図1-4を参照すると、種々の側面および実施形態が、本発明を図示するために特異性とともに説明される。
図1は、本発明のシステムの実施形態のハードウェア構成を図示する概略ブロック図である。本実施形態では、センサシステム104が、ピエゾセラミックトランスデューサ等の超音波トランスデューサであり得るセンサ100を含む。センサシステム104は、センサ100と電気的に結合される超音波アナログフロントエンド(AFE)102を含み得る。センサシステム104は、飛行時間(ToF)測定値をデジタル出力に変換する時間/デジタルコンバータ(TDC)106を含み得る。TDC106は、省略され得、マイクロコントローラ110が、TDC106の機能を実施するためのプログラミングを含み得る。
【0071】
継続して
図1を参照すると、AFE102は、パルスをセンサまたは超音波トランスデューサ100に伝送する。パルスは、超音波トランスデューサ100に共振させ、したがって、トランスデューサ100から超音波信号を放出させる。先に説明されるように、超音波トランスデューサ100は、便器の外面上かつ下側部分に近接する便器の基部に位置し得る(
図2)。トランスデューサ100は、便器の通常の液体ラインの下方に位置し得る。したがって、超音波信号は、トイレの底部から液体を通して、それが液体の表面(すなわち、便器内の液体と便器内の液体の上方の空気との間の交点または障壁)に到達するまで進行する。液体の表面において、超音波信号は、反射され、トランスデューサ100に戻る。
【0072】
再び
図1を参照すると、AFE102は、トランスデューサ100に戻った信号を検出し得る。AFEは、次いで、超音波信号がトランスデューサ100を離れ、液体/空気障壁または他の便器内容物上で反射し、トランスデューサ100に戻る間に経過した時間に対応する飛行時間(ToF)測定値を生成し得る。AFE102によって生成されたToF測定値は、TDC106によってデジタル出力に変換され得る。例示的AFE102は、TDC1000であり、例示的TDC106は、TDC7200であり、両方が、Texas Instruments,Inc.からのものである。デジタル形態におけるToF測定値は、シリアル周辺インターフェース(SPI)108を介してマイクロコントローラ110に伝達される。マイクロコントローラ110は、本実施形態では、バッテリ112によって電力変換モジュール114を介して給電される。
【0073】
ToF測定値の受信時、マイクロコントローラ110は、便器ステータスを決定するためのアルゴリズムを適用することによってToF測定値を処理する。マイクロコントローラ110は、ToF測定値を事前選択された「通常」ステータス(先に説明されるように、トイレモジュールに関して決定される)と比較する。アルゴリズムの結果が、便器ステータスが事前選択された「通常」ステータス以外であることを示す場合、マイクロコントローラ110は、GPIOインターフェース等、デジタル信号130を介して、信号を電気機械的に動作させられる水弁116に電気的に伝達する。信号は、弁116を第1の位置から第2の位置に移動させる。ある実施形態では、水弁116は、第1の位置と第2の位置との間でソレノイド弁120を作動させるためのソレノイド駆動装置118を含み得る。第1および/または第2の位置は、弁の開放位置、閉鎖位置、および/または部分的開放位置に対応し得る。
【0074】
再び
図1を参照すると、実施形態は、便器(図示せず)に近接するユーザの存在または不在を決定することが可能な赤外線センサであり得る二次センサ122も含み得る。二次センサ122は、
図2を参照して議論されるであろうように、超音波信号を伝送するようにセンサシステム104をトリガし得る。
【0075】
図2は、種々の便器ステータス(例えば、「閉塞」、「液体」、「固体」)を検出し、便器ステータスに対応するように洗浄量および/または水流を調節するシステムならびに方法を図示する本発明の概略表現である。この例では、センサは、便器226の底部中心部分に位置するピエゾセラミックセンサ228である。
図2では、ユーザ224または224’は、便器226内に固体廃棄物または液体廃棄物を堆積させる。IRセンサ等の二次センサ222は、ユーザ224/224’がトイレのエリアを離れたことを検出し(1)、イベントを示す信号をマイクロコントローラ210(マイクロコントローラ110等)に送信する(2)。マイクロコントローラ210は、超音波信号を伝送する(4)ように信号プロセッサ204に命令する(3)。信号プロセッサ204のセンサ(トランスデューサ100等)は、信号を伝送し、応答信号を受信する(5)。信号プロセッサ204は、(例えば、AFE102とともに)ToF測定値を生成し得る。信号プロセッサ204は、ToF測定値をマイクロコントローラ210に伝達する(6)。マイクロコントローラ210は、ToF測定値を処理し、便器ステータスを決定し、信号を水弁230に送信し、便器ステータスに対応するように水量および持続時間216を調節する。
【0076】
図3は、種々の便器ステータス(例えば、「低水位」、「液体」、「中間」、「固体」、「液体閉塞」、または「固体閉塞」)を検出するためのシステムおよび方法の論理フローを図示する本発明の概略表現である。
図3では、IRセンサであり得る二次センサ322は、それがトイレに近接するユーザまたはその上のユーザの存在を検出したときにシステムを起動させるために含まれる。IRセンサは、情報を収集および処理するために、システム330に電気的に接続される。システム330は、
図1および2に関連して説明されるシステムであり得、先に説明されるようなセンサシステムを含み得る。先に説明されるように、超音波信号が、ToF測定値を取得するために、センサシステムから伝送され、可能であるとき、受信される。ToF測定値は、マイクロコントローラに報告され、それは、アルゴリズムをToF測定値に適用し、便器ステータスを決定する。
【0077】
便器がルーチン水位における水を含むときの送信機から受信機へのセンサ信号の飛行時間に対応する「通常」ToF測定値が、事前選択され、アルゴリズムにロードされる。
図3において分かり得るように、マイクロコントローラは、センサシステムのアナログフロントエンドによって返されたToF測定値を、「通常」ステータスにおけるToF測定値と比較するようにプログラムされる。便器水位がルーチン水位を上回るとき(
図3の矢印B)、例えば、ライン閉塞物が存在する場合(例えば、「液体閉塞」ステータス)、ToF測定値は、「通常」ToF測定値と比較して大きくあり得る。大きいToF測定値は、「通常」ステータスに対応するToF測定値を上回る任意のToF測定値であり得る。この情報は、マイクロコントローラに電子的に伝達される。マイクロコントローラは、開放位置から閉鎖位置に移動するように水源弁を作動させ、いずれの追加の水もトイレまたは便器に進入することを効果的に防止し得る。
【0078】
継続して
図3を参照すると、例えば、便器水位がルーチン水位を下回るとき(
図3の矢印A)、ToF測定値は、「通常」ToF測定値(例えば、「水封」ステータス)と比較して、比較的に小さくあり得る。言い換えると、非常に低い水位における水を含む便器の「低水位」ToF測定値が、アルゴリズムにおいて存在する。便器水位が通常の水位よりも低いとき、ToF測定値は、「通常」と比較して、比較的に小さい。この情報は、マイクロコントローラに電子的に伝達され、その結果、マイクロコントローラは、適切な洗浄量の水を便器に送達するように弁を作動させ得る。この事例における量は、少なくとも水封のために要求または所望される最小垂直距離を復元するために、したがって、水封を維持し、環境中への下水ガスの逃散を防止するために十分である。水封は、例えば、機械的水封であり得る。
【0079】
便器内の液体中に固体廃棄物が存在するとき(例えば、「固体」または「固体閉塞」ステータス)(
図3の矢印C)、ToF測定値は、0またはほぼ0である。超音波信号は、便器内の固体によって減衰させられ、または吸収される。したがって、信号は、センサに戻るように反射しないか、または最小レベルにおいて戻るように反射される。この情報がマイクロコントローラに伝達されると、マイクロコントローラは、履歴トイレデータに基づいて、ToF測定値が「固体」を表すか、「固体閉塞」を表すかを決定し得る。そのような履歴データは、例えば、トイレが事前洗浄を完了したかどうかであり得る。ステータスが「固体」である場合、マイクロコントローラは、便器からトイレ出口の外に固体を清掃する(「完全洗浄」)ために十分な量の便器への水を可能にする持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動するように洗浄弁を作動させ得る。概して、これは、約3~5リットルの水であるが、量は、具体的トイレの構造に応じて変動するであろう。水のこの量は、マイクロコントローラによって事前決定され得る。ステータスが「固体閉塞」である場合、マイクロコントローラは、弁が開放することを防止し得、洗浄が生じることを防止し得る。
【0080】
便器水が尿のみを含む(例えば、「液体」ステータス)状況では、アルゴリズムの結果は、
図3の矢印D、E、およびFに対応するいくつかの異なる状態を示し得る。例えば、ToF測定値は、「通常」ステータスにおけるToF測定値にほぼ等しいToF測定値(矢印D)、またはトイレ使用の持続時間にわたって0のToFと交互する通常状態のToFにほぼ等しいToF測定値(矢印E)のいずれかを示し得る。この情報は、マイクロコントローラに電子的に伝達されると、マイクロコントローラに、便器からトイレ出口の外に尿を清掃する(「低洗浄」)ために十分な量の水の便器への放出を可能にする持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動するように洗浄弁を作動させる。概して、これは、固体廃棄物を清掃するために必要とされる量を約4分の3下回る量の水である。経験則として、量は、約0.5~5リットルである。水の本量は、マイクロコントローラによって事前決定され得る。
【0081】
便器が液体廃棄物およびトイレ紙または組織を含むとき(
図3の矢印F)、アルゴリズムの結果は、トイレ使用の持続時間にわたって、かつトイレ使用が完了した後の持続時間にわたって0のToFと交互する通常状態のToFにおけるか、またはそれに近いToFのいずれかを示すであろう。この情報は、マイクロコントローラに電子的に伝達されると、マイクロコントローラに、便器からトイレ出口の外に尿および紙/組織を清掃する(「中間洗浄」)ために十分な量の水の便器への放出を可能にする持続時間にわたって閉鎖位置から開放位置に移動するように洗浄弁に命令させる。概して、これは、固体廃棄物を清掃するために必要とされる量を下回る量の水である。これは、トイレの構造に応じて、約1~約5リットルに及ぶことができる。水の本量は、マイクロコントローラによって事前決定され得る。
【0082】
図4は、トイレの断面の概略図示である。トイレは、タンク450と、ハンドル460とを含み得る。タンク450の内側には、洗浄弁452、洗浄弁チェーン454、フロートボール456、およびフロートアーム458があり得る。トイレは、入口弁462と、便器再充填管464と、フィルタ管466と、入口管468と、越流管470と、供給ライン472とも含み得る。
図4のトイレは、センサ(
図1のトランスデューサ100)に対する代替配置を含み得る。センサは、送信機438と、受信機436とを備え得る。送信機438および受信機436は、便器432上の同一のレベルまたは同一の軸方向高さにあり得る。送信機438および受信機436は、例えば、床、トイレ内の水位、トイレシート、またはトイレ上もしくはトイレに近い他の相対的場所と平行であり得る。送信機438および受信機436は、ピエゾセラミックトランスデューサであり得る。送信機438は、便器426の第1の側434に位置し得、受信機436は、送信機438と対向する便器426の第2の側432に搭載され得る。
図4から理解され得るように、超音波信号440は、送信機438から受信機436に進行するとき、便器および便器426内容物を通過する。便器がルーチン水位の状態にあるとき、超音波信号440は、通常の状態における便器426を横断する。便器内容物が(
図3に関連して説明されるような)ルーチン水位以外であるとき、超音波信号440は、便器426を横断するためにより多いまたは少ない時間がかかり得る。固体または固体閉塞物の存在は、超音波信号を吸収し得(すなわち、超音波信号440は、減衰させられる)、信号が、受信機436によって受信されない場合があるか、または最小信号が、受信され得る。
図4は、受信機436において受信された信号からToF測定値を決定し、したがって、便器ステータスを決定するための先に説明されるようなAFEおよびマイクロコントローラを含み得る。
【0083】
図5は、センサ(トランスデューサ)、関連回路、およびマイクロコントローラの相互関係を示す本発明の実施形態のシステムの単純なバージョンの概略図である。
図5は、センサ510が便器500の底部外面上に位置する概略便器500を描写する。センサ510は、先に説明されるように、ピエゾセラミックトランスデューサ等の超音波トランスデューサであり得る。アナログフロントエンド(AFE)530は、センサ510に共振させ、したがって、便器500内の液体を通して進行する超音波信号550を生成させ得る。信号550は、流体と空気との間の障壁または分離もしくは界面であり得る標的520に到達し、センサ510に向かって戻るように反射される。センサ510は、信号550を受信し、AFE530は、次いで、マイクロコントローラ540に通信されるToF測定値を生成する。
【0084】
図5Aは、信号を伝送および受信し、信号を処理し、飛行時間測定値を決定するための本開示の原理によるシステムの概略図である。
図5Aのシステムは、先に説明されるように、超音波トランスデューサまたはピエゾセラミックトランスデューサ等のセンサまたはトランスデューサ510を含み得る。センサまたはトランスデューサ510は、アナログフロントエンド(AFE)530に電気的に接続され得る。AFE530は、共振するようにトランスデューサ510に開始させ、したがって、超音波信号等の信号550Aを生成させ得る。信号550Aは、第1の媒体560(
図5の例では、液体または水等)を通して伝送されるであろう。信号が、第1の媒体560と第2の媒体570との間の障壁または変わり目等の標的520に到達すると、信号は、帰還信号550Bとしてトランスデューサ510に戻るように反射され得る。標的520は、固体障壁もしくは標的であり得るか、または、第1の媒体560および第2の媒体570等の2つの媒体間の変わり目であり得る。第1の媒体560は、例えば、液体または水(便器内に存在するもの等)であり得、第2の媒体570は、例えば、空気(便器内の液体または水の上方に存在するもの等)であり得る。標的520は、便器の壁であり得、この状況では、AFE530は、これらの反射を無視し、便器内の物体または便器内の液体/空気変わり目から反射される信号に対するToF測定値のみを決定するようにプログラムされ得る。帰還信号550Bがトランスデューサ510によって受信されると、信号は、AFE530に通信され、それは、次いで、信号がトランスデューサ510において開始されたときから、信号がトランスデューサ510に戻されるときまでのToF測定値を決定する。したがって、ToF測定値は、超音波信号が異なる媒体を通って可変速度において進行することに起因して、媒体560、570、および標的520に基づいて変動し得ることを理解されたい。
【0085】
図6および
図7は、システムが、「低水位」便器ステータスを検出し、改善し、それによって、環境中への下水ガスの逃散を防止するために使用され得る状況を図示するトイレの断面を示す。
図6は、トイレ出口652内に水を伴う断面における機械的水封の寸法が2インチである(すなわち、水面646とトラップディップ648との間の垂直距離642(「VD」)が2インチである)機械的水封644であり得る満足のいく水封644を有する便器626を示す。機械的水封644は、任意の下水ガス650が便器出口を通して逆流し、環境中に逃散することを防止する。
【0086】
図7は、トイレ内の水面746が低くなりすぎているので、VD742(水面746とトラップディップ748との間の垂直距離)がゼロを下回り、下水ガス750がトイレ出口752を介して退出しているトイレの断面を示し、「低水」位の測定時、この情報は、マイクロコントローラに電子的に伝達され、その結果、適切な洗浄量の水が便器に送達され、この事例におけるそのような量は、少なくとも機械的水封のための最小限VDを復元するために十分であり、したがって、機械的水封を維持し、環境中への下水ガスの逃散を防止するために十分であるとして発明を示す。
【0087】
(実施例1)
小規模便器が、
図8に見られるように、PVC管をセラミック壁タイルに搭載することによって複製された。STEM Inc.からのピエゾセラミックセンサ(モデルSMD15T21R111WL)が、タイル802の底面上のPVC管800の底部に位置付けられた。PVC管の空洞は、第1の水位「通常」804を達成するために、ある量の水(約1.8kg)で充填され、「通常」ToF測定値が、取得される。
図9を参照すると、水のみが空洞内に存在するとき、「開始」と「停止」との間の距離は、計算:流体水位=(TOF×流体音速)/2を使用した飛行時間測定値である。
【0088】
図9では、
図8の例示的小規模便器を監視するために使用されるセンサからのデータが、描写される。
図9のグラフは、液体が便器内でルーチン水位にあるときの試験の持続時間にわたる電圧対時間プロットである。データ920は、センサによって伝送および受信された未加工超音波信号を表す。データ点900は、AFEが開始パルスをセンサに送信し、超音波信号がトランスデューサから伝送されるときを表す。データ点910は、センサが帰還信号を受信した、または(
図4のような送信機/受信機センサにおける)受信機が信号を受信していることを表す。開始位置と停止位置との間の時間は、記録され、ToF測定値が、生成される。実施例では、この時間は、約60μ秒(マイクロ秒)である。したがって、
図9のデータを使用して、流体水位=(60μ秒×1484m/秒)/2=45mmである。つまり、例示的通常ステータスにおける便器内の流体水位は、45mmである。
【0089】
再び
図8の例を参照すると、味噌ペーストの一部(50グラム)が、PVC管800内に配置される。
図10を参照すると、センサ信号が、伝送され、センサ信号に対応するToF測定値が、記録される。データ1020は、センサによって伝送される未加工超音波信号を表す。データ点1000は、AFEが開始パルスをセンサに送信し、超音波信号がトランスデューサから伝送されるときを表す。この例では、空洞内に固体(例えば、味噌ペースト)が存在するとき、固体が信号を減衰させる(または吸収する)ので、「開始」のみが存在する。つまり、帰還信号は、センサによって受信されない。したがって、ToF測定値は、決定可能ToF飛行の不在の検出である。マイクロコントローラが、約45mmのToFと決定可能ToFなしとの間の区別をし、各々を「液体」ステータスおよび「固体」ステータスにそれぞれ関連付けるようにプログラムされることができる。
【0090】
図11A-11Dでは、ある実施形態による、トイレ1100の種々のステータスが、見られることができる。
図11A-11Dは、センサシステム1102を伴うトイレ1100の側面図を描写する。センサシステム1102は、マイクロコントローラ(描写せず)と通信し、便器1104のステータスを検出するように、先に説明される様式で動作し得る。
図11Aでは、ステータスは、通常液体水位1106であり得、それは、他のステータスが比較される「通常」ステータスToF測定値に対応し得る。
図11Bでは、センサシステム1102およびマイクロコントローラは、便器1104内の尿1108または他の軽液体を検出し得る。ToF測定値は、「通常」ステータス(例えば、液体水位1106に対するToF測定値)と比較され得る。マイクロコントローラは、次いで、低量洗浄を実施するために規定された時間にわたって開放するようにトイレ1100内の弁を作動させ得る。
図11Cでは、センサシステム1102およびマイクロコントローラは、便器1104内の固体廃棄物等の固体1110を検出し得る。ToF測定値は、「通常」ステータス(例えば、液体水位1106に対するToF測定値)と比較され得る。マイクロコントローラは、次いで、全量洗浄を実施するために規定された時間(例えば、
図11Bのステータスに関して開放される時間よりも長い時間)にわたって開放するようにトイレ1100内の弁を作動させ得る。
図11Dでは、センサシステム1102は、便器1104内の越流条件1112を検出し得る。ToF測定値は、「通常」ステータス(例えば、液体水位1106に対するToF測定値)と比較され得る。マイクロコントローラは、次いで、閉塞物1114または他の妨害物がトイレから除去されるまで、閉鎖するようにトイレ1100内の弁を作動させ得る。
【0091】
前述の開示から理解され得るように、システムは、便器内の水位を測定し得る。システムは、ユーザ介入を要求する異常条件を通知し得る。実施形態では、水位が事前決定されたレベルを超える場合、システムは、自動的洗浄を無効にし、潜在的トイレ閉塞または越流条件を通知し得る。実施形態では、システムは、バスルームにおける浸水被害を防止または限定し得る。システムは、トイレ内に存在する内容物が(例えば、非効果的な洗浄に起因して)トイレ内に残留しているとき、それを検出し得、マイクロコントローラは、後続洗浄を放出するために信号を送信し得る。
【0092】
変更が、その広い発明的概念から逸脱することなく、上記に説明される実施形態に成され得ることが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されず、それは、添付される請求項によって定義されるような本発明の精神および範囲内の修正を網羅するように意図されることを理解されたい。前述の説明は、本発明の好ましい実施形態を対象としているが、他の変形例および修正が、当業者に明白であり、本発明の精神または範囲から逸脱することなく成され得ることに留意されたい。さらに、本発明の一実施形態と関連して説明される特徴は、上で明示的に記載されない場合であっても、他の実施形態と共に使用され得る。