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特許7267395フレキソプレートにワークフロー情報を持続的にマーキングする方法、及びワークフロー情報をマーキングしたプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】フレキソプレートにワークフロー情報を持続的にマーキングする方法、及びワークフロー情報をマーキングしたプレート
(51)【国際特許分類】
   B41N 3/00 20060101AFI20230424BHJP
   B41C 1/00 20060101ALI20230424BHJP
   B41N 1/12 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B41N3/00
B41C1/00
B41N1/12
【請求項の数】 46
(21)【出願番号】P 2021503199
(86)(22)【出願日】2019-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2019052536
(87)【国際公開番号】W WO2019192764
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】62/653,972
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518146050
【氏名又は名称】エスコ-グラフィックス イメージング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】シーヴァーズ ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シェール ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルテリンク ヨルク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ロバート
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-038144(JP,A)
【文献】特表2010-528905(JP,A)
【文献】特開2017-161885(JP,A)
【文献】特表2013-507269(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0189600(US,A1)
【文献】特開2007-279827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41N 3/00
B41C 1/00
B41N 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキソプレートの作成方法であって、該方法は少なくとも、画像化ステップと、硬化ステップと、洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップと、印刷ステップとを含む複数の加工ステップを含み、各ステップは、少なくとも1つの可変動作パラメータを有する加工機械によって実行され、前記方法は、
前記フレキソプレート上に、前記印刷ステップにおける印刷を伴わずに前記洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップの下流の可読性をもたらすように構成された機械可読指標を提供するステップと、
記憶される情報であって、前記加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を前記指標内に具体化するステップと、
前記加工ステップのうちの1つを実行するように構成された前記加工設備の各々の少なくともコントローラと通信するリーダを使用して、前記フレキソプレートから前記指標を読み取るステップと、
前記指標内に具体化された前記アドレスに記憶された前記少なくとも1つの可変動作パラメータを使用して、前記加工設備の各々をプログラムするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ワークフローは、切断ステップ、保管ステップ、又はこれらの組み合わせをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指標はQRコードを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記指標はバーコードを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記指標は、人間のオペレータ及び機械の両方によって読み取られて解釈されるように構成される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記指標は、印刷された又は別様に目に見える英数字を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記指標はRFIDモジュールを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記指標は磁気ストライプを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記指標は、前記プレートを含む高分子の一部に配置される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記指標は、前記プレートのフロア上に、該プレートフロアにおける高分子の存在領域及び不在領域を使用して配置され、前記方法は、前記コードに従ってレーザービームを変調して前記高分子の不在領域の高分子を除去するステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記指標は微小ドットの塊を使用して前記プレートのフロア上に配置されたコードを含み前記微小ドットは前記コードに従って配置され、前記方法は、LAMS層の画像化ステップ中に前記微小ドットを画像化するステップを含み、前記微小ドットが、前記プレートの前記フロア上に隆起するが印刷レベルには到達しない構造を前記プレート上にもたらすように、前記微小ドットが前記LAMS層に配置される、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記指標は、前記プレートの前記フロアにおける高分子の存在領域及び不在領域を含み、前記指標を定める前記高分子の不在領域は、フライスヘッドを使用して前記プレートのフロアに彫り込まれる、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記リーダのうちの1つ又は2つ以上はモバイル装置を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記指標又はコンピュータストレージ内の前記アドレスに存在する前記命令はプレート識別子をさらに含み、前記方法は、加工ステップの合間に前記モバイル装置を使用して前記プレート識別子を読み取って前記プレートを識別するステップをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記指標又はコンピュータストレージ内の前記アドレスに存在する記憶された情報はプレート識別子をさらに含み、前記方法は、前記加工機械の各々に関連する前記リーダの各々と通信する、前記ワークフローのための追跡コントローラを提供するステップと、前記ワークフローにおける複数の加工中のフレキソプレートから前記指標を読み取るステップと、前記加工中のフレキソプレートの位置を前記追跡コントローラに伝えるステップと、複数の加工中のフレキソプレートの各々についてワークフロー位置のリアルタイム追跡を行うステップとをさらに含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記フレキソプレート上の第1の位置に前記指標を提供するステップと、前記第1の位置の前記指標を使用して少なくとも1つの加工ステップを実施するステップと、前記少なくとも1つの加工ステップ後に第1のリーダを使用して前記指標を読み取るステップと、前記印刷ステップの前に前記指標を第2の位置に複製するステップとをさらに含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の位置は、切断ステップにおいて切り取られ、前記第2の位置は、前記プレートの画像領域における前記プレートのフロア内に存在する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フレキソプレートを作成するためのシステムであって、
各加工機械が、画像化ステップと、硬化ステップと、洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップと、印刷ステップと、任意に切断ステップ、保管ステップ、又はこれらの組み合わせとを含む、ワークフローにおける1又は2以上の加工ステップを実行するように構成され、各加工機械が、コントローラと、前記コントローラによって制御される少なくとも1つの可変動作パラメータとを有する、複数の加工機械と、
前記印刷ステップにおける印刷を伴わずに前記洗浄ステップ又はその他の非硬化高分子除去ステップ及び任意の切断ステップの下流の可読性を持続させるように構成され、前記加工機械の各々の前記少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む記憶された情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を具体化する機械可読指標を、前記フレキソプレート上に提供する手段と、
各加工機械の各コントローラと通信する少なくとも1つのリーダを含む、前記フレキソプレート上の前記指標を読み取るように構成された複数のリーダと、
を備え、前記コントローラは、コンピュータストレージ内の前記アドレスに記憶された前記少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する前記命令を前記リーダから受け取り、前記少なくとも1つの命令に従って前記加工機械を制御するように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記指標は、QRコード又はバーコードを含む、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記指標は、人間のオペレータ及び機械の両方によって読み取られて解釈されるように構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記指標は、印刷された又は別様に目に見える英数字を含む、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記指標はRFIDモジュールを含む、
請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記指標は磁気ストライプを含む、
請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記指標は、前記プレート内の高分子ストリップ内に配置される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
前記指標は、前記コードに従って前記プレートのフロア上に該プレートフロア内の高分子の存在領域及び不在領域の形で配置され、前記不在領域は、前記プレート印刷面又は前記プレートフロアよりも下方に配置される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
前記指標は微小ドットの塊を使用して前記プレートのフロア上に配置されたコードを含み、前記微小ドットは前記コードに従って配置され、前記システムは、LAMS層の画像化ステップ中に前記微小ドットを画像化し、前記微小ドットが、前記プレートの前記フロア上に隆起するが印刷レベルには到達しない構造を前記プレート上にもたらすように、前記微小ドットが前記LAMS層に配置される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数のリーダのうちの少なくとも1つはモバイル装置を含む、
請求項18に記載のシステム。
【請求項28】
前記指標又はコンピュータストレージ内の前記アドレスに存在する記憶された情報は、プレート識別子を具体化し、前記システムは、前記複数のリーダの各々と通信する、前記ワークフローのための追跡コントローラをさらに備え、前記追跡コントローラは、前記リーダによってスキャンされた各フレキソプレートの時間及び加工中の位置を示す通信を前記複数のリーダの各々から受け取るように構成され、前記追跡コントローラは、複数の加工中のフレキソプレートのリアルタイムなワークフロー位置を示す出力を提供するようにさらに構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項29】
フレキソプレートであって、該フレキソプレート上の機械可読指標を含み、該機械可読指標は、ワークフローの印刷ステップにおける印刷を伴わずに洗浄ステップ又はその他の非硬化高分子除去ステップ及び任意の切断ステップの下流の可読性を持続させるように構成され、前記機械可読指標は、複数の加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む記憶された情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を具体化する、
ことを特徴とするプレート。
【請求項30】
前記指標は、QRコード又はバーコードを含む、
請求項29に記載のプレート。
【請求項31】
前記指標は、人間のオペレータ及び機械の両方によって読み取られて解釈されるように構成される、
請求項29に記載のプレート
【請求項32】
前記指標は、印刷された又は別様に目に見える英数字を含む、
請求項31に記載のプレート
【請求項33】
前記指標はRFIDモジュールを含む、
請求項29又は30に記載のプレート。
【請求項34】
前記指標は磁気ストライプを含む、
請求項29又は30に記載のプレート。
【請求項35】
前記指標は、前記プレート内の高分子ストリップ内に配置される、
請求項29又は30に記載のプレート。
【請求項36】
前記指標は、前記コードに従って前記プレートのフロア上に該プレートフロア内の高分子の存在領域及び不在領域の形で配置され、前記不在領域は、前記プレートフロアよりも下方に配置される、
請求項29又は30に記載のプレート。
【請求項37】
前記指標は微小ドットの塊を使用して前記プレートのフロア上に配置されたコードを含み前記微小ドットは前記コードに従って配置され、前記微小ドットが、前記プレートの前記フロア上に隆起するが印刷レベルには到達しない構造を前記プレート上にもたらすように、前記微小ドットが前記LAMS層に配置される、
請求項29又は30に記載のプレート。
【請求項38】
前記プレート上の第1の位置に前記指標の第1のレンダリングが配置され、前記プレート上の第2の位置に前記指標の第2のレンダリングが配置される、
請求項29又は30に記載のプレート。
【請求項39】
前記第1の位置は、前記プレートから切り取られるように構成された前記プレートの部分に存在し、前記第2の位置は、前記プレートの画像化領域における前記プレートのフロア内に位置する、
請求項38に記載のプレート。
【請求項40】
フレキソプレートの作成方法を調整する機械によって読み取り可能な非一時的命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、少なくとも画像化ステップと、硬化ステップと、洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップと、印刷ステップとを含む複数の加工ステップを含み、各ステップは、少なくとも1つの可変動作パラメータを有する加工機械によって実行され、前記命令は
前記フレキソプレート上に機械可読指標を提供する命令を含み、前記機械可読指標は、複数の加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む記憶された情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を具体化する
ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
フレキソプレートの作成方法を調整する機械によって読み取り可能な非一時的命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、少なくとも画像化ステップと、硬化ステップと、洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップと、印刷ステップとを含む複数の加工ステップを含み、各ステップは、少なくとも1つの可変動作パラメータを有する加工機械によって実行され、前記命令は、
前記フレキソプレート上に機械可読指標を提供する命令であって、複数の加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む記憶された情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を前記指標内に具体化することを含む命令と、
前記アドレスに対応する前記情報によって識別された前記コンピュータストレージ内の位置に、少なくともプレート識別子と、前記加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータとを含む情報を記憶する命令と、
前記指標のリーダから通信を受け取る命令と、
前記少なくとも1つの可変動作パラメータを前記加工機械のうちの対応する1つに送信する命令と、
を含む、ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記指標又はコンピュータストレージ内の前記アドレスに存在する記憶された情報はプレート識別子を具体化し、前記非一時的命令は、
前記加工機械の各々に関連する前記リーダの各々と通信し、前記ワークフロー内の複数の加工中のフレキソプレートから前記指標を読み取るように構成された複数のリーダから前記加工中のフレキソプレートの位置を含む通信を受け取るように構成された、前記ワークフローのための追跡コントローラを実装する命令と、
前記通信に基づいて、複数の加工中のフレキソプレートの各々のワークフロー位置のリアルタイム追跡を行う命令と、
をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
プレート加工ワークフローにおける少なくとも1つのプレート加工ステップを実行できるフレキソプレート加工機械であって、
前記プレート加工機械を制御するための少なくとも1つの可変パラメータを含む通信を受け取るように構成されたコントローラと、
加工すべきフレキソプレート上の機械可読指標を読み取るように構成された、前記コントローラと通信するリーダと、
を備え、前記指標は、記憶される情報であって、前記加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を前記指標の中に具体化され、前記リーダは、前記指標内又は前記アドレスに具体化された前記命令を読み取って、前記指標の読み取り又は前記コンピュータストレージアドレスの問い合わせから前記少なくとも1つの可変動作パラメータを取得した後に、前記通信を前記少なくとも1つの可変動作パラメータと共に前記コントローラに送信するように構成され、
前記コントローラは、前記少なくとも1つの可変動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて前記加工機械を制御するように構成される、
ことを特徴とする機械。
【請求項44】
前記リーダは、英数字情報を含む指標を読み取るように構成される、
請求項43に記載の機械。
【請求項45】
フレキソプレートの作成方法において使用されるリーダであって、前記方法は、少なくとも画像化ステップと、硬化ステップと、洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップと、印刷ステップとを含む複数の加工ステップを含み、各ステップは、少なくとも1つの可変動作パラメータを有する加工機械によって実行され、前記方法は、前記フレキソプレート上に機械可読指標を提供するステップと、記憶される情報であって、前記加工機械の各々の前記少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応するアドレス識別情報を前記指標内に具体化するステップとを含み、前記リーダは、
前記フレキソプレートから前記指標を読み取るように構成された少なくとも1つの検出器と、
前記加工ステップのうちの少なくとも1つを実行するように構成された少なくとも1つの加工機械のコントローラ、及び前記ワークフローをモニタするように構成された中央プロセッサと少なくとも通信する通信リンクと、
前記指標から読み取られた前記情報を処理して、前記指標内に具体化された、又は前記指標内に具体化された前記情報に対応する前記アドレスに記憶された前記少なくとも1つの可変動作パラメータを前記少なくとも1つの加工機械の前記コントローラに伝え、前記リーダによって読み取られた前記フレキソプレートに関する情報及び前記ワークフロー内の前記リーダの位置を前記中央プロセッサに伝えるように構成されたプロセッサと、
を備える、ことを特徴とするリーダ。
【請求項46】
前記少なくとも1つの検出器は、前記指標の画像を取り込むように構成されたカメラであり、前記指標は英数字情報を含み、前記プロセッサは、前記英数字情報を処理して認識する命令を構成される、
請求項45に記載のリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年3月6日に出願された米国仮特許出願第62/653,972号に対する優先権を主張するものであり、この文献の内容はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの現代のラスタ画像処理(RIP)ソフトウェア、例えばベルギー国ヘントのEsko Software BVBA社によって市販されているESKO Automation Engineソフトウェアと共に利用できるRIPなどでは、バーコード又はQRコードを作成してフレキソ印刷プレート上の画像情報に追加することができる。しかしながら、通常、この機能の可能性は十分に利用されていない。
【0003】
典型的なフレキソプレートワークフローは、以下のステップを含むことができる。
1.ラスタ画像処理装置を使用して一定の画面解像度で画像情報を処理して画像ファイルを取得する。
2.プロセッサを使用して、画像ファイルを他の画像ファイルと組み合わせて、高分子プレートフォーマット全体をカバーする画像化ジョブ(imaging job)を形成する。
3.当業で周知の様々な方法のうちのいずれかによって、感光性樹脂プレート上のレーザーアブレーションマスク(LAMS)層上に画像ファイルを画像化し、これによってプレート上にマスクを形成する。
4.UVA光などを用いてプレートの裏面を硬化させて高分子のフロアを構築する。
5.UVA光などを用いてプレート上のマスクを通じて感光性樹脂を硬化させる。
6.プレートを処理して、硬化していない高分子をプレートから除去する。
7.任意にプレートを乾燥させて溶剤を除去する(通常、熱プロセスによって処理が行われる時には実行されない)。
8.UVA光及びUVC光を適用することなどによってプレートを仕上げる。
9.xy切断テーブル上で高分子プレートをパッチに切断することなどによって、異なる画像ファイルを分離する。
10.それぞれが1又は2以上の画像ファイルを具体化する1又は2以上のプレートパッチを印刷機の印刷機シリンダ上などに取り付ける。
11.印刷機内でプレートを使用して印刷受容基材(print-receiving substrate)上に物理的画像を印刷する。
12.プレートからインクを取り除き、印刷機からプレートを取り外して、再版ジョブなどの将来的な使用のために保管する。
【0004】
画像のRIP処理(RIPping)と物理的画像の印刷との間の処理ステップは、時間的に直接連続しない順番で実行されることがある。連続するステップの中には、輸送プロセスによって遅延するものもある。例えば、プレートパッチは、xy切断テーブル上で画像を分離するステップと、これらを印刷シリンダに取り付けるステップとの間にプレートメーカーから印刷設備に輸送されることがある。
【0005】
最近の製版の自動化の進歩にもかかわらず、連続ステップへの自動的な組み合わせに適することができる処理ステップはほんのいくつかである。従って、依然として多くのステップが他のステップから独立して実行されることがある。多くのプレートメーカーは2又は3以上の生産行(production rows)を有し、異なる生産行の設備は同一ではないので、同一の画像を有する2つのプレートが同時に加工される際には、これらのプレートが異なる設備を通過することがある。
【0006】
その結果、異なるパラメータ設定の異なる装置で加工される可能性があるプレートに設備固有のパラメータを添付することは非効率的又は無益となり得るので、仮にワークフローマーキングが使用されるとしても、通常はほんの一般的な情報に制限される。従って、異なる加工ステップについては、通常、パラメータが手動で設定される。この結果、人的エラーによって一定割合の不具合が発生し、プレート損失、再加工及びお金の損失を招くことがある。
【0007】
従って、印刷プレート上に何らかの種類のマーキングを含めることが知られているかもしれないが、典型的な先行技術のマーキングは、例えばジョブ名及び顧客名を識別する情報などの、後の加工ステップでプレートを認識するために使用される情報しか含んでいない。プレートマーキングは、プレートのタイプの識別に使用することもできる。
【0008】
先行技術のフレキソプレートのマーキング法の1つの限界は、一般にプレートワークフロー全体をサポートするものではない少量の情報しか含んでいない点である。また、これらのマークは、プレートの加工中にワークフローの特定の地点で頻繁に取り外され、下流のオペレータは、プレート加工パラメータを調べて様々な加工設備のユーザインターフェイスに手動で入力することが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第1,557,279号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、当業では、フレキソ印刷プレートのプレート作成ワークフロー中における不完全な情報及び情報の喪失という問題を排除し、従ってプレートワークフローの集中制御を改善して、オペレータのミス、時間の損失及びお金の損失を避けるのに役立てることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な実施形態は、フレキソプレートを作成するためのシステムを含む。このシステムは複数の加工機械を含み、各加工機械は少なくとも、画像化ステップと、硬化ステップと、洗浄又はその他の非硬化高分子除去ステップと、印刷ステップと、任意に切断ステップ、保管ステップ、又はこれらの組み合わせとを含む、ワークフローにおける1又は2以上の加工ステップを実行するように構成され、各加工機械は、コントローラと、コントローラによって制御される少なくとも1つの可変動作パラメータとを有する。システムは、フレキソプレート上に機械可読指標(machine readable indicia)を提供する手段を含む。機械可読指標は、印刷ステップにおける印刷を伴わずに洗浄ステップ(及び存在する場合には切断ステップ)の下流の可読性を持続させるように構成される。機械可読指標は、少なくともプレート識別子と、各加工機械の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令とを含む情報、又はこの情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応する情報を具体化することができる。
【0012】
指標(indicia)を提供する手段は、QRコード(登録商標)、バーコード、又は当業で周知のいずれかの機械可読コードなどの2次元コードなどのコードに情報を埋め込む命令をプログラムされたコンピュータと、当業で周知のいずれかのリーダによって読み取ることができる磁気ストライプ又はRFIDチップなどのチップに埋め込むようにフォーマットされた情報を提供する命令をプログラムされたコンピュータとを含むことができる。コードを提供する手段は、2Dコードを印刷するためのプリンタと、プレート加工後、及びこのプレートが加工されるように構成されたフルセットのプレート加工ステップ後にコードが読み取り可能になるようにコードを印刷プレートに埋め込むためのイメージャとをさらに含むことができる。RFIDコードを提供する手段は、当業で周知のようなRFID可読チップ上に情報を書き込むための機械と、磁気ストライプに情報を書き込むための機械と、RFIDチップ及び付随する(単複の)アンテナを完全に機能的なRFIDモジュールに組み立て、又は磁気ストライプを形成してストライプを表面に適用するために必要な当業で周知の加工設備のうちのいずれかとを含む。
【0013】
本明細書で説明するように、指標は、プレート内の高分子ストリップ(strip of polymer)内に配置することができる。1つの実施形態では、指標が、後で切り離されるプレートの部分に存在することができる。いくつかの実施形態では、指標を、プレートフロア内の高分子の存在領域及び不在領域を使用して、及び/又はコードに従って配置された微小ドットの塊によってプレートのフロア上に配置することができる。
【0014】
各加工機械の各コントローラと通信する少なくとも1つのリーダを含む複数のリーダは、フレキソプレート上の指標を読み取るように構成される。リーダは、コードの画像を取り込む命令をプログラムされた、カメラを有する携帯電話機又はタブレットコンピュータなどのモバイル装置を含むことができる。モバイル装置は、画像情報をコントローラ可読情報及び/又はディスプレイ上に表示される人間オペレータ可読情報に変換する命令を記憶することができ、或いはモバイル装置は、画像をコントローラ可読情報に変換する中央プロセッサと無線ネットワークなどのネットワークを介して通信することができる。コントローラに命令するための情報は、画像情報がこのような命令に変換された時にモバイル装置が直接コントローラに、又は中央プロセッサがモバイル装置から画像を受け取った時にコントローラに、或いは中央プロセッサがモバイル装置に戻してその後にコントローラに送信することができる。他のシステムでは、リーダを加工機械に直接接続してこの機械専用とすることができる。モバイル装置又は専用リーダを含むいくつかの実施形態では、有線接続、又はBluetooth(登録商標)技術などを介したローカル無線接続を介してリーダが機械に接続又は通信することができる。
【0015】
例示的なコントローラは、指標に記憶又はリンクされた可変動作パラメータに対応する命令をリーダから受け取り、この少なくとも1つの命令に従って加工機械を制御するように構成される。このようなコントローラは、コンピュータプロセッサ、機械可読命令を記憶するための付随する媒体、及びワークフローにおいて加工を実施する加工機械の様々な部分への付随する接続部を含むことができ、これらのコンポーネントは全て当業で周知である。コントローラは、可変動作パラメータに対応する情報をリーダから受け取り、制御対象の様々な部分に与える制御命令にこれらのパラメータを組み込む命令をプログラムされる。コントローラによって制御される様々な部分は、デジタル又はアナログ装置とすることができ、コントローラ又はこれに接続された変換器は、必要な限りにおいて制御情報をデジタルフォーマットからアナログフォーマットに変換して、感知したフィードバック又はモニタリング情報をアナログフォーマットからデジタルフォーマットに変換することができ、或いはこの逆もまた同様であると理解されたい。
【0016】
1つの実施形態では、ワークフローがプルーファ(proofer)を含み、指標から読み取られた情報が、プレートに関連する印刷特性を示す品質情報を含むことができる。
【0017】
好ましい実施形態は、複数のリーダの各々と通信する、ワークフローのための追跡コントローラも含む。追跡コントローラは、複数のリーダの各々から、リーダによってスキャンされた各フレキソプレートの時間及び加工中の位置を示す通信を受け取るように構成される。追跡コントローラは、複数の加工中のフレキソプレートのリアルタイムなワークフロー位置を示す出力を提供するようにさらに構成される。この出力は、追跡コントローラを動作させる命令を実行する中央プロセッサに接続されたディスプレイ画面に提供することができ、またリーダとして動作するモバイル装置、及び/又は追跡コントローラに接続されたネットワークに接続されたいずれかのコンピュータに関連するディスプレイに提供することもできる。追跡コントローラは、プロセッサと、複数のリーダから情報を受け取って記憶し、この情報を処理して追跡レポートを出力するようにプロセッサをプログラムするための、コンピュータ可読媒体に記憶された命令とを含む。
【0018】
本発明の態様は、本明細書で説明するようなプロセスを使用して形成されたフレキソプレートも含む。例示的なフレキソプレートは、プレートワークフローの印刷ステップにおける印刷を伴わずに洗浄ステップ(及び存在する場合には切断ステップ)の下流の可読性を持続させるように構成された、フレキソプレート上の機械可読指標を有する。本明細書で説明するように、機械可読指標は、複数の加工機械の各々の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令を含む情報を具体化し、或いはこの命令が存在するコンピュータストレージ内のアドレスに対応する情報を具体化する。指標は、例えばQRコード又はバーコードなどの2次元コード、或いはRFIDモジュール又は磁気ストライプを含むことができる。本明細書で説明するように、指標は、プレート内の高分子ストリップ内に配置することができ、及び/又はフロアの上方にわずかに隆起するが印刷レベルには到達しない構造をもたらすようにLAMS層内に配置された微小ドットの塊を使用することなどによって形成できるプレートフロア内の高分子の存在領域及び不在領域を使用してプレートのフロア上に配置することができる。また、本明細書で説明するように、プレート上の第1の位置に指標の第1のレンダリングを配置して、プレート上の第2の位置に指標の第2のレンダリングを配置することができ、特に第1の位置は、プレートから切り離されるように構成されたプレートの部分に存在し、第2の位置は、プレートの画像化領域におけるプレートのフロア内に存在する。
【0019】
本発明の他の態様は、本明細書で説明するような方法及び加工ステップのうちのいずれかを具体化する、機械によって読み取り可能な非一時的命令を含むコンピュータ可読媒体を含む。このような命令は、例えば少なくとも画像化ステップ、硬化ステップ、洗浄ステップ及び印刷ステップを含む複数の加工ステップを有するフレキソプレートの作成プロセスを調整するための命令を含むことができ、各ステップは、少なくとも1つの可変動作パラメータを有する加工機械によって実行される。機械可読命令は、少なくともプレート識別子と、各加工機械の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令とを含む情報を指標内に具体化することを含む、フレキソプレート上に機械可読指標を提供する命令を含むことができる。このような情報は、例えばソフトウェア、命令を具体化するデジタル記憶媒体、及びプレート上に指標を形成するためのソフトウェア及びファームウェアをプログラムされた機械内に具体化される。
【0020】
機械可読命令は、追跡コントローラのためのソフトウェア、及びこのようなソフトウェアをプログラムされた機械を含むこともできる。このような命令は、コンピュータストレージ内のアドレスに対応する情報を指標内に具体化することを含む、フレキソプレート上に機械可読指標を提供する命令を含むことができる。この命令は、このアドレスによって識別されるコンピュータストレージ内の位置に、各加工機械の少なくとも1つの可変動作パラメータを含む情報を記憶する命令を含むこともできる。プログラムは、指標のリーダから通信を受け取る命令と、加工機械のうちの対応する1つに可変動作パラメータを送信する命令とを含むこともできる。このようなシステムは、各加工機械に関連する各リーダと通信し、ワークフロー内の複数の加工中のフレキソプレートからプレート識別子も含む指標を読み取るように構成された複数のリーダから通信を受け取るように構成された、ワークフローのための追跡コントローラを実装する命令をさらに含むことができる。リーダから受け取られる通信は、加工中のフレキソプレートの位置を含む。プログラム命令は、この通信に基づいて、複数の加工中のフレキソプレートの各々のワークフロー位置のリアルタイム追跡を行う命令と、追跡情報を出力として提供する命令とをさらに含む。
【0021】
本発明のさらに別の態様は、プレート加工ワークフローにおける少なくとも1つのプレート加工ステップを実行できるフレキソプレート加工機械を含み、この機械は、プレート加工機械を制御するための少なくとも1つの可変パラメータの通信を本明細書で説明するようなリーダから受け取るように構成されたコントローラを含む。リーダは、少なくとも可変動作パラメータに対応する命令、又はこの命令が存在するコンピュータストレージ内の位置に対応するアドレスに対応する情報を具体化する、加工すべきフレキソプレート上の機械可読指標を読み取るように構成されたコントローラと通信する。リーダは、指標内に具体化された命令、又は指標内に具体化された情報に対応するアドレスに具体化された命令を読み取って、指標の読み取りから、又は指標内に具体化された情報に対応するコンピュータストレージアドレスの問い合わせから少なくとも1つの可変動作パラメータを取得した後に、少なくとも1つの可変動作パラメータと共に通信をコントローラに送信するように構成される。コントローラは、リーダから受け取られた少なくとも1つの可変動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて加工機械を制御するようにも構成される。
【0022】
本発明のさらに別の態様は、本明細書で説明するようなフレキソプレートを作成するためのシステム及び方法において使用されるリーダを含む。このようなリーダは、2Dコードを読み取るためのカメラ、RF信号を送信してRFIDからのRFID応答送信を受け取るRFID受信機及び送信機又はトランシーバ、或いは磁気ストライプリーダなどの、フレキソプレートから指標を読み取るように構成された少なくとも1つの検出器を有することができる。リーダ内の通信リンクは、加工ステップのうちの少なくとも1つを実行するように構成された少なくとも1つの加工機械のコントローラ、及びワークフローをモニタするように構成された中央プロセッサと少なくとも通信する。リーダは、指標から読み取られた情報を処理して、指標内に具体化された少なくとも1つの可変動作パラメータ、又は指標内に具体化された情報に対応するアドレスに記憶された少なくとも1つの可変動作パラメータを少なくとも1つの加工機械のコントローラに伝え、リーダによって読み取られたフレキソプレート及びワークフロー内のリーダの位置に関する情報を中央プロセッサに伝えるように構成されたプロセッサを有することもできる。コントローラへの通信は、直接通信とすることも、又はリーダと中央コンピュータとの間の中間通信を含む通信とすることもできる。特に、指標がネットワーク上のアドレスを表す場合、リーダは、このアドレスを読み取り、アドレスにリンクし、アドレスから情報をダウンロードし、この情報を加工機械に伝えることができる。加工機械への通信は、限定するわけではないが本明細書で明確に説明するものを含む当業で周知のいずれかの有線又は無線通信方法によるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】追跡コントローラを有するワークフロープロセスを含む本発明の例示的な実施形態を示す概略図である。
図2A】本発明の例示的なワークフローシステムの実施形態における、コントローラと通信するリーダによって読み取られる指標を有するプレートを示す概略図である。
図2B】本発明の実施形態による、第1及び第2の指標を有する例示的なフレキソプレートの概略的断面図である。
図3】本発明の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで図を参照すると、図1は、印刷プレートを形成するワークフローにおける1又は2以上の加工ステップを実行するようにそれぞれが構成された複数の加工機械110、120などを有するワークフロー100を概略的に示す図である。
【0025】
図2A及び図2Bに示すように、本発明の1つの態様は、プレートに指標(indicia)212、214を取り付けることによってプレート自体にありとあらゆる加工関連情報を関連付けることにより、この情報を使用してありとあらゆる加工段階の制御を可能にする、フレキソ印刷プレート200及びその前駆状態(precursor states)のマーキング方法及び構造を提供する。プレートに使用される加工機械は、マークを読み取り、プレートの加工に必要な加工パラメータを受け取って、マークを読み取ることで導出された情報に基づいて加工中のプレートの状態を中央制御コンピュータ170にレポートするように構成されたリーダ220と共に、又はこのようなリーダと通信するようにも構成されることが好ましい。従って、システムの実施形態は、受注から印刷後のプレートの保管までのワークフローチェーンにおける全てのプレートの完全なプレート加工プロセスのモニタリング及び制御を可能にする。
【0026】
RIP処理及び画像化のためのパラメータは、コンピュータからデータファイルによって直接提供される一方で、残りのステップのパラメータは、本発明の態様に従ってプレートに添付されることが理想的である。ワークフローの例示的なステップは、UV照射システム110によって実行されるUV照射ステップと、熱又は化学処理装置120によって実行される熱又は化学処理ステップと、仕上げ装置130によって実行される仕上げステップと、切断装置140によって実行される切断ステップと、取り付け装置150を使用してプレートの1又は2以上の切断部分を基材に取り付けるステップと、プレート部分が取り付けられた基材を使用して、プリンタ160を使用してフレキソ印刷プロセスで印刷するステップとを含むことができる。ワークフローの最初又は最後、及び具体的に示したいずれかのステップ間にさらなるステップを含めることもできる。例えば、通常はUV照射ステップの前に画像化ステップが行われ、通常は画像化ステップの前に順序付けステップ(ordering step)が行われ、印刷ステップの後に保管ステップが行われる。各加工ステップに関連するブロックは例示にすぎず、複数のブロックに関連するステップを単一の機械が実行することも、或いは単一のブロックに示すステップを複数の機械が共に実行することもできる。図示のいくつかのステップは任意とすることもできる。
【0027】
このプレート200への取り付けは、QRコード又はバーコード、無線周波数識別(RFID)モジュール又は磁気ストリップなどの2Dコードとすることができる機械可読指標212を使用して行うことができる。機械可読指標の1つの形態は、人間が読み取ることができるとともに、カメラによって取り込まれて当業で周知のテキスト認識ソフトウェアを使用して処理されるように構成された英数字の形態の2Dコードを含むことにより、人間のオペレータ及び機械の両方が読み取って解釈できるコードをプレート上に提供するという利点をもたらすことができる。RFIDモジュールは、高分子を硬化すべきプレート上のベタ画像領域(solid image area)の場所において、硬化前又は硬化後に高分子に挿入する(従って、完全に照射されたプレート上に保持する)ことができる。磁気ストリップを用いた例示的な実施形態では、プレートの裏面の寸法的に安定したPE層上にストリップを取り付けて、プレートが加工される時に、加工機械に取り付けられた読み取りヘッドにストリップが接触できることが好ましい。磁気ストリップは、当業で周知のいずれかの方法によって形成された完全なストリップとして取り付けることも、又はプレートの裏面に直接供給される磁気インクを含むこともできる。図には、指標212をQRコードとして示しているが、図のQRコードは、本明細書で説明する指標のタイプのいずれか又はその同等物に対する概略表現の適用として意図するものであると理解されたい。
【0028】
いくつかの指標について明確に説明したが、「指標」という用語は、その「表示」又は「識別マーク」の読み取りがどれほど可能であるかに制限されることなく、その表示又はマークの最も広い意味を有するように意図され、従って明確に説明する指標の「同等物」は、幅広く解釈されるように意図される。機械可読指標又はコードの中には、少量の空間に大量の情報を記憶できる、機械のみが読み取り可能なフォーマットを利用できるものもあるが、本明細書において指標及びコードへの言及に使用する「機械可読」という用語は、機械のみが読み取り可能なフォーマットを有する指標に限定されるものではないと理解されたい。当業者であれば、人間が読み取り可能な英数字情報も、好適な光学式文字認識(OCR)機能を備えたリーダによる機械可読なものであり、当業ではこのような機能を提供するハードウェア及びソフトウェアが周知であり、至る所で目にするようになってきていると理解するであろう。例えば、今や多くの有料道路局(highway toll authorities)が、RFID通行技術(RFID pass technology)の同等物、代替又は補助としてナンバープレートの文字認識を使用している。さらに、マシンビジョンシステム及び人間のオペレータを、普遍的に理解できる情報を伝える非英数字図形記号(例えば、リサイクル可能な材料又は洗濯ケアの推奨を示す図形記号)を読み取るように同様に訓練することもできる。従って、「指標」及び「機械可読」という用語は、本明細書で詳細に説明する他のタイプの指標に加えて、人間のオペレータ及び機械が読み取って理解するように構成された印刷された又は別様に見て取れる英数字又は図形情報、並びに機械のみが読み取り可能な指標と、人間及び機械の両方が読み取り可能な指標との組み合わせを制限なく含むように幅広く解釈されるように意図されていると理解されたい。少なくとも部分的に人間可読でもある機械可読指標を使用する1つの利点は、経験豊富な人間のオペレータであれば、少なくともいくつかのコードを同じオペレータが機械の補助を求める場合よりも高速に処理して対応できる点である。
【0029】
いくつかの実施形態では、画像ファイルのRIP処理中にバーコード又はQRコードなどの印刷コードのためのコードを追加し、従ってEsko PlatePrepワークフローに関連する.LENファイルなどにおける画像情報の内容に含めることができる。画像ファイルへのコードの追加は、例えばEsko DeskPack(登録商標)barXソフトウェアを使用して行うことができ、このソフトウェアは、ハードドライブ、フラッシュドライブ、又は当業で周知のいずれかのタイプの媒体などの記憶媒体に具体化された機械可読命令を含む。
【0030】
以下の例では、例示的な情報記憶技術としてQRコードを参照するが、本発明は、いずれかの特定の情報記憶技術に限定されるものではなく、本発明の実施形態を実施するために必要な量の情報を伝えることができる当業で周知のあらゆる情報記憶技術、とりわけ本明細書で明確に説明するあらゆる記憶技術に適用可能である。
【0031】
好ましい実施形態では、ワークフロー100における全ての加工設備110~160が、指標を読み取って関連するプレート加工パラメータを取得できるようにする、本明細書では「リーダ」と呼ぶスキャナ又はその他の情報取り込み装置を備え、又はこのような装置に接続される。従って、好ましい実施形態では、加工又は加工ステップの開始前にプレートから加工情報をスキャンし、それに応じて関連する加工パラメータを設定する。例えば、指標212がQRコード又はバーコードなどの可視コードを含む場合、リーダ220は、携帯電話機、ハンドヘルドコンピュータ又はタブレットなどのモバイル装置を含むことができる。リーダ220を「電話機」として示しているが、図はあらゆる適用可能なリーダであるように意図するものであり、提供される指標を読み取るのに適した当業で周知のあらゆるタイプのリーダを含むことができると理解されたい。従って、例えばコード212がRFIDタグを含む場合にはリーダがRFIDリーダを含み、コード212が磁気ストライプを含む場合にはリーダが磁気ストライプリーダを含む。当業では、2次元印刷コード、磁気ストライプ及びRFIDタグの読み取りに関連する技術及び装置が十分に理解されている。リーダ220は、識別された加工ステップを実行する装置のコントローラ230に接続される。リーダとコントローラとの間の接続は、有線又は無線接続とすることができる。例示的な無線接続は、加工ステップが配置された施設のローカルなコンピュータ上で動作するローカル無線ネットワークを含むことも、或いはグローバル情報ネットワーク又は無線通信ネットワークに接続されたネットワークとすることもできる。コントローラ230には、指標から導出された情報を加工設備の対応するパラメータの設定に必要な情報へと変換する命令をプログラムすることができ、或いはこの変換命令をリーダに含めることもできる。指標には、リーダから導出される情報を直接埋め込むことができ、或いは指標は、リーダ及びコントローラと通信する、情報が存在するネットワーク上のコンピュータストレージ内のアドレスに対応する情報を含むこともできる。このアドレスに対応する情報は、URL、加工識別子、又は一意のプレート識別子とすることができる。情報が一意のプレート識別子である実施形態では、システムを、プレート識別子を使用して既知のアドレスに存在するルックアップテーブルに問い合わせることなどによって、この一意のプレート識別子を使用して対応する命令を発見するように構成することができる。特定のプレートを追跡することが重要でなく、加工すべきプレートの母集団(universe)に対応する加工命令が限られた数の置換(permutation)しか有していない実施形態では、アドレスに対応する情報を、一意のプレート識別子ではなく加工識別子とすることができる。このような実施形態では、加工識別子を使用して、各加工識別子に対応する加工命令の対応するルックアップテーブルに問い合わせることができる。識別子に命令が埋め込まれた実施形態では、指標が一意のプレート識別子をさらに具体化することもでき、この場合、本明細書で後述するようなモバイル装置などを使用して、プレート識別子を使用してプレートの追跡又はプレートの識別を行うことができる。
【0032】
加工情報は、例えばジョブ名、顧客名、プリンタ名、プレートタイプ、プレート厚、裏面照射エネルギー(back exposure energy)、好ましい裏面照射時間(preferred back exposure time)、メイン照射エネルギー(main exposure energy)、好ましいメイン照射時間(preferred main exposure time)、メイン照射サイクル数(number of main exposure cycles)、プレート加工速度、プレート加工温度、プレート切断経路、及びプレート切断速度などを制限なく含むことができる。
【0033】
本発明の1つの実施形態では、QRコードなどの指標212に加工情報が記憶される。プレートからのQRコードの読み取りは、当業で周知の既存のQRコードリーダ(すなわち、コードスキャナ)を用いて実行することができる。例えば、以下に限定するわけではないが、Code39、Code93、Code128、UPC/EAN、BC412、Interleaved2 of 5、Codebar、Postal Codes、Pharmacodeなどの(一般に「バーコード」と呼ばれる)1Dコード、並びにDSataMatrix ECC0...200、PDF417、マイクロPDF417、QRコード、マイクロQRコード、Axtec Code、GS1データバー及びドットコードなどの2Dコードを含む1D及び2Dコードの全方向スキャンには、wenglor社から市販されているモデルC5PC003コードスキャナが適する。情報を提供するために使用される指標は、いずれかの特定のタイプのコードに限定されるものではない。プレート上のコードのコントラスト及び可読性を高めるために、典型的にはモバイル装置のカメラフラッシュに関連する光などの光源(図示せず)からの光をプレートの底部又は上部から適用することができる。好ましい実施形態では、各個々の加工ユニットがネットワークに接続する必要なくプレート上のコードから直接命令を導出できるように、異なる段階の加工パラメータが直接コード内に具体化される。他の実施形態では、コードが、加工情報が記憶されたコンピュータストレージアドレスを含むことができ、読み取りステップが、情報を読み取り、情報に埋め込まれたストレージアドレスにハイパーリンクなどを介して接続し、ストレージアドレスから情報を読み取り、関連する記憶情報を加工機械に伝えることを含む。
【0034】
図2A及び図2Bに示す本発明の1つの実施形態では、少なくとも最初は、フレキソ印刷高分子プレート200の画像領域205に隣接する試験ストリップ210上に配置されたQRコードなどの形態の第1の指標位置212に情報が記憶される。この試験ストリップは、プレス機を設定するためのレジスタマーク及びカラープルーフマークを含むこともできる。試験ストリップ上のレジスタマーク及びその他のマークは(従って、このような試験ストリップ上に配置されている時にはQRコードも)、プレートの全寿命にわたって画像と共に高分子プレート上に留まることが好ましいが、いくつかの実施形態では、試験ストリップ上のQRコードなどの情報を印刷基材上に印刷するのを避けるために、プレートから試験ストリップを切り離すことが必要となり得る。この状況に対応する実施形態については後述する。
【0035】
ほとんどの洗浄プロセスは溶剤ベースであるため、全ての加工ステップ(例えば、画像化、硬化、洗浄、印刷、並びに任意の切断及び記憶ステップ)中に持続的に読み取り可能なコード情報を提供することは、フレキソプレートに付随する洗浄プロセスに関連する課題である。溶剤は、フレキソプレート高分子の非硬化部分を除去するだけでなく、一般に印刷ラベル上で使用されるタイプのインク及びマーカーペンのインクも除去してしまう。従って、本発明の1つの態様は、高分子の硬化部分に画像のコード部分を形成し、又はこのような部分に情報を挿入することによって洗浄ステップを耐え抜くように構成されたコードを提供することに関する。例えば、高分子の硬化部分にRFID装置を機械的に挿入し、又は高分子プレートの裏面の寸法的に安定した層の表面に磁気ストリップを配置して、当業で周知のような磁気カードリーダヘッドによって読み取られるように位置付けることができる。しかしながら、このようなRFID装置又は磁気ストリップは、下流の加工ステップを耐え抜くことができなければならない。画像に符号化情報を追加すると、洗浄ステップを越える持続性は可能になるが、いくつかの実施形態では、コードが印刷されることは望ましくない。従って、好ましい実施形態は、洗浄ステップを越えて持続するが印刷ステップにおいて印刷されないようにプレート内に具体化されたコードを含むことができる。1つの実施形態では、後述するように、プレートフロア内にのみコードを追加して細部が印刷面に到達しないようにする。別の実施形態では、やはり後述するように、所望の印刷画像部分を越えた位置(例えば、試験ストリップ内)にコードを配置し、場合によっては切断動作前又はその最中にコードを別の位置に転送する。
【0036】
本明細書で使用する「洗浄」ステップは、プレートから非硬化高分子を除去するいずれかの非硬化高分子除去ステップを意味することができる。このような「洗浄」プロセスは、従来の溶剤(又は、水)洗浄ステップを含むことも、或いは、当業者に周知のようなDuPont(登録商標)社のCyrel(登録商標)FAST熱的ワークフロー、又はMacDermid(登録商標)社のLAVA(登録商標)プレートに一般に関連するような熱的方法を含むこともできる。従って、本明細書で一般的に使用する「洗浄ステップ」という表現は、特定の洗浄プロセスを明確に参照していなければ、いずれかの非硬化高分子除去ステップを意味するものとして理解されたい。
【0037】
いくつかの実施形態では、コード内の情報をプレート上面202に配置するのではなくプレート200上に保持するために、QRコード214などの2Dコードをプレートフロア204内に配置することができる。プレートフロアは、プレートの裏面から硬化した高分子によって構築されるが、印刷するようには意図されておらず、従ってフロアの厚みは高分子の印刷上面の高さを下回る。
【0038】
いずれかの特定の指標提供方法に限定するわけではないが、高分子内に指標構造を提供する方法には複数の好ましいものが存在する。1つの好ましい方法は、マスク内での直接画像化などを介して、画像化マスクを通じたUV照射を介して指標を提供するものである。この方法では、印刷面レベルに沈降構造(sunken structures)を配置し、又は隆起構造(elevated structures)をもたらす微小ドット(micro dots)をフロア上に配置することができる。別の方法は、印刷面レベル又はフロアレベルのいずれかの下方に沈降構造を提供できるレーザー彫刻(laser engraving)である。さらに別の方法は、印刷面レベル又はフロアレベルのいずれかの下方に沈降構造をフライス加工(mill)するものである。
【0039】
いくつかの実施形態では、いくつかの加工ステップ中にプレート200の試験ストリップ210の上面(印刷面)202の下方に存在するコード212を上面からフロア面204に転送することができる。例えば、コード212をリーダによってスキャンしてコード又はコード画像をデータファイルに記憶し、その後にこのデータファイルを使用して、プレートが切断テーブル上に存在する間にコード画像214の複製をプレートの画像領域205のフロア部分204に彫り込ませるように命令することができる。図2Aに示すように、薄い陰影で示すコード214は、上面が印刷に使用されている時にコードに対応する画像が印刷されないようにするプレートのフロア上の位置を表すものである。図2Bに示すように、レーザー彫刻又はフライスヘッドを用いた切断などによって形成されたコード214(実線)をフロア204に彫り込ませることができる。別の実施形態では、照射ステップ中に微小ドットをなど使用してLAMS層内に形成されたコード214(破線)を、フロア204よりも高いレベルであるが上部印刷レベル202よりも低いレベルに隆起するようにフロア面204上に形成することができる。
【0040】
多くの場合、プレートは、異なるプレートパッチを別のものと分離し、場合によっては印刷の対象でない試験ストリップ又は他のいずれかのマーキングの切断も行う切断テーブル上に配置される。好ましい実施形態では、例えば10.6μm CO2レーザーなどのレーザー、又は1.8~2.5μmの、1つの好ましい実施形態では2.03μmの波長範囲などの中間赤外領域(例えば、2μmツリウムレーザー)で放射を行うファイバーレーザーを使用して、プレートの裏面にコード212と同一のコード214を再生することができる。レーザーガルボスキャナ(laser Galvo scanner)などに結合されたレーザーは、QRコード画像に対応するポジ部分又はネガ部分を除去し、従ってリーダによって検出できるバイナリ差分(binary differences)を提供する。従って、試験ストリップ210を切断する前に、最初にプレート200の試験ストリップ210上の上面202の第1の位置でコード212を読み取り、次にこのコードをプレートの画像領域205内の位置におけるプレートのフロア204内の非印刷位置に転送することができる。
【0041】
プレートフロア上にコードを記憶する別の方法は、引用として本明細書に組み入れられる欧州特許第1,557,279(B1)号に開示されているような微小ドットの使用を含む。「微小ドット」という用語は、フレキソプレートのLAMS層における小さなマスク開口部を意味し、各開口部は、印刷可能な網点(printable screen dot)を単独で成長させるほど広くはないが、これらが塊になるとプレートフロアの高さを隆起させることができる。従って、微小ドットの塊を使用して、隆起せずにQRコード又はバーコードの暗い部分と明るい部分のような構成で配置されたままである他のフロア部分に対して隆起したフロア部分を形成することができる。
【0042】
1つの実施形態では、試験ストリップ及び/又はコードが、プレート加工が正常に終了してプレートの印刷を許可できるかどうかを判定するための、共焦点顕微鏡を用いたチェックなどのプレート加工後のプレート品質のチェックを可能にするテストパターンを含む。
【0043】
別の実施形態は、2つの同一の試験ストリップ210を含むことができ、これらの一方(図示せず)をプレートから切断して単独で校正サービス(proofing service)に送信し、残りのプレートをプリンタに送信することができる。このような実施形態では、試験ストリップの肯定的な校正を、プリンタがプレートへの印刷を開始するための必須条件とすることができる。この方法は、プレートの印刷にアーチファクトが生じるのを防ぎ、従って印刷の失敗に伴うお金を節約することができる。試験ストリップ及び印刷プレートを加工するための識別情報は、コードによって定めることができる。
【0044】
さらに別の実施形態では、例えば(例えば、プレート印刷面に達する)第1の高さを有する「高」スポット及び(例えば、プレート印刷面よりも低い)第2の高さを有する「低」スポットなどのスポットパターンを含むプレートの脇のストリップを使用してプレートに加工データを記憶することができる。他の実施形態では、高スポットが、プレート印刷面の下方の第1の相対的に小さな距離を有することができ、低スポットが、プレート印刷面の下方の第2の相対的に大きな距離を有することができる。スポットシーケンスは、シリアルデータ伝送と同様の一連の高ビット及び低ビットを含むデジタルデータ「ワード」を表す。データワードは、プレートに記憶すべき情報を含む。従って、例えばコードは、プレートのランレングス(run length)に沿って引き伸ばされて非常に狭い幅しか有さないことができる。バーコード又はQRコードなどの標準的な2Dコードを凌ぐこの種のコードの利点は、コードが画像の近くの狭いストライプしか必要とせず、プレート上で画像のない空間を多く利用できない時に容易に追加できる点である。このようなコードは、原理上は非常に長いバーコードと同様であるが、その長さによってさらに多くの情報を保持することができる。対応するリーダは、例えばリーダから高スポット又は低スポットの表面までのビームの移動長さに起因してリーダからの暗/明コントラスト又は距離を感知することができ、或いはレーザー三角測量センサ又はコンピュータ画質評価を使用することができる。好ましいリーダは、コードを含むプレートがスキャナの下側に沿って移動する間にスキャナが静止しているスワイプコードスキャナとして構成される。いくつかの実施形態では、高スポット及び低スポットの相対的な高さの差分を感知できる機械センサが、ドット高さに従ってセンサヘッドが移動する際にコードを読み取ることができる。本発明の別の態様は、図1に示すコンピュータ170などの中央コンピュータ内のソフトウェアがワークフローの状態をモニタすることを含む。各加工段階110、120などは、高分子からコードをスキャンした後に、プレートの到着時間及び位置、並びに現在の加工状態のレポートなどの情報を中央コンピュータに送信する。従って、ワークフローにおける実際のジョブの状態を中央コンピュータから即座にかつ正確に判定することができる。従って、企業ワークフロー内で特定のプレートを瞬時に識別して位置を特定することができる。中央コンピュータ170には、この異なる製造段階からの異なるプレートの情報を全て処理することができる、例えばESKO Dvice Managerなどのソフトウェアをプログラムすることができる。コード又は指標は、記憶領域又は待ち行列待機処理(queue awaiting processing)などの、加工ステップの合間又は完了後に読み取ることもできる。
【0045】
別の実施形態では、携帯電話機又はタブレットコンピュータなどのモバイル装置上で動作するアプリケーションソフトウェアが、指標に記憶された情報をスキャンして読み取ることができる。当業で周知のように、通常、このようなモバイル装置を組み込んだシステムは、無線ネットワークなどの通信ネットワークを介してサーバと通信するモバイル装置上で動作するソフトウェアの第1の部分を含み、ソフトウェアの第2の部分は、サーバ上に存在してモバイル装置上の部分と連動する。このようなシステムでは、例えば再版ジョブ専用のストレージ内でプレートの位置を識別することを含めて、ワークフローのどこであろうと瞬時にプレートを識別することができる。図2Aに示すような例示的な方法では、携帯電話機などのリーダ220が、プレート上のコードをスキャンした後に、電話機のディスプレイ222上、又は現在の加工ステップに関連する加工設備(110、120など)に対応するユーザインターフェイスに関連するディスプレイ上などでオペレータに対して加工パラメータ情報を提供することができる。その後、加工設備が加工パラメータを自動的に読み取るスキャニング手段と通信していなければ、オペレータは、次の加工ステップのために関連する加工パラメータを加工設備に入力することができる。
【0046】
本発明の1つの態様は、プロセス全体が時間的及び効率的に最適化されるように、様々な加工ステップを制御して協調させることを含む。本発明の態様は、フレキソプレートを作成するワークフローの様々な印刷前加工段階(pre-press process stages)のための加工機械(110、120など)に加工パラメータを提供するだけでなく、スキャンに従って複数のプレートの加工中の位置を伝えるリーダ220を使用して、全体的なプレート製造プロセスのリアルタイムなモニタリングを行うことも含む。従って、中央追跡プロセッサ又は「デバイスマネージャ」170は、ワークフローの全ての加工ステップ中に継続的にアップデートを受け取ることができ、従ってプレートワークフロー全体における各プレートの現在位置のリアルタイムなプロットを提供することができる。本明細書で使用する「リアルタイム」という用語は、システムの様々なコンポーネントの通信プロトコルに固有の日常的遅延(routine delays)、プロセッサ速度及びディスプレイのレンダリング能力に従う最新情報を同時に提供することを意味するように意図される。いくつかの実装では、位置情報に加えて、デバイスマネージャ170に加工品質フィードバックを伝えることもできる。デバイスマネージャ170は、例えば本発明の出願人であるEsko社から市販されているAutomation Engineソフトウェアに統合することができる。いくつかの具体的なワークフローステップについて言及したが、指標は、本明細書で明確に上述したものに加えて他の加工機械又は加工ステップに関する情報を含むこともでき、独自のプレートを作成するプリンタに適用可能な、例えば受注から少なくとも印刷又は再版後の保管までの間のありとあらゆる加工ステップをカバーすることができると理解されたい。このプロセスは、いずれかの数のステップに限定されるものではなく、従っていくつかの実施形態では、プロセスがさらに少ない又はさらに多くのステップをカバーすることもできる。
【0047】
従って、本発明の1つの態様は、フレキソプレートを作成するプロセスを含む。図3に、例示的なプロセスに対応するフローチャートを示す。このプロセスは、少なくとも画像化ステップ、硬化ステップ、洗浄ステップ、切断ステップ、印刷ステップ及び保管ステップなどの複数の加工ステップを有することができ、各ステップは、少なくとも1つの可変動作パラメータを有する加工機械によって実行される。プロセスによっては切断ステップが不要なものもあると理解されたい。また、いくつかのプロセスでは、印刷ステップの後にプレートが廃棄されて保管されない。従って、プロセスによっては切断ステップ及び保管ステップが任意である。さらに、全ての加工ステップが全てのプレートについて命令を必要とし得るわけではなく、従っていくつかの指標は、プロセスの全てのステップよりも少ないステップについての命令を具体化することができると理解されたい。しかしながら、一般に、少なくとも本発明のいくつかの実施形態は、ワークフローの複数の加工ステップについての命令を具体化する。「可変動作パラメータ」という用語は、プレート又はジョブに応じて変動し得るいずれかのパラメータを意味し、従って加工機械は、加工を制御するために何らかの入力を必要とする。ステップ300は、フレキソプレート上に機械可読指標を提供するステップを含む。機械可読指標は、印刷ステップにおける印刷を伴わずに洗浄及び切断ステップの下流の可読性をもたらすように構成されることが好ましい。機械可読指標を提供するステップは、少なくともプレート識別子と、各加工機械の少なくとも1つの可変動作パラメータに対応する命令とを含む情報を指標内に具体化するステップ、又はこのような情報が存在するコンピュータストレージ内のアドレスを指標内に具体化するステップを含む。ステップ310は、少なくとも加工ステップのうちの1つを実行するように構成された各加工設備のコントローラと通信するリーダを使用してフレキソプレートから指標を読み取るステップを含む。ステップ320は、ワークフローにおけるプレートの位置に関する情報を追跡コントローラに提供するステップを含む。ステップ330は、指標内に具体化された、又は指標内に具体化されたアドレスに記憶された少なくとも1つの可変動作パラメータを使用して、加工機械を用いてプレートを加工するステップを含む。ステップ320及び330の順序は逆にすることもできる。その後、後続の機械又はワークフロー内の加工ステップについてステップ310~330を繰り返すことができる。いくつかの例では、ステップ310における指標の読み取り及びステップ320における追跡コントローラへの情報のレポートを、加工ステップの中間にある、保管中の、又は輸送中のプレートの位置をレポートする、加工機械に関連しないモバイル装置などのリーダが実行することもできる。プロセスは、ステップ350において、複数の加工中の各フレキソプレートのワークフロー位置のリアルタイム追跡を行うステップを含むことができる。このステップは、ワークフロー内の1又は2以上のリーダから情報を受け取った後の加工中のあらゆる時点で実施することができる。
【0048】
指標は、プレートに関連する印刷特性を示す品質情報を具体化するように構成することができ、この場合、ステップ330におけるプレートの「加工」は、指標内に具体化された品質情報を分析することによって印刷プレートを校正するステップを含むことができる。
【0049】
本発明は、機械可読指標内に具体化されるいずれかの特定の情報又は命令に限定されるものではないが、各加工ステップは、本発明の実施形態を使用する実装に特に適したいくつかのパラメータを有することができる。例えば、取り付けステップでは、指標が、基材又は印刷スリーブ(例えば、フレキソプレートの左側印刷レーン/中央印刷レーン/右側印刷レーン)上のプレート/スラグ/パッチの物理的位置を示す情報を含むことができる。指標は、取り付け装置のカメラを取り付けるための物理的座標を示す情報を含むこともできる。同様に、UV硬化ステップなどの硬化ステップでは、命令が、照射時間及び強度などのUV照射パラメータを提供することができる。「洗浄」又はその他の非硬化高分子除去ステップでは、命令が、温度、時間及びタイプ(水、溶剤、熱)などの加工パラメータを含むことができる。プレート切断ステップでは、命令が、切刃のタイプ、並びに切断すべき基材の厚み及びタイプなどの、対応する切断ファイル及び切断パラメータを含むことができる。品質管理ステップでは、命令が、加工中のプレートの特定の部分を、品質管理(QC)評価を行う装置を使用して検出可能な情報に対する検証のための情報と共に装置にロードする命令を含むことができる。例えば、評価装置は、ロードされた情報が人間のオペレータに見えるプレートの部分の画像であるモニタとすることができ、或いは装置は、プレートの高さ又はドットの形状又はサイズを測定して測定値を自動的に記憶値と比較できるセンサとすることができる。QCステップは、ワークフローのあらゆる時点で実行することができる。印刷ステップでは、パラメータが、使用すべきいずれかの特殊インク、適用すべき色彩曲線(color curves)、及びDanaher社の子会社であるAVT社製のシステムなどのオンボードマシンビジョンシステムを使用したQC評価に印刷結果のどの箇所を掛けるべきであるかに関する命令を含むことができる。
【0050】
これらの代わりに、又はこれらに加えて、あらゆる数の他の加工パラメータを含めることもでき、本発明は、いずれかの特定の加工ステップのいずれかの特定の加工パラメータに限定されるものではなく、各指標は、必ずしも各加工ステップに対応する情報を含むわけではない。なお、本明細書では単一の指標の文脈で説明したが、記憶すべきデータの量は、特定のタイプの指標の単一のインスタンスに埋め込むのに実用的な量を超えることもある。従って、複数の指標を使用することができ、第1の指標に埋め込まれた情報は、特定の関心ステップのための命令と共に第2の指標の位置の座標を含むことができる。ステップ300に示すように、指標は、最初に第1の位置に配置することができ、この場合、方法は、指標が第1の位置にある状態で少なくとも1つの加工ステップを実施し、この加工ステップ後に第1のリーダを使用して指標を読み取り、印刷ステップの前に第2の位置に指標を複製する任意のステップ340をさらに含む。本明細書で説明したように、この任意のステップは、例えば第1の位置が最終的に切断ステップにおいて切り離される試験ストリップ上に存在し、第2の位置がプレートの画像領域におけるプレートのフロア内に存在する際に特に有用となり得る。
【0051】
本発明のいくつかの態様は、フレキソ印刷環境において特に有用かつ有利であるが、本明細書の開示は、いずれかの特定のタイプのプレート又はプロセスに限定されるものではない。
【0052】
本明細書では、特定の実施形態を参照しながら本発明を図示し説明したが、本発明は、図示の詳細に限定されるものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく特許請求の範囲の同等物の範囲内でこれらの詳細の様々な修正を行うこともできる。
【符号の説明】
【0053】
200 フレキソ印刷プレート
202 プレート上面
204 プレートフロア
205 画像領域
210 試験ストリップ
212 コード
214 コード
図1
図2A
図2B
図3