(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】拡張可能な特性を有するイントロデューサ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M25/06 552
A61M25/06 554
(21)【出願番号】P 2021510850
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(86)【国際出願番号】 US2019050344
(87)【国際公開番号】W WO2020055820
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-02-26
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カート、デイビッド コリー
(72)【発明者】
【氏名】ダイアー、グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】グローベンダー、アダム デイビッド
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/107147(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/151659(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/118789(WO,A1)
【文献】特表2008-512200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層管状部材であって、
内側ライナであって、ルーメン、先端領域、及び送達状態において前記内側ライナの前記先端領域に沿って延びる少なくとも1つの折り畳み部を含む内側ライナと、
前記内側ライナの少なくとも一部を覆って配置される補強部材であって、ある長さを有し、複数の長さ方向すじ状突起であって、隣接するすじ状突起間に配置された複数の開口を画定する複数の長さ方向すじ状突起を含み、各折り畳み部には前記複数の開口のうちの1つが円周上で重なる、補強部材と、
前記補強部材を覆って配置された外側シースであって、各折り畳み部と円周上で重なる少なくとも1つの穿孔を含む外側シースと、を含む多層管状部材と、
前記多層管状部材のテーパ状先端領域に固定して取り付けられた先端部材と、
を備えるイントロデューサにおいて、
前記内側ライナは、前記多層管状部材の先端部まで延び、
各折り畳み部の
全体は、前記多層管状部材の前記先端部の基端側で終了
し、
前記テーパ状先端領域は各折り畳み部を欠いているイントロデューサ。
【請求項2】
前記内側ライナは、前記送達状態から拡張状態へと半径方向に拡張するように構成される、請求項1に記載のイントロデューサ。
【請求項3】
前記ルーメンは、前記送達状態での第一の直径と前記拡張状態での第二の直径を有し、前記第二の直径は前記第一の直径より大きい、請求項2に記載のイントロデューサ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの折り畳み部の少なくとも1つは、前記内側ライナが前記送達状態から前記拡張状態へと半径方向に拡張するときに少なくとも部分的に展開する、請求項2又は3に記載のイントロデューサ。
【請求項5】
前記多層管状部材は、各折り畳み部と半径方向に整列し、前記テーパ状先端領域内で、前記多層管状部材の前記先端部から基端側に延びる切欠き部を含む、請求項1~4の何れか1項に記載のイントロデューサ。
【請求項6】
前記多層管状部材の前記テーパ状先端領域は、第一の外径から、前記第一の外径より小さい第二の外径へと先端方向にテーパ状である、請求項1~5の何れか1項に記載のイントロデューサ。
【請求項7】
前記内側ライナは非弾性材料で形成される、請求項1~6の何れか1項に記載のイントロデューサ。
【請求項8】
前記複数の長さ方向すじ状突起のうちの1つ又は複数は、前記補強部材の長さに沿って実質的に一定の幅を有する、請求項1~7の何れか1項に記載のイントロデューサ。
【請求項9】
前記複数の長さ方向すじ状突起のうちの1つ又は複数は、前記補強部材の長さの少なくとも一部に沿って先端方向に減少する幅を有する、請求項1~8の何れか1項に記載のイントロデューサ。
【請求項10】
イントロデューサの製造方法において、
第一のマンドレルに補強部材を位置付けることであって、前記補強部材は、ある長さを有し、複数の長さ方向すじ状突起であって、隣接する長さ方向すじ状突起間に配置された複数の開口を画定する複数の長さ方向すじ状突起を含むことと、
前記第一のマンドレル上の前記補強部材を覆うように外側シースを配置することであって、前記外側シースは、前記複数の開口のうちの1つと円周上で重なる少なくとも1つの穿孔を含むことと、
前記外側シースを前記補強部材に結合することと、
内側ライナを第二のマンドレルに巻き付け、前記内側ライナの先端領域に沿って延びる少なくとも1つの折り畳み部を有する折り畳み状態を形成することと、
前記外側シースと前記補強部材とを前記第二のマンドレルの上の前記内側ライナの少なくとも一部を覆うように配置して、多層管状部材を形成することであって、前記少なくとも1つの穿孔は各折り畳み部と円周上で重なることと、
前記多層管状部材の先端部に隣接する前記多層管状部材の円周に沿った材料を除去して、前記多層管状部材のテーパ状先端領域を形成することと、
前記テーパ状先端領域の中の前記内側ライナから各折り畳み部の
全体を除去することと、
前記テーパ状先端領域に先端部材を固定して取り付けるステップと、
を含む製造方法。
【請求項11】
前記外側シースを前記補強部材に結合することは、前記補強部材と前記外側シースを加熱して、前記補強部材と前記外側シースとの間にリフローを誘導するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記多層管状部材の円周に沿った材料を除去する前に、前記外側シース、前記補強部材、及び前記内側ライナを加熱して、前記外側シースおよび前記補強部材のリフローを前記内側ライナの付近に誘導し、それによって前記外側シースと前記補強部材とを前記内側ライナに結合して、前記多層管状部材を形成することをさらに含む、請求項10~11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記テーパ状先端領域の中の前記内側ライナから各折り畳み部の少なくとも一部を除去することは、前記外側シースのうち、前記多層管状部材の前記テーパ状先端領域内の各折り畳み部と重複する部分を除去することを含む、請求項10~12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記先端部材は、前記外側シース、前記補強部材、又は前記内側ライナよりデュロメータ硬さの低い材料から形成される、請求項10~13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの穿孔は、前記内側ライナが前記折り畳み状態から拡張状態へと拡張したことに応答して分離するように構成された、前記外側シースに沿った好ましい引裂き線を形成する、請求項10~14の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に医療機器に関し、より詳しくは経皮的医療処置での使用に適した医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
場合によっては、経皮的医療処置を行う際に、比較的大型の医療機器を患者の血管系を通じて挿入及び/又は操作する必要があり得る。しかしながら、医療機器を血管系に挿入すると、血管壁に望ましくない力が加えられることがあり得る。したがって、挿入部が小型化低背化されながら、必要に応じて(例えば、医療機器をその中に通す際)拡張して血管壁を保護することのできるイントロデューサを設計することが望ましいことがある。既知の医療機器及び方法には、各々、特定の長所と短所がある。代替的な医療機器及びイントロデューサのほか、医療機器及びイントロデューサの代替的な製造及び使用方法を提供する必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
第一の態様において、イントロデューサは、多層管状部材であって、内側ライナであって、ルーメン、先端領域、及び送達状態において内側ライナの先端領域に沿って延びる少なくとも1つの折り畳み部を含む内側ライナと、内側ライナの少なくとも一部の周囲に配置される補強部材であって、ある長さを有し、複数の長さ方向すじ状突起であって、隣接する長さ方向すじ状突起間に配置された複数の開口を画定する複数の長さ方向すじ状突起を有し、各折り畳み部には、複数の開口のうちの1つが円周上でそれと重なる補強部材と、補強部材の周囲に配置された外側シースであって、各折り畳み部と円周上で重なる少なくとも1つの穿孔を含む外側シースと、を含む多層管状部材と、多層管状部材のテーパ状先端領域に固定して取り付けられた先端部材と、を含んでいてよい。内側ライナは、多層管状部材の先端部まで延びていてよい。各折り畳み部の少なくとも一部は、多層管状部材の先端部の基端側で終了してよい。
【0004】
追加的又は代替的に、及び第二の態様において、内側ライナは、送達状態から拡張状態へと半径方向に拡張するように構成される。
追加的又は代替的に、及び第三の態様において、ルーメンは、送達状態での第一の直径と拡張状態での第二の直径を有し、第二の直径は第一の直径より大きい。
【0005】
追加的又は代替的に、及び第四の態様において、少なくとも1つの折り畳み部の少なくとも1つは、内側ライナが送達状態から拡張状態へと半径方向に拡張するときに少なくとも部分的に展開する。
【0006】
追加的又は代替的に、及び第五の態様において、多層管状部材は、各折り畳み部と半径方向に整列し、テーパ状先端領域内で、多層管状部材の先端部から基端側に延びる切欠き部を含む。
【0007】
追加的又は代替的に、及び第六の態様において、多層管状部材のテーパ状先端領域は、第一の外径から、第一の外径より小さい第二の外径へと先端方向にテーパ状である。
追加的又は代替的に、及び第七の態様において、内側ライナは非弾性材料で形成される。
【0008】
追加的又は代替的に、及び第八の態様において、複数の長さ方向すじ状突起のうちの1つ又は複数は、補強部材の長さに沿って実質的に一定の幅を有する。
追加的又は代替的に、及び第九の態様において、複数の長さ方向すじ状突起のうちの1つ又は複数は、補強部材の長さの少なくとも一部に沿って先端方向に減少する幅を有する。
【0009】
追加的又は代替的に、及び第十の態様において、イントロデューサの製造方法は、第一のマンドレルに補強部材を位置付けることであって、補強部材は、ある長さを有し、複数の長さ方向すじ状突起であって、隣接する長さ方向すじ状突起間に配置された複数の開口を画定する複数の長さ方向すじ状突起を含むことと、第一のマンドレル上の補強部材の周囲に外側シースを配置することであって、外側シースは、複数の開口と円周上で重なる少なくとも1つの穿孔を有することと、外側シースを補強部材に結合することと、内側ライナを第二のマンドレルに巻き付けて、内側ライナの先端領域に沿って延びる少なくとも1つの折り畳み部を有する折り畳み状態を形成することと、外側シースと補強部材を第二のマンドレル上の内側ライナの少なくとも一部の周囲に配置して、多層管状部材を形成することであって、少なくとも1つの穿孔は各折り畳み部と円周上で重なることと、多層管状部材の先端部に隣接する多層管状部材の円周に周辺の材料を除去して、多層管状部材のテーパ状先端領域を形成することと、テーパ状先端領域の中の内側ライナから各折り畳み部を除去することと、先端部材をテーパ状先端領域に固定して取り付けることと、を含んでいてよい。
【0010】
追加的又は代替的に、及び第十一の態様において、外側シースを補強部材に結合することは、補強部材と外側シースを加熱して、補強部材と外側シースとの間にリフローを誘導することを含む。
【0011】
追加的又は代替的に、及び第十二の態様において、方法は、多層管状部材の円周に沿った材料を除去する前に、外側シース、補強部材、及び内側ライナを加熱して、外側シースと補強部材のリフローを内側ライナの付近に誘導し、それによって外側シースと補強部材を内側ライナに結合して、多層管状部材を形成することをさらに含んでいてよい。
【0012】
追加的又は代替的に、及び第十三の態様において、テーパ状先端領域内の内側ライナから各折り畳み部を除去することは、外側シースのうち、多層管状部材のテーパ状先端領域内の各折り畳み部と重複する部分を除去することを含む。
【0013】
追加的又は代替的に、及び第十四の態様において、先端部材は、外側シース、補強部材、又は内側ライナよりデュロメータ硬さの低い材料から形成される。
追加的又は代替的に、及び第十五の態様において、少なくとも1つの穿孔は、内側ライナが折り畳み状態から拡張状態へと拡張したことに応答して分離するように構成された、外側シースに沿った好ましい引裂き線を形成する。
【0014】
追加的又は代替的に、及び第十六の態様において、イントロデューサは、多層管状部材であって、内側ライナであって、ルーメン、先端領域、及び送達状態において内側ルーメンの先端領域に沿って延びる少なくとも1つの折り畳み部を含む内側ライナ、内側ライナの少なくとも一部の周囲に配置された補強部材であって、ある長さを有し、複数の長さ方向すじ状突起であって、隣接する長さ方向すじ状突起材間に配置された複数の開口を画定する複数の長さ方向すじ状突起を含み、各折り畳み部には複数の開口のうちの1つが円周上で重なる補強部材、及び補強部材の周囲に配置された外側シースであって、ある長さを有し、各折り畳み部と半径方向に整列する複数の窓を含む外側シースを含む多層管状部材と、多層管状部材のテーパ状先端領域に固定して取り付けられた先端部材と、を含んでいてよい。内側ライナは、多層管状部材の先端部まで延びていてよい。テーパ状先端領域には各折り畳み部がなくてよい。
【0015】
追加的又は代替的に、及び第十七の態様において、先端部材は、内側ライナは送達状態から拡張状態へと半径方向に拡張したときに、テーパ状先端領域が各折り畳み部を持たない部分で分離するように構成される。
【0016】
追加的又は代替的に、及び第十八の態様において、複数の窓は多層管状部材の先端部から多層管状部材の基端部へと大きさが減少する。
追加的又は代替的に、及び第十九の態様において、複数の窓の各々はある距離だけ長さ方向に分離され、この距離は外側シースの長さに沿って変化する。
【0017】
追加的又は代替的に、及び第二十の態様において、内側ライナはある厚さを有し、内側ライナの厚さは、隣接する長さ方向すじ状突起間で内側ライナの先端縁辺に沿って保持される。
【0018】
幾つかの実施形態、態様、及び/又は例の上記の概要は、本開示のすべての実施形態又はあらゆる実施例を説明しようとしたものではない。図面及び以下の詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示している。
【0019】
本開示は、添付の画面に関連する各種の実施形態の以下の詳細な説明を考慮すればよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図1の線2-2に沿って切断した断面図である。
【
図3】
図1のイントロデューサに関連付けられる例示的な補強部材の態様を示す。
【
図4】
図1のイントロデューサに関連付けられる代替的な補強部材の態様を示す。
【
図5】
図1のイントロデューサに関連付けられる例示的な外側シースの態様を示す。
【
図6】
図1のイントロデューサの構成及び製造方法の態様を示す。
【
図7】
図1のイントロデューサの構成及び製造方法の態様を示す。
【
図8】
図1のイントロデューサの構成及び製造方法の態様を示す。
【
図9】
図1のイントロデューサの構成及び製造方法の態様を示す。
【
図10】
図1のイントロデューサの構成及び製造方法の態様を示す。
【
図11】
図1のイントロデューサの構成及び製造方法の態様を示す。
【
図12】
図11の線12-12に沿って切断した断面図である。
【
図13】使用中の
図1のイントロデューサの態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の態様は様々な改良型及び代替的形態をとることができるが、その詳細は図中に例として示されており、これから詳しく説明する。しかしながら、本開示の態様を記載されている特定の実施形態に限定することは意図されていないと理解すべきである。反対に、本開示の主旨と範囲に含まれる改良、均等物、及び代替案のすべてをカバーすることが意図される。
【0022】
以下の説明は図面を参照しながら読むべきであり、これは必ずしも正確な縮尺によらず、幾つかの図を通じて、同様の参照番号は同様の要素を示す。詳細な説明及び図面は例示にすぎず、特許請求される発明を限定するものではない。当業者であれば、説明及び/又は図示され各種の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組合せと構成で配置されてよいことがわかるであろう。詳細な説明及び図面は、特許請求される発明の例示的な実施形態を示している。しかしながら、明瞭さと理解しやすさのために各図面中にすべての特徴及び/又は要素が示されるとはかぎらないが、特に別段の断りがないかぎり、これらの特徴及び/又は要素は存在すると理解されてよい。
【0023】
以下の定義された用語について、特許請求の範囲又は本明細書の別の箇所に異なる定義が記載されていないかぎり、これらの定義を適用するものとする。
すべての数値は本明細書において、明示されているか否かを問わず、「約」という用語で修飾されると仮定される。「約」という用語は、数値に関しては一般に、明示されている値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と当業者が考える数値の範囲を指す。多くの例において、「約」という用語は最も近い有効数字に丸められる数を含むことがある。「約」という用語のその他の使用(例えば数値以外に関する)は、別段の明示がないかぎり、本明細書の文脈から理解され、それと矛盾しないそれぞれの通常の慣例的な定義を有すると仮定されてよい。
【0024】
端点による数値範囲の明示には、両端点を含め、その範囲に含まれるすべての数が含まれる(例えば、1~5は1,1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0025】
各種の構成要素、特徴、及び/又は諸元に関する幾つかの適当な寸法、範囲、及び値が開示されているが、当業者であれば、本開示を受けて、明確に開示されたものと異なり得る所望の寸法、範囲、及び/又は値を理解するであろう。
【0026】
本明細書及び付属の特許請求の範囲で使用されるかぎり、単数形(1つの“a、an”、その“the”)は、文脈上、明らかに別の解釈が必要な場合を除き、複数も含む。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるかぎり、「又は」という用語は一般に、文脈上、明らかに別の解釈が必要な場合を除き、「及び/又は」を含むその意味において使用される。理解しやすくするために、本開示の特定の特徴は単数形で説明されることがあるが、これらの特徴は開示された実施形態の中で複数であったり、反復されたりすることがある点に留意されたい。この特徴の各々の事例は、特にこれと異なる明記がなされていないかぎり、1つの開示に含まれ、及び/又はそれに含まれることがある。簡潔さと明瞭さのために、開示される発明の必ずしもすべての要素が各図に示され、以下に詳しく論じられるとはかぎらない。しかしながら、以下の説明は、これと異なる明記がなされていないかぎり、複数が存在する構成要素の何れにも、及び/又は全部に、同等に当てはまると理解されたい。さらに、分かりやすくするため、幾つかの要素又は特徴のすべての事例が各図中に示されているわけではないことがある。
【0027】
「基端側」、「先端側」、「前進させる」、「後退させる」、それらの変化形等の相対的用語は一般に、各種の要素の、装置の使用者/オペレータ/操作人員に関する位置決め、方向、及び/又は動作に関して考えられてよく、「基端側」及び「後退させる」とは、使用者により近い、又はそれに向かうことを示し、「先端側」及び「前進させる」とは、使用者からより遠い、又はそれから離れることを示し、又は指す。場合により、「基端側」及び「先端側」という用語は、本開示を理解しやすくしようとする中で任意で当てはめられることがあるが、これらの事例は当業者にとっては容易に明らかであろう。「上流」、「下流」、「流入」、「流出」等のその他の相対的用語は、体腔、血管等のルーメン内又は機器内の流体流の方向を指す。
【0028】
「範囲」という用語は、明示された、又は特定された寸法の最大測定値を意味すると理解されてよいが、当該の範囲又は寸法の前に「最低」があるか、そのように明示されている場合はそのかぎりではなく、これは明示され、又は特定された寸法の最小測定値を意味すると理解されてよい。例えば、「外側範囲」とは外寸を意味すると理解されてよく、「半径方向の範囲」とは半径方向の寸法を意味すると理解されてよく、「長さ方向の範囲」とは長さ方向の寸法と考えられてよく、等々である。ある「範囲」は事例ごとに異なっていることがあるが(例えば、軸方向、長さ方向、横方向、半径方向、円周方向等)、当業者にとっては個々の使用の文脈から明らかであろう。一般に、ある「範囲」とは、所期の用途に応じて測定される可能なかぎり最大の寸法であると考えられてよく、他方で、「最小範囲」は、所期の用途に応じて測定される可能なかぎり最小の寸法であると考えられてよい。場合により、ある「範囲」とは一般に、ある平面及び/又は断面内で対角線方向に測定されてよいが、特定の文脈から明らかであるように、それとは異なる方法で、例えば、これらに限定されないが、斜めに、半径方向に、円周方向に(例えば、弧に沿って)等に測定されてよい。
【0029】
「モノリシック」及び「一体」という用語は一般に、1つの構造又は基本ユニット/要素から作られる、又はそれからなる1つ又は複数の要素を指すものとする。モノリシック及び/又は一体要素は、複数の別々の要素を合わせて組み立てる、又はそれ以外に結合することによって作られる構造及び/又は特徴を排除するものとする。
【0030】
明細書中の「ある実施形態」、「幾つかの実施形態」、「その他の実施形態」等への言及は、記載されている実施形態が特定の特徴、構造、又は特長を含んでいてよいが、ひとつひとつの実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、又は特長を含むわけではないことがある点に留意されたい。さらに、このような語句は必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特長がある実施形態に関して説明されている場合、特に別段の明記がなされていないかぎり、当業者にとっては、その特定の特徴、構造、又は特長を、それが明示されているか否かを問わず、他の実施形態に関しても実現できることがわかるであろう。すなわち、後述の様々な個々の要素は、特定の組合せで明瞭に示されていないとしても、当業者であればわかるように、相互に組み合わせるか又は配置して、また別の実施形態を形成するか、記載されている実施形態を補足及び/又は拡充することができるものと想定される。
【0031】
明瞭さを期し、特定の識別のための番号付与方法(例えば、第一の、第二の、第三の、第四の、等)は、説明及び/又は特許請求項の全体を通じて、説明される及び/又は特許請求される特徴を名付け、及び/又は区別するために使用されていることがある。番号付与方法は、限定しようとするものではなく、例示にすぎないと理解されたい。幾つかの実施形態において、簡潔さと明瞭さのために、それ以前に使用された番号付与方法が変更され、それと異なっていることもあり得る。すなわち、「第一の」要素と特定された特徴は、後で「第二の」要素、「第三の」要素等と呼ばれることがあり、又は完全に省略されることがあり、及び/又は異なる特徴が「第一の」要素と呼ばれることがあり。各々の事例における意味及び/又は指定の対象は、当業者にとって明らかであろう。
【0032】
図は、例えば
図1に概略的に示されるイントロデューサ10の選択された構成要素及び/又は配置(例えば、デリバリシース、アクセスシース、管状部材等)を示している。何れの図面においても、簡潔さを期し、イントロデューサ10の幾つかの特徴は示されていないことがあるか、又は概略的に示されていることがある点に留意すべきである。イントロデューサ10の構成要素のうちのいくつかに関するその他の詳細は、他の図面の中でより詳しく示されることがある。イントロデューサ10は、様々な医療用移植片(例えば、閉塞用医療移植片、置換用心臓弁移植片等)を、これに限定されないが幾つかの実施形態においては心臓を含む、体内の1つ又は複数の部位に送達し、及び/又はそこで展開しやすくするために使用されてよい。しかしながら、これは限定的とされるものではなく、なぜならイントロデューサ10は患者の脈管の中のその他の介入及び/又は経皮的医療処置にも使用されてよいからである。例えば、本開示による機器と方法は、口腔、咽喉、小腸及び大腸、結腸、直腸等の消化すなわち胃腸管での使用にも適していてよい。他の例において、本開示による機器と方法は、口腔、鼻腔、咽喉、気管支、肺等の呼吸器内での使用に適し、そのように構成されてもよい。同様に、本明細書において経皮的展開に関して説明されている機器と方法は、希望に応じてその他の種類の外科的処置で使用されてもよい。例えば、幾つかの例において、機器は非経皮的処置で使用されてもよい。本開示による機器と方法はまた、体内でのその他の使用にも適し、そのように構成されてよい。
【0033】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10はイントロデューサ10の基端部の付近に、及び/又はそこに配置された基端側ハブ12を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10は、基端側ハブ12からイントロデューサ10の先端部に向かって、及び/又はそこまで先端側に延びる多層管状部材14を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10は、少なくとも部分的に基端側ハブ12と多層管状部材14との間に配置されたばね部材16を含んでいてよい。
【0034】
幾つかの実施形態において、多層管状部材14は内側ライナ20を含んでいてよく、これは基端領域24から先端領域26まで延びるルーメン22を含む。幾つかの実施形態において、ルーメン22は少なくとも部分的に基端領域24及び/又は先端領域26を通って延びていてよい。幾つかの実施形態において、ルーメン22は完全に内側ライナ20を通って延びていてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は実質的に環状の形状を有していてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は柔軟な長尺状の管状構造を有していてよい。幾つかの実施形態において、多層管状部材14は、外側シース30及び/又は補強部材40を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、補強部材40は、内側ライナ20の少なくとも一部を覆い、その周囲に、及び/又はその周辺に配置されてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30は、補強部材40、及び/又は内側ライナ20を覆い、その周囲に、及び/又はその周辺に配置されてよい。内側ライナ20、外側シース30、及び補強部材40に関するその他の詳細は、本明細書中で論じる。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10は先端部材28を含んでいてよく、これは多層管状部材14の先端部に固定して取り付けられる。
【0035】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10及び/又は多層管状部材14は外径を有し、テーパ領域78を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、テーパ領域78は、内側ライナ20の先端領域26の基端側に位置付けられてよい。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10及び/又は多層管状部材14の少なくとも一部は、テーパ領域78へと移行する実質的に一定の外径を有していてよい。幾つかの実施形態において、実質的に一定の外径はテーパ領域78の先端側に配置されてよい。テーパ領域78の少なくとも一部は、イントロデューサ10及び/又は多層管状部材14の、テーパ領域78の先端側の実質的に一定の外径より大きい外径を有していてよい。しかしながら、これは限定的とされるものではない。イントロデューサ10及び/又は多層管状部材14の何れかの部分が何れの数のテーパ部、一定の直径領域、又はそれらの組合せを含んでよいことも想定される。
【0036】
幾つかの実施形態において、内側ライナ20及び/又は外側シース30の基端領域24は、ばね部材16に取り付けられてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20及び/又は外側シース30は、ばね部材16の内面、ばね部材16の外面、又はばね部材16の内面及び外面の両方を覆ってよい。例えば、幾つかの実施形態において、ばね部材16は内側ライナ20と外側シース30との間に位置付けられてよい。その他の構成及び/又は配置もまた想定される。
【0037】
幾つかの実施形態において、ばね部材16、内側ライナ20、及び/又は外側シース30は、基端側ハブ12に固定して取り付けられてよい。基端側ハブ12は、その中に配置された止血弁又はシールを含んでいてよい。止血弁又はシールは、血液、その他の体液、及び/又はその他の流体(例えば、灌流用流体等)が内側ライナ20のルーメン22を通って基端側に流れるのを防止してもよい。幾つかの実施形態において、基端側ハブ12は、内側ライナ20のルーメン22と流体連通する少なくとも1つのポートを含んでいてよい。
【0038】
図1は、内側ライナ20に固定して取り付けられた外側シース30と補強部材40を示している。本願中の議論から明らかとなるように、外側シース30及び補強部材40は、先端領域26から基端領域24へと内側ライナ20に沿って配置される、取り付けられる、及び/又は固定して取り付けられる等であってよい。外側シース30は、少なくとも1つの穿孔32(例えば、少なくとも1つのアパーチャ、少なくとも1つの窓、少なくとも1つの開口等)を含んでいてよく、これは外側シース30の壁の少なくとも一部に沿って延び、及び/又は外側シース30の長さの少なくとも一部に沿って延びる。少なくとも1つの穿孔32に関するその他の詳細は、本明細書中で説明する。少なくとも幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、イントロデューサ10、多層管状部材14、内側ライナ20のルーメン22、及び/又は外側シース30の中央長さ方向軸35と整列していてよい。多層管状部材14、内側ライナ20、外側シース30、及び/又は補強部材40は、中央長さ方向軸35と同軸的に配置され、及び/又は位置付けられてよい。補強部材40は、複数の長さ方向すじ状突起44を含んでいてよい。少なくとも1つの穿孔32の各々は、補強部材40の複数の長さ方向すじ状突起44のうちの隣接する長さ方向すじ状突起44間に円周方向に配置され、及び/又は位置付けられてよい。
【0039】
例えば
図2に示されるように、内側ライナ20はルーメン22を画定する外面及び内面を有する壁を含む。内側ライナ20の壁の厚さは、内側ライナ20の内面と外面によって画定されてよい。内側ライナ20は、少なくとも1つの折り畳み部34を含んでいてよく、これは送達状態及び/又は折り畳み状態において内側ライナ20の先端領域26に沿って延びる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの折り畳み部34は、送達状態及び/又は折り畳み状態において内側ライナ20の基端領域24と先端領域26に沿って延びていてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの折り畳み部34は、送達状態及び/又は折り畳み状態において、内側ライナ20の全長に沿って延びていてよい。
図2に示される一例において、少なくとも1つの折り畳み部34は3つの折り畳み部34を含むが、内側ライナ20は3つより多い又は少ない折り畳み部34を含んでいてよいことが想定される。例えば、少なくとも1つの折り畳み部34は、特定の構成における希望に応じて、2つの折り畳み部34、3つの折り畳み部34、4つの折り畳み部34、5つの折り畳み部34、又はそれより多い折り畳み部34を含んでいてよい。内側ライナ20は、外側シース30の半径方向に内側に配置されてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの折り畳み部34の各々及び/又は幾つかは、折り返されて、送達状態及び/又は折り畳み状態の断面で見たときに、例えば波形、S字形、T字形、Z字形、及び/又はそれらの組合せを形成してもよい。その他の形状及び/又は構成もまた想定される。
【0040】
送達状態において、内側ライナ20は概して環状の形状を有していてよい。その他の形状及び/又は構成もまた想定される。送達状態及び/又は折り畳み状態において、内側ライナ20のルーメン22は、内側ライナ20の内面により画定される、中央長さ方向軸35を通って、それに垂直に測定される第一の内径及び/又は第一の内側範囲を有してよい。内側ライナ20は、内側ライナ20のルーメン22の内部からの半径方向に外側に向かう力を受けると、送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態(
図13参照)へと半径方向に拡張するように構成されてよい。拡張状態では、内側ライナ20のルーメン22は、中央長さ方向軸35を通って、それに垂直に測定される、第一の内径より大きい第二の内径及び/又は第一の範囲より大きい第二の内側範囲を有してよい。少なくとも1つの折り畳み部34のうちの少なくとも1つは、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態に半径方向に拡張すると、少なくとも部分的に展開してよい。同様に、送達状態及び/又は折り畳み状態において、内側ライナ20は、内側ライナ20の外面により画定される、中央長さ方向軸35を通って、それに垂直に測定される第一の外径及び/又は第一の外側範囲を有してよい。拡張状態では、内側ライナ20は、中央長さ方向軸35を通って、それに垂直に測定される、第一の外径より大きい第二の外径及び/又は第一の外側範囲より大きい第二の外側範囲を有してよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、ルーメン22が、内側ライナ20のルーメン22の内部からの半径方向に外側に向かう力を受けたときに第一の内径及び/又は第一の内側範囲から第二の内径及び/又は第二の内側範囲へと半径方向に拡張できるように構成されてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、第一の内径及び/又は第一の内側範囲から所定の第二の内径及び/又は所定の第二の内側範囲へと半径方向に外側に拡張するように構成されてよい。例えば、第二の内径及び/又は第二の内側範囲は所定の値を有していてよく、内側ライナ20は、この所定の値を超えて半径方向に外側に延び、又は拡張しないように構成されてもよい。
【0041】
少なくとも幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、実質的及び/又は完全に柔軟であってよく、及び/又は内側ライナ20は半径方向の自己バイアスを持っていなくてよい。例えば、内側ライナ20は、半径方向に内側に向かう自己バイアスを持たず、及び/又は半径方向に外側に向かう自己バイアスを持たなくてよい。少なくとも幾つかの実施形態において、内側ライナ20は非自立型であってよく、自力で(例えば、ルーメン22の内側から内側ライナ20に半径方向に外側に向かう力がかからなくても)半径方向に拡張させ、及び/又は開くための機構を含まなくてよい。例えば、内側ライナ20は、内側ライナ20を送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態へと半径方向に外側に押し、及び/又は付勢するための、内側ライナ20のルーメン22の第一の内径及び/又は第一の内側範囲より大きい外径を有する機器又は物体(例えば、拡張器、医療機器、又はシース等)を必要としてよい。追加的に、幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、内側ライナ20のルーメン22の内部に配置された機器、物体等がなければ、半径方向に内側の力が内側ライナ20の外面に加えられなくても半径方向に内側に収縮してよい。例えば、内側ライナ20は、自力で開放状態を保たず、若しくは特定の拡張時の大きさを保持しなくてよく、又は内側ライナ20は非自立型であってよい。同様に、内側ライナ20は、自力で半径方向に内側にしぼむように付勢されなくてよい。例えば、内側ライナ20は、送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態に向かって、及び拡張状態へと拡張した後、周囲の組織の形状及び/又は形態をとってよく、及び/又は内側ライナ20の外面はそれと整列し、及び/又は接触してよい。1つの例において、内側ライナ20を拡張した力、物体、機器等がなくなると、内側ライナ20が配置される血管又は体腔内の、又はそれら自体の収縮が内側ライナ20を半径方向に内側に付勢してよいが、内側ライナ20は、自力で半径方向に内側に自己バイアスをかけない(例えば、内側ライナ20は拡張/開放後に復元力を持たなくてよい)。
【0042】
幾つかの実施形態において、内側ライナ20は柔軟材料から形成されてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は非弾性材料から形成されてよい。他の実施形態において、内側ライナ20は、弾性材料又は非弾性及び弾性材料の組合せから形成されてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、ルーメン22に沿って内側ライナ20が軸方向に伸長するのを防止するように構成されてよい。例えば、内側ライナ20は、中央長さ方向軸35に沿った軸方向又は長さ方向に伸長又は拡張することなく、中央長さ方向軸35から半径方向に外側に拡張するように構成されてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、ポリマ及び/又はプラスチック材料から形成されてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、本明細書で論じるように、他の及び/又は隣接するコンポーネントをリフローするために熱が加えられている間に、溶融しないように設計された非熱可塑性材料から形成されてよい。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、補強部材40及び/又は外側シース30より融点の高い材料から形成されてよい。内側ライナ20のための材料の幾つかの適当であるが非限定的な例は後述する。
【0043】
幾つかの実施形態において、内側ライナ20の壁の内面は1つ又は複数の層又はコーティングを含んでいてよく、これは例えば潤滑コーティング、親水性コーティング、疎水性コーティング、及び/又はその他の適当なコーティング等であり、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は、内側ライナ20の壁の内面及び/又は内側ライナ20のルーメン22の中に配置された潤滑剤を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10及び/又は外側シース30の外面は、1つ又は複数の層又はコーティングを含んでいてよく、これは例えば潤滑コーティング、親水性コーティング、疎水性コーティング、及び/又はその他の適当なコーティング等であり、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10及び/又は外側シース30は、イントロデューサ10及び/又は外側シース30の外面に配置された潤滑剤を含んでいてよい。
【0044】
補強部材40は複数の長さ方向すじ状突起44を含んでいてよく、これは例えば
図3からわかるように、隣接する長さ方向すじ状突起44間に配置された複数の開口46を画定する。複数の長さ方向すじ状突起44は、補強部材40の基端部42から補強部材40の先端部48まで延びていてよい。少なくとも幾つかの実施形態において、補強部材40の初期製造及び/又は形成中に、複数の長さ方向すじ状突起44は、基端部42では基端側円周方向リングによって、先端部48では先端側円周方向リングによって相互に一体に接続されてよい。幾つかの実施形態において、多層管状部材14の製造及び/又は組立中に、基端側円周方向リング及び/又は先端側円周方向リングは補強部材40から取り外されてよい。
図3に示される1つの例において、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44は、3つの長さ方向すじ状突起44を含むが、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44は3つより多い又は少ない長さ方向すじ状突起44を含んでいてよいことが想定される。例えば、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44は、特定の構成での希望に応じて、2つの長さ方向すじ状突起44、3つの長さ方向すじ状突起44、4つの長さ方向すじ状突起44、5つの長さ方向すじ状突起44、又はそれより多い長さ方向すじ状突起44を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44の各々は、その長さに沿った様々な位置において、ある壁厚を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の複数の長さ方向すじ状突起44の何れかの壁厚は、その長さに沿って変化してよい。
【0045】
幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の軸方向の長さに沿って変化する幅を含んでいてよい。例えば、
図3は、第一の軸方向位置における第一の幅Aと第二の軸方向位置における第二の幅Bを有する複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数を示しており、第一の軸方向位置は第二の軸方向位置の基端側にある。幾つかの実施形態において、第一の軸方向位置は補強部材40の基端部42の付近にあってよく、第二の軸方向位置は補強部材40の先端部48の付近にあってよい。その他の構成もまた想定される。幾つかの実施形態において、第一の幅Aは第二の幅Bより大きくてよい。代替的に、第一の幅Aは第二の幅Bより小さくてよい。幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の軸方向の長さに沿ってテーパ状であってよい。例えば、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は、基端側に、先端側に、及び/又はその組合せにテーパ状であってよい。幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の軸方向の長さの少なくとも一部に沿って先端方向に減少する幅(例えば、第一の幅Aから第二の幅Bへ)を有していてよい。幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は各々、補強部材40及び又は複数の長さ方向すじ状突起44の軸方向の長さの少なくとも一部に沿って、先端方向に減少する幅(例えば、第一の幅Aから第二の幅Bへ)を有していてよい。幾つかの実施形態において、第二の幅Bは、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の軸方向に長さの少なくとも一部に沿って実質的に一定であってよい。1つの例において、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は、中央長さ方向軸35及び/又は補強部材40の周囲で円周方向に均等に及び/又は等距離で離間されていてよい。幾つかの例において、複数の長さ方向すじ状突起44の1つ又は複数は、中央長さ方向軸35の周囲で不規則的及び/又は漸進的に離間されていてよい。補強部材40のための材料の幾つかの適当な、ただし非限定的な例は、後述する。
【0046】
図4は、隣接する長さ方向すじ状突起144間に配置された複数の開口146を画定する複数の長さ方向すじ状突起144を含む代替的な補強部材140を示す。複数の長さ方向すじ状突起144は、補強部材140の基端部142から補強部材140の先端部148まで延びていてよい。少なくとも幾つかの実施形態において、補強部材140の初期製造及び/又は形成中に、複数の長さ方向すじ状突起144は、基端部142では基端側円周方向リングによって、先端部148では先端側円周方向リングによって相互に一体に接続されてよい。幾つかの実施形態において、多層管状部材14の製造及び/又は組立中に、基端側円周方向リング及び/又は先端側円周方向リングは補強部材140から取り外されてよい。
図4に示される1つの例において、補強部材140及び/又は複数の長さ方向すじ状突起144は、3つの長さ方向すじ状突起144を含むが、補強部材140及び/又は複数の長さ方向すじ状突起144は3つより多い又は少ない長さ方向すじ状突起144を含んでいてよいことが想定される。例えば、補強部材140及び/又は複数の長さ方向すじ状突起144は、特定の構成での希望に応じて、2つの長さ方向すじ状突起144、3つの長さ方向すじ状突起144、4つの長さ方向すじ状突起144、5つの長さ方向すじ状突起144、1つ又は複数の長さ方向すじ状突起144を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44の各々は、その長さに沿った様々な位置において、ある壁厚を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の複数の長さ方向すじ状突起144の何れかの壁厚は、その長さに沿って変化してよい。
図4の例では、複数の長さ方向すじ状突起144の1つ又は複数は、補強部材140及び/又は複数の長さ方向すじ状突起144の軸方向の長さに沿って実質的に一定の幅を含んでいてよい。1つの例において、複数の長さ方向すじ状突起144は、中央長さ方向軸35及び/又は補強部材140の周囲で円周方向に均等に及び/又は等距離で離間されていてよい。幾つかの例において、複数の長さ方向すじ状突起144は、中央長さ方向軸35の周囲で不規則的及び/又は漸進的に離間されていてよい。本開示全体を通じて、補強部材140は補強部材40の代わりに、及び/又はそれと互換的に使用されてよいと理解されたい。補強部材140のための材料の幾つかの適当な、ただし非限定的な例は、後述する。
【0047】
図5は、外側シース30の一例を示す。幾つかの実施形態において、外側シース30は、外側シース30の壁の少なくとも一部に形成され、及び/又はそれに沿って延びる、及び/又は外側シース30の長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つの穿孔32を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、その中に複数の要素(例えば、複数のアパーチャ、複数の窓、複数の開口、複数のノッチ、複数の穴、複数の脆弱化手段等)を含み、及び/又は画定してよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔は、外側シース30の壁に横方向に、及び/又はそれを横断するように延びてよい。例えば、少なくとも1つの穿孔32は、外側シース30の壁の少なくとも一部を有効に除去してよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、部分的にのみ外側シース30の壁に横方向に、及び/又はそれを横断するように延びて、外側シース30の薄肉領域を形成してよい。例えば、幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、外側シース30の壁を貫通してよく、他の実施形態では、少なくとも1つの穿孔32は外側シース30の壁の、実質的に「薄肉」区画として形成されてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30は内側ライナ20及び/又は補強部材40の円周に沿って連続的に延びていてもよい。幾つかの実施形態において、外側シース30の少なくとも一部は不連続であってよい。
【0048】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、外側シース30に沿った好ましい、及び/又は優先的な引裂き線であってよく、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態へと拡張することに応答して分離するように構成される。幾つかの実施形態において、外側シース30は、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態へと半径方向に外側に拡張するのにつれて、分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂けるように構成されてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30は、外側シース30の壁に形成された少なくとも1つの穿孔32に沿って、及び/又はそれを通じて分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂けるように構成されてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30は、外側シース30が不連続であり、及び/又はより薄い材料で構成され、及び/又はそれから形成されている部分で分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂けるように構成されてよい。
【0049】
少なくとも幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、イントロデューサ10、多層管状部材14、内側ライナ20のルーメン22、及び/又は外側シース30の中央長さ方向軸35と軸方向に整列してよい。幾つかの実施形態において、外側シース30は、内側ライナ20の各折り畳み部34を覆い、半径方向にそれと整列し、及び/又は円周上でそれと重複するように配置された少なくとも1つの穿孔32を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の長さに沿って1つ又は複数の長さ方向及び/又は軸方向の線に配置されてよい。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の長さ方向及び/又は軸方向の線は、少なくとも1つの折り畳み部34に直接対応してよい。
【0050】
外側シース30は、その長さに沿った様々な位置で、ある壁厚を含んでいてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30の壁厚は、その長さに沿って変化してよい。幾つかの実施形態において、外側シース30の壁厚は内側ライナ20の周囲に沿ってテーパ状であってよく、それによって外側シース30の薄肉領域が、少なくとも1つの折り畳み部34に隣接して、その半径方向の外側に、それと円周上で整列して、それと連通して、及び/又はそれを直接覆うように配置される。幾つかの実施形態において、薄肉領域は少なくとも1つの穿孔32を有する。
【0051】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、多角形、規則的形状、不規則的形状、丸形、三角形、正方形若しくは長方形、六角形、八角形、台形、ひし形、又は他の何れの適当な形状を有していてもよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔は、軸方向に、長さ方向に、及び/又は円周方向に等、相互から離間されていてよい。
図5に示される例において、外側シース30の先端部付近の少なくとも1つの穿孔32は、第一の距離Wだけ相互に離間されたその要素を有していてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30の基端部付近の少なくとも1つの穿孔32は、第二の距離Zだけ相互に離間されたその要素を有していてよく、第二の距離Zは第一の距離Wより大きい。幾つかの実施形態において、第一の距離Wは第二の距離Zより大きい。幾つかの実施形態において、第一の距離Wと第二の距離Zは実質的に等しくてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔の隣接する要素間の間隔は外側シース30の軸方向の長さに沿って変化してよい。例えば、幾つかの実施形態において、隣接する要素間の間隔は外側シース30の軸方向の長さに沿って徐々に増大し、徐々に減少し、及び/又はその組合せであってよい。1つの例において、少なくとも1つの穿孔32は複数の窓を含んでいてよく、複数の窓の各々はある距離だけ長さ方向に分離され、この距離は外側シース30の長さに沿って変化する。
【0052】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔はある表面積を有し、及び/又は画定してよい。本明細書で使用されるかぎり、「表面積」という用語は、少なくとも1つの穿孔に関して、少なくとも1つの穿孔32のうちの1つの形状、外径、及び/又は周辺により区切られる「面積」として定義されてよい。例えば、少なくとも1つの穿孔32の各々が多角形の形状である実施形態において、ある要素の「表面積」とは、個々の多角形により囲まれる面積と定義されてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32の表面積は、外側シース30の長さに沿って一定及び/又は等しくてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32の表面積は外側シース30の長さに沿って変化してよい。例えば、
図5に示される少なくとも1つの穿孔32に関して、外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の先端部付近の表面積は、外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の基端部付近の少なくとも1つの穿孔32の表面積より大きい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32の表面積は、外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の先端部から外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の基端部に向かって徐々に減少してよい。1つの例において、少なくとも1つの穿孔32は複数の窓を含んでいてよく、複数の窓はその大きさが外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の先端部から外側シース30、多層管状部材14、及び/又はイントロデューサ10の基端部に向かって減少してよい。その他の構成もまた、これに限定されないが本明細書に記載の特徴の組合せを含め、想定される。
【0053】
幾つかの実施形態において、外側シース30はポリマ材料から形成されてよい。幾つかの例において、外側シース30は内側ライナ20と同じポリマ材料から形成されてよい。幾つかの例において、外側シース30は内側ライナ20とは異なるポリマ材料から形成されてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30の少なくとも幾つかは、内側ライナ20、補強部材40、及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の壁の外面に固定して取り付けられてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30は全体が内側ライナ20、補強部材40、及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の壁の外面に固定して取り付けられてよい。外側シース30のための材料の幾つかの適当な、ただし非限定的な例は後述する。
【0054】
基端部と先端部を有するイントロデューサの製造方法は、補強部材40を第一のマンドレル80上に位置付けることを含んでいてよい。補強部材40は、ある長さを有し、複数の長さ方向すじ状突起44を含んでいてよく、これは隣接する長さ方向すじ状突起44間に配置される複数の開口46を画定する。方法は、外側シース30を第一のマンドレル80上の補強部材40の周囲に配置することを含んでいてよく、外側シース30は、例えば
図6に示されるように、複数の開口46と円周
上で重複する少なくとも1つの穿孔32を含む。同じく
図6からわかるように、少なくとも1つの穿孔32は、1つ又は複数の長さ方向の線として形成されてよく、また、複数の長さ方向すじ状突起44は、少なくとも1つの穿孔の1つ又は複数の長さ方向の線間に位置付けられてよく、それによって、複数の長さ方向すじ状突起44は少なくとも1つの穿孔32の何れの部分とも重複せず、それを侵害せず、及び/又はそれを覆わない。例えば、少なくとも1つの穿孔32は、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44の何れの部分とも全く干渉しなくてよい。補強部材40の基端側円周方向リング及び先端側円周方向リングは、外側シース30の外に配置されてよい。例えば、補強部材40の基端側円周方向リングは外側シース30の基端側に配置されてよく、補強部材40の先端側円周方向リングは外側シース30の先端側に配置されてよい。そのため、複数の長さ方向すじ状突起44は、軸方向及び/又は長さ方向に外側シース30を完全に通過して延びてよい。少なくとも幾つかの実施形態において、複数の開口36の各々の少なくとも一部は、外側シース30から(例えば基端側に、及び/又は先端側に)はみ出していてよい。
【0055】
幾つかの実施形態において、その後、第一のマンドレル並びに外側シース30及び補強部材40にわたりシュリンクラップを適用してよい。方法は、外側シース30を補強部材40に結合することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30を補強部材40に結合することは、第一のマンドレル80の上のシュリンクラップされた外側シース30及び補強部材40を加熱して、補強部材40と外側シース30との間にリフローを誘導することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30と補強部材40は、シュリンクラップ、加熱、及び/又はそれらの間のリフローの誘導の前に、少なくとも部分的に相互に鋲で留め、接着し、結合し、溶接し、又はそれ以外に固定して取り付けてよい。外側シース30と補強部材40を加熱し、及び/又はリフローすることによって、外側シース30は補強部材40の周囲で少なくとも部分的に溶融し、及び/又はそれと結合できてもよく、それによって平滑で一致した内面が形成され、外側シース30の内面と補強部材40の内面は共通の内周に沿って半径方向に相互に実質的に整列する。例えば、外側シース30の少なくとも一部は、加熱及び/又はリフローの後に、補強部材40の周囲で第一のマンドレル80と接触してよい。幾つかの実施形態において、外側シース30及び/又は補強部材40の加熱及び/又はリフローによって、外側シース30は溶融し、及び/又は少なくとも1つの穿孔32を部分的に埋めることができてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、外側シース30は、少なくとも1つの穿孔32において、及び/又はその中で薄くされた壁厚を有していてよい。少なくとも幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、加熱及び/又はリフロー作業の後でも、少なくとも1つの穿孔32の少なくとも一部の中で壁厚を持たなくてよい。幾つかの実施形態において、加熱及び/又はリフロー作業により、外側シース30の長さに沿って、少なくとも1つの穿孔32の表面積が縮小されてよい。
【0056】
外側シース30と補強部材40はその後、結合された及び/又は固定して取り付けられたアセンブリとして第一のマンドレル80から取り外されてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30と補強部材40を第一のマンドレル80から取り外す前に、シュリンクラップが取り除かれてよく、他の実施形態では、外側シース30と補強部材40を第一のマンドレル80から取り外した後で、シュリンクラップが取り除かれてよい。シュリンクラップを取り除いた後に補強部材40の先端側周辺リングが取り外されてよく、これは、この時点で複数の長さ方向すじ状突起44がリフローされた外側シース30によって所定の位置に固定され、及び/又は保持されているからである。
【0057】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10の製造方法は、内側ライナ20を第二のマンドレル82の周囲に巻き付けて、例えば
図7に示されるように内側ライナ20の先端領域26に沿って延びる少なくとも1つの折り畳み部34を有する内側ライナ20の送達状態及び/又は折り畳み状態を形成することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの折り畳み部34は、内側ライナ20を第二のマンドレル82の周囲に巻き付けた直後に、内側ライナ20及び/又は第二のマンドレル82から半径方向に外側にわずかに突出してよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20の壁の外面にエッチング、化学的改質、機械的改質、及び/又はそれ以外の加工を行って、外側シース30及び/又は補強部材40を内側ライナ20に接着及び/又は結合しやすくしてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30及び/又は補強部材40の内面にエッチング、化学的改質、機械的改質、及び/又はそれ以外の加工を行って、外側シース30及び/又は補強部材40を内側ライナ20に接着及び/又は結合しやすくしてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20の壁の外面と外側シース30及び/又は補強部材40の内面の両方にエッチング、化学的改質、機械的改質、及び/又はそれ以外の加工を行って、外側シース30及び/又は補強部材40を内側ライナ20に接着及び/又は結合しやすくしてよい。
【0058】
次に、イントロデューサ10の製造方法は、例えば
図8に示されるように、外側シース30と補強部材40を(例えば、結合され、及び/又は固定して取り付けられたアセンブリとして)第二のマンドレル82上の内側ライナ20の少なくとも一部の周囲に配置することを含んでいてよく、少なくとも1つの穿孔32は内側ライナ20の各折り畳み部34と円周
上で重複し、及び/又はそれと半径方向に整列する。少なくとも1つの折り畳み部34の各折り畳み部34は、補強部材40の隣接する長さ方向すじ状突起44間に配置される複数の開口46の1つと円周
上で重複し、及び/又は半径方向にそれと整列してもよい。
【0059】
幾つかの実施形態において、その後、第二のシュリンクラップが第二のマンドレル82、外側シース30、及び補強部材40、並びに内側ライナ20の周囲に適用されてよい。方法は、外側シース30及び補強部材40を内側ライナ20に結合して、多層管状部材14を形成することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30と補強部材40を内側ライナ20に結合することは、第二のマンドレル82上でシュリンクラップされた外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20を加熱して、内側ライナ20の周囲で補強部材40及び/又は外側シース30のリフロー(例えば、第二のリフロー作業又はプロセス)を誘導し、それによって多層管状部材14を形成することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、外側シース30及び/又は補強部材40は、シュリンクラップ、加熱、及び/又はリフローの誘導(例えば、第二のリフロー作業又はプロセス)の前に、内側ライナ20に少なくとも部分的に鋲で留められ、接着され、結合され、溶接され、又はそれ以外に固定して取り付けられてよい。
【0060】
内側ライナ20の周囲に外側シース30及び/又は補強部材40を加熱及び/又はリフローする(例えば、第二のリフロー作業又はプロセス)ことにより、外側シース30及び/又は補強部材40は内側ライナ20の周囲で少なくとも部分的に溶融し、及び/又はそれと結合でき、多層管状部材14が形成されてよい。外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)はその後、結合され、及び/又は固定して取り付けられたアセンブリとして第二のマンドレル82から取り外されてよい。幾つかの実施形態において、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44は、内側ライナ20及び/又は外側シース30に少なくとも部分的に固定され、及び/又は取り付けられてよい(例えば、結合され、融着され、積層され、接着され、コモールドされ、溶融され、溶接され、固定して取り付けられる等)。幾つかの実施形態において、外側シース30、補強部材40、及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44は、内側ライナ20の壁の外面に永久的に取り付けられてよい。幾つかの実施形態において、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44は、外側シース30及び/又は補強部材40を内側ライナ20の周囲で加熱し、及び/又はリフロー(例えば、第二のリフロー作業又はプロセス)する前に、内側ライナ20に少なくとも部分的に固定され、及び/又は取り付けられてよい(例えば、結合され、融着され、積層され、接着され、コモールドされ、溶融され、溶接され、固定して取り付けられる等)。例えば、幾つかの実施形態において、複数の長さ方向すじ状突起44は、外側シース30及び/又は補強部材40を加熱し、及び/又はリフロー(例えば、第二のリフロー作業又はプロセス)する前に、内側ライナ20の壁の外面に直接結合されてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20の周囲で外側シース30及び/又は補強部材40を加熱する、及び/又はリフローする(例えば、第二のリフロー作業又はプロセス)ことにより、外側シース30は溶融し、少なくとも1つの穿孔32を部分的に埋めることができてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、外側シース30は、少なくとも1つの穿孔32において、及び/又はその中で薄くされた壁厚を有していてよい。少なくとも幾つかの実施形態において、少なくとも1つの穿孔32は、加熱及び/又はリフロー作業の後でも、少なくとも1つの穿孔32の少なくとも一部の中で壁厚を持たなくてよい。幾つかの実施形態において、加熱及び/又はリフロー作業により、少なくとも1つの穿孔32の表面積が外側シース30の長さに沿って縮小してもよい。
【0061】
幾つかの実施形態において、シュリンクラップは、外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)を第二のマンドレル82から取り外す前に取り除かれてよく、他の実施形態では、シュリンクラップは、外側シース30、補強部材40、及び/又は内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)を第二のマンドレル82から取り外した後に取り除かれてもよい。また別の実施形態では、シュリンクラップは、外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)を第二のマンドレル82から取り外している間及び/又はその後に、外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)上の所定の位置に残されてもよい。
【0062】
幾つかの実施形態において、外側シース30、補強部材、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)は第二のマンドレル82上に残されてもよい。幾つかの実施形態において、外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)は、第三のマンドレルに移動及び/又は移転されてよい。シュリンクラップを外側シース30、補強部材40、及び内側ライナ20(例えば、多層管状部材14)から取り外した後、及び/又は多層管状部材14を第三のマンドレル上に設置した後に、イントロデューサ10の製造方法は、多層管状部材14を所望の長さにトリミング及び/又はカットすることを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、内側ライナ20は多層管状部材14の先端部まで延びていてよい。
【0063】
次に、イントロデューサ10の製造方法は、多層管状部材14の先端部に隣接する、イントロデューサ10の多層管状部材14の円周に沿った、その周囲の、及び/又はそこから材料を除去して、
図9に示されるように、多層管状部材14のテーパ状先端領域18を形成することをさらに含んでいてよい。多層管状部材14のテーパ状先端領域18は、多層管状部材14の第一の外径から多層管状部材14の第一の外径より小さい多層管状部材14の第二の外径へと先端方向にテーパ状であってよい。幾つかの実施形態において、多層管状部材14の第一の外径は、約0.9906mm(約0.039インチ)(3F)~約11.303mm(約0.445インチ)(34F)、約1.3462mm(約0.053インチ)(4F)~約10.6426mm(約0.419インチ)(32F)、約10.6426mm(約0.066インチ)(5F)~約9.9822mm(約0.393インチ)(30F)、約2.0066mm(約0.079インチ)(6F)~約9.3218mm(約0.367インチ)(28F)、約2.3368mm(約0.092インチ)(7F)~約8.6614mm(約0.341インチ)(26F)、約2.667mm(約0.105インチ)(8F)~約8.001mm(約0.315インチ)(24F)、約2.9972mm(約0.118インチ)(9F)~約7.3152mm(約0.288インチ)(22F)、約3.3274mm(約0.131インチ)(10F)~約6.6802mm(約0.263インチ)(20F)、約3.6576mm(約0.144インチ)(11F)~約6.3246mm(約0.249インチ)(19F)、約4.0132mm(約0.158インチ)(12F)~約5.9944mm(約0.236インチ)(18F)、約4.318mm(約0.170インチ)(13F)~約5.6642mm(約0.223インチ)(17F)、約4.6736mm(約0.184インチ)(14F)~約5.334mm(約0.210インチ)(16F)の範囲、及び/又はこれらの範囲の様々な部分及び/又は組合せであってよい。
【0064】
幾つかの実施形態において、多層管状部材14の先端部に隣接する、イントロデューサ10の多層管状部材14の円周に沿った、その周囲の、及び/又はそこから材料を除去することによって、多層管状部材14の先端部に隣接する多層管状部材14の斜角、テーパ、面取り、傾斜、及び/又は外径縮小部が形成されてよい。例えば、幾つかの実施形態において、材料は、研削、旋盤、機械加工、放電加工(EDM:electrodischarge machining)、レーザカット、化学溶解、又はその他の適当な手段を用いて除去されてよい。第三のマンドレルは、前述の作業及び/又はプロセスのうちの1つ又は複数の最中に多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10を支持するように構成されてよい。幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18は、多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10の外面に関して角度Gで形成されてよい。幾つかの実施形態において、角度Gは約1度~約75度、約1.5度~約60度、約2度~約45度、約2.5度~約30度、約3度~約15度、約3.5度~約7.5度、約4度~約6度の範囲、又は他の適当な所望の角度であってよく、例えばこれらの範囲の中の様々な部分及び/又は組合せが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18は、多層管状部材14の先端部から、約0.254mm(約0.010インチ)、約0.635mm(約0.025インチ)、約1.270mm(約0.050インチ)、約1.905mm(約0.075インチ)、約2.540mm(約0.100インチ)、約3.175mm(約0.125インチ)、約3.810mm(約0.150インチ)、約4.445mm(約0.175インチ)、約5.080mm(約0.200インチ)、約5.715mm(約0.225インチ)、約6.350mm(約0.250インチ)、約7.620mm(約0.300インチ)、約10.160mm(約0.400インチ)、又は他の所望の適当な距離だけ基端方向に形成されてよく、及び/又は延びていてよい。その他の構成も想定される。
【0065】
イントロデューサ10の多層管状部材14の円周に沿った、その周囲の、及び/又はそこから材料を除去して多層管状部材14のテーパ状先端領域18を形成することの後に、イントロデューサ10の製造方法は、
図10においてわかるように、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から少なくとも1つの折り畳み部34の1つ又は複数の少なくとも一部を除去することによって、多層管状部材14のテーパ状先端領域18を改変することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、製造方法は、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から各折り畳み部34の少なくとも一部を除去することによって多層管状部材14のテーパ状先端領域18を改変することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、方法は、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から各折り畳み部34を完全に除去することによって多層管状部材14のテーパ状先端領域18を改変することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、各折り畳み部34の少なくとも一部を除去することは、イントロデューサ10の多層管状部材14を第四のマンドレル上に配置することを含んでいてよく、これはテーパ状先端領域18が改変されているときにイントロデューサ10の多層管状部材14を支持するように構成される。幾つかの実施形態において、各折り畳み部34は、切断、穴開け、機械加工、放電加工(EDM)、化学溶解、レーザカット、又はその他の適当な手段によって、テーパ状先端領域18の中の各折り畳み部34が除去されてよい。幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から各折り畳み部34の少なくとも一部を除去することは、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中で、外側シース30の、各折り畳み部34と重複する部分を除去することを含んでいてよい。幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18内で内側ライナ20から各折り畳み部34の少なくとも一部を除去した後に、各折り畳み部34の少なくとも一部は多層管状部材14の先端部の基端側で終了する。
【0066】
幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から各折り畳み部34の少なくとも一部を除去することは、
図10に示されるように、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中に少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)を形成してよい。幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から各折り畳み部34の少なくとも一部を除去することは、外側シース30の、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中の各折り畳み部34と重複する部分を除去して、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)を形成することを含んでいてよい。例えば、各折り畳み部34が多層管状部材14のテーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から除去される位置において、イントロデューサ10には外側シース30及び補強部材40がなくてよく、各折り畳み部34の少なくとも一部は多層管状部材14の先端部の基端側で終了してよい。幾つかの実施形態において、多層管状部材14は切欠き部19を含んでいてよく、これは、各折り畳み部34と半径方向に整列し、テーパ状先端領域18の中で多層管状部材14の先端部から基端側に延びる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)は、テーパ状先端領域18が多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10の先端部から基端側に延びる距離とは異なる軸方向又は長さ方向の長さを有していてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)は、テーパ状先端領域18が多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10の先端部から基端側に延びる距離と実質的に等しい軸方向又は長さ方向の長さを有していてよい。例えば、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)は、多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10の先端部から基端側に、約0.254mm(約0.010インチ)、約0.635mm(約0.025インチ)、約1.270mm(約0.050インチ)、約1.905mm(約0.075インチ)、約2.540mm(約0.100インチ)、約3.175mm(約0.125インチ)、約3.810mm(約0.150インチ)、約4.445mm(約0.175インチ)、約5.080mm(約0.200インチ)、約5.715mm(約0.225インチ)、約6.350mm(約0.250インチ)、約7.620mm(約0.300インチ)、約10.160mm(約0.400インチ)、又は他の所望の適当な距離だけ形成されてよく、及び/又は延びていてよい。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)は、約0.254mm(約0.010インチ)、約0.635mm(約0.025インチ)、1.016mm(0.040インチ)、1.270mm(0.050インチ)、1.651mm(0.065インチ)、1.905mm(0.075インチ)、2.032mm(0.080インチ)、2.159mm(0.085インチ)、2.286mm(0.090インチ)、2.413mm(0.095インチ)、2.540mm(0.100インチ)、2.540mm(0.100インチ)、3.175mm(0.125インチ)、3.810mm(0.150インチ)、又は希望に応じて他の適当な距離の横方向及び/又は円周方向の幅で形成されてよい。その他の構成、形状、配置、及び/又は寸法も想定される。
【0067】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10の多層管状部材14の、多層管状部材14の先端部に隣接する円周に沿った材料を除去することは、多層管状部材14の先端部において内側ライナ20の壁の厚さの一部を除去してよい。テーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から少なくとも1つの折り畳み部34の各折り畳み部34を除去することはまた、内側ライナ20の薄肉部の壁の一部も除去し、薄くされた内側ライナ20の壁の残りの部分はすべて、補強部材40及び/又は複数の長さ方向すじ状突起44によって支持及び/又は裏打ちされる。内側ライナ20の壁の厚さは、補強部材40の隣接する長さ方向すじ状突起44間に配置された内側ライナ20の先端縁辺に沿って、各折り畳み部34がテーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から除去される位置において、及び/又は少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)の中で、その完全な、変更されていない厚さに保持されてよい。
【0068】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10の多層管状部材14の円周から材料を除去して多層管状部材のテーパ状先端領域18を形成し、テーパ状先端領域18の中の内側ライナ20から各折り畳み部34を除去した後に、イントロデューサ10の製造方法は、
図11に示されるように先端部材28をイントロデューサ10及び/又は多層管状部材14の先端部に固定して取り付けることを含んでいてよく、先端部材28は、多層管状部材14のテーパ状先端領域18と係合する。幾つかの実施形態において、先端部材28を多層管状部材14の先端部に固定して取り付ける前に、イントロデューサ10及び/又は多層管状部材14は第五のマンドレルの上に配置されてよく、先端部材28も第五のマンドレル上に配置されてよい。ヒートシュリンクがイントロデューサ10及び/又は多層管状部材14及び先端部材28を覆い、その上に、及び/又はその周囲に配置されてよい。
【0069】
幾つかの実施形態において、先端部材28は、比較的低いデュロメータ硬さを有するポリマ材料から形成されてよい。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、先端部材28は、外側シース30、補強部材40、及び/又は内側ライナ20より低いデュロメータ硬さの材料から形成されてよい。幾つかの実施形態において、先端部材28は、放射線不透過性材料から形成されてよく、及び/又はそれを含んでいてよい。例えば、先端部材28のデュロメータ硬さのより低い材料は、放射線不透過性材料、粉末等を含み、及び/又はそれがトープされていてよい。放射線不透過性材料により、医療処置中に臨床医が先端部材28を容易に見ることができてもよい。先端部材28のための材料の幾つかの適当な、ただし非限定的な材料は後述する。
【0070】
幾つかの実施形態において、先端部材28を多層管状部材14の先端部に固定して取り付けることは、第五のマンドレル上のシュリンクラップされた多層管状部材14及び先端部材28を加熱して、
図12からわかるように、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)の中への、及び多層管状部材14のテーパ状先端領域18に沿った先端部材28のリフロー(例えば、第三のリフロー作業又はプロセス)を誘導することを含んでいてよい。先端部材28を加熱し、及び又はリフロー(例えば、第三のリフロー作業又はプロセス)した後、先端部材28の内面は、送達状態及び/又は折り畳み状態における内側ライナ20の壁の内面の内径及び/又は内側範囲と一致してもよい。先端部材28は少なくとも1つの折り畳み部を避けることになり、及び/又は先端部材28の基端部は、少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)において、内側ライナ20の少なくとも1つの折り畳み部34の先端面(例えば、壁厚の分)と当接することになる。幾つかの実施形態において、先端部材28は、シュリンクラップ、加熱、及び/又はリフロー(例えば、第三のリフロー作業又はプロセス)の誘導中に、テーパ状先端領域18に少なくとも部分的に鋲で留められ、接着され、結合され、溶接されるか、又はそれ以外で固定して取り付けられてよい。多層管状部材14及び/又は先端部材28を加熱及び/リフロー(例えば、第三のリフロー作業又はプロセス)を誘導することによって、先端部材28は、多層管状部材14のテーパ状先端領域18の周囲で少なくとも部分的に溶融し、及び/又はそれに結合できてもよい。イントロデューサ10はその後、結合され、及び/又は固定して取り付けられるアセンブリとして第五のマンドレルから取り外されてよい。ヒートシュリンクは、多層管状部材14及び/又は先端部材28の加熱及び/又はリフロー(例えば、第三のリフロー作業又はプロセス)の後、及びイントロデューサ10を第五のマンドレルから取り外す前又は取り外した後にイントロデューサ10から取り除かれてよい。その後、先端部材28は斜角、面取り、及び/又は丸みの付けられた先端縁辺を含むようにトリミング及び/又は改変されてよい。幾つかの実施形態において、先端部材28は多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10の第一の外径から、多層管状部材14及び/又はイントロデューサ10の第一の外径より小さい、縮小された外径へと先端方向にテーパ状であってよい。
【0071】
幾つかの実施形態において、先端部材28は、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態へと半径方向に拡張すると、テーパ状先端領域18の中及び/又は少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)の中で少なくとも1つの折り畳み部34が内側ライナ20から除去された位置において分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂けるように構成されてよい。幾つかの実施形態において、テーパ状先端領域18及び/又は少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)の中で少なくとも1つの折り畳み部34が内側ライナ20から除去された位置は、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態へと拡張することに応答して分割されるように構成された、先端部材28に沿った、及び/又はそれを通る好ましい、及び/又は優先的な引裂き線を形成してよい。
【0072】
理解されるように、上述の作業及び/又はプロセス(例えば、第一、第二、及び/又は第三のリフロー作業又はプロセス等)のうちの1つ又は複数を1つのことにまとめられてよく、及び/又は同時に行われてもよい。幾つかの実施形態において、製造方法で必要なステップ、マンドレル、ヒートシュリンク、加熱及び/又はリフロー作業、切断及び/又はトリミング作業等は、本明細書に記載されているものより多くても、又は少なくてもよい。その他の構成及び/又は方法若しくは個々のステップもまた想定される。
【0073】
イントロデューサ10を使用する際、イントロデューサ10は、血管及び/又は体腔内に挿入され、及び/又は標的部位又は関心対象領域まで誘導されてよい。幾つかの実施形態において、血管及び/又は体腔には、その中に形成された部分的又は完全な閉塞部又は障害物が含まれていてもよい。幾つかの実施形態において、血管及び/又は体腔にはいかなる閉塞部又は障害物(部分的又は完全)もなくてもよい。幾つかの実施形態において、イントロデューサ10は、内側ライナ20のルーメン22の中に配置され、及び/又はイントロデューサ10を通って延びる拡張器具と共に血管及び/又は体腔内に挿入され、及び/又はその中で誘導されてよい。拡張器はその後抜去され、医療機器が内側ライナ20のルーメン22の中に挿入されてよい。幾つかの実施形態において、医療機器の外径は、送達状態及び/又は折り畳み状態におけるテーパ領域78の先端側の内側ライナ20のルーメン22の内径及び/又は内側範囲より大きくてよい。医療機器は、医療機器の外径より小さいルーメン22の内径及び/又は内側範囲に到達し、及び/又は遭遇すると、内側ライナ20の壁の内面に対して半径方向に外側に向かう力を加え始めてもよい。半径方向に外側に向かう力によって、内側ライナ20は拡張状態に向かって半径方向に外側に拡張してもよく、外側シース30は、少なくとも1つの穿孔32に沿って分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂けてもよく、及び少なくとも1つの折り畳み部34は展開し、それによって内側ライナ20のルーメン22の内径及び/又は内側範囲を増大させてもよい。先端部材28もまた、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態に向かって半径方向に拡張するにつれて、例えば
図13に示されるように、少なくとも1つの折り畳み部34がテーパ状先端領域18の中及び/又は少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)の中の内側ライナ20から除去された位置において分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂かれてよい。
【0074】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10が血管及び/又は体腔内に挿入され、及び/又はその中で誘導された後に、拡張器が内側ライナ20のルーメン22の中に挿入されてよい。幾つかの実施形態において、拡張器の外径は、送達状態及び/又はやり畳み状態におけるテーパ領域78の先端側の、内側ライナ20のルーメン22の内径及び/又は内側範囲より大きくてよい。拡張器は、拡張器の外径より小さいルーメン22の内径及び/又は内側範囲に到達し、及び/又は遭遇すると、内側ライナ20の壁の内面に対して半径方向に外側に向かう力を加え始めてもよい。半径方向に外側に向かう力によって、内側ライナ20は拡張状態に向かって半径方向に外側に拡張してもよく、外側シース30は、少なくとも1つの穿孔32に沿って分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂けてもよく、及び少なくとも1つの折り畳み部34は展開し、それによって内側ライナ20のルーメン22の内径及び/又は内側範囲を増大させてもよい。先端部材28もまた、内側ライナ20が送達状態及び/又は折り畳み状態から拡張状態に向かって半径方向に拡張するにつれて、少なくとも1つの折り畳み部34がテーパ状先端領域18の中及び/又は少なくとも1つの切欠き部19(例えば、少なくとも1つの打抜き部、少なくとも1つのノッチ等)の中の内側ライナ20から除去された位置において分離し、分割され、穿孔され、及び/又は裂かれてよい。拡張器はイントロデューサ10から抜去されてよく、その後、医療機器がイントロデューサ10の内側ライナ20のルーメン22に挿入されてよい。
【0075】
イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等の様々なコンポーネント(及び/又は本明細書において開示されるその他のシステム又はコンポーネント)並びに本明細書において開示されるそれらの様々な要素に使用できる材料には、医療機器に一般的に関連付けられるものが含まれていてよい。簡潔さを期し、以下の議論はイントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等に関して行われる。しかしながら、これは本明細書記載の機器及び方法を限定しようとするものではなく、なぜなら、この議論は本明細書において開示されるその他の要素、部材、コンポーネント、又は機器にも当てはめられてよいからであり、例えば複数の長さ方向すじ状突起44/144等、及び/又はその要素若しくはコンポーネントであるがこれらに限定されない。
【0076】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等、及び/又はそれらのコンポーネントは、金属、金属合金、ポリマ(その幾つかの例は以下で開示する)、金属ポリマ複合材料、セラミック、それらの組合せ等、又はその他の適当な材料から製作されてよい。適当な金属及び金属合金としては、444V、444L、及び314LVステンレススチール等のステンレススチール、軟鋼、線形弾性及び/又は超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケルクロムモリブデン合金(例 UNS:N06625、例えばINCONEL(登録商標)625、UNS:N06022、例えばHASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)、UNS:N10276、例えばHASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)、その他のHASTELLOY(登録商標)合金、その他)、ニッケル銅合金(例 UNS:N04400、例えばMONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400、その他)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例 UNS:R44035、例えばMP35-N(登録商標)、その他)、ニッケルモリブデン合金(例 UNS:N10665、例HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標))、その他のニッケルクロム合金、その他のニッケルモリブデン合金、その他のニッケルコバルト合金、その他のニッケル鉄合金、その他のニッケル銅合金、その他のニッケルタングステン又はタングステン合金、及びその他等の他のニッケル合金、コバルトクロム合金、コバルトクロムモリブデン合金(例 UNS:R44003、例えばELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)、その他)、プラチナ富化ステンレススチール、チタン、プラチナ、パラジウム、金、それらの組合せその他、又は他のあらゆる適当な材料が含まれる。
【0077】
本願で言及されているように、市販のニッケルチタン又はニチノール合金類の中に、「線形弾性」又は「非超弾性」と指定されるカテゴリがあり、これは、従来の各種の形状記憶及び超弾性合金と化学的性質において似ているものの、顕著で有益な機械的特性を示してもよい。線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、超弾性ニチノールが示すような、その応力/ひずみ曲線における実質的な「超弾性プラトー」又は「フラグ領域」を示さない。その代わりに、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールの場合、回復可能ひずみが増大すると、応力は、塑性変形が始まるまで実質的に線形に、若しくは幾分、ただし必ずしも完全に線形ではない関係で、又は少なくとも超弾性ニチノールの場合に見られるような超弾性プラトー及び/又はフラグ領域より線形の関係で、引き続き増大を続ける。それゆえ、本開示の解釈において、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールはまた、「実質的」線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールとも呼ばれてよい。
【0078】
幾つかのケースで、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールはまた超弾性ニチノールから、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールが実質的に弾性を保つ間に(例えば、塑性変形する前に)最大約2~5%のひずみを受け入れられてもよいのに対して、超弾性ニチノールは塑性変形する前に最大約8%のひずみを受け入れられるという点で区別可能であってもよい。これらの材料は何れも、組成変形する前に約0.2~0.44パーセントのひずみしか受け入れられないステンレススチール等の他の線形弾性材料(これはその組成に基づいても区別可能)から区別できる。
【0079】
幾つかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、示差走査熱量測定(DSC: differential scanning calorimetry)及び動的金属熱分析(DMTA: dynamic metal thermal analysis)による広い温度範囲での分析によって検出可能ないかなるマルテンサイト/オーステナイト相変態を示さない合金である。例えば、幾つかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金では、摂氏-60度(℃)~約120℃の範囲でDSC及びDMTA分析により検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変態は見られないことがある。このような材料の機械的曲げ特性はしたがって、この非常に広い温度範囲にわたる温度の影響に概して不活性であることがある。幾つかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタンアロイの機械的曲げ特性は、気温又は室温では、例えばこれらが超弾性プラトー及び/又はフラグ領域を示さないという点で、体温での機械的特性と実質的に同じである。換言すれば、広い温度範囲にわたり、線形弾性及び/又は非弾性ニッケルチタン合金はその線形弾性及び/又は非超弾性特質及び/又は特性を保つ。
【0080】
幾つかの実施形態において、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケルチタン合金は、ニッケルが約50~約60重量パーセントの範囲で、残りは基本的にチタンであってよい。幾つかの実施形態において、組成はニッケルの範囲が約54~約57重量パーセントである。適当なニッケルチタン合金の一例は、日本国神奈川県の株式会社古河テクノマテリアルから市販されているFHP-NT合金である。その他の適当な材料には、ULTANIUM(商標)(ネオ-メトリクス(Neo-Metrics)から入手可能)及びGUM METAL(商標)(トヨタ(Toyota)から入手可能)が含まれてよい。他の幾つかの実施形態において、超弾性合金、例えば超弾性ニチノールを使って所望の特性を得ることができる。
【0081】
少なくとも幾つかの実施形態において、イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等、及び/又はそれらのコンポーネントの一部又は全部は、放射線不透過性材料がドープされ、それから製作され、又はそれ以外にそれを含んでいてもよい。放射線不透過性材料とは、医療処置中に蛍光顕微鏡スクリーン又は他のイメージング技術で比較的明るい画像を生成できる材料と理解される。この比較的明るい画像は、使用者がイントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等の位置を特定するのを助ける。放射線不透過性材料の幾つかの例としては、金、プラチナ、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性フィラがロードされたポリマ材料、その他が含まれ得るが、これらに限定されない。追加的に、他の放射線不透過性マーカバンド及び又はコイルもまた、同じ結果を実現するために、イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等の設計に組み込まれてよい。
【0082】
幾つかの実施形態において、ある程度の核磁気共鳴画像法(MRI)適合性がイントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等に付与される。例えば、イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等及び/又はそのコンポーネント又は部分は、画像を実質的に歪めず、実質的なアーチファクト(例えば、画像内のギャップ)を生じさせない材料で製作されてよい。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像中にアーチファクトを生じさせるため、適当でないことがある。イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等又はそれらの一部はまた、MRIマシンが画像化できる材料から製作されてよい。これらの特質を示す幾つかの材料には、タングステン、コバルトクロムモリブデン合金(例 UNS:R44003、例えばELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)、その他)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例 UNS:R44035、例えばMP35-N(登録商標)、その他)、ニチノール等及びその他が含まれる。
【0083】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等、及び/又はその一部は、ポリマ又は他の適当な材料から製作され、又はこれを含んでいてよい。適当なポリマの幾つかの例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えばデュポン(DuPont)から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエチレンブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyuretane 85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエーテル(例えば、DSMエンジニアリングプラスチックス(DSM Engineering Plastics)から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステル系コポリマ(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート及び/又はその他のポリエステルエラストマ、例えばデュポン(DuPont)から入手可能なHYTREL(登録商標))、ポリアミド(例えば、バイエル(Bayer)から入手可能なDURETHAN(登録商標)又はエルフ・アトケム(Elf Atochem)から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマポリアミドブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えばPEBAX(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマ(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレン、テトラフタレート、ポリエチルナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンオキサイド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルフォン、ナイロン、ナイロン-12(例えば、EMSアメリカングリロン(EMS American Grion)から入手可能なGRILAMIDE(登録商標))、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS 50A)、ポリカーボネート、アイオノマ、ポリウレタンシリコンコポリマ(例えば、AorTechバイオマテリアルズ(Aortech Biomaterials)のElastEon(登録商標)、又はアドバンソース・バイオマテリアルズ(AdvanSource Biomaterials)のChronoSil(登録商標))、生体適合ポリマ、その他の適当な材料、又はその混合物、組合せ、コポリマ、ポリマ/金属複合材、その他が含まれていてよい。幾つかの実施形態において、シースは液晶ポリマ(LCP)と混合できる。例えば、混合物は最高約6パーセントのLCPを含むことができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、本明細書で開示されるイントロデューサ10、多層管状部材14、内側ライナ20、外側シース30、補強部材40/140等は、構造の少なくとも一部を覆って、又はその中に配置された布材料を含んでいてよい。布材料は、組織の内殖を促進するのに適したポリマ材料又は生体材料等の生体適合材料で構成されてよい。幾つかの実施形態において、布材料は生体吸収性材料を含んでいてよい。適当な布材料の幾つかの例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリオレフィン系材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、及び/又はそれらの混合物又は組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10、多層管状部材14、内側ライナ20、外側シース30、補強部材40/140等は、織物材料を含んでいてよい。適当な織物材料の例としては、扁平な、整形された、撚られた、織られた、予備収縮された、又は未収縮であってよい合成ヤーンが含まれていてよい。本発明での使用に適した合成生体適合ヤーンには、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体(naphtalene dicarboxylene derivatives)、正絹、及びポリテトラフルオロエチレンが含まれていてよいが、これらに限定されない。さらに、合成ヤーンの少なくとも1つは、金属ヤーン又はガラス若しくはセラミックヤーン又はファイバであってもよい。有益な金属ヤーンには、ステンレススチール、プラチナ、金、チタン、タンタル、又はNi-Co-Cr系合金から製作された、又はこれを含むヤーンが含まれていてよい。ヤーンは、炭素、ガラス、又はセラミックファイバをさらに含んでいてよい。好ましくは、ヤーンは、熱可塑性材料から製作され、これにはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレン、その他が含まれるが、これらに限定されない。ヤーンは、マルチフィラメント、モノフィラメント、又はスパンタイプであってよい。選択されるヤーンの種類とデニールは、生体適合及び移植可能プロテーゼ及び、より詳しくは所望の特性を有する脈管構造を形成するような方法で選ばれてよい。
【0086】
幾つかの実施形態において、イントロデューサ10、基端側ハブ12、多層管状部材14、ばね部材16、内側ライナ20、先端部材28、外側シース30、補強部材40/140等は、適当な治療薬を含み、及び/又はそれで処理されてもよい。適当な治療薬の幾つかの例には、抗血栓剤(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキシトロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン))、抗増殖剤(例えば、エノキサパリン、アンギオペプチン、平滑筋細胞増殖をブロックできるモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸)、抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミン)、抗悪性腫瘍/抗増殖/抗有糸分裂剤(例えば、パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤)、麻酔剤(例えば、リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカイン)、抗凝固剤(例えば、D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、アンチトロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、アンチトロンビン抗体、血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びマダニ抗血小板ペプチド)、血管細胞増殖促進剤(例えば、増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写活性化因子、翻訳促進剤)、血管細胞増殖阻害剤(例えば、成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、遮断抗体、成長因子に対する抗体、成長因子及び細胞毒からなる二官能分子、抗体と細胞毒からなる二官能分子)、コレストロール低下剤、血管拡張剤、及び内因性血管作用メカニズムを妨害する薬剤が含まれていてよい。
【0087】
本開示は、多くの点において例示にすぎないと理解すべきである。詳細事項、特に形状、大きさ、及びステップの配置を、本発明の範囲を越えずに変更してよい。これには、適当な範囲で、ある例示的実施形態の特徴の何れかの使用が他の実施形態で使用されることが含まれていてよい。本発明の範囲は勿論、付属の特許請求の範囲が表現される文言において定義される。