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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】撮像装置と情報端末
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/17 20210101AFI20230424BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230424BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20230424BHJP
   G03B 19/12 20210101ALI20230424BHJP
【FI】
G03B17/17
G03B17/02
H04N23/55
G03B19/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021523295
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2018112792
(87)【国際公開番号】W WO2020087307
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】宇野 勝
(72)【発明者】
【氏名】米山 厚司
【審査官】小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-028626(JP,A)
【文献】特開2003-091041(JP,A)
【文献】特開2009-273303(JP,A)
【文献】特開2005-352394(JP,A)
【文献】特開2006-217368(JP,A)
【文献】特開平01-055510(JP,A)
【文献】特開平05-107438(JP,A)
【文献】実公昭43-004455(JP,Y1)
【文献】特公昭40-010865(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0223158(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0241920(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 19/12
G03B 17/02
G03B 17/17
H04N 23/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
反射ミラーと、
前記撮像装置内の格納位置である第一位置から、前記撮像装置の上に位置する第二位置に前記反射ミラーを飛び出させるように構成された移動機構と、
前記反射ミラーの飛び出しに従って、前記撮像装置の第一面からの光を反射させる第一向きから、前記撮像装置の第二面からの光を反射させる第二向きに前記反射ミラーを切り替えるように構成された切り替え機構と、を備え、
前記撮像装置の第一面と前記撮像装置の第二面が平行であり、
前記移動機構が、駆動源と、前記駆動源によって回転させられる送りねじと、前記送りねじの回転によって前記送りねじの長手方向に沿った方向であるx軸方向に沿って前記切り替え機構と共に直線運動を行うように構成された部材と、を含み、
前記反射ミラーが、前記直線運動に伴い前記第一位置から前記第二位置に移動するように構成されていて、
前記切り替え機構が、前記直線運動に従って回転可能な回転部材と、前記反射ミラーの一端に取り付けられ且つ前記回転部材の回転によって前記反射ミラーを前記第一向きから前記第二向きに切り替えるように前記反射ミラーを付勢するように配置されたばねと、を含む、撮像装置。
【請求項2】
前記移動機構が撮像光学系を含む、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記移動機構が、振動子と、前記撮像光学系のレンズの一端に配置され且つ前記振動子の振動によって前記x軸方向に沿って前記撮像光学系のレンズを移動させるように構成された駆動部と、前記レンズの他端に配置され且つ前記レンズの移動を誘導するように構成された誘導部と、を含む、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像光学系がフォーカスレンズとズームレンズを含む、請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記振動子が圧電素子である、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置を備える情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は撮像装置に係り、特に反射ミラーの機構に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のカメラで物体を撮像するカメラ搭載型の携帯情報端末が知られている。その携帯インタフェースには表示スクリーンに物体を表示することができる表示デバイスが設けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態は、表示スクリーンの面積を制限しないように反射ミラーを設けた撮像装置と情報端末を提供する。
【0004】
上記目的を達成するため、実施形態において以下の技術的解決策が用いられる。
【0005】
第一態様の実施形態は以下の撮像装置を提供する。
【0006】
本撮像装置は以下のものを含む:
反射ミラー;
第一位置から第二位置に反射ミラーを飛び出させるように構成された移動機構(第一位置は装置内の格納位置であり、第二位置は装置上部に位置する);及び、
反射ミラーの飛び出しに従って第一反射パターンから第二反射パターンに反射ミラーを切り替えるように構成された切り替え機構(第一反射パターンは装置の第一面からの光を反射させ、第二反射パターンは装置の第二面からの光を反射させる)。
【0007】
第一態様によると、例えば、反射ミラーの第一反射パターンと第二反射パターンによって形成される光路は表示スクリーン側としての第一面側で使用されないので、表示スクリーンの占有面積が減らない。従って、表示スクリーンが制限されなくなり得る。
【0008】
第一態様の実施形態で可能な第一案では、反射ミラーが、移動機構の位置の移動に伴って第一位置から第二位置に移動するように構成され得る。これは、反射ミラーの位置を移動させることで、反射ミラーの飛び出しを達成可能とする。
【0009】
第一態様の実施形態に従う又は第一態様の実施形態で可能な第一案に従う第一態様の実施形態で可能な第二案では、切り替え機構が移動機構の位置の移動に従って移動し、その移動に基づいて反射ミラーを付勢する(energize)ことによって、第一反射パターンが第二反射パターンに変更可能となるように反射ミラーを回転させるように構成させ得る。これは、反射ミラーの反射パターンの切り替えを可能にする。
【0010】
第一態様の実施形態に従う又は第一態様の実施形態で可能な第一案若しくは第二案に従う第一態様の実施形態で可能な第三案では、移動機構は、駆動源と、駆動源によって回転させられる送りねじと、送りねじの回転によって光軸の方向に沿って切り替え機構と共に直線運動するように構成された部材と、を含み得る。これは、切り替え機構と部材を直線運動させることで、反射ミラーの飛び出しと反射パターンの切り替えを達成可能とする。
【0011】
第一態様の実施形態に従う又は第一態様の実施形態で可能な第一案から第三案に従う第一態様の実施形態で可能な第四案では、切り替え機構は、回転可能な回転部材と、反射ミラーの一端に取り付けられ且つ回転部材の回転によって反射ミラーの反射モードを第一反射パターンから第二反射パターンに切り替えるように反射ミラーを付勢するように配置されたばねと、を含む。これは、ばねが反射ミラー3に付勢力を与えて、反射ミラーの反射パターンを切り替えることを可能にする。
【0012】
第一態様の実施形態に従う又は第一態様の実施形態で可能な第一案から第四案に従う第一態様の実施形態で可能な第五案では、移動機構は撮像光学系を含み得る。これは撮像光学系を移動機構によって移動させることを可能にする。
【0013】
第一態様の実施形態に従う又は第一態様の実施形態で可能な第一案から第五案に従う第一態様の実施形態で可能な第六案では、移動機構は、振動子と、撮像光学系のレンズの一端に配置され且つ振動子の振動によって光軸の方向に沿って撮像光学系のレンズを移動させるように構成された駆動部と、レンズの他端に配置され且つレンズの移動を誘導するように構成された誘導部と、を含み得る。これは、撮像光学系のレンズを移動させることを可能にする。
【0014】
実施形態における技術的解決策をより明確に説明するため、以下、実施形態を説明するのに必要に添付図面を簡単に説明する。以下説明される添付図面が想定される一部の実施形態のみを説明するものであって、当業者が添付図面から創作的な労力無く他の図面を導出し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1Aは、反射ミラーの飛び出し前の一実施形態に係る撮像装置の概略的な構成例を示す斜視図である。図1Bは、反射ミラーの飛び出し後の一実施形態に係る撮像装置の概略的な構成例を示す斜視図である。
図2図2Aは、図1Aの撮像装置の断面の一例を示す図である。図2Bは、図1Bの撮像装置の断面の一例を示す図である。
図3図1Aの撮像装置の内部構成要素を示す概略図である。
図4図3の撮像装置の反射ミラーと切り替え機構と移動機構の断面の一例を示す図である。
図5図5Aは、図1Aの撮像装置の反射ミラーと切り替え機構の構成態様を示す図である。図5Bは、図5Aの撮像装置のA側から見た反射ミラーと切り替え機構の構成態様を示す図である。
図6図6Aは、図2Aの撮像装置の反射ミラーと切り替え機構の構成態様を示す図である。図6Bは、図6Aの撮像装置のA側から見た反射ミラーと切り替え機構の構成態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態の添付図面を参照して実施形態の技術的解決策を明確に説明する。説明される実施形態は実施形態の全部ではなくて一部であることは明らかである。当業者がこれら実施形態に基づいて創作的な労力無く得ることができる他の全ての実施形態が本開示の保護範囲内にあることに留意されたい。
【0017】
以下、本実施形態の撮像装置100を説明する。この撮像装置100では、反射ミラーが飛び出すように構成される。一例として、本実施形態は、スマートフォンに組み込まれる撮像装置の例を示すが、これは限定的なものではない。タブレット型端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の情報端末が撮像装置100の例として挙げられる。
【0018】
まず、図1A図1B図2A及び図2Bを参照して、反射ミラーが飛び出す前後の状態を説明する。図1Aは、反射ミラー3の飛び出す前の撮像装置100の概略的な構成例を示す斜視図である。図1Bは、反射ミラー3が飛び出した後の撮像装置100の概略的な構成例を示す斜視図である。図2Aは、図1Aの撮像装置100の断面の一例を示す図である。図2Bは、図1Bの撮像装置100の断面の一例を示す図である。
【0019】
図1A図2Aに示されるように、撮像装置100の背面101Bに開口が設けられ、その開口を塞ぐようにレンズ13が設けられる。飛び出す前の状態において、反射ミラー3はレンズ13の後ろの格納位置(第一位置)に位置する。反射ミラー3の角度は、図2Aに示されるように、この位置での反射ミラー3がレンズ13を介して背面101B側から入射する光d1を反射して、光学系(図2Aの装置の下側に位置する)に向けて光d1を誘導することができるように設定される。
【0020】
一方で、図1B図2Bに示されるように、反射ミラー3の飛び出し後には、反射ミラー3は、装置上部から上の位置(第二位置)に位置する。この場合、後述のように、反射ミラー3の角度は、反射ミラーが表示スクリーン(前面)101A側からの光d2を反射して、光学系に向けて光d2を誘導することができるように設定される。以下で詳細に説明するように、反射ミラー3が飛び出し前の状態から飛び出し後の状態に移動すると、その移動の作用に応じて反射ミラー3が回転することによって、反射ミラー3の角度が設定され得る。従って、飛び出し状態の反射ミラー3を用いて、例えば、スマートフォンの表示スクリーン側の物体を撮像することができる。この時点においては、例えば、スマートフォンの表示スクリーンが物体を撮像する光路として用いられないので、表示スクリーンの専有面積が小さくならず、表示スクリーンが制限されないものとなり得る。
【0021】
以下の実施形態の説明では、図1Aに示される飛び出し前の反射ミラー3による図2Aに例示的に示される光d1の反射モードを「第一反射パターン」と称する。そして、図1Bに示される飛び出し後の反射ミラー3による図2Bに例示的に示される光d2の反射モードを「第二反射パターン」と称する。
【0022】
図3は、図1A図2Aに示される飛び出し前の撮像装置100の例示的な内部構成要素を示す。図3の例では、撮像装置100は、反射ミラー3用の移動機構200と、反射ミラー3の反射パターンを切り替えるように構成された切り替え機構300とを含む。
【0023】
移動機構200は、ステッピングモーター(駆動源)21と、ステッピングモーター21によって回転させられる送りねじ9と、送りねじ9の回転に従ってx軸(光軸)方向に沿って切り替え機構300と共に直線運動するように構成された部材5とを含み得る。ステッピングモーター21は、飛び出し命令を受信すると駆動し得る。例えば、この命令は、表示スクリーン上のタッチ動作に基づいた命令を含み得る。
【0024】
図3の例では、主シャフト8がx軸方向に沿って送りねじ9と平行になるように配置され、ナット11によって送りねじ9に連結される。保持部材81、82、83が部材5の縁に接続されて、部材5を保持するように配置される。また、移動機構200は、主シャフト8に対して摺動可能であるようにも構成される。保持部材82の一端は、主シャフト8を取り囲むように構成されたばね22の一端に接続される。ばね22の他端は固定端91に接続される。このようにして、ステッピングモーター21の回転を、送りねじ9を介して主シャフト8に沿ったナット11の直線運動に変換することができる。ナット11の移動とばね22の弾性力で、部材5を上述のように移動させることができる。
【0025】
移動機構200は撮像光学系を更に含む。例えば、撮像光学系にはズームレンズ10とオートフォーカスレンズ15が備わる。アパーチャシステム16がオートフォーカスレンズ15の前面に取り付けられ、二つの異なる開口直径を有する。これらの開口直径で焦点を調節することができる。
【0026】
本実施形態では、電圧の印加によって伸縮する圧電素子(振動子)13aと13bが、レンズ10と15の位置調節の例として用いられている。
【0027】
圧電素子13aはx軸方向に沿ったズームレンズ10の位置を調節するのに用いられる。図3の例では、固定部材12aが圧電素子13aの一端に取り付けられ、駆動摩擦部材としての駆動シャフト14aが圧電素子13aの他端に取り付けられる。固定部材12aは例えばスピンドルである。駆動部30は駆動シャフト14aに摩擦で保持される。誘導部33が可動するように駆動シャフト14aに取り付けられる。
【0028】
更に、固定部材12bが圧電素子13bの一端に取り付けられ、駆動摩擦部材としての駆動シャフト14bが圧電素子13bの他端に取り付けられる。固定部材12bは例えばスピンドルである。駆動シャフト14bは駆動シャフト14aと平行に配置される。誘導部31が可動するように駆動シャフト14bに取り付けられる。
【0029】
レンズ10と同様に、オートフォーカスレンズ15も、固定部材12bの一端に接続された圧電素子13bの振動によってx軸方向に沿って移動させ得る。つまり、図3の例では、駆動部34が駆動シャフト14bに取り付けられ、圧電素子13bの振動によってx軸方向に沿って移動するように構成される。更に、誘導部33が、駆動シャフト14bと平行に配置された駆動シャフト14aに取り付けられ、x軸方向に沿って移動可能なように構成される。
【0030】
図3では、撮像素子としてのセンサ18がy軸方向とz軸方向に移動可能なセンサホールド19に取り付けられる。センサ18はCCD(電荷結合素子,charge‐coupled device)やCMOS(相補的金属酸化物半導体,complementary metal‐oxide semicondcutor)等のイメージセンサである。
【0031】
図3では、その撮像装置100の送りねじ9が回転して、ナット11がx軸方向に沿って移動すると、主シャフト8に取り付けられた保持部材81と82もx軸方向に沿って移動することができる。部材5が保持部材81と82によって保持されているので、部材5も保持部材81と82の移動に伴ってx軸方向に沿って移動することができる。この移動に従って、保持部材83も部材5を保持しながら移動することができる。本実施形態では、レンズ10と15、センサ18及び切り替え機構300が部材5に取り付けられているので、これらの部品も部材5の移動に従って移動することができる。
【0032】
図3では、例えば、圧電素子13aが伸長するように駆動されると、駆動部30が駆動シャフト14aの摩擦によって移動し得る。対照的に、圧電素子13aが収縮するように駆動されると、駆動シャフト14aの摩擦が減り、駆動部30がその一次に実質的に留まることができる。このような圧電素子13aの伸縮(振動)で駆動部30をx軸方向に沿て移動させることができる。駆動部30はズームレンズ10の一端に取り付けられているので、ズームレンズ10も駆動部30の移動に従ってx軸方向に沿って移動することができる。誘導部31はズームレンズ10の他端に取り付けられているので、誘導部31は、駆動部30が移動する際にズームレンズ10の他端の移動を誘導するように機能し得る。
【0033】
圧電素子13aの場合と同様に、圧電素子13bの伸縮で駆動部34をx軸方向に沿って移動させることができる。この場合、駆動部34がオートフォーカスレンズ15の一端に取り付けられているので、オートフォーカスレンズ15も駆動部34の移動に従ってx軸方向に沿って移動することができる。誘導部33がオートフォーカスレンズ15の他端に取り付けられているので、誘導部33は、駆動部34が移動する際にオートフォーカスレンズ15の他端の移動を誘導するように機能し得る。
【0034】
図3では、圧電素子13dの伸縮(振動)によって生じるy軸方向に沿ったセンサホールド19の移動に従って、センサ18がy軸方向に沿って移動することができる。z軸方向に沿ってセンサ18を移動させる様子が図4に詳細に示されている。
【0035】
図4は、一例として、x軸方向に沿った移動機構200と切り替え機構300の構成態様を示す図である。図4では、固定部材12cが圧電素子13cの一端に取り付けられ、駆動摩擦部材としての駆動シャフト14cが圧電素子13cの他端に取り付けられている。スピンドルが固定部材12cの一例である。圧電素子13cの伸縮(振動)によってセンサホールド19がz軸方向に沿って移動し、センサ18もz軸方向に沿って移動することができる。
【0036】
この撮像装置100では、圧電素子13aの一端に取り付けられた固定部材12aは、部材5のサブシャーシ2に取り付けられたレンズシャーシ17に取り付けられている。アパーチャシステム16がオートフォーカスレンズ15の前面に取り付けられている。
【0037】
図4では、反射ミラー3は、実線の位置(反射ミラー3が装置内に格納されている第一位置)から破線の位置(反射ミラー3が装置の上部から飛び出している第二位置)に移動する際に反射ミラー3が90度回転して、反射ミラー3の反射モードが第一反射パターン(図2A)から第二反射パターン(図2B)に切り替わるように構成され得る。図面を簡潔にするため、図4は反射ミラーのみを示し、その切り替え機構は省略されている。
【0038】
次に、図5A図5B図6A及び図6Bを参照して、反射ミラー3を切り替える様子を説明する。図5Aは、反射ミラー3が実質的に第一位置にある際の反射ミラー3と切り替え機構300の態様を示す図である。図5Bは、図5Aに示されるA側から見た反射ミラー3と切り替え機構300の構成例を示す図である。図6Aは、反射ミラー3が実質的に第二位置にある際の反射ミラー3と切り替え機構300の態様を示す図である。図6Bは、図6AのA側から見た反射ミラー3と切り替え機構300の構成例を示す図である。
【0039】
図5A図5Bに示されるように、切り替え機構300は、回転可能な切り替え板4を含み、その板4に二つの突起部41と42が形成されている。上述のように、この切り替え機構300は、ステッピングモーターの駆動力によってz軸方向に沿って移動することができる。切り替え機構300にはキック板50が配置され、その板に突起部41と42の一端が接触することができる。つまり、キック板50が装置本体(主シャーシ1)に固定され、上述の位置関係を有する。従って、切り替え機構300の移動に従って突起部41と42の一方がキック板50に接することによって、突起部41又は42を回転させて、切り替え板4を回転させる。反射ミラー3の回転シャフトが、切り替え板4の回転シャフトと同軸で切り替え板4に設けられる。これによって、切り替え板4の回転と共に反射ミラー3を回転させることが可能となる。
【0040】
図5Aの例では、突起部41がキック板40の一端に接し得る。キック板50の一端は上述のように装置本体に固定されるように配置されるので、切り替え機構300の移動と共に切り替え板4が回転し、切り替え板4の回転に従って反射ミラー3が回転する。切り替え機構300は中心ばね7を含み、その中心ばね7は、反射ミラーの一端に固定される一端を有し、その一端において回転可能であり、また、移動機構200のサブシャーシ2に固定された他端を有し、その固定点において回転可能である。ばね7の付勢力が、反射ミラー3の第一位置においてストッパー27に対して反射ミラー3を付勢し、反射ミラー3の第二位置においてストッパー28に対して反射ミラー3を付勢することができる。結果として、反射ミラーの各位置を安定して与えることができる。
【0041】
切り替え板4が図5A図5Bに示される位置(実質的に第一位置)から図面上で時計回りに回転すると、反射ミラー3が図5Aの矢印400の方向に回転して、反射ミラー3はまず中心ばね7の収縮力に対して回転し、略45度回転すると、中心ばね7の収縮力で追加されるを付勢力によっても回転する。次いで、反射ミラー3は、図6A図6Bに示されるような反射ミラー3が略90度回転した状態(実質的に第二位置)になる。この時点において、図6A図6Bに示される例では、反射ミラー3が第一位置から第二位置に移動して、切り替え板4が時計回りの方向に回転するのにつれて突起部41と42が回転して、突起部42がキック板50の一端に接するようになり得る。
【0042】
上述のように、撮像装置100は、反射ミラー3の飛び出しで反射ミラー3の反射パターンを第一反射パターン(図2A)から第二反射パターン(図2B)に切り替えることができように構成される。反射ミラー3の光路は、反射ミラー3が飛び出している場合であっても表示スクリーン側では用いられないので、表示スクリーンの占有面積が小さくならず表示スクリーンが制限されないという点に留意されたい。
【0043】
反射ミラー3は、第二位置(図1B)から第一位置(図1A)に戻るように構成され得る。つまり、送りねじ9が、上述の実施形態の方向とは逆方向でx軸方向に沿って回転し得て、切り替え機構300の切り替え板4が、部材5の移動と共にx軸方向に沿って移動し得る。結果として、図6A図6Bにおいて、中心スプリング7が、切り替え板4の突起部42がキック板50の一端に接する状態から当接方向に対して逆方向に突起部42を付勢し得る。この付勢力が、矢印400の方向と逆方向に反射ミラー3を回転させ、ストッパー28に反射ミラー3を押し付け得る。結果として、反射ミラー3が、例えば図5A図5Bに示されるように略90度回転し得る。
【0044】
上記説明は単に具体的な実施形態であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本開示の技術的範囲内において当業者に想起されるあらゆる変更や置換は本発明の保護範囲内にある。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲とされるものである。
【符号の説明】
【0045】
3 反射ミラー
100 撮像装置
200 移動機構
300 切り替え機構
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B