(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】マイクロカプセルの調製のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B01J 13/16 20060101AFI20230424BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20230424BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20230424BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20230424BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20230424BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20230424BHJP
A61K 8/84 20060101ALI20230424BHJP
D06M 23/12 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B01J13/16
C11B9/00 J
C11B9/00 R
C11B9/00 S
C11D17/08
C08G18/00 A
C08G18/32 025
A61K8/11
A61K8/84
D06M23/12
(21)【出願番号】P 2021547384
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2019053600
(87)【国際公開番号】W WO2020164705
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルギ,ユリアン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロスト,ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ドレーゲ,ディアネ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラム,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ベッデカー,トルステン
【審査官】上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0252274(US,A1)
【文献】特表2021-528226(JP,A)
【文献】特表2013-537472(JP,A)
【文献】特表2013-530979(JP,A)
【文献】特表2017-533240(JP,A)
【文献】特表2017-515661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0337023(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0252312(US,A1)
【文献】国際公開第2016/144798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 13/16
C11B 9/00
C11D 17/08
C08G 18/00
C08G 18/32
A61K 8/11
A61K 8/84
D06M 23/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート系マイクロカプセルを調製するプロセスであって、以下の工程:
(a)2以上のイソシアネート基を有する少なくとも1つのイソシアネートまたは2以上のイソチオシアネート基を有する少なくとも1つのイソチオシアネートと、カプセル封入される疎水性薬剤とを含む内部非水性相を提供することと;
(b)少なくとも1つの保護コロイドと触媒とを含む外部水性相を提供することと;
(c)任意で安定剤及び/または乳化剤の存在下にて前記内部非水性相と前記外部水性相とを混合し、水中油型エマルションを得ることと;
(d)
酸性アミノ酸の塩酸塩から成る群から選択される、酸性pHで反応するアミンの添加によって最初に架橋を行うことと;
(e)
ジアミン、トリアミン及びポリアミン及び炭酸グアニジニウムから成る群から選択される、アルカリ性pHで反応するアミンの添加によってさらなる架橋を行ってマイクロカプセルを得ることと;
(f)工程(e)で得られた前記マイクロカプセルを硬化することと;
任意で
(g)前記反応溶液から前記マイクロカプセルを分離し、必要に応じて前記マイクロカプセルを乾燥させることと、を含む、前記プロセス。
【請求項2】
2以上のイソシアネート基を有する前記イソシアネートまたは2以上のイソチオシアネート基を有する前記イソチオシアネートが、脂肪族、脂環族、ヒドロ芳香族、芳香族、または複素環のポリイソシアネートまたはポリイソチオシアネート、それらの置換生成物及び前述の化合物の混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
カプセル封入される前記少なくとも1つの疎水性有効成分が、香料、芳香物質、殺生物剤、殺昆虫剤;防虫剤、食品添加物、化粧品有効成分、医薬品有効成分、農薬、染料、発光染料、光学的光沢剤、溶媒、蝋状物質、シリコーン油、潤滑剤の群由来の物質;と同様に前記有効成分の混合物から成る群から選択される、先行請求項1または2のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項4】
カプセル封入される前記少なくとも1つの疎水性有効成分が、アルデヒド、カルボン酸、またはエステルの官能性を有する香料または香味剤から成る群から選択される、先行請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記保護コロイドが、ジオール
、エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、異性体ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、
ポリオール、トリオール、グリセロール、と同様にそのエトキシル化及びプロポキシル化の生成物、トリメチロールプロパン及びそのエトキシル化及びプロポキシル化の生成物、ポリビニルアルコール(PVOH)及びその誘導体、
アンモニウム-またはスルホネートで官能化されたポリビニルアルコール、ポリフェノール、
1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、デンプン
、化学的に、機械的に及び/または酵素的に修飾したデンプン、カルボキシメチルセルロース
、ポリビニルピロリドン、及び前記化合物の混合物から成る群から選択される、先行請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記保護コロイドがデンプンとの組み合わせで使用される、先行請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記触媒がジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である、先行請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
酸性pHにて反応する前記アミンによる前記最初の架橋が2~7のpH及び任意で20℃~30℃の温度にて生じる、先行請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記酸性で反応するアミンが
塩酸リジン及び塩酸オルニチンから成る群から選択される、先行請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記アルカリ性で反応するアミンによる前記さらなる架橋が7~14のpH及び任意で35℃~50℃の温度で生じる、先行請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
工程(f)における前記マイクロカプセルの前記硬化が55℃~70℃までの温度で実施される、先行請求項1~
10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
イソシアネート系マイクロカプセル
またはそのマイクロカプセルを含む懸濁液であって、
・少なくとも1つの疎水性薬剤を含むコアと;
・保護コロイドと触媒の存在下、
酸性アミノ酸の塩酸塩から成る群から選択される、酸性pHで反応するアミンによる最初の工程と
、ジアミン、トリアミン及びポリアミン及び炭酸グアニジニウムから成る群から選択される、アルカリ性pHで反応するアミンによるさらなる工程とにおいて架橋され
た2以上のイソシアネート基を有するイソシアネートを含
んで成るカプセルシェルと
、を含むまたはそれらから成る、前記イソシアネート系マイクロカプセル。
【請求項13】
前記カプセルシェルがポリウレタンの第1の層とポリウレアの第2の層とを含む、またはそれらから成る、請求項
12に記載のイソシアネート系マイクロカプセル
またはそのマイクロカプセルを含む懸濁液。
【請求項14】
洗剤、布地柔軟剤、洗浄剤、液状形態または固形状形態
の香りブースター
、液状形態または固形状形態の香料増強剤、化粧品、パーソナルケア製品、農業製品または医薬製品の製造のための、請求項
12または13に記載のマイクロカプセルまたは請求項
12または13に記載のマイクロカプセル
を含む懸濁液の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア材料としてのカルボン酸、アルデヒド及び/またはエステル含有の有効成分に対する安定性が改善されたマイクロカプセル、特にイソシアネート系マイクロカプセルの製造のためのプロセスに関する。さらに、本発明は本発明に係るプロセスによって入手できるマイクロカプセルに関する。加えて、本発明は洗剤、柔軟剤、洗浄剤、液状形態または固形形態での香りブースター(香料増強剤)、化粧品、パーソナルケア製品、農業製品及び医薬製品における成分としてのマイクロカプセル、そのようなマイクロカプセルの懸濁液、ならびにマイクロカプセル及び懸濁液の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
「カプセル封入」という用語は一般に、微細に分散された固形物、液体または気体様の物質がポリマーまたは無機の壁材の成膜シェルによって取り囲まれて不動化される技法を意味すると当業者によって理解されている。製造中、乳化、液滴形成または界面重合の後、ポリマーはカプセル封入される物質上に沈殿する。したがって、カプセル封入は包接固定化(inclusion immobilization)の形態である。カプセルに封入される物質または有効成分は一般にコア材料と呼ばれる。
【0003】
ここでの目標は有効成分として知られる活性化合物を保護することであり、特定の時間に標的を定めた方法でそれらを放出できることである。有効成分または活性化合物は種々の理由で(例えば、それらの溶解度、反応性、安定性などのせいで)そのまま使用できないことが多く、または特定の効果はマイクロカプセル封入を介して達成されるべきである(例えば、制御放出についての放出曲線、独特の販売計画など)。
【0004】
100μmを超える範囲の直径については、個々の物質または有効成分の粒子は種々の噴霧法を用いてコーティングされる一方で、液体は液滴法を用いてカプセル封入される。
【0005】
特に関心があるのは、約0.0001~5、好ましくは0.001~0.5、特に0.005~0.1mmの範囲の直径を有するいわゆるマイクロカプセルである。
【0006】
しかしながら、直径が100μm未満のマイクロカプセルについては、カプセル封入は相界面にていわゆる壁形成剤を堆積させることによってのみ可能である。このために工業的に使用される製造プロセスでは、水における疎水性コア材料のエマルションまたは懸濁液が作り出される。外相に存在するモノマーはコア材料のエマルション液滴または分散した固形粒子の周りで層に蓄積し、重合して緻密なシェルを形成する。壁材及び架橋の程度に応じてマイクロカプセルの個々の特性はこうして達成され得る。
【0007】
カプセル封入では、以下の2つの間は区別される:マトリクスカプセル封入:ここでは、有効成分(複数可)または活性成分(複数可)はシェル成分(「マトリクス」)と均質に混合され、有効成分(複数可)または活性成分(複数可)が均一に分布する粒子が形成される。通常、放出は活性成分(複数可)の環境への拡散またはマトリクスの分解の速度のいずれかを決定する。コア・シェルカプセル封入:コアを形成する有効成分(複数可)または活性成分(複数可)はシェル材料によってカプセル封入される。1以上のシェル(複数可)を伴う真のカプセルが形成される。シェルの破裂はふつう短時間でコア材料の完全な放出を生じる。しかしながら、シェルの適当な選択によって極めて遅い放出を生じることも可能である。
【0008】
その特性に起因して、マイクロカプセルは、とりわけ、印刷産業、食品産業(ビタミン類、香味料、植物抽出物、酵素、微生物)、農薬(肥料、殺虫剤)、飼料産業(ミネラル類、ビタミン類、酵素、医薬品、微生物)、医薬産業、洗剤産業、及び化粧品産業で使用されている。
【0009】
有効成分の好適な壁材(コーティング材料)によるカプセル封入は幾つかの理由で行われ得る:
・液体の扱いやすい粉体形状への変換(例えば、植物油、脂肪のコーティング);
・物質の時間制御放出(医薬品、殺虫剤及び肥料についての投与量制御、デポー効果);
・味覚、匂い及び色の補填(例えば、苦いまたはスパイスの効いた香味料);
・光、酸化、熱、酸または塩基からの保護(例えば、ビタミン類、香味料、など);
・湿気防止(例えば、吸湿性の塩またはミネラル);
・揮発性成分の喪失の遅延(例えば、芳香族化合物);
・他の混合成分との時期尚早な化学反応の防止;
・加工前または加工中のさらに良好な取り扱い(流動特性、粉塵形成);
・有害なまたは不快な物質からの職員の保護(化学物質、芳香濃縮物);または
・表面改質のよるさらに良好な溶解度/懸濁度。
【0010】
マイクロカプセルの内容物を種々の方法で放出することができる。4つの典型的なメカニズムを考慮に入れる:
・押しつぶすことまたはせん断することによってカプセルを機械的に破壊する。このメカニズムは、例えば、反応ノーカーボン紙と共に使用される。
・壁材を溶かすことによってカプセルを破壊する。このメカニズムによれば、例えば、ベーキング工程の間だけでベーキング混合物にて膨らまし剤または香味剤のような成分が放出される。
・壁材を溶解することによってカプセルを破壊する。このメカニズムは、例えば、酵素のようなカプセル封入された成分が洗浄工程の間でのみ放出されるように粉体を洗浄することにおいて使用される。
・カプセルは元のままであり、カプセルの内容物は壁材を介した拡散によって徐々に放出される。このメカニズムによれば、例えば、体内における薬物物質の緩慢で且つ均一な放出を達成することができる。
【0011】
例えば、洗剤、布地柔軟剤、粉末洗剤、液体洗剤、シャワージェル、シャンプー、脱臭剤、ポリローションなどのような常用の多数の物品は今日、香料または香料混合物で香りを付けられる。非常に多くの場合、香料は製剤の他の成分と相互作用し、または香りのさらに揮発性の成分は時期尚早に蒸発する。これはふつう、経時的に変化するまたは完全に消失しさえする香りの芳香印象をもたらす。
【0012】
そのような香料のマイクロカプセル封入は香料入り製品における相互作用または揮発性の高い香料成分の蒸発を減らすまたは完全に阻止する可能性を提供する。
【0013】
化学的にも且つ機械的にも安定であるマイクロカプセルは、例えば、壁材またはシェル材料として使用されるアミノプラスト樹脂に基づく。カプセルシェルの高い不透過性に加えて、それは反応性化学物質に対しても非常に耐性である。これらのカプセルの製造は、高いせん断のもと且つ乳化剤の存在下で、水溶性モノマー、いわゆるアミン・ホルムアルデヒド事前縮合物と、香油のような水不溶性で疎水性の有効成分を含有するO/Wエマルションを最初に調製することによって簡略化される。重縮合はpHの変化によって、例えば、酸を加えることによりpHを約3.5に合わせることによって開始される。重縮合物はエマルションにて油滴上に堆積し、徐々にそれらを包む。重縮合が完了すると、エマルションはマイクロカプセルの分散液になっている。しかしながら、カプセルは依然として軟らかい弾性のシェルを有し、それは必要な拡散安定性及び質感特性を未だ提供しない。したがって、マイクロカプセル分散液の温度を約60℃に上げるさらなる工程が続き、それは壁におけるポリマーの架橋及びカプセルの硬化につながる。対応するプロセスは、例えば、EP2111214B1(GIVAUDAN)から知られている。
【0014】
DE2303866A1(FUJI)からは、マイクロカプセルの調製物についての安定な濃縮混合物が知られ、それは(a)エポキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を含有し、加えて、6~16の炭素原子を持つアルキル基を有するスルホコハク酸アルキルまたはそのカルボン酸アミド基が8~20の炭素原子を持つアルキル基で置換されているスルホスクシンアミド酸アルキルと、成分(b)としての水混和性の溶媒とを含有する。
【0015】
EP2669835A1(KOEHLER)の主題はマイクロカプセルの製造のためのプロセスである。これらマイクロカプセルの特徴は2つの最大値を有する特有の粒度分布であり、その際、主要最大粒度は5~100μmの範囲内にあり、その粒度が主要最大値の粒度未満である、またはその4分の1に等しいマイクロカプセルが占有する体積はマイクロカプセルの総体積を超える、またはその約20%に等しい。この点で、カプセル壁は、メチル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂及び/または尿素・ホルムアルデヒド樹脂及び/またはアルデヒドのチオ尿素、N-アルキル尿素、グアニジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、カプリオノグアナミン、シアナミン、ジシアンジアミド及び/またはアルキル/アリールスルホンアミドとの反応生成物から成ってもよい。
【0016】
EP3238816A1(SYMRISE)は、特定のアミノプラストのマイクロカプセルにおけるマイクロカプセルの調製のためのプロセスを開示しており、その際、水性プレポリマー相と、カプセル封入される有効成分を含有する非水性相との乳化は少なくとも1つの1,2-ジオールの存在下で実施され、マイクロカプセルの粒度で有意な低下をもたらすのでエマルションの安定化をもたらす。
【0017】
WO2017/148504(SYMRISE)は、カプセル封入の直前に多くても5mgKOH/gの酸価を有する香料組成物が天然のコーティング材または合成のアニオン性もしくはカチオン性のポリマーまたはそれらの混合物によってカプセル封入される香料カプセルの調製のためのプロセスに関する。
【0018】
マイクロカプセルはさらに、アクリレートモノマー、ポリウレアから、または、例えば、ゼラチン及び他のタンパク質のようなバイオポリマーまたは無機壁材からでさえ作製することができる。従来技術のイソシアネート系マイクロカプセルでは、ポリイソシアネートをアルカリ性環境にて架橋剤としての炭酸グアニジニウムと反応させる。
【0019】
アミノプラスト樹脂と比べたイソシアネートによるカプセル封入の利点は、マイクロカプセルがホルムアルデヒドを含まないことである。しかしながら、イソシアネート及び他の壁材によるカプセル封入の短所は、限られた数の有効成分、例えば、香料または香料油しか、それらによってカプセル封入、および安定なマイクロカプセルを提供することができないことである。特に、イソシアネート及び他の壁材によるカプセル封入は、アルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴う香料または香料油をカプセル封入するには好適ではない。これは、アルカリ性pHでのカプセル封入の間にカルボン酸が脱プロトン化され、酸化されたアルデヒド(カルボン酸)が類似的に鹸化され、且つエステルが鹸化されて、得られるエマルションを不安定にするからである。したがって、そのようなマイクロカプセル封入の使用は有効成分に関して限定されるので、例えば、小さなスペクトルの香料または香料油のみに好適である一方で、そのようなマイクロカプセル封入はアルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴った香料または香料油については除外される。しかしながら、アルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴った香料は香料または香料油の最も重要な代表的なものである。
【0020】
この背景に対して、本発明は、一方でカプセル封入される有効成分、特にアルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴った有効成分に関して広い変動性でホルムアルデヒドを含まないカプセル封入を可能にし、且つ他方で保存安定性であり、有効成分の優れた放出挙動を示すマイクロカプセルを作り出すマイクロカプセルの製造のためのプロセスを提供する複雑な作業に基づく。
【0021】
驚くべきことに、それぞれ異なるpHでのアミンによる2つの連続する架橋工程により、保護コロイドと触媒の存在下で水性エマルションにて主としてイソシアネートから形成されるカプセルシェルまたはカプセル壁を調製することによって、この作業を解決することができることが見いだされた。酸性からアルカリ性へのpH勾配での2工程架橋は、多分子層のカプセルシェルまたはカプセル壁を形成するのを可能にし、それによってアルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴った香料のような有効成分でさえカプセル封入することができる。
【0022】
プロセスを操作する利点は、酸性pHにおける最初の架橋剤による架橋によって、さらなるアルカリ性架橋剤を添加することによりpHが上昇する前にカプセル封入される有効成分の官能基が第1のポリマー層で保護されることである。
【発明の概要】
【0023】
したがって、本発明の第1の目的は以下の工程:
(a)2以上のイソシアネート基を有する少なくとも1つのイソシアネートまたは2以上のイソチオシアネート基を有する少なくとも1つのイソチオシアネートと、カプセル封入される疎水性有効成分とを含む内部非水性相を提供することと;
(b)少なくとも1つの保護コロイドと触媒とを含む外部水性相を提供することと;
(c)任意で安定剤及び/または乳化剤の存在下にて内部非水性相と外部水性相とを混合し、水中油型エマルションを得ることと;
(d)酸性pHで反応するアミンを加えることによって最初の架橋を行うことと;
(e)アルカリ性pHで反応するアミンを加えることによってさらなる架橋を行ってマイクロカプセルを得ることと;
(f)工程(e)で得られたマイクロカプセルを硬化することと;
任意で
(g)反応溶液からマイクロカプセルを分離し、必要に応じてマイクロカプセルを乾燥させることとを含む、またはそれらから成るイソシアネート系マイクロカプセルの調製のためのプロセスに関する。
【0024】
加えて、本発明の目的は本発明に係る方法によって作り出されるマイクロカプセルを提供することである。
【0025】
本発明の別の態様は、
・少なくとも1つの疎水性薬剤を含む、またはそれから成るコアと、
・酸性pHで反応するアミンによる最初の工程とアルカリ性pHで反応するアミンによるさらなる工程とにおいて保護コロイドと触媒の存在下で架橋される少なくとも2以上のイソシアネート基を有するイソシアネートを含むカプセルシェルとを含む、またはそれから成るマイクロカプセルである。
【0026】
最後に、別の態様では、本発明は、洗剤、布地柔軟剤、洗剤、香りブースター(香料増強剤)、化粧品、パーソナルケア製品、農業製品または医薬製品の製造のための本発明に係るマイクロカプセル、または本発明に係るマイクロカプセルを含む懸濁液の使用に関する。
【0027】
本発明のこれらの態様及び他の態様、特徴及び利点は以下の詳細な説明及びクレームの検討から当業者に明らかであろう。この点で、本発明の一態様由来の任意の特徴が本発明の別の態様にて使用されてもよいし、または置き換えられてもよい。さらに、本明細書に含有される実施例は本発明を記載し、説明しているが、本発明を限定するようには意図されず、特に本発明はこれらの実施例に限定されないことが理解される。
【0028】
特に記述されない限り、割合はすべて重量による。「xからyまで」の形態で与えられる数的な例は与えられた値を含む。この形式で複数の好ましい数的範囲が与えられる場合、種々の端点を組み合わせることによって作り出される範囲もすべて含まれることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】10×拡大での本発明に係るマイクロカプセルの光学顕微鏡像を示す図である。光学顕微鏡像にはOlympusBX51を使用した。
【
図2】本発明に係るさまざまな香油を含有するマイクロカプセルの粒度分布(d(0.5)値)を示す図である。
【
図3】さまざまな香油を伴う従来技術のマイクロカプセルの粒度分布(d(0.5)値)を示す図である。
【
図4】本発明に係る香油4または5を含有するマイクロカプセルのゼータ電位を示す図である。
【
図5】香油1または2を含有する従来技術のマイクロカプセルのゼータ電位を示す図である。
【
図6】従来技術のマイクロカプセル及び本発明に係るマイクロカプセルの官能評価の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
第1の態様では、本発明は以下の工程:
(a)2以上のイソシアネート基を有する少なくとも1つのイソシアネートまたは2以上のイソチオシアネート基を有する少なくとも1つのイソチオシアネートと、カプセル封入される疎水性有効成分とを含む内部非水性相を提供することと;
(b)少なくとも1つの保護コロイドと触媒とを含む外部水性相を提供することと;
(c)任意で安定剤及び/または乳化剤の存在下にて内部非水性相と外部水性相とを混合し、水中油型エマルションを得ることと;
(d)酸性pHで反応するアミンを加えることによって最初の架橋を行うことと;
(e)アルカリ性pHで反応するアミンを加えることによってさらなる架橋を行ってマイクロカプセルを得ることと;
(f)工程(e)で得られたマイクロカプセルを硬化することと;
任意で
(g)反応溶液からマイクロカプセルを分離し、必要に応じてマイクロカプセルを乾燥させることとを含む、またはそれらから成るイソシアネート系マイクロカプセルを調製するためのプロセスに関する。
【0031】
本発明の文脈では、マイクロカプセルはカプセルシェルまたはカプセル壁と、カプセルの内部のコア材料としての1以上の疎水性有効成分(複数可)とを有する微粒子であると理解される。
【0032】
本発明に係るプロセスの第1の工程では、少なくとも2以上のイソシアネート基を有する少なくとも1つのイソシアネートと、カプセル封入される疎水性有効成分とを含む内部非水性相が提供される。
【0033】
本発明に従って重合され、カプセルシェルまたはカプセル壁を形成することができるイソシアネート化合物またはイソシアネートモノマーは、少なくとも2、3または4以上の高官能のイソシアネート基またはイソチオシアネート基、特に脂肪族、脂環族、ヒドロ芳香族、芳香族または複素環のポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、上記化合物の置換生成物及び混合物である。中でもポリイソシアネート、ジイソシアネートが好まれる。一層さらに好ましいのは芳香族ジイソシアネートである。
【0034】
イソシアネート基またはイソチオシアネート基を含有する少なくとも2つの異なる重合可能な化合物の混合物を使用することによってコポリマーを調製することもできる。
【0035】
本発明に従って使用することができる少なくとも2つのイソシアネート基または少なくとも2つのイソチオシアネート基を含有するモノマーの例は、ジイソシアン酸エチレン、ジイソシアン酸トリメチレン、ジイソシアン酸1,4-テトラメチレン、1,6-ヘキサメチルジイソシアネート、ジイソチオシアン酸エチレン、ジイソチオシアン酸テトラメチレン、ジイソチオシアン酸ヘキサメチレン、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ジイソシアン酸1,3-フェニレン、ジイソシアン酸1,4-フェニレン、ジイソシアン酸1,3-フェニレンとジイソシアン酸1,4-フェニレンの混合物、ジイソチオシアン酸p-フェニレン、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、ジイソシアン酸2,4-トルイレン、ジイソシアン酸2,6-トルイレン、ジイソシアン酸2,4-トルイレンとジイソシアン酸2,6-トルイレンの混合物、キシリレン-1,4-ジイソシアネート、キシリレン-1,3-ジイソシアネート及びキシリレン-1,4-ジイソシアネートとキシリレン-1,3-ジイソシアネートの混合物、ジイソシアン酸2,4-ヘキサヒドロトルイレン、ジイソシアン酸2,6-ヘキサヒドロトルイレン、ジイソシアン酸2,4-ヘキサヒドロトルイレンとジイソシアン酸2,6-ヘキサヒドロトルイレンの混合物、ジイソシアン酸ヘキサヒドロ-1,3-フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサヒドロ-1,4-フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサヒドロ-1,4-フェニレンとジイソシアン酸ヘキサヒドロ-1,4-フェニレンの混合物、1,3-ジイソシアナトベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリイソプロピルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-diメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジイソシアン酸4,4’-ジフェニルプロパン、ナフチレン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシアネート、ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネートまたは上記化合物の混合物である。
【0036】
少なくとも2つのイソシアネート基またはイソチオシアネート基を含有する好ましい重合可能な化合物は、工業的に製造されるジイソシアネート及びポリイソシアネートであり、例えば、TDI:ジイソシアン酸トルイレン(80:20の比でのジイソシアン酸2,4-及び2,6-トルイレンの異性体混合物)、HDI:ジイソシアン酸ヘキサメチレン-(1,6)、IPDI:ジイソシアン酸イソホロンまたはDMDI:ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートである。
【0037】
本発明に係るプロセスで使用される他の出発イソシアネートは、ジイソシアネート、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-及び2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,3-及び1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(ジイソシアン酸イソホロン)、4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、2,4-及び2,6-ジイソシアナト-メチルシクロヘキサン及びそれらの混合物である。原則として芳香族イソシアネート、例えば、ジイソシアン酸トルイレンまたは4,4’-ジイソシアナト-ジフェニルメタンも使用することができる。
【0038】
既知の方法により上述のジイソシアネートまたはその混合物を修飾することによって調製することができ、且つ例えば、ウレットジオン、ウレタン、イソシアヌレート、ビウレット及び/またはアロファネートの基を含有するポリイソシアネートも比例して使用することができる。
【0039】
内部非水性相におけるイソシアネート成分の比率は非水性相の総重量を基にして1~8重量%の範囲、好ましくは3~7重量%の範囲にある。最も好ましくは、内部非水性相におけるイソシアネート成分は非水性相の総重量を基にして5~6重量%の範囲にある。
【0040】
マイクロカプセルでの包含に好適な任意の物質を本発明に係るマイクロカプセルの製造のためのコア材料として使用することができる。好ましくは、疎水性で水不溶性または水非混和性の液体または固体と同様に懸濁液をカプセル封入される物質と見なすことができる。本発明の文脈では、「疎水性物質」という用語はカプセル封入される物質が内部非水性相にあり、且つ外部水性相と混ざり合わないことを意味する。
【0041】
特に好ましい実施形態では、本発明に係るマイクロカプセルはそれらが少なくとも1つの疎水性有効成分、特に疎水性の香料または疎水性の香料油、殺虫剤、殺生物剤、殺昆虫剤;防虫剤、食品添加物、化粧品有効成分、医薬品有効成分、染料、農薬、染料、発光染料、光学的光沢剤、溶媒、蝋状物質、シリコーン油、潤滑剤の群由来の物質、と同様に前述の有効成分の混合物のコア材料を含むような方法で設計される、すなわち、それが十分に撥水性である限り、本発明に係るマイクロカプセルは少なくとも1つの疎水性有効成分、特に疎水性の香料または疎水性の香料油のコア材料を有し、すなわち、それが十分に水不溶性であるならば、または水相と混ざり合わないならば、それ以外にはエマルションは生じることができず、液滴表面にはポリマーの堆積が生じることはできない。
【0042】
本発明の第1の態様の好ましい実施形態では、有効成分は、特に疎水性の香料または香料油、または香味剤または生体起源の成分であってもよい。
【0043】
好ましい実施形態では、本発明に係るマイクロカプセルは疎水性の単独の香料または単独の香気物質の形態でコア材料を有し、その際、コア材料は以下の群:
・例えば、3-カレン;a-ピネン;ベータ-ピネン;アルファ-テルピネン;ガンマ-テルピネン;p-シメン;ビサボレン;カンフェン;カリオフィレン;セドレン;ファルネセン;リモネン;ロンギホレン;ミルセン;オシメン;バレンセン;(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエンのような炭化水素;
・例えば、ヘキサノール;オクタノール;3-オクタノール;2,6-ジメチルヘプタノール;2-メチルヘプタノール,2-メチルオクタノール;(E)-2-ヘキサノール;(E)-及び(Z)-3-ヘキサノール;1-オクテン-3-ol;3,4,5,6,6-ペンタメチル-3,4-ヘプテン-2-オール及び3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物;(E,Z)-2,6-ノナジエノール;3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール;9-デセノール;10-ウンデセノール;4-メチル-3-デセン-5-オールのような脂肪族アルコール;
・例えば、ヘキサナール;ヘプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;トリデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(E)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(E)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン;シトロネリルオキシアセトアルデヒドのような脂肪族アルデヒド及びそれらのアセタール;
・例えば、2-ヘプタノン;2-オクタノン;3-オクタノン;2-ノナノン;5-メチル-3-ヘプタノン;5-メチル-3-ヘプタノンオキシム;2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オンのような脂肪族ケトン及びそれらのオキシム;
・例えば、酢酸3-メチルチオヘキサノール;3-メチルチオヘキシル;3-メルカプトヘキサノール;酢酸3-メルカプトヘキシル;酪酸3-メルカプトヘキシル;酢酸3-アセチルチオヘキシル;1-メンテン-8-チオールのような脂肪族イオウ含有化合物;
・例えば、2-ノネン酸ニトリル;2-トリデセン酸ニトリル;2,12-トリデセン酸ニトリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリルのような脂肪族ニトリル;
・例えば、ギ酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;アセト酢酸エチル;酢酸イソアミル;酢酸ヘキシル;酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル;酢酸3-メチル-2-ブテニル;酢酸(E)-2-ヘキセニル;酢酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;酢酸オクチル;酢酸3-オクチル;酢酸1-オクテン-3-イル;酪酸エチル;酪酸ブチル;酪酸イソアミル;酪酸ヘキシル;イソ酪酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;クロトン酸ヘキシル;イソ吉草酸エチル;ペンタン酸エチル2-メチル;ヘキサン酸エチル;ヘキサン酸アリル;ヘプタン酸エチル;ヘプタン酸アリル;オクタン酸エチル;(E,Z)-2,4-デカジエン酸エチル;2-オクチン酸メチル;2-ノニン酸メチル;2-イソアミルオキシ酢酸アリル;3,7-ジメチル2,6-オクタジエン酸メチルのような脂肪族カルボン酸及びそれらのエステル;
・例えば、シトロネロール;ゲラニオール;ネロール;リナロール;ラバデュロール;ネロリドール;ファルネソール;テトラヒドロリナロール;テトラヒドロゲラニオール;2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール;2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール;3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール;3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール;2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-I-オール及びそれらのギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、酪酸塩、イソ吉草酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、クロトン酸塩、チグリン酸塩、3-メチル-2-ブテン酸塩のような非環式テルペンアルコール;
・例えば、ゲラニアル;ネラール;シトロネラール;7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール;7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;ゲラニルアセトン;及びゲラニアル、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタールのような非環式のテルペンアルデヒド及びケトン;
・例えば、メントール;イソプレゴール;a-テルピネオール;テルピネオール-4;メンタン-8-オール;メンタン-1-オール;メンタン-7-オール;ボルネオール;イソボルネオール;酸化リナロール;ノポール;セドロール;アンブリノール;ベチベロール;グアジョール;及びそれらのギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、酪酸塩、イソ吉草酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、クロトン酸塩、チグリン酸塩、3-メチル-2-ブテン酸塩のような環状テルペンアルコール;
・例えば、メントン;イソメントン;8-メルカプトメンタン-3-オン;カルボン;ショウノウ;フェンコン;α-イオノン;ベータ-イオノン;α-n-メチルイオノン;ベータ-n-メチルイオノン;α-イソメチルイオノン;ベータ-イソメチルイオノン;α-イロン;s-イロン;α-ダマセノン;ベータ-ダマセノン;ガンマ-ダマセノン;d-ダマセノン;1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン;1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン;ノートカトン;ジヒドロノートカトン;α-シネンサル;ベータ-シネンサル;アセチル化シダーウッド油(メチルセドリルケトン)のような環状テルペンアルデヒド及びケトン;
・例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール;3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール;3-イソカンフィルシクロヘキサノール;2,6,9-トリメチル-(Z2,Z5,E9)-シクロドデカトリエン-1-オール;2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール;例えば、3,3,3-トリメチル-シクロヘキシルメタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ブタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール;2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-ペンタン-2-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールのような環状アルコール;
・例えば、シネオール;セドリルメチルエーテル;シクロドデシルメチルエーテル;(エトキシメトキシ)シクロドデカン;a-セドレンエポキシド;3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン;3a-エチル-6,6,9a-トリメチル-ドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン;1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン;ローズオキシド;2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサンのような環状エーテル及び脂環族エーテル;
・例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノン;2,2,5-トリメチル-5-ペントylシクロペンタノン;2-ヘプチルシクロペンタノン;2-ペンチルシクロペンタノン;2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-4-シクロペンタデセノン;3-メチル-5-シクロペンタデセノン;3-メチルシクロペンタデカノン;4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン;4-tert-ペンチルシクロヘキサノン;5-シクロヘキサデセン-1-オン;6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン;9-シクロヘプタデセン-1-オン;シクロペンタデカノン;シクロヘキサデカノンのような環状ケトン;
・例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;2-メチル-4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドのような脂環族アルデヒド;
・例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン;1-(5,5-ジメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン;メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン;tert-ブチル-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトンのような脂環族ケトン;
・例えば、酢酸2-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸デカヒドロ-2-ナフチル;酢酸3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル;酢酸デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチル;酢酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル;プロピオン酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル;イソ酪酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル;酢酸4,7-メタノオクタヒドロ-5-または-6-インデニルのような環状アルコールのエステル;
・例えば、プロピオン酸アリル3-シクロヘキシル;シクロヘキシルオキシ酢酸アリル;ジヒドロジャスモン酸メチル;ジャスモン酸メチル;2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボン酸メチル;2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル;2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル;2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-酢酸エチルのような脂環族カルボン酸のエステル;
・例えば、スチレン及びジフェニルメタンのような芳香族炭化水素;
・例えば、ベンジルアルコール;1-フェニルエチルアルコール;2-フェニルエチルアルコール;3-フェニルプロパノール;2-フェニルプロパノール;2-フェノキシエタノール;2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール;2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール;1,1-ジメチル-2-フェニル-エチルアルコール;1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール;1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール;2-メチル-5-フェニルペンタノール;3-メチル-5-フェニルペンタノール;3-フェニル-2-プロペン-1-オール;4-メトキシベンジルアルコール;1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールのような芳香脂肪族アルコール;
・例えば、酢酸ベンジル;プロピオン酸ベンジル;イソ酪酸ベンジル;イソ吉草酸ベンジル;酢酸2-フェニルエチル;プロピオン酸2-フェニルエチル;イソ酪酸2-フェニルエチル;イソ吉草酸2-フェニルエチル;酢酸1-フェニルエチル;酢酸α-トリクロロメチルベンジル;酢酸a,a-ジメチルフェニルエチル;酪酸a,a-ジメチルフェニルエチル;酢酸シンナミル;イソ酪酸2-フェノキシエチル;酢酸4-メトキシベンジルのような芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル;
・例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル;2-フェニルエチルイソアミルエーテル;2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ヒドラトロパアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール;2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン;4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン;4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシンのような芳香脂肪族エーテル;
・例えば、ベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドラトロパアルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;シンナムアルデヒド;a-ブチルシンナムアルデヒド;a-アミルシンナムアルデヒド;a-ヘキシルシンナムアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールのような芳香族及び芳香脂肪族のアルデヒド;
・例えば、アセトフェノン;4-メチルアセトフェノン;4-メトキシアセトフェノン;4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン;4-フェニル-2-ブタノン;4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1-(2-ナフタレニル)エタノン;ベンゾフェノン;1,1,2,3,6-ヘキサメチル-5-インダニメチルケトン;6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン;1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン;5’,6’,7’,8’-テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトンのような芳香族及び芳香脂肪族のケトン;
・例えば、安息香酸;フェニル酢酸;安息香酸メチル;安息香酸エチル;安息香酸ヘキシル;安息香酸ベンジル;酢酸メチルフェニル;酢酸エチルフェニル;酢酸ゲラニルフェニル;酢酸フェニルエチルフェニル;桂皮酸メチル;桂皮酸エチル;桂皮酸ベンジル;桂皮酸フェニルエチル;桂皮酸シンナミル;酢酸アリルフェノキシ;サリチル酸メチル;サリチル酸イソアミル;サリチル酸ヘキシル;サリチル酸シクロヘキシル;サリチル酸cis-3-ヘキセニル;サリチル酸ベンジル;サリチル酸フェニルエチル;2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸メチル;グリシド酸エチル3-フェニル;グリシド酸エチル3-メチル-3-フェニルのような芳香族及び芳香脂肪族のカルボン酸及びそのエステル;
・例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン;3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン;桂皮酸ニトリル;5-フェニル-3-メチル-2-ペンテン酸ニトリル;5-フェニル-3-メチルペンタン酸ニトリル;アントラニル酸メチル;アントラニル酸メチルN-メチル;メチルアントラニル酸の7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナールまたは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドによるSchiff塩基;6-イソプロピルキノリン;6-イソブチルキノリン;6-sec-ブチルキノリン;インドール;スカトール;2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン;2-イソブチル-3-メトキシピラジン;4-(4,8-ジメチル-3,7-ノナジエニル)-ピリジンのような窒素含有芳香族化合物;
・例えば、タラゴール;アネトール;ユーゲノール;ユーゲニルメチルエーテル;イソユーゲノール;イソユーゲニルメチルエーテル;チモール;カルバクロール;ジフェニルエーテル;ベータ-ナフチルメチルエーテル;ベータ-ナフチルエチルエーテル;ベータ-ナフチルイソブチルエーテル;1,4-ジメトキシベンゼン;酢酸ユーゲニル;2-メトキシ-4-メチルフェノール;2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール;酢酸p-クレシルフェニル;例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン;2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン;3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン;2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンのようなフェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル;
・例えば、1,4-オクタノリド;3-メチル-1,4-オクタノリド;1,4-ノナノリド;1,4-デカノリド;8-デセン-1,4-オリド;1,4-ウンデカノリド;1,4-ドデカノリド;1,5-デカノリド;1,5-ドデカノリド;1,15-ペンタデカノリド;cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オールide;cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド;1,16-ヘキサデカノリド;9-ヘキサデセン-1,16-オリド;10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;エチレン-1,12-ドデカンジオエート;エチレン-1,13-トリデカンジオエート;クマリン;2,3-ジヒドロクマリン;オクタヒドロクマリンのようなラクトン;
と同様に上述の物質のそれぞれ立体異性体、エナンチオマー、位置異性体、ジアステレオマー、cis/trans異性体及びエピマーの1以上から選択される少なくとも1つの単独の香料または単独の香気物質、またはそれらの混合物を含む。
【0044】
代替の実施形態では、香料油または香油がコア材料として使用される。これらは少なくとも1つの香料材料を含有する組成物である。そのような組成物、特に香料油または香油は好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の匂い物質を含む。香料油または香油は好ましくは、天然の原材料からの抽出物、例えば、精油、濃縮固形香料、アブソリュート、樹脂、樹脂状物質、バルサム、チンキ、例えば、アンバーグリス油;アミリス油;アンジェリカ種子油;アンジェリカ根油;アニス油;バレリアン油;バジル油;フロウソウアブソリュート;ベイ油;オオヨモギ油;ベンゾレジン(Benzoeresin);ベルガモット油;蜜蝋アブソリュート;バーチタール油;苦扁桃油;セイバリー油;ブッコ葉油;カブレバ油;ケイド油;カラマス油;クスノキ油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カッシア油;カッシーアブソリュート;海狸香アブソリュート;ニオイヒバ油;シダーウッド油;柑橘油;シトロネラ油;シトロン油;コパイババルサム;コパイババルサム油;コリアンダー油;コスツス根油;クミン油;イトスギ油;ダバナ油;ディルハーブ油;ディルシード油;オーデブロウツアブソリュート;オークモスアブソリュート;エレミ油;タラゴン油;ユーカリシトリオドラ葉油;ユーカリ油;フェンネル油;トウヒ針葉油;楓子香油;楓子香樹脂;ゲラニウム油;グレープフルーツ油;グアヤクウッド油;グルジュンバルサム;グルジュンバルサム油、ヘリクリサムアブソリュート;ヘリクリサム油;ショウガ油;ハナショウブアブソリュート;ハナショウ油;ジャスミンアブソリュート;ショウブ油;カモミール油ブルー;カモミール油ローマ;ニンジン根油;カスカリラ油;松葉油;カーリーミント油;キャラウエイシード油;ラブダナム油;ラブダナムアブソリュート;ラブダナム樹脂;ラバンジンアブソリュート;ラバンジン油;ラベンダーアブソリュート;ラベンダー油;レモングラス油;ラベージ油;ライム油蒸留;ライム油圧搾;リナル油;リツエアクベバ油;ベイリーフ油;メース油;マジョラム油;マンダリン油;マッソ樹皮油;ミモザアブソリュート;ムスク粒油;ムスクチンキ;マスカット油;ミルラアブソリュート;ミルラ油;ギンバイカ油;チョウジ葉油;チョウジ花油;ネロリ油;オリバナムアブソリュート;オリバナム油;オポパナクス油;オレンジ花アブソリュート;オレンジ油;オリガヌム油;パルマローザ油;パチュリー油;シソ油;ペルーバルサム油;パセリ葉油;パセリ種子油;プチグレン油;ペパーミント油;コショウ油;オールスパイス油;パイン油;ポウリ油;バラアブソリュート;ローズウッド油;バラ油;ローズマリー油;セージ油ダルマチア;セージ油スペイン;ビャクダン油;セロリ種子油;スパイシーラベンダー油;スターアニス油;エゴノキ油;マリーゴールド油;ファーニードル油;ティーツリー油;テレビン油;タイム油;トルーバルサム;トンカアブソリュート;チューベローズアブソリュート;バニラ抽出物;スミレ葉アブソリュート;ビジョザクラ油;ベチベル油;ジュニパーベリー油;ワイン酵母油;ヨモギ油;冬緑油;イラン油;ヒソップ油;シベットアブソリュート;シナモン葉油;シナモン樹皮油;及びそれらの分画またはそれらから単離された成分の群から選択される。
【0045】
本発明という意味でカプセル封入され得る上述の個々の香料または個々の香気物質のうち、アルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を有する香料または香気物質は使用に特に好ましい。
【0046】
対応するアセタールと同様にエステル及びラクトンも含むアルデヒド系の香料または香気物質は以下の群に分けることができる、すなわち、
(i)脂肪族アルデヒド及びそのアセタール;
(ii)脂環族アルデヒド;
(iii)芳香族または芳香脂肪族のアルデヒド;
(iv)脂肪族、芳香族または芳香脂肪族のエステル;及び
(v)ラクトン
及びそれらの混合物。
【0047】
アルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴う前述の香料または香気物質、と同様にそれらの混合物は以下の群:
・例えば、ヘキサナール;ヘプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;トリデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(f)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(f)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン;シトロネリルオキシアセトアルデヒドのような脂肪族アルデヒド及びそれらのアセタール;
・例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;2-メチル-4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド;4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドのような脂環族アルデヒド;
・例えば、ベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドラトロパアルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール;シンナムアルデヒド;α-ブチルシンナムアルデヒド;α-アミルシンナムアルデヒド;α-ヘキシルシンナムアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールのような芳香族及び芳香脂肪族のアルデヒド;
・例えば、ギ酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;アセト酢酸エチル;酢酸イソアミル;酢酸ヘキシル;酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル;酢酸3-メチル-2-ブテニル;酢酸(f)-2-ヘキセニル;酢酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;酢酸オクチル;酢酸3-オクチル;酢酸1-オクテン-3-イル;酪酸エチル;酪酸ブチル;酪酸イソアミル;酪酸ヘキシル;イソ酪酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル;クロトン酸ヘキシル;イソ吉草酸エチル;ペンタン酸エチル2-メチル;ヘキサン酸エチル;ヘキサン酸アリル;ヘプタン酸;ヘプタン酸アリル;オクタン酸エチル;(E,Z)-2,4-デカジエン酸エチル;2-オクチン酸メチル;2-ノニン酸メチル;2-イソアミルオキシ酢酸アリル;3,7-ジメチル2,6-オクタジエン酸メチルのような脂肪族カルボン酸のエステル;
・例えば、酢酸2-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸デカヒドロ-2-ナフチル;酢酸3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル;酢酸デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチル;酢酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル;プロピオン酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル;イソ酪酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル;酢酸4,7-メタノオクタヒドロ-5-または-6-インデニルのような環状アルコールのエステル;
・例えば、酢酸ベンジル;プロピオン酸ベンジル;イソ酪酸ベンジル;イソ吉草酸ベンジル;酢酸2-フェニルエチル;プロピオン酸2-フェニルエチル;イソ酪酸2-フェニルエチル;イソ吉草酸2-フェニルエチル;酢酸1-フェニルエチル;酢酸α-トリクロロメチルベンジル;酢酸α,α-ジメチルフェニルエチル;酪酸α,α-ジメチルフェニルエチル;酢酸シンナミル;イソ酪酸2-フェノキシエチル;酢酸4-メトキシベンジルのような芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル;
・例えば、プロピオン酸アリル3-シクロヘキシル;シクロヘキシルオキシ酢酸アリル;ジヒドロジャスモン酸メチル;ジャスモン酸メチル;2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボン酸メチル;2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル;2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル;2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-酢酸エチルのような脂環族カルボン酸のエステル;
・例えば、安息香酸メチル;安息香酸エチル;安息香酸ヘキシル;安息香酸ベンジル;酢酸メチルフェニル;酢酸エチルフェニル;酢酸ゲラニルフェニル;酢酸フェニルエチルフェニル;桂皮酸メチル;桂皮酸エチル;桂皮酸ベンジル;桂皮酸フェニルエチル;桂皮酸シンナミル;酢酸アリルフェノキシ;サリチル酸メチル;サリチル酸イソアミル;サリチル酸ヘキシル;サリチル酸シクロヘキシル;サリチル酸cis-3-ヘキセニル;サリチル酸ベンジル;サリチル酸フェニルエチル;2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸メチル;グリシド酸エチル3-フェニル;グリシド酸エチル3-メチル-3-フェニルのような芳香族及び芳香脂肪族のカルボン酸エステル;
の1以上から選択される。
【0048】
以下に列挙されているのは、本発明に係るプロセスの目的で(i)群~(v)群の代表的なものとして特に好ましい、取引上の表示を伴ったアルデヒド、アセタール、エステル及びラクトンである。
【0049】
アルデヒド:2-メチルペンタナール;アルデヒドc12mna hm;アルデヒドc4;アルデヒドc5;アルデヒドc6;アルデヒドc7;アルデヒドc8;アルデヒドc9;アルデヒドc10;アルデヒドc11イソ;アルデヒドc11moa pure;アルデヒドc11ウンデカナール;アルデヒドc11ウンデシレン酸;アルデヒドc12;;アルデヒドc12mna;アルデヒドc13;アルデヒドマンダリン;アミルシンナムアルデヒドアルファ;アニサールアルデヒド-o;アニシルアルデヒド;ベンズアルデヒドnat.;ベルガマール;ボロナール;ブルゲオナール;カンフォレニックアルデヒド;シトラール;シトロネラールhm;シトロネリルオキシアルデヒド;シトリラール;シトロイラールe hm;コルテックスアルデヒド;コルテックスアルデヒド50pctペモサ;クロトン酸アルデヒド;クミナルアルデヒド;シクラメンアルデヒド;デカジエナルtrans,trans-2,4,デカナールcis-4;デカナールtrans-2;デカナールtrans-2 nat;デカナールtrans-4;デカナール-9,1;ドデカニエナル2,6;ドデカナールtrans-2;デュピカル;エポキシデセナール-4,5-2 10%トリ;エチルヘキサナール;farenal(登録商標);フロルヒドラル;ゲルアルデヒド;ヘリオナール;ヘリオパン;ヘリオトロピン;ヘプタジエナールtrans,trans,2-4;ヘプテナールcis-4;ヘプテナールtrans-2;ヘキセナールtrans-2;ヘキシル桂皮酸アルデヒドアルファ;ヒドロアトロパ酸アルデヒド;ヒドロキシシトロネラール;イントレレベンアルデヒドspec.;イソノニルアルデヒド;イソ吉草酸アルデヒド;レモンアルデヒドh&r js i;リリアル;リノラール;リラル;マジャンタル;マンドリナール;マンドラインアルデヒド10%in tec bht;メフェラナール;melonal(登録商標);メトディシトロネラール;メチルブチルアルデヒド;メチル桂皮酸アルデヒドアルファ;メチルフェニルペンテナール-4,2,2;メチルチオプロパナール-3;メチルトリデカナール-12 10%vt;メチル-3-ブテン-2-アール;メチル-5-フェニル-2-ヘキセン-2-アール;ムゲナール50dpg;ネオシクロシトラール;ノナジエナール;trans,cis-2,6;ノネナールcis-6;ノネナールtrans-2;oncidal(登録商標)3/060251;ペンテナールtrans-2;エゴマアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;フェニルブテナールtrans-2,2;フェニルプロピルアルデヒド;ピノアセトアルデヒド;プロフェラネサル;プロピオナールアルデヒド2-(p-トリル);プロピオン酸アルデヒド;ps-イラルデインx neu;サフラナール;サリチル酸アルデヒドfg;シルビアル;テトラヒドロシトラール;チグリン酸アルデヒド-2,2;トリルアルデヒドpara fg;トリデセナールtrans-2;トリフェルナール;ウンデカジエナール-2,4;ウンデセナールtrans-2;ベルナールアルデヒド;ベルトシトラール;ベルトムガール;ベルチプレナール;ベトラール粗精製;シンナムアルデヒドnat.hm;アセタール:フロロパー;ヘプタナールジエチルアセタール;ノナンジエナールジエチルアセタール;オコウマル;フェニルアセトアルデヒドグリセリンアセタール;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;エステル:ジャスマール;ジャセマール;カリスマール;tiramisone(登録商標)。
【0050】
本発明に係るプロセスのさらなる変形では、香味物質も単独の香味物質の形態でコア材料としてカプセル封入することができ、コア材料は少なくとも1つの単独の香味物質またはその混合物を含む。
【0051】
本発明に従ってカプセル封入されてもよい香味料の典型的な例は、アセトフェノン;カプロン酸アリル;アルファ-イオノン;ベータ-イオノン;アニスアルデヒド;酢酸アニシル;ギ酸アニシル;ベンズアルデヒド;ベンゾチアゾール;酢酸ベンジル;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;ベータ-イオノン;酪酸ブチル;カプロン酸ブチル;ブチリデンフタリド;カルボン;カンフェン;カリオフィレン;シネオール;酢酸シンナミル;シトラール;シトロネロール;シトロネラール;酢酸シトロネリル;酢酸シクロヘキシル;シメン;ダマスコン;デカラクトン;ジヒドロクマリン;ジメチルアントラニル酸;アントラニル酸ジメチル;ドデカラクトン;酢酸エトキシエチル;エチル酪酸;酪酸エチル;カプリン酸エチル;カプロン酸エチル;クロトン酸エチル;エチルフラネオール;エチルグアイアコール;イソ酪酸エチル;イソ吉草酸エチル;乳酸エチル;酪酸エチルメチル;プロピオン酸エチル;ユーカリプトール;ユーゲノール;ヘプチル酸エチル;4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;ガンマ-デカラクトン;ゲラニオール;酢酸ゲラニル;酢酸ゲラニル;グレープフルーツアルデヒド;ジヒドロジャスモン酸メチル(例えば、Hedion(登録商標));ヘリオトロピン;2-ヘプタノン;3-ヘプタノン;4-ヘプタノン;trans-2-ヘプテナール;cis-4-ヘプテナール;trans-2-ヘキセナール;cis-3-ヘキセノール;trans-2-ヘキセン酸;trans-3-ヘキセン酸;酢酸cis-2-ヘキセニル;酢酸cis-3-ヘキセニル;カプロン酸cis-3-ヘキセニル;カプロン酸trans-2-ヘキセニル;ギ酸cis-3-ヘキセニル;酢酸cis-2-ヘキシル;酢酸cis-3-ヘキシル;酢酸trans-2-ヘキシル;ギ酸cis-3-ヘキシル;para-ヒドロキシベンジルアセトン;イソアミルアルコール;イソ吉草酸イソアミル;酪酸イソブチル;イソブチルアルデヒド;イソユーゲノールメチルエーテル;イソプロピルメチルチアゾール;ラウリン酸;レブリン酸;リナロール;酸化リナロール;酢酸リナリル;メントール;メントフラン;アントラニル酸メチル;メチルブタノール;酪酸メチル;酢酸2-メチルブチル;カプロン酸メチル;桂皮酸メチル;5-メチルフルフラル;3,2,2-メチルシクロペンテノロン;6,5,2-メチルヘプテノン;ジヒドロジャスモン酸メチル;ジャスモン酸メチル;酪酸2-メチルメチル;2-ペンテノン酸2-メチル;チオ酪酸メチル;3,1-メチルチオヘキサノール;酢酸3-メチルチオヘキシル;ネロール;酢酸ネリル;trans,trans-2,4-ノナジエナール;2,4-ノナジエノール;2,6-ノナジエノール;2,4-ノナジエノール;ノートカトン;デルタ-オクタラクトン;ガンマ-オクタラクトン;2-オクタノール;3-オクタノール;1,3-オクテノール;酢酸1-オクチル;酢酸3-オクチル;パルミチン酸;パルアルデヒド;フェランドレン;ペンタンジオン;酢酸フェニルエチル;フェニルエチルアルコール;フェニルエチルアルコール;イソ吉草酸フェニルエチル;ピペロナール;プロピオンアルデヒド;酪酸プロピル;プレゴン;プレゴール;シネンサール;スルフロール;テルピネン;テルピネオール;テルピノレン;8,3-チオメンタノン;4,4,2-チオメチルペンタノン;チモール;デルタ-ウンデカラクトン;ガンマ-ウンデカラクトン;バレンセン;吉草酸;バニリン;アセチン;エチルバニリン;イソ酪酸エチルバニリン(3-エトキシ-4-イソブチリルオキシベンズアルデヒド);2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン及びその誘導体(好ましくはホモフラネオール(2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン)、ホモフロノール(2-エチル-5-メチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン及び5-エチル-2-メチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン);マルトール及びマルトール誘導体(好ましくはエチルマルトール);クマリン及びクマリン誘導体;ガンマ-ラクトン(好ましくはガンマ-ウンデカラクトン、ガンマ-ノナラクトン、ガンマ-デカラクトン);デルタ-ラクトン(好ましくは4-メチルデルタデカラクトン、マッソイラクトン、デルタデカラクトン、ツベロラクトン);ソルビン酸メチル;ジバニリン;4-ヒドロキシ-2(または5)-エチル-5(または2)-メチル-3(2H)フラノン;2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン;3-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-2(5H)-フラノン;酢酸イソアミルエステル;酪酸エチルエステル;酪酸n-ブチルエステル;酪酸イソアミルエステル;酪酸3-メチルエチルエステル;n-ヘキサン酸エチルエステル;n-ヘキサン酸アリルエステル;n-ヘキサン酸n-ブチルエステル;n-オクタン酸エチルエステル;グリシド酸エチル3-メチル-3-フェニル;2-trans-4-cis-デカジエン酸エチル;4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキサン;2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール;フェニルアセトアルデヒド;2-メチル-3-(メチルチオ)フラン;2-メチル-3-フランチオール;bis(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド;フルフリルメルカプタン;メチオナール;2-アセチル-2-チアゾリン;3-メルカプト-2-ペンタノン;2,5-ジメチル-3-フランチオール;2,4,5-トリメチルチアゾール;2-アセチルチアゾール;2,4-ジメチル-5-エチルチアゾール;2-アセチル-1-ピロリン;2-メチル-3-エチルピラジン;2-エチル-3,5-ジメチルピラジン;2-エチル-3,6-ジメチルピラジン;2,3-ジエチル-5-メチルピラジン;3-イソプロピル-2-メトキシピラジン;3-イソブチル-2-メトキシピラジン;2-アセチルピラジン;2-ペンチルピリジン;(E,E)-2,4-デカジエナール;(E,E)-2,4-ノナジエナール;(E)-2-オクテノール;(E)-2-ノネナール;2-ウンデセナール;12-メチルトリデカナール;1-ペンテン-3-オン;4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3(2H)-フラノン;グアイアコール;3-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-2(5H)-フラノン;3-ヒドロキシ-4-メチル-5-エチル-2(5H)-フラノン;シンナムアルデヒド;シンナムアルコール;サリチル酸メチル;イソプレゴール及び本明細書で明確に言及されていないこれらの物質のそれぞれ立体異性体、エナンチオマー、位置異性体、ジアステレオマー、cis/trans異性体及びエピマー、これらの物質のエピマーから成る群から選択される。
【0052】
最も好ましくは、香水または香料または香味剤はイソシアネート系マイクロカプセルの調製で使用され、それは、アグルメクスlc;アグルニトリル;アルデヒドc11ウンデシレン酸;アルデヒドc12ラウリン酸;アルデヒドc12mna;アルデヒドc14sog;アルデヒドc16sog.;アリルアミルグリコール酸;アリルカプロン酸;アリルシクロヘキシルプロピオン酸;アリルヘプチル酸;ambrocenide(登録商標)10tec;ambrocenide(登録商標)krist.10%ipm;アンブロキシド;アネトールnat.exステルナニス;アニスアルデヒド純粋;aprifloren(登録商標);ベンジルアセトン;ベンジルサリチル酸;ボルネオール l/イソボルネオール65/35;ブッコブラテロエル(buccoblaetteroel);シトロネロール950;クローナル;サリチル酸シクロヘキシル;シモールpara supra;ダマスコンデルタ;ジヒドロミルセノール;酪酸ジメチルベンジルカルビニル;ジナスコン;ブラシル酸エチレン;酪酸-2エチルメチル;サフラン酸エチル;ユーカリプトールnat.;ユーカリノキ油80/85%;ユーゲノールnat.;farenal(登録商標);ウイキョウ油芳香型甘味nat.;フィルベルトン10%ipm;フィルベルトン;フロロパール;ガルバスコン;ゲラニオール60;globanone(登録商標);へディオン;ハーバフロレート;ハーバネート;ハーブプロピオン酸;酢酸ヘキセニルcis-3;サリチル酸ヘキセニルcis-3;酢酸ヘキシル;酢酸ヘキシル;イソ酪酸ヘキシル;サリチル酸ヘキシル;酪酸イソアミル;酢酸イソボルニル;酪酸-2イソプロピルメチル;イソラルデイン70;ジャバノール;ショウノウdl;クレゾールメチルエーテルp(cr<10ppm);レモニル;リグストラール;リリアル;リナロール;マンガネート;メロナー;炭酸メチルへプチン;炭酸メチルオクチン;ムスセノン;ネオシクロシトラール;ネロリンブロメリア;ネロリンヤラヤラcryst.;ネロリオン;ノルリンバノール;オレンジノエル;オリボン;オゾニル;パチョリentf.;植物油トリグリセリド;フェランドレン画分exユーカリ油;phenirat(登録商標);酢酸フェニルエチル;ローズオキシドhigh cis;sandranol(登録商標);酢酸スチレン;sultanene(登録商標);テルピンガンマ;テトラヒドロリナロール;チンバーシルク;クエン酸トリエチル;ウンデカベルトール;ベルトシトラール;ベルトフィックス;ysamber(登録商標)k及び上記有効成分の混合物から成る群から選択される。
【0053】
本発明に係るプロセスのさらなる変形では、生体起源の成分もコア材料としてカプセル封入することができ、その際、コア材料は少なくとも1つの生体起源の成分またはその混合物を含む。
【0054】
生体起源の成分は生物活性がある有効成分であり、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、カルノチン、カルノシン、カフェイン、(デオキシ)リボ核酸及びその断片化産物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、偽セラミド、精油、植物抽出物、及びビタミン複合体である。
【0055】
本発明に従ってイソシアネート系マイクロカプセルを調製するプロセスでは、第1の工程は、カプセル封入される疎水性の有効成分と一緒に不活性の溶媒または溶媒混合物にて上記に記載されている少なくとも2つのイソシアネート基またはイソチオシアネート基を含有するモノマーを溶解することである。こうして形成された有機疎水性の油性相は内部非水性相を形成する。
【0056】
内部非水性相のための不活性の溶媒には、塩素化ジフェニル、塩素化パラフィン、例えば、綿実油、ピーナッツ油、パーム油のような植物油、リン酸トリクレシル、シリコーン油、フタル酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル、部分的に水素化したテルフェニル、アルキル化ビフェニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエーテル、アリールアルキルエーテル及び高級アルキル化ベンゼン、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、及びこれらの疎水性溶媒の混合物、及び単一のまたは複数のこれらの疎水性溶媒のケロセン、パラフィン及び/またはイソパラフィンとの混合物が挙げられる。好ましくは、植物油トリグリセリド、安息香酸ベンジル、またはミリスチン酸イソプロピルが内部非水性相を提供する溶媒として使用される。
【0057】
内部非水性相は、内部非水性相の総重量を基にして、例えば、20~50重量%、好ましくは25~45重量%、一層さら好ましくは33~40重量%のカプセル封入される疎水性有効成分と、1~8重量%、好ましくは3~7重量%、一層さらに好ましくは5~6重量%のイソシアネートと、100%までの相補的に疎水性の溶媒とを含有してもよい。
【0058】
2以上のイソシアネート基を有する少なくとも1つのイソシアネートと少なくとも1つの疎水性有効成分とを含む内部非水性相は、外部の水性相または親水性相にて乳化されて水中油型エマルションを形成する。
【0059】
外部水性相は少なくとも1つの保護コロイドと少なくとも1つの触媒とを含む。
【0060】
保護コロイドは、沈殿反応、すなわち、固体相が均質な液体相から堆積する反応にて一次粒子が一緒に凝集(集塊、凝集、綿状沈殿、凝固)するのを防ぐ化合物である。保護コロイドはそれ自体がその疎水性部分によって一次粒子に付着し、水性相に向かって極性の、すなわち、親水性の分子部分に変わる。界面へのこの付着を介して、それは界面張力を下げ、一次粒子の集塊を防ぐ。それはまた、エマルションを安定化し、比較的小さな液滴の形成、これにしたがい、対応するマイクロカプセルの形成を促進する。
【0061】
本発明の第1の態様に係るプロセスで使用される保護コロイドは、ジオール、特に、エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、異性体ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、及びポリオール、特に、トリオール、例えば、グリセロール、と同様にそのエトキシル化及びプロポキシル化生成物、トリメチロールプロパン及びそのエトキシル化及びプロポキシル化生成物、ポリビニルアルコール及びその誘導体、例えば、アンモニウム-またはスルホネートで官能化されたポリビニルアルコール、ポリフェノール、好ましくは1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、デンプン、特に、コムギ、ジャガイモ、トウモロコシ、イネ、タピオカまたはオートムギ由来のデンプン、または化学的に、機械的に及び/または酵素的に修飾したデンプン、及び上記化合物の混合物から成る群から選択される。
【0062】
エマルションを安定化させるために外部水性相に加えることができる他の保護コロイドは好ましくは、例えば、Luviskol(登録商標)の名称のもとで市販されているカルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン、と同様に前述の化合物の混合物である。
【0063】
最も好ましくは、ポリオール、ポリフェノールまたはデンプン、特に修飾デンプンは保護コロイドとして使用される。ポリビニルアルコールまたはそのアンモニウム誘導体1,3,5-トリヒドロキシベンゼンまたは修飾デンプンは、本発明に係るマイクロカプセルの製造のための保護コロイドとして特に好ましい。
【0064】
前述の化合物は二重機能を有する:一方でそれらはイソシアネート(複数可)と反応して安定なマイクロカプセルを形成し、他方でそれらは保護コロイドとして作用して固形粒子の集塊を阻止し、エマルションを安定化するので小さな液滴の形成を促進する。
【0065】
驚くべきことに、且つ特に有利なことに、前述の保護コロイドの1つはさらなる保護コロイドとしてのデンプンまたは修飾デンプンと組み合わせて外部水性相で使用される。そのような組み合わせは保護コロイドとイソシアネート(複数可)との間の反応を促進する。
【0066】
最も好ましいのは保護コロイドと修飾デンプンとを組み合わせた使用である。前述の組み合わせの1つの使用は、一方では製剤にて固相が凝集できず、エマルションが安定化され、他方では共同使用が特に安定なマイクロカプセルをもたらすという利点を有する。
【0067】
デンプンまたは修飾デンプンを伴ったポリフェノール、特に1,3,5-トリヒドロキシベンゼンは特に有利な組み合わせであることが判明している。最も好ましいのは1,3,5-トリヒドロキシベンゼンの修飾デンプンとの組み合わせである。
【0068】
1,3,5-トリヒドロキシベンゼンをヒドロキシル基のドナーとして使用してヒドロキシル基がない保護コロイドにて対応する基を提供するので、安定性における増大を提供する。
【0069】
使用される保護コロイドの量、または使用される保護コロイドの組み合わせの量は外部水性相の総重量を基にして1~8重量%、好ましくは2~4重量%、一層さらに好ましくは3~4重量%に及ぶ。
【0070】
外部水性相における保護コロイドの内部非水性相におけるイソシアネートまたはイソチオシアネートに対する比は1:5~1:100の範囲、好ましくは1:10~1:75の範囲、一層さらに好ましくは1:25~1:50の範囲にある。
【0071】
本発明に係るプロセスにおける外部水性相にて使用される触媒は好ましくはジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である。トリエチレンジアミン(TEDA)としても知られるDABCOは二環式3級アミンである。DABCOはポリウレタンプラスチックの製造に触媒として使用される。遊離の電子対を持つ3級アミンは内部非水性相におけるイソシアネートと外部水性相における保護コロイドとの間の反応を促進する。
【0072】
触媒が外部水性相に加えられる量は外部水性相の総重量を基にして0.001~1重量%の範囲、好ましくは0.02~0.75重量%の範囲、特に好ましくは0.05~0.5重量%の範囲にある。しかしながら、反応が遅い重合の場合、触媒を増やすこともできる。
【0073】
エマルションの形成(液体有効成分の場合)または懸濁液の形成(固体有効成分の場合)は、すなわち、外部の水性または親水性の相による内部の非水性または油性の相の乳化または懸濁は、高い乱流または強い剪断、得られるマイクロカプセルの直径を決定する乱流または剪断の強度のもとで行われる。マイクロカプセルの製造は連続的であることができ、または非連続的であることができる。水性相の粘度が増大するにつれてまたは油性相の粘度が低下するにつれてカプセルのサイズは一般に低下する。
【0074】
驚くべきことに、保護コロイド、好ましくはポリオールの存在下で外部水性相にて内部非水性相が乳化される、または懸濁される場合、カプセルシェルまたはカプセル壁は乳化されたまたは懸濁されたカプセル封入される、本発明に係るマイクロカプセルのコアを形成する疎水性粒子の界面で界面重合によってコアの近傍に形成されることが見いだされた。形成はポリイソシアネートの保護コロイド、好ましくはポリオールとのポリ付加反応に基づき、以下の式に従ってポリウレタンのカプセルシェルまたはカプセル壁を形成する:
O=C=N-R-N=C=O + -(CH2-CH(OH)-)n- → -(R-O-CO-NH-R-NH-CO-O-)n
【0075】
これは気体の発生及び二酸化炭素の放出によって示される。
本発明に係るイソシアネート系マイクロカプセルの製造について、外部水性相が溶解されたまたは分散されたさらなる保護コロイド及び/または安定剤及び/または乳化助剤を任意で含有していれば、それは有利であることができる。そのような薬剤は、例えば、水性相の総重量を基にして0.05~5重量%、好ましくは0.1~4重量%の量で加えることができる。
【0076】
好ましくは、外部水性相は内部非水性(油性)相と外部水性相の分離を防ぐためにエマルション/スラリーを安定化させる安定剤も含有する。本発明に係るイソシアネート系マイクロカプセルを調製するための好ましい安定剤はスルホネート基を有する主としてアクリル系のコポリマーである。好適なのはまた、アクリルアミドとアクリル酸のコポリマー、アクリル酸アルキルとN-ビニルピロリドンのコポリマー、例えば、LUVISKOL(登録商標)K15、K30またはK90(BASF);ポリカルボン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ビニル及びメチルビニルエーテル-無水マレイン酸コポリマー、と同様にエチレン、イソブチレンまたはスチレン-無水マレイン酸コポリマー、例えば、VIVAPUR(登録商標)の名称のもとで市販されている微細結晶性セルロース、ディウタンガム、キサンタンガムまたはカルボキシメチルセルロースである。
【0077】
使用される安定剤の量は各場合、外部水性相に基づいて0.01~10重量%の範囲、及び特に0.1~3重量%の範囲にあることができる。
【0078】
任意で、本発明に係るプロセスにて乳化剤、好ましくはO/W乳化剤を使用して外部水性相における内部非水性相の油滴の均質な分布を可能にし、エマルションを安定化する。こうして得られる懸濁液を安定化するために外部水性相にて固形の不溶性有効成分を混合することについても同様である。
【0079】
好適な乳化剤には、例えば、以下の群:
・8~22の炭素原子を含有する直鎖脂肪アルコール、12~22の炭素原子を含有する脂肪酸、アルキル基にて8~15の炭素原子を含有するアルキルフェノール及びアルキルラジカルにて8~22の炭素原子を含有するアルキルアミンに対する2~30モルのエチレンオキシド及び/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物;
・アルキル/アルケニルラジカルにて8~22の炭素原子を持つアルキルオリゴグリコシド及び/またはアルケニルオリゴグリコシド及びそれらのエトキシル化類似体;
・ヒマシ油及び/または硬化ヒマシ油に対する1~15モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・ヒマシ油及び/または硬化ヒマシ油に対する15~60モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・12~22の炭素原子を含有する不飽和直鎖または飽和分岐鎖の脂肪酸及び/または3~18の炭素原子を含有するヒドロキシカルボン酸によるグリセロール及び/またはソルビタンの部分エステル、及び1~30モルのエチレンオキシドによるそれらの付加体;
・12~22の炭素原子を含有する飽和及び/または不飽和の直鎖または分岐鎖の脂肪酸及び/または3~18の炭素原子を含有するヒドロキシカルボン酸によるポリグリセロール(2~8の平均自己縮合度)、ポリエチレングリコール(分子量400~5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)及びポリグルコシド(例えば、セルロース)の部分エステル、と同様に1~30モルのエチレンオキシドによるそれらの付加体、好ましくはCremophor(登録商標);
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪アルコールの混合エステル及び/または6~22の炭素原子を持つ脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル;
・リン酸モノアルキル、リン酸ジアルキル及びリン酸トリアルキル、と同様にリン酸モノPEG-アルキル、ジPEG-アルキル及びトリPEG-アルキル、及びそれらの塩;
・羊毛脂アルコール;
・ポリシロキサン-ポリアルキル-ポリエーテルコポリマーまたは対応する誘導体;ブロックコポリマー、例えば、ポリエチレングリコール-30ジポリヒドロキシステアレート;ポリマー乳化剤、例えば、GoodrichのPemulen等級(TR-1、TR-2)またはCognisのCosmedia(登録商標)SP;
・ポリアルキレングリコール及び炭酸グリセロール
の少なくとも1つに由来する非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0080】
イソシアネート系マイクロカプセルを製造する本発明のプロセスで使用することができる典型的なアニオン性乳化剤は12~22の炭素原子を持つ脂肪族脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、及び12~22の炭素原子を持つジカルボン酸、例えば、アゼライン酸またはセバシン酸である。
【0081】
さらに、双性イオン界面活性剤はイソシアネート系マイクロカプセルの製造のための本発明のプロセスにて乳化剤として使用することができる。双性イオン界面活性剤という用語は、分子にて少なくとも1つの四級アンモニウム基と少なくとも1つのカルボキシレートと1つのスルホネート基を運ぶ表面活性がある化合物を記載するのに使用される。特に好適な双性イオン界面活性剤は、例えば、グリシン酸N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム、例えば、グリシン酸ココアルキルジメチルアンモニウム、グリシン酸N-アシルアミノプロピルN,N-ジメチルアンモニウム、たとえば、ジメチルアンモニウムグリシン酸ココアシルアミノプロピル、及びそれぞれアルキル基またはアシル基に8~18のC原子を有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、と同様にカルボキシメチルグリシン酸ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルのようないわゆるベタイン類である。CTFA指定のもとで知られる脂肪酸アミド誘導体であるココアミドプロピルベタインは特に好ましい。また、好適な乳化剤は両性イオン界面活性剤である。両性イオン界面活性剤は、分子におけるC8/C18のアルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離のアミノ基及び少なくとも1つの-COOH基または-SO3H基を含有し、且つ内部塩を形成することができる表面活性がある化合物である。好適な両性イオン界面活性剤の例は、それぞれアルキル基にて約8~18の炭素原子を有するN-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性イオン界面活性剤はN-ココスアルキルアミノプロピオネート、ココスアシルアミノエチルアミノプロピオネート、及びC12/18-アシルサルコシンである。最終的に、カチオン性界面活性剤も乳化剤として好適であり、エステルクワット型のもの、好ましくはメチル-四級化二脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
【0082】
乳化剤は、それぞれ外部水性相の総重量を基にして約0.5重量%~約10重量%、好ましくは約1重量%~約5重量%の量で外部水性相に加えられてもよい。
【0083】
マイクロカプセルの分散液を製造するための本発明に係るプロセスは、例えば、「インライン」法を用いて実施することができる。このプロセスでは、強制測定ポンプによって先ず、内部非水性相と外部水性相とが乳化タービンに別々に供給され、1200~1500L/時間のスループット体積で乳化タービンに入る直前または乳化タービンにて混ぜ合わせられる。
【0084】
内部非水性相の外部水性相に対する重量比は10:90~60:40の範囲、好ましくは30~70~50~60の範囲にある。
【0085】
加えて、イソシアネート系マイクロカプセルを製造するための本発明に係るプロセスはまた従来の分散装置または乳化装置でも実施することができる。
【0086】
本発明に係る方法における乳化または懸濁のプロセスは、10~50μm±5μmのカプセルサイズが達成されるまで、0.5~10分、好ましくは0.75~4分、最も好ましくは1~2.5分の時間、有利に実施される。
【0087】
本発明に係るプロセスのその後の工程では、1000~1500rpmの撹拌速度、好ましくは1200rpmの撹拌速度で撹拌することによってカプセルシェルまたはカプセル壁の材料の最初の架橋も実施される。最初の架橋は酸性pHで反応するアミンを加えることによって行われ、コア材料を封入しているカプセルシェルを架橋し、安定させる。
【0088】
カプセルシェルの形成について特に有利な結果はアミンとの最初の架橋が2~7の酸性pHで生じる、好ましくは2~6のpHで生じる、最も好ましくは3~5のやや酸性pHで生じるとき得られる。このために、酸、例えば、ギ酸または酢酸が外部水性相に添加され、上記範囲でのpHが調整される。
【0089】
酸性のpH範囲で最初の架橋を実施することは、アルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を伴う疎水性の有効成分がイソシアネートまたはイソチオシアネートを架橋する最初の反応工程の間に鹸化しない塩基性環境における架橋よりも利点を有する。
【0090】
これは、カプセル封入される有効成分(複数可)、例えば、香油が化学的に変えられて、一方で有効成分の喪失をもたらし、他方でエマルションが不安定になるのを阻止する。
【0091】
一層さらに好ましくは、最初の架橋工程は20℃~30℃の温度で行われる。
【0092】
酸性pHで反応するアミンは、塩基性アミノ酸及びそれらの塩酸塩、特に塩酸リジンまたは塩酸オルニチンから成る群から選択される。架橋剤として最も好ましいのは塩酸リジンである。
【0093】
最初の架橋剤はそのまま、例えば、固形物として、または水溶液の形態でエマルションに添加される。
【0094】
最初の架橋剤は0.5~2モル/L、好ましくは1モル/Lの濃度で水溶液に存在する。溶液は4~7のpHを有する。
【0095】
本発明に係るプロセスにおける最初の架橋は約10分~20分の時間、好ましくは12~18分の時間、最も好ましくは約15分の時間、実施される。
【0096】
最初の架橋工程には、アルカリ性pHで反応してポリウレアマトリクスを形成するアミンを添加することによるカプセルシェルまたはカプセル壁の材料のさらなる架橋工程が続く。
【0097】
カプセル形成について特に有利な結果は、アルカリ性pHで反応するアミンによるさらなる架橋が7~14のアルカリ性pHで、好ましくは7~10のアルカリ性pHで、最も好ましくは7~8のアルカリ性pHで生じるときに得られた。
【0098】
一層さらに好ましくは、さらなる架橋の工程は35℃~50℃の温度で実施される。
【0099】
アルカリ性pHで反応するアミンはジアミン、トリアミン及びポリアミン及び炭酸グアニジニウムから成る群から選択される。最も好ましいのは別の架橋剤としての炭酸グアニジニウムである。
【0100】
さらなる架橋剤はそのまま、例えば、固形物として、または水溶液の形態でエマルションに添加される。
【0101】
さらなる架橋剤は0.5~2モル/L、好ましくは1モル/Lの濃度で水溶液に存在する。溶液は7~14のpH、好ましくは12のpHを有する。
【0102】
アルカリ性pHで反応するアミンを添加することによってエマルションのpHはさらに高いpH値に変わる。最終生成物、すなわち、最終的なカプセルスラリーのpHは5~8、好ましくは6~7のpHである。
【0103】
したがって、本発明に係るイソシアネート系マイクロカプセルの製造の本質的な特徴は、最初の架橋を酸性pHで実施し、その後のさらなる架橋をアルカリ性pHで実施することである。
【0104】
pH勾配に起因して、線形ポリウレアマトリクスによるカプセルシェルが最初の架橋の間に、好ましくは酸性pHで最初に形成される。その後のさらなる架橋の間に好ましくは塩基性pHにてカプセルシェルはさらに架橋され、空間的に架橋されたポリウレアマトリクスが形成される。
【0105】
2回の架橋工程の間に、再び生じるマイクロカプセルを直ちに破壊しないように撹拌力を、例えば、約800~1200rpmの撹拌速度に低下させる。
【0106】
カプセルシェルまたはカプセル壁の架橋及び形成を完了した後、本発明のプロセスによって製造されたカプセルは水性の分散液またはスラリーの形態で粗製のマイクロカプセルとして存在する。
【0107】
架橋の後、スラリーにおけるマイクロカプセルは未だに柔軟性のあるシェルを有し、それは特に安定ではないので破れやすい。このために、シェルの硬化を実施する。硬化はスラリーを70℃の温度、好ましくは60~65℃の範囲での温度に徐々に上げることによる温度変化によって引き起こされる。硬化はふつう2~4時間の時間にわたって実施される。
【0108】
加えて、硬化のために外部水性相に物質を添加することは有利である。このために、天然植物タンニンのタンニン型を使用し、それは化学的な視点から、特に熱帯及び亜熱帯における双子葉植物の低木、灌木及び葉に見いだされるようなプロアントシアニジンである。テルペンは一般に500~3,000KDaの範囲での分子量を有する。好適なタンニンの好ましい例はコリガリンである。硬化のために粗製のマイクロカプセルを含有する水性分散液にタンニンの水性調製物を加える。通常、タンニンはマイクロカプセルを基にして約0.1重量%~約2重量%、好ましくは約0.5重量%~約1.5重量%の量で加えられる。
【0109】
マイクロカプセルの有用性の重要な基準はコア材料のカプセル壁材料に対する重量比である。一方では、目標は、カプセルが考えられる最高の利用価値を有するのを可能にするコア材料の考えられる最高の比率を達成することであり、他方では、カプセルにとってカプセルの安定性を確保するのに十分な比率のカプセル壁材料を依然として有することが必要である。
【0110】
本発明によれば、マイクロカプセルが50:50~90:10、好ましくは70:30~80:20であるコア材料のカプセル壁材料に対する重量比を有するような方法でマイクロカプセルを設計することが特に有利であると分かっている。
【0111】
硬化の後、本発明に係るプロセスによって製造されたマイクロカプセルは水における分散物として存在し、それはマイクロカプセル分散液とも呼ばれる。この形態で、マイクロカプセルは基本的にいつでも販売する準備ができているが、保存目的ではそれらを乾燥させることが推奨される。
【0112】
原則として、凍結乾燥のようなプロセスをこれに使用することができるが、例えば、流動床における噴霧乾燥が好ましい。乾燥プロセスを支え、このプロセスの間カプセルを保護するさらなる多糖類、好ましくはデキストリン、特にマルトデキストリンを約20~約50℃、好ましくは約40℃の温度で分散液に加えることが有利であると判明している。使用される多糖類の量は分散液におけるカプセル質量に基づいて約50~約150重量%、好ましくは約80~120重量%であってもよい。
【0113】
噴霧乾燥はそれ自体、約170~約200℃、好ましくは約180~185℃の注入口温度及び約70~80℃、好ましくは約72~78℃の排出口温度で従来の噴霧システムにて連続的にまたは数回に分けて実施することができる。
【0114】
本発明に係るプロセスは疎水性有効成分、特にアルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を示す疎水性有効成分をカプセル封入するのに使用される。マイクロカプセルは優れた安定性及び放出能を特徴とする。
【0115】
驚くべきことに、以下の実施形態で示すように、本発明に係るプロセスを使用してさらに、得られるマイクロカプセルの安定性を喪失するまたは劣化させることなくカプセルシェルまたはカプセル壁の材料の量を最大50%まで減らしたマイクロカプセルを製造することができる。その結果、カプセル封入される有効成分の同じ量を維持しながら出発物質の量を減らしてマイクロカプセルを製造することができる。
【0116】
加えて、本発明のプロセスによって製造されるマイクロカプセルはホルムアルデヒドを含まない。
【0117】
別の態様では、本発明は本発明のプロセスに従って製造されるマイクロカプセルに関する。
【0118】
以下のデータから分かることができるように、保護コロイド及び触媒の存在下での乳化と、酸性pHで反応性のアミンによる及びアルカリ性pHで反応性のアミンによるイソシアネート系シェル材料の2工程架橋とが安定なマイクロカプセルを作り出す。特に、安定なマイクロカプセルはアルデヒド、カルボン酸またはエステルの官能性を持つ高い比率の有効成分を有するコア材料で形成される。
【0119】
本発明に係るマイクロカプセルを10×の拡大で
図1にて説明する。カプセルシェルの構造は光学顕微鏡で観察することができる。油滴は製造プロセスの開始時に目で見ることができる一方でくぼみがあるマイクロカプセルは架橋、加熱及び冷却の後で見ることができる。
【0120】
本発明に係るプロセスによって製造されるマイクロカプセルは以下のパラメーターのサイズ分布を特徴とすることができる:
・d(0.1)値:カプセルの10%はこの値より小さい;
・d(0.5)値:カプセルの50%はこの値より大きく、カプセルの50%は小さい。
・d(0.9)値:カプセルの10%はこの値より大きい。
【0121】
粒度を決定するために、動力学過程の一部として本発明のマイクロカプセルを水に分散し、次いでレーザー回折によって粒度を決定する。カプセルのサイズに応じて、レーザー光線が異なって屈折されるのでサイズに変換することができる。このためにMie理論を使用した。粒子の測定にはMALVERN Mastersizer3000を使用した。
【0122】
本発明に係るマイクロカプセルは、
図2で説明しているように10~50μmのd(0.5)値、好ましくは20~30μmのd(0.5)値での粒度分布、及び10~120μmのd(90)値、好ましくは60~90μmのd(90)値での粒度分布を有することを特徴とする。
【0123】
図3は従来技術のマイクロカプセルの粒度分布(d(0.5)値)を示す。香油4及び5については、サイズ調整が可能でなかったことは注目に値する。
【0124】
本発明に係るプロセスによって製造されるマイクロカプセルはさらに、
図4及び5で説明しているように本発明に係るマイクロカプセルについて特徴的に-5~-15mVであるゼータ電位を有することを特徴とする。好ましくは、ゼータ電位は-10mVである。各マイクロカプセルがゼータ電位を有する。ゼータ電位はカプセル封入される有効成分、特に香油に無関係であるが、それにもかかわらずカプセルシェルのポリマーに依存する。本発明に係るマイクロカプセルの製造の間でのゼータ電位における変化に起因して、エマルションにおける粒子の表面、したがって表面電荷(ゼータ電位)が変化するので、新しいポリマーまたはシェルが形成されていることを証明することが可能である。触媒なしで製造される本発明に係るマイクロカプセルは-27mVのゼータ電位を有する。従来技術のマイクロカプセルは±0mVのゼータ電位を有する。測定の文脈では、Smoluchowskiの理論が適用された。MALVERN ZetasizerナノZSを使用してゼータ電位を測定した。
【0125】
分散媒にマイクロカプセルを添加することに由来するシグナルの強度にかかわらず、触媒の使用及びポリウレタン形成反応の随伴する加速は-27mVの偏位するゼータ電位の特徴であるので、本発明に係るマイクロカプセルについてのゼータ電位が-5~0mVであることは
図4及び
図5から明らかである。
【0126】
したがって、本発明の別の態様は
・少なくとも1つの疎水性薬剤を含むまたはそれから成るコア;と
・最初の工程にて保護コロイドと触媒の存在下、酸性pHで反応するアミンによって及びさらなる工程にてアルカリ性pHで反応するアミンによって架橋される2以上のイソシアネート基を有するイソシアネートを含むカプセルシェルとを含む、またはそれらから成るマイクロカプセルである。
【0127】
驚くべきことに、本発明のプロセスによって製造されるマイクロカプセルは、マイクロカプセルのコアの近傍でのポリウレタンの第1の層とマイクロカプセルの外縁でのポリウレアの第2の層とで形成される層状のシェル構造または多分子層のカプセルシェルもしくはカプセル壁を有することが見いだされた。
【0128】
したがって、好ましい変形では、本発明はカプセルシェルがポリウレタンの第1の層とポリウレアの第2の層とを含む、またはそれらから成ることを特徴とするイソシアネート系マイクロカプセルに関する。
【0129】
マイクロカプセルの優れた安定性及び傑出した放出能力と本発明に係るマイクロカプセルによって広範な疎水性有効成分をカプセル封入する可能性に起因して、本発明に係るイソシアネート系マイクロカプセルは香りを付けること及び風味を付けることについての広範な応用に使用することができる。
【0130】
したがって、さらなる態様では、本発明は最終的に、洗剤、布地柔軟剤、洗浄剤、液状形態または固形状形態における香りブースター(香料増強剤)、化粧品、パーソナルケア製品、農業製品または医薬製品の製造のための本発明に係るマイクロカプセルの使用、または本発明に係るマイクロカプセルを含む懸濁液の使用に関する。
【0131】
本発明に係るマイクロカプセルの使用の特に好適な形態は懸濁液の形態でそれらを最終製品に加えることである。したがって、本発明はまた、液体、特に水における上記に記載されているマイクロカプセルの懸濁液にも関する。そのような懸濁液は、マイクロカプセルの重量比率が約20~60重量%、特に約25~50重量%、さらに好ましくは約30~35重量%であるようにそれが設計されれば特に有利な特性を示す。
【0132】
そのような懸濁液の分離を防ぐ、したがって高い保存安定性を達成するために、12~1500mPasの粘度を有することが懸濁液には有利であることが判明している。懸濁液の所望の粘度を得るために、好ましくは増粘剤が使用される。
【0133】
本発明に係るマイクロカプセルは、その後、種々の洗浄剤製品に使用することができる疎水性の香料または芳香物質の包含に特に好適である。
【0134】
したがって、本発明はまた特に、洗濯洗剤、特に液状洗濯洗剤、布地柔軟剤、洗浄剤、液状形態または固形状形態における香りブースター(香料増強剤)、化粧品、パーソナルケア製品、特にシャワージェル、シャンプー、脱臭剤及び/またはボディローションの成分としての記載されているマイクロカプセルの使用にも関する。
【0135】
前述の製品におけるマイクロカプセルの比率は製品の総重量を基にして0.05~15重量%、好ましくは0.2~5重量%である。
【実施例】
【0136】
本発明のマイクロカプセル及びその有利な特性を以下の実施例を参照してさらに詳細に説明する。
【0137】
以下に列挙する安定性試験は50℃で実施した。
【0138】
実施例1
触媒(DABCO)、20~30℃での最初の架橋剤(塩酸リジン)及び35~50℃での別の架橋剤(炭酸グアニジニウム)の有無にて本発明の方法に従って調製したマイクロカプセルの安定性データ。ポリビニルアルコールを保護コロイドとして使用した。
【0139】
安定性試験は、マイクロカプセルが1重量%の量で組み込まれた代表的な柔軟剤(布地柔軟剤)を用いて行った。次いで柔軟剤を以下で述べた期間保管した。
【0140】
カプセルの内容物をGC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分光法)によって分析した。カプセル内の香油含量は標準との比較測定によって決定した。例えば、64%の結果は元々使用した香油の量の36%がもはやカプセル内にないことを意味する。
【0141】
【0142】
香油4~6はエステル、アルデヒド、及びカルボン酸の官能性を持つ成分の高い比率を特徴とする。本発明に係る方法によって、そのような香油について優れた安定性データも得られる。
【0143】
実施例2
さまざまな保護コロイドとともに本発明の方法によって調製したマイクロカプセルの安定性データ:5.0のpHでの塩酸リジンによる架橋;カプセル封入された油:カレンデルタ-3nat、カリオフィレンnat.rect.、フェランドレンI、ピネネアルファlaevo nat.、テルピネンガンマ、ベルドラシン。
【0144】
【0145】
マイクロカプセルはすべて優れた安定性データを示す。PVOHのアンモニウム誘導体を使用すると安定性はやや低下するが、それはヒドロキシル基の数が低下したことによる。
【0146】
実施例3
香油4の実施例にてシェルの縮小を実施した。内部非水性相でのモノマー(イソシアネート)の含量を減らした。
【0147】
【0148】
10日後に>40%の残留油含量があるカプセルは安定であると見なされる;この場合、シェルは50%減らすことができる。
【0149】
実施例4
従来技術のカプセル封入技術によって及び本発明に係る方法によって製造されたマイクロカプセルの安定性の比較
【0150】
マイクロカプセルを以下のように調製した。
【0151】
従来技術のカプセル封入技術:架橋:ポリウレアのネットワークのみ;触媒:なし;保護コロイド:ポリビニルアルコール;pH:9。
【0152】
本発明に係るプロセス:香油に加えた溶媒に溶解した2つのイソシアネートの非水性相;ポリビニルアルコールとDABCOの水性相;乳化プロセス:酸性pH範囲(pH:4~7)で反応する塩酸リジンの添加;アルカリ性pH範囲(pH:7~14)で反応する炭酸グアニジニウムの添加;最終的なカプセルスラリーのpH:5~8。
【0153】
【0154】
従来技術のカプセル封入技術と比べて、本発明に係るカプセル封入技術は普遍的に適用できる一方で、従来技術はエステル、アルデヒド及びカルボン酸の官能性の比率が高い香油について安定性で強い下落を示す。本発明に係るカプセル封入技術は、特に香油4~6について安定性の増大を示す一方で香油1~3についての安定性はやや低い。
【0155】
実施例5
カプセルシェルの多分子層の形成
【0156】
【0157】
種々の保護コロイドを使用することによって、本発明に係るプロセスで多分子層のカプセルシェルまたはカプセル壁が形成されることが実証されてもよい。さらなるヒドロキシル基を加えることなくプロセスにて保護コロイドとしてポリビニルアルコール(PVOH)のアンモニウム誘導体を使用し、グリセロールをプロセスに追加的に加えた場合よりもカプセル安定性は有意に低かったが、それによってマイクロカプセルの安定性の増大が観察された。ヒドロキシル基を選択的に除外すること(「PVOHのアンモニウム誘導体を伴う本発明に係るカプセル」を参照のこと)によって、且つヒドロキシル基を選択的に加えること(「PVOHのアンモニウム誘導体及びグリセロールを伴う本発明に係るカプセル」を参照のこと)によって、安定性を大きく増大させるポリウレタン層の形成を実証することができる。
【0158】
実施例6
本発明に係るマイクロカプセルの官能評価
【0159】
マイクロカプセルの官能評価を以下のように行った。
図6に列挙したようなマイクロカプセルを布地柔軟剤に組み込み、次いで洗浄した。綿とポリエステルで出来た混合繊維布にて知覚臭気試験を実施した。
【0160】
最先端カプセル:10日間50℃、28%香油
本発明に係るシェルを減らしたカプセル:10日間50℃、59%香油
【0161】
24の試験対象は1(臭気なし)~9(非常に強い臭気)の尺度で洗浄後の混合繊維布の香り強度で格付けされた。
【0162】
本発明に係るマイクロカプセルは実際には従来技術のマイクロカプセルと同じ匂いを有する。ここでの利点は本発明に係るマイクロカプセルの安定性にある。香油を基にしてポリマーが1:20から1:40に減ったにもかかわらず、それらは高い安定性を有する。
【0163】
上記に記載されている有利な特性に起因して、従来技術由来のマイクロカプセルと比べて本発明に係るマイクロカプセルで一貫した品質及びその結果、感覚的な安定性を長期間期待することができる。従来技術由来のマイクロカプセルは製造の直後、本発明に係るマイクロカプセルと同じくらい良好であるだけにすぎない。しかしながら、時間の経過と共にそれらは油をさらに急速に失うので本発明に係るマイクロカプセルよりも弱い匂いしか有さない。