(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】高厚のスピンオンカーボンハードマスク組成物及びこれを用いたパターニング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/312 20060101AFI20230424BHJP
C08L 65/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
H01L21/312 A
C08L65/00
(21)【出願番号】P 2021556356
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2020004041
(87)【国際公開番号】W WO2020209527
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0041402
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515126259
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ギフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0087101(KR,A)
【文献】国際公開第2018/070785(WO,A1)
【文献】特開2016-222893(JP,A)
【文献】特表2010-529499(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109188866(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/312
C08L 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式2、3又は4で表される構造を有する重合体として、
1,900乃至10,500の重量平均分子量を有する
重合体1乃至50重量%;
有機溶媒50乃至98重量%;及び
界面活性剤0超過乃至2重量%;を含むことを特徴とする、スピンオンカーボンハードマスク組成物。
[化学式2]
[化学式3]
[化学式4]
(前記化学式2乃至4中、lとmとnはそれぞれ1≦l≦40、1≦m≦40、1≦n≦40の範囲である。)
【請求項2】
前記有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、エチルラクテート(EL)、メチルエチルケトン、n-ブチルアセテート、N-メチルピロリドン(NMP)、メチル3-メトキシプロピオネート(MMP)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)又はジメチルホルムアミド(DMF)の中から選ばれた1種またはこれらの2種以上の混合物よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項
1に記載のスピンオンカーボンハードマスク組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン類から選ばれた1種またはこれらの2種以上の混合物よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項
1に記載のスピンオンカーボンハードマスク組成物。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のスピンオンカーボンハードマスク組成物をスピン塗布によって被エッチング層の上部に塗布する工程、及びベーク工程を行ってハードマスク層を形成させるパターニング方法。
【請求項5】
前記ベーク工程は150℃乃至400℃の温度で1乃至5分間行う、請求項
4に記載のパターニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体リソグラフィー工程に有用な高厚のハードマスク組成物に係り、特に、優れた溶解度特性により高厚を実現することができるハードマスク組成物及びパターニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの小型化及び集積化に伴って微細パターンの実現が要求されており、このような微細パターンを形成する方法としては、露光装備の開発又は追加工程の導入によるフォトレジストパターンの微細化が効率的である。
半導体装置の集積密度を増加させ、より微細なナノメートル範囲の寸法を有する構造形成を可能にするための方法として、高解像能を有するフォトレジスト及びフォトリソグラフィー工程ツールが開発されている。
【0003】
半導体を製造する工程において、過去には波長365nmのi-line光源を用いて半導体基板にパターンを形成したが、より微細なパターンを形成するために、より小さな波長帯の光源を必要とするようになった。
実際に、KrF(248nm)をはじめとしてArF(198nm)、EUV(extreme ultra violet-極紫外線、13.5nm)光源を用いたリソグラフィー(lithography)技術が開発され、現在商用化されているか或いは商用化中にあり、これを用いてさらに微細な波長を実現することができるようになった。
パターンの大きさが小さくなるにつれて、フォトレジストパターンの倒れ現象を防止するためにフォトレジストの厚さが次第に薄くなった。薄くなったフォトレジストパターンを用いて被エッチング層をエッチングすることができなくなってフォトレジスト層と被エッチング層との間にエッチング耐性に優れた膜質を導入するようになった。この膜質をハードマスクと称した。ハードマスク工程は、フォトレジストパターンを用いてハードマスクをエッチングしてパターニングした後、ハードマスクのパターンを用いて被エッチング層をエッチングする工程をいう。前記ハードマスク膜は、化学気相蒸着(Chemical vapor deposition:CVD)方法、またはスピンオンコーティング(Spin On Coating)方法で製造される。
【0004】
CVD法によって製造されたハードマスク膜は、蒸着器の使用による初期費用の増加と工程時間の増加、パーティクル問題などの欠点により、ハードマスク工程を蒸着ではなく、スピン塗布が可能な材料を用いて行って費用と工程時間を短縮しようとする努力が続けられてきた。
スピンオンコーティング法によるハードマスク工程は、CVD法に比べて初期投資費用が少なく、コーティング性が均一であり、コーティング厚さを容易に制御することができ、工程時間を短縮することができるなどの利点がある。
一方、最近、半導体工程がさらに微細化されるにつれて線幅を減らすためにハードマスク膜層の高さをより高くすることができる、高厚の実現が可能である、優れた溶解性を有する、改善された新しいハードマスク膜材料の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、半導体製造工程中に高厚を実現することができるスピンオンカーボンハードマスクを用いたパターニング方法及び組成物に関するもので、溶解度に優れたハードマスク組成物及びこの組成物を用いたパターニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一具現例によれば、下記化学式1で表される構造を有し、2,000乃至200,000の重量平均分子量を有することを特徴とする、スピンオンカーボンハードマスク組成物を提供する。
【0007】
[化学式1]
式中、lとmとnはそれぞれ1≦l≦40、1≦m≦40、1≦n≦40の範囲であり、
R
1は水素(H)、ヒドロキシ基(OH)、
のうちのいずれか一つを含み、
R
2は、
のうちのいずれか一つを含み、
R
3は、
のうちのいずれか一つを含む。
前記式のR
1におけるX
1乃至X
35は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のC
1乃至C
3のアルキル基またはこれらの組み合わせを含む。
本発明の他の一具現例によれば、前記化学式1で表される重合体1重量%乃至50重量%、有機溶媒50重量%乃至99重量%、及び界面活性剤0乃至2重量%を含むハードマスク組成物を提供する。
【0008】
本発明の他の一具現例によれば、前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、エチルラクテート(EL)、メチルエチルケトン、n-ブチルアセテート、N-メチルピロリドン(NMP)、メチル3-メトキシプロピオネート(MMP)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)、及びジメチルホルムアミド(DMF)の中から選ばれた1種またはこれらの2種以上の混合物よりなる群から選択されるものであることができる。
【0009】
本発明の他の一具現例によれば、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン類などの非イオン性界面活性剤から選ばれた1種またはこれらの2種以上の混合物よりなる群から選択されるものであることができる。
【0010】
本発明の他の一具現例によれば、前記組成物をスピン塗布によって被エッチング層の上部に塗布し、ベーク工程を行ってハードマスク膜層を形成させるパターニング方法を提供する。
本発明の他の一具現例によれば、前記ベーク工程は、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による高厚を有するハードマスク組成物は、優れた溶解度特性を有することにより高厚を実現することができ、エッチング選択性が高く、多重エッチングに対する耐性が十分であって半導体微細パターンの形成時に優れた性能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1で製造された重合体の
1H-NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、下記化学式1で表される構造を有し、2,000乃至200,000の重量平均分子量、好ましくは2,500乃至20,000の重量平均分子量、さらに好ましくは3,500乃至15,000の重量平均分子量を有することを特徴とする、スピンオンカーボンハードマスク組成物を提供する。
【0014】
[化学式1]
式中、lとmとnはそれぞれ1≦l≦40、1≦m≦40、1≦n≦40の範囲であり、
R
1は水素(H)、ヒドロキシ基(OH)、
のうちのいずれか一つを含み、
R
2は、
のうちのいずれか一つを含み、
R
3は、
のうちのいずれか一つを含む。
前記式のR
1におけるX
1乃至X
35は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のC
1乃至C
3のアルキル基またはこれらの組み合わせを含む。
前記式のR
2は、主に酸(acid)触媒条件の下でなされ、形成された高分子物質の有機溶媒に対する溶解性を増加させる役割を果たす。
前記式のR
3は、主に全体高分子構造の熱硬化反応性及びエッチング選択比を改善するための役割を果たす。
【0015】
前記化学式1で表される重合体は、2,000乃至200,000の重量平均分子量を有することを特徴とし、好ましくは2,500乃至20,000、さらに好ましくは3,500乃至15,000の重量平均分子量を有する。
前記化学式1で表される重合体の重量平均分子量が2,500未満である場合には、十分な量のポリマー構造が生成されなくてエッチング耐性が低下し、20,000を超える場合には、コーティングされた面の物性が不均一であるおそれがある。
【0016】
前記ハードマスク組成物は、前記化学式1で表される重合体1重量%乃至50重量%、有機溶媒50重量%乃至99重量%、及び界面活性剤0乃至2重量%を含むことができる。
前記重合体成分が1重量%未満であるか或いは50重量%を超える場合には、目的とするコーティング厚さ未満又は超過になって正確なコーティング厚さを合わせ難く、コーティング厚さを超える場合には、コーティング性が悪くなるおそれがある。
前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、エチルラクテート(EL)、メチルエチルケトン、n-ブチルアセテート、N-メチルピロリドン(NMP)、メチル3-メトキシプロピオネート(MMP)、エチル3-エトキシプロピオネート(EEP)、及びジメチルホルムアミド(DMF)の中から選ばれた1種またはこれらの2種以上の混合物よりなる群から選択されるものであることができる。
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン類などの非イオン性界面活性剤の単独或いはこれらの混合物よりなる群から選ばれるものを使用することができる。
前記界面活性剤は、表面張力を下げて広がり性又は浸透性を増大させることにより、コーティング性又はギャップフィル(Gapfill)性能に役立つことができる。
【0017】
本発明の他の一具現例によれば、前記組成物をスピン塗布によって被エッチング層の上部に塗布し、ベーク工程を行ってハードマスク層を形成させるパターニング方法を提供する。
前記組成物のスピン塗布厚さは、特に限定されないが、100Å乃至30,000Åの厚さであり得る。
前記ベーク工程は、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間行うことができる。前記ベーク工程で、前記組成物は、自己架橋(self-crosslinking)反応を起こすことができる。
以下、本発明の好適な実施例及び比較例を説明する。ところが、下記実施例は、本発明の好適な一実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0018】
実施例1
1-ヒドロキシパイレン18g、1,4-ビスメトキシメチルベンゼン9.5g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2ナフチル)フルオレン20g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)150gを入れ、窒素雰囲気を造成した。ここに硫酸ジエチル0.20gを入れて溶液を140℃で加熱した後、18時間還流(reflux)させた。反応終了後、前記溶液をヘキサン/エタノール/水(1:1:1)溶液で精製し、エタノール/水(10:1)溶液を用いて再結晶化させた後、真空乾燥して、GPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)10,500の高分子化合物を得た。
【0019】
実施例2
溶液を140℃で加熱した後、6時間還流(reflux)させた以外は、実施例1と同様の過程で合成した。得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は1,900であった。
【0020】
実施例3
硫酸ジエチル0.40gを入れて溶液を140℃で加熱した後、36時間還流(reflux)させた以外は、実施例1と同様の過程で合成した。得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は25,000であった。
【0021】
実施例4
1-ヒドロキシパイレンの代わりに3-ヒドロキシペリレン25gを加えた以外は、実施例1と同様の過程で合成した。得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は9,500であった。
【0022】
実施例5
1-ヒドロキシパイレンの代わりに1-アントロール23gを加えた以外は、実施例1と同様の過程で合成した。得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は8,500であった。
【0023】
実施例6
1-ヒドロキシパイレンの代わりに2-ナフトール19gを加えた以外は、実施例1と同様の過程で合成した。得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は7,500であった。
【0024】
比較例1
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン20gと1,4-ビスメトキシメチルベンゼン9.5gにPGMEA70gを添加し、硫酸ジエチル0.20gを添加する。実施例1と同様の方式で合成した後、得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は9,000であった。
【0025】
比較例2
反応時間を6時間にした以外は、比較例1と同様の過程で合成した。得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は1,800であった。
【0026】
比較例3
9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2ナフチル)フルオレン22gと1,4-ビスメトキシメチルベンゼン9.5gにPGMEA150gを添加し、硫酸ジエチル0.20gを添加する。実施例1と同様の方法で合成した後、得られた高分子化合物のGPC測定結果、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は9,700であった。
【0027】
実験例1
実施例1で得られた高分子化合物3.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37.6g及びシクロヘキサノン9.7gを入れ、20時間撹拌して溶解させた。この溶液を0.2μmの微細フィルターでろ過した後、ハードマスク膜形成用組成物を調製し、スピンコーターを用いてシリコーンウェーハ上に塗布した。ホットプレート上で240℃にて1分、連続的に400℃で1分間加熱してハードマスク膜を形成した。
【0028】
実験例2
実施例2で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
実験例3
実施例3で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
実験例4
実施例4で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
実験例5
実施例5で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
実験例6
実施例6で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
実験例7
実施例1で得られた高分子化合物17.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.4g及びシクロヘキサノン6.6gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
実験例8
実施例2で得られた高分子化合物17gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
実験例9
実施例3で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
実験例10
実施例4で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
実験例11
実施例5で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
実験例12
実施例6で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
比較実験例1
比較例1で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
比較実験例2
比較例2で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
比較実験例3
比較例3で得られた高分子化合物3.0gを使用する以外は、実験例1と同様の方法で行った。
比較実験例4
比較例1で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
比較実験例5
比較例2で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
比較実験例6
比較例3で得られた高分子化合物17.0gを使用する以外は、実験例7と同様の方法で行った。
【0029】
<重量平均分子量の測定>
前記実施例では得られた重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC;Gel Permeation Chromatography)を用いて測定した。測定には、WATERS社製のGPC装置を使用し、測定条件は、次のとおりであった。
カラム温度:40℃、移動相:テトラヒドロフラン(THF)、流量:1mL/1min、GPCカラム:STYRAGEL KF-801、802、803(WATERS社製、8×300mm)を使用した。
【0030】
<コーティング厚さ特性の試験>
実験例1乃至実験例12及び比較実験例1乃至比較実験例6で形成されたハードマスク膜に対する厚さをそれぞれ測定し、その結果を表1に示した。使用機器は、Ellipsometer(堀場製作所製)であった。
【表1】
【0031】
<光学物性の試験>
実験例1乃至実験例12及び比較実験例1乃至比較実験例6で形成されたハードマスク膜に対する屈折率(refractive index)nと吸光係数(extinction cofficient)kをそれぞれ測定し、その結果を表2に示した。使用機器は、Ellipsometer(堀場製作所製)であった。
【表2】
ハードマスク膜の屈折率n及び吸光係数kは、コーティング性が不良であって測定できなかった実験例9及び比較実験例4乃至比較実験例6を除いては、表2のとおりに測定された。
【0032】
<ドライエッチング特性の評価>
実験例1乃至実験例12及び比較実験例1乃至比較実験例6で形成されたハードマスク膜に対して、ドライエッチング装備上でCF
4ガスを用いて20秒間ドライエッチングを行った。ドライエッチング速度は、[(ドライエッチング前の膜厚-ドライエッチング後の膜厚)/時間]で定義した。ドライエッチング特性は、ACL(amorphous carbon layer)を100%とした場合、ハードマスク膜のドライエッチング速度を示したもので、走査電子顕微鏡(FE-SEM、日立製作所製)を用いて断面を確認し、測定結果を表3に示した。
【表3】
ハードマスク膜のドライエッチング速度は、ACL対比ドライエッチング速度が90%以上であれば、耐エッチング性に優れると定義することができる。実験例1乃至実験例12と比較実験例1乃至比較実験例6を比較した結果、90%以上と耐エッチング性に優れた結果を確認することができた。以上で本発明の特定の部分を詳細に記述したところ、当業分野における通常の知識を有する者にとって、このような具体的記述は、単に好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されるものではないことは明らかであろう。よって、本発明の実質的な範囲は、請求項とそれらの等価物によって定義されるというべきである。