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特許7267464熱交換器の曲げ用装置及び熱交換器の曲げ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】熱交換器の曲げ用装置及び熱交換器の曲げ方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/06 20060101AFI20230424BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20230424BHJP
   B21D 9/00 20060101ALI20230424BHJP
   B21D 11/10 20060101ALI20230424BHJP
   B21D 11/22 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B21D53/06 Z
F28D1/047 C
B21D9/00 Z
B21D11/10
B21D11/22
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021571016
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2020093678
(87)【国際公開番号】W WO2020239121
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】201910470365.3
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511091818
【氏名又は名称】杭州三花▲微▼通道▲換▼▲熱▼▲器▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SANHUA(HANGHOU)MICRO CHANNEL HEAT EXCHANGER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】#289,12th Street,Hangzhou Economic Development Area,Hangzhou,Zhejiang 310018,China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】トン,ヂョンヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヨンロン
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-174082(JP,A)
【文献】特開2007-203366(JP,A)
【文献】特開昭52-146759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 9/00 - 11/22
B21D 53/02 - 53/08
B21D 7/00
F28D 1/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器の曲げ用装置であって、前記装置は、
縦方向に沿って間隔を置いて配置されており、各支持部品は、第1支持板、第2支持板、及び第1支持板と第2支持板との間に接続された接続板を含み、第1支持板及び第2支持板は、横方向に沿って間隔を隔てられ、前記第1支持板は、前記横方向において第2支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第1支持面を備え、前記第2支持板は、前記横方向において第1支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第2支持面を備え、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持部品において、いずれか1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい、複数の支持部品と、
縦方向に沿って複数の前記支持部品を接続する接続部品と、を含み、
前記第1支持面及び前記第2支持面は弧状であって、同じ前記支持部品の第1支持面及び第2支持面はそれぞれ互いの反対向きで突出する、ことを特徴とする装置である。
【請求項2】
熱交換器の曲げ用装置であって、前記装置は、
縦方向に沿って間隔を置いて配置されており、各支持部品は、第1支持板、第2支持板、及び第1支持板と第2支持板との間に接続された接続板を含み、第1支持板及び第2支持板は、横方向に沿って間隔を隔てられ、前記第1支持板は、前記横方向において第2支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第1支持面を備え、前記第2支持板は、前記横方向において第1支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第2支持面を備え、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持部品において、いずれか1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい、複数の支持部品と、
縦方向に沿って複数の前記支持部品を接続する接続部品と、を含み、
同じ前記支持部品の第1支持面と、第2支持面との間隔は調整可能である、ことを特徴とする装置。
【請求項3】
熱交換器の曲げ用装置であって、前記装置は、
縦方向に沿って間隔を置いて配置されており、各支持部品は、第1支持板、第2支持板、及び第1支持板と第2支持板との間に接続された接続板を含み、第1支持板及び第2支持板は、横方向に沿って間隔を隔てられ、前記第1支持板は、前記横方向において第2支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第1支持面を備え、前記第2支持板は、前記横方向において第1支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第2支持面を備え、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持部品において、いずれか1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい、複数の支持部品と、
縦方向に沿って複数の前記支持部品を接続する接続部品と、を含み、
前記接続板は、第1固定部、第2固定部、及び第1固定部と第2固定部との間に接続されている調節部を含み、前記第1固定部の一端は、前記第1支持板と接続されており、他端には、前記調節部に向ける第1開口部が設けられ、第2固定部の一端は、第2支持板に接続されており、他端には、調整部に向ける第2開口部が設けられ、調節部の一端は、移動可能で前記第1開口部に挿入でき、前記調節部の他端は、移動可能で第2開口部に挿入でき、第1固定部及び第2固定部の中で少なくとも1つは、横方向に延びる細長穴を備えており、前記調節部には、前記細長穴に適合した位置決め穴を備えており、前記調節部及び少なくとも1つの固定部は、前記細長穴と位置決め穴の位置決めボルトを貫通することで位置決めされる、ことを特徴とする装置。
【請求項4】
熱交換器の曲げ用装置であって、前記装置は、
縦方向に沿って間隔を置いて配置されており、各支持部品は、第1支持板、第2支持板、及び第1支持板と第2支持板との間に接続された接続板を含み、第1支持板及び第2支持板は、横方向に沿って間隔を隔てられ、前記第1支持板は、前記横方向において第2支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第1支持面を備え、前記第2支持板は、前記横方向において第1支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第2支持面を備え、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持部品において、いずれか1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい、複数の支持部品と、
縦方向に沿って複数の前記支持部品を接続する接続部品と、を含み、
前記第1支持板及び前記第2支持板はそれぞれ、その長手方向で少なくとも2つの部分に分割され、各部分の一端には凹部が設けられ、他端には前記凹部とぴったりする凸部が設けられ、前記第1支持板又は前記第2支持板の長手方向で隣接する2つの部分の中で、その一方の前記凹部と、他方の凸部とが互いに協働しながら、接続されている、ことを特徴とする装置。
【請求項5】
前記接続部品は、弾性部品を含み、隣接する2つの支持部品は、前記弾性部品によって接続されており、隣接する2つの前記支持部品間の距離は、前記縦方向において熱交換器の曲げ過程で変えられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記弾性部品は、弾性ベルトとする、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記接続部品は、第1接続ロッド及び第2接続ロッドを含み、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドは互い平行に前記縦方向に沿って延びながら、横方向に沿って間隔を隔てられ、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドはそれぞれ、複数の前記支持部品の接続板を貫通し、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドのいずれか1つには、各接続板の両側にある、位置決め用の前記接続板の弾性カバーが設けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記接続部品は第1接続ロッド及び第2接続ロッドを含み、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドは互い平行に前記縦方向に沿って延びながら、横方向に沿って間隔を隔てられ、前記第1接続ロッドの一端は、前記支持部品の接続板に接続されており、前記第1接続ロッドの他端は、縦方向において隣接するもう1つの前記支持部品の接続板に接続されており、前記第2接続ロッドの一端は、前記支持部品の接続板に接続されており、前記第2接続ロッドの他端は縦方向において隣接するもう1つの前記支持部品の接続板に接続されている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
熱交換器の曲げ用装置であって、前記装置は、
縦方向に沿って間隔を置いて配置されており、各支持ローラは、横方向に沿って間隔を隔てられる、熱交換器に当接する、第1支持面及び第2支持面を含み、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持ローラにおいて、いずれか1つの支持ローラの第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持ローラの第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい、複数の支持ローラと、
縦方向に沿って複数の前記支持ローラを接続する接続部品と、を含み、
前記接続部品は、長方形の接続フレームであって、互いに平行な2つの縦方向ロッドおよび互いに平行な2つの横方向ロッドを含み、2つの前記縦方向ロッドは前記縦方向に延び、2つの前記横方向ロッドは支持ローラの軸方向に延び、各長方形接続フレームの1つの横方向ロッドは、前記支持ローラの軸方向に沿って2つの隣接する支持ローラの中の1つを貫通し、もう1つの横方向ロッドは支持ローラの軸方向に沿って別の支持ローラを軸方向に貫通する、ことを特徴とする装置。
【請求項10】
支持ローラは中空の円筒であって、前記第1支持面及び第2支持面はそれぞれ、前記支持ローラの外周壁面の一部によって形成される、ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項11】
熱交換器の曲げ用装置であって、前記装置は、
縦方向に沿って間隔を置いて配置されており、各支持ローラは、横方向に沿って間隔を隔てられる、熱交換器に当接する、第1支持面及び第2支持面を含み、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持ローラにおいて、いずれか1つの支持ローラの第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持ローラの第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい、複数の支持ローラと、
縦方向に沿って複数の前記支持ローラを接続する接続部品と、を含み、
前記支持ローラは、その軸方向に沿って延びる軸方向穴と、縦方向に間隔を隔てられる第1平面及び第2平面と、を備え、前記第1支持面は、前記第1平面及び第2平面の間に接続されており、横方向に沿って遠く離れる前記第2支持面から突出する円弧状の表面として形成され、前記第2支持面は、前記第1平面及び第2平面の間に接続されており、横方向に沿って遠く離れる前記第1支持面から突出する円弧状の表面として形成される、ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記接続部品は、長方形の接続フレームであって、互いに平行な2つの縦方向ロッドおよび互いに平行な2つの横方向ロッドを含み、2つの前記縦方向ロッドは前記縦方向に延び、2つの前記横方向ロッドは支持ローラの軸方向に延び、各長方形接続フレームの1つの横方向ロッドは、前記支持ローラの軸方向に沿って2つの隣接する支持ローラの中の1つを貫通し、もう1つの横方向ロッドは支持ローラの軸方向に沿って別の支持ローラを軸方向に貫通する、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
隣接する2つの前記支持ローラ間の距離は、前記縦方向において熱交換器の曲げ過程で変えられる、ことを特徴とする請求項~1のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
熱交換器の曲げ方法であって、
前記熱交換器は、第1ヘッダー配管、第2ヘッダー配管、及び複数の伝熱管を含み、前記第1ヘッダー配管及び第2ヘッダー配管は、互いに平行に隣接して配置されており、前記伝熱管は扁平管であって、第1ヘッダー配管及び第2ヘッダー配管をつなぐために、伝熱管の第1端部は第1ヘッダー配管に接続されており、伝熱管の第2端部は第2ヘッダー配管に接続されており、複数の伝熱管は、第1ヘッダー配管又は第2ヘッダー配管の長手方向に沿って配置されており、前記伝熱管は、第1ヘッダー配管又は第2ヘッダー配管の長手方向において互いに平行に配置されており、隣接する扁平管の間にフィンが配置されており、前記伝熱管は曲げ部と、伝熱管の幅方向においてほぼ平行する2段以上の伝熱管段と、を含み、前記曲げ方法は、
ほぼ平行する2段以上の伝熱管段の間に請求項1~13のいずれか1項に記載の熱交換器の曲げ用装置を配置することと、
前記第1支持面及び第2支持面を前記伝熱管段及び/又はフィンに当接することと、
前記支持部品の横方向を前記伝熱管段の幅方向とほぼ平行するようにして、前記支持部品の縦方向を前記伝熱管段の長手方向とほぼ平行するにすることと、
前記第1ヘッダー配管及び前記第2ヘッダー配管の軸方向に平行な方向において同時に2段以上の伝熱管段を曲げることと、を含むことを特徴とする熱交換器の曲げ方法。
【請求項15】
隣接する2つの前記支持部品又は支持ローラ間の距離は、前記縦方向において曲げ過程で変えられる、ことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の曲げ方法。
【請求項16】
前記方法は、
2段以上の伝熱管段を曲げる前に、前記熱交換器の位置決めをすることと、
前記2段以上の伝熱管段のうち、最も裏側の段にある伝熱管段の裏側に曲げ用ガイド部品を配置することと、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は1に記載の方法。
【請求項17】
ヘッダー配管の長手方向に沿って前記熱交換器の曲げ用装置を複数配置する、ことを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載の熱交換器の曲げ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年5月31日に出願された中国特許出願第201910470365.3号の優先権と利益を主張するものであり、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、熱交換装置の技術分野、特に、熱交換器の曲げ用装置及び熱交換器の曲げ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
熱交換器はヒートポンプ、空調などの熱交換システムによく使用されている。熱交換面積を大きくするために、通常、直段接続(2段以上)の形式を採用して熱交換器を曲げる。関連技術において、伝熱管を曲げるとき、曲率円心に近い裏側の段にある伝熱管段と、曲率円心に遠い外側の段にある伝熱管段とは曲げ半径が異なるため、平板状態に対して、異なる段にある伝熱管段は曲げ過程で相対運動を行う。これにより、隣接する2つの伝熱管段の異なる領域間の間隔は一致しにくくなり、熱交換器全体の成型後の造形と熱交換効果に影響を及ぼす。そのため、向上させる余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、熱交換器の曲げ用装置を提供する。前記装置は、複数の支持部品及び接続部品を含み、前記複数の支持部品は、縦方向に沿って間隔を置いて配置される。各支持部品は、第1支持板、第2支持板、及び第1支持板と第2支持板との間に接続された接続板を含み、第1支持板及び第2支持板は、横方向に沿って間隔を隔てられる。前記第1支持板は、前記横方向において第2支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第1支持面を備える。前記第2支持板は、前記横方向において第1支持板の反対向きにある、熱交換器に当接するための第2支持面を備える。前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持部品において、いずれか1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持部品の第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい。前記接続部品は、縦方向に沿って複数の前記支持部品を接続する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置は、複数段の伝熱管段の曲げ過程で複数段の伝熱管間の固定と支持の機能を提供し、熱交換器を曲げる後の全体的なサイズを確保して、曲げ加工の効率と品質の向上に役立つ。
【0006】
一部の実施形態において、前記第1支持面及び前記第2支持面は弧状であって、同じ前記支持部品の第1支持面及び第2支持面はそれぞれ互いの反対向きで突出する。
一部の実施形態において、同じ前記支持部品の第1支持面と、第2支持面との間隔は調整可能である。
【0007】
一部の実施形態において、前記接続板は、第1固定部、第2固定部、及び第1固定部と第2固定部との間に接続されている調節部を含み、前記第1固定部の一端は、前記第1支持板と接続されており、他端には、前記調節部に向ける第1開口部が設けられる。第2固定部の一端は、第2支持板に接続されており、他端には、調整部に向ける第2開口部が設けられる。調節部の一端は、移動可能で前記第1開口部に挿入できる。前記調節部の他端は、移動可能で第2開口部に挿入できる。第1固定部及び第2固定部の中で少なくとも1つは、横方向に延びる細長穴を備えており、前記調節部には、前記細長穴に適合した位置決め穴を備えている。また、前記調節部及び少なくとも1つの固定部は、前記細長穴と位置決め穴の位置決めボルトを貫通することで位置決めされる。
【0008】
一部の実施形態において、第1支持板及び第2支持板はそれぞれ、その長手方向で少なくとも2つの部分に分割され、各部分の一端には凹部が設けられ、他端には前記凹部とぴったりする凸部が設けられる。前記第1支持板又は前記第2支持板の長手方向で隣接する2つの部分の中で、その一方の前記凹部と、他方の凸部とが互いに協働しながら、接続されている。
【0009】
一部の実施形態において、前記接続部品は、弾性部品を含み、隣接する2つの支持部品は、前記弾性部品によって接続されており、隣接する2つの前記支持部品間の距離は、前記縦方向において熱交換器の曲げ過程で変えられる。
【0010】
一部の実施形態において、前記弾性部品は弾性ベルトである。
【0011】
一部の実施形態において、前記接続部品は第1接続ロッド及び第2接続ロッドを含み、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドは互い平行に前記縦方向に沿って延びながら、横方向に沿って間隔を隔てられる。前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドはそれぞれ、複数の前記支持部品の接続板を貫通し、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドのいずれか1つには、各接続板の両側にある、位置決め用の前記接続板の弾性カバーが設けられる。
【0012】
一部の実施形態において、前記接続部品は第1接続ロッド及び第2接続ロッドを含み、前記第1接続ロッド及び前記第2接続ロッドは互い平行に前記縦方向に沿って延びながら、横方向に沿って間隔を隔てられる。前記第1接続ロッドの一端は、前記支持部品の接続板に接続されており、前記第1接続ロッドの他端は、縦方向において隣接するもう1つの前記支持部品の接続板に接続されている。前記第2接続ロッドの一端は、前記支持部品の接続板に接続されており、前記第2接続ロッドの他端は縦方向において隣接するもう1つの前記支持部品の接続板に接続されている。
【0013】
また、本開示の実施形態は、熱交換器の曲げ用装置を開示する。前記装置は、複数の支持ローラ及び接続部品を含み、前記複数の支持ローラは、縦方向に沿って間隔を置いて配置される。各支持ローラは、横方向に沿って間隔を隔てられる、熱交換器に当接する、第1支持面及び第2支持面を含み、前記第1支持面と第2支持面との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持ローラにおいて、いずれか1つの支持ローラの第1支持面と第2支持面との間の距離と、もう1つの支持ローラの第1支持面と第2支持面との間の距離とは互いに等しい。前記接続部品は、縦方向に沿って複数の前記支持ローラを接続する。
【0014】
一部の実施形態において、支持ローラは中空の円筒であって、前記第1支持面及び第2支持面はそれぞれ、前記支持ローラの外周壁面の一部によって形成される。
【0015】
一部の実施形態において、前記支持ローラは、その軸方向に沿って延びる軸方向穴と、縦方向に間隔を隔てられる第1平面及び第2平面と、を備える。前記第1支持面は、前記第1平面及び第2平面の間に接続されており、横方向に沿って遠く離れる前記第2支持面から突出する円弧状の表面として形成される。前記第2支持面は、前記第1平面及び第2平面の間に接続されており、横方向に沿って遠く離れる前記第1支持面から突出する円弧状の表面として形成される。
【0016】
一部の実施形態において、前記接続部品は、長方形の接続フレームであって、互いに平行な2つの縦方向ロッドおよび互いに平行な2つの横方向ロッドを含む。2つの前記縦方向ロッドは前記縦方向に延び、2つの前記横方向ロッドは支持ローラの軸方向に延びる。各長方形接続フレームの1つの横方向ロッドは、前記支持ローラの軸方向に沿って2つの隣接する支持ローラの中の1つを貫通し、もう1つの横方向ロッドは支持ローラの軸方向に沿って別の支持ローラを軸方向に貫通する。
【0017】
一部の実施形態において、2つの隣接する支持ローラ間の距離は、熱交換器の曲げ過程で縦方向に沿って変えられる。
【0018】
また、本開示は熱交換器の曲げ方法を開示する。前記熱交換器は、第1ヘッダー配管、第2ヘッダー配管、及び複数の伝熱管を含み、前記第1ヘッダー配管及び第2ヘッダー配管は、互いに平行に隣接して配置されている。前記伝熱管は扁平管であって、第1ヘッダー配管及び第2ヘッダー配管をつなぐために、伝熱管の第1端部は第1ヘッダー配管に接続されており、伝熱管の第2端部は第2ヘッダー配管に接続されている。複数の伝熱管は、第1ヘッダー配管又は第2ヘッダー配管の長手方向に沿って配置されている。前記伝熱管は、第1ヘッダー配管又は第2ヘッダー配管の長手方向において互いに平行に配置されており、隣接する扁平管の間にフィンが配置されている。前記伝熱管は曲げ部と、伝熱管の幅方向においてほぼ平行する2段以上の伝熱管段と、を含む。前記曲げ方法は、ほぼ平行する2段以上の伝熱管段の間に前記実施形態のいずれか1つの前記熱交換器の曲げ用装置を配置することと、前記第1支持面及び第2支持面を前記伝熱管段及び/又はフィンに当接することと、前記支持部品の横方向を前記伝熱管段の幅方向とほぼ平行するようにして、前記支持部品の縦方向を前記伝熱管段の長手方向とほぼ平行するにすることと、前記第1ヘッダー配管及び前記第2ヘッダー配管の軸方向に平行な方向において同時に2段以上の伝熱管段を曲げることと、を含む。
【0019】
一部の実施形態において、2つの隣接する前記支持部品又は支持ローラ間の距離は、熱交換器の曲げ過程で長手方向に沿って変えられる。
【0020】
一部の実施形態において、前記方法はまた、前記2段以上の伝熱管段を曲げる前に、前記熱交換器の位置決めをすることと、前記2段以上の伝熱管段のうち、最も裏側の段にある伝熱管段の裏側に曲げ用ガイド部品を配置することと、を含む。
【0021】
一部の実施形態において、ヘッダー配管の長手方向に沿って前記熱交換器の曲げ用装置を複数配置する。
【0022】
前記熱交換器の曲げ方法及び前記装置は、現有技術の強みと同じであるため、ここで説明を省略する。
【0023】
以下では、本開示の一部の追加態様及び強みについて説明している。下記の説明又は本開示の実施により、その一部の内容を理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面を参照することにより、本開示の前記及び/又は追加の態様、強みがより明らかになり、理解しやすくなる。
図1】本開示の第1実施形態に係る装置の構成図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る装置の端面図である。
図3】本開示の第2実施形態に係る装置の構成図である。
図4図3にあるDの部分の拡大図である。
図5】本開示の第2実施形態に係る装置の端面図である。
図6】本開示の第3実施形態に係る装置の構成図である。
図7図6にあるEの部分の拡大図である。
図8】本開示の第1/2/3実施形態に係る装置の曲げ初期段階を示す図である。
図9】本開示の第1/2/3実施形態に係る装置の曲げ完成段階を示す図である。
図10】本開示の第1/2/3実施形態に係る装置の曲げ初期段階を示す図である。
図11】本開示の第1/2/3実施形態に係る装置の曲げ完成段階を示す図である。
図12】本開示の第1/2/3実施形態に係る装置の使用中における一部の部分の詳細を示す図である。
図13】本開示の第4実施形態に係る装置の構成図である。
図14】本開示の第5実施形態に係る装置の構成図である。
図15】本開示の第6実施形態に係る装置の構成図である。
図16】本開示の第7実施形態に係る装置の構成図である。
図17】本開示の第8実施形態に係る装置の構成図である。
図18】本開示の第4/5/6実施形態に係る装置の曲げ完成段階を示す図である。
図19】本開示の第4/5/6実施形態に係る装置の曲げ初期段階を示す図である。
図20】本開示の第4/5/6実施形態に係る装置の曲げ完成段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本開示の実施形態について詳しく説明する。前記実施形態の例を図面に示す。ここで、最初から最後までの同じ又は類似の参照符号は、同じ又は類似の要素、又は同じ又は類似の機能を有する要素を示す。下記の図面によって説明されている実施形態は例示的なものであって、本開示を説明するために使用され、本開示を限定するものではない。
【0026】
図8図12及び図14図20に示すように、熱交換器は、第1ヘッダー配管610と、第2ヘッダー配管620と、複数の伝熱管630と、を含む。
【0027】
第1ヘッダー配管610の軸方向は、第2ヘッダー配管620の軸方向と平行し、第1ヘッダー配管610及び第2ヘッダー配管620は、互いに平行に間隔を隔てて配置できる。第1ヘッダー配管610をインレットヘッダー、第2ヘッダー配管620をアウトレットヘッダーとすることができる。若しくは、第1ヘッダー配管610をアウトレットヘッダー、第2ヘッダー配管620をインレットヘッダーとすることができる。
【0028】
複数の伝熱管630を、第1ヘッダー配管610の軸方向及び第2ヘッダー配管620の長手方向において間隔を隔てて配置することが可能で、複数の伝熱管630は第1ヘッダー配管610又は第2ヘッダー配管620の長手方向において互いに平行に配置されている。各伝熱管630の第1端部は第1ヘッダー配管610に、各伝熱管630の第2端部は第2ヘッダー配管620に接続されている。これにより、第1ヘッダー配管610と第2ヘッダー配管620とがつながり、熱交換媒体は、第1ヘッダー配管610――伝熱管630――第2ヘッダー配管620又は第2ヘッダー配管620――伝熱管630――第1ヘッダー配管610の間に流れられる。第1ヘッダー配管610に第1インターフェース、第2ヘッダー配管620に第2インターフェースを設けられる。熱交換器を空気調和システム全体又は他の熱交換システムの中に接続するために、第1インターフェース及び第2インターフェースは外部管路との接続に使用される。
【0029】
伝熱管630は扁平管であって、隣接する扁平管の間にフィンが設けられ、伝熱管630は曲げ部631と、伝熱管630の幅方向においてほぼ平行な2段以上の伝熱管段632と、を含む。曲げ部631は、伝熱管630を使用して第1ヘッダー配管610の長手方向に沿って曲げることで形成され、第1伝熱管段632は第2伝熱管段632と平行する。
【0030】
以下では、本開示の一実施形態による熱交換器の曲げ用装置について、図1図12を参照しつつ説明する。
【0031】
本開示の一実施形態による熱交換器の曲げ用装置の支持部品100及び接続部品200を図1図12に示す。
【0032】
複数の支持部品100は縦方向Aに沿って間隔を置いて配置される。各支持部品100は、第1支持板110、第2支持板120、及び第1支持板110と第2支持板120との間に接続された接続板130を含み、第1支持板110及び第2支持板120は、横方向Bに沿って間隔を隔てられる。第1支持板110は、横方向Bにおいて第2支持板120の反対向きにある、熱交換器に当接するための第1支持面111を備える。第2支持板120は、横方向Bにおいて第1支持板110の反対向きにある、熱交換器に当接するための第2支持面121を備える。第1支持面111と第2支持面121との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持部品100において、いずれか1つの支持部品100の第1支持面111と第2支持面121との間の距離と、もう1つの支持部品100の第1支持面111と第2支持面121との間の距離とは互いに等しい。接続部品200は、縦方向Aに沿って複数の支持部品100を接続する。
【0033】
装置の実際使用中、縦方向Aは伝熱管630の長手方向であって、横方向Bは各伝熱管630の、2段以上の伝熱管段632の配置方向である。
【0034】
なお、曲げ過程で、外側の伝熱管段632と、裏側の伝熱管段632との間の曲げ半径が異なるため、平板状態に対して、伝熱管段632は曲げ過程で相対運動を行う。本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置は、複数の支持部品100を2段の伝熱管段632の間で支持させるように配置し、各支持部品100の第1支持面111及び第2支持面121の間の間隔を同じようにすることにより、2段の伝熱管段632の間を固定・支持することが可能になり、2段の伝熱管段632の間の距離が設計の要件に満たし、曲げ過程で大きな変化が発生しなくなる。
【0035】
図8図11に示すように、多段の揃えない伝熱管段632に対して、本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置を採用することで、2段の伝熱管段632の長さの差を精確にして、製品が設計の要件に満たすことを確保できる。
【0036】
勿論、本開示の実施形態に係る装置を、揃える伝熱管段632に使用することも可能である。
【0037】
図8及び図9に示すように、本開示の実施形態に係る装置を、2段の伝熱管段632を備えた熱交換器に使用することができる。図10及び図11に示すように、本開示の実施形態に係る装置を、2段以上の伝熱管段632を備えた熱交換器に使用することができる。
【0038】
本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置は、複数段の伝熱管段632の曲げ過程で固定と支持の機能を提供し、熱交換器を曲げる後の全体的なサイズを確保して、曲げ加工の効率と品質の向上に役立つ。
【0039】
一部の実施形態においては、図2図4図5及び図12に示すように、第1支持面111及び第2支持面121は弧状であって、同じ支持部品100の第1支持面111及び第2支持面121はそれぞれ互いの反対向きで突出する。外向きで突出する第1支持面111及び第2支持面121により、曲げ過程で第1支持面111及び第2支持面121は常に少なくとも部分的な領域において効果的な支持を実現する、つまり、伝熱管段632と常に接触するようにすることが確保できる。
【0040】
図1図2に示す実施形態において、同じ支持部品100の第1支持板110と第2支持板120との間の間隔は固定である。当該装置は固定的なサイズの熱交換器を加工するために使用可能であって、その構造は簡単でコストが低い。
【0041】
図3図5に示す実施形態において、同じ支持部品100の第1支持板110と第2支持板120との間の間隔は調整可能であって、当該装置は複数のモデルの熱交換器を加工するために使用可能である。実際的な使用においては、2段の伝熱管段632の間の距離に関する設計ニーズに応じて第1支持面111と第2支持面121との間の距離を調整してもよい。このように、同じ装置は、複数のモデルの熱交換器の製造中に使用することができる。
【0042】
実際の実施において、図4及び図5に示すように、接続板130は、第1固定部131、第2固定部132、及び第1固定部131と第2固定部132との間に接続されている調節部133を含み、第1固定部131の一端は、第1支持板110と接続されており、他端には、調節部133に向ける第1開口部131aが設けられる。第2固定部132の一端は、第2支持板120に接続されており、他端には、調整部133に向ける第2開口部132aが設けられる。調節部133の一端は、移動可能で第1開口部131aに挿入できる。調節部133の他端は、移動可能で第2開口部132aに挿入できる。第1固定部131及び第2固定部132の中で少なくとも1つは、横方向Bに延びる細長穴を備えており、調節部133には、細長穴に適合した位置決め穴を備えている。また、調節部133及び少なくとも1つの固定部は、前記細長穴と位置決め穴の位置決めボルト134を貫通することで位置決めされる。実際の実施において、図4に示すように、第1固定部131には横方向Bに延びる第1細長穴131b、第2固定部132には横方向Bに延びる第2細長穴132b、調節部133には第1位置決め穴133a及び第2位置決め穴(図示なし)が設けられる。第1位置決め穴133a及び第1細長穴131bは組み合わせて使用され、第2位置決め穴及び第2細長穴132bは組み合わせて使用される。
【0043】
調節部133を第1開口部131a又は第2開口部132aに入れる長さを増加させることで、第1支持板110と第2支持板120との間の間隔を軽減することができる。その反対に、調節部133を第1開口部131a又は第2開口部132aに入れる長さを減少させることで、第1支持板110と第2支持板120との間の間隔を増加することもできる。
【0044】
位置決めを調整するための細長穴は固定部、又は調節部133に設けられることを理解されたい。一部の実施形態において、第1開口部131a及び第2開口部132aを使用しなくてもよい。固定部と調節部133に対して、直接細長穴又はその他の相対位置を調節できる方法(複数の位置決め穴など)を通じて接続する。
【0045】
図6図7に示す実施形態において、第1支持板110及び第2支持板120はそれぞれ、その長手方向で少なくとも2つの部分に分割され、各部分の一端には凹部112が設けられ、他端には前記凹部112とぴったりする凸部113が設けられる。第1支持板110又は第2支持板120の長手方向で隣接する2つの部分の中で、その一方の凹部112と、他方の凸部113とが互いに協働しながら、接続されている。
【0046】
当該装置は複数のモデルの熱交換器を加工するために使用可能である。実際的な使用においては、熱交換器の伝熱管段632の配置方向における長さ設計ニーズに応じて、第1支持板110と第2支持板120をいくつ接合するかを選択できる。このように、同じ装置を、複数のモデルの熱交換器の製造中に使用することが可能であって、生産・製造しやすくなる。
【0047】
一部の実施形態において、図1図6に示すように、接続部品200は、弾性部品を含み、隣接する2つの支持部品100は、弾性部品によって接続されており、隣接する2つの支持部品100間の距離は、縦方向Aにおいて熱交換器の曲げ過程で変えられる。実際の実施において、弾性部品は弾性ベルトとすることができる。
【0048】
なお、弾性部品を介して隣接する2つの支持部品100を接続することで、隣接する2つの支持部品100間の間隔が調整可能になる、つまり、複数の支持部品100間に相対運動が可能である同時に、一定の制約があり、複数の支持部品100は自由かつ無制限に移動できるわけではないことを理解されたい。図12に示すように、特に曲げ領域にある支持部品100の場合は、弾性部品を使用して隣接する2つの支持部品100を接続する。このようにして、曲げるときに支持部品100は一定の移動又は偏向が発生しても構わなく、伝熱管段632の曲げ過程における変形に対応することができる。例えば、縦方向Aにおいて、複数の伝熱管段は相対変位が発生し、支持部品100は一定の変位を実現できるため、伝熱管段の変位に適応されることが可能で、支持面及び伝熱管段間の接触に有利であって、支持を提供する。その同時に、伝熱管段に対しても一定の保護作用があり、曲げるときに扁平管の周方向変形及び運動に対する抵抗にならなく、熱交換器の全体的なサイズに影響を与えない。
【0049】
さらに他の実施形態において、図1及び図2に示すように、接続部品200は第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220を含み、第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220は互い平行に縦方向Aに沿って延びながら、横方向Bに沿って間隔を隔てられる。第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220はそれぞれ、複数の支持部品100の接続板130を貫通し、第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220のいずれか1つには、各接続板130の両側にある、位置決め用の接続板130の弾性カバー230が設けられる。
【0050】
なお、第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220は、支持部品100を制約するために使用され、複数の支持部品100を自由かつ無制限に移動できないようにし、弾性カバー230は、隣接する2つの支持部品100間の間隔が調整可能になるようにする、つまり、複数の支持部品100間に相対運動が可能である同時に、一定の制約があることを理解されたい。これにより、曲げるときに支持部品100は一定の移動又は偏向が発生しても構わなく、伝熱管段632の変形に対応することが可能で、一定の柔軟性を備えながら、支持部品に対して一定の制約作用がある。また、支持部品の位置決めに役立ち、曲げるときに扁平管の周方向変形及び運動に対する抵抗にならなく、熱交換器の全体的なサイズに影響を与えない。第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220における支持部品100の数を調整することにより、異なる伝熱管段の長さの曲げ要件に満たすことができる。
【0051】
さらに他の実施形態において、接続部品200は第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220を含み、第1接続ロッド210及び前記第2接続ロッドは互い平行に縦方向Aに沿って延びながら、横方向Bに沿って間隔を隔てられる。第1接続ロッド210の一端は、支持部品100の接続板130に接続されており、第1接続ロッド210の他端は、縦方向Aにおいて隣接するもう1つの支持部品100の接続板130に接続されている。第2接続ロッド220の一端は、支持部品100の接続板130に接続されており、第2接続ロッド220の他端は縦方向Aにおいて隣接するもう1つの支持部品100の接続板130に接続されている。なお、第1接続ロッド210及び第2接続ロッド220は、支持部品100を制約するために使用され、複数の支持部品100を自由かつ無制限に移動できないようにすることを理解されたい。
【0052】
図8図11に示すように、本開示の実施形態に係る装置は、位置決め部品410と、曲げのガイド用部品420と、を含み得る。位置決め部品410は、曲げ前に熱交換器の位置決めを行い、熱交換器の曲げ位置を固定するために使用される。曲げのガイド用部品420は、円筒を含み得る。曲げのガイド用部品420は、2段以上の伝熱管段632のうち、曲げ部の最も裏側にある段の伝熱管段632の裏側に配置することができる。
【0053】
以下では、本開示の一実施形態による熱交換器の曲げ用装置について、図13図20を参照しつつ説明する。
【0054】
本開示の一実施形態による熱交換器の曲げ用装置の支持ローラ300及び接続部品200を図13図20に示す。
【0055】
複数の支持ローラ300は、縦方向Aに沿って間隔を置いて配置される。各支持ローラ300は、横方向Bに沿って間隔を隔てられる、熱交換器に当接する、第1支持面111及び第2支持面121を含み、第1支持面111と第2支持面121との間の距離は、熱交換器の曲げ過程で変化せず、任意の2つの支持ローラ300において、いずれか1つの支持ローラの第1支持面111と第2支持面121との間の距離と、もう1つの支持ローラ300の第1支持面111と第2支持面121との間の距離とは互いに等しい。接続部品200は、縦方向Aに沿って複数の支持ローラ300を接続する。支持ローラ300の構造は一定の剛性を備えるため、熱交換器の曲げ過程において支持ローラ300は変形しない。
【0056】
装置の実際使用中、縦方向Aは伝熱管630の長手方向であって、横方向Bは各伝熱管630の、2段の伝熱管段632の配置方向である。
【0057】
なお、曲げ過程で、外側の伝熱管段632と、裏側の伝熱管段632との間の曲げ半径が異なるため、平板状態に対して、伝熱管段632は曲げ過程で相対運動を行う。本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置は、複数の支持ローラ300を2段の伝熱管段632の間で支持させるように配置し、各支持ローラ300の第1支持面111及び第2支持面121の間の間隔を同じようにすることにより、2段の伝熱管段632の間を固定・支持することが可能になり、2段の伝熱管段632の間の距離が設計の要件に満たし、曲げ過程で大きな変化が発生しなくなる。
【0058】
図18図20に示すように、多段の揃えない伝熱管段632に対して、本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置を採用することで、2段の伝熱管段632の長さの差を精確にして、製品が設計の要件に満たすことを確保できる。その同時に、支持ローラの設計は、曲げ過程において異なる伝熱管段間の変位に適応されることが可能であって、異なる長さの伝熱管段の曲げ要件に満たす。
【0059】
勿論、本開示の実施形態に係る装置を、曲げる後でヘッダー配管を揃えるために使用することも可能である。つまり、複数段の伝熱管段を曲げる後、長さが一致する伝熱管段632である。
【0060】
図18及び図19に示すように、本開示の実施形態に係る装置を、2段の伝熱管段632を備えた熱交換器に使用することができる。図20に示すように、本開示の実施形態に係る装置を、2段以上の伝熱管段632を備えた熱交換器に使用することができる。
【0061】
本開示に記載の熱交換器の曲げ用装置は、2段の伝熱管段632に固定と支持の機能を提供し、熱交換器を曲げる後の全体的なサイズを確保して、曲げ加工の効率と品質の向上に役立つ。
【0062】
一部の実施形態において、2つの隣接する支持ローラ300間の距離は、熱交換器の曲げ過程で縦方向Aに沿って変えられる。これにより、曲げるときに支持ローラ300の移動又は偏向が発生しても構わなく、伝熱管段632の曲げ過程において発生する変形に対応することが可能で、曲げるときに扁平管の周方向変形及び運動に対する抵抗にならなく、熱交換器の全体的なサイズに影響を与えない。
【0063】
一部の実施形態において、図13に示すように、支持ローラ300は中空の円筒であって、第1支持面111及び第2支持面121はそれぞれ、支持ローラ300の外周壁面の一部によって形成される。中空円筒の周壁は円形であって、曲げ過程で第1支持面111及び第2支持面121は常に少なくとも部分的な領域において効果的な支持を確保できるほか、伝熱管段632に対する圧力が小さい。
【0064】
接続部品200は、長方形の接続フレームであって、接続部品200は、互いに平行な2つの縦方向ロッド241および互いに平行な2つの横方向ロッド242を含む。2つの縦方向ロッド241は縦方向Aに延び、2つの横方向ロッド242は支持ローラ300の軸方向に延びる。各長方形接続フレーム240の1つの横方向ロッド242は、支持ローラ300の軸方向に沿って2つの隣接する支持ローラ300の中の1つを貫通し、もう1つの横方向ロッド242は支持ローラ300の軸方向に沿って別の支持ローラ300を軸方向に貫通する。
【0065】
2つの縦方向ロッド241は、支持ローラ300を制約するために使用され、複数の支持ローラ300を自由かつ無制限に移動できないようにして、中空円筒の横方向ロッド241の直径が中空円筒の内径より小さいようにし、横方向ロッド242が中空円筒内に移動できるようにすることで、隣接する2つの支持ローラ300間の間隔を調整可能にする、つまり、複数の支持ローラ300間に相対運動が可能である同時に、一定の制約がある。これにより、曲げるときに支持ローラ300の移動又は偏向が発生しても構わなく、伝熱管段632の曲げ過程において発生する変形に対応することが可能で、曲げるときに扁平管の周方向変形及び運動に対する抵抗にならなく、熱交換器の全体的なサイズに影響を与えない。また、異なる伝熱管段のサイズによって異なる数の支持ローラ300を組み合わせるために、接続部品を運用のニーズに応じて組立可能な構造に設計しても良い。
【0066】
さらに他の実施形態において、図16に示すように、支持ローラ300は、その軸方向に沿って延びる軸方向穴301と、縦方向Aに間隔を隔てられる第1平面302及び第2平面303と、を備える。第1支持面111は、第1平面302及び第2平面303の間に接続されており、横方向Bに沿って遠く離れる第2支持面121から突出する円弧状の表面として形成される。第2支持面121は、第1平面302及び第2平面303の間に接続されており、横方向Bに沿って遠く離れる第1支持面111から突出する円弧状の表面として形成される。
【0067】
接続部品200は、長方形の接続フレームであって、接続部品200は、互いに平行な2つの縦方向ロッド241および互いに平行な2つの横方向ロッド242を含む。2つの縦方向ロッド241は縦方向Aに延び、2つの横方向ロッド242は支持ローラ300の軸方向に延びる。各長方形接続フレーム240の1つの横方向ロッド242は、支持ローラ300の軸方向に沿って2つの隣接する支持ローラ300の中の1つを貫通し、もう1つの横方向ロッド242は支持ローラ300の軸方向に沿って別の支持ローラ300を軸方向に貫通する。
【0068】
2つの縦方向ロッド241は、支持ローラ300を制約するために使用され、複数の支持ローラ300を自由かつ無制限に移動できないようにして、軸方向穴301を貫通する横方向ロッド241の直径が軸方向穴301の縦方向Aの長さより小さいようにし、横方向ロッド242が軸方向穴301内に移動できるようにすることで、隣接する2つの支持ローラ300間の間隔を調整可能にする、つまり、複数の支持ローラ300間に相対運動が可能である同時に、一定の制約がある。これにより、曲げるときに支持ローラ300の移動又は偏向が発生しても構わなく、さらに変位量を限定して、伝熱管段632の曲げ過程において発生する変形に対応することが可能で、曲げるときに扁平管の周方向変形及び運動に対する抵抗にならなく、熱交換器の全体的なサイズに影響を与えない。
勿論、支持ローラ300を他の形とすることもできる。
【0069】
例えば、図14に示す実施形態において、支持ローラ300は中実円柱であって、中実円柱は当該支持ローラ300の軸方向に沿って延びる軸方向穴301を備える。接続部品200は、長方形の接続フレームであって、接続部品200は、互いに平行な2つの縦方向ロッド241および互いに平行な2つの横方向ロッド242を含む。2つの縦方向ロッド241は縦方向Aに延び、2つの横方向ロッド242は支持ローラ300の軸方向に延びる。各長方形接続フレーム240の1つの横方向ロッド242は、支持ローラ300の軸方向に沿って2つの隣接する支持ローラ300の中の1つを貫通し、もう1つの横方向ロッド242は支持ローラ300の軸方向に沿って別の支持ローラ300を軸方向に貫通する。
【0070】
例えば、図15に示す実施形態において、支持ローラ300は中空円筒であって、中空円筒の中に径方向に沿って延びるスポークが設けられ、複数のスポークは交差しながら配置される。接続部品200及びその中の1つのスポークはスライドしながら、接続されている。
【0071】
図18図20に示すように、本開示の実施形態に係る装置は、位置決め部品410と、曲げのガイド用部品420と、を含み得る。位置決め部品410は、曲げ前に熱交換器を位置決めするために使用される。曲げのガイド用部品420は、伝熱管段632が目標方向及び形をめぐって曲げることをガイドするために使用される。曲げのガイド用部品420は、円筒を含み得る。曲げのガイド用部品420は、2段以上の伝熱管段632のうち、曲げ部の最も裏側にある段の伝熱管段632の裏側に配置することができる。
【0072】
本開示に記載の装置のうち、支持ローラ300又は支持部品100の形はI型、円筒型、2扇型、又は円鼓型とすることができる。
【0073】
また、本開示は熱交換器の曲げ方法を開示する。
本開示の曲げ方法は、ほぼ平行な2段以上の伝熱管段632の間に前記いずれか1つの実施形態に係る装置を配置することと、第1支持面111及び第2支持面121をそれぞれ伝熱管段632及び/又はフィンに当接することと、支持部品100の横方向B方向を伝熱管段632の幅方向とほぼ平行にし、支持部品100の縦方向A方向を伝熱管段632の長手方向とほぼ平行にすることと、第1ヘッダー配管610及び第2ヘッダー配管620の軸方向の方向をめぐって2段以上の伝熱管段632を曲げることと、を含む。
【0074】
複数の支持部品100又は支持ローラ300を2段の伝熱管段632の間で支持させるように配置し、各支持部品100の第1支持面111及び第2支持面121の間の間隔を同じようにすることにより、2段の伝熱管段632の間を固定・支持することが可能になり、2段の伝熱管段632の間の距離が設計の要件に満たし、曲げ過程で大きな変化が発生しなくなる。
【0075】
本開示に記載の熱交換器の曲げ方法は、伝熱管段632の間に互いに平行する熱交換器を成型できるほか、熱交換器を曲げる後の全体的なサイズを確保し、曲げ加工の効率と品質が高い。
【0076】
一部の実施形態において、2つの隣接する支持部品100又は支持ローラ300間の距離は、曲げ過程で縦方向Aに沿って変えられる。これにより、曲げるときに、支持部品100又は支持ローラ300は一定の移動又は偏向が発生しても構わなく、伝熱管段632の非均一な変形に対応することが可能で、曲げるときに扁平管の周方向変形及び運動に対する抵抗にならなく、熱交換器の全体的なサイズに影響を与えない。
【0077】
ヘッダー配管の長手方法において長さが比較的長い熱交換器の場合は、ヘッダー配管の長手方向に沿って熱交換器の曲げ用装置を複数配置してもよい。
【0078】
一部の実施形態において、図8図11及び図18図20に示すように、本開示の熱交換器の曲げ方法はまた、2段以上の伝熱管段632を曲げる前に、熱交換器の位置決めをすることと、2段以上の伝熱管段632のうち、最も裏側の段にある伝熱管段632の裏側に曲げ用ガイド部品420を配置することと、を含む。
【0079】
なお、特に明示的に規定・限定されていない限り、本開示に記載の用語「設置」、「接続」、「互いに接続」は、広い意味で理解するべきである。例えば、固定的な接続や、着脱可能な接続、一体接続とすることができるほか、機械接続、電気的な接続とすることもできる。また、直接接続、中間媒体による間隔接続、2つの要素の内部接続とすることもできる。当業者は、具体的な場合によって本開示における前記用語の具体的な意味を理解するであろう。
【0080】
本明細書に記載の参考用語「一実施形態」、「一部の実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体的な例」、「一部の例」などの説明は、実施形態又は例に関連して説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、前記用語の例示的な説明は必ずしも同じ実施形態又は例を指しているわけではない。また、説明している具体的な特徴、構造、材料又は特性を、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において、適切な方法で結合させることができる。
【0081】
本開示の実施形態が既に示され、説明されたが、当業者は、本開示の原理および主旨から逸脱しない場合にこれらの実施形態に対して様々な変更、修正、置換、および変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0082】
100:支持部品
110:第1支持板
111:第1支持面
112:凹部
113:凸部
120:支持板
121:第2支持面
130:接続板
131:第1固定部
131a:第1開口部
131b:第1細長穴
132:第2固定部
132a:第2開口部
132b:第2細長穴
133:調節部
133a:第1位置決め穴
134:位置決めボルト
200:接続部品
210:第1接続ロッド
220:第2接続ロッド
230:弾性カバー
240:長方形接続フレーム
241:縦方向ロッド
242:横方向ロッド
300:支持ローラ
301:軸方向穴
302:第1平面
303:第2平面
410:位置決め部品
420:曲げ用ガイド部品
610:第1ヘッダー配管
620:第2ヘッダー配管
630:伝熱管
631:曲げ部
632:伝熱管段
A:縦方向
B:横方向
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