(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】フォースフィードバック装置及び当該フォースフィードバック装置を含むハンドル
(51)【国際特許分類】
A63F 13/285 20140101AFI20230424BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
A63F13/285
G06F3/01 560
(21)【出願番号】P 2022096201
(22)【出願日】2022-06-15
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】202220383522.4
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522235216
【氏名又は名称】エーエーシー アコースティック テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲雲▼童
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 利金
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 亮
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 兵
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-010963(JP,A)
【文献】中国実用新案第213634940(CN,U)
【文献】特開平07-124332(JP,A)
【文献】特開2005-265200(JP,A)
【文献】特表2002-529846(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0128186(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
A63H 1/00-37/00
G09B 1/00-9/56、17/00-19/26
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ブラケットと、回転軸を介して前記固定ブラケットにヒンジ結合されるトリガーと、前記トリガーに当接する伝動軸と、前記トリガーを引く方向とは逆方向の作用力を前記伝動軸を介して前記トリガーへ与える駆動機構と、戻し機構とを含むフォースフィードバック装置であって、
前記駆動機構は、磁気回路システム、及び、前記磁気回路システムとともに電磁誘導力を生成するコイルを含み、前記コイルは、前記伝動軸に固定され、
前記磁気回路システムは、磁性鋼と、前記磁性鋼が取り付けられるヨーク部とを含み、前記ヨーク部は、底壁と、ガイドロッドと、側壁とを含み、前記伝動軸には、前記ガイドロッドに係合するガイドレールが設けられ、
前記磁性鋼は、前記側壁
のうち、前記コイルに対向する内側面に取り付けられ、前記コイルの少なくとも一部は、前記伝動軸の外側部のうち前記ガイドレールが内設された領域に巻き付けられ、且つ前記ガイドロッドと前記側壁との間に設けられていることを特徴とするフォースフィードバック装置。
【請求項2】
前記トリガーには、長尺スロットが設けられ、前記伝動軸の前記トリガーに当接する端部は、前記長尺スロットに収容され、且つ前記長尺スロット内を摺動可能であることを特徴とする
請求項1に記載のフォースフィードバック装置。
【請求項3】
前記戻し機構は、捩りばねであり、前記捩りばねは、前記回転軸に外嵌され、前記捩りばねは、一端が前記固定ブラケットに固定され、他端が前記トリガーに固定されることを特徴とする
請求項1に記載のフォースフィードバック装置。
【請求項4】
前記戻し機構は、コイルばねであり、前記コイルばねは、前記伝動軸と前記磁気回路システムとの間に接続されていることを特徴とする
請求項1に記載のフォースフィードバック装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載のフォースフィードバック装置を含むことを特徴とするハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の技術分野に関し、特に、フォースフィードバック装置及び当該フォースフィードバック装置を含むハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術及び電子情報技術の発展につれて、ますます多くのゲームが開発され、人気を集めている。一方、操作機器としてのハンドルに対するユーザーの感覚要求もますます高くなっている。
【0003】
現在、市販されているハンドルのトリガーにおける力値カーブは、一定であり、異なるゲームシーンに応じて調整することができず、ユーザーに良好なゲーム体験を与えることが困難であり、ユーザーに臨場感溢れるゲーム体験を与えることができない。
【発明の概要】
【0004】
上記問題に鑑みて、本発明は、異なる形の電流がコイルを流れることによって、伝動軸を介してトリガーに異なる形の作用力を与え、ユーザーがトリガーを引く力の異なる強度及び力の強度の変化を感じることができ、電流を消すことで、トリガーから瞬間に力がなくなり、ユーザーが様々なゲームシーンに応じてより豊かなゲーム体験を得ることができるフォースフィードバック装置及び当該フォースフィードバック装置を含むハンドルを提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、フォースフィードバック装置を提供する。前記フォースフィードバック装置は、固定ブラケットと、回転軸を介して前記固定ブラケットにヒンジ結合されるトリガーと、前記トリガーに当接する伝動軸と、前記トリガーを引く方向とは逆方向の作用力を前記伝動軸を介して前記トリガーへ与える駆動機構と、戻し機構とを含み、前記駆動機構は、磁気回路システム、及び、前記磁気回路システムとともに電磁誘導力を生成するコイルを含み、前記コイルは、前記伝動軸に固定される。
【0006】
前記トリガーには、長尺スロットが設けられ、前記伝動軸の前記トリガーに当接する端部は、前記長尺スロットに収容され、且つ前記長尺スロット内を摺動可能であることが好ましい。
【0007】
前記戻し機構は、捩りばねであり、前記捩りばねは、前記回転軸に外嵌され、前記捩りばねは、一端が前記固定ブラケットに固定され、他端が前記トリガーに固定されることが好ましい。
【0008】
前記戻し機構は、コイルばねであり、前記コイルばねは、前記伝動軸と前記磁気回路システムとの間に接続されていることが好ましい。
【0009】
前記磁気回路システムには、ガイドロッドが設けられ、前記伝動軸には、前記ガイドロッドに係合するガイドレールが設けられていることが好ましい。
【0010】
本発明は、上述したようなフォースフィードバック装置を含むハンドルをさらに提供する。
【0011】
本発明のフォースフィードバック装置及び当該フォースフィードバック装置を含むハンドルは、異なる形の電流がコイルを流れることによって、伝動軸を介してトリガーに異なる形の作用力を与え、ユーザーは、トリガーを引く力の異なる強度及び力の強度の変化を感じることができ、電流を消すことで、トリガーから瞬間に力がなくなり、ユーザーは、様々なゲームシーンに応じて、より豊かなゲーム体験を得ることができる。
【0012】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例の説明に使用される添付の図面を簡単に紹介するが、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎない。当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に従って他の図面を取得することができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のフォースフィードバック装置の立体構造模式図である。
【
図2】本発明の別のフォースフィードバック装置の立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術方案を明確かつ完全に説明するが、明らかに、ここで説明される実施例は、本発明のいくつかの実施例のみであり、全ての実施例を示すものではない。本発明における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく当業者によって取得される他の実施例は全て、本発明の保護範囲に属する。
【0015】
図1を参照すると、本発明は、フォースフィードバック装置100を提供する。前記フォースフィードバック装置100は、固定ブラケット1と、回転軸2を介して前記固定ブラケット1にヒンジ結合されるトリガー3と、前記トリガー3に当接する伝動軸4と、前記トリガー3を引く方向とは逆方向の作用力を前記伝動軸4を介して前記トリガー3へ与える駆動機構5と、戻し機構6とを含む。前記駆動機構5は、磁気回路システム51、及び、前記磁気回路システム51とともに電磁誘導力を生成するコイル52を含み、前記コイル52は、前記伝動軸4に固定される。前記磁気回路システム51は、磁性鋼511、及び前記磁性鋼511が取り付けられるヨーク部512を含む。
【0016】
前記トリガー3には、長尺スロット31が設けられ、前記伝動軸4の前記トリガー3に当接する端部41は、前記長尺スロット31に収容され、且つ前記長尺スロット31内を摺動可能である。前記トリガー3が前記回転軸2の周りを回転すると、前記伝動軸4の前記トリガー3に当接する端部41は、前記長尺スロット31内を摺動する。
【0017】
前記ヨーク部512には、ガイドロッド5121が設けられ、前記伝動軸4には、前記ガイドロッド5121に係合するガイドレール42が設けられている。
【0018】
本実施形態では、前記戻し機構6は、捩りばねであり、前記捩りばねは、前記回転軸2に外嵌され、前記捩りばねは、一端61が前記固定ブラケット1に固定され、他端62が前記トリガー3に固定される。
【0019】
図2を参照すると、本発明は、別のフォースフィードバック装置200を提供する。前記フォースフィードバック装置200は、戻し機構で上記フォースフィードバック装置100と異なっている。本実施形態では、戻し機構6’がコイルばねであり、前記コイルばねは、ガイドロッド5121’に外嵌され、且つ伝動軸4’とヨーク部512’との間に接続される。
【0020】
また、本発明は、上述したようなフォースフィードバック装置100/200を含むハンドルをさらに提供する。
【0021】
本発明のフォースフィードバック装置及び当該フォースフィードバック装置を含むハンドルは、異なる形の電流がコイルを流れることによって、伝動軸を介してトリガーに異なる形の作用力を与え、ユーザーは、トリガーを引く力の異なる強度及び力の強度の変化を感じることができ、電流を消すことで、トリガーから瞬間に力がなくなり、ユーザーは、様々なゲームシーンに応じて、より豊かなゲーム体験を得ることができる。
【0022】
本発明に説明した効果がよりよく理解されるために、コイルを流れる異なる形の電流について例を挙げて説明するが、これらの例は、本発明に対する限制をなすものではないことを理解されたい。本発明は、これらの可能な例を含むが、これらに限定されない。例えば、コイルに一定の大きさの連続直流電流を流すと、コイルが磁気回路システムの磁界において電磁誘導力を生成し、伝動軸を介してトリガーに与え、トリガーを引く方向とは逆方向の作用力を生じさせ、ユーザーがトリガーを引くとこの作用力を感じる。直流電流の大きさを変えると、それに応じて、ユーザーがトリガーを引く時に感じる作用力の大きさも変わる。そうすると、ユーザーは、トリガーを引く力の異なる強度を感じることができる。別の例としては、コイルに時間間隔を有する直流電流を流すと、電流が流れる段階で、ユーザーは力の作用を感じ、電流が流れていない段階で、力の作用が消えるが、再び電流が流れる段階になると、ユーザーは再び力の作用を感じる。さらに、この力の作用は、前回の力の作用と異なってもよい。そうすると、ユーザーは、トリガーを引く力の強度の変化を感じることができ、「メリハリ」、「叩き」感が作られる。もちろん、本発明のフォースフィードバック装置に基づいて、異なる体験効果の要求に応じて、コイルを流れる電流のその他の形を選択することもできる。
【0023】
上記したのは本発明の実施形態に過ぎない。なお、ここでは、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱することなく改良を施すことができるが、これらはすべて本発明の保護範囲に属する。
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーが様々なゲームシーンに応じてより豊かなゲーム体験を得られるフォースフィードバック装置及びハンドルを提供する。
【解決手段】フォースフィードバック装置100は、固定ブラケット1と、回転軸2を介して固定ブラケットにヒンジ結合されるトリガー3と、トリガーに当接する伝動軸4と、トリガーを引く方向とは逆方向の作用力を伝動軸を介してトリガーへ与える駆動機構5と、戻し機構6と、を含む。駆動機構は、磁気回路システム51及び磁気回路システムとともに、電磁誘導力を生成するコイル52を含む。コイルは、伝動軸に固定される。のフォースフィードバック装置及びハンドルは、異なる形の電流がコイルを流れることによって、伝動軸を介してトリガーに異なる形の作用力を与える。ユーザーは、トリガーを引く力の異なる強度及び力の強度の変化を感じることができる。
【選択図】
図1