(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】フォールバックリンクを使用する移動元セルからターゲットセルへのサイドリンクの切り替え
(51)【国際特許分類】
H04W 76/14 20180101AFI20230424BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20230424BHJP
H04W 36/18 20090101ALI20230424BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20230424BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W92/18
H04W36/18
H04W4/40
(21)【出願番号】P 2022530012
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(86)【国際出願番号】 JP2020039806
(87)【国際公開番号】W WO2021085314
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-01-13
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ボノビル、エルベ
(72)【発明者】
【氏名】グレッセ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】カンフシ、ムーラド
(72)【発明者】
【氏名】チョチーナ、クリスティーナ
【審査官】浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/202798(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/195862(WO,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Correction on V2X sidelink communication in TS 36.300[online],3GPP TSG RAN WG2 #104 R2-1816470,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_104/Docs/R2-1816470.zip>,2018年12月17日
【文献】Huawei, HiSilicon,AS-related group communication for platooning[online],3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1902037,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1902037.zip>,2019年04月02日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Mobility challenges for NR V2X platooning/groupcast[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909300,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107/Docs/R2-1909300.zip>,2019年09月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 76/14
H04W 92/18
H04W 36/18
H04W 4/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動元セルから移動先セルに移動する特定のモバイルデバイスを運用する方法であって、
前記特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクを使用することであって、移動元サイドリンクリソースは、前記移動元セルを運用する移動元基地局によって管理され、前記特定のモバイルデバイス及び前記後続のモバイルデバイスが前記移動元セル内に位置し、後続とは、移動方向におけるものである、使用することと、
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることであって、フォールバックリンクリソースは、
前記特定のモバイルデバイスおよび前記後続のモバイルデバイスによって自律的に管理され、前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、前記特定のモバイルデバイスが前記後続のモバイルデバイスに切り替えメッセージを送信することを含む、切り替えることと、
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記フォールバックリンクから移動先サイドリンクに切り替えることであって、移動先サイドリンクリソースは、前記移動先セルを運用する移動先基地局によって管理され、前記特定のデバイス及び前記後続のデバイスが前記移動先セル内に位置する、切り替えることと
を含む方法。
【請求項2】
前記特定のモバイルデバイスによって、先行のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクを使用することであって、前記特定のモバイルデバイス及び前記先行のモバイルデバイスが前記移動元セル内に位置する、使用することと、
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクを維持しながら、前記先行のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることと、
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記フォールバックリンクを維持しながら、前記先行のモバイルデバイスと信号を交換するために前記フォールバックリンクから前記移動先サイドリンクに切り替えることと
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定のモバイルデバイスは、プラトゥーンを形成する複数のモバイルデバイスのうちの1つであり、前記方法は、前記プラトゥーンが前記移動元セルから前記移動先セルに移動する際に異なるモバイルデバイスが互いに追従するように、そのような異なるモバイルデバイスに連続的に適用される
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、前記特定のモバイルデバイスが前記移動元基地局から発信されるハンドオーバコマンドを受信することによってトリガーされる
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、前記特定のモバイルデバイスが信号又は信号品質を測定することによってトリガーされる
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、前記特定のモバイルデバイスがアプリケーションサーバから発信されるコマンドを受信することを含む
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、前記特定のモバイルデバイスが該特定のモバイルデバイスの地理的ロケーションに基づいてアプリケーションサーバから発信される信号を受信することを含む
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、前記特定のモバイルデバイスが前記移動元基地局から発信される切り替えコマンドを受信することを含む
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記特定のモバイルデバイスが、該特定のモバイルデバイス及び前記後続のモバイルデバイスが同じ基地局によってサービングされるか否かをチェックするために、該後続のモバイルデバイスと信号を交換することを更に含む
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記特定のモバイルデバイスによる前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクへの切り替えの前に、前記特定のモバイルデバイスによって、前記移動元基地局に、フォールバックリンクスケジューリング制約を示す信号を送信することを更に含む
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記特定のモバイルデバイスによって、前記後続のモバイルデバイスと信号を交換するために前記移動元サイドリンクから前記フォールバックリンクに切り替えることは、フォールバックリンク準備ステップが先行し、該フォールバックリンク準備ステップが、前記特定のモバイルデバイスから前記後続のモバイルデバイスにフォールバックリンク準備メッセージを送信することを含み、フォールバック準備メッセージは、フォールバックリンク構成情報を含む
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記特定のモバイルデバイスは、フォールバックリンクリソースの可用性をチェックすることを周期的に進める
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記特定のモバイルデバイスのプロセッサによって実行されると、該プロセッサに、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
プロセッサと、メモリと、ネットワーク接続モジュールとを備える前記特定のモバイルデバイスであって、前記プロセッサは、請求項1から請求項12までのいずれか1項に従って動作するように構成される特定のモバイルデバイス。
【請求項15】
前記ネットワーク接続モジュールは、単一の無線ネットワーク接続モジュールである請求項14に記載の特定のモバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動元セルから移動先セルに移動する特定のモバイルデバイスを運用する方法、及び、この方法に従って動作するように構成された特定のモバイルデバイス、及びこの方法を実行する命令を含むコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
或るセルをカバーする基地局と通信するモバイルデバイスは、当該デバイスが、或るセルから別のセルに移動する際に、別のセルをカバーする別の基地局にハンドオーバすることができる。或るセルから別のセルへのそのような遷移は、通信プロセスにおいて不連続性を生み出すおそれがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、添付の独立請求項によって定義される。本明細書において開示される概念の更なる特徴及び利点は、以下に続く説明において記載される。
【0004】
本開示は、移動元セルから移動先セルに移動する特定のモバイルデバイスを運用する方法であって、
特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクを使用することであって、移動元サイドリンクリソースは、移動元セルを運用する移動元基地局によって管理され、特定のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスが移動元セル内に位置する、使用することと、
特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることであって、フォールバックリンクリソースは、いずれの基地局からも独立して管理される、切り替えることと、
特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するためにフォールバックリンクから移動先サイドリンクに切り替えることであって、移動先サイドリンクリソースは、移動先セルを運用する移動先基地局によって管理され、特定のデバイス及び後続のデバイスが移動先セル内に位置する、切り替えることと、
を含む、方法を説明する。
【0005】
そのような方法により、例えば、車両が移動元基地局に対応するセルから、異なる移動先基地局に対応するセルに移動する際、車両プラトゥーン(platoon:隊列)内で車車間通信を維持することが可能になる。移動元基地局及び移動先基地局の双方に対応するセルにわたってプラトゥーンが拡がっている場合、いくつかの車両又はモバイルデバイスは、例えば、同じ基地局に対応するセル内に位置するときには基地局のうちの1つの内部のサイドリンクを使用して接続され、サイドリンクは、例えば、対応する基地局によって動的に割り当てられた無線リソースを使用し(「モード1」)、かつ、移動元基地局と移動先基地局との間で非互換性であり、一方、移動元基地局と移動先基地局との間の遷移エリア内の車両は、いずれの基地局からも独立して管理されるフォールバックリンクを使用して通信する。
【0006】
任意選択で、本方法は、
特定のモバイルデバイスによって、先行のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクを使用することであって、特定のモバイルデバイス及び先行のモバイルデバイスが移動元セル内に位置する、使用することと、
特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクを維持しながら、先行のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることと、
特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するためにフォールバックリンクを維持しながら、先行のモバイルデバイスと信号を交換するためにフォールバックリンクから移動先サイドリンクに切り替えることと、
を更に含む。
【0007】
実際、いくつかの例において、後続の車両は、移動元基地局に依存したセル内にある一方、それと同時に、先行の車両は、移動先基地局に依存したセル内にあり、特定のモバイルデバイスは、それと同時に或るセルから別のセルへの遷移中であり、そのようなセルは、移動元基地局及び移動先基地局にそれぞれ対応する。本方法により、そのような場合における車車間(V2V)通信の断絶が回避される。
【0008】
任意選択で、特定のモバイルデバイスは、プラトゥーンを形成する複数のモバイルデバイスのうちの1つであり、本方法は、プラトゥーンが移動元セルから移動先セルに移動する際に異なるモバイルデバイスが互いに追従するように、そのような異なるモバイルデバイスに連続的に適用される。本方法は、実際には、特に、異なる基地局によってハンドリングされるセルに拡がり得るプラトゥーンに対して有用であり、例えば、そのようなコンテキストにおけるV2V通信の効率性及び信頼度を高めることを可能にする。
【0009】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが後続のモバイルデバイスに切り替えメッセージを送信することを含む。モバイルデバイス間のそのようなメッセージングにより、例えば、基地局レベルにおいてメッセージングトラフィックを削減することが可能になる。
【0010】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが移動元基地局から発信されるハンドオーバコマンドを受信することによってトリガーされる。このような方法において進めることにより、例えば、確立されたサイドリンク通信に影響を与えることになるような或る基地局から別の基地局への遷移が行われようとするときに、切り替えを進めることが可能になる。
【0011】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが信号又は信号品質を測定することによってトリガーされる。このような方法において進めることにより、例えば、特定のモバイルデバイスが移動元基地局からのメッセージングが弱化したエリアに到達したときに、切り替えを進めることが可能になり、そのようなエリアは、対応するセルを出る特定のモバイルデバイスに対応する。
【0012】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスがアプリケーションサーバから発信されるコマンドを受信することを含む。そのようなアプリケーションサーバは、実際には、特定のモバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに遷移しようとしていることを検出することを可能にする情報から利益を受け得る。
【0013】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが特定のモバイルデバイスの地理的ロケーションに基づいてアプリケーションサーバから発信される信号を受信することを含む。そのようなアプリケーションサーバは、実際には、特定の車両からのロケーション情報、及び特定のモバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに遷移しようとしていることを検出することを可能にするネットワークトポロジを管理し得る。
【0014】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが移動元基地局から発信される切り替えコマンドを受信することを含む。これにより、例えば、基地局が、サイドリンク通信に影響を与えることになるようなハンドオーバを進めようとしているときに、切り替えを進めることが可能になる。
【0015】
任意選択で、特定のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスが同じ基地局によってサービングされるか否かをチェックするために、後続のモバイルデバイスと信号を交換する。これは、例えば、同じサイドリンクを有効のまま維持することを可能にすることになる、同じ基地局によってハンドリングされるセル間でのセルの交代が行われる場合に、フォールバックリンクへのトリガーを遅延させるのに使用することができる。
【0016】
任意選択で、本方法は、特定のモバイルデバイスによる移動元サイドリンクからフォールバックリンクへの切り替えの前に、特定のモバイルデバイスによって、移動元基地局に、フォールバックリンクスケジューリング制約を示す信号を送信することを含む。これにより、例えば、基地局レベルにおいてサイドリンクからフォールバックリンクへの遷移を考慮に入れること、及び潜在的な通信問題を削減することが可能になる。
【0017】
任意選択で、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、フォールバックリンク準備ステップが先行し、フォールバックリンク準備ステップが、特定のモバイルデバイスから後続のモバイルデバイスにフォールバックリンク準備メッセージを送信することを含み、フォールバック準備メッセージは、フォールバックリンク構成情報を含む。これにより、例えば、フォールバックリンクが使用されることになる時間量を削減することが可能になり、したがって、フォールバックリンクリソース要件が削減される。
【0018】
任意選択で、特定のモバイルデバイスは、フォールバックリンクリソースの可用性をチェックすることを周期的に進める。この認識の高まりにより、例えば、フォールバックリンクに切り替えることへの容易性を高めることが可能になる。
【0019】
本開示は、特定のモバイルデバイスのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書によって説明される方法のいずれかを実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体も説明する。
【0020】
本開示は、プロセッサと、メモリと、ネットワーク接続モジュールとを備える特定のモバイルデバイスであって、プロセッサは、本明細書によって説明される方法のいずれかに従って動作するように構成される、特定のモバイルデバイスも説明する。
【0021】
任意選択で、特定のモバイルデバイスは、ネットワーク接続モジュールが、単一の無線ネットワーク接続モジュールであるようなものである。そのような場合、V2V通信失敗の潜在的なリスクは、実際には、移動元基地局カバレッジから移動先基地局カバレッジに移動するときには高まり得るが、そのようなリスクは、フォールバックリンクの使用によって潜在的に低下する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】例示の方法によるモバイルデバイス構成を示す図である。
【
図5】例示の方法による別のモバイルデバイス構成を示す図である。
【
図6】
図5の構成に関係付けられた例示の方法によるシグナリングフローの一例を示す図である。
【
図7】
図6に示されるようなフローシグナリングの実行に続く、
図5の構成に対応するモバイルデバイス構成を示す図である。
【
図8】
図5の構成に関係付けられた例示の方法によるシグナリングフローの別の例を示す図である。
【
図9】
図5の構成に関係付けられた例示の方法によるシグナリングフローの別の例を示す図である。
【
図10】
図9のシグナリングフローに関係付けられた例示の方法によるシグナリングフローの別の例を示す図である。
【
図11】
図5の構成に関係付けられた例示の方法によるシグナリングフローの別の例を示す図である。
【
図12】例示の方法による別のモバイルデバイス構成を示す図である。
【
図13】例示の方法による別のモバイルデバイス構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、特定のモバイルデバイスを運用することに適用される。モバイルデバイスは、固定ではないモバイル通信デバイスと理解されるべきである。そのようなモバイル通信デバイスは、ネットワーク接続モジュールを使用して通信してもよい。そのようなモバイルデバイスは、人間又は車両によって携行されるモバイル端末であってもよい。モバイルデバイスは、ネットワーク接続モジュールを備える車両であってもよい。モバイルデバイスは、車両の運転者又は乗員によって携行してもよい。モバイルデバイスは、道路ネットワーク上又は空中でモバイルであるように構成してもよい。モバイルデバイスは、ネットワーク接続モジュールを備えるドローンであってもよい。モバイルデバイスは、ネットワーク接続モジュールを備える自動車、トラック、又はバスであってもよい。モバイルデバイスは、無線リソースを使用することによって自律的に又は部分的に自律的に自身を運転するように構成された自律的又は部分的に自律的なコネクテッドビークルであってもよい。自律運転は、人間の運転者を必要としない場合がある一方、部分的自律運転は、車両内に操作を行う人間の運転者の存在を必要とする場合がある。
【0024】
図1に示されるように、例示の方法100は、移動元セルから移動先セルに移動する特定のモバイルデバイスに適用される。移動元セル及び移動先セルの双方とも、セルラー無線ネットワーク内の通信セルである。移動元セルは、そこから特定のモバイルデバイスが出発するセルであってもよいし、モバイルデバイスが別のセルから到来して通過するセルであってもよい。移動先セルは、特定のモバイルデバイスが到着するとそこに留まるセルであってもよいし、モバイルデバイスが別のセルに向かう途中で通過するセルであってもよい。「移動元」及び「移動先」という言い回しは、モバイルデバイスが移動元セルから移動先セルに移動するというときの、移動元セル及び移動先セルに関連する。いくつかの例において、移動元セル及び移動先セルは、同期されていない場合があり、すなわち、それらは、共通の時間基準を共有していない場合がある。移動元セル及び移動先セルは、それぞれがカバレッジを有し、移動元セルのカバレッジは、移動先セルのカバレッジとは異なる。移動元セルのカバレッジ及び移動先のカバレッジは、重なる場合がある。移動元セルのカバレッジ及び移動先のカバレッジは、一致していない場合がある。特定のモバイルデバイスは、当該モバイルデバイスが移動元セルのカバレッジから移動先セルのカバレッジに移動するように、移動元セルから移動先セルに移動する。移動元セルから移動先セルに移動するとき、特定のモバイルデバイスは、移動元セル及び移動先セルの双方のカバレッジ内にある場合もあるし、移動元セルのカバレッジ下にも移動先セルのカバレッジ下にもない場合もあるし、移動元セル又は移動先セルのうちのいずれかのカバレッジ下にある場合もある。移動元セルから移動先セルに移動するとき、モバイルデバイスは、1つ以上の中間セルを通過する場合があり、そのような中間セルのカバレッジは、移動元セルと移動先セルとの間のモバイルデバイスの軌道と交わる。
【0025】
特定のモバイルデバイスは、本開示によれば、そのような特定のモバイルデバイスを、この特定のモバイルデバイスとインタラクトし得る他のモバイルデバイスと区別するために、「特定の」と名付けられる。ただし、特定のモバイルデバイスは、他のモバイルデバイスと類似していてもよいし、これらと異なっていてもよい。
【0026】
この例による方法100は、ブロック101において、特定のモバイルデバイスによって、移動元サイドリンクを使用して、後続のモバイルデバイスと信号を交換することを含む。後続のモバイルデバイスは、本開示によるモバイルデバイスであり、後続のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスと類似であるか又はこれと異なっており、後続のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスとは別個である。後続のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスの移動の全体方向と同じ方向の移動の全体方向を有するということによって「後続」である。後続のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、全体的には同じ方向において移動すると理解されるべきである。後続のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、同じ速度で又は異なる速度で移動する場合がある。いくつかの例において、後続のモバイルデバイスの速度は、特定のモバイルデバイスの速度と、20%未満だけ異なる。後続のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスが所与の点又はエリアに到達したか又はそこを通過した後に、そのような同じ点又はエリアに到達するか又はそこを通過するものと理解されるべきである。いくつかの例において、後続のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスの後、1秒未満のうちに特定の点を通過する。いくつかの例において、後続のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスの後、5秒未満のうちに特定の点を通過する。いくつかの例において、後続のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、200メートル未満だけ離れている。いくつかの例において、後続のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、100メートル未満だけ離れている。
【0027】
本開示によれば、特定のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスは、互いに接続され、互いに通信することができる。通信は、通信プロトコルの文脈におけるデータパケットを交換するものと理解され得る。通信は、直接的、すなわち、それぞれのネットワーク接続モジュールを使用してデバイス間で直接的なものとしてもよいし、間接的、すなわち、例えば基地局等の他の中間ネットワーク接続デバイスを通したものとしてもよい。直接通信は、基地局によって動的に割り当てられた無線リソース(「モード1」)、又は基地局によってシグナリングされるか若しくはUE内で事前構成される場合があるリソースのプールからそれぞれのモバイルデバイスに対応するユーザ機器(UE)によって自律的に選択されるリソース(「モード2」)を使用する場合がある。モード1リソース割り当てにより、基地局がリソースをより良好に制御することが可能になり、それゆえ、干渉が限られたものとなるとともに、送信衝突が回避される。本開示によれば、特定のデバイスと後続のデバイスとの間の通信は、移動元サイドリンクを通して行われ、移動元サイドリンクリソースは、移動元セルを運用する移動元基地局によって管理され、移動元サイドリンクは、例えば、基地局によって動的に割り当てられた無線リソースを使用し(モード1)、特定のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスは、移動元セル内に位置する。移動元サイドリンクは、特定のデバイスと後続のデバイスとの間での直接的な信号の交換を可能にするものと理解されるべきである。無線リソース利用は、例えば、時間/周波数割り当て技法を通じて、及び/又は空間再利用技法を通じて運用することができる。無線リソース利用は、スループット、遅延、パケットエラーレート及び優先度等のサービス品質要件を考慮に入れて運用することができる。モバイルデバイス間のそのような通信にサイドリンクを使用することにより、通信レイテンシが低減されるとともに、例えば空間再利用技法に起因してセル負荷が低減され得る。いくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は、静止している。いくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は、モバイルである。いくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は、5G gNB又は論理5G無線ノードである。他のいくつかの例において、移動元基地局及び移動先基地局は、4G eNBである。本開示によれば、特定のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスは、双方が移動元セル内に位置している間、移動元サイドリンクを使用している。この結果、特定のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスは、双方とも、移動元基地局によって送信される信号を用いて同期される。
【0028】
サイドリンクが所与の基地局に関連付けられることに起因して、異なるモバイルデバイスを接続するそのようなサイドリンクは、そのような所与の基地局に同期されることが理解されるべきである。モバイルデバイスのうちの1つが異なる基地局に向かって移動する際、ハンドオーバが行われることになり、これにより、一方ではサイドリンクに関連付けられた上記所与の基地局との同期、及び他方では当該異なる基地局との同期である異なる同期に、モバイルデバイスがサブミットされる場合がある。モバイルデバイスが異なる同期を用いて動作することが不可能である場合、例えば、モバイルデバイスが単一の無線ネットワーク接続モジュールを備える場合、モバイルデバイスは、異なる基地局へのハンドオーバを完了するために、サイドリンクから切断されるべきである。サイドリンクからのそのような切断は、異なるモバイルデバイス間の通信においてレイテンシを招くことになる。本開示は、この問題を解決することを目標とする。いくつかの例において、本開示は、特定のモバイルデバイスが、移動元基地局に同期された移動元サイドリンクから、移動元基地局と同期されていない移動先基地局に同期された移動先サイドリンクに、直接切り替えることを回避することを目標とする。
【0029】
移動元基地局及び移動先基地局が同期されている場合であっても、無線リソースは、異なる基地局において独立して運用されている。同じセルカバレッジ下の2つのモバイルデバイスがサービング基地局によって管理されるサイドリンクを通して接続される場合、かつこれらの2つのモバイルデバイスのうちの一方が別の基地局によって運用される移動先セルにハンドオーバされる場合、サイドリンクは、2つの異なる基地局によって同時に管理されることができず、切断されなければならない。本開示は、この問題を解決することを目標とする。
【0030】
これらの問題を解決するために、移動元セルから移動先セルに移動する特定のモバイルデバイスを運用する例示の方法100は、ブロック102において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることであって、フォールバックリンクリソースは、いずれの基地局からも独立して管理される、切り替えることを含む。それによって、いずれの基地局からも独立したそのようなフォールバックリンクを使用することにより、モバイルデバイス間の切断又はレイテンシが防止される。モバイルデバイス間のレイテンシを回避することにより、例えば、そのようなモバイルデバイスが道路若しくは街路上の車両、ドローン、又は工場内のモバイルロボットである場合に衝突のリスクが低減し得る。また、レイテンシを回避することにより、モバイルデバイスをより高速で運用すること、又はこれらのモバイルデバイスを、時間的又は距離的により接近して互いに追従させることが可能になる。いずれの基地局からも独立して管理されるフォールバックリンクの一例は、アドホックモードにおいて運用される高度道路交通システム(ITS:intelligent transport system)G5ピアツーピア通信リンク又はWifi無線リンクである。いずれの基地局からも独立して管理されるフォールバックリンクの別の例は、自律スケジューリングモード(「モード2」)において運用される3GPP PC5インターフェースの使用である。
【0031】
本開示によるフォールバックリンクの使用は、永続的な通信リンクではなく一時的な通信リンクを意味する。実際には、
図1のブロック103に示されるように、例示の方法100は、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するためにフォールバックリンクから移動先サイドリンクに切り替えることであって、移動先サイドリンクリソースは、移動先セルを運用する移動先基地局によって管理され、特定のデバイス及び後続のデバイスが移動先セル内に位置する、切り替えることも含む。特定のデバイス及び後続のデバイスが移動先セル内に位置するときに移動先サイドリンクへのそのような切り替えが行われるということにより、モバイルデバイスが双方とも同じセル内にあるときにサイドリンクに依拠しながら、フォールバックリンクを使用して或るセルから別のセルへの移動をハンドリングすることが可能になる。しかしながら、いくつかの例において、モバイルデバイスは、不要な遷移を回避するためにフィードバックリンクを維持しながら、移動元セルと移動先セルとの間で中間セルを通過してもよいことに留意するべきである。いくつかの例において、フォールバックリンクは、10秒未満にわたって、特定のモバイルデバイスと後続のモバイルデバイスとの間で有効に保たれる。いくつかの例において、フォールバックリンクは、5秒未満にわたって、特定のモバイルデバイスと後続のモバイルデバイスとの間で有効に保たれる。
【0032】
移動先サイドリンク、移動先セル及び移動先基地局は、移動元サイドリンク、移動元セル又は移動元基地局と同じ特徴を有する場合があることに留意するべきである。また、移動先サイドリンク、移動先セル及び移動先基地局は、移動元サイドリンク、移動元セル又は移動元基地局のうちのいずれかと異なる特徴を有していてもよい。
【0033】
別の例示の方法200は、
図2に示されている。そのような例示の方法200は、例示の方法100によるブロック101~103を含む。例示の方法200は、ブロック201において、特定のモバイルデバイスによって、移動元サイドリンクを使用して、先行のモバイルデバイスと信号を交換することであって、特定のモバイルデバイス及び先行のモバイルデバイスが移動元セル内に位置する、使用することを更に含む。ブロック201の間、後続のモバイルデバイスは、移動元セル内に位置していてもよいし、別のセル内に位置していてもよい。換言すれば、ブロック201及び101は、特定のモバイルデバイス、先行のモバイルデバイス及び後続のモバイルデバイスのロケーションに応じて、時間的に重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
【0034】
先行のモバイルデバイスは、本開示によるモバイルデバイスであり、先行のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスと類似であるか又はこれと異なっており、先行のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスとは別個である。先行のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスの移動の全体方向と同じ方向の移動の全体方向を有するということによって「先行」である。先行のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、全体的には同じ方向において移動すると理解されるべきである。先行のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、同じ速度で又は異なる速度で移動する場合がある。いくつかの例において、先行のモバイルデバイスの速度は、特定のモバイルデバイスの速度と、20%未満だけ異なる。先行のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスが所与の点又はエリアに到達するか又はそこを通過する前に、そのような同じ点又はエリアに到達するか又はそこを通過するものと理解されるべきである。いくつかの例において、先行のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスの前、1秒未満のうちに特定の点を通過する。いくつかの例において、先行のモバイルデバイスは、特定のモバイルデバイスの前、5秒未満のうちに特定の点を通過する。いくつかの例において、先行のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、200メートル未満だけ離れている。いくつかの例において、先行のモバイルデバイス及び特定のモバイルデバイスは、100メートル未満だけ離れている。
【0035】
例示の方法200は、ブロック202において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクを維持しながら、先行のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることも含む。ブロック202は、例えば、先行のデバイスが移動元セルから出て移動先セルに入るように移動する際に行われ得る。ブロック202により、先行の車両が移動元セルから出るように移動する際に、先行の車両と特定の車両との間の通信の断絶又はレイテンシを回避することが可能になる。特定のモバイルデバイスは、或る時点において、先行のモバイルデバイス又は後続のモバイルデバイスのうちの一方とのフォールバックリンク、及び先行のモバイルデバイス又は後続のモバイルデバイスのうちの他方とのサイドリンクの双方を使用して通信し、これを、例えば、特定のモバイルデバイスに、対応するスケジューリング制約を自身のサービング基地局に対して示させることによって行うことができ、それによって、サービング基地局が、使用されるサイドリンクが移動元サイドリンクである場合には移動元基地局となり、又は使用されるサイドリンクが移動先サイドリンクである場合には移動先基地局となる。特定のモバイルデバイスは、他の状況においても、対応するスケジューリング制約を自身のサービング基地局に示すことができる。
【0036】
例示の方法200は、ブロック203において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するためにフォールバックリンクを維持しながら、先行のモバイルデバイスと信号を交換するためにフォールバックリンクから移動先サイドリンクに切り替えることも含む。
【0037】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスは、プラトゥーンを形成する複数のモバイルデバイスのうちの1つであり、本開示による方法は、プラトゥーンが移動元セルから移動先セルに移動する際に異なるモバイルデバイスが互いに追従するように、そのような異なるモバイルデバイスに連続的に適用される。したがって、本開示による後続のモバイルデバイスは、更なる後続のモバイルデバイスとの関係において「特定のモバイルデバイス」とみなされ得る。複数の自律的コネクテッドビークルからなるプラトゥーンを形成することができる。1プラトゥーンは、6台以上の車両を含んでもよい。1プラトゥーンは、11台以上の車両を含んでもよい。プラトゥーンを形成するモバイルデバイスは、3つ以上のセルに及んでもよい。モバイルデバイスを移動元セルから移動先セルに遷移させるのに異なる方法を使用することに起因して追加レイテンシを招くことになる他の通信ソリューションを使用することと比較して、本開示による方法を使用することにより、プラトゥーンの移動の全体速度を高めることが可能になり得る。
【0038】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが後続のモバイルデバイスに切り替えメッセージを送信することを含む。切り替えは、実際には、プロセスに参加する異なる要素間でいくつかの異なるメッセージを交換することを含んでもよい。特定のモバイルデバイスは、移動元サイドリンクを使用して後続のモバイルデバイスに切り替えメッセージを送信してもよい。そのような切り替えメッセージは、フォールバックリンクの構成情報、例えば、フォールバックリンクリソースを示す情報、又は特定の構成選択番号若しくはコードを示す情報を含んでもよい。
【0039】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが移動元基地局から発信されるハンドオーバコマンドを受信することによってトリガーされる。そのようなハンドオーバコマンドは、移動元基地局によって運用される移動元セルから、移動先基地局によって運用される移動先セルに切り替えるハンドオーバコマンドであってもよい。
【0040】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが信号又は信号品質を測定することによってトリガーされる。特定のデバイスは、実際には、例えば、自身のサービング局、この場合では移動元基地局に関して信号劣化を検出してもよく、例えば移動元サイドリンクから移動先サイドリンクへの切り替えによって招かれるレイテンシを回避するために、そのような信号劣化を使用して、後続のモバイルデバイスと信号を交換するための移動元サイドリンクからフォールバックリンクへの切り替えがトリガーされる。
【0041】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスがアプリケーションサーバから発信されるコマンドを受信することを含む。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、特定のモバイルデバイスの直接通信リンクのステータス、すなわち、直接通信リンクがサイドリンクであるのか又はフォールバックリンクであるのかのステータスをプロビジョニングされる。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、移動元基地局を通して特定のモバイルデバイスと通信する。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、本開示によるプラトゥーンからの全てのモバイルデバイスと通信する。いくつかの例において、アプリケーションサーバは、信号を生成するために特定のモバイルデバイスの地理的ロケーションを考慮に入れる。実際には、いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが特定のモバイルデバイスの地理的ロケーションに基づいてアプリケーションサーバから発信される信号を受信することを含む。信号を地理的ロケーションに基づかせることにより、特定のモバイルデバイスが移動元基地局と移動先基地局との間の遷移ゾーン内にあるときに切り替えを進めることが可能になる。
【0042】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることは、特定のモバイルデバイスが移動元基地局から発信される切り替えコマンドを受信することを含む。移動元基地局から発信される切り替えコマンドは、フォールバックリンクの構成情報、例えば、フォールバックリンクリソースを示す情報、又は特定の構成選択番号若しくはコードを示す情報を含んでもよい。
【0043】
いくつかの例において、方法は、特定のモバイルデバイスによる移動元サイドリンクからフォールバックリンクへの切り替えの前に、特定のモバイルデバイスによって、移動元基地局に、フォールバックリンクスケジューリング制約を示す信号を送信することを含む。基地局にそのような制約を示すことにより、モバイルデバイスがフォールバックリンクに切り替えることを進める際に、特定のモバイルデバイスと基地局との間の通信の途絶が防止され得る。
【0044】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスによって、後続のモバイルデバイスと信号を交換するために移動元サイドリンクからフォールバックリンクに切り替えることには、フォールバックリンク準備ステップが先行し、このフォールバックリンク準備ステップは、特定のモバイルデバイスから後続のモバイルデバイスにフォールバックリンク準備メッセージを送信することを含み、フォールバック準備メッセージは、フォールバックリンク構成情報を含む。そのような準備ステップを進めることは、通信途絶を削減することに関与し得る。
【0045】
いくつかの例において、特定のモバイルデバイスは、フォールバックリンクリソースの可用性をチェックすることを周期的に進める。そのような周期的なチェックを進めることは、特定のモバイルデバイスが移動するにつれてフォールバックリンクリソースを更新することを可能にすることによって通信途絶を削減することに関与し得る。そのような周期的なチェックは、少なくとも1分ごとに一度、行ってもよい。そのような周期的なチェックは、少なくとも10秒ごとに一度、行ってもよい。
【0046】
図3は、プロセッサ301と、メモリ302と、ネットワーク接続モジュール303とを備える例示の特定のモバイルデバイス300を示しており、プロセッサ301は、本明細書によって説明される方法のうちのいずれかに従って動作するように構成される。いくつかの例において、ネットワーク接続モジュールは、単一の無線ネットワーク接続モジュールである。プロセッサ301は、オペレーティングシステムによって管理される計算のための電子回路を備えることができる。
【0047】
図3は、例えばメモリ又は記憶ユニット302等の非一時的機械可読又はコンピュータ可読記憶媒体も示しており、非一時的機械可読記憶媒体は、プロセッサ301等のプロセッサによって実行可能な命令304で符号化され、機械可読記憶媒体は、本明細書によって説明される例示の方法のうちのいずれかに従って実行するようにプロセッサ301を動作させる命令304を含む。
【0048】
本開示によるコンピュータ可読記憶装置は、実行可能な命令を記憶する任意の電子、磁気、光又は他の物理的記憶デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶装置は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、記憶ドライブ、及び光ディスク等であり得る。本明細書によって説明されるように、コンピュータ可読記憶装置は、本明細書によって説明される方法による実行可能命令で符号化され得る。
【0049】
記憶装置又はメモリは、本明細書によって説明されるような実行可能命令を記憶する任意の電子、磁気、光又は他の物理的記憶デバイスを含み得る。
【0050】
更なる例が本明細書によって説明され、モバイルデバイスは、車両である。
【0051】
これらの例において、車両は、ハンドオーバ中、フォールバックリンクに依拠する。このフォールバックリンクは、基地局によってスケジューリングされていない無線リソースを使用してもよいし、セルラーベース以外の無線アクセス技術を使用してもよい。
【0052】
図4に示される例において、フォールバックリンクは、免許不要帯域を使用していてもよく(また、この例において他の帯域を使用してもよい)、リソース使用量を削減するために、フォールバックモードは、特定のモバイルデバイスV3及び後続のモバイルデバイスV2である2つの車両が移動元基地局gNB1及び移動先基地局gNB2によって運用される2つの異なるセルに属するサイドリンクを介して接続される間にのみアクティブ化される。換言すれば、そのような例において、フォールバックリンクは、後続の車両が(1台以上の他の後続の車両との)移動元サイドリンクに接続される間、かつ特定の車両が同時に(1台以上の異なる他の先行の車両との)移動先サイドリンクに接続される間にのみ、後続の車両と特定の車両との間で有効である。この例において、車両間のサイドリンク通信又はV2V(車車間)通信は、PC5インターフェースを使用する直接通信である。この例において、車両と基地局との間の通信は、UE(モバイルデバイス又は車両に対応するユーザ機器)を、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)地上無線アクセスネットワークの一部である基地局(gNB1又はgNB2)にリンクするUuインターフェースを介したものである。
【0053】
この例において、セルラーサイドリンクからフォールバックリンクに切り替える時間は、移動元基地局から移動先基地局への特定のモバイルデバイスのハンドオーバを進める前に、フォールバックリンクの準備を使用することによって削減される。そのような切り替えは、例えば、5Gシステムのモビリティメッセージによってトリガーしてもよい。
【0054】
この例において、フォールバックリンクがアクティブである時間が削減され、それによって、フォールバックリンクから移動先サイドリンクに戻る切り替えは、シグナリングによって加速される。
【0055】
この例において、モバイルデバイス又は車両V1、V2、V3及びV4によって形成されるプラトゥーン上の移動元基地局から移動先基地局へのハンドオーバの影響は、ハンドオーバゾーン内の無線ネットワークセル境界周辺に位置する車両(
図4上のV2及びV3)に空間的に限定される。時間的にも影響は限定され、V2V通信が移動先サイドリンク等のスケジューリングされたリソース割り当てによってサポートされる場合、移動先サイドリンクを使用することに戻る切り替えは、V2V通信内の車両が同じ基地局、この場合では移動先基地局gNB2によって運用されるセルのカバレッジ下に戻った直後に起こる。この例において、プラトゥーン全体がフォールバックリンク下に留まる状況が回避される。
【0056】
この例において、シグナリングは、サイドリンクを通した車両間シグナリングに限定してもよい。また、シグナリングは、例えば回復からの時間及びマルチキャリアサポートを改善するために、基地局を含んでもよい。また、シグナリングは、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC:Multi-access Edge Computing)レベルにおけるプラトゥーンの知識から利益を得るために、基地局及びアプリケーション層(MEC手法)を含んでもよい。
【0057】
図5に示される例において、移動元基地局は、Cell 1に対応するgNB1であり、移動先基地局は、Cell 2に対応するgNB2であり、特定のモバイルデバイスは車両V3であり、後続のモバイルデバイスは車両V2であり、先行のモバイルデバイスは車両V4である。V3及びV2は、PC5インターフェースを使用して移動元サイドリンクを介して通信しているものとして表され、V2及びV3は、Cell 1のカバレッジ下にあり、Uuを介してgNB1と通信している。V3は、フォールバックリンクを介してV4と通信しているものとして表され、V4は、Cell 2のカバレッジ下にあり、Uuを介してgNB2と通信している。V2及びV3の双方が、gNB1上で無線同期されている。V3は、移動元サイドリンクを介して、移動元基地局によって運用されるセルのカバレッジ下の他の車両に接続することができることに留意するべきである。V4は、移動元サイドリンクを介して、移動先基地局によって運用されるセルのカバレッジ下の他の車両に接続することができることに留意するべきである。
【0058】
この例において、移動元サイドリンクからV2とV3との間のフォールバックリンクに切り替えるために、及びフォールバックリンクからV3とV4との間の移動先サイドリンクに切り替えるために、シグナリングを車両間の直接交換を介して行って、V2とV3との間のフォールバックリンクが準備される。そのようなシグナリングは、セルラーシグナリングから、すなわち、基地局のうちの一方又は双方からトリガーしてもよいし、車両によって行われる無線信号に対する信号測定によってトリガーしてもよい。
【0059】
この例において、V3は、移動元サイドリンクを通して、1つの車両又は後続のモバイルデバイスV2に接続される。他の例において、V3は、いくつかの近傍車両又はいくつかの後続のモバイルデバイスとの有効な移動元サイドリンクを有してもよい。
【0060】
図6は、例えば
図5に示された例に対応する例示のメッセージフローを表している。例示のメッセージフローの連続的なステップは、以下で論述される。
【0061】
「フォールバックリンク構成」とラベル付けされたステップ0は、フォールバック準備要求を通じたV2とV3との間のフォールバック接続の準備に対応する。このステップにおいて、車両V3は、可能なフォールバックリンクを準備するようにV2にメッセージを送信する。フォールバック準備要求メッセージは、フォールバックリンクを使用するために無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を含んでもよい。RATの例としては、ロングタームエボリューション(LTE)、New Radio(NR)、又はwifiが挙げられる。また、メッセージは、例えば、フォールバックリンクモードにおいて使用するための、無線リソースプール(又は無線リソースプールのグループ)内の動作用の周波数、又はビットレート若しくは遅延等のサービス品質情報を含んでもよい。メッセージは、代替的には、フォールバックリンク構成に対するインデックスを含んでもよい。後続の車両V2は、フォールバック準備要求の受信を確認応答してもよい。
【0062】
このフォールバックリンク準備ステップ0は、この例において、V2及びV3が同じ移動元セルのカバレッジ下にある任意の時点において、かつ、これらが使用可能な移動元サイドリンクを有する限り、行うことができる。このフォールバックリンク準備ステップ0のトリガーは、例えば、V3とV2との間の移動元サイドリンクの確立、gNB1からの無線信号に対してV3によって行われる、無線品質の低下を示す測定、又はこれら双方の組み合わせとすることができる。
【0063】
V2及び/又はV3は、フォールバックリンクリソースの可用性を周期的に試験してもよく、例えば、V2及び/又はV3は、現在の負荷又は所与のRAT若しくはリソースプールの残りのキャパシティを周期的に試験し、それに従って可能なフォールバックリンクを更新してもよい。また、V2及びV3は、フォールバックリンクのうちの可能なフォールバックリンクのリストに同意してもよい。
【0064】
代替的に、フォールバック準備ステップは、事前に行ってもよく、例えば、それによって、フォールバックリンク特徴又はリソースは、例えば車両のUSIMカード(UMTS加入者識別モジュールカード)を使用して、車両内で事前構成することができる。
【0065】
「HOコマンド」とラベル付けされたステップ1は、V3がCell 1のセルエッジに接近している際に行われる。gNB1は、V3のCell 2へのハンドオーバを準備し、HOコマンド(ハンドオーバコマンド)をV3に送信する。
【0066】
gNB1は、V3が問題なくステップ2を実行することを可能にするために、幾分かの時間の間、V3のための移動元サイドリンク許可を維持することができる。関係付けられた有効時間は、例えばUE能力に応じて、固定の持続時間で割り当ててもよいし、動的なものとして、HOコマンド内に含めてもよい。このステップにおいてこれ以上V3のためのサイドリンク許可が利用可能ではない場合、V3は、例外的なサイドリンクリソースプールを使用してもよい。
【0067】
「フォールバック要求(On)」とラベル付けされたステップ2は、V2とV3との間での移動元サイドリンクからフォールバックリンクへの切り替えを要求する。起こり得るV2Vサービス中断を削減するために、V2とV3との間の移動元サイドリンクが断絶する前に、V2とV3との間のフォールバックリンクを確立することができる。この例において、V3が自身のサービング基地局(移動元基地局gNB1)からHOコマンドを受信したとき、かつV3がターゲットセル(gNB2(移動先基地局)によって運用される)に同期する前に、V3は、依然として機能している移動元サイドリンクを通してV2にフォールバック要求を送信して、自身のペアV2に、自身がハンドオーバする予定であることを警告する。
【0068】
フォールバックリンク要求メッセージは、可能なフォールバックリンクの事前構成されたリストに対するインデックス、ステップ0において同意された可能なフォールバックリンクのリストに対するインデックスを含んでもよいし、例えばその構成が1つの単一フォールバックリンクオプションに限定される場合、ステップ0において準備されたフォールバックリンク構成を暗黙的に指してもよい。
【0069】
ステップ3:V2及びV3がフォールバックリンクに切り替える。
【0070】
ステップ4:V3が、Cell 2へのハンドオーバ(HO)手順を進める。
【0071】
ステップ5:Cell 2へのHOが完了すると、V3は、自身がフォールバックリンクを通して通信しているV4等の全ての自身のペア(例えば、V3が関連するモバイルデバイスのプラトゥーンの全てのメンバ)に、HOインジケーションメッセージを送信する。V3は、そのメッセージ内で、自身がCell2に参加したことを示すことができる。
【0072】
ステップ6:V3がV4のサービングセル、すなわち、この場合では移動先セルに参加したか否かをV4がチェックする。これが当てはまる場合、これは、特定のモバイルデバイスV3と先行のモバイルデバイスV4との間で移動先サイドリンクを確立することができることを意味する。V3によって提供される移動先セルidがV4をサービングしているセルのIDと同一ではない場合、V4は、セルidから基地局idを検索することができ、セルが同じ基地局によって運用されているか否かをチェックする。これが当てはまる場合、特定のモバイルデバイスV3と先行のモバイルデバイスV4との間で移動先サイドリンクを確立することができる。また、V4は、V3によって提供されるセルidを含むメッセージを自身のサービング基地局に送信して、V3をサービングするセルがV4との移動先サイドリンクをサポートすることが可能であるか否かを要求してもよい。
【0073】
ステップ7:V4が、フォールバックリンクを通してV3に、フォールバックリンクインジケーション(Off)メッセージを用いてフォールバックリンクをオフにすることができることを示す。
【0074】
いくつかの例において、フォールバックリンクをオフにすることができるというこのインジケーションは、V4と現在のサービングgNB2との間のUuリンクの品質によって、例えば、Uuリンクのそのような品質を閾値と比較することによって条件付けられる。不十分なリンク品質の場合(例えば、V4が移動先セルのカバレッジの外に既に移動中であるので、V4が更に別のセルへのハンドオーバのために自身を準備しようとする場合)、インジケーションは送信されず、通信は、ステップ6及び7を再び、場合によっては新たな移動先セル下で検証することができるまでフォールバックモードにおいて継続される。
【0075】
ステップ8:V3が、gNB2に、(V4との)移動先サイドリンクのためのリソースを要求する。V4が、gNB2に、(V3との)移動先サイドリンクのためのリソースを要求する。
【0076】
ステップ9:V3及びV4がフォールバックリンクをオフにする。
【0077】
いくつかの例において、周期的に、V3は、フォールバックリンクをともに有する自身のペアに関して、それらが同じセルカバレッジ下にあるか否かをチェックする。これは、InfoRequest(ServingCell)/InfoRequestResp(ServingCell)交換を通じて行うことができる。これは、ハンドオーバイベントが逸失された場合であっても、フォールバックリンクからサイドリンクに戻る切り替えを行うのに有用であり得る。
【0078】
別の例において、ステップ7は存在せず、gNB2にV3との移動先サイドリンク確立(ステップ8)を要求するかはV4次第である。
【0079】
別の例において、V2、V3及びV4は、自身がサイドリンクからフォールバックリンクに切り替えたとき(ステップ3)、及び自身がフォールバックリンクからサイドリンクに切り替えたとき(ステップ9)に、アプリケーションサーバにメッセージを送信する。したがって、アプリケーションサーバは、プラトゥーンメンバの接続ステータスに関して認識している。
【0080】
シグナリングメッセージ(ステップ2、5、7)は、V2Vアプリケーションレベルメッセージとすることができ、ステップ2メッセージは、移動元サイドリンクを介してトランスポートすることができ、ステップ5メッセージ及びステップ7メッセージは、フォールバックリンクを介してトランスポートすることができる。
【0081】
図6に示された例示のメッセージフローを進めた後、
図5に示された例示の構成は、
図7に示される例示の構成に対応することができ、特定のモバイルデバイスV3は、フォールバックリンクを通して後続のモバイルデバイスV2と、及び、PC5を使用する移動先サイドリンクを通して先行のモバイルデバイスV4と通信する。
【0082】
メッセージフローの別の例は、
図8に示されており、ハンドオーバされる車両V3は、フォールバックリンク要求内で、自身がハンドオーバされる予定であるセルのセルアイデンティティ、すなわち、移動先セルのセルアイデンティティを送信する。受信側ノードV2は、自身がともにフォールバックリンクを有するペア(この場合、V3)のセルアイデンティティを記憶する(
図8のステップ2及び4aを参照されたい)。
【0083】
このインジケーションが記憶された状態で、車両が新たなセルにハンドオーバされる場合、この車両は、自身がともにフォールバックリンクを有するが、この時点で同じ移動先セルカバレッジ下にあるペア(すなわち、異なるモバイルデバイス)をリストし(
図8のステップ6)、移動先サイドリンク確立を要求し(
図8のステップ8)、フォールバックリンクをオフにする(
図8のステップ9)ことができる。
【0084】
安全性を高めるために、記憶されたセル下にペアが依然としてあるか否かについてのチェックを導入してもよい。これは、
図8のステップ7において、InfoRequest(ServingCell)/InfoRequestResp(ServingCell)交換を通じて行ってもよい。
【0085】
図9は、モード1/モード2時間多重化を用いたサービス継続性の例を示している。
【0086】
図9の例において、フォールバックリンクは、少なくともgNB1とgNB2との間で共通のリソースプール(例えば、事前構成されたリソースプール)を介したPC5自律スケジューリング(「モード2」)に基づくものとすることができる。このリソースプールは、Cell1(gNB1)のキャリア周波数、Cell 2(gNB2)のキャリア周波数と同じキャリア周波数、又は更に別の周波数に位置してもよい。
【0087】
したがって、フォールバックリンクを介してV2Vリンクを有するカバレッジ内車両(例えば、
図7において説明された状況では、gNB2によって運用される移動先セルによってサービングされるV3)は、自身のサービング基地局、この場合では移動先基地局gNB2とのUu、1つのペアリングされた車両(例えば、
図7に従って同様にgNB2によってサービングされる先行のモバイルデバイスV4)とのV2Vサービスのためのスケジューリングされた移動先サイドリンク、及び別のペアリングされた車両(例えば、移動元基地局gNB1によってサービングされる後続のモバイルデバイスV2)とのフォールバックリンクを介して動作(すなわち、送信及び/又は受信)するべきである。最初の2つのリンク、すなわち、V3とgNB2との間のUu、及びV3とV4との間の移動先サイドリンクは、周波数及び時間におけるリソース割り当てのためにサービング基地局gNB2制御下にあり、一方で、割り当ては、第3のリンク(すなわち、V3とV2との間のフォールバックリンク)のためにUEによって自律的に行われ、一方で、V2とそのサービングセルCell1との間のUuは、gNB1制御下にある。
【0088】
V3及び/又はV2が1つの無線チェーンのみ、又は単一の無線を有するネットワーク接続モジュールを備える場合、V2及びV3は、スケジューリングされた動作と自律動作との間で自身の無線チェーンを切り替えるのに十分な時間を有するべきである。したがって、V2側でのスケジューリングされた割り当てと、V3側でのスケジューリングされた割り当てと、V2とV3との間の自律割り当て、例えば、時間におけるスケジューリングされた割り当て(すなわち、モード1とモード2との間の時間共有)との間で何らかの協調を行ってもよい。
【0089】
図9に示される例によれば、フォールバックリンク準備中、V2及びV3は、フォールバックリンクがアクティブになるときに使用されることになる自律スケジューリングパターンに同意する。自律スケジューリング計画を記述する2つの車両間のメッセージSchedulingInfo(Pattern)は、PC5 RRC(無線リソース制御)レベルとするとともに、例えば、SPS(セミパーシステントスケジューリング:Semi Persistent Scheduling)間隔、タイミングオフセット又はトラフィックパターンを含んでもよい。この例において、V2は、V2からV3への送信に対応するスケジューリングパターンをV3に提供し、V3は、V3からV2への送信に対応するスケジューリングパターンを提供する。その場合、完全なスケジューリングパターンは、例えば、2つの方向のためのパターンの和集合とすることができる(
図9のステップ1a及び1b)。
【0090】
次に、V2及びV3は、
図9の例において、FutureGapRequestメッセージにおいて自身が予想するスケジューリングパターンに関してサービング基地局(ここでは移動元基地局gNB1)に警告する(ステップ2)。このメッセージは、例えば、フォールバックリンクによって使用される自律プール上のV2及びV3の意図したトラフィックに由来するV2(GapPatternV2)及びV3(GapPatternV3)のタイミング制約を示す。基地局gNB1は、それぞれV2及びV3のコンテキストにおいて将来使用するためにこの情報を記憶する。V3は2つのV2V接続を有するので、GapPatternV3は、潜在的な2つのフォールバックリンク、すなわち、モバイルデバイスペア(V3、V2)間のリンク及びモバイルデバイスペア(V3、V4)間のリンクの制約を考慮に入れる。
【0091】
図9の例において、gNB1がV3をターゲットCell2にハンドオーバするためにgNB2とともに準備するとき(ステップ3)、gNB1は、UEコンテキスト転送の一部としてgNB2とのハンドオーバ準備手順において将来使用するために記憶されていたGapPatternを含み、UEは、この場合では、モバイルデバイスV3である。V3がCell2にアタッチすることになる場合、gNB2は、したがって、推定される遅延とともにV3の時間制約を考慮に入れることができる。
【0092】
図9の例において、V2がフォールバックリンク上に切り替える(ステップ7)前に、V2は、GapRequestメッセージにおいて自身のサービング基地局gNB1にギャップを要求する(ステップ6)。示されるギャップは、モバイルデバイスペア(V3、V2)間のフォールバックリンクに起因した制約に対応する。その場合、gNB1は、V2時間制約を考慮に入れることができる。
【0093】
図9の例において、V3がCell2に最終的にハンドオーバすると(ステップ8)、運用すべき(V2、V3)フォールバックリンクの時間制約を、gNB1によってV2側で、及びgNB2によってV3側で遵守することができる。
【0094】
図9の例において、V3とV4との間のフォールバックリンクをオフに切り替えることができ(ステップ13)、V4及びV3は、それに従ってギャップ要求を更新する(ステップ14)。V4について、フォールバックリンクに接続されていないことに起因してこの時点においてこれ以上のギャップを考慮しないものとすることができる。この例において、V3について、NewGapPatternV3は、(V3、V2)フォールバックリンクのみを考慮に入れる。
【0095】
図9の例において、FutureGapRequestメッセージによって示されるギャップパターンは、それらが将来のメッセージによって更新されない限り、将来使用するために基地局においてUEコンテキスト内に保持することができることに留意すべきである。基地局におけるGapPatternsの可能なハンドリングは、以下の通りとすることができる。
【0096】
【0097】
図10は、
図9の例と比較して基地局間協調がない代替形態を示しており、
図10は、
図9に示された例とは異なるステップ4とステップ8との間の特定のセクション(ステップ4及びステップ8を含む)に焦点を置いている。残りのステップは、
図9に従ったままとすることができる。
【0098】
図10の例において、車両ペアは、
図9の例に従って、フォールバックリンクがアクティブになると使用されることになるペアごとの自律スケジューリングパターンに同意する。しかしながら、車両ペアは、これらのパターンを、「将来使用するため」のものとして自身の基地局に転送しない(
図9のステップ2a及び2bはスキップする)。V2は、
図9の例に従ってフォールバックリンクをアクティブ化する直前に、GapRequest(GapPatternV2)をgNB1に送信する(ステップ6)。V3は、ハンドオーバを完了した直後に、GapRequest(GapPatternV3)をgNB2に送信する(ステップ8a)。提供されるパターンは、2つのフォールバックリンク、すなわち、ペア(V3、V2)間のフォールバックリンク及びペア(V3、V4)間のフォールバックリンクの制約を考慮に入れる。ギャップ要求は、V2とのフォールバックリンクがオフに切り替えられた後に更新される(
図9のステップ14)。
【0099】
図10に示されるこのソリューションは、車両が同じセルによってサービングされる間、V2とV3との間のフォールバックリンクを維持することを可能にする。いくつかの場合、UEであるV3が移動先セルgNB2にアタッチされた時間中、V3がいくつかのギャップを要求するまで、ペア(V2、V3)フォールバックリンク上で小規模なサービス中断が存在する可能性がある。
【0100】
図11は、基地局に暗に示すシグナリングを用いたサービス継続性の一例を示している。そのような例示のメッセージフローは、例えば、セルラーネットワークがユニキャストサイドリンク通信をサポートする場合に使用してもよく、基地局は、V2V通信エンドポイントの知識を有することができ、すなわち、基地局は、スケジューリングされたユニキャストサイドリンクの双方の側が同じ基地局によってサービングされるとき、そのそれぞれの側を認識している。しかしながら、基地局にわたって共通のUE識別情報を有することにより、潜在的に、機密性の問題が引き起こされ得る。そのような場合、UE識別情報は、基地局にわたって共通ではないことがあり、すなわち、基地局は、別の基地局によってサービングされるUE又はモバイルデバイスを識別することが可能でないことがある。しかしながら、基地局は、
図11に従った手順を使用してV2Vサービス継続性に寄与することができる。
【0101】
図11のステップ0において、サービング基地局である移動元基地局gNB1は、フォールバックリンク構成を認識する。V2及びV3は、直接通信を通じてフォールバック構成に同意し、フォールバック同意に関してサービング基地局gNB1に警告することができる。代替的に、V2及びV3は、フォールバックリンク構成についての自身の優先性をサービング基地局gNB1に警告することができ、サービング基地局は、マッチング構成又はマッチング可能性のリストを用いてV2及びV3を構成することができる。V2及びV3の優先性は、UE能力情報内に含めることができる。
【0102】
図11のステップ1:基地局gNB1がV2のCell2へのハンドオーバについてgNB2と交渉する。
【0103】
図11のステップ2:gNB1がV2及びV3にフォールバックリンク要求を送信する。
【0104】
図11のステップ3:V2(3a)及びV3(3b)がフォールバックリンクに切り替える。
【0105】
図11のステップ4:gNB1がV3にHOコマンドを送信する。
【0106】
図11のステップ5:V3が、Cell2への通常のハンドオーバ手順を実行する。
【0107】
図11における、通常の移動先サイドリンクモードに戻る切り替えは、
図6のステップ5と類似である。
【0108】
図11のステップ3bは、ステップ4の後に行うことができる。
【0109】
図12は、5GネットワークアーキテクチャにおけるMEC手法を通じたシグナリング(MECに関する概観)を示している。この例において、V2X(車両対全てのモノ:Vehicle to Everything)サービス及び特に本開示によるモバイルデバイスのプラトゥーンを管理するV2Xアプリケーションサーバは、基地局と併せて、本開示によるプラトゥーンメンバ間のV2Xサービスのためのスケジューリングされたサイドリンク通信とフォールバックリンク通信との間の交換も制御する。この手法は、MEC実施態様から利益を受け得る。なぜならば、プラトゥーンが長い可能性があるとともに移動中であっても、プラトゥーンは、或る特定の時間中限られた地理的エリア内に留まる傾向があるためである。その場合、そのような例示のMEC手法は、高速の反応性、及びその分散的な性質に起因したネットワークシグナリング負荷に対する影響を制限するという利益をもたらし得る。
【0110】
図12は、5つの車両を含むプラトゥーンを示しており、移動元基地局S-gNBからの移動元セルカバレッジ下にある左側の3つの車両(他の例によるV2及びV3を含む)は移動元サイドリンクSLによって互いに接続されており、右側の2つの車両(他の例によるV4を含む)は、移動先(又はターゲット)基地局T-gNBからの移動先セルカバレッジ下にあるとともに、移動先サイドリンクによって互いに接続されており、2つの車両は、移動元セル及び移動先セルに跨がっており(V3及びV4に対応する)、それらの間にサイドリンク接続を有しない。
図12は、NEF(ネットワークエクスポージャ機能:Network Exposure Function)、NRF(ネットワークリポジトリ機能:Network Repository Function)、PCF(ポリシー制御機能:Policy Control function)、UDM(統一データ管理:Unified Data Management)、AMF(コアアクセス及びモビリティ管理機能:Core Access and Mobility Management Function)、AUSF(認証サーバ機能:Authentication Server Function)、SMF(セッション管理機能:Session Management Function)及びUPF(ユーザプレーン機能:User plane Function)等の5Gコアシステム(5GC)の被接続要素を含む。
図12は、MEC AF(アプリケーション機能)及びMEC UPF(ユーザプレーン機能)も示している。様々な要素間のポイントツーポイントインタラクションN2、N3又はN4も表されている。
【0111】
図12の例において、V2Xアプリケーションサーバは、プラトゥーントポロジを認識しており、すなわち、V2Xアプリケーションサーバは、モバイルデバイスからなるプラトゥーンの各メンバとそのメンバ間の論理リンクとを識別することができることが仮定される。
【0112】
図12の例において、セルラーネットワークは、いくつかの無線関連特性及び異なるプラトゥーンメンバのステータスを、V2Xアプリケーションサーバに公開することができることが仮定される。このネットワーク特徴は、典型的には、NEFによって3GPP 5Gコアネットワークにおいて提供することができる。
【0113】
図12の例において、そのトポロジ知識に起因して、V2Xアプリケーションサーバは、例えば、このV2Xアプリケーションサーバが、セル内のプラトゥーン滞在が、例えば、セル形状又はプラトゥーン速度等の地理的特徴に起因して短くなることを検出した場合、所与のセルを横断する間、フォールバックリンクをアクティブに保持することができる。
【0114】
図12の例において、V2Xアプリケーションサーバは、いくつかの領域がいくつかのセルラーシステムカバレッジ問題を有し得ることを、構成から知得するか、又は、以前の場合から学習することができる。プラトゥーントポロジ及び車両の位置特定を認識しているため、V2Xアプリケーションサーバは、事前に、すなわち、セルラーカバレッジからのサービス品質が適切なV2Vサービスにとって過度に低くなる前に、いくつかのリンクのうちのフォールバックリンクへの切り替えを要求することができる。例示のメッセージングステップが、
図5及び
図7の参照符号を使用して、
図12による構造に対応して以下で説明される。
【0115】
ステップ0:フォールバック準備。V2Xアプリケーションは、プラトゥーンが無線カバレッジ下にある任意の時点においてフォールバックリンクを準備することができる。プラトゥーンメンバの地理的位置を認識しているので、フォールバックリンクは、領域に依存して異なり得る。3GPP仕様では、基地局が、UEが報告し得るロケーションに依存してサイドリンク通信のためのリソースプールを選択することが可能であるが、ここでは、例示の特徴は、異なるRATに拡張される。加えて、フォールバックリンク準備は、所与のロケーションにおいて、例えば道路交通量に依存して、異なる車両ペア又は異なる期間について異なり得る。
【0116】
ステップ1:V3がCell1のセルエッジに接近している際、gNB1が、V3に、近傍セルに対して測定を行うことを要求する。それらの測定は、V2Xアプリケーションサーバに公開される。
【0117】
ステップ2:無線信号品質に依存して、V2Xアプリケーションサーバが、V3及びV2に、フォールバックリンクに切り替えることを要求することを判断する。V2Xアプリケーションサーバは、フォールバックリンク要求(On、V3、V2)メッセージをV2及びV3に送信する。メッセージは、検討中のV2Vリンクの識別情報及び実行すべきアクションを含む。
【0118】
代替的に、ステップ2において、V2Xアプリケーションサーバが、V3及びV2に、フォールバックリンクに切り替えることを要求することを判断する。V2Xアプリケーションサーバは、MECロケーションAPIから得られるようなV2及びV3の現在のロケーションに基づいて、フォールバックリンク要求(On、V3、V2)メッセージを、V2及びV3に送信する。この場合、ステップ1は、スキップしてもよい。
【0119】
ステップ3:V2及びV3がフォールバックリンクに切り替える。
【0120】
ステップ4:gNB1がCell2へのハンドオーバを準備し、HOコマンドをV3に送信する。V3が、Cell2への通常のハンドオーバ手順を実行する。
【0121】
ステップ5:HOが完了すると、ターゲット基地局gNB2が、V3がCell2にハンドオーバしたことをV2Xアプリケーションサーバに公開する。この情報は、MEC無線ネットワーク情報APIから得ることができる。
【0122】
ステップ6:プラトゥーンのそのトポロジ知識から、V2Xアプリケーションサーバが、V3がV4へのフォールバックリンクを有することと、V3及びV4がこの時点で同じ移動先セルカバレッジ下にあることとを検出する。V2Xアプリケーションサーバは、フォールバックリンク要求(Off、V3、V4)メッセージをV3及びV4に送信する。メッセージは、検討中のV2Vリンクの識別情報及び実行すべきアクションを含む。
【0123】
ステップ7:V3が、gNB2に、移動先サイドリンクのためのリソースを要求する。V4が、gNB2に、移動先サイドリンクのためのリソースを要求する。
【0124】
ステップ8:V3及びV4が、フォールバックリンクをオフにする。
【0125】
図13は、カバレッジ外遷移/カバレッジ内遷移のための例示の応用を示している。プラトゥーンの車両が、セルラーネットワークカバレッジがないゾーンに入った場合、ネットワークカバレッジ下に依然としてある後続の車両を通じて前任のサービングセルに対する時間同期を保持するために、そのサイドリンクが維持され得ることが予想され得る。しかしながら、セルラー配備が2つのセル間にカバレッジホールが存在するようなものである場合、プラトゥーンが3つの異なるゾーン、すなわち、Cell1カバレッジ下のゾーン1、カバレッジがないゾーン2、及びCell2のカバレッジ下のゾーン3に延在することが起こり得る。そのような状況において、移動元サイドリンクは、ゾーン3に入っている車両まで維持され得るが、基地局が時間同期されていないことに起因する上記で言及された同期問題に起因して断絶することになる。
【0126】
図13は、本開示によるフォールバックリンク手順を適用して、この問題を解く例示の応用を示しており、
図13の上部セクションは、本開示による例示の方法を実行することを進める前の状況を示しており、
図13の下部セクションは、本開示による例示の方法を実行することを進めた後の状況を示している。
【0127】
図13の例において、車両V3がゾーン3に入ろうとしていると仮定する。車両V3は、先行の車両V2との移動元サイドリンク、及び先行の車両V4へのフォールバックリンクを有しており、V4は、Cell2に既にアタッチされている。
【0128】
図13に示される状況に適用される例示のメッセージングフローは、以下の通りとすることができる。
【0129】
ステップ1:V3が、無線信号をモニタリングし、移動先基地局gNB2との通信リンクの再確立のための良好な候補としてCell2を検出する。
【0130】
ステップ2:V3が、自身がともにサイドリンクを有するペア、この場合では、後続のモバイルデバイスV2にフォールバックリンク要求(On)を送信する。
【0131】
ステップ3:V2及びV3がフォールバックリンクに切り替える。
【0132】
ステップ4:V3が移動先セルとしてCell2にアタッチする。
【0133】
ステップ5:V3が、自身がフォールバックリンクを通して通信している全てのそのピア(V4等)にHOインジケーションメッセージを送信する。V3が、そのメッセージ内で、自身がCell2に参加したことを示す。
【0134】
ステップ6:V4が、V3がそのサービングセルである移動先セルCell2に参加したか否かをチェックする。これが当てはまる場合、これは、V3とV4との間で移動先サイドリンクを確立することができることを意味する。
【0135】
ステップ7:V4が、フォールバックリンクを通してV3に、フォールバックリンク要求(Off)メッセージを用いてフォールバックリンクをオフにすることができることを示す。
【0136】
ステップ8:V3が、移動先基地局gNB2に、(V4との)移動先サイドリンクのためのリソースを要求する。V4が、移動先gNB2に、(V3との)移動先サイドリンクのためのリソースを要求する。
【0137】
ステップ9:V3及びV4が、フォールバックリンクをオフにする。
【0138】
V3がステップ4において最終的にCell2から拒絶された場合、V3は、自身がステップ2でフォールバックリンク要求(On)を以前に送信したピアに、初期動作モードに戻る切り替えを行うフォールバックリンク要求(Off)を送信することができる。
【0139】
いくつかの例において、トリガーは、切り替えメッセージを送信するのに使用される。いくつかの例において、フォールバックリンク要求(On)は、UE又は特定のモバイルデバイスが、基地局から受信されたHOコマンドからのメッセージ送信をトリガーするのではなく、移動先サイドリンクの確立のための良好な候補移動先セルを検出したときに送信され、HOインジケーションメッセージが、ハンドオーバ完了後ではなく新たなセルへのアタッチメントが行われると送信される。