IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ゲノム創薬研究所の特許一覧 ▶ 学校法人帝京大学の特許一覧

<>
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図1
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図2
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図3
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図4
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図5
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図6
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図7
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図8
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図9
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図10
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図11
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図12
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図13
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図14
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図15
  • 特許-乳酸醗酵ニンジンの製造方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】乳酸醗酵ニンジンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20230425BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20230425BHJP
   A23L 33/00 20160101ALI20230425BHJP
【FI】
A23L19/00 Z
A23L33/135
A23L33/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018191769
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2019071879
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】P 2017197298
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01694
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-02309
【微生物の受託番号】NPMD  NITE P-02710
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-02005
(73)【特許権者】
【識別番号】501481492
【氏名又は名称】株式会社ゲノム創薬研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】399086263
【氏名又は名称】学校法人帝京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002136
【氏名又は名称】弁理士法人たかはし国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関水 和久
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-143885(JP,A)
【文献】特開2008-211994(JP,A)
【文献】特開2008-295352(JP,A)
【文献】特開2015-092841(JP,A)
【文献】国際公開第2015/056770(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/061353(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/125861(WO,A1)
【文献】特開2004-357509(JP,A)
【文献】特開2012-158568(JP,A)
【文献】特開2007-037503(JP,A)
【文献】特開2013-193996(JP,A)
【文献】特開2014-007987(JP,A)
【文献】特表2006-508660(JP,A)
【文献】特開2008-013502(JP,A)
【文献】国際公開第2011/155518(WO,A1)
【文献】特開2005-313904(JP,A)
【文献】特開2004-201598(JP,A)
【文献】特開2001-190251(JP,A)
【文献】UHLMAN, L. et al.,Identification and characterization of two bacteriocin-producing strains of Lactococcus lactis isolated from vegetables. ,International Journal of Food Microbiology,1992年,Vol. 16, No. 2,pp. 141-151,DOI:10.1016/0168-1605(92)90007-p
【文献】Selection of new lactic acid bacteria strains bearing probiotic features from mucosal microbiota of healthy calves: Looking for immunobiotics through in vitro and in vivo approaches for immunoprophylaxis applications,Microbiological Research,2017年03月24日,Vol.200,pp.1-13
【文献】腸内フローラを整える、自家製「乳酸発酵野菜」の作り方,MYLOHAS [online],2015年12月03日,[検索日:2022.09.29], インターネット<https://www.mylohas.net/2015/12/050893fermentation.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23B
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/BIOSIS/CABA/EMBASE/FSTA/MEDLINE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニンジンを機能性乳酸菌により醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であって、
該ニンジンを醗酵させる前に、該ニンジンを滅菌する工程を含み、
前記機能性乳酸菌が、受託番号がNITE BP-01694であるラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌、又は、
受託番号がNITE BP-02309であるエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌、又は、
受託番号がNITE P-02710であるワイセラ・ヘレニカ(Weissella hellenica)に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌、又は、
受託番号がNITE BP-02005であるラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌、であることを特徴とする乳酸醗酵ニンジンの製造方法。
【請求項2】
前記機能性乳酸菌が、自然免疫活性化作用を有する乳酸菌、血糖降下作用を有する乳酸菌、又は、感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である請求項1に記載の乳酸醗酵ニンジンの製造方法。
【請求項3】
前記乳酸醗酵ニンジンが、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵ニンジン、血糖降下用乳酸醗酵ニンジン、及び、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵ニンジンからなる群より選ばれる少なくとも1つの乳酸醗酵ニンジンである請求項1又は請求項に記載の乳酸醗酵ニンジンの製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用した後、醗酵したニンジンを真空パックする工程を含むことを特徴とする真空パックされた乳酸醗酵ニンジンの製造方法。
【請求項5】
ニンジンを前記機能性乳酸菌により醗酵させて得られる乳酸醗酵食品であって、請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とする、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品、血糖降下用乳酸醗酵食品、又は、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性乳酸菌で乳酸醗酵させる工程を含む、自然免疫活性化増強作用等の機能性を有する乳酸醗酵ニンジンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
醗酵食品とは食品に微生物を増殖させて加工した食品であり、その技術はすでに有史以前に存在している。醗酵することで食品はより栄養素が豊富になり、体内への吸収率が向上し、健康に資すると考えられている。
乳酸菌は食品の醗酵に寄与する細菌であり、ヨーグルト等の乳製品、キムチ、漬物、ピクルス等に、伝統的に利用されている。
【0003】
これまでに、本発明者らにより、新規の機能性乳酸菌が同定されており(特許文献1~3、8、非特許文献1)、これらの乳酸菌を用いた機能性食品の開発が望まれている。
【0004】
一方、これまでに、本発明者らにより、カイコを使用して、自然免疫活性化作用を簡便に測定できる方法が開発されている(特許文献4等)。
また、本発明者により、カイコを利用した、血糖降下作用を有する物質の評価方法が開発されている(特許文献5、6等)
また、本発明者により、自然免疫機構のみを有する生物を利用した、獲得免疫機構を有する生物に対する病原微生物感染のモデルが開発されている(特許文献7等)。
【0005】
自然免疫機構の異常は、様々な疾患を引き起こす原因となり、従って、このような自然免疫機構を所望に調節することが可能な、優れた自然免疫を活性化させる等の機能性食品の開発が望まれている。
また、糖尿病は、患者数も多く様々な他の疾患を引き起こす原因ともなり、従って、血糖値を下げることが可能な優れた機能性食品の開発が望まれている。
また、感染症は多岐に亘る疾患であり、感染症予防若しくは治療作用を有する優れた機能性食品の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2015/056770号
【文献】国際公開第2016/125861号
【文献】国際公開第2017/061353号
【文献】国際公開第2008/126905号
【文献】特開2009-058500号公報
【文献】特開2015-210100号公報
【文献】特開2007-327964号公報
【文献】国際公開第2018/034047号
【非特許文献】
【0007】
【文献】K.Sekimizu et al, Drug Discoveries & Therapeutics. 2016; 10(1): 49-56.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、機能性乳酸菌による乳酸醗酵によって機能性を有する乳酸醗酵食品を製造する方法、及び、該製造方法で製造された乳酸醗酵食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の機能性乳酸菌を用いてニンジンを乳酸醗酵させることにより、特定の機能性を付与した新規の食品が得られることを見出した。
また、醗酵させていないニンジンには含まれない新しい化合物が醗酵により得られ、該化合物を含有している乳酸醗酵ニンジンが得られることを見出した。また、該乳酸醗酵によって、ニンジンに含まれるビタミンA及びビタミンBの含有量に変化がないことを見出した。
【0010】
更に、乳酸醗酵によって美味しくなり、また醗酵前の形状がほとんど保たれ、美味しいと共に外観的にも優れた乳酸醗酵ニンジンが得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、ニンジンを機能性乳酸菌により醗酵させることを特徴とする乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記機能性乳酸菌が、自然免疫活性化作用を有する乳酸菌、血糖降下作用を有する乳酸菌、又は、感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記機能性乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する乳酸菌であって自然免疫活性化作用又は感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記機能性乳酸菌が、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する乳酸菌であって血糖降下作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、前記機能性乳酸菌が、ワイセラ・ヘレニカ(Weissella hellenica)に属する乳酸菌であって感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、前記機能性乳酸菌が、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)に属する乳酸菌であって感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、上記乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用した後、醗酵したニンジンを真空パックする工程を含むことを特徴とする真空パックされた乳酸醗酵ニンジンの製造方法を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、ニンジンを機能性乳酸菌により醗酵させて得られる乳酸醗酵食品であって、前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とする、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品、血糖降下用乳酸醗酵食品、及び、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特定の機能性乳酸菌で乳酸醗酵させることにより、該機能性乳酸菌の有する機能性が付与され、ニンジンの有効成分であるビタミンA及びビタミンBの含有量に変化がなく、食感が保持され、外観や形状が保持されると共に美味しい乳酸醗酵ニンジンを製造することができる。すなわち、美味しく食べることができ、自然免疫を活性化させたり、特定の疾患(症状)の予防や治療に効果があったりして、健康食品や一般食品として極めて優れている。
【0020】
しかも、これらの効果は、他の野菜に比較してニンジンで特に顕著である。例えば、カブ、ダイコン、ゴーヤ、玄米、カボチャ、サツマイモ等の「他の野菜」を用いて、それぞれの乳酸菌によってそれぞれの機能性が付与されて醗酵野菜になるまでニンジン同様に乳酸醗酵を進ませたところ(すなわち、ニンジン以外の野菜で検討した結果)、ニンジンと比較して、噛んでも歯ごたえがなくなって食感が悪くなったり、味が不味くなったり、形状が崩れて外観上の変化が生じ調理加工性に劣ったりした(実施例参照)。
すなわち、乳酸醗酵の対象野菜として、ニンジンは極めて優れていた。
【0021】
更に、該乳酸醗酵ニンジンにおいては、乳酸菌によるニンジンの醗酵により、醗酵前には検出されなかったニンジン特有の「乳酸以外の物質」が検出されており、該物質が旨味を現出している可能性がある。
【0022】
前記背景技術に記載した特許文献4~7等に記載された評価方法によって、本発明における特定の乳酸菌(生菌、死菌、産生物を含む)には、自然免疫活性化作用、血糖降下作用、又は、感染症予防若しくは治療作用が認められており、更に、本発明の乳酸醗酵ニンジンの製造方法によって製造されたものには、上記特定の乳酸菌が含有されていることが本願実施例で確かめられている。
従って、本発明の(自然免疫活性化増強用等と言ったように)用途が限定された乳酸醗酵ニンジンは、動植物自体でないことは勿論のこと、自然免疫活性化作用、血糖降下作用、又は、感染症予防若しくは治療作用があることは明らかである。
従って、本発明の「食品としての新規の用途品」である、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品(ニンジン)、血糖降下用乳酸醗酵食品(ニンジン)、又は、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品(ニンジン)は新規性のあるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】乳酸醗酵前後のニンジンを示す写真である。
図2】乳酸醗酵時間に伴う乳酸菌の生菌数の変化を示すグラフである。
図3】乳酸未醗酵ニンジン(コントロール)のヘキサン抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図4】乳酸醗酵ニンジンのヘキサン抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図5】乳酸未醗酵ニンジン(コントロール)のクロロホルム抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図6】乳酸醗酵ニンジンのクロロホルム抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図7】乳酸未醗酵ニンジン(コントロール)の酢酸エチル抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図8】乳酸醗酵ニンジンの酢酸エチル抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図9】乳酸未醗酵ニンジン(コントロール)のアセトン抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図10】乳酸醗酵ニンジンのアセトン抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図11】乳酸未醗酵ニンジン(コントロール)のメタノール抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図12】乳酸醗酵ニンジンのメタノール抽出画分のHPLC解析の結果を示すグラフである。
図13】経時におけるカイコの生存率の推移を示し、乳酸菌(由来物)の経口投与による緑膿菌に対する耐性の上昇を示すグラフである(実施例4)。
図14】緑膿菌投与によるカイコの状態を示す写真である。(A)乳酸菌(由来物)の前投与ありのために生存していたカイコ (B)乳酸菌(由来物)の前投与がないため死亡したカイコ
図15】評価例3において、乳酸菌を変化させたときの乳酸醗酵ニンジンの外観を示す写真である。 (a)生理食塩水 (b)乳酸菌11/19-B1(ラクトコッカス・ラクティス) (c)乳酸菌0831-07(エンテロコッカス・フェカリス) (d)乳酸菌Wh0916-4-2(ワイセラ・ヘレニカ)
図16】評価例4における、BHIプレートによる乳酸醗酵ニンジンに含有される乳酸菌の検査結果を示す写真である。 (a)生理食塩水 (b)乳酸菌11/19-B1(ラクトコッカス・ラクティス) (c)乳酸菌0831-07(エンテロコッカス・フェカリス) (d)乳酸菌Wh0916-4-2(ワイセラ・ヘレニカ)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的態様に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
【0025】
本発明の乳酸醗酵ニンジンの製造方法は、ニンジンを機能性乳酸菌により醗酵させることを特徴とする。
上記機能性乳酸菌は、特に限定されないが、例えば、自然免疫活性化作用を有する乳酸菌、血糖降下作用を有する乳酸菌、感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌等が挙げられる。該機能性乳酸菌は、1つ又は複数の作用を有していてもよい。
【0026】
上記機能性乳酸菌として、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE BP-01694であるラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌(以下、「乳酸菌11/19-B1」ということがある)が挙げられる。
乳酸菌11/19-B1についての詳細な内容は特許文献1及び非特許文献1に記載されており、乳酸菌(生菌、死菌、産生物を含む)自体に、それぞれ、自然免疫活性化作用、感染症予防若しくは治療作用を有することが立証されている。
【0027】
乳酸菌11/19-B1は、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(National Institute of Technology and Evaluation;以下、「NITE」と略記する)の特許微生物寄託センター(NPMD)に国内寄託され、受託番号:NITE P-01694(国内寄託日:2013年8月20日)として受託された微生物である。
乳酸菌11/19-B1は、その後、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)に、原寄託申請書を提出して、国内寄託(原寄託日:2013年8月20日)から、ブダペスト条約に基づく寄託への移管申請を行い(移管日(国際寄託日):2014年10月15日)、生存が証明され、ブダペスト条約に基づく寄託(国際寄託)への移管申請が受領された結果、受託番号「NITE BP-01694」を受けているものである。
【0028】
また、上記機能性乳酸菌として、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE BP-02309であるエンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌(以下、「乳酸菌0831-07」ということがある)が挙げられる。
乳酸菌0831-07についての詳細な内容は特許文献3及び特許文献8に記載されており、乳酸菌(生菌、死菌、産生物を含む)自体に、血糖降下作用を有することが立証されている。
【0029】
乳酸菌0831-07は、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(National Institute of Technology and Evaluation;以下、「NITE」と略記する)の特許微生物寄託センター(NPMD)に国内寄託され、受託番号:NITE P-02309(国内寄託日:2016年7月26日)として受託された微生物である。
乳酸菌0831-07は、その後、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)に、原寄託申請書を提出して、国内寄託(原寄託日:2016年7月26日)から、ブダペスト条約に基づく寄託への移管申請を行い(移管日(国際寄託日):2017年5月16日)、生存が証明され、ブダペスト条約に基づく寄託(国際寄託)への移管申請が受領された結果、受託番号「NITE BP-02309」を受けているものである。
【0030】
また、上記機能性乳酸菌として、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE P-02710であるワイセラ(Weissella)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌(以下、「乳酸菌Wh0916-4-2」ということがある)が挙げられる。
乳酸菌Wh0916-4-2についての詳細な内容は特願2018-135461、及び、本願明細書(実施例4~9等)に記載されており、乳酸菌(生菌、死菌、産生物を含む)自体に、感染症予防若しくは治療作用を有することが立証されている(又は、ことを立証した)。
【0031】
乳酸菌Wh0916-4-2は、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(National Institute of Technology and Evaluation;以下、「NITE」と略記する)の特許微生物寄託センター(NPMD)に国内寄託され、受託番号:NITE P-02710(国内寄託日(受領日):2018年5月14日)として受託された微生物である。
【0032】
また、上記機能性乳酸菌として、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE BP-02005であるラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌(以下、「乳酸菌#11-1」ということがある)が挙げられる。
乳酸菌0831-07についての詳細な内容は特許文献2に記載されており、乳酸菌(生菌、死菌、産生物を含む)自体に、感染症予防若しくは治療作用を有することが立証されている。
【0033】
乳酸菌#11-1は、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(National Institute of Technology and Evaluation;以下、「NITE」と略記する)の特許微生物寄託センター(NPMD)に国内寄託され、受託番号:NITE P-02005(国内寄託日:2015年2月5日)として受託された微生物である。
乳酸菌#11-1は、その後、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)に、原寄託申請書を提出して、国内寄託(原寄託日:2015年2月5日)から、ブダペスト条約に基づく寄託への移管申請を行い(移管日(国際寄託日):2016年1月28日)、生存が証明され、ブダペスト条約に基づく寄託(国際寄託)への移管申請が受領された結果、受託番号「NITE BP-02005」を受けているものである。
【0034】
上記ニンジンの品種は特に限定されず、食用として知られているニンジンならば何れのニンジンでも用いることができる。
乳酸醗酵させるときは、1本のニンジンを乳酸醗酵させてもよいし、複数本のニンジンを同時に乳酸醗酵させてもよい。複数本のニンジンを同時に乳酸醗酵させる際は、同じ品種であってもよいし、異なる品種であってもよい。
【0035】
乳酸醗酵ニンジンの食感が保持できる、味が美味しい、処理工程の手間が省ける等の点で、粉砕、細断、又はすり潰し処理をしていないニンジンを用いることが好ましい。
乳酸醗酵させる際のニンジンの大きさは、特に限定されず、カットせずにそのまま乳酸醗酵させてもよいし、所望の大きさにカットしてから乳酸醗酵させてもよい。また、面取りをしてもよいし、立方体、直方体、球体、楕円球体等にカットしてもよい。
【0036】
所望の大きさにカットする場合、乳酸醗酵前のニンジンと同等の硬さが維持される、食感が楽しめる、美味しさが保たれる等の点で、カット後の大きさは1cm以上500cm以下が好ましく。2cm以上250cm以下がより好ましく、5cm以上100cm以下が特に好ましい。
該ニンジンは皮がついたまま乳酸醗酵させてもよいし、皮を取り除いてから乳酸醗酵させてもよい。
【0037】
乳酸醗酵させる際の温度、pH、時間等の条件は、使用する乳酸菌に応じて適宜選択することができる。
例えば、上記乳酸菌11/19-B1、乳酸菌0831-07、乳酸菌Wh0916-4-2、乳酸菌#11-1等を含め、機能性乳酸菌を用いる場合、温度は25~37℃が好ましい。醗酵初期のpHは7付近に保つことが好ましい。醗酵時間は、乳酸醗酵前のニンジンとほぼ同等の硬さが維持される、食感を楽しめる等の点で、6~60時間が好ましく、8~48時間がより好ましく、12~36時間が特に好ましい。
【0038】
本発明において、ニンジンに付着している雑菌等を除去することができる等の点で、ニンジンを醗酵させる前に、該ニンジンを滅菌する工程を行うことが好ましい。滅菌手段等は、特に限定されないが、例えば、オートクレーブによる滅菌;スチームコンベクションオーブン等のオーブンを用いた滅菌;紫外線、X線、γ線等の短波長の電磁波照射による滅菌等が挙げられる。
【0039】
滅菌温度は、滅菌方法に応じて適宜選択することができるが、100℃~140℃が好ましく、110℃~130℃がより好ましく、115℃~125℃が特に好ましい。
滅菌時間は、滅菌方法に応じて適宜選択することができるが、4分~40分が好ましく、7分~30分がより好ましく、10分~20分が特に好ましい。
【0040】
また、本発明の乳酸醗酵ニンジンの製造方法は、必要に応じて上記した工程以外の「他の工程」を含んでいてもよい。
【0041】
本発明によって得られる乳酸醗酵ニンジンは機能性を有する。該機能性は乳酸醗酵の際に使用する乳酸菌によって付与される。
該機能性は、特に限定されないが、具体的には、例えば、自然免疫活性化作用、血糖降下作用、感染症予防若しくは治療作用(感染症予防作用と感染症治療作用)等が挙げられる。
該乳酸醗酵ニンジンは、上記のうち1つの作用を有していてもよいし、複数の作用を有していてもよい。また、自然免疫を活性化させることによって(自然免疫活性化作用を有することによって)、感染症予防若しくは治療作用を有するものも含まれる。
【0042】
本発明は、受託番号がNITE BP-01694であるラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌11/19-B1で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが好ましく、更に、自然免疫活性化作用又は感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌11/19-B1で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが特に好ましい。
【0043】
乳酸菌11/19-B1に、自然免疫活性化作用があることは、特許文献1で立証されており、感染症予防若しくは治療作用があることは、非特許文献1で立証されている。
そして、該乳酸菌で醗酵させて乳酸醗酵ニンジンには、該乳酸菌が含有されていることが本発明の実施例で確かめられているので、該乳酸醗酵ニンジンには、自然免疫活性化作用、及び、感染症予防若しくは治療作用があることは立証されている。
【0044】
乳酸菌11/19-B1は、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する乳酸菌であるので、本発明は、該種まで一般化できて、従って、本発明は、前記機能性乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する乳酸菌であって自然免疫活性化作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法でもある。
【0045】
本発明は、受託番号がNITE BP-02309であるエンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌であって血糖降下作用を有する乳酸菌0831-07で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが好ましく、更に、血糖降下作用を有する乳酸菌0831-07で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが特に好ましい。
【0046】
乳酸菌0831-07に、血糖降下作用があることは、特許文献3及び特許文献8で立証されている。
そして、該乳酸菌で醗酵させて乳酸醗酵ニンジンには、該乳酸菌が含有されていることが本発明の実施例で確かめられているので、該乳酸醗酵ニンジンには、血糖降下作用があることは立証されている。
【0047】
乳酸菌0831-07は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する乳酸菌であるので、本発明は、該種まで一般化できて、従って、本発明は、前記機能性乳酸菌が、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する乳酸菌であって血糖降下作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法でもある。
【0048】
本発明は、受託番号がNITE P-02710であるワイセラ(Weissella)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌であって感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌Wh0916-4-2で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが好ましく、感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌Wh0916-4-2で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが特に好ましい。
【0049】
乳酸菌Wh0916-4-2に、感染症予防若しくは治療作用があることは、本願実施例で立証されている。
そして、該乳酸菌で醗酵させて乳酸醗酵ニンジンには、該乳酸菌が含有されていることが本発明の実施例で確かめられているので、該乳酸醗酵ニンジンには、感染症予防若しくは治療作用があることは立証されている。
【0050】
乳酸菌Wh0916-4-2は、ワイセラ・ヘレニカ(Weissella hellenica)に属する乳酸菌であるので、本発明は、該種まで一般化できて、従って、本発明は、前記機能性乳酸菌が、ワイセラ・ヘレニカ(Weissella hellenica)に属する乳酸菌であって感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法でもある。
【0051】
本発明は、受託番号がNITE BP-02005であるラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌、又は、その自然的若しくは人工的に変異した乳酸菌であって感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌#11-1で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが好ましく、感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌#11-1で醗酵させる乳酸醗酵ニンジンの製造方法であることが特に好ましい。
【0052】
乳酸菌#11-1に、感染症予防若しくは治療作用があることは、特許文献2で立証されている。
そして、該乳酸菌で醗酵させて乳酸醗酵ニンジンには、該乳酸菌が含有されていることが本発明の実施例で確かめられているので、該乳酸醗酵ニンジンには、感染症予防若しくは治療作用があることは立証されている。
【0053】
乳酸菌#11-1は、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)に属する乳酸菌であるので、本発明は、該種まで一般化できて、従って、本発明は、前記機能性乳酸菌が、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)に属する乳酸菌であって感染症予防若しくは治療作用を有する乳酸菌である前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法でもある。
【0054】
本発明によって得られる乳酸醗酵ニンジンは、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵ニンジン、血糖降下用乳酸醗酵ニンジン、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵ニンジンであることが好ましい。
【0055】
また、本発明は、ニンジンを機能性乳酸菌により醗酵させて得られる乳酸醗酵食品であって、前記の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とする、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品、血糖降下用乳酸醗酵食品、及び、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品でもある。該食品には、前記の乳酸醗酵ニンジン、そのジュース、スムージー、粉砕物、加熱物、冷凍物等も含まれる。
【0056】
一般に、乳酸菌で醗酵させたものには、該乳酸菌が産生した乳酸以外にも種々の化合物が含有されている。そのことは、本願発明の実施例でも確かめられている。そして、それら乳酸菌の産生物と原料である野菜との組み合わせで独特の味を醸し出していると考えられる。しかも、該乳酸菌やその産生物が、前記した自然免疫活性化作用、血糖降下作用、感染症予防若しくは治療作用をもたらしていると考えられる。
【0057】
しかしながら、該独特の味の旨味成分や上記作用をもたらす化学物質等を直接同定することも、得られた乳酸醗酵ニンジンを食感・旨味等を示すパラメーター等で直接特定することは、不可能であるか又はおよそ実際的でない。
従って、本発明の乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用して製造された乳酸醗酵ニンジンや、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品、血糖降下用乳酸醗酵食品、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品乳酸醗酵食品は製造方法で特定するしかない。
【0058】
本発明によって得られる乳酸醗酵ニンジン、乳酸醗酵食品は、そのまま食してもよいし、加工して食してもよい。ニンジンの形状のまま食してもよいし、球形、楕円球形、直方体、立方体等に成形してもよい。
加工方法は目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ミキサー等を用いてすり潰すことにより、ジュースやスープ等として食してもよいし、加熱や冷凍して食してもよい。
【0059】
また、本発明の真空パックされた乳酸醗酵ニンジンの製造方法は、上記乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用した後、醗酵したニンジンを真空パックする工程を含むことを特徴とする。該醗酵されたニンジンの形状が保たれるので、真空パックすることが好ましい。
【0060】
醗酵させたニンジンを真空パックする手段等は、特に限定されず、公知の方法・装置等を用いて行うことができる。
該真空パックされた乳酸醗酵ニンジンは、常温保存してもよいし、冷凍保存してもよいし、冷蔵保存してもよい。
【0061】
後述する本実施例により、ニンジンを機能性乳酸菌により醗酵させることにより、醗酵させていないニンジンには含まれない新しい化合物が確認された。また、乳酸醗酵前後でビタミンA及びBの含有量に変化はなかった。よって、特定の機能性乳酸菌によるニンジンの乳酸醗酵によって、ビタミンA及びBは失われることなく、該新しい化合物が合成されることにより、ニンジンに機能性が付与されていると考えられる。
本発明によって得られる「自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品(ニンジン)、血糖降下用乳酸醗酵食品(ニンジン)、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品乳酸醗酵食品(ニンジン)」は、当然に動植物自体ではないので、用途限定記載することによって、該用途に限定されて新規性を有する。
【実施例
【0062】
以下、実施例及び評価例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等の具体的範囲に限定されるものではない。
【0063】
実施例1等において使用する「11/19-B1」は、キウイフルーツから分離されたものである。ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する乳酸菌11/19-B1として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に寄託されている(受託番号:NITE P-01694、国内寄託日:2013年8月20日)。
「11/19-B1」は、その後、千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)に、原寄託申請書を提出して、国内寄託(原寄託日:2013年8月20日)から、ブダペスト条約に基づく寄託への移管申請を行い(移管日(国際寄託日):2014年10月15日)、生存が証明され、ブダペスト条約に基づく寄託(国際寄託)への移管申請が受領された結果、受託番号「NITE BP-01694」を受けているものである。
【0064】
実施例1
<乳酸醗酵時の経時的生菌数の測定>
10本の遠沈管(50mL)に、それぞれ、皮と両端を除去しカットしたニンジン15gと純水2mLを入れ、オートクレーブ処理(121℃、15分)を行った。0.9%NaCl 6mLに乳酸菌11/19-B1(グリセロールストック)24μLを懸濁し、0.5mLずつニンジンの入った10本の遠沈管に添加した。ニンジン全体に菌液が行き渡るように万遍無く混ぜた後、30℃で培養した。
0、3、6、9、12、24、27、30、33、36時間の計10回、乳酸菌11/19-B1を添加し培養したニンジンに、10mLの0.9%NaClを加え、全液を回収した。回収した液を0.9%NaClで10~10倍に希釈して100μLをBHI寒天培地で培養することで、生菌数を調べた。
また、対数増殖期の生菌数増加率から、加熱滅菌ニンジンでの乳酸菌の倍加時間を求めた。
【0065】
結果を図1及び2に示す。乳酸菌添加前のニンジンと、乳酸菌添加後、30℃で2日間インキュベーションしたニンジンの外観上の変化はほとんどなかった(図1)。また、乳酸醗酵後の容器の底に浸出した液に白濁が見られた。
乳酸醗酵前及び乳酸菌非添加でインキュベーション(30℃)したニンジンの浸出液はpH6を示したのに対し、乳酸醗酵後のニンジンの浸出液はpH3を示した。
【0066】
図2は加熱滅菌したニンジンに乳酸菌を添加し、30℃で培養した時の時間と生菌数の関係を示したグラフである。
培養前の加熱滅菌済ニンジン液中の生菌数は4.5×10細胞/mLであった。12時間後の生菌数は1.6×1010細胞/mLであり、培養前と比較して36,000倍に増加した。対数増殖期における倍加時間は24分であった。
倍加時間は24分であることから、ニンジンには栄養培地と同程度の乳酸菌11/19-B1の増殖に必要な栄養素が存在していると示唆された。
【0067】
実施例2
<乳酸醗酵前後のビタミン含有量の測定>
オートクレーブ処理(121℃、20分)又はスチームコンベクション処理(85℃、2分)による滅菌処理をしたニンジンに、乳酸菌11/19-B1を添加して30℃で1日間乳酸醗酵した。
そして、滅菌処理前のニンジン、滅菌処理直後のニンジン、及び、滅菌処理後に乳酸醗酵させたニンジンについてそれぞれ、ビタミンA及びBの含有量を測定した。
【0068】
測定結果を表1に示す。表1中の数値の単位は、μg/100gである。
【0069】
【表1】
【0070】
表1に示すように、滅菌方法(オートクレーブ処理(121℃、20分)又はスチームコンベクション処理(85℃、2分))によって、ニンジンのビタミンA及びBの含有量は、変化しなかった。また、ニンジンを乳酸菌で1日醗酵させても、ビタミンA及びBの含有量に大きな変化は見られなかった(表1)。
よって、滅菌処理及び乳酸醗酵により、ニンジンの有効成分であるビタミンA及びBが失われないことが分かった。
【0071】
実施例3
<乳酸醗酵ニンジン中の化合物の検出>
10本の遠沈管(50mL)に、それぞれ、皮と両端を除去したニンジン15gと純水2mLを入れ、オートクレーブ処理(121℃、15分)を行った。乳酸菌11/19-B1のグリセロールストックをエーゼで、MRS寒天培地に塗布し、30℃で48時間嫌気培養を行った。コロニーをかきとり、0.9%NaCl 5mLに懸濁し、乳酸菌懸濁液を調製した。
【0072】
加熱滅菌したニンジンを遠沈管5本に入れ、上記の調製した乳酸菌の懸濁液を1mL、ニンジンの表面に滴下した。残りの遠沈管5本は、コントロールとして0.9%NaClを各1mLずつ加え、30℃で2日間培養した。培養後、pH測定、濁度の観察、各サンプルをBHI寒天培地で培養することで、乳酸醗酵しているか否かを判定した。
【0073】
また、ヘキサン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、メタノールの5種の有機溶媒をそれぞれ、乳酸菌を添加したニンジンと、乳酸菌を添加していないニンジンの入っている遠沈管に20mLずつ加え、スパーテルで細かく粉砕し、室温で1週間抽出した。
有機溶媒を加えた10本の遠沈管を8,000rpm、5分遠心し、3層に分かれた3層中一番上の層を別の滅菌遠沈管(50mL)に回収した。回収した各有機溶媒ニンジン抽出液を8,000rpm、10分遠心し、上清を除去し、200mLのナスフラスコに移して、エバポレーターで乾固させた。
【0074】
ニンジンの各有機溶媒抽出乾固物に50%アセトニトリルを2mL入れ、ソニケーションし、2mLチューブに回収した。その後15krpmで5分遠心し、下層部分を回収した。0.45μmフィルトレーションを行った後、HPLC分析を行い、ニンジンを乳酸醗酵させることにより新しく化合物が合成されているか否かを判定した。
【0075】
結果を図3~12に示す。乳酸醗酵ニンジンの各抽出画分において、乳酸菌非添加のコントロールと比較して、新たなピークが検出された(図4、6、8、10、12の矢印で示したピーク)。
特に、乳酸菌11/19-B1で醗酵させたニンジンのヘキサン抽出画分のHPLC分析は、乳酸菌非添加のコントロールと比較して、リテンションタイム3.6~21.9分の間に18個の新たなピークがみられた(図4)。
【0076】
よって、ニンジンを乳酸菌11/19-B1等の機能性乳酸菌により乳酸醗酵させることにより新しい物質が生産され、該新しい物質により、機能性が付与され、更に美味しい乳酸醗酵ニンジンが製造されることが示唆された。
【0077】
評価例1
<乳酸醗酵野菜の形状及び味の比較>
乳酸菌11/19-B1を用いて、表2に示される野菜を30℃で1日間乳酸醗酵させることにより得られる乳酸醗酵野菜を5人のパネラーに食してもらい、その形状や味を評価した。結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表2中の評価項目の判定基準は以下のとおりである。
【0080】
<食感の評価基準>
○:乳酸醗酵後も食感があり、噛むと歯応えがあった。
×:乳酸醗酵により食感が失われており、噛んでも歯応えがなかった。
【0081】
<味の評価基準>
○:5人中3人以上がおいしいと回答した。
×:5人中2人以下がおいしいと回答した。
【0082】
<形状の評価基準>
○:乳酸醗酵後も外観上の変化はほとんどなく、調理加工性にも優れる。
×:乳酸醗酵により形状が崩れ、調理加工性に劣る。
【0083】
<総合評価>
A:「食感」、「味」、「形状」の項目何れも評価が○であり、乳酸醗酵食品として優れている。
B:「食感」、「味」、「形状」の項目のうち少なくとも1つが×であり、乳酸醗酵食品として適さない。
【0084】
乳酸菌11/19-B1で醗酵させたニンジンは、「食感」、「味」、「形状」の項目何れもで評価が「○」で、総合評価が「A」であり、乳酸醗酵食品として優れていることが分かった。
一方、その他の野菜(カブ、ダイコン、ゴーヤ、玄米)は、乳酸醗酵により大きく形状が崩れてしまい、調理加工性に劣っていた。
【0085】
実施例4
<乳酸菌Wh0916-4-2の感染症予防若しくは治療作用>
乳酸菌11/19-B1、乳酸菌0831-07、及び、乳酸菌#11-1については、前記した通り、本願発明者らによって、それぞれの乳酸菌(生菌、死菌、産生物を含む)自体の、自然免疫活性化作用、血糖降下作用、感染症予防若しくは治療作用、と言った機能が確かめられており(立証されており)、前記した公知文献(特許文献と非特許文献)にそれらが記載されている。
しかし、乳酸菌Wh0916-4-2については、機能性が記載された公開公報、国際公開公報、学術文献等が発行されていないので、以下に、乳酸菌Wh0916-4-2が感染症予防若しくは治療作用を有することを示す。
【0086】
乳酸菌のフルグロース80μLを、カイコ人工餌1gと混ぜ、1日間カイコに給餌した。その後、緑膿菌PAO1株の一晩培養液を生理食塩水で10-6倍に希釈し、該希釈液50μLをカイコに血中注射し、経時的なカイコの生存個体数の減少を観察した。
生存していたカイコは、例えば図14(A)のようであり、死亡していたカイコは、例えば図14(B)のようであった。カイコの生存率の推移の結果を図13に示す。
【0087】
図13に示すように、試験した何れの乳酸菌も、生理食塩水によるコントロールに比べて延命効果を示した。その中で特に、「乳酸菌Wh0916-4-2」(受託番号:NITE P-02710)を経口投与したカイコは、緑膿菌注射後115時間においても、大多数が生存していた。図13では、「乳酸菌Wh0916-4-2」は、脚注に、「0916-4-2(No.18)Weissella hellenica 0916-4-2」と記載されている。
すなわち、乳酸菌Wh0916-4-2の感染症予防若しくは治療作用は他の乳酸菌に比べて顕著に高かった。
【0088】
実施例5
乳酸菌124株の中から、ワイセラ属ヘレニカ種に属する乳酸菌4種について、実施例4において、試験試料を乳酸菌ではなく乳酸菌培養上清の67%エチルアルコール可溶性画分とし、緑膿菌PAO1株の一晩培養液を生理食塩水で10-6倍に希釈した以外は実施例4と同様にして、経時的なカイコの生存個体数の減少を観察し、1~3日後の生存を確認した。
【0089】
その結果、ワイセラ属ヘレニカ種に属する実験した乳酸菌4種を与えた場合は全て、カイコは34時間生存していた。
一方、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する乳酸菌である乳酸菌11/19-B1は、感染症予防若しくは治療作用を示したが、ワイセラ属ヘレニカ種に属さないその他の乳酸菌は、総じて感染症予防若しくは治療作用を示さなかったか若しくは低かった。
ワイセラ・ヘレニカ種に属する乳酸菌は、他の属に属する乳酸菌や、ワイセラ属に属するがヘレニカ種に属さない乳酸菌に比べて高い緑膿菌耐性付与活性を有していた。
【0090】
実施例6
乳酸菌をMRS液体培地で2日間培養し、カイコの人工餌6gと混ぜ、5齢カイコ6匹に与えた。21時間後、10-5倍に生理食塩水で希釈した緑膿菌の菌液をカイコの血液内に注射し、51時間後のカイコの生存数を調べた。結果を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
その結果、乳酸菌Wh0916-4-2(受託番号:NITE P-02710)を給餌したカイコは、緑膿菌注射51時間後に半数が生存したが、「ワイセラ属ではあるが他の種の菌」を給餌したカイコでは生存が認められなかった。特に、乳酸菌Wh0916-4-2の予防・治療効果は特異的に高かった。
【0093】
実施例7
乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清をカイコの人工餌に混ぜ、1日間経口摂取させても、生菌と同様に、カイコに緑膿菌感染に対する抵抗性が付与された。
また、乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清には、緑膿菌の増殖を阻害する活性は認められなかった。すなわち、これは抗菌物質ではないことが分かった。
【0094】
更に、乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清を緑膿菌と同時にカイコに投与した場合には、緑膿菌感染に対する抵抗性付与は認められなかった。すなわち、緑膿菌感染に対する抵抗性付与には、乳酸菌の培養上清(由来物)前投与が必要であることが分かった。
また、この前投与から緑膿菌の投与までの時間を2日以上にすると、乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清の活性は失われた。従って、乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清に含まれる活性成分はカイコの体内から消失し、その活性が失われたと考えられる
これらの結果は、乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清(に含まれる活性成分)の作用は、緑膿菌に対する直接の効果ではなく、宿主の免疫系を介していることを示唆している。
【0095】
実施例8
5齢カイコに、乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清のエタノール分画を染み込ませた1gの人工餌1gを与えた。17時間後、表4に示した菌液50μLをカイコの血液内に注射した。
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)については、一晩培養液を10-6倍に希釈して使用し、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)については、菌の一晩培養液5mLを遠心(8000rpm、5分間)して菌を集め、5mLの生理食塩水に懸濁して使用した。
その後、カイコの生存数を継時的に観察した。結果を表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa PAO1株)、及び、2つの肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae 8140,8705)株は、カイコを22時間以内に殺傷したが、乳酸菌Wh0916-4-2の培養物・培養上清(からの抽出物)は治療効果を示した。また、緑膿菌による感染だけでなく、肺炎桿菌による感染に対しても治療効果を示した。
【0098】
実施例9
実施例8において、菌を多剤耐性緑膿菌(MDRP)に代えて同様に評価した。
乳酸菌Wh0916-4-2の培養上清(に含まれる活性成分)は、臨床分離されたMDRPに対しても効果を示した。
ヒト臨床において、MDRPと呼ばれる多剤耐性緑膿菌が問題となっているが、乳酸菌Wh0916-4-2は、多剤耐性緑膿菌(MDRP)に対しても有効であり、院内感染対策等に対しても有効であることが示唆された。
【0099】
評価例2
<乳酸醗酵による他の野菜とニンジンとの比較>
ニンジン200g、カブ150g、カボチャ150g、サツマイモ120gを、それぞれ、121℃15分、高圧滅菌し、乳酸菌11/19-B1懸濁液30μLを添加し、30℃で1日間乳酸醗酵させることにより、それぞれの乳酸醗酵野菜を得た。
上記3種の乳酸醗酵野菜を、評価例1と同様に評価した。ニンジンとカブは評価例1でも評価したが、再度、新たに乳酸醗酵させて評価した。
【0100】
ニンジンとカブは、評価例1の再現ができた。
カボチャ、サツマイモは、食感、味、形状について、ニンジンより、歯ごたえがなく食感が悪くなったり、不味くなったり、形状が崩れ易くなったりして、評価例1と同様の基準で総合評価は「B」であった。
評価例1、2より、乳酸醗酵の対象野菜として、ニンジンは、種々の性質(評価項目)で特異的に極めて優れていた。
【0101】
評価例3
<乳酸菌を変化させたときの乳酸醗酵ニンジンの評価>
乳酸菌11/19-B1(ラクトコッカス・ラクティス Lactococcus lactis)
乳酸菌0831-07(エンテロコッカス・フェカリス Enterococcus faecalis)
乳酸菌#11-1(ラクトバチルス・パラプランタラム Lactobacillus paraplantarum)乳酸菌Wh0916-4-2(ワイセラ・ヘレニカ Weissella hellenica)
上記乳酸菌の懸濁液を調製した。
【0102】
上記乳酸菌の懸濁液を、121℃20分間、高圧滅菌したニンジンに添加し、30℃で2日間乳酸醗酵させることにより乳酸醗酵ニンジンを得た。対照として、生理食塩水を高圧滅菌したニンジンに添加して同様に30℃で2日間経過させた。
【0103】
得られた乳酸醗酵ニンジンの写真を図15に示す。
(a)生理食塩水、(b)乳酸菌11/19-B1、(c)乳酸菌0831-07、(d)乳酸菌Wh0916-4-2、でそれぞれ醗酵させた乳酸醗酵ニンジンである(乳酸菌#11-1は図示せず)。
【0104】
対照とした(a)生理食塩水以外は、何れも、評価例1と評価例2で「乳酸菌11/19-B1を使用してニンジンを醗酵させた乳酸醗酵ニンジン」と同様の評価結果が得られた。すなわち、適度な歯ごたえがあり食感が良好で、美味しく、形状が崩れ難く外観上の変化はほとんどなく、調理加工性にも優れており、評価例1と同様の基準で総合評価は全て「A」であった。乳酸菌11/19-B1以外の乳酸菌でも、実施例3で示したように、醗酵後に未知の物質が生成している可能性がある。
一方、(a)生理食塩水は、原料である生のニンジンその物の性質を有しており、歯ごたえがあり過ぎ、味も特に美味しくなっていなかった。
【0105】
評価例4
<BHIプレートによる乳酸醗酵ニンジンに含有される乳酸菌の検査>
評価例3で得られた乳酸醗酵ニンジンには、使用した乳酸菌が含有されていることをBHIプレートによって検査した。
すなわち、BHIプレートの右側に醗酵に用いた乳酸菌を、左側に乳酸醗酵ニンジンから採取したサンプルを広げた。図16にその結果を示す。図16の(a)~(d)の乳酸菌(又は生理食塩水)は、評価例3の(a)~(d)の乳酸菌(又は生理食塩水)とそれぞれ同一である。
具体的には、上記(b)~(d)については、醗酵操作後のニンジン周囲の液体、約1μLを滅菌したエーゼで採取し、BHIプレートの半分の、写真で見て左側に塗布し、37℃にて24時間培養した。プレート半分の、写真でみて右側には、醗酵に用いた乳酸菌をコントロールとして培養した。
【0106】
醗酵に用いた乳酸菌が純培養されていることが確認された(図16のシャーレの左半分参照)。
(a)生理食塩水の場合には、プレートの左右両側に醗酵操作後のニンジン周囲の液体サンプル2つを用意し、それぞれ別々に塗布した。結果として、ニンジン由来、又は、環境からの雑菌の混入がないことが確認された。
【0107】
対照の(a)生理食塩水以外は、何れも増殖が認められた(図16のシャーレの左半分参照)と言うことは、各乳酸菌の生菌が、乳酸醗酵ニンジンに含有されていることを示している。よって、乳酸醗酵ニンジンには、生菌、死菌、産生物が含有されていることは明らかである。
前記した通り、それぞれの乳酸菌には、自然免疫活性化作用、血糖降下作用、又は、感染症予防若しくは治療作用があることが確かめられているので、本発明の乳酸醗酵ニンジンにも該作用・機能・効果があることは明らかである。従って、前記した乳酸醗酵ニンジンの製造方法を使用して製造された物(乳酸醗酵ニンジン)は、自然免疫活性化増強用乳酸醗酵食品、血糖降下用乳酸醗酵食品、及び、感染症予防若しくは治療用乳酸醗酵食品の用途に有用であることが確かめられた。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の製造方法により得られた乳酸醗酵ニンジンは、自然免疫活性化作用、血糖降下作用、感染症予防若しくは治療作用等の機能性を有する。よって、本発明の製造方法を利用して、機能性が高い飲食品を提供することができ、一般食品業界、健康食品業界、医薬品業界、飲食品製造・提供サービス業界等で広く利用可能である。
【受託番号】
【0109】
NITE BP-01694
NITE BP-02309
NITE P-02710
NITE BP-02005
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16