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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】密封装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3244 20160101AFI20230425BHJP
   F16J 15/3204 20160101ALI20230425BHJP
   F16J 15/447 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
F16J15/3244
F16J15/3204 201
F16J15/447
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018232216
(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公開番号】P2020094617
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000143307
【氏名又は名称】株式会社荒井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100183357
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義美
(72)【発明者】
【氏名】望月 恒夫
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-151337(JP,A)
【文献】実開平05-083541(JP,U)
【文献】国際公開第2017/094787(WO,A1)
【文献】特開2014-224565(JP,A)
【文献】特開2009-103209(JP,A)
【文献】特開2009-257485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/16-15/3296
F16J 15/40-15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止部材の一方の部材と回転部材の他方の部材間に装着されて内部の密封流体が外部環境側へ漏洩するのを抑制するとともに外部環境側の異物が内部環境側へ浸入するのを抑制する密封装置であって、
前記一方の部材に固定されて内部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記密封流体をシールするシールリップと、
前記シールリップよりも外部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記異物の浸入をシールするダストリップと、
前記ダストリップよりもさらに外部環境側に配置され、前記他方の部材との間で非接触のラビリンス部が形成されて前記異物の浸入をシールするサイドリップと、からなる弾性部材のシール部と、
前記一方の部材に前記弾性部材を介して固定されて全体が断面略コ字状に形成され前記シール部を補強する金属環からなる補強金具と、を有し、
前記他方の部材は、
回転軸にスリーブとして固定される内径筒部のスリーブ部と、
前記スリーブ部の内径筒部の下端から径方向外方に延設された円盤部と、
前記円盤部から軸方向に前記スリーブと対向して延設された外径筒部のフリンガ部と、を有し、
前記外径筒部を前記補強金具と一体となって、前記サイドリップから延設される前記弾性部材が覆うことにより断面略コ字形状の隙間が形成され、
前記隙間は、前記サイドリップと前記円盤部と前記フリンガ部とで囲まれた領域から前記外部環境側へと連通する流路の機能を有し、
前記サイドリップ側の前記流路の隙間距離をW3とし、前記外部環境側の前記流路の隙間距離W2とすると、W3>W2の関係になるように設けられ、
前記サイドリップの外部環境側の外周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第一排出ガイド部が形成され、
前記第一排出ガイド部は、
前記サイドリップの先端側から昇り傾斜状に形成され、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成された傾斜面を有し、かつ、
前記傾斜面は、複数のネジ溝となる凹部の線と前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部とが平行に、所定の昇り傾斜角度をもって先端から基端を除く領域まで形成され、
前記他方の部材が回転されると前記第一排出ガイド部により上昇気流が発生され前記流路を通じて外部環境側へ異物が掃出されることを特徴とする密封装置。
【請求項2】
静止部材の一方の部材と回転部材の他方の部材間に装着されて内部の密封流体が外部環境側へ漏洩するのを抑制するとともに外部環境側の異物が内部環境側へ浸入するのを抑制する密封装置であって、
前記一方の部材に固定されて内部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記密封流体をシールするシールリップと、
前記シールリップよりも外部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記異物の浸入をシールするダストリップと、
前記ダストリップよりもさらに外部環境側に配置され、前記他方の部材との間で非接触のラビリンス部が形成されて前記異物の浸入をシールするサイドリップと、からなる弾性部材のシール部と、
前記一方の部材に前記弾性部材を介して固定されて全体が断面略コ字状に形成され前記シール部を補強する金属環からなる補強金具と、を有し、
前記他方の部材は、
回転軸にスリーブとして固定される内径筒部のスリーブ部と、
前記スリーブ部の内径筒部の下端から径方向外方に延設された円盤部と、
前記円盤部から軸方向に前記スリーブと対向して延設された外径筒部のフリンガ部と、を有し、
前記外径筒部を前記補強金具と一体となって、前記サイドリップから延設される前記弾性部材が覆うことにより断面略コ字形状の隙間が形成され、
前記隙間は、前記サイドリップと前記円盤部と前記フリンガ部とで囲まれた領域から前記外部環境側へと連通する流路の機能を有し、
前記サイドリップ側の前記流路の隙間距離をW3とし、前記外部環境側の前記流路の隙間距離W2とすると、W3>W2の関係になるように設けられ、
前記外径筒部の内周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第二排出ガイド部が形成され、
前記第二排出ガイド部は、
前記外径筒部の下端側であって、前記サイドリップと対向する内周面には昇り傾斜状形成され、かつ、
前記内周面には、複数のネジ溝となる凹部の線と、前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部が所定の昇り傾斜角度をもって平行に形成され、
前記第二排出ガイド部の回転により上昇気流が発生され前記流路を通じて異物が外部環境側へ掃出されることを特徴とする密封装置。
【請求項3】
静止部材の一方の部材と回転部材の他方の部材間に装着されて内部の密封流体が外部環境側へ漏洩するのを抑制するとともに外部環境側の異物が内部環境側へ浸入するのを抑制する密封装置であって、
前記一方の部材に固定されて内部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記密封流体をシールするシールリップと、
前記シールリップよりも外部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記異物の浸入をシールするダストリップと、
前記ダストリップよりもさらに外部環境側に配置され、前記他方の部材との間で非接触のラビリンス部が形成されて前記異物の浸入をシールするサイドリップと、からなる弾性部材のシール部と、
前記一方の部材に前記弾性部材を介して固定されて全体が断面略コ字状に形成され前記シール部を補強する金属環からなる補強金具と、を有し、
前記他方の部材は、
回転軸にスリーブとして固定される内径筒部のスリーブ部と、
前記スリーブ部の内径筒部の下端から径方向外方に延設された円盤部と、
前記円盤部から軸方向に前記スリーブと対向して延設された外径筒部のフリンガ部と、を有し、
前記外径筒部を前記補強金具と一体となって、前記サイドリップから延設される前記弾性部材が覆うことにより断面略コ字形状の隙間が形成され、
前記隙間は、前記サイドリップと前記円盤部と前記フリンガ部とで囲まれた領域から前記外部環境側へと連通する流路の機能を有し、
前記サイドリップ側の前記流路の隙間距離をW3とし、前記外部環境側の前記流路の隙間距離W2とすると、W3>W2の関係になるように設けられ、
前記サイドリップの外周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第一排出ガイド部と、
前記他方の部材には、前記回転部材の回転軸と直交する径方向に位置するとともに、前記第一排出ガイド部と対向する前記外径筒部の内周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第二排出ガイド部とが形成され、
前記第一排出ガイド部は、
前記サイドリップの先端側から昇り傾斜状に形成され、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成され、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成された傾斜面を有し、かつ、
前記傾斜面は、複数のネジ溝となる凹部の線と前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部とが平行に、所定の昇り傾斜角度をもって先端から基端を除く領域まで形成され、
前記第二排出ガイド部は、
前記外径筒部の下端側であって、前記サイドリップと対向する内周面には昇り傾斜状形成され、かつ、
前記内周面には、複数のネジ溝となる凹部の線と、前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部が所定の昇り傾斜角度をもって平行に形成され、
前記第二排出ガイド部が回転されると、前記第一排出ガイド部に沿って連続した上昇気流と、前記第二排出ガイド部に沿って連続した上昇気流とが同じ方向に合わされ、前記流路を通じて異物が外部環境側へ掃出されることを特徴とする密封装置。
【請求項4】
前記所定の昇り傾斜角度は、10度乃至20度であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の密封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対回転可能に対向する部材相互間に設けられ、外部環境に対して内部環境を密封するための密封装置に関し、特に、ダスト等の異物浸入の防止が求められる密封装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の密封装置として図5(特許文献1の図1)に示すものがあり、以下のように構成されている。すなわち、この密封装置は、車両のトランスファー装置における非回転のハウジング2とハウジング2に挿通された回転体3との間に装着されるものであって、ハウジング2の開口端部2aの内周面に取り付けられたオイルシール本体10には、ハウジング2の開口端部2aの内周面に圧入嵌着される外周シール部12と、回転体3の外周面に摺動可能に密接される対油シールリップ13と、当該対油シールリップ13と反対側へ延び先端内周が回転体3の外周面に摺動可能に密接されるダストリップ14と、当該ダストリップ14の根元の外周側から対油シールリップ13と反対側へ先端が大径となるような円錐筒状をなして延びるサイドリップ15とを備える。
【0003】
また、このサイドリップ15は、回転する回転部材20のシールフランジ部22との摺動部S2において、このシールフランジ部22との密接摺動及び遠心力によるシールフランジ部22の振り切り作用によって、内周側への異物の浸入を阻止するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-57729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなサイドリップを設けた特許文献1の密封装置では、サイドリップの摺動部分で接触抵抗によるトルクの増大があった。
本発明は、従来技術の有するこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、サイドリップのトルクを増大させることなく、かつ、外部環境側から内部に入ってくる異物をポンピング作用により掃き出す密封装置を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第一の発明の密封装置は、静止部材の一方の部材と回転部材の他方の部材間に装着されて内部の密封流体が外部環境側へ漏洩するのを抑制するとともに外部環境側の異物が内部環境側へ浸入するのを抑制する密封装置であって、
前記一方の部材に固定されて内部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記密封流体をシールするシールリップと、
前記シールリップよりも外部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記異物の浸入をシールするダストリップと、
前記ダストリップよりもさらに外部環境側に配置され、前記他方の部材との間で非接触のラビリンス部が形成されて前記異物の浸入をシールするサイドリップと、からなる弾性部材のシール部と、
前記一方の部材に前記弾性部材を介して固定されて全体が断面略コ字状に形成され前記シール部を補強する金属環からなる補強金具と、を有し、
前記他方の部材は、
回転軸にスリーブとして固定される内径筒部のスリーブ部と、
前記スリーブ部の内径筒部の下端から径方向外方に延設された円盤部と、
前記円盤部から軸方向に前記スリーブと対向して延設された外径筒部のフリンガ部と、を有し、
前記外径筒部を前記補強金具と一体となって、前記サイドリップから延設される前記弾性部材が覆うことにより断面略コ字形状の隙間が形成され、
前記隙間は、前記サイドリップと前記円盤部と前記フリンガ部とで囲まれた領域から前記外部環境側へと連通する流路の機能を有し、
前記サイドリップ側の前記流路の隙間距離をW3とし、前記外部環境側の前記流路の隙間距離W2とすると、W3>W2の関係になるように設けられ、
前記サイドリップの外部環境側の外周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第一排出ガイド部が形成され、
前記第一排出ガイド部は、
前記サイドリップの先端側から昇り傾斜状に形成され、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成された傾斜面を有し、かつ、
前記傾斜面は、複数のネジ溝となる凹部の線と前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部とが平行に、所定の昇り傾斜角度をもって先端から基端を除く領域まで形成され、
前記他方の部材が回転されると前記第一排出ガイド部により上昇気流が発生され前記流路を通じて外部環境側へ異物が掃出されることを特徴とする。
第二の発明の密封装置は、静止部材の一方の部材と回転部材の他方の部材間に装着されて内部の密封流体が外部環境側へ漏洩するのを抑制するとともに外部環境側の異物が内部環境側へ浸入するのを抑制する密封装置であって、
前記一方の部材に固定されて内部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記密封流体をシールするシールリップと、
前記シールリップよりも外部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記異物の浸入をシールするダストリップと、
前記ダストリップよりもさらに外部環境側に配置され、前記他方の部材との間で非接触のラビリンス部が形成されて前記異物の浸入をシールするサイドリップと、からなる弾性部材のシール部と、
前記一方の部材に前記弾性部材を介して固定されて全体が断面略コ字状に形成され前記シール部を補強する金属環からなる補強金具と、を有し、
前記他方の部材は、
回転軸にスリーブとして固定される内径筒部のスリーブ部と、
前記スリーブ部の内径筒部の下端から径方向外方に延設された円盤部と、
前記円盤部から軸方向に前記スリーブと対向して延設された外径筒部のフリンガ部と、を有し、
前記外径筒部を前記補強金具と一体となって、前記サイドリップから延設される前記弾性部材が覆うことにより断面略コ字形状の隙間が形成され、
前記隙間は、前記サイドリップと前記円盤部と前記フリンガ部とで囲まれた領域から前記外部環境側へと連通する流路の機能を有し、
前記サイドリップ側の前記流路の隙間距離をW3とし、前記外部環境側の前記流路の隙間距離W2とすると、W3>W2の関係になるように設けられ、
前記外径筒部の内周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第二排出ガイド部が形成され、
前記第二排出ガイド部は、
前記外径筒部の下端側であって、前記サイドリップと対向する内周面には昇り傾斜状形成され、かつ、
前記内周面には、複数のネジ溝となる凹部の線と、前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部が所定の昇り傾斜角度をもって平行に形成され、
前記第二排出ガイド部の回転により上昇気流が発生され前記流路を通じて異物が外部環境側へ掃出されることを特徴とする。
また、第三の発明の密封装置は、静止部材の一方の部材と回転部材の他方の部材間に装着されて内部の密封流体が外部環境側へ漏洩するのを抑制するとともに外部環境側の異物が内部環境側へ浸入するのを抑制する密封装置であって、
前記一方の部材に固定されて内部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記密封流体をシールするシールリップと、
前記シールリップよりも外部環境側に配置され、前記他方の部材に対し摺動自在に接触して前記異物の浸入をシールするダストリップと、
前記ダストリップよりもさらに外部環境側に配置され、前記他方の部材との間で非接触のラビリンス部が形成されて前記異物の浸入をシールするサイドリップと、からなる弾性部材のシール部と、
前記一方の部材に前記弾性部材を介して固定されて全体が断面略コ字状に形成され前記シール部を補強する金属環からなる補強金具と、を有し、
前記他方の部材は、
回転軸にスリーブとして固定される内径筒部のスリーブ部と、
前記スリーブ部の内径筒部の下端から径方向外方に延設された円盤部と、
前記円盤部から軸方向に前記スリーブと対向して延設された外径筒部のフリンガ部と、を有し、
前記外径筒部を前記補強金具と一体となって、前記サイドリップから延設される前記弾性部材が覆うことにより断面略コ字形状の隙間が形成され、
前記隙間は、前記サイドリップと前記円盤部と前記フリンガ部とで囲まれた領域から前記外部環境側へと連通する流路の機能を有し、
前記サイドリップ側の前記流路の隙間距離をW3とし、前記外部環境側の前記流路の隙間距離W2とすると、W3>W2の関係になるように設けられ、
前記サイドリップの外周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第一排出ガイド部と、
前記他方の部材には、前記回転部材の回転軸と直交する径方向に位置するとともに、前記第一排出ガイド部と対向する前記外径筒部の内周面には、前記異物を外部環境側へと案内する第二排出ガイド部とが形成され、
前記第一排出ガイド部は、
前記サイドリップの先端側から昇り傾斜状に形成され、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成され、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成された傾斜面を有し、かつ、
前記傾斜面は、複数のネジ溝となる凹部の線と前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部とが平行に、所定の昇り傾斜角度をもって先端から基端を除く領域まで形成され、
前記第二排出ガイド部は、
前記外径筒部の下端側であって、前記サイドリップと対向する内周面には昇り傾斜状形成され、かつ、
前記内周面には、複数のネジ溝となる凹部の線と、前記凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部が所定の昇り傾斜角度をもって平行に形成され、
前記第二排出ガイド部が回転されると、前記第一排出ガイド部に沿って連続した上昇気流と、前記第二排出ガイド部に沿って連続した上昇気流とが同じ方向に合わされ、前記流路を通じて異物が外部環境側へ掃出されることを特徴とする。
第四の発明の密封装置は、第一の発明乃至第三の発明のいずれかにおいて、前記所定の昇り傾斜角度は、10度乃至20度であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サイドリップのトルクを増大させることなく、かつ、外部環境側から内部に入ってくる異物をポンピング作用により掃き出す密封装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係る密封装置の要部断面図である。
図2】(a)は第一排出ガイド部の構造を示す説明図で、(b)はネ第一排出ガイド部L1と第二排出ガイド部の要部断面図である。
図3】本発明の第二実施形態に係る密封装置の要部断面図である。
図4】本発明の第三実施形態に係る密封装置の要部断面図である。
図5】従来例に係る密封装置の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
本発明の第一の実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。
第一実施形態に係る密封装置1は、図1に示すように、一方の部材である非回転の静止部材のハウジング2と他方の部材である回転する回転部材20の間に装着されて、オイル充填側である内部環境側のオイル等の密封流体が外部へ漏洩するのを抑制するとともに、ダスト等の異物(以下、単に異物という。)が内部環境側へ浸入するのを抑制するために、ハウジング2に対し固定され回転軸3を覆うスリーブ構造により回転軸Axで同一回転するようにした回転部材20(スリーブ部18とフリンガ部(スリンガ部ともいう。)19とは一体して含んでいる。)と、この回転部材20に摺動自在に接触する密封装置本体10とを備える。
【0010】
また、密封装置本体10は、補強金具(芯金ともいう。)11と、一方の部材である静止部材のハウジング2に固定されるとともに他方の部材である回転部材20(スリーブ部18)に押圧されて接触する弾性部材12と、弾性部材12の一部に巻回されたガータースプリング16と、備えている。
【0011】
補強金具11は、全体が断面略コ字状に形成された金属環で、弾性部材12と一体化して成形された芯金である。具体的には、その一端がハウジング2と嵌合する弾性部材12の嵌合部12aに沿って弾性部材12内に埋設し、内部環境側の密封流体と接する部分は弾性部材12に埋設せずに延出し、さらに、延出した補強金具11の他端(図ではダストリップ14の近傍)は断面L字状に形成され、回転軸3側に向けて延出した一部が弾性部材12に埋設し一体化している。
これにより、弾性部材12をハウジング2に対して堅牢に固定させることができる結果、密封装置本体10(弾性部材12)を常時安定して回転部材20の径筒部20cのスリーブ18の周面20dに摺接させることが可能となり、回転軸3が高速回転する環境下における密封性の維持向上を図ることができる。
【0012】
弾性部材12は、合成ゴム材料からなる円環状のゴム状弾性体で、ハウジング2と嵌合するとともに補強金具11の外周を覆う嵌合部12aと、その嵌合部12aからハウジング2と反対方向に向かって延設した第1延設部12bと、その第1延設部12bから大気側である外部環境側と反対方向で嵌合部12aと対向して補強金具11の内周を覆う第1内周部12cと、さらに第1内周部12cからハウジング2と反対方向に向かって延設した第2延設部12dと、その第2延設部12dから内部環境側方向に向かって補強金具11の内周を覆う第2内周部12eと、補強金具11の略L字状の底面を覆う第3延設部12fと、その第3延設部12fの先には回転部材20の円盤部20bの上面19aと非接触のサイドリップ15と、回転部材20内径筒部20cのスリーブ周面20dと接触するシールリップ13とダストリップ14を有するシール部12gがある。
これらの弾性部材12の各構成は、嵌合部12aの一側端からシール部12gの他端まで連続して円環中心方向に設けられて円筒環状をなしている。
【0013】
また、第1延設部12bと第1内周部12cと第2延設部12dと第2内周部12eの連続した内周面である断面略コ字状である円筒環状は、回転部材20の外径筒部20aとの組合せによる流路(ラビリンス部)Rが形成され、大気側の外部環境側からオイル充填側の内部環境側への異物に対するラビリンス効果を奏している。
【0014】
回転部材20は、金属製やセラミック製で、図1に示すように、密封装置1に備えられ、回転軸3にスリーブとして固定されるスリーブ部18と、スリーブ部18から一体して設けられ、異物を振り払うフリンガの機能を有するフリンガ部19とを含んでいる。このスリーブ部18は、内径筒部20cを有し、フリンガ部19は、内径筒部20cの下端から径方向外方に延設された円盤部20bと、円盤部20bから軸方向に延設された外径筒部20aとから構成されている。
【0015】
また、図1に示すように、回転軸3ではなく、回転部材20の径筒部20c(スリーブ18)のスリーブ周面20dにシールリップ13とダストリップ14とを摺接させている。これにより、回転軸3を交換するのではなく、部品の回転部材20を外して交換するという方法が取ることができ、密封装置1のメンテナンスを容易にしつつ低コストでの交換メンテナンスが可能となる。
【0016】
また、回転部材20は、外径筒部20aと弾性部材12の第1内周部12cの間の隙間距離を小さくした非接触シールである、いわゆるラビリンスを構成して外部環境側からの進入阻止を図っている。具体的には、図1に示すように、ハウジング2の内周面と回転部材20の外径筒部20aの外周面との径方向の隙間距離W1とし、回転部材20の外径筒部20aの外周面との隙間距離W2とすると、W1>W2の関係にある。このようにハウジング2と回転部材20との間に弾性部材12を装着する構造にすることで、隙間距離W1を隙間距離W2と小さくし、かつ、隙間距離W2から隙間距離W3までの流路(ラビリンス部)Rを長く設けることで、ラビリンス効果を奏することができる。
【0017】
これにより、本実施形態の回転軸3の軸Axと同軸で同一回転する回転部材20は、ラビリンス効果と共に、回転部材20のフリンガ部19に降りかかった異物を高速回転による遠心力で外部環境側に振り飛ばして、異物の密封装置1の内部への浸入を防止できる。
【0018】
また、弾性部材12の第2内周部12eの外周面と回転部材20の外径筒部20aとの径方向の隙間距離W3とし、回転部材20の外径筒部20aの内周面との隙間距離W3とすると、W3>W2の関係にある。この理由は、密封装置1の内部空間に侵入(或いは、無回転時に浸入して滞留)した異物を外部環境側に掃き出すときの掃き出し口になるため隙間距離W2よりも隙間距離W3を少し大きい開口構造としている。
これにより密封装置1内の異物を効率的に排出することでき密封効果がさらに期待できる。
【0019】
密封装置本体10の弾性部材12には、オイル等の密封流体をシールするシールリップ13と、シールリップ13よりも外部環境側に配置されて異物侵入を防止するシールするダストリップ14と、ダストリップ14よりもさらに外部環境側に配置され、他方の部材の回転部材720との間で非接触のラビリンス部Qが形成されて異物侵入を確実に防止するシールするサイドリップ15と、を有し、また、サイドリップ15の外周面15aには、他方の部材(回転部材20)の回転時にポンピング作用をなす第一排出ガイド部L1が形成されている。
【0020】
シールリップ13は、回転部材20の径筒部20cのスリーブ周面20dと接触する内周面の断面視がほぼV字形状に形成されており、また、シールリップ13と径方向反対側の外周には、無端状のガータースプリング16が巻回されている。これにより、シールリップ13のリップ先端が常時一定の緊迫力で回転部材20の径筒部20cのスリーブ周面20dに摺接した状態に維持される。そして、内部環境側にオイルやグリースなどの潤滑剤が封入されて漏洩防止が図られる。
【0021】
ダストリップ14は、外部環境側に向けて薄肉化させつつ傾斜した姿勢(テーパ形状)で、シールリップ13よりも小さい内周面の断面視のV字形状に突出し、その突出端が回転部材20の径筒部20cのスリーブ周面20dに対して接触状態(或いは僅かな隙間を隔てた非接触状態)に位置決めされている。これにより、外部環境側に存する異物の浸入防止が図られる。
【0022】
サイドリップ15は、ダストリップ14よりもさらに外部環境側に配置され、他方の部材の回転部材20との間で非接触のラビリンス部Qが形成されて異物の浸入をシールしている。具体的には、ダストリップ14よりもさらにハウジング2側に向けて薄肉化させつつ傾斜した姿勢で、ダストリップ14よりも小さい内周面の断面視の長尺形状に突出し、その突出端が弾性部材20の円盤部20bの上面19aに対して、僅かな環状隙間Dを隔てた非接触状態に位置決めされたラビリンス部Qが形成されている。
これにより、ダストリップ14側へと浸入する異物を防止するとともに、従来技術において課題であった回転トルクが増大することを避けることができる。
【0023】
このような環状隙間Dは、最小限で1.0mm以下が好ましく、本実施形態では所定の数値に設定されている。なお、環状隙間Dが1.0mmを超えるとダストリップ14へと浸入する異物を防止するラビリンスシールの効果が期待できず好ましくない。
【0024】
また、このサイドリップ15は、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状(円錐筒状)に形成された傾斜面を有し、その円錐筒状の外部環境側の外周面15aには、異物を外部環境側へと案内する第一排出ガイド部が形成されている。この第一排出ガイド部L1は、外周面15aの内、約8割方を占める。
【0025】
図2(a)は、サイドリップ15の円錐筒状の傾斜面15aに形成された第一排出ガイド部L1の円周状を平面的に模した図で、第一排出ガイド部L1は、サイドリップ15の先端側から昇り傾斜状に形成7されている。具体的には、第一排出ガイド部L1の所定の円周幅La(図では縦長さ)と所定の円周一周長さLb(図では横長さ)からなる傾斜面には、複数のネジ溝(底)となる凹部の線と、複数のネジ溝(底)となる凹部の線に挟まれたネジ山となる凸部(図では空白部分)が所定の昇り傾斜角度θをもって平行して形成されている。本実施形態において、等間隔で平行する複数のネジ溝(底)となる凹部(又はネジ山となる凸部)の線のピッチ数は、所定の円周幅La内に約10数本(図では13本)が形成されており、所定の昇り傾斜角度θは、約10度~20度の範囲である。
したがって、図には示さないが、サイドリップ15を平面視すると(軸方向で上方から下方を見た場合)、先端側に行くにしたがって大径となる拡径状に形成されている円錐筒状であることから第一排出ガイド部L1が円形状に幅を有しているようにみえる。
【0026】
なお、所定の円周幅La内の線のピッチ数は約10数本に限定されることなく、また、所定の昇り傾斜角度θは約10度~20度に限定されることなく、それよりも多く或いは少なくても本実施範囲である。
また、線のピッチについて、傾斜面15aの下方を広く(少なく)、上方に行くにしたがい狭く(多く)浅くなるように所定の昇り傾斜角度θが変化するように形成されてもよい。
【0027】
また、図2(b)は、第一排出ガイド部L1の傾斜面の円周方向の一部断面図で、図2(a)より具体的に示している。第一排出ガイド部L1に形成されたネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部は、三角形の断面を有し、また、同一円周上における凹部は同じ深さである(凸部であれば同じ高さである)。
【0028】
このように凹部の深さと凸部の高さを同一円周上で同一としているが、線のピッチ数は変えずに傾斜面15aの下方を底が深く、上方に行くにしたがい高さが低くなるように形成されてもよい。また、第一排出ガイド部L1の断面において、凸部を三角形とし、凹部の丸みを帯びた半円形と相異なる形状に形成されてもよい。
【0029】
次に、第一排出ガイド部L1による異物を掃き出すポンピング作用効果について説明する。
図1において、回転軸3が矢印方向Lに回転すると、回転軸3を覆い回転軸Axと同軸である回転部材20も同一に回転する。この回転部材20が回転することにより、回転部材20の外径筒部20aの内周面とサイドリップ15の傾斜面15aの空間内には回転方向に沿って連続した上昇気流が発生する。この気流は、傾斜面15aには、複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部からなる第一排出ガイド部L1が所定の昇り傾斜角度θをもって平行して形成されていることから、当該空間内の気流は外部環境側へ異物を掃き出すポンピング気流へと変わる。
【0030】
このようなポンピング気流は、図1において、回転部材20の外径筒部20aを弾性部材12c、12d、12eで覆った断面略コ字状を呈する長い流路Rが設定されていることから、ポンピング力が大きくなりシール性を向上させることができる。したがって、外部環境側に配置されて異物をシールするサイドリップ15に第一排出ガイド部L1のポンピング作用により、密封装置1内に異物が浸入しようとしても或いは無回転時に浸入していた異物があったとしても、これらの異物は掃きだされ、密封装置1のシール性及び耐久性を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施形態の第一排出ガイド部L1の外周面15aは、先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成された傾斜面を有していると説明したが、必ずしも傾斜面でなくてもよい。すなわち、軸方向と平行(図では、弾性部材20の円盤部20bの上面19aと直角)の面であっても、サイドリップ15の先端側から昇り傾斜状に複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部が形成されているだけで、外部環境側へ異物を掃き出すポンピング気流が得られるからである。
【0032】
[第二実施形態]
第二実施形態の密封装置は、図3に示すように、他方の部材である回転部材20には、回転部材20の回転軸3と直交する径方向に位置するとともに、サイドリップ15と対向する外径筒部20aを有し、外径筒部20aの内周面17には、回転部材20の回転時にポンピング作用により異物を外部環境側へと案内する第二排出ガイド部L2が形成されている。
第一実施形態ではサイドリップ15の傾斜面15aにポンピング作用を発揮する第一排出ガイド部L1が形成されていた点で異なるが、密封装置1の密封装置本体10及び回転部材20の構成は第一実施形態と同じであるため、説明記載の重複を避けるべく、特に異なる第二排出ガイド部L2の構成を中心に説明する。なお、符号においても同一の構成部分は同じ符号を図3においても記載するが説明は省略する。
【0033】
また、第二排出ガイド部L2は、外径筒部15aの内周面の下端側から昇り傾斜状に形成されている。具体的には、サイドリップ15と対向する所定の円周幅Laで形成され、回転部材20の外径筒部20aの所定の円周幅Laの内周面17には、第二排出ガイド部L2が、第一実施形態で説明したと同じく複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部からなる第一排出ガイド部L1と同じく図2(a)の所定の昇り斜角度θをもって平行して外径筒部20aの内周面に一巡して形成されている。この第二排出ガイド部L2の所定の円周幅Laは、外径筒部20aの内周面の内、約4割方を占めている。なお、図3に示すように、サイドリップ15に第一排出ガイド部L1は形成されておらず平面状である。
【0034】
回転部材20の外径筒部20aの内周面に形成された第二排出ガイド部L2は、回転軸3と同一回転で自ら高速に回転する。そして、この第二排出ガイド部L2が流路R(図3において、回転部材20の外径筒部20aと弾性部材12cとの間の符号W3の開口部)の直下に配設され、外径筒部15aの内周面の下端側から昇り傾斜状に形成された第二排出ガイド部L2の凹部とネジ山となる凸部に沿って、発生した上昇気流は、外部環境側へ異物を掃き出すポンピング気流となり、効率的にポンピング作用により外部環境側からの異物をシールできる。
【0035】
[第三実施形態]
第三実施形態は、図4に示すように、サイドリップ15の外部環境側の外周面15aの傾斜面に異物を外部環境側へと案内する第一排出ガイド部L1と、他方の部材である回転部材20には、回転部材20の回転軸3と直交する径方向に位置するとともに、サイドリップ15と対向する外径筒部20aを有し、外径筒部20aの内周面17には、異物を外部環境側へと案内する第二排出ガイド部L2が形成され、第一排出ガイド部L1と第二排出ガイド部L2と相互に対向させて配設(組合せた)形態である。
なお、密封装置1の密封装置本体10、回転部材20、第一排出ガイド部L1、第二排出ガイド部L2のこれら個々の構成は、第一実施形態及び第二実施形態と同じであるため、説明の重複を避けるべく、特に異なる構成を中心に説明する。なお、符号においても同一の構成部分は同じ符号を図4においても記載するが説明は省略する。
【0036】
具体的には、第一実施形態で説明したと同じく複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部からなる第一排出ガイド部L1が所定の昇り傾斜角度θをもって平行してサイドリップ15の外周面15aに形成され、第二実施形態で説明したと同じく複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部からなる第二排出ガイド部L2が形状の所定の昇り傾斜角度θをもって平行して回転部材20の外径筒部20aの所定の円周幅Laの内周面17に形成されている。
【0037】
したがって、静止部材であるサイドリップ15の傾斜面15aに形成された第一排出ガイド部L1に沿って連続した上昇気流と、自ら高速回転する回転部材20の外径筒部20aの内周面の流路R近傍に形成された第二排出ガイド部L2に沿って連続した上昇気流とが同じ方向に合わさった強力なポンピング気流となる。
【0038】
このように、サイドリップ15に形成された第一排出ガイド部L1と回転部材20に形成された第二排出ガイド部L2とが対向した所定位置に配設(組合せ)され、二つの第一排出ガイド部L1と第二排出ガイド部L2による相乗効果を奏したポンピング気流は、流路R方向へ向けてポンピング作用をなすことにより外部環境側からの異物を確実にシールすることができる。
【0039】
なお、本第三実施形態においても第一実施形態で説明したとおり、第一排出ガイド部L1の外周面15aが先端側に行くにしたがって大径となる拡開状に形成された傾斜面でなくてもよい。すなわち、第一排出ガイド部L15の先端側から昇り傾斜状に複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部か形成されていることで、第二排出ガイド部L2の複数のネジ溝(底)となる凹部とネジ山となる凸部による連続した上昇気流とが同じ方向に合わさり外部環境側へ異物を掃き出すポンピング気流が得られるからである。
【0040】
また、本第三実施形態におけるサイドリップ15に形成された第一排出ガイド部L1と回転部材20に形成された第二排出ガイド部L2とは、それぞれ所定の円周幅Laが同一幅であるとしているが、所定の円周幅Laについて、第一排出ガイド部L1を長くして第二排出ガイド部L2を短く、或いは逆に第一排出ガイド部L1を短くして第二排出ガイド部L2を長くするなど、これら第一排出ガイド部L1と第二排出ガイド部L2を対向して配設(組合)させることにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ダスト等の異物浸入の防止が求められる密封装置だけでなく、水や汚泥浸入の防止が求められる密封装置にも産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 密封装置
2 ハウジング(一方の部材)
3 回転軸
10 密封装置本体
11 補強金具(芯金)
12 弾性部材
13 シールリップ
14 ダストリップ
15 サイドリップ
15a 外周面
16 ガータースプリング
17 内周面
18 スリーブ部(回転部材)
19 フリンガ部(回転部材)
20 回転部材(他方の部材)
22 シールフランジ部
D 環状隙間
L1 第一排出ガイド部(サイドリップ側)
L2 第二排出ガイド部(フリンガ部側)
Q ラビリンス部
R 流路(ラビリンス部)
W1、W2、W3 隙間距離

図1
図2
図3
図4
図5