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  • 特許-インプラントデバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】インプラントデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20230425BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018556017
(86)(22)【出願日】2017-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 FR2017050074
(87)【国際公開番号】W WO2017121968
(87)【国際公開日】2017-07-20
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】1650268
(32)【優先日】2016-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518251354
【氏名又は名称】ニューロ フランス インプランツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モロー パトリス
(72)【発明者】
【氏名】ウォルナー カリン
(72)【発明者】
【氏名】ミスナール ジル
(72)【発明者】
【氏名】トロピアーノ パトリック
(72)【発明者】
【氏名】コート シャルル
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529446(JP,A)
【文献】特開2015-165958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0196336(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0253594(US,A1)
【文献】特開2000-230528(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0288599(US,A1)
【文献】特表2009-527279(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0249579(US,A1)
【文献】特表2015-504317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56-17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ山付きシャンク(10)、ならびに、ヘッド(11)を機動させるためのキャビティ(12)が設けられたヘッド(11)を備える、インプラントデバイスであって、前記ねじ山付き部分(10)は、2つのゾーン(2,3)、すなわち、遠位端ゾーン(2)であって、円錐プロファイルを有し、遠位端ゾーン(2)のねじ山(21)は、海綿骨のために構成される遠位端ゾーン(2)及び近位ゾーン(3)であって、円錐プロファイルを有し、前記遠位部分(2)のテーパ角度(β)より小さいテーパ角度(α)を有し、近位ゾーン(3)のねじ山(31)は、細目であり、骨の皮質のために構成される、すなわち、近位ゾーン(3)は、細目でかつ深くシャープなねじ山(31)を含み、一方、コア(32)はフラットであり、前記2つのねじ山(10,20)は、同じピッチまたは非常に近いピッチを有し、前記遠位ゾーン(2)及び前記近位ゾーン(3)のねじ山ピッチ(20,30)が異なるとき、前記近位ゾーン(3)のねじ山(30)は、前記遠位ゾーン(2)のピッチより小さいピッチを有することを特徴とする、インプラントデバイス。
【請求項2】
密度センサを備えるピンの挿入を可能にするように構成されるカニューレ(14)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のインプラントデバイス。
【請求項3】
前記近位ゾーン(3)は1°のテーパを有し、一方、前記遠位ゾーン(2)は4°のテーパを有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のインプラントデバイス。
【請求項4】
前記ピッチの値の差は20%未満であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のインプラントデバイス。
【請求項5】
前記遠位ゾーン(2)のねじ山(20)は、前記近位ゾーン(3)のねじ山(30)の深さと同じ深さを有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のインプラントデバイス。
【請求項6】
前記遠位ゾーン(2)は、3つの自己タッピングスリット(23)を備えることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のインプラントデバイス。
【請求項7】
インプラントデバイスの自由端は、シャープな螺旋(24)を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のインプラントデバイス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、骨接合のための、特に、椎骨の骨接合のためのインプラントデバイスに関する。
より詳細には、本発明は、概して、支持手段を通してインプラントに接続されたバー、または、インプラントの通過のための穴を穿孔されたプレートからなる、伸延または圧縮要素を維持するためのインプラントに関する。
【0002】
こうしたインプラントは、例えば、仏国特許第2,880,254号公報に記載される。この種のインプラントは、ねじ山付きシャンクを備えるねじ、ならびにキャビティを備えるヘッドからなり、キャビティはヘッドを機動させ、インプラントは、前記ヘッド上で旋回し、前記ヘッド内で固定化されることができる支持ピースと協働することを意図される球のまたは部分的に球の部分を有し、前記支持ピースは、伸延または圧縮要素を締結しブロックするための手段を含む。
【0003】
これらのインプラントデバイスの多くの代替物が存在し、それらは、伸延または圧縮バーを締結しブロックするための手段に関して本質的に異なる。
しかし、全てのインプラントデバイスは、同じ欠点を有し、すなわち、基本的に固定に信頼性がなく、さらに、かなり急速な骨瘢痕化を引き起こす。
【0004】
一部の文書において、米国特許出願公開第2013253594号公報及び米国特許出願公開第2014012334号公報の場合のように、長手方向において、別個のゾーンを有するねじ山付きインプラント、特に、異なるピッチを有している別個のゾーンを有するねじ山付きインプラントが提案されているが、長いピッチを含む部分が、インプラントの移動速度を加速し、それにより、短いピッチを含む部分のピッチが、タッピングを実施するのではなく、穴を穿孔する傾向があり、それが、固定にとって有害であるという欠点を有する。
【0005】
椎弓根インプラントの埋め込み後に遭遇する主要な問題の1つは、ねじと椎弓根の内側部分との間の椎弓根内のインプラントの可動性チャンバの生成である。この可動性は、ねじのコアと皮質骨との間で埋め込み時に細胞にかかる強い圧力に起因する細胞分解による。
【0006】
本発明は、先に述べた種々の欠点を解決することを可能にするインプラントデバイスを提案することを目標とする。
本発明によるインプラントデバイスは、支持手段を通してインプラントに接続されたバー、または、インプラントの通過のための穴を穿孔されたプレートからなる伸延または圧縮要素を維持するために使用され、ねじ山付きシャンク、ならびに、キャビティが設けられたヘッドを備えるタイプであり、キャビティはヘッドを機動させ、インプラントデバイスは、前記ヘッド上で旋回し、前記ヘッド内で固定化されることができる支持ピースと協働することを意図される球のまたは部分的に球の部分を有し、前記支持ピースは、伸延または圧縮要素を締結しブロックするための手段を含み、インプラントデバイスは、前記ねじ山付き部分が、2つのゾーン、すなわち、遠位端ゾーンであって、円錐プロファイルを有し、ワイドターンを有する遠位端ゾーンのねじ山が、海綿骨のために構成される遠位端ゾーン及び近位ゾーンであって、円錐プロファイルを有し、前記遠位部分のテーパ角度より小さいテーパ角度を有し、近位ゾーンのねじ山が、細目であり、骨の皮質のために構成される、すなわち、細目でかつ深くシャープなねじ山を含む近位ゾーンを含み、一方、コアは平らであること、及び、2つのねじ山が、同じピッチまたは非常に近いピッチを有することを本質的に特徴とする。
【0007】
近位部分の構成、すなわち、一層小さいテーパ及び平らなコアに結合した、細目でかつ深い尖部を有するねじ山は、細胞分解を回避し、したがって、接触を改善することを可能にする。したがって、椎弓根の内側部分は、圧縮性が少なく、短期、中期、及び長期においてよりよい保持をもたらす。
【0008】
このねじ山の目的は、骨細胞の過剰な圧縮なしで、最大の椎弓根内骨捕捉を有し、急速な骨形成を可能にすることである。このねじ山は、ねじ込みの終りに、椎弓根破壊の一因となる側圧応力なしで椎弓根内進行を提供するという特徴を有する。このねじ山は、排他的に、椎弓根ねじ山である。
【0009】
本発明によるインプラントデバイスの1つの更なる特徴によれば、インプラントデバイスは、密度センサを備えるピンの挿入を可能にするように構成されるカニューレを含む。
本発明によるインプラントデバイスの別の更なる特徴によれば、近位ゾーンは1°のテーパを有し、一方、遠位ゾーンは4°のテーパを有する。
【0010】
本発明によるインプラントデバイスの別の更なる特徴によれば、近位ゾーンのねじ山は、遠位ゾーンのピッチより小さいピッチを有する。
本発明によるインプラントデバイスの別の更なる特徴によれば、ピッチの値の差は、20%未満である。
【0011】
遠位ゾーンは、円形フィレットを備え、近位部分のねじ山と同じ深さを有する異なるねじ山を含む。遠位ゾーンは、その端にシャープな螺旋を有する。遠位ゾーンのテーパは、応力なしでゆるやかな挿入を可能にする。遠位ゾーンは、自己タッピング機能を発揮するため、傾斜に平行な3つのスリットを備える。
【0012】
シャープな螺旋は、椎弓根破壊開始の一因となる皮質微小破壊をもたらすことなく、インプラントが骨に容易に挿入されることを可能にし、自己穿孔機能を発揮する。
こうした特徴を含むねじを容易に作ることができないことが留意されるであろう。そのため、ねじ山は、2つのステップで作られる。第1のステップにて、ねじ山は、渦巻きカッタを使用して遠位ゾーンにおいて作られ、その後、第2のステップにて、インサートを用いてターニングすることによって、近位ゾーンのねじ山が作られ、これら2つの作業の間に、第1の作業の停止ポイント及び第2の作業の開始ポイントを識別するためのステップを有する。
【0013】
本発明によるインプラントデバイスの利点及び特徴は、幾つかの非制限的な実施形態を示す添付図面に対する以下の説明からより明瞭に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるインプラントデバイスの斜視図である。
図2】同じインプラントデバイスの平面概略図である。
図3】同じインプラントデバイスの一端からの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び2を参照すると、本発明によるインプラントデバイスが見られ、インプラントデバイスは、伸延または圧縮要素を維持するように設計された支持ピース(図示せず)に連結されることを意図されるねじ山付きロッド1を備える。ねじ山付きロッド1は、仏国特許第2,880,254号公報による、バーまたはバーと同様なものからなる、
ねじ山付きロッド1は、ねじ山付き部分10、ヘッド11を機動させるためのキャビティ12を備えるヘッド11、ならびに、支持部品(図示せず)の旋回協働を可能にする部分的に球の部分13を含む。
【0016】
本発明によれば、2つのゾーン、すなわち、遠位ゾーン2及び遠位ゾーン2とヘッド11との間に延在する近位ゾーン3を含むねじ山付き部分10が見られる。
ねじ山付き部分の2/5を超えて延在する遠位ゾーン2は、円錐形状を有し、手近な場合、非制限的にではないが好ましくは、このテーパは、長手方向軸XX’に対して4°の角度βを有する。
【0017】
近位ゾーン3は、わずかに円錐の形状を有し、手近な場合、非制限的にではないが好ましくは、近位ゾーン3は、長手方向軸XX’に対して1°の角度αを有するテーパを有する。
近位ゾーン3のねじ山30は、インプラントの全長の3/5を超えて、0.7mmの細目でかつ深いシャープなターン31を有し、一方、底部32は平らである。このねじ山30の目的は、骨細胞の過剰な圧縮なしで、最大の椎弓根内骨捕捉を有し、急速な骨形成を可能にすることである。このねじ山30は、ねじ込みの終りに椎弓根破壊の一因となる側圧応力なしで椎弓根内進行を提供するという特徴を有する。このねじ山30は、排他的に、椎弓根ねじ山である。
【0018】
遠位ゾーン2は、円形フィレット21を有し、近位部分3のねじ山30と同じ深さを有し、凹状底部を有する、異なるねじ山20を含む。
好ましくは、ねじ山20及び30は、同一ピッチを有する。しかし、遠位2及び近位3のそれぞれのゾーンのねじ山20及び30のピッチが異なる場合、非常に近い値を有し、ねじ山30のピッチは、ねじ山30のピッチより小さい。手近な場合、示す実施形態において、2つの値の間の偏差は約15%である。
【0019】
遠位ゾーン2は、同様に、自己タッピングノッチ23を含み、図3に示すように、3つ存在する。
遠位ゾーン2の自由端は、シャープな螺旋24で構成され、シャープな螺旋24は、骨材料内への挿入に有利である。
【0020】
図3において、インプラント1が軸方向カニューレ14を含み、軸方向カニューレ14は、インプラントの位置を決定することを可能にする密度センサを保持するピンの挿入のために意図される。
以上、本発明の詳細な説明によれば、本発明によるインプラントデバイスは、支持手段によってインプラント(1)に連結されたロッドからなる伸延または圧縮要素を維持するために使用され、伸延または圧縮要素を締結しブロックするための手段を備える支持ピースと相互作用するため、ねじ山付きスタッド(10)及びヘッド(11)を備えるタイプである。ねじ山付きピース(10)は、2つのゾーン(2,3)、すなわち、遠位端ゾーン(2)であって、円錐プロファイル、及び、海綿骨のために構成されるねじ山(21)を有する遠位端ゾーン(2)、ならびに、近位ゾーン(3)であって、円錐プロファイルを有し、遠位部分(2)の円錐角度(β)より小さい円錐角度(α)を有し、骨の皮質のために構成される狭いねじ山(31)、すなわち、シャープで、薄く、深いねじ山(31)を有する近位ゾーン(3)を備え、一方、ウェブ(32)は平らである。
図1
図2
図3