(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】棒鋼計数分離装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/30 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
B65G47/30 D
B65G47/30 J
(21)【出願番号】P 2019112258
(22)【出願日】2019-06-17
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】391029624
【氏名又は名称】滝川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 一雄
(72)【発明者】
【氏名】富永 治雄
(72)【発明者】
【氏名】高松 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】加納 弥
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-035863(JP,A)
【文献】国際公開第2019/111288(WO,A1)
【文献】特開平07-316895(JP,A)
【文献】特開平07-125832(JP,A)
【文献】特開2010-182172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
B65B 13/00-13/34;27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計数した棒鋼を他の棒鋼と分離する棒鋼計数分離装置であって、
棒鋼の長手方向に直行する方向を搬送方向として当該棒鋼を搬送する搬送装置と、
前記搬送方向に移動可能であり前記各棒鋼を検出するためのセンサと、
前記センサによる検出結果に基づいて前記各棒鋼の前記搬送方向についての順位と位置とを取得する処理部と、
前記搬送方向に移動可能であり高さ方向に移動することで前記搬送方向について所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間に侵入するレバーを有する分離機と、
を備え、
前記センサは、前記棒鋼の長手方向に複数設けられていて、複数の当該センサそれぞれは、前記搬送方向に独立して移動可能であり、
前記レバーは、前記棒鋼の長手方向に複数設けられていて、複数の当該レバーそれぞれは、前記搬送方向に独立して移動可能であり、
前記レバーは、高さ方向に移動して所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間に侵入すると、その状態から前記搬送方向の下流側に向かって移動する、
棒鋼計数分離装置。
【請求項2】
前記搬送装置は、前記搬送方向について上流側に設けられている搬入コンベアと、当該搬入コンベアの前記搬送方向について下流側に設けられている計数コンベアと、を有し、
前記搬入コンベアによる前記棒鋼の搬送速度よりも、前記計数コンベアによる搬送速度の方が高く、
前記センサは、前記計数コンベア上の前記棒鋼を検出対象とする、請求項1に記載の棒鋼計数分離装置。
【請求項3】
搬送方向について最も上流側の位置で一対の前記棒鋼の間に挿入した状態にある最上流の前記レバーは、一対の前記棒鋼の間に挿入した状態にある他の前記レバーよりも、前記搬送方向の下流側に向かって移動する速度が高くなる、請求項1又は2に記載の棒鋼計数分離装置。
【請求項4】
前記棒鋼の存在を検出する検出器を更に備え、
前記レバーは、前記搬送方向の下流側の所定位置を越えて、前記棒鋼を当該搬送方向に押して搬送し、
前記検出器は、前記所定位置に存在する前記棒鋼を検出する、請求項1~3のいずれか一項に記載の棒鋼計数分離装置。
【請求項5】
複数の前記センサそれぞれは、前記搬送方向の所定範囲において並ぶ前記棒鋼の全てを検出対象とし、
前記処理部は、複数の前記センサそれぞれの検出結果に基づいて、前記全ての棒鋼の数を、当該センサ毎に取得する機能を有し、
前記センサ毎に求められた前記数が、少なくとも1つでも相違している場合、エラー信号を生成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の棒鋼計数分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の棒鋼の内の計数した棒鋼を他の棒鋼と分離するための棒鋼計数分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異形棒鋼及び丸棒鋼等の棒鋼の製造及び出荷は、次のようにして行われる。鋼片(ビレット)を熱間圧延することにより全長80~120m程度の長尺素材を形成し、その長尺素材を、冷却した後、所定の長さ(例えば8m)毎に切断し、複数本の棒鋼とする。そして、これら棒鋼は、必要数毎に束ねられて出荷される。
【0003】
必要数の棒鋼の束を得るためには、その前に、棒鋼を計数し、計数した棒鋼を他の棒鋼と分離する必要がある。そのために、棒鋼の製造ラインに、棒鋼を計数し分離する装置(棒鋼計数分離装置)が設置される。
【0004】
図11は、従来の棒鋼計数分離装置の一部を示す側面図である。従来の装置は、コンベア80、規制版85、第一の爪部材86、及び第二の爪部材87を備える装置ユニットが、棒鋼Wの長手方向に複数台並んで設けられている。複数の装置ユニットの内の、棒鋼Wの端部側に位置する装置ユニットは、更に、スプロケット83及びセンサ84を有する。
この棒鋼計数分離装置では、コンベア80が棒鋼Wを搬送しながら、スプロケット83の溝に嵌る各棒鋼Wの一部をセンサ84が検出し、これにより、棒鋼Wが計数される。各装置ユニットにおいて、スプロケット83の搬送方向の下流側には、凸曲面を有する規制板85が設けられている。コンベア80により搬送され計数済みである棒鋼Wは、規制板85を乗り越えることができず、コンベア80上で滞留する。
【0005】
滞留する棒鋼Wは、その棒鋼Wの端部側の装置ユニットから順に、第一の爪部材86の動作により(
図11の矢印G1)掬い上げられ、規制板85の頂部へ搬送される。搬送された棒鋼Wは第二の爪部材87により受け止められる。棒鋼Wの長さに応じて所定番目までの動作が完了すれば、第二の爪部材87の動作により(
図11の矢印G2)一斉に棒鋼Wは規制板85を滑り落ち、コンベア80上に復帰する。このようにして、必要数の棒鋼Wが他の棒鋼Wと分離される。
【0006】
しかし、第一の爪部材86によって棒鋼Wが掬い上げられる際、及び、棒鋼Wが規制板85を越えてコンベア80上に落ちる際、棒鋼W同士が交叉して綾が発生する場合がある。棒鋼Wに綾が発生し、そのままの状態で結束されると、棒鋼Wが曲がってしまい直伸性が悪くなり、商品価値が低下してしまう。また、棒鋼Wに綾が発生していると、例えば建設現場において、その棒鋼W及びそれと交叉している他の棒鋼Wを取り出す作業が難しくなり、作業効率が悪くなる。
【0007】
そこで、計数した棒鋼を分離する際に、棒鋼を落下させないで済む装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置は、計数した必要数の棒鋼を並べた状態で移送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の装置によれば、計数した必要数の棒鋼を持ち上げて落下させないため、棒鋼に綾が発生するのを防ぐことが可能となる。このような装置は非常に有用であり、同様の機能を備える装置の開発が進められている。
【0010】
そこで、本開示では、新たな技術的手段により、計数した棒鋼を、綾を生じさせることなく、他の棒鋼と分離することが可能となる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の発明は、計数した棒鋼を他の棒鋼と分離する棒鋼計数分離装置であって、棒鋼の長手方向に直行する方向を搬送方向として当該棒鋼を搬送する搬送装置と、前記搬送方向に移動可能であり前記各棒鋼を検出するためのセンサと、前記センサによる検出結果に基づいて前記各棒鋼の前記搬送方向についての順位と位置とを取得する処理部と、前記搬送方向に移動可能であり高さ方向に移動することで前記搬送方向について所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間に侵入するレバーを有する分離機と、を備え、前記センサは、前記棒鋼の長手方向に複数設けられていて、複数の当該センサそれぞれは、前記搬送方向に独立して移動可能であり、前記レバーは、前記棒鋼の長手方向に複数設けられていて、複数の当該レバーそれぞれは、前記搬送方向に独立して移動可能であり、前記レバーは、高さ方向に移動して所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間に侵入すると、その状態から前記搬送方向の下流側に向かって移動する。
【0012】
前記棒鋼計数分離装置によれば、レバーは、所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間に侵入し、その状態から前記搬送方向の下流側に向かって移動する。これにより、レバーよりも搬送方向上流側に存在する他の棒鋼を残して、所望の数の棒鋼を当該他の棒鋼から分離することができる。従来のように、計数した棒鋼を分離するために、その棒鋼を持ち上げて落下させないで済み、棒鋼に綾が生じるのを防ぐことが可能となる。
【0013】
更に、センサ及びレバーそれぞれは複数設けられていて、複数のセンサそれぞれが独立して搬送方向に移動可能であり、複数のレバーそれぞれが独立して搬送方向に移動可能である。このため、一部の棒鋼が他の棒鋼に対して傾斜していても、各センサによって棒鋼の順位及び位置が求められ、また、所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間にレバーを侵入させることが可能となる。
【0014】
また、好ましくは、前記搬送装置は、前記搬送方向について上流側に設けられている搬入コンベアと、当該搬入コンベアの前記搬送方向について下流側に設けられている計数コンベアと、を有し、前記搬入コンベアによる前記棒鋼の搬送速度よりも、前記計数コンベアによる搬送速度の方が高く、前記センサは、前記計数コンベア上の前記棒鋼を検出対象とする。
この構成によれば、搬入コンベアから計数コンベアに棒鋼が移ることで、計数コンベア上において、前記搬送速度の差により、棒鋼の間に形成される搬送方向の間隔が広くなる。このため、前記処理部による順位と位置との取得の精度が高まり、また、レバーは、所定数番目の棒鋼とその隣りの棒鋼との間に侵入しやすくなる。
【0015】
また、好ましくは、搬送方向について最も上流側の位置で一対の前記棒鋼の間に挿入した状態にある最上流の前記レバーは、一対の前記棒鋼の間に挿入した状態にある他の前記レバーよりも、前記搬送方向の下流側に向かって移動する速度が高くなる。
この構成の場合、搬送方向について最も上流側の位置で一対の棒鋼の間に挿入した状態にある最上流のレバーは、他のレバーと比べて、搬送方向の下流側に向かって移動する速度が高い。このため、最上流のレバーは他のレバーに追いつくことが可能となる。このため、一部の棒鋼が他の棒鋼に対して傾斜した状態となっていても、各レバーに押されて当該一部の棒鋼を当該他の棒鋼に揃えることが可能となる。
【0016】
また、好ましくは、前記棒鋼計数分離装置は、前記棒鋼の存在を検出する検出器を更に備え、前記レバーは、前記搬送方向の下流側の所定位置を越えて、前記棒鋼を当該搬送方向に押して搬送し、前記検出器は、前記所定位置に存在する前記棒鋼を検出する。
この構成によれば、正しくは、前記所定位置を越えて棒鋼はレバーによって押されて搬送される。しかし、棒鋼の計数誤り及び棒鋼の分離誤りの一方又は双方が生じていると、一部の棒鋼が前記所定位置を越えて搬送されず、当該所定位置に残る可能性がある。このような場合に、前記検出器によれば、前記所定位置を越えて搬送されなかった棒鋼が検出される。このため、棒鋼の計数誤り及び棒鋼の分離誤りの一方又は双方の検出が可能となる。
【0017】
また、好ましくは、複数の前記センサそれぞれは、前記搬送方向の所定範囲において並ぶ前記棒鋼の全てを検出対象とし、前記処理部は、複数の前記センサそれぞれの検出結果に基づいて、前記全ての棒鋼の数を、当該センサ毎に取得する機能を有し、前記センサ毎に求められた前記数が、少なくとも1つでも相違している場合、エラー信号を生成する。
この構成によれば、例えば、他の棒鋼よりも短い棒鋼が紛れ込んでいる場合、その紛れ込みの検出が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の棒鋼計数分離装置によれば、従来のように、計数した棒鋼を分離するために、その棒鋼を上に持ち上げて落下させないため、計数した棒鋼を、綾を生じさせることなく、他の棒鋼と分離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】棒鋼計数分離装置の一例を示す平面図である。
【
図3】棒鋼計数分離装置の動作を説明する側面図である。
【
図4】棒鋼計数分離装置の動作を説明する側面図である。
【
図5】棒鋼計数分離装置の動作を説明する側面図である。
【
図6】棒鋼計数分離装置の動作を説明する側面図である。
【
図7】棒鋼計数分離装置の動作を説明する平面図である。
【
図8】棒鋼計数分離装置の動作を説明する平面図である。
【
図9】棒鋼計数分離装置の動作を説明する平面図である。
【
図10】棒鋼計数分離装置の動作を説明する平面図である。
【
図11】従来の棒鋼計数分離装置の一部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔棒鋼計数分離装置の構成について〕
図1は、棒鋼計数分離装置の一例を示す平面図である。
図2は、
図1に示す棒鋼計数分離装置の側面図である。
図1及び
図2に示す棒鋼計数分離装置10は、搬送される複数本の棒鋼Wの中から、必要数の棒鋼Wを計数し、計数した棒鋼Wを他の棒鋼Wと分離する装置である。そのために、棒鋼計数分離装置10は、搬送装置11と、センサ13と、処理部14と、分離機15とを備える。本開示の棒鋼計数分離装置10は、更に、棒鋼Wの存在を検出する検出器17を備える。また、棒鋼計数分離装置10は、センサ13及び分離機15を移動させる移動機構18を備える。
【0021】
搬送装置11は、複数本の棒鋼Wを載せて搬送する装置であり、例えば、チェーンコベア等のコンベア装置25a,25b,25cを有して構成される。複数本の棒鋼Wは、その長手方向に直交する方向を搬送方向として、搬送装置11により搬送される。棒鋼Wの搬送方向は、
図1及び
図2において、右側から左側に向かう方向である。棒鋼Wの搬送方向をX方向と定義する。搬送方向(X方向)に直交する水平方向が、棒鋼Wの長手方向となり、その方向をY方向と定義する。X方向とY方向との双方に直交する方向が高さ方向であり、その方向をZ方向と定義する。
【0022】
以下の説明では、棒鋼Wの搬送方向の上流側(
図1及び
図2において右側)を単に「上流側」と称する場合があり、また、棒鋼Wの搬送方向の下流側(
図1及び
図2において左側)を単に「下流側」と称する場合がある。
【0023】
本開示の搬送装置11は、上流側に設けられている搬入コンベア21と、搬入コンベア21の下流側に設けられている計数コンベア22と、計数コンベア22の下流側に設けられている搬出コンベア23とを有する。つまり、搬送装置11は、上流側から下流側に向かって順に、搬入コンベア21、計数コンベア22、及び、搬出コンベア23を有する。搬入コンベア21は、Y方向に並ぶ複数(
図1では6台)のコンベア装置25aを有する。計数コンベア22は、Y方向に並ぶ複数(
図1では6台)のコンベア装置25bを有する。搬出コンベア23は、Y方向に並ぶ複数(
図1では6台)のコンベア装置25cを有する。
【0024】
搬入コンベア21によって搬送された棒鋼Wは、計数コンベア22に移され、計数コンベア22によって搬送された棒鋼Wは、搬出コンベア23に移される。搬出コンベア23に載る棒鋼Wが、次の結束工程に送られる。結束工程では、図外の結束機によって、必要数の棒鋼Wがワイヤー(結束線)によって結束される。
【0025】
搬送装置11の動作の制御、つまり、搬入コンベア21、計数コンベア22、及び、搬出コンベア23それぞれの動作の開始及び停止、並びに、搬送速度の変更等の制御は、処理部14によって制御される。処理部14は、コンピュータ装置により構成される。
【0026】
搬送される棒鋼Wの姿勢について説明する。長手方向がY方向と一致する棒鋼Wが、正しい姿勢にある棒鋼Wである。しかし、
図1に示すように、棒鋼Wは、Y方向に沿って直線である基準線に対して、その長手方向が傾斜した状態で搬送される場合がある。後に説明するが、計数コンベア22上で棒鋼Wが傾斜していても、その棒鋼Wの姿勢は、その長手方向がY方向と一致するように矯正される。その矯正のための動作については後に説明する。搬出コンベア23により搬送される棒鋼Wが、前記のとおり矯正されていることで、後に行われるワイヤーによる棒鋼Wの結束が行われやすい。
【0027】
図1において、移動機構18は、Y方向に並んで複数台(
図1では3台)設けられている。
図2に示すように、移動機構18は、搬送装置11の上方に設けられている。各移動機構18は、床面に対して固定状態となって設けられているガイド部材31と、ガイド部材31に沿って移動可能である移動体32とを有する。ガイド部材31は、X方向に長い直線状の部材である。ガイド部材31には、ラック33がX方向を長手方向として設けられている。移動体32には、ラック33に噛み合うピニオン34と、ピニオン34を回転させる減速機付きのモータ35とが搭載されている。モータ35が正逆回転することで、移動体32はX方向に往復直線移動する。
【0028】
3台の移動機構18それぞれは、他の移動機構18と独立して動作可能である。移動機構18(モータ35)の動作制御は、処理部14によって行われる。このため、3台の移動体32それぞれは、他の移動体32と独立して移動可能となる。
図1に示す形態の場合、
図1の上から順に、第一移動体32-1、第二移動体32-2、第三移動体32-3と定義される。
【0029】
第一移動体32-1、第二移動体32-2、及び第三移動体32-3それぞれの移動速度は、変更可能であり、これらの内の一部の移動体32は他の移動体32よりも移動速度を高めることができる。後に説明するが、必要数の棒鋼Wを分離するために、複数の移動体32は、下流側へ移動する。その際、他の移動体32よりも上流側に位置する移動体32は、当該他の移動体32よりも移動速度が高くなり、当該上流側に位置する移動体32は、当該他の移動体32に追いつくことができる。
【0030】
前記モータ35は、サーボモータであり、処理部14は、各移動体32のX方向の位置(座標)を制御可能である。つまり、各移動体32のX方向の移動は数値制御されている。処理部14は、3台の移動体32それぞれのX方向の位置の情報を取得可能であり、その情報に基づいて、各種処理を実行する。移動体32及びその移動体32に搭載されている機器の「X方向の位置」は「X方向の座標」と同じとなる。
【0031】
本開示のセンサ13は、非接触式のセンサ(レーザ変位計)であり、棒鋼Wを検出する。センサ13は、移動体32に搭載されている。このため、センサ13は、棒鋼Wの搬送方向となるX方向に移動可能である。本開示では(
図1参照)、移動体32は3台設けられていて、各移動体32に一つのセンサ13が搭載されている。このため、センサ13は、Y方向に3台設けられる構成となる。3台の移動体32それぞれは独立して移動可能であるため、3台のセンサ13それぞれは、X方向に独立して移動可能である。
【0032】
センサ13は移動体32の所定位置に取り付けられていて、移動体32のX方向の位置は処理部14によって数値制御される。このため、センサ13からのレーザの照射位置の情報、つまり、センサ13による棒鋼Wの検出位置のX方向の位置の情報を、処理部14は取得可能である。センサ13によって棒鋼Wが検出されると、処理部14は、そのセンサ13の検出結果に基づいて、その棒鋼WのX方向の位置の情報を取得することができる。
【0033】
処理部14による情報の取得について更に説明する。各センサ13は棒鋼Wを検出すると、処理部14は、各センサ13によって検出された棒鋼WのX方向の位置を取得すると共に、検出した棒鋼WのX方向についての順番を取得する。本開示では、計数コンベア22上の複数本の棒鋼Wを各センサ13の検出対象としていて、各センサ13がこれら棒鋼Wの上方をX方向に移動する。これにより、処理部14は、各センサ13の検出結果に基づいて、前記複数本の棒鋼Wを順番に検出し、センサ13それぞれによる検出数を計数することができる。検出数を計数することで、処理部14は、複数の棒鋼WそれぞれのX方向についての順位(順番)の情報を取得することができる。そして、前記のとおり、処理部14は、センサ13によって棒鋼Wが検出される毎に、その検出の位置(座標)、つまり、各順位の棒鋼WのX方向についての位置(座標)の情報を取得することができる。
【0034】
本開示では、前記のとおり、3台のセンサ13が設けられている。前記のような情報の取得は、3台のセンサ13それぞれの検出結果に基づいて個別に行われる。
図1に示す形態の場合、
図1の上から順に、第一センサ13-1、第二センサ13-2、第三センサ13-3と定義される。センサ13は複数(3台)設けられているが、処理部14は1台のみであってもよく、その処理部14は、複数のセンサ13-1,13-2,13-3それぞれとデータの送受信が可能である。処理部14は、センサ13-1,13-2,13-3それぞれからの検出データ(前記検出の結果)を、センサ13毎に区別して処理する。
【0035】
具体的に説明すると、処理部14は、第一センサ13-1の検出結果に基づいて、複数本の棒鋼Wの内の、第一センサ13-1の移動軌跡の下方に位置する各部についての、X方向の順位と、各順位の当該各部のX方向の位置との情報を取得する。同様に、処理部14は、第二センサ13-2の検出結果に基づいて、複数本の棒鋼Wの内の、第二センサ13-2の移動軌跡の下方に位置する各部についての、X方向の順位と、各順位の当該各部のX方向の位置との情報を取得する。同様に、処理部14は、第三センサ13-3の検出結果に基づいて、複数本の棒鋼Wの内の、第三センサ13-3の移動軌跡の下方に位置する各部についての、X方向の順位と、各順位の当該各部のX方向の位置との情報を取得する。
【0036】
以上より、各センサ13は、X方向に移動可能であり、その移動により、各棒鋼Wを検出する。処理部14は、各センサ13による検出結果に基づいて、各棒鋼WのX方向についての順位の情報と位置の情報とを取得することができる。
【0037】
分離機15は(
図2参照)、レバー16と、レバー16を昇降させるアクチュエータ38とを有する。レバー16は、棒状の部材であり、移動体32に搭載されている。このため、レバー16は、棒鋼Wの搬送方向となるX方向に移動可能となる。一つのセンサ13と一つのレバー16とは共通する移動体32に搭載されていて、当該センサ13と当該レバー16とは一体となって移動する。一つの移動体32に搭載されている一つのセンサ13と一つのレバー16とは、その移動体32において、Y方向について同じ位置に配置されている(
図1参照)。
【0038】
本開示では、移動体32は3台設けられていて、各移動体32に一つのレバー16が搭載されているため、レバー16は、Y方向に3台設けられる構成となる。
図1に示す形態の場合、
図1の上から順に、第一レバー16-1、第二レバー16-2、第三レバー16-3と定義される。3台の移動体32それぞれは独立して移動可能であるため、3台のレバー16-1,16-2,16-3それぞれは、棒鋼Wの搬送方向となるX方向に独立して移動可能である。
【0039】
各レバー16は、移動体32に昇降可能となって取り付けられている。アクチュエータ38は例えばエアシリンダであり、移動体32に取り付けられている。アクチュエータ38の動作によってレバー16はZ方向に往復移動する。3台の移動体32それぞれにレバー16及びアクチュエータ38が搭載されている。各レバー16は、他のレバー16と独立して高さ方向に動作可能である。アクチュエータ38の動作制御は、処理部14によって行われる。
【0040】
後に説明するが、必要数の棒鋼Wを他の棒鋼Wと分離するために、レバー16は、高さ方向(下方)に移動して二つの棒鋼W,Wの間に侵入し(
図2参照)、その状態から、移動体32の動作によってレバー16は下流側に向かって移動する。レバー16が降下した状態で、そのレバー16の下端は、計数コンベア22上の棒鋼Wよりも下に位置する。このため、レバー16を搭載する移動体32が下流側へ移動すると、レバー16よりも下流側に存在する棒鋼Wは、そのレバー16に押され、更に、当該棒鋼Wよりも下流側の棒鋼Wは、レバー16に押される棒鋼Wに押されて、下流側に送られる。レバー16が上昇すると、そのレバー16は棒鋼Wと非接触となる。
【0041】
前記のとおり、各移動体32のX方向の移動は数値制御されている。各移動体32の所定位置にレバー16は取り付けられている。また、前記のとおり、処理部14により、各棒鋼WのX方向についての順位の情報と位置の情報とが、センサ13毎に区別されて、取得されている。このため、3台の移動体32それぞれについてX方向の位置が制御され、各移動体32に搭載されるレバー16が高さ方向下方に移動することで、そのレバー16は、Y方向について目標となる所定数番目の棒鋼と、その隣りの棒鋼との間に侵入することができる(
図5参照)。
図5では、搬送方向の下流側の棒鋼Wを先頭(1番目の棒鋼W-1)とすると、8番目の棒鋼W-8と9番目の棒鋼W-9との間に、レバー16が侵入した状態となっている。
【0042】
図1において、検出器17は、磁気センサであり、近傍に棒鋼Wが存在していると、その棒鋼Wを検出する。検出器17は、Y方向に離れて複数台(本開示では3台)設けられている。各検出器17は、計数コンベア22における下流側の端部から、搬出コンベア23における上流側の領域に設置されている。
図1に示すように、平面視において、各検出器17は、Y方向について移動機構18の近傍に設けられている。各検出器17は、搬送される棒鋼Wの下方に位置する(
図2参照)。検出器17の上方に棒鋼Wが存在している場合に、その検出器17は検出信号を出力する。検出器17により本開示の棒鋼計数分離装置10が備える機能については、後に説明する。
【0043】
〔棒鋼計数分離装置10の動作について〕
以上の構成を備える棒鋼計数分離装置10が行う棒鋼Wの計数及び分離の動作について説明する。本開示では、17本の棒鋼Wが一つの組となって搬送され、計数することによって、その内の8本の棒鋼Wを、残りの9本の棒鋼Wと分離し、搬出コンベア23によって次の工程に搬出する例について説明する。なお、一つの組に含まれる棒鋼Wの数、及び計数し分離する棒鋼Wの数は、変更自在である。
【0044】
搬入コンベア21によって搬送されてきた一組(17本)の棒鋼Wが、順に、
図3に示すように、計数コンベア22に移し替えられる。搬入コンベア21による棒鋼Wの搬送速度v1よりも、計数コンベア22による棒鋼Wの搬送速度v2の方が高い(v1<v2)。このため、搬入コンベア21から計数コンベア22に棒鋼Wが移ることで、計数コンベア22上において、棒鋼Wの間に形成される搬送方向の間隔j1が、搬入コンベア21に載っている棒鋼Wの間隔j2よりも、広くなる(j1>j2)。
【0045】
計数コンベア22上において棒鋼Wの間隔j1が広くなり、各センサ13は、計数コンベア22上の棒鋼Wを検出対象とする(
図4参照)。このため、処理部14による棒鋼Wの順位と位置との取得の精度が高まり、また、各レバー16は、所定数番目(本開示の場合、8番目)の棒鋼Wと、その隣り(本開示の場合、9番目)の棒鋼Wとの間に侵入しやすくなる。
【0046】
図4に示すように、一組(17本)の棒鋼Wが計数コンベア22に載ると、3台の移動体32それぞれがX方向に移動し、各センサ13が、その一組の棒鋼Wを走査する。つまり、3つのセンサ13それぞれは、搬送方向の所定範囲において並ぶ一組の棒鋼Wの全てを検出対象とする。処理部14は、3つのセンサ13それぞれの検出結果に基づいて、一組に含まれる全ての棒鋼Wの数を、センサ13毎に取得する。なお、この際、計数コンベア22は棒鋼Wの搬送を一時停止している。また、搬入コンベア21も停止している。
【0047】
各センサ13が、一組に含まれる全ての棒鋼Wを走査することで、各棒鋼Wの順位の情報、及び、各棒鋼WのX方向の位置の情報が取得される。各棒鋼Wの順位の情報と、その順位にある棒鋼WのX方向の位置の情報とは対応付けられて、処理部14が備える記憶装置に記憶される。ここで、
図1に示すように、計数コンベア22では、Y方向に沿って直線である基準線に対して傾斜している棒鋼Wが存在する。このため、順位が同じ棒鋼Wであっても、その順位の棒鋼WのX方向の位置は、第一センサ13-1に基づく結果と、第二センサ13-2に基づく結果と、第三センサ13-3に基づく結果とで異なる。3つのセンサ13-1,13-2,13-3それぞれの結果(棒鋼WのX方向の位置)が、棒鋼Wの順位に対応付けられて、検出したセンサ13毎に区別されて、処理部14の記憶装置に記憶される。
【0048】
また、
図7に示すように、一組の棒鋼Wの中に、一本だけ(6番目)短い棒鋼W-Sが含まれている場合、第一センサ13-1及び第二センサ13-2それぞれの検出結果により取得される一組の棒鋼Wの全順位(つまり、全本数)と、第三センサ13-3の検出結果により取得される一組の棒鋼Wの全順位(つまり、全本数)とが、相違する。具体的に説明すると、第一センサ13-1及び第二センサ13-2それぞれにより得られる一組の棒鋼Wの順位は「1~17」である(本数は17本)のに対して、第三センサ13-3による一組の棒鋼Wの順位は「1~16」となる(本数は16本)。
【0049】
この場合、処理部14は、エラー信号を生成する。エラー信号が生成されると、棒鋼計数分離装置10の動作が停止されると共に、管理者に対して異常(つまり、種類の異なる短い棒鋼W-Sの混入)が報知される。このように、センサ13毎に求められた、一組に含まれる棒鋼Wの数が、少なくとも1つでも相違している場合、エラー信号が生成される。この構成により、他の棒鋼Wよりも短い棒鋼W-Sが紛れ込んでいる場合、その紛れ込みの検出が可能となる。
【0050】
以下において、
図7の場合とは異なり、一組の棒鋼Wは全て同じ長さである場合(正常の状態)について説明する。前記のとおり、本開示では、8本の棒鋼Wを、計数し、残りの9本の棒鋼Wと分離する。そこで、
図5に示すように、下流側の先頭から8番目の棒鋼W-8と、9番目の棒鋼W-9との間に、レバー16を挿入する。そのために、処理部14は、移動体32及びアクチュエータ38を動作させる。この動作は、3台のレバー16それぞれについて行われる。計数し、分離する棒鋼Wの本数を「N」とすると、各レバー16は、N番目の棒鋼Wと、その上流側に隣りの(N+1)番目の棒鋼Wとの間に侵入する。
【0051】
前記のとおり、計数コンベア22では、Y方向の前記基準線に対して傾斜している棒鋼Wが存在する。このため、
図8に示すように、順位が同じである8番目の棒鋼Wと9番目の棒鋼Wとの間であっても、X方向について異なる位置に、3台のレバー16は、隣り合う棒鋼(W-8,W-9)の間に挿入状となる。8番目及び9番目の棒鋼W-8,W-9が傾斜していることにより、第三レバー16-3は、第二レバー16-2よりも上流側に位置し、第二レバー16-2は、第一レバー16-1よりも上流側に位置する。
【0052】
図5に示すように、3台のレバー16それぞれが、降下し、8番目の棒鋼W-8と9番目の棒鋼W-9との間に挿入されると、レバー16をその降下させた状態で、移動体32が下流側へ移動する。これにより、先頭から8番目までの8本の棒鋼Wは、下流側へ押されることで搬送される。このようなレバー16の移動の際、計数コンベア22は、棒鋼Wを下流側へ搬送する。レバー16の移動速度の方が、計数コンベア22による搬送速度よりも高くてもよい。このため、
図6に示すように、先頭から8番目までの8本の棒鋼Wと、9番目以降の棒鋼Wとの間隔Jは広がる。
【0053】
更に、最も上流側の位置で一対の棒鋼W-8,W-9の間に挿入した状態にある最上流の第三レバー16-3は、一対の棒鋼W-8,W-9の間に挿入した状態にある他のレバー(第二レバー16-2、及び、第一レバー16-1)よりも、下流側に向かって移動する速度が高い。本開示では、第三レバー16-3は下流側の第二レバー16-2よりも下流側に向かって移動する速度が高く、第二レバー16-2は第一レバー16-1よりも下流側に向かって移動する速度が高い。
【0054】
このため、
図9に示すように、第三レバー16-3は、第二レバー16-2に追いつくことが可能となり、第三レバー16-3及び第二レバー16-2は、第一レバー16-1に追いつくことが可能となる。よって、棒鋼Wが傾斜した状態となっていても、これらレバー16-1,16-2,16-3に押されて、傾斜している棒鋼Wを、他の棒鋼Wに揃え、最終的に、Y方向を長手方向とする正しい姿勢に揃えることが可能となる。
【0055】
3台のレバー16それぞれは、
図6に示すように、計数コンベア22上の位置から、搬出コンベア23上の位置まで連続的に移動し、棒鋼Wを強制的に搬送する。レバー16の動作に併せて、搬出コンベア23が動作し、レバー16に押されて計数コンベア22から搬出コンベア23に移送された棒鋼Wは、搬出コンベア23によって搬送される。なお、3台のレバー16それぞれが、計数コンベア22の下流側端部に到達すると、計数コンベア22の動作は停止する。これにより、9番目以降の棒鋼Wは、計数コンベア22上に残された状態となる。これに対して、1番目から8番目までの棒鋼Wは、搬出コンベア23により搬送が進められ、1番目から8番目までの棒鋼Wと、9番目以降の棒鋼Wとの間隔Jが更に広がる(
図6参照)。
【0056】
3台のレバー16それぞれが、搬出コンベア23の上流端部よりも、下流側の所定位置P1を越えて、棒鋼Wを押して搬送し、搬出コンベア23の中央位置P2に到達すると、これらレバー16の移動は停止する。すると、レバー16は上昇し、移動体32は計数コンベア22側へ戻る。そして、レバー16及びセンサ13を搭載する移動体32は、次の組の棒鋼Wの計数及び分離のための準備が行われる。
【0057】
ここで、例えば、計数コンベア22上において、センサ13による棒鋼Wの計数のまちがい、又は、レバー16を挿入する位置の間違いが発生している場合について説明する。例えば、第三レバー16-3が、間違って7番目の棒鋼W-7と8番目の棒鋼W-8との間を挿入した場合、
図10に示すように、8番目の棒鋼W-8については、第一及び第二レバー16-1,16-2によって、下流側へ押されるが、第三レバー16-3によって押されない。このため、8番目の棒鋼W-8の一部が、搬出コンベア23の前記中央位置P2にまで到達せず、その上流側に手前の所定位置P1に存在する。
【0058】
そこで、このような棒鋼W-8を検出器17が検出する。つまり、前記のとおり、検出器17は、前記所定位置P1に存在する棒鋼W(棒鋼Wの一部)を検出するように構成されている。このため、正しくは、所定位置P1を越えて棒鋼Wはレバー16によって押されて搬送されるが、棒鋼Wの計数誤り及び棒鋼の分離誤りの一方又は双方が生じていると、一部の棒鋼W(8番目の棒鋼W-8)が所定位置P1を越えて搬送されず、所定位置P1に残る可能性がある。このような場合に、検出器17は、所定位置P1を越えて搬送されなかった棒鋼W-8を検出する。この結果、棒鋼Wの計数誤り及び棒鋼の分離誤りの一方又は双方の検出が可能となる。検出器17が棒鋼W-8の一部を検出すると、棒鋼計数分離装置10の動作が停止されると共に、管理者に対して異常が報知される。
【0059】
図6において、計数コンベア22が動作している状態で、残された9番目以降の棒鋼Wの内の最後尾の棒鋼W-17が、計数コンベア22上の位置P0を通過すると、搬入コンベア21が駆動し、次の組の棒鋼Wを、計数コンベア22上に移送する。これにより、計数コンベア22上に残された(先の組に含まれる)9番目以降の棒鋼Wと、次の組の棒鋼Wとが、計数コンベア22上に並べられた状態となる。そして、これら棒鋼Wを対象として、センサ13が走査する。
【0060】
これ以降の棒鋼計数分離装置10の動作は、前記説明したとおりであり、その動作が繰り返し実行される。
【0061】
〔本開示の棒鋼計数分離装置10について〕
以上より、本開示の棒鋼計数分離装置10によれば、各レバー16が8番目の棒鋼W-8とその隣りである9番目の棒鋼W-9との間に侵入し(
図5参照)、その状態から下流側に向かって移動する(
図6参照)。これにより、レバー16よりも上流側に存在する9番目以降の他の棒鋼Wを残して、所望の数(8本)の棒鋼Wを9番目以降の他の棒鋼Wから分離することができる。
【0062】
更に、センサ13及びレバー16それぞれは3台設けられていて、3台のセンサ13-1,13-2,13-3それぞれが独立して搬送方向に移動可能であり、3台のレバー16-1,16-2,16-2それぞれが独立して搬送方向に移動可能である。このため、一部の棒鋼Wが他の棒鋼Wに対して傾斜していても、センサ13-1,13-2,13-3それぞれによって棒鋼Wの順位及び位置が求められ、また、8番目の棒鋼W-8とその隣りである9番目の棒鋼W-9との間に、レバー16-1,16-2,16-2それぞれを侵入させることが可能となる(
図8参照)。
【0063】
本開示の棒鋼計数分離装置10によれば、従来のように、計数した棒鋼Wを分離するために、その棒鋼Wを持ち上げて落下させないで済み、棒鋼Wに綾が生じるのを防ぐことが可能となる。つまり、計数した棒鋼Wを、綾を生じさせることなく、他の棒鋼Wと分離することが可能となる。
【0064】
前記のとおり(
図11参照)、従来の装置では、コンベア80、規制版85、第一の爪部材86、及び第二の爪部材87を備える装置ユニットが、棒鋼Wの長手方向に複数台(例えば10台)並んで設けられている。そして、従来では、棒鋼Wの端部側から順に、装置ユニット(第一の爪部材86)が動作することで、所定数の棒鋼Wが分離される。
これに対して、本開示の装置によれば、棒鋼Wの計数を短時間に行うことができ、しかも、計数した複数の棒鋼Wの分離を迅速に行うことができ、処理時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0065】
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
センサ13及びレバーの数が「3」である場合について説明したが、これらはそれぞれ複数台であればよく、「2」又は「4以上」であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
10:棒鋼計数分離装置 11:搬送装置 13:センサ
14:処理部 15:分離機 16:レバー
17:検出器 21:搬入コンベア 22:計数コンベア
23:搬出コンベア W:棒鋼