(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】再充電可能電池モジュールおよび再充電可能電池モジュールの取り扱い方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20230425BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20230425BHJP
H01M 50/256 20210101ALI20230425BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20230425BHJP
H01M 50/583 20210101ALI20230425BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/50 101
H01M50/256 101
H01M50/271 Z
H01M50/583
(21)【出願番号】P 2019513777
(86)(22)【出願日】2017-09-11
(86)【国際出願番号】 US2017050998
(87)【国際公開番号】W WO2018049344
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-11
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522182323
【氏名又は名称】リチオン・バッテリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LITHION BATTERY INC.
【住所又は居所原語表記】2831 ST. ROSE PARKWAY, SUITE 200, HENDERSON, NEVADA, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】コーラー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】リー,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,ロバート クレイグ
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-111536(JP,A)
【文献】特開2015-170558(JP,A)
【文献】特開平06-310123(JP,A)
【文献】特開平01-226427(JP,A)
【文献】特開平10-092405(JP,A)
【文献】特表昭56-501343(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101707240(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105826501(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0288096(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置と第2の位置との間で移動可能なカバーを有し、ラックシステムに取り付けられるように構成されたハウジングと、
反対の電気的極性
を有する第1端子および第2端子を少なくとも含む複数の端子であって、
前記第1端子が第1端子接続部および第2端子接続部を有
し、前記第2端子が一つの端子接続部のみを有する複数の端子と、
前記ハウジング内にあり、および前記
第1端子
および前記第2端子と電気的に接続されている複数の再充電可能セルであって、電気エネルギーを蓄積するように構成される、複数の再充電可能セルと、
前記ハウジングの異なる位置にある複数のリフト部材であって、再充電可能電池モジュールが複数の異なる向きに持ち上げられることを可能にする、前記再充電可能電池モジュールのための複数のリフトポイントを提供する、複数のリフト部材と、を含み、
前記カバーが前記第1の位置にあるとき、前記第1端子接続部は前記ハウジングの外側に露出し、および前記第2端子接続部は前記ハウジングの外側に露出しておらず、また、前記カバーが前記第2の位置にあるとき、前記第2端子接続部は前記ハウジングの外側に露出し、前記第1端子接続部は前記ハウジングの外側に露出しておらず、
ある時点において前記第1端子接続部および前記第2端子接続部の一方のみが直接に外部の導電体と電気的に接続される
ことが可能であるように、前記カバーが構成されている再充電可能電池モジュール。
【請求項2】
前記リフト部材と係合するように構成されるハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記再充電可能電池モジュールを持ち上げるために使用可能である、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項3】
前記ハンドルは、前記再充電可能電池モジュールを前記異なる向きに持ち上げることができるように、異なる時点で前記リフト部材のうちの異なるリフト部材と係合するように構成される、請求項2に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項4】
前記リフト部材は、前記再充電可能電池モジュールを異なる時点で実質的に水平な向きおよび実質的に垂直な向きに持ち上げることを可能にする前記リフトポイントを提供する、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項5】
前記リフト部材は、異なる時点で、前記ハウジングに対して外側に延ばされ、かつ、内側に引き込まれるように個々に構成される、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項6】
前記リフト部材は、異なる時点で前記ハウジングの異なる面から外側に延ばされるように個々に構成される、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項7】
前記リフト部材は、異なる時点で前記ハウジングの対向面から外側に延ばされるように個々に構成される、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項8】
前記リフト部材の前記異なる位置は、前記ハウジングの周縁にある、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項9】
前記ハウジングが直方体であり、前記リフト部材が前記直方体の複数の面の複数の隅に隣接して配置される、請求項1記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項10】
前記リフト部材の部分が前記ハウジングの外側に延びる、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項11】
前記リフト部材はフレキシブルであり、前記ハウジングの外側に延びる前記リフト部材の前記部分は、前記ハウジングに隣接する位置へと曲げられるように構成される、請求項10に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記ハウジングの対向面の間に個々に延び、かつ前記リフト部材を受け入れるように構成される複数の開口部を含む、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項13】
前記リフト部材が前記複数の開口部のうちの複数に受け入れられるフレキシブルストラップを個々に含む、請求項12に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項14】
前記フレキシブルストラップは、前記ハウジングの部分の周りに閉ループを形成するように個々に構成される、請求項13に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項15】
前記複数の再充電可能セルと前記複数の端子の前記第1端子接続部のみとの間に接続されるヒューズを含む請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項16】
前記カバーは、前記ある時点において、外側に露出した前記第1端子接続部および外側に露出した前記第2端子接続部のうちのいずれかを介して電気エネルギーを伝導することができるように構成される、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項17】
前記複数の端子のうちの前記一方が正極端子である、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項18】
前記第2端子接続部は、前記ヒューズなしで前記再充電可能セルと電気的に接続される、請求項15に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項19】
前記再充電可能セルは、前記第1端子接続部を介して他の電池モジュールと並列に電気エネルギーを伝導する、請求項15に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項20】
前記再充電可能セルは、他の電池モジュールと直列に、前記第2端子接続部を介して電気エネルギーを伝導する、請求項15に記載の再充電可能電池モジュール。
【請求項21】
前記導電体は、前記再充電可能セルと前記再充電可能電池モジュールの外部にある装置との間で電気エネルギーを伝導するように構成される、請求項1に記載の再充電可能電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願)
本出願は、2016年9月12日に出願され、「電池モジュールおよび使用方法」と題された米国仮特許出願第62/393,446号の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、再充電可能電池モジュール、および再充電可能電池モジュールの取り扱い方法を含む関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
再充電可能電池システムは、電気エネルギーに関して異なる要件を有する様々な用途で使用される。再充電可能電池システムは、充電動作中に電気エネルギーを受け取り、放電動作中に負荷に電気エネルギーを供給する再充電可能セルを含む。再充電可能セルは、異なる実施態様では異なる化学的性質を有してよく、一例ではリチウムイオンセルを含んでよい。異なる用途で使用される再充電可能セルの数は負荷の要求に応じて変化し、所与のシステムで利用されるセルの数は、例えば運搬用途および遠隔電力用途を含むいくつかの実施態様では多数となり得る。したがって、再充電可能電池システムは、異なる用途で使用するために異なって設計および構成され得る。
【発明の概要】
【0004】
以下に記載される開示の少なくともいくつかの態様は、再充電可能電力システムおよび関連する方法に向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下に説明される。
【0006】
【
図1】一実施形態に係る再充電可能電力システムの説明図である。
【
図2】一実施形態に係る、外部装置と接続された再充電可能電力システムの機能ブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る再充電可能電池モジュールの説明図である。
【
図4】一実施形態に係る、電池モジュールの垂直方向の持ち上げを提供するためのリフトアセンブリの使用の説明図である。
【
図4A】一実施形態に係る、取り付け部材の説明図である。
【
図5】一実施形態に係る、電池モジュールの水平方向の持ち上げを提供するためのリフトアセンブリの使用の説明図である。
【
図6A】一実施形態に係る、電池モジュールのハウジングへのリフト部材の取り付けの説明図である。
【
図6B】一実施形態に係る、電池モジュールのハウジングへのリフト部材の取り付けの説明図である。
【
図6C】一実施形態に係る、電池モジュールのハウジングへのリフト部材の取り付けの説明図である。
【
図6D】一実施形態に係る、電池モジュールのハウジングへのリフト部材の取り付けの説明図である。
【
図6E】一実施形態に係る、電池モジュールのハウジングへのリフト部材の取り付けの説明図である。
【
図7】一実施形態に係る、電池モジュールのハウジングの本体から間隔を空けて配置された正極端子カバーの説明図である。
【
図8】一実施形態に係る、
図7の正極端子カバーの下部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
再充電可能電力システムおよびその関連方法の例示的実施形態が以下に記載される。以下に記載されるいくつかの再充電可能電力システムは、1つ以上の再充電可能セルを個々に収容する複数の再充電可能電池モジュールを使用して実施される。電力システムの様々な用途では、様々な数の電池モジュールが使用され得、互いに直列または並列に接続され得る。例示的な電池モジュールは、12V‐48Vの範囲内の電圧で電気エネルギーを供給するが、他の構成も可能である。
【0008】
図1を参照すると、再充電可能電力システム10の一例示的実施形態が示される。図示の電力システム10は、複数の再充電可能電池モジュール20を収容するように構成されたラックシステム12を含む。図示のラックシステム12は、例えば保守点検または交換のために、電池モジュール20が、それを通してラックシステム12へと挿入され、ラックシステム12内で積み重ねられ、およびそこから取り外され得る前面開口部14を含む。電力システム10の他の実施形態が可能であり、例えば、スタンドアロンの用途で単一の電池モジュール20を使用する、および/またはそうでなければラックシステム12を使用しない構成を含む。電池モジュール20は、例えば
図1のラックシステム12に示されるように水平方向に取り付けられてよく、或いは、他の実施態様では、側面方向に、または垂直方向に取り付けてもよい(図示せず)。
【0009】
電池モジュール20は、それぞれのモジュール20の1つ以上の再充電可能電池セルを収容するように構成されるハウジング22を個々に含む。一実施形態では、ハウジング22は、ラックシステム12に取り付けられて装着されてよい。一例示的実施形態では、ハウジング22は非導電性であり、サウジアラビアのSabicから入手可能なC6600などのプラスチックであってよい。他の実施形態では、ハウジング22は、非導電性コーティングを有する金属であり得る。
【0010】
モジュール20は、ラックシステム12の前面開口部14を通して外側に露出され得る前面部24を含む。後述するように、電池モジュール20の前面部24は、電気エネルギーを出力し、および受け取るように構成される複数の端子を含む。したがって、電池モジュール20がラックシステム12内に設置されているとき、電池モジュール20へのケーブルおよび他の接続部は、前面部24を介してユーザにアクセス可能である。
【0011】
図2を参照すると、電池モジュール20は、電気エネルギーを受け取り、蓄積し、そして放電するように個々に構成される少なくとも1つの、典型的には複数の再充電可能セル30を個々に含む。例示的な再充電可能セルは、Valence Technology. Inc.から入手可能なリチウムセルであるが、電気エネルギーを蓄積するように構成された他の任意の適切なセルが使用され得る。使用され得るセルの例は、円筒形、角柱形、袋などといった種々のフォームファクタと、種々のサイズとを有し得る。追加の回路および構成要素(
図2には示されていない)が、監視電子機器または制御電子機器などの所与のモジュール内に含まれてよい。
【0012】
再充電可能セル30の描写が
図2に例示されており、単一の電池モジュール20内の再充電可能セル30の数および配置は、様々な実装形態において変わり得る。例えば、所与のモジュール20の再充電可能セル30は、いくつかの実施形態ではモジュール20の反対の電気的極性(すなわち、正および負)の端子31、33と直列または並列に互いに接続され得る(例示的なモジュール20の例示的な端子31,33が
図3に示される)。電
池モジュール20およびその中の再充電可能セル30は、電力システム10のいくつかの実施態様では互いに同じに構成される。
【0013】
図示の実施形態では、正極端子32および負極端子34は、電力システム10の外部にある1つ以上の外部装置40に対して電気エネルギーを伝導するように構成される。端子32、34は、
図2の例では、電力ケーブルなどのそれぞれの導電体35、37と直接電気的に接続される。
【0014】
電池モジュール20は、電力システム10の様々な構成内で異なって配置され得る。例えば、電池モジュール20は、電力システム10の端子32、34間に直列および/または並列に配置され得る。一実施形態では、ワイヤまたはケーブルなどの導電体は、モジュール20の端子31、33と直接接続されて、モジュールを電力システム10の端子32、34と直列および/または並列に接続し得る。
【0015】
電力システム10の充電中、電力システム10は1つ以上の外部装置40から電気エネルギーを受け取り、また逆に、電力システム10は、電力システム10の放電中に1つ以上の外部装置40に電気エネルギーを出力する。いくつかの構成では、外部装置40の1つは充電器であり、また、外部装置40の別の1つは負荷である。
【0016】
追加の構成では、電力システム10は、電力システム10を充電するための電気エネルギーの供給と、電力システム10の放電中の電気エネルギーの受け取りとの双方を行う1つの外部装置40とのみ接続される。より具体的な例では、1つ以上の電池モジュール20は、電気自動車内に設置され得、蓄積された電気エネルギーを内部セル30から電気自動車の電気モータに供給し得、並びに、電気自動車のオルタネータから、または再生モードで動作する電気モータから、電気エネルギーを受け取り得る。
【0017】
いくつかの構成では、接触器、継電器、および/または遮断器などの切断装置(図示せず)が、端子32、34のうちの一方と外部装置40との間に実装され得る。
【0018】
図3を参照すると、一実施形態に係る個々の再充電可能電池モジュール20の詳細が示されている。電池モジュール20は、ハウジング22の内部の再充電可能セル(図示せず)と電気的に接続された正極端子31および負極端子33を含む。電池モジュール、負荷、充電器などの外部装置と直列または並列に接続され得る、ワイヤまたはケーブルなどの外部導体(図示せず)のそれぞれと機械的および電気的に直接接続されるように、モジュール20の正極端子31および負極端子33は構成されている。
【0019】
モジュール20の図示のハウジング22は、ハウジング22の本体82に結合される正極端子カバー36および負極端子カバー38を含む。図示の実施形態では、正極端子31および負極端子33の一部は、それぞれのカバー36,38を通して外側に露出されている。いくつかの構成では、正極端子カバー36および負極端子カバー38の少なくとも一方は、以下でさらに詳細に説明されるように、異なる時点に電池モジュール20のヒューズ動作(fused operation)または非ヒューズ動作(non-fusedoperation)を提供するた
めに、ハウジング22の本体82に対して異なる向きになり得る。
【0020】
図4、
図4A、および
図5を参照して、電池モジュール20の取り扱いを支援するように構成される例示的なリフトアセンブリの詳細が、例示的な実施形態に従って説明される。
図4および
図5に示される電池モジュール20のリフトアセンブリは、複数のリフト部材50と、リフト部材50に取り外し可能に係合するように構成されている1つ以上のハンドル60とを含む。
【0021】
リフトアセンブリは、例えばモジュール20のパッケージングからの取り外し中およびモジュール20の設置中に、モジュール20を持ち上げ、移動し、および降ろすためにユーザによって使用され得る。本明細書に記載の例示的実施形態では、リフトアセンブリは、0~35kgの様々な重量の電池モジュール20とともに使用され得る。加えて、本明細書に記載の例示的なリフトアセンブリは、比較的軽量で、サイズが小さく、強固で、並びに運搬および使用が容易である。
【0022】
一実施形態では、リフト部材50は、ナイロンなどのフレキシブルな材料で作られたストラップである。いくつかの実施形態では、リフト部材50の部分56は、使用中にハウジング22から外側に延びるように構成されている。リフト部材50は、地面に対してモジュール20を複数の異なる向きに持ち上げ、移動させ、および降ろすことを可能にする複数のリフトポイントを電池モジュール20に提供する。また、ハンドル60は、モジュール20を地面に対して異なる向きで便利に持ち上げ、移動させ、および降ろすことを可能にするために、異なる時点で別のリフト部材50と結合され得る。リフト部材50およびハンドル60は、
図4においては、ユーザが地面に対して実質的に垂直方向にモジュール20を持ち上げることを支援するために配置されており、一方、
図5のリフト部材50およびハンドル60は、ユーザが地面に対して実質的に水平方向にモジュール20を持ち上げることを支援する。
【0023】
一実施形態では、リフト部材50は、異なるリフトポイントを提供するためにハウジング22の異なる位置に配置される。いくつかの実施態様では、リフト部材50は、ハウジング22の周縁において異なる位置に、またはハウジング22の周縁に隣接して配置される。
図4および
図5に示すモジュール20の図示の例では、ハウジング22は概して直方体の形状をしており、また、リフト部材50は、ハウジング22の対向する上面52および下面54の四隅に隣接して配置される。
【0024】
一実施形態では、リフト部材50の部分56は、地面に対して異なる向きでモジュール20を持ち上げるのを支援するために、ハウジング22の異なる表面から延ばされるように構成される。ユーザは、異なる向きでのモジュール20の移動を支援するために、異なる時点でハウジング22の異なる表面から延びるようにリフト部材50を構成してもよい。例えば、
図4の垂直方向の持ち上げ配置では、2つのリフト部材50の部分56は、ハウジング22の上面52と下面54との一方から外側に延びる。
図5の水平方向の持ち上げ配置では、4つのリフト部材の部分56がハウジング22の上面52から外側に延びている。
【0025】
加えて、リフト部材50はフレキシブルであり、例えばラックシステム12内に複数のモジュール20を積み重ねることを可能にするために、一実施形態では、その外側に延びる部分56は電池モジュール20の取り付け後にハウジング22に隣接して曲げられるか、または折り畳まれ得る。リフト部材50の例示的な構成に関するさらなる詳細が以下に説明される。
【0026】
いくつかの構成では、ハンドル60は使用されず、リフト部材50の延びた部分56は、モジュール20を手で持ち上げるために使用され得る。例えば、地面に対する水平方向のモジュール20の持ち上げにおいて、モジュールの両側に立っている2人の人は、リフト部材50の延びた部分56を通してその手または指をつかむまたは滑らせることによってモジュール持ち上げ得る。
【0027】
図4では、1つのハンドル60が、ユーザが電池モジュール20を垂直方向の持ち上げるのを支援するために2つのリフト部材50と結合される。一実施形態では、ハンドル60の反対側の端部は、電池モジュール20のそれぞれのリフト部材50と取り外し可能に
接続されるように構成される取り付け部材62を含む。一例では、ハンドル60は、ロープ、ナイロン、またはケーブルを使用して実装され、また、リフト部材50は、取り付け部材62を受け入れるそれぞれのループを形成する。
【0028】
取り付け部材62は、ハンドル60とリフト部材50との取り外し可能な結合を提供するために、フック、留め金、リングなどの種々の方法で実装され得る。
図4Aを参照すると、取り付け部材62をリフト部材50およびハンドル60と取り外し可能に接続することを可能にするための可動部分63を含む、リングの形態の例示的な取り付け部材62が示される。
【0029】
ハウジングの対向面52、54から延びるリフト部材50へのハンドル60の取り付けは、傾くことなく実質的に垂直方向に電池モジュール20を持ち上げることを可能にする。ハウジング22の前面部24に隣接するリフト部材50へのハンドル60の取り付けは、電池モジュール20を適切に配置した後に、ハンドル60をハウジング22から取り外すための取り付け部材62へのユーザの容易なアクセスを提供しながら、電池モジュール20を所定位置に降ろすことを可能にする。
【0030】
図5では、2つのハンドル60は、電池モジュール20の水平方向の持ち上げを提供するために、面52から延びる4つのリフト部材50の部分56と接続される。図示の例では、第1のハンドル60はハウジング22の左側の面に隣接する2つのリフト部材50と結合され、一方、第2のハンドル60はハウジング22の右側の面に隣接する2つのリフト部材50と結合される。取り扱いのために必要であれば、リフト部材50の部分56はまた、表面54から延ばされてもよい。
【0031】
図6A~
図6Eを参照すると、一実施形態に係る、リフト部材50のさらなる詳細および電池モジュール20のハウジング22へのそれらの取り付けが示されている。
図6Aの例では、スロットまたはチャネルの形態の複数の開口部70がハウジング22の対向する上面52と下面54との間で延び、開口部70はリフト部材50を受け入れるように構成される。
【0032】
図6Bにおいて、リフト部材50の端部51は、リフト部材50の両端部51がハウジング22の対向面52、54から外側に延びるような位置まで最も内側の開口部70に挿入される。
【0033】
図6Cは、リフト部材50の両端部51が折り畳まれて最も外側の開口部70に挿入され、ハウジング22の開口部72を通って引き出されている断面図である。
【0034】
図6Dでは、リフト部材50をハウジング22に固定するハウジング22のリブ74の周りに閉ループを形成するために、リフト部材50の両端部51が互いに接合されている。例示的な実施形態では、リフト部材50の両端部51は、縫合または溶接によって接合され得る。説明した実施形態では、リフト部材50の部分は、表面52、54のいずれかから外側に延ばされてもよい。ハンドル60の取り付け部材62は、例えば
図4および
図5に示すように、ハウジング22の外側に延びるリフト部材50の部分と接続され得る。
【0035】
図6Eでは、リフト部材50はフレキシブルであり、リフト部材50の外側に延びる部分56は、ハウジング22の面52、54の一方(すなわち
図6Eの例では表面52)と同一平面上に折り畳まれてよく、例えば、ラックシステム12内にモジュール20を設置した後で、面52に隣接して別のモジュール20を積み重ねることを可能にする。
【0036】
リフト部材50は、異なる時点において、その外側に延びる部分56がハウジングの異
なる表面から延び得るように、上述の実施形態では構成される。
図4に示すように、リフト部材50の外側に延びる部分56は、対向面52、54から延び、一方、リフト部材50の外側に延びる部分56は、
図5ではハウジング22の同じ表面52から延びる。したがって、リフト部材50は、必要に応じて、ユーザによってハウジング22から外側に延ばされ得、また、ハウジング22に対して内側に引き込まれ得る。
【0037】
図3に関して上述したように、正極端子カバー36および負極端子カバー38の一方は、異なる時点でハウジング22の本体82に対して異なる向きであり得、以下にさらに詳細に説明するように、電池モジュール20のヒューズ動作または非ヒューズ動作を提供する。例えば、正極端子カバー36は、
図1および
図3に示される電池モジュール20のハウジング22の本体82に対して2つの異なる位置で示される。一実施形態では、例えば、正極端子カバー36および負極端子カバー38は、例えばカバー36,38および/またはハウジング22の本体82において異なる溝または止めピン(図示せず)を使用することによって、それらが反対極性の端子31、33をカバーするのには使用できないように、異なって構成される。
【0038】
図7を参照すると、正極端子カバー36がハウジング22の本体82に対して異なる位置に配向され得、異なる時点で電池モジュール20のヒューズ動作または非ヒューズ動作を提供する例示的な実施形態が記載される。より具体的には、電池モジュール20のヒューズ動作中はヒューズがモジュール20の正極端子31と再充電可能セルとの間に直列に設けられ、一方、電池モジュール20の非ヒューズ動作中は正極端子31と再充電可能セルとの間でヒューズは利用されない。
【0039】
図7では、図示の正極端子カバー36は、ハウジング22の本体82から間隔を空けて示されている。正極端子カバー36は、図示の実施形態では、そのそれぞれの角に配置された複数の開口部84と、内部開口部86とを有する。開口部84、86は、電池モジュール20の使用中にカバー36をハウジング22の本体82に固定するために使用されるそれぞれのねじ(図示せず)を受け入れる。図示の実施形態においてカバー36がハウジング22の本体82に対して異なる向きに位置決めされると、開口部86は、端子接続部90、92(後述)において開口部87のうちの1つと整列する。
【0040】
図示の実施形態では、正極端子31は複数の端子接続部90、92を含む。一実施形態では、端子接続部90、92は、ワイヤおよびケーブルなどの外部導電体と直接電気的に接続されるように構成される。例えば、外部導電体は、他のモジュール20の端子31、33および/または電力システム10の端子32、34と電気的に接続され得る。さらに、ヒューズ94が、正極端子31の端子接続部90、92間に電気的に接続される。他の実施形態では、図示のように正極端子31にヒューズ94を含む代わりに、負極端子33が
図7に示されるようにヒューズ94を含むように構成され得る。
【0041】
端子接続部92はハウジング22内の再充電可能セルと電気的に接続され、一方、端子接続部90はヒューズ94および端子接続部92を介してハウジング22内の再充電可能セルと電気的に接続される。したがって、ヒューズ94は、正極端子31の端子接続部90とモジュール20の再充電可能セルとの間にのみ接続され、正極端子31の端子接続部92は、記載の例示的な実施形態では、ヒューズなしでモジュール20の再充電可能セルに対して電気エネルギーを伝導する。
【0042】
一実施形態では、端子接続部90、92のそれぞれは、モジュール20の再充電可能セルと他のモジュール20および/または外部装置40との間で電気エネルギーを伝導する導電体(図示せず)と直接電気的に接続されるように構成される。図示の実施形態では、端子接続部90、92のそれぞれは、それぞれの端子接続部90、92を介して電池モジ
ュール20へと、または電池モジュール20から電気エネルギーを伝導する導電体と接続するように構成される1つ以上の開口部93を含む。
【0043】
一実施形態では、カバー36を含むハウジング22は、所与の時点に第1端子接続部および第2端子接続部90、92の一方のみが外部導体と直接電気的に接続することを可能にするように構成される。図示の例示的な実施形態では、正極端子カバー36は、所与の時点に端子接続部90、92の一方のみを外側に露出させる。特に、正極端子カバー36は、図示の実施形態では、カバー36がハウジング22の本体82に固定されたときに端子接続部90、92の一方のみを外側に露出させるように構成されるオフセット開口部96を有する。端子接続部90、92の周りに複数のOリング98が備えられており、カバー36が本体82に固定されているとき、Oリング98は、開口部96の周りでカバー36とでシールを形成するように動作する。
【0044】
例示的な実施態様では、カバー36は、
図1のモジュール20に示されるように端子接続部92を外側に露出させるように(および端子接続部90を外側に露出させずに)、ハウジング22の本体82に対して第1の向きまたは位置で取り付けられ、例えば、電池モジュール20が他の電池モジュールと並列に接続されるときなどのある時点でヒューズ動作を提供する。カバー36は、
図7に示すように別の時点では、端子接続部90を外側に露出させように(および端子接続部92を外側に露出させずに)、本体82に対して第2の向きまたは位置で取り付けられ、例えば、電池モジュールが他の電池モジュールと直列に接続されるときに非ヒューズ動作を提供する。いくつかの実施形態では、ヒューズ94を他のモジュールと直列に接続すると、ヒューズ94の定格電圧を超えることがあり、したがって、カバー36が端子接続部92を外側に露出させる場合にはヒューズ94はバイパスされ利用されない。ハウジング22の本体82から正極端子カバー36を取り外すと、必要に応じてヒューズ94へのアクセスおよびヒューズ94の交換が容易になる。
【0045】
図示の実施形態では、正極端子カバー36は、接触器(図示せず)などの他の構成要素をハウジング22に取り付けることを可能にする複数の取り付け開口部100を含む。カバー36はまた、図示の実施形態では、ハウジング22の本体82からカバー36をこじ開けるために使用され得る複数の凹部102を含む。カバー36はまた、図示の実施形態では、カバー36がハウジング22の本体82に取り付けられたときに外側に露出しない端子接続部90、92のうちの一方に対して十分なスペースを提供するための隆起部104を含む。
【0046】
図8を参照すると、一実施形態においてカバー36がハウジング22に取り付けられたときに、ハウジング22の本体82とシールを形成するシーリングガスケット110が正極端子カバー36の下部周縁に備えられる。
【0047】
法令に順守して、本発明を構造的および方法的特徴に関して程度の差はあるが特有の言葉で説明した。しかしながら、本明細書に開示された手段は本発明を実施するための好ましい形態を含むので、本発明は示され、説明される特定の特徴に限定されないことを理解すべきである。したがって、本発明は、均等論に従って適切に解釈される添付の態様の適切な範囲内の任意の発明の形態または修正形態で請求される。
【0048】
さらに、本明細書における態様は、本開示の例示的な実施形態の構成および/または動作におけるガイダンスのために提示されている。本出願人は、これらの説明された例示的な実施形態がまた、明示的に開示されたものに加えてさらなる発明の態様を含み、開示し、および説明すると考える。例えば、追加の発明の態様は、例示的な実施形態に記載されたものよりも少ない、多い、および/または代替の特徴を含み得る。より具体的な例では、出願人は本開示が、明示的に開示された方法よりも少ない、多い、および/または代替
の工程を含む方法と、明示的に開示された構造よりも少ない、多い、および/または代替の構造を含む装置とを含み、開示し、および説明すると考える。