(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020115677
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 功二
(72)【発明者】
【氏名】安福 一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剣士
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-089403(JP,A)
【文献】特開平09-276496(JP,A)
【文献】特開2000-300765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技状態として、通常状態と、遊技者に有利な特典状態とが設けられた弾球遊技機であって、
始動口への入球に起因して保留記憶を行う保留記憶手段と、
前記保留記憶に基づき当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定で当選することへの期待度を示す期待度演出を、
該当否判定の結果を報知するために演出図柄の変動表示が行われる図柄演出と並行して行う演出手段と、
を備え、
前記期待度演出として、異なる前記期待度を示す複数の演出態様が設けられており、
前記演出態様のうち、予め定められた判定閾値よりも前記期待度の
低い前記演出態
様を、除外態様とし、
前記演出手段は、前記遊技状態が前記通常状態である場合には、それぞれの前記演出態様での前記期待度演出を実行可能であり、前記遊技状態が前記特典状態である場合には、前記除外態様以外の前記演出態様の前記期待度演出を実行可能であり
、
前記演出手段は、前記期待度演出の実行中、該期待度演出の前記演出態様を、前記期待度の低いものから前記期待度の高いものへと変化さ
せること、
を特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
始動口への入球に起因して当否判定を行うと共に、当否判定での当選に起因して大当り遊技を行うパチンコ機が知られている。また、このようなパチンコ機では、演出図柄の変動表示により当否判定の結果が報知されると共に、さらに、図柄演出にてリーチ演出を行ったり、図柄演出と共に各種演出を行ったりすることで、当否判定での当選への期待度が示される。また、このような演出の一例として、特許文献1のパチンコ機は、遊技効果ランプの色を段階的に変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、期待度の低い演出が頻発すると、遊技者に倦怠感を与え、遊技の興趣が低下する恐れがある。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に倦怠感を与えるのを抑制しながら演出を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係る発明は、遊技状態として、通常状態と、遊技者に有利な特典状態とが設けられた弾球遊技機であって、始動口への入球に起因して保留記憶を行う保留記憶手段と、保留記憶に基づき当否判定を行う当否判定手段と、当否判定で当選することへの期待度を示す期待度演出を、該当否判定の結果を報知するために演出図柄の変動表示が行われる図柄演出と並行して行う演出手段と、を備え、期待度演出として、異なる期待度を示す複数の演出態様が設けられており、演出態様のうち、予め定められた判定閾値よりも期待度の低い演出態様を、除外態様とし、演出手段は、遊技状態が通常状態である場合には、それぞれの演出態様での期待度演出を実行可能であり、遊技状態が特典状態である場合には、除外態様以外の演出態様の期待度演出を実行可能である。また、演出手段は、期待度演出の実行中、該期待度演出の演出態様を、期待度の低いものから期待度の高いものへと変化させる。
【0006】
遊技者に有利な遊技が行われ特典状態中には、遊技者の期待感を十分に高めることができる演出(以後、期待感の高い演出)が出現し易くなると考えられる。このため、特典状態中には、遊技者を退屈させないようにするための賑やかし等として用いられる演出を行う必要性が低いばかりでなく、このような演出を行うことで、遊技者に倦怠感を与える恐れがある。これに対し、上記構成においては、特典状態では除外態様の期待度演出は行われない。このため、遊技者に有利な遊技が行われており、期待感の高い演出が出現し易くなっているときに、期待度の低い期待度演出が行われるのを抑制できる。したがって、遊技者に倦怠感を与えるのを抑制しながら演出を行うことができる。
【0008】
さらに、上記構成によれば、特典状態中、判定閾値よりも期待度の低い非除外態様の期待度演出が行われたとしても、遊技者に対し、該期待度演出が、判定閾値以上の期待度の演出態様に発展することへの期待感を持たせることができる。したがって、遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1実施形態のパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【
図4】第1実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態の当り図柄について説明するための表である。
【
図6】第1実施形態のメインルーチンについてのフローチャートである。
【
図7】第1実施形態の始動口入賞確認処理についてのフローチャートである。
【
図8】第1実施形態の当否判定処理についてのフローチャートである。
【
図9】第1実施形態の当否判定処理についてのフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の当否判定処理についてのフローチャートである。
【
図11】第1実施形態の当否判定処理についてのフローチャートである。
【
図12】第1実施形態の大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【
図13】第1実施形態の大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【
図14】第1実施形態の大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【
図15】第1実施形態の大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【
図16】
図16(a)は、第1実施形態におけるフラッシュ予告の期待度について説明するための表であり、
図16(b)、(c)は、該フラッシュ予告のタイミングチャートである。
【
図17】
図17(a)は、第2実施形態における保留図柄の説明図であり、
図17(b)は、先読み図柄演出の期待度について説明するための表であり、
図17(c)~(f)は、該先読み図柄演出における演出画面の説明図である。
【
図18】第2実施形態における先読み図柄演出の演出画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(
図2)が設けられている。
【0011】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、演出により発光する横枠ランプ65及び上枠ランプ68が設けられている。横枠ランプ65及び上枠ランプ68には、LEDが設けられており、所定の発光色で点灯する。この他にも、前枠52には、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
【0012】
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、遊技ボタン67が設けられている。
【0013】
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
なお、
図1の49は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠49に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
【0014】
また、
図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって右横には、普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。
【0015】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して第1特別図柄(第1特図或いは特
図1とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(当否判定)が行われる第1始動口11が設置されている。また、センターケース5の右横であって、普通図柄作動ゲート22の直下には、遊技球の入球に起因して第2特別図柄(第2特図或いは特
図2とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第2始動口12が設置されている。
【0016】
第1始動口11は、左打ち(センターケース5の左側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(左打ち領域)に配置されていると共に、第2始動口12は、右打ち(センターケース5の右側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(右打ち領域)に配置されている。
このため、左打ちを行うことで第1始動口11を狙い打つことができると共に、右打ちを行うことで第2始動口12を狙い打つことができる。
【0017】
なお、第1,第2始動口11,12の配置は、これに限定されることはなく、例えば、第1,第2始動口11,12を上下に並べてセンターケース5の下方に配置しても良いし、第1始動口11を右打ち領域に、第2始動口12を左打ち領域に配置しても良い。
第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。なお、閉鎖時であっても、稀に入球可能な構成としても良い。
【0018】
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
【0019】
また、センターケース5の下方においては、第1始動口11の右側であって、第2始動口12の下方には、特別電動役物からなる大入賞口20が設けられている。大入賞口20は、右打ちされた遊技球が主に入球する位置に配されている。無論、大入賞口20の配置は、これに限定されることはなく、例えば、左打ち領域に大入賞口20を配置しても良い。
【0020】
遊技盤1における向かって左側の領域には、複数(例えば、7個程度)のLEDを備える第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置23及び第2特図保留数表示装置24が設置されている。また、遊技盤1における向かって右下の領域には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
【0021】
第1特図表示装置9では特
図1が、第2特図表示装置10では特
図2が表示されるが、第1,第2特図表示装置9,10は、これらの特図を表示する際の各LEDの点灯パターンを変則的なものとすることで、遊技者が特図の判別を不可能或いは困難とする。なお、第1,第2特図表示装置9,10を構成するLEDの並びを変則的なものとすることで、遊技者が表示された特図を判別することを不可能或いは困難としても良い。
【0022】
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの演出画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
【0023】
また、センターケース5の下方であって、第1始動口11の左方には、一般入賞口25~27が配置されている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
また、
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(
図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71,タンクレール72,払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、第1実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0024】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、
図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
【0025】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
【0026】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25~27に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。
また、このほかにも、大入賞口20に入球した遊技球を計数するためのカウントSW20aからの検出信号が入力される。
【0027】
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置23,第2特図保留数表示装置24,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0028】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド20bを制御することで大入賞口20の開閉を制御すると共に、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
【0029】
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。第1実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0030】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
【0031】
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
【0032】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、第1実施形態のパチンコ機50は遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0033】
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0034】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信する。なお、サブ統合制御装置83は、主制御装置80に対しデータを送信しない。そして、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0035】
音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって横枠ランプ65及び上枠ランプ68を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、遊技ボタン67が接続されており、遊技者が遊技ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0036】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
【0037】
[動作の説明]
(1)概要について
次に、第1実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。パチンコ機50は、所謂ST機として構成されていると共に、確変機能及び開放延長機能が搭載されている。すなわち、パチンコ機50では、大当り抽選にて大当りに当選すると大当り遊技が行われる。大当り遊技では、予め定められた総ラウンド数(一例として、4R又は10R)にわたって大入賞口20が開放される。そして、大当り遊技の終了後には、予め定められた回数(ST回数)の大当り抽選が行われるまでの間、開放延長機能、又は、開放延長機能及び確変機能を作動させることで、遊技者に特典が付与される。以後、該特典が付与される期間を、STとも記載する。
【0038】
なお、確変機能とは、大当り抽選で当選する確率を上昇させる機能である。以後、確変機能が作動した遊技状態を、確変状態又は高確率状態と記載し、確変機能が作動していない遊技状態を、低確率状態とも記載する。一方、開放延長機能とは、普通図柄抽選の当選確率を上昇させる、普通図柄抽選で当選した際の第2始動口12の開放時間を長くする、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間を短くする等の方法により、第2始動口12への入球を容易にする機能である。また、開放延長機能と共に作動し、特別図柄表示装置での変動表示時間を短くする時短機能も設けられている。以後、開放延長機能及び時短機能が作動した遊技状態を、電サポとも記載する。また、確変機能及び開放延長機能が作動していない遊技状態を、通常状態とも記載する。
【0039】
ST中は電サポとなるため、第2始動口12への入球が容易となる。このため、ST中は右打ちを行い、第2始動口12への入球を狙う遊技が行われる。一方、電サポでない場合には、第2始動口12への入球は困難となる。このため、ST中でない場合には、左打ちを行い、第1始動口11への入球を狙う遊技が行われる。
また、パチンコ機50では、大当りが発生した際に第1、第2特図表示装置9、10に確定表示される特図(以後、当り図柄とも記載)として、複数の種類が設けられている。つまり、複数の種類の大当りが設けられており、当り図柄により大当りの種類が定められる。そして、
図5(a)、(b)に示すように、当り図柄に応じて、大当り遊技の総ラウンド数と、大当り遊技後に付与される特典の内容が定められる。具体的には、特
図1の各当り図柄は、特1当り図柄1、2に区分されると共に、特
図2の各当り図柄は、特2当り図柄1~3に区分される。なお、これらの区分の各々は、複数の種類の当り図柄を含んでいる。
【0040】
そして、当り図柄が特1当り図柄2、又は、特2当り図柄2、3である大当りは、確変大当りとして構成されており、確変大当りに起因して行われる大当り遊技後のSTでは、確変機能及び開放延長機能が作動する。一方、当り図柄が特1当り図柄1、又は、特2当り図柄1である大当りは、通常大当りとして構成されており、通常大当りに起因して行われる大当り遊技のSTでは、確変機能は作動しないが開放延長機能が作動する。なお、特定の当り図柄により大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にSTに移行しないようにしても良い。
【0041】
また、当り図柄が特1当り図柄2及び特2当り図柄2、3に属する場合には、ST回数は100回となる。一方、当り図柄が特1当り図柄1及び特2当り図柄1に属する場合には、ST回数は、当り図柄に応じて、20回、50回、100回のうちのいずれかに設定される。
(2)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、
図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0042】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S70に処理を移行する。
【0043】
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S60)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)を行う。
【0044】
なお、これ以外にも、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理や、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。
また、当否判定処理に続いて、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が行われる。
また、S70では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
【0045】
(3)始動口入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動口入賞確認処理について、
図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0046】
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、S115に処理を移行する。
S105では、主制御装置80は、第1始動口11に対応する特図についての保留記憶の数(第1保留記憶)が、最大値(一例として4)に達しているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S115に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行する。
【0047】
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、当り図柄を決定する大当り図柄決定用乱数や、図柄演出においてリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を第1保留記憶として記憶すると共に、何個の第1保留記憶が生じているかを示す第1保留数コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
【0048】
なお、S110では、主制御装置80は、第1保留記憶に係る大当り決定用乱数等(換言すれば、数値データ)が特定値であるか否かを判定することで、高確率状態である場合と低確率状態である場合との各々について、該第1保留記憶に基づく大当り抽選で大当りが生じるか否かや、該大当り抽選の結果を報知する図柄演出にて特定のリーチが生じるか否かを判定する先読みを行う。そして、先読み結果を示す先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。
【0049】
なお、この他にも、例えば、抽出した乱数を第1保留記憶として記憶する前に、該乱数に基づき先読みを行っても良いし、抽出した乱数を第1保留記憶のために設けられたメモリ領域とは別のメモリ領域に記憶し、該別のメモリ領域に記憶された乱数に基づき先読みを行っても良い。
S115では、主制御装置80は、第2始動口SW12aの検出信号に基づき、第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S115:Yes)、S120に処理を移行し、否定判定の場合は(S115:No)、本処理を終了する。
【0050】
S120では、主制御装置80は、第2始動口12に対応する特図についての保留記憶の数(第2保留記憶)が、最大値(一例として4)に達しているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S120:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合は(S120:No)、S125に処理を移行する。
S125では、主制御装置80は、大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を第2保留記憶として記憶すると共に、何個の第2保留記憶が生じているかを示す第2保留数コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
【0051】
なお、主制御装置80は、第2保留記憶に係る大当り決定用乱数等に対し上述した先読みを行い、先読みコマンドをサブ統合制御装置83に送信しても良い。
(4)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、
図8~11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。また、本処理の終了後は、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が実行される。
【0052】
まず、
図8に関して、S200では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、
図10のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
【0053】
S210では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、
図11のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、
図9のS215に処理を移行する。
続いて
図9に関して、S215では、主制御装置80は、第1保留記憶及び第2保留記憶の有無を判定し、いずれかの保留記憶が存在する場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、そうでない場合には(S215:No)、本処理を終了する。
【0054】
S220では、主制御装置80は、第2保留記憶が存在する場合には、第2保留記憶のうち最先に生じたものを選択し、第2保留記憶が存在せず、第1保留記憶のみが存在する場合には、第1保留記憶のうち最先に生じたものを選択する。なお、第1及び第2保留記憶のうち、最先に生じたものを選択する構成としても良い。
S225では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
【0055】
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で大当りとなるか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態で無い場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で大当りとなるか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
【0056】
S240では、主制御装置80は、大当り抽選で大当りが生じたか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。なお、大当り図柄決定用乱数に基づく決定の結果、第1特図,第2特図に対応する各当り図柄は、予め定められた振分率に従いランダムに選択される。そして、S250に処理を移行する。
【0057】
S250,S255では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定すると共に、当り図柄に基づき、大当りの種類や、大当り遊技の総ラウンド数や、大当り遊技後の遊技状態や、確変状態や電サポの継続回数(換言すれば、ST回数)等を決定し、S270に処理を移行する。
一方、大当り抽選で外れた際に移行するS260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
【0058】
S265では、主制御装置80は、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(以後、確変残り回数)、及び、電サポ中に実行可能な大当り抽選の残り回数(以後、電サポ残り回数)を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。なお、確変残り回数及び電サポ残り回数は、ST中に実行可能な大当り抽選の残り回数に相当する。
S270では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶の数を示す第1保留数コマンドと、大当り抽選後の第2保留記憶の数を示す第2保留数コマンドとを送信する。また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置83に対し、停止表示させる演出図柄を指示する図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0059】
続いて
図10に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0060】
続いて
図11に関して、特図の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
【0061】
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S335に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグがセットされている場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
【0062】
S315では、主制御装置80は、電サポであることを示す電サポフラグを参照すると共に、電サポフラグがセットされている場合には電サポフラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S327)を実行すると共に、大当り抽選での当選を通知するコマンドや、大当り遊技の種類や特典内容等を通知するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S330)、本処理を終了する。
【0063】
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS335では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグがセットされている場合には(S335:Yes)、確変残り回数を参照する(S340)。そして、確変残り回数が0である場合には(S340:Yes)、確変フラグをクリアし(S345)、S350に処理を移行する。
S350では、主制御装置80は、電サポフラグを参照し、電サポフラグがセットされている場合には(S350:Yes)、電サポ残り回数を参照する(S355)。そして、電サポ残り回数が0である場合には(S355:Yes)、電サポフラグをクリアし(S360)、S365に処理を移行する。
【0064】
S365では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、現在の遊技状態、及び、確変残り回数や電サポ残り回数を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、
図12~15のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、当否判定処理に続いて実行される。
【0065】
S500では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S510に処理を移行し、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
S510では、主制御装置80は、大入賞口20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図13のS550に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S510:No)、S515に処理を移行する。
【0066】
S515では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、
図14のS600に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S515:No)、S520に処理を移行する。
S520では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S520:Yes)、
図15のS645に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S520:No)、S525に処理を移行する。
【0067】
S525では、主制御装置80は、大当り抽選で大当りとなった後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S525:Yes)、S530に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S525:No)、本処理を終了する。
S530では、主制御装置80は、当り図柄に対応する開放パターンに従い大入賞口20を開放させる大入賞口開放処理を実行する(第1Rの大当り遊技を実行する)と共に、ラウンド数を示す開放カウンタに1を設定し(S535)、本処理を終了する。なお、この時、主制御装置80は、第1Rが開始されることを示すコマンドを、サブ統合制御装置83に送信しても良い。
【0068】
続いて
図13に関して、大入賞口21の開放中に移行するS550では、主制御装置80は、大入賞口20に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S550:No)、S555に処理を移行する。
S555では、主制御装置80は、開放パターンに応じて定められる大入賞口20の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S555:No)、本処理を終了する。
【0069】
S560では、主制御装置80は、大入賞口20を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S565に処理を移行する。
S565では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
続いて
図14に関して、各ラウンドのインターバル中に移行するS600では、主制御装置80は、開放カウンタと大当り遊技の開放パターンとに基づき、最終ラウンドに到達しているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S600:No)、S615に処理を移行する。
【0070】
S605では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行すると共に、開放カウンタをクリアし(S610)、本処理を終了する。
一方、S615では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S615:Yes)、S620に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S615:No)、本処理を終了する。
【0071】
S620では、主制御装置80は、大入賞口20を開放させる大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S625)、本処理を終了する。なお、この時、主制御装置80は、新たに開始されるラウンドを示すコマンドを、サブ統合制御装置83に送信しても良い。
続いて
図15に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS645では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S645:Yes)、S650に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S645:No)、本処理を終了する。
【0072】
続くS650,S655では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S660に処理を移行する。
S660では、主制御装置80は、大当り遊技後の遊技状態が確変状態且つ電サポであるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S660:Yes)、S665に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S660:No)、S680に処理を移行する。
【0073】
S665では、主制御装置80は、当り図柄に応じて先に決定された確変状態や電サポの継続回数等を設定する。また、確変フラグと電サポフラグをセットし(S670)、S695に処理を移行する。
一方、S680では、主制御装置80は、大当り遊技の終了後に電サポとなるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S680:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S680:No)、S695に処理を移行する。
【0074】
S685では、主制御装置80は、当り図柄に応じて先に決定された電サポの継続回数等を設定する。また、電サポフラグをセットし(S690)、S695に処理を移行する。
S695,S700では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態、及び、確変状態や電サポの継続回数を通知する状態指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0075】
(6)演出について
パチンコ機50では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の演出画面やスピーカ66等を介して各種演出を行う。具体的には、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの変動開始コマンド等に基づき、演出画面にて、大当り抽選の結果を報知する図柄演出を行う。図柄演出では、一例として、3つの演出図柄の変動表示が行われ、これらの演出図柄を全て停止表示した後、さらにこれらを確定表示することで、大当り抽選の結果が報知される。また、図柄演出の態様として、大当り抽選での当選を示唆又は報知するリーチが設けられている。また、リーチには、大当り抽選で当選することの期待度(換言すれば、確率)の低いノーマルリーチや、期待度の高いSPリーチが設けられている。また、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの保留数コマンド等に基づき、保留記憶に対応する保留図柄を演出画面に表示する保留演出を行う。また、保留記憶が消化された場合には、該保留記憶に対応する保留図柄に替えて変動中図柄を表示する変動中演出が行われる。
【0076】
この他にも、サブ統合制御装置83は、例えば、演出画面にて、図柄演出と共に、該図柄演出にて結果が報知される大当り抽選で大当りが発生することを示唆又は報知する予告演出を行っても良い。また、サブ統合制御装置83は、例えば、主制御装置80から受信した先読みコマンドに基づき、該先読みコマンドに対応する保留記憶が消化される前に、該保留記憶に基づく大当り抽選で当選することを示唆又は報知する先読み演出を行っても良い。より詳しくは、このような先読み演出として、保留図柄に替えて先読み保留図柄を表示し、該先読み保留図柄に対応する大当りの期待度を示す先読み図柄演出が行われても良い。
【0077】
また、サブ統合制御装置83は、上述した演出の1つとして、主制御装置80からのコマンドに基づき、演出画面を介して、大当り遊技の進行状況を報知する大当り演出を行う。大当り演出は、例えば、大当り遊技の総ラウンド数や、大当り遊技後の遊技状態等に応じた態様で行われ、例えば、現在のラウンドや、大当り遊技にて遊技者が獲得した総賞球数や、大当り遊技における差玉数等が表示される。なお、差玉数とは、大当り遊技での総賞球数から、大当り遊技にて発射された遊技球数を引いた数を意味する。
【0078】
また、パチンコ機50は、複数の種類の演出モードを備えており、上述した図柄演出等の各種演出は、演出モードに応じた演出態様で行われる。また、演出モードは、例えば、現在の遊技状態に応じて定められる。第1実施形態では、一例として、通常状態中に移行する演出モードである通常モードと、ST中に移行する演出モードである特典モードとが設けられている。また、通常モード及び特典モードとして、それぞれ、複数の種類が設けられていても良い。そして、通常モード中や特典モード中に所定の条件が充足された場合には、異なる種類の通常モードや特典モードに移行しても良い。
【0079】
(7)フラッシュ予告について
第1実施形態では、上述した予告演出の1つとして、所定の発光色で上枠ランプ68を点灯させることで、大当り抽選の期待度を示すフラッシュ予告が行われる。フラッシュ予告では、発光色に対応するパターンで上枠ランプ68が点灯すると共に、発光色に対応するパターンでスピーカ66から音声が出力される。このようなパターンで上枠ランプ68を点灯させつつ音声を出力することで、単なる装飾的な前枠52のランプの点灯ではなく、遊技の進行に連動して行われる演出として上枠ランプ68が点灯されたことを、遊技者に把握させることができる。
【0080】
なお、フラッシュ予告では、消灯していた上枠ランプ68を点灯させても良いし、点灯していた上枠ランプ68の輝度を向上させても良い。また、フラッシュ予告の終了時には、上枠ランプ68を消灯させても良いし、上枠ランプ68を消灯すること無く、上枠ランプ68の輝度を、例えば、フラッシュ予告の開始前と同程度まで低下させても良い。また、第1実施形態のパチンコ機50では、サブ統合制御装置83は、遊技者からの遊技ボタン67の操作に応じて、前枠52に設けられた横枠ランプ65及び上枠ランプ68等の発光体における装飾目的での点灯時の輝度を調整する。しかし、フラッシュ予告では、該調整に関わらず、装飾目的での点灯時よりも高い所定の輝度で上枠ランプ68が点灯され、遊技者によるフラッシュ予告における上枠ランプ68の輝度の調整は、不可能となっている。
【0081】
フラッシュ予告には、異なる期待度を示す複数の演出態様が設けられており、各演出態様では、少なくとも上枠ランプ68の発光色が異なる。また、各演出態様では、発光色に応じた専用のパターンで上枠ランプ68が点灯したり点滅したりし、これにより、フラッシュ予告が、単なる装飾的な上枠ランプ68の発光とは異なるものであることが分かり易く示される。さらに、各演出態様では、上枠ランプ68の発光と共に、専用に設けられた音声パターンがスピーカ66から出力されても良い。これにより、フラッシュ予告が発生したことが分かり易くなる。
【0082】
第1実施形態では、一例として、期待度の異なる5段階の演出態様が設けられている。具体的には、発光色として、白、青、緑、赤、虹色が設けられており、該順番で期待度が高くなると共に、虹色の場合の期待度は、100%(換言すれば、当選確定)となっている(
図16(a)参照)。なお、虹色とは、上枠ランプ68が虹のように7色にて発光することを意味する。また、これに限らず、例えば、発光色は同一であるが、点灯パターンや音声の異なる演出態様が設けられていても良い。また、期待度が同一な複数の演出態様が設けられていても良い。
【0083】
ここで、発光色が緑の演出態様に対応する期待度を判定閾値とする。なお、以後、発光色が緑の演出態様を単に緑の演出態様と記載し、発光色が他の色の場合においても、同様に記載する。
第1実施形態では、一例として、通常状態のフラッシュ予告の上枠ランプ68の発光色は、白、青、緑、赤、虹色のいずれかである(
図16(a)参照)。一方、ST中のフラッシュ予告の発光色は、白、緑、赤、虹色のいずれかである。つまり、判定閾値よりも期待度の低い白及び青の演出態様のうちの少なくとも一部である青の演出態様(以後、除外態様)のフラッシュ予告は、ST中には行われない。なお、ST中、判定閾値よりも期待度の低い全ての演出態様(換言すれば、白及び青の演出態様)を、ST中に出現しない除外態様としても良い。さらに、緑の演出態様に対応する期待度以外の期待度を判定閾値とし、該判定閾値に基づき、除外態様を定めても良い。
【0084】
フラッシュ予告は、図柄演出と共に行われ、図柄演出により結果が報知される大当り抽選での期待度を示す。
図16(b)は、図柄演出にて復活演出が行われない場合におけるフラッシュ予告のタイミングチャートの一例であり、
図16(c)は、図柄演出にて復活演出が行われる場合におけるフラッシュ予告のタイミングチャートの一例である。なお、復活演出とは、図柄演出にてハズレを示す演出図柄の組み合わせが停止表示された後に、大当り抽選で当選したことを示すため、当選を示す演出図柄の組み合わせを停止表示する演出を意味する。
【0085】
図16(b)、(c)に示すように、フラッシュ予告は、図柄演出の開始時に開始されても良い。無論、これに限らず、フラッシュ予告は、図柄演出の開始後、図柄演出に連動した様々なタイミングで(例えば、リーチとなったタイミング)で開始されても良い。
また、フラッシュ予告は、期待度の低い演出態様から期待度の高い演出態様へと変化する場合(以後、期待度アップ)があるが、第1実施形態では、期待度が低くなるように演出態様が変化することは無い。なお、期待度が低くなるように演出態様が変化しても良い。また、期待度アップは、例えば、ノーマルリーチの発生時(
図16(b)参照)やSPリーチの発生時(
図16(c)参照)等、図柄演出に連動した様々なタイミングで発生し得る。
【0086】
ここで、判定閾値よりも期待度の低い白及び青の演出態様のうち、除外態様でない白の演出態様を、非除外態様と記載する。また、非除外態様である白の演出態様のフラッシュ予告を、判定閾値以上の期待度を有する緑、赤、又は虹色の演出態様へと変化させることを、特定期待度アップと記載する(
図16(c)参照)。第1実施形態では、ST中には、通常状態に比べ、より高い確率で、特定期待度アップが発生する。
【0087】
また、フラッシュ予告は、図柄演出の進行状況に連動したタイミングで終了し、遅くとも図柄演出の終了時よりも前に終了する。具体的には、フラッシュ予告は、例えば、図柄演出に当落分岐が存在する場合には、当落分岐の開始時や、当落分岐の途中や、当落分岐の終了時に終了しても良いし(
図16(b)参照)。なお、当落分岐とは、図柄演出にてリーチとなった場合における、変動中の図柄が停止表示される直前の期間の演出を意味する。当落分岐では、例えば、大当り抽選での当選を示す演出図柄と他の演出図柄とを交互に表示させる演出や、これらの演出図柄の一方が停止表示されるかのような演出が行われ、当選を示す演出図柄が停止表示されることへの期待感が煽られる。また、当落分岐において、遊技者に遊技ボタン67の操作を促すボタン画像を表示して遊技ボタン67の操作を有効とし、遊技ボタン67の操作に応じて、停止表示される演出図柄を表示するようにしても良い。このような場合には、例えば、当落分岐でボタン画像を表示する際に、フラッシュ予告を終了しても良いし、遊技ボタン67の操作がなされた際に、フラッシュ予告を終了しても良い。また、フラッシュ予告が終了した際、上枠ランプ68を消灯すること無く、装飾的な上枠ランプ68の発光が開始されても良い。
【0088】
この他にも、フラッシュ予告は、例えば、図柄演出での図柄停止又は確定表示の開始時や、これらの途中で終了しても良い。なお、図柄停止とは、演出図柄が全て停止表示されることを意味する。また、フラッシュ予告は、例えば、図柄演出に復活演出が存在する場合には、復活演出の開始時や、復活演出の途中や、復活演出の終了時に終了しても良い(
図16(c)参照)。なお、復活演出とは、図柄演出にてハズレを示す図柄停止が発生した後、当選を示す演出図柄の組合せが確定表示される演出を意味する。
【0089】
つまり、図柄演出に復活演出が存在する場合には、通常であれば当落分岐の実行中に終了するはずのフラッシュ予告を継続し、当落分岐の後に復活演出が開始されることを示唆しても良い。また、この場合、単に復活演出が行われる可能性が高いだけでなく、該図柄演出にて結果が報知される大当り抽選で当選する期待度が高くなっても良い。
また、例えば、図柄演出にてハズレを示す図柄停止が発生したときにフラッシュ予告が終了していない場合には、その後に必ず復活演出が行われるよういしても良いし、その後に所定の確率で復活演出が行われるようにし、図柄停止中にフラッシュ予告を継続することで、大当り抽選での当選を示唆するようにしても良い。また、フラッシュ予告は、例えば、図柄演出における図柄停止よりも前のタイミングで終了しても良い。
【0090】
[第2実施形態]
第2実施形態のパチンコ機50は、第1実施形態と同様の構成を有しているが、先読み図柄演出の演出態様として、第1実施形態と同様の除外態様と非除外態様とが設けられている。以下では、第2実施形態の先読み図柄演出について説明する。
第2実施形態では、演出画面800に第1保留記憶に対応する第1保留図柄を表示する第1保留演出802と(
図17(c)~(f)参照)、演出画面810に第2保留記憶に対応する第2保留図柄を表示する第2保留演出812とが設けられている(
図18(a)~(c)参照)。また、パチンコ機50は、第2保留記憶を優先的に消化する構成となっている。そして、通常状態中には、第1保留演出802が行われ、第2保留記憶については、第2保留図柄を用いることなく、簡易的に保留記憶数が示される。一方、ST中には、第2保留演出812が行われ、第1保留記憶については、第1保留図柄を用いることなく、簡易的に保留記憶数が示される。なお、遊技状態に関わらず、第1及び第2保留記憶の各々に対応する保留図柄を演出画面に表示するようにしても良い。また、第1、第2保留演出802、812では、第1、一例として、第2保留記憶に対応して、白色の通常保留図柄が表示される(
図17(a)参照)。
【0091】
そして、先読み図柄演出は、第1又は第2保留演出802、812により表示されている通常保留図柄に対応する保留記憶を対象として行われ、先読み図柄演出が行われると、対象となる保留記憶に対応して、通常保留図柄に替えて先読み保留図柄が表示される。また、先読み図柄演出は、異なる期待度を示す複数の演出態様が設けられており、各演出態様では先読み保留図柄の色が異なる。無論、先読み保留図柄の色に替えて、又は、該色に加えて、例えば、先読み保留図柄の形状等が異なっていても良い。第2実施形態では、一例として、期待度の異なる4段階の演出態様の先読み図柄演出が設けられており、各演出態様で用いられる先読み保留図柄の色は、青、緑、赤、虹色となっている。
【0092】
つまり、通常保留図柄と先読み保留図柄とを合わせると、保留図柄の表示において5段階の演出態様が設けられており、各演出態様で用いられる通常保留図柄及び先読み保留図柄の色は、白、青、緑、赤、虹色となっている。そして、該順番で期待度が高くなると共に、虹色の場合の期待度は、100%(換言すれば、当選確定)となっている(
図17(b)参照)。
【0093】
ここで、第2実施形態においても、一例として、緑の先読み保留図柄の演出態様に対応する期待度を、判定閾値とする。第2実施形態では、判定閾値よりも期待度の低い演出態様のうちの少なくとも一部である、青の先読み保留図柄の演出態様(以後、除外態様)の先読み図柄演出は、ST中には行われない(
図17(b)参照)。つまり、通常状態中に表示され得る保留図柄の色は、白、青、緑、赤、虹色のいずれかであり、ST中に表示され得る保留図柄の色は、白、緑、赤、虹色のいずれかである。
【0094】
なお、判定閾値よりも期待度の低い全ての演出態様(換言すれば、白及び青の保留図柄の演出態様)を、ST中に出現しない除外態様としても良い。さらに、緑の先読み保留図柄に対応する期待度以外の期待度を判定閾値とし、該判定閾値に基づき、除外態様を定めても良い。
また、先読み図柄演出は、期待度の低い通常保留図柄又は先読み保留図柄を、期待度のより高い先読み保留図柄に変化させる場合(以後、期待度アップ)があるが、第2実施形態では、期待度が低くなるように先読み保留図柄が変化することは無い。なお、期待度が低くなるように先読み保留図柄が変化しても良い。また、期待度アップは、例えば、先読み図柄演出の対象となる保留記憶よりも先に生じた保留記憶が消化される時等、様々なタイミングで実行される。
【0095】
さらに、判定閾値よりも期待度の低い白及び青の保留図柄の演出態様のうち、除外態様でない白の通常保留図柄の演出態様を、非除外態様と記載する。また、非除外態様である白の通常保留図柄を、判定閾値以上の期待度を有する緑、赤、又は虹色の先読み保留図柄へと変化させることを、特定期待度アップと記載する(
図18(b)、(c)参照)。第2実施形態では、ST中には、通常状態に比べ、より高い確率で、特定期待度アップが発生する。なお、緑の演出態様に対応する期待度以外の期待度を判定閾値とし、該判定閾値に基づき、非除外態様を定めても良い。
【0096】
次に、先読み図柄演出の具体例について説明する。
図17(c)~(f)に示すように、通常状態中には、演出画面800では、図柄演出801と共に、第1保留演出802と、変動中演出804とが行われる。そして、第1保留記憶の発生時に先読み保留図柄を表示したり、第1保留記憶の発生後、所定のタイミングで、該第1保留記憶に対応して表示されていた通常保留図柄を先読み保留図柄に変化させたりすることで、先読み図柄演出803が行われる。なお、
図17(d)では、一例として、先読み図柄演出803にて青の先読み保留図柄が表示される。その後、期待度アップが発生し、青の先読み保留図柄が赤の先読み保留図柄に変化する(
図17(e))。そして、赤の先読み保留図柄が表示されていた先読み図柄演出803の対象となっている第1保留記憶が消化されると、先読み図柄演出803と同様の演出態様にて変動中演出804が開始され、該変動中演出804により、赤の変動中図柄が表示される(
図17(f))。
【0097】
一方、
図18(a)~(c)に示すように、ST中には、演出画面810では、図柄演出811と共に、第2保留演出812と、変動中演出814とが行われる。そして、第2保留記憶に対応して、第1実施形態と同様にして先読み図柄演出813が行われる。なお、
図18(b)では、一例として、非除外態様である白の通常保留図柄が表示される。その後、特定期待度アップが発生し、先読み図柄演出813では、白の通常保留図柄が赤の先読み保留図柄に変化する(
図18(c))。
【0098】
[他の実施形態]
(1)第1及び第2実施形態では、フラッシュ予告と保留図柄の表示とにおいて、判定閾値よりも低い期待度の演出態様を除外態様又は非除外態様としている。しかしながら、これに限らず、例えば、フラッシュ予告や先読み予告以外の予告演出や、保留図柄の表示以外の先読み演出や、図柄演出におけるリーチ演出やSPリーチ演出等に、同様にして除外態様や非除外態様を設けても良い。なお、これらの演出は、例えば、音声のみにより構成されていても良いし、映像又は発光のみにより構成されていても良い。そして、ST中には除外態様が出現しないようにすると共に、該演出にて期待度アップが行われるようにし、ST中には、通常状態よりも高い確率で特定期待度アップが発生するようにしても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果が得られる。
【0099】
(2)第1及び第2実施形態では、ST中には、除外態様でのフラッシュ予告や保留図柄の表示が行われず、また、通常状態よりも高い確率で特定期待度アップが発生する。しかし、例えば、高確率状態中には、除外態様でのフラッシュ予告や保留図柄の表示が行われず、また、低確率状態よりも高い確率で特定期待度アップが発生するようにしても良い。
【0100】
さらに、本実施形態では、ST中、パチンコ機50は必ず電サポに移行するが、ST中、高確率状態と電サポとの双方又は一方に移行するようにしても良い。そして、例えば、高確率状態中には、除外態様でのフラッシュ予告や保留図柄の表示が行われず、また、低確率状態よりも高い確率で特定期待度アップが発生するようにしても良い。また、例えば、電サポ中には、除外態様でのフラッシュ予告や保留図柄の表示が行われず、また、電サポでない場合よりも高い確率で特定期待度アップが発生するようにしても良い。
【0101】
このような構成を有する場合であっても、同様の効果が得られる。
(3)第1及び第2実施形態のパチンコ機50において、大入賞口20に特定領域を設けると共に、確変大当りにより行われる大当り遊技における所定のラウンドを、遊技球が特定領域に進入可能な特定ラウンドとして構成しても良い。そして、特定ラウンドにて遊技球が特定領域に進入するV入賞が発生すると、大当り遊技後に確変状態に移行する構成としても良い。
【0102】
また、第1及び第2実施形態のパチンコ機50を、確変状態や電サポが次回大当りまで継続する構成としても良いし、所謂リミッタ機能付きの構成としても良い。また、上記実施形態のパチンコ機50を、所謂一種二種混合機として構成しても良い。
このような場合であっても、同様の効果が得られる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0103】
第1及び第2実施形態のパチンコ機50が弾球遊技機の一例に相当し、サブ統合制御装置83、演出図柄制御装置82、及び演出図柄表示装置6が、演出手段の一例に相当する。
また、第1及び第2実施形態において、始動入賞確認処理におけるS110,S125が、保留記憶手段の一例に相当し、当否判定処理におけるS230,S235が当否判定手段の一例に相当する。
【0104】
また、第1実施形態におけるフラッシュ予告が、期待度演出の一例に相当すると共に、第2実施形態における保留図柄の表示が、期待度演出の一例に相当する。
【符号の説明】
【0105】
1…遊技盤、3…遊技領域、5…センターケース、6…演出図柄表示装置、7…普通図柄表示装置、8…普図保留数表示装置、9…第1特図表示装置、10…第2特図表示装置、11…第1始動口、12…第2始動口、20…大入賞口、22…普通図柄作動ゲート、50…パチンコ機、80…主制御装置、81…払出制御装置、82…演出図柄制御装置、83…サブ統合制御装置。