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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20230425BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20230425BHJP
【FI】
G16H10/60
G16H40/20
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020211676
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2021099808
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2019230714
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512235518
【氏名又は名称】江川 寛
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江川 寛
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-011544(JP,A)
【文献】特開平04-333973(JP,A)
【文献】特開2002-063274(JP,A)
【文献】特開2009-37481(JP,A)
【文献】特開2019-75046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の紹介元の医療施設のシステムである第1システムと、
患者の紹介先の医療施設のシステムである第2システムと
を備え、
前記第1システムは、紹介対象の患者に関する複数の項目の情報を含む患者情報を第1表示装置に表示させる第1表示制御部と、前記患者情報を前記第2システムに送信する送信手段を備え、
前記第2システムは、前記第1システムから送信される前記患者情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記患者情報を第2表示装置に表示させる第2表示制御部とを備え、
前記第1表示制御部は、各々が前記患者情報のうち前記第1システムのユーザにより指定された項目の情報を含む複数の画面を順次切り替えて前記第1表示装置に表示させるときに、前記患者情報のうち患者の身体に関する共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々に表示させ、
前記第2表示制御部は、各々が前記患者情報のうち前記第2システムのユーザにより指定された項目の情報を含む複数の画面を順次切り替えて前記第2表示装置に表示させるときに、前記患者情報のうち前記共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々に表示させる
情報処理システム。
【請求項2】
前記第1表示制御部は、各々が前記患者情報の一部を含む複数の画面を順次切り替えて前記第1表示装置に表示させるときに、前記共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々の共通する位置に配置された領域に表示させ、
前記第2表示制御部は、各々が前記患者情報の一部を含む複数の画面を順次切り替えて前記第2表示装置に表示させるときに、前記共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々の共通する位置に配置された領域に表示させる
請求項1に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療施設間の情報の連携に関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設間の情報を連携させる技術として、例えば、特許文献1には、データベースサーバに検査データ、一次診断結果及び精密検査結果を登録して、依頼元施設、一次診断施設及び精密検査施設の端末から閲覧する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-85545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療業界では、例えば地域病院の医師が作成した紹介状を基幹病院に提出することで、基幹病院での診察等を円滑に開始させる仕組みが用いられている。しかし、患者が紹介状を持って基幹病院に行っても、医師や医療機器(医療機器を用いた検査)の混雑状況によっては、すぐに診察等を受けられるとは限らない。
そこで、本発明は、医療施設間で患者を紹介した際の連携を円滑にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、患者の紹介元の医療施設のシステムである第1システムと、患者の紹介先の医療施設のシステムである第2システムとを備え、前記第1システムは、紹介対象の患者に関する複数の項目の情報を含む患者情報を第1表示装置に表示させる第1表示制御部と、前記患者情報を前記第2システムに送信する送信手段を備え、前記第2システムは、前記第1システムから送信される前記患者情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記患者情報を第2表示装置に表示させる第2表示制御部とを備え、前記第1表示制御部は、各々が前記患者情報のうち前記第1システムのユーザにより指定された項目の情報を含む複数の画面を順次切り替えて前記第1表示装置に表示させるときに、前記患者情報のうち患者の身体に関する共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々に表示させ、前記第2表示制御部は、各々が前記患者情報のうち前記第2システムのユーザにより指定された項目の情報を含む複数の画面を順次切り替えて前記第2表示装置に表示させるときに、前記患者情報のうち前記共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々に表示させる情報処理システムを提供する。
【0006】
上述の情報処理システムにおいて、前記第1表示制御部は、各々が前記患者情報の一部を含む複数の画面を順次切り替えて前記第1表示装置に表示させるときに、前記共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々の共通する位置に配置された領域に表示させ、前記第2表示制御部は、各々が前記患者情報の一部を含む複数の画面を順次切り替えて前記第2表示装置に表示させるときに、前記共通の所定の項目の情報を当該複数の画面の各々の共通する位置に配置された領域に表示させてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医療施設間で患者を紹介した際の医療施設における施療の連携を円滑にするとともに地域での医療の継続性、連続性を包括的に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る医療施設間連携システムの全体構成の一例を表す図
図2】連携装置のハードウェア構成の一例を表す図
図3】各装置が実現する機能構成を表す図
図4】表示された紹介画面の一例を表す図
図5】表示された紹介状の生成画面の一例を表す図
図6】表示された基幹病院の予約画面の一例を表す図
図7】表示された基幹病院の診療結果画面の一例を表す図
図8】連携処理における動作手順の一例を表す図
図9】連携処理における動作手順の別の一例を表す図
図10】変形例の各装置が実現する機能構成を表す図
図11】表示されたユーザ画面の一例を表す図
図12】基本情報欄A11を拡大して表す図
図13】診療記録欄A12を拡大して表す図
図14】保険情報欄A13を拡大して表す図
図15】指定された別の種類の患者情報の一例を表す図
図16】変形例で表示される固定領域の例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1]実施例
図1は実施例に係る医療施設間連携システム1の全体構成の一例を表す。医療施設間連携システム1は、病院等の医療施設間における情報及び業務の連携を支援するシステムである。医療施設間連携システム1は、特に、地域病院から紹介された患者に対して基幹病院が診察又は検査等を行う際の連携を支援する。なお、本発明は、診療所から地域病院又は基幹病院への紹介の場合にも適用可能である。
【0010】
医療施設間連携システム1は、地域病院システム3と、基幹病院システム4と、情報連携システム5とを備える。地域病院システム3は、患者情報管理システム31と、電子カルテシステム32と、予約システム33と、初診受付機34と、再診受付機35とを備える。基幹病院システム4は、患者情報管理システム41と、電子カルテシステム42と、予約システム43と、初診受付機44と、再診受付機45とを備える。
【0011】
医療施設には、病院、診療所(クリニック)等が含まれる。病院には、基幹病院及び地域病院が含まれる。基幹病院とは、一部の特殊な専門医療を除く高度な急性期医療と手厚い看護を提供することができる、地域医療の拠点の基幹となる病院のことである。地域病院とは、地域に根付き患者に身近な病院であり、基幹病院と連携して地域医療を支える。連携の一例として、患者は、最初は地域の診療所や病院を受診し、基幹病院での治療が必要と判断されたら紹介を受けて基幹病院を受診する。
【0012】
地域病院システム3は、地域病院の業務に関する処理を行うシステムである。患者情報管理システム31は、地域病院を受診した患者に関する情報である患者情報を管理するシステムである。地域病院によっては、医事会計システムが患者情報管理システムとして用いられていてもよい。電子カルテシステム32は、地域病院を受診した患者の電子カルテを管理するシステムである。予約システム33は、地域病院における医師又は医療機器(CT、MRならびに専門性の高い生理機能等の医療機器)を用いての検査の予約を管理するシステムである。
【0013】
初診受付機34は、地域病院を初めて受診する患者を受け付ける機械である。再診受付機35は、地域病院の受診が2回目以降である再診の患者を受け付ける機械である。基幹病院システム4は、基幹病院の業務に関する処理を行うシステムである。患者情報管理システム41は、基幹病院を受診した患者に関する情報である患者情報を管理するシステムである。基幹病院においても、医事会計システムが患者情報管理システムとして用いられていてもよい。
【0014】
電子カルテシステム42は、基幹病院を受診した患者の電子カルテを管理するシステムである。なお、電子カルテシステム42も患者情報を管理する機能を有するので、電子カルテシステム42が患者情報管理システム41として用いられてもよい。予約システム43は、基幹病院における医師又は医療機器を用いての検査の予約を管理するシステムである。初診受付機44は、基幹病院を初めて受診する患者を受け付ける機械である。再診受付機45は、基幹病院の受診が2回目以降である再診の患者を受け付ける機械である。
【0015】
地域病院システム3及び基幹病院システム4が備える各システム等は、医療施設内のLAN(Local Area Network)等によって相互に通信可能になっている。なお、図1では、説明を簡潔にするため、地域病院システム3及び基幹病院システム4が1つずつ表されているが、医療施設間連携システム1はそれぞれ2以上の地域病院システム3及び基幹病院システム4を備えていてもよい。
【0016】
情報連携システム5は、ネットワーク2と、地域連携装置10と、基幹連携装置20とを備える。ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含む通信システムであり、自システムにアクセスする装置同士のデータのやり取りを中継する。ネットワーク2には、地域連携装置10及び基幹連携装置20が有線通信で(無線通信でもよい)接続している。
【0017】
地域連携装置10は、地域病院システム3と同様に患者の紹介元の医療施設のシステムであり、地域病院システム3と基幹病院システム4とを連携させるための処理を行う情報処理装置である。また、地域連携装置10は、地域病院システム3側のインターフェースとして機能する。地域連携装置10は本発明の「第1システム」の一例である。
【0018】
基幹連携装置20は、基幹病院システム4と同様に患者の紹介先の医療施設のシステムであり、地域病院システム3と基幹病院システム4とを連携させるための処理を行う情報処理装置である。また、基幹病院システム4側のインターフェースとして機能する。基幹連携装置20は本発明の「第2システム」の一例である。
【0019】
地域連携装置10は地域病院システム3に接続し、基幹連携装置20は基幹病院システム4に接続している。従って、地域病院システム3は、地域連携装置10及び基幹連携装置20を介して基幹病院システム4と各種の情報を送受信する。また、基幹病院システム4は、基幹連携装置20及び地域連携装置10を介して地域病院システム3と各種の情報を送受信する。両連携装置(地域連携装置10及び基幹連携装置20)のハードウェア構成について図2を参照して説明する。
【0020】
図2は連携装置のハードウェア構成の一例を表す。地域連携装置10及び基幹連携装置20は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信装置14と、入力装置15と、出力装置16と、バス17とを備えるコンピュータである。プロセッサ11は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を備え、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。
【0021】
地域連携装置10における各機能は、プロセッサ11、メモリ12などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ11が演算を行い、通信装置14による通信を制御したり、メモリ12及びストレージ13におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0022】
メモリ12は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成される。ストレージ13は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等である。
【0023】
通信装置14は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置14は、IC(Integrated Circuit)カードとも無線通信を行い、情報の読み出し及び書込みを行う。入力装置15は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えばキーボード及びマウス等)である。
【0024】
出力装置16は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ及びスピーカ等)である。なお、入力装置15及び出力装置16が一体となったタッチスクリーンにより画像の表示及び入力の受け付けが行われてもよい。プロセッサ11及びメモリ12等の各装置は、情報を通信するためのバス17によって接続される。バス17は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0025】
地域連携装置10及び基幹連携装置20の各プロセッサが自装置に記憶されているプログラムを実行して自装置の各部を制御することで、以下に述べる機能が実現される。
図3は各装置が実現する機能構成を表す。地域連携装置10は、紹介画面処理部101と、紹介状生成部102と、患者情報連携部103と、カルテ連携部104と、連携情報送受信部105とを備える。
【0026】
基幹連携装置20は、連携情報送受信部201と、候補日程取得部202と、予約反映部203と、患者情報連携部204と、紹介状表示部205と、結果情報取得部206とを備える。紹介画面処理部101は、紹介状に関する表示及び操作の受け付けを行う紹介画面に関する処理を行う。紹介状とは、地域病院の医師が基幹病院の医師に患者を紹介する際に作成される書類である。
【0027】
図4は表示された紹介画面の一例を表す。図4の例では、紹介画面処理部101が、患者を特定するための情報(ここでは患者ID及び患者名)と、紹介状の生成ボタンB1と、基幹病院の予約ボタンB2と、紹介情報の送信ボタンB3と、基幹病院の診療結果ボタンB4とを自装置のディスプレイに表示させている。紹介画面は、患者を担当する地域病院の医師が主に操作する。生成ボタンB1を押す操作が行われると、紹介画面処理部101は、紹介状の生成画面を表示させる。
【0028】
図5は表示された紹介状の生成画面の一例を表す。図5の例では、紹介画面処理部101が、紹介状に含める情報の入力欄として、患者情報の入力欄A1、電子カルテの入力欄A2、紹介状の宛先の入力欄A3及びコメントの入力欄A4と、紹介状の生成ボタンB5とを表示させている。各入力欄への入力は、テキストの入力方式でもよいし、プルダウンリスト等からの選択方式でもよい。
【0029】
紹介状の生成ボタンB5を押す操作が行われると、紹介画面処理部101は、各入力欄の入力内容と、紹介状の生成要求とを紹介状生成部102に供給する。紹介状生成部102は、地域病院から基幹病院に紹介される患者の紹介状を生成する。紹介状には、患者の基本情報(氏名、生年月日、性別、年齢及び保険証番号等)、紹介の目的、主な症状、病名、治療経過、投薬内容及び検査結果等の診療情報が含まれる。
【0030】
これらの診療情報は、患者情報管理システム31及び電子カルテシステム32が保持している。患者情報連携部103は、地域病院システム3の患者情報管理システム31と連携して、地域病院の患者の患者情報の読み出し及び更新等を行う。カルテ連携部104は、地域病院システム3の電子カルテシステム32と連携して、地域病院の患者の電子カルテの読み出し及び更新等を行う。
【0031】
紹介状生成部102は、紹介画面処理部101から供給された各入力欄の入力内容のうち患者情報は患者情報連携部103を介して、電子カルテの情報はカルテ連携部104を介して取得する。電子カルテの情報としては、電子カルテの一部を抜粋した情報、電子カルテの内容を要約した情報、又は、電子カルテの全ての情報のいずれかが取得される。紹介状生成部102は、取得した患者情報及び電子カルテという地域病院システム3が保持する情報に基づき患者の紹介状を生成する。こうして生成された紹介状には、地域病院における患者の保険証の情報と電子カルテの情報とが含まれる。
【0032】
図4の紹介画面で基幹病院の予約ボタンB2を押す操作が行われると、紹介画面処理部101は、基幹病院の予約画面を表示させる。
図6は表示された基幹病院の予約画面の一例を表す。図6の例では、紹介画面処理部101が、予約に必要な情報の入力欄として、予約対象の選択欄A6及び候補日程C1と、予約のリクエストボタンB7とを表示させている。
【0033】
予約対象は、例えば紹介される患者が基幹病院で診察等を受ける際に訪問する診療科の医師又はその患者が基幹病院で検査等を受ける際に使用される医療機器である。紹介画面処理部101は、選択欄A6に選択する予約対象が入力されると、選択された予約対象について予約が可能な候補日程を問い合わせる日程問合せデータを生成して連携情報送受信部105に供給する。
【0034】
連携情報送受信部105は、地域病院と基幹病院とを連携させるための情報である連携情報を、基幹連携装置20との間で送受信する。連携情報送受信部105は、例えば、紹介対象の患者に関する複数の項目の情報を含む患者情報を基幹連携装置20に送信する。連携情報送受信部105は本発明の「送信手段」の一例である。また、連携情報送受信部105は、例えば、紹介画面処理部101から供給された日程問合せデータを連携情報を示すデータとして基幹連携装置20に送信する。送信された日程問合せデータは基幹連携装置20の連携情報送受信部201によって受信される。
【0035】
連携情報送受信部201は、地域病院と基幹病院とを連携させるための情報である連携情報を、地域連携装置10との間で送受信する。連携情報送受信部201は、例えば、地域連携装置10から送信される患者情報を受信する。連携情報送受信部201は本発明の「受信手段」の一例である。また、連携情報送受信部201は、日程問合せデータを連携情報を示すデータとして受信すると、受信した日程問合せデータを候補日程取得部202に供給する。候補日程取得部202は、地域病院から基幹病院に紹介される患者に関する予約が可能な日程を予約の候補となる候補日程として取得する。
【0036】
候補日程取得部202は、基幹病院システム4の予約システム43にアクセスし、日程問合せデータが示す予約対象の候補日程を取得する。候補日程取得部202は、取得した候補日程を示す日程データを連携情報送受信部201に供給する。連携情報送受信部201は、供給された日程データを地域連携装置10に送信する。地域連携装置10の連携情報送受信部105は日程データを受信して紹介画面処理部101に供給する。
【0037】
紹介画面処理部101は、供給された日程データが示す候補日程を紹介画面に表示する。例えば図6の候補日程C1では、「○」が予約可能な時間帯に余裕あり、「△」は予約可能な時間帯があとわずか、「×」は予約可能な時間帯がないことが表されている。予約する日程が選択されて予約のリクエストボタンB7を押す操作が行われると、紹介画面処理部101は、選択された日程の予約を要求する要求データを生成して連携情報送受信部105に供給する。
【0038】
連携情報送受信部105は、供給された要求データを連携情報を示すデータとして基幹連携装置20に送信する。送信された要求データは基幹連携装置20の連携情報送受信部201によって受信される。連携情報送受信部201は、要求データを連携情報を示すデータとして受信すると、受信した要求データを予約反映部203に供給する。予約反映部203は、予約システム43にアクセスし、供給された要求データが示す日程の予約を反映する予約処理を行う。
【0039】
予約反映部203は、予約処理によって予約が反映されると、予約された日程を示す予約データを生成して予約処理の結果として連携情報送受信部201に供給する。連携情報送受信部201は、供給された予約データを地域連携装置10に送信する。地域連携装置10の連携情報送受信部105は予約データを受信して紹介画面処理部101に供給する。紹介画面処理部101は、供給された予約データが示す予約された日程を紹介画面に表示する。
【0040】
以上のとおり、基幹連携装置20が患者に関する予約が可能な候補日程を地域連携装置10に送信すると、地域連携装置10が送信されてきた候補日程を表示して選択された日程の予約を基幹連携装置20に送信する。基幹連携装置20は、送信されてきた予約を基幹病院システム4に反映する処理を行い、その処理の結果を地域連携装置10に通知する。以上のとおり候補日程が表示されることで、その表示がされない場合に比べて、予約の際の手間を少なくすることができる。
【0041】
紹介状生成部102は、上記のとおり紹介状を作成し、予約が完了すると、紹介状及び予約を含む紹介情報データを生成する。紹介状生成部102は、図4に表す紹介情報の送信ボタンB3を押す操作が行われると、生成した紹介情報データを連携情報送受信部105に供給する。連携情報送受信部105は、紹介画面処理部101から供給された紹介情報データを連携情報を示すデータとして基幹連携装置20に送信する。
【0042】
送信された紹介情報データは基幹連携装置20の連携情報送受信部201によって受信される。連携情報送受信部201は、連携情報を示すデータとして受信した紹介情報データを患者情報連携部204及び紹介状表示部205に供給する。患者情報連携部204は、基幹病院システム4の患者情報管理システム41と連携して、基幹病院の患者の患者情報の読み出し及び更新等を行う。
【0043】
患者情報連携部204は、連携情報送受信部201から紹介情報データが供給されると、供給された紹介情報データが示す患者情報が患者情報管理システム41に登録されているか否かを確認する。患者情報連携部204は、患者情報が登録されていない場合には、その保険証の情報を含む患者情報を患者情報管理システム41に登録する。これにより、基幹病院を初めて患者が訪れたときに、病院側の作業者が基幹病院システム4に保険証情報を含む患者情報を登録する手間を省くことができる。
【0044】
紹介状表示部205は、自装置への操作に基づき、連携情報送受信部201から供給された紹介情報データが示す紹介状、すなわち、地域病院からの紹介状を表示する。基幹病院の医師は、基幹連携装置20を操作して紹介状を表示させ、紹介状の内容を参考にして患者を診察する。紹介状には、上述したように電子カルテの情報が含まれているので、基幹病院の医師は、地域病院での診察の結果を参考にしながら新たな診察を行うことができる。
【0045】
基幹病院の医師は、患者を診察すると、診察結果を患者情報管理システム41及び電子カルテシステム42に入力する。診察結果が入力された後に、図4の紹介画面で基幹病院の診療結果ボタンB4を押す操作が行われると、紹介画面処理部101は、基幹病院の診療結果画面を表示させる。
【0046】
図7は表示された基幹病院の診療結果画面の一例を表す。図7の例では、紹介画面処理部101が、基幹病院に紹介された患者を指定する患者情報の入力欄A8とその患者の診療結果の情報として、基幹病院におけるその患者の電子カルテの情報D1とを表示させている。紹介画面処理部101は、入力欄A8に指定する患者の患者名又は患者IDが入力されると、入力された患者の診療結果を問い合わせる結果問合せデータを生成して連携情報送受信部105に供給する。
【0047】
連携情報送受信部105は、紹介画面処理部101から供給された結果問合せデータを連携情報を示すデータとして基幹連携装置20に送信する。送信された結果問合せデータは基幹連携装置20の連携情報送受信部201によって受信される。連携情報送受信部201は、結果問合せデータを連携情報を示すデータとして受信すると、受信した結果問合せデータを結果情報取得部206に供給する。
【0048】
結果情報取得部206は、地域病院から基幹病院に紹介された患者に対する診療の結果を示す結果情報を基幹病院システム4から取得する。結果情報取得部206は、取得した結果情報を示す結果データを連携情報送受信部201に供給する。連携情報送受信部201は、供給された結果データを地域連携装置10に送信する。地域連携装置10の連携情報送受信部105は結果データを受信して紹介画面処理部101に供給する。
【0049】
紹介画面処理部101は、供給された結果データが示す患者の診療結果を図7に表すように紹介画面に表示する。連携情報送受信部105は、受信した結果データを患者情報連携部103を介して患者情報管理システム31に反映する。また、連携情報送受信部105は、受信した結果データをカルテ連携部104を介して電子カルテシステム32に反映する。
【0050】
このように、基幹連携装置20が、基幹病院システム4の予約システム43に反映された予約に基づく基幹病院における行為の結果を地域連携装置10に送信すると、地域連携装置10が、その結果を地域病院システム3に供給する。これにより、地域病院の医師は、自分が基幹病院に紹介した患者のその後の状態を容易に知ることができる。
【0051】
医療施設間連携システム1が備える各装置は、上記構成に基づいて、病院間の情報及び業務を連携させる連携処理を行う。
図8は連携処理における動作手順の一例を表す。図8に表す動作手順は、例えば地域病院の医師が地域連携装置10を操作して紹介状についての入力操作を行うことを契機に開始される。
【0052】
まず、地域連携装置10は、紹介する患者の紹介状入力操作を受け付けると(ステップS11)、その患者の患者情報等を地域病院システム3から取得する(ステップS12)。次に、地域連携装置10は、取得した患者情報等を用いて紹介状を生成する(ステップS13)。続いて、地域病院の医師が予約の操作を行うと、地域連携装置10は、予約操作を受け付け(ステップS21)、予約可能な候補日程を基幹連携装置20に問い合わせる(ステップS22)。
【0053】
基幹連携装置20は、問い合わせを受けた予約対象の候補日程を基幹病院システム4の予約システム43から取得し(ステップS23)、地域連携装置10に送信する(ステップS24)。地域連携装置10は、送信されてきた候補日程を表示する(ステップS25)。次に、地域病院の医師が予約する日程を決定すると、地域連携装置10は、決定された日程での予約を基幹連携装置20に送信する(ステップS26)。
【0054】
基幹連携装置20は、送信されてきた予約を予約システム43に反映し(ステップS27)、反映した予約の結果を地域連携装置10に送信する(ステップS28)。地域連携装置10は、送信されてきた予約の結果を表示する(ステップS29)。次に、地域病院の医師が紹介情報を送信する操作を行うと、地域連携装置10は、その送信操作を受け付け(ステップS31)、紹介情報を生成して基幹連携装置20に送信する(ステップS32)。
【0055】
基幹連携装置20は、紹介情報を受信すると、受信した紹介情報が示す患者情報及び電子カルテの情報を基幹病院システム4に反映する(ステップS33)。その後、反映された予約の日程に患者が来院した際に、基幹連携装置20は、基幹病院の医師の操作に基づいて紹介情報を表示する(ステップS34)。医師は、表示された紹介情報を参照して患者の診察等を行う。
【0056】
図9は連携処理における動作手順の別の一例を表す。図9に表す動作手順は、紹介された患者の診療結果が基幹病院システム4に保存された後に行われる。まず、地域病院の医師が紹介した患者の基幹病院における診療結果を表示させる操作を行うと、地域連携装置10は、その表示操作を受け付け(ステップS41)、診療結果を基幹連携装置20に問い合わせる(ステップS42)。
【0057】
基幹連携装置20は、問い合わせを受けた患者の診療結果を基幹病院システム4から取得し(ステップS43)、地域連携装置10に送信する(ステップS44)。地域連携装置10は、送信されてきた診療結果を表示する(ステップS45)。以上のとおり、地域連携装置10及び基幹連携装置20が連携情報を交換することで、地域病院システム3及び基幹病院システム4に保存されている患者情報が同期され、地域病院と基幹病院という病院間で患者を紹介した際の連携を円滑にすることができる。
【0058】
[2]変形例
上述した各実施形態は、それぞれが本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、各実施形態及び各変形例は必要に応じてそれぞれ組み合わせてもよい。
【0059】
[2-1]第1連携部及び第2連携部
実施例では、地域連携装置10が地域病院システム3の外部装置として表され、基幹連携装置20が基幹病院システム4の外部装置として表されていたが、これに限らず、地域連携装置10が地域病院システム3の内部装置であってもよいし、基幹連携装置20が基幹病院システム4の内部装置であってもよい。
【0060】
また、地域連携装置10及び基幹連携装置20として、それぞれクラウドコンピューティングサービスで提供されるコンピュータリソースが用いられてもよい。また、情報連携システム5に地域病院システム3及び基幹病院システム4が含まれていてもよい。いずれの場合も、情報連携システム5が、地域病院システム3側のインターフェースである第1連携部と、基幹病院システム4側のインターフェースである第2連携部を備えていればよい。
【0061】
[2-2]地域病院システム及び基幹病院システム
地域病院システム3及び基幹病院システム4が備えるシステム等は、図1に表すものに限らない。例えば、オーダリングシステム、医事会計システム、看護支援システム、検査システム(臨床検査、細菌検査、病理検査及び生体検査等)、画像診断システム、薬剤部門システム及びリハビリレーションシステム等が備えられていてもよい。要するに、患者に関する情報を保持するシステムであれば、どのようなシステムが備えられていてもよい。
【0062】
[2-3]予約方法
基幹病院の診療科の医師又は医療機器を用いての検査を予約する方法として、実施例では、予約可能な時間帯の多さを「○」「△」「×」で表して全ての日程について表示して予約したい日程を選択させたが、この方法に限らない。
【0063】
例えば、地域病院の医師が診療科の医師又は医療機器を指定すると、候補日程取得部202が、それらの医師又は医療機器を用いての検査の予約可能な日程及び時間帯を取得して、紹介画面処理部101がそれらの日程及び時間帯の一覧を表示してもよい。この方法では、実施例の予約方法と違って予約できない時間帯は表示されない。
【0064】
また、例えば、複数の医師又は医療機器が指定された場合に、候補日程取得部202が、それら複数の医師又は医療機器を用いての検査で共通して予約可能な日程及び時間帯を取得して、紹介画面処理部101がそれらの日程及び時間帯の一覧を表示してもよい。なお、共通して予約可能な日程及び時間帯ではなく、連続して予約可能な時間帯を候補日程取得部202が取得して紹介画面処理部101が表示してもよい。
【0065】
また、候補日程取得部202は、紹介する患者について既に或る医師又は或る医療機器を用いての検査の予約が基幹病院において入っている場合に、その医師又は医療機器を用いての検査が予約された時間帯と共通又はその前後の時間帯を候補日程取得部202が取得して紹介画面処理部101が表示してもよい。以上の構成により、或る患者について複数の予約を行う場合に、それらの予約の時間帯を近づけることが容易になる。
【0066】
[2-4]予約可能な日程及び時間帯
基幹病院において、医師又は医療機器を用いての検査の予約可能な日程及び時間帯に関し、例えば基幹病院と契約している地域病院から紹介される患者の診察等のための日程及び時間帯と、基幹病院の既存の患者の診察等のための日程及び時間帯が区別されている場合がある。実施例ではそれらの日程及び時間帯の区別については考慮されていないが、考慮する構成が採用されてもよい。具体的には、基幹病院システム4の予約システム43が、紹介患者の診察等のために確保されている日程及び時間帯と、既存患者の診察等のために確保されている日程及び時間帯とを区別して管理し、基幹病院の予約画面(図6参照)には地域病院から紹介される患者の診察等のための日程及び時間帯に関し、「○」「△」「×」で空き具合が表示されるように構成されるとよい。
【0067】
本発明は、地域連携装置10及び基幹連携装置20のような情報処理装置の他、それらの情報処理装置を備える情報処理システム(医療施設間連携システム1がその一例)としても捉えられる。また、それらの情報処理装置が実施する処理を実現するための情報処理方法やそれらの装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。これらのプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。
【0068】
[2-5]医師向けの画面
医療施設間連携システム1を利用する地域病院の医師及び基幹病院の医師に、共通の画面が提供されてもよい。
図10は本変形例の各装置が実現する機能構成を表す。図10では、図3に表す紹介状表示部205に代えて紹介画面処理部207及びカルテ連携部208を備える基幹連携装置20aが表されている。
【0069】
基幹連携装置20の紹介画面処理部207は、基幹病院システム4に保存されている患者に関する複数項目の情報である患者情報を、基幹病院システム4のユーザ(例えば医師)の画面に表示させる。また、紹介画面処理部207は、地域連携装置10が送信して連携情報送受信部201が受信した患者情報を表示装置に表示させる。紹介画面処理部207は本発明の「表示制御部」の一例である。
【0070】
図11は表示されたユーザ画面の一例を表す。図11の例では、紹介画面処理部207は、医療施設間連携システムのユーザ画面G11を表示させている。紹介画面処理部207は、固定領域E1に、基本情報欄A11と、診療記録欄A12と、保険情報欄A13とを表示させている。また、紹介画面処理部207は、指定領域E2に、診療情報・診療依頼の表示欄A14と、問診内容の表示欄A15とを表示させている。紹介画面処理部207は、これらの各欄に加え、入力完了ボタンB11が含まれたユーザ画面G11を表示させている。
【0071】
基本情報欄A11は、表示情報固定部患者の基本情報を表示するための表示欄である。診療記録欄A12は、患者の診療記録を表示するための表示欄である。保険情報欄A13は、患者の保険情報を表示するための表示欄である。診療情報・診療依頼の表示欄A14は、紹介元医師からの当該患者に行ってきた診療行為の記載(診療情報提供)と診療依頼内容の表示欄である。問診内容の表示欄A15は、医師や看護師に伝える患者の特記すべき情報(問診内容:問診を含む診療記録のこと)の記載を並列において医師の診療を支援する情報の表示欄である。
【0072】
患者の基本情報、患者の診療記録、患者の保険情報、問診の入力結果及び診察記録は、いずれも患者に関する複数項目の情報を含む患者情報である。紹介画面処理部207は、固定領域E1に、固定された種類の患者情報を常に表示させる。固定された種類の患者情報は、図11の例であれば、基本情報欄A11、診療記録欄A12及び保険情報欄A13に表示させる患者情報である。
【0073】
図12は基本情報欄A11を拡大して表す。紹介画面処理部207は、基本情報欄A11に、患者ID、氏名、性別、生年月日、住所、連絡先、希望診療科及び予約日を表示させている。
【0074】
図13は診療記録欄A12を拡大して表す。紹介画面処理部207は、診療記録欄A12に、障害情報、アレルギー情報、感染情報、職種コメント、薬剤禁忌情報、食物禁忌情報、体内金属情報及び造影禁忌情報を表示させている。
【0075】
図14は保険情報欄A13を拡大して表す。紹介画面処理部207は、保険情報欄A13に、保険証番号、公費受給者番号、有効/無効及び主保険を表示させている。
【0076】
一方、紹介画面処理部207は、指定領域E2に、ユーザ(主に医師)によって指定された種類の患者情報を表示させる。指定された種類の患者情報は、図11の例であれば、診療情報・診療依頼の表示欄A14及び問診内容の表示欄A15に表示させる患者情報である。紹介画面処理部207は、ユーザによって別の患者情報の種類が指定された場合、その指定された種類の患者情報を指定領域E2に表示させる。
【0077】
図15は指定された別の種類の患者情報の一例を表す。図15の例では、紹介画面処理部207は、図11の例と同様に、固定領域E1に、基本情報欄A11と、診療記録欄A12と、保険情報欄A13とを表示させている。また、紹介画面処理部207は、図11の例とは異なり、指定領域E2に、新たにユーザによって指定された紹介元診療記録の表示欄A16と、診療記録の記載欄A17とを表示させている。
【0078】
紹介元診療記録の表示欄A16は、紹介元医師からの診療記録概要(診療情報提供書)を表示するための表示欄である。診療記録の記載欄A17は、紹介を受けた医師が当該患者に対する診療記録を記載する記載欄である。以上のとおり、紹介画面処理部207は、患者情報のうちユーザにより指定された項目の情報を、画面上の予め定められた位置に配置される指定領域E2に表示させる。また、紹介画面処理部207は、患者情報のうち予め定められた項目の情報を、指定領域E2とは異なる位置に配置される固定領域E1に、指定領域E2に表示される患者情報が変化しても表示させ続ける。
【0079】
また、固定領域E1には、診療記録欄A12に表示される情報、すなわち、障害情報、アレルギー情報、感染情報、職種コメント、薬剤禁忌情報、食物禁忌情報、体内金属情報及び造影禁忌情報という必ず診察及び調剤等において考慮すべき情報が表示されている。つまり、紹介画面処理部207は、各々が患者情報の一部を含む複数の画面(例えば図11の画面及び図15の画面)を順次切り替えて表示装置に表示させるときに、その患者情報に含まれる患者の身体に関する所定の項目の情報(禁忌情報等)を複数の画面の各々に表示させる。
【0080】
また、紹介画面処理部207は、複数の画面を順次切り替えて表示装置に表示させるときに、上述した所定の項目の情報を複数の画面の各々の共通する位置に配置された領域に表示させる。図11図15の例では、紹介画面処理部207は、位置、形状及び大きさも共通する診療記録欄A12に所定の項目の情報を表示させる。基幹病院システム4の紹介画面処理部207だけでなく、地域病院システム3の紹介画面処理部101も、紹介画面処理部207と同様に、固定領域E1及び指定領域E2への表示制御を行う。
【0081】
従って、紹介画面処理部101は、各々が患者情報の一部を含む複数の画面を順次切り替えて表示装置に表示させるときに、その患者情報に含まれる患者の身体に関する所定の項目の情報(禁忌情報等)を複数の画面の各々に表示させる。また、紹介画面処理部101は、複数の画面を順次切り替えて表示装置に表示させるときに、上述した所定の項目の情報を複数の画面の各々の共通する位置に配置された領域(例えば診療記録欄A12)に表示させる。
【0082】
医療施設間連携システム1においては、実施例で述べたように、地域病院システム3及び基幹病院システム4に保存されている患者情報が同期される。そのため、紹介画面処理部101及び紹介画面処理部207が表示する患者情報は、地域病院システム3及び基幹病院システム4の両システムに保存されている、患者に関する複数項目の情報となる。
【0083】
紹介画面処理部101は、患者情報とともに、診療情報・診療依頼の表示欄A14、すなわち、紹介元医師からの当該患者に行ってきた診療行為の記載(診療情報提供)と診療依頼内容の表示欄を表示させる。紹介画面処理部101は、診療情報・診療依頼の表示欄A14に表示された診療情報・診療依頼を例えばカルテ連携部104に供給する。
【0084】
カルテ連携部104は、供給された診療情報・診療依頼を該当する患者の患者情報として地域病院システム3の電子カルテシステム32に記憶させる。また、紹介画面処理部101は、患者に対して過去に行われた問診等の診療記録を問診内容の表示欄A15に表示させる。ここでいう問診内容には、地域病院の医師が行った問診の記録はもちろん、基幹病院の医師が行った問診の記録も含まれる。
【0085】
地域病院の医師が行った問診は上記のとおり地域病院システム3の電子カルテシステム32に患者情報として記憶されているが、基幹病院の医師が行った問診内容も、後述するように地域病院システム3の電子カルテシステム32に患者情報として記憶される。紹介画面処理部101は、カルテ連携部104を介して該当する患者の問診記録(地域病院の医師が行った問診及び基幹病院の医師が行った問診)を読み出して表示させる。
【0086】
紹介画面処理部101は、上記のとおり表示させた患者情報を、連携情報送受信部105に供給する。連携情報送受信部105は、供給された患者情報、すなわち、紹介画面処理部101により表示された患者情報を基幹病院システム4に送信する。連携情報送受信部105が送信した患者情報は、基幹連携装置20aが備える連携情報送受信部201が受信する。
【0087】
連携情報送受信部201は、地域連携装置10から送信されてきた患者情報を患者情報連携部204又はカルテ連携部208に供給する。患者情報連携部204は供給された患者情報を基幹病院システム4に保存し、既に該当する患者情報がある場合にはそれを更新する。カルテ連携部208は、患者情報のうち電子カルテの情報に該当するものとして、例えば、診察結果を電子カルテシステム42に記憶させる。
【0088】
基幹連携装置20aの紹介画面処理部207は、上記のとおり基幹病院システム4に保存されている患者情報を読み出して、読み出した患者情報を基幹病院システム4のユーザ画面に表示させる。紹介画面処理部207が表示する項目及びレイアウトは、地域連携装置10の紹介画面処理部101が表示する項目及びレイアウトと共通である。これにより、紹介画面処理部207が表示する患者情報の画面と、紹介画面処理部101が表示する患者情報の画面とにおいて、表示される項目及びレイアウトが共通になる。
【0089】
紹介画面処理部207は、患者情報とともに、基幹病院における問診等の診療記録の表示欄である問診内容の表示欄A15を表示させる。紹介画面処理部207は、表示させた問診内容の表示欄A15に表示された問診等の診療記録をカルテ連携部208に供給する。カルテ連携部208は、紹介画面処理部207から供給された問診等の診療記録を該当する患者の電子カルテの情報として電子カルテシステム42に記憶させる。このようにして、基幹病院の医師の問診等の診療記録が患者情報として基幹病院システム4に保存される。
【0090】
紹介画面処理部207は、表示させた問診内容の表示欄A15に表示された問診等の診療記録を連携情報送受信部201に供給する。連携情報送受信部201は、供給された問診等の診療記録を患者情報として地域病院システム3に送信する。地域病院システム3の連携情報送受信部105は、受信した問診等の診療記録を、カルテ連携部104を介して電子カルテシステム32に記憶させる。
【0091】
このようにして、基幹病院の医師の問診等の診療記録が患者情報として地域病院システム3にも保存される。以上のとおり、本変形例では、地域病院の医師の問診等の診療記録及び基幹病院の医師の問診等の診療記録が、いずれも地域病院システム3及び基幹病院システム4の両方に保存される。これにより、地域病院の医師及び基幹病院の医師は、互いに行った問診等の診療記録を共有することができる。
【0092】
また、上記のとおり固定領域E1に予め定められた患者情報が表示されることで、地域病院の医師は自分が紹介した患者について、基幹病院の医師は地域病院の医師から紹介された患者について、その患者に関連する情報を常に見ながら診察を行うことができる。このように、本変形例によれば、医療施設間で患者を紹介した際の医療施設における施療の連携を円滑にするとともに地域での医療の継続性、連続性を包括的に支援することができる。
【0093】
[2-6]共通する位置への配置
紹介画面処理部207は、上述した所定の項目の情報を複数の画面の各々の共通する位置に配置された形状及び大きさが同じ領域である表示欄に表示させた。紹介画面処理部207は、これらの表示欄の形状及び大きさについては、例えば表示させる患者情報の文字数に応じて変更してもよい。
【0094】
図16は本変形例で表示される固定領域E1の例を表す。図16(a)では、図11及び図15に表された基本情報欄A11、診療記録欄A12及び保険情報欄A13が表されている。紹介画面処理部207は、各表示領域の左上の角の画面上の座標D11、D12及びD13を記憶しておく。このうちの診療記録欄A12に表示される患者情報は、上述した障害情報、アレルギー情報、感染情報、職種コメント、薬剤禁忌情報、食物禁忌情報、体内金属情報及び造影禁忌情報という診察及び調剤等において考慮すべき情報である。
【0095】
これらの患者情報は、患者によって文字数がかなり変動する。例えば薬剤禁忌情報は、禁忌となる薬剤が全くない患者もいれば、禁忌となる薬剤が多数存在する患者もいる。紹介画面処理部207は、図16(a)に表す患者よりも診療記録欄A12に表示される患者情報の文字数が多い患者の場合、図16(b)に表すように、座標D11、D12及びD13は共通にしておきながら、診療記録欄A12の形状及び大きさを変化させ、患者情報を全て表示させるようにしている。
【0096】
また、紹介画面処理部207は、保険情報については文字数が大きく変わらないが、診療記録欄A12に縦の長さを合わせた保険情報欄A13を表示させている。なお、地域病院システム3の紹介画面処理部101も、紹介画面処理部207と同様に、表示欄の位置は共通にしておきながら、それらの表示欄の形状及び大きさについては、例えば表示させる患者情報の文字数に応じて変更してもよい。
【0097】
このように表示欄の形状及び大きさを変化させることで、どの患者についても必要な患者情報を全て表示させることができる。また、各表示欄の左上角の位置を共通にしているので、患者の基本情報、診療記録、保険情報を見たい場合にいつも同じ位置に表示されているので、表示欄の位置が決まっていない場合に比べて、それらの情報を見つけやすくすることができる。
【符号の説明】
【0098】
1…医療施設間連携システム、3…地域病院システム、4…基幹病院システム、5…情報連携システム、10…地域連携装置、20…基幹連携装置、31…患者情報管理システム、32…電子カルテシステム、33…予約システム、34…初診受付機、35…再診受付機、41…患者情報管理システム、42…電子カルテシステム、43…予約システム、44…初診受付機、45…再診受付機、101…紹介画面処理部、102…紹介状生成部、103…患者情報連携部、104…カルテ連携部、105…連携情報送受信部、201…連携情報送受信部、202…候補日程取得部、203…予約反映部、204…患者情報連携部、205…紹介状表示部、206…結果情報取得部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16