(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】デジタルロック
(51)【国際特許分類】
E05C 19/16 20060101AFI20230425BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20230425BHJP
E05B 41/00 20060101ALI20230425BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20230425BHJP
E05B 17/20 20060101ALI20230425BHJP
E05B 17/22 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
E05C19/16 C
E05B47/00 M
E05B47/00 H
E05B47/00 A
E05B41/00 F
E05B49/00 J
E05B49/00 S
E05B49/00 G
E05B49/00 K
E05B17/20 E
E05B17/22 B
(21)【出願番号】P 2020535181
(86)(22)【出願日】2019-02-04
(86)【国際出願番号】 FI2019050078
(87)【国際公開番号】W WO2019162560
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522061763
【氏名又は名称】イロク オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】プカリ,ミカ
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03118977(EP,A1)
【文献】実開昭48-027294(JP,U)
【文献】特開2012-083997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの磁石を備える
一体型のデジタルロック(100、1001、1002)であって、一方の磁石は半硬質磁石(310)であり、他方の磁石は硬質磁石(320)であり、前記硬質磁石(320)は、
前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠又は施錠するべく移動するように構成され、
前記半硬質磁石(310)が、磁化コイル(250)の内部にあり、前記硬質磁石(320)の保磁力よりも低い、随意的に前記硬質磁石(320)の保磁力の少なくとも1/5未満の保磁力を有し、前記半硬質磁石(310)と前記硬質磁石(320)は、互いに隣接するように構成され、前記半硬質磁石(310)の磁化分極の変化が、
前記デジタルロック(100、1001、1002)の軸の運動を機械的に可能にするか又は防止することによって、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠及び施錠するべく前記硬質磁石(320)を押して引くように構成され
、前記デジタルロック(100、1001、1002)の施錠又は解錠は、クラウドサーバで認証される、ユーザに関する識別情報を前記ユーザが入力することを可能にするモバイルスマートフォンアプリケーションで可能にされることを特徴とする、デジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項2】
前記デジタルロック(100、1001、1002)の休止状態が、ロックされた状態であり、前記デジタルロック(100、1001、1002)が、ロックされた状態(300)に戻るように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項3】
前記デジタルロック(100、1001、1002)の休止状態が、解錠された状態であり、前記デジタルロック(100、1001、1002)が、解錠可能な状態(400)に戻るように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項4】
前記デジタルロック(100、1001、1002)が、NFC、ソーラーパネル、ユーザの筋力、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される自己給電式ロックであることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項5】
前記デジタルロック本体が、第1の軸(120)、第2の軸(130)、及び前記第1の軸(120)に接続されたユーザインターフェース(140)を備え、前記半硬質磁石(310)と前記硬質磁石(320)が前記第1の軸(120)の内部にあることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項6】
前記デジタルロック(100
、1001、1002)が、前記第2の軸(130)のノッチ(330)を前記硬質磁石(320)が前記ノッチ(330)に入る定位置に位置決めするように構成された位置センサ(240)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項7】
前記デジタルロック電子装置が、通信バス(220)を介して識別装置(210)に接続され、前記識別装置(210)は、電子キー、電子タグ、指紋、磁気ストライプ、NFC電話のいずれかによってユーザを識別するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項8】
前記ロックされた状態(300)において、前記硬質磁石(320)は、前記第1の軸(120)の内部にあるように構成され、前記第2の軸(130)は回転せず、前記ユーザインターフェース(150)は回転することを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項9】
前記解錠可能な状態(400)において、前記硬質磁石(320)が前記第2の軸(130)のノッチ(330)に突き出ることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項10】
前記デジタルロック(100
、1001、1002)の不正な解錠を防ぐために、前記デジタルロック(100
、1001、1002)が、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は前記第1の軸(120)があまりに速く回されるときのいずれかにおいて、前記ロック本体(110)のノッチ(520)に突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピン(500)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項11】
前記阻止ピン(500)が、あらゆる異なる角度から前記ロック本体(110)に突き出ることができることを特徴とする、請求項
10に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項12】
前記半硬質磁石(310)がアルニコで作製され、前記硬質磁石(320)がSmCoで作製されることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項13】
前記デジタルロック(100、1001、1002)が、ロックシステムに取り付けられたレバー(810)又はノブ(840)の機械的運動により給電される、又は電子デジタルキーの挿入により給電されることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100、1001、1002)。
【請求項14】
少なくとも2つの磁石を備える
一体型のデジタルロック(100、1001、1002)の動作を制御するように構成されたソフトウェアプログラム製品(1100)であって、
一方の磁石は半硬質磁石(310)であり
他方の磁石は硬質磁石(320)であり、
前記ソフトウェアプログラム製品(1100)は、前記デジタルロック(100、1001、1002)を動作させるように構成された処理モジュール(1200
)を備え、前記処理モジュール
は、
ユーザインターフェースから入力を受信するように構成された入力モジュール(1210)と、
前記ユーザインターフェース(140)によって受信された入力を認証するように構成された認証モジュール(1220)と、
1人以上のユーザの識別情報を格納するためのデータベース(1230)と、
ユーザの識別の成功に応答して前記半硬質磁石(310)の磁化分極を変化させるために磁化コイル(250)に給電するべく電源を制御するように構成され、且つ、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠又は施錠するべく前記硬質磁石(320)を制御するように構成された出力モジュール(1240)であって、
前記半硬質磁石(310)が、前記磁化コイル(250)の内部にあり、前記磁化コイル(250)が、前記硬質磁石(320)の保磁力よりも低い、随意的に前記硬質磁石(320)の保磁力の少なくとも1/5未満の保磁力を有する前記半硬質磁石(310)の磁化のために、前記出力モジュール(1240)によって制御され、前記半硬質磁石(310)と前記硬質磁石は互いに隣接するように構成され、前記出力モジュール(1240)は、
前記デジタルロック(100、1001、1002)の軸の運動を機械的に可能にするか又は防止することによって、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠及び施錠するべく前記硬質磁石(320)を押し引きして前記半硬質磁石(310)の磁化分極を変化させるように構成され
、前記デジタルロック(100、1001、1002)の施錠又は解錠は、クラウドサーバで認証される、ユーザに関する識別情報を前記ユーザが入力することを可能にするモバイルスマートフォンアプリケーションで可能にされる、出力モジュール(1240)と、
を備えることを特徴とする
、ソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項15】
前記デジタルロック(100、1001、1002)の休止状態が、ロックされた状態であり、前記出力モジュール(1240)は、前記デジタルロック(100、1001、1002)をロックされた状態(300)に戻るように構成することを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項16】
前記デジタルロック(100、1001、1002)の休止状態が、解錠された状態であり、前記出力モジュール(1240)は、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠可能な状態(400)に戻るように構成することを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項17】
前記デジタルロック(100、1001、1002)が、NFC、ソーラーパネル、ユーザの筋力、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される自己給電式ロックであることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項18】
前記デジタルロック本体が、第1の軸(120)、第2の軸(130)、及び前記第1の軸(120)に接続されたユーザインターフェース(140)を備え、前記半硬質磁石(310)と前記硬質磁石(320)が前記第1の軸(120)の内部にあることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項19】
前記デジタルロック(100
、1001、1002)が、前記第2の軸(130)のノッチ(330)を前記硬質磁石(320)が前記ノッチ(330)に入る定位置に位置決めするように構成された位置センサ(240)を備えることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項20】
前記デジタルロック電子装置が、通信バス(220)を介して識別装置(210)に接続され、前記識別装置(210)は、電子キー、電子キータグ、指紋、磁気ストライプ、NFCデバイスのいずれかによってユーザを識別するように構成されることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項21】
前記ロックされた状態(300)において、前記硬質磁石(320)は、前記第1の軸(120)の内部にあるように構成され、前記第2の軸(130)は回転せず、前記ユーザインターフェース(150)は回転することを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項22】
前記解錠可能な状態(400)において、前記硬質磁石(320)が前記第2の軸(130)のノッチ(330)に突き出ることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項23】
前記デジタルロック
(100、1001、1002)の不正な解錠を防ぐために、前記デジタルロック(100
、1001、1002)が、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は前記第1の軸があまりに速く回されるときのいずれかにおいて、前記ロック本体(110)のノッチ(520)に突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピン(500)を備えることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項24】
前記デジタルロック(100、1001、1002)が、ロックシステムに取り付けられたレバー(810)又はノブ(840)の機械的運動により給電される、又は電子デジタルキーの挿入により給電されることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品(1100)。
【請求項25】
前記ソフトウェアプログラム製品(1100)が、前記デジタルロック(100、1001、1002)のロックされた状態(300)及び/又は解錠可能な状態(400)の通知をもたらす命令
を備えることを特徴とする、請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品
(1100)。
【請求項26】
一体型のデジタルロック(100、1001、1002)を制御する方法であって、前記方
法は、
少なくとも2つの磁石を設けることであって、一方の磁石は半硬質磁石(310)であり、他方の磁石は硬質磁石(320)であり、前記硬質磁石(320)は、
前記デジタルロック(100、1001、1002)の部品の運動を機械的に可能にするか又は防止することによって、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠又は施錠するように構成されることを特徴とす
ることと、
前記半硬質磁石(310)を磁化コイル(250)の内部にあるように構成することであって、前記半硬質磁石が、前記硬質磁石(320)の保磁力よりも低い、随意的に前記硬質磁石(320)の保磁力の少なくとも1/5未満の保磁力を有することと、
前記半硬質磁石(310)と前記硬質磁石を互いに隣接するように構成することと、前記半硬質磁石(310)の磁化分極の変化を、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠及び施錠するべく前記硬質磁石(320)を押す又は引くように構成すること
であって、前記デジタルロック(100、1001、1002)の施錠又は解錠は、クラウドサーバで認証される、ユーザに関する識別情報を前記ユーザが入力することを可能にするモバイルスマートフォンアプリケーションで可能にされることと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記デジタルロック(100、1001、1002)の休止状態がロックされた状態であるとき、前記デジタルロック(100、1001、1002)をロックされた状態(300)に戻るように構成することを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項28】
前記デジタルロック(100、1001、1002)の休止状態が解錠された状態であるとき、前記デジタルロック(100、1001、1002)を解錠可能な状態(400)に戻るように構成することを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項29】
前記デジタルロック(100、1001、1002)を、NFC、機械的運動、ソーラーパネル、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される自己給電式ロックであるように構成することを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項30】
第1の軸(120)、第2の軸(130)、及び前記第1の軸(120)に接続されたユーザインターフェース(140)をさらに備え、前記半硬質磁石(310)と前記硬質磁石(320)が前記第1の軸(120)の内部にあることを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の軸(130)のノッチ(330)を前記硬質磁石(320)が前記ノッチ(330)に入る定位置に位置決めするように構成された位置センサ(240)をさらに備えることを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項32】
通信バス(220)を介して前記デジタルロック電子装置を識別装置(210)に接続し、前記識別装置(210)は、電子キー、電子キータグ、電子タグ、指紋、磁気ストライプ、NFC電話のいずれかによってユーザを識別するように構成されることを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項33】
前記硬質磁石(320)を前記第1の軸(120)の内部にあるように構成することが、ロックされた状態(300)を生み出し、前記第2の軸(130)は回転せず、前記ユーザインターフェース(150)は回転することを特徴とする、請求項
26に記載の方法
。
【請求項34】
前記硬質磁石(320)が前記第2の軸(130)のノッチ(330)に突き出ることが、解錠可能な状態(400)を生み出すことを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項35】
前記デジタルロック(100
、1001、1002)の不正な解錠を防ぐために、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は前記第1の軸があまりに速く回されるときのいずれかにおいて、前記デジタルロック(100
、1001、1002)の少なくとも1つの阻止ピン(500)を前記ロック本体のノッチ(110)に突き出るように構成することを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【請求項36】
前記硬質磁石(320)が、前記半硬質磁石(310)に反発して重力の方向に平行であるが反対方向の、垂直方向上方にノッチ(330)に入り、前記ノッチ(330)と係合することにより前記
デジタルロック
(100、1001、1002)を解錠可能な状態に変化させ、前記デジタルロック
(100、1001、1002)がロックされた状態のとき、重力により前記ノッチ(330)から前記半硬質磁石(310)の方へ落下するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のデジタルロック(100
、1001、1002)。
【請求項37】
前記硬質磁石(320)が、前記半硬質磁石(310)に反発して重力の方向に平行であるが反対方向の、垂直方向上方にノッチ(330)に入り、前記ノッチ(330)と係合することにより前記
デジタルロック
(100、1001、1002)を解錠可能な状態に変化させ、前記デジタルロック
(100、1001、1002)がロックされた状態のとき、重力により前記ノッチ(330)から前記半硬質磁石(310)の方へ落下するように構成されることを特徴とする、デジタルロックを制御するように構成された請求項
14に記載のソフトウェアプログラム製品
(1100)。
【請求項38】
前記硬質磁石(320)が、前記半硬質磁石(310)に反発して重力の方向に平行であるが反対方向の、垂直方向上方にノッチ(330)に入り、前記ノッチ(330)と係合することにより前記
デジタルロック
(100、1001、1002)を解錠可能な状態に変化させ、前記デジタルロック
(100、1001、1002)がロックされた状態のとき、重力により前記ノッチ(330)から前記半硬質磁石(310)の方へ落下することを特徴とする、請求項
26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ロックに関し、より具体的には、ドア用のデジタルロックに関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械式ロックは、従来の機械式ロックに置き換わっている。電気機械式ロックは、磁場力又は電流を用いて操作されるロック装置である。電気機械式ロックは、ロックに電子制御アセンブリが直接マウントされた独立型である場合がある。さらに、電気機械式ロックは、電力を供給又は除去することによりロックを作動させるために磁石、ソレノイド、又はモータを用いる。電気機械式ロックは、ロックされた状態とロック解除された状態との間で動作するように構成される。一般に、電気機械式ロックのロックされた状態では、電気機械式ロックをロックされた状態に保つために電磁石への電力の一定の供給が存在する。加えて、モータの使用に起因して、電気機械式ロックによるエネルギーの消費は多い。
【0003】
しかしながら、電気機械式ロックには、モータの電気接触の不良のリスク、並びに、ギヤ及びモータベアリングの汚染のリスクがある。電気機械式ロックの侵入セキュリティは、それらを解錠可能な状態に構成することにより簡単に破られることがあるので、電気機械式ロックはあまり安全ではない。さらに、電気機械式ロックは、サイズがより大きく、実装が容易ではない。電気機械式ロックの製造コスト及び組み立てコストは高価である。電気機械式ロックによるエネルギー消費は、電気機械式ロックがロックされた状態のときに電気機械式ロックが電気を消費するため、より高い。
【0004】
磁場力を用いる電気機械式ロックが、EP3118977A1(欧州特許出願公開第3118977号)で開示されている。この文書は、参照としてここに引用される。
【0005】
消費電力の少ない電磁式ロックが、US20170226784A1(米国特許出願公開第2017/0226784号)で開示されている。この文書も、参照としてここに引用される。
【0006】
超低エネルギー消費のパルス制御マイクロ流体アクチュエータが、Sensors and Actuators A 263(2017)8-22で開示されている。この文書も、参照としてここに引用される。
【0007】
しかしながら、従来技術のロックは、多くの不必要な部品を有し、ロックされた状態で多くのエネルギーを消費することに欠点がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上記の従来技術における上述の欠点に対処し、改善することである。
【0009】
本発明の目的は、ロックされた状態のときのロックのエネルギー消費を低減することである。
【0010】
本発明の目的は、磁石を用いてデジタルロックの動作を制御することである。デジタルロックは、少なくとも2つの磁石を含む。磁石は、デジタルロックのロック及び/又はロック解除に関与する。デジタルロックは、NFC(近距離無線通信)、ソーラーパネル、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される、グリッド電力とは独立した自己給電式の独立型ロックであるか、又はユーザの筋肉により給電される(ユーザ給電)。
【0011】
本発明の一態様では、デジタルロックは、磁化コイル内の半硬質磁石と、デジタルロックを解錠又は施錠するように構成された硬質磁石を含む。半硬質磁石と硬質磁石は互いに隣接して配置される。半硬質磁石の磁化極性の変化が、デジタルロックを解錠又は施錠するべく硬質磁石を押す又は引くように構成される。
【0012】
本発明のさらなる態様では、デジタルロックは、第1の軸、第2の軸、及びロック本体の外面に取り付けられ、第1の軸に接続されたユーザインターフェースを備える。半硬質磁石と硬質磁石は第1の軸の内部にある。デジタルロックは、第2の軸のノッチを硬質磁石がノッチに入る定位置に位置決めするように構成された位置センサも備える。
【0013】
本発明の別の態様では、デジタルロックは、ロック本体のノッチに突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピンを備える。阻止ピンは、様々な角度からロック本体から突き出ることができる。
【0014】
本発明の別の態様では、デジタルロックの休止状態を、ロックされた状態とするとき、デジタルロックは、ロックされた状態に戻るように構成される。また、デジタルロックの休止状態を、解錠可能な状態とするとき、デジタルロックは、解錠可能な状態に戻るように構成される。ロックされた状態では、硬質磁石は、第1の軸の内部にあるように構成され、第2の軸は回転せず、ユーザインターフェースは自由に回転する。解錠可能な状態では、硬質磁石は、第2の軸のノッチに突き出る。
【0015】
少なくとも2つの磁石を備えるデジタルロックであって、一方の磁石は半硬質磁石であり、他方の磁石は硬質磁石であり、硬質磁石は、デジタルロックを解錠又は施錠するべく移動するように構成されることを特徴とするデジタルロック。
【0016】
少なくとも2つの磁石を備えるデジタルロックの動作を制御するように構成されたソフトウェアプログラム製品であって、
一方の磁石は半硬質磁石であり、
他方の磁石は硬質磁石であり、
デジタルロックの動作を制御するように構成された処理モジュール、
を備え、前記処理モジュールが、
ユーザインターフェースから入力を受信するように構成された入力モジュールと、
ユーザインターフェースによって受信された入力を認証するように構成された認証モジュールと、
1人以上のユーザの識別情報を格納するためのデータベースと、
ユーザの識別の成功に応答して半硬質磁石の磁化分極を変化させるために磁化コイルに給電するべく電源を制御するように構成され、且つ、デジタルロックを解錠又は施錠するべく硬質磁石を制御するように構成された出力モジュールと、
を備えることを特徴とするソフトウェアプログラム製品。
【0017】
デジタルロックを制御する方法であって、
少なくとも2つの磁石を設けることであって、一方の磁石は半硬質磁石であり、他方の磁石は硬質磁石であり、硬質磁石は、デジタルロックを解錠又は施錠するように構成されることを特徴とすること
を含む、方法。
【0018】
本発明は、多くの利点を有する。本発明は、結果として既存の電気機械式ロックに比べて安価なデジタルロックをもたらす。本発明のデジタルロックは、高価なモータとギヤのアセンブリの使用を排除する。加えて、デジタルロックは、サイズがより小さく、異なるロックシステムに実装するのがより容易である。デジタルロックは、デジタルロックがロックされた状態のときであっても、既存の機械式及び電気機械式ロックと比べて消費エネルギーが少ない。デジタルロックの製造プロセスは費用効果が高く、デジタルロックを構成する要素の数も少ない。デジタルロックの組み立てコストは費用効果が高い。デジタルロックは、広範囲の温度で動作可能であり、耐腐食性があるため、信頼性が高い。デジタルロックはロックされた状態に戻ることができるので、本発明のデジタルロックは安全にされる。
【0019】
本明細書で説明されるデジタルロックは技術的に高度であり、以下の利点がある:安全で、実装が容易で、サイズが小さく、費用効果が高く、信頼性が高く、エネルギー消費が少ない。
【0020】
本発明の最良の態様は、エネルギー消費の少ないモータなしのデジタルロックと考えられる。デジタルロックは、半硬質磁石の磁化に基づいて動作する。半硬質磁石の極性の変化は、半硬質磁石の周囲に存在する磁化コイルによって行われる。半硬質磁石の磁化の変化により、硬質磁石がデジタルロックのロック本体のノッチに押し込まれ又はノッチから引き出され、これによりデジタルロックが解錠される。最良の態様では、ロックされた状態は休止状態であり、デジタルロックのロックされた休止状態ではエネルギー消費がないため、デジタルロックを解錠するには、デジタルロックへのデジタルキーの挿入から又はNFCデバイスから得られる最小量のエネルギーで十分である。外部磁場、或いは外部からの打撃又は衝撃によってデジタルロックが改ざんされる場合、阻止ピンが作動することになる。さらに、デジタルロックに過剰な力が加わる場合、デジタルロックの軸が破損することになるか又はクラッチが存在してもよく、ピンに対するトルクを制限する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るデジタルロックの一実施形態10を実証するブロック図である。
【
図2】本発明に係るデジタルロックの一実施形態20を実証するブロック図である。
【
図3】本発明に係るロックされた状態のデジタルロックの一実施形態30を実証するブロック図である。
【
図4】本発明に係る解錠可能な状態のデジタルロックの一実施形態40を実証するブロック図である。
【
図5A】本発明に係る阻止ピンを有するデジタルロックの一実施形態50を実証するブロック図である。
【
図5B】本発明に係る阻止ピンとロック本体の複数のノッチとを有するデジタルロックの一実施形態51を実証するブロック図である。
【
図6A】本発明に係る硬質磁石とノッチの位置合わせプロセスを示すデジタルロックの一実施形態60を実証するブロック図である。
【
図6B】本発明に係る硬質磁石とノッチの位置合わせプロセスを示すデジタルロックの一実施形態60を実証するブロック図である。
【
図6C】本発明に係る硬質磁石とノッチの位置合わせプロセスを示すデジタルロックの一実施形態60を実証するブロック図である。
【
図7】本発明に係るデジタルロックを構成する磁化及び磁性材料を示す一実施形態70を実証するグラフ図である。
【
図8A】本発明に係るデジタルロックを動作させる種々の方法を示す一実施形態80を実証するブロック図である。
【
図8B】本発明に係るデジタルロックを動作させる種々の方法を示す一実施形態80を実証するブロック図である。
【
図8C】本発明に係るデジタルロックを動作させる種々の方法を示す一実施形態80を実証するブロック図である。
【
図9】本発明に係るデジタルロックを制御する方法の一実施形態90を実証する流れ図である。
【
図10】本発明に係るデジタルロックを磁化する方法の一実施形態91を実証する流れ図である。
【
図11】本発明に係るデジタルロックを制御するように構成されたソフトウェアプログラム製品の一実施形態92を実証するスクリーンショット図である。
【
図12】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態93を実証するスクリーンショット図である。
【
図13】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態94を実証するスクリーンショット図である。
【
図14】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態95を実証するスクリーンショット図である。
【
図15】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態96を実証するスクリーンショット図である。
【
図16】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態97を実証するスクリーンショット図である。
【
図17】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態98を実証するブロック図である。
【
図18】本発明に係る阻止ピンを有するデジタルロックの一実施形態99を実証するブロック図である。
【
図19】本発明に係るロックされた状態及び解錠可能な状態での磁化及び電力消費を示すデジタルロックの一実施形態101を実証するブロック図である。
【
図20】本発明に係るデジタルロックを動作させる方法の一実施形態102を実証する流れ図である。
【
図21】本発明に係るソフトウェアプログラム製品の一実施形態103を実証するスクリーンショット図である。
【
図22A】種々の実装シナリオでのデジタルロックのエネルギー消費を描画する本発明の一実施形態104を実証する図である。
【
図22B】種々の実装シナリオでのデジタルロックのエネルギー消費を描画する本発明の一実施形態104を実証する図である。
【
図22C】種々の実装シナリオでのデジタルロックのエネルギー消費を描画する本発明の一実施形態104を実証する図である。
【
図22D】種々の実装シナリオでのデジタルロックのエネルギー消費を描画する本発明の一実施形態104を実証する図である。
【
図22E】種々の実装シナリオでのデジタルロックのエネルギー消費を描画する本発明の一実施形態104を実証する図である。
【
図22F】種々の実装シナリオでのデジタルロックのエネルギー消費を描画する本発明の一実施形態104を実証する図である。
【
図23A】本発明に係る単軸回転デジタルロックの一実施形態105を実証するブロック図である。
【
図23B】本発明に係るロックされた状態の単軸回転デジタルロックの一実施形態106を実証するブロック図である。
【
図23C】本発明に係る解錠可能な状態の単軸回転デジタルロックの一実施形態107を実証するブロック図である。
【
図23D】本発明に係るロックされた状態、解錠可能な状態、及び解錠された状態を示す単軸回転デジタルロックの一実施形態108を実証するブロック図である。
【
図23E】本発明に係るロックされた状態、解錠可能な状態、及び解錠された状態を示す単軸回転デジタルロックの一実施形態108を実証するブロック図である。
【
図23F】本発明に係るロックされた状態、解錠可能な状態、及び解錠された状態を示す単軸回転デジタルロックの一実施形態108を実証するブロック図である。
【
図24A】本発明に係る単一直線軸デジタルロックの一実施形態109を実証するブロック図である。
【
図24B】本発明に係るロックされた状態の単一直線軸デジタルロックの一実施形態116を実証するブロック図である。
【
図24C】本発明に係る解錠可能な状態の単一直線軸デジタルロックの一実施形態111を実証するブロック図である。
【
図24D】本発明に係る解錠された状態の単一直線軸デジタルロックの一実施形態112を実証するブロック図である。
【
図25A】本発明に係る解錠可能な状態の単軸デジタルロックとそのオペレーティングソフトウェア及びユーザインターフェースの一実施形態113を実証するブロック図である。
【
図25B】本発明に係る解錠された状態の単軸デジタルロックとそのオペレーティングソフトウェア及びユーザインターフェースの一実施形態114を実証するブロック図である。
【
図26A】本発明に係るロックされた状態及び解錠可能な状態を示すデジタルロックの硬質磁石の一実施形態115を実証するブロック図である。
【
図26B】本発明に係るロックされた状態及び解錠可能な状態を示すデジタルロックの硬質磁石の一実施形態115を実証するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態のうちのいくつかは、従属請求項に記載されている。
【0023】
本開示は、ドアのロック及びロック解除のためのデジタルロックシステム、方法、及びソフトウェアプログラム製品を提供する。
【0024】
デジタルロックは、少なくとも2つの磁石を含む。一方の磁石は半硬質磁石であり、他方の磁石は硬質磁石である。硬質磁石は、デジタルロックを解錠又は施錠するように構成される。半硬質磁石と硬質磁石は互いに隣接して配置される。半硬質磁石の磁化極性の変化が、デジタルロックを解錠又は施錠するべく硬質磁石を押す又は引くように構成される。デジタルロックは、ロック本体のノッチに突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピンを含む。阻止ピンは、様々な角度からロック本体から突き出ることができる。外部磁場、或いは外部からの打撃又は衝撃によってデジタルロックが改ざんされる場合、阻止ピンが作動することになる。
【0025】
図1は、デジタルロック100の一実施形態10を実証するブロック図である。デジタルロック100は、モータなどの電気要素を必要とせずにドアを施錠及び解錠するように構成された低電力ロックであり得る。さらに、デジタルロック100は、ドアをロック及びロック解除するのにキーレスの利便性をユーザに提供する。デジタルロック100は、ドアをロック及びロック解除するために、指紋アクセス、スマートカードエントリ、又はキーパッドなどの支援技術を含み得る。
【0026】
例示した実施形態では、デジタルロック100は、ロック本体110、回転可能に構成された第1の軸120、回転可能に構成された第2の軸130、及びユーザインターフェース140を含む。第1の軸120と第2の軸130は、ロック本体110内に存在する。一例では、第1の軸120と第2の軸130は、回転可能に構成されたシャフトであり得る。加えて、ユーザインターフェース140は、デジタルロック100の第1の軸120に接続される。一実装では、ユーザインターフェース140は、ロック本体110の外面150に取り付けられる。一例では、ユーザインターフェース140は、ドアハンドル、ドアノブ、又はデジタルキーであり得る。例示した実施形態では、ユーザインターフェース140は、デジタルロック100をロック又はロック解除するのに用いられる物体であり得る。ユーザインターフェース140は、識別装置210を含み得る。
【0027】
実施形態10のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0028】
図2は、本発明に係るデジタルロック100の一実施形態20を実証するブロック図である。デジタルロック100は、通信バス220を介して識別装置210に接続された電子ロックモジュール200をさらに含む。通信バス220は、識別装置210と電子ロックモジュール200との間でデータを通信するように構成される。
【0029】
識別装置210は、キータグ、指紋、磁気ストライプ、及び/又は近距離無線通信(NFC)装置のいずれかによってユーザを識別するように構成される。識別装置210は、ユーザを識別し、上記の認証方法のいずれかからユーザを認証すると、デジタルロック100をロック又はロック解除するべくユーザがアクセスすることを可能にする。ユーザを認証する指紋法は、ユーザの指の摩擦隆線によって残された跡を認証することにより行われる。
【0030】
ユーザの指の跡が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された跡と閾値を超えて一致するとき、電子モジュール200は、通信バス220を介してユーザを認証する。このようなユーザの認証が、デジタルロック100のロック又はロック解除につながる。一例では、閾値は、指の跡の80パーセント一致として定義され得る。
【0031】
ユーザを認証する磁気ストライプ法は、磁気ストライプに格納された識別情報を認証することにより行われる。ユーザに関する磁性材料に記憶された識別情報が電子ロックモジュール200のデータベースに格納された識別情報と実質的に一致するとき、電子モジュール200は、通信バス220を介してユーザを認証し、それがデジタルロック100のロック又はロック解除につながる。一例では、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証するキータグ法は、磁気ストライプで用いられる方法と類似した方法である。ユーザを認証するキータグ法は、キータグに格納された識別情報を認証することにより行われる。ユーザに関するキータグに格納された識別情報が電子ロックモジュール200のデータベースに格納された識別情報と実質的に一致するとき、電子モジュール200は、通信バス220を介してユーザを認証し、それがデジタルロック100のロック又はロック解除につながる。
【0032】
いくつかの実施形態において、キー、タグ、キータグ、又はNFCデバイスは、高度暗号化(AES)規格又は類似の暗号化方法によってコピーガードされる。この暗号化規格は、参照としてここに引用される。
【0033】
デジタルロック100は、NFCソース、ソーラーパネル、電源、及び/又はバッテリのいずれかによってデジタルロック100に給電するための電源モジュール230を含む。いくつかの実施形態において、デジタルロックは、ユーザによるキー挿入からその動力を得てもよく、又はユーザが、デジタルロックに動力を与えるためにシステム上で別の方法で作業を行ってもよい。さらに、デジタルロック100は、第2の軸130のノッチ(図示せず)を位置決めするために構成された位置センサ240を含む。いくつかの実施形態は位置センサなしでも実現できるため、位置センサは随意的なものである。位置センサ240は、第2の軸130のノッチを可動磁石がノッチに入る定位置に位置決めするように電子ロックモジュール200に接続される。例示した実施形態では、第2の軸130のノッチが可動磁石に対して位置合わせされないとき、デジタルロック100はロックされた状態にある(
図3に示すように)。電子モジュール200は、非可動磁石260(
図3に示すように半硬質磁石とも呼ばれる)を磁化する磁化コイル250にエネルギーを与えるために電源モジュール230を用いる。より具体的には、電子ロックモジュール200は、非可動磁石260を磁化するために磁化コイル250と電気的に結合される。
【0034】
実施形態20のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0035】
図3は、本発明に係るロックされた状態300のデジタルロック100の一実施形態30を実証するブロック図である。デジタルロック100は、半硬質磁石310と、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成された硬質磁石320を含む。半硬質磁石310は、硬質磁石320に隣接して配置される。さらに、半硬質磁石310は、磁化コイル250の内部に存在する。本実装では、半硬質磁石310は、アルニコで構成され、硬質磁石320は、SmCoで構成される。特に、鉄合金で構成される半硬質磁石310は、鉄(Fe)に加えてアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びコバルト(Co)を含有する。一例では、半硬質磁石310は、銅とチタンも含有し得る。硬質磁石320は、サマリウム(Sm)とコバルト(Co)の合金で作製された永久磁石である。
【0036】
硬質磁石320は、いくつかの実施形態においてチタンカバーの内部で実現され得る。例えば、SmCo硬質磁石は、チタンケーシングの内部に配置することができる。ケーシング又はカバーは、好ましくは、硬質磁石320の機械的硬度及び強度を高めて、経時的な摩耗及び引裂きの影響を低減する。ケーシング又はカバーはまた、好ましくは、硬質磁石320の総重量を抑えるために重量が軽い材料で作製される。チタンだけでなく他の材料も、本発明に係るケーシング又はカバーを実現するのに用いられてよい。
【0037】
一例では、硬質磁石320は、磁化される必要がある半硬質磁石310とは異なり、磁化することができ、それ自体の永久磁場を生み出すことができる材料から作製された物体であり得る。
【0038】
半硬質磁石310は、磁化コイル250による半硬質磁石310の分極の変化に応答して、デジタルロック100を解錠又は施錠するべく硬質磁石320を押す又は引くように構成される。特に、デジタルロック100がロックされた状態300のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のN極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、半硬質磁石310と硬質磁石320は互いに引き寄せられる。このような配置の結果として、硬質磁石320は、デジタルロック100の第2の軸130のノッチ330には入らない。いくつかの実装において、半硬質磁石310及び硬質磁石320の極性は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のN極に面し、半硬質磁石310と硬質磁石320が互いに引き寄せられるような極性であってもよいことが理解されるであろう。
【0039】
一例では、デジタルロック100は、ロックされた状態300と解錠可能な状態(
図4に示すように)との間で動作すると考えられる。さらに、デジタルロックの休止状態100を、ロックされた状態300とするとき、デジタルロック100は、ロックされた状態300に戻るように構成される。一例では、デジタルロックの休止状態100は、システムが緩和する最も低いエネルギー状態として定義され得る。さらに、デジタルロック100がロックされた状態300のとき、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続されない。デジタルロック100がロックされた状態300のとき、硬質磁石320は、第1の軸120の内部にあるように構成される。このような条件では、第2の軸130は第1の軸120に接続されていないので回転せず、ユーザインターフェース140は回転する。しかしながら、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出ておらず、デジタルロック100がロックされた状態300であるため、回転は両方の軸の回転に変換されないので、ユーザはデジタルロック100を解錠することができない。
【0040】
実施形態30のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0041】
図4は、本発明に係る解錠可能な状態400のデジタルロック100の一実施形態40を実証するブロック図である。
図3に関して前述したように、デジタルロック100は、半硬質磁石310と、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成された硬質磁石320を含む。半硬質磁石310は、硬質磁石320に隣接して配置される。さらに、半硬質磁石310は、磁化コイル250の内部に存在する。半硬質磁石310は、磁化コイル250による半硬質磁石310の極性の変化があるときに、デジタルロック100を解錠又は施錠するべく硬質磁石320を押す又は引くように構成される。特に、デジタルロック100をロック解除するべくデジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、硬質磁石320が半硬質磁石310から反発する。このような配置の結果として、硬質磁石320がデジタルロック100の第2の軸130のノッチ330に入る。いくつかの実装において、半硬質磁石310及び硬質磁石320の極性は、半硬質磁石310のN極が硬質磁石320のN極に面し、硬質磁石320が半硬質磁石310から反発することになるような極性であってもよいことが理解されるであろう。
【0042】
デジタルロックの休止状態100を、解錠可能な状態400とするとき、デジタルロック100は、解錠可能な状態400に戻るように構成される。これは、例えば、ロックが、開かれる必要がある緊急ドアにある場合に有用である。
【0043】
さらに、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続される。デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出る。このような条件では、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出ているため、デジタルロック100が解錠可能な状態400にあるので、ユーザはデジタルロック100を解錠することができるであろう。
【0044】
本開示によれば、半硬質磁石310及び硬質磁石320は、デジタルロック100の第1の軸120の内部に配置される。半硬質磁石310は、第1の軸120内で硬質磁石320の下に配置される。磁化コイル250による半硬質磁石310の分極の変化により、硬質磁石320が反発して第2の軸130のノッチ330に入る。このような移動により、デジタルロック100が解錠可能な状態400へ変化し、デジタルロック100を解錠することができる。いくつかの代替的な実装では、半硬質磁石310は、硬質磁石320の上に配置されてもよいことが理解されるであろう。その場合、磁化コイル250による半硬質磁石310の分極の変化により、半硬質磁石310は第2の軸130のノッチ330に移動することができる。このような半硬質磁石310の第2の軸130のノッチ330への移動により、デジタルロック100が解錠可能な状態400になり、これにより、ユーザはデジタルロック100を解錠することができるであろう。
【0045】
実施形態40のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0046】
図5Aは、本発明に係る阻止ピン500を有するデジタルロック100の一実施形態50を実証するブロック図である。デジタルロック100の不正な解錠を防ぐために、デジタルロック100は、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は第1の軸120があまりに速く回されるときのいずれかに起因してロック本体110のノッチ510に突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピン500を含む。一例では、阻止ピン500は、デジタルロック100の不正な解錠を防ぐように構成された、好ましくは、磁性材料、例えば鉄(Fe)で構成されたピンであり得る。より具体的には、阻止ピン500は、第1の軸120の回転を防ぐために作動し、これにより、デジタルロック100の不正な解錠を防ぐ。一実施形態では、ロックされた状態300で、第2の軸130のノッチ330が硬質磁石320と位置合わせされる場合、外部磁場又は衝撃などの外力に起因して硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出し、結果的に第1の軸120と第2の軸130が互いに接続される場合がある。さらに、阻止ピン500は、普通は、ロックに外力がかかった後に、硬質磁石511によって発揮される磁力又はばね力などの機械的な力によって、挿入されたり、第1の軸120に戻されたりする。すなわち、磁力又はばね力は、阻止ピンを、阻止が必要なときにノッチへ移動させ、阻止がもはや必要ではないときにノッチの外へ移動させる。
【0047】
より具体的には、硬質磁石511によって加わる力又は機械的な力が、外部磁場によって加わる磁力及び/又は外部からの衝撃に比べて大きければ、結果的に阻止ピン500は第1の軸120に戻る。加えて、硬質磁石511及び阻止ピン500の慣性及び磁力は、硬質磁石320が移動する前に阻止ピン500が作動するように設計される。外部磁場及び/又は外部からの衝撃に起因して阻止ピン500がロック本体110のノッチへ移動することにより、デジタルロック100の不正な解錠が防止される。
【0048】
実施形態50のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0049】
図5Bは、本発明に係る阻止ピン500とロック本体110の複数のノッチ520とを有するデジタルロック100の一実施形態51を実証するブロック図である。前述のように、デジタルロック100の不正な解錠を防ぐために、デジタルロック100は、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は第1の軸120があまりに速く回されるときのいずれかに起因してロック本体110のノッチ510に突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピン500を含む。デジタルロック100の不正な解錠中に、阻止ピン500は、異なる角度からロック本体110から突き出ることができる。さらに、ロック本体110は、ロック本体110の様々な位置に存在する複数のノッチ520を含む。阻止ピン500は、
図5Bのページ構成の下部に示すように阻止ピン500がノッチ510と位置合わせされるときにデジタルロック100の不正なロック解除を防ぐことができる。複数のノッチ520は、あらゆる角度/位置においてデジタルロック100をロック解除する不正な試みがなされるときに阻止ピン500が複数のノッチ520に入るような構成に設計される。逆に、
図5Bのページ構成の上部に示すように、阻止ピン500がノッチ520と位置合わせされないとき、阻止ピン500は、デジタルロック100の不正なロック解除を防止しない場合がある。
【0050】
実施形態51のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0051】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、本発明に係る硬質磁石320とノッチ330の位置合わせプロセスを示すデジタルロック100の一実施形態60を実証するブロック図である。作動時に、半硬質磁石310及び硬質磁石320は第1の軸120の内部にある。
図6Aに示すように、第1の軸120が回されず、位置センサ240が定位置にないとき、第2の軸130のノッチ330は、硬質磁石320を受け入れるべく硬質磁石320と位置合わせされない。このような条件では、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続されない。
図6B及び
図6Cを参照すると、第1の軸120が回されるとき、位置センサ240は、第2の軸130のノッチ330を硬質磁石320と位置合わせするように構成される。硬質磁石320は、半硬質磁石310の極性が変化すると第2の軸130のノッチ330に入るように構成される。このような半硬質磁石310の極性の変化により、硬質磁石320が強制的にノッチ330に入るため、デジタルロック100は、デジタルロック100の解錠を可能にする解錠可能な状態400にあると考えられる。このような条件では、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続される。
【0052】
さらに、硬質磁石320とノッチ330の位置合わせは、解錠後にユーザインターフェース140と第2の軸130が同じ位置に戻される用途での機械的配置によって行われてよい。この一例は、レバー操作型のロックである。これらの配置では、位置センサ240は必要とされない場合がある。
【0053】
実施形態60のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0054】
図7は、本発明に係るデジタルロック100を構成する磁化及び磁性材料を示す一実施形態70を実証するグラフ図である。前述のように、デジタルロック100は、半硬質磁石310と、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成された硬質磁石320を含む。半硬質磁石310は、アルニコで構成され、硬質磁石320は、SmCoで構成される。特に、半硬質磁石310は、鉄(Fe)に加えてアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びコバルト(Co)を含有する鉄合金で構成される。一例では、半硬質磁石310は、銅とチタンも含有し得る。硬質磁石320は、サマリウム-コバルト(SmCo)で構成され、硬質磁石320は、サマリウム(Sm)とコバルト(Co)の合金で作製された永久磁石である。硬質磁石320は、磁化される必要がある半硬質磁石310とは異なりそれ自体の永久磁場を生み出す、磁化された材料から作製された物体であり得る。
【0055】
実施形態70のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0056】
図8A、
図8B、及び
図8Cは、本発明に係るデジタルロック100を動作させる種々の方法を示す一実施形態80を実証するブロック図である。
図8Aを参照すると、デジタルロック100は、識別装置(ID)リーダ820と通信するレバー810によって操作される。IDリーダ820は、無線周波数識別(RFID)タグ、近距離無線通信(NFC)電話、磁気ストライプ、指紋などのいずれかによってユーザを識別するように構成される。IDリーダ820は、ユーザを識別することができ、上記の認証方法のいずれかからユーザを認証することによってユーザを認証すると、デジタルロック100をロック又はロック解除するべくユーザがアクセスすることを可能にする。ユーザを認証する指紋法は、ユーザの指の摩擦隆線によって残された跡を認証することにより行われる。ユーザの指の跡が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された跡と閾値を超えて一致するとき、ラッチ830がレバー810によって操作され、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。一例では、閾値は、指の跡の80パーセント一致として定義され得る。ユーザを認証する磁気ストライプ法は、磁気ストライプに格納された識別情報を認証することにより行われる。ユーザに関する磁性材料に記憶された識別情報が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された識別情報と実質的に一致するとき、ラッチ830がレバー810によって操作され、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。一実施形態では、ロックがユーザにより給電される場合、電力は、レバーの運動から得られる。
【0057】
一例では、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証するRFIDタグ方法は、磁気ストライプで用いられる方法と類似した方法である。ユーザを認証するRFIDタグ方法は、RFIDタグに記憶された識別情報を認証することにより行われる。RFIDタグに記憶されたユーザに関する識別情報が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された識別情報と実質的に一致するとき、ラッチ830がレバー810によって操作され、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。さらに、ユーザを認証するNFC電話方法は、ユーザ固有の情報を認証することにより行われる。ユーザ固有の情報が電子ロックモジュール200のデータベースに格納されたユーザ情報の閾値と一致するとき、ラッチ830がレバー810によって操作され、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。一例では、ユーザ固有の情報は、デジタルトークン、ユーザID、又はユーザに関するあらゆる他の情報であり得る。レバー810は、
図8Aに示すように角運動をする。
【0058】
図8Bを参照すると、デジタルロック100は、識別装置(ID)リーダ(図示せず)を含むノブ840によって操作される。IDリーダは、無線周波数識別(RFID)タグ、近距離無線通信(NFC)電話、磁気ストライプ、指紋などのいずれかによってユーザを識別するように構成される。IDリーダは、ユーザを識別することができ、上記の認証方法のいずれかからユーザを認証することによってユーザを認証すると、デジタルロック100をロック又はロック解除するべくユーザがアクセスすることを可能にする。ユーザを認証する指紋法は、ユーザの指の摩擦隆線によって残された跡を認証することにより行われる。ユーザの指の跡が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された跡と閾値を超えて一致するとき、ラッチ850がノブ840によって操作され、これにより、ユーザはデジタルロック100をロック又はロック解除することができる。一例では、閾値は、指の跡の80パーセント一致として定義され得る。ユーザを認証する磁気ストライプ法は、磁気ストライプに格納された識別情報を認証することにより行われる。ユーザに関する磁性材料に記憶された識別情報が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された識別情報と実質的に一致するとき、ラッチ850がノブ840によって操作され、これにより、ユーザはデジタルロック100をロック又はロック解除することができる。いくつかの実施形態において、ロックは、デジタルロック100によりロック及びロック解除されるパッドロックとして実現される。
【0059】
一例では、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証するRFIDタグ方法は、磁気ストライプで用いられる方法と類似した方法である。ユーザを認証するRFIDタグ方法は、RFIDタグに記憶された識別情報を認証することにより行われる。RFIDタグに記憶されたユーザに関する識別情報が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された識別情報と実質的に一致するとき、ラッチ850がノブ840によって開かれ、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。さらに、ユーザを認証するNFC電話方法は、ユーザ固有の情報を認証することにより行われる。ユーザ固有の情報が電子ロックモジュール200のデータベースに格納されたユーザ情報の閾値と一致するとき、ラッチ850がノブ840によって開かれ、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。一例では、ユーザ固有の情報は、デジタルトークン、ユーザID、又はユーザに関するあらゆる他の情報であり得る。ノブ840は、
図8Bに示すように円運動をする。ロックがユーザにより給電される場合、電力は、ユーザによるノブ840の回転から得られる。
【0060】
図8Cを参照すると、デジタルロック100は、電子デジタルキー860によって操作される。ユーザを認証する電子デジタルキー860方法は、電子デジタルキー860に関する識別情報を認証することにより行われる。ユーザによって挿入された電子デジタルキー860が、電子ロックモジュール200のデータベースに格納された電子デジタルキー860に関する識別情報と一致するとき、ラッチ870が電子デジタルキー860によって操作され、これにより、デジタルロック100をロック又はロック解除するユーザを認証する。デジタルロック100及びデジタルキー860は、前述のようにAES規格に準拠することができる。デジタルロック100及びデジタルキー860は、電磁接触を介して、又は空中の無線で動作する。
【0061】
いくつかの実施形態において、デジタルロック内でデジタルキー860を動かすために人間のユーザによって生成された機械的エネルギーは、デジタルロック100又はデジタルキー860に給電するために収集される。
【0062】
実施形態80のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0063】
図9は、本発明に係るデジタルロック100を制御する方法の一実施形態90を実証する流れ図である。この方法は、例えば、説明の他の部分で述べたように、
図1、2、3、4、5、6、7、及び8の実施形態10、20、30、40、50、60、70、及び80と同一の又は類似のシステムで実施することもできる。
【0064】
段階900において、デジタルロック100に少なくとも2つの磁石が設けられる。一方の磁石は半硬質磁石310であり、他方の磁石は硬質磁石320である。硬質磁石320は、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成される。
図1を参照して説明したように、デジタルロック100は、第1の軸120と、第2の軸130と、ロック本体110の外面150に取り付けられたユーザインターフェース140を含む。ユーザインターフェース140は、第1の軸120に接続される。半硬質磁石310及び硬質磁石320は、第1の軸120の内部に存在する。
【0065】
段階910において、半硬質磁石310及び硬質磁石320が、互いに隣接して配置されるように構成される。例示した実施形態では、
図3、
図4、及び
図5に示すように、硬質磁石320は、半硬質磁石310の上に配置される。
【0066】
段階920において、半硬質磁石310が、磁化コイル250の内部にあるように構成される。必要なときに、磁化コイル250は、半硬質磁石310の極性を変化させることに関与する。
【0067】
段階930において、半硬質磁石310の極性の変化が、デジタルロック100を解錠又は施錠するべく硬質磁石320を押す又は引くように構成される。
【0068】
段階940において、硬質磁石320が、ロックされた状態300で第1の軸の内部にあるように構成される。このような条件では、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続されない。したがって、第2の軸130は、第1の軸120の移動に起因して回転しない。さらに、第1の軸120とユーザインターフェース140との接続により、第1の軸120が回転するとき、ユーザインターフェース140も第1の軸120と同様の方向に回転する。デジタルロックの休止状態100を、ロックされた状態300とするとき、デジタルロック100は、ロックされた状態300に戻るように構成される。
【0069】
段階950において、解錠可能な状態400で硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出る。位置センサ240は、第2の軸130のノッチ330を硬質磁石320がノッチ330に入る定位置に位置決めするように構成される。デジタルロックの休止状態100を、解錠可能な状態400とするとき、デジタルロック100は、解錠可能な状態400に戻るように構成される。さらに、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続される。このような条件では、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出ているため、デジタルロック100が解錠可能な状態400にあるので、ユーザはデジタルロック100を解錠することができるであろう。
【0070】
硬質磁石320の突出は、通常、時間の経過と共に構成要素の摩耗及び引裂きを引き起こす。システムの耐久性を高めるために、硬質磁石320は、いくつかの実施形態においてチタンカバーの内部で実現され得る。例えば、SmCo硬質磁石は、チタンケーシングの内部に配置することができる。ケーシング又はカバーは、好ましくは、硬質磁石320の機械的硬度及び強度を高めて、経時的な摩耗及び引裂きの影響を低減する。ケーシング又はカバーはまた、好ましくは、硬質磁石320の総重量を抑えるために重量が軽い材料で作製される。チタンだけでなく他の材料も、本発明に係るケーシング又はカバーを実現するのに用いられ得る。
【0071】
段階960において、デジタルロック100の不正な解錠を防ぐために、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は第1の軸120があまりに速く回されるときのいずれかに起因して、阻止ピン500がロック本体110のノッチ330に突き出る。
【0072】
さらに、デジタルロック100は、NFC、ソーラーパネル、ユーザ給電、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される自己給電式ロックであるように構成される。
図2を参照して説明したように、デジタルロック100は、通信バス220を介して識別装置210に接続された電子ロックモジュール200を含む。通信バス220は、識別装置210と電子ロックモジュール200との間でデータを伝送するように構成される。識別装置210は、キータグ、指紋、磁気ストライプ、及び/又はスマートフォンであり得る近距離無線通信(NFC)装置のいずれかによってユーザを識別するように構成される。
【0073】
実施形態90のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0074】
図10は、本発明に係るデジタルロック100を磁化する方法の一実施形態91を実証する流れ図である。この方法は、例えば、説明の他の部分で述べたように、
図1、2、3、4、5、6、7、及び8の実施形態10、20、30、40、50、60、70、及び80と同一の又は類似のシステムで実施することもできる。
【0075】
段階1000において、デジタルロック100は、自己給電式である。特に、デジタルロック100は、前の実施形態で説明したように、NFC、ソーラーパネル、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される。
【0076】
識別装置210は、キータグ、指紋、磁気ストライプ、及び/又は近距離無線通信(NFC)スマートフォンのいずれかによってユーザを識別するように構成される。
【0077】
段階1010において、識別装置210が、ユーザに関する識別情報のアクセス権をチェックする。
【0078】
段階1020において、ユーザに関する識別情報のアクセス権が正しい場合、段階1030において、ロックされた状態300の電力貯蔵の閾値のチェックが実行される。逆に、ユーザに関する識別情報のアクセス権が正しくない場合、段階1040において、ロックされた状態300への磁化が行われる。
【0079】
段階1030において、ロックされた状態300の電力貯蔵の閾値をチェックして、ロックされた状態300の電力貯蔵が閾値を超えている場合、段階1050において、第2の軸130のノッチ330の位置のチェックが行われる。ロックされた状態300の電力貯蔵が閾値よりも少ない場合、段階1040において、ロックされた状態300への磁化が行われる。段階1040におけるロックされた状態300への磁化後に、段階1050において、デジタルロック100の磁化プロセスが完了する。
【0080】
段階1060において、第2の軸130のノッチ330の位置をチェックして、第2の軸130のノッチ330が定位置にある場合、段階1070において、解錠可能な状態400への磁化が行われる。第2の軸130のノッチ330が定位置にない場合、段階1030におけるロックされた状態300の電力貯蔵の閾値のチェックが再度実行される。
【0081】
実施形態91のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0082】
図11は、本発明に係るデジタルロック100を制御するように構成されたソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態92を実証するスクリーンショット図である。ソフトウェアプログラム製品1100は、少なくとも2つの磁石を含むデジタルロック100を制御する。一方の磁石は半硬質磁石310であり、他方の磁石は、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成された硬質磁石310である。ソフトウェアプログラム製品1100は、デジタルロック100の状態を表示するために画面インターフェース1110を含む。より具体的には、ロックされた状態300及び解錠可能な状態400が画面インターフェース1110上に表示される。さらに、ソフトウェアプログラム製品は、指紋スキャナ1120、NFCリーダ1130、磁気ストライプアクセス1140、及び/又はキーパッドアクセス1150を含む。簡潔にするために、指紋スキャナ1120、NFCリーダ1130、磁気ストライプアクセス1140、及び/又はキーパッドアクセス1150を用いる実装及びユーザの認証が、上記の図面を参照して説明される。一例では、キーパッドアクセス1150が例示されているが、キーパッドアクセス1150は、ソフトウェアプログラム製品1100の画面インターフェース1110内のタッチパッドアクセスに置き換えてもよいことが理解されるであろう。別の例では、指紋スキャナ1120が例示されているが、指紋スキャナ1120は、ソフトウェアプログラム製品1100の虹彩スキャナに置き換えてもよいことが理解されるであろう。
【0083】
実施形態91のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0084】
図12は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態93を実証するスクリーンショット図である。このソフトウェア製品は、AES規格に準拠することができる。本明細書で説明するソフトウェアプログラム製品1100は、デジタルロックの動作のためのプログラム命令、処理ハードウェア、必要なオペレーティングシステム、デバイスドライバ、電子回路、第1の軸120、第2の軸130、半硬質磁石310、硬質磁石320、及び/又は阻止ピン500を包含するように定義される。ソフトウェアプログラム製品1100を以下に詳述する。
【0085】
ソフトウェアプログラム製品1100は、処理モジュール1200を含む。処理モジュール1200は、ユーザに関する識別情報を示す入力を受信するように構成された入力モジュール1210を含む。ユーザが識別情報を入力する方法は、キーパッドアクセス1150、指紋スキャナ1120、磁気ストライプアクセス1140、及び/又は近距離無線通信(NFC)リーダ1130のいずれかによって行われてよい。処理モジュール1200は、入力モジュール1210と通信する認証モジュール1220をさらに含む。認証モジュール1220は、ユーザインターフェース140によって受信された入力を認証するように構成され、デジタルロック100をロック又はロック解除するためにユーザにアクセスを提供することに関与する。また、認証モジュール1220は、ソフトウェアプログラム製品1100のデータベース1230と通信する。データベース1230は、1人以上のユーザの識別情報を格納するように構成される。認証モジュール1220は、ソフトウェアプログラム製品1100のデータベース1230に既に格納されている識別情報で、ユーザによって入力された識別情報を認証する。認証モジュール1220からの認証された識別情報は、ソフトウェアプログラム製品1100の出力モジュール1240に通信される。出力モジュール1240は、デジタルロック100と通信する。出力モジュール1240は、ユーザの識別の成功に応答して半硬質磁石310の磁化分極を変化させるために磁化コイル250に給電するべく電源を制御するように構成され、且つ、デジタルロック100を解錠又は施錠するべく硬質磁石320を制御するように構成される。したがって、認証モジュール1220によって出力モジュール1240に通信される識別情報は、ユーザがデジタルロック100をロック又はロック解除できるようにすることに関与する。
【0086】
前述のように、ソフトウェアプログラム製品1100は、半硬質磁石310及び硬質磁石320を有するデジタルロック100を制御する。半硬質磁石310は、磁化コイル250の内部に存在し、半硬質磁石310と硬質磁石320は、互いに隣接して配置され、第1の軸120の内部に存在する。デジタルロック100は、NFCフィールド、ソーラーパネル、電源、及び/又はバッテリのいずれかによって給電される自己給電式ロックである。さらに、デジタルロック100は、第1の軸120、第2の軸130、及びユーザインターフェース140を含む。ユーザインターフェース140は、ロック本体110の外面150に取り付けられる。ユーザインターフェース140はさらに、第1の軸120に接続される。デジタルロック100は、通信バス220を介して識別装置210に接続される電子ロックモジュール200を含む。識別装置210は、電子キー、タグ、キータグ、指紋、磁気ストライプ、NFCデバイスのいずれかによってユーザを識別するように構成される。
【0087】
実施形態93のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0088】
図13は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態94を実証するスクリーンショット図である。例示した実施形態94では、ユーザに関する識別情報を入力するプロセスが表示される。スクリーンショットは、日時を表示する。例示した実施形態では、スクリーンショットには、ユーザID及びパスコードを入力するためのオプションが表示される。ユーザID及びパスコードを入力するためのオプションがユーザに表示されるが、ユーザに関するユーザID及びパスコード、指紋スキャナ1120、NFCリーダ1130、電子キー、磁気ストライプアクセス1140、及び/又はキーパッドアクセス1150のいずれかによって識別情報を入力するオプションがユーザに表示されてもよいことが理解されるであろう。
【0089】
実施形態94のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0090】
図14は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態95を実証するスクリーンショット図である。例示した実施形態95では、ユーザに関する識別情報の認証プロセスが表示される。ユーザが、ユーザに関するユーザID及びパスコードを入力すると、認証プロセスが、スクリーンショットに示すようにユーザに表示される。次いで、ユーザによって入力された識別情報は、入力された識別情報をデータベース1230に格納された識別情報と比較する認証モジュール1220によって受信される。このプロセスの間、デジタルロック100はロックされた状態300である。デジタルロックの休止状態100が、ロックされた状態300のとき、デジタルロック100は、ロックされた状態300に戻るように構成される。ロックされた状態300では、硬質磁石320は第1の軸120の内部にあるように構成され、第2の軸130は回転せず、ユーザインターフェース140は回転する。
【0091】
実施形態95のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0092】
図15は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態96を実証するスクリーンショット図である。例示した実施形態96では、ユーザが認証されているというスクリーンショットが表示される。ユーザによって入力されたユーザID及びパスコードが、データベース1230に格納されたユーザID及びパスコードと一致するときに、デジタルロック100をロック解除するべくユーザが認証される。次いで、認証された情報が出力モジュール1240に通信され、出力モジュール1240は、デジタルロック100に信号を送信して、図示したように解錠可能な状態400にする。加えて、ユーザへの認証確認通知が提供される。通知は、音声通知、ビデオ通知、マルチメディア通知、及び/又はテキスト通知のいずれかであり得る。一例では、テキスト通知は電話上で提供されてよい。ソフトウェアプログラム製品1100は、デジタルロック100を解錠するべく硬質磁石320を押す又は引くために半硬質磁石310の極性を変化させるように構成される。より具体的には、位置センサ240が、第2の軸130のノッチ330を硬質磁石320がノッチ330に入る定位置に位置決めするように構成される。解錠可能な状態400では、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出る。デジタルロックの休止状態100が、解錠可能な状態400のとき、デジタルロック100は、解錠可能な状態400に戻るように構成される。
【0093】
いくつかの実施形態において、ロックの解錠及びロックの施錠のタイムスタンプが、データベース1230又はいくつかの他の記憶媒体に記憶される。
【0094】
実施形態96のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0095】
図16は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態97を実証するスクリーンショット図である。例示した実施形態96では、デジタルロック100が改ざんされているというスクリーンショットが表示される。特に、デジタルロック100の改ざんは、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は第1の軸130があまりに速く回されるときのいずれかに起因して起こる。デジタルロック100が改ざんされるとき、阻止ピン500が作動する。阻止ピン500は、ロック本体110の複数のノッチ520に突き出るように構成される。ユーザがデジタルロック100を改ざんしていることが判明した場合、ユーザIDがタイムスタンプと共にデータベース1230に記録されることになる。
【0096】
実施形態97のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0097】
図17は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態98を実証するブロック図である。例示した実施形態98では、デジタルロック100は、ネットワーク1700、クラウドサーバ1710、及びユーザ端末デバイス1720と通信する。デジタルロック100及びユーザ端末デバイス1720は、ネットワーク1700を介してクラウドサーバ1710と通信する。本発明の通信に用いられるネットワーク1700は、無線又は有線インターネット又は電話網であり、これは通常、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)、GSM(Global System for Mobile Telecommunications)、GPRS(General Packet Radio Service)、CDMA(Code Division Multiple Access)、3G、4G、Wi-Fi、及び/又はWCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)ネットワークなどのセルラーネットワークである。
【0098】
ユーザ端末デバイス1720は、ネットワーク1700及びクラウドサーバ1710と通信する。ユーザ端末デバイス1720は、ユーザに関する識別情報を受信するために用いられる、典型的にはスマートフォン及び/又はタブレットである、モバイル端末コンピュータとして構成されてよい。ユーザ端末デバイス1720は、通常、iOS、Android、又はWindows Phoneのスマートフォンなどのモバイルスマートフォンである。しかしながら、ユーザ端末デバイス1720は、PCコンピュータ、Apple Macintoshコンピュータ、PDAデバイス(Personal Digital Assistant)、又はUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)、GSM(Global System for Mobile Telecommunications)、WAP(Wireless Application Protocol)、Teldesic、Inmarsat-、Iridium-、GPRS-(General Packet Radio Service)、CDMA(Code Division Multiple Access)、GPS(Global Positioning System)、3G、4G、Bluetooth、WLAN(Wireless Local Area Network)、Wi-Fi、及び/又はWCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)モバイルステーションなどのモバイルステーション、移動電話、又はコンピュータであることも可能である。時には、いくつかの実施形態において、ユーザ端末デバイス1720は、Microsoft Windows、Windows NT、Windows CE、Windows Pocket PC、Windows Mobile、GEOS、Palm OS、Meego、Mac OS、iOS、Linux(登録商標)、BlackBerry OS、Google Android、及び/又はSymbian、又はあらゆる他のコンピュータ又はスマートフォンのオペレーティングシステムのいずれかなどのオペレーティングシステムを有するデバイスである。
【0099】
ユーザ端末デバイス1720は、デジタルロック100のロック及び/又はロック解除を可能にするべく、ユーザがクラウドサーバ1710で認証されるべきユーザに関する識別情報を入力することを可能にするアプリケーション(図示せず)を提供する。好ましくは、ユーザは、アプリケーションをインターネットから又はGoogle、Apple、Facebook、及び/又はMicrosoftから利用可能な種々のアプリストアからダウンロードする。例えば、いくつかの実施形態において、電話にFacebookアプリケーションを有するiPhone(登録商標)ユーザは、AppleとFacebookとの両方の開発者要件に適合するアプリケーションをダウンロードすることになる。同様に、他の異なるハンドセットのためにカスタマイズされたアプリケーションを作成することができる。
【0100】
一例では、クラウドサーバ1710は、複数のサーバを含み得る。1つの例示的な実装では、クラウドサーバ1710は、ユーザに関係する識別情報を格納するように構成されたあらゆるタイプのデータベースサーバ、ファイルサーバ、ウェブサーバ、アプリケーションサーバなどであり得る。別の例示的な実装では、クラウドサーバ1710は、データファイルを格納するための複数のデータベースを含み得る。データベースは、例えば、structured query language(SQL)データベース、Microsoft(登録商標)SQLサーバなどのNoSQLデータベース、Oracle(登録商標)サーバ、MySQL(登録商標)データベースなどであり得る。クラウドサーバ1710は、クラウドストレージサービスプロバイダによって管理されるクラウド環境に配備されてよく、データベースは、クラウド環境で実装されるクラウドベースのデータベースとして構成されてもよい。
【0101】
入力-出力デバイスを含み得るクラウドサーバ1710は、普通は、モニタ(ディスプレイ)、キーボード、マウス、及び/又はタッチスクリーンを備える。しかしながら、通常、一度に1つよりも多いコンピュータサーバが使用されており、そのため、一部のコンピュータは、コンピュータ自体だけを組み込んでおり、画面もキーボードもない。これらのタイプのコンピュータは、通常、本発明のクラウドサーバ1710によって用いられるクラウドネットワークを実現するのに用いられるサーバファームに格納される。クラウドサーバ1710は、Microsoft及びAmazon及びHP(Hewlett-Packard)などの公知のベンダーから個別のソリューションとして購入することができる。クラウドサーバ1710は、通常、Unix、Microsoft、iOS、Linux(登録商標)、又はあらゆる他の公知のオペレーティングシステムを実行し、通常、マイクロプロセッサ、メモリ、及びSSDフラッシュ又はハードドライブなどのデータストレージ手段を備える。クラウドアーキテクチャの応答性を向上させるために、データは、SSD、すなわち、フラッシュストレージにすべて又は部分的に優先的に記憶される。このコンポーネントは、Microsoft又はAmazonなどの既存のクラウドプロバイダから選択/構成され、又はMicrosoft又はAmazonなどの既存のクラウドネットワークオペレータは、Pure Storage、EMC、Nimble storageなどのFlashに基づくクラウドストレージオペレータにすべてのデータを格納するように構成される。
【0102】
操作時に、ユーザは、識別情報をユーザ端末デバイス1720に入力する。一例では、識別情報は、指紋、パスコード、及び/又はユーザに関連付けられた個人の詳細であり得る。識別情報は、キーパッドアクセス1150、指紋スキャナ1120、及び/又は近距離無線通信(NFC)リーダ1130のいずれかを通じてユーザによって入力され得る。ユーザによって入力された識別情報は、ネットワーク1700を通じてクラウドサーバ1710に通信される。クラウドサーバ1710は、入力された識別情報を、クラウドサーバ1710のデータベースに格納された識別情報と比較することにより認証する。認証に関連する通知が、ネットワーク1700を通じて通信され、ユーザ端末デバイス1720のアプリケーション上に表示される。一例では、通知は、認証の成功又は失敗を示すアラートであり得る。いくつかの実装において、通知は、音声通知、ビデオ通知、マルチメディア通知、及び/又はテキスト通知のいずれかであり得る。識別情報の不一致がある場合、デジタルロック100はアプリケーションを通じて解錠されない。ユーザによって入力された識別情報が、クラウドサーバ1710のデータベースに格納された識別情報と一致する場合、デジタルロック100は、ユーザ端末デバイス1720のアプリケーションを通じて解錠される。いくつかの実施形態において、ユーザ端末デバイス1720からの電力が、デジタルロックに給電するのに用いられる。
【0103】
実施形態98のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0104】
図18は、本発明に係る阻止ピン500を有するデジタルロック100の一実施形態99を実証するブロック図である。磁性材料は、2つの主要なグループ、すなわち、軟磁性材料と硬磁性材料に分けられる。軟磁性材料と硬磁性材料とを区別する方法は、保磁力の値に基づいている。一例では、材料の磁気誘導は、逆の強さの磁場を印加することによりゼロに減らすことができ、このような強さの磁場は、保磁力として定義される。さらに、保磁力は、構造に敏感な磁気特性であり、磁性材料に異なる熱処理及び機械的処理を施すことにより変えることができる。硬磁性材料と軟磁性材料は、保磁力に基づいて強磁性体を区別するのに用いられ得る。規格のIEC規格404-1は、軟磁性材料及び硬磁性材料の保磁力の境界値として1kA/mを提案している。一例では、軟磁性材料は、1kA/mよりも低い保磁力をもつと考えられる。別の例では、硬磁性材料は、1kA/mよりも高い保磁力をもつと考えられる。さらに、軟磁性材料と硬磁性材料との間に、半硬磁性材料と呼ばれる磁性材料のグループが存在し、半硬磁性材料の保磁力は、1~100kA/mである。典型的には、半硬質磁石310はこれらの値を特徴とし、硬質磁石320は100kA/mよりも高い保磁力を有することになる。
【0105】
すべての磁性材料は、異なる形態のヒステリシスループによって特徴づけられる。最も重要な値は、残留磁気Br、保磁力Hc、及び最大磁石利用率のポイントを決定する最大エネルギー積(BH)maxである。最大エネルギー積は、永久磁石が磁石の外部で行うことができる最大量の有効な仕事の尺度である。通常、サイズ及び質量が小さく、且つ、最大エネルギー積が高い磁石が、本発明において好ましい。
【0106】
前述のように、デジタルロック100の不正な解錠を防ぐために、デジタルロック100は、外部磁場が印加されるとき、外部から打撃又は衝撃が加わるとき、及び/又は第1の軸120があまりに速く回されるときのいずれかに起因してロック本体110のノッチ510に突き出るように構成された少なくとも1つの阻止ピン500を含む。デジタルロック100は、半硬質磁石310と、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成された硬質磁石320を含む。半硬質磁石310は、硬質磁石320に隣接して配置され、磁化コイル250の内部に存在する。
【0107】
さらに、58kA/mの保磁力を有する半硬質磁石310の磁気分極を変化させるには、695kA/mの保磁力を有する硬質磁石320と比べておよそ10分の1のエネルギーが必要である。種々の材料の保磁力については
図7を参照されたい。半硬質磁石310の磁化は、硬質磁石320の残留磁化を変化させるのに十分なだけの強さが不足している。半硬質磁石310の磁化に影響を与えることに関与するソースは、磁化コイル250によって生成される一次磁場であり得る。一例では、デジタルロック100が解錠可能な状態400にあるように設定されるとき、磁化パワーピークは1msよりも短い。半硬質磁石310の磁化の成功には、解錠可能な状態400の間、硬質磁石320がノッチ330へ自由に移動できる必要がある。そうでなければ、硬質磁石320の磁場が半硬質磁石310の磁場に影響を及ぼす場合があり、デジタルロック100が解錠されない場合がある。硬質磁石320の自由な移動は、位置センサ240又は機械的配置によって保証される。さらに、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、半硬質磁石310の磁場とは反対の硬質磁石320の磁場が、半硬質磁石310の磁場をロックされた状態300に戻そうとするが、それらの間の隙間が磁場を減少させ、半硬質磁石310の保磁力はこれに耐えることができる。より具体的には、硬質磁石320は、デジタルロック100を安全なロックされた状態300に常に戻そうとする。別の例では、デジタルロック100がロックされた状態300又は解錠可能な状態400のとき、磁化パワーピークは1msよりも短い。半硬質磁石310の磁化の成功はいつでも起こり得る。硬質磁石320は、自由に戻ることができる又はできない。デジタルロック100と半硬質磁石310及び硬質磁石320は位置合わせされ、デジタルロック100は休止状態にある。硬質磁石320の非常に高い保磁力は、半硬質磁石310と硬質磁石320を一緒に保ち、これにより、デジタルロックが確実にロックされた状態300になる。
【0108】
いくつかの実装において、半硬質磁石310の磁化に影響を与えることに関与するソースは、二次磁場であり得る。硬質磁石320は、半硬質磁石310に向けて一定の磁場を生じる高いエネルギー積を有し、これにより、半硬質磁石310をロックされた状態300に保つ又はロックされた状態300にしようとする。
【0109】
実施形態99のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0110】
図19は、本発明に係るロックされた状態300及び解錠可能な状態400での磁化及び電力消費を示すデジタルロック100の一実施形態101を実証するブロック図である。本開示のデジタルロック100は、ケーブル接続された電源の要件を克服するので、デジタルロック100を採用する自律マイクロシステムでのエネルギー及び電力消費はかなり抑えられる。デジタルロック100のエネルギー消費は、半硬質磁石310の体積の強い関数である。特に、半硬質磁石310のサイズが小さいほど、デジタルロック100による電力消費は少なくなる。磁化磁場強度は、巻数、線径及び抵抗、並びにその電流(I)などの磁化コイル250の特徴の関数である。十分な電圧(U)によって比較的高い電流が供給される。デジタルロック100による低い電力消費の主な要因は、非常に短い電力消費時間(t)である。デジタルロック100によって消費されるエネルギーは、十分な電圧(U)、電流(I)、及び電力消費時間(t)の関数に等しい。デジタルロック100の機械的状態の記憶は、半硬質磁石310及び硬質磁石320の残留磁気と、半硬質磁石310及び硬質磁石320の保磁力特性に基づいており、これにより、デジタルロック100による電力消費が確実にゼロにされる。一例では、デジタルロック100がロックされた状態300のとき、デジタルロック100による電力消費はゼロである。デジタルロック100を解錠可能な状態400に設定すると、0.1ms未満の長さの磁化パルスが供給される。別の例では、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、デジタルロック100による電力消費はゼロである。デジタルロック100をロックされた状態300に設定すると、0.1ms未満の長さの磁化パルスが供給される。デジタルロック100のロック機構の総エネルギー消費は、デジタルロック100の解錠サイクルあたり10mVAの大きさであり得る。
図19の解錠可能な状態400の持続時間は、例示的なものであって限定ではない。ロックされた状態又は解錠可能な状態のいずれの持続時間も、デジタルロック100の用途に依存する。
【0111】
実施形態101のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、91、92、93、94、95、96、97、98、99、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0112】
図20は、本発明に係るデジタルロック100を動作させる方法の一実施形態102を実証する流れ図である。この方法は、例えば、説明の他の部分で述べたように、
図1、2、3、4、5、6、7、及び8の実施形態10、20、30、40、50、60、70、及び80と同一の又は類似のシステムで実施することもできる。
【0113】
段階2000において、デジタルロック100に少なくとも2つの磁石が設けられる。一方の磁石は半硬質磁石310であり、他方の磁石は硬質磁石320である。硬質磁石320は、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成される。一例では、硬質磁石320は、500kA/mよりも高い保磁力をもつと考えられる。別の例では、半硬質磁石310は、50~100kA/mの保磁力をもつと考えられる。デジタルロックは、硬質磁石の保磁力が半硬質磁石の保磁力よりも10倍高いときに良好に動作する。しかしながら、いくつかの実施形態において、硬質磁石320の保磁力は、半硬質磁石310の保磁力よりも5倍高いことで十分である。半硬質磁石310は、アルニコで構成され、硬質磁石320は、SmCoで構成される。特に、鉄合金で構成される半硬質磁石310は、鉄(Fe)に加えてアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びコバルト(Co)を含有する。一例では、半硬質磁石310は、銅とチタンも含有し得る。硬質磁石320は、サマリウム(Sm)とコバルト(Co)の合金で作製された永久磁石である。一例では、硬質磁石320は、磁化される必要がある半硬質磁石310とは異なり、磁化することができ、それ自体の永久磁場を生み出すことができる材料から作製された物体であり得る。
【0114】
段階2010において、半硬質磁石310及び硬質磁石320が、互いに隣接して配置されるように構成される。
【0115】
段階2020において、半硬質磁石310が、磁化コイル250の内部にあるように構成される。半硬質磁石310の磁化に影響を与えることに関与するソースは、磁化コイル250によって生成される一次磁場であり得る。一例では、デジタルロック100が解錠可能な状態400にあるように設定されるとき、磁化パワーピークは1msよりも短い。半硬質磁石310の磁化の成功には、解錠可能な状態400の間、硬質磁石320がノッチ330へ自由に移動できる必要がある。そうでなければ、硬質磁石320の磁場が半硬質磁石310の磁場に影響を及ぼす場合があり、デジタルロック100が解錠されない場合がある。硬質磁石320の自由な移動は、位置センサ240又は機械的配置によって保証される。さらに、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、半硬質磁石310の磁場とは反対の硬質磁石320の磁場が、半硬質磁石310の磁場をロックされた状態300に戻そうとするが、それらの間の隙間が磁場を減少させ、半硬質磁石310の保磁力はこれに耐えることができる。より具体的には、硬質磁石320は、デジタルロック100を安全なロックされた状態300に常に戻そうとする。
【0116】
別の例では、デジタルロック100がロックされた状態300又は解錠可能な状態のとき、磁化パワーピークは、1msよりも短い。半硬質磁石310の磁化の成功はいつでも起こり得る。硬質磁石320は、自由に戻ることができたりできなかったりする。デジタルロック100と半硬質磁石310及び硬質磁石320は位置合わせされ、デジタルロック100は休止状態にある。硬質磁石320の非常に高い保磁力は、半硬質磁石310と硬質磁石320を一緒に保ち、これにより、デジタルロックが確実にロックされた状態300になる。いくつかの実装において、半硬質磁石310の磁化に影響を与えることに関与するソースは、二次磁場であり得る。硬質磁石320は、半硬質磁石310に向けて一定の磁場を生じる高いエネルギー積を有し、これにより、半硬質磁石310をロックされた状態300に保つ又はロックされた状態300にしようとする。
【0117】
段階2030において、半硬質磁石310の極性の変化が、デジタルロック100を解錠又は施錠するべく硬質磁石320を押す又は引くように構成される。
【0118】
段階2040において、硬質磁石320が、ロックされた状態300で第1の軸の内部にあるように構成される。このような条件では、第1の軸120と第2の軸130は互いに接続されない。したがって、第2の軸130は、第1の軸120の移動に起因して回転しない。さらに、第1の軸120とユーザインターフェース140との接続により、第1の軸120が回転するとき、ユーザインターフェース140も第1の軸120と同様の方向に回転する。デジタルロックの休止状態100を、ロックされた状態300とするとき、デジタルロック100は、ロックされた状態300に戻るように構成される。
【0119】
段階2050において、解錠可能な状態400で硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出る。位置センサ240は、第2の軸130のノッチ330を硬質磁石320がノッチ330に入る定位置に位置決めするように構成される。デジタルロックの休止状態100を、解錠可能な状態400とするとき、デジタルロック100は、解錠可能な状態400に戻るように構成される。さらに、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出る。このような条件では、硬質磁石320が第2の軸130のノッチ330に突き出ているため、デジタルロック100が解錠可能な状態400にあるので、ユーザはデジタルロック100を解錠することができるであろう。硬質磁石320がノッチ330に突き出るので、ノッチ330は、デジタルロック100の容易な解錠を保証する。ノッチ330は、第1の軸120があまりに速く回されるときにも、デジタルロック100の不正な解錠を防ぐ。
【0120】
段階2060において、外部磁場が印加されるとき、及び/又は外部から打撃又は衝撃が加わるときのいずれかに起因して、阻止ピン500がロック本体110のノッチ330に突き出る。
【0121】
実施形態102のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0122】
図21は、本発明に係るソフトウェアプログラム製品1100の一実施形態103を実証するスクリーンショット図である。例示した実施形態103では、ユーザがデジタルロック100を操作しているときのスクリーンショットが表示される。硬質磁石320は、デジタルロック100を解錠又は施錠するように構成される。一例では、500kA/mよりも高い保磁力をもつ硬質磁石320が用いられる。硬質磁石320は、サマリウム(Sm)とコバルト(Co)の合金で作製された永久磁石である。一例では、硬質磁石320は、磁化される必要がある半硬質磁石310とは異なり、磁化することができ、それ自体の永久磁場を生み出すことができる材料から作製された物体であり得る。デジタルロック100を解錠することに関与するパラメータが、クラウドサーバ1710に格納及び保存される。ユーザがデジタルロック100を操作するアイコン2100を押すと、コンピュータは、デジタルロック100の硬質磁石320にノッチ330に入るように命令する。したがって、牽引力が生み出され、デジタルロック100が解錠される。このようなケースでは、デジタルロック100は解錠可能な状態400である。
【0123】
実施形態103のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態において、硬質磁石320及び/又は半硬質磁石310は、SENSORVAC(FeNiAlTi)から実現されてもよい。
【0125】
デジタルロックのデフォルト位置は、本発明に係る解錠可能な状態又はロックされた状態のいずれか1つとすることができる。これは、ロック内の硬質磁石320と半硬質磁石310との間の距離を変えることにより調整することができる。ロックは、解錠可能な状態であり続けることができ、又は、電気を消費せずに自動的にロックされた状態に戻るように構成することもでき、これはエネルギーと電力の節約になるであろう。
【0126】
図22は、実施形態104の異なる構成での本発明のデジタルロックに必要とされる異なるエネルギー収支を実証する。異なるロック構成が一連の
図22A~
図22Fに示されており、重力は、個々の図面の上下方向、すなわち横向きページの上下方向である。
【0127】
図22A、
図22B、
図22Cは、解錠可能なパルスエネルギー、すなわち、ロックがロックされた状態から解錠された状態にされるときに用いられるエネルギー収支を実証する。
【0128】
図22Aは、重力に対して0度の角度での構成を示している。硬質磁石320が持ち上げられ維持されるので、この構成は最も高いエネルギーを必要とする。持ち上げられた状態での硬質磁石の位置エネルギーは、デジタルロックを解錠するのに必要なエネルギーパルスを増加させる。
【0129】
図22Bは、重力に対して90度の角度での構成を示しており、これは重力に対して270度の構成にも等しい。硬質磁石320とノッチ330の壁との摩擦は、この構成でのデジタルロックを解錠するのに必要なエネルギー消費を増加させる。
【0130】
図22Cは、重力に対して180度の角度での構成を示している。これは最も低いエネルギーのケースである。硬質磁石320がノッチ330に落下するので、硬質磁石320の位置エネルギーは、解錠可能なパルスエネルギーを減少させる。
【0131】
ロックされた状態が休止又はデフォルト状態であるようにロックが構成される場合、エネルギー収支は、デジタルロックが
図22A~
図22Cのすべての構成において解錠可能となるようにするために
図22Aの構成の要件を超える必要がある。試作では、解錠パルスを発生させるために3
*47μFのコンデンサが必要であった。
【0132】
図22D、
図22E、
図22Fは、ロックするパルスエネルギー、すなわち、ロックが解錠された状態からロックされた状態にされるときに用いられるエネルギー収支を実証する。
【0133】
図22Dは、重力に対して0度の角度での構成を示している。硬質磁石320がノッチから落下するので、この構成は最小のエネルギーを必要とする。硬質磁石320の位置エネルギーは、デジタルロックをロックするのに必要なエネルギーパルスを減少させる。
【0134】
図22Eは、重力に対して90度の角度での構成を示しており、これは重力に対して270度の構成にも等しい。硬質磁石320とノッチ330の壁との摩擦は、この構成でのデジタルロックを解錠するのに必要なエネルギー消費を増加させる。
【0135】
図22Fは、重力に対して180度の角度での構成を示している。これは最も高いエネルギーのケースである。硬質磁石320がノッチ330から持ち上げられるので、硬質磁石320の位置エネルギーは、ロックするパルスエネルギーを増加させる。これにより、すべての構成をカバーするエネルギー収支の要件が設定される。試作では、ロックをすべての位置でロックされた状態にするのに47μFコンデンサを用いた。
【0136】
したがって、いくつかの実施形態において、施錠エネルギーパルスは、解錠エネルギーパルスの1/3であり得る。好ましい実施形態では、半硬質磁石310と硬質磁石320との間の運動距離は、硬質磁石320が半硬質磁石310の極性をほとんど変えるように最適化される。その場合、半硬質磁石にほんのわずかな磁化パルスが必要とされ、例えば
図22Cに示すようにロックを施錠するために反転が起こる。
【0137】
一実施形態では、硬質磁石320と半硬質磁石310との間の距離が非常に長く設定されているため、両方の移動方向の磁化パルスが必要とされる。代替的な実施形態では、硬質磁石320は、ノッチ330から解放されてロックされた状態に戻り、このケースでは、これはロックシステムの休止状態であろう。
【0138】
また、周囲の材料も重要であり、硬質磁石320が移動するように設計される特定の運動距離に最適化されるべきである。
【0139】
最小量の磁気パルスエネルギーを必要とする実施形態は、
図22Aに示される実施形態であり、この場合、硬質磁石320は、ノッチ330から単に落下するだけである。
【0140】
デジタルロックは、硬質磁石320がデジタルロックを施錠するべく移動するときに、硬質磁石がデジタルロックを解錠するべく移動してノッチ330へ押し込まれるときよりも、30%少ない磁気パルスエネルギーを消費することが実験的に観察されている。
【0141】
実施形態104のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、105、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0142】
図23Aは、本発明に係るデジタルロック1001の単軸回転の実施形態105を実証するブロック図である。デジタルロック1001は、ロック本体110、回転可能に構成された1つだけの軸2300、及びユーザインターフェース140を含む。軸2300は、ロック本体110内に存在する。一例では、軸2300は、回転可能に構成されたシャフトであり得る。加えて、ユーザインターフェース140は、デジタルロック101の軸2300に接続される。一実装では、ユーザインターフェース140は、ロック本体110の外面150に取り付けられる。一例では、ユーザインターフェース140は、ドアハンドル、ドアノブ、又はデジタルキー読取り装置であり得る。例示した実施形態では、デジタルロック1001のロック又はロック解除は、ユーザインターフェース140の回転運動に起因する。一例では、ユーザがデジタルロック1001をロック又はロック解除することを意図する場合、ユーザインターフェース140、例えば、ノブが、ユーザによる回転運動で操作されてよい。より具体的には、ユーザインターフェース140は、デジタルロック1001をロック又はロック解除するべくユーザによって横向きに回転されてよい。
【0143】
単軸回転デジタルロック1001は、モータなどの電気要素を必要とせずにドアをロック及びロック解除するために太陽電池2310によって給電されてよい。太陽電池2310は、光起電力効果によって太陽光のエネルギーを電気に変換してデジタルロック1001に給電する電気装置であり得る。太陽電池2310はまた、それらの格子構造内に多数の電子又は正孔のいずれかを与える特別な不純物がドープされた高純度シリコン(Si)のウェーハから作製された半導体デバイスであり得る。一例では、太陽電池2310は、太陽光を受光し、デジタルロック1001に給電するためにロック本体110の外面150上に存在してよい。別の例では、太陽電池2310は、デジタルロック1001に給電するべくロック本体110の内面上に存在してよい。さらに別の例では、太陽電池2310は、光を受光し、ロック本体110に給電するのに適したロック本体110上の任意の部分に存在してよい。さらに、太陽電池2310は、ユーザインターフェース140の外面上に存在してよい。このようなユーザインターフェース140上の太陽電池2310の実装では、太陽電池2310は、ドアをロック又はロック解除するために、太陽光を受光し、単軸回転デジタルロック1001に給電するのに用いられ得る。
【0144】
一例では、3Dカメラ2330が、ユーザの画像を取り込むべくユーザインターフェース140上に存在してよい。別の例では、3Dカメラ2330は、ユーザの画像を取り込むべくドア上の任意の適切な位置に存在してよい。上述の例では、3Dカメラ2330は、ユーザインターフェース140に接続されてもよい。3Dカメラ2330は、画像の奥行きの知覚が、人間の両眼視を通じて経験されるような三次元を再現することを可能にするイメージングデバイスであり得る。一例では、3Dカメラ2330は、複数の視点を記録するために2つ以上のレンズを用いることができる。別の例では、3Dカメラ2330は、その位置をシフトする単一のレンズを用いることができる。
【0145】
3Dカメラ2330は、ユーザの画像を取り込み、取り込んだ画像を識別装置210に通信するのに用いられ得る。識別装置210はユーザインターフェース140の一部であり、3Dカメラ2330はユーザインターフェース上に存在するので、識別装置210は、ユーザを識別することができ、デジタルロック1001をロック又はロック解除するためにユーザがアクセスすることを可能にする。ユーザがドアをロック又はロック解除するためにアクセスすることは、取り込んだ画像を電子ロックモジュール200のデータベースに格納されたユーザの画像と比較することによりユーザを認証すると可能にされる。一例では、取り込まれる画像は、ユーザの顔、手のひら、前腕、目、又はユーザのあらゆる他の特徴であり得る。一例では、3Dカメラ2330は、Fujifilm FinePix Real 3D W3、Sony Alpha SLT-A55、Panasonic Lumix DMC-TZ20、Olympus TG-810、及び/又はPanasonic Lumix DMC-FX77のいずれかであり得る。
【0146】
実施形態105のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、106、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0147】
図23Bは、本発明に係るロックされた状態300にある単軸回転デジタルロック1001の一実施形態106を実証するブロック図である。前述のように、デジタルロック1001は、半硬質磁石310と、デジタルロック1001を解錠又は施錠するように構成された硬質磁石320を含む。半硬質磁石310は、ロック本体110内に設けられ、磁化コイル250の内部にあり、硬質磁石320は、永久磁石である。硬質磁石320は、磁化される必要がある半硬質磁石310とは異なり、磁化することができ、それ自体の永久磁場を生み出すことができる材料から作製された物体であり得る。
【0148】
半硬質磁石310は、磁化コイル250による半硬質磁石310の分極の変化に応答して、デジタルロック1001を解錠又は施錠するべく硬質磁石320を押す又は引くように構成される。特に、デジタルロック1001がロックされた状態300のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のN極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、半硬質磁石310と硬質磁石320は互いに引き寄せられる。このような配置の結果として、硬質磁石320は、軸2300のノッチ2340とロック本体110のノッチ2320に部分的に受け入れられる。いくつかの実装において、半硬質磁石310及び硬質磁石320の極性は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のN極に面し、半硬質磁石310と硬質磁石320が互いに引き寄せられるような極性であってもよいことが理解されるであろう。
【0149】
二軸デジタルロック100は、ロックされた状態300と解錠可能な状態400との間で動作するように構成される(
図3及び
図4に示す)。単軸デジタルロック1001がロックされた状態300のとき、硬質磁石320は、部分的に軸2300の内部、部分的にロック本体110の内部、及びノッチ2320、2340の内部にあるように構成される。このような条件では、硬質磁石320は、軸2300の回転を阻止する。さらに、ユーザが、ユーザインターフェース140を回転させることによってデジタルロック1001をロック解除しようとするとき、ロックされた状態300で、軸2300を介して硬質磁石320に力が加えられる場合がある。加えられた力は、次いで、軸2300と硬質磁石320との接続により、硬質磁石320に伝達される。硬質磁石320は、サマリウム(Sm)とコバルト(Co)の合金で作製されるので、硬質磁石320は強力であり、軸2300を通じて加えられた力に耐えることができる。時には、硬質磁石320に機械的に強い外面を提供するために、チタンピンが、硬質磁石320のカバーシェルとして用いられる。ユーザインターフェース140から加えられた力が硬質磁石320に伝達されるのを防ぐために軸2300に制限機構が設けられてもよい。一例では、制限機構は、力が軸2300を通じて硬質磁石320に伝達されるのを制限するために設けられる任意の機構/構成要素であり得る。
【0150】
実施形態106のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、107、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0151】
図23Cは、本発明に係る解錠可能な状態400の単軸回転デジタルロック1001の一実施形態107を実証するブロック図である。デジタルロック1001が解錠可能な状態400のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、硬質磁石320が半硬質磁石310から反発する。このような配置の結果として、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に入る。このような条件では、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に突き出るので、ユーザは、回転単軸デジタルロック1001を解錠することができるであろう。ユーザがユーザインターフェース140を回転させるとき、軸2300も回転する。軸2300とユーザインターフェース140との接続により、軸2300の回転が可能である。一例では、ユーザがユーザインターフェース140を回転させるときに軸2300をその最初の位置にもってくるために戻しばねが用いられてもよい。一実装では、戻しばねは、軸2300とデジタルロック1001のロック本体110との間に画定された隙間に配置されたねじりばねであってもよい。
【0152】
単軸ロックは、複数軸のロックとは対照的に、通常はより単純である。
【0153】
実施形態107のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、108、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0154】
図23D、
図23E、及び
図23Fは、本発明に係るロックされた状態300、解錠可能な状態400、及び解錠された状態2400を示す単軸回転デジタルロック1001の一実施形態108を実証するブロック図である。デジタルロック1001がロックされた状態300のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のN極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、半硬質磁石310と硬質磁石320は互いに引き寄せられる。このような配置の結果として、硬質磁石320は、
図23Dに示すように軸2300のノッチ2340とロック本体110のノッチ2320に部分的に受け入れられ、軸2300の回転を防ぐ。
図23Eを参照すると、デジタルロック1001が解錠可能な状態400のとき、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に入る。このような条件では、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に突き出るので、ユーザは、例えば、ユーザインターフェース140を回し、軸2300を回転させることによって、デジタルロック1001を解錠することができる。解錠された状態2400の
図23Fを参照すると、ユーザがユーザインターフェース140を時計回り方向に回転させるとき、硬質磁石320が所定の角位置まで回転する。一例では、硬質磁石320の所定の角位置は約120度である。
【0155】
実施形態108のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、109、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0156】
図24Aは、本発明に係る単軸並進デジタルロック1002の一実施形態109を実証するブロック図である。このデジタルロック1002は、ロック本体110、直線的に移動するように構成された軸2300、及びユーザインターフェース140を含む。例示した実施形態では、デジタルロック1002のロック又はロック解除は、ユーザインターフェース140の直線運動に起因する。一例では、ユーザがデジタルロック1002をロック又はロック解除することを意図する場合、ユーザインターフェース140、例えば、レバー又は押しボタンが、ユーザによる直線運動で操作されてよい。より具体的には、ユーザインターフェース140は、デジタルロック1002をロック又はロック解除するべくユーザによって後方及び前方に移動されてよい。
【0157】
デジタルロック1002は、モータなどの電気要素を必要とせずにドアをロック及びロック解除するために太陽電池2310によって給電されてよい。一例では、太陽電池2310は、光を受光し、デジタルロック1002に給電するために、ロック本体110の外面150、内面、及び/又は任意の部分に存在してよい。さらに、太陽電池2310は、ユーザインターフェース140の外面上に存在してよい。このようなユーザインターフェース140上の太陽電池2310の実装では、太陽電池2310は、ドアをロック及び/又はロック解除するために、光を受光し、ロック本体110に給電するのに用いられ得る。
【0158】
3Dカメラ2330が、ユーザの画像を取り込むべくユーザインターフェース140上に存在してよい。3Dカメラ2330は、ユーザの画像を取り込み、取り込んだ画像を識別装置210に通信するのに用いられ得る。識別装置210はユーザインターフェース140の一部であり、3Dカメラ2330はユーザインターフェース上に存在するので、識別装置210は、ユーザを識別することができ、デジタルロック1002をロック又はロック解除するためにユーザがアクセスすることを可能にする。ユーザがドアをロック又はロック解除するためにアクセスすることは、取り込んだ画像を電子ロックモジュール200のデータベースに格納されたユーザの画像と比較することによりユーザを認証すると可能にされる。
【0159】
実施形態109のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、116、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0160】
図24Bは、本発明に係るロックされた状態300のデジタルロック1002の一実施形態116を実証するブロック図である。デジタルロック1002がロックされた状態300のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のN極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、半硬質磁石310と硬質磁石320は互いに引き寄せられる。このような配置により、硬質磁石320は、軸2300のノッチ2340とロック本体110のノッチ2320に部分的に受け入れられる。
【0161】
デジタルロック1002がロックされた状態300のとき、硬質磁石320は、部分的に軸2300の内部及びノッチ2340の内部にあるように構成される。このような条件では、硬質磁石の一部もノッチ2320の内部にあるので、硬質磁石320は、ロック本体110の内部の軸2300の並進運動、すなわち、押し引きを阻止する。さらに、ユーザが、ユーザインターフェース140を直線的に動かすことによりデジタルロック1002をロック解除しようとするとき、ロックされた状態300で、軸2300を介して硬質磁石320に力が加えられる場合がある。加えられた力は、次いで、軸2300と硬質磁石320との接続により、硬質磁石320に伝達される。ユーザインターフェース140から加えられた力が硬質磁石320に伝達されるのを防ぐために軸2300に制限機構が設けられてもよい。
【0162】
実施形態116のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、111、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0163】
図24Cは、本発明に係る解錠可能な状態400のデジタルロック1002の一実施形態111を実証するブロック図である。デジタルロック1002が解錠可能な状態400のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、硬質磁石320が半硬質磁石310から反発する。このような配置により、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に入る。このような条件では、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に突き出るので、ユーザは、軸をページの上方へ押し上げることによってデジタルロック1002を解錠することができるであろう。
【0164】
実施形態111のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、112、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0165】
図24Dは、本発明に係る解錠された状態2400の単軸並進デジタルロック1002の一実施形態112を実証するブロック図である。ユーザがユーザインターフェース140を直線的に動かすとき、軸2300も順方向に移動してドアがロック解除される。軸2300とユーザインターフェース140との接続により、順方向の軸2300の移動が可能である。一例では、ユーザがユーザインターフェース140を直線的に動かすときに軸2300を硬質磁石320と共にその最初の位置に戻すために戻しばねが用いられてもよい。別の例では、ユーザがユーザインターフェース140を直線的に動かすときに軸2300を硬質磁石320と共にその最初の位置に戻すために圧縮ばねが用いられてもよい。戻しばねは、軸2300とデジタルロック1002のロック本体110との間に画定された隙間に配置され得る。
【0166】
3つのロック100、1001、及び1002はすべて、無許可の侵入の懸念がないいくつかの実施形態において単純さを増すために、阻止ピン500又はそれらのノッチ510なしで実現されてもよい。
【0167】
実施形態112のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、113、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0168】
図25Aは、本発明に係る解錠可能な状態の単軸並進デジタルロック1002と、関連する認証ソフトウェア及びハードウェアの一実施形態113を実証するブロック図である。ユーザの画像を取り込み、取り込んだ画像を識別装置210に通信するのに3Dカメラ2330が用いられ得る。識別装置210はユーザインターフェース140の一部であり、3Dカメラ2330はユーザインターフェース上に存在するので、識別装置210は、デジタルロック1002をロック又はロック解除するユーザを識別することができる。3Dカメラ2330によって取り込まれたユーザの画像がデータベースに格納されたユーザの画像と一致するときに、デジタルロック1002をロック解除するユーザが認証される。ユーザが認証されるとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、硬質磁石320が半硬質磁石310から反発する。このような配置により、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に入る。このような条件では、硬質磁石320が軸2300のノッチ2340に突き出るので、ユーザはデジタルロック1002を解錠することができるであろう。
【0169】
認証された情報は、出力モジュール1240に通信され、出力モジュール1240は、図示したように解錠可能な状態400に移行するか又は解錠可能な状態400を維持するためにデジタルロック1002に信号を送信する。加えて、ユーザへの認証確認通知が提供される。通知は、音声通知、ビデオ通知、マルチメディア通知、及び/又はテキスト通知のいずれかであり得る。一例では、取り込まれるユーザの画像は、ユーザの顔、手のひら、前腕、目、又はユーザのあらゆる他の特徴であり得る。別の例では、ユーザは、電子キー、タグ、キータグ、指紋、磁気ストライプ、NFCデバイスのいずれかによって認証されてよい。
【0170】
実施形態113のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、114、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0171】
図25Bは、本発明に係る解錠された状態2400の単軸並進デジタルロック1002と、関連するソフトウェア及びハードウェアの一実施形態114を実証するブロック図である。出力モジュール1240によって受信された信号に応答して、軸2300は、順方向に移動し、デジタルロック100を解錠された状態2400になるようにロック解除する。ユーザの認証に応答して、順方向の軸2300の移動が可能である。一例では、ユーザが認証されるときに軸2300を硬質磁石320と共にその最初の位置に戻すために戻しばねが用いられてもよい。
【0172】
実施形態114のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、及び/又は115のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0173】
図26A及び
図26Bは、本発明に係るロックされた状態300及び解錠可能な状態400を示すデジタルロック100、1001、1002の一実施形態115を実証するブロック図である。
図26A及び
図26Bを参照すると、硬質磁石320は、半硬質磁石310に比べてはるかに小さい磁石であり、硬質磁石320は、プラスチック又はチタンで作製され得るピン2600の内部に存在してよい。さらに、デジタルロック100、1001、1002がロックされた状態300のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のN極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、半硬質磁石310と硬質磁石320は互いに引き寄せられる。このような配置の結果として、ピン2600が硬質磁石320と共に軸2300のノッチ2340とロック本体110のノッチ2320に部分的に受け入れられる。
図26Bを参照すると、デジタルロック100が解錠可能な状態400のとき、半硬質磁石310は、半硬質磁石310のS極が硬質磁石320のS極に面するような極性を有するように構成される。磁気原理により、硬質磁石320が半硬質磁石310から反発する。このような配置の結果として、ピン2600が硬質磁石320と共に軸2300のノッチ2340に入る。このような条件では、ピン2600が硬質磁石320と共に軸2300のノッチ2340に突き出るので、ユーザはデジタルロック100、1001、1002を解錠することができるであろう。
【0174】
好ましい実施形態では、硬質磁石320は、ロックピン2600よりもはるかに短く、ピンがロック本体にあまり強固に取り付けられていないので、ロック本体110が例えば鉄でできている場合、ロックは容易にリセット可能である。これにより、デジタルロック100、1001、1002は、状態間でより小さいリセットエネルギーを必要とする。逆に、より長い硬質磁石320は、磁気リセットエネルギーを増加させ、いくつかの実施形態、例えば阻止ピン500において好ましい。
【0175】
実施形態115のどの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、51、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、101、102、103、104、105、106、107、108、109、116、111、112、113、及び/又は114のいずれかと容易に組み合わされ又は置き換えられ得る。
【0176】
本発明が上記で説明されており、本発明の多くの利点が実証されている。本発明は、デジタルロックを構成する要素の数も少ないので、製造がより安価なデジタルロックをもたらす。デジタルロックは、デジタルロックがロックされた状態のときであっても、既存の機械式及び電気機械式ロックと比べて消費エネルギーが少ない。デジタルロックは、異なる温度範囲で動作することができ、耐腐食性があるため、信頼性が高い。さらに、デジタルロックは、ユーザにより給電される、近距離無線通信(NFC)により給電される、ソーラーパネルにより給電される、及び/又はバッテリにより給電される、自己給電式ロックであり、デジタルロックのより長い寿命が保証される。
【0177】
デジタルロックは、任意の生体認証識別方法を用いるように構成されてもよい。本発明のロックは位置センサなしでも実現できるので、位置センサの使用は随意的なものである。図面は説明のためのものであり、縮尺通りではない。
【0178】
以上、本発明を上記の実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、本発明は、これらの実施形態に限定されるだけでなく、本発明の思想及び以下の請求項の精神及び範囲内のすべての可能な実施形態を含むことは明らかである。
【0179】
参考文献
EP 3118977A1 ELECTROMECHANICAL LOCK UTILIZING MAGNETIC FIELD FORCES, published on Jan. 18, 20175, Piirainen, Mika. et al.
US 20170226784A1 REDUCED POWER CONSUMPTION ELECTROMAGNETIC LOCK, published on Aug 10, 2017, Brett L. Davis, et al.
PULSE CONTROLLED MICROFLUIDIC ACTUATORS WITH ULTRA-LOW ENERGY CONSUMPTION published on May 25, 2017, Dulsha K. Abeywardana, et al.
CN 203271335 U, Energy-saving Indoor Electromagnetic Lock, Lin Ruibie, 2013
https://en.wikipedia.org/wiki/Advanced_Encryption_Standard_process