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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】色補正
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20230425BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20230425BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20230425BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G06K19/06 140
G06K19/06 037
G06K19/06 075
G06K7/14 078
G06K7/14 017
G06K7/12
G06T1/00 510
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020560579
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019051696
(87)【国際公開番号】W WO2019145390
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】18382043.0
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514267962
【氏名又は名称】ウニベルシタ デ バルセローナ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベニット,アルタミラノ,イズマエル
(72)【発明者】
【氏名】カザルス ギジェン,オルガ
(72)【発明者】
【氏名】ファブレガ,ガレゴ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】プラデス ガルシア,フアン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァアグ,アンドレアス ハンス ヴィルヘルム
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-226580(JP,A)
【文献】特開2014-154118(JP,A)
【文献】特開2020-003878(JP,A)
【文献】特開2005-165565(JP,A)
【文献】特開2014-229299(JP,A)
【文献】特表2017-515106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06
G06K 7/14
G06K 7/12
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する方法であって、
バーコード規格又は既知の仕様に従って初期バーコードを生成することであって、該初期バーコードが、各々が該バーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットによって形成されており、該複数の符号化ユニットが、前記バーコードに埋め込まれた前記カラーパレットのデータを格納する格納場所へのリンクを共同で符号化する、明色符号化ユニットと暗色符号化ユニットとを含む、初期バーコードを生成することと、
第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセットと基準明色のセットとに分割することと、
1つ以上の所定の置換基準に従って、少なくともいくつかの前記基準暗色の各々について、暗色符号化ユニットを前記基準暗色で置換し、少なくともいくつかの前記基準明色の各々について、明色符号化ユニットを前記基準明色で置換することによって、前記初期バーコードを修正することと、
前記格納場所へのリンクを介して前記格納場所にアクセスし、前記修正されたバーコードに含まれる基準色と、前記修正されたバーコードの該基準色に起因する前記バーコードの対応する位置とを表すデータで前記格納場所を更新することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記所定の基準色のセットが、色補正のための汎用カラーパレットの色に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のコントラスト閾値が、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は色間の明度の差を説明する色情報の任意のスカラ値に関して定義される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の置換基準が、対応する基準暗色及び基準明色によって置換される暗色符号化ユニット及び明色符号化ユニットをランダムに選択することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記初期バーコードの暗色及び明色並びに前記所定の基準色を含む色のセットのヒストグラムを生成することと、
前記第1のコントラスト閾値として使用される前記ヒストグラムの平均値を決定することと、
をさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記バーコード規格又は既知の仕様が、エラー補正機構を含み、前記規格又は既知の仕様に従って決定された任意のバーコードを、該バーコード内の個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率より大きい限り、グローバルに復号可能であるようにし、
前記第1のコントラスト閾値が、個別に復号可能な符号化ユニットの前記比率が、符号化ユニットの前記所定の比率より大きいようにするために、予め定義又は調整される、
請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
デジタル形式の取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正の方法であって、前記シーンの取込みから得られる前記取り込まれたシーンが、前記画像と、請求項1~6のいずれかに記載の方法を実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードとを含み、該画像が、実際の画像の色を含み、該埋め込まれたカラーパレットを有する前記バーコードが実際の基準色を含み、
前記取り込まれたシーンが、前記取り込まれた画像と、前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードとを含み、該取り込まれた画像が、該取り込まれた画像で見た見かけの画像色を含み、該埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれた該バーコードが、該埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た見かけの基準色を含み、
前記方法が、
前記取り込まれたシーン内の前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを識別することと、
前記埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するために使用されるバーコード規格又は既知の仕様に従って、前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化し、前記バーコードに埋め込まれたカラーパレットのデータが格納された格納場所への対応するリンクを決定することと、
前記格納場所への決定されたリンクを介して前記格納場所にアクセスし、前記埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色と、前記埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の対応する位置とを取得することと、
前記埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の前記取得された位置に基づいて、前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード内の前記見かけの基準色を識別することと、
少なくともいくつかの前記実際の基準色の各々について、前記実際の基準色と前記対応する見かけの基準色との間の色偏差を決定することと、
実際の基準色と見かけの基準色との間の前記決定された色偏差に応じて、前記見かけの画像色を調整することにより、前記取り込まれた画像の色補正を実行することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化することが、
前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た前記見かけの基準色を、対応する見かけの基準色がそれぞれ第2のコントラスト閾値を下回るか上回るかに応じて、暗色又は明色に変換することによって、前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを二値化することと、
前記バーコード規格又は既知の仕様に従って、前記埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードを復号化することと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化がエラー状態を生成するかどうかを検証することをさらに含み、
エラー状態の場合、1つ以上の所定の反復基準に従って、ループを繰り返し実行し、該ループの各反復が、
第2のコントラスト閾値を変化させることと、
前記変化した第2のコントラスト閾値を考慮に入れて、前記埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを二値化することと、
前記埋め込まれたカラーパレットを有する二値化された取り込まれたバーコードを復号化することとを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の所定の反復基準が、対応する反復において、前記埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化によって前記エラー状態が生成されなくなるまで、前記ループの反復を実行することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記エラー状態が、前記埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化による、格納場所へのリンクが満たすことが期待される所定のフォーマットを満たさない出力の生成を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記エラー状態が、前記埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化による、前記バーコード規格又は既知の仕様による復号化エラーの生成を含む、請求項9~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードが、1つ以上の前記実際の基準色の1つ以上の複製を含み、
実際の基準色と見かけの基準色との間の前記色偏差を決定することが、
少なくともいくつかの前記複製された実際の基準色の各々について、前記複製された実際の基準色に対応する前記見かけの基準色の平均を決定し、前記平均された見かけの基準色と前記複製された実際の基準色との間の対応する色偏差を決定すること、又は
少なくともいくつかの前記複製された実際の基準色の各々について、前記複製された実際の基準色と前記複製された実際の基準色に対応する前記見かけの基準色の各々との間の基準色空間における色偏差を決定すること
を含む、請求項7~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するシステムであって、
バーコード規格又は既知の仕様に従って初期バーコードを生成するための生成モジュールであって、該初期バーコードが、各々が該バーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットによって形成されており、該複数の符号化ユニットが、前記バーコードに埋め込まれた前記カラーパレットのデータを格納する格納場所へのリンクを共同で符号化する、明色符号化ユニットと暗色符号化ユニットとを含む、生成モジュールと、
第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセットと基準明色のセットとに分割する分割モジュールと、
1つ以上の所定の置換基準に従って、少なくともいくつかの前記基準暗色の各々について、暗色符号化ユニットを前記基準暗色で置換し、少なくともいくつかの前記基準明色の各々について、明色符号化ユニットを前記基準明色で置換することによって、前記初期バーコードを修正する修正モジュールと、
前記格納場所へのリンクを介して前記格納場所にアクセスし、前記修正されたバーコードに含まれる基準色と、前記修正されたバーコードの該基準色に起因する前記バーコードの対応する位置とを表すデータで前記格納場所を更新する更新モジュールと
を含む、システム。
【請求項15】
環境又は物理的条件センサを生成する方法であって、請求項1~6のいずれかに記載の方法を実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードと、環境又は物理的条件に応じて色が変化し得る材料又は物質を含む色可変ユニットとを提供することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、取り込まれた画像の色補正のための、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを決定する方法、並びにそのような方法を実行するのに適したコンピュータプログラム、システム及びコンピューティングシステムに関する。
【0002】
本開示はさらに、上記方法のいずれかによって生成された、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード、及び埋め込まれたカラーパレットを有するそのようなバーコードを生成する方法に関する。埋め込まれたカラーパレットを有する上記バーコードのいずれかを含むセンサ配置も、環境又は物理的条件を測定するために提供される。
【0003】
本開示はさらに、埋め込まれたカラーパレットを有する前述のバーコードのいずれかを使用することによる、取り込まれた画像の色補正のための方法、並びにそのような方法を実行するのに適したコンピュータプログラム、システム及びコンピューティングシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
取り込まれたデジタル画像(例えば、デジタル写真)は、取り込まれた画像に付随する取り込まれたカラーパレットに基づいて色補正され得ることが知られている。したがって、画像及びカラーパレットは、対応する取込み装置の同操作中に取り込む必要がある。
【0005】
既知のカラーパレットは、取り込まれた画像の色補正を実行するためのカラーパターン(又はモデル)として使用される基準色のセットを備える。その目的のために、そのような基準色の2つのバージョンが使用される。1つのバージョンは、カラーパレットの実際の色に対応し、別のバージョンは、カラーパレットの見かけの色、つまり、取り込まれたカラーパレットで「見た」色に対応する。
【0006】
基準色の実際のバージョンと、取り込まれた(又は見かけの)基準色のバージョンとの間の偏差を決定することができる。上記偏差は、例えば、理論的には画像の色に同様の変化を引き起こす特定の光及び/又は取込み条件に起因する、基準色の変化を示し得る。この検出された実際の基準色と見かけの基準色との間の偏差は、取り込まれた画像の見かけの色を対応する実際の色にできるだけ正確に近似させることを目的として、取り込まれた画像の色に何らかの形で転送又は伝播される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、カラーパレットを決定すること、上記カラーパレットを取得/生成すること、及びそのようなカラーパレットに基づいて取り込まれた画像の色補正を行うことを目的とする従来技術の方法、コンピュータプログラム、システム及びコンピューティングシステムを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する方法が提供される。本方法は、バーコード規格(又は既知の仕様)に従って初期バーコードを生成することを含み、初期バーコードは、各々がバーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットによって形成されており、複数の符号化ユニットは、バーコードのデータを格納する格納場所への参照を共同で符号化する、明色符号化ユニット及び暗色符号化ユニットを含む。このバーコード生成方法は、第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセットと基準明色のセットとに分割することをさらに含む。
【0009】
また、「生成」方法は、少なくともいくつかの基準暗色の各々について、暗色符号化ユニットを基準暗色に置換し、少なくともいくつかの基準明色の各々について、明色符号化ユニットを基準明色に置換することによって、(1つ以上の所定の置換基準に従って)初期バーコードを修正することをさらに含む。さらに、バーコード生成方法は、修正されたバーコードに含まれる基準色、及び修正されたバーコードの上記基準色に起因するバーコードの対応する位置を表すデータで、格納場所のデータを更新することをさらに含む。
【0010】
提案されたバーコード生成方法では、得られた埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードに起因する、2つの機能がある。格納場所へのコード化された参照(第1の機能)が、色補正のための基準色(第2の機能)とともに提供される。格納場所への参照がバーコードの復号化によって取得されると、格納場所にアクセスして、カラーパレット(又は基準色)の必要なデータが取得され、対応する色補正が実行され得る。この2機能バーコードは、実際の基準色及び(取り込まれたバーコードで見た)見かけの基準色の処理効率を改善し、色を補正するために、取り込まれた画像に適用される色偏差を決定することができる。(見かけ及び実際の)基準色の識別は、改善される可能性があり、したがって、色偏差の決定は、従来技術のカラーパレットと比較して、より信頼できるものとなり得る。対応するバーコードに埋め込まれた基準色は、バーコードの対応する取込みにおいてより簡単かつ効率的に識別することができ、これにより、基準色のより小さなサンプルが許容され、次に、より多くの量の基準色の検討が許容され得る。使用される基準色の量は、アプリケーション、及び/又は色補正によって達成される精度に依存し得る。基準色の数が特に問題にはならないアプリケーションでは、得られるカラーパレット(及びカラーパレットを埋め込むバーコード)は、同じ又は類似した数の基準色を有する従来のカラーパレットと比較して、より小さくすることができる。できる限り多くの数の基準色を必要とするアプリケーションでは、得られるカラーパレット(及びカラーパレットを埋め込むバーコード)は、同じ又は類似のサイズのカラーパレットを使用する従来の方法と比較して、より多くの基準色を含むことができる。
【0011】
所定の基準色のセットには、色補正のための汎用カラーパレットの色が含まれてもよく、あるいは、所定の基準色のセットは、取り込まれて色補正される画像のタイプを表す色の範囲から決定してもよい。突出色は、この色の範囲から決定されてもよく、上記突出色は、所定の基準色のセットとして想定されてもよい。色の範囲は、取り込まれて色補正される画像のタイプを表す複数の例示的な(又はテスト)画像をカラーサンプリングすることによって決定され得る。突出色は、色の範囲の色をクラスタリングすることによって、色の範囲から決定され得る。上記クラスタリングは、例えばk-meansなどの、クラスタリングを目的とする任意の既知の技術を適用することによって実行され得る。さらに、所定の基準色のセットは、カラーパレットに異なる影響を与える発散光及び/又は取込み条件を補正するために、少なくともいくつかの基準色の複製を含み得る。
【0012】
第1のコントラスト閾値は、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は色間の明度の差を説明する色情報の任意のスカラ値に関して定義され得る。1つ以上の置換基準は、対応する基準暗色及び明色によって置換される暗色及び明色符号化ユニットをランダムに選択することを含む。他の置換基準が、例えば、符号化ユニットの空間的場所、選択可能な交換対象としての符号化ユニットの所定の有効化/無効化などに応じて、代替的に使用されてもよい。
【0013】
第1のコントラスト(又は分割)閾値は、初期バーコードの暗色及び明色、並びに所定の基準色を含む色のセットのヒストグラムの平均値に対応し得る。これにより、基準色を暗い基準色と明るい基準色とにより「正確に」分類することができるため、(埋め込まれた基準色を有する)対応するバーコードは、バーコード規格又は既知の仕様に従って、より首尾よく復号可能となり得る。
【0014】
バーコード規格又は既知の仕様には、エラー補正機構が含まれていてもよく、エラー補正機構は、規格又は既知の仕様に従って決定された任意のバーコードが、上記バーコード内の個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率より大きい限り、グローバルに復号可能であるようにする。上記を考慮して、第1のコントラスト閾値を(予め)定義又は調整して、個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率を超えるように誘起することができる。これにより、埋め込まれた基準色を有するバーコードの(標準的な)復号化が成功する可能性がさらに高くなり得る。任意の既知の最大化方法又は類似の方法を使用して、個別に復号可能な符号化ユニットの比率を最大化し、したがって、個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率より大きいことを確実にすることができる。
【0015】
バーコード規格又は既知の仕様は、クイックレスポンス(QR)バーコードを生成するように構成してもよい。しかしながら、提案された方法の文脈において、他のタイプの二次元バーコード及びさらには一次元バーコードも考慮され得る。これに関する詳細は、明細書の他の部分で提供される。
【0016】
所定の基準色のセットの分割は、第1のコントラスト閾値に「過度に」近接している基準色を識別することと、基準暗色のセットと基準明色のセットとの間で上記基準色(の少なくともいくつか)をランダムに分布させることとを含み得る。この目的のために、所定の近接閾値を使用してもよく、その結果、所与の基準色が近接閾値を超えると、上記基準色は、第1のコントラスト(又は分割)閾値に過度に近接しているために「疑わしい」暗さ及び/又は明るさを有すると想定され得る。この特徴を前述のエラー補正機構と組み合わせることにより、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの標準的な復号化の成功する可能性が高くなり得る。
【0017】
さらなる態様では、色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する従前の方法のいずれかをコンピューティングシステムに実行させるプログラム命令を備える、コンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、記憶媒体上で具現化されてもよく、及び/又はキャリア信号で搬送されてもよい。
【0018】
さらに別の態様では、デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するシステムが提供される。このシステムは、生成モジュール、分割モジュール、修正モジュール、及び更新モジュールを備える。生成モジュールは、バーコード規格又は既知の仕様に従って初期バーコードを生成するように構成されており、初期バーコードは、各々がバーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットによって形成されており、複数の符号化ユニットは、バーコードのデータを格納する格納場所への参照を共同で符号化する、明色符号化ユニット及び暗色符号化ユニットを含む。分割モジュールは、第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセットと基準明色のセットとに分割するように構成されている。修正モジュールは、少なくともいくつかの基準暗色の各々について、暗色符号化ユニットを基準暗色に置換し、少なくともいくつかの基準明色の各々について、明色符号化ユニットを基準明色に置換することによって、1つ以上の所定の置換基準に従って、初期バーコードを修正するように構成されている。更新モジュールは、修正されたバーコードに含まれる基準色、及び修正されたバーコードの上記基準色に起因するバーコードの対応する位置を表すデータで、格納場所のデータを更新するように構成されている。
【0019】
本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指すと理解され得る。モジュールは例示であることに留意されたい。モジュールは、様々なアプリケーションをサポートするために、結合、統合、分離、及び/又は複製することができる。また、特定のモジュールで実行される機能として本明細書で説明される機能は、説明された特定のモジュールで実行される機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は(ポータブルデバイスに関連付けられた)1つ以上の他のデバイスによって実行されてもよい。
【0020】
さらに、モジュールは、(ポータブルデバイスに関連付けられた)複数のデバイス及び/又は互いにローカル又はリモートの他のコンポーネントにわたって実装されてもよい。さらに、モジュールは、1つのデバイスから移動されて別のデバイスに追加されてもよく、及び/又は(ポータブルデバイスに関連付けられた)両方のデバイスに含まれてもよい。ソフトウェアの実装は、例えばメモリデバイス、フロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、又はコンピュータコードを格納できるその他のデバイスなどの1つ以上の記憶媒体に有形に具現化されてもよい。
【0021】
さらに別の態様では、デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するコンピューティングシステムが提供される。このコンピューティングシステムは、メモリとプロセッサとを備え、メモリに格納され、プロセッサによって実行可能な命令を具現化する。命令は、色補正用の埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する従前の方法のいずれかを実行する機能を有する。
【0022】
追加の態様では、色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する方法が提供される。この方法は、前述の「生成」方法のいずれかを実行することによって、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成し、埋め込まれたカラーパレットを有する上記生成されたバーコードを生成することを含む。この目的のために、適切な基材を着色する印刷技術又は他の任意の方法を使用してもよい。(埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する)上記方法を実行することによって生成される色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードも提供され得る。
【0023】
さらに追加の態様では、デジタル形式の取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のための方法が提供され、取り込まれたシーンは、画像と、従前のバーコード生成方法のいずれかを実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードとを含むシーンの取込みによってもたらされる。画像は、実際の画像の色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードは、実際の基準色を含む。取り込まれたシーンは、取り込まれた画像と、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードとを含み、取り込まれた画像は、(取り込まれた画像で見た)見かけの画像の色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードは、(埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た)見かけの基準色を含む。
【0024】
補正方法は、取り込まれたシーン内の埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを識別することと、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するために使用されるバーコード規格又は既知の仕様に従って、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化することとを含む。上記復号化は、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードのデータが格納される格納場所への対応する参照を生成する。この方法は、格納場所への決定された参照を介して格納場所にアクセスして、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの実際の基準色と、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの実際の基準色の対応する位置とを取得することをさらに含む。この方法は、また、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の取得された位置に基づいて、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード内の見かけの基準色を識別することと、(少なくともいくつかの)実際の基準色の各々について、実際の基準色と対応する見かけの基準色との間の色偏差を決定することとをさらに含む。この方法は、加えて、実際の基準色と見かけの基準色と間の決定された色偏差に応じて、見かけの画像色を調整することによって、取り込まれた画像の色補正を実行することをさらに含む。
【0025】
埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードの復号化は、(埋め込まれたカラーパレットを有する)取り込まれたバーコードを二値化することと、バーコード規格又は既知の仕様に従って、(埋め込まれたカラーパレットを有する)上記二値化されたバーコードを復号化することとを含む。この二値化は、対応する見かけの基準色がそれぞれ第2のコントラスト閾値を下回るか上回るかに応じて、(取り込まれたバーコードで見た)見かけの基準色を暗色又は明色に変換することによって実行され得る。この第2のコントラスト閾値は、例えば、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は色間の明度の差を説明する色情報の任意のスカラ値に関して定義され得る。(埋め込まれたカラーパレットを有する)取り込まれたバーコードを復号化する前にこのような二値化を行うことにより、取り込まれたバーコードの(標準的な)復号化が成功する可能性が高くなり得るため、格納場所への対応する参照の正確な決定が最も確実になり得る。
【0026】
補正方法は、(埋め込まれたカラーパレットを有する)二値化されたバーコードの復号化がエラー状態を生成するかどうかを検証することをさらに含んでもよく、エラー状態の場合、1つ以上の所定の反復基準に従ってループを繰り返し実行することができる。上記ループの各反復は、第2のコントラスト閾値を変化させることと、上記変化した第2のコントラスト閾値を考慮に入れた前述の二値化と、二値化された後に取り込まれたバーコードの前述の復号化とを含み得る。1つ以上の所定の反復基準は、対応する反復における二値化されたバーコードの復号化によってエラー状態が生成されなくなるまで、ループの反復を実行することを含み得る。エラー状態は、二値化されたバーコードの復号化による、格納場所への参照が満たすことが期待される所定のフォーマットを満たさない出力の生成を含み得る。追加又は代替として、エラー状態は、二値化されたバーコードの復号化による、バーコード規格又は既知の仕様に従った復号化エラーの生成を含み得る。そのような反復アプローチは、取り込まれたバーコードの復号化の成功の可能性をさらに高め得るため、格納場所への対応する参照の正確な決定が最も確実になり得る。
【0027】
明細書の他の部分で説明されているように、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードは、1つ以上の実際の基準色の1つ以上の複製を含み得る。これらの状況において、実際の基準色と見かけの基準色との間の色偏差の決定は、(少なくともいくつかの)複製された実際の基準色の各々について、複製された実際の基準色に対応する見かけの基準色の平均を決定することと、平均された見かけの基準色と複製された実際の基準色との間の対応する色偏差を決定することとを含み得る。追加又は代替として、実際の基準色と見かけの基準色との間の色偏差の決定は、少なくともいくつかの複製された実際の基準色の各々について、複製された実際の基準色と複製された実際の基準色に対応する見かけの基準色の各々との間の(基準色空間における)色偏差を決定することを含み得る。これらの特徴によって、取り込まれたシーンに異なる影響を与える発散光及び/又は取込み条件による歪みが補償又は減衰され得る。
【0028】
さらに追加の態様では、取り込まれた画像の色補正のための従前の方法のいずれかをコンピューティングシステムに実行させるプログラム命令を含む、コンピュータプログラムが提供される。この特定のコンピュータプログラムでは、本開示による任意のコンピュータプログラムに関連して説明された原理と同じ又は同様の一般的な原理が考慮され得る。
【0029】
さらなる態様では、デジタル形式の取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のためのシステムが提供され、取り込まれたシーンは、画像と、本開示による方法のいずれかを実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードとを含むシーンの取込みによってもたらされる。画像は、実際の画像の色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードは、実際の基準色を含む。取り込まれたシーンは、取り込まれた画像と、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードとを含み、取り込まれた画像は、取り込まれた画像で見た見かけの画像の色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードは、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た見かけの基準色を含む。
【0030】
システムは、識別モジュール、復号化モジュール、アクセスモジュール、識別子モジュール、色偏差モジュール及び補正モジュールを含む。識別モジュールは、取り込まれたシーン内の埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを識別するように構成されている。復号化モジュールは、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するために使用されるバーコード規格又は既知の仕様に従って、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化し、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードのデータが格納されている格納場所への対応する参照を決定するように構成されている。アクセスモジュールは、格納場所への決定された参照を介して格納場所にアクセスして、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの実際の基準色と、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの実際の基準色の対応する位置とを取得するように構成されている。識別子モジュールは、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の取得された位置に基づいて、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード内の見かけの基準色を識別するように構成されている。色偏差モジュールは、少なくともいくつかの実際の基準色の各々について、実際の基準色と対応する見かけの基準色との間の色偏差を決定するように構成されている。補正モジュールは、実際の基準色と見かけの基準色と間の決定された色偏差に応じて、見かけの画像色を調整することによって、取り込まれた画像の色補正を実行するように構成されている。本開示で提案された他のシステムに関連して説明された原理と同じ又は同様の一般的な原理が、本システムにおいて考慮され得る。
【0031】
さらに別の態様では、取り込まれた画像の色補正のための補正コンピューティングシステムが提供され、補正コンピューティングシステムは、メモリとプロセッサとを備え、メモリに格納された、プロセッサによって実行可能な命令を具現化する。これらの命令は、取り込まれた画像の色補正のための前述の方法のいずれかを実行する機能を有する。本開示で提案された他のコンピューティングシステムに関連して説明された原理と同じ又は同様の一般的な原理が、補正コンピューティングシステムにおいて考慮され得る。
【0032】
さらに別の態様では、環境又は物理的条件を測定(又は感知、検出)するセンサ配置が提供される。このセンサ配置は、本開示によるバーコード生成方法のいずれかを実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードと、さらに、環境又は物理的条件に応じて色が変化し得る材料又は物質を含む色可変ユニットとを含む。したがって、上記変化可能な色は、本開示による色補正方法のいずれかを実行することによって補正可能であり、そのため、上記補正された色を使用して、環境又は物理的条件を測定することができる。例えば、所定の色と所定の環境又は物理的条件との間の対応を実装するデータ構造を検査又は参照することによって、この測定を実行し、所定の色のうちのどの色が補正された色に最もよく一致するかを決定することができる。その後、上記の最もよく一致する所定の色に対応する所定の環境又は物理的条件を、測定された環境的又は物理的条件として出力することができる。色可変ユニットは、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの内部にあっても、外部にあってもよい。内部の色可変ユニットの場合、色可変ユニットは、例えば、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの1つ以上の符号化ユニットを含むか、又はそれに対応し得る。
【0033】
別の態様では、本開示による取り込まれたセンサ配置に応じて環境又は物理的条件を測定するセンサ方法が提供され、取り込まれたセンサ配置は、対応する取り込まれた色可変ユニット及び取り込まれたカラーパレットを含む。センサ方法は、(取り込まれたカラーパレットの基準色を考慮に入れて)本開示による色補正方法のいずれかを実行することによって、取り込まれた色可変ユニットの色補正を実行することと、取り込まれた色可変ユニットの補正された色に基づいて、環境又は物理的条件を測定することとを含む。
【0034】
本開示は、対応する取り込まれた画像及び/又は色可変ユニットの色補正を含む、多くの測定又は感知アプリケーションのための手段を提供する。上記感知アプリケーションの例を以下に挙げる。
【0035】
一部のアプリケーションは、例えば取り込まれた画像又は色可変ユニット内の色の測定に基づき得る。例えば、比色分析に基づく分析アプリケーションは、試薬を色可変ユニットに挿入し、色可変ユニット(の写真)及び埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを取り込み、取り込まれた色可変ユニットの色を補正し、比色分析技術に基づいて補正された色を分析して、得られた分析物の量又は測定値を推定することによって、実装され得る。1つ又は別の補正された色は、1つ又は別の量の得られた分析物を示す可能性があり、これは次に、1つ又は別の分析的「結論」を誘起し得る。このようなアプリケーションの例には、レシピエントの食品の保存度の決定、有毒ガスのある環境での安全性の測定、環境ガスの放出のモニタリング、呼気中のアセトンの測定による糖尿病のモニタリング、呼気中の物質の測定による病理のスクリーニング(例えば、食道癌)などが含まれ得る。他の例は、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを「ターゲット」サンプルの近くに配置し、補正された色に応じてサンプルを測定するために、色補正と補正された色の対応する測定とを実行することに基づき得る。ターゲットサンプルを含有するために、例えば、スイミングプールの塩素及びpHを測定するストリップ、尿ストリップなどの反応性ストリップを色可変ユニットとして使用してもよい。さらなる例としては、色が関連し得る物品(テキスタイル、セラミック...)の生産における品質管理、オブジェクトがそのシーンの明暗条件に適合した色で、及び/又は画像取込み装置によって引き起こされる歪みが除去又は減衰された状態で仮想シーンに挿入され得る拡張現実アプリケーションが挙げられる。さらに別の例としては、例えば、メイクアップトーンの選択のための肌の色調の決定、色素脱失美容処置の効果のモニタリングなどの美容アプリケーションが挙げられる。追加の例としては、黄疸(ビリルビンの増加により皮膚及び目が黄色くなる)の早期診断、皮膚の色及び目のモニタリングによる成人の膵臓癌のスクリーニングが挙げられる。黄疸は、生後数日の新生児ではかなり一般的であり、医師の診察が必要な場合がある。
【0036】
さらなるアプリケーションは、標準化されたカラー画像の取得に基づき得る。そのようなアプリケーションの例としては、例えば、診断に重要である可能性がある検査された病変における特定の色の存在を検出することに基づく、皮膚癌の早期診断が挙げられる。このアプローチは、例えば一次医療相談で撮影した画像に基づいて医療専門家が患者の優先順位付けを決定できるようにする遠隔皮膚科学と、関連する画像を比較することによる皮膚科医によるリスク患者の定期的なモニタリングとに適用され得る。他の例としては、例えば、皮膚科学の病状(白斑、皮膚炎又は乾癬などの炎症性病状)のモニタリング、皮膚科、組織学の臨床試験での画像の標準化(格納されているサンプルの画像の色の標準化、ここでは、サンプルは通常染色されているため、色は非常に関連性がある)が挙げられる。さらなる例としては、潰瘍のモニタリングと治療の選択、外科的創傷モニタリング、眼科(いくつかの病状のモニタリング)、電子商取引(例えば家具、メイクアップ、塗料など、この特徴が重大であり得る製品の実際の画像及び色基準の取得)が挙げられる。
本開示の非限定的な例は、添付の図面を参照して、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】いくつかの実施例による、格納場所への参照を符号化する標準的な二次元バーコード、及び埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードに対応する上記バーコードの修正バージョンの概略図である。
図2図1に示すものと同じ又は類似のタイプの埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するための実施例による方法を概略的に示す流れ図である。
図3図1に示すものと同じ又は類似のタイプの埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するための別の実施例による方法を概略的に示す流れ図である。
図4】取り込まれた画像と、図1に示すものと同じ又は類似のタイプの埋め込まれたカラーパレットを有する、及び/又は図2及び図3に示す方法と同じ又は類似の方法で生成された、取り込まれたバーコードとを含む、デジタル形式の取り込まれたシーンの概略図である。
図5図4に示すものと同じ又は類似のタイプの取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のための実施例による方法を概略的に示す流れ図である。
図6図4に示すものと同じ又は類似のタイプの取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のための別の実施例による方法を概略的に示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、いくつかの実施例による、格納場所への参照を符号化する標準的な機械可読二次元バーコード100、及びカラーパレットを含む上記バーコード100の修正バージョン112の概略図である。標準的な二次元(2D)バーコード100は、所与の規格又は仕様に従って二次元バーコードを生成するように構成された任意の既知の方法/ソフトウェアを使用することによって生成され得る。2Dバーコード100は、例えば、黒色と白色、又は他の「符号化」色のペアを考慮に入れることができ、他の「符号化」色は、色間のコントラスト差が大きく、そのため、上記「符号化」色は互いに明確に区別可能である。例えば、一般的な黒色と白色の代わりに、濃紺色と黄色を使用することができる。
【0039】
「バーコード規格」という表現は、本明細書では、それに従ってバーコードが生成及び復号可能である任意の既知の要件又は仕様を指すために使用される。したがって、「バーコード規格」とは、コード化された情報を表し、適切な復号化を通じて上記情報を取得するという一般的な目的で、バーコードを生成及び復号化する任意の(標準的又は非標準的な)方法を単に指し得る。本開示では、バーコードの形式で情報を生成及び復号化する上記の(既知の)様式は、色補正のためのさらなる機能を含むために再利用される。言い換えると、提案された「埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード」は、格納場所への参照を符号化すること(第1の機能)と、色補正のための基準色の提供(第2の機能)との2つの機能を提供する。
【0040】
本明細書で説明する特定の実施例は、2Dバーコードに関する。しかしながら、2Dバーコードに関して提案されたものと同じ又は同様の一般的な原則に従って、1Dバーコードを使用することもできる。同様に、開示された実施例はQRコード(登録商標)に関するが、他のタイプの2Dバーコードを、QRバーコードに基づく実装に対する代替の実装で使用することもできる。本明細書で提案する「埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード」を実装するために使用され得る1Dバーコードの例は、EAN-8、EAN-13、UPC-Aなどである。提案された「埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード」の実装に使用可能な2Dバーコード(QRコード以外)の例は、Data Matrix、Aztec Codeなどである。
【0041】
標準的な2Dバーコード100は、暗色符号化ユニット101~107及び明色符号化ユニット108~111を含み得る。暗い「符号化」色は、例えば、黒、濃紺など、明るい「符号化」色は、例えば、白、黄色などであり得る。示されている特定の実施例では、標準的な2Dバーコードは、黒の正方形の符号化ユニット101~107及び白の正方形の符号化ユニット108~111を含むQRバーコード(クイックレスポンスコード)である。
【0042】
標準的な2Dバーコード100は、例えば、リンク、ID、URL、又はASCII、UTFなどでコード化され得る関連情報など、格納場所への任意のタイプの参照を符号化するように生成することができ、その結果、標準的な2Dバーコード100によって符号化された上記参照を介して格納場所にアクセスすることができる。バーコード100に埋め込まれた対応するカラーパレットに関するデータは、上記格納場所に格納され得る。
【0043】
図1に示すように、一部の暗い(例えば、黒)符号化ユニット101~107は、(色補正のための)対応する暗い基準色113~119に置換することができ、一部の明るい(例えば、白)符号化ユニット108~111は、(色補正のための)対応する明るい基準色120~123に置換することができる。これは、格納場所への参照を符号化すること(第1の機能)と、さらに、色補正のための基準の色を提供すること(第2の機能)との2つの機能を備えた、修正された2Dバーコード112の生成を可能にし得る。修正された2Dバーコード112はまた、本明細書では、埋め込まれたカラーパレット(又は基準色)を有するバーコードと呼ばれることもある。
【0044】
図2は、デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有する、図1に示すカラーパレットを有するバーコードと同じ又は同様のタイプであり得るバーコードを生成する、実施例による方法を概略的に示す流れ図である。図1からの参照番号は、図2の以下の説明で再利用され得る。
【0045】
ブロック200において、方法は、例えば、方法の開始を要求する請求を受け取った結果として開始することができる。この要求は、例えば、方法のユーザが開始信号を生成したときに、自動的に生成され得る。
【0046】
ブロック201において、方法は、2D BWバーコード規格に従って、初期の二次元(2D)白黒(BW)バーコード100を生成(又は決定)することを含み得る。初期の2D BWバーコード100は、各々がバーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットを含むことができ、複数の符号化ユニットは、埋め込まれたカラーパレットを有する対応するバーコードのデータを格納する格納場所への参照を共同で符号化する白色符号化ユニット108~111及び黒色符号化ユニット101~107を含み得る。あるいは、黒色と白色の代わりに、色間のコントラスト差が大きい他のペアの「符号化」色を使用することもできる。例えば、2Dバーコード100は、より一般的な白黒の符号化ユニットではなく、第1の色が例えば濃紺、第2の色が例えば黄色の符号化ユニットを含んでもよい。
【0047】
ブロック202において、方法は、(所定の)第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセット113~119と基準明色のセット120~123とに分割することを含み得る。いくつかの実施例では、所定の基準色のセットは、色補正のための(既存の)汎用カラーパレットの色に対応してもよい。あるいは、基準色のセットは、取り込まれて色補正される画像のタイプを代表する色の範囲から識別してもよい。この色の範囲は、例えば、取り込まれて色補正される画像のタイプを代表する複数の例示的な(又はテスト)画像をカラーサンプリングすることによって識別され得る。次に、色の範囲内の突出色が識別され、上記突出色が、(所定の)基準色のセットとして想定され得る。突出色は、例えば、色の範囲の色をクラスタリングすることによって識別され得る。このクラスタリングは、例えばk-meansなどの、既知のクラスタリング技術に従って実行され得る。第1のコントラスト閾値は、例えば、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は基準色の暗さと明るさを区別するのに適した、色間の明度の違いを説明する色情報の任意のスカラ値に関して予め定義された閾値に対応してもよい。
【0048】
ブロック203において、(ブロック201からの)初期の2D BWバーコード100は、図1に示すものと同じ又は同様の様式で修正され得る。特に、初期の2D BWバーコード100は、所定の置換基準に従って、黒の符号化ユニット101~107を暗い基準色113~119に、白の符号化ユニット108~111を明るい基準色120~123に置換することによって修正され得る。所定の置換基準は、例えば、対応する暗い基準色及び明るい基準色によって置換される白黒の符号化ユニットをランダムに選択することを含み得る。例えば、置換される符号化ユニットの空間的な場所又は位置、置換される符号化ユニットの所定の選択性などに応じて、他の置換基準を使用してもよい。空間的な場所に基づく置換基準には、例えば、(置換される)符号化ユニットを、左から右及び上から下方向、左から右及び下から上方向、右から左及び上から下方向などに従って、順次選択することが含まれ得る。所定の選択性に基づく置換基準には、例えば、それらの置換に関して置換可能と定義されている(置換される)符号化ユニットを選択するが、他の符号化ユニットは選択可能として定義されていないため選択できないことが含まれ得る。
【0049】
ブロック204において、格納場所は、修正された2D BWバーコード112に含まれる基準色113~123、及び修正された2D BWバーコード112の上記基準色113~123に起因するバーコードの対応する位置(又は場所)を表すデータによって更新され得る。埋め込まれた基準色112を有するバーコードに関連する格納場所に格納されたこれらのデータは、本開示の他の部分で説明されるように、色補正を効果的に実行するために使用され得る。
【0050】
ブロック205において、方法の実行は、例えば、埋め込まれたカラーパレットを有する生成されたバーコード112を、例えば、適格なユーザなどの対応するレセプタに提供することによって終了することができる。
【0051】
図3は、デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有する、図1に示すカラーパレットを有するバーコードと同じ又は同様のタイプであり得るバーコードを生成する、他の実施例による方法を概略的に示す流れ図である。図1からの参照番号は、図3の以下の説明で再利用され得る。
【0052】
図3に示す方法は、図2の方法と同様であり、主な違いは、基準色113~123とともに、初期の2D BWバーコード100の黒色(暗い)及び白色(明るい)のヒストグラムに応じて、第1のコントラスト閾値が決定される点である。図3のブロック300、301、305、306及び307は、それぞれ、図2のブロック200、201、203、204及び205と等しいか又は同様であり得る。
【0053】
ブロック302において、方法は、初期2D BWバーコード100の黒/暗色及び白/明色、並びに(色補正のための)基準色113~123によって形成される色のセットのヒストグラムを生成(又は決定)することを含み得る。この目的のために、色のセットからヒストグラムを生成する任意の既知の方法を利用してもよい。
【0054】
ブロック303において、(前のブロック302からの)ヒストグラムの平均値が決定(又は計算)され得る。上記平均値は、例えば、ヒストグラムの中央値、ヒストグラムの平均値、ヒストグラムのモード、又はヒストグラムの中心的な傾向を示すヒストグラムの「ダイジェスト」値であり得る。提案された目的のために、ヒストグラムの平均値を決定する任意の既知の技法を利用してもよい。
【0055】
ブロック304は、図2のブロック202と同様であり得るが、第1のコントラスト(又は分割)閾値としての(ブロック303からの)ヒストグラム平均値に応じて、基準色が暗い基準色と明るい基準色とに分割されるという点で異なる。すなわち、ヒストグラム平均値より高い(又は等しい)基準色は暗色として分類され、ヒストグラム平均値より低い(又は等しい)基準色は明色として分類され得る。
【0056】
(2D BWバーコード規格に従って)初期の2D BWバーコード100が生成され、バーコードを復号するために規格によって使用される閾値ピクセルが含まれている場合、この閾値はヒストグラム平均値によって更新され得る。この更新は、例えば、初期バーコードが暗い基準色と明るい基準色とで修正されるブロック305において、実行され得る。この特徴は、本開示による方法の文脈において、格納場所への参照を取得するために、埋め込まれた基準色112を有するバーコードを(標準的な)復号化を行うときのエラーの回避又は低減を促進し得る。
【0057】
ヒストグラム及びその平均値に基づく上記のアプローチの側面は、基準色を暗い基準色と明るい基準色とに確実に分割するために、非常に適切な第1のコントラスト(又は分割)閾値が決定され得ることである。さらに、この確実な分割によって、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード112は、その標準的な復号化のエラーを回避又は最小化できるという意味で、より効果的になり得る。言い換えると、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード112は、(色補正のための)基準色の存在にもかかわらず、首尾よく標準的に復号可能であり得る。
【0058】
いくつかの実施例では、2D BWバーコード規格には、エラー補正機構が含まれていてもよく、エラー補正機構は、規格に従って生成された任意の2D BWバーコードが、(2D BWバーコード内の)個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率より大きい限り、グローバルに復号可能であるようにする。上記を考慮して、(例えば、図2及び図3による方法で使用される)第1のコントラスト閾値は、符号化ユニットの所定の比率に関する上記条件を満たすように調整され得る。個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率を超えたとわかるまで、反復アプローチを使用して、第1のコントラスト(又は分割)閾値を反復的に変化させてもよい。また、任意の最大化技法又はアルゴリズムを使用して、所定の符号化ユニットの比率を超えて、個別に復号可能な符号化ユニットの比を最大化する第1のコントラスト閾値の調整を決定してもよい。この第1のコントラスト(又は分割)閾値の調整によって、黒/白の符号化ユニットが対応する基準色によって十分に「正確に」置換されていない場合でも、修正された2D BWバーコードの正常な標準的な復号化が促進され得る。言い換えると、基準色による黒/白の符号化ユニットの不適切な置換は、2D BWバーコード規格のエラー補正機構によって「吸収」(又は補正)され得る。
【0059】
いくつかの実装によれば、(埋め込まれたカラーパレット112を有するバーコードを生成するために使用される)所定の基準色のセットは、少なくともいくつかの基準色の複製を含み得る。同じ基準色の異なるインスタンスがバーコード112内で空間的に分布するため、これは、本開示の他の部分で説明されるような方法で使用されるとき、埋め込まれたパレットを有するバーコード112の信頼性を高め得る。この同じ色の空間的な分布は、バーコード112内の上記の空間的に分布した基準色に影響を与える異なる光及び/又は取込み条件の補償を促進し得る。
【0060】
本開示によるいくつかのバーコード生成方法では、所定の基準色のセットの分割は、第1のコントラスト(又は分割)閾値に過度に近接している基準色を識別することを含み得る。この過度の近接は、例えば、所定の近接閾値に応じて決定することができ、所定の近接閾値を対応する基準色が超えたとき、上記基準色は「疑わしい」暗さ/明るさとして分類され得る。したがって、バーコードの(標準的な)復号化の際に、これらの疑わしい色が歪みを引き起こす傾向がある。しかしながら、上記「疑わしい」暗さ/明るさに起因する、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード112の(標準的な)復号化におけるいかなる歪みも、前述の(調整された)エラー補正機構によって吸収又は補正され得る。この事実から、そのようなエラー補正機構が利用可能である場合、対応する明るい/白又は暗い/黒の符号化ユニットへの「疑わしい」基準色の割り当ては重要ではない可能性がある。
【0061】
場合によっては、2D BWバーコード規格は、符号化を目的としない制限されたユニットを生成するように構成されていることがあり、したがって、エラー補正機構のエラー補正能力の対象にならない場合がある。しかしながら、そのような制限されたユニットは、バーコードの標準的な復号化において、例えば、対応する標準的な復号化アルゴリズムの光学的認識ステップにおいて、重要な役割を果たす場合がある。前述の「疑わしい」基準色の識別を含む実装では、上記の制限されたユニットに「疑わしい」色を割り当てることが回避され得る。したがって、これは、2D BWバーコード規格又は既知の仕様に従って効果的に復号可能な埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード112を生成することに貢献し得る。
【0062】
埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードは、図2及び図3を参照して説明された方法などのバーコード生成方法から生じる修正されたバーコードに従って提供され得る。埋め込まれたカラーパレットを有する上記バーコード112は、例えば、印刷技術又は他の塗装の方法/技法を使用して、適切な基材(紙など)を着色することによって生成され得る。
【0063】
環境又は物理的条件を測定(又は検出)するためのセンサ配置も提供され得る。このタイプのセンサ配置は、埋め込まれた基準色を有する上記のバーコードのいずれかと、環境又は物理的条件に応じて色が変化する材料又は物質を含む色可変ユニットとを含み得る。この色可変ユニットは、基準色の色補正機能に対立するものとして、そのセンサ機能を考慮に入れて、「区別された」ユニットとして明確に識別されてもよい。この目的のために、特別な識別子データを使用して、上記色可変ユニットを基準色ユニットから区別してもよい。したがって、上記特別な識別子データは、関連する格納場所に保管され、上記の区別されたユニットの変化する色を処理するために使用され得る。色可変ユニットは、バーコードの内部にあってもよく、この場合、例えば、色可変ユニットは、バーコードを形成する1つ以上の符号化ユニットであり得る(又は含み得る)。色可変ユニットから構成される(又は色可変ユニットに含まれる)符号化ユニットは、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを(標準的に)復号化するときの歪みを回避するために、(前述の観点の)制限されたユニットを含まない場合がある。代替構成では、色可変ユニットはバーコードの外部にあってもよく、したがって、色補正される取り込まれた画像であるかのように処理され得る。変化可能な色は、本開示で説明したものと同じ又は同様の色補正方法を実行することによって、すなわち、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの基準色に応じて、補正され得る。色補正が実行されると、色可変ユニットの補正された色に応じて、環境又は物理的条件が測定(又は検出)され得る。この目的のために、補正された色と環境又は物理的条件との間の同等性(又は対応、相関など)を実装する又は含む任意のタイプのデータ構造を使用してもよい。例えば、異なるインスタンスの色と条件との相関性又は同等性を格納するために必要な数の行に加えて、例えば色の列及び条件の列を含む、テーブルを使用してもよい。このテーブルは、例えば、ルックアップテーブル、又は対応するメモリ、データベース、ファイルシステムなどに格納され得る任意の他のタイプのデータ構造であり得る。
【0064】
本開示の他の部分に記載されているものなどのバーコード生成方法を実行するのに適したバーコード生成システムが提供され得る。上記システムは、コンピューティング手段、電子的手段、又はそれらの組み合わせによって実装され得る。コンピューティング手段は、命令のセット(すなわち、コンピュータプログラム)であってもよく、次に、システムは、メモリ及びプロセッサを備えていてもよく、メモリに格納され、プロセッサによって実行可能な上記命令のセットを具現化し得る。命令は、本明細書に記載されているものなどの同じ又は類似の方法を実行する機能を備えていてもよい。
【0065】
システムが電子的手段によってのみ実装される場合、コントローラは、例えば、CPLD(コンプレックスプログラマブルロジックデバイス)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はASIC(特定用途向け集積回路)であり得る。
【0066】
システムが電子的手段とコンピューティング手段との組み合わせである場合、コンピューティング手段は、命令のセット(例えば、コンピュータプログラム)であり、電子的手段は、対応する方法の対応するステップを実装することができる任意の電子回路であり得る。
【0067】
コンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば、CD-ROM、DVD、USBドライブ、コンピュータメモリ、若しくは読み取り専用メモリ)上で具現化されるか、又はキャリア信号(例えば、電気若しくは光キャリア信号)で搬送され得る。
【0068】
コンピュータプログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、及び部分的にコンパイルされた形式のオブジェクトコードであってもよく、あるいは対応する方法の実装での使用に適した任意の他の形式であってもよい。キャリアは、コンピュータプログラムを搬送できる任意のエンティティ又はデバイスであり得る。
【0069】
例えば、キャリアは、ROM、例えば、CD-ROM若しくは半導体ROM、又は磁気記録媒体、例えば、ハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。さらに、キャリアは、電気信号又は光信号などの伝達可能なキャリアであってもよく、電気信号又は光信号は、電気ケーブル若しくは光ケーブルを介して、又は無線若しくは他の手段によって伝達され得る。
【0070】
コンピュータプログラムが、ケーブル又は他のデバイス若しくは手段によって直接伝達され得る信号で具現化されるとき、キャリアは、そのようなケーブル又は他のデバイス若しくは手段によって構成され得る。
【0071】
あるいは、キャリアは、コンピュータプログラムが埋め込まれた集積回路であってもよく、集積回路は、対応する方法を実行するため、又は対応する方法の実行において使用するために適合される。
【0072】
図4は、取り込まれた画像400と、図1に示すものと同じ又は類似のタイプの埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404とを含むデジタル形式の取り込まれたシーンの概略図である。埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード404は、図2及び図3に示すものと同じ又は同様の方法を実行することによって決定されていてもよい。
【0073】
デジタル形式で取り込まれたシーンは、任意の既知のデジタル取込み装置(例えば、デジタル写真カメラなど)を使用して、実際の画像と、実際の画像の近くにカラーパレットが配置された実際のバーコードとを含む実際のシーンを取り込むことによって取得され得る。実際のシーンは、アナログの取込み装置を使用して取り込んでもよく、そのように取り込まれたシーンは、デジタル化を目的とする既知の方法を使用してデジタル化され得る。
【0074】
図示の特定の実施例では、実際の画像はリンゴに対応し、埋め込まれたカラーパレットを有する実際のバーコードは、図1に示すものと同じ又は同様の修正されたバーコード112に対応する。埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード112は、図2及び図3を参照して説明したものと同じ又は同様の方法を実行することによって決定されていてもよい。埋め込まれたカラーパレットを有する実際のバーコードは、色補正のための実際の基準色を含み得る。実際の画像の色は、実画像色と呼ばれることもある。
【0075】
取り込まれた画像400には、取り込まれた画像で見た、実際の画像の色に対応する見かけの画像の色が含まれ得る。見かけの画像の色には、例えば、主にリンゴ自体に対応する異なる赤レベル401、主にリンゴの茎に対応する異なる茶色レベル403、主に茎の葉に対応する異なる緑レベル402などが含まれ得る。
【0076】
埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404は、例えば、(色補正のための)埋め込まれた基準色405、406を有する取り込まれたQRコード(登録商標)に対応し得る。埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404には、取り込まれたバーコード404で見た実際の基準色に対応する見かけの基準色405、406が含まれ得る。
【0077】
埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404の見かけの基準色は、取り込まれた画像400の見かけの色と等しいか、又は類似したものであり得る。図示の特定の実施例では、取り込まれたバーコード404の見かけの色405は、取り込まれた画像400の見かけの色405と同様に示されており、取り込まれたバーコード404の見かけの色406は、取り込まれた画像400の見かけの色406と同様に示されている。
【0078】
図4のシーンなどの取り込まれたシーンは、本開示による方法への入力であり得る。上記方法は、取り込まれた画像400の色が取り込まれたカラーパレット404の見かけの基準色と実質的に一致する場合、実際の色と、取り込まれた画像400の色補正のためのカラーパレット404の見かけの色との間の偏差を考慮することができる。パレット404に類似の基準色がないとき、例えば、補間技術を使用して、見かけの画像の色(すなわち、取り込まれたパレット404の2つの異なる見かけの基準色の中間にある見かけの画像の色)を補正することができる。方法の詳細は、図5及び図6を参照して提供される。
【0079】
図5は、図4に示すものと同じ又は類似のタイプの取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のための実施例による方法を概略的に示す流れ図である。したがって、上記の図4からの参照番号は、図5の以下の説明で再利用され得る。
【0080】
ブロック500において、方法は、例えば、方法の開始を要求する請求を受け取った結果として開始することができる。この要求は、例えば、方法のユーザが開始信号を生成したときに、自動的に生成され得る。
【0081】
ブロック501において、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404は、取り込まれたシーンにおいて(幾何学的に)識別され得る。これは、バーコードを生成するために使用された規格に従って、バーコード404に含まれる位置ユニットに応じて実行され得る。これらの位置ユニットは、取り込まれたシーン内のバーコード404の位置(及び場合によっては方向)を識別するために規格で採用してもよい。図示の特定の実施例では、3つの位置ユニット407~409が示されている。
【0082】
ブロック502において、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404は、バーコード404のデータが格納された格納場所への対応する参照を決定(又は取得)するために、(カラーパレットを有するバーコード404を生成するために使用された)2D BWバーコード規格に従って復号化され得る。これは、(2D BWバーコード規格又は既知の仕様に従って)バーコードの標準的な復号化を実装する(既存の)ソフトウェアを使用して実行され得る。
【0083】
ブロック503において、方法は、(ブロック502で実行された)埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404の復号化から得られた格納場所への決定された参照を介して格納場所にアクセスすることを含み得る。このアクセスは、カラーパレットの実際の基準色と、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の対応する位置とを取得するために実行され得る。
【0084】
ブロック504において、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404における見かけの基準色は、カラーパレットにおける実際の基準色の取得された位置(又は場所)に基づいて決定(又は識別)され得る。これらの場所は、例えば、参照座標系の1つ以上の点、参照の位置行列のセル番号などによって表され得る。取得されると、カラーパレットを有する取り込まれたバーコード404内の上記場所(又は位置)が検査され、取得された実際の基準色に対応する見かけの基準色が識別され得る。したがって、このブロック504は、最終的に、各々が見かけの基準色及びその対応する実際の基準色を含む一組の色ペアを出力し得る。
【0085】
ブロック505において、方法は、ブロック504からの色ペアを処理して、(少なくともいくつかの)実際の基準色の各々について、実際の基準色とその対応する見かけの基準色との間の色偏差を決定(又は計算)し得る。見かけの色と対応する実際の色との間の色偏差は、例えば、参照の色空間(RGB色空間など)における見かけの色の色座標と実際の色の色座標との間の距離を介して表され得る。
【0086】
ブロック506において、取り込まれた画像の色補正は、実際の基準色と見かけの基準色と間の決定された色偏差に応じて、見かけの画像色を調整することによって実行され得る。見かけの基準色と実質的に一致する見かけの画像色は、上記見かけの基準色と対応する実際の基準色との間の色偏差を、見かけの画像色に適用(又は転送)することによって補正され得る。見かけの基準色のいずれとも実質的に一致しない任意の見かけの画像色は、例えば、最も遠い見かけの基準色と対応する色偏差との間の補間を適用することによって補正され得る。
【0087】
ブロック507において、方法の実行は、例えば、補正された画像を、例えば適格なユーザ、撮像装置若しくはカメラのコントローラなどの対応するレセプタに提供することによって終了することができる。
【0088】
図6は、図4に示すものと同じ又は類似のタイプの取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のための別の実施例による方法を概略的に示す流れ図である。したがって、上記の図4からの参照番号は、図6の以下の説明で再利用され得る。
【0089】
図6に示す方法は、図5の方法と同様であり、主な違いは、変化する(第2の)コントラスト閾値に応じて、カラーパレットを有する取り込まれたバーコード404を二値化することにある。図6のブロック600、601、606、607、608、609及び610は、それぞれ、図5のブロック500、501、503、504、505、506及び507と等しいか又は同様であり得る。
【0090】
ブロック602において、(ブロック601で識別された)埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード404は、白黒(又は色間に十分なコントラスト差がある他の色のペア)に二値化され得る。この二値化は、変化する可能性のある(第2の)コントラスト閾値に応じて実行されてもよい。特に、取り込まれたバーコード404内の見かけの基準色は、上記見かけの色が(第2の)コントラスト閾値を超える場合、黒/暗色に変換され、そうでない場合、白/明色に変換され得る。(第2の)コントラスト閾値は、例えば、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は異なる色間の明度の違いを説明する、したがって基準色の暗さと明るさを区別するのに適した、色情報の任意のスカラ値に関して予め定義された閾値に対応してもよい。提案された様式で二値化された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード404は、エラー傾向を低減しながら標準的に復号可能となり得る。
【0091】
ブロック603において、埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコード404は、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード404に関するデータを含む格納場所への対応する参照(例えば、リンク、ID、URL…)を取得するために、2D BWバーコード規格に従って復号化され得る。二値化されたバーコード404の復号化は、考慮された2D BWバーコード規格に従って、任意の(既存の)ソフトウェアを介して実行され得る。図5のこのブロック603とブロック502との間の違いの1つは、取り込まれたバーコード404がその復号化前に二値化される一方、ブロック502では、事前に二値化することなく復号化が実行される点である。
【0092】
ブロック604において、ブロック603で実行された復号化によってエラー状態が生成されたかどうかの検証が実行され得る。上記検証の結果が肯定(又は真)の場合、方法は、ブロック605に進んで第2のコントラスト閾値を変化させ、続いて、変化した第2のコントラスト閾値及び対応する二値化されたバーコードの復号化(ブロック603)によって、新たに二値化を試み得る(ブロック602)。上記検証の結果が否定(又は偽)の場合、方法は、ブロック606に続き、ブロック603で実行された復号化から得られた参照を介して格納場所にアクセスし得る。復号化のエラー状態には、例えば、2D BWバーコード規格によってもたらされた復号化エラー、格納場所への参照が満たすことが期待される所定のフォーマットの不備などが含まれ得る。
【0093】
カラーパレットを有するバーコード404がいくつかの複製された実際の基準色を含む場合、方法は、(少なくともいくつかの)複製された実際の基準色の各々について、複製された実際の基準色に対応する見かけの基準色の平均を決定する(又は計算する)ことを含み得る。次に、上記平均を使用して、平均された見かけの基準色と複製された実際の基準色との間の対応する色偏差を決定することができる。同じ基準色の異なるインスタンスがバーコード内で空間的に分布されるため、これにより、方法の信頼性が高められ、したがって、複製された基準色に異なる影響を与える発散光及び/又は取込み条件が補正され得る。
【0094】
本明細書で提案されるバーコード生成方法の場合のように、本開示による色補正方法を実行するのに適した対応するコンピュータプログラム及び(コンピューティング)システムも提供され得る。バーコード生成方法を実行するように構成されたコンピュータプログラム及び(コンピューティング)システムに関して述べられた一般原則は、色補正方法を実装するのに適したコンピュータプログラム及び(コンピューティング)システムに等しく又は同様に適用され得る。
【0095】
前述のように、本明細書で提案されるバーコード生成方法及び色補正方法は、可変的な大きさに応じて特別な状況を識別するために異なる閾値を使用することがある。このような閾値は、例えば暗色と明色とを区別し、基準色と分割閾値との間の過度の接近を検出するために使用される。上記閾値は、対応する可変的な大きさが特別な状況を示し得るのがどの値からであるかを決定するための実験を実行することにより、事前に確立され得る。これらの実験は、(継続的又は定期的に)閾値を精査するために、例えば、テストデータの計算、及び適格なユーザによる対応する検証に基づいていてもよい。この精査は、対応する方法(及びソフトウェア/システム)の寿命に沿って、方法自体によって提供される結果に応じて、必要な回数を実行してよい。
【0096】
完全性の理由から、本開示の様々な態様は、以下の番号を付した節に提示される。
1.デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する方法であって、
バーコード規格又は既知の仕様に従って初期バーコードを生成することであって、初期バーコードが、各々がバーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットによって形成されており、複数の符号化ユニットが、バーコードのデータを格納する格納場所へのリンクを共同で符号化する明色符号化ユニット及び暗色符号化ユニットを含む、初期バーコードを生成することと、
第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセットと基準明色のセットとに分割することと、
1つ以上の所定の置換基準に従って、少なくともいくつかの基準暗色の各々について、暗色符号化ユニットを基準暗色で置換し、少なくともいくつかの基準明色の各々について、明色符号化ユニットを基準明色で置換することによって、初期バーコードを修正することと、
修正されたバーコードに含まれる基準色と、修正されたバーコードの上記基準色に起因するバーコードの対応する位置とを表すデータで格納場所のデータを更新することと
を含む、方法。
【0097】
2.所定の基準色のセットが、色補正のための汎用カラーパレットの色に対応する、条項1に記載の方法。
【0098】
3.所定の基準色のセットを決定することをさらに含み、上記決定が、
取り込まれて色補正される画像のタイプを表す色の範囲を決定することと、
色の範囲から突出色を決定し、上記突出色を所定の基準色のセットとして決定することと
を含む、条項1に記載の方法。
【0099】
4.色の範囲を決定することが、取り込まれて色補正される画像のタイプを表す複数の例示的な画像をカラーサンプリングすることを含む、条項3に記載の方法。
【0100】
5.色の範囲から突出色を決定することが、色の範囲の色をクラスタリングすることを含む、条項3又は4に記載の方法。
【0101】
6.第1のコントラスト閾値が、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は色間の明度の差を説明する色情報の任意のスカラ値に関して定義される、条項1~5のいずれかに記載の方法。
【0102】
7.1つ以上の置換基準が、対応する基準暗色及び基準明色によって置換される暗色符号化ユニット及び明色符号化ユニットをランダムに選択することを含む、条項1~6のいずれかに記載の方法。
【0103】
8.初期バーコードの暗色及び明色並びに所定の基準色を含む色のセットのヒストグラムを生成することと、
第1のコントラスト閾値として使用されるヒストグラムの平均値を決定することと、
をさらに含む、条項1~7のいずれかに記載の方法。
【0104】
9.バーコード規格又は既知の仕様が、エラー補正機構を含み、規格又は既知の仕様に従って決定された任意のバーコードを、上記バーコード内の個別に復号可能な符号化ユニットの比率が符号化ユニットの所定の比率より大きい限り、グローバルに(全体的に、包括的に)復号可能であるようにし、
第1のコントラスト閾値が、個別に復号可能な符号化ユニットの比率が、符号化ユニットの所定の比率より大きいようにするために、予め定義又は調整される、
条項1~8のいずれかに記載の方法。
【0105】
10.バーコード規格又は既知の仕様が、クイックレスポンス(QR)バーコードを生成するように構成されている、条項1~9のいずれかに記載の方法。
【0106】
11.所定の基準色のセットが、少なくともいくつかの基準色の複製を含む、条項1~10のいずれかに記載の方法。
【0107】
12.所定の基準色のセットを分割することが、
対応する基準色が超えたときに上記基準色が第1のコントラスト閾値に過度に近接していると想定される所定の近接閾値に応じて、第1のコントラスト閾値に過度に近接している基準色を識別することと、
第1のコントラスト閾値に過度に近接している上記基準色の少なくともいくつかを、基準暗色のセットと基準明色のセットとの間にランダムに分布させることと
を含む、条項1~11のいずれかに記載の方法。
【0108】
13.色補正用の埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する条項1~12のいずれかに記載の方法をコンピューティングシステムに実行させるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【0109】
14.記憶媒体上で具現化される、及び/又はキャリア信号で搬送される、条項13に記載のコンピュータプログラム。
【0110】
15.デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するシステムであって、
バーコード規格又は既知の仕様に従って初期バーコードを生成するための生成モジュールであって、初期バーコードが、各々がバーコード内に所定の位置を有する複数の符号化ユニットによって形成されており、複数の符号化ユニットが、バーコードのデータを格納する格納場所への参照を共同で符号化する、明色符号化ユニット及び暗色符号化ユニットを含む、生成モジュールと、
第1のコントラスト閾値に応じて、色補正のための所定の基準色のセットを、基準暗色のセットと基準明色のセットとに分割する分割モジュールと、
1つ以上の所定の置換基準に従って、少なくともいくつかの基準暗色の各々について、暗色符号化ユニットを基準暗色で置換し、少なくともいくつかの基準明色の各々について、明色符号化ユニットを基準明色で置換することによって、初期バーコードを修正する修正モジュールと、
修正されたバーコードに含まれる基準色と、修正されたバーコードの上記基準色に起因するバーコードの対応する位置とを表すデータで、格納場所を更新する更新モジュールと
を含む、システム。
【0111】
16.デジタル形式の取り込まれた画像の色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するコンピューティングシステムであって、コンピューティングシステムが、メモリとプロセッサとを備え、メモリに格納された、プロセッサによって実行可能な命令を具現化し、命令が、色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する条項1~12のいずれかに記載の方法を実行する機能を含む、コンピューティングシステム。
【0112】
17.色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成する方法であって、
条項1~12のいずれかによる方法を実行することによって、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを決定することと、
方法を実行することによって決定された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成することと
を含む、方法。
【0113】
18.条項17に記載の方法を実行することによって生成される、色補正のための埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード。
【0114】
19.デジタル形式の取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正の方法であって、シーンの取込みから得られる取り込まれたシーンが、画像と、条項1~12のいずれかに記載の方法を実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードとを含み、画像が、実際の画像の色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードが実際の基準色を含み、
取り込まれたシーンが、取り込まれた画像と、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードとを含み、取り込まれた画像が、取り込まれた画像で見た見かけの画像色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードが、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た見かけの基準色を含み、
方法が、
取り込まれたシーン内の埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを識別することと、
埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するために使用されるバーコード規格又は既知の仕様に従って、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化し、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードのデータが格納された格納場所への対応する参照を決定することと、
格納場所への決定された参照を介して格納場所にアクセスし、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色と、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の対応する位置とを取得することと、
埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の取得された位置に基づいて、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード内の見かけの基準色を識別することと、
少なくともいくつかの実際の基準色の各々について、実際の基準色と対応する見かけの基準色との間の色偏差を決定することと、
実際の基準色と見かけの基準色との間の決定された色偏差に応じて、見かけの画像色を調整することにより、取り込まれた画像の色補正を実行することと
を含む、方法。
【0115】
20.埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化することが、
埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た見かけの基準色を、対応する見かけの基準色がそれぞれ第2のコントラスト閾値を下回るか上回るかに応じて、暗色又は明色に変換することによって、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを二値化することと、
バーコード規格又は既知の仕様に従って、埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードを復号化することと
を含む、条項19に記載の方法。
【0116】
21.第2のコントラスト閾値が、色の輝度、色の明るさ、グレースケール値、又は色間の明度の差を説明する色情報の任意のスカラ値に関して定義される、条項20に記載の方法。
【0117】
22.埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化がエラー状態を生成するかどうかを検証することをさらに含み、
エラー状態の場合、1つ以上の所定の反復基準に従って、ループを繰り返し実行し、ループの各反復が、
第2のコントラスト閾値を変化させることと、
上記変化した第2のコントラスト閾値を考慮に入れて、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを二値化することと、
埋め込まれたカラーパレットを有する上記二値化された取り込まれたバーコードを復号化することとを含む、
条項20又は21に記載の方法。
【0118】
23.1つ以上の所定の反復基準が、対応する反復において、埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化によってエラー状態が生成されなくなるまで、ループの反復を実行することを含む、条項22に記載の方法。
【0119】
24.エラー状態が、埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化による、格納場所への参照が満たすことが期待される所定のフォーマットを満たさない出力の生成を含む、条項22又は23に記載の方法。
【0120】
25.エラー状態が、埋め込まれたカラーパレットを有する二値化されたバーコードの復号化による、バーコード規格又は既知の仕様による復号化エラーの生成を含む、条項22~24のいずれかに記載の方法。
【0121】
26.埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードが、1つ以上の実際の基準色の1つ以上の複製を含み、
実際の基準色と見かけの基準色との間の色偏差を決定することが、
少なくともいくつかの複製された実際の基準色の各々について、複製された実際の基準色に対応する見かけの基準色の平均を決定し、平均された見かけの基準色と複製された実際の基準色との間の対応する色偏差を決定すること、又は
少なくともいくつかの複製された実際の基準色の各々について、複製された実際の基準色と複製された実際の基準色に対応する見かけの基準色の各々との間の基準色空間における色偏差を決定すること
を含む、条項19~25のいずれかに記載の方法。
【0122】
27.取り込まれた画像の色補正のための条項19~26のいずれかに記載の方法をコンピューティングシステムに実行させるプログラム命令を備えるコンピュータプログラム。
【0123】
28.デジタル形式の取り込まれたシーンに含まれる取り込まれた画像の色補正のシステムであって、シーンの取込みから得られる取り込まれたシーンが、画像と、条項1~12のいずれかに記載の方法を実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードとを含み、画像が、実際の画像の色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードが実際の基準色を含み、
取り込まれたシーンが、取り込まれた画像と、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードとを含み、取り込まれた画像が、取り込まれた画像で見た見かけの画像色を含み、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードが、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードで見た見かけの基準色を含み、
システムが、
取り込まれたシーン内の埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを識別する識別モジュールと、
埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードを生成するために使用されるバーコード規格又は既知の仕様に従って、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコードを復号化し、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードのデータが格納された格納場所への対応する参照を決定する復号化モジュールと、
格納場所への決定された参照を介して格納場所にアクセスし、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色と、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の対応する位置とを取得するアクセスモジュールと、
埋め込まれたカラーパレットを有するバーコード内の実際の基準色の取得された位置に基づいて、埋め込まれたカラーパレットを有する取り込まれたバーコード内の見かけの基準色を識別する識別子モジュールと、
少なくともいくつかの実際の基準色の各々について、実際の基準色と対応する見かけの基準色との間の色偏差を決定する色偏差モジュールと、
実際の基準色と見かけの基準色との間の決定された色偏差に応じて、見かけの画像色を調整することにより、取り込まれた画像の色補正を実行する補正モジュールと
を備える、方法。
【0124】
29.取り込まれた画像の色補正のための補正コンピューティングシステムであって、補正コンピューティングシステムが、メモリとプロセッサとを備え、メモリに格納された、プロセッサによって実行可能な命令を具現化し、命令が、取り込まれた画像の色補正のための条項19~26のいずれかに記載の方法を実行する機能を含む、コンピューティングシステム。
【0125】
30.環境又は物理的条件を測定するセンサ配置であって、
条項1~12のいずれかに記載のバーコード生成方法を実行することによって生成された埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードと、環境又は物理的条件に応じて色が変化し得る材料又は物質を含む色可変ユニットとを含み、
上記変化可能な色が、条項19~26に記載の色補正方法を実行することによって補正可能であり、環境又は物理的条件が、色可変ユニットの補正された色に応じて測定可能である、センサ配置。
【0126】
31.色可変ユニットが、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの外部にある、条項30に記載のセンサ配置。
【0127】
32.色可変ユニットが、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの内部にある、条項30に記載のセンサ配置。
【0128】
33.色可変ユニットが、埋め込まれたカラーパレットを有するバーコードの1つ以上の符号化ユニットに対応する、条項32に記載のセンサ配置。
【0129】
34.デジタル形式の条項30~33のいずれかに記載の取り込まれたセンサ配置を使用することによって環境又は物理的条件を測定するセンサ方法であって、取り込まれたセンサ配置が、対応する取り込まれた色可変ユニットと取り込まれたカラーパレットとを含み、
センサ方法が、
取り込まれたカラーパレットの基準色を考慮に入れて、条項19~26のいずれかに記載の色補正方法を実行することによって、取り込まれた色可変ユニットの色補正を実行することと、
取り込まれた色可変ユニットの補正された色に応じて、環境又は物理的条件を測定することと
を含む、方法。
【0130】
35.取り込まれた色可変ユニットの補正された色に応じて、環境又は物理的条件を測定することが、
所定の色と所定の環境又は物理的条件との間の対応を実装するデータ構造を検査又は調査して、上記所定の色のうち、取り込まれた色可変ユニットの補正された色に最もよく一致する色を決定することと、
上記最もよく一致する所定の色に対応する所定の環境又は物理的条件を、測定された環境又は物理的条件として決定することと
を含む、条項34に記載のセンサ方法。
本明細書ではいくつかの実施例のみを開示しているが、他の代替、修正、使用、及び/又はそれらの均等物が可能である。さらに、説明されている実施例のすべての可能な組み合わせも含まれる。したがって、本開示の範囲は、特定の実施例によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6