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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】圧縮機兼膨張機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
F04B39/10 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021156729
(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公開番号】P2023047677
(43)【公開日】2023-04-06
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】394009935
【氏名又は名称】株式会社サクション瓦斯機関製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】竹内 誠
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-095880(JP,A)
【文献】特開平05-071471(JP,A)
【文献】特開平06-010867(JP,A)
【文献】特開昭57-135280(JP,A)
【文献】特開2021-099089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容積変化する作動空間部と、
前記作動空間部に連設される高圧側外部空間部と、
前記作動空間部に連設される低圧側外部空間部と、
前記作動空間部と前記高圧側外部空間部との間に配設される第一弁と、
前記作動空間部と前記低圧側外部空間部との間に配設される第二弁と、
前記第一弁を開閉する第一弁作動機構と、
前記第二弁を開閉する第二弁作動機構と、を備え、
前記第一弁は、第一弁座と、前記高圧側外部空間部側から前記第一弁座に対して押し付けられて前記第一弁座を閉塞する第一弁体と、前記第一弁体を前記作動空間部側から前記高圧側外部空間部側に向けて付勢する第一付勢部とを有する、常開型弁であり、
前記第一弁作動機構は、前記第一弁体を前記高圧側外部空間部側から前記作動空間部側へと押す動作により前記第一弁を閉にする、
前記第二弁は、第二弁座と、前記作動空間部側から前記第二弁座に対して押し付けられて前記第二弁座を閉塞する第二弁体と、前記第二弁体を前記作動空間部側から前記低圧側外部空間部側に向けて付勢する第二付勢部とを有する、常閉型弁であり、
前記第二弁作動機構は、前記第二弁体を前記低圧側外部空間部側から前記作動空間部側へと押す動作により前記第二弁を開にする、
圧縮機兼膨張機。
【請求項2】
容積変化する作動空間部と、
前記作動空間部に連設される高圧側外部空間部と、
前記作動空間部に連設される低圧側外部空間部と、
前記作動空間部と前記高圧側外部空間部との間に配設される第一弁と、
前記作動空間部と前記低圧側外部空間部との間に配設される第二弁と、
前記第一弁を開閉する第一弁作動機構と、
前記第二弁を開閉する第二弁作動機構と、を備え、
前記第一弁は、第一弁座と、前記高圧側外部空間部側から前記第一弁座に対して押し付けられて前記第一弁座を閉塞する第一弁体と、前記第一弁体を前記高圧側外部空間部側から前記作動空間部側に向けて付勢する第一付勢部とを有する、常閉型弁であり、
前記第一弁作動機構は、前記第一弁体を前記作動空間部側から前記高圧側外部空間部側へと引く動作により前記第一弁を開にする、
前記第二弁は、第二弁座と、前記作動空間部側から前記第二弁座に対して押し付けられて前記第二弁座を閉塞する第二弁体と、前記第二弁体を前記低圧側外部空間部側から前記作動空間部側に向けて付勢する第二付勢部とを有する、常開型弁であり、
前記第二弁作動機構は、前記第二弁体を前記作動空間部側から前記低圧側外部空間部側へと引く動作により前記第二弁を閉にする、
圧縮機兼膨張機。
【請求項3】
前記作動空間部の往復移動部材が最大容積位置又は前記最大容積位置の前後にあり、前記第一弁及び前記第二弁が閉じられた状態において、前記往復移動部材が前記最大容積位置側から最小容積位置側に向けて移動され、
前記往復移動部材が前記最小容積位置に達する前の第一所定位置において、前記第一弁が開かれ、
前記往復移動部材の前記最小容積位置又は前記最小容積位置の前後において、前記第一弁が閉じられ、
前記往復移動部材が前記最小容積位置側から前記最大容積位置側に向けて移動されて前記最大容積位置に達する前の第二所定位置において、前記第二弁が開かれ、
前記往復移動部材の前記最大容積位置又は前記最大容積位置の前後において、前記第二弁が閉じられる、
これらの動作が繰り返されることにより圧縮機として運転される、請求項又はに記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項4】
前記往復移動部材が前記最小容積位置に達する前の前記第一所定位置又は前記第一所定位置に達する前の位置において、前記作動空間部の圧力と前記高圧側外部空間部の圧力とが一致する、
請求項に記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項5】
前記往復移動部材が前記最大容積位置に達する前の前記第二所定位置又は前記第二所定位置に達する前の位置において、前記作動空間部の圧力と前記低圧側外部空間部の圧力とが一致する、
請求項又はに記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項6】
前記作動空間部の往復移動部材が最大容積位置又は前記最大容積位置の前後にあり、前記第一弁及び前記第二弁が閉じられた状態から前記第二弁が開かれた状態において、前記往復移動部材が前記最大容積位置側から最小容積位置側に向けて移動され、
前記往復移動部材が前記最小容積位置に達する前の第三所定位置において、前記第二弁が閉じられ、
前記往復移動部材の前記最小容積位置又は前記最小容積位置の前後において、前記第一弁が開かれ、
前記往復移動部材が前記最小容積位置側から前記最大容積位置側に向けて移動されて前記最大容積位置に達する前の第四所定位置において、前記第一弁が閉じられる、
これらの動作が繰り返されることにより膨張機として運転される、請求項からのいずれか一項に記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項7】
前記往復移動部材が前記第三所定位置から前記最小容積位置に達する前の位置において、前記作動空間部の圧力と前記高圧側外部空間部の圧力とが一致する、
請求項に記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項8】
前記往復移動部材が前記第四所定位置から前記最大容積位置に達する前の位置において、前記作動空間部の圧力と前記低圧側外部空間部の圧力とが一致する、
請求項又はに記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項9】
前記作動空間部が多段に連設される、
請求項1からのいずれか一項に記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項10】
前記高圧側外部空間部には熱交換器が配設される、
請求項1からのいずれか一項に記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項11】
前記作動空間部には、前記作動空間部を駆動し又は前記作動空間部により駆動される原動機が連結され、前記原動機は電動機を含む、
請求項1から1のいずれか一項に記載の圧縮機兼膨張機。
【請求項12】
前記作動空間部には、前記作動空間部を駆動し又は前記作動空間部により駆動される原動機が連結され、前記原動機は外燃機関を含む、
請求項1から1のいずれか一項に記載の圧縮機兼膨張機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機兼膨張機に関する。
【背景技術】
【0002】
容積型圧縮機兼容積型膨張機は、容積変化する作動空間部(シリンダ及びピストン等)を少なくとも備えている。この容積型圧縮機兼容積型膨張機は、ピストンの往復運動によるシリンダの容積変化によってガスを圧縮する圧縮機(コンプレッサ)として運転することが可能である。その一方、容積型圧縮機兼容積型膨張機は、高圧のガスによりピストンを往復運動させて動力を発生させる膨張機(例えば、特許文献1)として運転することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7188474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、容積型圧縮機兼容積型膨張機の作動空間と高圧側外部空間との間には、差圧及び流体力によって開く常閉型(ノーマルクローズ)のチェックバルブ(逆止弁)が吐出弁として設けられる。作動空間において圧縮されたガスの圧力が高圧側外部空間の圧力を超えると差圧及び流体力によってチェックバルブが開き、作動空間のガスはチェックバルブを通して高圧側外部空間に吐出され、容積型圧縮機兼容積型膨張機が圧縮機の吐出弁としての機能を果たす。しかし、膨張機の吸入弁としての機能を果たすためには、弁体に強制力を働かせて開く必要があるが、差圧及び流体力によって弁体が高圧側外部空間側に開くノーマルクローズの逆止弁は、外部空間側に設置するアクチュエータにより作動するヨークによって弁体を押してバルブを開とするバルブアンローダ機構(通常は圧縮機の吸入弁に使用する)を用いることができない。
【0005】
また、内燃機関の外部空間と作動空間との間には、吸排気弁(ポペットバルブ)のような外部空間側から作動空間側に向けて開き、バネ力、作動空間側からの差圧および流体力で閉となる弁が設けられる。このような弁は、膨張機の高圧側外部空間と作動空間との間の弁として使用すると、高圧側外部空間側から作動空間側に差圧が働き、開き得るため非常に強いバネを用いて閉じる必要がある。このため、強制力を働かせて弁を開く時に大きな動力を必要とし、機械効率の低下を招き得る。
【0006】
さらに、特許文献1に記載の発明は、常閉型の弁を使用して膨張機の入口弁を構成したものであるが、弁に強制力を働かせるために二次流体の圧力を用いてピストンを作動させ、弁を開にするものである。しかし、常閉型の弁を開くための作動機構を配置する場所を確保するため、弁の作動方向を作動空間の法線方向に対し直角に配置している。これにより、作動空間と弁との間に通路が必要でクリアランス容積が大きくなり、容積効率の低下を招き得る。
【0007】
そこで、本発明は、容積効率の低下を抑制しつつ、作動空間部においてガスを圧縮することにより圧縮機としての機能を果たし、且つ、作動空間部においてガスを膨張させることにより膨張機としての機能を果たすことができる圧縮機兼膨張機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る圧縮機兼膨張機は、容積変化する作動空間部と、作動空間部に連設される高圧側外部空間部と、作動空間部に連設される低圧側外部空間部とを備える。圧縮機兼膨張機は、作動空間部と高圧側外部空間部との間に配設される第一弁と、作動空間部と低圧側外部空間部との間に配設される第二弁と、第一弁を開閉する第一弁作動機構と、第二弁を開閉する第二弁作動機構とを備える。第一弁は、第一弁座と、高圧側外部空間部側から第一弁座に対して押し付けられて第一弁座を閉塞する第一弁体と、第一弁体を作動空間部側から高圧側外部空間部側に向けて付勢する第一付勢部とを有する、常開型弁である。第一弁作動機構は、第一弁体を高圧側外部空間部側から作動空間部側へと押す動作により第一弁を閉にする。第二弁は、第二弁座と、作動空間部側から第二弁座に対して押し付けられて第二弁座を閉塞する第二弁体と、第二弁体を作動空間部側から低圧側外部空間部側に向けて付勢する第二付勢部とを有する、常閉型弁である。第二弁作動機構は、第二弁体を低圧側外部空間部側から作動空間部側へと押す動作により第二弁を開にする。
【0009】
また、本発明の一態様に係る圧縮機兼膨張機は、容積変化する作動空間部と、作動空間部に連設される高圧側外部空間部と、作動空間部に連設される低圧側外部空間部とを備える。圧縮機兼膨張機は、作動空間部と高圧側外部空間部との間に配設される第一弁と、作動空間部と低圧側外部空間部との間に配設される第二弁と、第一弁を開閉する第一弁作動機構と、第二弁を開閉する第二弁作動機構とを備える。第一弁は、第一弁座と、高圧側外部空間部側から第一弁座に対して押し付けられて第一弁座を閉塞する第一弁体と、第一弁体を高圧側外部空間部側から作動空間部側に向けて付勢する第一付勢部とを有する、常閉型弁である。第一弁作動機構は、第一弁体を作動空間部側から高圧側外部空間部側へと引く動作により第一弁を開にする。第二弁は、第二弁座と、作動空間部側から第二弁座に対して押し付けられて第二弁座を閉塞する第二弁体と、第二弁体を低圧側外部空間部側から作動空間部側に向けて付勢する第二付勢部とを有する、常型弁である。第二弁作動機構は、第二弁体を作動空間部側から低圧側外部空間部側へと引く動作により第二弁をにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、容積効率の低下を抑制しつつ、作動空間部においてガスを圧縮することにより圧縮機としての機能を果たし、且つ、作動空間部においてガスを膨張させることにより膨張機としての機能を果たすことができる圧縮機兼膨張機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る圧縮機兼膨張機を示す概略的な断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る圧縮機兼膨張機の構成を示す図である。
図3】本発明の一実施例に係る圧縮機兼膨張機の構成を示す図である。
図4】本発明の一実施例に係る圧縮機兼膨張機の構成を示す図である。
図5】本発明の一実施例に係る圧縮機兼膨張機の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0013】
[圧縮機兼膨張機の構成]
図1に示すように、圧縮機兼膨張機(容積型圧縮機兼容積型膨張機)1は、容積変化する作動空間部2と、作動空間部2に連設される高圧側外部空間部3と、作動空間部2に連設される低圧側外部空間部4とを備える。
【0014】
また、圧縮機兼膨張機1は、作動空間部2と高圧側外部空間部3との間に配設される第一弁5と、作動空間部2と低圧側外部空間部4との間に配設される第二弁6とを備える。
【0015】
さらに、圧縮機兼膨張機1は、第一弁5を開閉する第一弁作動機構7と、第二弁6を開閉する第二弁作動機構8と、第一弁作動機構7及び第二弁作動機構8を制御する制御部(コントローラ)9とを備える。
【0016】
作動空間部2は、シリンダ20と、シリンダ20の内部に摺動可能に配置される往復移動部材としてのピストン21とを有している。シリンダ20の天井面及び内周面と、ピストン21の頂面との間には、容積変化する作動空間22が区画形成されている。
【0017】
シリンダ20の天井面には、後述する高圧側配管30が接続される高圧側ポート20aと、後述する低圧側配管40が接続される低圧側ポート20bとが設けられている。
【0018】
ピストン21の外周面にはリング溝が形成され、このリング溝にピストンリング25が配置されている。また、ピストン21には、コネクティングロッド11を介してクランク軸12が連結されている。
【0019】
高圧側外部空間部3は、シリンダ20の高圧側ポート20aに接続される高圧側配管30と、高圧側配管30の途中に配置される熱交換器31とを有している。高圧側配管30の内部には、作動空間部2の作動空間22と連通する高圧側外部空間32が形成されている。動力を発生させる膨張機として圧縮機兼膨張機1を運転する際には、第一弁5から作動空間22に流入するガスを熱交換器31において加熱し、膨張後のガスの温度が低くなりすぎないようにする。
【0020】
低圧側外部空間部4は、シリンダ20の低圧側ポート20bに接続される低圧側配管40を有している。低圧側配管40の内部には、作動空間部2の作動空間22と連通する低圧側外部空間41が形成されている。
【0021】
第一弁5は、作動空間22と高圧側外部空間32との間に配置される第一弁座50と、高圧側外部空間32側から第一弁座50に対して押し付けられて第一弁座50を閉塞する第一弁体51とを有している。第一弁体51は、高圧側外部空間32側に配置されている。第一弁5は、流体力が作動空間22から第一弁体51に作用すると開となり、流体力が高圧側外部空間32から第一弁体51に作用すると第一弁体51が第一弁座50に押し付けられて閉となる。
【0022】
第一弁5では、低圧側(作動空間22側)から高圧側(高圧側外部空間32側)に向かって第一弁体51が開き、高圧側のガス圧が第一弁体51を閉じる方向に働くようにして、差圧が高まったときにシール性が高まるようにしている。第一弁5の開となる方向が逆方向の場合、ガス圧をシールし、また開閉するために大きな作動力が必要になり、機械損失が増加し得る。
【0023】
また、第一弁5では、第一弁体51の作動方向を作動空間22の法線方向に対し平行に配置している。これにより、作動空間22と第一弁体51との間に通路が不要でクリアランス容積の増加を抑制することができ、容積効率の低下を抑制することが可能になる。
【0024】
第一弁5は、第一弁体51を作動空間部2側(作動空間22側)から高圧側外部空間部3側(高圧側外部空間32側)に向けて付勢する第一付勢部(図示せず)を有する、常開型(ノーマルオープン)の弁である。この第一付勢部は、例えば、バネ等を有して構成される。
【0025】
第一弁5は、第一弁体51を高圧側外部空間部3側(高圧側外部空間32側)から作動空間部2側(作動空間22側)に向けて付勢する第一付勢部(図示せず)を有する、常閉型(ノーマルクローズ)の弁であってもよい。この第一付勢部は、例えば、バネ等を有して構成される。
【0026】
第二弁6は、作動空間22と低圧側外部空間41との間に配置される第二弁座60と、作動空間22側から第二弁座60に対して押し付けられて第二弁座60を閉塞する第二弁体61とを有している。第二弁体61は、作動空間22側に配置されている。第二弁6は、流体力が低圧側外部空間41から第二弁体61に作用すると開となり、流体力が作動空間22から第二弁体61に作用すると第二弁体61が第二弁座60に押し付けられて閉となる。
【0027】
第二弁6では、低圧側(低圧側外部空間41側)から高圧側(作動空間22側)に向かって第二弁体61が開き、高圧側のガス圧が第二弁体61を閉じる方向に働くようにして、差圧が高まったときにシール性が高まるようにしている。第二弁6の開となる方向が逆方向の場合、ガス圧をシールし、また開閉するために大きな作動力が必要になり、機械損失が増加し得る。
【0028】
また、第二弁6では、第二弁体61の作動方向を作動空間22の法線方向に対し平行に配置している。これにより、作動空間22と第二弁体61との間に通路が不要でクリアランス容積の増加を抑制することができ、容積効率の低下を抑制することが可能になる。
【0029】
第二弁6は、第二弁体61を低圧側外部空間部4側(低圧側外部空間41側)から作動空間部2側(作動空間22側)に向けて付勢する第二付勢部(図示せず)を有する、常開型(ノーマルオープン)の弁である。この第二付勢部は、例えば、バネ等を有して構成される。
【0030】
第二弁6は、第二弁体61を作動空間部2側(作動空間22側)から低圧側外部空間部4側(低圧側外部空間41側)に向けて付勢する第二付勢部(図示せず)を有する、常閉型(ノーマルクローズ)の弁であってもよい。この第二付勢部は、例えば、バネ等を有して構成される。
【0031】
第一弁作動機構7は、命令信号を物理運動に変換する第一アクチュエータ70を有している。第一弁5の第一弁体51には、第一ステム71を介して第一ヨーク72が接続されており、第一弁作動機構7は、第一アクチュエータ70により第一ヨーク72を移動させることによって第一弁体51を移動させる。
【0032】
第一弁作動機構7は、第一アクチュエータ70により第一弁体51を作動方向(閉塞位置)へ押す動作によって第一弁5を強制的に作動させて閉にする。すなわち、第一弁作動機構7は、第一弁体51を高圧側外部空間部3側から作動空間部2側へと押す動作により第一弁5を強制的に作動させて閉にする。
【0033】
その一方、第一弁作動機構7は、第一アクチュエータ70により第一弁体51を作動方向(閉塞位置)から引く動作によって第一弁5を強制的に作動させて開にする。すなわち、第一弁作動機構7は、第一弁体51を作動空間部2側から高圧側外部空間部3側へと引く動作により第一弁5を強制的に作動させて開にする。
【0034】
第二弁作動機構8は、命令信号を物理運動に変換する第二アクチュエータ80を有している。第二弁6の第二弁体61には、第二ステム81を介して第二ヨーク82が接続されており、第二弁作動機構8は、第二アクチュエータ80により第二ヨーク82を移動させることによって第二弁体61を移動させる。
【0035】
第二弁作動機構8は、第二アクチュエータ80により第二弁体61を作動方向(開放位置)から引く動作によって第二弁6を強制的に作動させて閉にする。すなわち、第二弁作動機構8は、第二弁体61を作動空間部2側から低圧側外部空間部4側へと引く動作により第二弁6を強制的に作動させて閉にする。
【0036】
その一方、第二弁作動機構8は、第二アクチュエータ80により第二弁体61を作動方向(開放位置)へ押す動作によって第二弁6を強制的に作動させて開にする。すなわち、第二弁作動機構8は、第二弁体61を低圧側外部空間部4側から作動空間部2側へと押す動作により第二弁6を強制的に作動させて開にする。
【0037】
制御部9は、圧縮機運転及び膨張機運転のそれぞれに関して、例えば、クランク軸12の回転角度に応じて第一弁作動機構7及び第二弁作動機構8の駆動を制御する。
【0038】
[圧縮機兼膨張機の動作(圧縮機運転)]
以下、圧縮機兼膨張機1の動作のうち、圧縮機運転について説明する。
【0039】
作動空間部2のピストン21が最大容積位置Pmax付近にあり、第一弁5及び第二弁6が閉じられた状態において、ピストン21が最大容積位置Pmax側から最小容積位置Pmin側に向けて移動される。ピストン21の移動により作動空間22の容積が減少して作動空間22の圧力が上昇し、ピストン21が最小容積位置Pminに達する前の第一所定位置付近において、第一弁5を開く。作動空間22のガスは第一弁5を通じて高圧側外部空間32に吐出され、ピストン21の最小容積位置Pmin付近において、第一弁5を閉じる。ピストン21が最小容積位置Pmin側から最大容積位置Pmax側に向けて移動されて、作動空間22の容積が増加して作動空間22の圧力が減少し、ピストン21が最大容積位置Pmaxに達する前の第二所定位置付近において第二弁6を開く。ガスが第二弁6を通じて低圧側外部空間41から作動空間22に吸入され、ピストン21の最大容積位置Pmax付近において、第二弁6を閉じる。これらの動作を繰り返すことにより、圧縮機兼膨張機1を圧縮機として運転することが可能である。
【0040】
圧縮機兼膨張機1を圧縮機として使用する場合には、常に低圧側から高圧側にガスが流れる。すなわち、圧縮機運転中のガスは、低圧側外部空間41から、作動空間22を経て、高圧側外部空間32に流れる。また、前述の第一所定位置においては、作動空間部2の圧力と高圧側外部空間部3の圧力とが略一致する。さらに、前述の第二所定位置においては、作動空間部2の圧力と低圧側外部空間部4の圧力とが略一致する。
【0041】
また、圧縮機兼膨張機1を圧縮機として使用する場合には、例えば、高圧側配管30の先端(下流側端)にタンク(図示せず)が配置され、そのタンクに圧縮ガスが貯蔵される。
【0042】
[圧縮機兼膨張機の動作(膨張機運転)]
以下、圧縮機兼膨張機1の動作のうち、膨張機運転(動力発生運転)について説明する。
【0043】
作動空間部2のピストン21が最大容積位置Pmax付近にあり、第一弁5及び第二弁6が閉じられた状態から第二弁6を開く。ピストン21が最大容積位置Pmax側から最小容積位置Pmin側に向けて移動される。ピストン21の移動により作動空間22の容積が減少し、作動空間22のガスは第二弁6を通じて低圧側外部空間41に吐出される。ピストン21が最小容積位置Pminに達する前の第三所定位置において、第二弁6が閉じられ、さらにピストン21が最小容積位置Pminに達するまで作動空間22の容積が減少し圧力が上昇する。ピストン21の最小容積位置Pmin付近において、第一弁5を開く。ガスが第一弁5を通じて高圧側外部空間32から作動空間22に流入し、高圧側外部空間32からのガスの圧力によりピストン21が押され、ピストン21が最小容積位置Pmin側から最大容積位置Pmax側に向けて移動される。そして、最大容積位置Pmaxに達する前の第四所定位置において、第一弁5を閉じる。さらにピストン21が最大容積位置Pmax付近に達するまで作動空間22の容積が増加し圧力は低下する。これらの動作を繰り返すことにより、動力を発生させる膨張機として圧縮機兼膨張機1を運転することが可能である。
【0044】
圧縮機兼膨張機1を膨張機として使用する場合には、常に高圧側から低圧側にガスが流れる。すなわち、膨張機運転中のガスは、高圧側外部空間32から、作動空間22を経て、低圧側外部空間41に流れる。また、前述の第三所定位置においては、作動空間部2の圧力と高圧側外部空間部3の圧力とが略一致する。さらに、前述の第四所定位置においては、作動空間部2の圧力と低圧側外部空間部4の圧力とが略一致する。最小容積位置Pmin付近および最大容積位置Pmax付近における弁の開閉は、弁体やガスの慣性力等の運転条件を勘案して適宜ずらすことがある。
【0045】
[圧縮機兼膨張機の実施例]
図2から図5には、圧縮機兼膨張機1の実施例が示される。
【0046】
図2に示す圧縮機兼膨張機1Aにおいては、圧縮機兼膨張機1Aを圧縮機として駆動し又は膨張機運転される圧縮機兼膨張機1Aにより駆動される原動機に交流電動機等の電動機91を用いている。この電動機91は、例えば、駆動軸92を介して圧縮機兼膨張機1Aのクランク軸12に接続される。また、電動機91には、双方向AC/DC変換器等の変換器93が接続されている。圧縮機兼膨張機1Aを膨張機として使用した場合には、発生動力により電動機91が発電機として働き、変換器93を通して電力を取り出すことができる。
【0047】
図3に示す圧縮機兼膨張機1Bにおいては、圧縮機兼膨張機1Bを圧縮機として駆動し又は膨張機運転される圧縮機兼膨張機1Bにより駆動される原動機にスターリングエンジン等の外燃機関94を用いている。この外燃機関94は、例えば、駆動軸92を介して圧縮機兼膨張機1Bのクランク軸12に接続される。圧縮機兼膨張機1Aを膨張機として使用した場合には、発生動力により外燃機関94が逆サイクルでヒートポンプとして駆動し、温熱又は冷熱を得ることができる。
【0048】
図4に示す圧縮機兼膨張機1Cにおいては、作動空間部2(シリンダ20)が多段(図示例では、三段)に連設されている。隣接する作動空間部2(クランク軸12)同士は、例えば、連結軸95を介して接続される。
【0049】
また、図4に示す圧縮機兼膨張機1Cにおいては、圧縮機兼膨張機1Cを圧縮機として駆動し又は膨張機運転される圧縮機兼膨張機1Cにより駆動される原動機に交流電動機等の電動機91を用いている。この電動機91は、例えば、駆動軸92を介して圧縮機兼膨張機1Cのクランク軸12に接続される。さらに、電動機91には、双方向AC/DC変換器等の変換器93が接続されている。
【0050】
図5に示す圧縮機兼膨張機1Dにおいても、作動空間部2(シリンダ20)が多段(図示例では、三段)に連設されている。隣接する作動空間部2(クランク軸12)同士は、例えば、連結軸95を介して接続される。
【0051】
図5に示す圧縮機兼膨張機1Dにおいては、前述の原動機に、交流電動機等の電動機91及びスターリングエンジン等の外燃機関94の両方を用いている。これらの電動機91及び外燃機関94は、例えば、駆動軸92を介して圧縮機兼膨張機1Dのクランク軸12に接続される。さらに、電動機91には、双方向AC/DC変換器等の変換器93が接続されている。
【0052】
[作用効果等]
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0053】
(1)圧縮機兼膨張機1は、容積変化する作動空間部2と、作動空間部2に連設される高圧側外部空間部3と、作動空間部2に連設される低圧側外部空間部4とを備える。圧縮機兼膨張機1は、作動空間部2と高圧側外部空間部3との間に配設される第一弁5と、作動空間部2と低圧側外部空間部4との間に配設される第二弁6と、第一弁5を開閉する第一弁作動機構7とを備える。第一弁5は、第一弁座50と、高圧側外部空間部3側から第一弁座50に対して押し付けられて第一弁座50を閉塞する第一弁体51と、第一弁体51を作動空間部2側から高圧側外部空間部3側に向けて付勢する第一付勢部(図示せず)とを有する、常開型弁である。第一弁作動機構7は、第一弁体51を高圧側外部空間部3側から作動空間部2側へと押す動作により第一弁5を閉にする。
【0054】
作動空間22のガスを第一弁体51に強制力を働かせて第一弁5を閉とした状態で作動空間22の容積を減少させて圧縮し、作動空間22が高圧側外部空間32と略同圧となった位置において、第一弁体51への強制力を解除して第一弁5を開とし、ガスを高圧側外部空間32に吐出することにより、圧縮機兼膨張機1は圧縮機としての機能を果たす。また、高圧側外部空間32のガスを第一弁体51への強制力を解除して第一弁5を開とした状態で作動空間22の容積を増加させて作動空間22に吸入し、一定容積のガスを吸入した後に第一弁体51に強制力を働かせて第一弁5を閉とし、作動空間22のガスを膨張させることにより、圧縮機兼膨張機1は膨張機としての機能を果たす。
【0055】
本実施形態に係る圧縮機兼膨張機1においては、第一弁5として常開型(ノーマルオープン)の弁を用い、第一弁体51を高圧側外部空間部3側から作動空間部2側へと押す動作により第一弁5を閉にすることにより、第一弁作動機構7を第一弁体51側(すなわち、高圧側外部空間32側)に配置することができる。第一弁体51を作動空間22に対面で配置することができるため、クリアランス容積を最小限とすることができ、容積効率の低下を抑制することが可能になる。
【0056】
(2)圧縮機兼膨張機1は、容積変化する作動空間部2と、作動空間部2に連設される高圧側外部空間部3と、作動空間部2に連設される低圧側外部空間部4とを備える。圧縮機兼膨張機1は、作動空間部2と高圧側外部空間部3との間に配設される第一弁5と、作動空間部2と低圧側外部空間部4との間に配設される第二弁6と、第一弁5を開閉する第一弁作動機構7とを備える。第一弁5は、第一弁座50と、高圧側外部空間部3側から第一弁座50に対して押し付けられて第一弁座50を閉塞する第一弁体51と、第一弁体51を高圧側外部空間部3側から作動空間部2側に向けて付勢する第一付勢部(図示せず)とを有する、常閉型弁である。第一弁作動機構7は、第一弁体51を作動空間部2側から高圧側外部空間部3側へと引く動作により第一弁5を開にする。
【0057】
作動空間22のガスを第一弁5がノーマルクローズの状態で作動空間22の容積を減少させて圧縮し、作動空間22が高圧側外部空間32と略同圧となった位置において、第一弁体51に強制力を働かせて第一弁5を開とし、さらに作動空間22の容積を減少させてガスを高圧側外部空間32に吐出することにより、圧縮機兼膨張機1は圧縮機としての機能を果たす。なおこの場合、強制力を使用せず差圧および流体力で第一弁5を開くこともできる。また、高圧側外部空間32のガスを第一弁体51に強制力を働かせて第一弁5を開とした状態で作動空間22の容積を増加させて作動空間22に吸入し、一定容積のガスを吸入した後に第一弁体51への強制力を解除して第一弁5を閉とし、作動空間22の容積をさらに増加させて作動空間22のガスを膨張させることにより、圧縮機兼膨張機1は膨張機としての機能を果たす。
【0058】
本実施形態に係る圧縮機兼膨張機1においては、第一弁5として常閉型(ノーマルクローズ)の弁を用い、第一弁体51を高圧側外部空間部3側から作動空間部2側へと引く動作により第一弁5を開にすることにより、第一弁作動機構7を第一弁体51側(すなわち、高圧側外部空間32側)に配置することができる。第一弁体51を作動空間22に対面で配置することができるため、クリアランス容積を最小限とすることができ、容積効率の低下を抑制することが可能になる。
【0059】
(3)圧縮機兼膨張機1は、第二弁6を開閉する第二弁作動機構8をさらに備える。第二弁6は、第二弁座60と、作動空間部2側から第二弁座60に対して押し付けられて第二弁座60を閉塞する第二弁体61と、第二弁体61を低圧側外部空間部4側から作動空間部2側に向けて付勢する第二付勢部(図示せず)とを有する、常開型弁である。第二弁作動機構8は、第二弁体61を作動空間部2側から低圧側外部空間部4側へと引く動作により第二弁6を閉にする。
【0060】
本実施形態に係る圧縮機兼膨張機1においては、第二弁6として常開型(ノーマルオープン)の弁を用い、第二弁体61を作動空間部2側から低圧側外部空間部4側へと引く動作により第二弁6を閉にすることにより、第二弁作動機構8を第二弁座60側(すなわち、低圧側外部空間41側)に配置することができる。第二弁体61を作動空間22側に配置することができるため、クリアランス容積を最小限とすることができ、容積効率の低下を抑制することが可能になる。
【0061】
(4)圧縮機兼膨張機1は、第二弁6を開閉する第二弁作動機構8をさらに備える。第二弁6は、第二弁座60と、作動空間部2側から第二弁座60に対して押し付けられて第二弁座60を閉塞する第二弁体61と、第二弁体61を作動空間部2側から低圧側外部空間部4側に向けて付勢する第二付勢部(図示せず)とを有する、常閉型弁である。第二弁作動機構8は、第二弁体61を低圧側外部空間部4側から作動空間部2側へと押す動作により第二弁6を開にする。
【0062】
本実施形態に係る圧縮機兼膨張機1においては、第二弁6として常閉型(ノーマルクローズ)の弁を用い、低圧側外部空間部4側から作動空間部2側へと第二弁体61を押す動作により第二弁6を開にすることにより、第二弁作動機構8を第二弁体61側(すなわち、低圧側外部空間41側)に配置することができる。第二弁体61を作動空間22側に配置することができるため、クリアランス容積を最小限とすることができ、容積効率の低下を抑制することが可能になる。
【0063】
(5)作動空間部2のピストン21が最大容積位置Pmax付近にあり、第一弁5及び第二弁6が閉じられた状態において、ピストン21が最大容積位置Pmax側から最小容積位置Pmin側に向けて移動され、作動空間22内のガスは圧縮される。ピストン21が最小容積位置Pminに達する前の第一所定位置付近において、第一弁5が開かれ、最小容積位置Pmin付近において、第一弁5が閉じられる。ピストン21が最小容積位置Pmin側から最大容積位置Pmax側に向けて移動され最大容積位置Pmaxに達する前の第二所定位置付近において、第二弁6が開かれ、最大容積位置Pmax付近において、第二弁6が閉じられる。これらの動作が繰り返されることにより圧縮機兼膨張機1が圧縮機として運転される。
【0064】
(6)ピストン21が最小容積位置Pminに達する前の第一所定位置において、作動空間部2の圧力と高圧側外部空間部3の圧力とが略一致する。
【0065】
これにより、第一所定位置における第一弁体51の作動力を低減することができる。
【0066】
(7)ピストン21が最大容積位置Pmaxに達する前の第二所定位置において、作動空間部2の圧力と低圧側外部空間部4の圧力とが略一致する。
【0067】
これにより、第二所定位置における第二弁体61の作動力を低減することができる。
【0068】
(8)作動空間部2のピストン21が最大容積位置Pmax付近にあり、第一弁5及び第二弁6が閉じられた状態から第二弁6を開き、ピストン21が最大容積位置Pmax側から最小容積位置Pmin側に向けて移動される。ピストン21が最小容積位置Pminに達する前の第三所定位置において、第二弁6が閉じられ、最小容積位置Pmin付近において、第一弁5が開かれる。ピストン21が最小容積位置Pmin側から最大容積位置Pmax側に向けて移動されて最大容積位置Pmaxに達する前の第四所定位置において、第一弁5が閉じられ、ピストン21が最大容積位置Pmax付近に達するまで作動空間22内のガスは膨張される。これらの動作が繰り返されることにより圧縮機兼膨張機1が膨張機として運転される。
【0069】
(9)ピストン21が第三所定位置から移動し、最小容積位置Pminに達する付近において、作動空間部2の圧力と高圧側外部空間部3の圧力とが略一致する。
【0070】
これにより、最小容積位置Pminに達する付近における第一弁体51の作動力を低減することができる。
【0071】
(10)ピストン21が第四所定位置から移動し、最大容積位置Pmaxに達する付近において、作動空間部2の圧力と低圧側外部空間部4の圧力とが略一致する。
【0072】
これにより、最大容積位置Pmaxに達する付近における第二弁体61の作動力を低減することができる。
【0073】
(11)作動空間部2が多段に連設される。
【0074】
(12)高圧側外部空間部3には熱交換器31が配設される。
【0075】
(13)作動空間部2には、作動空間部2を駆動し又は作動空間部2により駆動される原動機が連結され、原動機は電動機91を含む。
【0076】
(14)作動空間部2には、作動空間部2を駆動し又は作動空間部2により駆動される原動機が連結され、原動機は外燃機関94を含む。
【0077】
ところで、本発明の圧縮機兼膨張機は前述の実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1,1A,1B,1C 圧縮機兼膨張機(容積型圧縮機兼容積型膨張機)
2 作動空間部
3 高圧側外部空間部
4 低圧側外部空間部
5 第一弁
6 第二弁
7 第一弁作動機構
8 第二弁作動機構
9 制御部(コントローラ)
11 コネクティングロッド
12 クランク軸
20 シリンダ
20a 高圧側ポート
20b 低圧側ポート
21 ピストン(往復移動部材)
22 作動空間
25 ピストンリング
30 高圧側配管
31 熱交換器
32 高圧側外部空間
40 低圧側配管
41 低圧側外部空間
50 第一弁座
51 第一弁体
60 第二弁座
61 第二弁体
70 第一アクチュエータ
71 第一ステム
72 第一ヨーク
80 第二アクチュエータ
81 第二ステム
82 第二ヨーク
91 電動機
92 駆動軸
93 変換器
94 外燃機関
95 連結軸
Pmax 最大容積位置
Pmin 最小容積位置
図1
図2
図3
図4
図5