(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】フィギュアの肩関節構造及びフィギュア
(51)【国際特許分類】
A63H 3/46 20060101AFI20230425BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
A63H3/46 B
A63H3/36 G
(21)【出願番号】P 2022187219
(22)【出願日】2022-11-24
【審査請求日】2022-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512191155
【氏名又は名称】株式会社千値練
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【氏名又は名称】山本 彰司
(74)【代理人】
【識別番号】100112416
【氏名又は名称】清水 定信
(72)【発明者】
【氏名】北本 卓士
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-140449(JP,A)
【文献】特開2002-119768(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187219(JP,U)
【文献】実開昭60-121864(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 3/36,3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィギュアの肩の付け根と脇とを構成する肩元部と、該肩元部に隙間なく結合される上腕部と、を備え、前記肩元部は、
前記フィギュアの側方斜め上方に延びる第一回動軸線を中心として
前記フィギュアの胴体に対して回動可能であり、前記上腕部は、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの前後方向に延びる第二回動軸線を中心として前記肩元部に対して上下に回動可能であ
り、前記肩元部は、前記第一回動軸線を中心とする円筒状又は截頭円錐状の元部と、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの肩の前側を構成する前肩部又は肩の後側を構成する後肩部のいずれか一方と、を備え、前記上腕部は、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの肩の前側を構成する前肩部又は肩の後側を構成する後肩部のいずれか他方を備え、前記前肩部と前記後肩部との間に前記第二回動軸線を含む回動連結部が配設される、フィギュアの肩関節構造。
【請求項2】
前記上腕部が前記肩元部に対して上方へ回動する際には、前記上腕部の一部と前記肩元部の一部とが互いに重なり合うことで、前記上腕部と前記肩元部の相互干渉が避けられる、請求項1に記載のフィギュアの肩関節構造。
【請求項3】
前記第一回動軸線は、前記フィギュアの側方斜め上方且つ斜め後方に延びている、請求項1に記載のフィギュアの肩関節構造。
【請求項4】
フィギュアの肩の付け根と脇とを構成する肩元部と、該肩元部に隙間なく結合される上腕部と、を備え、前記肩元部は、前記フィギュアの側方斜め上方且つ斜め後方に延びる第一回動軸線を中心として前記フィギュアの胴体に対して回動可能であり、前記上腕部は、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの前後方向に延びる第二回動軸線を中心として前記肩元部に対して上下に回動可能である、フィギュアの肩関節構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の肩関節構造を備える、フィギュア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィギュアの肩関節構造に関するものである。本発明はまた、前記肩関節構造を有するフィギュアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィギュアの肩関節構造について様々な構成のものが知られている(例えば特許文献1~3等参照)。一般に、フィギュアの肩関節構造においては、腕の動きの円滑性や腕の可動域の大きさに加えて、腕を動かしたときの腕の付け根の外観の自然さが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3171931号公報
【文献】特許第6059786号公報
【文献】特開2019-202073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のフィギュアの肩関節構造は、腕を動かしたときに腕の付け根の外観が悪くなるものがほとんどである。例えば、
図8に示すように、腕を上げたときに腕の付け根が隙間だらけになってしまうもの、
図9に示すように、腕を回したときに人体としてはあり得ない肩の形状になってしまうもの、
図10に示すように、腕を上げたときに肩が下向きになってしまうもの、等である。フィギュアの腕を動かしたときの腕の付け根の外観は、可能な限り人体の腕の付け根と同じになるのが好ましい。
【0005】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、フィギュアの腕を動かしたときの腕の付け根の外観が、可能な限り人体の腕の付け根と同じになる、フィギュアの肩関節構造を提供しようとするものである。
【0006】
本発明はまた、前記肩関節構造を備えるフィギュアを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るフィギュアの肩関節構造は、フィギュアの肩の付け根と脇とを構成する肩元部と、該肩元部に隙間なく結合される上腕部と、を備え、前記肩元部は、前記フィギュアの側方斜め上方に延びる第一回動軸線を中心として前記フィギュアの胴体に対して回動可能であり、前記上腕部は、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの前後方向に延びる第二回動軸線を中心として前記肩元部に対して上下に回動可能であり、前記肩元部は、前記第一回動軸線を中心とする円筒状又は截頭円錐状の元部と、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの肩の前側を構成する前肩部又は肩の後側を構成する後肩部のいずれか一方と、を備え、前記上腕部は、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの肩の前側を構成する前肩部又は肩の後側を構成する後肩部のいずれか他方を備え、前記前肩部と前記後肩部との間に前記第二回動軸線を含む回動連結部が配設されることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
本発明によれば、肩元部は、フィギュアの側方斜め上方に延びる第一回動軸線を中心としてフィギュアの胴体上で回動可能である。一方、上腕部は、フィギュアが腕を下ろした状態で前後方向に延びる第二回動軸線を中心として、肩元部上で上下に回動可能である。フィギュアが腕を上げ下げする動作は、胴体上での肩元部の回動と、肩元部上での上腕部の回動とが合成された動作となる。肩元部はフィギュアの肩の付け根と脇とを構成するので、腕を高く上げた際にも、フィギュアの脇や腕の付け根の外観が人のそれに近い自然な外観として現れる。
【0009】
実施の一形態として、前記上腕部が前記肩元部に対して上方へ回動する際には、前記上腕部の一部と前記肩元部の一部とが互いに重なり合うことで、前記上腕部と前記肩元部の相互干渉が避けられることとしてもよい(請求項2)。
【0010】
実施の一形態として、前記第一回動軸線は、前記フィギュアの側方斜め上方且つ斜め後方に延びている態様としてもよい(請求項3)。第一回動軸線のこのような傾斜により、フィギュアが腕を下ろし背筋を伸ばして胸を張った姿勢で、肩元部が最も見栄えのよい向きとなる。また、第一回動軸線が前記のように傾斜していることで、第一回動軸線を中心として肩元部が胴体上で回動する際に、肩元部の動きが人体に近い動きとなり、且つ、フィギュアが人体に近い肩と脇の外観を呈することとなる。
【0011】
実施の一形態として、フィギュアの肩の付け根と脇とを構成する肩元部と、該肩元部に隙間なく結合される上腕部と、を備え、前記肩元部は、前記フィギュアの側方斜め上方且つ斜め後方に延びる第一回動軸線を中心として前記フィギュアの胴体に対して回動可能であり、前記上腕部は、前記フィギュアが腕を下ろした状態で前記フィギュアの前後方向に延びる第二回動軸線を中心として前記肩元部に対して上下に回動可能である態様としてもよい(請求項4)。第一回動軸線の前記のような傾斜により、フィギュアが腕を下ろし背筋を伸ばして胸を張った姿勢で、肩元部が最も見栄えのよい向きとなる。また、第一回動軸線が前記のように傾斜していることで、第一回動軸線を中心として肩元部が胴体上で回動する際に、肩元部の動きが人体に近い動きとなり、且つ、フィギュアが人体に近い肩と脇の外観を呈することとなる。
【0012】
本発明に係るフィギュアは、前記肩関節構造を備えることを特徴とする(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の一形態に係る肩関節構造を備えるフィギュアの上半身の要部正面図である。
【
図2】
図1から胸部材を取り外した状態を示しており、本発明の実施の一形態に係る肩関節構造の正面図である。
【
図3】
図2における胸部中央部材を示しており、(a)は胸部中央部材の正面図、(b)は同平面図(上面図)である。
【
図6】
図4,5の肩関節構造において、フィギュアの左腕を前方に伸ばした状態の図であり、(a)は同側面図、(b)は同斜め後面図である。
【
図7】
図4,5の肩関節構造において、フィギュアの左腕を真上に上げた状態の図であり、(a)は同正面図、(b)は側面図、(c)は同斜め後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の一形態に係るフィギュア1は、胴体2と、左右一対の肩元部3,3と、左右一対の上腕部4,4と、を備えている。胴体2の胸部の前面は胸部材5で構成されている。周知のように、フィギュア1は多数の部品で組み立てられており、限定はされないが、フィギュア1の構成部品はプラスチックの成形品である。
【0016】
図1のフィギュア1から胸部材5を取り外すと、本発明の実施の一形態に係る
図2の肩関節構造6が現れる。
図2に示すように、フィギュア1の胸の中央位置に胸部中央部材7が配設されている。胸部中央部材7は胴体2の一部を構成する。胸部中央部材7に対して左右一対の肩元部3,3が取り付けられ、この左右一対の肩元部3,3に対して左右一対の上腕部4,4が取り付けられる。各肩元部3は、フィギュア1の肩の付け根と脇とを構成する。左右一対の肩元部3,3は、フィギュア1の胴体内に突入しており、且つ、フィギュア1の側方斜め上方に延びる第一回動軸線Xを中心として胴体2に対して回動可能である。
【0017】
図3(a)に示すように、胸部中央部材7は、左右一対の第一軸部8,8を備えている。各第一軸部8は、フィギュア1の中央縦軸Cを中心として互いに左右対称な配置及び形状である。各第一軸部8は短く円筒状に形成され、フィギュア1の側方斜め上方に延びる中心軸線Xを有する。この中心軸線が、肩元部3の回動の中心となる第一回動軸線Xである。なお、胸部中央部材Cは、フィギュア1を構成する他の部品との結合部を適宜備えているが、それらの結合部は本発明の要旨とは関係がないので、詳細な図示を省略してある。
【0018】
図3(a)に示すように、第一回動軸線Xは、フィギュア1の側方斜め上方に延びていると好適である。さらには、
図3(b)に示すように、フィギュア1の側方斜め上方且つ斜め後方に延びていると、より好適である。この場合、フィギュア1が腕を下ろし背筋を伸ばして胸を張った姿勢で、肩元部3,3が最も見栄えのよい向きとなる。また、第一回動軸線Xが前記のように傾斜していることで、第一回動軸線Xを中心として肩元部3,3が胴体2上で回動する際に、肩元部3,3の動きが人体に近い動きとなり、且つ、フィギュア1が人体に近い肩と脇の外観を呈する。
【0019】
図4に示すように、胸部中央部材7の各第一軸部8に対応して、各肩元部3には、円筒状の第一軸受穴9が形成される。各第一軸受穴9と各第一軸部8は、圧入状にぴったりと嵌り合い、相対回動自在である。このため、胸部中央部材7の各第一軸部8を中心として各肩元部3を自在に回動させることができる。各肩元部3は、第一回動軸線Xを中心とする円筒状又は截頭円錐状の外観を含んでいる。
【0020】
なお、各第一回動軸線Xを中心とする胸部中央部材7と各肩元部3との相対回動自在な結合は、前記とは逆に、各肩元部3側に第一軸部を形成し、この第一軸部と嵌り合う第一軸受穴を胸部中央部材7側に形成したものであってもよい。
【0021】
図4と
図5を参照して肩元部3の詳細について述べると、肩元部3は、第一回動軸線Xを中心とする円筒状又は截頭円錐状の元部10と、この元部10の後側半部に連続する半球状の後肩部11と、を有する。元部10の胸部中央部材7側の面に第一軸受穴9が形成されている。一方、後肩部11は、フィギュア1が腕を下ろした状態でフィギュア1の後方へ向けて半球状に膨出しており、フィギュアの肩の後側を構成する。後肩部11の前面は前向きの平面となっている。後肩部の前面の中央部には、第二軸部12が突出して形成される。この第二軸部12は、
図5に示すように、フィギュア1の前方へと短く延びている。
【0022】
引き続き
図4と
図5を参照して説明すると、各上腕部4は、フィギュア1が腕を下ろした状態でフィギュア1の前後方向に延びる第二回動軸線Yを中心として、各肩元部3に対して回動可能である。各肩元部3の第二軸部12の中心軸線が、第二回動軸線Yとなる。肩元部3の第二軸部12に対応して、上腕部4には、円筒状の第二軸受穴13が形成される。各第二軸受穴13と各第二軸部12は、圧入状にぴったりと嵌り合い、相対回動自在である。このため、各第二軸部12を中心として各上腕部4を各肩元部3上で自在に回動させることができる。互いに嵌り合う第二軸部12と第二軸受穴13は、各肩元部3と各上腕部4とを相対回動可能に連結するための回動連結部を構成する。
【0023】
前記構成において、各上腕部4は各第二回動軸線Yを中心として各肩元部3上で上下に回動可能である。第二回動軸線Yは、フィギュア1が腕を下ろした状態で前後方向に延びている(
図5参照)。このため、フィギュア1が腕を下ろした状態から第二回動軸線Yを中心として上腕部4を上方へ回動させると、フィギュア1の体の横での上腕部4の上げ動作となる。肩元部3によりフィギュア1の肩の付け根と脇とが構成されるので、フィギュア1が上腕部4を上げた状態は人体の腕上げ姿勢に近い外観となる。フィギュア1の腕の動きは、各第一回動軸線Xを中心とする各肩元部3の回動と、各第二回動軸線Yを中心とする各上腕部4の回動とが合成された動きとなる。
【0024】
図4と
図5を参照して上腕部4の詳細について述べると、各上腕部4は、半球状の前肩部14と、この前肩部14に連続する円筒状の上腕本体15と、を有する。前肩部14は、フィギュア1が腕を下ろした状態でフィギュア1の前方へ向けて半球状に膨出しており(
図5参照)、フィギュアの肩の前側を構成する。そして、フィギュア1が腕を下ろした状態では、前肩部14は、肩元部3の半球状の後肩部11と一体となって、フィギュア1の肩を形成する。前肩部14の後面は後向きの平面となっている。前肩部14の後面の中央部には、第二軸受孔13が形成される。
【0025】
なお、各第二回動軸線Yを中心とする各肩元部3と各上腕部4の相対回動自在な結合は、前記とは逆に、各上腕部4側に第二軸部を形成し、この第二軸部と嵌り合う第二軸受穴を各肩元部3側に形成したものであってもよい。
【0026】
図4及び
図5に示すように、フィギュア1が腕を下ろした状態で各肩元部3と各上腕部4との間には隙間がない。また、各上腕部4が各肩元部3上で上方へ回動する際には、各上腕部4の一部と各肩元部3の一部が互いに重なり合う。このため、フィギュア1が腕を下ろした状態でも上げた状態でも、肩元部3と上腕部4との間に隙間が生ずることはない。
【0027】
具体的には、各上腕部4が各肩元部3上で第二回動軸線Yを中心として上方へと回動するとき、
図4及び
図5に示すように、各上腕部4の前肩部14が各肩元部3の元部10内に入り込み、同時に、各肩元部3の後肩部11が各上腕部4の上腕本体15内に入り込む。これにより、各上腕部4が各肩元部3上で上方へ回動する際に、各肩元部3と各上腕部4との相互干渉が避けられ、且つ、各肩元部3と各上腕部4との間に隙間が生ずることも避けられる。
【0028】
図4に示すように、各上腕部4の先端(
図4では下端)には、図示しない下腕部との連結部となる肘関節部16が形成される。この肘関節部16については、本発明の要旨とは関係がないので詳細な説明を省略する。
【0029】
以上の説明では、各肩元部3と各上腕部4をそれぞれ一つの部品として記述したが、各肩元部3と各上腕部4の成型の容易性の観点から、それぞれ複数のパーツの結合品として形成してもよいことは勿論である。
【0030】
また、以上の説明と
図4及び
図5では、各肩元部3が後肩部11を備え、各上腕部4が前肩部14を備え、それらが相対回動可能に結合される実施の形態を記述したが、それとは逆に、各肩元部3が前肩部14を備え、各上腕部4が後肩部11を備え、それらが相対回動可能に結合される実施の形態を採用してもよい。この場合にも、各上腕部4が各肩元部3上で上方へ回動する際には、各上腕部4の一部と各肩元部3の一部が互いに重なり合う構成とすることは勿論である。
【0031】
【0032】
図4、
図5の肩関節構造6において、フィギュア1の左腕を前方に伸ばした状態を側面視で示すと、
図6(a)のようになる。また、
図6(a)の状態を斜め後面から示すと
図6(b)のようになる。フィギュア1の左腕を下から前方へと上げる動作は、胴体2上で第一回動軸線Xを中心として肩元部3を水平状態まで上向きに回動させる動作である。この動作の終了時には、
図6(a)、(b)に示すように、肩元部3がフィギュア1の脇の外観を呈し、上腕部4の前肩部14が肩の外観を呈する。よって、フィギュア1の腕の付け根の外観が人体に近いものとなる。
【0033】
図4、
図5の肩関節構造6において、フィギュア1の左腕を真上に伸ばした状態を正面視で示すと、
図7(a)のようになる。また、
図7(a)の状態を側面視で示すと
図7(b)のようになり、
図7(a)の状態を斜め後面視で示すと
図7(c)のようになる。フィギュア1の左腕を真上に伸ばす動作は、胴体2上で第一回動軸線Xを中心として肩元部3を上向きに回動させる動作と、肩元部3上で第二回動軸線Yを中心として上腕部4を上向きに回動させる動作と、の複合的な動作である。この動作の終了時にも、
図7(a)~(c)に示すように、肩元部3がフィギュア1の脇の外観を呈し、上腕部4の前肩部14が肩の外観を呈する。よって、フィギュア1の腕の付け根の外観が人体に近いものとなる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して適宜に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 フィギュア
2 胴体
3 肩元部
4 上腕部
6 肩関節構造
10 元部
11 後肩部
14 前肩部
X 第一回動軸線
Y 第二回動軸線
【要約】
【課題】フィギュアの腕を動かしたときの腕の付け根の外観が、可能な限り人体の腕の付け根と同じになる、フィギュアの肩関節構造を提供する。
【解決手段】フィギュア1の肩の付け根と脇とを構成する肩元部3と、該肩元部3に隙間なく結合される上腕部4と、を備え、前記肩元部3は、前記フィギュア1の胴体2に対して第一回動軸線Xを中心として上下に回動可能であり、前記上腕部4は、前記フィギュア1が腕を下ろした状態で前記フィギュア1の前後方向に延びる第二回動軸線Yを中心として前記肩元部3に対して上下に回動可能である。
【選択図】
図4