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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】無人店舗システムおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20230425BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G07G1/12 361Z
G07G1/00 331B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018190716
(22)【出願日】2018-10-09
(65)【公開番号】P2020060889
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-07-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿野 友成
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内に配置される各商品の販売条件を示す情報を含む商品情報を記憶する商品データベースにアクセスするための第1のインターフェースと、
顧客ごとの顧客識別情報に対応づけて前記販売条件に対応する情報を含む顧客情報を記憶する顧客データベースにアクセスするための第2のインターフェースと、
前記店舗に入店する顧客の顧客識別情報を取得する第3のインターフェースと、
前記第3のインターフェースにより取得する顧客識別情報に対応する顧客情報を前記顧客データベースから特定し、前記顧客識別情報の顧客が触れた商品の販売条件を前記商品データベースから特定し、販売条件を満たさない商品に顧客が触れた場合に報知器からアラートを出力するプロセッサと、
を具備するサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無人店舗システムおよびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品を販売する店舗を無人化する試みが検討されている。例えば、無人店舗システムとしては、店舗に出入りする顧客を特定し、各顧客が店舗内から持ち出した商品を予め設定した決済方法で決済するシステムが検討されている。しかしながら、従来のシステムでは、年齢などで販売が制限されている商品などを無人で販売することが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-272121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特定の権限を有する顧客だけに販売が許可される販売規制商品を店員による応対無しで販売できる無人店舗システムおよびサーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、サーバは第1のインターフェースと第2のインターフェースと第3のインターフェースとプロセッサとを有する。第1のインターフェースは、店舗内に配置される各商品の販売条件を示す情報を含む商品情報を記憶する商品データベースにアクセスする。第2のインターフェースは、顧客ごとの顧客識別情報に対応づけて前記販売条件に対応する情報を含む顧客情報を記憶する顧客データベースにアクセスする。第3のインターフェースは、店舗に入店する顧客の顧客識別情報を取得する。プロセッサは、前記第3のインターフェースにより取得する顧客識別情報に対応する顧客情報を前記顧客データベースから特定し、前記顧客識別情報の顧客が触れた商品の販売条件を前記商品データベースから特定し、販売条件を満たさない商品に顧客が触れた場合に報知器からアラートを出力する
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る無人店舗システムが運用される店舗の例を概略的に説明するための図である。
図2図2は、本実施形態に係る無人店舗システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る無人店舗システムにおけるサーバの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態に係る無人店舗システムにおける入店制御装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、本実施形態に係る無人店舗システムにおける退店制御装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、本実施形態に係る無人店舗システムにおける商品データベースの例を示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る無人店舗システムにおける顧客データベースの例を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る無人店舗システムにおけるサーバの第1の動作例を説明するためのフローチャート。
図9図9は、本実施形態に係る無人店舗システムにおけるサーバが生成する仮想バスケットの例を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る無人店舗システムにおけるサーバが仮想バスケットに商品に関する情報を記憶した例を示す図である。
図11図11は、本実施形態に係る無人店舗システムにおけるサーバの第2の動作例を説明するためのフローチャート。
図12図12は、本実施形態に係る無人店舗システムにおけるサーバの第2の動作例を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る無人店舗システムを概略的に説明するための図である。
本実施形態に係る無人店舗システムは、図1に示すように、入店口と退店口とを設けた店舗に設置される。無人店舗システムが設置される店舗において、顧客は、入店口から入場した後、店舗内で購入したい商品を取って退店口から退場する。無人店舗システムは、当該店舗に訪れた各顧客に対して、入店処理、モニタリング処理および退店処理などの処理を実行する。これらの処理によって、無人店舗システムは、店舗内に店員が居なくても、店舗内の商品を顧客に販売することを可能としている。
【0008】
入店処理は、予め登録されている顧客情報に基づいて、店舗に入店する顧客を特定する処理である。入店処理において、無人店舗システムは、顧客情報が登録済みの顧客の入店(入店口の通行)を許可する。
モニタリング処理は、入店した顧客の店舗内における行動を監視する処理である。モニタリング処理において、無人店舗システムは、店内を撮影範囲とするカメラが撮影する画像などによって顧客の行動を検出する。また、モニタリング処理において、無人店舗システムは、店内で顧客が取った商品の特定などを行う。
【0009】
退店処理は、退店しようとする顧客が購入する商品(顧客が店舗内から持ち出す商品)を確定する処理である。退店処理において、無人店舗システムは、退店しようとする顧客が保持する全ての商品が当該顧客へ販売可能な商品であれば、当該顧客が購入する商品を確定する。また、退店処理において、無人店舗システムは、購入する商品が確定した顧客の退店(退出口の通行)を許可する。さらに、無人店舗システムは、顧客が購入する商品を確定した後に当該顧客が購入する商品に対する会計処理を実行する。
【0010】
さらに、実施形態に係る無人店舗システムは、顧客が保持する商品、または、顧客が触れた商品が当該顧客に販売可能な商品であるか否かをチェックする。実施形態において、店舗には、制限なしで顧客に販売できる商品と年齢或は資格などの販売条件を満たす顧客(特定の権限を有する顧客)だけに販売できる商品(以下、販売規制商品と称する)とが混在するものとする。販売規制商品としては、例えば、酒類あるいはタバコ等の年齢によって販売が規制されている商品(年齢制限商品)がある。年齢制限商品は、販売条件として設定される年齢の顧客だけに販売でき、販売条件として設定される年齢でない顧客への販売が禁止される商品である。また、販売規制商品としては、例えば、予め設定した資格(権限)を有する顧客だけに販売できる商品であっても良い。
【0011】
例えば、無人店舗システムは、顧客が販売条件を満たさない販売規制商品(当該顧客に対して販売不可となる商品)を持って退店口に現れた場合、当該顧客の退店を禁止したり、アラートを出力したりする。また、無人店舗システムは、顧客が販売条件を満たさない販売規制商品(当該顧客に対して販売不可となる商品)に触れた場合に、アラートを発するようにしても良い。
【0012】
次に、実施形態に係る無人店舗システムの構成について説明する。
図2に示す構成例において、無人店舗システム10は、サーバ11、入店制御装置12、センサ12a、ゲート12b、情報取得装置13、カメラ14、退店制御装置15、センサ15a、ゲート15b、報知器16、商品データベース17、および、顧客データベース18などを有する。また、センサ12aおよびゲート12bは、入店制御装置12に接続し、センサ15aおよびゲート15bは、退店制御装置15に接続する。
【0013】
サーバ11は、無人店舗システム10全体を制御する。サーバ11は、ネットワークを介して、入店制御装置12、情報取得装置13、カメラ14、退店制御装置15、および、報知器16に接続する。サーバ11は、各装置からの情報を取得して店舗内に配置した商品を各顧客へ販売するための処理を実行する。また、サーバ11は、商品データベース17、および、顧客データベース18などを有する記憶装置に接続される。サーバ11は、適宜、商品データベース17および顧客データベース18などにアクセスして各種の処理を実行する。
【0014】
入店制御装置12は、入店口において人物の店舗への入店を制御する。センサ12aは、入店口に近傍に存在する人物を検知する。例えば、センサ12aは、入店口に接近してきた人物を検知する。ゲート12bは、入店口に設けられ、人物の入店を制御するためのゲートである。例えば、入店制御装置12は、サーバ11からの指示に応じてゲート12bを開閉することによってセンサ12aで検知する人物の入店を制御する。
【0015】
情報取得装置13は、入店しようとする人物から顧客識別情報を含む情報を取得するデバイスである。情報取得装置13は、取得する顧客識別情報を含む情報をサーバ11へ送信する。ただし、情報取得装置13は、入店制御装置12に接続し、入店制御装置12を介してサーバ11へ情報を送信する構成としても良い。この場合、情報取得装置13は、入店口にいる人物を検知できる入店制御装置12からの制御によって情報を取得する処理などの動作が可能となる。
【0016】
情報取得装置13は、人物が提示する記録媒体(ICカード、磁気カードなど)から顧客識別情報を読取るものでも良いし、人物の生体情報(指紋、顔、虹彩など)を顧客識別情報として取得するものでも良い。例えば、人物が提示するICカードから顧客識別情報を読取る構成とする場合、情報取得装置13は、ICカードから情報を読取るカードリーダで構成する。また、情報取得装置13は、人物が提示する記録媒体に表示(印刷)されたコード(例えば、携帯端末に表示した2次元コード又は用紙に印刷された2次元コードなど)から顧客識別情報を含む情報を取得する構成としても良い。この場合、情報取得装置13は、顧客が提示する記録媒体に表示されたコードを読取るコードスキャナにより構成する。また、人物の生体情報を顧客識別情報として取得する構成とする場合、情報取得装置13は、人物から生体情報を取得する機器によって構成する。
【0017】
なお、以下の説明では、主として、情報取得装置13がカードリーダである場合を想定するものとする。情報取得装置13としてのカードリーダは、入店口にいる人物が提示するカードから顧客特定情報を含む情報を読取る。情報取得装置13としてのカードリーダが読取対象とするカードは、非接触式ICカードでも良いし、接触式ICカードでも良いし、磁気記憶部を有する磁気カードでも良い。
【0018】
カメラ14は、店舗内を撮影する。カメラ14は、店舗内にいる人物および店舗内に配置した商品を撮影するように設置される。カメラ14は、店舗内の全体が撮影範囲となるように複数設置するものであっても良い。カメラ14は、店舗内の各人物の動きに追従して撮影位置を動作させるものであっても良い。
【0019】
退店制御装置15は、退店口(通行路)において人物(顧客)の店舗からの退店を制御する。また、退店制御装置15は、サーバ11、センサ15aおよびゲート15bに接続する。ゲート15bは、退店口に設けたゲートである。退店制御装置15は、サーバ11からの指示に応じてゲート15bを開閉することで顧客の退店を制御する。例えば、退店制御装置15は、サーバ11から利用者の退店を禁止(停止、阻止)する旨の通知を受けた場合、ゲート15bをクローズ(閉鎖)して当該利用者の退店を阻止する。
【0020】
報知器16は、顧客に対してアラートを発する機器である。報知器16は、例えば、表示器、スピーカなどで構成する。報知器16は、サーバ11から指示に応じてアラートを出力する。例えば、報知器16は、サーバ11から退店口にいる人物の退店を禁止する旨の通知を受けた場合、当該人物に対して退店を禁止する旨のアラートを出力させる。また、報知器16としての表示器は、サーバ11からの指示に応じた警告を示すメッセージなどを表示する。また、報知器16としてのスピーカは、サーバ11からの指示に応じた警告(警報)などを音声で出力する。
【0021】
報知器16は、顧客に対するアラートを発するものであれば良い。例えば、後述する第1の動作例に係る無人店舗システムにおいて、報知器16は、退店口において顧客に対してアラートを発するように構成される。後述する第1の動作例では、報知器16は、退店口の近傍に設けられる構成を想定するものとする。また、報知器16は、店舗内における天井又は壁などの複数個所に設置しても良い。例えば、後述する第2の動作例に係る無人店舗システムにおいて、報知器16は、販売規制商品が配置される位置にいる顧客に対してアラートを発するように構成される。後述する第2の動作例では、店舗内における複数個所に複数の報知器16が設置される構成であることを想定するものとする。なお、複数個所に複数の報知器16を配置する構成である場合、サーバ11は、指定する箇所にある報知器16からアラートを出力させる制御を行うものとする。
【0022】
次に、サーバ11における制御系の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るサーバ11における制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示す構成例において、サーバ11は、プロセッサ31、RAM(random-access memory)32、ROM(read-only memory)33、データメモリ34、各種のインターフェース(IF)35、36、および、ネットワークインターフェース(NWI/F)37を有する。
【0023】
プロセッサ31は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPU(central processing unit)である。プロセッサ31は、ROM33又はデータメモリ34が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ31は、入店処理用のプログラムを実行することにより、入店制御装置12を用いて店舗内への人物の入店を制御する入店処理を実行する。また、プロセッサ31は、モニタリング処理用のプログラムを実行することにより、店舗内での顧客の行動を監視するモニタリング処理を実行する。また、プロセッサ31は、退店処理用のプログラムを実行することにより、退店制御装置15を用いて店舗からの退店を制御する退店処理を実行する。
【0024】
RAM32は、作業用のデータを記憶する。RAM32は、いわゆるワークエリアとして利用されるメモリである。RAM32は、プロセッサ31が各種の処理を実行する場合に参照するデータ、或は、一時的に使用するデータなどを適宜記憶する。
ROM33は、不揮発性のメモリであり、プログラムおよびデータを記憶する。例えば、ROM33は、オペレーティングシステム、ミドルウェア、アプリケーションなどのプログラムを記憶する。また、ROM33は、プロセッサ31が各種の処理を実行する場合に参照するデータを記憶しても良い。
【0025】
データメモリ34は、データを記憶するメモリである。データメモリ34は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。データメモリ34は、例えば、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などで構成する。データメモリ34は、プロセッサ31が各種の処理を実行する場合に使用するデータ、或は、プロセッサ31による処理で生成されたデータを保存する。また、データメモリ34は、プロセッサ31が実行する各種のプログラムを記憶しても良い。
【0026】
インターフェース35は、商品データベース17にアクセスするためのインターフェースである。例えば、インターフェース35は、商品データベース17を有する記憶装置(データサーバ)に接続するためのインターフェースとして構成する。ただし、商品データベース17は、データメモリ34に設けても良い。
【0027】
インターフェース36は、顧客データベース18にアクセスするためのインターフェースである。例えば、インターフェース36は、顧客データベース18を有するデータサーバにアクセスするためのインターフェースである。ただし、顧客データベース18は、データメモリ34に設けても良い。
【0028】
ネットワークインターフェース(NWI/F)37は、ネットワークを介して、入店制御装置12、情報取得装置13、カメラ14、退店制御装置15および報知器16と通信するための通信部である。例えば、サーバ11は、カメラ14が撮影した画像をNWI/F37により取得する。また、サーバ11は、情報取得装置13が取得する顧客識別情報を含む情報をNWI/F37により取得する。また、サーバ11は、NWI/F37を介して、入店制御装置12にゲート12bの開閉を指示する制御信号を出力する。また、サーバ11は、NWI/F37を介して、退店制御装置15にゲート15bの開閉を指示する制御信号を出力する。
【0029】
次に、入店制御装置12における制御系の構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る入店制御装置12における制御系の構成例を示すブロック図である。
図4に示す構成例において、入店制御装置12は、プロセッサ41、RAM(random-access memory)42、ROM(read-only memory)43、データメモリ44、ネットワークインターフェース(NWI/F)45、および、インターフェース(IF)45、46を有する。
【0030】
プロセッサ41は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ41は、例えば、CPU(central processing unit)である。プロセッサ41は、ROM43又はデータメモリ44が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。なお、後述する入店処理は、サーバ11と協働して入店制御装置12のプロセッサ41が実施するようにしても良い。
【0031】
RAM42は、作業用のデータを記憶する。RAM42は、いわゆるワークエリアとして利用されるメモリである。RAM42は、プロセッサ41が各種の処理を実行する場合に参照するデータ、或は、一時的に使用するデータなどを適宜記憶する。
ROM43は、不揮発性のメモリであり、プログラムおよびデータを記憶する。例えば、ROM43は、オペレーティングシステム、ミドルウェア、アプリケーションなどのプログラムを記憶する。また、ROM43は、プロセッサ41が各種の処理を実行する場合に参照するデータを記憶しても良い。
【0032】
データメモリ44は、データを記憶するメモリである。データメモリ44は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。データメモリ44は、例えば、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などで構成する。
ネットワークインターフェース(NWI/F)45は、ネットワークを介して、サーバ11と通信するための通信部である。例えば、NWIF45は、サーバ11からゲート12bの開閉を指示する信号を取得する。
【0033】
インターフェース46は、センサ12aに接続するためのインターフェースである。例えば、インターフェース46は、センサ12aによる人物の検知結果を示す情報を取得する。
インターフェース47は、ゲート12bに接続するためのインターフェースである。例えば、インターフェース47は、ゲート12bの開閉を制御する信号をゲート12bへ供給する。
【0034】
次に、退店制御装置15における制御系の構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る退店制御装置15における制御系の構成例を示すブロック図である。
図5に示す構成例において、退店制御装置15は、プロセッサ51、RAM(random-access memory)52、ROM(read-only memory)53、データメモリ54、ネットワークインターフェース(NWI/F)55、および、インターフェース(IF)55、56を有する。
【0035】
プロセッサ51は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ51は、例えば、CPU(central processing unit)である。プロセッサ51は、ROM53又はデータメモリ54が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。なお、後述する退店処理は、サーバ11と協働して退店制御装置15のプロセッサ51が実施するようにしても良い。
【0036】
RAM52は、作業用のデータを記憶する。RAM52は、ワークエリアとして利用されるメモリである。RAM52は、プロセッサ51が各種の処理を実行する場合に参照するデータ、或は、一時的に使用するデータなどを適宜記憶する。
ROM53は、不揮発性のメモリであり、プログラムおよびデータを記憶する。例えば、ROM53は、オペレーティングシステム、ミドルウェア、アプリケーションなどのプログラムを記憶する。また、ROM53は、プロセッサ51が各種の処理を実行する場合に参照するデータを記憶しても良い。
【0037】
データメモリ54は、データを記憶するメモリである。データメモリ54は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。データメモリ54は、例えば、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などで構成する。
ネットワークインターフェース(NWI/F)55は、ネットワークを介して、サーバ
11と通信するための通信部である。例えば、NWIF55は、サーバ11からゲート15bの開閉を指示する信号を取得する。
【0038】
インターフェース56は、センサ15aに接続するためのインターフェースである。例えば、インターフェース56は、センサ15aによる人物の検知結果を示す情報を取得する。
インターフェース57は、ゲート15bに接続するためのインターフェースである。例えば、インターフェース57は、ゲート15bの開閉を制御する信号をゲート15bへ供給する。
【0039】
次に、実施形態に係る無人店舗システム10における商品データベース17について説明する。
図6は、商品データベース17の構成例を示す図である。
商品データベース17は、店舗内に配置される各商品の販売条件を示す情報を含む商品情報を記憶する。商品データベース17は、サーバ11からアクセス可能な記憶装置に設ける。上述した図2に示す構成例において、商品データベース17は、サーバ11の外部装置(例えば、顧客管理システムのデータサーバ)が具備する記憶装置に設ける。ただし、商品データベース17は、サーバ11内の記憶装置(データメモリ34など)に設けても良い。
【0040】
図6に示す構成例において、商品データベース17は、商品(あるいは商品の種類)ごとに、商品識別情報、商品名、および、販売条件などの情報を記憶する。
商品識別情報は、各種の商品を一意に特定するための情報である。図6に示す例において、商品識別情報は、所定桁数の数字または記号を組み合わせた商品コードである。販売条件は、当該商品を販売するための条件を示す情報である。販売条件の無い商品(販売規制の無い商品)については、当該商品を販売するための条件が無いことを示す情報を記憶しても良い。販売条件が設定されている商品(販売規制商品)については、当該商品を販売するための条件を示す情報が記憶される。例えば、販売可能な年齢が規制されている規制商品(年齢制限商品)に対しては、販売条件として、販売可能な年齢を示す情報が記憶される。
【0041】
次に、無人店舗システムにおける顧客データベース18について説明する。
図7は、顧客データベース18の構成例を示す図である。
顧客データベース18は、顧客ごとの顧客識別情報に対応づけて前記販売条件に対応する情報を含む顧客情報を記憶する。顧客データベース18は、サーバ11からアクセス可能な記憶装置に設ける。上述した図2に示す構成例において、顧客データベース18は、サーバ11の外部装置(例えば、顧客管理システムのデータサーバ)が具備する記憶装置に設ける。ただし、顧客データベース18は、サーバ11内の記憶装置(データメモリ34など)に設けても良い。
【0042】
図7に示す構成例において、顧客データベース18は、顧客ごとに、顧客識別情報(顧客ID)、名前、年齢、および、支払方法などの情報を記憶する。
顧客識別情報は、各顧客を一意に特定するための情報である。図7に示す例において、顧客識別情報は、顧客ごとに割り当てるユニークな情報としての顧客IDである。顧客識別情報は、顧客を特定できる情報であれば良い。本実施形態において、顧客識別情報は、情報取得装置13が取得する情報に対応する情報とする。例えば、情報取得装置13がカードリーダであれば、顧客識別情報は、顧客が提示するカードから読み取れる情報(顧客のカードに記憶する情報)に対応する情報(顧客ID)とすれば良い。また、情報取得装置13が人物の生体情報(例えば、顔画像、指紋、声紋など)を読取るデバイスであれば、顧客識別情報は、顧客の生体情報とすれば良い。また、情報取得装置13が人物の操作によって情報(例えば、パスワードなど)を入力する入力装置であれば、顧客識別情報は、顧客が入力する情報に対応する情報とすれば良い。
【0043】
名前は、当該顧客の氏名を示す情報である。年齢は、当該顧客の年齢を示す情報である。年齢は、例えば、当該顧客が販売条件として設定される販売可能な年齢であるかをチェックするための情報である。ここで、図7は、販売条件をチェックするための情報として年齢を顧客データベース18に記憶することを例示するものである。ただし、販売規制商品の販売条件をチェックするための情報は、年齢に限定されるものではない。すなわち、顧客データベース18は、顧客ごとに、販売規制商品の販売条件を満たすか否かを確認するための各情報を記憶する。例えば、販売条件として資格などが設定される販売規制商品も店舗内に配置する場合、顧客データベース18は、顧客の年齢だけでなく、顧客が有する資格などを示す情報も記憶する。
【0044】
支払方法は、顧客が店舗から持ち去った商品(購入した商品)の代金を決済する方法(決済方式)を示す情報である。例えば、支払方法としては、クレジットカード、口座引き落としなどの決済方式を設定するものとして良い。本実施形態に係る無人店舗システムは、顧客が店舗から持ち去る商品が確定してから(顧客が退店した後)、当該顧客が持ち去った商品の決済を行うものとする。
【0045】
次に、無人店舗システムの動作について説明する。
本実施形態において、無人店舗システムの動作例として第1の動作例と第2の動作例とについて説明する。
第1の動作例において、無人店舗システムは、顧客が退店する場合(退店口において)、顧客が保持する全ての商品が販売条件を満たすかをチェックする。第1の動作例の無線店舗システムは、顧客が退店しようとする場合に当該顧客への販売が不可の商品を持っていればアラートを出力する。
【0046】
図8は、第1の動作例に係る無人店舗システムにおけるサーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
入店口において、入店制御装置12は、センサ12aにより入店口に現れた人物(あるいは入店口に接近してくる人物)を検知する。また、情報取得装置13は、入店口において、入店しようとする人物(入店者)の情報を取得する。情報取得装置13は、取得した入店者の情報をサーバ11へ転送する。情報取得装置13は、入店者の情報として、顧客データベース18に登録済みの顧客であることを示す情報(顧客識別情報を含む情報)を取得するものであれば良い。
【0047】
例えば、顧客が所持する記憶媒体(例えば、ICカードなど)に記録した顧客IDによって顧客を特定する運用であれば、情報取得装置13は、入店者が提示する記憶媒体から顧客IDを読取る。また、生体情報(例えば、顔画像、指紋、声紋など)によって顧客を特定する運用であれば、情報取得装置13は、入店者の生体情報を読取るものとすれば良い。また、入店者が入力する情報(例えば、パスワードなど)によって顧客を特定する運用であれば、情報取得装置13は、入店者が入力する情報(例えば、パスワードなど)を取得するものとすれば良い。
【0048】
サーバ11のプロセッサ31は、情報取得装置13が入店者から取得する入店者の情報をNWIF37により受信する(ACT11)。入店者の情報を受信すると、サーバ11のプロセッサ31は、受信した入店者の情報に基づいて当該入店者が顧客データベース18に登録済みの顧客であるかを判断する(ACT12)。例えば、プロセッサ31は、情報取得装置13が取得する入店者の情報から顧客識別情報を抽出し、抽出した顧客識別情報を顧客データベース18において検索する。入店者の情報から抽出した顧客識別情報が顧客データベース18にあれば、プロセッサ31は、当該入店者を登録済みの顧客として特定する。
【0049】
入店者が登録済みの顧客である場合(ACT12、YES)、プロセッサ31は、当該入店者(顧客)の入店を許可し、入店口に設けたゲート12bを開放する(ACT13)。例えば、プロセッサ31は、NWIF37を介して入店制御装置12へゲート12bを開放させる制御命令を供給する。入店制御装置12は、ゲート12bを閉じたままでセンサ12aが検知する人物の入店を制限しておき、サーバ11からの開放指示に応じてゲート12bを開放させる。これにより、プロセッサ31は、登録済みの顧客を店舗に入店させることができる。
【0050】
また、入店者が登録済みの顧客である場合(ACT12、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が保持する商品に関する情報を記憶する当該顧客用の仮想バスケットを作成する(ACT14)。例えば、プロセッサ31は、RAM32に当該顧客用の仮想バスケットとして機能する記憶領域32aを確保する。プロセッサ31は、店舗内において当該顧客が商品を取ったことを検知するごとに、当該商品を示す情報を仮想バスケット(記憶領域)32aに記憶する。また、プロセッサ31は、当該顧客が商品を返却したことを検知すると、返却した商品を示す情報を仮想バスケット(記憶領域)32aから削除する。
【0051】
図9は、店舗内にいる顧客ごとに作成される仮想バスケットの例である。図10は、店舗で顧客が保持する商品に関する情報を仮想バスケットに記憶した例を示す図である。
店舗内に顧客が入店すると、プロセッサ31は、図9に示すような当該顧客用の仮想バスケット(記憶領域)32aをRAM32に設ける。店舗内に配置された商品を顧客が保持すると、プロセッサ31は、図10に示すように、当該顧客用の仮想バスケット32aに当該商品を示す情報を記憶する。また、店舗内において顧客が一旦保持した商品を返却すると、プロセッサ31は、当該顧客用の仮想バスケット32aから当該商品を示す情報を削除する。
【0052】
図9および図10に示す例では、仮想バスケット32aは、商品を示す情報をリスト形式で記憶するように構成する。また、図9および図10に示す仮想バスケット32aは、顧客を特定する顧客識別情報としての顧客IDが設定され、当該顧客が保持する各商品に関する情報を記憶する。顧客が保持する商品に関する情報としては、個々の商品ついて、商品コード、商品名、数量、販売条件(制限)などの情報を記憶する。
【0053】
商品コードは、商品(或は、商品の種類)を一意に特定するための商品識別情報である。商品名は、商品に付与されている名称である。数量は、顧客が当該商品(同種の商品)を保持している個数を示す。販売条件は、当該商品を販売できる顧客の条件を示す情報である。例えば、当該商品が販売規定商品で無ければ(販売が規制される商品でなければ)、販売条件は、「無し」と記憶される。また、当該商品が販売規制商品であれば、販売条件としては、当該商品の販売が許可される顧客の条件(年齢制限など)を示す情報が記憶される。
【0054】
また、プロセッサ31は、店舗内における当該顧客の行動を監視するモニタリング処理(顧客の行動認識処理)を行う。例えば、プロセッサ31は、モニタリング処理によって、店舗内における当該顧客の行動として、商品を取ったこと、商品を返却したこと、退店しようとしたことなどを検出する。なお、プロセッサ31は、入店処理および退店処理などの処理とは別のプロセスとしてモニタリング処理を実行するようにしても良い。
【0055】
モニタリング処理において、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像などに基づいて、当該顧客が店舗内に配置した商品を取ったかを監視する(ACT15)。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像から当該顧客が店舗内の商品をカゴや袋などに入れたことを検出すると、当該顧客が商品を取ったものとする。また、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像から、当該顧客が店舗内の商品を手に取って移動したことを検出すると、当該顧客が商品を取ったものとしても良い。
【0056】
顧客が商品を取ったことを検出した場合(ACT15、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が取った商品を特定する。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影した映像から当該顧客が取った商品を認識することにより当該顧客が取った商品を特定する。また、プロセッサ31は、顧客が取った商品の配置位置によって商品を特定しても良い。また、プロセッサ31は、所定の配置位置における商品を検知するセンサなどを併用して、顧客が取った商品を特定するようにしても良い。
【0057】
当該顧客が取った商品を特定すると、プロセッサ31は、当該顧客が取った商品に関する情報を商品データベース17から取得する。当該顧客が取った商品に関する情報を取得すると、プロセッサ31は、当該顧客が取った商品を示す情報を仮想バスケット(記憶領域32a)に記憶する(ACT16)。第1の動作例において、プロセッサ31は、当該顧客が取った商品を示す情報として、当該商品の販売条件を示す情報も仮想バスケット32aに記憶する。例えば、プロセッサ31は、図10に示すように、販売規制商品には販売条件を記憶し、販売規制商品でない商品には販売条件がなしであることを記憶する。
【0058】
また、モニタリング処理において、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像などに基づいて、当該顧客が店舗内において一旦取った商品を返却したかを監視する(ACT17)。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像から当該顧客が保持する商品を配置位置に戻す動作を検出すると、当該顧客が商品を返却したものとする。また、プロセッサ31は、当該顧客がカゴや袋から取り出して店舗内に置いたことを確認すると、当該顧客が商品を返却したものとしても良い。
【0059】
顧客が商品を返却したことを検出した場合(ACT17、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が返却した商品に対する商品返却処理を実行する(ACT18)。商品返却処理として、プロセッサ31は、当該顧客が返却した商品を特定する。当該顧客が返却した商品を特定すると、プロセッサ31は、商品返却処理として、当該顧客が返却した商品を示す情報を当該顧客用の仮想バスケット32aから削除する。例えば、プロセッサ31は、当該顧客が返却した商品をカメラ14が撮影した映像に対する画像認識によって特定する。また、プロセッサ31は、店舗内における各商品の配置位置に基づいて、顧客が商品を返却した位置から当該顧客が返却した商品を特定しても良い。また、プロセッサ31は、所定の配置位置における商品を検知するセンサなどを併用して顧客が返却した商品を特定するようにしても良い。
【0060】
また、モニタリング処理において、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像などに基づいて当該顧客が店舗から退店しようとしているか(退店行動をしたか)を監視する(ACT19)。例えば、プロセッサ31は、顧客が退店口へ向かったことで当該顧客が退店しようとしたものとする。また、プロセッサ31は、退店口に設けたセンサ15aが当該顧客を検知した場合に当該顧客が退店しようとしたものとしても良い。
【0061】
顧客が退店しようとしていることを検出した場合(ACT19、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が店舗内から持ち出そうとする商品をチェックする。まず、プロセッサ31は、退店しようとしている顧客が販売規制商品を保持しているかを判定する(ACT20)。例えば、プロセッサ31は、当該顧客用の仮想バスケット(記憶領域32a)に販売規制商品の商品を示す情報を記憶されている否かを判定する。当該顧客用の仮想バスケット32aに販売規制商品がある場合、プロセッサ31は、当該顧客が販売規制商品を保持していると判断する。
【0062】
顧客が販売規制商品を保持していない場合(ACT20、YES)、プロセッサ31は、当該顧客の退店を許可し、退店口に設けたゲート15bを開放する(ACT21)。例えば、プロセッサ31は、退店制御装置15にゲート15bを開放させる制御信号(開放信号)を供給する。退店制御装置15は、NWIF55によりサーバ11からの制御信号を受信する。退店制御装置15のプロセッサ51は、サーバ11からの制御信号としての開放信号に応じてゲート15bを開放する。これにより、当該顧客は、退店口の通過が許可され、退店が可能な状態となる。なお、プロセッサ31は、顧客の退店を許可する場合、NWIF37を介して接続される報知器16を用いて当該客の退店を許可する旨の案内を報知するようにしても良い。
【0063】
また、当該顧客の退店を許可すると(ACT21)、プロセッサ31は、当該顧客用の仮想バスケットにある商品に対する会計処理を実行する(ACT22)。プロセッサ31は、退店する顧客用の仮想バスケットに当該顧客への販売が不可となる商品がないことを確認すると、会計処理を実行する。会計処理は、退店する顧客が販売不可の商品を保持していないことを確認した後であれば、いつ実施しても良い。例えば、プロセッサ31は、顧客が退店した後、顧客データベース18において当該顧客に対して設定されている支払方式(クレジットカード、あるいは、口座引落など)で会計処理を実行する。これにより、販売規制商品を含む商品を配置した店舗であっても、店舗内に店員を配置せずに各種の商品の販売が実施できる。
【0064】
顧客が販売規制商品を保持している場合(ACT20、NO)、プロセッサ31は、当該顧客が保持する販売規制商品に、当該顧客への販売が不可となる商品があるかを判定する(ACT23)。例えば、プロセッサ31は、当該顧客が保持する全ての販売規制商品に対する販売条件を当該顧客が満たしているか否かを判定する。すなわち、プロセッサ31は、当該顧客が保持する販売規制商品に当該顧客が販売条件を満たしていないものがあれば、販売不可の商品が有ると判定する。
【0065】
当該顧客への販売が不可となる商品がある場合(ACT24、YES)、プロセッサ31は、当該顧客の退店口の通過を禁止する制御を行う(ACT25)。例えば、プロセッサ31は、退店制御装置15にゲート15bを閉じさせる制御信号(閉鎖信号)を出力する。退店制御装置15は、NWIF55によりサーバ11からの制御信号を受信する。退店制御装置15のプロセッサ51は、サーバ11からの制御信号としての閉鎖信号に応じてゲート15bを閉鎖する。これにより、販売が不可となる商品を保持する顧客は、退店口の通過が禁止され、退店が不可の状態となる。
【0066】
また、当該顧客への販売が不可となる商品がある場合(ACT24、YES)、プロセッサ31は、報知器16を用いてアラートを出力する(ACT26)。プロセッサ31は、当該顧客が保持する商品(仮想バスケットにある商品)に当該顧客への販売が不可となる商品があることを報知器16によって報知する。例えば、プロセッサ31は、報知器16としてのスピーカによって警報音を出力し、当該顧客への販売が不可となる商品を報知器16としての表示器に表示する。また、プロセッサ31は、当該顧客への販売が不可となる商品を返却する旨の案内を報知器16により報知するようにしても良い。
【0067】
また、ゲート15bを閉じてアラートを出力した後、プロセッサ31は、当該顧客に対するモニタリング処理を継続する。つまり、販売が不可となる商品があることを報知するアラートを出力した後、プロセッサ31は、ACT15へ戻り、商品の追加、商品の返却、退店行動などを検出する。ここで、販売が不可となる商品を顧客が返却すれば、プロセッサ31は、当該商品の返却処理を実施する。この結果として仮想バスケットに販売不可となる商品がなくなれば、プロセッサ31は、ACT21へ進み、当該顧客の退店を許可することとなる。
【0068】
販売が不可となる商品を当該顧客が保持していない状態となれば(ACT20のYES、ACT24のNO)、プロセッサ31は、当該顧客の退店を許可し(ACT21)、会計処理を実行する(ACT22)。上述したように、会計処理は、退店する顧客が店舗から持ち出す商品に当該顧客に対して販売が禁止される販売規制商品が無いことを確認した後に実施するものであれば良い。
【0069】
以上のように、第1の動作例に係るサーバは、退店する顧客用の仮想バスケットに当該顧客への販売が不可となる販売規制商品がないことを確認する。退店しようとする顧客が販売不可となる販売規制商品を保持する場合、サーバは、退店口のゲートを閉じて当該顧客の退店を禁止する。また、サーバは、販売不可となる販売規制商品を保持する顧客の退店を禁止するとともに、売不可となる販売規制商品を返却することを促すアラートを発する。退店しようとする顧客が販売不可の商品を保持していないことを確認すると、サーバは、当該顧客に対して、退店を許可し、会計処理を実行する。
【0070】
これにより、第1の動作例に係るサーバおよび無人店舗システムは、販売条件を満たさない顧客が販売規制商品(例えば、顧客の年齢が販売不可となる年齢制限商品)を店舗外に持ち出すことを防止できる。この結果、第1の動作例に係るサーバおよび無人店舗システムは、販売規制商品を含む商品を配置した店舗であっても、店舗内に店員を配置せずに各種の商品を販売できる。
【0071】
次に、無人店舗システムにおける第2の動作例について説明する。
第2の動作例において、無人店舗システムは、店舗内において顧客が商品に触れた(あるいは、手に取った)場合、当該顧客が触れた商品の販売条件を満たすかをチェックする。第2の動作例において、無線店舗システムは、顧客が触れた商品の販売条件を満たしていない場合(販売が不可の販売規制商品に顧客が触れた場合)、アラートを出力する。
【0072】
図11および図12は、第2の動作例に係る無人店舗システムにおけるサーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
第2の動作例において、サーバ11のプロセッサ31は、第1の動作例で説明したACT11-14と同様に、入店する顧客に対して入店処理を実行する(ACT31-34)。すなわち、サーバ11のプロセッサ31は、入店口において情報取得装置13が入店者から取得する入店者の情報を受信する(ACT31)。サーバ11のプロセッサ31は、情報取得装置13が取得した入店者の情報に基づいて当該入店者が顧客データベース18に登録済みの顧客であるかを判断する(ACT32)。入店者が登録済みの顧客であれば(ACT32、YES)、プロセッサ31は、ゲート12bを開放し(ACT33)、当該顧客用の仮想バスケットを作成する(ACT34)。
【0073】
顧客の入店を許可した後、プロセッサ31は、店舗内における当該顧客の行動を監視するモニタリング処理を行う。第2の動作例のモニタリング処理において、プロセッサ31は、当該顧客が店舗内の商品に触れたことを検出する(ACT35)。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像に基づいて当該顧客が店舗内の商品を触れたことを検出する。
【0074】
当該顧客が商品を触れたことを検出した場合(ACT35、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が触れた商品を特定する。当該顧客が触れた商品を特定すると、プロセッサ31は、当該顧客が触れた商品が販売規制商品であるか否かを判定する(ACT36)。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影した映像に対する画像認識によって、当該顧客が触れた商品を特定する。また、プロセッサ31は、顧客が触れた商品の配置位置によって当該商品を特定しても良い。
【0075】
当該顧客が触れた商品が販売規制商品でなければ(ACT36、NO)、プロセッサ31は、ACT42へ進む。
当該顧客が触れた商品が販売規制商品である場合(ACT36、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が触れた販売規制商品が当該顧客への販売が不可となる商品であるか否かを判定する(ACT37)。プロセッサ31は、当該顧客が触れた販売規制商品に対する販売条件を当該顧客が満たしているか否かを判定する。プロセッサ31は、当該顧客が触れた販売規制商品の販売条件を当該顧客が満たしていなければ、当該顧客への販売を不可とする商品に触れたと判定する。
【0076】
顧客が販売不可の販売規制商品に触れたと判定した場合(ACT38、YES)、プロセッサ31は、報知器16を用いてアラートを出力する(ACT39)。第2の動作例において、報知器16は、店舗内にいる顧客に対してアラートを出力するものとする。このため、第2の動作例に係る無人店舗システムは、報知器16を店舗内における複数箇所(例えば、壁や天井など)に配置した構成とする。このような構成において、プロセッサ31は、顧客が触れた商品の近くに配置された報知器16からアラートを出力する。
【0077】
アラートは、当該顧客に対して警告を報知するものであれば良い。例えば、アラートとしては、当該顧客に対して警報音を出力するものであっても良いし、販売が不可となる商品を返却する旨の案内を表示するものであっても良い。これにより、店舗内で販売不可となる販売規定商品に触れたときに、当該顧客に対するアラートを効果的に出力できる。
【0078】
また、プロセッサ31は、当該顧客が退店するまでモニタリング処理を継続する。例えば、プロセッサ31は、販売が不可となる商品があることを報知するアラートを出力した後も、当該顧客が退出するまでモニタリング処理を継続する。販売不可の商品に触れた顧客に対するアラートを発した場合、プロセッサ31は、当該顧客が販売不可の販売規制商品から離れたかをモニタリング処理によって検出する。
【0079】
顧客が販売不可の販売規制商品から離れなければ(ACT40、NO)、プロセッサ31は、ACT42へ進み、アラートを継続したままでモニタリング処理を継続する。顧客が販売不可の販売規制商品から離れると(ACT40、YES)、プロセッサ31は、アラートを停止し(ACT41)、ACT42へ進む。従って、販売不可の商品に触れた顧客がアラートに応じて直に当該商品から離れると、アラートは直に停止することとなる。これにより、第2の動作例では、顧客が販売不可の販売規制商品に触れると直にアラートを発して注意を促すことができる。
【0080】
また、プロセッサ31は、モニタリング処理によって、顧客が商品を保持したこと、商品を返却したこと、退店行動をおこしたことなどを監視する。モニタリング処理によって顧客が商品を保持したことを検出すると(ACT42、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が保持した商品を特定する。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像から当該顧客の収納部(カゴ、袋、ショッピングカートなど)に商品を収納したことを検出すると、当該顧客が商品を保持したと判定する。また、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像から当該顧客が商品を持って移動したことを検出すると、当該顧客が商品を保持したと判定する。
【0081】
当該顧客が保持した商品を特定すると、プロセッサ31は、当該顧客が保持した商品に関する情報を商品データベース17から取得する。当該顧客が保持した商品に関する情報を取得すると、プロセッサ31は、当該顧客が保持した商品に関する情報を仮想バスケット(記憶領域)32aに記憶する(ACT43)。
【0082】
また、プロセッサ31は、モニタリング処理によって当該顧客が店舗内において一旦取った商品を返却したかを監視する(ACT44)。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像から当該顧客が一旦取った商品を返却したことを検出する。顧客が商品を返却したことを検出した場合(ACT44、YES)、プロセッサ31は、当該顧客による商品の返却に伴う商品返却処理を実行する(ACT45)。
【0083】
商品返却処理として、プロセッサ31は、当該顧客が返却した商品を特定する。例えば、プロセッサ31は、カメラ14が撮影した映像に対する画像認識によって当該顧客が返却した商品を特定する。また、プロセッサ31は、店舗内における各商品の配置位置に基づいて、顧客が商品を返却した位置から当該顧客が返却した商品を特定しても良い。また、プロセッサ31は、所定の配置位置における商品を検知するセンサの出力信号を併用して顧客が返却した商品を特定しても良い。当該顧客が返却した商品を特定すると、プロセッサ31は、当該顧客が返却した商品を示す情報を仮想バスケット32aから削除する。
【0084】
商品返却処理を実行すると、プロセッサ31は、当該顧客が保持する商品に販売不可の販売規制商品が無いかをチェックする(ACT46)。例えば、プロセッサ31は、当該顧客の仮想バスケット32aに販売不可の販売規制商品が残っているかをチェックする。顧客が販売不可の販売規制商品を保持しなければ(ACT46、YES)、プロセッサ31は、アラートを停止する(ACT47)。なお、プロセッサ31は、アラートを発生している場合にACT46および47の処理を実行するようにしても良い。
【0085】
また、プロセッサ31は、カメラ14が撮影する映像などに基づいて、当該顧客が店舗から退店しようとしているか(退店行動をしているか)を監視する(ACT48)。例えば、プロセッサ31は、顧客が退店口へ向かったことで当該顧客が退店しようとしたものとする。また、プロセッサ31は、退店口に設けたセンサ15aが当該顧客を検知した場合に当該顧客が退店しようとしたものとしても良い。
【0086】
顧客が退店しようとしたこと(退店行動)を検出した場合(ACT19、YES)、プロセッサ31は、当該顧客が販売不可となる販売規制商品を保持しているかをチェックする(ACT49)。例えば、プロセッサ31は、当該顧客用の仮想バスケット(記憶領域32a)に販売不可となる販売規制商品が存在するか否かを判定する。また、プロセッサ31は、当該顧客に対してアラートを発している状態か否かにより販売不可となる販売規制商品を保持しているか否かを判定しても良い。
【0087】
顧客が販売規制商品を保持していると判断した場合(ACT49、NO)、プロセッサ31は、当該顧客の退店を不可とし、退店口のゲート15bを閉鎖する(ACT50)。この場合、プロセッサ31は、当該顧客に対するアラートを発した状態である。このため、販売不可となる販売規制商品を保持したままの顧客は、アラートが発せられるだけでなく、退店口の通過が禁止される。
【0088】
また、ゲート15bを閉じて当該顧客の退店を禁止する場合、プロセッサ31は、当該顧客に対するモニタリング処理を継続する。すなわち、販売が不可となる商品があることを報知するアラートを出力し続けて、当該商品の返却を受付ける。ここで、顧客が販売不可となる全ての販売規制商品を返却すれば、プロセッサ31は、当該商品の返却処理を実施し、アラートを停止する。
【0089】
顧客が販売規制商品を保持していない場合(ACT49、YES)、プロセッサ31は、当該顧客の退店を許可し、退店口のゲート15bを開放する(ACT51)。また、当該顧客の退店を許可すると、プロセッサ31は、当該顧客が購入する商品を確定し、会計処理を実行する(ACT52)。例えば、プロセッサ31は、退店を許可した顧客用の仮想バスケットにある商品に対する会計処理を実行する。会計処理は、第1の動作例で説明したものと同様な処理で良い。
【0090】
以上のように、第2の動作例に係るサーバは、店舗内で顧客が販売不可となる商品に触れた場合にアラートを発する。さらに、販売不可となる販売規制商品を保持する顧客が退店しようとすれば、サーバは、退店口のゲートを閉じて当該客の退店を禁止する。これにより、サーバは、販売不可となる販売規制商品に触れた時点で顧客に対して販売不可であることを報知できる。この結果、第2の動作例に係るサーバおよび無人店舗システムは、販売規制商品を含む商品を配置した店舗であっても、店舗内に店員を配置せずに各種の商品の販売が実施できる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
店舗内に配置される各商品の販売条件を示す情報を含む商品情報を記憶する商品データベースにアクセスするための第1のインターフェースと、
顧客ごとの顧客識別情報に対応づけて前記販売条件に対応する情報を含む顧客情報を記憶する顧客データベースにアクセスするための第2のインターフェースと、
前記店舗に入店する顧客の顧客識別情報を取得する第3のインターフェースと、
前記第3のインターフェースにより取得する顧客識別情報に対応する顧客情報を前記顧客データベースから特定し、前記顧客識別情報の顧客が保持する商品の販売条件を前記商品データベースから特定し、販売条件を満たさない商品を保持する顧客の退店を禁止する制御を行うプロセッサと、
を具備するサーバ。
[2]
前記プロセッサは、販売条件を満たさない商品を保持する顧客の退店を禁止する場合、さらに、報知器を用いて販売条件を満たさない商品を顧客が保持することを報知する、 [1]に記載のサーバ。
[3]
店舗内に配置される各商品の販売条件を示す情報を含む商品情報を記憶する商品データベースにアクセスするための第1のインターフェースと、
顧客ごとの顧客識別情報に対応づけて前記販売条件に対応する情報を含む顧客情報を記憶する顧客データベースにアクセスするための第2のインターフェースと、
前記店舗に入店する顧客の顧客識別情報を取得する第3のインターフェースと、
前記第3のインターフェースにより取得する顧客識別情報の顧客に関する情報を前記顧客データベースから特定し、前記顧客識別情報の顧客が触れた商品の販売条件を前記商品データベースから特定し、販売条件を満たさない商品に顧客が触れた場合に報知器からアラートを出力するプロセッサと、
を具備するサーバ。
[4]
サーバと店舗からの退店を制御する退店制御装置とを具備する無人店舗システムであって、
前記サーバは、
前記退店制御装置と通信する第1の通信部と、
店舗内に配置される各商品の販売条件を示す情報を含む商品情報を記憶する商品データベースにアクセスするための第1のインターフェースと、
顧客識別情報に対応づけて前記販売条件に対応する情報を含む顧客情報を記憶する顧客データベースにアクセスするための第2のインターフェースと、
前記店舗に入店する顧客の顧客識別情報を取得する第3のインターフェースと、
前記第3のインターフェースにより取得する顧客識別情報に対応する顧客情報を前記顧客データベースから特定し、前記顧客識別情報の顧客が保持する商品の販売条件を前記商品データベースから特定し、前記商品データベースから特定する販売条件を満たさない商品を保持する顧客の通行を禁止する旨の信号を前記第1の通信部により前記退店制御装置へ送信する第1のプロセッサと、を有し、
前記退店制御装置は、
顧客が通行する通行口に設けたゲートと、
前記サーバと通信する第2の通信部と、
前記第2の通信部により前記サーバから顧客の通行を禁止する旨の信号を受信した場合に前記ゲートを閉じる第2のプロセッサと、を有する、
無人店舗システム。
[5]
さらに、顧客に対して警告を報知する報知器を有し、
前記第1のプロセッサは、前記報知器を用いて前記販売条件を満たさない商品を顧客が保持することを報知する、
[4]に記載の無人店舗システム。
【符号の説明】
【0092】
11…サーバ、13…情報取得装置、14…カメラ、15…退店制御装置、15b…ゲート、16…報知器、17…商品データベース、18…顧客データベース、31…プロセッサ(第1のプロセッサ)、32a…仮想バスケット(記憶領域)、34…データメモリ、35…インターフェース(第1のインターフェース)、36…インターフェース(第2のインターフェース)、37…ネットワークインターフェース(第3のインターフェース、第1の通信部)、51…プロセッサ(第2のプロセッサ)、55…ネットワークインターフェース(第2の通信部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12