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特許7267773ノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】ノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20230425BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230425BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230425BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20230425BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20230425BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 1/10 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 1/52 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 1/92 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20230425BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/02
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/81
A61Q19/10
C11D1/04
C11D1/10
C11D1/52
C11D1/68
C11D1/90
C11D1/92
C11D3/20
C11D3/37
C11D17/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019035761
(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2020138933
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000130008
【氏名又は名称】株式会社コープクリーン
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】荻原 朋奈
(72)【発明者】
【氏名】四方 雅人
(72)【発明者】
【氏名】青木 援
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/054493(WO,A1)
【文献】特開2016-094375(JP,A)
【文献】特開2014-156538(JP,A)
【文献】特開2006-183039(JP,A)
【文献】特開2013-166739(JP,A)
【文献】特開2005-154651(JP,A)
【文献】特開2012-153627(JP,A)
【文献】特開2018-052830(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144456(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩と、を含有するノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物において、
さらに、(D)下記一般式、
で表される構造を有するカチオン化ポリマーの少なくとも1種と、(E)アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系、およびスルホベタイン系からなる群から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤と、を含有し、
(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩との混合質量比が、41:58:1~45:50:5であり、かつ、前記ノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に8~14質量%であり、
(D)前記一般式で表される構造を有するカチオン化ポリマーが、前記泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に0.05~1質量%であり、
前記(E)アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系、およびスルホベタイン系からなる群から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤が、前記泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に3~8質量%であり、
さらに、(F)ノニオン界面活性剤を、前記泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に0~4質量%含有することを特徴とするノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩の混合質量が、全界面活性剤中50質量%よりも多い請求項1記載のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【請求項3】
(F)ノニオン界面活性剤が、アルキルアルカノール型ノニオン界面活性剤である請求項1または2記載のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記アルキルアルカノール型ノニオン界面活性剤が、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミドである請求項記載のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【請求項5】
(G)多価アルコールを含有する請求項1~4のうちいずれか一項記載のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【請求項6】
(G)多価アルコールが、ジプロピレングリコールである請求項記載のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【請求項7】
(H)アミノ酸系アニオン界面活性剤の少なくとも一種を含有する請求項1~6のうちいずれか一項記載のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」とも称す)に関し、詳しくは、泡性能、低温安定性に優れ、すすぎ時にヌルつきがなくさっぱりと洗い上がり、かつ、タオルドライ後にしっとり感が得られ、泡吐出性に優れるノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤には、泡立ち、泡の持続性、泡の弾力性等の泡性能や、すすぎやすさ等が求められている。そのため、泡性能やすすぎやすさは、洗浄剤の品質を決定する上で非常に重要な位置を占めている。このため、従来から、泡性能やすすぎやすさ等を向上させるために、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、泡性能、メッシュ詰り性に優れ、さらには低温安定性にも優れる、ノンガスの泡吐出容器に好適に用いることができる液体洗浄剤組成物が提案されている。また、特許文献2では、泡質がクリーミーで弾力性を有し、かつ、低温安定性に優れ、洗浄後にしっとりとした肌感触を与える泡吐出容器入り洗浄剤組成物が提案されている。さらにまた、特許文献3では、泡の量の多さ、および泡のクリーミー性が良好であり、すすぎ時の肌のなめらかさ、タオルドライ後の肌のスベスベ感、およびタオルドライ後の肌のしっとり感に優れる液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-154651号公報
【文献】特開2006-183039号公報
【文献】特開2018-052830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案されている液体洗浄剤組成物では、仕上がり性については検討がなされていない。すなわち、特許文献1で提案されている液体洗浄剤組成物は、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩およびパルミチン酸塩の配合量が多いため、脂肪酸塩特有の洗い上がりでつっぱってしまうという問題を有している。
【0006】
また、特許文献2で提案されている洗浄剤組成物では、合成系の界面活性剤が多く配合されており、洗い上がりがヌルっとしてしまう。そのため、さっぱりとした洗い上がりを好む消費者にとっては好ましいものではない。
【0007】
さらに、特許文献3で提案されている液体皮膚洗浄剤組成物は、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩およびカチオン性ポリマーとして塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種以上を含んでおり、洗い上がりはさっぱりすると同時に、タオルドライ後にはしっとり感が得られる。しかしながら、特許文献3で提案されている液体皮膚洗浄剤組成物は、泡吐出容器用としては必ずしも好適とは限らず、泡状の洗浄剤の利便性を有するものではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、泡性能、低温安定性に優れ、すすぎ時にヌルつきがなくさっぱりと洗い上がり、かつ、タオルドライ後にしっとり感が得られ、泡吐出性に優れるノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩およびパルミチン酸塩と、所定の構造を有するカチオン性ポリマーの少なくとも1種以上と、所定の構造を有する両性活性剤と、を所定の割合で含有する洗浄剤組成物が、上記特性を高度にバランスすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物は、(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩と、を含有するノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物において、
さらに、(D)下記一般式、
で表される構造を有するカチオン化ポリマーの少なくとも1種と、(E)アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系、およびスルホベタイン系からなる群から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤と、を含有し、
(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩との混合質量比が、41:58:1~45:50:5であり、かつ、前記ノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に8~14質量%であり、
(D)前記一般式で表される構造を有するカチオン化ポリマーが、前記泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に0.05~1質量%であり、
前記(E)アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系、およびスルホベタイン系からなる群から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤が、前記泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に3~8質量%であり、
さらに、(F)ノニオン界面活性剤を、前記泡吐出容器入り洗浄剤組成物中に0~4質量%含有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の洗浄剤組成物においては、(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩の混合質量が、全界面活性剤中50質量%よりも多いことが好ましく、(F)ノニオン界面活性剤としては、アルキルアルカノール型ノニオン界面活性剤が好ましく、より好ましくは、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミドである。また、本発明の洗浄剤組成物においては、さらに、(G)多価アルコールを含有することが好ましく、(G)多価アルコールとしては、ジプロピレングリコールが好ましい。さらにまた、本発明の洗浄剤組成物においては、(H)アミノ酸系アニオン界面活性剤の少なくとも一種を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、泡性能、低温安定性に優れ、すすぎ時にヌルつきがなくさっぱりと洗い上がり、かつ、タオルドライ後にしっとり感が得られ、泡吐出性に優れるノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物を提供することができる。本発明の洗浄剤組成物は、泡立ち、泡の持続性、泡の弾力性等の泡性能や、すすぎやすさ等に優れ、かつ、ポンプ吐出性にも優れているため、身体用洗浄剤(ボディーソープ等)として好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のノンガス型の泡吐出容器入り洗浄剤組成物について詳細に説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、脂肪酸塩として、(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩と、を含有するものである。本発明の洗浄剤組成物においては、さらに、(D)下記一般式、
で表される構造を有するカチオン化ポリマー(以下、「(D)成分とも称する」)の少なくとも1種と、(E)アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系、およびスルホベタイン系からなる群から選択される両性界面活性剤(以下、「(E)成分とも称する」)と、少なくとも1種を含有している。
【0014】
本発明の洗浄剤組成物においては、(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩と、の混合質量比が、41:58:1~45:50:5である。(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩と、の混合質量比をかかる範囲とすることで、十分な洗浄力が得られ、泡立ち、泡の持続性、泡の弾力性等の泡性能を高度にバランスすることができる。
【0015】
また、本発明の洗浄剤組成物においては、(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩との合計量が、本発明の洗浄剤組成物中に8~14質量%である。好ましくは、全界面活性剤中50質量%よりも多く含有している。すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、石鹸成分が主剤である。そのため、クリーミーな泡質であり、洗い上がりがヌルっとすることもなく、すすぎやすさに優れ、さっぱり感を得ることができる。かかる効果を良好に得るためには、(A)ラウリン酸塩と、(B)ミリスチン酸塩と、(C)パルミチン酸塩と、の合計量は、本発明の洗浄剤組成物中に10~14質量%が好ましい。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物においては、(A)ラウリン酸塩、(B)ミリスチン酸塩および(C)パルミチン酸塩における対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アミン、アミノ酸等を挙げることができる。
【0017】
アルカリ金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。
【0018】
アミンについても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウムや、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン等を挙げることができる。
【0019】
アミノ酸についても、特に制限はなく、例えば、リジン、アルギニン等を挙げることができる。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物においては、(A)ラウリン酸塩、(B)ミリスチン酸塩、および(C)パルミチン酸塩としては、それぞれ、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、およびパルミチン酸カリウムが好ましい。なお、本発明の洗浄剤組成物においては、(A)ラウリン酸塩、(B)ミリスチン酸塩、および(C)パルミチン酸塩以外のその他の脂肪酸塩を含んでいてもよく、例えば、オレイン酸塩、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸塩等の高級脂肪酸塩を用いることができる。ただし、原料臭や泡立ち、および低温安定性が悪化するおそれがあるため、炭素原子数が10~18程度の脂肪酸塩であることが好ましい。洗浄剤組成物に対するその他の高級脂肪酸塩の含有量としては、2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下が好ましく、0質量%がより好ましい。
【0021】
また、本発明の洗浄剤組成物は、(D)成分として、下記一般式、
で表される構造を有するカチオン化ポリマーの少なくとも1種が、0.05~1質量%含まれている。このような構造を有するカチオン性ポリマーを用いることで、タオルドライ後においても、しっとり感を維持することができる。このようなカチオン化ポリマーとしては、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリルアミド共重合体、およびアクリルアミド-アクリル酸-塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体を挙げることができる。これらの中でも、タオルドライ後のしっとり感に優れることから、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体がより好ましい。(D)成分の含有量は、洗浄剤組成物中、0.1~0.8質量%が好ましく、より好ましくは、0.2~0.6質量%である。なお、(D)成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
さらに、本発明の洗浄剤組成物においては、(E)成分として、アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系、およびスルホベタイン系からなる群から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤が含まれている。これにより、アニオン界面活性剤による皮膚刺激を緩和し、洗浄剤組成物が透明なものとなる。その結果、泡吐出容器のメッシュ部の詰まりを防止でき、泡吐出容器に用いる洗浄剤組成物として好適なものとなる。これらの中でも、低温ポンプ吐出性に優れることから、アルキルベタイン系、アミドプロピルベタイン系がより好ましい。本発明の洗浄剤組成物においては、(E)成分は、3~8質量%が好ましく、4~6質量%がより好ましい。なお、(E)成分も、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
アルキルベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等を挙げることができる。アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等を挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、が好ましい。
【0024】
アミドプロピルベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミドプロピルベタイン等を挙げることができる。アルキルアミドプロピルベタインとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン等を挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0025】
スルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヒドロキシスルホベタイン系両性界面活性剤、アミドスルホベタイン系両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0026】
ヒドロキシスルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等を挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
アミドスルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン等を挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物においては、(F)ノニオン界面活性剤を、0.5~4質量%含むことが好ましい。かかる範囲の量の(F)ノニオン界面活性剤を加えることで、泡性能をさらに向上させることができる。より好ましくは、1~3質量%である。
【0029】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等を挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】
本発明の洗浄剤組成物においては、ノニオン界面活性剤の中でも、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドを含む、アルキルアルカノール型ノニオン界面活性剤が好ましく、低温安定性の観点からヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミドがより好ましい。
【0031】
また、本発明の洗浄剤組成物においては、これら以外にも、ノニオン界面活性剤として、アルキルポリグルコシドを用いることもできる。アルキルポリグリコシドとしては、例えば、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ココイルグルコシド等が挙げられる。これらアルキルポリグルコシドは市販品を使用してもよく、市販品の例としては、マイドール10、マイドール12(いずれも花王社製)、PLANTACARE2000UP、PLANTACARE1200UP、PLANTACARE818UP、PLANTACARE800UP等のPLANTACAREシリーズ(いずれもBASF社製)が挙げられる。
【0032】
また、本発明の洗浄剤組成物においては、これら以外にも、ノニオン界面活性剤として、アルキルメチルグルカミドを用いることもできる。ココイルメチルグルカミド、(カプリロイル/カプロイル)メチルグルカミド、ラウロイルメチルグルカミド、(ラウロイル/ミリストイル)メチルグルカミドココベタイン、(カプリロイル/カプロイル)メチルグルカミド(ラウロイル/ミリストイル)メチルグルカミド等が挙げられる。これらアルキルメチルグルカミドは市販品を使用してもよく、GlucoTain Care、GlucoTain Clear、GlucoTain Flex、GlucoTain liquiFlex、GlucoTain Plus等のGlucoTainシリーズ(いずれもクラリアント社製)が挙げられる。
【0033】
本発明の洗浄剤組成物においては、アニオン界面活性剤の少なくとも一種を含有することも好ましい。アニオン界面活性剤としては、例えば、(H)アミノ酸系アニオン界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、アルキルリン酸エステル塩型アニオン界面活性剤、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩等を挙げることができる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、タオルドライ後のしっとり感が優れたものとなるため、(H)アミノ酸系アニオン界面活性剤が好ましい。
【0034】
アミノ酸系アニオン界面活性剤としては、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン(TEA)、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルアラニンナトリウム、ココイルアラニンTEA、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルアスパラギン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ココイルアスパラギン酸TEA、ココイルアスパラギン酸ナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、ココイルグリシンカリウム、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンTEA、ココイルサルコシンナトリウム等を挙げることができる。
【0035】
スルホン酸塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、N-アシルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸塩等を挙げることができ、具体的には、例えば、N-ココイルメチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0036】
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、高級アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等を挙げることができる。
【0037】
アルキルリン酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、モノラウリルリン酸ジカリウム等を挙げることができる。
【0038】
ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩としては、ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム、トリデシルグリコールカルボン酸カリウム等を挙げることができる。
【0039】
本発明の洗浄剤組成物においては、アニオン界面活性剤を含有する場合、アニオン界面活性剤は、1~3質量%であることが好ましい。かかる範囲の量とすることで、泡性能をより向上させることができる。
【0040】
また、本発明の洗浄剤組成物においては、さらに、(G)多価アルコールを含有することも好ましい。多価アルコールを含むことで、低温安定性が改善し、洗浄剤組成物の粘度が低下し、泡吐出容器のメッシュ部の詰まりを良好に防止することができる。また、洗い上がり後の保湿の観点からも好ましい。
【0041】
(G)多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、エチルヘキシルグリセリン、デカグリセリン、1,3-ブチレングリコール、トリメチルプロパノール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、これらの多価アルコールのエチレンオキシド(EO)付加物等を挙げることができる。これらの中でも、特に、洗い流した後のしっとり感、保湿の観点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、エチルヘキシルグリセリンが好ましく、特に好ましくは、ジプロピレングリコールである。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
本発明の洗浄剤組成物においては、多価アルコールの含有量は、5~20質量%が好ましく、5~10質量%がより好ましい。5質量%とすることで、低温時の安定性の向上効果を充分に発揮することができるが、20質量%を超えると、すすぎ時にヌルつきが生じたり、使用感が悪化したりする場合がある。
【0043】
本発明の洗浄剤組成物においては、上記成分以外にも、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、香料、エキス、色素、水等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
油分としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類、またはそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然および合成脂肪酸類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類;ジメチルポリシロキサン等を挙げることができる。
【0045】
アルコール類としては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール等の天然および合成低級アルコール類およびその構造異性体、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然および合成高級アルコール類等を挙げることができる。
【0046】
保湿剤としては、例えば、1,3-ブタンジオール、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(平均分子量が190~1,650)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトールなどが挙げられる。
【0047】
増粘剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、珪酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子;カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子化合物等を挙げることができる。
【0048】
防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノール等を挙げることができる。
【0049】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等を挙げることができる。
【0050】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸等を挙げることができる。
【0051】
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸等を挙げることができる。
【0052】
紫外線吸収、散乱剤としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を挙げることができる。
【0053】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸、またはこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0054】
アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンまたはこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0055】
香料および香料組成物としては、例えば、特開2003-300811号公報の段落[0021]~[0035]に記載した香料成分、さらに特開2003-300811号公報の段落[0050]に記載した香料用溶剤等を挙げることができる。香料組成物の含有量としては、洗浄剤組成物全量に対して、0.005~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
【0056】
エキスとしては、一丸ファルコス株式会社から販売されている植物系抽出エキス等を挙げることができる。例えば、アロエ、アロエベラ、イチョウ、ウイキョウ、海藻、カッコン、カミツレ、キウイ、キュウリ、ヘチマ、クチナシ、コメヌカ、モモ、ユズ、ハトムギ等が挙げられる。エキスを含有させると、保湿効果ばかりでなく、エキス特有の効果も付与される。エキスの含有量は、配合安定性および保湿効果の観点から、本発明の洗浄剤組成物中に、0.001~3質量%が好ましく、0.005~1質量%がより好ましい。
【0057】
本発明の洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、既知の方法で製造することができる。例えば、(A)ラウリン酸塩、(B)ミリスチン酸塩、(C)パルミチン酸塩、(D)成分、(E)成分、必要に応じてその他の成分、および水を、撹拌混合して調製することができる。洗浄剤組成物のpHは、9.5~11.0が好ましい。かかる範囲であれば、泡量が多く、皮膚への刺激がなく、低温安定性がよい。
【0058】
本発明の洗浄剤組成物を調製する装置としては、例えば、剪断力と全体混合できる複数の攪拌羽根(例えば、プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた攪拌装置を好適に用いることができ、アジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイブロッドミキサー等がより好ましい。
【0059】
本発明の洗浄剤組成物の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡形成性、吐出される泡の外観等の観点から、例えば、25℃において、40mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
【0060】
次に、本発明の洗浄剤組成物の泡吐出容器について説明する。
本発明の洗浄剤組成物に係る泡吐出容器は、クリーミーな泡を吐出することができる、ノンガス型の泡吐出容器である。ノンガス型の泡吐出容器を用いることで、本発明に係る洗浄剤組成物の特性を十分に発揮することができる。このような吐出容器は、例えば、大和製罐株式会社、株式会社吉野工業所等から入手することができる。
【0061】
ノンガス型の泡吐出容器は、通常、泡を形成するための多孔質体を有し、洗浄剤組成物がこの多孔質体を通過することにより泡が形成されるものである。本発明の洗浄剤組成物においては、多孔質体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設計することができる。粗いと泡性能が悪くなり、細かすぎるとメッシュが詰まる恐れがある。そのため例えば、100~400メッシュが好ましく、100~300メッシュがより好ましい。なお、多孔質体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、泡性能を向上させる観点から、2枚以上が好ましい。
【0062】
本発明の洗浄剤組成物は、泡性能、低温安定性に優れ、すすぎ時にヌルつきがなくさっぱりと洗い上がり、かつ、タオルドライ後にしっとり感が得られ、泡吐出性に優れているという特性を有しているため、身体用洗浄剤として好適に用いることができる。本発明の洗浄剤組成物は、身体用洗浄剤として通常の用量、洗浄方法で使用することができる。
【実施例
【0063】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例および比較例>
下記表1~8に示す配合で各洗浄剤組成物を常法にて調製した。得られた各洗浄剤組成物につき、泡立ち、泡の持続性、すすぎやすさ、タオルドライ後の評価、吐出した泡の弾力性、低温ポンプ吐出性および低温安定性について評価した。評価手順および評価基準については、下記とおりである。なお、表中の単位は質量部であり、合計が100質量部になるよう精製水で調整した。
【0064】
また、泡吐出容器としては、吐出量1ml、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製を用いた。なお、泡吐出容器のメッシュは200メッシュ2枚とした。
【0065】
<泡立ち>
専門評価パネラー8名が、左前腕および右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、洗浄剤組成物1.0g(1.0プッシュ)を25℃の条件において、泡吐出容器から各洗浄剤組成物の泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を10往復擦った後、下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従って泡の泡立ちを評価した。
【0066】
-評価基準-
5点:泡立ちが良く、泡が非常に増える
4点:泡立ちが良く、泡が増える
3点:泡立ちが良く、泡がやや増える
2点:泡立ちが悪く、泡が増えない
1点:泡立ちが悪く、泡が減る
-判定基準-
◎:4.0点以上5.0点以下
○:3.0点以上4.0点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0067】
<泡の持続性>
専門評価パネラー8名が、左前腕および右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、液体洗浄剤組成物1.0g(1.0プッシュ)を25℃の条件において、泡吐出容器から各洗浄剤組成物の泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を10往復擦った後、目視で泡の量を吐出直後と終了後で比較した。泡の残存量の多少によって泡の持続性を判定した。この場合、泡の残存量が多い場合を泡が消えずに持続すると評価し、泡の残存量が少ない場合を持続しないと評価した。下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従って泡の持続性を評価した。
【0068】
-評価基準-
5点:全量残っていた
4点:ほとんど残っていた
3点:半分程度残っていた
2点:少し残っていた
1点:ほとんど残っていない
-判定基準-
◎:4.0点以上5.0点以下
○:3.0点以上4.0点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0069】
<すすぎやすさ>
専門評価パネラー8名が、左前腕および右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、液体洗浄剤組成物1.0g(1.0プッシュ)を25℃の条件において、泡吐出容器から各洗浄剤組成物の泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を10往復擦った。その後、流水中で約10秒間すすいだ後、すすぎやすさを下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従ってすすぎやすさを評価した。
【0070】
-評価基準-
5点:はやく非常にすっきりすすげた
4点:はやくすっきりすすげた
3点:ややはやくすすげた
2点:やや遅くすすぎ後に少しヌルつきが残った
1点:遅くすすぎ後にヌルつきが残った
-判定基準-
◎:4.0点以上5.0点以下
○:3.0点以上4.0点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0071】
<タオルドライ後の評価>
専門評価パネラー8名が、左前腕および右手のひらを水で濡らし、水で濡らした右手のひらに、液体洗浄剤組成物1.0g(1.0プッシュ)を25℃の条件において、泡吐出容器から各洗浄剤組成物の泡を吐出させた。吐出した泡が付いた右の手のひらで左前腕を10往復擦った。その後、流水中で約10秒間すすぎ、タオルで水分を拭き取った後、下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従ってすすぎ後の肌の状態(しっとり感)を評価した。
【0072】
-評価基準-
5点:肌にうるおいがかなりある
4点:肌にうるおいがある
3点:肌にかさつきがない
2点:肌に少しかさつきがある
1点:肌にかさつきがある
-判定基準-
◎:4.0点以上5.0点以下
○:3.0点以上4.0点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0073】
<吐出した泡の弾力性評価>
プラスチック製250mlのメスシリンダーの下に穴をあけ、メスシリンダー下部穴から泡吐出容器を使用して泡をプッシュして上部まで泡を満たした後、直径23mmのスーパーボールを静かに置き、置いたときから下に落下するまでの時間を測定した。落下時間が長くなる場合を泡の弾力が良いと評価し、落下時間が短い場合を泡の弾力が悪いと評価した。
◎:150秒以上
○:100秒以上150秒未満
△:50秒以上100秒未満
×:50秒未満
【0074】
<低温ポンプ吐出性>
ポンプ泡吐出容器に各洗浄剤組成物を充填し、5℃で7日間保存した。その後、下記評価基準に従って平均評価点を求め、下記判定基準に従ってポンプ吐出後の泡を評価した。なお、液粘度の上昇、液内容物の析出により泡吐出容器内のメッシュに目詰まりが生じると、泡吐出容器のポンプを押すことが困難になり破損することがある。
【0075】
5点:ポンプを容易に押せて均一な泡が出る
4点:ポンプを押せて泡が出る
3点:ポンプを押せて少し潰れた泡が出る
2点:ポンプを押すことがやや困難で、潰れた泡が出る
1点:ポンプを押すことが困難で、泡にならない
-判定基準-
◎:4.0点以上5.0点以下
○:3.0点以上4.0点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0076】
<低温安定性>
各洗浄剤組成物をスクリューバイアルに充填して、0℃に3、5、10、20日間静置した。その後、バイアルごと傾けて洗浄剤組成物の状態を目視により確認した。
◎:20日以上まで透明液状を維持
○:10日以上20日未満まで透明液状を維持
△:5日以上10日未満まで透明液状を維持
×:5日未満で増粘、白濁や析出物が見られる
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
A :ラウリン酸カリウム
B :ミリスチン酸カリウム
C :パルミチン酸カリウム
H1:アラノンALE(ラウロイルメチルアラニンNa)
H2:アミノフォーマーFLDS-L(ラウロイルアスパラギン酸Na)
H3:アミソフトCT-12S(ココイルグルタミン酸TEA)
H4:ソイポンSCE(ココイルサルコシンNa)
H5:アミソフトCK-22(ココイルグルタミン酸K)
H6:アミライトGCK-12K(ココイルグリシンK)
F1:アミノーンC11-S(ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド)
F2:Plantacare 818 UP(C8-16アルキルポリグリコシド)
F3:Plantacare 2000 UP(C10-16アルキルポリグリコシド)
F4:Plantacare 1200 UP(C12-16アルキルポリグリコシド)
F5:GLUCOTAIN CLEAR(カプロイルメチルグルカミド)
E1:レボンHC30W(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液)
E2:GENAGEN DAB-J(ラウリン酸アミドプロピルベタイン液)
E3:オバゾリンLB-SF(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)
E’1:レボン105(2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)
E’2:ソフタゾリンLHL(N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンNa)
E4:アンホレックスLSB(ラウリルヒドロキシスルホベタイン液)
D1:アデカカチオエース PD50(ポリクオタニウム-6)
D2:FLOCARE C 107 PF(ポリクオタニウム-7)
D3:FLOCARE DP/C 139(ポリクオタニウム-39)
G1:DPG-RF(ジプロピレングリコール)
G2:化粧用プロピレングリコール(プロピレングリコール)
G3:RG・コ(グリセリン)
G4:アデカノールGE-RF(エチルヘキシルグリセリン)
I1:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水塩
I2:白色フレーク苛性カリ(水酸化カリウム)
I3:クエン酸(クエン酸)
I4:エキス
I5:香料
【0086】
表1~8から、本発明の洗浄剤組成物は、泡性能に優れるとともに、低温安定性に優れ、すすぎ時にヌルつきがなく、洗い上がりはさっぱり感を有し、かつ、タオルドライ後のしっとり感に優れ、泡吐出性が優れていることがわかり、泡吐出容器用の洗浄剤組成物として、特に身体洗浄剤用途として好適であることがわかる。