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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20230425BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
E02F9/00 C
H02J7/00 P
H02J7/00 302B
E02F9/00 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019036972
(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2020139350
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 陽介
(72)【発明者】
【氏名】野村 真
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-129976(JP,A)
【文献】特開2010-022164(JP,A)
【文献】特開2018-084099(JP,A)
【文献】国際公開第2012/114794(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械であって、
起動スイッチと、
前記作業機械の駆動に要する電力を出力する駆動バッテリと、
前記駆動バッテリから供給される電力により駆動する電動モータと、
前記電動モータとは別の電気機器である第1電気機器と、
前記電動モータとは別の電気機器である第2電気機器と、
前記駆動バッテリが充電状態であるときに電力供給指令を出力する電源分配ユニットと、を備え、
前記起動スイッチの操作状態及び電力供給指令に基づいて、前記第1電気機器に電力が供給され、
前記起動スイッチの操作状態に基づいて、前記第2電気機器に電力が供給される、
作業車両。
【請求項2】
前記操作状態は、キーオフ状態及びキーオン状態を含み、
前記キーオン状態において、前記第1電気機器及び前記第2電気機器のそれぞれに電力が供給され、
前記キーオフ状態且つ前記電力供給指令が非出力状態において、前記第1電気機器及び前記第2電気機器のそれぞれに電力が供給されず、
前記キーオフ状態且つ前記電力供給指令が出力状態において、前記第1電気機器に電力が供給され、前記第2電気機器に電力が供給されない、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記操作状態及び前記電力供給指令の一方又は両方に基づいて作動する第1スイッチ素子と、
前記操作状態に基づいて作動する第2スイッチ素子と、を備え、
前記第1スイッチ素子がオン状態において前記第1電気機器に電力が供給され、
前記第2スイッチ素子がオン状態において前記第2電気機器に電力が供給される、
請求項1又は請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記駆動バッテリが充電状態であるときにオン状態になる第3スイッチ素子を備え、
前記第3スイッチ素子がオン状態において、前記第1スイッチ素子がオン状態になる、
請求項に記載の作業車両。
【請求項5】
前記第1電気機器は、前記駆動バッテリが充電状態において駆動する、
請求項又は請求項に記載の作業車両。
【請求項6】
操縦席を備え、
前記第2電気機器は、前記操縦席に配置される、前記操縦席の周囲に配置される、又は前記操縦席において操作可能である、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、起動スイッチの操作により電気機器が通電状態と非通電状態とに切り換えられる油圧ショベルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-196759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
稼働作業を行う場合、起動スイッチをキーオン状態にすると電気機器が通電状態になり、起動スイッチをキーオフ状態になると電気機器が非通電状態になる。バッテリの充電作業を行う場合、キーオン状態及びキーオフ状態のいずれにおいても、電気機器が通電状態になる。キーオフ状態においては、オペレータが油圧ショベルに付き添っている必要が無く、バッテリの充電作業を無人の作業現場において実施することができる。バッテリの充電作業が無人の作業現場において実施される場合、電気機器が通電状態にあると、第三者にその電気機器を操作されてしまう可能性がある。例えばいたずら目的の第三者が、電気機器をむやみに操作する可能性がある。そのため、第三者による電気機器の操作が抑制された状態でバッテリの充電作業を実施できる技術が要望される。
【0005】
本発明の態様は、第三者による電気機器の操作が抑制された状態でバッテリの充電作業を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、起動スイッチと、第1電気機器と、第2電気機器と、を備え、前記起動スイッチの操作状態及び電力供給指令に基づいて、前記第1電気機器に電力が供給され、前記起動スイッチの操作状態に基づいて、前記第2電気機器に電力が供給される、作業車両が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第三者による電気機器の操作が抑制された状態でバッテリの充電作業を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る作業車両を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る作業車両を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る電力の供給状態を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態に係る電気システムの一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る電気システムの一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態に係るコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
<作業車両の概要>
図1は、本実施形態に係る作業車両1を示す斜視図である。本実施形態においては、作業車両1が小型油圧ショベルであることとする。以下の説明においては、作業車両1を適宜、油圧ショベル1、と称する。
【0011】
油圧ショベル1は、走行体2と、旋回体3と、ブレード4と、作業機5とを備える。走行体2は、一対の履帯を有する。旋回体3は、走行体2の上方において旋回する。ブレード4は、走行体2の前方において上下方向に移動する。作業機5は、旋回体3の前部に連結される。作業機5は、ブーム5Aと、アーム5Bと、バケット5Cとを有する。作業機5は、作業機シリンダ26が発生する動力により駆動する。作業機シリンダ26は、ブーム5Aを駆動するブームシリンダ26Aと、アーム5Bを駆動するアームシリンダ26Bと、バケット5Cを駆動するバケットシリンダ26Cとを含む。なお、油圧ショベル1は、ブレードを備えなくてもよい。
【0012】
旋回体3は、操縦席6と、作業機レバー7と、走行レバー8と、表示装置9と、支柱11と、キャノピー12とを有する。
【0013】
操縦席6は、オペレータに着座される。作業機レバー7は、操縦席6の左方及び右方のそれぞれに配置される。走行レバー8及び表示装置9は、操縦席6の前方に配置される。表示装置9は、支持アーム10に支持される。支持アーム10は、旋回体3のフロアの前部に固定される。オペレータは、操縦席6に着座した状態で、作業機レバー7及び走行レバー8を操作することができる。オペレータは、操縦席6に着座した状態で、表示装置9を確認することができる。
【0014】
支柱11は、旋回体3の後部に固定される。キャノピー12は、支柱11に支持される。キャノピー12は、操縦席6の上方に配置される。本実施形態において、油圧ショベル1は、操縦席6の周囲の空間が開放されているキャノピー仕様である。
【0015】
図2は、本実施形態に係る油圧ショベル1を示すブロック図である。本実施形態において、油圧ショベル1は、油圧システム20と、電気システム30とを備える。
【0016】
<油圧システム>
油圧システム20は、走行体2、旋回体3、及び作業機5のそれぞれを駆動する。油圧システム20は、メインポンプ21と、流路を介してメインポンプ21と接続されるメインバルブ22と、メインポンプ21から供給された作動油に基づいて駆動する走行モータ23及び走行モータ24と、メインポンプ21から供給された作動油に基づいて駆動する旋回モータ25と、メインポンプ21から供給された作動油に基づいて駆動する作業機シリンダ26とを有する。
【0017】
メインポンプ21は、作動油を吐出する油圧ポンプである。メインポンプ21は、走行モータ23、走行モータ24、旋回モータ25、及び作業機シリンダ26のそれぞれの動力源である。
【0018】
走行モータ23及び走行モータ24のそれぞれは、油圧ショベル1を走行させるための油圧モータである。走行モータ23は、走行体2の一方の履帯を駆動する。走行モータ24は、走行体2の他方の履帯を駆動する。走行モータ23及び走行モータ24が駆動することにより、油圧ショベル1が走行する。
【0019】
旋回モータ25は、旋回体3を旋回させるための油圧モータである。旋回モータ25が駆動することにより、旋回体3が旋回する。
【0020】
作業機シリンダ26は、作業機5を駆動するための油圧シリンダである。作業機シリンダ26は、作動油の流量に基づいて伸縮する。作業機シリンダ26が伸縮することにより、作業機5が駆動する。
【0021】
<電気システム>
電気システム30は、コントローラ60と、電源分配ユニット40と、駆動バッテリ31と、電動モータ32と、インバータ33と、キースイッチ34と、補機バッテリ35と、第1電気機器70と、第2電気機器80と、第1スイッチ素子91と、第2スイッチ素子92と、第3スイッチ素子93とを有する。
【0022】
駆動バッテリ31は、油圧ショベル1の駆動に要する電力を出力する。駆動バッテリ31は、油圧ショベル1の電源である。駆動バッテリ31は、電動モータ32に電力を供給する。油圧ショベル1は、駆動バッテリ31から供給される電力に基づいて駆動するバッテリ式油圧ショベルである。
【0023】
電動モータ32は、メインポンプ21を駆動する動力を発生する。電動モータ32は、駆動バッテリ31から供給される電力により駆動する。メインポンプ21は、電動モータ32の出力軸と接続され、電動モータ32が発生する動力により駆動する。
【0024】
電源分配ユニット40は、コントローラ60から出力される指令に基づいて、駆動バッテリ31の電力を分配する。電源分配ユニット40は、普通充電器41と、DC/DCコンバータ42とを有する。充電時に、電源分配ユニット40は、普通充電器41又は急速充電器111からの充電電力を駆動バッテリ31に供給する。稼働時に、電源分配ユニット40により駆動バッテリ31が放電されると、インバータ33を介して電動モータ32に電力が供給される。
【0025】
インバータ33は、電源分配ユニット40から出力された電力を電動モータ32に供給する。インバータ33は、電源分配ユニット40から出力された直流電圧を交流電圧に変換して電動モータ32へ出力する。電動モータ32は、インバータ33から出力される電力により駆動する。
【0026】
駆動バッテリ31は、充電式の蓄電装置である蓄電池、例えばバッテリである。駆動バッテリ31は、普通充電器41又は急速充電器111により充電される。普通充電器41を含む電源分配ユニット40は、旋回体3に設けられる。なお、普通充電器41は、油圧ショベル1の外部に設けられてもよい。急速充電器111は、油圧ショベル1の外部に設けられる。なお、急速充電器111は、油圧ショベル1の内部に設けられてもよい。
【0027】
普通充電器41は、駆動バッテリ31を普通充電する。普通充電器41は、図示しない普通充電インレットに、普通充電ケーブル102の図示しない普通充電コネクタが接続されると、配電盤101と商用電源100とに接続される。配電盤101は、商用電源100から供給される単相200Vの交流電力を、普通充電ケーブル102を介して普通充電器41に供給する。普通充電器41は、単相200Vの交流電力を普通充電に適した直流電力に変換する。普通充電器41は、駆動バッテリ31を充電する。
【0028】
電源分配ユニット40は、図示しない普通充電インレットに、普通充電ケーブル102の図示しない普通充電コネクタが接続されて、普通充電器41が配電盤101と商用電源100とに接続されたことを検出した場合、普通充電器41を起動して、駆動バッテリ31の普通充電を開始する。コントローラ60は、普通充電ケーブル102と普通充電器41との接続が解除されたことを検出した場合、駆動バッテリ31が満充電になった場合、又は充電中に異常が発生した場合、駆動バッテリ31の普通充電を停止する。なお、普通充電は、オペレータによる図示しないスイッチの操作によって開始されてもよい。
【0029】
急速充電器111は、駆動バッテリ31を急速充電する。急速充電器111は、急速充電に係る操作信号を出力する操作スイッチを有する。操作スイッチが操作されることにより、急速充電が開始又は停止する。急速充電器111は、急速充電ケーブル113及び配電盤112を介して、商用電源110に接続される。油圧ショベル1には、急速充電ケーブル113が接続される急速充電インレットが設けられる。配電盤112は、商用電源110から供給される3相200Vの交流電力を、急速充電ケーブル113を介して急速充電器111に供給する。急速充電器111は、3相200Vの交流電力を直流電力に変換する。急速充電器111は、駆動バッテリ31を充電する。
【0030】
電源分配ユニット40は、急速充電ケーブル113と油圧ショベル1の図示しない急速充電インレットとが接続された状態で、急速充電器111からの急速充電の開始を示す操作信号を検出した場合、駆動バッテリ31の急速充電を開始させる。急速充電器111による急速充電は、コントローラ60からの指令に従って行われる。コントローラ60は、急速充電の終了を示す操作信号を急速充電器111から取得した場合、所定の充電時間が完了した場合、又は充電中に異常を検出した場合、駆動バッテリ31の急速充電を停止する。
【0031】
コントローラ60は、油圧ショベル1を制御する。コントローラ60は、電動モータ32を駆動する場合に、図示しないモータ回転数ダイアルでのダイアル位置、図示しない稼働モード設定装置での選択状態、及び、作業機レバー7の操作状態及び走行レバー8の操作状態に基づいて、電動モータ32を制御するトルク指令や速度指令をインバータ33に出力する。電動モータ32が駆動することにより、メインポンプ21から作動油が吐出され、走行体2、旋回体3、及び作業機5が駆動する。
【0032】
コントローラ60は、普通充電では普通充電に適した電源分配、急速充電では急速充電に適した電源分配、稼働状態では稼働に適した電源分配になるように電源分配ユニット40に指令を出力する。コントローラ60は、普通充電を実施する場合に、普通充電器41に指令を出力する。コントローラ60は、急速充電を実施する場合に、急速充電器111に指令を出力する。コントローラ60は、電動モータ32を駆動する場合に、インバータ33に指令を出力する。
【0033】
キースイッチ34は、オペレータにより操作される。キースイッチ34は、電動モータ32を起動させるための起動スイッチであり、第1電気機器70及び第2電気機器80に電力を供給するためのスイッチである。オペレータは、電動モータ32を起動する場合に、キースイッチ34のキーシリンダにキーを差し込んで、第1ポジションまで回転させる。キーが第1ポジションまで回転すると、電動モータ32が起動する。オペレータは、電動モータ32を起動させずに第1電気機器70及び第2電気機器80に電力を供給する場合に、キースイッチ34のキーシリンダにキーを差し込んで、第1ポジションの手前の第2ポジションまで回転させる。キーが第2ポジションまで回転すると、第1電気機器70及び第2電気機器80に電力が供給される。なお、第2ポジションまでキーを回転させた後にキーから手を放してもキーは第2ポジションに留まるが、第1ポジションまでキーを回転させた後にキーから手を離すとキーは第2ポジションまで回転し、第2ポジションに留まる。
【0034】
補機バッテリ35は、第1電気機器70及び第2電気機器80に電力を供給する。補機バッテリ35は、駆動バッテリ31とは別のバッテリである。補機バッテリ35は、駆動バッテリ31より低圧の12V又は24Vのバッテリである。
【0035】
第1電気機器70は、補機バッテリ35から供給される電力により駆動する。第1電気機器70は、電動モータ32とは別の電気機器である。第1電気機器70は、駆動バッテリ31が充電状態において駆動する電気機器を含む。第1電気機器70として、普通充電器41の温度を検出するセンサ、普通充電器41を水冷するための水ポンプ、及び普通充電器41を水冷する冷却液を冷やすための冷却用ファンが例示される。
【0036】
本実施形態においては、第1電気機器70にコントローラ60及び表示装置9が含まれる概念であることとする。すなわち、コントローラ60及び表示装置9は、第1電気機器70の一種であることとする。
【0037】
第2電気機器80は、補機バッテリ35から供給される電力により駆動する。第2電気機器80は、電動モータ32とは別の電気機器である。第2電気機器80は、操縦席6に配置される電気機器、操縦席6の周囲に配置される電気機器、又は操縦席6において操作可能な操作スイッチにより駆動する電気機器を含む。第2電気機器80として、警告音を発生するホーン、及び油圧ショベル1の前方を照明する作業灯が例示される。
【0038】
すなわち、第2電気機器80は、オペレータ又は第三者が簡単に操作することができる電気機器である。第1電気機器70は、オペレータ又は第三者が簡単に操作することができない電気機器である。
【0039】
第1スイッチ素子91は、第1電気機器70に対する電力の供給と供給停止とを切り換える。第1スイッチ素子91は、補機バッテリ35と第1電気機器70との間に配置される。第1スイッチ素子91がオン状態において、第1電気機器70に電力が供給される。第1スイッチ素子91がオフ状態において、第1電気機器70に電力が供給されない。
【0040】
第2スイッチ素子92は、第2電気機器80に対する電力の供給と供給停止とを切り換える。第2スイッチ素子92は、補機バッテリ35と第2電気機器80との間に配置される。第2スイッチ素子92がオン状態において、第2電気機器80に電力が供給される。第2スイッチ素子92がオフ状態において、第2電気機器80に電力が供給されない。
【0041】
第3スイッチ素子93は、第1スイッチ素子91に対する電力の供給と供給停止とを切り換える。第3スイッチ素子93は、補機バッテリ35と第1スイッチ素子91との間に配置される。第3スイッチ素子93がオン状態において、第1スイッチ素子91に電力が供給される。第3スイッチ素子93がオフ状態において、第1スイッチ素子91に電力が供給されない。本実施形態において、第1スイッチ素子91は、第3スイッチ素子93から電力が供給されるとオン状態になる。第1スイッチ素子91は、第3スイッチ素子93から電力が供給されないとオフ状態になる。すなわち、第3スイッチ素子93がオン状態において、第1スイッチ素子91がオン状態になる。第3スイッチ素子93がオフ状態において、第1スイッチ素子91がオフ状態になる。
【0042】
キースイッチ34は、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92に対する電力の供給と供給停止とを切り換える。キースイッチ34は、補機バッテリ35と第1スイッチ素子91及び補機バッテリ35と第2スイッチ素子92との間に配置される。キースイッチ34がオン状態において、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92に電力が供給される。キースイッチ34がオフ状態において、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92に電力が供給されない。本実施形態において、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92は、キースイッチ34から電力が供給されるとオン状態になる。第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92は、キースイッチ34から電力が供給されないとオフ状態になる。すなわち、キースイッチ34がオン状態において、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92がオン状態になる。キースイッチ34がオフ状態において、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92がオフ状態になる。
【0043】
なお、稼働状態とは、実際に作業機5が動作していたり電動モータ32が駆動していたりする状態だけでなく、アイドリングストップなどで電動モータ32が停止している状態を含む。稼働状態は、キースイッチがオン状態であり、かつ実際に駆動バッテリ31を充電していない状態も含んでもよい。また、稼働状態は、キースイッチ34をオフ状態にして油圧ショベル1の電気システム30がシャットダウンするまでの時間も含んでもよい。すなわち、稼働状態は、オペレータが油圧ショベル1の駆動バッテリ31を充電する作業以外の時間全体を含んでもよい。なお、稼働状態と充電状態の両方の状態を兼ねた状態になることはない。また、稼働状態は、油圧ショベル1の電気システム30がシャットダウンしている状態は含まない。
【0044】
なお、充電状態とは、実際に駆動バッテリ31を充電している状態だけでなく、充電コネクタが充電インレットに接続されている状態も含んでもよい。また、充電状態は、充電コネクタを充電インレットから抜いて充電終了してから油圧ショベル1の電気システム30がシャットダウンするまでの状態も含んでもよい。すなわち、充電状態は、オペレータが油圧ショベル1の作業機5等を稼働させて作業する以外の状態全体を含んでもよい。また、充電状態は、油圧ショベル1の電気システム30がシャットダウンしている状態は含まない。
【0045】
以下の説明において、第1電気機器70に電力が供給される状態を適宜、通電状態、と称し、第1電気機器70に電力が供給されない状態を適宜、非通電状態、と称する。第2電気機器80に電力が供給される状態を適宜、通電状態、と称し、第2電気機器80に電力が供給されない状態を適宜、非通電状態、と称する。
【0046】
本実施形態においては、キースイッチ34の操作状態及び電力供給指令に基づいて、第1電気機器70に電力が供給される。キースイッチ34の操作状態に基づいて、第2電気機器80に電力が供給される。
【0047】
キースイッチ34の操作状態は、キーオフ状態、キーオン状態、及びスタート状態を含む。キーがキーシリンダに差し込まれた状態で、オペレータにより回転されると、キースイッチ34は、「オフ」、「オン」、及び「スタート」のいずれかの位置に回転する。「オフ」の位置に回転すると、キースイッチ34はキーオフ状態になる。「オン」の位置に回転すると、キースイッチ34はキーオン状態になる。「スタート」の位置に回転すると、キースイッチ34はスタート状態になる。
【0048】
キースイッチ34がキーオフ状態において、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれに電力は供給されない。キースイッチ34がキーオフ状態において、電動モータ32は駆動しない。
【0049】
キースイッチ34がキーオン状態において、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれに電力が供給される。キースイッチ34がキーオン状態において、電動モータ32は駆動を開始できないが、駆動状態を継続できる。
【0050】
キースイッチ34がスタート状態において、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれに電力が供給される。キースイッチ34がスタート状態において、充電状態でなければ、電動モータ32は駆動を開始する。
【0051】
本実施形態において、電力供給指令は、駆動バッテリ31が所定状態であるときに電源分配ユニット40から出力される。駆動バッテリ31が所定状態であることは、駆動バッテリ31が充電状態であることを含む。駆動バッテリ31が充電状態であるときに、電源分配ユニット40から電力供給指令が出力される。電源分配ユニット40は、駆動バッテリ31が充電状態であると判定した場合、電力供給指令を出力する。電源分配ユニット40は、駆動バッテリ31が稼働状態であると判定した場合、電力供給指令を出力しない。
【0052】
電源分配ユニット40は、普通充電ケーブル102と普通充電器41とが接続されたことを検出した場合、電力供給指令を出力することができる。電源分配ユニット40は、急速充電ケーブル113と油圧ショベル1の急速充電インレットとが接続された状態で、急速充電の開始を示す操作信号を検出した場合、電力供給指令を出力することができる。
【0053】
電源分配ユニット40は、普通充電ケーブル102と普通充電器41との接続が解除されたことを検出した場合、電力供給指令の出力を停止することができる。電源分配ユニット40は、急速充電の終了を示す操作信号を取得した場合、所定の充電時間が完了した場合、又は充電中に異常を検出した場合、電力供給指令の出力を停止することができる。
【0054】
第1スイッチ素子91は、キースイッチ34の操作状態及び電力供給指令の一方又は両方に基づいて作動する。第1スイッチ素子91は、キースイッチ34がキーオフ状態のときにオフ状態になる。第1スイッチ素子91は、キースイッチ34がキーオン状態、あるいはキースタート状態のいずれかのときにオン状態になる。第1スイッチ素子91は、キースイッチ34がキーオフ状態でも電力供給指令が出力状態のときにオン状態になる。以下の説明において、キーオン状態には、キースタート状態を含むものとする。
【0055】
第1スイッチ素子91がオン状態において第1電気機器70に電力が供給される。第1スイッチ素子91がオフ状態において第1電気機器70に電力が供給されない。
【0056】
第2スイッチ素子92は、キースイッチ34の操作状態に基づいて作動する。第2スイッチ素子92は、キースイッチ34がキーオフ状態のときにオフ状態になる。第2スイッチ素子92は、キースイッチ34がキーオン状態のときにオン状態になる。
【0057】
第2スイッチ素子92がオン状態において第2電気機器80に電力が供給される。第2スイッチ素子92がオフ状態において第2電気機器80に電力が供給されない。
【0058】
第3スイッチ素子93は、電力供給指令に基づいて作動する。第3スイッチ素子93は、電力供給指令が出力状態であるときにオン状態になる。電力供給指令が非出力状態であるときにオフ状態になる。
【0059】
第3スイッチ素子93がオン状態において、第1スイッチ素子91がオン状態になる。第3スイッチ素子93がオフ状態において、第1スイッチ素子91がオフ状態になる。
【0060】
図3は、本実施形態に係る電力の供給状態を説明するための図である。図3に示すように、本実施形態においては、キースイッチ34がキーオフ状態且つ電力供給指令が出力状態において、第1電気機器70に電力が供給され、第2電気機器80に電力が供給されない。すなわち、キースイッチ34がキーオフ状態且つ駆動バッテリ31が充電状態において、第1スイッチ素子91がオン状態になり第1電気機器70が通電状態になる。キースイッチ34がキーオフ状態且つ駆動バッテリ31が充電状態において、第2スイッチ素子92がオフ状態になり第2電気機器80が非通電状態になる。
【0061】
キースイッチ34がキーオフ状態且つ電力供給指令が出力状態において、キースイッチ34がキーオフ状態からキーオン状態に遷移したときに、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれに電力が供給される。すなわち、駆動バッテリ31が充電状態において、キースイッチ34がキーオフ状態からキーオン状態に遷移したときに、第2スイッチ素子92がオン状態になり、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれが通電状態になる。なお、第1電気機器70は、電力供給指令が出力状態となることだけで、第3スイッチ素子93を介して通電状態となっている。
【0062】
キースイッチ34がキーオン状態において、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれに電力が供給される。すなわち、キースイッチ34がオン状態において、第1スイッチ素子91がオン状態になり第1電気機器70が通電状態になる。キースイッチ34がオン状態において、第2スイッチ素子92がオン状態になり第2電気機器80が通電状態になる。
【0063】
キースイッチ34がキーオフ状態且つ電力供給指令が非出力状態において、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれに電力が供給されない。すなわち、キースイッチ34がキーオフ状態且つ駆動バッテリ31が充電状態でない状態、すなわち稼働状態でも充電状態でもない状態において、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92のそれぞれがオフ状態になり、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれが非通電状態になる。
【0064】
<電気システムの動作>
図4及び図5のそれぞれは、本実施形態に係る電気システム30の一例を示す図である。図4は、キースイッチ34がキーオフ状態且つ駆動バッテリ31が充電状態である例を示す。図5は、キースイッチ34がキーオン状態である例を示す。図4及び図5に示す例において、第1スイッチ素子91、第2スイッチ素子92、及び第3スイッチ素子93のそれぞれは、リレーである。
【0065】
図4に示すように、キースイッチ34がキーオフ状態であっても、駆動バッテリ31の充電が開始され、電源分配ユニット40から電力供給指令が出力された場合、第3スイッチ素子93がオン状態になり、第1スイッチ素子91がオン状態になる。キースイッチ34がキーオフ状態である場合、第2スイッチ素子92はオフ状態になる。
【0066】
図4に示すように、本実施形態において、第3スイッチ素子93は、駆動バッテリ31が普通充電されるときにオン状態になる第3スイッチ素子93Aと、駆動バッテリ31が急速充電されるときにオン状態になる第3スイッチ素子93Bとを含む。
【0067】
キースイッチ34がキーオフ状態において、駆動バッテリ31の普通充電が開始された場合、第3スイッチ素子93Aがオン状態になる。第3スイッチ素子93Aがオン状態になると、補機バッテリ35から出力された電力は、第3スイッチ素子93Aを介して、第1スイッチ素子91の電磁部EMに供給される。第1スイッチ素子91の電磁部EMに電力が供給されると、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWが接続され、第1スイッチ素子91がオン状態になる。
【0068】
キースイッチ34がキーオフ状態において、駆動バッテリ31の急速充電が開始された場合、第3スイッチ素子93Bがオン状態になる。第3スイッチ素子93Bがオン状態になると、補機バッテリ35から出力された電力は、第3スイッチ素子93Bを介して、第1スイッチ素子91の電磁部EMに供給される。第1スイッチ素子91の電磁部EMに電力が供給されると、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWが接続され、第1スイッチ素子91がオン状態になる。
【0069】
第1スイッチ素子91がオン状態において、補機バッテリ35から出力された電力の一部は、図4の矢印R1aで示すように、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWを経由して、コントローラ60に供給される。また、第1スイッチ素子91がオン状態において、補機バッテリ35から出力された電力の一部は、図4の矢印R1bで示すように、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWを経由して、第1電気機器70に供給される。
【0070】
キースイッチ34がキーオフ状態においては、駆動バッテリ31が充電状態であっても、第2スイッチ素子92はオフ状態である。第2電気機器80に電力は供給されない。
【0071】
なお、本実施形態において、コントローラ60は、複数のコントローラを含む。コントローラ60は、第1コントローラ61と、第2コントローラ62と、第3コントローラ63とを含む。第1電気機器70は、複数の電気機器を含む。上述のように、第1電気機器70として、センサ、冷却用ファン、及び水ポンプが例示される。
【0072】
図5に示すように、キースイッチ34がキーオン状態である場合、第1スイッチ素子91及び第2スイッチ素子92のそれぞれがオン状態になる。図5の矢印Remで示すように、補機バッテリ35から出力された電力の一部は、キースイッチ34を介して、第1スイッチ素子91の電磁部EM及び第2スイッチ素子92の電磁部EMのそれぞれに供給される。第1スイッチ素子91の電磁部EMに電力が供給されると、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWが接続され、第1スイッチ素子91がオン状態になる。第2スイッチ素子92の電磁部EMに電力が供給されると、第2スイッチ素子92のスイッチ部SWが接続され、第2スイッチ素子92がオン状態になる。
【0073】
第1スイッチ素子91がオン状態において、補機バッテリ35から出力された電力の一部は、図5の矢印R1aで示すように、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWを経由して、コントローラ60に供給される。また、第1スイッチ素子91がオン状態において、補機バッテリ35から出力された電力の一部は、図5の矢印R1bで示すように、第1スイッチ素子91のスイッチ部SWを経由して、第1電気機器70に供給される。
【0074】
第2スイッチ素子92がオン状態において、補機バッテリ35から出力された電力の一部は、図5の矢印R2で示すように、第2スイッチ素子92のスイッチ部SWを経由して、第2電気機器80に供給される。
【0075】
第2電気機器80は、複数の電気機器を含む。上述のように、第2電気機器80として、ホーン、及び作業灯が例示される。
【0076】
<コンピュータシステム>
図6は、本実施形態に係るコンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述のコントローラ60は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述のコントローラ60の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0077】
プログラムは、上述の実施形態に従って、キースイッチ34の操作状態及び電力供給指令に基づいて、第1電気機器70に電力を供給し、キースイッチ34の操作状態に基づいて、第2電気機器80に電力を供給することができる。
【0078】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、キースイッチ34がキーオン状態になると、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれが通電状態になる。キースイッチ34がキーオフ状態になると、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれが非通電状態になる。駆動バッテリ31の充電作業は、キースイッチ34がキーオン状態及びキーオフ状態のそれぞれにおいて実施可能である。キースイッチ34がキーオフ状態においては、オペレータが油圧ショベル1に付き添っている必要が無く、駆動バッテリ31の充電作業を無人の作業現場において実施することができる。
【0079】
駆動バッテリ31の充電作業が無人の作業現場において実施される場合、操縦席6又は操縦席6の周囲に配置されている第2電気機器80、あるいは第2電気機器80の操作スイッチが第三者に操作されてしまう可能性がある。例えばいたずら目的の第三者が、第2電気機器80のホーンを鳴らしたり作業灯を点灯させたりする可能性がある。特に油圧ショベル1がキャノピー仕様である場合、第三者は、第2電気機器80を簡単に触ったり操作したりすることができる。
【0080】
本実施形態においては、キースイッチ34がキーオフ状態且つ駆動バッテリ31が充電状態において、駆動バッテリ31の充電作業に必要なコントローラ60を含む第1電気機器70に電力が供給される。駆動バッテリ31が充電状態でもキースイッチ34がキーオフ状態である場合、第2電気機器80に電力は供給されない。そのため、駆動バッテリ31が充電状態において、キーシリンダからキーを外しておけば、第三者は第2電気機器80を操作することができない。
【0081】
このように、駆動バッテリ31の充電作業に必要なコントローラ60を含む第1電気機器70には電力が供給され、駆動バッテリ31の充電作業に不必要な第2電気機器80には電力が供給されない。そのため、第三者による第2電気機器80の操作が抑制された状態で、第1電気機器70を駆動しながら駆動バッテリ31の充電作業を実施することができる。例えば、駆動バッテリ31の充電作業において表示装置9の表示部を、稼働時に比べて暗くするようにしてもよい。
【0082】
キースイッチ34がキーオン状態であることは、オペレータが油圧ショベル1の周辺にいる状態であることを意味する。すなわち、キースイッチ34がキーオン状態であることは、油圧ショベル1がオペレータの管理下に置かれている状態であることを意味する。オペレータは、キースイッチ34をキーオン状態にして、第1電気機器70及び第2電気機器80のそれぞれを駆動することができる。
【0083】
<その他の実施形態>
なお、上述の実施形態においては、補機バッテリ35から出力された電力が第1電気機器70及び第2電気機器80に供給されることとした。駆動バッテリ31から出力された電力が第1電気機器70及び第2電気機器80に供給されてもよい。例えばコントローラ60は、駆動バッテリ31から出力された電圧をDC/DCコンバータ42により調整した後、第1電気機器70及び第2電気機器80に供給してもよい。また、第1電気機器70はDC/DCコンバータ42から供給し、第2電気機器80は補機バッテリ35から供給してもよい。あるいは、第1電気機器70の中で一部の機器はDC/DCコンバータ42から供給し、残りは補機バッテリ35から供給するなどしてもよい。個々の電気機器それぞれに適した電源を供給してもよい。
【0084】
なお、上述の実施形態において、電力供給指令を電源分配ユニット40から出力していたが、コントローラ60が充電状態か稼働状態かを判断し、その判断に応じて、第3スイッチ素子93を作動させるための電力供給指令を出力してもよい。その場合、コントローラ60は第1電気機器にも第2電気機器にも該当しない。
【0085】
上述の実施形態において、第1電気機器70は、センサ、冷却用ファン、及び水ポンプのような、駆動バッテリ31の充電において駆動する電気機器であることとした。第1電気機器70は、駆動バッテリ31の充電において駆動する電気機器でなくてもよい。第1電気機器70は、任意の電気機器に設定されてもよい。
【0086】
上述の実施形態において、第2電気機器80は、ホーン及び作業灯のような、操縦席6に配置される電気機器、操縦席6の周囲に配置される電気機器、又は操縦席6において操作可能な操作スイッチにより駆動する電気機器であることとした。第2電気機器80は、操縦席6に配置される電気機器、操縦席6の周囲に配置される電気機器、又は操縦席6において操作可能な操作スイッチにより駆動する電気機器でなくてもよい。第2電気機器80は、アクセサリソケットのような操作スイッチはなく、補機バッテリ電圧等を提供する電源ソケットでもよい。第2電気機器80は、任意の電気機器に設定されてもよい。
【0087】
上述の実施形態において、油圧ショベル1は、キャノピー仕様でなくてもよい。油圧ショベル1は、操縦席6の周囲の空間が閉鎖されているキャビン仕様でもよい。
【0088】
上述の実施形態において、作業車両1は油圧ショベル1でなくてもよい。作業車両1は、例えばホイールローダでもよいし、ブルドーザでもよいし、フォークリフトでもよい。
【0089】
上述の実施形態において、作業車両1は、油圧システム20の代わりに、作業機5、走行モータ23、旋回モータ25が電動アクチュエータで駆動される作業車両でもよい。この場合、駆動バッテリ31より電力が供給される。作業車両は電動作業車両である。
【0090】
なお、充電の実施形態について、上述では普通充電と急速充電の2種類の充電方式が可能と記載しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、一つの充電方式、あるいは一つの充電インレットのみとしてもよい。また、電源についても、上述では普通充電では単相200V、急速充電では3相200Vと記載しているが、本発明はこれに限定されない。
【0091】
上述の実施形態においては、起動スイッチであるキースイッチ34はキーをキーシリンダに差し込んだ状態で回すことでオンできるものを想定した記載となっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、オペレータが所持する機器が電子チップを内蔵し、車両から一定の範囲内にある場合にオペレータによる所定操作で、オンと判断するような装置でもよい。
【0092】
上述の実施形態においては、第1スイッチ素子91は、第3スイッチ素子93により、第1電気機器への電力の供給と供給停止とを切り換えているが、これに限られない。第3スイッチ素子93の代わりに、コントローラ60からのオン状態、オフ状態の切り換え信号により第1電気機器への電力の供給と供給停止を実施してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…油圧ショベル(作業車両)、2…走行体、3…旋回体、4…ブレード、5…作業機、5A…ブーム、5B…アーム、5C…バケット、6…操縦席、7…作業機レバー、8…走行レバー、9…表示装置、10…支持アーム、11…支柱、12…キャノピー、20…油圧システム、21…メインポンプ、22…メインバルブ、23…走行モータ、24…走行モータ、25…旋回モータ、26…作業機シリンダ、26A…ブームシリンダ、26B…アームシリンダ、26C…バケットシリンダ、30…電気システム、31…駆動バッテリ、32…電動モータ、33…インバータ、34…キースイッチ(起動スイッチ)、35…補機バッテリ、40…電源分配ユニット、41…普通充電器、42…DC/DCコンバータ、60…コントローラ、61…第1コントローラ、62…第2コントローラ、63…第3コントローラ、70…第1電気機器、80…第2電気機器、91…第1スイッチ素子、92…第2スイッチ素子、93…第3スイッチ素子、93A…第3スイッチ素子、93B…第3スイッチ素子、100…商用電源、101…配電盤、102…普通充電ケーブル、110…商用電源(三相200V)、111…急速充電器、112…配電盤、113…急速充電ケーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6