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特許7267822昇圧型LEDドライバ用の出力電圧範囲を倍化する負電荷ポンプ
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  • 特許-昇圧型LEDドライバ用の出力電圧範囲を倍化する負電荷ポンプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】昇圧型LEDドライバ用の出力電圧範囲を倍化する負電荷ポンプ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
H02M3/155 F
H02M3/155 P
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019077661
(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公開番号】P2019193559
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】62/659,577
(32)【優先日】2018-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/127,928
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケ シューガン
(72)【発明者】
【氏名】シュー ヤオジエ
(72)【発明者】
【氏名】ミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】キース ゾルシャ
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-318879(JP,A)
【文献】特開2012-231657(JP,A)
【文献】特開平06-078537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源回路であって、
調整された正電源回路であって、
入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、
スイッチ回路ノードで前記インダクタに結合されたスイッチ回路と、
前記スイッチ回路に結合された制御回路であって、前記スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている、制御回路と、を含む、調整された正電源回路と、
前記スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている、調整されていない負電源回路と、を備え
前記調整されていない負電源回路が、
前記スイッチ回路ノードと前記負出力回路ノードとの間に配置されたスイッチングコンデンサおよび負電源インダクタを含む
電源回路。
【請求項2】
前記調整された正電源回路が、スイッチング電力コンバータ回路を含み、前記調整されていない負電源回路が、チュックコンバータ回路を含む、請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記スイッチ回路が、
起動されたときに、前記インダクタを充電するように構成されている、前記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、
起動されたときに、前記インダクタから前記調整された回路ノードに電荷を転送するように構成されている、前記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含む、
請求項1またはに記載の電源回路。
【請求項4】
前記調整された正電源回路が、昇圧型コンバータ回路を含む、請求項1に記載の電源回路。
【請求項5】
入力回路ノードを含み、
前記スイッチ回路が、
起動されたときに、前記インダクタを充電するように構成されている、前記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、
起動されたときに、前記インダクタから前記調整された回路ノードに電荷を転送するように構成されている、前記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含み、
前記調整された回路ノードと回路グラウンドまでの間の調整された電圧(Vout)が、1-前記第1のトランジスタの前記起動のデューティサイクル(D)の逆数が乗算された、前記入力回路ノードにおける電圧(Vin)に等しく、即ち、Vout=Vin/(1-D)であり、回路グラウンドと前記負出力回路ノードとの間の前記電圧が、前記調整された電圧のマイナス(-Vout)に等しい、請求項1またはに記載の電源回路。
【請求項6】
前記調整された回路ノードと前記正出力回路ノードとの間に配置されたパルス幅変調スイッチ回路を含み、
前記制御回路が、前記パルス幅変調スイッチ回路の起動を変調して、負荷が前記正出力回路ノードと前記負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御するように構成されている、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の電源回路。
【請求項7】
電圧コンバータであって、
インダクタを含むスイッチングコンバータ回路であって、前記スイッチングコンバータ回路が、電源回路の入力回路ノードで提供されるエネルギーを使用して、前記インダクタを充電するように構成されているスイッチングコンバータ回路と、
前記スイッチングコンバータ回路に結合された制御回路であって、前記スイッチングコンバータ回路のスイッチ回路ノードに結合されたスイッチ回路を使用して、前記インダクタの前記充電を制御することによって、調整された回路ノードで、調整された電圧を生成し、かつ、前記調整された電圧を使用して、正出力ノードで、正出力電圧を生成するように構成されている制御回路と、
前記スイッチ回路ノードの前記電圧を使用して、負出力回路ノードで、調整されていない負電源電圧を生成するように構成されている調整されていない負電源回路と、を備え、 前記調整されていない負電源回路が、
前記スイッチ回路ノードと前記負出力回路ノードとの間に配置されたスイッチングコンデンサおよび負電源インダクタを含む
電圧コンバータ。
【請求項8】
前記インダクタを充電するように、前記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、
電荷を前記インダクタから前記調整された回路ノードに移動させるように、前記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含み、
前記制御回路が、前記第1のトランジスタを起動させて、前記負の調整されていない電圧を前記負出力回路ノードに提供するように構成されている、
請求項に記載の電圧コンバータ。
【請求項9】
前記制御回路が、前記第2のトランジスタを起動させて、スイッチングコンデンサを前記調整された回路ノードの前記電圧まで充電し、かつ、前記第1のトランジスタを起動させて、前記負出力回路ノードで、負極性の前記調整された回路ノードの前記電圧を生成するように構成されている、請求項8に記載の電圧コンバータ。
【請求項10】
前記調整されていない負電源回路が、チュックコンバータ回路を含む、請求項に記載の電圧コンバータ。
【請求項11】
前記スイッチングコンバータ回路が、昇圧型コンバータ回路を含む、請求項に記載の電圧コンバータ。
【請求項12】
前記制御回路が、
前記インダクタを充電するように、前記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタを起動させて、
前記インダクタから前記調整された回路ノードに電荷を移動させるように、前記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタを起動させて、
1-前記第1のトランジスタの前記起動のデューティサイクル(D)の逆数が乗算された、前記入力回路ノードにおける電圧(Vin)に等しい、即ち、Vout=Vin/(1-D)である前記調整された回路ノードと回路グラウンドの間の調整された電圧(Vout)を生成するように構成され、
調整されていない負電源回路が、負極性の前記調整された電圧(-Vout)に等しい、回路グラウンドと前記負出力回路ノードとの間の調整されていない負電源電圧を生成する、請求項または11に記載の電圧コンバータ。
【請求項13】
前記制御回路が、
前記スイッチングコンバータ回路のパルス幅変調スイッチ回路の起動を変調して、負荷が正出力回路ノードと前記負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御するように構成されている、請求項から12のうちのいずれか一項に記載の電圧コンバータ。
【請求項14】
発光ダイオード(LED)ドライバであって、
調整された正電源回路であって、
入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、
スイッチ回路ノードで前記インダクタに結合されたスイッチ回路と、
前記スイッチ回路に結合された制御回路であって、前記スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている、制御回路と、を含む、調整された正電源回路と、
前記スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている、調整されていない負電源回路と、
前記調整された回路ノードと前記正出力回路ノードとの間に配置されたパルス幅変調スイッチ回路と、
前記パルス幅変調スイッチに動作可能に結合された負荷電流検知回路素子と、を備え、
前記制御回路が、前記パルス幅変調スイッチ回路の起動を変調して、負荷が前記正出力回路ノードと前記負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御するようにさらに構成されており、
前記調整されていない負電源回路が、
前記スイッチ回路ノードと前記負出力回路ノードとの間に配置されたスイッチングコンデンサおよび負電源インダクタを含む、LEDドライバ。
【請求項15】
前記調整された正電源回路が、スイッチング電力コンバータ回路を含み、前記調整されていない負電源回路が、チュックコンバータ回路を含む、請求項14に記載のLEDドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、集積回路に関し、特に、入力電圧から調整された電圧を提供する電力コンバータ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子システムは、調整された電源を必要とする装置を含むことができる。電力コンバータ回路は、負荷に調整された電圧を提供するために使用することができる。しかしながら、一般的に、電力コンバータ回路が生成し回路負荷に送達することができる電圧には実用限界が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、概して、電力コンバータ回路およびそれらを動作させる方法に関する。いくつかの態様では、電源回路は、調整された正電源回路と、調整されていない負電源回路と、を含む。調整された正電源回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、スイッチ回路ノードで該インダクタに結合されたスイッチ回路と、該スイッチ回路に結合された制御回路と、を含む。制御回路は、スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成する。調整されていない負電源回路は、スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成する。
【0004】
いくつかの態様では、発光ダイオード(LED)ドライバは、調整された正電源回路と、調整されていない負電源回路と、調整された回路ノードと正出力回路ノードとの間に配置されたパルス幅変調(PWM)スイッチ回路と、該PWMスイッチに結合された負荷電流検知回路素子と、を含む。調整された正電源回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、スイッチ回路ノードで該インダクタに結合されたスイッチ回路と、該スイッチ回路に結合された制御回路と、を含む。制御回路は、スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成する。調整されていない負電源回路は、スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成する。制御回路は、PWMスイッチ回路の起動を調節して、負荷が正出力回路ノードと負出力回路ノードとの間に結合されたときに負荷電流を制御する。
【0005】
本節は、本特許出願の主題の概要を提供することが意図されている。本発明の排他的または網羅的な説明を提供することは意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関する更なる情報を提供するために含まれている。
【0006】
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
電源回路であって、
調整された正電源回路であって、
入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、
スイッチ回路ノードで上記インダクタに結合されたスイッチ回路と、
上記スイッチ回路に結合された制御回路であって、上記スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている、制御回路と、を含む、調整された正電源回路と、
上記スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている、調整されていない負電源回路と、
を備える、電源回路。
(項目2)上記調整された正電源回路が、スイッチング電力コンバータ回路を含み、上記調整されていない負電源回路が、負電荷ポンプ回路を含む、上記項目に記載の電源回路。
(項目3)
上記スイッチ回路が、
起動されたときに、上記インダクタを充電するように構成されている、上記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、
起動されたときに、上記インダクタから上記調整された回路ノードに電荷を転送するように構成されている、上記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含み、
上記調整されていない負電源回路が、
上記スイッチ回路ノードと上記負出力ノードとの間に配置されたスイッチングコンデンサを含み、
上記第1のトランジスタの起動が、調整されていない負電圧を上記負出力回路ノードに提供する、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目4)
上記第2のトランジスタの起動が、上記スイッチングコンデンサを上記調整された回路ノードの上記電圧に充電し、上記第1のトランジスタの上記起動が、上記負出力回路ノードで、負極性の上記調整された回路ノードの上記電圧を生成する、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目5)
上記調整された正電源回路が、スイッチング電力コンバータ回路を含み、上記調整されていない負電源回路が、チュックコンバータ回路を含む、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目6)
上記スイッチ回路が、
起動されたときに、上記インダクタを充電するように構成されている、上記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、
起動されたときに、上記インダクタから上記調整された回路ノードに電荷を転送するように構成されている、上記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含み、
上記調整されていない負電源回路が、
上記スイッチ回路ノードと上記負出力ノードとの間に配置されたスイッチングコンデンサおよび負電源インダクタを含む、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目7)
上記調整された正電源回路が、昇圧型コンバータ回路を含む、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目8)
入力回路ノードを含み、
上記スイッチ回路が、
起動されたときに、上記インダクタを充電するように構成されている、上記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、
起動されたときに、上記インダクタから上記調整された回路ノードに電荷を転送するように構成されている、上記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含み、
上記調整された回路ノードと回路グラウンドまでの間の調整された電圧(Vout)が、1-上記第1のトランジスタの上記起動のデューティサイクル(D)の逆数が乗算された、上記入力回路ノードにおける電圧(Vin)に等しく、即ち、Vout=Vin/(1-D)であり、回路グラウンドと上記負出力回路ノードとの間の上記電圧が、上記調整された電圧のマイナス(-Vout)に等しい、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目9)
上記調整された回路ノードと上記正出力回路ノードとの間に配置されたパルス幅変調(PWM)スイッチ回路を含み、
上記制御回路が、上記PWMスイッチ回路の起動を変調して、負荷が上記正出力回路ノードと上記負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の電源回路。
(項目10)
電源回路を動作させる方法であって、
上記電源回路の入力回路ノードで提供されるエネルギーを使用して、インダクタを充電することと、
上記電源回路のスイッチ回路ノードに結合されたスイッチ回路を使用して、上記インダクタの上記充電を制御することによって、調整された回路ノードで、調整された電圧を生成することと、
上記調整された電圧を使用して、正出力回路ノードで、正出力電圧を生成することと、
上記スイッチ回路ノードの上記電圧を使用して、負出力回路ノードで、調整されていない負電源電圧を生成することと、を含む、方法。
(項目11)
上記調整されていない負電源電圧を上記生成することが、負充電ポンプを使用して、上記調整されていない負電源電圧を生成することを含む、上記項目に記載の方法。
(項目12)
上記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタを起動させて、上記インダクタを充電することと、
上記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタを起動させて、電荷を上記インダクタから上記調整された回路ノードに移動させることと、
上記第1のトランジスタを起動させるときに、負の調整されていない電圧を上記負出力回路ノードに提供することと、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
上記第2のトランジスタを起動させることが、上記スイッチングコンデンサを上記調整された回路ノードの上記電圧まで充電し、上記第1のトランジスタを上記起動させることが、上記負出力回路ノードで、負極性の上記調整された回路ノードの上記電圧を生成する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
上記の上記調整されていない負電源電圧を生成することが、チュックコンバータ回路を使用して、上記調整されていない負電源電圧を生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
上記調整された電圧を上記生成することが、昇圧コンバータ回路を使用して、上記調整された電圧を生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタを起動させて、上記インダクタを充電することと、
上記スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタを起動させて、上記インダクタから上記調整された回路ノードに電荷を移動させることと、を含み、
上記調整された電圧を上記生成することが、1-上記第1のコンデンサの上記起動のデューティサイクル(D)の逆数が乗算された、上記入力回路ノードにおける電圧(Vin)に等しい、上記調整された回路ノードと回路グラウンドの間の調整された電圧(Vout)、即ち、Vout=Vin/(1-D)を生成することを含み、
上記調整されていない負電源電圧を上記生成することが、負極性の上記調整された電圧(-Vout)に等しい、回路グラウンドと上記負出力回路ノードとの間の上記調整されていない負電源電圧を生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記電源回路のPWMスイッチ回路の起動を変調して、負荷が上記正出力回路ノードと上記負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
発光ダイオード(LED)ドライバであって、
調整された正電源回路であって、
入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、
スイッチ回路ノードで上記インダクタに結合されたスイッチ回路と、
上記スイッチ回路に結合された制御回路であって、上記スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている、制御回路と、を含む、調整された正電源回路と、
上記スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている、調整されていない負電源回路と、
上記調整された回路ノードと上記正出力回路ノードとの間に配置されたパルス幅変調(PWM)スイッチ回路と、
上記PWMスイッチに動作可能に結合された負荷電流検知回路素子と、を備え、
上記制御回路が、上記PWMスイッチ回路の起動を変調して、負荷が上記正出力回路ノードと上記負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御するようにさらに構成されている、LEDドライバ。
(項目19)
上記調整された正電源回路が、スイッチング電力コンバータ回路を含み、上記調整されていない負電源回路が、負電荷ポンプ回路を含む、上記項目に記載のLEDドライバ。
(項目20)
上記調整された正電源回路が、スイッチング電力コンバータ回路を含み、上記調整されていない負電源回路が、チュックコンバータ回路を含む、上記項目のいずれか一項に記載のLEDドライバ。
(摘要)
電源回路は、調整された正電源回路と、調整されていない負電源回路と、を備える。調整された正電源回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、スイッチ回路ノードで該インダクタに結合されたスイッチ回路と、該スイッチ回路に結合された制御回路と、を含む。制御回路は、スイッチ回路の起動を制御して調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている。調整されていない負電源回路は、該スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面(必ずしも原寸に比例して描かれていない)において、同じ番号で異なる図の類似した構成要素を記述することができる。異なる添え字を有する同じ番号で類似した構成要素の異なる例を表すことができる。図面は、概して、例としてであって、限定しない方法で、本文書で説明される様々な実施形態を例示する。
図1図1は、一態様における電源回路のブロック図である。
図2図2は、一態様における別の実施例の電源回路の回路図である。
図3図3は、一態様における更なる実施例の電源回路の回路図である。
図4図4は、一態様における発光ドライバ(LED)ドライバのブロック図である。
図5図5は、一態様における電源回路を動作させる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
電力コンバータ回路は、電子システム用の回路電源である、調整された電圧を提供するために使用することができる。いくつかの電力コンバータ回路は、入力電圧を調整された出力電圧に変換するスイッチング電力コンバータ回路である。昇圧型コンバータ、即ち、ブーストコンバータの場合、調整された電圧への変換は、電力コンバータ回路の入力電圧より高い調整された出力電圧を提供することができる。従来の昇圧型コンバータの実装形態では、生成することができる電圧に実用限界があり、これは、電力コンバータを使用することができる用途の数を低下させ得る。
【0009】
例えば、従来の、最大デューティ比DMAXが固定された単一段昇圧型スイッチングモードコンバータでは、最大出力電圧VOUT,MAXは、下式となる。
OUT,MAX=VIN/(1-DMAX
最大で2MHzまでの高いスイッチング周波数(fSW)、50ナノ秒(50ns)の最少スイッチオン時間、90%DMAXの、昇圧型コンバータでは、達成可能なVOUT,MAXは、3VのVINで約30ボルト(30V)である。しかしながら、昇圧型コンバータの最大オン時間の限界により、従来の昇圧型コンバータは、60Vまたはそれ以上のVOUTを必要とする用途をサポートすることができない。
【0010】
加えて、スイッチが電解効果トランジスタ(FET)である昇圧型コンバータでは、グラウンドに対して高いVOUTを達成するために高い定格電圧のFETおよびダイオードが必要とされる。高電圧スイッチは、その寄生容量が増大され得、全体の電子システムのサイズおよびコストを増大させ得る。
【0011】
また、高電圧レベルシフタが、高電圧スイッチに対してより高い駆動電圧をサポートするために、昇圧型コンバータ回路用の制御器に組み込まれる必要があり得る。レベルシフタの追加は、スイッチゲートドライバに高い伝搬遅延をもたらし、再度システムのサイズおよびコストの増大に寄与し得る。これは、単一のチップに組み込まれたスイッチおよび制御器を備えるモノリシック昇圧型コンバータに特に当てはまる。製作プロセスの装置の最大定格が、達成可能な出力電圧を制限し得る。高電圧昇圧型コンバータは、また、チップサイズを増大させるVOUTでのICチップ上の高い静電放電(ESD)クランプ電圧を要求し得る。高電圧を実装することができるモノリシック昇圧型コンバータは、一般的に、チップサイズおよびコストの増大を伴う。さらに、高電圧レベルは、安全性を損ない得、より広い物理的なボード間隔を必要とし得る。
高電圧電力コンバータを実装することに対するこれらの課題は、正出力電圧および負出力電圧を生成する電源回路を使用し、正出力電圧と負出力電圧との間に負荷を動作可能に結合することによって対処することができる。これは、電源回路の回路素子に要求される定格を低減させる。
【0012】
図1は電源回路100のブロック図である。電源回路は、調整された正電源回路102と、調整されていない負電源回路104と、を含む。調整された正電源回路102は、入力回路ノード(VIN)から入力エネルギーを受け取るように回路に配置されたインダクタ106を含む。調整された正電源回路102は、スイッチ回路ノードでインダクタに結合されたスイッチ回路108と、該スイッチ回路に結合された制御回路と、を含む。制御回路110は、スイッチ回路の起動を制御して、調整された回路ノード(VOUT)で電圧を調整し、かつ、正出力回路ノード(VPOS)で正出力電圧を生成する。
【0013】
調整されていない負電源回路は、スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノード(VNEG)で負電源電圧を生成する。いくつかの実施形態では、VPOSでの電圧は、調整された電圧VOUTであり、VNEGでの電圧は、負極性の調整された電圧-VOUTである。これは、2VOUTが回路のグラウンドに対して生成される場合に、回路素子に何も要求することなく、回路負荷を跨いで2VOUTの電圧を生成する。
【0014】
図2は、電源回路200の別の実施例の回路図である。電源回路は、調整された正電源回路202と、調整されていない負電源回路204と、を含む。調整された正電源回路202は、スイッチング電力コンバータ回路を含む。スイッチング電力コンバータ回路は、インダクタ206と、スイッチ回路ノード(SW)に動作可能に結合されたスイッチ回路と、を含む。スイッチ回路は、上部スイッチ(M)と、下部スイッチ(M)と、を含む。スイッチは、FETであってよい。図2の実施例では、スイッチング電力コンバータ回路は、昇圧型コンバータである。変形形態では、スイッチング電力コンバータ回路は、降圧型(バック)コンバータである。
【0015】
調整されていない負電源回路204は、スイッチ回路ノードに結合された負電荷ポンプ回路を含む。負電荷ポンプ回路は、スイッチングコンデンサまたはフライコンデンサCと、ダイオードD1、D2と、を含む。
【0016】
が起動しているとき、インダクタは、充電される。Mが起動している間の時間は、デューティ比Dの「オン時間」を定義する。Mが起動している(オンの)とき、電荷がインダクタから調整された回路ノードVOUTおよび正出力回路ノード(VPOS)に移動される。MおよびMのデューティサイクリングは、調整された回路ノードで、入力回路ノード(VIN)の電圧に(1-第1のトランジスタの起動のデューティサイクル(D))の逆数が乗算されたものに等しい調整された電圧VOUT、即ち、VOUT=VIN/(1-D)を生成する。(降圧型コンバータ回路では、調整された電圧VOUTは、VOUT=D・VINとなるであろう。)
が起動しているとき、電荷がインダクタから調整された回路ノードVOUTおよび正出力回路ノードVPOSに移動され、コンデンサCが正のVPOSレベルまで充電され、回路ノードVが回路グラウンドにある。Mが起動を止める(オフになる)とき、Mが起動して(オンになり)、スイッチ回路ノードSWが回路グラウンドに引き寄せられ、回路ノードSWに接続されたCの終端が突然グラウンドに変わる。Cは、変化に抵抗しその電荷を維持するので、回路ノードVの電圧は、グラウンドからほぼ(-VOUT)の電圧まで変化し、調整されていない負電源電圧がVNEGで生成される。MBの起動フェーズの間、Cは放電され、電流が負荷からCまで流れ、調整されていない負電源を生成する。
【0017】
昇圧型スイッチング電力コンバータ回路、90%の最大デューティ比、および3Vの入力電圧では、調整された電圧VOUTは、約30Vである。VPOS=30VおよびVNEG=-30Vでは、約60Vが回路負荷を跨いで生成される。スイッチMによるVPOSの電圧降下、およびダイオードD1によるVNEGの電圧降下が生じるであろう。ダイオードD1およびD2によるVNEGの電圧降下が生じるであろう。VNEGの絶対値は、D1およびD2によるVOUTより小さな2つのダイオードの電圧降下である。
【0018】
図3は、電源回路300の別の実施例の回路図である。電源回路は、調整された正電源回路302と、調整されていない負電源回路304と、を含む。図2の実施例でのように、調整された正電源回路302は、昇圧型スイッチング電力コンバータ回路であってよく、インダクタ306と、制御回路310と、スイッチ回路ノード(SW)に動作可能に結合されたスイッチMおよびMを含むスイッチ回路と、を含むことができる。
【0019】
調整されていない負電源回路304は、チュックコンバータ回路を含む。チュックコンバータ回路は、スイッチングコンデンサまたはフライコンデンサCと、ダイオードD1と、インダクタ312と、を含む。チュックコンバータ回路は、VNEGで負出力電圧を生成する。制御回路は、調整された回路ノードVOUTで電圧を調整し、VNEGで生成される負電圧は、調整されない。チュックコンバータ回路は、デューティ比(D)が乗算された調整された出力電圧の負の値に等しい負出力電圧、即ち、VNEG=-(VOUT・D)を生成する。調整された電源回路は昇圧型電力スイッチングコンバータであるので、図2の実施例でのように、VOUT=VIN/(1-D)である。図1~3の電源回路の実施例は、入力電圧よりもはるかに高い電圧を必要とする出力負荷を駆動することが可能であることが分かる。
【0020】
図4は、電源回路を含む発光ドライバ(LED)ドライバ回路400のブロック図である。LEDドライバ回路は、調整された正電圧供給回路402と、調整されていない負電源回路404と、を含む。調整された正電圧供給回路402は、調整された回路ノードVOUTOUTで調整された電圧を生成する昇圧型電力コンバータ回路を含むことができる。調整されていない負電源回路404は、図2のように負電荷ポンプ回路か、または図3の実施例のチュックコンバータ回路のどちらかであってよい。VPOSからVNEGまでの負荷を跨ぐ正味の電圧は60Vより大きくなることができるので、LEDドライバ回路は、各LEDが3Vの電圧降下を加えても20個より多い直列接続されたLEDを駆動することができる。
【0021】
LEDドライバ回路400は、また、調整された回路ノードVOUTと正出力回路ノードVPOSとの間に配置されたパルス幅変調(PWM)スイッチ回路Mと、PWMスイッチに結合された負荷電流検知回路素子414と、を含む。ある実施形態では、負荷電流検知回路素子414は、負荷電流に比例する電圧を生成する検知抵抗器である。制御回路410は、PWMスイッチ回路の起動を調節して負荷電流を制御する。これは、正出力回路ノードと負出力回路ノードとの間に接続された一連のLED416に調光能力を提供することができる。
【0022】
完璧を期するために、図5は、電源回路を動作させる方法500のフロー図である。505で、インダクタが、電源回路の入力回路ノードで提供されるエネルギーを使用して充電される。510で、調整された電圧が、電源回路のスイッチ回路ノードに結合されたスイッチ回路を使用してインダクタの充電を制御することにより調整された回路ノードで生成される。調整された電圧は、昇圧型スイッチ電力コンバータ回路を使用して生成され得る。調整された電圧VOUTは、(1-第1のトランジスタの起動のデューティサイクル(D))の逆数が乗算された入力回路ノード(VIN)での電圧に等しく、即ち、VOUT=VIN/(1-D)となり得る。変形形態では、調整された電圧は、降圧型スイッチ電力コンバータ回路を使用して生成され得、調整された電圧VOUTは、VOUT=D・VINとなるであろう。
【0023】
515で、正出力電圧が、調整された電圧を使用して正出力回路ノードで生成され、520で、調整されていない負電源電圧が、スイッチ回路ノードの電圧を使用して負出力回路ノードで生成される。調整されていない負電源電圧は、負電荷ポンプ回路またはチュックコンバータ回路を使用して生成され得る。
【0024】
いくつかの態様では、正出力電圧および調整されていない負電源電圧は、直列に接続された一連のLEDを駆動するために使用され得る。駆動することができるLEDの数は、ブーストコンバータの定格電圧に依存する。以前に説明した、VPOS=30V、VNEG=-30Vであり、回路負荷を跨いで約60Vが生成された実施例の場合、ブーストコンバータは、20~25個の一連のLEDを駆動するために使用され得る。ブーストコンバータがVPOS=60VおよびVNEG=-60Vを生成する場合は、約120Vが回路負荷を跨いで生成され、生成された電圧の範囲は、約40個の一連のLEDを駆動するために使用され得る。より高い電圧範囲は、より多くの数のLEDを駆動することができる。
【0025】
本明細書で説明した装置および方法は、従来の昇圧型スイッチモードコンバータ回路の限界を克服することが分かる。これらの回路は、従来手法の出力の2倍(2VOUT)の用途をサポートすることができる。回路素子の定格は、VOUTとなる必要があるだけである。電源回路のスイッチ(M、M、およびPWMスイッチM)、コンデンサ、ならびにダイオードの定格が40Vの場合は、これらの電源回路は、80Vを生成するために使用され得る。これは、80V回路に要求される面積を低減させる。他の実施例では、定格30Vの回路素子が、60V回路を実装するために使用され得、あるいは、定格60Vの回路素子が、120V回路を実装するために使用され得る。加えて、生成された電圧範囲のわずか半分に対してESD保護が必要になる。40Vの定格のブーストコンバータの実施例の場合、40Vのみに対するESD保護が必要であり、80Vの完全な電圧範囲に対するESD保護は要求されない。
【0026】
(追加の説明および態様)
第1の態様(態様1)は、調整された正電源回路と調整されていない負電源回路とを備える(電源回路などの)主題を含むことができる。調整された正電源回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、スイッチ回路ノードで該インダクタに結合されたスイッチ回路と、該スイッチ回路に結合された制御回路と、を含む。制御回路は、スイッチ回路の起動を制御して調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている。調整されていない負電源回路は、スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている。
【0027】
態様2では、態様1の主題が、任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路を含む調整された正電源回路と、負電荷ポンプ回路を含む調整されていない負電源回路と、を含む。
【0028】
態様3では、態様2の主題が、任意選択で、起動されたときに、インダクタを充電するように構成されている、スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタと、起動されたときに、インダクタから電荷を調整された回路ノードに移動するように構成されている、スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタと、を含む、スイッチ回路を含む。調整されていない負電源回路は、任意選択で、スイッチ回路ノードと負出力ノードとの間に配置されたスイッチングコンデンサを含む。スイッチ回路の第1のコンデンサの活性化は、調整されていない負電圧を負出力回路ノードに提供する。
【0029】
態様4では、態様3の主題が、任意選択で、第2のトランジスタの起動がスイッチングコンデンサを調整された回路ノードの電圧まで充電し、第1のトランジスタの起動が負出力回路ノードで負極性の調整された回路ノードの電圧を生成するスイッチ回路を含む。
【0030】
態様5では、態様1の主題が、任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路を含む調整された正電源回路と、チュックコンバータ回路を含む調整された正電源回路と、を含む。
【0031】
態様6では、態様5の主題が、任意選択で、スイッチ回路ノードに結合され、起動されたときにインダクタを充電するように構成された第1のトランジスタと、スイッチ回路ノードに結合され、起動されたときにインダクタから調整された回路ノードに電荷を移動するように構成された第2のトランジスタと、を含む、スイッチ回路を含む。調整されていない負電源回路は、任意選択で、スイッチングコンデンサと、スイッチ回路ノードと負出力ノードとの間に配置された負電源インダクタと、を含む。
【0032】
態様7では、態様1~6の1つまたは任意の組み合わせの主題が、任意選択で、昇圧型コンバータ回路を含む、調整された正電源回路を含む。
【0033】
態様8では、態様7の主題が、任意選択で、入力回路ノードと、起動されたときに、インダクタを充電するように構成されている、スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタ、および起動されたときに、インダクタから電荷を調整された回路ノードに移動するように構成されている、スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタを含む、スイッチ回路と、を含む。調整された回路ノードと回路グラウンドまでの間の調整された電圧(Vout)は、入力回路ノード(Vin)での電圧に(1-第1のトランジスタの起動のデューティサイクル(D))の逆数が乗算された電圧に等しく、即ち、Vout=Vin/(1-D)であり、回路グラウンドと負出力回路ノードとの間の電圧が、負の調整された電圧(-Vout)に等しい。
【0034】
態様9では、態様1~8の1つまたは任意の組み合わせの主題が、任意選択で、調整された回路ノードと正出力回路ノードとの間に配置されたパルス幅変調(PWM)スイッチ回路を含む。制御回路は、任意選択で、PWMスイッチ回路の起動を調節して、負荷が正出力回路ノードと負出力回路ノードとの間に結合されたときに、負荷電流を制御するように構成される。
【0035】
態様10は、(制御回路の動作を制御するための行動を含む方法などの)主題を含み、または、任意選択で、態様1~9の1つまたは任意の組み合わせに組み合わされて、電源回路の入力回路ノードで提供されるエネルギーを使用してインダクタを充電することと、電源回路のスイッチ回路ノードに結合されたスイッチ回路を使用してインダクタの充電を制御することで調整された回路ノードで調整された電圧を生成することと、調整された電圧を使用して正出力回路ノードで正出力電圧を生成することと、スイッチ回路ノードの電圧を使用して負出力回路ノードで調整されていない負電源電圧を生成することと、を含む、そのような主題を含むことができる。
【0036】
態様11では、態様10の主題が、任意選択で、負電荷ポンプを使用して調整されていない負電源電圧を生成することを含む。
【0037】
態様12では、態様10および11の一方または両方の主題が、任意選択で、スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタを起動させてインダクタを充電することと、スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタを起動させて、電荷をインダクタから調整された回路ノードに移動させることと、第1のトランジスタを起動させるときに、調整されていない負電圧を負出力回路ノードに提供することと、を含む。
【0038】
態様13では、態様12の主題が、任意選択で、第2のトランジスタを起動させて、スイッチングコンデンサを調整された回路ノードの電圧まで充電することと、第1のトランジスタを起動させて、負出力回路ノードで負極性の調整された回路ノードの電圧を生成することと、を含む。
【0039】
態様14では、態様10、12および13の主題が、任意選択で、チュックコンバータ回路を使用して、調整されていない負電源電圧を生成することを含む。
【0040】
態様15では、態様10から14の1つまたは任意の組み合わせの主題が、任意選択で、昇圧型コンバータ回路を使用して、調整された電圧を生成することを含む。
【0041】
態様16では、態様15の主題が、任意選択で、スイッチ回路ノードに結合された第1のトランジスタを起動させてインダクタを充電することと、スイッチ回路ノードに結合された第2のトランジスタを起動させて、電荷をインダクタから調整された回路ノードへ移動することと、を含む。調整された電圧を生成することは、任意選択で、調整された回路ノードと回路グラウンドまでの間に入力回路ノード(Vin)の電圧に(1-第1のトランジスタの起動のデューティサイクル(D))の逆数が乗算された電圧に等しい調整された電圧Vout、即ち、Vout=Vin/(1-D)を生成することを含む。調整されていない負電源電圧を生成することは、任意選択で、回路グラウンドと負出力回路ノードとの間に負極性の調整された電圧(-Vout)に等しい調整されていない負電源電圧を生成することを含む。
【0042】
態様17では、態様10から16の1つまたは任意の組み合わせの主題が、任意選択で、電源回路のPWMスイッチ回路の起動を調節して負荷が正出力回路ノードと負出力回路ノードとの間に結合されたときに負荷電流を制御することを含む。
【0043】
態様18は、(発光ダイオード(LED)ドライバ回路などの)主題を含み、または、任意選択で、態様1~17の1つまたは任意のものに組み合わされて、調整された正電源回路と、調整されていない負電源回路と、パルス幅変調(PWM)スイッチ回路と、負荷電流検知回路素子と、を備える、そのような主題を含むことができる。調整された正電源回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受け取るように配置されたインダクタと、スイッチ回路ノードで該インダクタに結合されたスイッチ回路と、該スイッチ回路に結合された制御回路と、を含む。制御回路は、スイッチ回路の起動を制御して調整された回路ノードで電圧を調整し、かつ、正出力回路ノードで正出力電圧を生成するように構成されている。調整されていない負電源回路は、スイッチ回路ノードに動作可能に結合され、かつ、負出力回路ノードで負電源電圧を生成するように構成されている。PWMスイッチ回路は、調整された回路ノードと正出力回路ノードとの間に配置されており、負荷電流検知回路素子は、PWMスイッチに動作可能に結合されている。制御回路は、さらに、PWMスイッチ回路の起動を調節して、負荷が正出力回路ノードと負力回路ノードとの間に結合されたときに負荷電流を制御するように構成される。
【0044】
態様19では、態様18の主題が、任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路を含む調整された正電源回路と、負電荷ポンプ回路を含む調整されていない負電源回路と、を含む。
【0045】
態様20では、態様18の主題が、任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路を含む調整された正電源回路と、チュックコンバータ回路を含む調整されていない負電源回路と、を含む。
【0046】
これらの非限定的な態様は、任意の並べ替えまたは組み合わせで組み合わせることができる。上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、説明のために、本発明が実施されることができる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書でおよび「実施例」または「態様」とも称される。本文書に参照された全ての出版物、特許文書は、あたかも個々に参照援用されているように、それらの全体が本明細書に参照援用されている。文書とこれまで参照援用してきたこれらの文書との間で使用法が矛盾する場合には、援用された参照文献の使用法は、本文書の使用法に対する捕足と見なされるべきであり、相いれない矛盾については、本文書の使用法が優先する。
【0047】
本文書で、用語「a(1つの)」または「an(1つの)」は特許文書に見られるように、「1つの」または「1つを超える」を含むように使用され、「少なくとも1つの」または「1つもしくは複数の」のいかなる他の実例もしくは使用法とも無関係である。本文書で、用語「または」は、別段の指示がない限り、「AまたはB」が、「AだがBではない」、「BだがAではない」、ならびに「AおよびB」を含むような非排他的な「または」を指すように用いられる。添付の特許請求の範囲で、「including」および「in which」という用語は、「comprising」および「wherein」という用語それぞれの単純な英語の同等物として用いられる。また、以下の特許請求の範囲で、「including」および「comprising」という用語は、開放型である。すなわち、システム、装置、物品、またはプロセスであって、請求項内でかかる用語の後に挙げられた要素に加えて要素を含むシステム、装置、物品、またはプロセスは、依然としてこの請求項の範囲に該当すると見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲で、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、単に標識として用いられ、それらの対象物に数的な要件を課すことは意図されていない。本明細書で説明された方法実施例は、少なくとも部分的に、機械またはコンピュータによって実施することができる。
【0048】
上記の説明は例示的なものであり、制限するものではないことが意図されている。例えば、上記で説明した実施例(または、それらの1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて用いてよい。他の実施形態は、上記の説明を検討する際に、例えば、当業者が用いることができる。要約書は、37 C.F.R.§1.72(b)に適合するものであり、読者が技術的な開示の性質を速やかに確認できるように提供されている。要約書は、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または限定するために用いられないとの理解で提出されている。また、上記の詳細な説明で、様々な特徴をグループ化して本開示を簡素化し得る。これは、未請求の開示された特徴はどんな請求項にとっても本質的なものであることを意図していると解釈されるべきではない。そうではなく、発明の主題は、開示された特別な実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にあってよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、各請求項がそれ自体別個の実施形態として自立して、詳細な説明に本明細書によって組み込まれている。本発明の範囲は、かかる特許請求の範囲が権利を与えた均等物の全範囲と同時に添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5