(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/26 20060101AFI20230425BHJP
B65H 1/00 20060101ALI20230425BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20230425BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B65H1/26 H
B65H1/00 501C
B65H7/02
G03G21/00 386
G03G21/00 388
(21)【出願番号】P 2019078701
(22)【出願日】2019-04-17
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】片本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-114999(JP,A)
【文献】特開2010-228910(JP,A)
【文献】特開2003-295543(JP,A)
【文献】特開2005-234490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 - 3/68
B65H 7/00 - 7/20
43/00 - 43/08
G03G 13/34
15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を保持するための給紙カセットと、
前記給紙カセットに搭載されており、異なる種類の用紙を種類ごとに収容可能な複数の給紙トレイと、
前記各給紙トレイに収容された用紙が所定量になったことを前記給紙トレイごとに検出する用紙枚数検出手段と、
用紙が所定量になったことを前記用紙枚数検出手段が検出した場合は、用紙が所定量になった前記給紙トレイに収容された用紙の給紙を停止する給紙停止手段と、
用紙が所定量になったことを前記用紙枚数検出手段が検出した場合は、用紙の補充が必要であることを告知する告知手段と、を備え
、
前記告知手段は、前記給紙トレイに用紙を補充することを促すメッセージを表示すると共に、用紙補充手順を表示し、前記メッセージ及び前記用紙補充手順を表示した後に前記給紙カセットが引き出された場合は、前記給紙トレイに収容される用紙の表裏及び向きの説明を表示する、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の画像形成装置であって、
前記給紙トレイに収容された用紙の表裏及び向きの少なくとも一方が正常であるか否かを、給紙の際に検出する用紙収容状態検出手段と、
前記用紙収容状態検出手段が用紙の表裏が正常でないことを検出した場合は、用紙の表裏を逆転させる表裏面反転手段と、
前記用紙収容状態検出手段が用紙の向きが正常でないことを検出した場合は、用紙に形成する画像の向きを変更する画像向き変更手段と、を備える、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の画像形成装置であって、
前記告知手段は、前記給紙トレイに用紙を補充することを促すメッセージを表示する際には、同時に、前記給紙トレイに用紙が収容されていない状態ではないことを示す表示も行う、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記各給紙トレイにおいて、収容すべき用紙の種類を示す表示を行う給紙トレイ指示手段を備え、
前記各給紙トレイには、その給紙トレイに収容すべき用紙の種類を示す表記がなされている、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
用紙を保持するための給紙カセットと、
前記給紙カセットに搭載されており、異なる種類の用紙を種類ごとに収容可能な複数の給紙トレイと、
前記給紙カセットに搭載されており、複数の前記給紙トレイごとに設置された予備トレイと、
前記各給紙トレイに収容された用紙が無くなると、その給紙トレイに対応する前記予備トレイに収容されている用紙を前記給紙トレイに補給する補給手段と、
前記予備トレイに収容された用紙が前記給紙トレイに補給された場合は、前記予備トレイに用紙を補充することを促すメッセージを表示すると共に、用紙補充手順を表示し、前記メッセージ及び前記用紙補充手順を表示した後に前記給紙カセットが引き出された場合は、前記予備トレイに収容される用紙の表裏及び向きの説明を表示する告知手段と、を備える、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
給紙される用紙の種類に応じて料金を算出する料金算出手段と、
前記料金算出手段により算出された料金を表示する料金表示手段と、を備え、
前記料金表示手段は、選択された支払い形態に応じて料金を表示する、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる種類の用紙に画像を形成可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、一般的に複数の給紙トレイが設けられている。これらの給紙トレイには、それぞれサイズの異なる用紙が収容され、原稿と画像倍率に基づき、対応するサイズの用紙を収容した給紙トレイが選択されて給紙される。そして、画像形成部に搬送された用紙に対して、画像形成部によって画像が形成される。
【0003】
この複数種類の用紙に画像形成が可能な画像形成装置において、使用者が誤って給紙トレイに対応するサイズとは異なる用紙を収容した場合は、所望とする用紙とは異なるサイズの用紙に画像が形成されて排紙されるとの問題があった。特に、コンビニエンスストア等に設置された画像形成装置は有料であることから、店員等が給紙トレイに収容する用紙のサイズを誤っていた場合は、用紙に正しく画像形成ができないことから、使用者である客との間にトラブルが生じる可能性がある。そのため、コンビニエンスストア自体の評判を低下させることにもつながる。
【0004】
そこで、このような使用者の誤操作に起因する不具合を抑制する画像形成装置が種々提案されている。例えば、特許文献1には、使用者により設定された給紙トレイにセットする用紙の用紙サイズと、給紙トレイから画像形成部に搬送された用紙のサイズとを比較して、これらのサイズが異なる場合は、画像形成動作を停止する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置であれば、使用者が誤って給紙トレイに対応するサイズとは異なる用紙を収容した場合であっても、所望とする用紙とは異なるサイズの用紙に画像が形成されることがない。したがって、用紙を入れ間違えたとしても画像形成動作が停止するだけで、用紙に誤った画像形成がなされるわけではないことから、用紙を無駄にするとの不具合を抑制できるうえ、コンビニエンスストア等において客との間でのトラブルが生じることも抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1に記載の画像形成装置によると、サイズの異なる用紙に対して画像形成が可能である場合に生じる不具合を抑制することができる。ここで、コンビニエンスストア等に設置されている画像形成装置によれば、サイズが異なる用紙に対応するだけでなく、例えば、はがき等のように複数の料金が設定されているものに対する印刷サービスも行っていることが一般的である。例えば、寄付金付きの年賀はがきは、官製はがきの値段とは異なる。また、私製はがきも官製はがきとは値段が異なる。このように、同じはがきを印刷する場合でも、はがきの種類に応じて印刷料金が異なることとなる。このように、複数の料金設定がなされている用紙(はがき)に画像を形成する場合は、用紙(はがき)の種類を間違えると、画像形成装置の利用客への請求金額が通常よりも増減することとなり、問題であった。
【0007】
この問題は、店員等が給紙トレイに収容する用紙(はがき)の種類を間違えなければ生じることはないが、店員等のグローバル化が進んでいることや、経験の浅い店員も存在していることから、操作マニュアルや給紙トレイへの注意表記等の対策だけでは、店員等が正しい操作を理解しにくく、誤った給紙を行う可能性が高い。また、利用客がはがきを購入して自ら給紙トレイに収容して印刷を行う方式も考えられるが、その場合でも利用客が誤って収容する可能性が高く、結局、料金を巡ってトラブルが生じる可能性がある。また、利用客の中には、間違うことを避けるために、用紙(はがき)の収容を店員に依頼してくる者もいることから、結局、店員が間違えないように注意する対策を講じる必要がある。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、使用者の誤操作を抑制し、画像形成の不具合を抑制する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、用紙を保持するための給紙カセットと、前記給紙カセットに搭載されており、異なる種類の用紙を種類ごとに収容可能な複数の給紙トレイと、前記各給紙トレイに収容された用紙が所定量になったことを前記給紙トレイごとに検出する用紙枚数検出手段と、用紙が所定量になったことを前記用紙枚数検出手段が検出した場合は、用紙が所定量になった前記給紙トレイに収容された用紙の給紙を停止する給紙停止手段と、用紙が所定量になったことを前記用紙枚数検出手段が検出した場合は、用紙の補充が必要であることを告知する告知手段と、を備え、前記告知手段は、前記給紙トレイに用紙を補充することを促すメッセージを表示すると共に、用紙補充手順を表示し、前記メッセージ及び前記用紙補充手順を表示した後に前記給紙カセットが引き出された場合は、前記給紙トレイに収容される用紙の表裏及び向きの説明を表示することを特徴とする。
【0010】
これにより、給紙トレイが複数であり、それぞれ、異なる種類の用紙を種類ごとに収容可能であることから、異なる種類の用紙ごとに正しく画像形成を行うことが可能である。また、給紙トレイに収容された用紙が完全に無くなる前に、給紙を停止し、用紙の補充が必要であることを告知することから、使用者はすでに収容されている用紙を確認して、どの用紙を補充すればよいのか容易に認識することができる。つまり、給紙トレイに収容されている用紙と同じ種類の用紙を補充すればいいことから、誤った種類の用紙が補充されることを抑制することができる。また、用紙の種類だけでなく、給紙トレイに収容する際の用紙の表裏や向きについても、すでに収容されている用紙を確認しながら行うことができるので、誤って用紙が収容されることを抑制できる。また、画像を形成する用紙に応じて値段が異なる場合であっても、正しい料金を算出することができる。
【0012】
さらに、使用者は、表示により説明される、用紙補充手順と、給紙トレイに収容される用紙の表裏及び向きの説明とを見ながら用紙の補充作業を行うことができるため、給紙トレイに誤って用紙が収容されることを抑制できる。
【0013】
また、上述の画像形成装置において、前記給紙トレイに収容された用紙の表裏及び向きの少なくとも一方が正常であるか否かを、給紙の際に検出する用紙収容状態検出手段と、前記用紙収容状態検出手段が用紙の表裏が正常でないことを検出した場合は、用紙の表裏を逆転させる表裏面反転手段と、前記用紙収容状態検出手段が用紙の向きが正常でないことを検出した場合は、用紙に形成する画像の向きを変更する画像向き変更手段と、を備えることとしてもよい。
【0014】
これにより、仮に、使用者が給紙トレイに収容される用紙の表裏及び向きを誤って収容したとしても、正しい画像を用紙に形成することができる。
【0015】
また、上述の画像形成装置において、前記告知手段は、前記給紙トレイに用紙を補充することを促すメッセージを表示する際には、同時に、前記給紙トレイに用紙が収容されていない状態ではないことを示す表示も行うこととしてもよい。
【0016】
これにより、給紙トレイに用紙を補充することを促すメッセージが表示されることから、給紙トレイに用紙がまったく収容されていないと使用者が思いこんでしまうことを防止することができる。仮に、給紙トレイに用紙がまったく収容されていないと思いこんでいる使用者が、給紙カセットを引き出して給紙トレイに用紙を補充しようとした場合は、給紙トレイに所定枚数の用紙が存在することから、画像形成装置が故障していると勘違いする可能性があるが、使用者のこのような思い込みを防止し、補充作業が円滑に行われるようにすることができる。
【0017】
また、上述の画像形成装置において、前記各給紙トレイにおいて、収容すべき用紙の種類を示す表示を行う給紙トレイ指示手段を備え、前記各給紙トレイには、その給紙トレイに収容すべき用紙の種類を示す表記がなされていることとしてもよい。
【0018】
これにより、給紙カセットにおいて複数の給紙トレイが搭載されている場合であっても、使用者が用紙を収容する給紙トレイを間違えることを抑制することができる。
【0019】
本発明の一態様に係る他の画像形成装置は、用紙を保持するための給紙カセットと、前記給紙カセットに搭載されており、異なる種類の用紙を種類ごとに収容可能な複数の給紙トレイと、前記給紙カセットに搭載されており、複数の前記給紙トレイごとに設置された予備トレイと、前記各給紙トレイに収容された用紙が無くなると、その給紙トレイに対応する前記予備トレイに収容されている用紙を前記給紙トレイに補給する補給手段と、前記予備トレイに収容された用紙が前記給紙トレイに補給された場合は、前記予備トレイに用紙を補充することを促すメッセージを表示すると共に、用紙補充手順を表示し、前記メッセージ及び前記用紙補充手順を表示した後に前記給紙カセットが引き出された場合は、前記予備トレイに収容される用紙の表裏及び向きの説明を表示する告知手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、給紙トレイが複数であり、それぞれ、異なる種類の用紙を種類ごとに収容可能であることから、異なる種類の用紙ごとに正しく画像形成を行うことが可能である。また、給紙トレイに収容された用紙が無くなると予備トレイから用紙が補給され、用紙の補充が必要であることを告知することから、使用者は給紙トレイに収容されている用紙を確認して、どの用紙を補充すればよいのか容易に認識することができる。つまり、供給トレイに収容されている用紙と同じ種類の用紙を対応する予備トレイに補充すればいいことから、誤った種類の用紙が補充されることを抑制することができる。また、用紙の種類だけでなく、予備トレイに収容する際の用紙の表裏や向きについても、給紙トレイに収容されている用紙を確認しながら予備トレイに補充すればよいので、誤って用紙が収容されることを抑制できる。また、画像を形成する用紙に応じて値段が異なる場合であっても、正しい料金を算出することができる。
【0021】
また、上述の画像形成装置において、給紙される用紙の種類に応じて料金を算出する料金算出手段と、前記料金算出手段により算出された料金を表示する料金表示手段と、を備え、前記料金表示手段は、選択された支払い形態に応じて料金を表示することとしてもよい。
【0022】
これにより、正しい料金を算出することができ、さらに、支払い形態に応じて料金を表示することができるので、使用者との間で料金トラブルが生じることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、使用者の誤操作を抑制し、画像形成の不具合を抑制する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットの構成を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙トレイから用紙が搬送される構成を説明するための模式図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示画像の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示画像の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットの構成を示す平面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の表示画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図面を用いて、画像形成装置100について説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットの構成を示す平面図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットの構成を示す側面図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙トレイから用紙が搬送される構成を説明するための模式図である。
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体110と原稿読取装置120とを備えている。
【0029】
原稿読取装置120は、画像形成装置本体110の上部に設けられており、原稿載置台121、原稿読取部122及び原稿自動送り装置123を備えている。原稿読取装置120は、原稿載置台121に載置された原稿の画像を原稿読取部122にて読み取るか又は原稿自動送り装置123にて自動的に送られる原稿の画像を原稿読取部122にて読み取り、読み取った原稿の画像データを画像形成装置本体110に送信する。原稿読取装置120は、原稿自動送り装置123にて搬送されて原稿読取部122にて読み取られた原稿を原稿排出トレイ123aに排出する。
【0030】
画像形成装置本体110は、用紙収容部111、用紙搬送部112、画像形成部113、用紙排出部114及び操作部115を有している。画像形成装置本体110は、記録用紙やはがき等の用紙を用紙収容部111に収容し、用紙収容部111に収容された用紙を用紙搬送部112にて搬送し、用紙搬送部112にて搬送された用紙に原稿読取装置120から送信されてきた画像データ又は外部から送信されてきた画像データに基づいてカラー画像又はモノクロ画像を画像形成部113にて形成し、画像形成部113にて画像を形成した記録用紙を用紙排出部114における用紙排出トレイ114aに排出するようになっている。また、画像形成部113は、外部から送信されてきた文書データに基づいて用紙に文書の印刷を行うこともできる。
【0031】
用紙収容部111は、給紙カセット111a~111dを備えており、これら給紙カセット111a~111dにはそれぞれ異なるサイズの用紙が収容されている。給紙カセット111a~111dに用紙を補充する際は、使用者は画像形成装置本体110から給紙カセット111a~111dを引出方向D1に引き出し、給紙カセット111a~111dにそれぞれに対応するサイズの用紙を収容し、用紙を収容後、装着方向D2に向けて再び給紙カセット111a~111dを画像形成装置本体110に押し込んで装着する。また、後述するが、給紙カセット111aには各種はがきが収容されている。
【0032】
操作部115は、表示部161を含み、ソフトキーボード等を有する操作部材165を備えている。なお、表示部161はタッチパネルディスプレイであって、操作に関する画像を表示するだけでなく、表示部161の画面に触れることにより、入力が可能となっている。また、表示部161は、印刷を行う文書や画像等のプレビュー表示等も可能である。
【0033】
また、
図2、3に示すように、給紙カセット111aは、給紙カセット本体11と、用紙Pを収容する給紙トレイ30(31、32、33)と、給紙トレイ30(31、32、33)が載置された支持部50と、円盤状の支持部50の中心に配置されて支持部50と一体である回転軸55と、支持部50を矢印R1又は矢印R2方向に回転させる駆動装置53とを備えている。
【0034】
給紙カセット本体11は給紙カセット111aの基体をなす部分である。給紙カセット本体11の内側に、複数の給紙トレイ30(31、32、33)及び支持部50が配置されている。
【0035】
給紙トレイ30(31、32、33)は、それぞれ用紙Pを保持する部分である。第1実施形態では、給紙カセット111aには、3台の給紙トレイ30(31、32、33)が設けられている。
【0036】
第1実施形態の給紙トレイ30(31、32、33)は、それぞれ異なる種類のはがきである用紙Pを保持できるように構成されている。給紙トレイ30(31、32、33)には、それぞれ用紙ガイド35が設けられている。用紙ガイド35は、用紙P(官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2、私製はがきP3)を収容できるように位置を調整することができる。また、用紙ガイド35の位置を調整することにより、各給紙トレイ30(31、32、33)は、官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2、私製はがきP3以外のはがきや、はがき以外の用紙Pを収容することも可能である。なお、給紙トレイ30(31、32、33)のそれぞれにおいて、収容されている用紙Pの種類がわかるような表記を行っておくことが好ましい。つまり、給紙トレイ31には「官製はがき」との表記を行い、給紙トレイ32には「年賀はがき」との表記を行い、給紙トレイ33には「私製はがき」との表記を行うこととすればよい。これにより、用紙Pを補給する際に、異なる用紙Pを誤って補充することを抑制することができる。
【0037】
上述したように、支持部50は円盤状の部材であり、支持部50の上面には給紙トレイ30(31、32、33)が配置されている。駆動装置53は、回転軸55を回転させることにより、回転軸55を介して支持部50を矢印R1方向又は矢印R2方向に回転させることが可能である。また、支持部50が回転することにより、支持部50上の3台の給紙トレイ30(31、32、33)の位置を変更させることができる。ここで、駆動装置53は、給紙カセット本体11に設けられている。
【0038】
支持部50が回転することにより、各給紙トレイ30も支持部50と一体になって回転し、画像形成装置本体201に対して用紙Pを供給可能な供給位置PB1と、画像形成装置本体201に対して用紙Pを供給しない待機位置PB2と、に切り換えることができる。
【0039】
3台の給紙トレイ30(31、32、33)がそれぞれ供給位置PB1において、用紙Pを供給可能となるように、3台の給紙トレイ30(31、32、33)は、回転軸55を中心として120度間隔に配置されている。給紙カセット111aに収容された用紙Pが給紙される方向を給紙方向D3とし、給紙方向D3に平行かつ回転軸55の中心を通る仮想の直線を支持部中心線L1とし、供給位置PB1において給紙方向D3に平行な用紙Pの中心線を用紙中心線L2として、複数の給紙トレイ30は、供給位置PB1において、それぞれ用紙中心線L2と支持部中心線L1とが重なるように配置されている。
【0040】
3台の給紙トレイ30(31、32、33)が上記のように支持部50に配置されていることにより、供給位置PB1に位置している給紙トレイ30(31、32、33)に保持された用紙Pは、用紙搬送部112側に設けられたピックアップローラ57によって用紙搬送部112に供給され、用紙Pは用紙搬送部112によって搬送され、画像形成部113において用紙Pの表面に画像が形成される。なお、詳細は後述するが、3台の給紙トレイ30(31、32、33)には、それぞれリフト板140(
図4参照)が設置されており、リフト板140が用紙Pの先端を持ち上げることにより用紙Pが給紙ローラ57と接触してピックアップローラ57が用紙Pを供給できる。
【0041】
ピックアップローラ57は、用紙Pの給紙方向D3と直交する方向に間隔をおいて一対配置されている。給紙トレイ30は、供給位置PB1において、一対のピックアップローラ57の両方が用紙Pに均等に接触するように配置されている。このため、用紙Pの斜め送りを抑制することができる。
【0042】
また供給位置PB1に配置された給紙トレイ30(31、32、33)において収容されている用紙P(P1、P2、P3)が予め設定された所定枚数となったことを検出することが可能である。この検出方法についての詳細は後述するが、具体的には、ピックアップローラ57により用紙P(P1、P2、P3)を搬送する場合は、積載された用紙P(P1、P2、P3)の最上部にピックアップローラ57が接触する状態にする必要がある。そこで、用紙P(P1、P2、P3)を持ち上げるリフト板140(
図4参照)を駆動するための駆動部であるリフトモータ58(
図5参照)の駆動パルスを検出することにより、収容されている用紙P(P1、P2、P3)が予め設定された所定枚数となったことを検出できる。ここで、所定枚数としては例えば、1枚~5枚程度とすればよい。リフトモータ58の駆動パルスの信号は制御部180に送信されており(
図5参照)、この信号によって、制御部180は用紙P(P1、P2、P3)が所定枚数となったことを認識することができる。
【0043】
後述するが、駆動装置53の駆動は、制御部180によって制御されている(
図5参照)。また、給紙トレイ30(31、32、33)に対応付けられた用紙Pの選択は、操作部115の操作によって行われる。
【0044】
例えば、3台の給紙トレイ30(31、32、33)にそれぞれ種類の異なる用紙P(例えば、官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2、私製はがきP3)が保持される場合は、給紙トレイ30(31、32、33)と用紙P(P1、P2、P3)との対応関係が、予め操作部115の操作によって設定される。その上で、使用者が操作部115によって用紙Pの種類を選択することにより、制御部180は、選択された特定の種類の用紙Pを保持している給紙トレイ30を供給位置PB1に切り替え、特定の種類の用紙Pを保持していない給紙トレイ30を待機位置PB2に切り替えるように、駆動装置53の駆動を制御する。
【0045】
次に、
図4を参照しながら、給紙トレイ30から用紙Pが搬送される構成について説明する。用紙搬送部112は、給紙ローラ145、逆転ローラ147、搬送ローラ148第1分岐爪143及び第2分岐爪144を有している。
【0046】
給紙トレイ30から用紙Pが搬送される場合は、まず、リフト板140がリフトモータ58(
図5参照)により駆動されて、リフト板140が用紙Pの先端を持ち上げる。そして、ピックアップローラ57により用紙Pを供給できるように、用紙Pの最上部が給紙ローラ57に接触させる。リフトモータ58の駆動パルスの信号は制御部180に送信されており、これにより、制御部180はリフト板140のリフト角度θを認識することができる。また、ピックアップローラ57の高さ位置は変動しないことから、リフト角度θがわかれば、リフト板140とピックアップローラ57間の距離を測定することが可能である。ここで、リフト板140とピックアップローラ57間の距離は、積載された用紙Pの高さであることから、用紙Pの枚数が所定枚数となったことを予測することが可能である。つまり、制御部180は、リフトモータ58の駆動パルスに基づいて用紙Pの枚数が所定枚数に到達した否かを認識することができる。
【0047】
また、ピックアップローラ57により搬送された用紙Pは一対の給紙ローラ145により搬送され、搬送路S0に導かれる。用紙Pは、搬送路S0から、搬送路S1及び搬送路S2のいずれかに搬送される。搬送路S1及び搬送路S2のいずれに搬送されるかは、第1分岐爪143の動作によって決定される。ここで、第1分岐爪143は回転軸143aを中心に回動し、制御部180に制御されている。制御部180は、用紙Pを搬送路S1及び搬送路S2のいずれに搬送するか判断して、第1分岐爪143を制御する。ここで、搬送路S2~S4は用紙Pの表裏を反転させるための経路である。したがって、用紙Pを反転させる場合は、制御部180が第1分岐爪143を制御して、用紙Pを搬送路S2に導き、反転させる必要がない場合は用紙Pを搬送路S1に導く。
【0048】
搬送路S2に導かれた場合は、用紙Pは搬送路S3を介して一対の逆転ローラ147に到達する。逆転ローラ147は、用紙Pが再び搬送路S3へと戻るように、用紙Pを搬送する。そして、用紙Pは、搬送路S3から、搬送路S2に戻るのではなく、搬送路S4に搬送される。搬送路S2及び搬送路S4の分岐点には、第2分岐爪144が設置されており、第2分岐爪144の動作によって用紙Pが搬送路S2及び搬送路S4のいずれに搬送されるかが決定される。ここで、第2分岐爪144は回転軸144aを中心に回動し、制御部180に制御されている。逆転ローラ147により、搬送路S3から戻ってきた用紙Pは、制御部180が第2分岐爪144を制御して搬送路S4へと導かれる。搬送路S4に導かれた用紙Pは、一対の搬送ローラ148を通過して、再び搬送路S0に導かれる。このように、搬送路S0から搬送路S2~S4を通過してきた用紙Pは、反転して再び搬送路S0に導かれる。
【0049】
ここで、搬送路S0において、用紙Pの一方の面を検出するフォトセンサ142が設置されている。フォトセンサ142は発光素子及び受光素子を有しており、用紙Pに光を照射し、反射してきた光を検出することにより、用紙Pの表面の郵便番号枠を読み取ることができる。搬送路S1の先には画像形成部113が形成されており、搬送路S1へははがきの表裏面が統一された状態で搬送されることが好ましい。例えば、
図4において搬送路S1の左側が、郵便番号枠が記載された方であるはがきの表面であり、搬送路S1の右側が裏面となるように搬送する場合は、搬送路S0においてフォトセンサ142により郵便番号枠を読み取ったとの信号が制御部180に送信されると、はがきを反転させる必要がないことから、制御部180は第1分岐爪143を制御して用紙Pを搬送路S1に導く。そして、フォトセンサ142により郵便番号枠を読み取ることができなかったとの信号が制御部180に送信されると、はがきを反転させる必要があることから、制御部180は第1分岐爪143を制御して用紙Pを搬送路S2に導く。これにより、はがきの表裏面をそろえて画像形成部113に搬送できるため、用紙Pの表裏を誤って給紙トレイ30に収容したとしても、正しい画像形成が可能である。
【0050】
また、フォトセンサ142が郵便番号枠を読み取った場合は、はがきの上下いずれの位置に郵便番号枠が記載されていたかについても検出し、信号を制御部180に送信する。そして、制御部180は、搬送されているはがきの上下方向に、画像の上下を合わせて画像形成するように画像形成部113を制御する。これにより、用紙Pの向きを誤って給紙トレイ30に収容したとしても、正しい画像形成が可能である。なお、フォトセンサ142は、用紙表面を読み取ることができるセンサであればよく、例えばCIS(Contact Image Sensa)センサ等を用いればよい。
【0051】
また、
図5に示すように、画像形成装置100は、上述した以外に、画像形成装置100全体の制御を司る制御部180及びカセット着脱センサ116をさらに備えている。制御部180は画像形成装置100の各機能の動作を司っており、原稿読取装置120、用紙搬送部112、画像形成部113、駆動装置53、ピックアップローラ57、リフトモータ58及びフォトセンサ142等の動作についても制御部180が制御している。
【0052】
制御部180は、処理部181及び料金算出部182を備えている。ここで、制御部180は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータ及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、データ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置から構成されている。これらの記憶装置は、画像形成装置100の動作における制御用のプログラムや、画像形成部113により形成される画像や文書に関するデータ等を記憶している。制御部180は、記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することにより、処理部181及び料金算出部182の機能を実現する。
【0053】
処理部181は、ROMに予め格納された制御プログラムをRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。また、RAMは、それぞれ、処理部181に対して作業用のワークエリア、画像データを格納する画像メモリ及び文書データを格納するメモリとしての領域を提供する。
【0054】
また、処理部181は、リフトモータ58からの信号に基づき、給紙トレイ30(31、32、33)に収容されている官製はがきP(P1、P2、P3)が所定枚数になっているか否かを検出する。
【0055】
料金算出部182は、利用客が画像形成装置100を利用した際の料金を算出する。具体的には、印刷された用紙P(P1、P2、P3)に応じて料金が異なることから、印刷された用紙P(P1、P2、P3)の種類及び印刷枚数に基づいて、利用客に請求する料金を算出する。なお、料金算出部182により算出された料金は処理部181により表示部161に表示される。また、利用客は操作部115を操作して料金の支払い方法を選択することができる。例えば、カードによる支払い及び現金による支払い等が可能である。ここで、支払い方法の違いにより支払いのタイミングが異なることとなるが、それぞれの支払い方法に応じて、正しい支払いタイミングにおいて料金が表示部161に表示される。
【0056】
カセット着脱センサ116は、給紙カセット111a~111dが引出方向D1に引き出されたことを検出するセンサである。カセット着脱センサ116は、検出結果を制御部180に送信する。
【0057】
次に、図面を用いて、画像形成装置100を利用してはがきの印刷を行う際の画像形成装置100の動作について説明する。なお、画像形成装置100はコンビニエンスストア等に設置されており、はがきの印刷を行うのはコンビニエンスストアの利用客である。
【0058】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示画像の一例を示す図である。
図8は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示画像の一例を示す図である。
【0059】
図6に示すように、はがきサービスを実行する(ステップS1)。具体的には、利用客が操作部115を操作して、はがきの印刷を指示する。この際、
図7に示すように、どのはがきを印刷するか選択させるための表示画像161aが表示部161に表示される。
【0060】
例えば、利用客が官製はがきを選択した場合は、処理部181が駆動装置53を駆動させて、官製はがきP1が収容されている給紙トレイ31が供給位置PB1に配置されるようにする。さらに、処理部181が、官製はがきP1に所望の画像が形成されるように、ピックアップローラ57、用紙搬送部112及び画像形成部113等の動作を制御する。
【0061】
ここで、処理部181は、リフトモータ58からの信号に基づき、給紙トレイ31に収容されている官製はがきP1が所定枚数になっているか否かを検出し、用紙残量が所定値以下か否かを判断する(ステップ2)。
【0062】
用紙残量が所定値以下ではないと判断した場合は(ステップS2:NO)終了するが、用紙残量が所定値以下であると判断した場合は(ステップS2:YES)、はがきサービスを停止する(ステップS3)。具体的には、処理部181がピックアップローラ57の動作を停止し、官製はがきP1を用紙搬送部112に供給することを停止する。
【0063】
はがきサービスが停止した後、用紙切れであることを示すメッセージが表示部161に表示される(ステップS4)。例えば、
図8に示す表示画像161aが表示部161に表示される。
図8に示すように、表示画像161aには、給紙トレイ31に用紙を補充することを促すメッセージを表示すると共に、用紙補充手順が表示される。なお、これらについてアニメーション等の動画により表示してもよい。利用客はこのような表示画像161aが表示部161に表示された場合は、コンビニエンスストアの従業員に用紙切れであることを伝えることとなる。
【0064】
従業員が、給紙カセット111aを引き出して官製はがきP1の補充を行う。この際、カセット着脱センサ116により、給紙カセット111aが引き出されたことが検出される。この検出結果を制御部180が受信した場合は、処理部181は表示部161に、給紙トレイ31に収容される官製はがきP1の表裏及び向きについて説明するための表示を行わせる。これにより、従業員は、給紙トレイ31に官製はがきP1を収容する際に正しく収容することができる。
【0065】
また、上述したように、給紙トレイ31には官製はがきP1が所定枚数残っている。そのため、従業員は、給紙トレイ31に残っている官製はがきP1の表裏及び向きと同じにして、官製はがきP1を補充すればよく、これにより誤って官製はがきP1が収容されることを防止できる。このように、給紙トレイ31における官製はがきP1の正しい収容状態が表示部161に表示されるだけでなく、給紙トレイ31には官製はがきP1が所定枚数残っている状態で官製はがきP1の補充を促されることから、官製はがきP1を補充する従業員は、給紙トレイ31に残っている官製はがきP1の収容状態を確認することにより、正しい収容状態を認識することができる。
【0066】
従業員は、官製はがきP1の補充が完了した場合は、給紙カセット111aを装着方向D2に押し込んで元の状態とし、表示画像161aにおけるOKキーを押す。表示部161により操作された信号は制御部180に送信されていることから、この信号に基づいて、OKキーが押されたか否かの判断を処理部181が行う(ステップ5)。OKキーが押されていない場合は(ステップS5:NO)、OKキーが押されるまでステップ5を繰り返す。また、OKキーが押された場合は(ステップS5:YES)、表示部161が用紙切れを示すメッセージの表示を停止する(ステップS6)。
【0067】
用紙切れを示すメッセージが非表示となった後、表示部161ははがきサービスを継続するか否かを確認する表示を行う。この表示において、はがきサービスを選択し、はがきサービスの継続を指示した場合は(ステップS7)、再びステップS1に戻る。
【0068】
なお、
図8に示す、用紙切れであることを示すメッセージを表示部161が表示する際には、給紙トレイ31において、官製はがきP1がまったく無い状態ではなく、少しは残っていることを示す表示も合わせて行うことが好ましい。これにより、用紙切れであることを示すメッセージを見た従業員が、給紙トレイ31に官製はがきP1がまったく収容されていないと勘違いすることを防止することができる。これにより、この従業員が給紙トレイ31を確認して官製はがきP1が残っていることから、画像形成装置100が故障しているのではないかと勘違いすることを防止することができる。
【0069】
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、上記以外の形態であってもかまわない。例えば、1つの給紙カセット111aに複数の給紙トレイ30が搭載されている構造ではなく、各給紙カセット111a~111dに、それぞれ1つの給紙トレイ30が搭載されているようにしてもよい。この場合は、例えば、給紙カセット111aの給紙トレイ30には官製はがきP1が収容され、給紙カセット111bの給紙トレイ30には寄付金付きの年賀はがきP2が収容され、給紙カセット111cの給紙トレイ30には私製はがきP3が収容されることとすればよい。また、この場合は給紙カセット111aには「官製はがき」との表記を行い、給紙カセット111bには「年賀はがき」との表記を行い、給紙カセット111cには「私製はがき」との表記を行うこととすればよい。
【0070】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置は、本発明の第1実施形態における給紙カセット111aの代わりに、給紙カセット111aとは異なる構成の給紙カセットを備えている点が本発明の第1実施形態と異なり、その他の点は画像形成装置100と同様である。そこで、以下の説明においては、第1実施形態における画像形成装置100と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図9は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットの構成を示す平面図である。
図10は、
図9におけるB-B矢視断面図である。
図11は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
図12は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の表示画像の一例を示す図である。
【0072】
図9、10に示すように、画像形成装置100aの給紙カセット111eは、給紙カセット本体12と、用紙Pを収容する給紙トレイ40(41、42)と、給紙トレイ40(41、42)のそれぞれに用紙Pを補充するための予備トレイ60(61、62)と、給紙トレイ40(41、42)及び予備トレイ60(61、62)が載置された支持部70とを備えている。
【0073】
給紙カセット本体12は給紙カセット111eの基体をなす部分である。給紙カセット本体12の内側に、複数の給紙トレイ40(41、42)及び支持部70が配置されている。
【0074】
給紙トレイ40(41、42)は、それぞれ用紙Pを保持する部分である。第2実施形態では、給紙カセット111aには、2台の給紙トレイ40(41、42)が設けられている。また、給紙トレイ40(41、42)に対して、給紙方向D3とは逆の位置に2台の予備トレイ60(61、62)が設けられている。給紙トレイ40(41、42)に収容されている用紙Pが無くなった場合に、これら予備トレイ60(61、62)に収容されている用紙Pが給紙トレイ40(41、42)に補充される。
【0075】
給紙トレイ40(41、42)は、給紙方向D3に対して直交する方向に並んで配置されている。また、予備トレイ60(61、62)も、給紙方向D3に対して直交する方向に並んで配置されている。
【0076】
第2実施形態の給紙トレイ40(41、42)は、それぞれ異なる種類のはがきである用紙Pを保持できるように構成されている。給紙トレイ40(41、42)には、それぞれ用紙ガイド45が設けられている。用紙ガイド45は、用紙P(官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2)を収容できるように位置を調整することができる。また、用紙ガイド45の位置を調整することにより、各給紙トレイ40(41、42)は、官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2以外のはがきや、はがき以外の用紙Pを収容することも可能である。なお、給紙トレイ40(41、42)のそれぞれにおいて、収容されている用紙Pの種類がわかるような表記を行っておくことが好ましい。つまり、給紙トレイ41には「官製はがき」との表記を行い、給紙トレイ42には「年賀はがき」との表記を行うこととすればよい。これにより、用紙Pを補給する際に、異なる用紙Pを誤って補充することを抑制することができる。
【0077】
また、同様に、予備トレイ60(61、62)においても、それぞれ用紙ガイド45が設けられている。用紙ガイド45は、用紙P(官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2)を収容できるように位置を調整することができる。また、用紙ガイド45の位置を調整することにより、各予備トレイ60(61、62)は、官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2以外のはがきや、はがき以外の用紙Pを収容することも可能である。なお、予備トレイ60(61、62)のそれぞれにおいて、収容されている用紙Pの種類がわかるような表記を行っておくことが好ましい。つまり、予備トレイ61には「官製はがき」との表記を行い、予備トレイ62には「年賀はがき」との表記を行うこととすればよい。これにより、用紙Pを補給する際に、異なる用紙Pを誤って補充することを抑制することができる。
【0078】
2台の給紙トレイ40(41、42)は、それぞれ用紙Pを供給可能である。給紙トレイ40(41、42)のいずれかにおいてピックアップローラ67が動作することにより、給紙トレイ40(41、42)のいずれかにより保持された用紙Pが用紙搬送部112側に供給され、用紙Pは用紙搬送部112によって搬送され、画像形成部113において用紙Pの表面に画像が形成される。
【0079】
また、2台の予備トレイ60(61、62)は、それぞれ用紙Pを給紙トレイ40(41、42)へと供給可能である。用紙補充ローラ68が動作することにより、予備トレイ60(61、62)のいずれかにより保持された用紙Pが給紙トレイ40(41、42)へと供給される。ここで、ピックアップローラ67は、給紙トレイ40(41、42)ごとに用紙Pの給紙方向D3と直交する方向に沿って配置されている。また、用紙補充ローラ68は、予備トレイ60(61、62)ごとに用紙Pの給紙方向D3と直交する方向に沿って配置されている。
【0080】
給紙トレイ40(41、42)において収容されている用紙Pが無くなったことを検出する用紙残量センサ69が設置されている。用紙残量センサ69は、用紙Pの表面と給紙トレイ40(41、42)の表面との違いを判別できるセンサであればよく、例えば、発光素子及び受光素子を備えたフォトセンサであればよく、CISセンサ等を用いればよい。給紙トレイ40(41、42)に用紙Pがある状態であれば、用紙残量センサ69は用紙Pを検出するが、給紙トレイ40(41、42)の用紙Pが無くなると、用紙残量センサ69は給紙トレイ40(41、42)を検出することとなるので、用紙残量センサ69は用紙Pが無くなったことを検出できる。用紙残量センサ69は、給紙トレイ40(41、42)において用紙Pが無くなった場合は、その信号を制御部180に送信するそして、収容している用紙Pが無くなった給紙トレイ40(41、42)においては、対応する予備トレイ60(61、62)に収容されている用紙Pが、用紙補充ローラ68が動作することにより、給紙トレイ40(41、42)に補充される。
【0081】
また、給紙トレイ40(41、42)に対応付けられた用紙Pの選択は、操作部115の操作によって行われる。例えば、2台の給紙トレイ40(41、42)にそれぞれ種類の異なる用紙P(例えば、官製はがきP1、寄付金付きの年賀はがきP2)が保持される場合は、給紙トレイ40(41、42)と用紙P(P1、P2)との対応関係が、予め操作部115の操作によって設定される。その上で、使用者が操作部115によって用紙Pの種類を選択することにより、制御部180は、選択された特定の種類の用紙Pを保持している給紙トレイ40におけるピックアップローラ67を制御して給紙トレイ40から給紙が行われるようにする。
【0082】
また、
図11に示すように、画像形成装置100aは、画像形成装置100とは異なり、駆動装置53、ピックアップローラ57及び用紙残量センサ58を備えていない。その代わり、画像形成装置100aは、ピックアップローラ67、用紙補充ローラ68及び用紙残量センサ69を備えており、制御部180は、ピックアップローラ67及び用紙補充ローラ68の動作を制御し、用紙残量センサ69からの信号を受信する。
【0083】
次に、画像形成装置100aを利用してはがきの印刷を行う際の画像形成装置100aの動作について説明する。なお、画像形成装置100aはコンビニエンスストア等に設置されており、はがきの印刷を行うのはコンビニエンスストアの利用客である。
【0084】
まず、利用客が操作部115を操作して、はがきの印刷を指示する。この際、
図7に示すように、どのはがきを印刷するか選択させるための表示画像161aが表示部161に表示される。
【0085】
例えば、利用客が官製はがきを選択した場合は、処理部181が、官製はがきP1に所望の画像が形成されるように、官製はがきP1が収容されている給紙トレイ41のピックアップローラ67、用紙搬送部112及び画像形成部113等の動作を制御する。
【0086】
ここで、用紙残量センサ69は、給紙トレイ41に収容されている官製はがきP1が無くなっているか否かを検出し、検出結果に関する信号を処理部181に送信している。処理部181は、用紙残量センサ58からの信号に基づいて、給紙トレイ41に収容されている官製はがきP1が0枚であるかを判断し、官製はがきP1が0枚であると判断した場合は、ピックアップローラ67の動作を停止する。そして、処理部181は予備トレイ61の用紙補充ローラ68を動作させて、予備トレイ61に収容されている官製はがきP1を給紙トレイ41に補充する。予備トレイ61による給紙トレイ41への補充作業が完了すると、給紙トレイ41には官製はがきP1が収容されるが、予備トレイ61に収容される官製はがきP1が無くなる。つまり、予備トレイ61に収容されている官製はがきP1が0枚になる。なお、予備トレイ60(61、62)ごとに用紙Pが収納されているか否かを検出するセンサを設けておき、このセンサからの信号に基づいて、予備トレイ60(61、62)による給紙トレイ40(41、42)への補充作業が完了したか否かを判断することとしてもよい。
【0087】
予備トレイ61から給紙トレイ41への官製はがきP1の補充が完了すると、処理部181が、用紙切れであることを示すメッセージを表示部161に表示させる。例えば、
図12に示す表示画像161aが表示部161に表示される。
図12に示すように、表示画像161aには、給紙トレイ41に用紙を補充することを促すメッセージを表示すると共に、用紙補充手順が表示される。なお、これらについてアニメーション等の動画により表示してもよい。利用客はこのような表示画像161aが表示部161に表示された場合は、コンビニエンスストアの従業員に用紙切れであることを伝えることとなる。
【0088】
従業員が、給紙カセット111eを引き出して官製はがきP1の補充を行う。この際、カセット着脱センサ116により、給紙カセット111aが引き出されたことが検出される。この検出結果を制御部180が受信した場合は、処理部181は表示部161に、予備トレイ61に収容される官製はがきP1の表裏及び向きについて説明するための表示を行わせる。これにより、従業員は、予備トレイ61に官製はがきP1を収容する際に正しく収容することができる。
【0089】
また、上述したように、予備トレイ61には官製はがきP1が収容されていないが、給紙トレイ41には官製はがきP1が収容されている。そのため、従業員は、給紙トレイ41に収容されている官製はがきP1の表裏及び向きと同じように、予備トレイ61に官製はがきP1を補充すればよく、これにより誤って官製はがきP1が収容されることを防止できる。このように、予備トレイ61における官製はがきP1の正しい収容状態が表示部161に表示されるだけでなく、給紙トレイ41には官製はがきP1が収容されている状態で予備トレイ61への官製はがきP1の補充を促されることから、官製はがきP1を補充する従業員は、給紙トレイ41における官製はがきP1の収容状態を確認して、予備トレイ61に官製はがきP1を収容すればよく、正しい収容状態を認識しながら補充作業を行うことができる。
【0090】
従業員は、官製はがきP1の補充が完了した場合は、給紙カセット111eを装着方向D2に押し込んで元の状態とし、表示画像161aにおけるOKキーを押す。表示部161により操作された信号は制御部180に送信されることから、処理部181が表示部161における用紙切れを示すメッセージの表示を停止する。
【0091】
なお、
図12に示す、用紙切れであることを示すメッセージを表示部161が表示する際には、給紙トレイ41ではなく予備トレイ61において官製はがきP1が無くなっていることを明確に表示することが好ましい。これにより、用紙切れであることを示すメッセージを見た従業員が、給紙トレイ41に官製はがきP1が収容されていないと勘違いすることを防止することができる。これにより、この従業員が給紙トレイ41を確認して官製はがきP1が収容されていることから、画像形成装置100aが故障しているのではないかと勘違いすることを防止することができる。
【0092】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る画像形成装置は、上記第2実施形態に係る画像形成装置100aにおいて、使用者が用紙P(P1、P2、P3)の表裏や向き等を誤って給紙トレイ又は予備トレイ等に収容しても、用紙Pに対して正しい画像形成を行うことが可能なものである。具体的には、用紙搬送部112において用紙P(P1、P2、P3)の表裏及び向きを検出するセンサ(用紙収容状態検出手段)を設けることとすればよい。用紙Pがはがきである場合は、例えば郵便番号を記入する枠を読み取ることにより、用紙P(P1、P2、P3)の表裏及び向きを検出することができる。用紙P(P1、P2、P3)の表裏が正しくなかった場合は、用紙搬送部112におけるいわゆるスイッチバック機構(表裏面反転手段)により用紙P(P1、P2、P3)の表裏を反転させることとすればよい。また、用紙P(P1、P2、P3)の向きが正しくなかった場合は、画像形成部(画像向き変更手段)113により画像を反転させて用紙P(P1、P2、P3)に形成することとすればよい。
【0093】
具体的には、第1実施形態に係る画像形成装置100と同様に、
図4に示すように給紙ローラ145、逆転ローラ147、搬送ローラ148第1分岐爪143、第2分岐爪144及びフォトセンサ142を有することとし、用紙Pが搬送路S0~S4を通過することとすればよい。
【0094】
これにより、用紙P(P1、P2、P3)の表裏や向き等を誤って給紙トレイ又は予備トレイ等に収容されたとしても、用紙P(P1、P2、P3)に対して、正しい画像形成が可能である。
【0095】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0096】
11、12 給紙カセット本体
30(31、32、33) 給紙トレイ
35、45 用紙ガイド
40(41、42) 給紙トレイ
50、70 支持部
53 駆動装置
55 回転軸
57、67 ピックアップローラ
58 リフトモータ(用紙枚数検出手段)
60(61、62) 予備トレイ
68 用紙補充ローラ(補給手段)
69 用紙残量センサ(用紙枚数検出手段)
100、100a 画像形成装置
110 画像形成装置本体
111 用紙収容部
111a~111d 給紙カセット
112 用紙搬送部(用紙収容状態検出手段、表裏面反転手段)
113 画像形成部
114 用紙排出部
114a 用紙排出トレイ
115 操作部
116 カセット着脱センサ
120 原稿読取装置
121 原稿載置台
122 原稿読取部
123 原稿自動送り装置
123a 原稿排出トレイ
140 リフト板
142 フォトセンサ(画像向き変更手段)
143 第1分岐爪(表裏面反転手段)
144 第2分岐爪(表裏面反転手段)
143a、144a 回転軸
145 給紙ローラ
147 逆転ローラ(表裏面反転手段)
148 搬送ローラ(表裏面反転手段)
161 表示部(告知手段、給紙トレイ指示手段、料金表示手段)
161a 表示画像161a
165 操作部材
180 制御部
181 処理部(用紙枚数検出手段、給紙停止手段)
182 料金算出部
D1 引出方向
D2 装着方向
D3 給紙方向
L1 支持部中心線
L2 用紙中心線
P(P1、P2、P3) 用紙
PB1 供給位置
PB2 待機位置
R1、R2 矢印
S0~S4 搬送路
θ リフト角度