(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230425BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230425BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230425BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21S2/00 484
G02F1/13357
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019083754
(22)【出願日】2019-04-25
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】山田 克明
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-191099(JP,A)
【文献】特開2014-149529(JP,A)
【文献】特開2007-157450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルの背面側に配置される光源と、
前記光源に対向して配置される拡散板と、
前記拡散板を当該拡散板の背面側から支持する支持部材と、
前記光源、前記拡散板及び前記支持部材を収容するバックライトシャーシと、
を備え、
前記支持部材は、透光性材料により形成された基材と、前記基材の上に形成された支持ピンと、前記基材の下面側に設けられた反射層と、を備え、
前記支持ピンは、前記光源から出射される光を透過する透光部と、前記拡散板の近傍に配置され、前記光源から入射される光を外部に拡散して出射する拡散部と、を備え
、
前記光源から出射される光の一部が、前記反射層により反射され、前記基材及び前記透光部の内部を伝播して前記拡散部に導かれ、前記拡散部から外部に出射される、表示装置。
【請求項2】
前記表示装置を平面的に見て、前記基材の面積は、前記支持ピンの面積よりも大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルの背面側に配置される反射シートをさらに備え、
前記反射シートは、開口部を有し、
前記基材及び前記反射層は、前記反射シートよりも背面側に配置され、かつ前記反射シートの前記開口部から露出するように配置される、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記透光部は、前記表示パネルの表示面に垂直な方向に延伸する第1垂直面及び第2垂直面と、前記拡散板側から前記バックライトシャーシ側に向けて広がるように延伸する第1傾斜面及び第2傾斜面とを含み、
前記支持部材は、前記表示装置を平面的に見て、前記第1垂直面及び前記第2垂直面が、隣り合う2つの前記光源を結ぶ直線に直交する位置に配置されている、
請求項1
~3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記拡散部は、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のそれぞれにおける、前記拡散板の近傍に配置されている、
請求項
4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記透光部は、前記拡散板側に向けて先細状に形成されている、
請求項
4又は
5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1垂直面、前記第2垂直面、前記第1傾斜面、及び前記第2傾斜面よりも前記バックライトシャーシ側の位置に反射シートが配置されている、
請求項
4~6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記支持部材は、さらに、前記バックライトシャーシに取り付けられる取付面
を備え、
前記反射層は、前記取付面の上層に配置され
る、
請求項
7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記反射シートには開口部が形成されており、
前記第1垂直面、前記第2垂直面、前記第1傾斜面、及び前記第2傾斜面は、前記開口部から前記拡散板側に突出して配置されており、
前記取付面は、前記反射シートよりも前記バックライトシャーシ側に配置されている、
請求項
8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記支持部材は、隣り合う2つの前記光源を最短距離で結ぶ直線上に配置されている、
請求項1~
9のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
前記拡散部は、前記透光部の一部に粗面加工を施すことにより形成される、
請求項1~
10のいずれかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直下型のバックライトを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の光源(LED)が表示パネルの背面側に配置された直下型のバックライトを備えた表示装置が知られている。また、直下型のバックライトを備えた表示装置において、光源に対向配置される拡散板の変形を抑制するために、拡散板を背面側から支持する支持部材(サポートピン)を光源の間に配置する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の技術では、光源の数が減少したり、表示装置及びバックライトが薄型になると、表示画面において、支持部材の位置に対応する領域(直上)に影が出現し、輝度ムラが発生する問題が生じる。今後、LEDの性能の向上に伴う光源数の削減、表示装置の薄型化などにより、前記輝度ムラの問題が顕著になることが予想される。
【0005】
本発明の目的は、拡散板を支持する支持部材に起因する表示画面の輝度ムラを抑制することが可能な直下型のバックライトを備える表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る表示装置は、表示パネルの背面側に配置される光源と、前記光源に対向して配置される拡散板と、前記拡散板を当該拡散板の背面側から支持する支持部材と、前記光源、前記拡散板及び前記支持部材を収容するバックライトシャーシと、を備え、前記支持部材は、前記光源から出射される光を透過する透光部と、前記拡散板の近傍に配置され、前記光源から入射される光を外部に拡散して出射する拡散部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、拡散板を支持する支持部材に起因する表示画面の輝度ムラを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置における光源及び支持部材の配置位置を示す平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る表示装置における支持部材の構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る表示装置の一部の構成を示す側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る表示装置における光の伝播の様子を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る表示装置の一部の構成を示す側面図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施例1に係る拡散部の構成を示す側面図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施例1に係る拡散部の構成を示す正面図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の実施例2に係る拡散部の構成を示す側面図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の実施例2に係る拡散部の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0010】
本発明の表示装置は、複数の光源(LED)が表示パネルの背面側に配置された直下型のバックライトを備えた表示装置である。
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置1の全体構成を示す分解斜視図である。
図2は、表示装置1の構成を示す断面図である。
【0011】
表示装置1は、概略的には、表示領域に画像を表示する表示パネル100と、表示パネル100の背面側に配置されるバックライト200と、表示パネル100及びバックライト200の周囲を囲み、表示装置1の外枠を構成するベゼル300とを備えている。
【0012】
表示パネル100は、例えば液晶パネルである。尚、表示パネル100は、液晶パネルに限定されず、バックライト200を用いた看板であってもよい。また本発明は、表示パネル100を含まず、バックライト200を含む照明装置等であってもよい。表示パネル100が例えば液晶パネルである場合、表示パネル100には、第1方向(列方向)に延在する複数のデータ信号線(ソースライン)、第2方向(行方向)に延在する複数のゲート信号線(走査信号線)、各データ信号線及び各ゲート信号線の交差部近傍に配置される複数の薄膜トランジスタ(TFT)、画素電極、共通電極(コモン電極)、液晶層等(いずれも図示せず)が含まれる。表示パネル100は公知の技術を適用することができる。表示装置1は、表示パネル100の前面に配置されるタッチパネル(図示せず)を備えてもよい。
【0013】
バックライト200は、表示パネル100の背面側に配置される光学シート61,62と、光学シート61,62の背面側に配置される拡散板50と、拡散板50の背面側に配置される複数の光源20(LED)と、拡散板50を背面側から支持する複数の支持部材30と、これらの各構成部材を収容するバックライトシャーシ10と、を備えている。バックライトシャーシ10は、背面板と、背面板の周囲から立ち上がる側板とを備え、内部空間を形成する。光源20及び支持部材30は、バックライトシャーシ10の内部空間の内面に配置される。また、バックライトシャーシ10の内面には反射シート40が配置されている。LEDは、本発明の光源の一例である。
【0014】
光源20及び支持部材30は、それぞれ、バックライトシャーシ10に固定される。例えば、光源20は基板21に配置され、基板21は取付部材(ビス、接着テープなど)によりバックライトシャーシ10の内面に固定される。支持部材30は、支持部材30の背面に形成された接着層(接着テープなど)によりバックライトシャーシ10の内面に接着固定される。
【0015】
反射シート40には、光源20がバックライトシャーシ10に配置される位置に対応する位置に開口部41が形成されている。同様に、反射シート40には、支持部材30がバックライトシャーシ10に配置される位置に対応する位置に開口部42が形成されている。すなわち、反射シート40を、光源20及び支持部材30が配置されたバックライトシャーシ10の内面に被せたときに光源20及び支持部材30に接触する位置に、開口部41,42が形成されている。これにより、反射シート40は、バックライトシャーシ10の内面に接着固定される。光源20の一部(出射部)は、開口部41から表示パネル100側に突出して配置され、支持部材30の一部は、開口部42から表示パネル100側に突出して配置される。
【0016】
図1に示すように、バックライト200は、製造工程において、初めにバックライトシャーシ10の内面上の所定の位置に光源20(基板21)と支持部材30とを配置し、次に、反射シート40を光源20及び支持部材30を開口部41,42に貫通させてバックライトシャーシ10の内面上に配置し、次に、拡散板50、光学シート61,62を順に配置することにより製造される。また表示装置1は、製造工程において、バックライト200上に表示パネル100を配置し、表示パネル100を覆うようにベゼル300を配置することにより製造される。
【0017】
図3は、バックライトシャーシ10に配置される光源20及び支持部材30を平面的に見た図である。
図3では、バックライトシャーシ10の一部の領域を示している。
【0018】
光源20は、バックライトシャーシ10の内面上において、マトリクス状に等間隔に配置されている。具体的には、
図3に示すように、光源20は、バックライトシャーシ10の内面上において、行方向及び列方向に間隔L1で配列されている。光源20の数及び配置の間隔は特に限定されず、表示パネル100の大きさ及び表示性能、光源20の性能(輝度)などに基づいて決定される。
【0019】
また光源20は、
図2に示すように、光の出射面が表示パネル100の表示面に対して互いに略平行となるように配置されており、光源20から出射される光の光軸(中心軸)が前記表示面に略垂直となっている。すなわち、バックライト200は、直下型バックライトの構成を有している。
【0020】
支持部材30は、バックライトシャーシ10の内面上において、所定の間隔で千鳥状に配置されている。例えば
図3に示すように、支持部材30は、行方向に隣り合う光源20の中心(間隔L2)の位置に配置されている。支持部材30の数は限定されず、拡散板50の大きさ、厚み、重量、熱などの影響による撓み量に応じて決定される。支持部材30の詳細な構成は後述する。
【0021】
拡散板50は、光源20から出射された光を光学シート61へ向けて拡散させる。拡散板50は、光学シート61から所定の距離をあけて配置されており、拡散板50の背面が支持部材30に支持されている。光学シート61,62は、拡散板50で拡散された光を集光して表示パネル100に向けて出射する。
【0022】
[支持部材30]
図4は支持部材30の構成を示す斜視図である。支持部材30は、基材31と、基材31上に形成された支持ピン32と、基材31の背面に設けられた第1接着層33と、第1接着層33の背面に設けられた反射層34と、反射層34の背面に設けられた第2接着層35とを備えている。支持ピン32は、本発明の透光部の一例である。反射層34は、本発明の反射層の一例である。第2接着層35は、本発明の取付面の一例である。
【0023】
基材31及び支持ピン32は、光(光源20から出射される光)を透過する透光性材料により形成されている。例えば、基材31及び支持ピン32は、透光性樹脂(透明樹脂)により形成されている。基材31及び支持ピン32は、一体に形成されてもよいし、別体に形成されて互いに接着固定されてもよい。
【0024】
反射層34は、第2接着層35の上層かつ第1接着層33の下層に配置され、第1接着層33により基材31に接着固定される。支持部材30は、第2接着層35によりバックライトシャーシ10に接着固定される。例えば、バックライト200の製造工程において、作業者が、バックライトシャーシ10の内面上の所定の位置に、支持部材30の第2接着層35を接着させることにより支持部材30を接着固定させる。
【0025】
支持ピン32は、全体的に基材31側から先端側(拡散板50側)に向かって先細状に形成されている。また支持ピン32は、表示パネル100の表示面に垂直な方向に延伸する第1垂直面32Aと、第1垂直面32Aに対向する第2垂直面32Bと、拡散板50側からバックライトシャーシ10側に向けて広がるように延伸する第1傾斜面32C及び第2傾斜面32Dとを含んでいる。
【0026】
第1垂直面32A及び第2垂直面32Bは、それぞれ三角形状に形成され、支持ピン32の一側面を構成する。また第1垂直面32A及び第2垂直面32Bは、互いに平行に配置され、表示面に対して垂直に配置されている。第1傾斜面32C及び第2傾斜面32Dは、それぞれ長方形状に形成され、支持ピン32の一側面を構成する。また第1傾斜面32C及び第2傾斜面32Dは、基材31上において互いに離れて配置され、先端において互いに接続して配置される。支持ピン32の形状はこれに限定されない。例えば、支持ピン32は、先端側が先細状に形成された円錐形状、角錐形状、楕円形状であってもよいし、円柱状、角柱状、球状などであってもよい。
【0027】
ここで、支持部材30は、
図3に示すように、表示装置1を平面的に見て、バックライトシャーシ10において、隣り合う2つの光源20を最短距離L1で結ぶ直線上に配置されている。すなわち、支持部材30は、斜め方向に隣り合う2つの光源20を結ぶ対角線上は配置されていない。また、支持部材30は、表示装置1を平面的に見て、第1垂直面32A及び第2垂直面32Bが、隣り合う2つの光源20を結ぶ直線に直交する位置に配置されている。具体的には、支持部材30は、支持部材30の列方向の中心が、隣り合う2つの光源20を最短距離L1で結ぶ直線上に位置するように配置されている。また支持部材30は、千鳥状に、光源20の間に配置されている。これにより、拡散板50が支持部材30に接触した場合に、各支持部材30が負担する拡散板50の重みを分散させることができるため、表示画面における輝度ムラを抑制することができる。
【0028】
図5には、
図3の一部(点線枠P)を矢印方向P1から見た側面図を示している。
図5に示すように、支持部材30は、隣り合う2つの光源20の間(中心)に配置され、第1垂直面32Aは、一方(左側)の光源20に対向するように配置され、第2垂直面32Bは、他方(右側)の光源20に対向するように配置されている。これにより、例えば支持部材30の両側に配置された光源20から出射された高強度の光の一部が支持ピン32の内部に入射され、支持ピン32の内部に入射された光のうち臨界角を超えない光は支持ピン32を透過し、臨界角を超える光は支持ピン32の内部で反射をする。また、支持部材30に対して斜め方向に配置された光源20から出射された低強度の光の一部が支持ピン32の内部に入射され、支持ピン32の内部に入射された光のうち臨界角を超えない光は支持ピン32を透過し、臨界角を超える光は支持ピン32の内部で反射をする。例えば、バックライト200内部において乱反射する光が、屈折率が小さい空気層(屈折率1)から屈折率が大きい支持ピン32(アクリル屈折率1.49)に進入すると、空気層との境界において臨界角を超える光が反射して支持ピン32の内部で導光される。このようにして、支持ピン32の内部で反射する光は、反射を繰り返しながら支持ピン32の先端方向に伝播される。
【0029】
また支持ピン32は、先端側である拡散板50の近傍に粗面部321を備えている(
図2参照)。例えば
図4に示す例では、支持ピン32は、先端側に第1粗面部321C及び第2粗面部321Dを備えている。第1粗面部321Cは、第1傾斜面32Cの先端側に配置されており、第2粗面部321Dは、第2傾斜面32Dの先端側に配置されている。粗面部321は、支持ピン32の一部(先端側)に粗面加工を施すことにより形成されてもよいし、ドットパターンが印刷されたシートを支持ピン32の一部(先端側)に貼り付けることにより形成されてもよい。
図4に示す例では、第1粗面部321Cは、支持ピン32の第1傾斜面32Cの一部(先端側)に粗面加工を施すことにより形成され、第2粗面部321Dは、支持ピン32の第2傾斜面32Dの一部(先端側)に粗面加工を施すことにより形成されている。粗面部321、第1粗面部321C、及び第2粗面部321Dのそれぞれは、本発明の拡散部の一例である。
【0030】
粗面部321は、支持ピン32の内部に入射され、先端側に伝播(導光)された光を外部に拡散させて出射させる拡散機能を有する。例えば
図6に示すように、光源20から出射された光R1(LED光)は、一部が支持部材30の支持ピン32の内部に入射され、一部が支持ピン32に反射される。支持ピン32の内部に入射された光は、支持ピン32の内部で反射を繰り返しながら支持ピン32の先端側に伝播(導光)される。支持ピン32の先端側に伝播された光は、第1粗面部321C及び第2粗面部321Dから外部に出射される。第1粗面部321C及び第2粗面部321Dから外部に出射された光R2は、
図6に示すように、第1粗面部321C及び第2粗面部321Dによる拡散機能により拡散されて出射される。支持部材30から出射された光R2(拡散光)は、拡散板50に入射される。
【0031】
上記の構成によれば、支持部材30に入射された光を高効率に支持部材30から取り出すことができるとともに、支持部材30から取り出した光(拡散光)を、拡散板50に入射させることができる。そして、拡散板50における支持部材30が配置される位置に、効率良く光R2を入射させることができる。よって、支持部材30が拡散板50に接触する部分における表示画面の輝度ムラを抑制することができる。また、表示領域全体の輝度の均一化を図ることができる。また、今後、LEDの性能の向上に伴って光源数が削減されたり、表示装置1の薄型化が進展したとしても、上記の構成によれば、支持部材30に設けられた粗面部321の拡散機能により、前記輝度ムラを抑制し、輝度の均一化を図ることが可能となる。
【0032】
ここで、支持部材30の支持ピン32を構成する第1垂直面32A、第2垂直面32B、第1傾斜面32C、及び第2傾斜面32Dは、反射シート40の背面から開口部42(
図1参照)を貫通して表示パネル100側に突出して配置されている。このため、反射シート40は、支持ピン32(第1垂直面32A、第2垂直面32B、第1傾斜面32C、及び第2傾斜面32D)よりもバックライトシャーシ10側、かつ基材31、第1接着層33、反射層34、及び第2接着層35よりも表示パネル100側に配置されている。すなわち、基材31、第1接着層33、反射層34、及び第2接着層35は、反射シート40よりもバックライトシャーシ10側に配置されている。
【0033】
また
図7に示すように、支持部材30の反射層34は、反射シート40よりもバックライトシャーシ10側に配置され、かつ反射シート40の開口部42から露出するように配置されている。すなわち、平面的に見て、開口部42は、反射シート40の背面側から反射層34により覆われている。これにより、
図7に示すように、光源20から出射された光R1の一部が開口部42に入射された場合に、反射層34により反射され、反射された光R3は、直接又は支持部材30の内部に伝播されて、拡散板50に入射される。これにより、光R1の開口部42による損失を抑制することができるため、光源20から出射される光の利用効率を高めることができる。なお、
図7に示すように、反射シート40の開口部42の端部は、支持部材30の基材31上に載置されて固定される。これにより、平面的に見て、開口部42の隙間を反射層34で確実に覆うことができる。
【0034】
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、支持部材30の第1垂直面32A及び第2垂直面32Bの表面に鏡面加工が施されてもよい。これにより、光源20から出射された光R1は、第1垂直面32A及び第2垂直面32Bにより反射されて拡散板50に入射される。
【0035】
本発明の拡散部の実施例を以下に示す。以下の各図では、支持ピン32における粗面部321を含む一部を示し、他の部分は図示を省略する。
【0036】
図8A及び
図8Bは実施例1に係る粗面部321の構成を示す図である。
図8Aは実施例1に係る支持ピン32の側面図であり、
図8Bは
図8Aの支持ピン32を矢印方向P2から見た正面図である。粗面部321は、曲面状(半球状)の凸部(突起)が複数形成された構成を有する。凸部の形状は、曲面状に限定されず、矩形状であってもよい。また複数の凸部は等間隔に配置されてもよいし、ランダムに配置されてもよい。粗面部321は、例えば成型金型により形成することが可能である。
【0037】
図9A及び
図9Bは実施例2に係る粗面部321の構成を示す図である。
図9Aは実施例2に係る支持ピン32の側面図であり、
図9Bは
図9Aの支持ピン32を矢印方向P2から見た正面図である。粗面部321は、曲面状(半球状)の凹部が複数形成された構成を有する。凹部の形状は、曲面状に限定されず、矩形状であってもよい。また複数の凹部は等間隔に配置されてもよいし、ランダムに配置されてもよい。粗面部321は、例えば成型金型又はレーザー加工により形成することが可能である。
【0038】
図10A及び
図10Bは実施例3に係る粗面部321の構成を示す図である。
図10Aは実施例3に係る支持ピン32の側面図であり、
図10Bは
図10Aの支持ピン32を矢印方向P2から見た正面図である。粗面部321は、山型の凸部(突起)が複数形成された構成を有する。凸部の形状は、三角形状に限定されず、矩形状であってもよい。また横方向に延びる複数の凸部は互いに平行でなくてもよい。また複数の凸部は、縦方向又は斜め方向に延びて形成されてもよい。粗面部321は、例えば成型金型により形成することが可能である。
【0039】
図11A及び
図11Bは実施例4に係る粗面部321の構成を示す図である。
図11Aは実施例4に係る支持ピン32の側面図であり、
図11Bは
図11Aの支持ピン32を矢印方向P2から見た正面図である。粗面部321は、谷型の凹部が複数形成された構成を有する。凹部の形状は、三角形状に限定されず、矩形状であってもよい。また横方向に延びる複数の凹部は互いに平行でなくてもよい。また複数の凹部は、縦方向又は斜め方向に延びて形成されてもよい。粗面部321は、例えば成型金型又はレーザー加工により形成することが可能である。
【0040】
本発明の拡散部は、粗面加工により形成される前記粗面部に限定されず、導光板のパターンに使用されるシルク印刷などの印刷加工により形成されてもよい。
【0041】
尚、本発明に係る表示装置1は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 :表示装置
10 :バックライトシャーシ
20 :光源
21 :基板
30 :支持部材
31 :基材
32 :支持ピン
32A :第1垂直面
32B :第2垂直面
32C :第1傾斜面
32D :第2傾斜面
33 :第1接着層
34 :反射層
35 :第2接着層
40 :反射シート
41 :開口部
42 :開口部
50 :拡散板
61 :光学シート
62 :光学シート
100 :表示パネル
200 :バックライト
300 :ベゼル
321 :粗面部
321C :第1粗面部
321D :第2粗面部