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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20230425BHJP
   H01H 89/00 20060101ALI20230425BHJP
   H01H 9/18 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
H01H25/04 J
H01H9/18 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019113937
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2021002421
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】久田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】安樂 将行
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-181337(JP,A)
【文献】実開平07-041928(JP,U)
【文献】特開2010-003591(JP,A)
【文献】特開2017-134924(JP,A)
【文献】実開昭60-163634(JP,U)
【文献】特開平02-103827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 - 9/28
H01H 25/00 - 25/06
H01H 89/00 - 89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1特定方向への押圧操作を受けた場合に前記第1特定方向と交差する方向であって且つそれぞれ異なる方向に延びる複数の揺動軸回りに揺動可能に構成され、前記第1特定方向への押圧操作によって複数の方向に傾倒可能な第1操作部と、
前記第1操作部への操作方向とは異なる方向である特定方向への押圧操作に従って変位するとともに、前記第1操作部への押圧操作を受け付けた場合に前記第1操作部への操作に追従して変位する第2操作部と、
前記第2操作部に対する前記特定方向への押圧操作を検出する接点と、
前記第2操作部の前記特定方向への変位を規制するストッパ部と
を備え
前記第2操作部は、操作を受け付けるノブと、前記ノブに対する操作に従って前記接点を操作するホルダとを備え、
前記ストッパ部は、前記ノブ及び前記ホルダの少なくとも一方による前記接点への操作を規制するように設けられている、スイッチ装置。
【請求項2】
前記ストッパ部は、前記第1操作部が操作されて前記第2操作部が前記第1操作部に追従する場合に、前記第2操作部が非接触となるように配置されている
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記ストッパ部は、前記第1操作部及び前記第2操作部の少なくとも一方を変位可能に支持するボディ部に形成されている
請求項1又は2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記第1操作部及び第2操作部の両方を照明する照明部を備える
請求項1~のうちいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向操作が可能なスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノブを多方向に操作可能なスイッチ装置が周知である(特許文献1等参照)。この種のスイッチ装置には、例えば、第1操作ノブと、第2操作ノブと、第1接点と、第2接点とを備えたものが存在する。
【0003】
第1操作ノブは、全体として環状に形成され、上下左右の4方向に対する操作を受け付けるように、揺動自在に支持されている。第2操作ノブは、第1操作ノブが有する開口に配置され、第1操作ノブとは異なる特定方向への押圧操作を受け付けるように構成されている。第1接点は、第1操作ノブに対する操作の有無を検出する。第2接点は、第2操作ノブに対する操作の有無を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-302347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなスイッチ装置においては、第1操作ノブに対する操作に追従して第2操作ノブが揺動する。一方で、第2操作ノブに対する押圧操作を受け付けると、第1操作ノブに対する操作とは別に第2操作ノブが単独で変位する。第2操作ノブに対する操作の荷重が想定以上に大きいと、第2接点に加わる荷重は想定よりも大きなものとなる。
【0006】
すると、通常のスイッチ装置では、接点に異常をきたす可能性がある。すなわち、従来の技術では、より部品の耐久性に配慮したスイッチ装置が望まれていた。
本発明の目的は、部品の耐久性を確保可能にしたスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するスイッチ装置は、第1特定方向への押圧操作を受けた場合に前記第1特定方向と交差する方向であって且つそれぞれ異なる方向に延びる複数の揺動軸回りに揺動可能に構成され、前記第1特定方向への押圧操作によって複数の方向に傾倒可能な第1操作部と、前記第1操作部への操作方向とは異なる方向である特定方向への押圧操作に従って変位するとともに、前記第1操作部への押圧操作を受け付けた場合に前記第1操作部への操作に追従して変位する第2操作部と、前記第2操作部に対する前記特定方向への押圧操作を検出する接点と、前記第2操作部の前記特定方向への変位を規制するストッパ部とを備えた。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スイッチ装置において部品の耐久性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のスイッチ装置の平面図。
図2】スイッチ装置の電気構成図。
図3図1のII-II線断面図。
図4図1のIII-III線断面図。
図5図1のV-V線断面図。
図6】スイッチ装置の分解斜視図。
図7図1のIV-IV線断面において、第1操作部が操作された際の状態図。
図8図1のIV-IV線断面において、第2操作部が操作された際の状態図。
図9図1のIV-IV線断面において、第1操作部が撓んだ際の状態図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、スイッチ装置の一実施形態を図1図9に従って説明する。
図1に示すように、スイッチ装置1は、押圧操作を受けた場合に押圧操作によって複数の方向に傾倒可能な第1操作部2と、第1操作部2への操作方向とは異なる方向である特定方向(図1の紙面奥行き方向、又は図3等で示す矢印B1方向)への押圧操作に従って変位する第2操作部3とを備える。このように、本例のスイッチ装置1は、第1操作部2及び第2操作部3の操作部を多方向に操作する多方向スイッチである。スイッチ装置1は、例えば車載用スイッチとして使用されることが好ましい。
【0011】
第1操作部2は、第1操作部2のノブ(以降、第1ノブ4と記す)を、中心Pを基準として倒すようにして操作する揺動スイッチである。第1ノブ4は、環状に形成されている。第1操作部2は、第1ノブ4を例えば上下左右の4方向に操作可能な4方向操作スイッチである。なお、第1ノブ4の各操作方向に割り当てられるスイッチ機能は、例えば出力の大小や、作動のオンオフを切り替える機能などがある。
【0012】
第2操作部3は、第1操作部2の中央に配置されたプッシュスイッチである。第1操作部2のノブ(以降、第2ノブ5と記す)は、円環状をなす第1ノブ4の中央に形成された孔部6の内部に配置されている。第2操作部3は、第1操作部2への押圧操作を受け付けた場合に第1操作部2への操作に追従して変位する。すなわち、第2操作部3は、第1操作部2が操作された場合に、第1操作部2の操作荷重が付与されることにより、第1操作部2に追従するように動く。
【0013】
スイッチ装置1は、スイッチ装置1のベース部分としてベゼル7を備える。ベゼル7は、ベゼル本体8と、ベゼル7の意匠性を確保する加飾部9とを備える。ベゼル本体8は、例えば黒色の樹脂から形成されている。加飾部9は、例えば任意の色の樹脂に金属調の塗装がされていてもよいし、金属粉末(例えばアルミ粉)が含有された透明樹脂によって形成されてもよい。
【0014】
図3及び図4に示すように、スイッチ装置1は、スイッチ装置1の本体部分をなすボディ部12と、ボディ部12の背面側を覆う蓋部13とを備える。ボディ部12及び蓋部13の内部には、スイッチ装置1の電装品が実装される基板14が設けられ、この基板14に複数の接点15が設けられている。接点15は、第1操作部2の操作を検出する第1接点16と、第2操作部3の操作を検出する第2接点17とを備える。第1接点16は、第1操作部2の上箇所の操作を検出する第1接点16aと、第1操作部2の下箇所の操作を検出する第1接点16bと、第1操作部2の左箇所の操作を検出する第1接点16cと、第1操作部2の右箇所の操作を検出する第1接点16dとを備える。第2接点17は、第2操作部3に対する特定方向B1への押圧操作を検出する。
【0015】
基板14の上面には、第1接点16及び第2接点17を上から覆うゴム材のラバー18が設けられている。ラバー18は、シート状に形成されている。ラバー18は、第1接点16を収納する複数の第1膨出部19と、第2接点17を収納する第2膨出部20とを備える。第1膨出部19及び第2膨出部20は、ラバー18の一部をドーム状に加工することにより形成されている。
【0016】
図4図6に示すように、第2操作部3は、第2ノブ5を背面側から支持して第2ノブ5と一体に動くホルダ(以降、第2ホルダ23と記す)を備える。このように、第2操作部3は、操作を受け付ける第2ノブ5と、第2ノブ5に対する操作に従って第2接点17を操作する第2ホルダ23とを備える。第2ホルダ23は、有底略円筒状に形成され、例えば突起部23a(図5参照)を用いたスナップフィット構造等により第2ノブ5に取り付け固定されている。第2ホルダ23には、内部が中空状とされることによって空間部27が形成されている。第2ホルダ23は、第2ノブ5の押圧操作時、底面に設けられた突起24がゴム材のラバー18の第2膨出部20に接触し、その第2膨出部20を介して、第2接点17を押圧する。
【0017】
第2ホルダ23の側面には、第1操作部2の第1ノブ4を背面側から支持するフランジ部25が形成されている。フランジ部25は、第2ホルダ23の軸回りに沿って環状に形成されている。第1ノブ4の孔部6の内面には、第2ホルダ23のフランジ部25に係止される延出部26が形成されている。延出部26は、第1ノブ4の軸回りに沿って環状に形成されている。第1ノブ4は、第2操作部3に組み付けられるにあたり、延出部26が第2ホルダ23のフランジ部25に載置される。
【0018】
第1操作部2は、第1ノブ4を多方向に動作させるホルダ(以降、第1ホルダ29と記す)を備える。第1ホルダ29には、環状のホルダ本体30が設けられ、ホルダ本体30の内部に第2操作部3が配置されている。ホルダ本体30の側面には、一対の突起31が突設され、これら突起31が、第1ノブ4に形成された挿通孔32(図4に図示)に各々係合されている。また、ホルダ本体30には、ホルダ本体30の平面方向(図6のY-Z平面方向)において突起31に対し略90度交差するように配置された一対の係止孔33(図6に図示)が形成されている。これら係止孔33には、ボディ部12に設けられた一対の立設片34の突起35(図6では1つのみ図示)が係合されている。
【0019】
第1ホルダ29は、突起31の軸心方向に延びる軸L1回りに回転可能であるとともに、突起35の軸心方向に延びる軸L2回りに回転可能である。このように、第1ノブ4は、第1ホルダ29を軸L1回り及び軸L2回りの2軸回りに回転可能とすることにより、4方向への動作が許容されている。
【0020】
第1操作部2は、第1ノブ4と一体に動いて第1接点16を押すプッシャ38を備える。本例のプッシャ38は、第1操作部2の操作方向の数だけ設けられ、操作方向が4方向の本例では、4つ設けられている。本例の場合、プッシャ38は、第1操作部2の上箇所が操作された際に第1接点16aを押す第1プッシャ38aと、第1操作部2の下箇所が操作された際に第1接点16bを押す第2プッシャ38bと、第1操作部2の左箇所が操作された際に第1接点16cを押す第3プッシャ38cと、第1操作部2の右箇所が操作された際に第1接点16dを押す第4プッシャ38dとを備える。
【0021】
プッシャ38は、断面が十字状をなすプッシャ本体39と、プッシャ本体39の下端から突出した腕部40とを備える。プッシャ38は、ボディ部12に形成された中空状の収納部41にプッシャ本体39が収納されるとともに、ボディ部12の底壁42に貫設された孔部43に腕部40が配置される。ボディ部12には、プッシャ本体39の上方への移動を規制する略U字状の抜止部44が形成されている。
【0022】
図3図6に示すように、スイッチ装置1は、第2操作部3の特定方向B1への変位を規制するストッパ部47を備える。ストッパ部47は、第2操作部3が押圧操作された際の第2操作部3の過度な動きを規制する。本例のストッパ部47は、第2操作部3が押圧操作された場合に、第2操作部3を背面側から支持して位置規制する。ストッパ部47は、第2操作部3の第2ホルダ23を位置規制する。本例のストッパ部47は、ボディ部12に形成され、本例の場合、第2ホルダ23を第2接点17側に導く開口部48の周縁に形成されている。
【0023】
ストッパ部47は、第1操作部2が操作されて第2操作部3が第1操作部2に追従する場合に、第2操作部3が非接触となるように配置されている。本例の場合、ストッパ部47の突出量T(図3参照)は、第1操作部2が操作されて第2操作部3が第1操作部2に追従する場合に、第2操作部3が接触しない長さに設定されている。
【0024】
図6に示すように、ストッパ部47は、開口部48の周縁において互いに対向するように一対配置されたストッパ片49を備える。一対のストッパ片49は、例えば略扇形状に形成されている。
【0025】
スイッチ装置1は、第1操作部2及び第2操作部3の両方を背面側から照明する照明部50を備える。照明部50は、基板14に実装された複数のLEDであることが好ましい。照明部50は、光照射時、ラバー18の光透過部51とボディ部12の開口部48とを通過させた光成分によって、第1操作部2を背面から照明する。照明部50は、光照射時、ラバー18の光透過部51とボディ部12の開口部48とを通過した光成分のうち、第2ホルダ23の側壁に形成された一対の切欠孔52(図6では1つのみ図示)と、第2ホルダ23の空間部27とを通過させた光成分によって、第2操作部3を背面から照明する。
【0026】
図2に示すように、スイッチ装置1は、スイッチ装置1の本体部分をなすスイッチ本体54と、スイッチ本体54の動作を制御する制御部55を備える。本例のスイッチ本体54は、例えば第1接点16、第2接点17及び照明部50を備える。なお、図示はしないが、スイッチ本体54は、第1操作部2の構成部品並びにその周辺部品、第2操作部3の構成部品並びにその周辺部品等も含む。
【0027】
制御部55は、第1接点16及び第2接点17から接点信号S1,S2を入力する。制御部55は、第1接点16及び第2接点17から入力した接点信号S1,S2を基に、第1操作部2及び第2操作部3の操作状態を検出し、その検出結果として操作信号Soutを他のECUに出力する。制御部55は、照明部50に電源を供給するなどして照明動作を制御し、例えば車両のライトが点灯された際、照明部50をオンして光を照射させる。
【0028】
次に、図7図9を用いて、本実施形態のスイッチ装置1の作用について説明する。
図7に示すように、第1操作部2において第1ノブ4の上箇所が操作(同図の矢印A1方向に操作)された場合、第1ノブ4は、中心Pを基準として支点として、同図の矢印A2方向に揺動する。このとき、第1ノブ4の裏面が第1プッシャ38aを紙面下方向に押し込み、ラバー18の第1膨出部19を変形させながら第1接点16aを上から押してオンする。これにより、第1接点16aから制御部55に接点信号S1としてオン信号が出力され、第1ノブ4の上箇所が操作されたことが制御部55に検知される。
【0029】
ここで、例えば第2操作部3を第1操作部2に追従しない構造とした場合、第1操作部2及び第2操作部3を、ともにボディ部12で支持する構造にする必要がある。この構造の場合、第1操作部2が操作された際、第1ノブ4が第2ノブ5に当たらないようにするために、第1ノブ4及び第2ノブ5の間に、ある程度の大きさの隙間を設ける必要があり、見映えが悪くなってしまう。
【0030】
一方、本例のスイッチ装置1の場合、第1操作部2が操作されたとき、第2操作部3が第1操作部2に追従するように動く構造をとっている。本例の場合、第1操作部2が操作された際、第1操作部2が第2操作部3を押し引きすることにより、第2操作部3が第1操作部2に追従する。この構造の場合、第2操作部3が第1操作部2の軸部分として機能するので、第1ノブ4が操作された場合には、第1ノブ4にかかる操作荷重を第2ノブ5で支持することになる。この構造にすれば、第1ノブ4及び第2ノブ5の間に隙間を設けない組み付け状態をとることが可能となるので、スイッチ装置1を見映えのよいものとすることが可能となる。
【0031】
図8に示すように、第2操作部3が押圧操作(同図の矢印B1方向に操作)された場合、第2操作部3は、下方に直線移動する。第2操作部3の下方への操作は、第1操作部2との間の隙間W(図7参照)により許容されている。このとき、第2ノブ5の裏面の突起24がラバー18の第2膨出部20を変形させながら第2接点17を上から押してオンする。これにより、第2接点17から制御部55に接点信号S2としてオン信号が出力され、第2ノブ5が押圧操作されたことが制御部55に検知される。
【0032】
ところで、図9に示すように、第2操作部3を第1操作部2の操作に追従させる構造とした場合、例えば第1操作部2の第1ノブ4が経年変化等によって撓む(或いは撓る)と、その形状変形に影響を受けて、第1操作部2が初期状態のときよりも紙面下方向に位置が変化してしまう。このように、第1操作部2が撓んだ状態となった際、第2操作部3が押圧操作された場合には、第2操作部3が初期状態のときよりも深く移動し、第2接点17やラバー18を高荷重で押してしまうことになる。
【0033】
しかし、本例の場合、ボディ部12にストッパ部47を設けて、第2操作部3の押込方向への過剰な移動を規制するようにした。このため、第2操作部3の過剰な下方への移動がストッパ部47により制限される。よって、第1操作部2が撓んだ状態の際に第2操作部3が押圧操作されても、ストッパ部47で第2操作部3の動きを止めて、第2接点17に過荷重をかかり難くするので、部品劣化を生じ難くすることが可能となる。
【0034】
上記実施形態のスイッチ装置1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)スイッチ装置1には、押圧操作を受けた場合に押圧操作によって複数の方向(本例は4方向)に傾倒可能な第1操作部2と、第1操作部2への操作方向とは異なる方向である特定方向(本例は矢印B1方向)への押圧操作に従って変位する第2操作部3とを設けた。第2操作部3は、第1操作部2への押圧操作を受け付けた場合に、第1操作部2への操作に追従して変位する。また、スイッチ装置1には、第2操作部3に対する特定方向B1への押圧操作を検出する接点(本例は第2接点17)と、第2操作部3の特定方向B1への変位を規制するストッパ部47とを設けた。
【0035】
この構成によれば、第1操作部2が例えば経年変化等によって撓んだ際、第1操作部2とともに第2操作部3が下方に沈み込むことがある。この状態において、第2操作部3が押圧操作された場合、第2操作部3の操作時の移動が途中でストッパ部47によって規制されるので、ストッパ部47に接触してからはそれ以上、押込方向に移動しない。このように、ストッパ部47によって押込量が規制されるので、第2操作部3の第2接点17に過荷重がかかり難くなる。よって、スイッチ装置1において部品劣化を抑制することができる。
【0036】
(2)ストッパ部47は、第1操作部2が操作されて第2操作部3が第1操作部2に追従する場合に、第2操作部3が接触しない突出量Tに設定されている。すなわち、ストッパ部47は、第1操作部2が操作されて第2操作部3が第1操作部2に追従する場合に、第2操作部3が非接触となるように配置されている。よって、第1操作部2の操作時にストッパ部47が第2操作部3に干渉しないので、スイッチ装置1にストッパ部47を設けても、第1操作部2の操作に違和感を与えることがない。
【0037】
(3)ストッパ部47は、第1操作部2及び第2操作部3の少なくとも一方を変位可能に支持するボディ部12に形成されている。よって、ボディ部12の一部を形状変更することにより、強固なストッパ部47を容易に形成することができる。
【0038】
(4)第2操作部3は、操作を受け付ける第2ノブ5と、その第2ノブ5に対する操作に従って第2接点17を操作する第2ホルダ23とを備える。ストッパ部47は、第2ノブ5及び第2ホルダ23の少なくとも一方による第2接点17への操作を規制するように設けられている。よって、例えばストッパ部47で第2ノブ5を位置規制する構造と、ストッパ部47で第2ホルダ23を位置規制する構造とのどちらも採用することが可能となるので、装置の設計自由度を確保することができる。
【0039】
(5)スイッチ装置1は、第1操作部2及び第2操作部3の両方を照明する照明部50を備える。よって、共通の照明部50で第1操作部2及び第2操作部3の両方を照明することが可能となるので、部品点数を少なく抑えることができる。
【0040】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
[ストッパ部47について]
・ストッパ部47は、例えば3つ以上のストッパ片49を備えた構造でもよい。
【0041】
・ストッパ部47は、一対のストッパ片49を備える構造に限定されず、第1操作部2の過度な下方への移動を規制できる形状のものであればよい。
・ストッパ部47は、第2操作部3を位置規制するにあたり、第2操作部3のどこに接触してもよい。
【0042】
・ストッパ部47は、ボディ部12に形成されることに限らず、スイッチ装置1の構成要素に設けられていればよい。
・ストッパ部47の突出量Tは、第1操作部2が接触しないことを考慮に入れた長さに設定されてもよい。
【0043】
[第1操作部2及び第2操作部3について]
・第1操作部2は、4方向に操作可能なスイッチに限定されず、例えば2方向や3方向に操作可能なスイッチとしてもよい。
【0044】
・第1操作部2は、第1ノブ4が環状に形成された形状に限定されず、操作箇所が一列に配列されるなど、種々の操作態様のスイッチに変更してもよい。
・第1操作部2の第1ノブ4は、例えば十字キーのような形状としてもよい。
【0045】
・第2操作部3は、第2ノブ5のみから構成されるなど、他の構造に変更してもよい。
・第1操作部2及び第2操作部3の係止は、フランジ部25の上に延出部26が載置された構成に限定されず、第1操作部2の操作に第2操作部3が追従できる構造をとっていればよい。
【0046】
[第2操作部3が第1操作部2に追従する構造について]
・第2操作部3を第1操作部2に追従させるにあたり、第1操作部2のどの部分で第2操作部3を押したり引いたりして実現してもよい。
【0047】
・通常は、接触しておらず、第1操作部2が操作された際に第2操作部3に接触して、第1操作部2が第2操作部3を追従させる動きをとってもよい。
[スイッチ装置1の構成]
・第1操作部2を多方向スイッチとする構造は、第1ホルダ29を用いた構造に限定されず、例えば第1ノブ4自体を4方向に操作可能とするなど、種々の構造に変更してもよい。
【0048】
・開口部48は、第2操作部3が通過でき、かつ照明部50の光を導くことができる形状をとることに限定されない。例えば、開口部48は、第2操作部3が通過できる形状のみに対応し、照明部50の光を導く開口は、別の箇所に形成されてもよい。
【0049】
・照明部50は、接点15と同じ基板14に設けられることに限定されず、接点15とは別の箇所に設けられてもよい。
・第1ノブ4や第2ノブ5などの材質は、ゴム等の弾性材料に限定されず、種々の材料が使用できる。
【0050】
・ラバー18は、スイッチ装置1から省略されてもよい。
[その他]
・スイッチ装置1は、種々の機器や装置に適用可能である。
【0051】
・スイッチ装置1は、車載用に限らず、他のシステムや装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…スイッチ装置、2…第1操作部、3…第2操作部、5…第2ノブ、12…ボディ部、17…第2接点、23…第2ホルダ、47…ストッパ部、50…照明部、B1…特定方向、T…突出量。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9