(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】粉体の充填計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 13/00 20060101AFI20230425BHJP
G01G 13/06 20060101ALI20230425BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G01G13/00 R
G01G13/00 L
G01G13/06 A
B65G65/40 B
(21)【出願番号】P 2020109289
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2019121901
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 涼
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】実開平3-15301(JP,U)
【文献】実開昭64-47602(JP,U)
【文献】特開2005-82222(JP,A)
【文献】特開昭58-724(JP,A)
【文献】特開2016-130653(JP,A)
【文献】特開2013-39929(JP,A)
【文献】特開2007-57239(JP,A)
【文献】特開2001-201393(JP,A)
【文献】特開昭60-238724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0259186(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0225808(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 11/00-17/08,
B65G 65/40,
B65B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を袋に充填し、前記袋に充填した粉体を計量する、粉体の充填計量装置であって、
粉体を貯留するとともに粉体を排出する排出口が下端部に設けられたタンク部と、
前記排出口を開閉する開閉部と、
前記タンク部の下方で環状に延びるように配置されたレール部材と、
前記レール部材上でその周方向に沿ってスライド移動自在に支持されているとともに、粉体が充填される前記袋が開口した状態でそれぞれ取り付けられる複数のケースと、
前記レール部材の内側に配置され、複数の前記ケースをそれぞれ上下に移動可能な状態で支持するとともに、複数の前記ケースを前記レール部材の周方向に沿ってスライド移動させるように駆動するケース駆動部と、
前記レール部材の周方向の一部分であって粉体が前記袋に充填されて計量される領域に配置された部分である充填計量部を昇降自在に支持して上下方向に駆動する昇降駆動部と、
前記充填計量部の下側の領域で前記充填計量部の真下の位置からずれた位置に配置され、前記充填計量部が降下した際に前記充填計量部に配置された前記ケースが載置され、前記ケースに取り付けられた前記袋に充填された粉体の重量を計量する計量器と、
を備え、
複数の前記ケースのうちの1つが前記充填計量部に配置された状態で、前記昇降駆動部が前記充填計量部を前記ケースとともに降下させて前記ケースを前記計量器に載置し、前記開閉部が前記排出口を開放し、前記ケースに取り付けられた前記袋に粉体を充填し、前記計量器による粉体の計量が行われることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粉体の充填計量装置であって、
前記レール部材として、同心状に配置されているとともに当該レール部材の径方向において環状の空間を介して配置されて前記充填計量部をそれぞれ含んだ内側レール部材及び外側レール部材が設けられ、
複数の前記ケースのそれぞれは、前記レール部材の径方向における内側において前記内側レール部材にスライド移動自在に支持され、前記レール部材の径方向における外側において前記外側レール部材にスライド移動自在に支持されていることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の粉体の充填計量装置であって、
前記ケース駆動部は、
放射状に延びるとともに先端部で複数の前記ケースをそれぞれ上下に移動自在な状態で支持する複数のアームと、
複数の前記アームを回転駆動し、複数の前記ケースを前記レール部材の周方向に沿ってスライド移動させるように駆動する回転モータと、
を有していることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項4】
請求項3に記載の粉体の充填計量装置であって、
複数の前記ケースのそれぞれは、複数の前記アームのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の粉体の充填計量装置であって、
複数の前記アームのそれぞれの先端部には、下方に延びる複数のピンが設けられ、
複数の前記ケースのそれぞれには、複数の前記ピンがそれぞれ上下方向に沿って挿通される複数の挿通孔が設けられていることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項6】
請求項5に記載の粉体の充填計量装置であって、
複数の前記アームのそれぞれの先端部には、複数の前記ピンのそれぞれが挿抜される複数の挿抜用孔が形成されて複数の前記ピンが複数の前記挿抜用孔にそれぞれ挿入されることで複数の前記ピンを保持するピン保持部が設けられ、
複数の前記ピンは、複数の前記挿抜用孔にそれぞれ挿入されることで、前記ピン保持部に対して着脱自在な状態で取り付けられ、
複数の前記ピンが、前記ピン保持部の複数の前記挿抜用孔にそれぞれ挿入されるとともに前記ケースの複数の前記挿通孔にそれぞれ挿通されることで、複数の前記ケースのそれぞれが、複数の前記アームのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の粉体の充填計量装置であって、
前記ケースは、前記レール部材に対してスライド移動自在に配置されるスライド底部と、前記スライド底部の上側に設けられ、前記袋が開口した状態で取り付けられる枠体と、を有していることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項8】
請求項7に記載の粉体の充填計量装置であって、
前記枠体は、前記スライド底部の上方で前記レール部材の径方向の内側に配置された内側板と、前記スライド底部の上方で前記レール部材の周方向の両側に配置された一対の側板と、前記枠体に前記袋が取り付けられた状態で前記内側板及び前記一対の側板の端部に取り付けられて前記袋を前記枠体に固定する押さえ枠と、を有していることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項9】
請求項4に記載の粉体の充填計量装置であって、
複数の前記ケースとして、複数の前記アームに対して交換可能に取り付けられる複数の第1のケースと複数の第2のケースとを有し、
前記第1のケース及び前記第2のケースのそれぞれは、前記レール部材に対してスライド移動自在に配置されるスライド底部と、前記スライド底部の上側に設けられ、前記袋が開口した状態で取り付けられる枠体と、を有し、
前記第1のケースの前記枠体と前記第2のケースの前記枠体とは、サイズが異なることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の粉体の充填計量装置であって、
前記充填計量部の下方には、前記レール部材の外側から内側に向かって前記計量器を搬入可能であるとともに前記レール部材の内側から外側に向かって前記計量器を搬出可能なように開口した搬出入口が設けられ、
前記計量器は、前記搬出入口を介して搬入され、前記充填計量部の下側の領域で前記充填計量部の真下の位置からずれた位置に配置されることを特徴とする、粉体の充填計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を袋に充填し、袋に充填した粉体を計量する、粉体の充填計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体をポット又はポットに取り付けられた袋に充填し、ポット又は袋に充填した粉体の重量を計量する、粉体の充填計量装置として、例えば、特許文献1、2に開示された装置が知られている。尚、特許文献1に開示された装置においては、粉体は、ポットに充填され、その重量が計量される。一方、特許文献2に開示された装置においては、粉体は、ポットに取り付けられた袋に充填され、その重量が計量される。
【0003】
特許文献1、2に開示された装置は、いずれも、粉体を貯留するホッパを有する粉体の搬出装置と、回転駆動される上下2段のターンテーブルと、複数のポットと、複数の計量器とを備えて構成されている。複数のポットは、上段のターンテーブルに支持され、複数の計量器は、下段のターンテーブルに支持されている。そして、特許文献1又は2に開示された装置においては、粉体が搬出装置からポット又はポットに取り付けられた袋に供給されて充填されると、上段のターンテーブルが下降してポットが計量器の上に載置され、粉体の重量が計量される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭62-81534号公報
【文献】特開昭64-9102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示された粉体の充填計量装置においては、回転駆動されるターンテーブルに複数のポットが設けられ、そのポット又はポットに取り付けられた袋に粉体が充填されて計量される。このため、特許文献1、2に開示された粉体の充填計量装置によると、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に開示された粉体の充填計量装置は、回転駆動される上下2段のターンテーブルを備え、上段のターンテーブルに複数のポットが支持され、下段のターンテーブルに計量器が支持されるように構成されている。このため、粉体の充填供給装置が、大型化してしまうという問題がある。特に、回転駆動されるターンテーブルが上下2段で設けられ、上段のターンテーブルが下降して上段のターンテーブルに支持されたポットが下段のターンテーブルに支持された計量器に載置されて粉体の重量が計量される構成のため、装置が高さ方向に大型化してしまうという問題がある。また、特許文献1、2に開示された粉体の充填計量装置においては、計量器も複数必要となり、構造の複雑化及び製造コストの増大を招いてしまい易いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができるとともに、装置の大型化を抑制でき、特に装置を高さ方向に小型化でき、更に、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる、粉体の充填計量装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る粉体の充填計量装置は、粉体を袋に充填し、前記袋に充填した粉体を計量する、粉体の充填計量装置に関する。そして、本発明のある局面に係る粉体の充填計量装置は、粉体を貯留するとともに粉体を排出する排出口が下端部に設けられたタンク部と、前記排出口を開閉する開閉部と、前記タンク部の下方で環状に延びるように配置されたレール部材と、前記レール部材上でその周方向に沿ってスライド移動自在に支持されているとともに、粉体が充填される前記袋が開口した状態でそれぞれ取り付けられる複数のケースと、前記レール部材の内側に配置され、複数の前記ケースをそれぞれ上下に移動可能な状態で支持するとともに、複数の前記ケースを前記レール部材の周方向に沿ってスライド移動させるように駆動するケース駆動部と、前記レール部材の周方向の一部分であって粉体が前記袋に充填されて計量される領域に配置された部分である充填計量部を昇降自在に支持して上下方向に駆動する昇降駆動部と、前記充填計量部の下側の領域で前記充填計量部の真下の位置からずれた位置に配置され、前記充填計量部が降下した際に前記充填計量部に配置された前記ケースが載置され、前記ケースに取り付けられた前記袋に充填された粉体の重量を計量する計量器と、を備え、複数の前記ケースのうちの1つが前記充填計量部に配置された状態で、前記昇降駆動部が前記充填計量部を前記ケースとともに降下させて前記ケースを前記計量器に載置し、前記開閉部が前記排出口を開放し、前記ケースに取り付けられた前記袋に粉体を充填し、前記計量器による粉体の計量が行われることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、粉体の充填計量装置は、レール部材と、複数のケースと、ケース駆動部と、昇降駆動部と、計量器と、を備えて構成されている。複数のケースは、レール部材の内側に配置されるケース駆動部によってレール部材の周方向に沿ってスライド移動される。そして、レール部材の一部分である充填計量部に配置されたケースが充填計量部とともに降下して計量器に載置され、ケースに取り付けられた袋に粉体が充填されて計量される。このため、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができる。
【0010】
また、上記の粉体の充填計量装置においては、レール部材が、タンク部の下方で環状に配置される。そして、複数のケースは、環状のレール部材の内側に配置されるケース駆動部によって上下に移動可能な状態で支持されるとともに、レール部材上で周方向に沿ってスライド移動自在に支持される。このため、上記の構成によると、環状のレール部材の内側にケース駆動部が配置されたコンパクトで簡素な構成で、複数のケースを周方向に回転駆動する構成を実現することができる。よって、上記の構成によると、特許文献1、2に開示されたような構成、即ち、粉体が充填される袋が取り付けられる容器等が複数設けられたターンテーブル機構の全体を回転駆動するような大型の回転駆動機構の構成は不要となり、装置の大型化を抑制することができる。また、昇降駆動部は、レール部材の周方向の一部分であって粉体が袋に充填されて計量される領域に配置された部分である充填計量部を昇降自在に支持して上下方向に駆動するように構成されている。そして、粉体の重量が、充填計量部の下側の領域で充填計量部の真下の位置からずれた位置に配置された計量器によって計量される。このため、上記の構成によると、複数のケースが周方向にスライド移動するレール部材の一部分のみをケースとともに昇降するコンパクトで簡素な構成で、ケースに取り付けられた袋に充填される粉体を計量する構成を実現することができる。よって、上記の構成によると、特許文献1、2に開示されたような構成、即ち、複数のポットを支持した上段のターンテーブルの全体が下降して下段のターンテーブルに支持された計量器で粉体の計量が行われるような計量のための大型の昇降駆動機構の構成は不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
【0011】
また、上記の構成によると、環状のレール部材が一段で設けられ、レール部材の周方向に沿って複数のケースを駆動するケース駆動部が、レール部材の内側に配置される。更に、レール部材の一部分が降下し、その下側の領域に配置された計量器によって、粉体の重量が計量される。このため、上記の構成によると、装置全体を、高さ方向に小型化することができる。そして、粉体の充填計量装置を全体的に簡素な構造で実現でき、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる。尚、上記の構成によると、特許文献1、2に開示されたような構成、即ち、上下2段のターンテーブルを有して上段のターンテーブルが下降して粉体の重量を計量するような高さ方向に大型化した構成は不要となるため、特に装置を高さ方向に小型化することができる。
【0012】
また、上記の構成によると、レール部材の周方向に沿ってスライド移動する複数のケースのうち1つのみを充填計量部に配置させた状態で、ケースとともに充填計量部を降下させて計量器にケースを載置して粉体の重量を計量することができる。よって、上記の構成によると、複数のケースにそれぞれ取り付けられた袋に対して連続的に粉体を充填して計量する際においても、複数の計量器が不要となり、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる。
【0013】
従って、上記構成によると、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができるとともに、装置の大型化を抑制でき、特に装置を高さ方向に小型化でき、更に、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる、粉体の充填計量装置を提供することができる。
【0014】
(2)好ましくは、上記粉体の充填計量装置は、前記レール部材として、同心状に配置されているとともに当該レール部材の径方向において環状の空間を介して配置されて前記充填計量部をそれぞれ含んだ内側レール部材及び外側レール部材が設けられ、複数の前記ケースのそれぞれは、前記レール部材の径方向における内側において前記内側レール部材にスライド移動自在に支持され、前記レール部材の径方向における外側において前記外側レール部材にスライド移動自在に支持されている。
【0015】
この構成によると、複数のケースが、環状の空間を介して同心状に配置された内側レール部材及び外側レール部材によってスライド移動自在に支持される。このため、レール部材の周方向に沿ってスライド移動する複数のケースを、内側レール部材及び外側レール部材によって、レール部材の径方向における内側と外側の両側で安定した状態で支持することができる。また、内側レール部材及び外側レール部材のみを使用した少ない部材で効率よく複数のケースをレール部材の周方向に沿ってスライド移動自在に支持することができる。また、内側レール部材及び外側レール部材の間の環状の空間の下方に計量器を配置することで、内側レール部材及び外側レール部材の充填計量部の降下時に、ケースを容易に計量器に載置することができる。
【0016】
(3)好ましくは、上記粉体の充填計量装置において、前記ケース駆動部は、放射状に延びるとともに先端部で複数の前記ケースをそれぞれ上下に移動自在な状態で支持する複数のアームと、複数の前記アームを回転駆動し、複数の前記ケースを前記レール部材の周方向に沿ってスライド移動させるように駆動する回転モータと、を有している。
【0017】
この構成によると、ケース駆動部を、放射状に延びて先端部で上下移動自在にケースを支持する複数のアームを回転モータで回転駆動する簡素な構造で実現することができる。また、ケース駆動部が、放射状に延びるアームを回転モータで回転する簡素な構造で構成されているため、ケース駆動部のメンテナンスも容易に行うことができる。
【0018】
(4)好ましくは、複数の前記ケースのそれぞれは、複数の前記アームのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。
【0019】
この構成によると、各ケースが各アームに対して着脱可能に取り付けられるため、各ケースの各アームへの単独での取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。このため、各ケースを各アームから取り外した状態で各ケースに袋を開口した状態で取り付けて、各ケースを各アームに取り付けることができ、ケースへの袋の装着を容易に行うことができる。そして、粉体を袋に充填して計量した後、粉体が充填された袋が装着されたケースをアームから取り外すことができる。このため、粉体が袋に充填されてケースに支持された状態のまま、袋に充填された粉体をケースごと搬出して運搬することができ、充填計量動作後の粉体の搬出及び運搬を容易に行うことができる。また、上記の構成によると、粉体の充填計量装置において、ケースが着脱可能に取り付けられるため、ケースを単独で交換することができる。このため、粉体の充填計量装置において、袋に充填されて計量される対象としての粉体の種類に応じて、異なる種類のケースを交換して取り付けることができる。
【0020】
(5)好ましくは、上記粉体の充填計量装置において、複数の前記アームのそれぞれの先端部には、下方に延びる複数のピンが設けられ、複数の前記ケースのそれぞれには、複数の前記ピンがそれぞれ上下方向に沿って挿通される複数の挿通孔が設けられている。
【0021】
この構成によると、アームの先端部に複数のピンを設け、複数のピンが挿通される複数の挿通孔がケースに設けられた簡素な構成で、アームの先端部で上下移動自在にケースを支持する構成を実現することができる。また、ケース駆動部によってケースがレール部材の周方向に沿ってスライド移動される際、複数のピンがそれぞれのケースの挿通孔に挿通されていることでケースがアームに対して回転しないように安定した状態で保持される。
【0022】
(6)好ましくは、複数の前記アームのそれぞれの先端部には、複数の前記ピンのそれぞれが挿抜される複数の挿抜用孔が形成されて複数の前記ピンが複数の前記挿抜用孔にそれぞれ挿入されることで複数の前記ピンを保持するピン保持部が設けられ、複数の前記ピンは、複数の前記挿抜用孔にそれぞれ挿入されることで、前記ピン保持部に対して着脱自在な状態で取り付けられ、複数の前記ピンが、前記ピン保持部の複数の前記挿抜用孔にそれぞれ挿入されるとともに前記ケースの複数の前記挿通孔にそれぞれ挿通されることで、複数の前記ケースのそれぞれが、複数の前記アームのそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。
【0023】
この構成によると、アームの先端部のピン保持部の挿抜用孔に挿入されたピンがケースの挿通孔に挿通されることで、ケースが容易にアームの先端部に着脱自在に取り付けられる。そして、ピンがケースの挿通孔とピン保持部の挿抜用孔とから抜き取られることで、ケースを容易にアームの先端部から取り外すことができる。このため、上記の構成によると、アームの先端部でピンを介して上下移動自在にケースが支持される構成において、各ケースを各アームに対して着脱可能に取り付けることができ、各ケースの各アームへの単独での取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0024】
(7)好ましくは、上記粉体の充填計量装置において、前記ケースは、前記レール部材に対してスライド移動自在に配置されるスライド底部と、前記スライド底部の上側に設けられ、前記袋が開口した状態で取り付けられる枠体と、を有している。
【0025】
この構成によると、レール部材に配置されるスライド底部に対して袋取付用の枠体が設けられた簡素な構造で、レール部材に沿ってスライド移動するとともに袋が取り付けられるケースを容易に実現することができる。
【0026】
(8)好ましくは、上記粉体の充填計量装置において、前記枠体は、前記スライド底部の上方で前記レール部材の径方向の内側に配置された内側板と、前記スライド底部の上方で前記レール部材の周方向の両側に配置された一対の側板と、前記枠体に前記袋が取り付けられた状態で前記内側板及び前記一対の側板の端部に取り付けられて前記袋を前記枠体に固定する押さえ枠と、を有している。
【0027】
この構成によると、ケースは、内側板と一対の側板とを有する枠体がスライド底部の上方に設けられて構成される。このため、ケースは、底側と、レール部材の径方向の内側と、レール部材の周方向の両側とが仕切られ、上側とレール部材の径方向の外側とが開放されて開口した構造となる。このため、袋をケースに取り付ける作業が行われる際、その作業を行う作業者は、開口する枠体の上方及び径方向の外側から容易に袋を取り付けることができる。また、上記の構成によると、袋が開口して取り付けられた状態で内側板及び一対の側板の端部に取り付けられて袋を固定する押さえ枠が更に備えられている。このため、ケースに取り付けた袋を押さえ枠で確実に固定することができ、袋が枠体から外れてしまうことを防止することができる。
【0028】
(9)好ましくは、複数の前記ケースとして、複数の前記アームに対して交換可能に取り付けられる複数の第1のケースと複数の第2のケースとを有し、前記第1のケース及び前記第2のケースのそれぞれは、前記レール部材に対してスライド移動自在に配置されるスライド底部と、前記スライド底部の上側に設けられ、前記袋が開口した状態で取り付けられる枠体と、を有し、前記第1のケースの前記枠体と前記第2のケースの前記枠体とは、サイズが異なる。
【0029】
この構成によると、粉体の充填計量装置において、袋に充填されて計量される対象としての粉体の種類に応じて、枠体のサイズが異なる第1のケースと第2のケースとのいずれかを選択して取り付けることができる。このため、粉体の種類に適切に応じたサイズのケースを用いて粉体の充填計量動作を行うことができる。例えば、袋に充填されて計量される対象としての粉体のかさ密度が大きく異なるような場合であっても、かさ密度に応じたサイズのケースを適切に選択して、粉体の充填計量動作を行うことができる。よって、上記の構成によると、多種多様な粉体の充填計量動作に容易に対応することができる、粉体の充填計量装置を提供することができる。
【0030】
(10)好ましくは、前記充填計量部の下方には、前記レール部材の外側から内側に向かって前記計量器を搬入可能であるとともに前記レール部材の内側から外側に向かって前記計量器を搬出可能なように開口した搬出入口が設けられ、前記計量器は、前記搬出入口を介して搬入され、前記充填計量部の下側の領域で前記充填計量部の真下の位置からずれた位置に配置される。
【0031】
この構成によると、計量器を搬出入口から搬入することで、充填計量部の下側の領域で充填計量部の真下の位置からずれた位置である計量器の設置位置に計量器を単独で容易に設置することができる。そして、計量器を搬出入口から搬出することで、計量器の設置位置から計量器を単独で容易に取り出すことができる。このため、粉体の充填計量装置において、計量器を単独で交換することができる。これにより、計量される対象としての粉体の種類に応じて、計量範囲或いは計量精度等の計量性能が異なる計量器を適切に選択して、粉体の充填計量動作を行うことができる。例えば、袋に充填されて計量される対象としての粉体のかさ密度が大きく異なるような場合であっても、かさ密度に応じた計量性能の計量器を適切に選択して、粉体の充填計量動作を行うことができる。よって、上記の構成によると、多種多様な粉体の充填計量動作に容易に対応することができる、粉体の充填計量装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができるとともに、装置の大型化を抑制でき、特に装置を高さ方向に小型化でき、更に、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる、粉体の充填計量装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る粉体の充填計量装置について模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す粉体の充填計量装置について、ケースに袋を取り付けた状態で模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す粉体の充填計量装置の全体構成について模式的に示す図である。
【
図4】
図1に示す粉体の充填計量装置のうちタンク部について模式的に示す側面図である。
【
図5】粉体の充填計量装置のタンク部に設けられているロータリーバルブについて開閉部とともに模式的に示す側面図である。
【
図6】
図5に示すロータリーバルブ及び開閉部を示す図であって(a)は、開閉蓋が閉じた状態を示す図であり、(b)は、開閉蓋が開いた状態を示す図である。
【
図7】
図1に示す粉体の充填計量装置を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図7に示す粉体の充填計量装置のX-X線矢視位置における断面を模式的に示す図である。
【
図9】
図1に示す粉体の充填計量装置のうち粉体が充填されるケースについてケース駆動部の一部とともに模式的に示す斜視図である。
【
図10】粉体の充填計量装置の一部について模式的に示す図であって、充填計量部が上方で保持された状態を示す側面図である。
【
図11】粉体の充填計量装置の一部について模式的に示す図であって、充填計量部が下方で保持された状態を示す側面図である。
【
図12】
図1に示す粉体の充填計量装置を制御する制御部の構成について示すブロック図である。
【
図13】
図1に示す粉体の充填計量装置によって粉体の重量を計量する作動の一例を示すチャート図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る粉体の充填計量装置について模式的に示す斜視図である。
【
図15】
図14に示す粉体の充填計量装置における複数のケースとしての複数の第1のケース及び複数の第2のケースを模式的に示す斜視図である。
【
図16】
図14に示す粉体の充填計量装置について、複数の第1のケースに袋を取り付けた状態で模式的に示す斜視図である。
【
図17】
図14に示す粉体の充填計量装置について、複数の第2のケースに袋を取り付けた状態で模式的に示す斜視図である。
【
図18】
図14に示す粉体の充填計量装置におけるケースとアーム駆動部のアームとを模式的に示す斜視図である。
【
図19】
図14に示す粉体の充填計量装置においてケースをケース駆動部のアームへ取り付ける動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】
(第1実施形態)
[粉体の充填計量装置の概略]
図1は、本発明の第1実施形態に係る粉体の充填計量装置1について模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示す充填計量装置1について、ケース5に袋100を取り付けた状態で模式的に示す斜視図である。
図3は、
図1に示す充填計量装置1の全体構成について模式的に示す図である。尚、
図3においては、レール部材4、ケース駆動部6、昇降駆動部7等の一部の構成については図示を省略している。
【0036】
粉体の充填計量装置1は、袋100に粉体を充填して計量するための装置として構成されている。粉体の充填計量装置1は、粉体供給部10と、タンク部2と、開閉部3と、粉体集塵部11と、レール部材4と、複数のケース5と、ケース駆動部6と、昇降駆動部7と、計量器8と、制御部9と、を備えて構成されている。粉体が充填される袋100としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂を原料として製造された袋が用いられる。
【0037】
[粉体供給部の構成]
粉体供給部10は、計量対象となる粉体をタンク部2に供給するとともに、タンク部2内に舞う粉塵を捕集するために設けられている。粉体供給部10は、捕集器12と、吸引機13と、捕集ホース14と、供給ホース15と、を有している。また、粉体供給部10は、タンク部2に供給するための粉体を収容するフレキシブルコンテナバック17を有しており、供給ホース15の先端が挿入されることで粉体が吸い上げられてタンク部2に粉体が供給される。
【0038】
捕集器12は、タンク部2の上部において設けられている。捕集器12は、タンク部2内に舞う粉塵を捕集するためタンク部2の内部に向かって開口する開口を有している。そして、捕集器12の開口には粉体が吸い込まれるのを防止するフィルター(図示省略)が設けられている。捕集器12には、後述する供給ホース15と捕集ホース14とが接続されている。そして、フィルターは、捕集器12の供給ホース15の接続位置と捕集ホース14の接続位置との間に設けられている。即ち、捕集器12は、供給ホースから供給された粉体を開口からタンク部2内に落下させ、タンク部2内に舞う軽く粒子の細かい粉塵のみタンク部2から吸引することができる。
【0039】
吸引機13は、捕集ホース14及び供給ホース15に負圧を生じさせ、フレキシブルコンテナバック17から粉体を吸い上げタンク部2へ供給するとともにタンク部2内に舞う粉塵を吸引するための装置である。吸引機13には、供給ホース15、捕集器12、捕集ホース14が連通している。また、吸引機13は、捕集バック16を有している。吸引機13による吸引能力は、例えば、330リットル/minを目安に設定されている。吸引機13には、例えば、空気を吸引するための吸引ポンプ或いは負圧を発生させるためのファンが設けられている。そして、吸引機13によって捕集ホース14及び供給ホース15に負圧が発生すると、粉体が収容されたフレキシブルコンテナバック17内の粉体は供給ホース15の先端が挿入されることによって吸引され、タンク部2に供給される。粉体がタンク部2に供給された際、粉体の大部分は、タンク部2内に落下し貯留される。一方、一部の細かい粉体、即ち、粉塵は、タンク部2内に舞う。タンク部2内に舞った粉塵は、タンク部2の上部の捕集器12から吸引されて捕集ホース14を通って捕集バック16に捕集される。
【0040】
捕集ホース14は、タンク部2で捕集した粉体を吸引機13に送る通路として設けられている。捕集ホース14は断面が円柱状に形成されており可撓性を有する。捕集ホース14は、タンク部2内に舞う粉体を捕集するために、タンク部2の上部に設置されて捕集器12に接続されている。
【0041】
供給ホース15は、外部からタンク部2内に粉体を供給するための通路として設けられている。供給ホース15は、断面が円柱状に形成されており可撓性を有する。供給ホース15は、タンク部2の上部において捕集器12に接続されている。供給ホース15は、吸引機13が稼働されて捕集ホース14に負圧が生じたとき、タンク部2を介して負圧状態となる。供給ホース15は、負圧が生じることによってフレキシブルコンテナバック17に貯留された粉体を吸い上げタンク部2内に供給することができる。また、このとき同時に、タンク部2内に舞う粉体が捕集ホース14から捕集される。
【0042】
[タンク部の構成]
図4は、
図1に示す粉体の充填計量装置1のうちタンク部2について模式的に示す側面図である。タンク部2は、粉体を貯留するとともに、袋100が取り付けられた複数のケース5のそれぞれに所定量の粉体を充填するために粉体を排出するように構成されている。タンク部2には、例えば、有効容量630リットル以上のものが使用される。タンク部2は、周壁2aと、上壁2bと、タンク支持梁2cと、排出口20と、レベルセンサ21と、撹拌機22と、ロータリーバルブ23と、を有している。尚、タンク部2には、内部が視認可能なように、覗き窓が設けられていてもよい。
【0043】
周壁2aは、略筒状に形成されている。より具体的には、周壁2aは、上側の部分が円筒形状に形成されており、下側の部分が下方に向かうに従って径が小さくなるように略円錐形状に形成されている。
【0044】
上壁2bは、略円盤形状に形成されており、タンク部2に充填された粉体が飛散するのを防止している。上壁2bの一部の領域には上壁開口部(図示省略)が形成されている。上壁2bには、捕集器12が設けられており、捕集器12に連通する開口が形成されている。上壁2bに形成された開口からは、粉体供給部10から供給された粉体が落下する。そして、タンク部2内に落下した粉体は、タンク部2内に貯留される。上壁2bは、蓋部(図示省略)を有している。上壁2bの上壁開口部には、上壁開口部を開閉するための蓋部が取り付けられている。
【0045】
タンク支持梁2cは、タンク部2を支持するための部分として設けられている。タンク支持梁2cの下端部は粉体の充填計量装置1が設置されるベース部分(図示省略)に対して固定されており、上端部は、タンク部の周壁に固定されている。
【0046】
図3に示す、レベルセンサ21は、タンク部2に充填された粉体の高さ位置を検知するために設けられている。周壁2aには、周壁2aの上側の部分に設けられた上側レベルセンサ21aと、周壁2aの下側の部分に設けられた下側レベルセンサ21bと、が設けられている。
【0047】
上側レベルセンサ21a、及び下側レベルセンサ21bは、例えば、それぞれ高さ位置が同じ一対の赤外線の送受信素子として構成され、タンク部2の内部に充填されている粉体によって赤外線の送受信が遮断されることによって上限を超えていることか検知されるように構成されている。そして、タンク部2の内部に充填されている粉体が、周壁2aの上側の部分に設けられた上側レベルセンサ21aよりも上側まである場合は、制御部9が、上側レベルセンサ21aから検知信号を検知して粉体の充填を停止するように開閉部3を閉じる制御を行う。
【0048】
また、下側レベルセンサ21bでは、タンク部2の内部に充填されている粉体によって赤外線の送受信が遮断されていない場合において下限を超えていることが検知されるように構成されている。そして、タンク部2の内部に充填されている粉体が、周壁2aの下側の部分に設けられた下側レベルセンサ21bよりも下側までしかない場合は、制御部9が、下側レベルセンサ21bからの検知信号を検知し、例えば、警報を報知する。尚、レベルセンサ21は、
図1、2、及び4においてはその図示が省略されている。
【0049】
撹拌機22は、タンク部2内の粉体を循環させ円滑に排出口20から排出させるために設けられている。撹拌機22は、上壁2bからタンク部2内に吊り下げられた状態で配置されている。撹拌機22は、撹拌翼回転軸24と、複数の撹拌翼25と、撹拌機モータ26と、を備えて構成されている。
【0050】
撹拌翼回転軸24は、軸状に形成されており、タンク部2内において複数の撹拌翼25を支持する。撹拌翼回転軸24は、タンク部2の軸心と同軸上に配置されている。
【0051】
複数の撹拌翼25は、タンク部2内の粉体の塊を粉砕し、粉体の円滑な排出を実現するための部分として設けられている。複数の撹拌翼25のそれぞれは、タンク部2の軸心から周壁2aに向かって放射状に延びる板状の部分として構成されている。複数の撹拌翼25のそれぞれは、タンク部2内に設けられている。複数の撹拌翼25のそれぞれは、撹拌翼回転軸24によって水平に支持されており、高さ方向に離間するように設けられている。複数の撹拌翼25のそれぞれは、撹拌翼回転軸24から周壁2aに近接する位置まで直線状に延びている。複数の撹拌翼25のうち少なくとも一つの撹拌翼25は、他の撹拌翼25と異なる角度で撹拌翼回転軸24から延びるように配置されている。
【0052】
撹拌機モータ26は、複数の撹拌翼25を支持する撹拌翼回転軸24を回転駆動させるための部分として設けられている。撹拌機モータ26は、タンク部2の上壁2bの上側に設けられており、撹拌翼回転軸24の上端側が固定されている。
【0053】
図5は、粉体の充填計量装置1のタンク部2に設けられているロータリーバルブ23について開閉部3とともに模式的に示す側面図である。ロータリーバルブ23は、タンク部2内の粉体を外方に排出する速度を調整するための機構として設けられている。ロータリーバルブ23は、タンク部2の下端部に設けられている。本実施形態におけるロータリーバルブ23としては、例えば、排出量が約75リットル/minの排出能力のロータリーバルブ23が用いられている。ロータリーバルブ23は、バルブハウジング27と、搬送羽根部28と、ロータリーバルブモータ29と、を有している。
【0054】
バルブハウジング27は、ロータリーバルブ23の外殻を構成する部分として構成されている。バルブハウジング27は、所定の厚みを有している。バルブハウジング27には、内部において粉体が搬送されるための搬送経路27aが形成されている。
【0055】
搬送経路27aは、粉体をタンク部2内から外方に搬送するための経路として構成されている。搬送経路27aは、上方から下方に延びる空間部分として構成されている。搬送経路27aの中途部分には、搬送羽根部28が配置されている。
【0056】
搬送羽根部28は、タンク部2内の粉体を所望の排出速度で外方側に搬送するための部分として設けられている。搬送羽根部28は、羽根軸30と、羽根31と、を有している。
【0057】
羽根軸30は、搬送羽根部28をバルブハウジング27内において、回転自在に支持する部分として構成されている。羽根軸30は、搬送経路27aの経路が延びる方向に対して垂直な方向に配置されている。
【0058】
羽根31は、バルブハウジング27内において搬送される粉体を下方に向かって押し出すように搬送する部分として構成されている。羽根31は、板状の部材として構成されている。本実施形態においては、羽根31が8枚設けられた形が例示されている。各羽根31は、羽根軸30から放射状に延びるように設けられている。各羽根31は、羽根軸30に対して平行、且つ羽根軸30の回転方向R1に対して垂直な方向に配置されている。羽根31によって分割された粉体は、羽根31の回転速度に比例した速度で搬送経路27a内において搬送される。このため、例えば、複数の羽根31の回転速度が遅くなる場合、搬送経路27a内を搬送される粉体の量は減少する。
【0059】
ロータリーバルブモータ29は、
図5において矢印R1で示す方向に搬送羽根部28を回転駆動させる部分として設けられている。
【0060】
搬送経路27aの下端部には排出口20が設けられている。即ち、排出口20は、タンク部2の下端部に設けられており、ロータリーバルブ23の下端部に設けられている。排出口20は、タンク部2に充填された粉体を排出する開口として設けられている。排出口20は、例えば、直径が125mmに設定されている。
【0061】
[開閉部の構成]
本実施形態におけるロータリーバルブ23の下方には、更に開閉部3が設けられている。
図6は、
図5に示すロータリーバルブ23及び開閉部3を示す図であって(a)は、開閉蓋32が閉じた状態を示す図であり、(b)は、開閉蓋32が開いた状態を示す図である。開閉部3は、タンク部2の排出口20を開閉するための機構として設けられている。開閉部3は、ロータリーバルブ23の下端に形成された排出口20の下側においてスライド移動する蓋を有している。開閉部3は、ロータリーバルブ23内を搬送された粉体を排出口20から排出させるように構成されている。即ち、
図6(a)に示すように、開閉部3によって排出口20が閉じた状態においては、粉体が排出されず、
図6(b)に示すように、開閉部3によって排出口20が露出した状態においては、粉体が排出されてケース5に粉体が充填される。開閉部3は、開閉蓋32と、開閉部モータ33と、蓋収容部34と、を有している。
【0062】
開閉蓋32は、タンク部2の排出口20を開閉するための部分として設けられている。開閉蓋32は板状に形成されており、タンク部2の排出口20の下側の面に対してスライド移動可能に設けられている。
【0063】
開閉部モータ33は、開閉蓋32を駆動するための部分として設けられている。例えば、開閉部3には、蓋収容部34から開閉蓋32を出退させるように開閉部モータ33の回転駆動を直線運動に変換するラックアンドピニオン機構が用いられる。開閉部モータ33は、開閉蓋32を蓋収容部34から突出及び退避させる方向に駆動できるように構成されている。即ち、開閉部モータ33は、排出口20に対して開閉蓋32をスライド移動自在に駆動できるように構成されている。開閉部3は、開閉蓋32が蓋収容部34から突出した際排出口20を閉じるように構成されており、開閉蓋32が蓋収容部34に退避した際排出口20を開くように構成されている。
【0064】
蓋収容部34は、排出口20を閉じる際、開閉蓋32を収容するための部分として設けられている。蓋収容部34は、タンク部2の下端部分に対して蓋収容部34から延びる固定具35を介して固定されている。即ち、蓋収容部34は、タンク部2の下端に配置されたロータリーバルブ23に対して固定されている。
【0065】
複数のケース5のうち一つのケース5がケース駆動部6によってレール部材4上をスライド移動されることによって、タンク部2の排出口20が袋100が取り付けられたケース5の真上に配置される。そして、開閉部3が作動し制御部9からの制御指令に基づいて開閉蓋32が開かれると、ロータリーバルブ23が駆動され、搬送経路27a内を搬送された粉体が排出される。つまり、開閉部3の開閉蓋32が開かれ排出口20から排出された粉体は、ケース5に取り付けられた袋の中に直接充填されるように構成されている。
【0066】
[粉体集塵部の構成]
粉体集塵部11は、タンク部2の排出口20から排出されて舞う粉塵を集塵するために設けられている。
図3を参照して、粉体集塵部11は、集塵機36と、集塵ホース37と、集塵枠38と、を有している。
【0067】
集塵機36は、排出口20の周囲に舞う粉塵を集塵するための吸い込み力を生じさせるために設けられている。集塵機36には、例えば、空気を吸引するための吸引ポンプ或いは負圧を発生させるためのファンが設けられている。集塵機36には、集塵ホース37の一方側が接続されており、集塵機36が作動することで、集塵ホース37に負圧が生じるように構成されている。集塵機36が作動すると、集塵枠38から粉塵が吸い込まれる。
【0068】
集塵ホース37は、他方側が集塵枠38に接続されている。集塵ホース37は断面が円柱状に形成されており、可撓性を有する。
【0069】
集塵枠38は、排出口20の周囲に舞った粉体を外部に飛散しないように囲む部分として設けられている。集塵枠38の内側の領域には、集塵機36が作動することで負圧が生じ、排出口20の周囲に舞った粉体を吸い込む。なお、集塵ホース37と集塵機36の間には風量を調整する風量調整用ダンパが設けられていてもよい。
【0070】
[レール部材の構成]
図7は、
図1に示す粉体の充填計量装置1を模式的に示す平面図である。
図8は、
図7に示す粉体の充填計量装置1のX-X線矢視位置における断面を模式的に示す図である。尚、
図8においては、ケース駆動部6の一部については図示が省略されている。次に、複数のケース5に充填された粉体を移動及び計量する各構成について説明する。
【0071】
図1、
図2、
図7、及び
図8に示すレール部材4は、計量対象である粉体を保持する複数のケース5をタンク部2の排出口20の真下に順番に移動させるための移動経路として設けられている。レール部材4はタンク部2の下方で環状に延びるように配置されている。レール部材4は、複数のケース5のスライド移動が容易に行うことができるように、摩擦抵抗の低い、例えば、ポリアミド樹脂、超高分子量ポリエチレン等で作製されている。レール部材4は、複数の支持柱40によって支持されている。レール部材4の周方向の一部分は、粉体が袋に充填されて計量される領域に配置された部分である充填計量部41として構成されている。また、レール部材4における、充填計量部41以外の部分は、固定レール部44を構成している。
【0072】
本実施形態におけるレール部材4は、内側レール部材42及び外側レール部材43として構成されている。内側レール部材42及び外側レール部材43は、同心状に配置されているとともに当該レール部材4の径方向において環状の空間を介して配置されて充填計量部41をそれぞれ含んで設けられている。
【0073】
内側レール部材42は、複数のケース5の内側部分を支持するために設けられている。また、外側レール部材43は、複数のケース5の外側部分を支持するために設けられている。
【0074】
充填計量部41は、計量対象である粉体を一つのケース5とともに降下させて計量するためにレール部材4の一部分として構成される部分である。充填計量部41は、タンク部2の排出口20の真下に配置された一つのケース5を支持する部分であり、内側レール部材42及び外側レール部材43のそれぞれの一部分として構成されている。
【0075】
充填計量部41は、
図1、
図2、
図8、
図10及び
図11に示すように、後述する昇降駆動部7によって支持されており、レール部材4の充填計量部41以外の部分である固定レール部44に対して降下可能となるように構成されている。即ち、固定レール部44と充填計量部41とは分離されて形成されており、固定レール部44は、複数の支持柱40に支持されて固定されているのに対し、充填計量部41は、昇降駆動部7によって高さ方向に上下駆動自在に支持されている。
【0076】
充填計量部41は、レール部材4の周方向に沿った両側の端部においてテーパ部分が形成されている。また、充填計量部41の両側の端部に対向して隣接する固定レール部44のレール部材4の周方向に沿った両側の端部においてもテーパ部分が形成されている。より具体的には、充填計量部41において、袋100が取り付けられた粉体を充填する前のケース5が配置されている側を上流、計量されたケース5が移動する側を下流とした場合、充填計量部41の両端部のテーパ部分は、上流側及び下流側の両側の上面に形成されている。また、充填計量部41の上流側及び下流側の両側のそれぞれの端部に隣接する固定レール部44の端部の上面においてもテーパ部分が形成されている。充填計量部41に形成されたテーパ部分と、固定レール部44に形成されたテーパ部分はいずれも、端部に向かうに従って高さ方向の寸法が小さくなるように形成されている。即ち、充填計量部41及び固定レール部44の上流側及び下流側の端部の高さ方向の寸法が、当該端部以外の部分の高さ方向の寸法よりも小さくなるように設定されている。このため、ケース駆動部6によって駆動されたケース5が充填計量部41と固定レール部44の間を通過した際においても、レール部材4上においてケース5を円滑に移動させることができる。
【0077】
[昇降駆動部の構成]
図8に示す、昇降駆動部7は、計量対象となるケース5を充填計量部41に載置した状態で上下に昇降するための部分として設けられている。昇降駆動部7は、充填計量部41を昇降自在に支持して上下方向に駆動する。本実施形態における昇降駆動部7は、レール部材4上を周方向に沿って複数のケース5を移動させる際において、充填計量部41を固定レール部44と同じ高さに保持する。また、昇降駆動部7は、複数のケース5のうち計量対象となる一つのケース5に粉体を充填するに際して、充填計量部41を固定レール部44よりも低い位置に降下させてケース5を計量器8に載置させるように構成されている。
【0078】
また、昇降駆動部7は、充填計量部41を支持しており、充填計量部41を上下方向に駆動するための機構として構成されている。粉体の充填計量装置1において、昇降駆動部7は、複数設けられている。そして、内側レール部材42の充填計量部41は、複数の昇降駆動部7によって支持されている。また、外側レール部材43の充填計量部41も、複数の昇降駆動部7によって支持されている。内側レール部材42の充填計量部41、及び外側レール部材43の充填計量41はそれぞれ、昇降駆動部7によって同期して上下駆動するように構成されている。昇降駆動部7のそれぞれは、油圧或いは空圧で駆動されるシリンダ機構として構成されている。昇降駆動部7は、ロッド70と、シリンダ本体71と、を有している。また、昇降駆動部7には、制御部9からの指令に基づいて作動し、シリンダ本体71における圧力室への油圧又は圧縮空気としての圧力媒体の給配を制御する電磁弁ユニット(図示省略)がそれぞれ設けられている。昇降駆動部7は、制御部9からの指令に基づいて電磁弁が切替られることでロッド70がシリンダ本体71から出退し充填計量部41の上下駆動が行われる。
【0079】
ロッド70は、シリンダ本体71から上方に向かって突出する。また、ロッド70は、下方に向かってシリンダ本体71に退避する。ロッド70は、上端部において充填計量部41を支持する。シリンダ本体71は、充填計量部41を支持するロッド70を収容する部分として構成されている。昇降駆動部7は、シリンダ本体71からロッド70が突出及び退避することで、充填計量部41を上下に昇降及び降下駆動させる。
【0080】
[ケースの構成]
図9は、
図1に示す粉体の充填計量装置1のうち粉体が充填されるケース5についてケース駆動部6の一部とともに模式的に示す斜視図である。
【0081】
複数のケース5は、袋100が設置された状態でタンク部2の排出口20から排出された粉体を収容するために設けられている。複数のケース5は、レール部材4上でその周方向に沿ってスライド移動自在に支持されている。より具体的には、複数のケース5のそれぞれは、レール部材4の径方向における内側において内側レール部材42にスライド移動自在に支持され、レール部材4の径方向における外側において外側レール部材43にスライド移動自在に支持されている。複数のケース5のそれぞれには、レール部材4に対する摺動性をより高めるため、底部の下面において樹脂製のライナーが取り付けられていてもよい。また、複数のケース5には、粉体が充填される袋100が開口した状態でそれぞれ取り付けられる。複数のケース5はそれぞれ、スライド底部50と、枠体51と、を有している。
【0082】
スライド底部50は、袋に充填した粉体を載置させてレール部材4上をスライド移動するための部分として設けられている。即ち、スライド底部50は、レール部材4に対してスライド移動自在に配置される。スライド底部50は、矩形の板状に形成されている。レール部材4に載置されたスライド底部50は、レール部材4の径方向の内側において挿通孔52を有している。
【0083】
挿通孔52は、回転駆動部6が連結される部分として設けられている。挿通孔52は、2つの孔として構成されている。挿通孔52のそれぞれには、後述するケース駆動部6から延びるアーム60の先端において設けられる複数のピン62が上下方向に沿って挿通される。
【0084】
枠体51は、粉体を充填する袋100の形状を保持した状態で取り付けるための部分として設けられている。枠体51は、スライド底部50の上側に設けられ、袋100が開口した状態で取り付けられる。枠体51は、平面視においてコの字状に形成されている。枠体51は、スライド底部50に対して溶接によって固定されている。枠体51は、内側板53と、一対の側板54と、押さえ枠55と、を有している。
【0085】
内側板53は、粉体が充填される際、枠体51に取り付けられた袋100がレール部材4の径方向の内側に倒れないように支持する部分として設けられている。内側板53は、スライド底部50の上方でレール部材4の径方向の内側に配置されている。内側板53は、1枚の平板状の部分として形成されている。
【0086】
一対の側板54は、内側板53に対して垂直な方向に広がる平板状の部分として設けられている。一対の側板54は、スライド底部50の上方でレール部材4の周方向の両側に配置されている。このため、内側板53と一対の側板54で構成される枠体51は、上方とレール部材4の径方向の外側とが開口した状態となっている。これにより、粉体を袋100に充填する作業を行う作業者は、枠体51に対して袋100を上方からだけでなく、レール部材4の径方向の外側からも容易に取り付けることも可能である。内側板53、及び、一対の側板54にはそれぞれ、枠受け56が設けられている。
【0087】
枠受け56は、押さえ枠55との間に袋100を挟み込むことで袋100を枠体51に固定するための部分として設けられている。枠受け56は、枠体51の外側の面に設けられている。より具体的には、枠受け56は、内側板53及び一対の側板54それぞれの上方において外方に延びるように設けられている。枠受け56は、枠体51の上端部に取り付けられる。
【0088】
押さえ枠55は、袋100を枠体51に保持するために、枠受け56に載置する部品として設けられている。押さえ枠55は、枠体51に袋100が取り付けられた状態で内側板53及び一対の側板54の端部に取り付けられて、袋100を枠体51に固定する。押さえ枠55は、4つの棒状部材が組み合わされた矩形状の枠として構成されている。押さえ枠55の棒状部材には、断面矩形状のものを使用してもよいし、断面円形状のものを使用してもよい。押さえ枠55は、袋100を挟むように枠受け56に嵌められて、内側板53及び一対の側板54に取り付けられる。
【0089】
作業者によって袋100が取り付けられたケース5は、タンク部2の下方において後述のケース駆動部6によって駆動されることでレール部材4の周方向に沿って移動されるように構成されている。そして、複数のケース5のうち一つのケース5がタンク部2の排出口20の真下に配置される。一方、タンク部2から粉体が充填されて計量が行われたケース5は、
図7において矢印で示す回転方向R2に、タンク部2の真下から離間するようにレール部材4の周方向に沿って移動されるように構成されている。
【0090】
[ケース駆動部の構成]
ケース駆動部6は、複数のケース5をレール部4上でその周方向にスライド移動させる部分として設けられている。ケース駆動部6は、レール部材4の内側に配置され、複数のケース5をそれぞれ上下に移動可能な状態で支持する。そして、ケース駆動部6は、複数のケース5をレール部材4の周方向に沿ってスライド移動させるように駆動する。ケース駆動部6による複数のケース5の移動速度は、可変可能であり、例えば、5m/minから10m/minの速度に設定される。ケース駆動部6は、複数のアーム60と、回転モータ61と、複数のピン62と、を有している。
【0091】
複数のアーム60は、回転モータ61の動力を複数のケース5に伝達するための部分として設けられている。複数のアーム60は、放射状に延びるとともに先端部で複数のケース5をそれぞれ上下に移動自在な状態で支持する。本実施形態における複数のアーム60は、平面視において周方向に等角度間隔で4つ設けられており、回転モータ61から水平方向に延びている。複数のアーム60の先端部は、ブロック状に形成されている。
【0092】
回転モータ61は、レール部材4の周方向に沿って複数のケース5を回転駆動させるための動力源として設けられている。回転モータ61は、円環状のレール部材4の中心位置に設置されている。回転モータ61は、複数のアーム60を回転駆動し、複数のケース5をレール部材4の周方向に沿ってスライド移動させるように駆動する。回転モータ61は、エンコーダを備えており、エンコーダによる回転モータ61の回転位置の検出結果が制御部9に送信されるように構成されている。
【0093】
複数のピン62は、複数のアーム60にケース5を連結するための部分として設けられている。複数のピン62は、複数のアーム60のそれぞれの先端部において、下方に延びるように設けられている。また、複数のピン62のそれぞれは、下方に向かうに従って縮径するようテーパ状に形成されている。即ち、複数のピン62のそれぞれは、スライド底部50の挿通孔52に対して挿抜自在な遊嵌状態で連結される。つまり、複数のピン62のそれぞれは、挿通孔52に対して上方から差し込まれ、スライド底部50が下方に降下した際、複数のピン62のそれぞれは、挿通孔52との間に隙間が生じるように構成されている。このため、複数のピン62のそれぞれがスライド底部50の挿通孔52に挿入された際においてスライド底部50の上下方向の動きは規制されない。
【0094】
更に、本実施形態における複数のピン62は2本のピンとして構成されており、複数のピン62が挿入される挿通孔52もスライド底部50において2つ形成されている。スライド底部50は、複数のピン62が挿入さる挿通孔52を有しているため、アーム60に連結された状態において回転方向の動きが規制される。
【0095】
[計量器の構成]
図10は、粉体の充填計量装置1の一部について模式的に示す図であって、充填計量部41が上方で保持された状態を示す側面図である。
図11は、粉体の充填計量装置1の一部について模式的に示す図であって、充填計量部41が下方で保持された状態を示す側面図である。尚、
図10、
図11は、
図8に示す粉体の充填計量装置1の一部に関して拡大して示している。
【0096】
計量器8は、袋100に充填された粉体の重量を計量するための重量測定器として設けられている。計量器8は、タンク部2から排出された粉体を受けるケース5の下方に配置されている。より具体的には、計量器8は、充填計量部41の下側の領域で充填計量部41の真下の位置からずれた位置に配置され、充填計量部41が降下した際に充填計量部41に配置されたケース5が載置される。計量器8は、内側レール部材42と外側レール部材43との間の空間部分に配置されている。より具体的には、計量器8は、内側レール部材42よりも径方向の外側の位置であって、外側レール部材43よりも径方向の内側の位置に配置されている。そして、計量器8の上面8aは、レール部材4の充填計量部41が降下する前の状態において、内側レール部材42の充填計量部41の上面41aよりも下方に位置している。一方、計量器8の上面8aは、レール部材4の充填計量部41が降下した際においては、内側レール部材42の上面41aよりも上側に位置している。そして、計量器8は、制御部9に接続されており、計量器8において検知されて計量された粉体の重量の計量値に関する重量検知信号が制御部9に送信されるように構成されている。
【0097】
[制御部]
図12は、
図1に示す粉体の充填計量装置1を制御する制御部9の構成について示すブロック図である。制御部9は、制御盤90と、操作盤91と、を有している。
【0098】
制御盤90は、粉体の充填計量装置1の動作を制御するための制御装置として設けられている。制御盤90は、CPU等のプロセッサ及びメモリを備えて構成されている。制御盤90は、吸引機13、レベルセンサ21、撹拌機モータ26、ロータリーバルブ23、開閉部モータ33、ケース駆動部6、昇降駆動部7、計量器8、に接続されている。
【0099】
制御盤90は、供給ホース15からタンク部2に粉体が供給されている際において、上側レベルセンサ21aからタンク部2内に貯留された粉体の量が所定量を超える旨の信号を受信すると、運転を停止させるための制御指令を吸引機13に送信する。そして、制御指令を受信した吸引機13が運転を停止することで、タンク部2内に舞う粉体の捕集が停止されるとともにタンク部2への粉体の供給が停止される。
【0100】
一方、制御盤90は、下側レベルセンサ21bからタンク部2内に貯留された粉体の量が所定量に満たない旨の信号を受信すると、警報を報知させる制御を行う。
【0101】
また、制御盤90は、タンク部2内の粉体が円滑に排出されるように撹拌機モータ26に運転制御指令を送信する。即ち、制御盤90は、撹拌機22に運転動作の指令を送信し撹拌機モータ26の回転制御を行う。制御盤90から制御指令を受信した撹拌機22は、タンク部2内の粉体を撹拌させる。
【0102】
また、制御盤90は、粉体を適切な速度で排出口20から排出するため、ロータリーバルブ23に回転速度を制御する制御指令を送信する。具体的には、制御盤90は、計量器8から受信した重量検知信号の値に応じて、ロータリーバルブ23に、ロータリーバルブモータ29の回転速度を変更する指令を送信する。制御盤90から制御指令を受信したロータリーバルブモータ29の回転速度が変更されタンク部2からの粉体の排出量が変更される。
【0103】
また、制御盤90は、充填計量部41がケース5とともに昇降駆動部7によって降下されケース5が計量器8に載置されると、重量検知信号を計量器8から受信する。その後、制御盤90は、計量器8に0点調整を行うよう指令を送信する。
【0104】
制御盤90は、計量器8からケース5が載置された信号を受信して0点調整が行われた後、開閉部3の開閉蓋32を開くよう開閉部モータ33に制御指令を送信する。制御盤90から制御指令を受信した開閉部3は、開閉蓋32を開く動作を行う。そして、粉体が、タンク部2からケース5に充填される。
【0105】
また、制御盤90は、計量器8からの重量検知信号を受信して粉体の重量が所定量に到達したと判断した場合、ロータリーバルブ23を停止させるとともに開閉蓋32を閉じるよう開閉部3に制御指令を送信する。
【0106】
制御部9は、エンコーダを備える回転モータ61から回転モータ61の回転位置信号を受信するように構成されている。制御部9では、その検知信号に基づいて回転モータ61の回転位置を検知し、ケース駆動部6の回転位置が検知できるように構成されている。そして、制御部9は、ケース駆動部6の回転位置の検知結果に基づいてケース駆動部6の回転位置を制御する。そして、制御盤90は、粉体の充填及び計量器8による計量が完了した後、ケース駆動部6に、粉体が充填されたケース5を充填計量部41から回転方向R2における下流側に移動させて、回転方向R2における上流側のまだ粉体が充填されていないケース5(以下において空のケース5と称する。)を充填計量部41に配置させるための制御指令を送信する。これにより、制御盤90は、粉体の計量が終了して充填計量部41が上昇駆動された後、複数のケース5をレール部材4の周方向に沿って移動させるようにケース駆動部6に制御指令を送信する。そして、計量されたケース5の一つ上流側の空のケース5が、ケース駆動部6によって充填計量部41上に移動される。
【0107】
また、制御盤90は、回転方向R2における上流側の空のケース5がタンク部2の下方の充填計量部41に配置されたとき、昇降駆動部7に対して、充填計量部41を降下させる制御指令を送信する。そして、制御指令を受信した昇降駆動部7は、ケース5を計量器8の上面8aに載置させるように降下させる。一方、制御盤90は、粉体の充填計量装置1による粉体の計量が終了した後、計量器8の信号に基づいて、昇降駆動部7に対して、充填計量部41及びケース5を上昇駆動させる制御指令を送信する。そして、制御指令を受信した昇降駆動部7は、充填計量部41をケース5とともに上昇させる。
【0108】
操作盤91は、作業者が制御盤90に指令を入力するための操作装置として設けられている。作業者による操作盤91の操作によって、粉体の充填計量装置1の運転が開始され、各機器の制御が開始される。また、作業者による操作盤91の操作によって、各機器の設定値を入力することが可能である。
【0109】
[粉体の充填計量装置の作動]
まず、作業者の操作によって粉体供給部10が作動し、タンク部2内に供給ホース15を介して粉体が供給される。また、作業者によって複数のケース5のそれぞれに袋100が開口した状態で取り付けられる。尚、ケース5への袋100の取り付けは、開口する枠体51の上方又は径方向の外側から行われ、枠体51に取り付けた袋100が外れないように枠受け56と押さえ枠55とで挟まれ固定される。
【0110】
図13は、本発明の一実施形態に係る粉体の充填計量装置1によって粉体の重量を計量する作動の一例を示すチャート図である。複数のケース5に袋100が取り付けられると粉体の充填計量装置による計量が行われる。本実施形態に係る粉体の充填計量装置1は、作業者による操作盤91の操作に基づいて開始される。このとき、袋100が設置されたケース5の一つがタンク部2の下方の充填計量部41にケース駆動部6によって移動される(ステップS1)。より具体的には、袋100が取り付けられた複数のケース5のうちの1つのケース5は、制御部9からの制御指令によってケース駆動部6の回転モータ61が回転することで、回転方向R2における上流側からレール部材4の周方向に沿ってケース駆動部6によって移動される。そして、回転方向R2における上流側からケース駆動部6によって移動されたケース5が、回転モータ61の回転位置の検知結果に基づいて充填計量部41に到達したことが検知されると、ケース駆動部6の回転モータ61が制御部9からの制御指令に基づいて停止する。これにより、複数のケース5のうち1つのケース5が、充填計量部41に配置される。
【0111】
次に、制御部9がケース駆動部6によってケース5が充填計量部41に配置された旨の信号を受信した後、制御部9からの制御指令によって昇降駆動部7が充填計量部41をケース5とともに降下させる(ステップS2)。
【0112】
そして、降下されたケース5は、充填計量部41の下方に配置されていた計量器8に載置される(ステップS3)。このときの内側レール部材42及び外側レール部材43の充填計量部41は、ケース5が載置される計量器8の上面8aよりも降下した位置で昇降駆動部7によって降下されるように構成されているため、ケース5のスライド底部50は、計量器8の上面8aに載置される。
【0113】
次に、計量器8にケース5が載置されると、計量器8から制御部9に重量検知信号が送信される。そして、重量検知信号を検知した制御部9は、計量器8にケース5及び充填計量部41が載置された状態での総重量を0(ゼロ)に設定する0点調整(ゼロ点調整)を行うよう0点調整指令を送信する。そして、計量器8の0点調整が行われ(ステップS4)、計量器8から制御部9に0点調整を行った旨の信号が送信される。
【0114】
計量器8の0点調整が行われた後、制御部9から開閉部3に制御指令が送信され、開閉部3の開閉蓋32が開かれる。そして、開閉蓋32が開かれることで、ケース5が充填計量部41に配置された状態で、開閉部3が排出口20を開放し、ケース5に取り付けられた袋100に粉体が充填される(ステップ5)。また、同時に計量器8による粉体重量の計量が行われる。尚、計量器8による粉体の重量に関する重量検知信号は、計量中継続して制御部9に送信される。
【0115】
ケース5への粉体の充填に際して行われる粉体重量の計量においては、設定された第1計量値に到達したか否かの判定が行われる(ステップ6)。尚、第1計量値は、粉体の重量が目標値に近づいた際、粉体の排出を減少させて目標値で正確に止めることができるための適切な値が設定される。ケース5に充填された粉体の計量値が第1計量値に到達しないと判定されている間(ステップS6、No)は、ケース5が取り付けられた袋100への粉体の充填が継続される。
【0116】
一方、計量値が第1計量値に到達したと判定された場合(ステップS6、Yes)は、ロータリーバルブ23のロータリーバルブモータ29の回転速度が減速される(ステップS7)。これにより、ケース5への粉体の充填速度が低下する。そして、ケース5への粉体の充填は、充填量が減じられた状態で継続される。尚、この間においても、計量器8からの重量検知信号は、制御部9に送信される。
【0117】
ケース5への粉体の充填は、ロータリーバルブモータ29の回転速度が減じられた状態で引き続き行われる。そして、次に、ケース5への粉体の充填に際し粉体の充填量が減じられてから所定時間が経過しているか否かの判定が行われる(ステップS8)。このとき、目標の粉体充填量を渡過していると判断される等で粉体の充填量が減じられてから所定時間が経過している場合(ステップ8、Yes)は、ロータリーバルブ23に制御信号が送信され、ロータリーバルブ23のロータリーバルブモータ29が停止されるとともに作業者に異常が報知される(ステップS9)。尚、粉体の充填量が減じられてから所定時間が経過し、異常警報されるとともにロータリーバルブ23が停止された後は、作業者の手作業によって粉体の量が調整され粉体の充填計量装置1による計量が終了する。そして、再び自動運転が開始される。
【0118】
一方、粉体の充填量が減じられてから所定時間が経過していない場合(ステップ8、No)は、粉体の重量が設定された第2計量値に到達したか否かの判定が行われる(ステップS10)。そして、ケース5に充填された粉体の計量値が第2計量値に到達していないと判定された場合(ステップS10、No)は、再び粉体の充填量が減じられてから所定時間が経過しているか否かの判定が行われる(ステップS8)。尚、第2計量値は、各ケース5に取り付けられた袋100に充填する紛体の重量の目標値である。
【0119】
計量値が第2計量値に到達したと判定された場合(ステップS10、Yes)は、制御部9からロータリーバルブ23に制御信号が送信されロータリーバルブ23の運転が停止されるとともに開閉部3が閉じられて粉体の充填計量装置1による計量が終了する。
【0120】
上述の粉体の充填計量装置1による計量が終了すると、計量器8に載置された計量済みのケース5は、昇降駆動部7によって充填供給部41とともに上昇駆動される。そして、計量済みのケース5は、ケース駆動部6によってレール部材4の周方向に沿って回転方向R2における下流側に移動される。また、計量済みのケース5の移動に伴い、回転方向R2における上流側の袋100が取り付けられたケース5が充填計量部41に配置されることとなる。そして、本実施形態においては、引き続き上述のステップS1乃至S11の動作が繰り返されて、粉体の充填計量装置1によって4つのケース5に取り付けられた袋100に対しての粉体の充填及び計量が行われる。そして、4つのケース5に取り付けられた袋100に対しての粉体の充填計量装置1による充填及び計量が終了すると、作業者によって各ケース5から袋100が取り外される。
【0121】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態によると、粉体の充填計量装置1は、レール部材4と、複数のケース5と、ケース駆動部6と、昇降駆動部7と、計量器8と、を備えて構成されている。複数のケース5は、レール部材4の内側に配置されるケース駆動部6によってレール部材4の周方向に沿ってスライド移動される。そして、レール部材4の一部分である充填計量部41に配置されたケース5が充填計量部41とともに降下して計量器8に載置され、ケース5に取り付けられた袋100に粉体が充填されて計量される。このため、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができる。
【0122】
また、上記の粉体の充填計量装置1によると、レール部材4が、タンク部2の下方で環状に配置される。そして、複数のケース5は、環状のレール部材4の内側に配置されるケース駆動部6によって上下に移動可能な状態で支持されるとともに、レール部材4上で周方向に沿ってスライド移動自在に支持される。このため、上記の構成によると、環状のレール部材4の内側にケース駆動部6が配置されたコンパクトで簡素な構成で、複数のケース5を周方向に回転駆動する構成を実現することができる。よって、上記の構成によると、特許文献1、2に開示されたような構成、即ち、粉体が充填される袋100が取り付けられる容器等が複数設けられたターンテーブル機構の全体を回転駆動するような大型の回転駆動機構の構成は不要となり、装置の大型化を抑制することができる。また、昇降駆動部7は、レール部材4の周方向の一部分であって粉体が袋100に充填されて計量される領域に配置された部分である充填計量部41を昇降自在に支持して上下方向に駆動するように構成されている。そして、粉体の重量が、充填計量部41の下側の領域で充填計量部41の真下の位置からずれた位置に配置された計量器8によって計量される。このため、本実施形態によると、複数のケース5が周方向にスライド移動するレール部材4の一部分のみをケース5とともに昇降するコンパクトで簡素な構成で、ケース5に取り付けられた袋100に充填される粉体を計量する構成を実現することができる。よって、本実施形態によると、特許文献1、2に開示されたような構成、即ち、複数のポットを支持した上段のターンテーブルの全体が下降して下段のターンテーブルに支持された計量器で粉体の計量が行われるような計量のための大型の昇降駆動機構の構成は不要となり、装置の大型化を抑制することができる。
【0123】
また、本実施形態によると、環状のレール部材4が一段で設けられ、レール部材4の周方向に沿って複数のケース5を駆動するケース駆動部6が、レール部材4の内側に配置される。更に、レール部材4の一部分が降下し、その下側の領域に配置された計量器8によって、粉体の重量が計量される。このため、本実施形態によると、装置全体を、高さ方向に小型化することができる。そして、粉体の充填計量装置1を全体的に簡素な構造で実現でき、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる。尚、本実施形態によると、特許文献1、2に開示されたような構成、即ち、上下2段のターンテーブルを有して上段のターンテーブルが下降して粉体の重量を計量するような高さ方向に大型化した構成は不要となるため、特に装置を高さ方向に小型化することができる。
【0124】
また、本実施形態によると、レール部材4の周方向に沿ってスライド移動する複数のケース5のうち1つのみを充填計量部41に配置させた状態で、ケース5とともに充填計量部41を降下させて計量器8にケース5を載置して粉体の重量を計量することができる。よって、本実施形態によると、複数のケース5にそれぞれ取り付けられた袋100に対して連続的に粉体を充填して計量する際においても、複数の計量器8が不要となり、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる。
【0125】
従って、本実施形態によると、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができるとともに、装置の大型化を抑制でき、特に装置を高さ方向に小型化でき、更に、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる、粉体の充填計量装置を提供することができる。
【0126】
また、本実施形態によると、複数のケース5が、環状の空間を介して同心状に配置された内側レール部材42及び外側レール部材43によってスライド移動自在に支持される。このため、レール部材4の周方向に沿ってスライド移動する複数のケース5を、内側レール部材42及び外側レール部材43によって、レール部材4の径方向における内側と外側の両側で安定した状態で支持することができる。また、内側レール部材42及び外側レール部材43のみを使用した少ない部材で効率よく複数のケース5をレール部材4の周方向に沿ってスライド移動自在に支持することができる。また、内側レール部材42及び外側レール部材43の間の環状の空間の下方に計量器8を配置することで、内側レール部材42及び外側レール部材43の充填計量部41の降下時に、ケース5を容易に計量器8に載置することができる。
【0127】
また、本実施形態によると、ケース駆動部6を、放射状に延びて先端部で上下移動自在にケース5を支持する複数のアーム60を回転モータ61で回転駆動する簡素な構造で実現することができる。また、ケース駆動部6が、放射状に延びるアーム60を回転モータ61で回転する簡素な構造で構成されているため、ケース駆動部6のメンテナンスも容易に行うことができる。
【0128】
また、本実施形態によると、アーム60の先端部に複数のピン62を設け、複数のピン62が挿通される複数の挿通孔52がケース5に設けられた簡素な構成で、アーム60の先端部で上下移動自在にケース5を支持する構成を実現することができる。また、ケース駆動部6によってケース5がレール部材4の周方向に沿ってスライド移動される際、複数のピン62がそれぞれのケース5の挿通孔52に挿通されていることでケース5がアーム60に対して回転しないように安定した状態で保持される。
【0129】
また、本実施形態によると、レール部材4に配置されるスライド底部50に対して袋取付用の枠体51が設けられた簡素な構造で、レール部材4に沿ってスライド移動するとともに袋100が取り付けられるケース5を容易に実現することができる。
【0130】
また、本実施形態によると、ケース5は、内側板53と一対の側板54とを有する枠体51がスライド底部50の上方に設けられて構成される。このため、ケース5は、底側と、レール部材4の径方向の内側と、レール部材4の周方向の両側とが仕切られ、上側とレール部材4の径方向の外側とが開放されて開口した構造となる。このため、袋100をケース5に取り付ける作業が行われる際、その作業を行う作業者は、開口する枠体51の上方及び径方向の外側から容易に袋100を取り付けることができる。また、上記の構成によると、袋100が開口して取り付けられた状態で内側板53及び一対の側板54の端部に取り付けられて袋100を固定する押さえ枠55が更に備えられている。このため、ケース5に取り付けた袋100を押さえ枠55で確実に固定することができ、袋100が枠体51から外れてしまうことを防止することができる。
【0131】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る粉体の充填計量装置1Aについて説明する。
図14は、本発明の第2実施形態に係る粉体の充填計量装置1Aについて模式的に示す斜視図である。
図15は、粉体の充填計量装置1Aにおける複数のケース(5、5A)としての複数の第1のケース5及び複数の第2のケース5Aを模式的に示す斜視図である。
図16は、粉体の充填計量装置1Aについて、複数の第1のケース5に袋100を取り付けた状態で模式的に示す斜視図である。
図17は、粉体の充填計量装置1Aについて、複数の第2のケース5Aに袋100Aを取り付けた状態で模式的に示す斜視図である。第2実施形態の粉体の充填計量装置1Aは、第1実施形態の粉体の充填計量装置1と同様に、袋(100、100A)に粉体を充填して計量するための装置として構成されている。尚、以下の第2実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる点について説明し、前述の第1実施形態と同様の構成或いは対応する構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
【0132】
図14乃至
図17に示す粉体の充填計量装置1Aは、第1実施形態の粉体の充填計量装置1と同様に、粉体供給部10と、タンク部2と、開閉部3と、粉体集塵部11と、レール部材4と、複数のケース(5、5A)と、ケース駆動部6と、昇降駆動部7と、計量器8と、制御部9と、を備えて構成されている。しかし、粉体の充填計量装置1Aは、計量器8が搬出入可能な搬出入口101が設けられている点と、複数のケース(5、5A)がケース駆動部6に対して着脱可能に取り付けられる点とにおいて、粉体の充填計量装置1とは異なっている。
【0133】
粉体の充填計量装置1Aは、レール部材4の一部として構成された充填計量部41の下方において、計量器8の搬出入のための搬出入口101が設けられている。本実施形態では、搬出入口101は、外側レール部材43における充填計量部41の一部を構成する部分の下方における開放された領域として構成されている。そして、搬出入口101は、外側レール部材43の外側から内側に向かって計量器8を搬入可能であるとともに外側レール部材43の内側から外側に向かって計量器8を搬出可能なように開口して設けられている。
【0134】
粉体の充填計量装置1Aは、計量器8が搬出入口101から搬出入可能に設けられている。このため、粉体の充填計量装置1Aにおいては、計量器8を単独で交換することができる。粉体の充填計量装置1Aにおいて計量器8が設置される際には、計量器8は、搬出入口101を介して搬入される。そして、搬出入口101から搬入された計量器8は、充填計量部41の下側の領域で充填計量部41の真下の位置からずれた所定の位置に配置される。尚、充填計量部41の下側の領域で充填計量部41の真下の位置からずれた所定の位置は、充填計量部41が昇降駆動部7によって駆動されて降下した際に充填計量部41に配置されたケース(5、5A)が載置される位置となる。計量器8は、搬出入口101から搬入されて上記の所定の位置に配置されると、制御部9に接続される。計量器8は、制御部9に接続されることで、計量した粉体の重量の計量値に関する重量検知信号を制御部9に送信するように構成されている。また、計量器8が粉体の充填計量装置1Aから取り出される場合には、制御部9との接続が解除された状態で、上記の所定の位置から取り出され、搬出入口101を介して外側レール部材43の外側へと搬出される。
【0135】
また、粉体の充填計量装置1Aは、複数のケース(5、5A)として、ケース駆動部6の複数のアーム60に対して交換可能に取り付けられる複数の第1のケース5と複数の第2のケース5Aとを有している。尚、本実施形態では、複数の第1のケース5(複数のケース5)として4つの第1のケース5(4つのケース5)が設けられて、複数の第2のケース5A(複数のケース5A)として4つの第2のケース5A(4つのケース5A)が設けられた粉体の充填計量装置1Aを例示している。粉体の充填計量動作が行われる際には、計量される粉体の種類に応じて、複数の第1のケース5及び複数の第2のケース5Aのうちのいずれかが、粉体の充填計量装置1Aに取り付けられる。尚、
図16では、複数の第1のケース5が粉体の充填計量装置1Aに取り付けられた状態を示しており、
図17では、複数の第2のケース5Aが粉体の充填計量装置1Aに取り付けられた状態を示している。
【0136】
図14乃至
図16に示す複数の第1のケース5は、第1実施形態の複数のケース5と同様に、レール部材4上でその周方向に沿ってスライド移動自在に支持されるとともに、粉体が充填される袋100が開口した状態でそれぞれ取り付けられるように構成されている。
【0137】
複数の第1のケース5のそれぞれは、第1実施形態のケース5と同様に構成されるスライド底部50と枠体51とを有している。第1のケース5のスライド底部50は、レール部材4に対してスライド移動自在に配置される矩形の板状に形成されている。そして、スライド底部50には、ケース駆動部6のアーム60の先端部に設けられる複数の(本実施形態では、2つの)ピン62が挿通される複数の(本実施形態では、2つの)挿通孔52が設けられている。第1のケース5の枠体51は、スライド底部50の上側に設けられ、袋100が開口した状態で取り付けられるように構成されている。そして、枠体51は、第1の実施形態のケース5の枠体51と同様に、内側板53と、一対の側板54と、押さえ枠55と、を有している。
【0138】
図15及び
図17に示す複数の第2のケース5Aは、複数の第1のケース5と同様に、レール部材4上でその周方向に沿ってスライド移動自在に支持されるとともに、粉体が充填される袋100Aが開口した状態でそれぞれ取り付けられるように構成されている。ただし、第2のケース5Aに取り付けられる袋100Aは、第1のケース5に取り付けられる袋100とはサイズが異なっている。尚、本実施形態では、第2のケース5Aに取り付けられる袋100Aが、第1のケース5に取り付けられる袋100よりもサイズが小さい形態を例示している。
【0139】
複数の第2のケース5Aのそれぞれは、スライド底部50と枠体51Aとを有している。第2のケース5Aのスライド底部50は、第1のケース5のスライド底部50と同様に構成され、レール部材4に対してスライド移動自在に配置される矩形の板状に形成されている。そして、スライド底部50には、ケース駆動部6のアーム60の先端部に設けられる複数の(本実施形態では2つの)ピン62が挿通される複数の(本実施形態では2つの)挿通孔52が設けられている。尚、第2のケース5Aのスライド底部50は、第1のケース5のスライド底部50と同一形状に形成されている。
【0140】
第2のケース5Aの枠体51Aは、スライド底部50の上側に設けられ、袋100Aが開口した状態で取り付けられるように構成されている。そして、枠体51Aは、内側板53Aと、一対の側板54Aと、押さえ枠55Aと、を有している。枠体51Aの内側板53A、一対の側板54A、及び押さえ枠55Aは、枠体51の内側板53、一対の側板54、及び押さえ枠55と同様の形状に形成されているが、枠体51の内側板53、一対の側板54、及び押さえ枠55に対してサイズが異なるように形成されている。より具体的には、内側板53Aは、内側板53に対してサイズが異なる相似形状に形成され、一対の側板54Aは、一対の側板54に対してサイズが異なる相似形状に形成され、押さえ枠55Aは、押さえ枠55に対してサイズが異なる相似形状に形成されている。このため、第2のケース5Aの枠体51Aと第1のケース5の枠体51とは、サイズが異なっている。尚、本実施形態では、枠体51Aと枠体51とは、互いに相似形状でサイズが異なるように構成されて、枠体51Aが枠体51よりもサイズが小さい形態を例示している。
【0141】
また、粉体の充填計量装置1Aにおいては、複数の第1のケース5(複数のケース5)のそれぞれは、ケース駆動部6の複数のアーム60のそれぞれに対して着脱自在に取り付けられるように構成されている。そして、粉体の充填計量装置1Aにおいては、複数の第2のケース5A(複数のケース5A)のそれぞれも、ケース駆動部6の複数のアーム60のそれぞれに対して着脱自在に取り付けられるように構成されている。
【0142】
図18は、粉体の充填計量装置1Aにおける第2のケース5Aとアーム駆動部6のアーム60とを模式的に示す斜視図である。
図19は、粉体の充填計量装置1Aにおいて第1のケース5をケース駆動部6のアーム60へ取り付ける動作を説明するための図である。
図14、
図16乃至
図19を参照して、粉体の充填計量装置1Aにおいては、ケース駆動部6の各アーム60の先端部には、下方に延びる複数の(本実施形態では、2つの)ピン62と、複数のピン62を保持するピン保持部63とが設けられている。
【0143】
ピン保持部63は、アーム60の先端部において矩形の板状に形成された部分として設けられ、複数のピン62のそれぞれが挿抜される複数の(本実施形態では、2つの)挿抜用孔63aが形成されている。即ち、複数のピン62のそれぞれは、各アーム60の先端部のピン保持部63に設けられた複数の挿抜用孔63aのそれぞれに対して、自在に挿入されるとともに自在に抜き取られるようにも構成されている。そして、ピン保持部63は、複数のピン62が複数の挿抜用孔63aにそれぞれ挿入されることで複数のピン62を保持するように構成されている。
【0144】
複数のピン62は、ピン保持部63の複数の挿抜用孔63aにそれぞれ挿入されることで、ピン保持部63に対して着脱自在な状態で取り付けられる。尚、本実施形態では、各ピン62には、直線状に延びる軸部62aと、軸部62aの一端部に設けられて軸部62aに対して一体に固定された頭部62bとが設けられている。
【0145】
ピン62の軸部62aは、頭部62bが固定された根本側と反対側の先端側に向かって縮径してテーパ状に細くなるように形成されている。そして、ピン62は、軸部62aの先端側から、ピン保持部63の挿抜用孔63aに挿入される。また、軸部62aにおける頭部62bが固定された根本側の外周部分には、オネジを構成するねじ溝が形成されている。そして、ピン保持部63の挿抜用孔63aの内周には、軸部62aの根本部分に設けられたオネジに螺合するメネジを構成するねじ溝が形成されている。ピン62は、挿抜用孔63aに対して軸部62aの根本側まで挿入されると、挿抜用孔63aと螺合し、ピン保持部63に対して係合した状態で取り付けられる。
【0146】
また、ピン62の頭部62bは、軸部62aの根本部分よりも直径が大きい円盤状の部分として設けられている。即ち、頭部62bは、軸部62aに対してフランジ状に拡径した部分として設けられている。そして、頭部62bは、ピン62が挿抜用孔63aに対して軸部62aの根本側の奥まで挿入されると、ピン保持部63における挿抜用孔63aの縁部分と当接するように構成されている。
【0147】
ここで、
図19を参照して、ケース(5、5A)のアーム60への着脱動作について更に説明する。尚、
図19では、第1のケース5がケース駆動部6のアーム60へ取り付けられる形態を例示しているが、第2のケース5Aがケース駆動部6のアーム60へ取り付けられる形態も同じ形態で実施される。
【0148】
図19(A)に示すように、アーム60に第1のケース5(又は第2のケース5A)が取り付けられる際には、まず、ピン保持部63から複数のピン62が抜き取られて取り外される。そして、ピン保持部63から複数のピン62が取り外されている状態で、
図19(A)において矢印X1で示すように、袋100(又は袋100A)が取り付けられた第1のケース5(又は第2のケース5A)がピン保持部63に向かって移動させられる。第1のケース5(又は第2のケース5A)は、レール部材4上で、スライド底部50における複数の挿通孔52が設けられている部分がピン保持部63の下方に位置した状態となるまで、移動させられる。そして、第1のケース5(又は第2のケース5A)は、スライド底部50の複数の挿通孔52がピン保持部63の複数の挿抜用孔63aに対して上下方向において並んだ状態で、レール部材4上に配置される。この状態では、
図19(B)に示す状態となる。
【0149】
スライド底部50の複数の挿通孔52とピン保持部63の複数の挿抜用孔63aとが上下に並んだ状態で第1のケース5(又は第2のケース5A)がレール部材4上に配置されると、
図19(B)において矢印X2で示すように、複数のピン62がピン保持部63の複数の挿抜用孔63aにそれぞれ挿入される動作が行われる。複数のピン62が複数の挿抜用孔63aにそれぞれ挿入されると、複数の挿抜用孔63aと複数の挿通孔52とは上下に並んでいるため、複数のピン62は、複数の挿通孔52にも挿入される。各挿抜用孔63a及び各挿通孔52に挿入された各ピン62は、各挿抜用孔63aの内周のメネジに螺合することで、ピン保持部63に係合して保持される。これにより、
図19(C)に示すように、第1のケース5(又は第2のケース5A)がアーム60に対して取り付けられる。また、
図19(C)に示すように第1のケース5(又は第2のケース5A)がアーム60に対して取り付けられた状態では、複数のピン62は、複数の挿抜用孔63aに対しては螺合しているが、複数の挿通孔52に対しては上下に相対変位可能に挿通されている。このため、第1のケース5(又は第2のケース5A)は、ケース駆動部6に対して上下に移動可能な状態で支持されている。
【0150】
一方、アーム60から第1のケース5(又は第2のケース5A)が取り外される際には、上記とは逆の動作が行われる。まず、複数のピン62のピン保持部63への螺合が解除され、複数のピン62がピン保持部63から抜き取られる。そして、ピン保持部63から複数のピン62が抜き取られると、次いで、第1のケース5(又は第2のケース5A)が、ピン保持部63から離れる方向に移動させられ、第1のケース5(又は第2のケース5A)が粉体の充填計量装置1Aから取り外される。これにより、第1のケース5(又は第2のケース5A)の取り外し動作が完了する。
【0151】
上記のように、粉体の充填計量装置1Aにおいては、複数のピン62が、ピン保持部63の複数の挿抜用孔63aにそれぞれ挿入されるとともに第1のケース5(又は第2のケース5A)の複数の挿通孔52にそれぞれ挿通されることで、複数の第1のケース5(又は第2のケース5A)のそれぞれが、複数のアーム60のそれぞれに対して着脱可能に取り付けられる。
【0152】
上述した粉体の充填計量装置1Aによると、第1実施形態の粉体の充填計量装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、第2実施形態によると、粉体の充填計量動作を連続的に効率よく行うことができるとともに、装置の大型化を抑制でき、特に装置を高さ方向に小型化でき、更に、構造の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる、粉体の充填計量装置1Aを提供することができる。
【0153】
また、粉体の充填計量装置1Aによると、各ケース(5、5A)が各アーム60に対して着脱可能に取り付けられるため、各ケース(5、5A)の各アーム60への単独での取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。このため、各ケース(5、5A)を各アーム60から取り外した状態で各ケース(5、5A)に袋(100、100A)を開口した状態で取り付けて、各ケース(5、5A)を各アーム60に取り付けることができ、ケース(5、5A)への袋の装着を容易に行うことができる。そして、粉体を袋(100、100A)に充填して計量した後、粉体が充填された袋(100、100A)が装着されたケース(5、5A)をアーム60から取り外すことができる。このため、粉体が袋(100、100A)に充填されてケース(5、5A)に支持された状態のまま、袋(100、100A)に充填された粉体をケース(5、5A)ごと搬出して運搬することができ、充填計量動作後の粉体の搬出及び運搬を容易に行うことができる。また、第2実施形態によると、粉体の充填計量装置1Aにおいて、ケース(5、5A)が着脱可能に取り付けられるため、ケース(5、5A)を単独で交換することができる。このため、粉体の充填計量装置1Aにおいて、袋(100、100A)に充填されて計量される対象としての粉体の種類に応じて、異なる種類のケース(5、5A)を交換して取り付けることができる。
【0154】
また、粉体の充填計量装置1Aによると、アーム60の先端部のピン保持部63の挿抜用孔63aに挿入されたピン62がケース(5、5A)の挿通孔52に挿通されることで、ケース(5、5A)が容易にアーム60の先端部に着脱自在に取り付けられる。そして、ピン62がケース(5、5A)の挿通孔52とピン保持部63の挿抜用孔63aとから抜き取られることで、ケース(5、5A)を容易にアーム60の先端部から取り外すことができる。このため、粉体の充填計量装置1Aによると、アーム60の先端部でピン62を介して上下移動自在にケース(5、5A)が支持される構成において、各ケース(5、5A)を各アーム60に対して着脱可能に取り付けることができ、各ケース(5、5A)の各アーム60への単独での取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0155】
また、上述の第2実施形態によると、粉体の充填計量装置1Aにおいて、袋(100、100A)に充填されて計量される対象としての粉体の種類に応じて、枠体(51、51A)のサイズが異なる第1のケース5と第2のケース5Aとのいずれかを選択して取り付けることができる。このため、粉体の種類に適切に応じたサイズのケース(5、5A)を用いて粉体の充填計量動作を行うことができる。例えば、袋(100、100A)に充填されて計量される対象としての粉体のかさ密度が大きく異なるような場合であっても、かさ密度に応じたサイズのケース(5、5A)を適切に選択して、粉体の充填計量動作を行うことができる。よって、第2実施形態によると、多種多様な粉体の充填計量動作に容易に対応することができる、粉体の充填計量装置1Aを提供することができる。
【0156】
また、粉体の充填計量装置1Aによると、計量器8を搬出入口101から搬入することで、充填計量部41の下側の領域で充填計量部41の真下の位置からずれた位置である計量器8の設置位置に計量器8を単独で容易に設置することができる。そして、計量器8を搬出入口101から搬出することで、計量器8の設置位置から計量器8を単独で容易に取り出すことができる。このため、粉体の充填計量装置1Aにおいて、計量器8を単独で交換することができる。これにより、計量される対象としての粉体の種類に応じて、計量範囲或いは計量精度等の計量性能が異なる計量器8を適切に選択して、粉体の充填計量動作を行うことができる。例えば、袋(100、100A)に充填されて計量される対象としての粉体のかさ密度が大きく異なるような場合であっても、かさ密度に応じた計量性能の計量器8を適切に選択して、粉体の充填計量動作を行うことができる。よって、第2実施形態によると、多種多様な粉体の充填計量動作に容易に対応することができる、粉体の充填計量装置1Aを提供することができる。
【0157】
(変形例)
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は上述の第1及び第2実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例が実施されてもよい。
【0158】
(1)前述の第1及び第2実施形態では、複数のアーム60は、平面視において周方向に等角度間隔で4つ設けられており、回転モータ61から水平方向に延びている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、回転モータ61から延びる複数のアーム60が、回転モータ61と一体に形成され平面状に広がるように形成された形態が実施されてもよい。また、平面視において角が4つのケース5又はケース5Aに対して連結されるような矩形状に形成された形態が実施されてもよい。
【0159】
(2)前述の第1及び第2実施形態では、枠体51又は枠体51Aは、平面視においてコの字状に形成されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、スライド底部50の上側において棒状の部材を上方に延びるように複数設置した形態が実施されてもよい。これにより、作業者は、複数の棒状の部材で構成された枠体51又は枠体51Aに、袋100又は袋100Aを取り付けることができる。
【0160】
(3)前述の実施形態では、枠受け56が、内側板53及び一対の側板54それぞれの上方において外方に延びるように設けられており、押さえ枠55が載置される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、押さえ枠55が枠体51の上端部の縁部分に直接に嵌められるものであってもよい。即ち、枠体51に枠受け56が設けられない形態であってもよい。
【0161】
(4)前述の第1及び第2実施形態では、複数のケース5又は複数のケース5Aが、4つのケース5又は4つのケース5Aから構成される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、複数のケース5又は複数のケース5Aが、2つ、3つ、或いは5つ以上用いられる形態が実施されてもよい。
【0162】
(5)前述の第1及び第2実施形態では、複数のピン62のそれぞれが、下方に向かうに従って縮径するようテーパ状に形成されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、複数のピン62のそれぞれが、挿通孔52に対して挿抜自在な遊嵌状態で連結されればよく、例えば、複数のピン62の外径が挿通孔52の穴径よりも小さい一定の太さで形成されるものであってもよい。
【0163】
(6)前述の実施形態では、ケース駆動部6がアーム60の先端において複数のケース5又は複数のケース5Aを上下に移動自在な状態で支持する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、上下方向に延びる複数本のガイドレールがアームの先端部に設けられ、このガイドレールに対してスライド移動自在に取り付けられるガイドブロックがケース5又はケース5Aに対して取り付けられるものであってもよい。
【0164】
(7)前述の実施形態では、開閉部3が、開閉蓋32が蓋収容部34から出退するようにラックランドピニオン機構が用いられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、開閉部3は、開閉蓋32を排出口20に対してスライド移動可能な構成であればよく、例えば、開閉蓋32がエアー又は油圧シリンダによって開閉動作するシリンダ機構が用いられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明は、粉体を袋に充填し、袋に充填した粉体を計量する、粉体の充填計量装置に関して、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0166】
1 粉体の充填計量装置
2 タンク部
20 排出口
4 レール部材
41 充填計量部
5 複数のケース
6 ケース駆動部
7 昇降駆動部
8 計量器
100 袋