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特許7268002タバコを燃やすことなく加熱する装置用の植物抽出物を含む再構成植物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】タバコを燃やすことなく加熱する装置用の植物抽出物を含む再構成植物
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20230425BHJP
   A24B 15/12 20060101ALI20230425BHJP
   A24B 15/24 20060101ALI20230425BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230425BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/12
A24B15/24
A24F40/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020512600
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018073389
(87)【国際公開番号】W WO2019043119
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】1757991
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518100443
【氏名又は名称】エスダブリュエム・ルクセンブルク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・ランブラン
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ルイヤール
(72)【発明者】
【氏名】メン・ジュン・チェン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/051034(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/097840(WO,A1)
【文献】特公昭53-014640(JP,B2)
【文献】特表2013-523163(JP,A)
【文献】特開平08-098672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/16
A24B 15/12
A24B 15/24
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物繊維を含む繊維基材
アロゾル生成剤、及び
植物抽出物
を含む、タバコを燃やすことなく加熱する装置において使用するための再構成植物葉混合物であって、
植物繊維が、葉混合物の乾物質量で40%~75%であり、
植物抽出物が、葉混合物の乾物質量で7%~45%であり、
植物がタバコ植物ではなく、
前記エアロゾル生成剤が、葉混合物の乾物質量で8%~30%であることを特徴とする、再構成植物葉混合物
【請求項2】
前記エアロゾル生成剤が、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸、グリセリルジアセテート、グリセリルトリアセテート、クエン酸トリエチル、若しくはミリスチン酸イソプロピル、又はその混合物である、請求項1に記載の再構成植物葉混合物
【請求項3】
前記植物繊維が、前記再構成植物葉混合物の乾物質量で50%~60%である、請求項1又は2に記載の再構成植物葉混合物
【請求項4】
前記植物が、胞子産生植物、種子産生植物、又はその混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物。
【請求項5】
前記種子産生植物は、食用植物、芳香植物、香料植物、薬用植物、アサ(Cannabaceae)科の植物、又はその混合物から選択される、請求項4に記載の再構成植物葉混合物。
【請求項6】
前記植物は、ユーカリ、ウイキョウ、八角、ルイボス、ハッカ、及びセイヨウハッカからなる群から選択される、請求項5に記載の再構成植物葉混合物。
【請求項7】
前記植物は、ルイボスである、請求項6に記載の再構成植物葉混合物。
【請求項8】
坪量200g/m2満を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物。
【請求項9】
植物粒子、タバコ粒子、又はその混合物から選択される粒子を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物を含む再構成葉のブレンド。
【請求項11】
タバコと、請求項1から8のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物から選択される少なくとも1種の葉とを含む再構成葉/タバコの混合物。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物を製造する製紙方法であって、以下の工程:
物繊維を抄紙機に通して、植物ベースウェブを構成する工程と
アロゾル生成剤、及び植物抽出物を、前記植物ベースウェブに取り込む工程と
を含む、製紙方法。
【請求項13】
請求項1から8のいずれか一項に記載の再構成植物葉混合物の、加熱装置における、使用。
【請求項14】
前記装置が、タバコを燃やすことなく加熱する装置である、請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコを燃やすことなく、加熱する装置の分野にあり、植物繊維、エアロゾル生成剤、及び場合により、植物抽出物及び/又はタバコ抽出物を含む、製紙方法によって得られる繊維基材を含む、これらの加熱装置に好適な、再構成植物葉であって、植物がタバコ植物ではない、再構成植物葉に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのタバコ加熱装置が、タバコの燃焼中の、有害な成分の生成を避けるように開発されてきた。例として、こうした装置を説明する、番号WO2016/026810及びWO2016/207407で公開されている出願が挙げられる。これらの装置では、タバコを燃やすことなく、燃焼温度より低い温度まで加熱し、エアロゾルの生成をもたらす。タバコの加熱中に生成されたエアロゾルは、タバコの煙に取って代わり、興味深い官能特性を有し、使用者によって吸引される。これによって、使用者は、有害な成分への暴露を極めて有意に減らしながら、タバコの香りを吸引することができる。
【0003】
従来のタバコは、興味深い官能特性を有する、大量のエアロゾルを生成することができないので、こうした装置には適さない。再構成タバコは、興味深い官能特性を有する、大量のエアロゾルを生成することができるので、これらの加熱装置により適している。
【0004】
これらの加熱装置の使用者に、タバコのものとは異なる香りを提供することが、有益であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO2016/026810
【文献】WO2016/207407
【非特許文献】
【0006】
【文献】French Pharmacopoeia 2016年1月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、発明者らは、
- 植物繊維を含む繊維基材、及び
- エアロゾル生成剤
を含む再構成植物葉であって、
植物がタバコ植物ではなく、エアロゾル生成剤が、葉の乾物質量で8~50%に相当することを特徴とする、再構成植物葉を開発した。
【発明を実施するための形態】
【0008】
有利なことに、繊維基材は、芳香化合物を含み、そのために、再構成植物葉を加熱することによって生成されるエアロゾルが、使用者に対して、興味深い官能特性を有する。
【0009】
更に、エアロゾル生成剤は、本発明の再構成植物葉に、制御されて、均一に分布する。上記の制御及び均一性のために、再構成植物葉を加熱することによって生成されるエアロゾルの官能特性は、使用者にとって満足のいくものである。
【0010】
本明細書において、用語「繊維基材」は、精製された、非タバコ植物繊維及び/又はタバコ植物繊維を含むベースウェブを示し、ベースウェブは、製紙方法によって得られる。
【0011】
エアロゾル生成剤は、例えば、熱風に接触させて加熱する場合、エアロゾルを生成することが可能な化合物である。
【0012】
典型的には、エアロゾル生成剤は、ポリオール、非ポリオール、又はその混合物であってもよい。典型的には、ポリオール生成剤は、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、又はその混合物であってもよい。典型的には、非ポリオール生成剤は、乳酸、グリセリルジアセテート、グリセリルトリアセテート、クエン酸トリエチル、若しくはミリスチン酸イソプロピル、又はその混合物であってもよい。
【0013】
一実施形態によれば、エアロゾル生成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールとの混合物であり、グリセロールが好ましい。
【0014】
一実施形態によれば、エアロゾル生成剤は、葉の乾物質量で、10~40%、特に12~30%、より特定すると15~25%に相当する。
【0015】
一実施形態によれば、繊維基材は、植物抽出物、タバコ抽出物、又はその混合物から選択される抽出物を含む。
【0016】
植物抽出物は、植物の水溶性生成物の全てに対応する。有利なことに、植物抽出物は、官能特性及び/又は治療特性を有するエアロゾルを与える化合物を含む。
【0017】
タバコ抽出物は、タバコの水溶性生成物の全てに対応する。タバコ抽出物は、タバコの水溶性生成物を濃縮することによって得ることができる。タバコの水溶性生成物は、有利なことに、使用者にタバコの香りをもたらすことが可能な化合物を含む。
【0018】
本発明の葉に含まれる抽出物の、乾物質量による含有量を制御することが有利であり得る。実際、葉を加熱することによって生成されるエアロゾルの官能特性及び/又は治療特性は、ある程度この含有量によって決まる。
【0019】
本発明の葉に含まれる抽出物の、乾物質量による含有量は、上記葉の製造中に取り込まれる抽出物の量を制御することによって決定される。
【0020】
以下の方法を、本発明の葉に含まれる抽出物の、乾物質量による含有量を決定するのに用いることができる:
分析される葉を、粒度分布1mm以下になるように粉砕する。次いで、粉砕した葉を、沸騰水と45分間混合して、抽出物を抽出する。抽出物の、乾物質量による含有量を、分析される葉の試料の乾物質量と、抽出後の繊維質残渣の乾物質量との差によって計算する。
【0021】
一実施形態によれば、本発明の葉に含まれる抽出物の、乾物質量による含有量は、57%未満、特に7%~55%、より特定すると12~50%である。
【0022】
この実施形態によれば、本発明の葉の、抽出物の、乾物質量による含有量、及びエアロゾル生成剤の、乾物質量による含有量は、8~65%、特に10%~55%、より特定すると20~50%である。
【0023】
特定の一実施形態によれば、本発明の葉に含まれる抽出物の、乾物質量による含有量は、47%未満、特に7%~46%、より特定すると12%~45%である。
【0024】
この特定の実施形態によれば、本発明の葉の、抽出物の乾物質量による含有量、及びエアロゾル生成剤の乾物質量による含有量は、8%~55%、特に10%~46%、より特定すると20%~45%である。
【0025】
植物抽出物の乾物質量による含有量は、用いられる植物、より特定すると、用いられる植物の治療特性を有する化合物又は芳香化合物の含有量によって決まる。
【0026】
SPを、本発明の葉に含まれる植物抽出物の、乾物質量による含有量とする。典型的には、Spは、47%未満、特に7%~46%、より特定すると12%~45%であってもよい。
【0027】
タバコ抽出物の乾物質量による含有量は、用いられるタバコ、より特定すると、用いられるタバコの芳香化合物の含有量によって決まる。
【0028】
STを、本発明の葉に含まれるタバコ抽出物の、乾物質量による含有量とする。典型的には、STは、47%未満、特に7%~46%、より特定すると12%~45%であってもよい。
【0029】
特定の一実施形態によれば、タバコ抽出物の含有量STは、約15%、約17%、又は約21%である。
【0030】
典型的には、質量比SP:STは、95:5~5:95、特に75:25~25:75、より特定すると60:40~40:60、更により特定すると50:50であってもよい。
【0031】
特定の一実施形態によれば、質量比SP:STは、10:90~30:70であってもよい。
【0032】
典型的には、植物繊維は、再構成植物葉の乾物質量で30%~92%、特に、再構成植物葉の乾物質量で40%~75%、より特定すると、再構成植物葉の乾物質量で50%~60%に相当してもよい。
【0033】
典型的には、再構成植物葉は、坪量200g/m2未満、特に坪量20g/m2~150g/m2、より特定すると坪量40g/m2~140g/m2、更により特定すると坪量60g/m2~125g/m2を有する。
【0034】
一実施形態によれば、再構成葉の繊維基材は、植物粒子、タバコ粒子、又はその混合物から選択される粒子を更に含む。
【0035】
本明細書において、用語「粒子」は、0.01μm~200μm、特に0.025μm~100μm、更により特定すると0.05μm~50μmの大きさを有する粒子を示す。有利なことに、植物粒子は、官能特性及び/又は治療特性を有するエアロゾルを与える化合物を含む。有利なことに、タバコ粒子は、官能特性を有するエアロゾルを与える化合物を含む。
【0036】
典型的には、本発明の葉の粒子の、乾物質量による含有量は、0.1%~70%、特に5%~65%、より特定すると12%~60%である。
【0037】
一実施形態によれば、植物繊維は、部分的にタバコ繊維に置き換えられる。この実施形態によれば、再構成植物葉は、
- 植物繊維及びタバコ繊維を含む繊維基材、並びに
- エアロゾル生成剤
を含む混合再構成植物葉であって、
植物がタバコ植物ではなく、エアロゾル生成剤が、葉の乾物質量で8~50%に相当することを特徴とする、混合再構成植物葉である。
【0038】
典型的には、植物繊維及びタバコ繊維は、混合再構成植物葉の乾物質量で30%~92%、特に、混合再構成植物葉の乾物質量で40%~75%、より特定すると、混合再構成植物葉の乾物質量で50%~60%に相当してもよい。
【0039】
Rfを、混合再構成植物葉の、植物繊維のタバコ繊維に対する質量比とする。
【0040】
質量比RFは、植物、特に、用いられる植物部位、より特定すると、植物繊維の機械的強度特性によって決まる。典型的には、混合再構成植物葉の質量比RFは、90:10~10:90、特に75:25~25:75、より特定すると45:55~55:45、更により特定すると50:50であってもよい。
【0041】
典型的には、混合再構成植物葉は、坪量200g/m2未満、特に坪量20g/m2~150g/m2、より特定すると坪量40g/m2~140g/m2、更により特定すると坪量60g/m2~125g/m2を有する。
【0042】
一実施形態によれば、混合再構成植物葉の繊維基材は、抽出物を含む。抽出物は、再構成植物葉に関連して前述された通りである。
【0043】
一実施形態によれば、混合再構成植物葉の繊維基材は、粒子を更に含む。粒子は、再構成植物葉に関連して前述された通りである。
【0044】
一実施形態によれば、植物繊維は、完全にタバコ繊維に置き換えられる。この実施形態によれば、再構成植物葉は、
- タバコ繊維を含む繊維基材、
- エアロゾル生成剤、及び
- 植物抽出物
を含む混合再構成葉であって、
エアロゾル生成剤が、葉の乾物質量で8~50%に相当することを特徴とする、混合再構成葉である。
【0045】
混合再構成葉の植物抽出物は、再構成植物葉に関連して前述された通りである。
【0046】
典型的には、タバコ繊維は、混合再構成葉の乾物質量で30%~92%、特に、混合再構成葉の乾物質量で40%~75%、より特定すると、混合再構成葉の乾物質量で50%~60%に相当してもよい。
【0047】
典型的には、混合再構成葉は、坪量200g/m2未満、特に坪量20g/m2~150g/m2、より特定すると坪量40g/m2~140g/m2、更により特定すると坪量60g/m2~125g/m2を有する。
【0048】
一実施形態によれば、混合再構成葉の繊維基材は、タバコ抽出物を更に含む。混合再構成葉のタバコ抽出物は、再構成植物葉に関連して前述された通りである。
【0049】
一実施形態によれば、混合再構成葉の繊維基材は、粒子を更に含む。混合再構成葉の粒子は、再構成植物葉に関連して前述された通りである。
【0050】
タバコ繊維のために、混合再構成植物葉及び混合再構成葉は、再構成植物葉を加熱することによって生成されるエアロゾルとは異なる、官能特性を有するエアロゾルの生成を可能にすることができ、したがって、使用者に異なる香りをもたらすことができる。
【0051】
植物繊維、植物抽出物、及び植物粒子は、タバコ植物以外の植物から得ることができ、胞子産生植物、種子産生植物、又はその混合物から選択することができる。特に、植物は、食用植物、芳香植物、香料植物、薬用植物、アサ(Cannabaceae)科の植物、又はその混合物から選択される種子産生植物である。
【0052】
有利なことに、植物の混合物から得られる、植物抽出物及び植物粒子は、官能特性の広範のパネルをもたらすことを可能にする。植物の混合物は、植物、例えば、薬用植物の、不快な官能特性を、植物、例えば、芳香植物の、又は香料植物の、快い官能特性で相殺することも可能である。
【0053】
有利なことに、植物繊維を得るために植物を混合することにより、再構成植物葉の機械的特性及び/又はエアロゾルの官能特性若しくは化学的特性を適応させることが可能になる。
【0054】
典型的には、食用植物は、ニンニク、コーヒー、シナモン、ウイキョウ、生姜、甘草、八角、ルイボス、ステビア(Stevia rebaudiana)、茶、カカオの木、カモミール、マテ茶である。
【0055】
典型的には、芳香植物は、バジル、クルクマ、チョウジの木、月桂樹、オレガノ、ハッカ、ローズマリー、セージ、タイム、セイボリーである。
【0056】
典型的には、香料植物は、ラベンダー、バラ、ユーカリである。
【0057】
典型的には、薬用植物は、従来用いられる薬用植物のリストAの文書(医薬品保健製品安全庁(Agence Nationale de Securite du Medicament、ANSM)によって出版されたFrench Pharmacopoeia 2016年1月)に記載されたもの、又は治療特性を有する化合物を含むと知られている植物である。典型的には、列挙された薬用植物は、イチョウ、朝鮮人参、モレローチェリーの木、セイヨウハッカ、柳、及び赤色ブドウである。
【0058】
典型的には、治療特性を有する化合物を含むと知られている薬用植物には、ユーカリが挙げられる。
【0059】
植物が薬用植物である場合、再構成植物葉は治療特性を有することができる。したがって、治療法に用いることができる。
【0060】
特定の一実施形態によれば、植物は、ユーカリ、ウイキョウ、八角、ハッカ、又はセイヨウハッカである。
【0061】
典型的には、植物繊維、植物抽出物、及び植物粒子は、様々な植物部位に由来することができ、植物部位は、植物部位自体、又は様々な植物部位を処理して得たものである。典型的には、植物部位は、植物部位全体、又は植物部位を、脱穀したもの、若しくは混合したもの、切り刻んだものに由来する破片であってもよい。
【0062】
典型的には、植物繊維は、第1の植物から得ることができ、植物抽出物は、第2の植物から得ることができ、植物粒子は、第2の植物から、又は第3の植物から得ることができる。実際、植物の繊維は、官能特性を有するエアロゾルを与えないことがあるが、この植物の抽出物及び/又は粒子は、官能特性及び/又は治療特性を有するエアロゾルを与えることができる。逆に、植物の繊維は、官能特性を有するエアロゾルを与えることができるが、この植物の抽出物及び/又は粒子は、必要とされる官能特性及び/又は治療特性をもたらさないことがある。
【0063】
典型的には、植物部位は、再構成植物葉を加熱時に生成されるエアロゾルの官能特性を強化する化合物に最も富んだ植物部位であってもよい。典型的には、これらの部位は、植物全体、地上植物部位、例えば、花芽、枝の皮、幹の皮、葉、花、果実及びその花柄、種子、花弁、頭状花、若しくは地下部、例えば、球根、根、根皮、根茎、又はその混合物であってもよい。植物部位は、1種又は複数の植物部位を、機械的に、生物学的に、化学的に、機械化学的に、処理して得られたもの、例えば、豆の脱皮処理から得られる、カカオ豆を保護する殻であってもよい。
【0064】
例えば、食用植物の中で、ニンニクの球根、コーヒー「チェリー」、生姜の根茎、甘草の根、八角の果実、ウイキョウの果実、及びルイボスの葉、ステビアの葉、又は茶葉が、選択される部位であってもよい。
【0065】
芳香植物の中で、選択される部位は、例えば、チョウジの木の花芽(チョウジ)、バジルの葉、月桂樹の葉、及びセージの葉、ハッカの葉及び頭状花、オレガノの葉及び頭状花、ローズマリーの葉及び頭状花、タイムの葉及び頭状花、又はクルクマの根茎であってもよい。
【0066】
典型的には、香料植物の中で、ラベンダーの花及び頭状花、又はバラの花芽及び花弁を選択してもよい。
【0067】
French Pharmacopoeiaに列挙された薬用植物の中で、例えば、イチョウの葉、朝鮮人参の地下部分、モレローチェリーの木の果実の花柄(チェリーの茎)、セイヨウハッカの葉及び頭状花、柳の幹の皮及び葉、又は赤色ブドウの葉を選択してもよい。
【0068】
典型的には、植物の水溶性生成物及び植物繊維は、解離法によって得られる。こうした方法において、植物の水溶性生成物を抽出するために、1種又は複数の植物部位は、例えば蒸解釜で、水と混合される。次いで、植物の水溶性生成物は、例えば、スクリュープレスに通すことによって、植物繊維から分離されて、一方で、植物繊維、他方で、植物の水溶性生成物が単離され、得られる。したがって、この種の解離法において、植物繊維は、それらを分離して処理するために、植物の水溶性生成物から解離される。
【0069】
典型的には、植物の水溶性生成物を抽出するための、水の温度は、処理される植物部位に適応させることができる。例えば、水の温度は、葉又は花弁を処理する場合よりも、根又は樹皮を処理する場合でより高い。
【0070】
典型的には、水の温度は、30℃~100℃、特に40℃~90℃、より特定すると50℃~80℃であることができる。
【0071】
典型的には、植物抽出物は、解離法によって得られる、植物の水溶性生成物から、例えば、真空蒸発装置等の装置で植物の水溶性生成物を濃縮することによって得られる。
【0072】
タバコ繊維は、任意のタバコ植物(例えば、バージニア種タバコ、バレー種タバコ、空気乾燥タバコ、暗色空気乾燥タバコ、オリエント種タバコ、日干乾燥タバコ、熱風乾燥タバコ、又はタバコ混合物)から得ることができる。典型的には、タバコ繊維は、1種のタバコ植物又は様々なタバコ植物を処理することから得られる。
【0073】
典型的には、タバコ繊維は、タバコ植物の様々な部位から得ることができる。タバコ植物の部位は、タバコ植物自体の部位、又はタバコ植物の様々な部位を処理して得られたものであってもよい。典型的には、タバコの部位は、再構成混合葉を加熱時に生成されるエアロゾルの官能特性を強化する化合物に最も富んだ、タバコ植物の部位であってもよい。典型的には、タバコ植物の部位は、場合により、タバコ植物の茎(stem)を加えた、タバコの葉柄(stalk)、柔組織(葉身)であってもよい。典型的には、タバコ植物の部位は、タバコ植物の葉、又はスカフェルラッティ(scaferlati)(刻みたばこ)を製造するために、タバコ植物の葉若しくは葉脈を、脱穀したもの、若しくは混合したもの、切り刻んだものに由来する破片であってもよい。
【0074】
タバコ繊維は、植物繊維に関連して前述されたものと同様の解離法によって得ることができる。したがって、選択された、タバコ植物の、1種又は複数の部位は、タバコの水溶性生成物からタバコ繊維を解離するために、例えば、蒸解釜で、水と混合される。
【0075】
典型的には、水の温度は、タバコ植物の、1種又は複数の部位に適応させることができる。典型的には、水の温度は、30℃から90℃の間、例えば、30℃から70℃の間、又は50℃から90℃の間であってもよい。典型的には、タバコ植物の茎(stem)を処理するために、水の温度は、50℃から90℃の間であってもよい。典型的には、タバコ植物の柔組織(葉身)を処理するために、水の温度は、30℃から70℃の間であってもよい。
【0076】
典型的には、再構成植物葉の繊維基材、混合再構成植物葉の繊維基材、又は混合再構成葉の繊維基材は、セルロース植物繊維を更に含むことができる。
【0077】
セルロース植物繊維は、化学的、機械的、又は熱機械的な加熱プロセスによって得られる繊維、例えば、亜麻等の一年生植物の、又は例えば、サイザル麻等の多年生植物の、木材パルプ、麻繊維である。これらのセルロース植物繊維の混合物を用いることもできる。
【0078】
有利なことに、これらのセルロース植物繊維は、再構成植物葉の機械的強度特性を改善することができる。
【0079】
典型的には、セルロース植物繊維は、再構成植物葉の乾物質量で、混合再構成植物葉の乾物質量で、又は混合再構成葉の乾物質量で、0%~15%、特に5%~10%、より特定すると8%に相当してもよい。
【0080】
本発明の再構成植物葉は、以下の工程:
- 精製植物繊維を抄紙機に通して、植物ベースウェブを構成する工程
- エアロゾル生成剤、及び場合により、抽出物を、植物ベースウェブに取り込んで、本発明の再構成植物葉を製造する工程
を含む、製紙方法によって製造される。
【0081】
本発明の混合再構成植物葉は、同様の製紙方法によって製造され、異なる点は、抄紙機に通す前、又は抄紙機に通す間に、精製タバコ繊維を精製植物繊維と混合して、混合ベースウェブを構成することである。次いで、エアロゾル生成剤、及び場合により、抽出物を、混合植物ベースウェブに取り込んで、本発明の混合再構成植物葉を製造する。
【0082】
本発明の混合再構成葉は、同様の製紙方法によって製造され、異なる点は、精製植物繊維ではなく、精製タバコ繊維を抄紙機に通して、タバコベースウェブを構成することである。次いで、植物抽出物、エアロゾル生成剤、及び場合によりタバコ抽出物を、タバコベースウェブに取り込んで、本発明の混合再構成葉を製造する。
【0083】
典型的には、抽出物及びエアロゾル生成剤を、含浸又は噴霧によって、好ましくは含浸によって、植物ベースウェブに、混合植物ベースウェブに、又はタバコベースウェブに取り込むことができる。典型的には、含浸は、サイズプレスを用いて実施することができる。
【0084】
有利なことに、これらの技術によって、抽出物及びエアロゾル生成剤の、制御された、均一な取り込みが可能になる。この制御及び均一性のために、再構成植物葉、混合再構成植物葉、又は混合再構成葉を加熱することによって生成されるエアロゾルの官能特性は、使用者に不満をもたらさないように安定している。
【0085】
典型的には、抽出物及びエアロゾル生成剤を、植物ベースウェブ、混合植物ベースウェブ、又はタバコベースウェブに、順々に取り込むこともでき、混合して共に取り込むこともできる。
【0086】
典型的には、粒子を精製植物繊維に混合してから、上記精製植物繊維を抄紙機に通して、植物ベースウェブを構成することができる。
【0087】
典型的には、粒子を精製植物繊維及び精製タバコ繊維の混合物に混合してから、精製繊維の上記混合物を抄紙機に通して、混合ベースウェブを構成することができる。
【0088】
典型的には、粒子を精製タバコ繊維に混合してから、上記精製タバコ繊維を抄紙機に通して、タバコベースウェブを構成することができる。
【0089】
典型的には、精製植物繊維、精製タバコ繊維、又は精製植物繊維及び精製タバコ繊維の混合物を精製機に通す。精製植物繊維及び精製タバコ繊維を混合して、混合精製繊維を得ることもできる。次いで、精製植物繊維及び精製タバコ繊維を抄紙機に通して、植物ベースウェブ及びタバコベースウェブのそれぞれを構成することができる。混合ベースウェブは、精製繊維の混合物又は混合精製繊維を抄紙機に通すことによって構成される。
【0090】
特定の一実施形態によれば、タバコ植物の、1種又は複数の部位、及び非タバコ植物の、1種又は複数の部位は、タバコ植物の水溶性生成物及び非タバコ植物の水溶性生成物を抽出するために、例えば、蒸解釜で水と共に混合される。次いで、水溶性生成物は、例えば、スクリュープレスに通すことによって、タバコ繊維及び非タバコ植物繊維から分離されて、一方で、タバコ繊維及び非タバコ植物繊維の混合物、他方で、水溶性のタバコ植物生成物及び非タバコ植物生成物の混合物を得る。したがって、こうした方法において、繊維の混合物は、それらを分離して処理するために、水溶性生成物の混合物から解離される。典型的には、水溶性生成物の全て又は一部を濃縮して、抽出物、タバコ抽出物及び植物抽出物の混合物を得ることができる。繊維の混合物及び抽出物から始め、製紙方法によって、混合再構成植物葉を製造することが可能になる。タバコ植物の、1種又は複数の部位、及び非タバコ植物の、1種又は複数の部位の、初期量を調節することによって、繊維及び抽出物の、2種の解離法、一方はタバコ植物用、他方は植物用を並行して用いることなく、混合再構成植物葉を直接得ることが可能になることは、非常に有利である。
【0091】
典型的には、再構成植物葉、混合再構成植物葉、及び混合再構成葉は、一度に2種で、又は一度に3種で、混合して、再構成葉のブレンドを生成することができる。再構成葉のブレンドの、様々な葉の比率は、要求される官能特性によって決まることになる。
【0092】
有利なことに、再構成葉のブレンドは、使用者に、香りの、大規模なパネルをもたらすことができ、或いは、例えば、薬用植物の不快な香りを、タバコの香り、又は芳香植物の、若しくは香料植物の、快い香りで相殺することができる。
【0093】
典型的には、従来のタバコを、再構成植物葉、混合再構成植物葉、混合再構成葉、再構成葉の混合物、又はその混合物から選択される葉と混合して、再構成葉/タバコの混合物を生成することができる。再構成葉/タバコのブレンドの、様々な成分の比率は、要求される官能特性によって決まることになる。
【0094】
再構成植物葉、混合再構成植物葉、混合再構成葉、再構成葉の混合物、及び再構成葉/タバコのブレンドを切って、タバコのストリップと同様の、薄いシートにすることができる。
【0095】
次いで、再構成植物葉、混合再構成植物葉、混合再構成葉、及び再構成葉の混合物を、後で一巻きに切られることになる、ロールに巻くことができる。
【0096】
典型的には、再構成植物葉、混合再構成植物葉、混合再構成葉、再構成葉のブレンド、又は再構成葉/タバコのブレンドを、加熱装置で使用することができる。
【0097】
本明細書において、用語「加熱装置」は、消費者によって吸引されることになる、エアロゾルを生成することが可能な、任意の装置を示す。典型的には、タバコを燃やすことなく加熱する装置が、加熱装置である。
【0098】
典型的には、加熱装置は、空気流の方向に、吸気口、加熱素子、ストランドの形態の、断片の形態の、又はクレープ状シートの形態の、再構成植物葉、混合再構成葉、再構成葉のブレンド、又は再構成葉/タバコのブレンドから選択されるエアロゾル生成物質を受け、保持するためのチャンバー、並びに使用者の口に入れることになる排気口を備える。吸気口、加熱素子、チャンバー、及び排気口は、典型的には、少なくとも流体的に接続される。
【0099】
典型的には、加熱装置を用いる場合、空気は、使用者によって、吸気口を介して加熱装置に吸引され、次いで、吸引された空気は、加熱された部分を通って加熱された空気が得られ、チャンバーに保持されたエアロゾル生成物質と接触し、エアロゾルが加熱された空気によって生成され、使用者によって吸引される。
【0100】
植物抽出物、場合によりタバコ抽出物は、生成されたエアロゾルに含まれ、したがって、上記エアロゾルは、植物の官能特性、場合により、タバコの官能特性を有する。
【0101】
更に、この加熱装置を用いて、葉を燃焼させない。したがって、使用者は、植物の官能特性、場合により、タバコの官能特性の恩恵を受けるが、有害な成分に対する、彼又は彼女の暴露を極めて有意に減らすことができる。
【実施例
【0102】
(実施例1)
植物はユーカリである。
【0103】
(実施例1a)
再構成ユーカリ葉
ユーカリ葉の混合物を、85℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。ユーカリの水溶性生成物を、機械プレスによってユーカリ繊維から分離する。ユーカリの水溶性生成物を、真空で、乾物濃度65%まで濃縮する。
【0104】
ユーカリ繊維及びセルロース繊維8%を、実験室用抄紙機に通して、坪量約64g/m2を有するベースウェブを得る。ユーカリの濃縮水溶性生成物を、グリセロールと混合し、次いでこの混合物を、サイズプレスで、含浸によってベースウェブに添加して、再構成ユーカリ葉を得るようにする。再構成ユーカリ葉の、ユーカリ抽出物の、乾物質量による含有量は、25%であり、グリセロールの、質量による含有量は、再構成ユーカリ葉の乾物質量で20%に相当する。
【0105】
得られた再構成ユーカリ葉は、坪量110g/m2を有する。
【0106】
得られた再構成ユーカリ葉を乾燥させ、燃やすことなく、エアロゾルを生成する加熱装置で加熱されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、使用者にとって満足のいくものである。
【0107】
(実施例1b)
混合再構成ユーカリ葉
ユーカリ葉50%と、バージニア種のタバコの葉及び葉脈50%との混合物を、85℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。ユーカリ/タバコ混合物の水溶性生成物を、機械プレスによってユーカリ/タバコ混合物の繊維から分離する。混合物の水溶性生成物を、真空で、乾物濃度59%まで濃縮する。
【0108】
混合物の繊維及びセルロース繊維8%を、精製し、実験室用抄紙機に通して、坪量約64g/m2を有する混合ベースウェブを得る。混合物の濃縮水溶性生成物を、グリセロールと混合し、次いでこの混合物を、サイズプレスで、含浸によって混合ユーカリベースウェブに添加して、混合再構成ユーカリ葉を得る。混合再構成ユーカリ葉の、抽出物の混合物の、乾物質量による含有量は、25%であり、グリセロールの、質量による含有量は、再構成ユーカリ葉の乾物質量で20%に相当する。
【0109】
得られた混合再構成ユーカリ葉は、坪量110g/m2を有する。
【0110】
得られた混合再構成ユーカリ葉を乾燥させ、エアロゾル生成加熱装置で加熱されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、使用者にとって満足のいくものである。
【0111】
(実施例1c)
混合再構成葉
バージニア種、バレー種、又はオリエント種のタバコ葉身の混合物を、85℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。タバコの水溶性生成物を、機械プレスによってタバコ繊維から分離する。タバコの水溶性生成物を、真空で、乾物濃度59%まで濃縮する。
【0112】
ユーカリ葉の混合物を、85℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。ユーカリの水溶性生成物を、機械プレスによってユーカリ繊維から分離する。ユーカリの水溶性生成物を、真空で、乾物濃度65%まで濃縮する。
【0113】
タバコ繊維及びセルロース繊維8%を、実験室用抄紙機に通して、坪量約64g/m2を有するタバコベースウェブを得る。濃縮水溶性生成物、ユーカリ50%、及びタバコ50%の混合物を、グリセロールと混合し、次いでこの混合物を、サイズプレスで、含浸によってタバコベースウェブに添加する。混合再構成葉の、抽出物の、乾物質量による含有量は、25%であり、グリセロールは、混合再構成葉の乾物質量で20%に相当する。
【0114】
得られた混合再構成葉は、坪量110g/m2を有する。
【0115】
得られた混合再構成葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0116】
(実施例1d)
混合再構成ユーカリ葉
ユーカリ葉の混合物を、40℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。ユーカリの水溶性生成物を、機械プレスによってユーカリ繊維から分離する。ユーカリの水溶性生成物を、真空で、乾物濃度47%まで濃縮する。
【0117】
バージニア種、バレー種、又はオリエント種のタバコ葉身の混合物を、85℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。タバコの水溶性生成物を、機械プレスによってタバコ繊維から分離する。タバコの水溶性生成物を、真空で、乾物濃度59%まで濃縮する。
【0118】
ユーカリ繊維及びタバコ繊維を混合して、繊維の混合物を得る。ユーカリ繊維のタバコ繊維に対する質量比は、15:85である。
【0119】
ユーカリの濃縮水溶性生成物と、タバコの濃縮水溶性生成物とを混合して、濃縮水溶性生成物の混合物を得る。ユーカリの濃縮水溶性生成物の、タバコの濃縮水溶性生成物に対する乾物質量比は、7:93である。
【0120】
繊維と、セルロース繊維12%との混合物を、実験室用抄紙機に通して、坪量約60g/m2を有する混合ベースウェブを得る。濃縮水溶性生成物の混合物を、グリセロールと混合し、次いでこの混合物を、サイズプレスで、含浸によって混合ベースウェブに添加する。混合再構成ユーカリ葉の、抽出物の、乾物質量による含有量は、28%であり、グリセロールは、混合再構成ユーカリ葉の乾物質量で20%に相当する。
【0121】
得られた混合再構成ユーカリ葉は、坪量105g/m2を有する。
【0122】
得られた混合再構成ユーカリ葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0123】
(実施例1e)
ユーカリ粒子を含む再構成ユーカリ葉
ユーカリ葉の混合物を、40℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。ユーカリの水溶性生成物を、機械プレスによってユーカリ繊維から分離する。ユーカリの水溶性生成物を、真空で、乾物濃度47%まで濃縮する。
【0124】
ユーカリ繊維、ユーカリ粒子20%、及びセルロース繊維12%を、実験室用抄紙機に通して、坪量約70g/m2を有するベースウェブを得る。ユーカリの濃縮水溶性生成物をグリセロールと混合し、次いでこの混合物を、サイズプレスで、含浸によってベースウェブに添加して、ユーカリ粒子を含む再構成ユーカリ葉を得るようにする。再構成ユーカリ葉の、ユーカリ抽出物の、乾物質量による含有量は、28%であり、グリセロールの、質量による含有量は、再構成ユーカリ葉の乾物質量で20%に相当する。
【0125】
得られた、ユーカリ粒子を含む再構成ユーカリ葉は、坪量110g/m2を有する。
【0126】
得られた、ユーカリ粒子を含む再構成ユーカリ葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0127】
(実施例2)
植物はハッカである。
【0128】
再構成ハッカ葉は、ユーカリをハッカに置き換えた、実施例1aに記載の方法と同じ方法によって製造される。
【0129】
混合再構成ハッカ葉及びハッカ抽出物を含む混合再構成葉は、ユーカリをハッカに置き換えた、実施例1b及び実施例1cに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0130】
これらの3種の葉を乾燥させ、加熱されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0131】
(実施例3)
植物は八角である。
【0132】
(実施例3a)
再構成八角葉
八角の果実の混合物を、40℃の水槽で、手動で30分間撹拌しながら、実験室で水と接触させる。八角の水溶性生成物を、機械プレスによって、八角繊維から分離する。八角の水溶性生成物を、真空で、乾物濃度47%まで濃縮する。
【0133】
八角繊維及びセルロース繊維12%を、実験室用抄紙機に通して、坪量約60g/m2を有するベースウェブを得る。八角の濃縮水溶性生成物をグリセロールと混合し、次いでこの混合物を、サイズプレスで、含浸によってベースウェブに添加して、再構成八角葉を得るようにする。再構成八角葉の、八角抽出物の、乾物質量による含有量は、28%であり、グリセロールの、質量による含有量は、再構成八角葉の乾物質量で20%に相当する。
【0134】
得られた再構成八角葉は、坪量105g/m2を有する。
【0135】
得られた再構成八角葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0136】
(実施例3b)
混合再構成八角葉
混合再構成八角葉は、
- ユーカリ葉を八角果実に置き換える
- 八角繊維のタバコ繊維に対する質量比が20:80である、及び
- 八角の濃縮水溶性生成物の、タバコの濃縮水溶性生成物に対する乾物質量比が10:90である
ことを除いて、実施例1dに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0137】
得られた混合再構成八角葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0138】
(実施例3c)
八角粒子を含む再構成八角葉
八角(bardian)粒子を含む再構成八角葉は、ユーカリ葉を、八角果実に置き換え、ユーカリ粒子を八角粒子に置き換えることを除いて、実施例1eに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0139】
得られた、八角粒子を含む再構成八角葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0140】
(実施例4)
植物は、ルイボスである。
【0141】
再構成ルイボス葉は、八角果実をルイボス葉に置き換えることを除いて、実施例3aに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0142】
混合再構成ルイボス葉は、八角果実をルイボス葉に置き換えることを除いて、実施例3bに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0143】
ルイボス粒子を含む再構成ルイボス葉は、ユーカリ葉をルイボス葉に置き換え、ユーカリ粒子をルイボス粒子に置き換えた、実施例1eに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0144】
得られた、3種の、例示された再構成ルイボス葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0145】
(実施例5)
植物はウイキョウである。
【0146】
再構成ウイキョウ葉は、八角果実をウイキョウ果実に置き換えた、実施例3aに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0147】
混合再構成ウイキョウ葉は、ユーカリ葉をウイキョウ果実に置き換えることを除いて、実施例1dに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0148】
ウイキョウ粒子を含む再構成ウイキョウ葉は、ユーカリ葉をウイキョウ果実に置き換え、ユーカリ粒子をウイキョウ粒子に置き換えた、実施例1eに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0149】
得られた、3種の、例示された再構成ウイキョウ葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。
【0150】
(実施例6)
植物はセイヨウハッカである。
【0151】
再構成セイヨウハッカ葉は、八角果実をセイヨウハッカの葉及び頭状花に置き換えた、実施例3aに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0152】
混合再構成セイヨウハッカ葉は、
- ユーカリをセイヨウハッカの葉及び頭状花に置き換える
- セイヨウハッカ繊維のタバコ繊維に対する質量比が30:70である、及び
- セイヨウハッカの濃縮水溶性生成物の、タバコの濃縮水溶性生成物に対する乾物質量比が15:85である
実施例1dに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0153】
セイヨウハッカ粒子を含む再構成セイヨウハッカ葉は、ユーカリ葉をセイヨウハッカの葉及び頭状花に置き換え、ユーカリ粒子をセイヨウハッカ粒子に置き換えた、実施例1eに記載の方法と同じ方法によって得られる。
【0154】
得られた、3種の、例示的された再構成セイヨウハッカ葉を乾燥させ、燃やすことなく喫煙されるスカフェルラッティに切る。こうして生成されたエアロゾルの官能特性は、安定しており、使用者に不満をもたらさない。