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特許7268032容器のリング面の三次元形状を特定する方法、装置及び検査ライン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】容器のリング面の三次元形状を特定する方法、装置及び検査ライン
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
G01N21/90 A
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2020537214
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 FR2018053479
(87)【国際公開番号】W WO2019135041
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】1850105
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1850209
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509083201
【氏名又は名称】ティアマ
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】フュイユ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ルコント,マルク
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0241916(US,A1)
【文献】特開2010-151473(JP,A)
【文献】特開2004-205743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(14)の実際のリング面(16)の三次元形状を特定する方法であって、前記リング面が理論中心軸(A1)を中心とする理論上の平らかつ環状又は円形の形状を有し、
前記方法は、
前記理論中心軸(A1)を含むとともに前記容器が設置されるべき設置領域(E)が有する設置軸(A1’)を中心として360度の角度にわたって分布する複数の半径方向平面に含まれる第1の入射放射状光線を含む第1の周辺入射光ビームを使用して、上方から前記容器の前記実際のリング面(16)を照らすことと、
第1の全体デジタル画像を送信可能な第1の二次元光電センサ(18)上に、反射光線(RR1)を使用してかつ第1の光学システム(24,261)を介して、前記容器の前記リング面の第1の平面的光学画像を形成することと、
を含み、
前記第1の入射放射状光線が前記理論中心軸(A1)に向けられており、前記第1の周辺入射光ビームの前記第1の入射放射状光線の一部が前記リング面(16)上で鏡面反射によって前記反射光線の形態で反射され、
前記第1の平面的光学画像を形成することを含む工程が、前記理論中心軸(A1)を含む複数の半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸(A1)を中心として360度の角度で分布する第1の放射状観測光線に基づいて前記リング面(16)を観測する第1の周辺観測視野に沿って、前記第1の光学システム(24,261)によって、上方から、前記リング面(16)を観測することを含み、
前記第1の周辺観測視野は、前記第1の全体デジタル画像の第1の画像領域(ZI1)に第1の二次元デジタル画像(I161)を形成するため射光が、前記第1の二次元光電センサ上に収集されるように、前記理論中心軸(A1)に垂直な平面に対する第1の観測仰角(γ1)を有
前記方法は、
第2の光学システム(24’,262)を介して、前記理論中心軸(A1)を中心とする回転対称な第2の周辺観測視野に沿って、前記第2の光学システム(24’,262)によって、上方から、前記リング面(16)を観測することによって、第2の全体デジタル画像を送信可能な第2の二次元光電センサ(18’)上に、前記第1の平面的光学画像とは異なる前記容器の前記リング面の第2の平面的光学画像を形成することを含み、
前記第2の光学システムが、前記理論中心軸(A1)を含む複数の半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸(A1)を中心として360度の角度で分布する第2の放射状観測光線に基づいて前記リング(16)を観測し、前記第2の周辺観測視野は、前記第2の全体デジタル画像の第2の画像領域(ZI2)に前記リング面の第2の二次元デジタル画像(I162)を形成するための反射光線が、前記第2の二次元光電センサ上に収集されるように、前記第1の観測仰角(γ1)とは異なる前記理論中心軸(A1)に垂直な平面に対する第2の観測仰角(γ2)を有し、
前記方法は、対象となる前記デジタル画像の基準点から派生するとともに前記基準点周りで互いに角度的にオフセットされる分解方向(Di)の数Nを特定することを含み、
前記基準点が、
前記分解方向における前記リング面(16)の前記第1の二次元デジタル画像の第1の画像点の基準点であり、かつ、前記第1の二次元デジタル画像におけるこの第1の画像点から前記基準点までの距離を表す第1の値の基準点であり、
前記分解方向における前記リング面(16)の前記第2の二次元デジタル画像の第2の画像点の基準点であり、かつ、前記第2の二次元デジタル画像におけるこの第2の画像点から前記基準点までの距離を表す第2の値の基準点であり、
前記方法は、前記N個の前記分解方向について、前記N個の前記第1の値、前記N個の前記第2の値、前記第1の観測仰角(γ1)、及び前記第2の観測仰角(γ2)を用いた幾何的関係によって、前記理論中心軸(A1)の方向に沿って、前記実際のリング面(16)の前記N個の点のそれぞれの、軸方向位置を表す少なくとも1つの値を推測し、
前記第1の光学システム(24)及び前記第2の光学システム(24’)による前記実際のリング面(16)の画像が、それぞれ前記N個の前記第1画像点及び前記N個の前記第2の画像点であることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記第1の周辺観測視野に沿って前記第1の光学システム(24,261)によって、かつ、前記第2の周辺観測視野に沿って前記第2の光学システム(24’,262)によって、前記リング面(16)を同時観測することと、
前記第1及び第2の周辺観測視野に沿って収集された前記反射光線から、前記第1及び第2の光学システム(24,24’,261,262)を介して、前記第1の周辺観測視野に沿った観測に対応する前記第1の画像領域(ZI1)と前記第2の周辺観測視野に沿った観測に対応する前記第2の画像領域(ZI2)との両方において同時に、前記容器の前記リング面の前記第1及び第2の二次元デジタル画像を同時形成することと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の特定方法。
【請求項3】
前記第1の光学システム(24)は第1の一次反射面(261)を含み、前記第2の光学システム(24’,262)は第2の一次反射面(262)を含み、前記第1及び第2の一次反射面(261,262)は回転による円錐台状面であり、それぞれが前記理論中心軸(A1)を中心とする線分の回転によって生成され、前記理論中心軸(A1)の方に向けられ、かつ関連付けられた前記第1及び第2の二次元光電センサの方向に直接的又は間接的に光線を反射するように配置され、前記光線は、対応する前記観測仰角の下にある前記実際のリング面から到来することを特徴とする、請求項1又は2に記載の特定方法。
【請求項4】
前記第1及び第2の平面的光学画像を形成することのそれぞれは、前記実際のリング面(16)の完全かつ連続的な二次元画像を光学的に形成することを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項5】
前記第1の周辺入射光ビームは、同じ半径方向平面内に、非平行の入射放射状光線を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項6】
前記第1の周辺入射ビームは、前記第1の入射放射状光線の反射点で前記実際のリング面(16)によって反射されるその光線が前記第1の周辺観測視野に沿って前記第1の二次元光電センサによって観測され、前記リング面(16)の法線(n)が前記理論中心軸(A1)の方向に対して30度よりも小さい角度を形成するような入射で、前記リング面を照らすことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項7】
2の周辺入射ビームは、第2の入射放射状光線の反射点で前記実際のリング面(16)によって反射されるその光線が前記第2の周辺観測視野に沿って前記第2の二次元光電センサによって観察され、前記リング面(16)の法線(n)が前記理論中心軸(A1)の方向に対して30度よりも小さい角度を形成するような入射で、前記リング面を照らすことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項8】
前記第1の観測仰角(γ1)は、45度に等しいかそれよりも小さい角度であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の観測仰角(γ1γ2)の間の差は、20度に等しいかそれよりも小さい角度であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項10】
前記第2の観測仰角(γ2)は、65度よりも大きい角度であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項11】
前記N個の前記分解方向Diについて、前記方法は、各方向について、前記第1の二次元デジタル画像における前記第1の画像点から前記基準点までの距離、前記第2の二次元デジタル画像における前記第2の画像点から前記基準点までの距離、前記第1の観測仰角(γ1)、及び前記第2の観測仰角(γ2)を用いた幾何的三角測距関係によって、前記理論中心軸(A1)の方向に沿った、前記実際のリング面(16)と理論リング面との間における、軸方向オフセットを表す少なくとも1つの値を推測することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項12】
前記N個の前記分解方向Diについて、
前記第1の二次元デジタル画像における前記第1の画像点から前記基準点までの距離を表す第1の値は、前記第1の二次元デジタル画像における前記リング面(16)の前記第1の二次元デジタル画像を表す線(I161)と理論リング面画像を表す理論線(I161t)との間の第1の半径方向画像オフセット(dR1i)の値であり、
前記第2の二次元デジタル画像における前記第2の画像点から前記基準点までの距離を表す第2の値は、前記第2の二次元デジタル画像における前記リング面(16)の前記第2の二次元デジタル画像を表す線(I162)と理論リング面画像を表す理論線(I162t)との間の第2の半径方向画像オフセット(dR2i)の値であり、
前記方法は、各方向について、前記第1の半径方向画像オフセット、前記第2の半径方向画像オフセット、前記第1の観測仰角(γ1)、及び前記第2の観測仰角(γ2)を用いた幾何的三角測距関係によって、前記理論中心軸(A1)の方向に沿った、前記実際のリング面(16)と理論リング面との間における、軸方向オフセットを表す少なくとも1つの値を推測することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項13】
前記リング面の前記画像を表す線(I161,I162)は、関連付けられた前記第1の二次元光電センサ(18)の対応する前記第1の光学システム(24)によって形成される画像であって、前記リング面(16)上での対応する前記周辺入射ビームの反射の画像であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項14】
前記第1及び第2の二次元光電センサは共通の全体デジタル画像を送信する同じ二次元光電センサ(18)へと組み合わされ、前記第1の画像領域(ZI1)及び前記第2の画像領域(ZI2)は前記共通の全体デジタル画像において互いに交わらないことを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項15】
容器(14)の実際のリング面(16)の三次元形状を特定する装置であって、前記リング面が理論中心軸(A1)を中心とする理論上の平らかつ環状又は円形の形状を有し、前記装置(10)は前記容器のための設置領域(E)を有するタイプであり、この設置領域が設置軸(A’1)を有し、
前記装置は、
前記リング面(16)の直径よりも大きい直径を有し、かつ前記設置軸(A’1)を含むとともに前記設置軸(A’1)を中心として360度の角度にわたって分布する複数の半径方向平面に含まれる第1の入射放射状光線を含む第1の周辺入射光ビームを供給することが可能な第1の光源(28)を有し、軸として前記設置軸(A’1)を有する第1の照明システム(28,140)と、
画像解析ユニットに接続された第1の二次元光電センサ(18)と、
前記容器の前記設置領域と前記第1の二次元光電センサ(18)との間に置かれ、前記設置領域に置かれた前記容器(14)の前記リング面(16)の第1の二次元デジタル画像(I161)を前記第1の二次元光電センサ(18)上に形成することが可能な第1の光学システム(24,261)と、
を備え、
前記第1の入射放射状光線が前記設置軸(A’1)に向けられているタイプであり、
前記第1の光学システム(24,261)が、前記第1の二次元光電センサの視野の下流部分に配置された少なくとも第1の一次反射面(261)を含み、
前記第1の一次反射面(261)が回転による円錐台状面であり、前記設置軸(A’1)を中心とする線分の回転によって生成され、前記設置軸の方に向けられ、かつ前記第1の二次元光電センサ(18)の方向に直接的又は間接的に第1の光線を反射するように配置され、前記第1の光線が、前記設置軸(A’1)を含む複数の半径方向平面に沿って、かつ前記設置軸(A’1)に垂直な平面に対する第1の観測仰角(γ1)を有する第1の周辺観測視野に沿って、前記設置領域から到来し、そのため、前記第1の光学システムは、前記設置軸(A’1)を含む半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸(A1)を中心として360度の角度で分布し、かつ前記設置軸(A’1)に垂直な平面に対して前記第1の観測仰角を形成する第1の放射状観測光線に基づいて、前記リング面(16)を観測する第1の周辺観測視野を定めるタイプであり、
前記第1の照明システム(28,140)、前記第1の二次元光電センサ(18)、及び前記第1の光学システム(24,261)が、前記設置領域の上方に配置されているタイプであり、
前記装置は、前記容器の前記設置領域と第2の二次元光電センサ(18’)との間に置かれ、かつ、前記設置領域に置かれた前記容器(14)の前記リング面(16)の第2の二次元デジタル画像(I162)を前記第2の二次元光電センサ(18’)上に形成することが可能な第2の光学システム(24’,262)を含み、
前記第2の二次元光電センサ(18’)及び前記第2の光学システム(24,262)が前記設置領域の上方に配置され、
前記第2の光学システム(24,262)が、前記第2の二次元光電センサ(18’)の方向に直接的又は間接的に第2の光線を導くように構成され、前記第2の光線が、前記設置軸(A’1)を含む複数の半径方向平面に沿って、かつ前記設置軸(A’1)に垂直な平面に対する第2の観測仰角(γ2)を有する第2の周辺観測視野に沿って、前記設置領域から到来し、そのため、前記第2の光学システムが、前記設置軸(A’1)を含む半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸(A1)を中心として360度の角度で分布し、かつ前記設置軸(A’1)に垂直な平面に対して前記第1の観測仰角(γ1)とは異なる前記第2の観測仰角(γ2)を形成する第2の放射状観測光線に基づいて、前記リング面(16)を観測する第2の周辺観測視野を定め、
前記第1の光学システム及び前記第2の光学システムが、前記第1の二次元光電センサ及び前記第2の二次元光電センサについて、前記設置軸(A’1)を中心とする回転による有効検査体積(VUI)に沿って前記設置領域で重複する第1の上流視野部分及び第2の上流視野部分をそれぞれ特定し、それにより、前記有効検査体積内に置かれるとともに少なくとも前記第1の光源によって光を当てられる対象点が、前記第1の二次元光電センサの前記第1の光学システムによって形成される前記第1の画像における第1の画像点によって画像化されるように、前記第2の二次元光電センサの前記第2の光学システムによって形成される前記第2の画像における第2の画像点によっても画像化される、
ことを特徴とする、装置。
【請求項16】
前記第1の二次元光電センサの前記第1の光学システムによって特定される前記第1の上流視野部分において、前記第1の光学システムによって特定される前記第1の放射状観測光線は、前記有効検査体積(VUI)に沿う場合、前記設置軸の方向である中心に向かい、その後前記設置軸と交差して、中心から離れて前記第1の光学システム(24,261)の方向に向かうことを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、関連付けられた前記第1の二次元光電センサ(18)上に、前記実際のリング面(16)の2つの異なる完全かつ連続的な二次元デジタル画像(I161,I162)を形成することを特徴とする、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の一次反射面(261)は前記第1の二次元光電センサ(18)の方向に光線を間接的に反射し、前記装置は前記第1の一次反射面(261)と前記第1の二次元光電センサ(18)との間に少なくとも1つの二次反射面(132)を含むことを特徴とする、請求項15から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の光学システムは、前記第2の二次元光電センサ(18’)の下流視野部分に少なくとも第2の一次反射面(262)を含み、前記第2の一次反射面は回転による円錐台状面であり、前記設置軸を中心とする線分の回転によって生成され、前記設置軸の方に向けられ、かつ前記第2の二次元光電センサ(18’)の方向に直接的又は間接的に光線を反射するように配置され、前記光線は、前記設置軸(A’1)を含む複数の半径方向平面に沿って、かつ前記設置軸(A’1)に垂直な平面に対する前記第2の観測仰角(γ2)を有する前記第2の周辺観測視野に沿って、前記設置領域から到来することを特徴とする、請求項15から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の一次反射面(261)及び前記第2の一次反射面(262)は前記第1の二次元光電センサ(18)の方向に光線を間接的に反射し、前記装置は、一方では前記第1の一次反射面(261)と前記第2の一次反射面(262)との間に、他方では共通の全体デジタル画像を送信する同じ二次元光電センサ(18)との間に、少なくとも前記設置軸(A’1)を中心とする回転による二次反射面(132)を含むことを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の一次反射面(261)及び前記第2の一次反射面(262)はそれぞれ、前記設置軸(A’1)の方向に光線を戻すように、前記設置軸(A’1)の方を向くとともに前記理論リング面の最大直径よりも大きい小径及び大径を有する回転による円錐台状面を含み、前記光線は対応する前記観測仰角(γ1,γ2)の下にある前記実際のリング面(16)から到来し、前記光線は関連付けられた前記二次元光電センサ(18)の方向に前記光線を戻すように、前記設置軸(A’1)とは逆の方を向く回転による円錐台状面(132)を含む返送反射面(132)によって遮られることを特徴とする、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1及び第2の一次反射面(261,262)と前記返送反射面(132)との間の前記光線の軌跡は、前記設置軸(A’1)に垂直であることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の一次反射面(261)及び前記第2の一次反射面(262)はそれぞれ、凹形円錐台状面であり、前記観測仰角(γ1,γ2)の半分に等しい半頂角(a1,a2)を有し、かつ前記理論リング面の最小直径よりも大きい小径及び大径を有することを特徴とする、請求項21又は22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の観測仰角(γ1)は、45度に等しいかそれよりも小さい角度であることを特徴とする、請求項15から23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記第1及び第2の観測仰角(γ1,γ2)の間の差は、20度よりも小さい角度であることを特徴とする、請求項15から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記第2の二次元光電センサの前記第2の光学システムによって特定される前記第2の上流視野部分において、前記第2の光学システムによって特定される前記第2の放射状観測光線は、前記有効検査体積(VUI)に沿う場合、前記設置軸の方向である中心に向かい、その後前記設置軸と交差して、中心から離れて前記第2の光学システム(24’,262)の方向に向かうことを特徴とする、請求項15から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記第2の一次反射面(262)は、回転による二次反射面を介さずに、前記第2の二次元光電センサ(18’)の方向に直接的に光線を反射することを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項28】
前記第2の二次元光電センサの前記第2の光学システムによって特定される前記第2の上流視野部分において、前記第2の光学システムによって特定される前記第2の放射状観測光線は、前記有効検査体積(VUI)に沿う場合、中心から離れて前記第2の一次反射面(262)の方向に向かうことを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第2の二次元光電センサの前記第2の光学システムによって特定される前記第2の上流視野部分において、前記第2の光学システムによって特定される前記第2の放射状観測光線は、前記有効検査体積(VUI)に沿う場合、前記設置軸に平行であるか、又は、前記第2の光学システムまで前記設置軸(A’1)と交差することなく前記設置軸の方向である中心に向かうことを特徴とする、請求項15から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記第2の光学システムは回転による反射面を有していないことを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第2の観測仰角(γ2)は、65度よりも大きい角度であることを特徴とする、請求項15から18又は29から30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の観測仰角(γ1)は、45度に等しいかそれよりも小さい角度であることを特徴とする、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記第1の光学システムはテレセントリック光学システム(20)を含むことを特徴とする、請求項15から32のいずれか1項に記載の装置。
【請求項34】
前記第2の光学システムはテレセントリック光学システム(20)を含むことを特徴とする、請求項15から33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記第1及び第2の二次元光電センサは同じ共通の二次元光電センサ(18)へと組み合わせられ、前記第1の一次反射面(261)及び前記第2の一次反射面(262)はどちらも前記共通の二次元光電センサの下流視野の互いに交わらない部分にあり、
前記下流視野は、前記同じ共通の二次元光電センサの視野の下流部分であることを特徴とする、請求項15から34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の光源(28)は回転による環状源であり、その軸は前記設置軸(A’1)であることを特徴とする、請求項15から35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
リング面(16)を有する複数の容器(14)を検査するライン(200)であって、前記ラインは、前記複数の容器(14)の理論中心軸(A1)に垂直な水平移動方向に沿って前記複数の容器(14)を輸送し、そのため水平面においてそれらのリング面(16)が上方を向いた状態になるコンベヤ(210)によって、搬送ライン上を前記複数の容器(14)が移動するタイプであり、その設備が請求項15から36のいずれか1項に記載の装置(10)を備え、前記装置は、その設置軸(A’1)が垂直位置となるように前記設備に配置されており、それにより、前記周辺観測視野及び前記周辺入射光ビームが、前記装置と前記コンベヤの移送部材(212)との間に位置する前記設置領域(E)の方を向いて、下向きに配置されることを特徴とする、ライン。
【請求項38】
前記コンベヤ(210)は、前記複数の容器を、それらの理論中心軸(A1)が前記設置軸(A’1)と一致するように運び、この一致のタイミングで、前記装置(10)の前記容器(14)への接触なしで、前記装置(10)によって少なくとも1つの画像が取得されることを特徴とする、請求項37に記載の検査ライン(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、特にガラス製容器の検査の分野に関し、より詳細には、このような容器のリング面の平坦性の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
リング面とは、容器のリングの上表面又は上稜線である。リングの理論中心軸を中心とする円環形状のうち、リング面は理論中心軸の半径方向に沿って多かれ少なかれ厚くなっている。理論的には、この面は、理論中心軸に垂直な平面において平らであって、上記軸を中心とする360度の角度でこの平面に接触する少なくとも1つの連続的な線を有するという意味において、完全に円形である。上述の意味では平らである一方で、理論中心軸を含む半径方向平面を通る複数の断面におけるその輪郭は、様々な形状を有し得る。上記輪郭は、平坦、曲線的、逆V字型などであり得る。
【0003】
多くのアプリケーションにおいて、リング面はカバー又はキャップのシールと接触することが意図されているものである。リング面が平らでない場合、封止後に漏れが発生する。したがって、リング面の凹凸を識別することが重要である。この凹凸は、リング面の所定の点で、容器のリングの理論中心軸に平行な方向に沿った、容器の実際のリング面の所定の点と理論リング面の対応する点との間における、本明細書においては位置差として理解される高低差として、分析され得る。これらの2つの点は、円筒座標系において、理論中心軸を中心にして、上記対応する2つの点が同じ角度座標を有し、かつ、一方は実際のリング面に属し、他方は理論リング面に属するという点においてマッチングしている。したがって、この理論面は、理論中心軸に垂直な基準平面に対して平らである。この基準平面は、対象となる容器に関連付けることができ、それは、例えば、実際のリング面の最高点の高さ、実際のリング面の最低点の高さ、その角度の広がりにわたるリング面の平均高さなどに対応し得る。例えば観察、制御又は測定装置に関して、基準平面は、容器とは独立して定義することもできる。
【0004】
リング面の凹凸は、多くの場合、少なくとも2つのタイプに分類される。「ガラス欠如」(英語では「ディップ」)タイプの欠陥は、製造中、リングの型に溶融ガラスを充填する問題に関係している。上記欠陥は、理論中心軸を中心とする小さな角度幅に及ぶ高さ偏差によって特徴付けられる。「ベールリング」(英語では「サドル」)タイプの欠陥は、一般的に、理論中心軸を中心とするより大きな角度幅に及ぶ著しさに劣る高さ偏差であるが、それでも厄介な欠陥であり、多くの場合、たるみ、金型からの物品の取り出し中の問題、又は製造中の熱的問題が原因である。
【0005】
リング面には他の形状欠陥がある可能性がある。リング面は、例えば、物品の本体に対して、又は物品の底部に対して傾斜した特徴的な平面を有し得る。リング面の特徴的平面は、中央平面、又はリングに基づく幾何平面であり得る。この特徴的平面が、物品を置くための平面に平行でない場合、又は物品の対称軸に直交しない場合、リングは所定のしきい値よりも大きい角度で傾斜しているとみなされる。
【0006】
リング面、及び概してリング全体は、例えば楕円化、つまり上方から見たリング面又は水平面によるリングの平断面が円でも環でもないなど、その真円度に欠陥がある可能性がある。例えば、その形状が楕円状であるか、又は押しつぶされている可能性がある。
【0007】
現在、凹凸は主に「ベル」と呼ばれるシステムにより気体の漏れを検知することによって検出される。残りの漏れ口は、平らな金属面がリングに押し付けられたときに測定される。その欠点は、制御が上記欠陥の程度の評価を可能とする要素を提供しておらず、上記面の平坦性又は凹凸を示すバイナリ表示(漏れあり/漏れなし)を得ることのみを可能とすることである。このようなシステムは、上記装置に対して容器を相対的に移動させるための機械的手段を必要とし、それは、費用がかかるだけでなく、ベルシステムの上昇及び下降、ベルシステムの下方への物品の一時的な固定など、検査ラインの速度をも遅くする。加えて、実際の関心は、破損又は汚染のリスクを回避するために、物品のリングとの接触を排除することにある。
【0008】
特許 US 6.903.814 B1によれば、鏡面反射に適合する4つのレーザ三角測距センサを使用して、90度の角度で並べられた4つの点におけるリングの高さを測定することが計画されている。物品が回転されて、3つの点を通過する平面に対する1つの点の位置が、回転の増加分ごとに比較される。いくつかの代替的演算が可能であるが、畳み込み演算にもかかわらず、一方では回転のための取扱機器の使用にコストがかかり、他方では凹凸の影響から回転に関する欠陥の影響を完全に分離するのが難しいことが、このシステムの欠点である。
【0009】
高角度又は低角度からの少なくとも2つの視界に沿って複数のリングを観測する視覚システムも知られている。複数の物品に対する複数のカメラの反対側に設置された拡散照明が輸送中の制御対象物品を照らす。このシステムの欠点は、少なくとも2つのカメラ及び2つの光源、場合によっては2つのテレセントリック光学システム及びそれらの支持体及び設定が必要になることである。組み立てにはコストがかかり、かつ長い光学経路を必要とするため、それはかなりの大きさになる。
【0010】
これらの欠点を克服するために、上記で開示したように、容器の別の制御、例えば、透明なガラス瓶の場合、そのショルダー部における外観の制御を実行するために既に提供されている複数のカメラを使用することが提案されている。しかしながら、これは、上記制御装置について、ショルダー領域における欠陥を検出するための設定とリング面における幾何学的欠陥を検出するための設定との間の妥協に過ぎない複数の位置の選択を必要とする。上記妥協は、これら複数のカメラの最初の標的とされる測定にとっても、又はそれによりなされることが要求される平坦性の測定にとっても、満足のいくものではない。
【0011】
異なる高角度又は低角度で、特に類似の複数の視界を組み合わせることにより、視界の角度を乗ずることによって、リングの複数の3D部分において測定を行って、これらの測定値を収集して、リング面の全体形状を演算により再構築することも可能である。それはいくつかの光学画像の取得を利用する。これらの光学画像は、複数の点を複数の組にマッチングするためのアルゴリズムによって2つずつ組み合わされ、そこから3D座標における複数の実際の点が三角測距方式によって演算される。その技法は複雑なアルゴリズムを伴う立体視の技法である。立体視の視界の組がいくつか必要であるので、例えば4つ又は6つのカメラが必要とされる。これらのシステムは正確であり得るが、非常に高価であり、かつ非常に大きい。多数のパラメータのせいで、長期間の運用でその精度は維持されない。
【0012】
文献US 6.172.748には、下方から、つまりリングの軸に垂直で、かつリング面に接する平面の下方に位置する点から、リングを照らすいくつかの異なる光源を含む装置が記載されている。上記装置はいくつかの異なるミラーを含み、それぞれのミラーがリングの1つの角度セクタのみの画像を提供する。付加的なカメラはリング面の上面図を作成する。複数の横方向画像が重複している場合であっても、2つの画像が重複している可能性がある点で、各画像において重複する複数の点の間で観察される点の破損があるため、画像間には方位角の不連続がある。このことは画像のコンピュータによる再構築を必要とし、コンピュータによる再構築は測定精度を危うくする複雑なアルゴリズムを必要とする。
【0013】
本出願人による文献 WO 2016/059343には、リング面の平坦性を検視するための革新的な方法及び関連する装置が記載されている。この文献に記載されている方法及び装置はとりわけ関連性があるが、特にリング面の偏心又は制御されていない傾斜を感知できるだけである。
【0014】
本出願人による文献 WO 2008/050067には、いくつかの異なる視野角から容器の検査対象領域を観測することを可能とする装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的は、特に、起こり得る凹凸の存在を特定するために、リング面の三次元形状を特定する方法及び装置を提供することであって、本発明は、実行することが容易でありながら、その成果が、設置軸に対するリング面の偏心又は制御されていない傾斜によってあまり影響を受けない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、特に、容器の実際のリング面の三次元形状を特定する方法を提供し、前記リング面が理論中心軸を中心とする理論上の平らかつ環状又は円形の形状を有する。当該方法は以下を含むタイプである。
【0017】
前記理論中心軸を含むとともに前記設置軸を中心として360度の角度で分布する複数の半径方向平面に含まれる第1の入射放射状光線を含む第1の周辺入射光ビームを使用して、上方から前記容器の前記実際のリング面を照らすことであって、前記第1の入射放射状光線が前記理論中心軸に向けられており、前記第1の入射光ビームの第1の入射放射状光線の一部が前記リング面上で鏡面反射によって反射光線の形態で反射される。
【0018】
第1の全体デジタル画像を送信可能な第1の二次元光電センサ上に、前記反射光線を使用してかつ第1の光学システムを介して、前記容器のリング面の第1の平面的光学画像を形成すること。
【0019】
さらに、当該方法は、第1の平面的光学画像を形成することを含む工程が、前記理論中心軸を含む複数の半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸を中心として360度の角度で分布する第1の放射状観測光線に基づいて前記リング面を観測する第1の周辺観測視野に沿って、第1の光学システムによって、上方から、前記リング面を観測すること含み、前記第1の周辺観測視野が、前記第1のセンサによって送信される前記第1の全体デジタル画像の第1の画像領域に第1の二次元デジタル画像を形成するために反射された光線を、前記センサの第1の環状領域において前記第1の二次元光電センサ上に収集するように、前記理論中心軸に垂直な平面に対して、場合によっては45度に等しいかそれよりも小さい角度になり、25度よりも小さい角度になることもある第1の観測仰角を有するタイプである。
【0020】
当該方法は、以下を備えることを特徴とする。
【0021】
第2の光学システムを介して、前記理論中心軸を中心とする回転対称な第2の周辺観測視野に沿って、前記第2の光学システムによって、上方から、前記リング面を観測することによって、第2の全体デジタル画像を送信可能な第2の二次元光電センサ上に、前記第1の平面的画像とは異なる前記容器のリング面の第2の平面的光学画像を形成することであって、前記第2の光学システムが、前記理論中心軸を含む複数の半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸を中心として360度の角度で分布する第2の放射状観測光線に基づいて前記リングを観測し、前記第2の周辺観測視野が、前記第2のセンサによって送信される前記第2の全体デジタル画像の第2の画像領域に前記リング面の第2の二次元デジタル画像を形成するための反射光線を、前記センサの第2の環状領域において前記第2の二次元光電センサ上に収集するように、前記第1の観測仰角とは異なる前記理論中心軸に垂直な平面に対する第2の観測仰角を有する。
【0022】
また、当該方法は、対象となる前記デジタル画像の基準点から派生するとともに前記基準点周りで互いに角度的にオフセットされる分解方向の数Nを特定することを含み、
前記基準点が、
前記分解方向における前記リング面の前記第1の二次元デジタル画像の第1の画像点の基準点であり、かつ、前記第1のデジタル画像におけるこの第1の画像点から前記基準点までの距離を表す第1の値の基準点であり、
前記分解方向における前記リング面の前記第2のデジタル画像の第2の画像点の基準点であり、かつ、前記第2のデジタル画像におけるこの第2の画像点から前記基準点までの距離を表す値の基準点であることを特徴とする。
【0023】
さらにまた、当該方法は、前記N個の分解方向について、前記N個の第1の値、前記N個の第2の値、前記第1の観測仰角、及び前記第2の観測仰角を用いた幾何的関係によって、前記理論中心軸の方向に沿って、前記実際のリング面の前記N個の点のそれぞれの、軸方向位置を表す少なくとも1つの値を推測し、前記第1の光学システム及び前記第2の光学システムによる前記実際のリング面の画像が、それぞれ前記N個の第1画像点及び前記N個の第2の画像点であることを特徴とする。
【0024】
単独又は組み合わせて使用される当該方法の他の任意の特徴によれば、
当該方法は、以下を含んでいてもよい。
【0025】
前記第1の周辺観測視野に沿って前記第1の光学システムによって、かつ、前記第2の周辺観測視野に沿って前記第2の光学システムによって、前記リング面を同時観測すること。
【0026】
前記第1及び第2の周辺観測視野に沿って収集された前記反射光線から、前記第1及び第2の光学システムを介して、前記第1の周辺観測視野に沿った観測に対応する第1の画像領域と前記第2の周辺観測視野に沿った観測に対応する第2の画像領域との両方において同時に、前記容器のリング面の前記第1及び第2の二次元画像を同時形成すること。
【0027】
前記第1の光学システムは第1の一次反射面を含んでいてもよく、前記第2の光学システムは第2の一次反射面を含んでいてもよく、前記2つの一次反射面は回転による円錐台状面であり、それぞれが前記理論中心軸を中心とする線分の回転によって生成され、前記理論中心軸の方に向けられ、かつ関連付けられた前記センサの方向に直接的又は間接的に光線を反射するように配置され、前記光線は、対応する前記観測仰角の下にある前記実際のリング面から到来する。
【0028】
前記第1及び第2の平面的光学画像を形成することのそれぞれは、前記実際のリング面の完全かつ連続的な二次元画像を光学的に形成することを含み得る。
【0029】
前記第1の周辺入射光ビームは、同じ半径方向平面内に、非平行の入射放射状光線を含んでいてもよい。
【0030】
前記第1の入射ビームは、第1の入射光線の反射点で前記実際のリング面によって反射されるその光線が前記第1の周辺観測視野に沿って前記第1のセンサによって観測され、前記リング面の法線が前記理論中心軸の方向に対して30度よりも小さい角度を形成するような入射で、前記リング面を照らし得る。
【0031】
前記第2の入射ビームは、第2の入射光線の反射点で前記実際のリング面によって反射されるその光線が第2の周辺観測視野に沿って前記第2のセンサによって観察され、前記リング面の法線が前記理論中心軸の方向に対して30度よりも小さい角度を形成するような入射で、前記リング面を照らし得る。
【0032】
前記2つの観測仰角の間の差は、20度に等しいかそれよりも小さい角度であってもよい。
【0033】
代替的に、前記第2の観測仰角は、65度よりも大きい角度、又は75度に等しいかそれよりも大きい角度であり得る。
【0034】
前記N個の方向Diについて、当該方法は、各方向について、前記第1の二次元デジタル画像における前記第1の画像点から前記基準点までの距離、前記第2の二次元デジタル画像における前記第2の画像点から前記基準点までの距離、前記第1の観測仰角、及び前記第2の観測仰角を用いた幾何的三角測距関係によって、前記理論中心軸の方向に沿った、前記実際のリング面と理論リング面との間における、軸方向オフセットを表す少なくとも1つの値を推測し得る。
【0035】
前記N個の方向Diについて、
前記第1の二次元デジタル画像における前記第1の画像点から前記基準点までの距離を表す第1の値は、前記第1の画像における前記リング面の前記第1の画像を表す線と理論リング面画像を表す理論線との間の第1の半径方向画像オフセットの値であってもよく、
前記第2の二次元デジタル画像における前記第2の画像点から前記基準点までの距離を表す第2の値は、前記第2の画像における前記リング面の前記画像を表す線と理論リング面画像を表す理論線との間の第2の半径方向画像オフセットの値であり得る。
【0036】
さらに、当該方法は、各方向について、前記第1の半径方向オフセット、前記第2の半径方向オフセット、前記第1の観測仰角、及び前記第2の観測仰角を用いた幾何的三角測距関係によって、前記理論中心軸の方向に沿った、前記実際のリング面と理論リング面との間における、軸方向オフセットを表す少なくとも1つの値を推測し得る。
【0037】
前記リング面の画像を表す線は、前記関連付けられたセンサの対応する前記光学システムによって形成される画像であって、前記リング面上での対応する前記入射ビームの反射の画像であり得る。
【0038】
前記第1及び第2の二次元光電センサは共通の全体デジタル画像を送信する同じ二次元光電センサへと組み合わされ得るとともに、前記第1の画像領域及び前記第2の画像領域は前記共通の全体デジタル画像において互いに交わらない。
【0039】
本発明はまた、容器の実際のリング面の三次元形状を特定する装置に関し、前記リング面が理論中心軸を中心とする理論上の平らかつ環状又は円形の形状を有し、当該装置は容器のための設置領域を有するタイプであり、この設置領域が設置軸を有する。当該装置は、以下を備えるタイプである。
【0040】
前記リング面の直径よりも大きい直径を有し、かつ前記設置軸を含むとともに前記設置軸を中心として360度の角度で分布する複数の半径方向平面に含まれる第1の入射放射状光線を含む第1の周辺入射光ビームを供給することが可能な第1の光源を有し、軸として前記設置軸を有する第1の照明システムであって、前記第1の入射放射状光線が前記設置軸に向けられている。
【0041】
画像解析ユニットに接続された第1の二次元光電センサ。
【0042】
前記容器の前記設置領域と前記第1のセンサとの間に置かれ、前記設置領域に置かれた容器の前記リング面の第1の画像を前記センサ上に形成することが可能な第1の光学システム。
【0043】
また、当該装置は、前記第1の光学システムが、前記第1のセンサの視野の下流部分に配置された少なくとも第1の一次反射面を含み、前記第1の一次反射面が回転による円錐台状面であり、前記設置軸を中心とする線分の回転によって生成され、前記設置軸の方に向けられ、かつ前記第1のセンサの方向に直接的又は間接的に第1の光線を反射するように配置され、前記第1の光線が、前記設置軸を含む複数の半径方向平面に沿って、かつ前記設置軸に垂直な平面に対する第1の観測仰角を有する第1の周辺観測視野に沿って、前記設置領域から到来し、そのため、前記第1の光学システムは、前記設置軸を含む半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸を中心として360度の角度で分布し、かつ前記設置軸に垂直な平面に対して前記第1の観測仰角を形成する第1の放射状観測光線に基づいて、前記リング面を観測する第1の周辺観測視野を定め、前記第1の観測仰角が、場合によっては45度に等しいかそれよりも小さい角度になり、25度よりも小さい角度になることもあるタイプである。
【0044】
また、当該装置は、前記第1の照明システム、前記第1のセンサ、及び前記第1の光学システムが、前記設置領域の上方に配置されているタイプであり、以下を特徴とする。
【0045】
上記装置は、前記容器の前記設置領域と第2の二次元光電センサとの間に置かれ、かつ、前記設置領域に置かれた容器の前記リング面の第2の画像を前記センサ上に形成することが可能な第2の光学システムを含むこと。
【0046】
前記第2のセンサ及び前記第2の光学システムが前記設置領域の上方に配置されること。
【0047】
前記第2の光学システムが、前記第2のセンサの方向に直接的又は間接的に第2の光線を導くように構成され、前記第2の光線が、前記設置軸を含む複数の半径方向平面に沿って、かつ前記設置軸に垂直な平面に対する第2の観測仰角を有する第2の周辺観測視野に沿って、前記設置領域から到来し、そのため、前記第2の光学システムが、前記設置軸を含む半径方向平面に含まれるとともに前記理論中心軸を中心として360度の角度で分布し、かつ前記設置軸に垂直な平面に対して前記第1の観測仰角とは異なる前記第2の観測仰角を形成する第2の放射状観測光線に基づいて、前記リング面を観測する第2の周辺観測視野を定めること。
【0048】
さらに、前記第1の光学システム及び前記第2の光学システムが、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサについて、前記設置軸を中心とする回転による有効検査体積に沿って前記設置領域で重複する第1の上流視野部分及び第2の上流視野部分をそれぞれ特定し、それにより、前記有効体積内に置かれるとともに少なくとも前記第1の光源によって光を当てられる対象点が、前記第1のセンサの前記第1の光学システムによって形成される前記第1の画像における第1の画像点によって画像化されるように、前記第2のセンサの前記第2の光学システムによって形成される前記第2の画像における第2の画像点によっても画像化されること。
【0049】
単独又は組み合わせて使用される前記装置の他の任意の特徴によれば、
前記第1のセンサの前記第1の光学システムによって特定される前記第1の上流視野部分において、前記第1の光学システムによって特定される前記第1の放射状観測光線は、前記有効検査体積に沿う場合、前記設置軸の方向である中心に向かい得るとともに、その後前記設置軸と交差して、中心から離れて前記第1の光学システムの方向に向かい得る。
【0050】
前記装置は、関連付けられた前記二次元光電センサ上に、前記実際のリング面の2つの異なる完全かつ連続的な光学画像を形成し得る。
【0051】
前記第1の一次反射面は前記センサの方向に光線を間接的に反射し得るとともに、また、前記装置は前記第1の一次反射面と前記第1のセンサとの間に少なくとも1つの二次反射面を含み得る。
【0052】
前記第2の光学システムは、前記第2のセンサの下流視野部分に少なくとも第2の一次反射面を含んでいてもよく、前記第2の一次反射面は回転による円錐台状面であり、前記設置軸を中心とする線分の回転によって生成され、前記設置軸の方に向けられ、かつ前記センサの方向に直接的又は間接的に光線を反射するように配置され、前記光線は、前記設置軸を含む複数の半径方向平面に沿って、かつ前記設置軸に垂直な平面に対する前記第2の観測仰角を有する前記第2の周辺観測視野に沿って、前記設置領域から到来する。
【0053】
前記第1の一次反射面及び前記第2の一次反射面は前記センサの方向に光線を間接的に反射し得るとともに、また、前記装置は、一方では前記第1の一次反射面と前記第2の一次反射面との間に、他方では前記共通のセンサとの間に、少なくとも前記設置軸を中心とする回転による二次反射面を含み得る。
【0054】
前記第1の一次反射面及び前記第2の一次反射面はそれぞれ、前記設置軸の方向に光線を戻すように、前記設置軸の方を向くとともに前記理論リング面の最大直径よりも大きい小径及び大径を有する回転による円錐台状面を含んでいてもよく、前記光線は対応する前記観測仰角の下にある前記実際のリング面から到来し、前記光線は前記関連付けられたセンサの方向に前記光線を戻すように、前記設置軸とは逆の方を向く回転による円錐台状面を含む返送反射面によって遮られる。
【0055】
前記2つの一次反射面と前記返送反射面との間の前記光線の軌跡は、前記設置軸に垂直であり得る。
【0056】
前記第1の一次反射面及び前記第2の一次反射面はそれぞれ、凹形円錐台状面であってもよく、前記観測仰角の半分に等しい半頂角を有し、かつ前記理論リング面の最小直径よりも大きい小径及び大径を有する。
【0057】
前記2つの観測仰角の間の差は、20度よりも小さい角度であり得る。
【0058】
前記第2のセンサの前記第2の光学システムによって特定される前記第2の上流視野部分において、前記第2の光学システムによって特定される前記第2の放射状観測光線は、前記有効検査体積に沿う場合、前記設置軸の方向である中心に向かい、その後前記設置軸と交差して、中心から離れて前記第2の光学システムの方向に向かう。
【0059】
前記第2の一次反射面は、回転による二次反射面を介さずに、前記第2のセンサの方向に直接的に光線を反射し得る。
【0060】
前記第2のセンサの前記第2の光学システムによって特定される前記第2の上流視野部分において、前記第2の光学システムによって特定される前記第2の放射状観測光線は、前記有効検査体積に沿う場合、中心から離れて前記第2の一次反射面の方向に向かい得る。
【0061】
前記第2のセンサの前記第2の光学システムによって特定される前記第2の上流視野部分において、前記第2の光学システムによって特定される前記第2の放射状観測光線は、前記有効検査体積に沿う場合、前記設置軸に平行であるか、又は、前記有効検査体積に沿う場合に前記設置軸から離れて前記第2の光学システムの方へ向かうように、前記設置軸と交差することなく前記設置軸の方向である中心に向かい得る。
【0062】
前記第2の光学システムは回転による反射面を有していないことがあり得る。
【0063】
前記第2の観測仰角は、65度よりも大きい角度、好ましくは75度に等しいかそれよりも大きい角度であってもよい。
【0064】
前記第1の光学システムはテレセントリック光学システムを含んでいてもよい。
【0065】
前記第2の光学システムはテレセントリック光学システムを含んでいてもよい。
【0066】
前記第1及び第2の二次元光電センサは前記同じ共通の二次元光電センサへと組み合わせられ得るとともに、前記第1の一次反射面及び前記第2の一次反射面はどちらも前記センサの前記下流視野の互いに交わらない部分にある。
【0067】
前記第1の光源は回転による環状源であり得るとともに、その軸は前記設置軸である。
【0068】
本発明はまた、リング面を有する複数の容器を検査するラインに関し、当該ラインは、複数の容器の理論中心軸に垂直な水平移動方向に沿って前記複数の容器を輸送し、そのため水平面においてそれらのリング表面が上方を向いた状態になるコンベヤによって、搬送ライン上を前記複数の容器が移動するタイプであり、その設備が上述のいずれか1つの特徴を有する装置を備え、前記装置は、その設置軸が垂直位置となるように前記設備に配置されており、それにより、前記観測視野及び前記入射光ビームが、前記装置と前記コンベヤの移送部材との間に位置する前記設置領域の方を向いて、下向きに配置されることを特徴とする。
【0069】
このような検査ラインにおいて、前記コンベヤは、前記複数の容器を、それらの理論中心軸が前記設置軸と一致するように運ぶことができ、この一致のタイミングで、前記装置の前記容器への接触なしで、前記装置によって少なくとも1つの画像が取得され得る。
【0070】
他の様々な特徴が、本発明の目的の非限定的な例及び実施形態を通じて、示される添付図面を参照して以下でなされる説明から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1A図1Aは、本発明に係る装置の第1実施形態の軸方向断面図である。
図1B図1Bは、図1Aにおける第1実施形態の一部の要素の斜視概略図である。
図1C図1Cは、図1Aにおける第1実施形態の視野を示す拡大軸方向断面概略図である。
図1D図1Dは、図1Aの装置を用いて取得された画像の概略図である。
図2図2は、照明システムの実施形態の変形例を示す拡大軸方向断面概略図である。
図3図3は、本発明に係る装置の他の実施形態を示す図1と同様の図である。
図4図4は、本発明に係る装置の他の実施形態を示す図1と同様の図である。
図5図5は、本発明に係る装置の他の実施形態を示す図1と同様の図である。
図6図6は、本発明に係る検査ラインを示している。
図7A図7Aは、本発明の変形例を示す図であり、2つの観測仰角はどちらも25度よりも小さい角度ではない。図7Aの例において、第1の観測仰角は45度に等しいかそれよりも小さい角度であり、第2の観測仰角は45度よりも大きい角度である。
図7B図7Bは、本発明の変形例を示す図であり、2つの観測仰角はどちらも25度よりも小さい角度ではない。図7Bの例において、第1及び第2の観測仰角はどちらも45度よりも大きい角度である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1A、3、4、7A及び7Bは、図1Bに示されるような半径方向平面Priを通る断面における、容器の実際のリング面の三次元形状を特定する装置の異なる実施形態を示しており、これらの装置のそれぞれにより、本発明に係る方法の実施が可能である。上記図は、容器14のリング12の上部のみを示している。容器14は内部体積を画定する中空容器として定義され、一端が開口している上部リング12を除いて、その全体積の外面にわたって閉じている。
【0073】
便宜上、かつ任意に定義される場合にのみ、実際、容器はそのリング12の理論中心軸であると定義される理論中心軸A1を含んでいるとみなされる。また、任意に、リングは容器の上端に配置されているとみなされる。そのため、本明細書において、高、低、上及び下という概念は、図に表されるように、装置10及び容器14の向きに対応する相対値を有する。ただし、本発明は、異なる構成要素が同じ相対的な配置で配置されている限りにおいて、空間に無関係な絶対的な向きをもって実行されることもあり得ることが理解される。
【0074】
容器のリング12は、軸A1を中心とする回転による円筒形状である。図示されていないが、容器の本体もまた回転による体積であってもよく、回転による体積でなくてもよい。リング12がその下端(図示せず)を介して容器の本体の残り部分に接続されている一方で、本説明のコンテキスト内では、任意の選択により上端と呼ばれる他方の自由端はリング面16で終了する。
【0075】
リング面16は、理論的には平らであって、かつ、軸A1に垂直な平面に平行であり、理論中心軸を中心とする360度の角度でこのような平面に接触する少なくとも1つの連続的な線を有するという意味において、理論的にはこの平面において円形又は環状である。本明細書においては、一方では容器の実際のリング面と、他方では理論リング面とが区別される。したがって、この理論リング面は理論中心軸A1に垂直な基準平面における平らな面又は平らな円である。実際のリング面16の点、例えば理論中心軸A1の方向に沿った最高点、に接する図1Aの基準平面Prefのようなこの基準平面は、対象となる容器に関連付けられるように定義され得る。あるいは、この基準平面は、例えば、実際のリング面の最低点の高さに位置していてもよく、その角度範囲にわたるリング面の平均高さに位置していてもよい。基準平面はまた、例えば装置10のケースの下表面で、例えば装置10の要素の1つを基準として、容器とは独立して定義され得る。そのため、基準平面は以下で定義されるように設置軸に垂直な設備の基準平面P’refであり得る。
【0076】
リング面の三次元形状の特定には、例えば理論中心軸A1の方向に沿った、実際のリング面の所定の点Tiと理論リング面の対応する点Ttiとの間の位置偏差の定量化が含まれ得る。これらの2つの点は、理論中心軸を中心とする円筒座標系において、対応する点Ti、Ttiが同じ角度座標を有し、一方は実際のリング面に属し、他方は理論リング面に属するという点においてマッチングしている。言い換えると、それらは理論中心軸A1を含む同じ半径方向平面Priに配置されている。
【0077】
図示された例において、リング面16は、理論中心軸を含む半径方向平面を通る断面において、内縁部と外縁部との間に隆起した凸状の半径方向の輪郭を有する。内縁部はリング面16と容器のリングの内表面との共通部分にあるとみなすことができ、その大まかな向きは、容器14の軸A1の向きに近い。ただし、リング面16の輪郭は、理論中心軸を含む複数の半径方向平面を通る複数の断面において、異なる形状を有することもあり得る。輪郭は、平坦、曲線的、逆V字型などであり得る。
【0078】
容器を正確に検査するために、装置10の正面に容器が適切に置かれていることを確認することが重要である。このため、本発明に係る装置10は容器が設置されるべき設置領域Eを含む。この設置領域は、設置軸A’1と、上記装置の最低点に位置する設置軸A’1に垂直な平面として定義される設置平面(図示せず)とによって定義され得る。そのため、正確に検査するために、特にその敷設平面が設置平面に平行である場合、容器は、最善の状態ではその理論中心軸A1が設置軸A’1に平行になるように置かれることが好ましい。そのため、正確に検査するために、容器は、最善の状態ではその理論中心軸A1が設置軸A’1に対応するように、かつ、そのリングの開口上端部が装置10の方向を向きつつ設置平面の下方にあるように置かれることが好ましい。以下の説明の仮説を形づくる理想的な場合において、2つの軸A1及びA’1は一致している。ただし、本発明によれば、2つの軸A1とA’1の間で(これらの軸A1及びA’1に垂直な方向に沿った横方向偏差、及び/又は2つの軸A1とA’1の間の角度偏差の意味において)起こり得るずれは、本発明によって補われ、リング面16の点の軸方向位置の特定に大きな影響を与えないことが分かる。本発明に係る装置10全体は、容器が、上記装置との接触のリスクなしで、設置平面の下方に運ばれる間に、設置平面の上方に配置され得ることが理解される。したがって、容器14は、任意の運動、好ましくは直線又は非直線軌道上の並進運動によって、設置軸A’1に垂直な方向に沿って、装置10との干渉のリスクなしで、設置領域E内に運ばれ得る。
【0079】
本発明に係る装置及び方法は、容器の実際のリング面の二次元画像を取得することを目的とした少なくとも1つの二次元光電センサ18、又は、いくつかの実施形態においては、2つのこのようなセンサ18、18’を使用する。このようなセンサはマトリクスセンサとしての能力もあり、カメラ19、19’に組み込むことができ、例えばCCD又はCMOS型のものであり得る。このようなセンサ18、18’は、例えば光電素子の二次元マトリクスで構成される。上記センサは、一般的に、光電素子によって提供される信号を処理する電子回路に関連付けられることで、上記センサによって受信された画像を表すアナログ信号又はデジタル信号を送信する。上記センサによって受信された光学画像を表すこの信号は、好ましくは電子的でデジタルな二次元画像を構成し、この二次元画像は、その後画像処理装置、及び/又は視覚装置、及び/又は画像記憶装置(図示せず)に送信され得る。
【0080】
このようなセンサ18、18’は、一般的に1つ又は複数の光学要素、特に1つ又は複数の薄型レンズ、及び場合によっては絞りを含んでいてもよい光学レンズシステム20、20’に関連付けられており、光学レンズシステム20、20’は、上記センサに設置領域の光学画像の形成が可能であるように関連付けられている。光学レンズシステム20、20’、又は少なくともその一部、及びセンサ18、18’は、一般的にカメラ19、19’の一部である。
【0081】
本発明において「光学システム」とは、照らされた対象物から到来する光線が入射することで平面的画像を形成する観測システムを意味する。
【0082】
本発明によれば、2つの光学システム24、24’は、同じ共通のセンサ18に、つまり容器の設置領域Eと関連付けられたセンサ18,18’との間でそれぞれ、設置領域における同じ対象物の画像を形成するという意味において、2つの光学システム24、24’は光学的に、つまり容器の設置領域Eと同じセンサ18との間にともに平行に挿入されており、この場合、2つの光学システム24、24’はそれぞれ、関連付けられたセンサ18、18’に設置領域における同じ対象物の画像を形成するとみなされる。各画像点について、光源に端を発する光線の下流には上流経路があり、上記光線は、上記センサの感応表面上に対象物の画像を形成するために、対象物上で反射した後、上記光学観測システムに入射することで屈折光学要素及び/又は反射光学要素によって偏向され、フィルタにかけられ(スペクトル組成又は偏光の変更)、絞り等と交差するとみなされる。したがって、第1の他の要素と第2の他の要素との間に「光学的に挿入された」要素とは、上記画像に寄与する光線の経路に沿う場合、上記要素が上記第1の要素の下流かつ上記第2の要素の上流で上記経路上に位置していることを意味する。
【0083】
図1A、4、5、7A又は7Bの実施形態において、上記2つの光学システムは、同じ共通のセンサ18に関連付けられている。この場合、概念的には、この単一の共通のセンサが2つのセンサ、すなわち第1の光学システム24に関連付けられている第1のセンサと、第2の光学システム24’に関連付けられている第2のセンサとに分離しているとみなすことが可能である。この場合、実際には、共通のセンサを有することが可能となり、この共通のセンサの画像取込面の第1の部分又は第1の画像形成領域は第1の光学システム24専用であって、この共通のセンサの画像取込面の第2の部分又は第2の画像形成領域は第2の光学システム24’専用である。この場合、上記共通のセンサの第1の部分は第1のセンサ18を形成し、上記共通センサの第2の部分は第2のセンサ18’を形成する。
【0084】
図3の実施形態において、2つの光学システム24、24’はそれぞれ、自身に関連付けられたセンサ、第1のセンサ18に関連付けられた第1の光学システム24、及び第2のセンサ18’に関連付けられた第2の光学システム24’に関連付けられている。
【0085】
各光学システム24、24’は、上記関連付けられたセンサについて、設置領域において上流視野を定義し、上流視野は、対象となるセンサで対象とされる光学システムによって画像化される可能性が高い設置領域のすべての点として定義される。この上流視野において、第1及び第2の光学システム24、24’は、上記関連付けられたセンサについて、第1及び第2の周辺観測視野をそれぞれ定義する。ここでは、任意に、上流及び下流は、設置領域から到来するとともに上記関連付けられたセンサの方向に向かう光線の上流及び下流経路に対応するものであるとみなされる。
【0086】
そのため、各光学システム24、24’は、上記関連付けられたセンサに、設置領域Eに置かれた容器14の同じリング面16の画像を形成することができ、各画像は、対応する周辺観測視野に沿ってリング面から伝搬される光線によって形成される。
【0087】
例示的な実施形態において、少なくとも第1の光学システム24は、光学レンズシステム20に加えて、ここではレンズシステム20と設置領域Eとの間に配置される少なくとも1つの光学要素122、261を含む。そのため、第1のセンサ18と設置領域との間の第1の光学システム24全体は、レンズシステム20と光学要素122とを備える。
【0088】
図1A、5、7A及び7Bの実施形態において、第2の光学システム24’は、光学レンズシステム20’に加えて、2つの光学システム24、24’が共通のこの場合には、ここではレンズシステム20’と設置領域との間に配置される少なくとも1つの光学要素122、262を含む。
【0089】
図3、4、7A及び7Bの実施形態において、第2の光学システム24’は光学レンズシステム20’のみを備え、レンズシステム20’と設置領域との間に回転による反射面は有しない。図4の実施形態において、第2の光学システム24’は第1の光学システム24、24’のものと完全に共通の光学レンズシステム20を備える。図3の実施形態において、第2の光学システム24’は第1の光学システム24の第1のレンズシステム20と部分的にのみ共通の第2の光学レンズシステム20’を備える。そのため、図3の例は、第1の光学レンズシステム20と第2の光学レンズシステム20’とを含み、それらには共通の分離ブレード21が組み込まれ、分離ブレード21は、設置軸A’1上に45度の角度で配置され、設置領域から到来する光線を2つの部分に分離するダイクロイック型であり得る。これらの光線の第1の部分は、この例においては、第1のカメラ19に属する第1のセンサ18の方に向かって送られ、別の部分は、この例においては、第2のカメラ19’に属する第2のセンサ18’の方に向かって送られる。この例において、第1及び第2のレンズシステム20、20’は、例えばテレセントリック性レンズ及び分離ブレード21を含む複数の共通の要素と、これらの要素のそれぞれに特有の複数の要素、すなわち分離ブレード21と各センサ18、18’との間に挿入される複数の光学要素とを有する。レンズシステム20と20’の焦点距離は異なり得る。
【0090】
図示された例のいくつかにおいて、センサ18、18’のいずれかに関連付けられた光学レンズシステム20、20’はテレセントリックレンズシステムである。テレセントリックレンズシステムは視差効果を全く又はほとんど含まない画像を上記センサ上に形成するために使用されるので、マシンビジョン装置の分野の当業者にはよく知られている。光学理論において、テレセントリックレンズシステムは、その入射瞳が無限遠に配置されるレンズシステムである。このようなレンズは、その視野内で主観測光線に基づいて観測を行うものであって、主観測光線は、関連付けられた光学システム24、24’を通じて、レンジシステム20、20’の入射瞳COの中心を通過し、かつ、その光学軸に平行又は略平行であるため、結果として視差効果が生じない。ただし、図4の実施形態によって示されるように、光学レンズシステム20、20’は必ずしもテレセントリック性である必要はない。
【0091】
センサ18、18’は、光学レンズシステム20、20’によって上記センサに形成される二次元光学画像を表す二次元デジタル画像を送信するように、一般的には長方形又は正方形、つまり二次元の形状を有する。このようなセンサ18、18’によって送信されるデジタル画像全体は全体画像IG、IG’と呼ばれる。後述するように、この全体デジタル画像において、1つ又は複数の画像領域のみが有効である。好ましくは、全体画像IG、IG’は上記センサの単一の積分時間(露光時間とも呼ばれる)の間に取得される。あるいは、物品が2回の取得の間でほんのわずかだけ移動するような、非常に近い時間で2回の取得が行われる。
【0092】
レンズシステム20、20’の光学軸は設置軸A’1と一致していることが好ましい。場合によっては、この光学軸は真っすぐではなく、例えば、上記レンズシステムへの返送ミラーの統合によって、又は分離ブレード21の使用時に、セグメント化される。そのため、上記光学軸の第1のセグメント及び第2のセグメントに、設置軸に対して45度の角度で返送ミラーを設けることが可能であり、第1のセグメントは、上記センサ側で、設置軸に対して90度の角度で配置され、第2のセグメントは、返送ミラーの向こう側で、設置軸A’1に沿って配置される。そのため、第1及び第2の光学システム20、20’にそれぞれ関連付けられた第1及び第2の物理的に異なるセンサ18、18’を含む図3の例において、第2のレンズシステム20’は、第2のセンサ18’の方向に90度の角度で光線の一部を戻す分離ブレード21の存在によって、光学軸の下流セグメント及び上流セグメントを提示し、下流セグメントは、第2のセンサ18’側で、設置軸A’1に対して90度の角度で配置されており、上流セグメントは、分離ブレード21の向こう側で、設置軸A’1に沿って配置されている。因みに、ここでは、任意に、上流及び下流は、設置領域から到来するとともに上記関連付けられたセンサの方向に向かう光線の上流及び下流経路に対応するものであるとみなされる。
【0093】
図示される例において、第1の光学システム20は軸A’1に沿って垂直に配置され、かつ、それは、設置領域に配置されることが見込まれる容器14を上方から、つまりその最上部から観測するように、上記装置の下方の設置領域Eを観測するために下方に向けられている。第1の光電センサ18は、図1A、4、5、7A及び7Bの実施形態において、2つの光学システム24、24’に関連付けられた共通のセンサであるので、装置10の頂点にあり、かつ、それは設置領域Eの方向に下方に向けられている。この配置によれば、設置領域に置かれた容器14の理論リング面が、上記センサの平面に平行な平面に含まれることが理解される。これは、分離ブレード21の存在によって引き起こされる上記光学軸の傾きが考慮される場合には、図3の例についても当てはまる。そのため、単純なテレセントリックレンズを用いて、他の光学システムを用いずに単一のセンサ上に形成されるリング面の画像に、凹凸を「見る」ことは不可能であろう。それどころか、このリング面に見て分かる高さの変動はないであろう。けれども、これは図3の第2の光学システムに対して導入される。
【0094】
実際には、設置軸A’1は第1の光学システム24の光学軸の設置領域Eの延長として定義される。
【0095】
本発明の別の態様によれば、容器の実際のリング面16が、少なくとも第1の周辺入射光ビーム、つまり設置軸A’1を中心とする360度の角度まで及ぶビームによって照らされることが提供される。第1の入射光線が、理論中心軸A1に垂直であるとともにリング面の1つの点、好ましくは理論中心軸A1の方向に沿った最高点に接する平面Prefの上方に位置する複数の点から到来し、リング面16に到達するという意味において、リング面は上方から照らされる。第1の光ビームは、設置軸A’1を中心として360度の角度で分布する一連の半径方向平面全体について、設置軸を含むこれら半径方向平面に含まれる第1の入射放射状光線を含む。図2に示されるように、上記放射状光線は、少なくともそれらの一部が、設置軸A’1に向けられている。これらの第1の入射放射状光線において、少なくともそれらのほとんどは、この軸に垂直ではない。上記入射放射状光線は互いに非平行であることが好ましく、かつ、図1Aに示される方法において、上記周辺入射光ビームは所定の半径方向半平面Pri(図1Bに示す)内に非平行の入射放射状光線を含み、半径方向半平面Priは設置軸を含むとともに設置軸によって境界を定められている。そのため、図1Aは、第1の周辺入射光ビームが、設置軸に垂直な平面に対して、好ましくは0から45度の間の仰角を形成する入射放射状光線を含んでもよいことを示している。好ましくは、第1の光ビームは連続的又は略連続的な角度範囲における入射放射状光線を含む。この範囲は少なくとも30度以上の角度の広がりを有し得る。この範囲に含まれる光線は、理論中心軸に垂直な平面に対して、5から40度の間の仰角を形成し得る。
【0096】
第1の周辺入射光ビームはまた、第1の放射状光線に加えて、非放射状の入射光線を含んでもよい。
【0097】
図示される実施形態において、装置10は、第1の周辺入射光ビームに基づいてリング面を照らすようにすることを意図した少なくとも第1の照明システムを含む。そのため、第1の周辺入射光ビームは、この第1の照明システムから派生する光線であって、リング面によって反射され、かつ、少なくとも第1の観測領域に沿って少なくとも第1の光学システムによって収集されて、第1のセンサ18に向けられる。図示される実施形態において、この第1の照明システムには、環状で、その軸が設置軸であり、設置領域の上方に配置される第1の光源28が含まれる。第1の光源28はリング面16の直径よりも大きい直径を有する。
【0098】
図示される例において、第1の環状光源28の直径は少なくとも一次反射面261を担持する環状冠部122の直径よりも大きい。この実施形態において、光源28は下側一次反射面261と略同じ、設置軸A’1の方向に沿った高さに配置されている。ただし、この位置は単なる例示であって、検査対象容器のリング面の直径及び軸方向位置に応じて適合させることもあり得る。
【0099】
ここで留意すべきは、図2は、上記照明システムが、環状光源28に加えて、環状光源28の真下に配置される反射器140を含むという点のみにおいて異なる図1Aの実施形態の変形例の一つを示していることである。この反射器140は、ここでは、設置軸の方向に向けられた円錐台状面を含む。反射器140の表面は上向きに広がっており、それゆえ光源28の直径と略同じ直径を有する。反射器140は、光源28によって設置領域の方向に放射された略垂直な光線を、かすめ入射により、リング面の方向に反射する。このような反射器は、第1のかすめ観測仰角、つまり25度より小さい角度を有する実施形態について好ましいかすめ入射の下、光源28によって放射された光をリング面の方向に集結させることを可能にする。
【0100】
図1Aの実施形態において、また、第1及び第2の観測仰角が20度よりも小さい角度で異なる図7Bの実施形態の場合、第1の光源28は、第2の光学システム24’によってリング面16の第2の画像を形成することが意図された光を提供するものでもある。ただし、どちらの場合においても、第2の光学システム24’によってリング面16の第2の画像を形成するために専用の第2の光源の存在を提供することが可能である。
【0101】
実際、図3、4、5及び7Aの実施形態の場合、第1の照明システムとは別の、リング面を照らすようにすることが意図された第2の照明システムを提供することが計画されている。そのため、それは、少なくとも主にこの第2の照明システムから派生する光線であって、リング面16によって反射され、かつ、第2の観測領域に沿って第2のセンサ18’又は上記共通のセンサの方向に収集される。ここでは第1の照明システムとは異なるこの第2の照明システムは、第2の光源28’を含むとともに第2の周辺入射光ビームを提供することができ、第2の周辺入射光ビームは、設置軸A’1を含む複数の半径方向平面に含まれるとともに設置軸A’1を中心として360度の角度で分布する第2の入射放射状光線を含む。それらは設置領域を、そして、そこに置かれたリング面16をその最上部から照らす。
【0102】
図3及び5の例において、第2の入射放射状光線は、第2の光源28’に基づく場合、設置軸A’1から遠ざかるように向けられており、第2の光源28’は、他の実施形態と同様に、リング面16の基準平面Prefの上方に配置されている。
【0103】
図3の実施形態において、第2の光源28’は環状であるとともにその軸として設置軸を有し、それは、リング面16の直径よりもわずかに小さい直径を有する。好ましくは、これらの2つの直径は、第2の光源28’から派生する光線が、設置軸に垂直な基準平面に対して90°に近い入射方向を有するために、非常に近い大きさを有するであろう。図5の実施形態において、第2の光源28’は、点光源とみなされ得るとともに設置軸A’1上に置かれ得る中心源である。それゆえ、それはまた、リング面16の直径よりも小さい直径を有する。このようにして、リング面16は、設置軸A’1から、言い換えると、内側から照らされる。
【0104】
図4は、第2の光源28’のあり得る変形例を示している。このような変形例において、光源28’は環状であり得るとともにその軸として設置軸を有し得る、そしてリング面16の直径よりも大きい直径を有する。それはまた、光学要素122及び132の上方に置かれる。第2の放射状光線は、リング面16の基準平面Prefの上方に配置される第2の光源28’にから得られる場合、設置軸A’1に向けられることに留意されたい。この変形例は、図7Aの実施形態にも導入され、また、図3の実施形態の一部としても導入され得る。
【0105】
好ましくは、各観測視野について、1つの入射光線の反射点T’で実際のリング面によって反射されるその入射光線が、上記関連付けられた光学システムを通じて上記関連付けられたセンサによって観察され、リング面に対する法線「n」が軸A’1に対して30度よりも小さい角度、好ましくは10度よりも小さい角度を形成するような入射で、入射ビームがリング面16をその最上部から照らすことが提供される。完全な幾何学の範囲において、実際のリング面が理論リング面に対応しているため、センサ18によって観察されるリング面によって反射される光が、リング面の局所的な最高点で反射される光であること、又はリング面の最高局部点に近接していることが確保される。ここでは、上記装置及び制御されるべきリング面の半径方向半平面内で起こっていることだけが考慮される。そのため、リング面の局所的な最高点は、この半径方向半平面Priにおけるリング面の輪郭における、設置軸の方向に沿った最高点である点である。さらに、局所的な最高点は、一般的に、そのリング面の法線が設置軸に平行である点として定義され得る。図2は、上記光源によって放射された入射光線RI1を示し、入射光線RI1は、リング面の点Tiにより、第1の一次反射面261によって遮られる第1の反射光線RR1に反射され、上記関連付けられたセンサに向かって送られる。別の入射光線RI2は、リング面の同じ点Tiにより反射された第2の光線RR2に沿って、第2の一次反射面262によって遮られる第2の反射光線に反射され、上記関連付けられたセンサに向かって送られる。上記図において、点Tiにおけるリング面16に対する法線「n」は設置軸の方向に略平行であり、かつ、点Tiは対応する半径方向半平面におけるリング面の輪郭の局所的な最高点である。上記装置において、この条件は光源28、28’の適切な位置を選択することによって満たされる。この位置は、例えば環状光源28、28’の直径によって、かつ設置軸A’1の方向に沿ったその高さ位置によって定義することができ、実際にはリング面を照らしやすい光線の入射角を定義する。もちろん、実際のリング面16の直径及び高さ位置は、光源28によって放射されるとともに上記センサの方向に反射されやすい光線を、リング面の反射点に対する法線の方向との組み合わせにより特定する。したがって、各リング面の直径に対して、環状源の直径又はリング面16に対するその高さ位置を適合させることが有効ということもあり得ることが理解される。ただし、リング面の局所的な最高点を検出することは必ずしも重要ではない。実際、平らかつ環状のリング面においては、リング面の内側及び外側の複数の半径方向縁部は稜線を有し、入射光の反射点がこの稜線に位置する場合、反射点と局所的な最高点との間の高低差は重要ではないとみなされる。半径方向半平面におけるリング面の輪郭が丸みを帯びているリング面においては、反射が局所的な最高点ではない点でなされ得るという事実はまた、平坦性の分析の観点から、例えば生じたエラーが一般的に重要ではないとみなされるよう、この状況が全周にわたって360度の角度で繰り返されるという事実によって、大幅に補われるとみなされる。そのため、半径方向位置又は設置軸の方向に沿った位置の調整によって、リング面に対する光ビームの入射角を調整するように、光源を調整可能な装置を確実に提供することが可能である。ただし、このような配置は必須ではない。広範囲のリング面の直径をできる限りカバーするために、上記装置が、例えば設置軸の方向及び/又は異なる直径の方向に沿ってオフセットしているいくつかの環状光源を備えることを計画することができ、これらの異なる光源は、検査対象容器のリング面の直径及び形状に応じて、同時に又は代替的に使用され得る。実際面では、一般的に複数の光源が使用され、これらの光源は半径方向平面において半径方向に沿った広がりを有するとともに、少なくとも30度以上の角度の広がりを有し得る連続的又は略連続的な角度範囲で複数の放射状光線を含む光ビームを放射する。半径方向の広がりを有するとともに散乱性を有するこのような複数の光源は、一部の範囲で異なっている可能性のある直径、輪郭及び高さ位置を有するリング面を有する一連の複数の容器全体を、位置適合を必要とすることなく、適切に照らすことを可能にする。
【0106】
ここで留意すべきは、特に図1Aの実施形態、又は図7Bの実施形態において、2つの観測仰角γ1、γ2の間の差が20度に等しいかそれよりも小さいことを提供することは有利であるということである。このことは、リング面の2つの画像について、リング面の異なる点でなされる反射によって引き起こされることもあり得るエラーを制限し、リング面の異なる点は、同じ半径方向平面にあるものの、互いに半径方向及び軸方向にオフセットされることもあり得る。これは、上記2つの観測仰角に沿った観測のために1つの共通の光源を使用する可能性を促進する限りにおいて、特に有利である。
【0107】
観測仰角γ1、γ2の間の差が大きい実施形態においては、好ましくは2つの異なる光源28、28’が設けられ、光源28、28’は、所定の半径方向平面Priにおいて、実際のリング面16によって反射された光線がリング面の同じ点での反射後に上記2つの光学システムにより観察されるような入射で、第1及び第2の入射ビームがリング面を照らすように配置される。しかし、反射点が異なっていることは受け入れられ得る。というのも、これは画像の処理において考慮することができるからである。
【0108】
図示された例において、光学システム24、24’に関して、センサ18、18’、そのレンズシステム20、20’、任意の光学要素122及び設置領域は、設置軸A’1に対応する同じ光学軸に沿ってこの順序で一直線に並べられている。
【0109】
図示された例において、光学周辺視覚要素122は少なくとも第1の光学システム24に属する第1の一次反射面261を含む。図1Aの例において、同じ光学要素122は、第2の光学システム24’に属する第2の一次反射面262を含むので、光学要素122は、上記2つの光学システムに、ただし2つの異なる一次反射面によって、共通である。図5の例において、第2の異なる光学要素122’は第2の光学システム24’に属する第2の一次反射面262を含む。
【0110】
第1の一次反射面261、及び、第2の一次反射面262を備える実施形態の場合、第2の一次反射面262は、関連付けられたセンサ18、18’の下流視野内に、つまり図示された例において、関連付けられたレンズシステム20、20’によって定められる上記センサの視野の一部分に配置される。したがって、上流視野は、関連付けられた光学システム24、24’の外側であって、設置領域から上記関連付けられたセンサに向かう光の周回方向において光学システム24、24’の上流にある視野である。
【0111】
図示された例において、第1の一次反射面261及びあり得る第2の一次反射面262は、回転によって生成される回転による円錐台状面であって、それぞれの面が、同じ軸、ここでは設置軸A’1を中心として自身の線分を生成し、それらは、関連付けられたレンズシステム20、20’により、上記関連付けられたセンサの方向に、リング面から到来する光線を反射するように配置される。したがって、それらは鏡面反射特性を有する。それらはミラーによって有利に形成され得るが、プリズム、すなわち光学ジオプトリーの形態でも作製され得る。
【0112】
図示された実施形態において、第1の一次反射面261及びあり得る第2の一次反射面262は、設置軸A’1に垂直な平面における凹形の回転による円錐台状面であって、それは設置軸A’1の方を向いているとともに、例えば、環状冠部、例えば光学要素122、122’の内側面に形成され得る。このようにして、各一次反射面261、262は、対応する観測仰角γ1、γ2で実際のリング面から到来する光線を、設置軸A’1の方向に直接的又は間接的に戻すことができる。
【0113】
所定の周辺観測視野について、観測光線とは、設置領域Eから派生するとともに、関連付けられた光学システム24、24’を通じて関連付けられたセンサ18、18’によって受信される可能性が高い光線である。これらの光線のうち、主観測光線とは、関連付けられた光学システム24、24’を通じて、レンズシステム20、20’の入射瞳COの中心を通過する光線である。主観測光線の観測仰角は、設置軸A’1に垂直な設置の基準平面Pref’に対する、検査対象容器のリング面に影響を与える可能性が高い設置領域における主観測光線の角度に対応している。観測光線は、任意に、関連付けられたセンサ18、18’の方向に、観測領域に端を発して上流から下流に伝搬するとみなされる。
【0114】
テレセントリック光学システムを備える装置においては、上記センサによって受信された主観測光線はすべて、レンズシステム20、20’に平行に入射する。加えて、いくつかの図示されたシステムと同様に、上記光学システムが、設置領域から上記関連付けられたセンサに向かう光の上流-下流の伝搬に応じる第1の光学要素として、線分によって生成される一次円錐台状反射面261、262を含む場合、対応する周辺観測視野の観測仰角γ1、γ2は、この所定の周辺観測視野に属する主観測光線の単一の角度であり、かつ、それは、対応する一次反射面261、262の設置軸A’1に対する傾斜から直接推測され得る。それゆえ、この角度は周辺観測視野の観測仰角γ1、γ2であるとしてみなされる。
【0115】
ただし、場合によっては、特にテレセントリックレンズシステムを有さない装置の場合、上記主光線を含み、上記センサによって受信された観測光線は、所定の光学システム24、24’によって特定される周辺観測視野内で互いに対して異なる観測仰角を有していてもよい。この場合、周辺観測視野の観測仰角は、検査対象容器のリング面に影響を与える可能性が高い設置領域において測定される角度であって、設置軸A’1に垂直な平面に対する主平均観測光線の角度と仮定され得る。周辺観測視野の主平均光線とは、対象となる視野の主光線の観測仰角の最小値及び最大値の算術平均である観測仰角を表す光線である。
【0116】
好ましくは、すべての実施形態において、第1及び/又は第2の周辺観測視野には設置軸A’1を中心とする方位の欠損がない。特に、設置軸を中心とする角度的に2つの限りなく近い観測放射状光線の間には方位角の不連続性はない。このように、対象となる視野によって生成される画像において、画像の解釈をさらに困難にすることもあり得る点の欠損は観察されない。このため、第1及び/又は第2の一次反射面261、262は、方位の欠損のない観測視野を確保するように、設置軸A’1を中心とする曲率の不連続性がないことが好ましく、この曲率は設置軸A’1に垂直な平面において解析される。一次反射面261、262はまた、観測視野の方位の連続性を確保するように、設置軸A’1を中心として連続的に反射しているという意味において、好ましくは方位的に連続しており、隠された角度セクタはない。ただし、場合によっては、特にハードウェア設置の制約に起因して、電源ケーブルの存在によって、設置軸を中心とする1つ又は複数の角度セクタが隠されていてもよい。好ましくは、このような隠されたされた方位角のセクタの範囲は小さいか又は非常に小さく、好ましくは設置軸を中心として5度よりも小さい。
【0117】
第1及び/又は第2の観測視野は、対応する観測放射状光線が設置軸A’1を中心として360度の角度で複数の半径方向平面に分布しているという意味において、周辺部にある。上記例において、第1の周辺観測視野は設置軸A’1を中心とする回転対称である。同様に、第2の周辺観測視野は設置軸A’1を中心とする回転対称である。
【0118】
第1及び/又は第2の周辺観測視野は、リング面がリング面の理論中心軸A1に垂直な平面Prefの上方から観測されるという意味において、「上方から」観測するものであって、リング面の少なくとも1つの点、例えば理論中心軸A1の方向に沿った最高点を含む。
【0119】
図1Aから5に示された実施形態において、第1の光学システム24、場合によっては第2の光学システム24’は、光学要素122とレンズシステム20との間に光学的に挿入された返送反射面132をさらに含む。そのため、図1Aから分かるように、2つの一次反射面261、262によって反射された光線は返送反射面132によって遮られる。返送反射面132は、センサ18の下流視野に配置され、この下流視野は光学レンズシステム20、20’によって定められる。上記例において、この返送反射面132は、上記センサの方向に光線を戻すように、設置軸A’1から離れる方向を向く回転による凸形面を含む。好ましくは、返送反射面132はその軸が設置軸A’1である凸形円錐台状面である。したがって、返送反射面132は円錐台の外表面に形成されている。いくつかの実施形態において、それは、いずれも制御対象容器のリング面の直径よりも小さい小径及び大径を有するが、この特性は、図3及び4の実施形態と同様に、第2の光学システム24’が第2の関連付けられたセンサ18’にリング面16の直接視を提供する実施形態に対してのみ必須である。大径は小径の下方に配置されている。
【0120】
返送反射面132は第1のセンサ18のレンズシステム20によって定められる下流視野の一部である。図1Aの実施形態において、返送反射面132は、第2のセンサ18’、ここでは上記共通のセンサのレンズシステム20’によって定められる下流視野の一部でもある。
【0121】
図1Aから5の実施形態において、第1の一次反射面261、及び、図1Aの実施形態の場合、第2の一次反射面262は、その軸が設置軸A’1である回転による面であると同時に、それぞれの観測仰角γ1、γ2で実際のリング面から到来する光線を、関連付けられたセンサ18、18’の方向に間接的に反射するように配置されている。実際、一次反射面261、262のそれぞれでの反射は、関連付けられたセンサ18、18’に到達する前に、ここでは返送反射面132上で起こる少なくとも1つの反射のために、間接的である。
【0122】
図7A及び7Bの例示的な実施形態において、リング面から到来し上記関連付けられたセンサに向かう光線の一次反射面261での反射は直接反射であって、リング面から派生する所定の光線について、リング面16とセンサ18との間には他の反射面がない。
【0123】
図5の例示的な実施形態において、リング面から到来し上記関連付けられたセンサに向かう光線の一次反射面262での反射は直接反射であって、リング面から派生する所定の光線について、リング面16とセンサ18との間には他の反射面がない。
【0124】
間接反射の場合、一次反射面261、262のそれぞれと返送反射面132との間の主光線の軌道が、設置軸に対して垂直又は略垂直であることが有利に提供される。このような配置によれば、一次反射面261、262の心出し又は返送反射面132の心出しで起こり得る欠陥に対する上記装置の感度を大幅に低減することが可能になる。このため、円錐台状返送反射面132は45度の半頂角を有し、それは設置軸A’1の方向に沿って一次反射面261、262と同じ高さに配置される。この場合、各一次反射面261、262は、対象となる一次反射面261、262が所望する対応する観測仰角γ1、γ2の半分に等しい半頂角a1、a2を示す。そのため、15度の角度を有する所望される観測仰角γ1について、第1の一次反射面261はその半頂角a2が7.5度に等しい角度の円錐度を有し、第1の一次円錐台状反射面261は下向きに広がっており、その大径は設置軸の方向に沿ってその小径の下方に配置されている。この構成においては、加えて、一次反射面261、262のそれぞれと返送反射面132との間のすべての主光線の軌道が設置軸A’1に垂直又は略垂直となるように、レンズシステム20、20’はテレセントリック性であることが特に有利である。
【0125】
ただし、変形例の一つとして、依然として間接反射の場合には、返送反射面132は、45度よりも小さい角度、例えば45度から角度δ(デルタ)を引いた角度に等しい角度、の半頂角を有する円錐台状面ということもあり得る。この場合、返送反射面132は一次反射面261、262よりも高い位置に配置されていてもよく、そうすると、一次反射面261、262は所望される観測仰角γ1、γ2の半分から角度δ(デルタ)の値を引いた角度に等しい頂半角a1、a2を有することになる。
【0126】
図1Aの例において、第1の一次反射面261及び第2の一次反射面262は両方が、返送反射面132と共同で間接反射において機能するように配置されており、それらは設置軸の方向に沿って互いに直接的に結合している一方で、有利には軸方向にオフセットされており、すなわちそれらは軸方向に同じ位置で配置されていない。任意に、上記2つの一次反射面のうち、設置軸A’1の方向に沿って下方に位置する方が第1一次反射面261であり、第1の一次反射面の上方に配置される方が第2の一次反射面262であるとみなされる。次に、上記2つの一次反射面は共通の円形稜線を有し得るとともに、共通の円形稜線は、ここでは第2の一次反射面262である上表面の下稜線、及び、ここでは第1の一次反射面261である下表面の上稜線に対応している。
【0127】
ただし、第1の一次反射面261及び第2の一次反射面262は、図5の例のように、上表面の下稜線と下表面の上稜線との間の0でない軸ずれにより軸方向に分離されることによって、軸方向にオフセットされることもあり得る。
【0128】
図示された実施形態において、リング面の軸A1に対して一次反射面を介してなされる観測は、第1の一次反射面261、及び、さらに図1A及び5の実施形態の場合の第2の一次反射面262が、リング面16の直径に対して半径方向外側に配置されるという意味において、リング面に対して外側から周辺的に半径方向に行われることが分かる。
【0129】
ただし、図1Aから7Aの実施形態の場合、リング面16から到来する第1の観測視野の観測光線は、設置軸A’1と交差する長い経路に沿ってリング面の起点の対極にある点で、第1の一次反射面261によって遮られることに留意されたい。そのため、リング面16は、少なくとも第1の観測視野に沿って、その内稜線側を通して観測され、すなわち上記観測光線は、リング面から上記センサに向かうそれらの軌道において、それらが第1の一次反射面261の方向にリング面16を離れるときに設置軸に向けられており、かつ、それらは第1の一次反射面261に到達する前にこの設置軸A’1と交差する。
【0130】
図7Bの実施形態において、第1の光学システム24は外側から半径方向に観測周辺視野を定義し、その外側稜線側からリング面を観測する。そのため、リング面16から到来する第1の観測光線はリング面と第1の光学システム24との間で設置軸A’1と交差しない。
【0131】
図1Aの実施形態において、第2の光学システム24’は、上記第1の光学システムと同様に、外側から半径方向に周辺観測視野を定義し、それゆえ設置軸と理論中心軸A1とが一致するときに設置軸A’1と交差する観測光線に沿って、その内側縁部側を通じてリング面を観測する。
【0132】
図3の実施形態において、第2の光学システム24’は、回転による反射面を持たないため、テレセントリックな直接視において、リング面の理論中心軸A1に対して、上記設備とリング面の複数の基準平面に垂直な観測を定める。
【0133】
図4、7A及び7Bの実施形態において、第2の光学システム24’は、回転による反射面を持たないため、非テレセントリックな直接視において、リング面の軸A1に対して、リング面に対して内側から半径方向の観測を定める。ただし、図4のこの実施形態において、リング面16は、第1の実施形態と同様に、第2の観測視野に沿って、その内稜線側を通じて観測される。
【0134】
図5の実施形態において、第2の光学システム24’は、外側から半径方向に周辺観測視野を定義し、その外側稜線側を通じてリング面を観測する。
【0135】
図3、4及び5の実施形態において、リング面16から到来する第2の観測光線はリング面と第2の光学システム24’との間で設置軸A’1と交差しない。
【0136】
上記光学システムが直接反射又は間接反射用に配置された一次反射面を含むすべての図示された実施形態において、上記一次反射面は、外側から半径方向に周辺観測視野を定めるように、理論リング面の直径よりも大きい小径及び大径を有している。上記一次反射面が間接反射用に配置される場合、それは、好ましくは設置領域に向かって設置軸の方向に広がっている。対照的に、上記センサに向かって直接反射用に配置される一次反射面261及び/又は262を含む光学システム24、24’を備える図5、7A及び7Bの実施形態の構成において、一次反射面261及び/又は262は、上記関連付けられたセンサに向かって設置軸の方向に広がっているか、又は設置軸A’1を中心とする回転による円筒形状であり得る。
【0137】
図1Aから5の実施形態において、第1の一次反射面を含む第1の光学システム24によって、上記第1のセンサ又は上記共通のセンサについて定められる第1の周辺観測視野は、設置軸A’1に垂直な平面Prefに対して、例えば5から25度の間の角度、例えば15度の角度を有する第1の観測仰角γ1を有する。図示された例において、第1の周辺観測視野はその入射光線が第1の一次反射面261によってセンサ18に向かって反射される観測光線を含む。言い換えると、この第1の周辺観測視野は、第1の光学システム24を通じて第1のセンサ18の視野の第1の上流部分CAM1を構成し、第1の上流部分CAM1は、第1の一次反射面261によって、この第1の一次面261までの設置領域Eにおいて特定される。
【0138】
図7A及び7Bの実施形態の場合、第1の一次反射面を含む第1の光学システム24によって、上記第1のセンサ又は上記共通のセンサについて定義される第1の周辺観測視野は、設置軸A’1に垂直な平面Prefに対して、図7Aの場合、25から45度の間の角度を有し、図7Bの場合、45度より大きい角度を有する第1の観測仰角γ1を有する。
【0139】
図7Aの実施形態と同様に、図1Aから5の実施形態の場合、この第1の一次反射面261までの設置領域Eにある観測光線の上流部分において、上記第1の光学システムによって特定される第1の放射状観測光線は、リング面から出る場合、初めは中心に向かい、それゆえ設置軸A’1の方向に方向づけられ、その後、設置軸A’1と交差して、設置軸を越え、中心から離れて第1の光学システムの第1の一次反射面261の方向に、この第1の一次反射面261に作用するまで、向かうようになる。
【0140】
図7Bの実施形態の場合、回転による反射面における他の反射がない第1の一次反射面261による直接反射において、上記第1の光学システムによって特定される第1の放射状観測光線は、リング面を出て上流側から下流側に上記センサの方向に向かう場合、第1の光学システム24の第1の一次反射面261に作用するまで、設置軸A’1から遠ざかるようになる。
【0141】
第2の周辺観測視野は、設置軸A’1に垂直な平面Prefに対して、例えば20から90度の間の角度を有する第2の観測仰角γ2を有し、この第2の角度は第1の観測仰角γ1とは異なる。
【0142】
好ましくは、第1及び第2の観測仰角は少なくとも5度の角度で異なる。実際、このような角度差は、後述する三角測距操作の精度を良好にするために必要であると思われる。任意ではあるが、図示された例において、第2の観測仰角γ2は第1の観測仰角γ1よりも真に大きい。
【0143】
図1A及び5に示された例において、第2の周辺観測視野は、その入射光線が第2の一次反射面262で、すなわち第2の光学システム24’によって第2のセンサ18’に向かって反射される観測光線を含み、この場合それは上記共通のセンサによって形成されている。この第2の周辺観測視野は、第2の光学システム24’を通じて共通のセンサ18、18’の視野の第2の上流部分CAM2を構成し、第2の上流部分CAM2は、第2の一次反射面262によって、第2の一次反射面262までの設置領域Eにおいて特定される。
【0144】
図1Aの実施形態の場合、設置領域Eにある第2の観測光線の上流部分において、第2の光学システムによって特定される第2の放射状観測光線は、リング面を出て上流側から下流側に上記センサの方向に向かう場合、初めは中心に向かい、それゆえ設置軸A’1の方向に初めは方向づけられ、その後、設置軸A’1と交差して、設置軸A’1を越え、第2の光学システム24’の第2の一次反射面262の方向に、第2の一次反射面262に作用するまで、向かうようになる。
【0145】
図1Aの実施形態において、第2の観測仰角γ2は、第1の観測仰角γ1と同様に、かすめ角であって、25度よりも小さい角度である。
【0146】
図5の実施形態において、回転による反射面における他の反射がない第2の一次反射面262による直接反射において、第2の観測仰角γ2は、65度よりも大きく、好ましくは75度よりも大きい下向きの角度である。図5のこの実施形態の場合、上記第2の光学システムによって特定される第2の放射状観測光線は、リング面を出て上流側から下流側に上記センサの方向に向かう場合、第2の光学システム24’の第2の一次反射面262に影響を与えるまで、設置軸A’1から遠ざかるようになる。
【0147】
第2の一次反射面262の存在及び共通のセンサ18の存在に共通点がある図1A及び5の実施形態において、第1の一次反射面261及び第2の一次反射面262はそれぞれが、互いに隠し合うことなく、レンズシステム20を通じて上記センサによって同時に観察され得るという意味において、共通のセンサ18の下流視野の互いに交わらない部分にあることに留意すべきである。一方が他方を部分的に隠す限りでは、部分的に隠されている方については、隠されていない有用な部分のみが考慮される。
【0148】
図3及び4の実施形態において、回転の反射面上における反射がない直接視において、第2の観測仰角γ2はまた、65度よりも大きく、好ましくは75度よりも大きい下向きの角度である。図3の実施形態において、テレセントリックレンズシステムの存在は、第2の観測仰角γ2が90度に等しい角度であることを意味する。また、これらの2つの実施形態において、この第2の周辺観測視野は、レンズシステム20’によって特定される第2の光学システムを通じて、上記視野の、図4の実施形態の共通センサ18の、又は図3の実施形態の第2センサ18’の、第2の上流部分CAM2を構成する。上記観測光線の設置領域Eにおけるレンズシステム20’までの部分において、この第2の観測視野の観測光線は、図4の実施形態の場合には、軸A’1の方向である中心に向かい、図3の実施形態の場合には、それらが設置領域Eからレンズシステム20’に向かって進むとき、この軸に平行である。第2の光学システム24’が回転による反射面を含まず、それゆえレンズシステム20’が縮小化されているこれらの実施形態において、上記第2のセンサの視野の上流部分及び下流部分は、異なっていても共通であっても、一致しているとみなし得ることに留意すべきである。
【0149】
したがって、上記第2の視野の上流部分は、設置軸A’1に垂直な平面を通る環状断面であることに留意すべきである。図3及び4の2つの実施形態において、この環状領域の内側の限界は、返送面132の外側輪郭によって、又は図3の例の場合には、第2の環状光源28’の外側輪郭によって、特定される。その外側の限界は、光学要素122の内側輪郭によって、又は図4の実施形態においてあり得る第2の環状光源28’によって、又は関連付けられたセンサ18、18’の視野の限界によって、特定される。
【0150】
第2のセンサ18’が専用のセンサである図3の実施形態において、第2のセンサの特定の位置決め又は第2のレンズシステム20’の特定の焦点合わせを提供することが可能であり、これにより、一方では第1の光学システム24を通る光線について、他方では第2の光学システム24’を通る光線について、比較的大きな経路長差を考慮に入れることが可能となる。図5の実施形態と同様に、2つの光学システム24、24’に関連付けられた共通のセンサ18を備えた図4の実施形態において、上記経路差は、例えば視野の深度を増大させることによって、例えば絞りを用いること、及び/又はレンズシステム20の中間焦点合わせを実行すること、及び/又は2つの光学システム24、24’のいずれかに挿入された追加の屈折光学システム又は反射光学システムを使用することによって、補われ得る。
【0151】
図7Aの実施形態において、第1の共通の光源28は放射状入射光線RI1によってリング面16の点Tを照らし、放射状入射光線RI1は、第1の周辺観測視野が、45度よりも小さい角度であり、かつ25度に等しいかそれよりも大きい角度である第1の観測仰角γ1を定める第1の観測システムの反射光線RR1に反射され、反射光線RR1は、共通のセンサ18の視野の上流にある上記第1の領域において、リング面16と設置軸A’1との間のそれらの進路に沿って中心に向かい、軸A’1と交差した後、中心から遠ざかるようにして第1の一次円錐台状反射面261で反射する。図7Aにおいては常に、第2の異なる光源28’は、第2の放射状入射光線RI2によってリング面16の同じ点Tを照らし、第2の放射状入射光線RI2は、第2の周辺観測視野が、ここでは45度よりも大きく、例えば65度よりも大きく、さらには75度よりも大きい角度である、上記第1の角度とは異なる第2の観測仰角γ2を定める第2の観測システム24’の反射光線RR2に反射され、反射光線RR2は、上記視野の第2の上流部分において、ここではレンズ20’に限定される第2の光学システム24’の方向にリング面16からのそれらの進路に沿って設置軸A’1の方向である中心に向かう。
【0152】
図7Bにおいて、設置軸A’1を中心とする環状で共通の単一光源28は、入射光線RI1、RI2によってリング面16を照らし、入射光線RI1、RI2はリング面の同じ点Tでそれぞれ反射される。
【0153】
入射光線RI1は、第1の光学システム24によって定められる第1の周辺観測視野に沿って反射光線RR1に反射され、反射光線RR1は、ここでは45度よりも大きい第1の観測仰角γ1を有し、上記反射光線は、上記視野の上流にある第1の部分において、リング面16と第1の一次円錐台状反射面261との間のそれらの進路に沿って中心から遠ざかる。
【0154】
入射光線RI2は、第2の光学システム24によって定められる第2の周辺観測視野に沿って反射光線RR2に反射され、入射光線RI2は、ここでは45度よりも大きく、例えば65度よりも大きく、さらには75度よりも大きい角度であり、上記第1の角度とは異なる第2の観測仰角γ2を有し、反射光線RR2は、上記視野の第2の上流部分において、ここではレンズ20’に限定される第2の光学システム24’の方向にリング面16からのそれらの進路に沿って設置軸A’1の方向である中心に向かう。
【0155】
ここで留意すべきは、図7A及び7Bの実施形態において、2つの光学システム24、24’は非テレセントリック性であるということである。あるいは、2つの光学システム24、24’のいずれか又は両方がテレセントリック性ということもあり得る。同様に、1つの共通のセンサで図示されているという事実にもかかわらず、複数の異なる専用のセンサを備えた変形例が提供されてもよい。
【0156】
したがって、第1の仰角及び第2の仰角によって形成される2つの角度については、これら2つの角度が、好ましくは少なくとも5度の角度で異なるという条件で、すべての角度の組み合わせが可能であることが理解される。
【0157】
すべての場合において、第1及び第2の光学システムは、関連付けられたセンサ18、18’に対して、設置軸A’1を中心とする回転による有効検査体積VUIに沿う設置領域Eにおいて重複する第1の上流視野部分CAM1及び第2の上流視野部分CAM2をそれぞれ特定するように構成される。そのため、有効検査体積内に位置する対象物の任意の点は、適切に照らされ、かつ、第1のセンサ上に第1の光学システムによって形成される第1の画像内の第1の画像点によって画像化され、また、第2のセンサ上に第2の光学システムによって形成される第2の画像内の第2の画像点によって画像化される。共通の検査領域を形成するこの有効体積VUIは、検査対象容器のリング面16を受け入れ可能であるように構成された形状を有する必要がある。図示された例において、この有効体積は設置軸A’1を中心とする回転によって生成されたひし形の形状を有し、このひし形は、例えば図1Aの実施形態において、上記関連付けられたセンサの光学システム24、24’によって特定される視野の深度に応じて、場合によっては先端が切り取られている。
【0158】
図1Aの実施形態の場合、この特性は図1Cの概略グラフ上で強調されている。このグラフ上で、第1の上流視野部分CAM1の上限及び下限、並びに第2の上流視界部分CAM2の上限及び下限は、半径方向平面Prの半分の断面において破線で表されている。これら2つの部分は有効検査体積VUIに沿って重複している。
【0159】
すべての実施形態において、これらの2つの上流視野部分CAM1、CAM2はそれぞれが、関連付けられた光学システム24、24’によって、上記画像センサの第1及び第2の画像形成領域上でそれぞれ画像化され、上記センサの第1及び第2の画像形成領域は、上記センサに送信される全体画像IGの第1及び第2の画像領域にそれぞれ関連付けられており、それゆえ、この全体画像は図1Dに示された例において2つの光学システムに共通である。この理論は2つの光学システム24、24’に関連付けられた単一の共通のセンサを含む実施形態についても当てはまる。
【0160】
図3に示されるように、各光学システムについて1つである、2つの異なる専用センサを含む実施形態において、第1のセンサによって送信される第1の全体画像IG、及び第2のセンサ18’によって送信される第2の全体画像IG’が、このようにして、第1の全体画像の第1の画像領域においてリング面16の第1の画像を、第2の全体画像の第2の領域においてリング面16の第2の画像を、それぞれ含むようにすることが可能となる。この場合、上記2つの全体画像を、それらが互いに交わらずに表されているという条件で、コンピュータによって統合して、共通のセンサで取得される上記共通の全体画像と同一又は類似の合成全体画像を取得することが可能であることにも留意すべきである。
【0161】
2つの光学システム24、24’に関連付けられた単一の共通のセンサを含む実施形態において、第1の画像領域ZI1及び第2の画像領域ZI2は、上記共通の全体デジタル画像において互いに交わらないことに留意されたい。上記2つの光学システムは、同じ二次元センサ18上で、上記センサの2つの異なる画像形成領域に分離された2つの画像を同時に形成し、後者は2つの異なる画像領域を含む全体画像を送信し、異なる画像領域はそれぞれ、対応する一次反射面によって特定される観測仰角を有する周辺観測視野に沿って収集された光線からのリング面の画像を含む。そのため、これにより、第1及び第2の周辺観測視野に沿って収集された反射光線から、光学システム24、24’を介して、容器のリング面の二次元画像I161、I162の同時形成が可能となり、二次元画像I161、I162はともに、第1の観測仰角γ1を有する第1の周辺観測視野に沿った観測に対応する第1の画像領域ZI1内、及び第2の観測仰角γ2を有する第2の周辺観測視野に沿った観測に対応する第2の画像領域ZI2内にある。したがって、この場合、各容器について、2つの画像領域を含む全体画像が存在し、2つの画像領域のそれぞれが2つの異なる観測仰角からのリング面の画像を含む。この共通の全体画像IGは、好ましくは画像センサ18の1回の取得時間中に取得される。2つのセンサの場合において、上記2つの全体画像は、有利には同時に取得され得る。ただし、第1のリング面画像及び第2のリング面画像が別個の時間に取得されることが対照的に提供され得る。
【0162】
リング面の画像I161、I162は、対応する入射光ビームの放射状光線によって形成され、上記放射状光線は、リング面16上で鏡面反射によって反射されるとともに、関連付けられたセンサ18、18’上で、対応する光学システム24、24’によって方向付けられる。いくつかの実施形態において、実際のリング面の画像I161、I162は、対応する入射光ビームの放射状光線のみからなり、上記放射状光線はリング面16上で鏡面反射によって反射されるとともに、関連付けられたセンサ18上で、対応する光学システム24、24’よって方向付けられるとみなされる。
【0163】
いくつかの実施形態において、特に、図3に示されるように、各光学システムに専用のセンサ及び光源を備え、2つの異なる専用のセンサ及び2つの異なる光源を含む実施形態において、各全体画像がリング面の画像のみを含むようにすることが可能となる。実際、第1の波長範囲で放射する第1の光源28と、第1の範囲とは異なる第2の波長範囲で放射する第2の光源28’とを設けることができる。いくつかの実施形態においては、重複しない2つの波長範囲が選択される。そのため、それは、リング面の第1の画像及び第2の画像の形成において、各画像が上記対応する光源から派生する反射光線を用いて形成されるように、色フィルタリングを実行するのに十分である。この色フィルタリングは、例えば、光学システム24、24’の一方又は両方を通る光路において色光学フィルタの形式で実行され得る。2つの異なるセンサ18、18’及び分離ブレード21を含む図3の実施形態において、分離ブレードがダイクロイック型ブレードであることを提供することが可能である。色フィルタリングは、異なる色度範囲で動作するセンサを使用して、又は上記センサによって収集された信号の処理において、上記収集された光信号の一部のみを使用して上記センサで実行し得る。単一の共通の、例えば(Tri CCD又はベイヤー型の)トリクロイック性のセンサを含むシステムにおいて、例えば第1の画像領域について1つの色チャネルのみを、第2の画像領域について別の色チャネルのみを、使用することが可能である。これにより、上記対応する画像においてリング面の画像を識別しやすくなる。これにより、特に、上記装置内であり得る2つの光源の存在によって生じるものを含む迷光反射を、少なくとも部分的に補うことが可能である。
【0164】
有利には、2つの光学システム24、24’のそれぞれにより、関連付けられたセンサ18、18’上に、リング面16の理論中心軸A1を中心とする360度の角度で、完全かつ連続的なリング面の二次元画像I161、I162の光学的形成が可能となる。この完全かつ連続的な光学画像は、光に作用する光学的方法のみによって、デジタル変換なしで上記関連付けられたセンサ上に形成される。図示された例において、リング面のこの完全かつ連続的な光学画像は、デジタル変換なしで、光学システム24、24’によって上記センサ上に形成される。
【0165】
図1Dは、上述のようにして得られた共通の全体画像又は合成全体画像の例を表す。各光学システム24、24’を通じて、リング面16をリング面画像I161、I162それぞれに変換する2つの光学幾何変換によって、上記関連付けられたセンサ上に実際のリング面16の2つの平面的光学画像I161、I162が得られた。好ましくは、上記光学的幾何変換のそれぞれについて、理論中心軸A1を中心とする角度偏差によって分離された実際のリング面の2つの点のそれぞれの画像が、対象となる光学幾何変換によって得られた画像において、理論中心軸の画像周りと同じ角度偏差によって分離されるという意味において、理論中心軸A1を中心とするリング面の2つの点の相対的角度位置は変更されない。上記2つの光学変換のそれぞれについて、理論リング面画像が、上記変換により形成される画像であって、理論リング面と一致する実際のリング面の画像であるという意味において、上記と同じ変換により、理論リング面が理論リング面画像I161t、I162tに理論的に変換されるとみなされる。
【0166】
図1Cにおいて、2つの観測光線の軌道は実線で示されており、それぞれ、第1の観測仰角そして第2の観測仰角に沿って、実際のリング面の点Tiから派生し、光電センサ18の方向で、第1及び第2の一次反射面をそれぞれ通過している。
【0167】
図1Dは、2つの光学システム24、24’を通じてセンサ18によって受信された全体画像IGを示す。上記2つの観測仰角にそれぞれ沿って、それゆえ2つの一次反射面261、262をそれぞれ介して形成される同じリング面の2つの実際の画像は、ここでは、画像線I161、I162の形式でそれぞれ示されており、それは、共通のセンサ18の対応する光学システムによって形成される画像であって、リング面16上の対応する入射ビームの反射の画像である。全体画像IGにおけるその半径方向に沿うこれら2つの画像線の太さは、例えば、特に半径方向平面の断面におけるリング面の輪郭の平らで、丸みを帯びた、逆V字状の又は多角形の形状によって、同じ半径方向平面における光源の広がりによって、及びこの光源によって供給される光域の角度によって、特定される。ほとんどの場合、リング面の画像I161、I162は1つの線に同化され得るとともに、それ以外の場合は、例えば代表線としてリング面の画像の内側若しくは外側稜線又は中央線を選択して、リング面の画像を表す線を定義することが可能となる。このような線は、分割化によって、「骨格化」によって、その中心に端を発する各伝播光線について特定の点を探索することなどによっても特定し得る。
【0168】
図1C及び1Dに示されるように、ここでは、理論リング面16tの対応する点Ttiは、この理論面の点であって、それは理論中心軸A1を中心とする円柱座標系(Z,ρ,θ)において、実際のリング面16の対象となる点Tiと同じ角度座標を有するとみなされる。実際のリング面の対象となる点Tiと理論リング面の対応する点Ttiとの間の位置差は、理論中心軸の方向に沿った実際の高低差dZと理論中心軸A1に垂直な半径方向に沿った実際の半径方向差dρとの組み合わせである。
【0169】
容器のリング面画像の画像点ITi1、ITi2は、対応する光学幾何変換のために、第1及び第2の光学システムをそれぞれ通る実際のリング面の対象となる点Tiの画像である。
【0170】
この図1Dにおいて、2つの線I161t、I162tが追加されており、線I161t、I162tは、2つの観測仰角に沿った理論リング面画像をそれぞれ示している。リング面16tの理論画像I161t、I162tの対応する理論画像点ITti1、ITti2は、第1及び第2の光学システムそれぞれによる、対応する光学幾何変換に起因する、理論リング面の対応する点Ttiの画像である。
【0171】
理論リング面画像を表す理論線I161t、I162tは、予め定義された線、例えば設置軸IA’1の画像を中心とする円であり得る。
【0172】
あるいは、理論リング面画像を表す理論線I161t、I162tは、例えば画像処理装置内での演算によって、対応する理論線I161t、I162tを推定することにより、リング面I161、I162の画像から推測し得る。この理論線を推測するには、例えば「ベストフィットカーブ」型、ハフ変換、相関、最大内接円の抽出など、様々な方法が可能である。これらの方法において、リングの推測的直径の値を考慮に入れることが可能である。実際、完全な光学システムにおいて、かつ設置領域E(A1=A’1)の中心に置かれた容器について、理論線I161t、I162tは円である。理論リング画像の円(理論線I161t、I162t)の直径は、調整又は初期化手段を使用して、例えば学習することによって、又は値を入力若しくはダウンロードすることによって、上記画像処理システムから推測的に識別し得る。したがって、理論線I161t、I162tを識別するためには、その中心をリング面I161、I162の画像から特定する必要がある。楕円のような、理論曲線のより複雑な形状を用いて、又は、中心ずれしているためにA1がA’1からオフセットされている容器の場合にはその他のパラメトリック曲線を用いて、これらの方法を一般化することが可能である。
【0173】
それぞれが同じリング面の2つの画像のうちの1つをそれぞれ含む2つのデジタル画像領域ZI1、ZI2は、図示される例において、2つの一次反射面261、262にそれぞれ対応する同心円状の環状領域である。
【0174】
図1C及び1Dに示されるように、上記2つの光学幾何変換のうちの少なくとも1つは、少なくとも図1A、3、4及び5の実施形態の場合、実際には上記2つの光学幾何変換は、特別な場合を除いて、実際のリング面の対象となる点Tiと理論リング面の対応する点Ttiとの間の位置差を、半径方向画像オフセットdR1i、dR2iに変換する。全体画像IG、IG’における半径方向画像オフセットdR1i、dR2iは、一方では対応する実際のリング面画像I161、I162における画像点ITi1、ITi2と、他方では対応する理論リング面画像I161t、I162tにおける対応する理論画像点ITti1、ITti2との間の距離である。
【0175】
図示された例において、実線で示されている2つの実際のリング面画像I161、I162は、破線で示されている対応する理論リング画像I161t、I162tと、全周にわたって略一致している。第1の画像領域ZI1において、局在欠陥を有するリング面の点Tiに対応する角度セクタにおいて、第1の実際のリング面画像I161は、第1の対応する理論リング面画像I161tから突き出ており、上記理論リング面画像において、この画像に対して半径方向画像オフセットdR1iを有していることが分かる。2つの点Ti及びTtiの間の位置差は、上記センサにより観察される画像上の半径方向画像オフセットdR1iに、光学システム124によって、第1の光学幾何変換に従って変換されることが分かる。
【0176】
第2の観測仰角γ2もかすめ角である図示された例において、局在欠陥を有するリング面の同じ点Tiに対応する角度セクタにおいて、第2の実際のリング面画像I162もまた、第2の対応する理論リング面画像I162tから突き出ており、上記理論リング面画像において、この画像に対して半径方向画像オフセットdR2iを有していることが分かる。この仮説において、その位置差は、上記センサによって観察される画像上の第2の半径方向画像オフセットdR2iに、光学システム124によって、第2の光学幾何変換に従って変換されることが分かる。
【0177】
反射光線が、実際のリング面とセンサ18との間の反射光線の経路において、同じ数の反射又は等価の数の反射を受ける構成の場合、センサごとに送信される全体画像IGにおいて、設置軸A’1の画像IA’1に対応する画像の中心点から派生する同じ光線上で、2つの半径方向画像オフセットdR1i及びdR2iが測定され得ることに留意されたい。
【0178】
好ましくは、上記2つの光学幾何変換のうちの少なくとも第1のもの、例えば第1の反射面261を通じて実行されるものについて、第1のセンサ18によって収集される第1の平面的画像領域ZI1において、実際の高低差単位dZiから生じる半径方向画像オフセットdR1iは、実際のリング面の対象となる点と理論リング面の対応する点との間での同じ次元の実際の半径方向オフセットdρiから生じる半径方向画像オフセットよりも大きいことが観測される。言い換えると、好ましくは上記2つの光学幾何変換のうちの少なくとも第1のものについて、実際の高低差dZiの影響は、第1の光学システム24によって取得される第1の光学幾何変換で得られる半径方向画像オフセットにおける実際の半径方向差dρiの影響よりも大きい。そのため、理論リング面に対する実際のリング面の1mmの高さオフセットが、軸方向原点の半径方向画像オフセットをもたらすであろう一方で、理論リング面に対する実際のリング面の1mmの半径方向オフセットは、より低い値の、半径方向原点の別の半径方向画像オフセットをもたらすであろう。
【0179】
本発明の装置のいくつかの実施形態において、軸方向原点の半径方向画像オフセットのこのような優位性は、第1の観測仰角が45度に等しいかそれよりも小さい角度であるという事実によって確保され、第1の観測仰角が25度よりも小さい角度である場合、優位性はさらに大きくなる。ただし、図7Bの実施形態において、このような優位性は、2つの光学システム24、24’によって定義される上記2つの幾何変換のいずれに対しても提供されない。設置軸に垂直な平面に、凹形の第1の円錐台状一次反射面261を含む図示された例示的な実施形態において、この特性は、実際の高低差の影響が上記光学幾何変換で得られる半径方向画像オフセットにおける実際の半径方向差の影響よりも大きいことに基づいて、特に設置軸A1に対する一次反射面261の角度によって確保される。より具体的には、一次反射面261に特徴的な半頂角a1は、理論リング面に対する実際の面における高低差と半径方向差との間の半径方向画像オフセットに対する影響比率を特定する。
【0180】
第1の凹形一次反射面261及び返送反射面132を備える図示された実施形態において、一次反射面261のこの半頂角a1が0度に近づくにつれて減少すればするほど、半径方向画像オフセットに対する高低差の影響は大きくなる。もちろん、一次反射面261、262を担持する光学要素122がリング面16の上方に配置されることができ、そのため、センサ18が光学システム24によって上方からリング面16を観察することができるように、一次反射面を担持する円錐の頂点が上記一次反射面に対して上向きに配置されるようにすることが好ましい。返送反射面132が45度の角度を有する図示される場合において、この半頂角a1は、実際の高低差の影響が半径方向画像オフセットにおける実際の半径方向オフセットの影響よりもはるかに大きくなるように、12.5度よりも小さい角度である。
【0181】
好ましくは、上記2つの周辺観察視野のうちの少なくとも第1のものについて、実際の高低差単位に対応する半径方向画像オフセットは、実際のリング面の点と理論リング面の対応する点との間での同じ次元の実際の半径方向オフセットに対応する半径方向画像オフセットの少なくとも2.14倍であり、より好ましくは少なくとも3倍である。このように、取得された画像において、半径方向画像オフセットは、理論リング面と実際のリング面の間の半径方向オフセットよりもむしろ、理論リング面に対する実際のリング面の高さオフセットに非常に大きく起因していることが確保される。
【0182】
図1Aから5に示された例において、第1の一次反射面261によって定義される観測仰角γ1は15度の角度であり、第1の一次反射面261の半頂角a1は7.5度の角度である。より一般的には、図1Aの装置構成において、第1の一次凹形反射面261は、設置軸A’1を中心として360度の角度で連続する回転の円錐台状面であり得るとともに、上記観測仰角の半分に等しい半頂角a1を有する。
【0183】
図1Aの装置構成において、第2の観測仰角γ2もまた45度よりも小さい角度であり、さらに好ましくは25度よりも小さい角度であり、それゆえ、上記の通りかすめ角である。リング面の第2の画像I162には、半径方向画像オフセットdR2も存在しており、半径方向画像オフセットdR2は、実際のリング面16の点と理論リング面16tの対応する点との間で同じ次元の実際の半径方向オフセットに対応する半径方向画像オフセットよりも大きい実際の高低差単位に対応しているように見える。
【0184】
対照的に、図4、5、7A及び7Bの実施形態において、第2の観測仰角γ2は、上記の通りかすめ角ではない。それは、例えば、65度よりも大きい角度、又は75度よりもさらに大きい角度であり得る。この場合、半径方向画像オフセットは、理論リング面と実際のリング面の間の高さオフセットよりもむしろ、理論リング面に対する実際のリング面の実際の半径方向オフセットdρに非常に大きく起因している。したがって、上記第2の画像のこの半径方向画像オフセットは、主に半径方向原点によるものである。
【0185】
図3の実施形態の場合、第2の観測仰角γ2は90度の角度を有する。この場合、半径方向画像オフセットdR2は、理論リング面に対する実際のリング面の実際の半径方向オフセットdρにのみ起因している。これら2つの面の間の高さオフセットdZiは、第2のリング面画像上では見られない。言い換えると、図3のこの装置において、第2のリング面画像I162において測定される半径方向画像オフセットdR2iは、設置軸に垂直な方向に沿う理論リング面に対する実際のリング面の半径方向オフセットを表す値を直接的に付与する。
【0186】
画像を処理するため及び複数の容器の検査のための測定値を特定する可能な方法が、以下の記載において説明される。画像において画素単位又は副画素単位でなされた測定値を、複数の容器に関連する物理的測定値、特に長さ単位で変換するために、その演算には、レンズシステム20、20’とセンサ18及び18’とを含む第1及び第2の光学システム24、24’の光学的及び幾何学的特性が考慮され、光学的及び幾何学的特性とは、例えば、画素の寸法、レンズの焦点距離、光学要素及びリング面の距離及び位置、並びに円錐台状ミラーの角度などである。したがって、これらの光学的及び幾何学的特性は、上記画像処理システムに対して既知であるとみなされる。それらは、例えば入力による任意の記憶媒体によって、又は上記装置の校正によって、上記画像処理システムで利用可能となる。
【0187】
これらの光学的及び幾何学的特性はまた、三次元測定空間において有用な演算を実行するために、光学的光線に対応する幾何学的光線を演算するのにも使用される。
【0188】
そのため、より一般的には、上述の方法及び/又は装置によって取得される画像において、画像処理によって各リング画像の関心のある点の特定を実行することが可能である。これらの特定は、全体デジタル画像の基準点Oから派生し、かつ基準点O周りで互いに角度的にオフセットする分解方向Diの数Nに対してなされ、基準点Oは好ましくは設置軸の画像IA’1である。
【0189】
次に、1つの共通のセンサの場合には、送信された共通の全体デジタル画像を、又は2つの専用のセンサの場合には、2つの専用のセンサによって別々に送信された2つの全体デジタル画像の合成によって取得された合成全体デジタル画像、若しくは2つの専用のセンサによって別々に送信された2つの全体デジタル画像を別々に、処理することが可能であることに留意すべきである。すべての場合において、上記2つの二次元デジタル画像の間の光学的反転、上記2つの画像の間の倍率の違い、向きの違いを、それが、必要に応じて上記2つの画像を幾何学的に比較できるように上記2つの画像の再調整を意味しているとしても、考慮に入れるようにする。
【0190】
そのため、分解方向Diに従って、リング面16の第1の二次元デジタル画像I161の第1の画像点ITi1を、上記分解方向で特定することが可能となる。この画像点ITi1は第1の光学システムによるリング面の点Tiの画像である。次に、この第1の画像点から第1の全体デジタル画像IG内の基準点までの距離を表す第1の値を特定することが可能である。上述の例において、この代表値は、第1の半径方向画像オフセットdR1iの値、つまり第1の画像点ITi1と、第1の理論リング面画像I161tに属するとともに同じ方向に位置する第1の理論画像点ITti1との間の距離であり得る。したがって、この例において、この第1の半径方向画像オフセットdR1iは、リング面16の第1の画像を表す線I161と、第1の画像における理論リング面画像を表す理論線I161tとの間の、基準点から派生し、上記分解方向に沿った距離である。ただし、後述するように、第1の全体デジタル画像IGにおけるこの第1の画像点から基準点までの距離の値を、代表値とみなすことも可能である。
【0191】
基準点IA1、IA’1から派生する同じ分解方向Diで、リング面16の第2の画像I162の第2の画像点ITi2を特定することも可能である。この画像点ITi2は、第2の光学システム24’によるリング面の同じ点Tiの画像である。次に、第2の全体デジタル画像IG’におけるこの第2の画像点ITi2から基準点IA1、IA’1までの距離を表す値を特定することが可能である。上述の例において、この代表値は、同じ分解方向Diについて常に、第2の半径方向画像オフセットdR2iの値、つまり第2の画像点ITi2と、第2の理論リング面画像I162tに属するとともに同じ方向に位置する第2の理論上の画像点ITti2との間の距離であり得る。したがって、この例において、この第2の半径方向画像オフセットdR2iは、リング面の第2の画像を表す線I162と第2の画像における理論リング面画像を表す理論線I162tとの間の、基準点IA1、IA’1から派生し、上記分解方向に沿った距離である。ただし、図1Eを参照すると分かるように、第2の全体デジタル画像IGにおけるこの第2の画像点から基準点までの距離の値を、代表値とみなすことも可能である。
【0192】
もちろん、上記2つの画像について、同じ大きさを表す値が取得される。
【0193】
これに基づいて、各分解方向Diについて、半径方向平面Priにおける幾何的三角測距関係によって、設置軸A’1の方向に沿って、実際のリング面16の点Tiから、軸位置を表す少なくとも1つの値を推測することが可能であり、第1及び第2の光学システム24、24’による実際のリング面16の画像は、それぞれ第1の画像点ITi1及び第2の画像点ITi2である。
【0194】
図1Dを参照すると、この幾何的三角測距関係では、例えば以下が使用される。
-第1の値、例えば第1の半径方向画像オフセットdR1i、
-第2の値、例えば第2の半径方向画像オフセットdR2i、
-第1の観測仰角γ1、及び
-第2の観測仰角γ2。
【0195】
実際、設置軸A’1を含み、対象となる点Tiを通過し、それゆえ分解方向Diを含む、半径方向平面Priにおける正射影によって、以下を結び付ける関係を特定することが可能である。
-点Ti及びTtiを含む半径方向平面Priにおける対象となる点TiとTtiとの間の実際の半径方向オフセットdρi、
-対象となる点TiとTtiとの間の設置軸方向に沿った高低差dZi、
-全体画像において測定される半径方向画像オフセットdR1i及びdR2i。
【0196】
図示された例示的な実施形態において、この関係は、以下の方程式によって説明され得る。
【0197】
【数1】
【数2】
【0198】
ここで、G1及びG2は、それぞれ第1のレンズシステム20及び第2のレンズシステム20’の倍率の関数である。
【0199】
あるいは、図1Eを参照すると、分解方向Diに従って、リング面16の第1の二次元デジタル画像I161の第1の画像点ITi1を、上記分解方向で特定することが可能となる。この画像点ITi1は、第1の光学システムによるリング面の点Tiの画像である。次に、第1の全体デジタル画像IGにおいて、この第1の画像点から基準点O、例えば設置軸の画像IA’1、までの距離R1iを特定することが可能である。この値は半径方向画像座標R1iと呼ばれ得る。
【0200】
リング面16の第2の画像I162から、基準点Oから派生する同じ分解方向Diで、第2の画像点ITi2を特定することも可能である。この画像点ITi2は、第2の光学システム24’によるリング面の同じ点Tiの画像である。次に、第2の全体デジタル画像IG’におけるこの第2の画像点ITi2から基準点Oまでの距離R2iを特定することが可能である。この値は半径方向画像座標R2iと呼ばれ得る。
【0201】
これに基づいて、各分解方向Diについて、平面Priにおける幾何的三角測距関係によって、設置軸A’1の方向に沿って、軸位置を表す少なくとも1つの値Zi、及び実際のリング面16の点Tiの半径方向位置を表す値ρiを推測することが可能であり、第1及び第2の光学システム24、24’による実際のリング面16の画像は、それぞれ第1の画像点ITi1及び第2の画像点ITi2である。
【0202】
この幾何的三角測距関係では、例えば以下が使用される。
-第1の値、第1の画像点ITi1の半径方向画像座標R1i、
-第2の値、第1の画像点ITi2の半径方向画像座標R2i、
-第1の観測仰角γ1及び、
-第2の観測仰角γ2。
【0203】
実際、設置軸A’1を含み、対象となる点Tiを通過し、それゆえ分解方向Diを含む、半径方向平面Priにおける正射影によって、以下を結び付ける関係を特定することが可能である。
-点Tiを含む半径方向平面Priにおける設置軸A’1に対する点Tiの半径方向位置ρi、
-点Tiの設置軸A’1の方向に沿った軸位置Zi。
【0204】
【数3】
【数4】
【0205】
ここで、Kijは、上述のように、上記装置の幾何学的及び光学的特性に応じた定数である。
【0206】
すべての方向Diについて、それゆえすべての平面Priについて、それゆえすべての角度θiについて、リング面の点Tiの完全な円筒座標系が識別される。
【0207】
これに準ずる方法は、所定の半径方向平面Priにおいて、画像点IT1i及びIT2iについて、上記関連付けられた主観測光線を演算し、点Tiの位置をそのようにして演算された2つの主観測光線の交点であるとみなす方法である。実際、上記装置の光学的及び幾何学的特性を識別することによって、画像の各画像点に、上記画像のこの点に対する主観測光線を結び付けることが可能である。そのため、同じ実際の点に対応する2つの画像点IT1i及びIT2iによって、2つの主観測光線の関係を特定することを可能であり、それゆえ、それぞれが異なる観測仰角を有する。このような方法は、依然として、第1の画像点から基準点までの距離を表す第1の値、第2の画像点から基準点までの距離を表す値、第1の観測仰角γ1、及び第2の観測仰角γ2を使用する幾何的三角測距関係に基づいている。
【0208】
変形例の1つによれば、リング面の2つの画像I161(I162)のうちの1つは、実際の半径方向オフセットdρi又は高低差dZiの2つの値のうちの1つの推定値を取得するように、N個の画像点IT1i(IT2i)をまとめて考慮することによって分析され得る。例えば、第2の画像I162のN個の点IT2iから、実際の半径方向オフセットdρiの各方向についての推定値が特定される。次に、実際の半径方向オフセットdρiのこの推定値を考慮して、上記点IT1iのみから高低差dZiの推定値を修正する。
【0209】
変形例の1つによれば、第2の画像I162は、図3又は4のものと同様の装置を用いて、特に75度よりも大きい角度の下向きの観測仰角で取得され、第2の画像点の半径方向位置又は半径方向画像オフセットdR2iに対する実際の高低差dZiの影響は、重要ではないか、γ2=90度の場合にはゼロである。この場合、第一に、N個の点IT2iをまとめて考慮することによって、リング面の第2の画像I162を分析することが可能である。第2の画像I162のN個の点IT2iから、偏心及び/又は真円度を表す値、例えば実際の半径方向オフセット値dρiが特定される。第二の工程において、これらの値によりリングの円筒の形状及び位置が特定されるので、画像点IT1iの位置から実際の各対象点Tiの位置dZiを非常に正確に特定することが可能である。
【0210】
実際、一般的にリング面の点Tiの実際の半径方向オフセットdρiは、以下に起因していてもよいとみなされる。
a)撮影中の上記設備の軸A’1に対するリングの理論中心軸A1の偏心。
b)真円度における欠陥。
【0211】
以下の説明では、他では考慮され得る、起こり得る傾斜の影響は無視されている。
【0212】
すべての場合において、一次反射面での反射後に取得される第1の画像について、真円度における欠陥はないが偏心がある場合、第1の実際のリング面画像I161は、円錐台状ミラーでのその反射を通じた円の観測から生じるパラメトリック曲線である。偏心がない場合、この第1の画像は円である。
【0213】
対照的に、真円度における欠陥がない場合、実際のリング面画像I162は、図3の実施形態の場合、中心に置かれる又は中心に置かれない円であり、図4の実施形態の場合、楕円である。既知のアルゴリズムを使用して、画像領域ZI2における円又は楕円を特定して、その偏心を識別することは容易である。そこから、画像フレーム内で画素単位で、又は実際のフレーム内で軸A1とA’1との間の距離のミリメートル単位で、測定値を定義することが可能である。
【0214】
図3及び4の実施形態の場合、真円度における欠陥は理論曲線と実際の曲線との間の偏差である。次に、例えば実際の曲線I162に最も近接している円又は楕円型の第2の理論上のラインI162tを探索することによって、真円度の欠陥が特定される。よって、先のアルゴリズムと同様のアルゴリズムが適用される。図3及び4の実施形態の場合、真円度の欠陥は理論曲線と実際の曲線との間の偏差である。そこから、画像フレーム内で画素単位で、又は実際のフレーム内でミリメートル単位で、測定値を定義して、これらの測定値を許容しきい値と比較することが可能である。測定値の例は、2つの比較された曲線の間の領域面、又はこれらの曲線の間の距離値によって定められる。他の基準も可能である。これらはいずれの場合も、対応するデジタル画像における複数の画像点から基準点までの距離を表す複数の値である。
【0215】
一般的に、上記画像処理システムによって画像IG、IG’を分析し、容器の実際のリング面の三次元形状を特定する方法は、上記装置の光学的及び幾何学的特性を考慮に入れる。画像IG、IG’において、極座標の画像フレームの原点Oとして基準点が選択される。好ましくは、この原点は設置軸A1’の第1のシステムによる画像である点IA’1である。したがって、画像IG、IG’の各画素Pは、極座標P(R,θ)として、基準点までのその距離として定義されたその半径R及び半径範囲POの角度θを有する。
【0216】
いくつかの方法については、観測仰角γ1とγ2とが異なれば異なるほど、その演算、特に三角測距演算がより正確になることに留意されたい。第2の観測が「垂直」又は略垂直の(γ2が90度に等しいかそれに近い)場合、あり得る高低差dZiが「見られ」ないか、ほとんど「見られ」ないので、実際の半径方向オフセットの信頼できる演算が可能となる。第1の観測仰角に沿って得られる補完観測により、高低差dZiを正確に評価できる。それは、特に第1の観測仰角γ1が45度に等しいかそれよりも小さい角度である場合、さらに25度よりも小さい角度である場合、半径方向オフセットを演算することによって補うことを可能とするからである。
【0217】
そのため、好ましくは基準点周りに360度の角度にわたって分布する、特定された数Nの異なる方向Diについてこれらの演算を繰り返すことによって、実際のリング面の形状を特定し、そこから、特に以下のリング面の様々な欠陥の存在を推測することが可能である。
凹凸、例えば「ガラス欠如」タイプ又は「ベールリング」タイプ、
真円度における欠陥、
など、その他。
【0218】
好ましくは、上記すべての方法について、十分な数Nの方向Diは、リング面の360度にわたって、観測対象欠陥についての十分に細かい幾何学的情報を有するように定められる。好ましくは、方向Diの数は、360度にわたって2つの方向Diが20度よりも大きい角度で分離されず、好ましくは10度よりも大きい角度で分離されず、より好ましくは5度を超える離間で分離されないように選択される。これはそれぞれ、少なくとも18の異なる方向、好ましくは少なくとも36の異なる方向、より好ましくは少なくとも72の異なる方向をもたらす。
【0219】
上記提供される装置及び方法は、リング面の真円度において起こり得る欠陥、例えば楕円化、とは無関係に凹凸を、そして、さらに重要なことには、リング面の中心化において起こり得る欠陥とは無関係に、容器の形状に固有の欠陥(容器A1の理論中心軸に対するリング面の偏心)である可能性のある欠陥、又は検査時の上記設備における容器の位置ずれ(取付軸A’1に対するリング面の中心化)である可能性のある欠陥を特定することができるという利点を有することに留意されたい。この最後の要点は、検査中に容器を配置する許容範囲を広げることを可能とするので重要である。これは、特に高速でのオンライン検査にとって非常に重要である。
【0220】
それらはまた、リングの傾斜欠陥を考慮に入れ、かつ測定することを可能とする。
【0221】
別の代表値、例えば第1の全体デジタル画像IGにおけるこの第2の画像点から基準点までの距離の値、が特定される方法において、円筒形フレーム内にリング面の対応する複数の点の座標が直接存在する。
【0222】
そのため、すべての場合において、検査された容器14の実際のリング面16の三次元形状を表す情報を特定することが可能である。
【0223】
この特定は、本発明に係る装置において、特に例えばコンピュータを含む、センサ18に関連付けられた画像処理システムによってなされ得る。
【0224】
図6は、本発明に係る装置10を導入する複数の容器14の検査ライン200を示している。図示された例において、複数の容器14は、移動方向に沿って、例えば複数の容器14の理論中心軸A1に垂直な水平並進で、複数の容器14を輸送するコンベヤ210によって移動する。図示された例において、コンベヤ210は、敷設平面とも呼ばれ、垂直に配置された複数の容器14の理論中心軸A1を有するコンベヤベルト212を含み、その上に複数の容器14がそれらの底面によって置かれる。コンベヤ210はまた、複数の容器14の側面と連携するガイド手段(図示せず)を含むこともあり得る。コンベヤ210はまた、直線部分を介して複数の容器を輸送するために容器の側面を締め付ける対向する輸送ベルトを含むこともあり得る。上記コンベヤは、特に水平面において、円形移動軌道に沿って複数の容器14を移動させる搬送ホイールを含むこともあり得る。そのため、複数の容器14は、上向きの水平面にそれらのリング面16を有する。コンベヤ210は、本発明に係る装置10の下方の水平軌道に沿って、装置10との干渉のリスクなしに複数の容器を運ぶ。装置10は、例えば筐体230の形式で、装置10、特にセンサ18、18’、レンズシステム20、20’、光源28、28’、一次反射面261、262を組み込んだ支持体によって担持され得る。筐体230はコンベヤの上方に配置されている。筐体230の内部で、本発明に係る装置10は、観測領域及び入射光ビームが筐体230の下面とコンベヤベルト212との間に位置する設置領域Eに向かって下方に向けられるように、その設置軸A’1が垂直位置に配置されている。したがって、この検査ステーションでは、複数の容器の理論中心軸A1が設置軸A’1と最も一致するように、コンベヤ210が複数の容器を運ぶことが理解される。この一致のタイミングで、少なくとも第1の画像及び第2の画像は、場合によっては共通の全体デジタル画像の形式で、容器の対処又はコンベヤの停止を必要とすることなく装置10を使用して取得される。次に、装置10によって取得された画像は、処理装置240、例えば画像処理システム及び/又は視覚装置及び/又は画像記憶装置、例えばコンピュータを含むコンピュータシステム、に送られ得る。その結果、このようにして取得された画像を分析して、容器14のリング面16の三次元形状を特定することが可能である。
【0225】
上記カメラは、複数の物品の動きと同期して、その複数の画像を統合するように、特に理論リング中心軸A1が設置軸A’1と一直線になるときに画像をフリーズするように、動作し得る。上記複数の画像におけるカメラのブレのリスクを低減するために、上記統合時間は、例えば1msに満たないか、さらには400μsに満たない短さであることが予想される。
【0226】
上記複数の画像におけるカメラのブレのリスクを低減するために、光源はパルス状であり得る、つまりフラッシュ型の、例えば1msに満たないか、さらには400μsに満たない短時間の照明を生成する。
【0227】
処理システム240が、複数の物品の動きと同期させるために、上記光源及び上記カメラを駆動する制御ユニットと連携するか、又はこれを含むことが提供され得る。
【0228】
したがって、上記装置及び方法は制御対象容器との物理的な接触を必要としない。本発明に係る装置は、特にステーション又は物品検査ライン、他の制御を目的とした他の装置が含まれる可能性のある検査ステーション又はラインに簡単に設置することができるため、先行技術の装置よりも費用が少なく、かつ嵩が小さくて済むので、本発明に係る装置は、特に複数の容器がチェーンのように循環する生産ラインに設置することができる。このような装置は、容器製造ライン上であれ、容器処理ライン上であれ、又は充填ライン上であれ、高速でオンラインで複数の容器を制御することを可能とする。
【0229】
本発明は、記載及び表された例に限定されることなく、その範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B