(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】パッケージユニット
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20230425BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20230425BHJP
B65D 85/804 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B65D77/04 A
A47J31/06 101
B65D85/804 200
(21)【出願番号】P 2020540398
(86)(22)【出願日】2019-01-22
(86)【国際出願番号】 EP2019051524
(87)【国際公開番号】W WO2019141873
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】102018101336.1
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517010507
【氏名又は名称】メリッタ シングル ポーションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Single Portions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Marienstrasse 88, D-32425 Minden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ケアスティン フェルナンデス デ カルヴァーリョ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン パーンケ
(72)【発明者】
【氏名】ゲロルト シャンドル
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー フェルトマン
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-139582(JP,U)
【文献】米国特許第04799590(US,A)
【文献】特開平04-201882(JP,A)
【文献】特開2011-084295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
A47J 31/00-31/60
B65D 85/50-85/52
B65D 85/72-85/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を作るためのポーションパッケージ(8)用のパッケージユニット(10)であって、互いに角度を成して配置された複数の帯(2,3;12,13,14)を含む担体(1)を備えており、前記帯(2,3;12,13,14)にはそれぞれ、各ポーションパッケージ(8)を挿入するための収容部(5)が形成されている、パッケージユニット(10)において、
前記担体(1,1’)は管状に形成されており、隣り合う2つの前記帯(2,3;12,13,14)の前記収容部(5)は、それぞれ前記帯(2,3;12,13,14)の長手方向にずらされて配置されていることを特徴とする、パッケージユニット(10)。
【請求項2】
前記担体(1,1’)は、互いに結合された2つの縁帯(4,6)または1つの前記帯(13)に結合された少なくとも1つの縁部分(15)を有している、請求項1記載のパッケージユニット。
【請求項3】
前記担体(1,1’)は、横断面で見て三角形に形成されている、請求項1または2記載のパッケージユニット。
【請求項4】
各前記収容部(5)は、鉢状、皿状、円錐状、載頭円錐状、角錐状または載頭角錐状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項5】
各前記収容部(5)の尖端部(50)または下面は、管状の前記担体(1,1’)の内部に収容されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項6】
前記帯(2,3)毎に、2つ~8つの前記収容部が設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項7】
複数の管状の前記担体(1)が互いに結合されて、1つのパッケージユニットを形成している、請求項1から6までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項8】
前記担体(1)は、紙、厚紙、パルプ成形品または深絞りされた薄いプラスチック板から製造されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項9】
前記担体(1,1’)にはバリヤ層が設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項10】
前記バリヤ層は、個別の複数の層から成る、請求項9記載のパッケージユニット。
【請求項11】
前記ポーションパッケージ(8)の上面の外側に設けられた保護フィルム(11)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項12】
前記保護フィルム(11)は、前記担体(1)または該担体
のバリヤ層と共に、各前記ポーションパッケージ(8)を個別に密に包囲している、請求項11記載のパッケージユニット。
【請求項13】
前記保護フィルム(11)は、当該パッケージユニットの長手方向に対して横方向または長手方向に、セグメント毎に引き剥がすことができる、請求項
11または12記載のパッケージユニット。
【請求項14】
前記収容部(5)を備え、折畳み縁部(7)を介して互いに結合された前記帯(12,13,14)が3つ設けられている、請求項1から13までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項15】
真ん中の前記帯(12)の前記収容部(5)は、他の2つの前記帯(13,14)よりも1つ少なくなっている、請求項1
4記載のパッケージユニット。
【請求項16】
三角形の管状の前記担体(1,1’)の総容積に対する全ての前記収容部(5)の容積は、少なくとも25%、好適には30%~50%である、請求項1から15までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【請求項17】
前記担体(1,1’)内の前記ポーションパッケージ(8)の中には、抽出材
料が含まれている、請求項1から16までのいずれか1項記載のパッケージユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を作るためのポーションパッケージ用のパッケージユニットであって、互いに角度を成して配置された複数の帯を含む担体を備えており、帯にはそれぞれ、各ポーションパッケージを挿入するための収容部が形成されている、パッケージユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコーヒーを作るための複数のポーションパッケージを、1つのより大きなパッケージユニット内、例えば保護バリヤを形成しひいてはポーションパッケージ内のコーヒー粉の香りを保ち続けるフィルム材料から成るバッグ内に設けることが知られている。ただし、このようなバッグをユーザが開けると、個々のポーションパッケージ内のコーヒー粉は香りを失い、ある程度の時間が経過すると、飲料の質を損なうことになる。そのうえ、デリケートなポーションパッケージはバッグ内でしばしば大きく変形し、これはその機能性を制限する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、改良されたポーションパッケージ保護手段が設けられたパッケージユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1記載の特徴を有するパッケージユニットによって解決される。
【0005】
本発明によるパッケージユニットは、各1つのポーションパッケージを挿入するための複数の個別の収容部が形成された担体を有しており、担体は、互いに角度を成して配置された複数の帯を有している。担体は管状に形成されており、隣り合う2つの帯の収容部は、それぞれ帯の長手方向にずらされて配置されており、これにより、担体の容積を最適に利用することができ、特に先細になったポーションパッケージを、担体の内室内にコンパクトに位置決めすることができる。この場合、担体は損傷に対する保護手段を提供しており、パッケージユニットを良好に積み重ねて輸送することもできるようになっている。
【0006】
好適には、担体の2つの縁帯が互いに結合されている。これにより、まず複数の収容部を備えた扁平な材料を、管に仕立てることができる。担体は、横断面で見て好適には三角形に形成されており、2つの帯にはポーションパッケージ用の収容部が設けられており、第3の帯は、互いに結合された各縁帯により形成されている。最適な空間利用のために、好適には縁帯にも、つまり第3の帯にも、ポーションパッケージ用の収容部が設けられている。この場合、最適な容積利用を達成するために、帯のうちの2つにポーションパッケージ用の収容部が対称に設けられていると共に、第3の帯は、長手方向に見て他の2つの帯に対してずらされて配置された収容部を有していてよい。別の実施形態では、収容部は、理想的な空間利用を保証するために、全ての帯において長手方向にずらされている。
【0007】
ポーションパッケージを正確に位置決めするために、各収容部は鉢状、皿状、円錐状、載頭円錐状、角錐状または載頭角錐状に形成されていてよい。特に、尖ったまたは円錐状に収縮する先細のポーションパッケージの場合に、収容部はポーションパッケージを確実に保持することができ、収容部およびポーションパッケージの配置がずらされることにより、担体の内部容積が効率的に利用されることになる。さらに、収容部の、しばしばデリケートな尖端部または下面が管状の担体の内部に収容されていると、ポーションパッケージおよび収容部の損傷を回避することができる。この場合、尖端部または下面は、担体の、尖端部または下面を取り囲む壁部分から離れて配置されていてよい。
【0008】
別の構成では、複数の管状の担体が互いに結合されて、1つのパッケージユニットを形成している。横断面で見て三角形の個々の担体を組み合わせて、正方形、矩形またはひし形のバーまたはその他のより大型のパッケージユニットを形成することができる。
【0009】
環境に優しいパッケージユニットを製造するために、担体は、好適には紙、厚紙またはパルプ成形品から製造されていてもよいし、または好適には深絞りされた薄いプラスチック材料が用いられてもよい。ポーションパッケージ内の抽出材料の香りの長期保持のために、担体は、好適には収容側に被着されたバリヤ層を有していてよい。担体が紙から製造される場合には、例えばバリヤとして働く、薄いラミネートフィルムが設けられていてよい。特に有利なのは、例えば蝋またはミクロ/ナノフィブリル化セルロース等の持続的な材料から成るバリヤ層である。追加的に、ポーションパッケージの上面が別の保護フィルムによって被覆されていてもよく、別の保護フィルムは、好適には分離可能な結合手段を介して他のバリヤ層に結合されているため、包囲型の保護バリヤが形成されていることになる。
【0010】
担体内のポーションパッケージの中には、好適には抽出材料、特にコーヒー粉または茶葉が配置されており、ポーションパッケージは、適当な機械で飲料を作るために使用することができる。
【0011】
以下に、添付の図面を参照して、本発明を複数の実施例に基づきより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明によるパッケージユニットの製造の流れを示す図である。
【
図2】
図1に示したパッケージユニットの断面図である。
【
図3】パッケージユニットを開けたところを示す斜視図である。
【
図4】組み合わされたパッケージユニットの断面図である。
【
図5A】変更されたパッケージユニットの素材を示す図である。
【
図5B】変更されたパッケージユニットの素材を示す図である。
【
図6】さらに変更されたパッケージユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
担体1は、実質的に板状の材料、例えば紙、厚紙、パルプ成形品またはプラスチックから成っており、担体1には収容部5の形態の複数の凹部が形成されている。担体1には2つの帯2および3が含まれており、帯2および3は、折畳み縁部7を介して互いに結合されている。さらに、帯2は帯3とは反対の側で、折畳み縁部7を介して縁帯6と結合されており、帯3は帯2と反対の側で、折畳み縁部7を介して縁帯4と結合されている。収容部5は、鉢状、皿状、円錐状、載頭円錐状、角錐状または載頭角錐状に形成されていてよく、例えばコーヒーまたはお茶を作るためのポーションパッケージを収容するために用いられる。
【0014】
保護バリヤを形成するために、担体1の上面および収容部5の内面は、保護バリヤを備えて形成されていてよく、例えば薄いプラスチック層または金属層によりコーティングされていてよい。特に有利なのは、例えば蝋またはミクロ/ナノフィブリル化セルロース等の持続的な材料から成るバリヤ層である。この場合、コーティングは1つまたは複数の層から成っていてよい。代替的に、担体1の材料に相応の保護バリヤが一体化されていてもよい。
【0015】
担体1は、第1のステップで、複数のポーションパッケージ8で満たされる。ポーションパッケージ8は、例えばフィルタ材料、例えばフィルタペーパから製造されており、コーヒー粉等の抽出材料を含んでいる。ポーションパッケージ8は、この例では実質的に角錐状に形成されており、収容部5内に突入する尖端部を有している。この場合、ポーションパッケージ8は、収容部5内でずれないように形状結合式に位置固定されている。ポーションパッケージ8の挿入は、1つの平面内で同一方向に行うことができ、このことは、パッケージ装置を大幅に単純化する。
【0016】
ポーションパッケージ8の挿入後に、任意には、ポーションパッケージ8の上面に配置され、これを被覆する保護フィルム9が設けられる。次いで、保護フィルム9は、担体1の材料に結合、特にシール、接着または溶着される。これによりポーションパッケージ8は、保護フィルム9と担体1との間に保護された状態で配置されていることになる。
【0017】
この場合、保護フィルム9には、例えばポーションパッケージ8に圧力を加えるように、追加的な要素が取り付けられていてよい。これらの要素は、発泡材、厚紙または段ボール紙等の追加的な材料から成っていてもよいし、または例えばエアクッションフィルムのようなエアクッションの形態で、フィルム自体によって形成されていてもよい。
【0018】
このようにして充填された担体1は、折畳み縁部7に沿って折り畳まれてよく、このとき縁帯4および6が互いに結合される。これは例えば機械的な係止によって行われてよく、特に接着または溶着によって行われてもよい。これにより、横断面で見て三角形の管状の担体1が製造され、担体1は、1つのパッケージユニット10を形成している。
【0019】
帯2および3に設けられた収容部5は、帯の長手方向において互いにずらされて配置されているため、帯2に設けられた収容部5の尖端部は、隣の帯3に設けられた2つの収容部5の間に突入するようになっている。これにより、担体1のポーションパッケージ8用の内部容積を効率的に利用することができる。
【0020】
図2には、担体1によるパッケージユニット10の断面図が示されており、帯2および3に設けられた角錐状の収容部5内のポーションパッケージが、好適には約60°の角度で互いに角度を成すような向きになっていることが認められる。さらに、収容部5において尖端部50は担体から離れて配置されており、これにより、損傷に対する保護手段が生じていることが認められる。尖端部50は内室内で、担体の折畳み縁部7および壁部分から離れて配置されている。これは、製造プロセスを、通常生じる製造誤差に対してもロバストにする。
【0021】
図3には、ポーションパッケージ8を取り出す際のパッケージユニット10が示されている。パッケージユニット10は、ポーションパッケージ8の領域において、帯状に形成されており帯2の上面から引き剥がすことができる別の保護フィルム11によって被覆されていてよい。特に有利な構成では、保護フィルム11は、各個別のポーションパッケージ8の周りを包囲するように、担体1または担体のバリヤ層と結合されている。これにより、ユーザは1つのポーションパッケージ8を収容部5から個別に取り出すことができ、その際に別のポーションパッケージ8はパッケージユニット10内に、特に既存のフィルムによる保護バリヤによってまだ保護された状態で配置されている。この場合、保護フィルム11の内側は、
図1に示した保護フィルム9によって形成されていてよく、外側は、さらに装飾的にコーティングまたは印刷されていてよい。保護フィルムの引き剥がしを容易にするために、対応する複数の穿孔部が形成されていてよい。図示の例では、フィルム11はパッケージユニット10から長手方向に引き剥がされるが、もちろん横または斜め方向にも同じく良好に引き剥がすことができる。
【0022】
図4には、より小さな2つのパッケージユニット10から構成された、変更されたパッケージユニット20が示されている。両パッケージユニット10は、収容部5が設けられていない面同士で相接して保持されており、特に互いに接着されている。これにより、パッケージユニット20は横断面で見てひし形に形成されており、ポーションパッケージ8が設けられた4つの面を有することになる。
【0023】
図示の実施例では、1つのパッケージユニット10に7つのポーションパッケージ8が収容されている。もちろん、1つのパッケージユニット10に、より少ないかまたはより多くの収容部5およびポーションパッケージ8を設けることも可能である。各帯2または3には、好適には2つ~8つの収容部5、好適には3つ~5つの収容部5が含まれている。
【0024】
図5Aおよび
図5Bには、担体1’による、変更されたパッケージユニットの素材が示されている。担体1’には3つの帯12,13および14が含まれており、真ん中の帯12は各折畳み縁部7を介して外側の2つの帯13および14と結合されている。真ん中の帯12には、各ポーションパッケージ8用の4つの収容部5が位置しており、外側の2つの帯13および14は、各ポーションパッケージ8用の5つの収容部5を有している。この場合、真ん中の帯12は、外側の2つの帯13および14よりもやや広幅に形成されている。
【0025】
帯14において、真ん中の帯12とは反対の側には、少なくとも1つの突出した縁部分15が設けられている。素材が2つの折畳み縁部7に沿って折り畳まれ、横断面で見て三角形の管が形成されると、収容部5は管内に突入する。この形を固定するために、帯14に設けられた縁部分15を外側の帯13と、好適には接着またはスタンピングによって結合することができる。代替的または追加的に、縁部分15を、帯13に設けられたスリット状の収容部に挿入することによる機械的な固定も行われてよい。
【0026】
帯14に設けられた2つの縁部分15の代わりに、単一の縁部分15のみまたは3つ以上の縁部分15が設けられていてもよい。
【0027】
三角形の管状の担体1’の容積に対する全収容部5の容積は、好適には少なくとも25%、特に30%~50%である。
【0028】
図6には、それぞれ折畳み縁部7を介して互いに結合された3つの帯12,13および14を備える、変更されたパッケージユニットの素材が示されている。複数の縁部分15に代えて、帯14には、他方の外側の帯13と好適には接着により結合される、1つの帯状の縁部分15’が設けられている。この実施形態では、理想的な空間利用を可能にするために、収容部5は全ての帯12,13および14においてその長手方向に互いにずらされて配置されている。
【符号の説明】
【0029】
1,1’ 担体
2 帯
3 帯
4 縁帯
5 収容部
6 縁帯
7 折畳み縁部
8 ポーションパッケージ
9 保護フィルム
10 パッケージユニット
11 保護フィルム
12 帯
13 帯
14 帯
15,15’ 縁部分
20 パッケージユニット
50 尖端部