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特許7268040空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置
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  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図1
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図2A
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図2B
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図3
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図4
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図5
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図6
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図7A
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図7B
  • 特許-空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】空洞からのアイテムの取出し、及び、それらの交換を検出するための複数の空洞キャリア装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/00 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
A61M5/00 516
A61M5/00 520
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020541942
(86)(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 US2019013599
(87)【国際公開番号】W WO2019152181
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】62/625,155
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ウェスト
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-230842(JP,A)
【文献】特表2016-535358(JP,A)
【文献】特開2000-102614(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0289973(US,A1)
【文献】特開2015-211910(JP,A)
【文献】国際公開第2017/093198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管及びその後の取出しのために、それぞれのアイテムを囲むように構成された空洞を有する、ディスペンサーに取外し可能に接続された再利用可能なデータ収集ユニットであって、
前記ディスペンサーに取外し可能に接続されたベースハウジングと、
前記ベースハウジング上に設けられ、それぞれの空洞内の前記アイテムの存在及び不在を検出し、対応するセンサーデータを生成するように構成された複数のセンサーと、
前記センサーデータを記憶するように構成されたメモリデバイスと、
前記ベースハウジングに設けられ、前記センサーデータを分析し、前記空洞のそれぞれから前記アイテムの取出しのタイムスタンプを決定するように構成されたプロセッサーと
を備え、
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、それらに対応する空洞からの前記アイテムの不在の検出に基づいて、推奨注射部位のどれが使用されたかを決定し、患者に前記アイテムを使用するための指定パターンに基づいて、次の前記推奨注射部位を選択するように構成され、前記空洞内のどの前記アイテムを前記ディスペンサーから取出し、次に患者に使用するかを示す指示を生成する、再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項2】
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、前記空洞のそれぞれから前記アイテムを取り出した日付及び時間のうちの少なくとも1つを含むデータセットを決定するように構成される、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項3】
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、前記空洞のそれぞれへの前記アイテムを返却した日付及び時間のうちの少なくとも1つを含むデータセットを決定するように構成される、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項4】
前記ディスペンサーがペンニードルマガジンディスペンサーであり、前記アイテムがペンニードルアセンブリである、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項5】
前記空洞は、前記ディペンサー内の指定されたパターンで配置され、前記センサーは、前記ディスペンサーが前記ベースハウジングに接続されると、前記センサーを前記空洞と位置合わせさせるために同様のパターンで前記ベースハウジングに配置される、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項6】
前記複数のセンサーは、前記ベースハウジング内にセンサーマトリクスを作成し、前記ディスペンサー内の前記空洞は、前記センサーマトリクスに対応するグリッドパターンに従って構成される、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項7】
前記ディスペンサーは、前記ディスペンサーの外周を画定する壁により、底部から離れた上部を有し、前記空洞のそれぞれが前記ディスペンサーの前記上部から前記底部に延在し、
前記外周は擬人化形状を画定し、前記空洞は、患者の腕、大腿、腹部、及び、臀部の少なくとも1つの前記推奨注射部位に対応する、前記擬人化形状内の領域に配置される、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項8】
前記指示は、指定された色及び発光ダイオード(LED)の発光のうちの少なくとも1つである、請求項7に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項9】
前記ディスペンサーの前記底部が、少なくとも1つの前記空洞と位置合わせした少なくとも1つの透明領域を含み、前記対応するアイテムが前記空洞から取出されると、前記空洞と位置合わせした前記センサーの対応する1つが、前記少なくとも1つの透明領域を介して前記空洞に入る周囲光を検出するように動作可能である、請求項7に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項10】
前記センサーデータは、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ及び無線リンクのうちの少なくとも1つを使用して、前記再利用可能なデータ収集ユニットからリモートデバイスに送信される、請求項1に記載の再利用可能なデータ収集ユニット。
【請求項11】
保管及びその後の取出しのために、それぞれのアイテムを囲むディスペンサーであって、
前記ディスペンサーの外周を画定する壁によって第2の表面から離れた第1の表面と、
空洞のそれぞれが前記ディスペンサーの前記第1の表面から前記第2の表面に延在し、前記アイテムの1つを保管するように寸法決めされている、複数の空洞であって、
前記第1の表面は、前記空洞のそれぞれの第1の端部に接する、層上の開口部と位置合わせされ、前記それぞれのアイテムの1つをその空洞に受け入れるように構成された複数の開口を備え、前記第2の表面は、前記空洞のそれぞれ内のアイテムの存在の検出を容易にするために、前記ディスペンサーに取外し可能に接続されたデータ収集ユニット内の複数のセンサーと連携するセンサー透過性表面であり、前記複数のセンサーは、それぞれの空洞内の前記アイテムの存在及び不在を検出し、対応するセンサーデータを生成するように構成され、前記層は、前記第1の表面と一体化されているか、又は、前記第1の表面から分離される、前記複数の空洞と、
前記データ収集ユニットに設けられ、前記センサーデータを分析し、前記空洞のそれぞれから前記アイテムの取出しのタイムスタンプを決定するように構成されたプロセッサーであって、
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、それらに対応する空洞からの前記アイテムの不在の検出に基づいて、推奨注射部位のどれが使用されたかを決定し、患者に前記アイテムを使用するための指定パターンに基づいて、次の前記推奨注射部位を選択するように構成され、前記空洞内のどの前記アイテムを前記ディスペンサーから取出し、
次に患者に使用するかを示す指示を生成する、前記プロセッサーと
を備えるディスペンサー。
【請求項12】
前記空洞のそれぞれは、前記開口に入る周囲光を反射するライトパイプとして動作し、前記空洞は、そこに配置されたアイテムに対して寸法決めされ、前記アイテムが空洞内に存在するときに、前記周囲光が前記第2の表面に反射するのを防ぎ、前記アイテムが前記空洞から取出されたときに、周囲光が第2の表面に反射する、請求項11に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記空洞のそれぞれには、前記第2の表面を通して前記データ収集ユニットの光センサーに前記周囲光を集束させるように構成される、前記第2の表面に隣接するレンズが設けられる、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記レンズが非結像光学系のエッジ光線原理を実装するように構成される、請求項13に記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記レンズが複合放物面集光器を実装するように構成される、請求項13に記載のディスペンサー。
【請求項16】
ディスペンサーに取外し可能に接続された再利用可能なデータ収集ユニットを有する医療器具分配装置であって、前記ディスペンサーは、複数の無菌医療器具を保管及びその後の取出しのために収容するように構成された空洞を有し、前記データ収集ユニットは、
前記ディスペンサーに取外し可能に接続されたベースハウジングと、
前記ベースハウジングに設けられ、対応する前記空洞内の複数の無菌医療器具のそれぞれの存在及び不在を検出し、対応するセンサーデータを生成するように構成された複数のセンサーと、
前記センサーデータを記憶するように構成されたメモリデバイスと、
前記ベースハウジングに設けられ、前記センサーデータを分析し、対応する空洞からの複数の無菌医療器具の少なくとも1つの取外しを特徴付けるようにデータセットを決定するように構成されたプロセッサーと
を備え、
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、それらに対応する空洞からのアイテムの不在の検出に基づいて、推奨使用部位のどれが使用されたかを決定し、患者に前記アイテムを使用するための指定パターンに基づいて、次の前記推奨使用部位を選択するように構成され、前記空洞内のどの前記医療器具を前記ディスペンサーから取出し、次に患者に使用するかを示す指示を生成する、医療器具分配装置。
【請求項17】
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、対応する空洞から複数の無菌医療器具の取出した日付及び時間のうちの少なくとも1つを含むデータセットを決定するように構成される、請求項16に記載の医療器具分配装置
【請求項18】
前記プロセッサーは、前記センサーデータを分析し、対応する空洞への前記医療器具の返却した日付及び時間のうちの少なくとも1つを含むデータセットを決定するように構成される、請求項16に記載の医療器具分配装置
【請求項19】
前記ディスペンサーがペンニードルマガジンディスペンサーであり、前記複数の無菌医療器具がペンニードルアセンブリである、請求項16に記載の医療器具分配装置
【請求項20】
前記ディスペンサーは、前記ディスペンサーの外周を画定する壁により、底部から離れた上部を有し、前記空洞のそれぞれが前記ディスペンサーの前記上部から前記底部に延在し、
前記外周は擬人化形状を画定し、前記空洞は、患者の体の推奨使用部位に対応する擬人化形状内の領域に配置される、請求項16に記載の医療器具分配装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、一般に、複数空洞キャリアに関し、各空洞からの構成要素の取出し、及び、構成要素の空洞への返却を検出するための複数空洞キャリアの強化に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば皮下注射器と共に使用される針アセンブリを保管及び分配するために、複数空洞キャリアが提案されてきた。針アセンブリは、例えば、薬物送達用非常用ペンのねじ山と噛み合うねじ山を有するアダプタに取り付けるように構成されたペン針を含むことができる。複数空洞キャリアの例は、共有に係る米国特許第5,829,589号、第5,873,462号、及び、第6,346,094号に記載されているような、複数のペンニードルアセンブリを保持するためのペンニードルマガジンディスペンサーであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
複数空洞キャリアの空洞からのアイテムの取出し、及び、その空洞への返却を検出する従来のシステムは、アイテムに使い捨ての無線周波数識別(RFID)ラベル、又は、タグを使用していた。RFIDラベル、又は、タグをこのように使用すると、コストがかかる可能性があり、RFIDタグリーダーが必要な複数空洞キャリアが不必要に複雑になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の例示的な実施形態により、上記及び他の問題が克服され、追加の利点が実現される。
【0005】
装置は、複数空洞キャリア(MCC)と、保管、及び、任意選択でその中のアイテムの交換に関してユーザーに提供する情報を改善するために提供される。改善された複数空洞キャリアは、RFIDタグ、及び、対応するRFIDリーダーよりも、MCCの空洞内のアイテムを検出するための費用対効果が高く、複雑でない方法を使用する。また、MCCから次にどのアイテムを取出して使用するかに関するユーザーへの改善された指示も提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態の態様によれば、ディスペンサーに取外し可能に接続された再利用可能なデータ収集ユニットが提供され、ディスペンサーは、保管、及び、その後の取出しのために、それぞれのアイテムを囲むように構成された空洞を有し、データ収集ユニットは、ディスペンサーに取外し可能に接続されたベースハウジングと、ベースハウジング上に設けられ、それぞれの空洞内のアイテムの存在及び不在を検出し、対応するセンサーデータを生成するように構成された複数のセンサーと、センサーデータを記憶するように構成されたメモリデバイスと、ベースに設けられ、センサーデータを分析し、空洞のそれぞれからアイテムの取出しのタイムスタンプを決定するように構成されたプロセッサーとを備える。
【0007】
例示的な実施形態の態様によれば、ディスペンサーに取外し可能に接続された再利用可能なデータ収集ユニットを有する医療器具分配装置が提供され、ディスペンサーは、複数の無菌医療器具を保管及びその後の取出しのために収容するように構成された空洞を有し、データ収集ユニットは、ディスペンサーに取外し可能に接続されたベースハウジングと、ベースハウジングに設けられ、対応する空洞内の複数の無菌医療器具のそれぞれの存在及び不在を検出し、対応するセンサーデータを生成するように構成された複数のセンサーと、センサーデータを記憶するように構成されたメモリデバイスと、ベースに設けられ、センサーデータを分析し、対応する空洞からの複数の無菌医療器具の少なくとも1つの取出しを特徴付けるようにデータセットを決定するように構成されたプロセッサーとを備える。
【0008】
例示的な実施形態の態様によれば、プロセッサーは、センサーデータを分析し、空洞のそれぞれからアイテム(例えば、無菌医療器具など)を取出した日付及び時間のうちの少なくとも1つを含むデータセットを決定するように構成される。
【0009】
例示的な実施形態の態様によれば、プロセッサーは、センサーデータを分析し、空洞のそれぞれへアイテム(例えば、無菌医療器具など)を返却した日付及び時間の少なくとも1つを含むデータセットを決定するように構成される。
【0010】
例示的な実施形態の態様によれば、ディスペンサーがペンニードルマガジンディスペンサーであり、アイテム(例えば、無菌医療器具)がペンニードルアセンブリである。
【0011】
例示的な実施形態の態様によれば、空洞は、ディペンサー内の指定されたパターンで配置され、センサーは、ディスペンサーがベースハウジングに接続されると、センサーを空洞と位置合わせさせるために同様のパターンでベースハウジングに配置される。
【0012】
例示的な実施形態の態様によれば、複数のセンサーは、ベースハウジング内にセンサーマトリックスを作成し、ディスペンサー内の空洞は、センサーマトリックスに対応するグリッドパターンに従って構成される。
【0013】
例示的な実施形態の態様によれば、ディスペンサーは、ディスペンサーの外周を画定する壁により、底部から離れた上部を有し、空洞のそれぞれがディスペンサーの上部から底部に延在する。外周は擬人化形状を画定し、空洞は、患者の腕、大腿、腹部、及び、臀部の少なくとも1つの推奨注射部位に対応する、擬人化形状内の領域に配置される。プロセッサーは、センサーデータを分析し、それらに対応する空洞からのアイテムの不在の検出に基づいて、推奨注射部位のどれが使用されたかを決定し、患者にアイテムを使用するための指定パターンに基づいて、次の推奨注射部位を選択するように構成され、空洞内のどのアイテムをディスペンサーから取出し、次に患者に使用するかを示す指示を生成する。
【0014】
例示的な実施形態の態様によれば、指示は、指定された色及び発光ダイオード(LED)の発光のうちの少なくとも1つである。
【0015】
例示的な実施形態の態様によれば、ディスペンサーの底部が、少なくとも1つの空洞と位置合わせした少なくとも1つの透明領域を含み、対応するアイテムが空洞から取出されると、空洞と位置合わせしたセンサーの対応する1つが、空洞に入る周囲光を検出するように動作可能である。
【0016】
例示的な実施形態の態様によれば、センサーデータは、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ及び無線リンクのうちの少なくとも1つを使用して、再利用可能なデータ収集ユニットからリモートデバイスに送信される。
【0017】
例示的な実施形態の態様によれば、保管及びその後の取出しのために、それぞれのアイテムを囲むディスペンサーが提供され、ディスペンサーは、ディスペンサーの外周を画定する壁によって第2の表面から離れた第1の表面と、空洞のそれぞれがディスペンサーの第1の表面から第2の表面に延在し、アイテムの1つを保管するように寸法決めされている、複数の空洞とを備える。第1の表面は、空洞のそれぞれの第1の端部の開口に対応し、それぞれのアイテムの1つをその空洞に受け入れるように構成された複数の開口部を備え、第2の表面は、空洞のそれぞれ内のアイテムの存在の検出を容易にするために、ディスペンサーに取外し可能に接続されたデータ収集ユニット内の複数のセンサーと連携するセンサー透過性表面である。
【0018】
例示的な実施形態の態様によれば、空洞のそれぞれは、開口部に入る周囲光を反射するライトパイプとして動作し、空洞は、そこに配置されたアイテムに対して寸法決めされ、アイテムが空洞内に存在するときに、周囲光が第2の表面に反射するのを防ぎ、アイテムが空洞から取出されたときに、周囲光が第2の表面に反射する。
【0019】
例示的な実施形態の態様によれば、空洞のそれぞれには、第2の表面を通してデータ収集ユニットの光センサーに周囲光を集束させるように構成される、第2の表面に隣接するレンズが設けられる。
【0020】
例示的な実施形態の態様によれば、レンズが非結像光学系のエッジ光線原理を実装するように構成される。
【0021】
例示的な実施形態の態様によれば、レンズが複合放物面集光器を実装するように構成される。
【0022】
本発明の追加及び/又は他の態様及び利点は、以下の説明に記載されることになるか、又は、説明から明らかとなるか、又は、本発明の実施によって知ることとなるであろう。本発明は、1つ以上の上記の態様、及び/又は、1つ以上の特徴及びそれらの組み合わせを有する、複数の空洞キャリア及びそれを動作させるための方法を含み得る。本発明は、例えば、添付の特許請求の範囲に記載されている上記の態様の特徴、及び/又は、組み合わせの1つ又は複数を含むことができる。
【0023】
本発明の実施形態の上記及び/又は他の態様及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0024】
図面全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素、特徴、及び、構造を指すと理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に従って構成されたスマートディスペンサーの斜視図である。
図2A】本発明の実施形態による、図1のスマートディスペンサーのデータ収集ユニットの斜視図である。
図2B】本発明の実施形態による、図1のスマートディスペンサーのデータ収集ユニットの斜視図である。
図3】本発明の実施形態による、図1のスマートディスペンサーの複数空洞キャリアの分解図である。
図4】本発明の実施形態による、データ収集ユニットのブロック図である。
図5】本発明の別の実施形態に従って構成されたスマートディスペンサーの斜視図である。
図6】本発明の実施形態に従って構成されたスマートディスペンサーの断面図である。
図7A】本発明のそれぞれの実施形態に従って構成された複数の空洞キャリアの部分断面図である。
図7B】本発明のそれぞれの実施形態に従って構成された複数の空洞キャリアの部分断面図である。
図8】本発明の実施形態によるデータ収集ユニットの一連の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付の図面に示されている本発明の実施形態を詳細に参照する。本明細書で説明される実施形態は、図面を参照することによって、本発明を例示するものであるが、これに限定するものではない。
【0027】
図1は、複数空洞キャリア(MCC)14に接続された再利用可能なデータ収集ユニット(DCU)12を備えるスマートディスペンサー10の例示的な実施形態を示している。DCU12及びMCC14は、MCC14のハウジング16からそれぞれの空洞181~18nからのアイテム20の取出し、及び、アイテム20の返却の検出を可能にするように構成される。例示的な実施形態の態様によれば、MCC14は、DCU12に取り外し可能に取り付けられる。図2A、及び、図2Bは、それぞれ、MCC14から離れたDCU12を示す。
【0028】
図1、及び、図3を参照すると、MCC14は、グリッド、又は、他のパターンで配置された複数の空洞181~18nを有するハウジング16を有する。ハウジング16内の各空洞18は、ペンニードルアセンブリ等のアイテム20を受け入れるように寸法決めされている。例えば、MCC14は、薬物送達ペン用の滅菌ペンニードルアセンブリ20を保持、及び、分配し、使用後に針を安全に保管するペンニードルマガジンである。しかしながら、MCC14は、ペンニードルアセンブリ以外の他のタイプのアイテム20を格納するように寸法決めされた空洞181~18nを有するキャリアであり、そして、DCU12は、アイテム20が各空洞181~18nから取出されたときを検出し、アイテム20がその空洞18に返却されたときを随意に検出するよう構成されることが理解されるべきである。
【0029】
MCC14がその空洞181~18nにペンニードルアセンブリ20を格納するマガジンディスペンサーである例示的な実施形態によれば、ユーザーは、図6に示すように、薬物送達ペン62上のアダプタ60を空洞181~18nの1つに挿入することができる。ユーザーは、ペン62を回転させて、未使用のペンニードルアセンブリ20を薬物送達ペンのアダプタ60に取り付ける。注射が実施された後、使用済みペンニードルアセンブリを空洞18に挿入し、ペン62を回転させて、ペンニードルアセンブリをペンのアダプタから取り外すことにより、使用済みペンニードルアセンブリ20は空洞18に戻される。例示的なマガジンディスペンサーは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、共同所有の米国特許第6,346,094号に記載されている。しかしながら、MCC14は、ペンニードルアセンブリ以外の他のタイプのアイテムを受け入れるように構成することができ、空洞18からの取出し、及び、空洞18への返却のためにアイテム20に取り付ける必要は必ずしもないことを理解されたい。
【0030】
ユーザーが薬物送達ペン62、又は、他のデバイスをMCC14の空洞181~18nの1つに挿入し、未使用のペンニードルアセンブリ20を薬物送達ペンに取り付けると、結果として生じる、開いた又は空の空洞18が検出される。図4に関連して以下で説明するように、DCU12により、検出された開いた空洞18の1つ以上の日付、時間、及び、位置に関するデータが、マイクロプロセッサー及びメモリを介してDCU12に記録される。注射が行われ、使用済みのペンニードルアセンブリ20が空洞18に返却された後、結果として生じた充填された空洞がDCU12によって検出され、検出された充填された空洞の日付、時刻、位置に関するデータがDCUのマイクロプロセッサーとメモリを介して記録される。位置は、物理的な位置(例えば、マイクロプロセッサーからのGPS座標)、MCC14上の位置、又は、身体の位置、又は、これらの組み合わせを示す。この記録されたデータは、薬物送達イベントを追跡するユーザーにとって有益である。さらに、以下で説明するように、DCU12は、ユーザーがMCC14から次のアイテム20を選択して注射部位の回転を促すために使用するのを援助するインジケータを提供できる。MCC14、及び、DCU12内で、空の、及び、充填された空洞181~18nを感知するためのデバイスは、以下でより詳細に説明される。
【0031】
上述のように、図1図2、及び、図3に示すように、MCC14は、空洞181~18nを備えたハウジング16を有する。例示的な実施形態によれば、空洞181~18nを有するハウジング16には、それぞれのブレット241~24nが設けられ、各ブレット24は、図3及び図6に示すように、対応する空洞18の内部を覆うように構成される。ブレット24の有無にかかわらず、空洞18は、図7A及び図7Bに関連して以下で説明するように、DCU12内のセンサー50(例えば、光センサ)への光パイプとして動作することができる。DCU12は、光センサーに加えて、異なるタイプのセンサー50(例えば、ホール効果センサー又は他のタイプの近接センサー)を使用でき、従って、ブレット24、空洞18、及び、空洞18に隣接するハウジングの部分はライトパイプとして動作する必要がないことが理解される。
【0032】
ブレット241~24nは、ハウジング16及び対応する空洞18に対して取り外し可能であるか、又は、空洞18の一体部分として形成される。ブレット241~24nがハウジング16から分離されて一体ではないように構成されることの利点は、各ブレット24がペンニードルアセンブリ20をMCC14に装填するための効率的な機構を提供し、個々のペンニードルアセンブリ20の製造、検査、及び、改善された品質管理が容易になることである。特に、損傷したペンニードルアセンブリ20がブレット24内に見つかった場合、ブレット24及びペンニードルアセンブリ20全体を廃棄し、MCC14、ハウジング16、及び、他のペンニードルアセンブリ20の残りを失うことなく、新しいペンニードルアセンブリ20、及び、ブレット24と交換することができる。さらに、この構成により、大量のブレット24を容易に製造して、様々なMCCに組み込むことが可能になる。DCU12によるその中のアイテム20の取出し、及び、返却の検出を容易にするブレット241~24nの構成は、図6図7A、及び、図7Bに関連して以下に説明される。
【0033】
一例として、図3に示すように、各ブレット241~24nには、そのブレットに挿入されるペンニードルアセンブリ20に設けられたスレッド32と相互作用するスレッド34を設けることができる。各ブレット24はまた、ブレット24を少なくとも取り外し可能に空洞18に固定するために、空洞18の溝38と嵌合するための回転防止リブ36、又は、他の保持機構を備えることができる。他の保持機構を使用して、アイテム20をブレット24、又は、空洞18に固定することができる。さらに、他の保持機構を使用して、ブレット24を空洞18に保持することができ、又は、上述のように、ブレット241~24nは、ハウジング16と一体であり、それぞれの空洞181~18nから取出すことができない。
【0034】
ハウジング16、及び、ブレット241~24nは、例えば、ポリプロピレン又は同様の材料から成形することができる。図3に示すように、MCC14は、例えば、MCC14にスナップフィット又はプレスフィットすることができ、図1に示すようにMCC14がDCU12に取り付けられたときに、取出すことができるカバー26を任意に備えることができる。さらに、MCC14は、ハウジング16の上部に統合され、又は、離された層22を備えることができる。層22は、例えば、それらがライトパイプとして動作するように構成され、後述するように、対応する空洞18からのアイテム20の配置、取出し、及び、交換の正確な検出を妨げる場合に、空洞181~18nに入る可能性のある望ましくない光の量を低減するために、不透明材料から形成される。層22は、アイテム20を受け入れるためにそれぞれの空洞181~18nと位置合わせされた開口部23を有し、各開口部23は、図1に示されるように、無菌膜又はラベル28を備えることができる。上述のようにアイテム20を備えたブレット24を受け入れる空洞18の例では、ブレット241~24nはそれぞれ無菌膜又はラベル28を備えることができる。いずれの場合も、無菌膜又はラベル28は、アイテム20(例えば、ブレット24のペンニードルアセンブリ20)が使用されようとしているときに取出される。図1に示される例示的な実施形態では、MCC14は、空洞183~185、187、及び、188が空である、8つの空洞181~188を有し、(例えば、内部にペンニードルアセンブリ20を備えたブレット24などのように、空洞18に格納されたアイテム20が取出されている。)、空洞181及び182はアイテム20(図示せず)で満たされ、無菌障壁28で密封され、空洞186はその障壁28が取出され、現在取出されようとしているアイテム20で充填されている。あるいは、層22は、その領域の大部分にわたって(例えば、層22に接着される)膜層28を備えることができ、そして、膜28は、それぞれの空洞181~18nに対応し、それらに近接する印を備えて、アイテム20がそこから取り出されるときに、空洞18の位置での膜の穿刺を容易にすることができる。
【0035】
DCU12は、MCC14及びブレット24と同様に、ポリプロピレン又は同様の材料から成形することもできるハウジング66を有する。ハウジング66は、MCC14の空洞181~18nと同様のグリッド又はパターンで配置されたセンサー501~50nを囲んでおり、各センサー50を使用して、対応する空洞18内のアイテム20の存在及び不在を検出することができる。例えば、図2Aに示されるDCU12は、MCC14の空洞181及び188のうちの対応する空洞の縦軸と同一直線上にあるようにマトリクス状に配置されたセンサー501~508を有する。使用されるセンサー50のタイプに応じて、センサー501~50nは、ハウジング16のMCC14の底部層30に隣接するハウジング66の表面68上に見えても見えなくてもよい。
【0036】
ハウジング16のMCC14の側面に当接するDCU12の表面70は、MCC14上の保持機構46と協働してMCC14をDCU12に取り外し可能に取り付ける保持機構40を備える。例えば、保持機構40は、より狭いネック44によって表面70から隆起したプレート42を含むことができる。プレート42及びネック44は、ハウジング66に一体的に形成することができる。MCC14の保持機能は、リップ48を有する凹部46を含み、凹部46は、プレート42を受け入れるように寸法設定されているが、リップ48によって画定された領域は、MCC14のリップ48がプレート42の後方で、DCU12のネック44の上をスライドするときに、MCC14をDCU12上に保持するための凹部よりも小さい。他の保持メカニズムをDCU12及びMCC14で使用して、MCC14をDCU12に取り外し可能に取り付けることができ、その結果、DCU12内のセンサー501~50nが、MCC14の空洞181~18nの対応するものと位置合わせされる。保持機構40及び46は、図2A及び図2Bに示されるもの以外に、それぞれ、DCU12及びMCC14の他の表面上に展開され得ることが理解されるべきである。さらに、MCC14及びDCU12との間に磁気接続を提供するために、DCU12及びMCC 14にそれぞれ1つ又は複数の金属接点76及び磁石78を設けることができ、従って、MCC14をよりしっかりとDCU12に取り付ける。
【0037】
図2A及び図4を参照して、DCU12は、マイクロプロセッサー又は他のタイプのコントローラ52と、複数のセンサー501~50nから受信したデータを格納するための、統合された及び/又は別のメモリ記憶装置54とを備えている。本発明の例示的な実施形態によれば、DCU12はまた、以下でより詳細に説明するように、空洞が空であるか、充填されているか、アイテム20が使用のために取出される次の空洞18であるか、エラーが発生したかどうか等のような、発光ダイオード(LED)801~80n、又は、空洞181~18nのそれぞれの空洞のステータスの他のインジケータを備えることができる。指定された期間内にアイテムが取出された、及び、交換された日時のような、選択されたデータを表示するためにコントローラ52を介してDCU12を操作することができるように、ディスプレイ56(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))が設けられる。これは、ペンニードルアセンブリのようなアイテム20の展開を表すことができ、したがって、ペンニードルアセンブリが接続され、空洞18から取出され、その後、空洞18に返却され、切り離された薬物送達ペンによる注射された薬物の対応する投与を表すことができる。
【0038】
図2A図4に示すように、DCU12は、センサー501~50nからのデータ、及び、対応するタイムスタンプ、又は、空洞18に対するアイテム20の取出し又は交換のセンサー検出の日時、又は、グリッド内の他の空洞18nに対する空洞の位置、を受信、及び、格納するためにUSB74を選択できるオプションの有線インターフェース58を備えることができる。例えば、図5に示すように、MCC14のハウジング16は、別の例示的な実施形態による図1に示すような長方形ではなく、擬人化した形状を有することができる。ハウジング16の空洞181~1812は、患者の身体の選択された注射部位に対応するパターンで配置されている。(例えば、患者の脚の部位に対応する空洞181~184、患者の腹部の部位に対応する空洞185~188、及び、患者の上腕の部位に対応する空洞189及び1810)。MCC14の対応する空洞18により表される指定された注射部位で注射するためにアイテム20(例えば、ペンニードルアセンブリ)を使用することにより、患者は、身体の異なる領域の間で注射部位の交替を練習することを奨励され、脂肪異栄養症又は「リポ」を発症する可能性を減らす。以下で説明するように、インジケータ801~80nは、部位の交替を促進するために、DCU12によって選択的に操作することができる。空の空洞18の位置をメモリデバイス54に格納することにより、コントローラ53は、以前に検出された空の空洞18に基づいて、インジケータ80を選択的に照らして、部位の交替を目的とした最適な注射部位を表す、次の空洞18から未使用のアイテム20の選択を促すことができる。
【0039】
必要に応じて、各空洞18は、使用可能な注射針20を示すために、点滅又は点灯するようにプログラムすることができる関連するLED80を有する。使用可能な注射針20は、次の自由な注射針であってもよく、又は、次の安全な注射部位に対応する部位回転アルゴリズムに基づいていてもよい。次の安全な注入部位の場合、LEDの色を変更することでこれを示すことがある。例えば、以下も含まれる。
【0040】
【表1】
【0041】
あるいは、空洞18に関連するLED80は、色と点滅(又は、LCD56上の表示)の組み合わせによって次の使用を示すようにプログラムすることができる。
【0042】
【表2】
【0043】
あるいは、図5の人体のような形をしたディスペンサーの擬人化位置の次の針、及び、部位を示すことにより、次の注射部位を示してもよい。空洞18に対する色、点滅シーケンス、及び、インジケータ位置の他の組み合わせを使用して、空洞18の状態を示し、アイテム20の選択を容易にすることができることを理解されたい。
【0044】
DCU12はまた、DCU12を別のデータストア、又は、携帯電話などの無線接続デバイスに接続するためのオプションの無線インターフェース60(例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、又は、セルラーネットワーク接続を介する)を備えることができる。例えば、アプリは、DCU12と連携してユーザーの携帯電話に提供され、MCC14のアイテム20のマトリックスの表現を電話のディスプレイに提供し、さらに、どの空洞181~18nがアイテム20に充填され、又は、空であり、どのアイテムが次に使用されるか、及び、過去にアイテム20が使用された日時と位置等のプログラムされたインディケーションを表示する(例えば、空洞18からのアイテムの取出しの検出、又は、空洞から取出されたアイテムが、注射を施すためのペンニードルアセンブリのようなアイテム20の確認された使用を表す選択された期間内で返却されたかの検出等)。DCU12のオプションのボタン82は、DCU12の電源をオン及びオフにし、DCU12を起動し、アイテム20をそこから取出す次の空洞18の表示を要求するように構成することができる。
【0045】
図6を参照すると、アダプタ60を備えたペン62が、MCC14のハウジング16の空洞18内のペンニードルアセンブリ20に接続されて示されている。空洞18は、空洞18を位置合わせし、ペンニードルアセンブリ20を封入するブレット24と共に示されている。上述のように、空洞18は、一体型又は取り外し可能なブレット24の有無にかかわらず構成することができる。言い換えると、空洞18は、空洞を位置合わせするためのブレット24無しでアイテム20をその中に格納することができ、又は、ブレット24は、空洞に位置合わせするために空洞18に固定することができ、又は、図3に示される例示的な実施形態において上述したように、ブレット24は、空洞18に取り外し可能に設けることができる。これらの構成のいずれにおいても、空洞18、及び、任意のブレット24は、そのアイテム20の取出し時にその上部から空洞18に入射することが許容される光の検出を容易にするライトパイプとして構成され、すなわち、光はハウジング16の層22の開口部23、及び、空洞18内に入射する。空洞18は、空洞内にアイテム20が存在することにより、光が空洞の底部に移動し、ハウジング16の底層30を通過するのを防ぐように、アイテム20に対して寸法決めされる。しかしながら、アイテム20が空洞18から取出されると、光は空洞内で反射し、ハウジング16の底層30、及び、DCU12の表面68を透過して、DCU12内の対応する光センサー50に突き当たる。
【0046】
上述のように、ハウジング16は、空洞181~18n、及び、DCU12内の対応するセンサー501~50nと位置合わせされた領域の中に、センサー透過性材料(例えば、空洞内の光が光センサー50に突き当たることを可能にする透明又は半透明のプラスチックなどの光透過性材料)であるか、又は、少なくともセンサー透過性材料を有する底層30を有する。空の空洞18に入射した光がDCU12の対応するセンサー50に突き当たる程度は、レンズを使用して光を集束させることにより改善でき、これにより、アイテム20が空洞18から取出され、空洞に入射する光の経路に干渉しなかった場合でも、光がセンサーに当たらないときに起こり得る、充填された空洞18の誤検出の発生を低減する。
【0047】
MCC14(例えば、ペンニードルディスペンサー)は、複数の空洞181~18nの底部に一体化されたレンズを含むことができ、各空洞レンズは、空洞18の反対端の開口からの光を検出するように最適化される。図7Aは、ブレット24で任意に位置合わせされた空洞18を示し、ブレットの底部は、非結像光学系のエッジ光線原理を実装するように成形されたレンズ84で構成される。このレンズ構造84は、反射率の低いハウジング又はブレット材料を通過光の透過を好むので、反射率の低い材料で構成されたディスペンサー14用である。代替の例示的な実施形態によれば、ブレット24の底部は、複合放物面集光器を実装するように成形されたレンズ86を含む。このレンズ構造86は、レンズ86がより高度に反射された光を空洞の底部の中心位置に集中させるので、より高い反射率を有する材料で構成されたディスペンサー14に有用である。レンズ84及び86は、図7A及び7Bに示されるように、研磨されたアクリルなどの光透過性材料から作製され、成形され、ブレット24のセクションの端、又は、空洞18の底に成形され、ここで、ブレット24の残りの部分又は空洞は、光の焦点を合わせるのには効果的ではないかもしれないが、製造コストを最小限に抑えることができる、異なるタイプのプラスチックなどの異なる材料から作製できる。従って、ブレット24は、単一の均質材料から製造されるか、又は、複数の材料とのアセンブリで形成されるか、又は、様々な材料からの複数工程の成形作業(例えば、2ショット成形作業、又は、オーバーモールディング作業)で製造されることが想定される。従って、ブレット24のレンズ部分がブレット24の機能的回収部分と同じ材料である必要はない。
【0048】
次に、図8を参照して、DCU12のコントローラ52の例示的な動作について説明する。上述のように、DCU12は、例えば、それらが空であるか、又は、アイテム20で充填されているか、及び、どの空洞からのものであるかなど、その空洞181~18nのステータスの追跡又は目録を取るようにプログラム、又は、他の方法で構成することができ、次に、MCC14に格納されているアイテム20のマトリックスから、ショット交替レジメン(shot rotation regimen)やその他の使用パターンなどの指定されたアルゴリズムに従ってアイテムを取出す必要がある。コントローラ52は、所定の数の空洞位置のうちのどれが空であるかに注目することから始めることができる(ブロック90)。次に、ブロック92に示すように、コントローラは、空洞18の位置に対応するセンサー50が新しい空の空洞を検出するかどうかを判断する(例えば、その空洞内のアイテム20は、状態インベントリがブロック90ごとに取られたので取出されている)。そうである場合、コントローラは、ブロック94、及び、96にそれぞれ示されるように、タイムスタンプ、及び、任意選択で、そのセンサー50に対応する空洞18の位置からのアイテム20の取出しの日付を記録し、MCC14内の位置を記録する。コントローラ52は、ブロック98ごとに、ユーザーが取出し後にアイテム20を使用することができる予想時間に対応する指定された持続時間に対応するタイムアウトループを開始し、その後、そのアイテムを空洞に返却できる(例えば、ユーザーがMCC14からペンニードルアセンブリなどのアイテム20を取出し、薬物を注入し、使用済みのペンニードルアセンブリをMCC14の同じ空洞18に戻すのに十分な10秒、又は、他の時間等)。
【0049】
図8のブロック100ごとにタイムアウトループが終了した後、コントローラは、そのセンサー50が対応する空洞18が空であることを検出するかどうかを決定する。アイテム20がタイムアウト期間の終わりまでに返却された場合、センサーは、ブロック92からの負の線で示されるように空の空洞を検出せず、少なくとも、充填された空洞を決定するためのタイムスタンプを記録し(ブロック102)、及び、その空洞の位置を記録する(ブロック104)。アイテム20が正常に取出し、及び、交換されたことが検出された場合、ブロック96、及び、106で記録された位置A、及び、Bは同じになり、そうでない場合、ブロック108に示されるように、発生したエラー、及び、エラーの表示を(例えば、ディスプレイ56を介して)出力することができる。DCU 12は、上述のように、ユーザーがそこから次のアイテム20を取出すべき空洞18の位置に対応するインジケータ(例えば、LED80)を操作するように任意選択で構成することができる。
【0050】
図8に関連して説明されたDCU12内のコントローラ52の動作は、使用後にアイテムを格納する例示的なMCC14を示す。コントローラ52の動作はまた、空洞の位置の定期的なインベントリを作成して、空の位置を決定し、アイテム20がそこから取出されるときに、タイムスタンプ及び空洞181~18nのオプションの位置を記録することができることを理解されたい。このため、タイムアウト期間を採用する(ブロック98、100)か、そうでなければアイテム20のそれぞれの空洞への戻りを検出する(ブロック102、104)。
【0051】
本開示が、以下で説明にされるか、又は図面に図示される、構造の詳細、及び、構成要素の配置に、その適用が限定されないことを当業者によって理解されることとなるであろう。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書にて使用される表現、及び、用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとしてみなすべきではないことが理解されることとなるであろう。本明細書における「含む」、「備える」、又は「有する」、及び、それらの変形例の使用は、追加の項目と同様に、その後に列挙される項目、及び、その均等物を包含することを意味する。特に限定されない限り、本明細書における「接続」、「結合」、及び「取り付け」という用語、及びそれらの変形例は、広範囲に用いられ、直接的及び間接的な接続、結合、及び取り付けを包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」という用語、及びそれらの変形例は、物理的又は機械的な、接続又は結合に限定されない。さらに、上、下、底面、及び上面などの用語は、相対的であって、図解を補助するために使用されるものではあるが、限定するものではない。
【0052】
本発明の例示の実施形態に従って使用される例示的なデバイス、システム、及び方法のコンポーネントは、少なくとも部分的に、デジタル電子回路、アナログ電子回路、又は、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装することができる。これらのコンポーネントは、例えば、プログラム可能なプロセッサー、コンピュータ、又は、複数のコンピュータなどのデータ処理装置による実行、又は、それらの動作を制御するために、情報媒体、又は、機械可読ストレージデバイスに有形に組み込まれたコンピュータプログラム、プログラムコード、又は、コンピュータ命令などのコンピュータプログラム製品として実装することができる。
【0053】
コンピュータプログラムは、コンパイル型言語もしくはインタプリタ型言語を含んだ任意の形式のプログラミング言語で作成されてよく、コンピュータプログラムは、スタンドアロンプログラム、又は、モジュール、構成要素、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットを含んだ任意の形式で展開されてよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、又は、1つのサイトの複数のコンピュータで実行されるように展開するか、複数のサイトに分散して通信ネットワークで相互接続することができる。また、本発明を達成するための機能プログラム、コード、及び、コードセグメントは、本発明が関係する当業者によって、本発明の範囲内であると容易に解釈され得る。本発明の例示的な実施形態に関連する方法ステップは、機能を実行するためのコンピュータプログラム、コード、又は、命令を実行する1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサーによって実行できる(例えば、入力データを操作し、及び/又は、出力を生成することによって)。方法のステップも実行でき、本発明の装置は、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路として実装できる。
【0054】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び、回路は、汎用プロセッサー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、ASIC、FPGA、又は、他のプログラム可能な論理デバイス、個別ゲート、又は、トランジスタロジック、個別ハードウェアコンポーネント、又は、本書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせにより、実装又は実行され得る。汎用プロセッサーは、マイクロプロセッサーであり得るが、代替として、プロセッサーは、任意の従来のプロセッサー、コントローラ、マイクロコントローラ、又は、状態機械であり得る。プロセッサーはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサーの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサー、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサー、又は、他のそのような構成として実装されてもよい。
【0055】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサーは、例として、汎用、及び、専用の両方のマイクロプロセッサー、及び、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサーを含む。一般に、プロセッサーは、読み取り専用メモリ及び/又は、ランダムアクセスメモリから命令とデータを受け取る。コンピュータの重要な要素は、命令を実行するためのプロセッサーと、命令とデータを格納するための1つ以上のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、例えば、磁気、光磁気ディスク、又は、光ディスクなど、データを格納するための1つ又は複数の大容量記憶装置を含むか、又は、それらからデータを転送するように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令、及び、データを具現化するのに適した情報媒体には、例として、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ又はROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)、フラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、及び、データストレージディスク(磁気ディスク、内蔵ハードディスク、又は、リムーバブルディスク、光磁気ディスク、CDーROM、及び、DVD-ROMディスク等)を含む、あらゆる形式の不揮発性メモリが含まれる。プロセッサーとメモリは、特別な目的のロジック回路によって補完又は組み込むことができる。
【0056】
当業者は、情報、及び、信号が、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体で参照される可能性があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及び、チップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場、又は、粒子、又は、それらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0057】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及び、アルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は、両方の組み合わせとして実装され得ることを当業者はさらに理解する。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、さまざまな実例となるコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び、ステップを、それらの機能の観点から一般的に上記で説明した。このような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定のアプリケーションと設計の制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに様々な方法で説明した機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CDーROM、又は、当技術分野で知られている任意の他の形式の記憶媒体に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサーが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサーに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサーに統合されてもよい。言い換えれば、プロセッサー、及び、記憶媒体は、集積回路内に常駐するか、又は、別個のコンポーネントとして実装され得る。
【0058】
コンピュータ可読非一時的媒体は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュ媒体、及び、固体記憶媒体を含む、あらゆるタイプのコンピュータ可読媒体を含む。ソフトウェアは、中央処理装置(CPU)デバイスにインストールして販売できることを理解されたい。又は、ソフトウェアを取得してCPUデバイスにロードすることもでき、これには、例えば、ソフトウェア作成者が所有するサーバーから、又は、ソフトウェア作成者が所有していないが使用するサーバーからなど、物理メディア又は配布システムを通じてソフトウェアを取得することが含まれる。ソフトウェアは、例えばインターネットを介して配布するためにサーバーに保存することができる。
【0059】
上記の説明及び図は、例としてのみ意図されており、以下の特許請求の範囲に記載されている場合を除いて、決して本発明を限定することは意図されていない。特に、当業者は、上述で説明した様々な例示的な実施形態の様々な要素の様々な技術的態様を、他の多くの方法で容易に組み合わせることができ、それらはすべて本発明の範囲内であると見なされる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8