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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】呼吸器を備えた雪崩サバイバル装置
(51)【国際特許分類】
   A62B 33/00 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
A62B33/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020544320
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 NO2018050272
(87)【国際公開番号】W WO2019093906
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】20171795
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(31)【優先権主張番号】20181446
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】520164714
【氏名又は名称】セーフバック アー・エス
【氏名又は名称原語表記】Safeback AS
【住所又は居所原語表記】Morvikbotn 258, 5122 Morvik, Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トア ベルゲ
(72)【発明者】
【氏名】シグムンド アンドレアセン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ミェルフス
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-068869(JP,A)
【文献】特表2011-518035(JP,A)
【文献】特表2010-510831(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03045208(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 7/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記入口(4,83,120)が、1つ以上の入口チャネル/管セグメント(7’,81,82,120’)を介して前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、
前記入口チャネル/管セグメント(7’,81,82,120’)のうちの1つ以上が、空気が前記ポンプ(3,85)に吸い込まれる空間の体積を増大させるように離されている、対応する入口(4,83,120)に接続しており、
前記入口チャネル(81,82)が、中央入口チャネル(81)および複数の分散型入チャネル(82)を備え、各分散型入口チャネル(82)が、その周縁端部にある対応する空気入口(83)を接続ジャンクション(81’)において前記中央入口チャネル(81)に接続しており、前記中央入口チャネル(81)が、分散型入口チャネル(82)のそれぞれまたは分散型入口チャネル(82)のグループに接続している1つ以上の接続ジャンクション(81’)を有することを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項2】
前記チャンバ(4’,81,82,120’)が、成形可能な空気透過性発泡材料で部分的または完全に充填されている、請求項1記載の装置(10,20,40,60)。
【請求項3】
前記空気透過性発泡材料が、ポリウレタンスポンジである、請求項2記載の装置(10,20,40,60)。
【請求項4】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記装置が、バックパックのフレームに一体化されており、前記出口(1,80)が、給気管(7’’,89)を介して前記ポンプ出口(32,122)に接続されており、前記給気管(7’’,89)が、前記バックパックおよびショルダハーネス(91)に一体化されており、前記出口(1,80)が、携行者の顔領域の近くで前記ショルダハーネス(91)に配置されていることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項5】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記装置が、バックパックのフレームに一体化されており、前記出口(1,80)が、給気管(7’’,89)を介して前記ポンプ出口(32,122)に接続されており、前記給気管(7’’,89)が、前記バックパックおよびショルダハーネス(91)に一体化され、さらに胸骨ストラップ(92)に一体化されており、前記出口(1,80)が、携行者の顔領域の近くで前記胸骨ストラップ(92)に配置されていることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項6】
一方の端部が前記出口(80)の出口開口(90)に接続され、他方の端部が携行者によって装着されたフルフェイスヘルメット(93)の内部に接続されている、管延長部(94)をさらに備える、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(10,20,40,60)。
【請求項7】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記装置(10,20,40,60)によって供給される前記空気からCOを除去するためのCOフィルタ(2)をさらに備えることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項8】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記コントローラ(6)が、前記ポンプ(3,85)の動作モードを設定および制御するための自動作動ユニット(11)を備え、
1つ以上のセンサ(8)をさらに備え、前記センサが、雪崩によって生じる運動、予め設定された閾値を超えるCOレベル、荷重/圧力、重力、バッテリ残容量などの電力源レベル、または作動閾値を超える、人の血流中の酸素含有量、心拍数または体温などのセンサ入力のうちの1つ以上に敏感であり、
前記1つ以上のセンサ(8)が、センサ入力インターフェース(8’)を介して前記コントローラ(6)の前記自動作動ユニット(11)に接続されており、前記コントローラ(6)が、前記センサ(8)の測定値を監視し、それに応じて前記装置(10,20,40,60)の前記動作モードを制御するためのプログラムを備えることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項9】
前記自動作動ユニット(11)が、手動スイッチ(11’)を備え、前記手動スイッチ(11’)が、前記センサ入力(8)を無効にし、選択された動作モードで前記ポンプ(3)を手動で作動させるために使用することができる、請求項記載の装置(10,20,40,60)。
【請求項10】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記出口(1,80)の周囲環境からの空気を前記ポンプ(3,85)に供給する、よって前記出口(1,80)を通じて戻すためのフィードバックダクト(110)をさらに備えることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項11】
前記CO フィルタ(2)をバイパスするためのバイパスダクト(111)をさらに備える、請求項記載の装置(10,20,40,60)。
【請求項12】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
膨張したバルーンから前記ポンプ(3)に酸素を提供するためのさらなる入口(115)をさらに備えることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項13】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置(10,20,40,60)であって、
少なくとも1つの入口(4,83,120)と、
少なくとも1つのポンプ(3,85)と、
少なくとも1つの電力源(5,121)と、
コントローラ(6)と、
少なくとも1つの出口(1,80)と、を備え、
前記少なくとも1つの入口(4,83,120)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ入口(31,88)と接続されており、前記少なくとも1つの出口(1,80)が、前記ポンプ(3,85)のポンプ出口(32,122)と接続されており、前記入口(4,83,120)が、チャンバ(4,4’,7’,81,82,120’)として機能するように構成されており、前記チャンバの第1の端部が、前記ポンプ入口(31,88)に接続されており、前記チャンバの第2の端部が、前記装置の外側に向いた開口(4’,83,123)であり、
前記ポンプ(3,85)は、作動されると、前記チャンバ内に真空を提供し、前記チャンバの前記第2の端部および前記チャンバを通じて周囲から前記ポンプに空気を吸い込み、前記ポンプ出口(32,122)から前記出口(1,80)に前記空気を圧送し、
前記コントローラ(6)が、通信装置をさらに備え、前記通信装置が、前記装置(10,20)の状態をリモート通信ユニット(101,104,105,107)に送信することができることを特徴とする、装置(10,20,40,60)。
【請求項14】
雪崩の被災者に延命支援を提供するためのシステムであって、請求項13記載の1つ以上の装置(10,20,40,60)を備え、リモート通信ユニット(101,104,105,107)および通信伝達媒体(102,103,106)をさらに備える、システム。
【請求項15】
前記リモート通信ユニット(101,104,105,107)が、前記装置(10,20,40,60)の存在および非遭難信号を特定できるローカル警報局(104)、他のリモート通信ユニット(101,104,105,107)を監視し、それらと通信できるリモートサーバー(101)、前記装置(10,20)によって配信されたビーコン(106)を受信するだけで前記装置(10,20,40,60)の位置を特定できる捜索パーティ(105)、または緊急輸送手段(107)のうちの1つである、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
請求項1から13までのいずれか1項記載の装置(10,20)を使用して環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための方法であって、以下のステップ、すなわち、
ーザが前記装置(10,20,40,60)をオンにするステップと、
自動緊急検出器(201)または手動スイッチ(202)の一方が作動させられると、前記装置(10,20,40,60)を作動させるステップと、
前記ポンプを始動させる(206)ステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雪崩に埋もれている人の口および鼻の領域の周囲の呼吸可能空気の品質など、身体の特定部位の領域における環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置、方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高山や山岳領域の雪崩は、毎年多くの人や動物を殺し、多くの救助技術やサバイバル技術の開発のアイデアの元になっている。これらのいくつかは、困難の中にある人の正確な箇所へ救助者を迅速に促すための遭難信号のビーコンを送信する無線設備を備えている。他のものは、進行中の雪崩の上に人が浮き上がる能力を向上させ、よって決して埋もれないための、エアバッグのような浮力装置を備えている。また、他のものは、酸素タンクおよび呼吸(breading)設備を備えた設備も起用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術の問題は、信頼性が低いことであり、これは、例えば、多くのものが、必要とする人の認識や、設備を使用するために取るべき特定の行動を要求するためである。他の問題は、効率が十分でないことに関連するか、または装着/使用するには複雑すぎることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題の1つ以上を軽減または排除する解決策を提供することである。
【0005】
本技術は、例えば雪に含まれる呼吸可能空気の品質および量が、人の身体を長期間にわたって生存させるのに十分であるという知識に基づいている。例えば、人が雪崩に埋もれている事例の課題は、周囲の雪に含まれる空気の量ではなく、人が吐いた空気の熱および凝縮物が、水で飽和するか、さらに悪いことに氷へと凝固し、よって空気を透過させなくなる層を口および鼻の領域の周囲に作ることである。これにより、人の呼吸活動によって作られた不透過性層の反対側にある雪の層に含まれる酸素は、人にとって利用できなくなる。
【0006】
本発明の発明者らはさらに、実際に雪崩の被災者となった人の大半が、ほとんどの場合、手足の動きの制御をすぐに失うこと、例えば、腕によって緊急設備を操作できなくなること、または被災者が雪崩に巻き込まれる過程で意識不明になる場合さえあることに気付いた。したがって、先行技術によって提示された装置の大半は、また従うべき物理的な作動手順を被災者に要求するそれらの技術は疑いなく、全く効率的でなく、現実の状況で全く機能さえしない。
【0007】
本発明は、被災者が要求される意識的行動を軽減し、さらに排除さえすることができ、装置が十分な電力を受ける限り動作する。それはさらに、被災者の周囲に含まれる豊富な呼吸可能空気に依存する。
【0008】
実施形態が本発明の原理を説明するだけであり、本発明を実施するさらなる方法があり得ることを理解されたい。本発明の保護範囲を定義するのは関連する請求項である。
【0009】
本開示のさらなる特徴および利点は、以下の図面の簡単な説明および実施形態のより詳細な説明に記載されており、それらから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】発明の概念図
図2】発明の概念図(二重チャネル)
図3A】発明概念の一実施形態(スタンバイ状態)
図3B】発明のバックパックシステム
図4】発明概念の図(アクティブ状態)
図5】代替的な使用例:雪洞およびテント
図6】方法フローチャート
図7】システムの説明
図8】バックパックの実施形態、複数の入口チャネル
図9】バックパックおよびヘルメット
図10】バックパック側面に取り付けられた発明の実施形態
図11】側面に取り付けられた発明の実施形態の詳細
図12】発明のバックパックの実施形態を装着しているスキーヤー
図13】発明の実施形態およびヘルメットを装着しているスノーモービルの運転手
図14】バックパックでの発明の実施形態を装着している雪崩被災者
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、1つのタイプの実施形態を示すために呼吸可能空気を使用するが、様々な環境で装置を使用してもよいことを理解されたい。
【0012】
ここで、本発明について非限定的な図面を参照してより詳細に説明する。
【0013】
図1に概説する本発明の一実施形態では、呼吸可能空気品質向上装置10は、少なくとも入口4と、ポンプ3と、電源5および出口1と、ポンプを介した入口4から出口1への呼吸可能空気流の経路を提供するための要素を接続する管または導管7’,7’’,7’’’と、を備える。ポンプ3は、バッテリなどの電源5からの十分な電力によって作動されると、入口4から出口1へと呼吸可能空気流を提供する。
【0014】
少なくとも1つの入口4は、ポンプ3のポンプ入口31に接続され、少なくとも1つの出口1は、ポンプ3のポンプ出口32に接続され、ポンプは、作動されると、入口4から出口1へと空気を圧送することができる。
【0015】
ポンプは、手動スイッチ11’または自動作動ユニット11で構成可能であるコントローラ6によって作動されてもよい。典型的に、コントローラ6は、スイッチ11を自動的に作動させ、よって呼吸可能空気品質向上装置を作動させる雪崩状況検出機構/センサ8を備える。雪崩状況検出機構/センサ8は、呼吸可能空気の品質向上が必要とされる非雪崩状況で呼吸可能空気品質向上装置10,20を作動させるために無効にされてもよい。
【0016】
手動スイッチ11’が、呼吸可能空気品質向上装置10の携帯ストラップに保持されるように配置されてもよい。
【0017】
ポンプは、高、中、低など、2つ以上のモードで動作してもよく、低モードは省電力モードとすることができる。コントローラ6は、例えば、検出器(図示せず)によって検出された、バッテリ残容量などの電力源容量の結果として、ポンプの動作モードを自動的に調整するための検出器および活性器を備えてもよい。一例ではあるが、これは、電力源の残りが50%となるまでポンプ3が十分な効果を発揮し、電力源の残りが25%となるまで続く中モードに自動的に切り替わり、次いで、ポンプの動作モードが、省電力モードすなわち低モードに自動的に切り替わるように促進されてもよい。
【0018】
ポンプの動作モードの選択は、ローカルまたはリモートで接続された調整器スイッチ11’によって手動で選択されてもよい。
【0019】
そのようなモード制御方式は、呼吸可能空気品質向上装置10のために利用可能な電力源の容量が限られる場合、動作時間をかなり延ばすことができる。
【0020】
図2に示すような本発明のさらなる代替的な実施形態では、二重の呼吸可能空気品質向上装置20が提供される。そのようなシステムでは、提供される空気などの呼吸可能空気の容量が、入口4の周囲の環境への負荷の分散を要求する環境に適応するように増加されてもよい。例えば、人が雪崩に閉じ込められている緊急状況では、周囲の雪が、1箇所だけでは十分な量の空気/酸素を提供しない場合があり、2つ以上の場所に入口を設けることが必要となる場合がある。
【0021】
本発明は、出口1の周囲の環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるために一緒に機能するように配置された複数の呼吸可能空気品質向上装置10の事例を有してもよい。
【0022】
呼吸可能空気品質向上装置10を二重にするか、または複数有する別の理由は、冗長性を有していてもよい。冗長性をもたらす構成はまた、例えばコントローラ6などに実装されたテスト機能を備えていてもよい。テスト機能は、メインの呼吸可能空気品質向上装置10の動作状態を頻繁にテストし、動作異常が検出された場合に、冗長構成で利用可能な別の呼吸可能空気品質向上装置10を作動させる。
【0023】
複数の呼吸可能空気品質向上装置10を備えた冗長構成であるコントローラ6が、図2に示すように、呼吸可能空気品質向上装置10の全てまたは一部のために働いてもよい。他の実施形態では、コントローラが、2つ以上の装置に、例えば、呼吸可能空気品質向上装置10,20毎に1つずつ、配置されてもよく、または操作スイッチ11が、多機能ユニット6に備えられてもよく、一方、センサ8が、別個のモジュール/装置に配置されてもよく、各呼吸可能空気品質向上装置に固有のモジュール/装置で編成されてもよいことを理解されたい。2つ以上のコントローラ6がある場合、これらを、例えば、二次コントローラが、緊急状況を特定する最初の装置となり、これによって第1の空気品質向上装置10の作動を開始できるように、階層的に結合可能にしてもよい。センサが、階層構成にある1つ、複数、または全てのコントローラ6に接続されてもよい。これらの構成により、冗長性能を高めることができる。
【0024】
呼吸可能空気品質向上装置10は、呼吸可能空気を浄化するためのフィルタ2を備えることにより、出力される呼吸可能空気の品質を向上させてもよい。フィルタは、管または導管7’,7’’,7’’’内、例えば、出口管7’’’内に配置されてもよい。フィルタは、呼吸可能空気品質向上装置10の所定の場所、例えば入口ダクト7’内に配置されてもよい。
【0025】
呼吸可能空気品質向上装置10によって空気が供給される場合、典型的なフィルタはCOフィルタであってもよい。例えば水/雪/氷除去フィルタなどの他のフィルタが設けられてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態では、呼吸可能空気品質向上装置10,20は、出口1の周囲の空間から空気を引き込んでポンプ(3)およびCOフィルタ(2)を通してそれを再循環させるためのフィードバックダクト110を備える。コントローラ6は、出口1の領域で検出されたCOのレベルが予め設定されたレベルに達したときに、ポンプ3に空気を供給するようにフィードバックダクト110の動作を制御してもよい。
【0027】
COフィルタなどのフィルタは、様々な理由で誤作動し、フィルタを通る空気流を妨げる場合がある。呼吸可能空気品質向上装置10,20の一実施形態は、例えば、ポンプを通る想定未満の空気流の検出により、フィルタが誤作動していると検出された場合に、コントローラ6によって作動されて、ポンプから出口1に直接空気を供給するバイパスダクト111を備えてもよい。他のセンサが、フィルタの誤作動を検出してもよい。バイパスダクト111はまた、例えば、出口1の周囲の空気品質レベルが限界レベルを安全に下回っており、ポンプ3を通る空気流が許容可能な品質を有する場合に、作動されてもよい。
【0028】
典型的なCOフィルタは、バッテリなどの利用可能な電力源5によって圧送可能な空気量の何倍もの容量を有するように選択されてもよい。
【0029】
電力源5は、バッテリか、または他の発電装置、例えばバッテリの代わりの、またはバッテリと組み合わされた燃料電池で構成されてもよい。
【0030】
呼吸可能空気品質向上装置10の典型的な実施形態は、雪、水または他の物質による詰まりから入口を保護するための入口保護具4’を備える入口4も有している。入口保護具は、例えば、硬質プラスチックまたは炭素材料などの軽量保護メッシュによって形成されていてもよく、メッシュは、ポリウレタンスポンジその他などのガス透過性材料で充填されていてもよい。さらなる実施形態では、入口保護具4’は、ガス透過性であるが、液体不透過性である。保護具は、耐衝撃性を有していてもよい。
【0031】
出口1は、呼吸可能空気品質向上装置10,20を装着している人の鼻/口に近い位置を確保するように、ウェアラブル装置/設備114に配置されてもよい。ウェアラブル装置は、例えば、ジャケットの襟/バックパックのストラップ、またはヘルメットなどの内側に配置された、固定具(図示せず)を備えていてもよい。
【0032】
ここで、呼吸可能空気品質向上装置10の典型的な実施形態について説明する。
【0033】
本発明の呼吸可能空気品質向上装置10は典型的に、雪崩が発生しやすい領域で時間を過ごす登山者のための緊急パックを提供するために使用される。雪崩状況では、雪の表面の下に閉じ込められた人には、周囲の雪からの酸素供給が最大でも数分しかない。人が口/鼻の近くの雪に封じ込められた酸素にアクセスできれば、雪自体はほとんどの場合、人が生存できるほど十分な余剰酸素を含んでいる。しかし、これは、雪に埋もれた人の呼吸による凝縮物が、頭の周囲の周囲環境を湿気で非常に急速に飽和させ、これにより、雪によって付近を不透過性物質に変える氷層または水飽和層を頻繁に作るので、当てはまらない。口/鼻の領域の周囲のこの不透過性シェルは、雪の嵩によって酸素が付近から埋没者に到達するのを妨げ、呼吸環境に蓄積したCOのために、人は非常に急速に窒息する。緊急用の酸素補給品を携行するのは、被災者が救助されない場合の避けがたい結果を先延ばしするかもしれないが、生命維持用の酸素を供給できる酸素補給品を長期間にわたって携行するのは煩わしい。
【0034】
図3Aは、スキーヤー/登山者によってバックパック40として装着された、本発明の呼吸可能空気品質向上装置10を示す。一実施形態のバックパック40のアセンブリを図3Bに示す。バックパック40は、バックパック40の装着者の顔領域から離れた入口4,4’の環境を提供する。出口1は、バックパック40の装着者の顔領域の近くに位置するように配置される。ポンプ3、バッテリなどの電源5、およびコントローラ6は、バックパック40の内部に配置されてもよい。
【0035】
呼吸可能空気品質向上装置10を備えるバックパック40は、外部の力または衝撃による誤作動を避けるために、本発明の部品の周囲に保護ケースをさらに提供してもよい。管および/または導管7’,7’’,7’’’は、屈曲に強いように設計され、また、雪崩に巻き込まれた場合または雪の下に埋もれた場合など、装着者が緊急状況にある場合の破損または漏洩を避けるように強化されてもよい。
【0036】
本発明の呼吸可能空気品質向上装置10は典型的に、シャットオフ状態、スタンバイ状態、またはアクティブ状態のうちの1つにある。
【0037】
シャットオフされている場合、典型的には保管されている場合、空気品質向上装置10の要素はいずれもアクティブでない。
【0038】
スタンバイ状態にある場合、呼吸可能空気品質向上装置10のコントローラ6は、自動作動ユニットと手動オン/オフスイッチ11’との両方のスイッチ11の状態を監視している。いずれかが作動すると、コントローラ6は、ポンプ3を始動させ、空気が入口4から出口1に圧送される。空気品質向上装置10は、アクティブ状態に切り替えられる。
【0039】
コントローラ6は、雪崩によって生じると予想されるのに等しい運動パターンを検出するジャイロセンサ8を備えていてもよい。例えば、図4に例示するように携行者が雪崩に巻き込まれた場合、ジャイロセンサ8によって自動作動ユニットを作動させることができ、コントローラがポンプ3を始動させる。ポンプは、バックパック40を携行している人の背面にある入口4から顔領域の近くにある出口1に空気を圧送し、よって、氷層または水飽和層の外側の周囲から被災者の顔領域に酸素を移動させる。このようにして、被災者の呼吸によって形成された氷の仕切りが、雪に含まれている酸素に富んだ周囲の空気へのアクセスを閉じるように顔の周囲の環境を阻止しなくなる。圧送された空気流も、鼻および口の周囲にあるCOで飽和した空気を移動させる。
【0040】
そのような事例では、入口が携行者の鼻および口の領域から遠くに、例えば、バックパック40内で可能な限り低い位置に配置される場合が有利である。入口4は、雪が入口の周囲で密に詰まるのを防ぐフィルタまたは材料などの入口保護具4’によって入口が包囲されている場合に効率をさらに向上させる。入口保護具4’の面積が大きいほど、周囲の雪から空気を取り込むための多くの表面が得られる。
【0041】
呼吸可能空気品質向上装置10,20が作動し、被災者の頭領域の周囲に氷層が形成されると、呼吸環境中で急速にCOレベルが増加する。呼吸可能空気品質向上装置10,20は、COを取り込むためのフィルタなど、空気を浄化するための1つ以上のフィルタ2を備えることが有利である場合がある。フィルタ2は、出口1の近くに配置されてもよいが、「悪い」空気が流入空気の品質を汚染するのを防ぐために、入口4の近くに配置することもできる。
【0042】
任意選択的に、コントローラ6はまた、図示されていない遭難信号送信器、および図示されていない他の信号送信装置または視覚的/物理的追跡装置を起動させてもよい。任意選択的な送信器は、電力レベル、フィルタ状態、作動異常の測定のために装置10,20に設けられたセンサなど、呼吸可能空気品質向上装置10,20の様々なセンサ8からのデータを送信さえしてもよい。
【0043】
任意選択的な実施形態では、呼吸可能空気品質向上装置10,20には、例えば、呼吸可能空気品質向上装置10,20を携行している人の身体状態を検出できる、身体に取り付けられたセンサ8に接続するための、1つ以上のセンサ入力インターフェース8’が設けられる。コントローラ6は、情報を処理し、任意選択的に、図7に示すように、リモート通信ユニット101,104,105に情報を伝達し、リモート通信ユニット101,104,105から制御命令を受信することができてもよい。コントローラは、センサ8によって提供されるデータの変化またはレベルに基づいて、呼吸可能空気品質向上装置10,20による給気レベルを変更することができてもよい。
【0044】
呼吸可能空気品質向上装置10,20は、上述の雪崩緊急用のバックパック40などの多くの有利な使用シナリオに適合させることができる。バックパック40、またはバッグなど他の実施形態の呼吸可能空気品質向上装置10,20は、図5に例示するように、例えば緊急の雪洞またはテントキャンプ50で使用するために最適化することができる。スキーヤーなどが、例えば、意外にも嵐に巻き込まれ、粗雑な/浅い雪洞を掘る時間しかない場合、給気は、サバイバルのための重要な要素になる場合がある。次いで、延長可能な出口管7’’,7’’’であって、呼吸可能空気品質向上装置10,20を浅い雪洞の外側に配置でき、延長可能な出口管7’’,7’’’をスキーヤーの顔領域の近くに配置できるような延長可能な出口管7’’,7’’’を設けるか、または顔領域から、例えば雪洞/テント50の外側から、十分に離して配置できる延長可能な入口管7’を設けるかのいずれかにより、顔領域から離れたところから空気を引き込むように、呼吸可能空気品質向上装置10,20を使用することができ、さらに、呼吸可能空気品質向上装置10,20を所望のポンプモードに切り替えるためにコントローラ6の手動スイッチ11’を設けてもよい。遭難した人が自分の周囲に掘ることができた自由空間の大きさに応じて、動作モードは、十分な給気を提供するが、同時に可能な限り長期の使用のためにエネルギーを節約するように、可変的に設定されてもよい。
【0045】
他の使用は、例えば、吹雪のときに雪に埋もれ、よって通常の換気装備を閉鎖される場合があるテント50であってもよい。入口は、テント生地の周囲に形成された氷の外側から給気を引き込むのに十分なほど遠い外側に延長されてもよい。
【0046】
自動作動ユニット11は、例えば、自動作動ユニット11に接続された1つ以上のセンサ/検出器8によって、様々な検出された事象、すなわち、雪崩によって生じる運動、予め設定された閾値を超えるCOレベル、荷重/圧力、重力、または作動閾値を超える、人の血流中の酸素含有量、心拍数または体温その他など、他のセンサ8の入力でトリガされてよいが、これらに限定されない。
【0047】
一実施形態では、本発明は、例えば、人が浅い雪洞で時間を過ごしているときに、バックアップ用酸素供給装置として使用される。COを多く含む環境で時間を過ごしている人は、危険に気づかない可能性があり、窒息する場合がある。本発明の、呼吸可能空気品質向上装置10,20は、CO含有量のセンサ8を備え、危険なほど低いと考えられるレベルに達すると、制限領域の外側から引き込まれる空気の供給を自動的に開始してもよい。呼吸可能空気品質向上装置10,20は、音響アラーム、可視光アラームその他のアラーム112をさらに備えてもよく、アラーム112は、検出された危険なCOレベルを人に警告するためにコントローラ6によって作動されてもよい。アラーム112は、コントローラ6に組み込まれていてもよく、または別個に接続されたアラーム装置として構成されていてもよい。アラーム112は、出口1の領域の空気の品質に基づいて手動または自動で、呼吸可能空気品質向上装置10,20をオンおよびオフに切り替えることをユーザまたはコントローラ6に可能にするので、呼吸可能空気品質向上装置10,20のより良好な電力使用方式を保証することができる。
【0048】
本発明のさらなる実施形態では、呼吸可能空気品質向上装置10,20は、例えば、雪崩状況で膨張するように設けられたバルーン安全装置などの1つ以上のさらなる救命設備の装備/装置と組み合わせて使用することができる。さらなる救命設備は、呼吸可能空気品質向上装置10,20の自動作動ユニット11によって、または呼吸可能空気品質向上装置10,20の手動スイッチ11’によって制御されてもよい。他のさらなる救命装備は、例えば、遭難ビーコン無線信号、緊急用フラッシュライト、サイレンその他であってもよい。
【0049】
圧縮Oタンクからの酸素の膨張によって作動するバルーン安全装置との組み合わせである呼吸可能空気品質向上装置10,20のさらなる実施形態では、バルーンの内部をポンプ3と接続するように構成されたさらなる入口115が設けられ、バルーンが酸素で充填されると、バルーン内部からの酸素の流れが開放され、他の入口4,4’からの余剰酸素が、呼吸可能空気品質向上装置10,20を通る十分な酸素の流れを提供しない。
【0050】
呼吸可能空気品質向上装置10,20のさらに別の実施形態では、入口4,4’が十分な酸素を提供していないときにポンプを通じて酸素を提供する、圧縮酸素で充填された容器116が追加されてもよい。さらなる供給は、コントローラと、入口4,4’に配置されて流量または酸素レベルを測定するか、または出口環境に配置されてCOを測定する、許容できないレベルを特定するセンサとによって制御されてもよい。
【0051】
呼吸可能空気品質向上装置10,20のさらに別の実施形態では、さらなる入口115および圧縮酸素を保持するさらなる容器116をバルーンバックアップ装備に組み合わせて、呼吸可能空気品質向上装置10,20の作動期間をさらに延ばしてもよい。
【0052】
呼吸可能空気品質向上装置10,20のさらに別の実施形態では、第2の救命設備が、呼吸可能空気品質向上装置10,20と協働するように構成されていてもよく、第2の救命設備は、例えば、雪崩浮力用の空気膨張式バルーン、圧縮酸素を含む容器、身体保護用エアバッグ、呼吸可能空気品質向上装置10,20の電力源5により任意選択的に給電される身体加熱設備その他であってもよい。
【0053】
図6は、本発明の任意選択的な実施形態の動作方法を説明するフロー図であり、呼吸可能空気品質向上装置10,20がオンにされると、制御スイッチの作動200が、作動のための自動緊急検出器の入力信号201またはスイッチからの手動制御信号202のいずれかを待機する。そのような入力信号を受信すると、制御ユニットは、自己テストの実行、および/またはバッテリの電力状態の読み取り203によって動作を開始してもよい。本発明が2つ以上の呼吸可能空気品質向上装置10,20を備える場合、コントローラは、どの装置を作動させるかを選択する(204)。この決定は、電力レベルまたは他のセンサ入力の影響を受ける場合がある。ポンプを異なる容量レベルで起動できる場合、センサによって読み取られたデータと電力レベルとを、ポンプを動作させるレベルを定義する205ためにさらに評価してもよい。ポンプのレベルを変更する場合、ポンプは、新たなレベルで起動するように指示される(206)。コントローラ6は、ポンプ作動動作203~206に対する自己テストを、予め設定された時間間隔で、例えば30秒ごとに再起動する。
【0054】
ポンプ容量レベルの設定を制御する一方式は、電源の寿命を最大化するために、人をかろうじて生存させておくのに十分な呼吸可能空気のみを提供することにより、電力消費を下げることを考慮してもよい。気がかりとなる心拍をセンサが検出した場合、呼吸可能空気の流量を一定期間にわたって増加させてもよい。別の方式は、到着時間を推定することができる、リモート救助グループとの通信を含んでもよく、電力消費は、推定された救助までの時間にわたって平均化されてもよい。
【0055】
呼吸可能空気品質向上装置10,20は、上述の雪崩/雪環境とは異なるさらなる環境において有利な救命支援を提供してもよい。このような環境は、例えば、井戸、管、四つん這いになる空間、洞窟、肥料貯蔵所その他の、限られた給気の下で労働者が作業を行う逼迫した環境であってもよい。
【0056】
図7は、コントローラ6が捜索パーティ105によって捜索可能なビーコン106を通信できる無線通信ユニットを備える本発明のシステムの実施形態を示す。無線通信ユニットはまた、捜索パーティが、緊急輸送手段107を送るなどの賢明な判断を行えるように、センサ8の測定値を送信する103ことができてもよい。通信ユニットはさらに、クラウドまたは広域のネットワーク100と通信することができてもよく、この通信102によって、サーバーサービス101、捜索チーム105、輸送手段107、またはローカル警報局104と通信することができてもよい。これは典型的に、適当な制御救助チーム105および緊急輸送手段107との通信102を行うことが可能な、遭難信号に対応できる緊急サービスとすることができる。
【0057】
通信伝達媒体102,103,106は、無線LANもしくはWAN、Bluetooth、WIFI、モバイルネットワーク、無線通信、または他の通信媒体のうちの1つであってもよい。
【0058】
さらなるシステム装備は、例えば選択された山岳地点などの現場に設けられたローカル警報局104を備えてもよい。各発明装置10,20は、存在および非遭難信号を特定するために、予め設定された間隔でローカル警報局104との通信103を行ってもよい。緊急状況が検出されると、ローカル警報局104は、危険を脱した人、および危険区域にいる人のリストを提供するようにプログラムされてもよい。
【0059】
本発明のさらなる実施形態を図8に示す。入口チャネルは、例えばバックパック40のバックプレートなどのフレームと一体化されており、入口チャネルは、複数の分散型入口チャネル82として構成され、それらの最も周縁の端部には、対応する入口開口83が、各入口開口83の異なる周囲から空気を収集できるように分散パターンで離れて配置される。これにより、入口が1箇所である場合よりも大きな体積の周囲領域から空気を収集することができる。複数の分散型入口チャネル82は、その中央端部で、任意選択的に中央入口チャネル81を介して、ポンプ85に結合される。各分散型入口チャネル82は、その周縁端部にある対応する空気入口(83)を接続ジャンクション81’において中央入口チャネル81に接続してもよく、中央入口チャネル81は、分散型入口チャネル(82)のそれぞれまたは分散型入口チャネル(82)のグループに接続する1つ以上の接続ジャンクション81’を有してもよい。一実施形態では、中央入口チャネル81および/またはより小さな複数の分散型入口チャネル82および対応する入口開口83の一部または全ては、成形可能な空気透過性発泡材料のために構成され、チャネルによって輸送される空気が同時に濾過されるように、同材料で充填することができる。濾過特性は、必要性、ポンプ容量その他によって異なっていてもよい。成形可能な発泡材料はまた、チャネル81,82の形状を維持することに部分的に寄与してもよく、それによって、またチャネル81,82の壁に使用される材料に対する要件を低くしてもよい。例えば、軽量プラスチックベースの材料、軽量気密織物などからなるチャネル壁材料の使用で間に合わせることができる。
【0060】
図8に示すように、バックパック40のフレームに中央入口チャネル81およびより小さな複数の入口チャネル82を一体化する例では、より小さな入口は、バックプレートの周縁に配置され、入口開口83は、バックパック40のバックプレートの側面にあるか、またはバックパック40を携行している人に面する側面にあるバックプレートの側縁のすぐ近くにある。各入口開口83は、各入口開口83から中央入口チャネル81に空気を容易に吸い込めるように、分散型入口チャネル82によって中央入口チャネル81に結合される。
【0061】
ポンプ85は、分散型入口チャネル82および中央チャネル81を介して入口開口83に取り付けられた密閉ケーシング84内のバッテリと一体化されてもよい。ポンプ85は、作動されると、組み合わされてチャンバを形成するか、またはチャンバとして作用する、分散型入口チャネル82および中央チャネル81の内部に真空を発生させ、それによって、入口開口83を介して、かつ分散型入口チャネル82および中央チャネル81を通じて周囲から空気を吸い込む。チャネル81,82および成形可能な発泡材料を含む任意選択的な充填材の組み合わされた強度は、潰れることなく真空に耐えるほど十分に形状を維持できなければならない。
【0062】
図に示す実施形態のさらなる利点は、ポンプ85から顔領域に空気を輸送するための給気管89を、バックパック40と、ショルダハーネス91、胸骨ストラップ92、スタビライザストラップなどのうちの1つ以上と一体化することによって達成される。したがって、ポンプ85からの給気は、給気管89を通じて輸送されてもよく、給気管89は、バックプレート、および/またはショルダハーネス、および/または胸骨ストラップ、および/またはバックパック40のスタビライザストラップに隠されることによって、周囲による損傷から保護される。
【0063】
給気管89の出口開口90を提供する出口装置80が、給気管89の端部に、ポンプ85に接続された端部とは反対側の給気管89の端部に設けられてもよい。出口80は、携行者の顔領域の近くに配置される。出口装置80には、出口に雪や氷が詰まらないことを確実にするために、さらなる出口濾過材料が設けられてもよい。出口フィルタ材料には、空気出口開口90の着氷による詰まりを防ぐための加熱装置(図示せず)がさらに設けられてもよい。
【0064】
空気品質向上装置のユーザがフルフェイスヘルメット93を装着し、ヘルメットの内側に空気を供給しなければならない場合など、より正確に定義された容器に改善された空気を提供しやすくするために、管延長器94が、例えばクイックスナップロックによって、一端で出口装置80の出口開口90に接続され、他端でヘルメット93の内側に、例えばヘルメットの出口装置(図示せず)に、接続されてもよい。一実施形態では、ヘルメットの出口装置は、ヘルメットに、例えば、顎保護部分95に一体化されてもよい。
【0065】
さらなる実施形態では、図8に示すようなポンプ、バッテリおよび分散型入口チャネルおよび開口は、チャンバ120’、ポンプ85、バッテリ、周囲に面するチャンバ120’の開口123からなる空気入口、およびフィルタを備える(これらは全て、図10および図11に示すように、バックパックなどの側面に一体化されるように適合させた1つの装置に備えられる)、複合型ポンプユニット120に設けられてもよい。この後者の実施形態では、入口開口を取り囲むためにバックパック40などの携行装置の部分または穴側を使用してもよい。複合型ポンプユニットの入口の間に空気透過性の仕切りを提供する一体化されたサイドカバーが、有利に設けられてもよく、サイドカバーは、外部の力および物品に対する追加の保護を提供する。ポンプユニット120のポンプ85は、周囲の空気を入口開口からポンプ入口82に吸い込み、ポンプ85の出口122に接続された給気管89に供給し、同管が空気を出口装置80に輸送する。成形可能な空気透過性発泡材料でチャンバを部分的または完全に充填することにより、さらなる空気濾過およびチャンバ内の支持が提供され、よって、ポンプによる破片、雪、流体および他の粒子の吸い込みに対するさらなる仕切りを提供する。
【0066】
図8に示す装置は、入口チャネルおよび中央チャネルを取り囲むためのバックプレート、またはキャリーオンバックプレート(図示せず)などが設けられたウェアラブルジャケットに実装されてもよい。
【0067】
図12図13、および図14に示す使用シナリオは全て、ポンプユニット120を明確に特定している図面の便宜上、このユニットの後者の実施形態を示す。しかし、発明者らは、例えばバックパックのバックフレームに一体化された入口チャネル82および中央チャネル81を介した入口開口83を備える図8に示す実施形態を、図12に示すように、ダウンヒルスキーヤーがバックパックを装着するシナリオ、またはヘルメット93も使用するスノーモービルのドライバによって装着され、一方の端部が出口装置80に接続された管延長器94を備える、図13に示すバージョン、または図14に示すように、人が雪崩に埋もれている場合に使用できることを意図している。
【0068】
以下の実施形態が、本発明を規定してもよい。
【0069】
環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための装置10,20の第1の実施形態であって、
少なくとも1つの入口4と、
少なくとも1つのポンプ3と、
少なくとも1つの電力源5と、
コントローラ6と、
少なくとも1つの出口1と、を備え、
少なくとも1つの入口4が、ポンプ3のポンプ入口31に接続されており、
少なくとも1つの出口1が、ポンプ3のポンプ出口32に接続されており、
ポンプが、作動されると、入口4から出口1に空気を圧送する、装置10,20の第1の実施形態。
【0070】
装置10,20の第1の実施形態による装置10,20の第2の実施形態であって、少なくとも1つの入口4とポンプ入口31との間の接続が、ポンプ入口31から離れて入口4を配置することを可能にするための入口管セグメント7’をさらに備える、装置10,20の第2の実施形態。
【0071】
装置10,20の第1または第2の実施形態による装置10,20の第3の実施形態であって、少なくとも1つの出口1とポンプ出口32との間の接続が、ポンプ出口32から離れて出口4を配置することを可能にするための出口管セグメント7’’,7’’’をさらに備える、装置10,20の第3の実施形態。
【0072】
装置10,20の第1から第3の実施形態のいずれかによる装置10,20の第4の実施形態であって、管セグメント7’,7’’,7’’’、入口4、出口1またはポンプ3のうちのいずれかが、装置10によって供給される空気を濾過するためのフィルタ2をさらに備える、装置10,20の第4の実施形態。
【0073】
装置10,20の第4の実施形態による装置10,20の第5の実施形態であって、フィルタ2が、装置10によって供給される空気からCOを除去するためのCOフィルタである、装置10,20の第5の実施形態。
【0074】
装置10,20の第1から第5の実施形態のいずれかによる装置10,20の第6の実施形態であって、コントローラ6が、ポンプ3の動作モードを設定および制御するための自動作動ユニット11を備える、装置10,20の第6の実施形態。
【0075】
装置10,20の第6の実施形態による装置10,20の第7の実施形態であって、1つ以上のセンサ8をさらに備え、センサが、雪崩によって生じる運動、予め設定された閾値を超えるCOレベル、荷重/圧力、重力、バッテリ残容量などの電力源レベル、または作動閾値を超える、人の血流中の酸素含有量、心拍数または体温などのセンサ入力のうちの1つ以上に敏感であり、1つ以上のセンサ8が、センサ入力インターフェース8’を介してコントローラ6の自動作動ユニット11に接続されており、コントローラ6が、センサ8の測定値を監視し、それに応じて装置10,20の動作モードを制御するためのプログラムを備える、装置10,20の第7の実施形態。
【0076】
装置10,20の第1から第7の実施形態のいずれかによる装置10,20の第8の実施形態であって、自動作動ユニット11が、手動スイッチ11’を備え、手動スイッチ11’が、センサ入力8を無効にし、選択された動作モードでポンプ3を手動で作動させるために使用することができる、装置10,20の第8の実施形態。
【0077】
装置10,20の第1から第8の実施形態のいずれかによる装置10,20の第9の実施形態であって、入口4が、雪、水、または他の物質による詰まりから入口4を保護するための入口保護具4’をさらに備える、装置10,20の第9の実施形態。
【0078】
装置10,20の第9の実施形態による装置10,20の第10の実施形態であって、入口保護具4’が、軽量保護メッシュによって形成されている、装置10,20の第10の実施形態。
【0079】
装置10,20の第10の実施形態による装置10,20の第11の実施形態であって、メッシュが、硬質プラスチックまたは炭素材料の一方で構成されている、装置10,20の第11の実施形態。
【0080】
装置10,20の第9から第11の実施形態のいずれかによる装置10,20の第12の実施形態であって、入口保護具4’が、ガス透過性材料で充填されてもよい、装置10,20の第12の実施形態。
【0081】
装置10,20の第12の実施形態による装置10,20の第13の実施形態であって、ガス透過性材料が、ポリウレタンスポンジである、装置10,20の第13の実施形態。
【0082】
装置10,20の第1から第13の実施形態のいずれかによる装置10,20の第14の実施形態であって、出口1の周囲環境からの空気をポンプ3に供給する、よって出口1を通じて戻すためのフィードバックダクト110をさらに備える、装置10,20の第14の実施形態。
【0083】
装置10,20の第1から第14の実施形態のいずれかによる装置10,20の第15の実施形態であって、フィルタ2をバイパスするためのバイパスダクト111をさらに備える、装置10,20の第15の実施形態。
【0084】
装置10,20の第1から第15の実施形態のいずれかによる装置10,20の第16の実施形態であって、装置が、バックパック40のアセンブリ内に配置されており、入口4および入口保護具4’が、バックパック40の下端部に配置されており、出口1が、携行者の口および鼻の領域の近くに配置されるように構成されている、装置10,20の第16の実施形態。
【0085】
装置10,20の第1から第16の実施形態のいずれかによる装置10,20の第17の実施形態であって、装置が、バッグまたはバックパック40のアセンブリ内に配置されており、入口4および入口保護具4’が、バックパック40またはバッグのアセンブリ内に配置されており、入口4が人から離れて配置され、かつ出口1が人の顔領域の近くに配置されるように、装置10,20を配置できるように、入口4が延長可能な入口管7’を備えるか、または出口1が延長可能な出口管7’’,7’’’を備える、装置10,20の第17の実施形態。
【0086】
装置10,20の第1から第17の実施形態のいずれかによる装置10,20の第18の実施形態であって、ウェアラブル装置をさらに備え、ウェアラブル装置114が、装置10,20を装着している人の鼻/口に近い位置となり得るように出口1を保持している、装置10,20の第18の実施形態。
【0087】
装置10,20の第1から第18の実施形態のいずれかによる装置10,20の第19の実施形態であって、アラーム112をさらに備え、検出器8が出口1の近くで高すぎるCOレベルを検出した場合、電力源レベルが予め設定された閾値を下回っている場合、または任意の検出器が予め設定された許容レベルを超えるレベルを検出した場合に、コントローラ6によってアラーム112を作動させることができる、装置10,20の第19の実施形態。
【0088】
装置10,20の第1から第19の実施形態のいずれかによる装置10,20の第20の実施形態であって、膨張したバルーンからポンプ3に酸素を提供するためのさらなる入口115をさらに備える、装置10,20の第20の実施形態。
【0089】
装置10,20の第1から第20の実施形態のいずれかによる装置10,20の第21の実施形態であって、酸素充填容器116からポンプ3に酸素を提供するための酸素充填容器116をさらに備える、装置10,20の第21の実施形態。
【0090】
装置10,20の第1から第21の実施形態のいずれかによる装置10,20の第22の実施形態であって、コントローラ6が、通信装置をさらに備え、通信装置が、装置10,20の状態をリモート通信ユニット101,104,105,107に送信することができる、装置10,20の第22の実施形態。
【0091】
装置10,20の第1から第22の実施形態のいずれかによる装置10,20の第23の実施形態であって、通信装置が、リモート通信ユニット101,104,105,107から動作命令を受信することができる、装置10,20の第23の実施形態。
【0092】
雪崩の被災者に延命支援を提供するための第1のシステム実施形態であって、システムが、前述の請求項22または23に記載の1つ以上の装置10,20を備え、システムが、リモート通信ユニット101,104,105,107および通信伝達媒体102,103,106をさらに備える、第1のシステム実施形態。
【0093】
システムの第1の実施形態によるシステムの第2の実施形態であって、リモート通信ユニット101,104,105,107が、装置10,20の存在および非遭難信号を特定できるローカル警報局104、他のリモート通信ユニット101,104,105,107を監視し、それらと通信できるリモートサーバー101、装置10,20によって配信されたビーコン106を受信するだけで装置10,20の位置を特定できる捜索パーティ105、または緊急輸送手段107のうちの1つである、システムの第2の実施形態。
【0094】
システムの第1または第2の実施形態によるシステムの第3の実施形態であって、装置10,20が、他の救命設備とさらに組み合わされている、システムの第3の実施形態。
【0095】
システムの第3の実施形態によるシステムの第4の実施形態であって、他の救命設備が、雪崩浮力用の空気膨張式バルーン、圧縮酸素を含む容器、身体保護用のエアバッグ、身体加熱設備のうちの1つ以上である、システムの第4の実施形態。
【0096】
装置10,20の第1から第23の実施形態のいずれかによる装置10,20を使用して環境中の呼吸可能空気の品質を向上させるための方法の第1の実施形態であって、以下のステップ、すなわち、
ユーザが装置10,20をオンにするステップと、
自動緊急検出器201または手動スイッチ202の一方が作動させられると、装置10,20を作動させるステップと、
ポンプを始動させる206ステップと、を含む、方法の第1の実施形態。
【0097】
方法の第3の実施形態による方法の第2の実施形態であって、ポンプを始動させる206ステップが、ポンプを始動させる206前に以下のステップ、すなわち、
a)装置10,20のコントローラ6が、自己テストを成功裏に実行し、電源状態および/またはセンサ状態を読み取る203ステップと、
b)コントローラ6が、どの装置10,20を作動させるかを選択する204ステップと、
c)コントローラ6が、選択したポンプ3のポンプレベルを選択する205ステップのうちの1つ以上を実行させるステップと、
選択したポンプレベルでポンプを始動させる206ステップと、
ポンプレベルを調節するために、または装置10,20を変更するために、予め設定された間隔でステップa~cを繰り返すステップと、を含む、方法の第2の実施形態。
【0098】
実施形態が本発明の原理を説明するだけであること、および本発明を実施するさらなる方法があり得ることを理解されたい。本発明の保護範囲を定義するのは関連する請求項である。
図1
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図3A
図3B
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