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特許7268063低電力のリアルタイムオブジェクト検出用のシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】低電力のリアルタイムオブジェクト検出用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/20 20060101AFI20230425BHJP
   G06N 3/04 20230101ALI20230425BHJP
   G06T 1/40 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G06T1/20 B
G06N3/04
G06T1/40
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020572465
(86)(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2018093717
(87)【国際公開番号】W WO2020000383
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】517323290
【氏名又は名称】バイドゥドットコム タイムズ テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Baidu.com Times Technology (Beijing) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F A2 Zhongguancun Software Park 17th building, No.8, Dongbeiwang West Road, Haidian District, Beijing 100080, China
(73)【特許権者】
【識別番号】516357421
【氏名又は名称】バイドゥ ユーエスエイ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baidu USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寇浩鋒
(72)【発明者】
【氏名】王奎澎
(72)【発明者】
【氏名】亢樂
(72)【発明者】
【氏名】汪学軍
(72)【発明者】
【氏名】包英澤
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0011281(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0042246(US,A1)
【文献】特開2018-026108(JP,A)
【文献】特開2010-271861(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0225902(US,A1)
【文献】国際公開第2007/099950(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/183034(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/20
G06N 3/04
G06T 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
一つまたは複数のイメージフレームを捕捉するカメラセンサーと、
第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとを少なくとも記憶するメモリと、
第1のCPUコアと、第2のCPUコアと、処理用の複数のshaveとを含むプロセッサと
を具備し、
前記第1のCPUコアは、オペレーティングシステムの第1の実例を実行することで、前記装置の一般的なCPUタスクを処理するように構成され、
前記第2のCPUコアは、オペレーティングシステムの第2の実例を実行することで、前記イメージフレームを処理し、前記複数のshaveによって前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとに対して実装されるコンピューティングタスクをスケジューリングして、一つまたは複数のイメージフレームのオブジェクトを検出するように構成され、
各イメージフレームは、それぞれ複数のパーティションに分割され、前記パーティションの数は、前記shaveの数に等しく、各shaveは、それぞれオブジェクト検出コンピューティング用のパーティションが割り当てられ
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルに対して、前記第1のオブジェクト検出モデルに対応する第1の専用データセットを用いて前記第1のオブジェクト検出モデルをトレーニングし、前記第1のオブジェクト検出モデルをトレーニングすることにより決定されたパラメータのうち共有層に属するパラメータと、前記第2のオブジェクト検出モデルに対応する第2の専用データセットとを用いて前記第2のオブジェクト検出モデルをトレーニングする前記装置。
【請求項2】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとは複数のコンボリューション層を含む深層学習オブジェクト検出モデルであり、前記共有層は前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデル共有する少なくとも1つのコンボリューション層である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルにおけるパラメータを共有しない層に対して、前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルのコンピューティング時間がほぼ同じになるように、前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルはコンピューティングに必要なリソースによって対応する数のshaveが割り当てられる請求項2に記載の装置。
【請求項4】
各shaveからのコンピューティング結果を合併して、前記イメージフレームに対応する出力を生成する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記出力は、二つのオブジェクト検出モデルから選択されるコンピューティング結果の組み合わせである請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のオブジェクト検出モデルをトレーニングすることにより決定されたパラメータのうち共有層に属するパラメータと、前記第2のオブジェクト検出モデルに対応する第2の専用データセットとを用いて前記第2のオブジェクト検出モデルをトレーニングした後、
前記第1の専用データセットと前記第2の専用データセットの両方からのデータを含むトレーニングデータセットを用いて、前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとを共同してトレーニングする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとは、少なくとも異なる解像度のオブジェクトを検出できるように最適化される請求項に記載の装置。
【請求項8】
装置において実行される低電力イメージ検出用の方法であって、
カメラセンサーによって一つまたは複数のイメージフレームを捕捉するステップと、
第1のCPUコアと、第2のCPUコアと、及びコンピューティング処理用の複数のshaveとを含むプロセッサで前記一つまたは複数のイメージフレームを受信するステップであって、前記第1のCPUコアは、オペレーティングシステムの第1の実例を実行して、前記装置の一般的なCPUタスクを処理するように構成され、前記第2のCPUコアは、オペレーティングシステムの第2の実例を実行することで、前記一つまたは複数のイメージフレームの処理を処理するように構成される、ステップと、
前記第2のCPUコアを通じて、前記複数のshaveによって第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとを使用して実装されるコンピューティングタスクをスケジューリングして、前記一つまたは複数のイメージフレーム中のオブジェクトを検出するステップと、
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとの間のより高い検出確率を有するオブジェクト検出モデルからコンピューティング結果を選択して、前記一つまたは複数のイメージフレーム中のオブジェクト検出の出力を形成するステップと
を含み、
各イメージフレームは、それぞれ複数のパーティションに分割され、前記パーティションの数は、前記shaveの数に等しく、各shaveは、それぞれオブジェクト検出コンピューティング用のパーティションが割り当てられ
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルに対して、前記第1のオブジェクト検出モデルに対応する第1の専用データセットを用いて前記第1のオブジェクト検出モデルをトレーニングし、前記第1のオブジェクト検出モデルをトレーニングすることにより決定されたパラメータのうち共有層に属するパラメータと、前記第2のオブジェクト検出モデルに対応する第2の専用データセットとを用いて前記第2のオブジェクト検出モデルをトレーニングする、低電力イメージ検出用の方法。
【請求項9】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルは、複数のコンボリューション層を含む深層学習オブジェクト検出モデルであり、前記共有層は前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルの共有する少なくとも一つのコンボリューション層である請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルにおけるパラメータを共有しない層に対して、前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルのコンピューティング時間がほぼ同じになるように、前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルは、コンピューティングに必要なリソースによって対応する数のshaveが割り当てられる請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルのコンピューティング結果を組み合わせて前記イメージフレームに対応する出力とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のオブジェクト検出モデルをトレーニングすることにより決定されたパラメータのうち共有層に属するパラメータ前記第2のオブジェクト検出モデルに対応する第2の専用データセットとを用いて前記第2のオブジェクト検出モデルをトレーニングした後、
前記第1の専用データセットと前記第2の専用データセットとの両方からのデータを含むトレーニングデータセットを使用して前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとを共同してトレーニングる請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のオブジェクト検出モデルと前記第2のオブジェクト検出モデルとは、少なくとも異なる解像度のオブジェクトを検出できるように最適化される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項ないし請求項13のいずれか一項に記載の方法を実現させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的にオブジェクト検出に関し、特に、改善された性能と、特徴と、用途とを提供することができる、リアルタイムの顔検出のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顔検出は、デジタルイメージにおいて人間の顔を認識するために様々なアプリケーションで使用されるコンピュータ技術である。一部の顔検出技術は、並列コンピューティングコプロセッサ(例えば、グラフィックス処理ユニット(GPU))を使用せずに、非常に低速のシリアルプロセッサで実行される深層学習ネットワークのバリエーションに基づき、これは深層学習アルゴリズムを使用した顔検出の計算量が非常に多いためである。
【0003】
モバイル顔検出システムの場合、絶対のエネルギー効率と熱電力消費の観点からみると、性能に加えて、電力とエネルギー効率も、二つの主な制限要因になっている。モバイルコンピューティングは、より高い絶対のエネルギー効率とより低い熱電力消費の傾向をずっと追求してきている一つの主な推進要因である。エネルギー効率の問題は、常時接続のモバイルコンピューティングに制限されていない。プロセッサのエネルギー効率(W当たりの性能の形で)は、重要な指標になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さらに、モバイルコンピューティングに使用されるプロセッサは、顔検出への応用に問題が存在している。低遅延(low-latency)の顔検出深層学習コンピュータ視覚アルゴリズムによって求められたハードリアルタイム要求は、非常に厳しいものであり、たとえLinux(登録商標)やAndroid(登録商標)等のオペレーティングシステム(低遅延に用いられることは明示的に設計されていない)を実行する機能が強力なプラットフォーム上でも、満足させることは難しい。さらに、顔検出深層学習アプリケーションのコンピューティング要求を満たすには、従来のアプリケーションプロセッサのほとんどすべてのコンピューティングリソースが必要となる。
【0005】
従って、改善された性能と、特徴と、用途とを提供することができるリアルタイムの顔検出のシステムと方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明は、装置を提供し、前記装置は、一つまたは複数のイメージフレームを捕捉(capture)するカメラセンサーと、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとを少なくとも記憶するメモリと、第1のCPUコアと第2のCPUコアと処理用の複数のshaveとを含むプロセッサと、を含み、第1のCPUコアは、オペレーティングシステムの第1の実例を実行することで、装置の一般的なCPUタスクを処理するように構成され、第2のCPUコアは、オペレーティングシステムの第2の実例を実行することでイメージフレームを処理し、複数のshaveによって第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとに対して実装されるコンピューティングタスクをスケジューリングして、一つまたは複数のイメージフレームのオブジェクトを検出するように構成される。
【0007】
第2の態様において、本発明は、装置を提供し、前記装置は、少なくとも一つのイメージフレームを生成するカメラセンサーと、少なくとも一つのオブジェクト検出モデルを記憶するメモリと、第1のCPUコアと第2のCPUコアと処理用の複数のshaveとを含むプロセッサと、を含み、第1のCPUコアは、オペレーティングシステムの第1の実例を実行することで、装置の一般的なCPUタスクを処理するように構成され、第2のCPUコアは、オペレーティングシステムの第2の実例を実行することで、少なくとも一つのイメージフレームを処理し、複数のshaveによって少なくとも一つのオブジェクト検出モデルを使用して実装されるコンピューティングタスクをスケジューリングして、少なくとも一つのイメージフレームのオブジェクトを検出するように構成され、イメージフレームは、複数のパーティションに分割され、それぞれのパーティションは、コンピューティングのため一つのshaveに割り当てられ、第2のCPUコアは、複数のshaveがスケジューリングされたコンピューティングタスクの実現に基づいて、コンピューティングタスクを動的に更新する。
【0008】
第3の態様において、本開示は、方法を提供し、前記方法は、カメラセンサーによって一つまたは複数のイメージフレームを捕捉するステップと、第1のCPUコアと第2のCPUコアとコンピューティング処理用の複数のshaveとを含むプロセッサで一つまたは複数のイメージフレームを受信するステップであって、第1のCPUコアは、オペレーティングシステムの第1の実例を実行することで、装置の一般的なCPUタスクを処理するように構成され、第2のCPUコアは、オペレーティングシステムの第2の実例を実行することで、一つまたは複数のイメージフレームの処理を処理するように構成される、ステップと、第2のCPUコアを通じて、複数のshaveによって第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとを使用して実装されるコンピューティングタスクをスケジューリングし、一つまたは複数のイメージフレーム中のオブジェクトを検出するステップと、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとの間のより高い検出確率を有するオブジェクト検出モデルからコンピューティング結果を選択し、一つまたは複数のイメージフレーム中のオブジェクト検出の出力を形成するステップと、を含む。
【0009】
第4の態様において、本開示は、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、前記の方法を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態を参照し、それらの例は添付の図面に示すことができる。これらの図面は、例示を目的としたものであり、制限的なものではない。本開示は、一般的にこれらの実施形態の文脈に沿って説明されるが、本発明の範囲は、これらの特定の実施形態に制限されることを意図していないことを理解されたい。図面の項目は、原寸に比例して描いたものではない。
図1】本開示の実施形態によるオブジェクト検出プロセッサシステムのプラットフォームアーキテクチャを示す。
図2】本開示の実施形態によるオブジェクト検出システムを示す。
図3】本開示の実施形態によるプリント回路基板(PCB)の機能ブロック図のボトム層を示す。
図4】本開示の実施形態によるPCBの機能ブロック図のトップ層を示す。
図5】本開示の実施形態によるオブジェクト検出モデルの構造をグラフで示す。
図6】本開示の実施形態による顔検出を実施するためのプロセスを示す。
図7】本開示の実施形態による複数のイメージフレームに用いられるマルチモデルスケジューリングメカニズムをグラフで示す。
図8】本開示の実施形態によるリアルタイムの顔検出のためのマルチスレッドプログラミングをグラフで示す。
図9】本開示の実施形態による二つの顔検出モデルの並列コンピューティングをグラフで示す。
図10】本開示の実施形態によるリアルタイムの顔検出を実施するのにリアルタイムのマルチスレッドプログラミングの実装のためのプロセスを示す。
図11】本開示の実施形態によるコンピューティングデバイス/情報処理システムの簡略化されたブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、説明を目的とするもので、本開示の理解を提供するために特定の詳細を明らかにしている。しかしながら、当業者にとって、これらの詳細内容がなくても本開示が実施され得ることは明らかである。さらに、当業者は、以下に記載される本発明の実施形態が、様々な方法(例えば、プロセス、装置、システム、デバイスまたは方法)で有形のコンピュータ可読媒体に実施され得ることを認識している。
【0012】
図面に示されるコンポーネントまたはモジュールは、本開示の実施形態の例示的な説明であり、本開示を不明確にすることを回避することを意図している。議論される全文において、コンポーネントは、別個の機能ユニット(サブユニットを含み得る)として説明され得るが、当業者は、様々なコンポーネントまたはその部分が別個のコンポーネントに分割され得るか、または統合され得ることを認識している(単一のシステムまたはコンポーネントへの統合を含む)。本開示で論じられる機能または動作は、コンポーネントとして実装され得ることに留意されたい。コンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせで実装することができる。
【0013】
さらに、図面のコンポーネントまたはシステムの間の接続は、直接接続に制限されることを意図するものではない。代わりに、これらのコンポーネントの間のデータは、中間コンポーネントによって変更、再フォーマット、または他の方法で変更することができる。さらに、追加またはより少ない接続を使用することができる。「連結される」、「接続される」、または「通信的に連結される」という用語は、直接接続と一つまたは複数の中間装置を介して間接接続と、無線切側とを含むことを理解されるべきであることも留意されたい。本開示の実施形態において、顔検出の文脈で例として説明することができるが、他のオブジェクトが検出され得ることに留意されたい。また、イメージは、静止イメージでも、ビデオからのイメージフレームでもよい。
【0014】
本明細書において「一実施形態」、「好ましい実施形態」、「実施形態」または「複数の実施形態」への言及は、実施形態と組みあわせて記載される具体的特徴、構造、特性または機能が本発明の少なくとも一つの実施形態と、二つ以上の実施形態とに含まれ得ることを意味する。
【0015】
一部の用語は、説明の目的で本明細書の様々なところで使用され、限定的に解釈されるべきではない。サービス、機能またはリソースは、単一のサービス、単一の機能または単一のリソースに限定されないし、これらの用語の使用は、関連するサービス、機能またはリソースの分布可能または集約可能なグループを指すのに用いることができる。
【0016】
「含む」、「含まれる」、「含有」及び「含有される」といる用語は、オープン的な用語として理解されるべきであり、その後にリストされる任意のコンテンツは、すべて実施例であり、リストされた項目に限定されることを意図するものではない。本明細書で使用される任意の見出しは、組織的な目的でのみに使用され、明細書またはクレームの範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明に記載される各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
さらに、当業者は、(1)一部の段階が選択的に実行されてもよく、(2)段階が本明細書に記載の特定の順序に限定されなくてもよく、(3)一部の段階が異なる順序で実行されてもよく、(4)一部の段階が同時に実行されてもよい。
【0018】
A.序文
顔検出は、デジタルイメージで人間の顔を認識するための様々なアプリケーションで使用され、デジタルイメージは、例えば、風景、建物等の顔以外の様々なオブジェクト、及び例えば、脚、肩、及び腕等の人の顔以外の部位を含むことができる。一部の顔検出技術は、並列コンピューティングコプロセッサ(例えば、グラフィックス処理ユニット(GPU)等)の深層学習ネットワークのバリエーションを使用せず、非常に低速のシリアルプロセッサに基づいて実行され、これは深層学習アルゴリズムを使用して顔を検出する計算量が非常に大きいからである。顔検出は、顔認識のアプリケーションだけでなく、例えば、オートフォーカスカメラ等のような非認識アプリケーションも含まれる。
【0019】
モバイル顔検出システムの場合、絶対エネルギー効率と熱電力消費との観点から、性能に加え、電力とエネルギー効率とも二つの主な制限要因になる。モバイルコンピューティングは、より高い絶対エネルギー効率とより低い熱電力消費とのトレンドを常に追求する主な推進要因である。エネルギー効率の問題は、常時接続のモバイルコンピューティングだけに限定されるものではない。プロセッサのエネルギー効率(W当たりの性能の形式)は、重要な指標になる可能性がある。
【0020】
さらに、モバイルコンピューティングに使用されるプロセッサは、顔検出のアプリケーションを実施する時に課題がある。低遅延の顔検出を管理する深層学習コンピュータ視覚アルゴリズムによって求められたハードリアルタイム要求は、かなり厳しいものであり、たとえ、Linux(登録商標)またはAndroid(登録商標)等のオペレーティングシステム(低遅延に用いられることは明示的に設計されていない)を実行する機能が強力なプラットフォームであっても、満足させることは難しい。さらに、顔検出深層学習アプリケーションのコンピューティング要求を満足するには、従来のアプリケーションプロセッサのほとんどすべてのコンピューティングリソースが必要となる。
【0021】
近年、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)社のiPhone(登録商標)またはAndroid(登録商標)による携帯電話)に顔検出を実施するための様々な方法が提案されている。
【0022】
実施方法において、スマートフォンをキャリアとして使用する必要があるため、例えば、スマートホーム、及びスマート都市等の他の市場への移植や展開が容易ではない。スマートフォンを使用して実装される顔検出システムの場合、その性能は、スマートフォンのモバイルプロセッサとオペレーティングシステム(OS)とによって制限される。一部のモバイルOSは、ハードリアルタイム性能を達成できない場合がある。
【0023】
さらに、スマートフォンでの顔検出の実装は、アプリケーションプロセッサだけでなく、コプロセッサもさらに含み、スマートフォンのリソースを最大限に活用する必要がある場合がある。スマートフォンで顔検出を実装する場合の消費電力は、約5W~10 Wとすることができ、これは、スマートフォンの他のアプリケーション(またはApp)の動作を制限してしまう可能性がある。
【0024】
B.オブジェクト検出アーキテクチャの実施形態
一つまたは複数の実施形態において、常時接続の超低消費電力モバイルデバイスで深層学習に基づくリアルタイムの顔検出を実施するためのアーキテクチャが開示される。前記アーキテクチャは、顔検出技術を幅広いアプリケーションに展開されるのにより多くの機会を提供することができる。
【0025】
図1は、本発明の実施形態によるリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)顔検出プロセッサシステム100のプラットフォームアーキテクチャを示す。プロセッサシステム100は、第1の中央処理ユニット(CPU)コア110と、第2のCPUコア120と、及びshaveと呼ばれる複数のデジタル信号プロセッサ(またはコンピューティングエンジン)130とを含み、それらは、分離されたパワーアイランドと並行して動作し、常時接続式顔検出の実施の下での消費電力を制限することができる。一つまたは複数の実施形態において、第1のCPUコア110と第2のCPUコア120とは、別個のタスクを専用的に処理するように構成される。例えば、第1のCPUコアは、一般的なオペレーティングシステム(OS)タスクを処理するように構成され、第2のCPUコアは、イメージを処理してshave130によって完成するコンピューティングタスクをスケジューリングするように構成され、組み込み式のリアルタイムマルチスレッド動作を実現することができる。
【0026】
一つまたは複数の実施形態において、プラットフォーム100(以下の「xcore」または「プロセッサシステム」と互換可能に使用される用語)は、例えば、ダブルデータレート(DDR)RAM等の動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)等のようなメモリ140をさらに含む。CPUコアは、メモリコントローラ150を介してメモリとの読み取り/書き込み動作を実施することができ、メモリコントローラ150は、物理層155と制御層160とを含むことができる。図1に示されていないが、各CPUは、いずれもメモリコントローラ150を介してメモリ140に直接アクセスすることができる。
【0027】
一つまたは複数の実施形態において、第1のCPUコア110は第1のオペレーティングシステム(OS)の実例を実行するように構成され、第2のCPUコアは第1のOS実例と異なる第2のOS実例を実行するように構成される。複数の顔検出モデルと複数のshaveとを有する場合、プラットフォームは、顔検出深層学習コンピューティングライブラリを最適化して様々な顔検出ネットワーク/モデルのマルチモデルスケジューリングを管理することにより、常時接続の低消費電力モバイルデバイスで必要な性能を実装するように構成することができる。
【0028】
図2は、本開示に係る実施形態によるRTOS顔検出システムを示す。図2に示すように、RTOS顔検出するシステム200は、xcore100と、イメージを捕捉する一つまたは複数のカメラセンサー210と、一つまたは複数のカメラセンサー210とxcore100との間で通信するメディアインターフェース220と、を含む。RTOS顔検出システム200は、xcore100に接続されるか、またはxcore100に含まれる汎用I/Oインターフェース230と周辺回路240とを含むことができる。一つまたは複数の実施形態において、メディアインターフェース220は、例えば、ハイパーポートアーキテクチャ(UPA)バス等のCPU相互接続のための高速グラフィックカードであってもよい。メディアインターフェース220は、HDMI(登録商標)互換カメラからの非圧縮ビデオデータ及び圧縮または非圧縮デジタルオーディオデータの送信をサポートする高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))であってもよい。一つまたは複数の実施形態において、汎用I/Oインターフェース230は、イーサネットインターフェース、無線通信インターフェース、共同テストアクショングループ(JTAG)インターフェース、汎用入力/出力(GPIO)インターフェース、モバイル産業プロセッサインターフェース(MIPI)および/または安全デジタル入力出力(SDIO)インターフェース等であってもよい。一つまたは複数の実施形態において、周辺回路240は、システムクロック回路、及びシステムの電力管理のための電力管理集積回路(PMIC)等を含むことができる。追加または代替の構成要素は、図11を参照して以下に開示されるそれらの構成要素のうちの一つまたは複数であってもよい。
【0029】
実施形態において、RTOS顔検出システムの一つまたは複数の構成要素は、顔検出の実施/適用のためにPCB上に統合されることができる。図3図4とは、それぞれ本開示の実施形態による顔検出を実施するための例示的な二層PCBのボトム層PCB機能ブロック図とトップ層PCB機能ブロック図を示す。
【0030】
図3図4との説明及び対応する説明は、一つまたは複数の特定の実施形態を使用する特定の構成の下で行われることに留意されたい。従って、これらの説明のための実例は、現在の明細書の開示範囲を制限するために使用されるべきでない。一つまたは複数の実施形態において、図3図4とに示される構成要素は、ワイヤ、パッド、フラックス、及び導電性ビア等を介して相互接続されることができる(図面に接続を示されていない)。ボトム層とトップ層とに示される構成要素は、説明の目的のみに使用され、フレームワークの実施を制限するために使用されるべきでない。
【0031】
図3に示すように、ボトム層PCB機能ブロック図には、xcore100と、システムクロック回路310と、ネットワーク物理層320と、組み込み式不揮発性メモリとしての組み込み式マルチメディアカード(eMMC)330と、システム電力管理用の電力管理集積回路(PMIC)340と、層インターフェース350と、モバイル産業用プロセッサインターフェース(MIPI)360とを含むことにより、モバイルフレームワークの基本構成要素を相互接続することができる。一つまたは複数の実施形態において、MIPI360は、異なるパラメータを有するカメラとの通信に適応するように、第2のカメラモジュールとして使用することができる。eMMC330は、複数の顔検出モデルを記憶するように構成することができ、前記複数の顔検出モデルは、事前学習(pre-training)が行われている場合、または事前学習が行われていない場合がある。
【0032】
一つまたは複数の実施形態において、ボトム層PCB機能ブロックは、他の構成要素を含むことができ、これらの構成要素は、USB(2.0または3.0)インターフェース370と、一つの簡単なコネクタで充電、データ伝送及びビデオを許容するC型USBインターフェース380と、設計検証及びPCBテスト用のJTAGインターフェース390と、移動可能で小型化された安全なデジタルフラッシュメモリカードの読み取り/書き込み動作用のTransFlash(TF)カード395とを含む。当業者は、図3図4と異なる様々な構成をフレームワークの実施に使用することができることを理解されるべきで、これらの変更は、本発明の範囲内にあることに理解されるべきである。
【0033】
図4に示すように、トップ層PCBの機能ブロック図は、層インターフェース410と、リアルタイムのフレームごとのイメージを提供する第1のカメラモジュール420と、カメラモジュールに電力を供給するためのカメラ電源回路430と、絶縁型DCコンバーターとしてのPower over Ethernet(PoE)DC-DCコンバーター440と、有線イーサネットインターフェース450(POE機能を有する可能性がある)と、「slave」デジタル集積回路が「マスター」チップと通信可能な内部集積回路(I2C)汎用I/O(GPIO)インターフェース460と、安全な無線通信を実施するためのWi-Fi安全デジタル入出力(SDIO)回路470と、HDMI(登録商標)互換のソース装置(例えば、カメラモジュール420等)から送信するため非圧縮ビデオデータ及び圧縮または非圧縮デジタルオーディオデータ用の高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))480と、他の周辺装置と通信するための外部インターフェース490とを含む。
【0034】
実施形態において、異なるアプリケーションには、異なるカメラパラメータを必要とする可能性がある。カメラモジュール420とカメラモジュール360とは、カスタマイズ及び互換することができる。同様に、様々な通信要求を処理するために、通信インターフェース(イーサネット(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、及びWIFI(登録商標))に応じて調節したり、および/またはI2CとGPIOバスとを介して他の機能に拡張したりすることができる。
【0035】
二層PCB構成を使用することにより、PCBのXY軸の面積は、例えば、4cm×4cmのサイズのように非常に小さくすることができ、これは、例えば、スマートセキュリティカメラ、産業用ロボット、スマートホーム製品(例えば、ドアベルやセキュリティシステム等)等、小型を必要としまたは小型を好む様々なアプリケーションへのインストールに適す。小面積の場合、製品の構造と外観とをより適切に設計することができ、一般に、小さな長方形の立方体は、構造上面積の大きい単層ボードより優れているためである。異なるPCB形状および/または構成を使用することができることに留意されたい。
【0036】
一つまたは複数の実施形態において、カスタマイズされたオペレーティングシステム(以下「xos」とも呼ばれる)を使用して顔検出フレームワークを動作させ、前記カスタマイズされたオペレーティングシステムは、オープンソースのリアルタイムオペレーティングシステムであるマルチプロセッサシステムのリアルタイムエグゼクティブ(RTEMS)の上部のリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の組み合わせであり、低遅延のハードリアルタイム性能を実現し、性能を向上させる。
【0037】
C.オブジェクト検出モデルの実施形態
一つまたは複数の実施形態において、少なくとも一つのオブジェクト検出モデル(例えば、顔検出モデル)を使用して、一つまたは複数のイメージフレームにリアルタイムのイメージ検出を実施する。少なくとも一つのオブジェクト検出モデルは、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとを含んでもよく、それらは、同じ入力からオブジェクトを検出するために並行して実施してもよい。入力は、完全なイメージフレームまたは完全なフレームのセグメントであってもよい。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとは、異なる角度から性能を最適化するように構成されることができる。例えば、第1のオブジェクト検出モデルは、第1の視点(例えば、正面)から顔検出を実行し、第2のオブジェクト検出モデルは、第2の視点(例えば、側面/断面イメージ)から顔検出を実行するように最適化され得る。別の例において、第1のオブジェクト検出モデルは、より高精細なイメージからの顔検出のために構成され、第2のオブジェクト検出モデルは、ぼやけたイメージからの顔検出のために指定されることができる。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとは、複数の層を含む深層学習ニューラルネットワークである。サイズが小さく、実施速度が速い場合、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとは、少なくとも一つの層を共有するか、または複数の層の間で少なくとも一つの層のパラメータを共有することができる。一つまたは複数の実施形態において、オブジェクト検出モデルは、事前学習を行い、不揮発性メモリ(例えば、eMMC330)に記憶することができる。
【0038】
本発明の実施形態によれば、図5は、例示的なオブジェクト検出モデル構造500をグラフで示す。一つまたは複数の実施形態において、オブジェクト検出モデル構造500は、複数のコンボリューション層520からコンボリューション層570を含む畳み込みネットワークに基づく深層学習モデルから進化したものであってもよく、イメージ入力510から複数の境界ボックスを形成するようにする。一つまたは複数の実施形態において、顔検出モデルは、シングルショットマルチフレーム検出(SSD)モデルまたはモバイルネットワーク(MobileNet)SSDモデルを使用するか、またはこれらのモデルに基づくことができる。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルは、記憶要求の低減、動作效率の向上のために、少なくとも一つのコンボリューション層を共有してもよい。一つまたは複数の実施形態において、モデルは境界ボックス認識層(例えば、「conv11_mbox_loc_flat」層)と同じ層を共有し、異なる検出機能を説明するようにこの点から異なるモデルに分岐してもよい。当業者は、顔検出モデルが所望の性能及び効率を得るために、例えば、ReLU層、ストライディング(striding)および/またはプーリング(pooling)等の追加層またはプログラムを含むことができることを理解すべきである。
【0039】
一つまたは複数の実施形態において、コンボリューション層520からコンボリューション層570は、それぞれ、複数の境界ボックス(またはアンカーボックス)52から572を生成して、一つまたは複数の特徴を符号化し、または対応するそれぞれの境界ボックスに含むようにする。各コンボリューション層は、いずれも、一組の検出予測を生成するための一組のコンボリューションフィルターをそれぞれ有することができる。境界ボックス52から境界ボックス572は、異なるパラメータ(例えば、異なる比率、アスペクト比、信頼スコア等)を有する。一つまたは複数の実施形態において、コンボリューション層の初期段階からの境界ボックスは、コンボリューション層の後期段階からの境界ボックスより比較的に大きなサイズを有する。
【0040】
一つまたは複数の実施形態において、境界ボックス52から境界ボックス572を、検出モジュール580に送られ(fed into)、境界ボックス582から境界ボックス584の集合を生成するようにし、各ボックスは、いずれも信頼スコア及びボックス位置パラメータに関連付けられ、信頼スコア及びボックス位置パラメータは、左上隅及び右下隅の座標で表してもよいが、他のサイズと位置の認識メカニズムを使用してもよい。一つまたは複数の実施形態において、境界ボックス582及び境界ボックス584の集合は同じであってもよい。一つまたは複数の実施形態において、検出モジュール580は、信頼閾値を適用して、閾値を下回る信頼スコアを有する境界ボックスを除外してもよい。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルは、異なる推論モジュールを使用して、境界ボックスの集合582と集合584を処理して、対応する検出結果を得ることができる。例えば、第1のオブジェクト検出モデルは、一つまたは複数の第1の推論モジュール592を使用して、第1の検出結果594を推論してもよく、第2のオブジェクト検出モデルは、一つまたは複数の第2の推論モジュール596を使用して、第2の検出結果598を推論してもよい。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルの出力は、境界ボックスの集合に対する検出期待値である。各境界ボックスは、検出確率を表す0.0~1.0の範囲の関連スコアがあり、前記関連スコアは、境界ボックスに検出オブジェクト(例えば、顔)が含まれる可能性を表す。一つまたは複数の実施形態において、単一の境界ボックスのオブジェクト検出に対して、より高い検出確率を有するオブジェクト検出モデルからの出力を、単一の境界ボックスのイメージ検出出力として選択する。最後に、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとの間の各境界ボックスの検出確率の比較によって、複数の境界ボックスを含むイメージフレーム全体のオブジェクト検出出力は、第1のオブジェクト検出モデルを使用する一つまたは複数の出力と、第2のオブジェクト検出モデルを使用する一つまたは複数の出力とを含んでもよい。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとの両方が、いずれも境界ボックスの一つまたは複数の所定の閾値(例えば、モデルは自身の閾値標準を有することができる)を下回るスコアを出力する場合、境界ボックスの最終的オブジェクト検出出力を未検出のイメージに分類する。
【0041】
一つまたは複数の実施形態において、異なるオブジェクト検出モデルは、オブジェクト検出または異なるオブジェクトを検出するように、異なる角度から構成または最適化してもよい。当業者は、様々な実施形態(例えば、異なるストライディングおよび/またはプーリング等)を使用して、異なるモデル間の違いを実現できることを理解すべきである。オブジェクト検出モデルを識別するような変化は、本発明の範囲内にあるとすべきである。
【0042】
一つまたは複数の実施形態において、動作期間において、オブジェクト検出モデルの層をDRAMメモリ140にロードし、並列コンピューティングのために複数のshave130間に分配または分割してもよい。一つまたは複数の実施形態において、顔検出モデルの一部(例えば、モデルのネットワーク部分等)を複数のshave130の関連する高速キャッシュにロードしてもよく、より大きなサイズ(例えば、重みパラメータ等)のモデルの他の部分は、RAMメモリ140にロードされ、実施に用いられる。
【0043】
一つまたは複数の実施形態において、トレーニング段階の期間中、モデルトレーニングのために、異なるサイズ、ポーズ、及び条件の顔のイメージを収集する。検出のロバストを強化するために、トリミング、フリッピング、剪断、ノイズの追加/乗算、カラーシフト、彩度の変更、コントラストの変更などを含む様々なデータの強化をトレーニングに用いられる。トレーニング後、一つまたは複数のスリミングテクニックを使用して、深層学習ニューラルネットワークをトリミングし、サイズを小さくして、実装速度(implementing speed)を向上させてもよい。一つまたは複数の実施形態において、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとは、それぞれトレーニングされ、その後、一つに組み合せるか、または組み合せたモデルとしてトレーニングされるようにしてもよい。一つまたは複数の実施形態において、一つのオブジェクト検出モデルを最初にトレーニングして、一つまたは複数の層の重み/パラメータを固定するようにしてもよい。次に、一つまたは複数の実施形態において、重みが固定された共有層を使用して、異なるオブジェクト検出モデルをトレーニングし、残りの層はこのモデルに対して特別のトレーニングをしてもよい。
【0044】
一つまたは複数の実施形態において、同じまたは異なるデータセット(完全に異なるデータセットまたはデータセットの異なるサブセットのみを含む)を使用して、モデルをトレーニングしてもよい。例えば、一つまたは複数の実施形態において、第1の専用データセットと第2の専用データセットは、それぞれ、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルのトレーニングに用いてもよい。一つまたは複数の実施形態において、専用のデータセットを使用して、それぞれのオブジェクト検出モデルに対してトレーニングした後、第1の専用データセットと第2の専用データセットの両方からのデータを含むトレーニングデータセットを使用して、第1のオブジェクト検出モデルと第2のオブジェクト検出モデルとを共同してトレーニングしてもよい。
【0045】
D.顔検出の実装(implementing)の実施形態
図6は、本開示の実施形態による顔検出の実装に用いられる方法示す。まず、カメラセンサーは、一つまたは複数のイメージを捕捉する(605)。一つまたは複数の実施形態において、一つまたは複数のイメージを第1のCPUコアと、第2のCPUコアと、複数のデジタル信号プロセッサ(shave)とを含むプロセッサに伝送する(610)。第2のCPUコアは、一つまたは複数のイメージにおける一つまたは複数のオブジェクトを検出するように、少なくとも二つのオブジェクト検出深層学習モデルのコンピューティングタスクをスケジューリングするのに使用されてもよい(615)。一つまたは複数の実施形態において、第2のCPUコアは、shaveを組み合わせて、少なくとも二つのオブジェクト検出深層学習モデルのオブジェクト検出処理に対するコンピューティングを実行し(620)、各イメージ検出モデルに対して出力を生成する。最後に、一つまたは複数の実施形態において、イメージ検出出力またはイメージ検出出力の一部として、検出確率が最も高いモデルからの出力を選択する(625)が、一つまたは複数の他の選択基準を使用してもよい。
【0046】
一つまたは複数の実施形態において、各イメージフレームは、異なる解像度、向きまたはサイズを有する一つまたは複数の可能性のある人間の顔を含むことができる。各イメージフレームは、それぞれ一つまたは複数の可能性のある人間の顔の顔面を検出するスレッドとして処理される。第1の深層学習検出モデルと第2の深層学習検出モデルの検出確率によって、顔検出システムは、同じまたは異なる検出モデルからの一つまたは複数の可能性のある人間の顔に対応する最終的な顔(イメージ)検出出力を有することができる。
【0047】
図7は、本開示の実施形態による複数のイメージフレームのマルチモデルスケジューリングメカニズムをグラフで示す。図7に示すように、顔検出処理のために、複数のリアルタイムイメージフレームf…fを顔検出システムに伝送する。顔検出の実装のために、二つの異なるモデルMとMをシステムに組込む。実施形態において、フレームは順番処理され、例えば、第1の顔検出モデルMを使用して第1のフレームfを処理し、第1のフレームfに対応する第1の出力710を生成し、次に、第2の顔検出モデルMを使用し前記第1のフレームfを処理し、第1のフレームfに対応する第2の出力72を生成する。第1のイメージフレームが処理されると、第2のCPUコアは、第2のイメージフレームfを取得し、第1の顔検出モデルMと第2の顔検出モデルMを順次スケジューリングして使用し、第2のフレームfに対応する第1の出力720と第2の出力722とを生成するようにする。このプロセスは、最後のイメージフレームfまで続く。
【0048】
一つまたは複数の実施形態において、顔検出が検出モデル使用してイメージフレームのコンピューティングをスケジューリングすると、検出モデルの少なくとも一部(例えば、モデルのネットワーク部分)とイメージフレームは、並列コンピューティングの複数のshave130に分配し、またはロードすることができる。次に、複数のshave130からの並列コンピューティングの結果を合併し、イメージフレームに対応する、検出モデルの最終出力を取得する。その後、最終出力をメモリに伝送し、イーサネットインターフェースまたはUSBインターフェースを介して伝送する。
【0049】
一つまたは複数の実施形態において、イメージフレームがフレームごとに大きなピクセルサイズを有するHDイメージフレームであって、カメラからのフレームレートが高い場合、図7に示された順次スケジューリングメカニズムを使用して、顔検出動作を維持させ、ハードリアルタイム性能を実現することは非常に厳しいことである。これは、カメラのフレームレートと一致させるのに、時間t(第1のモデルがフレームに対する操作を開始する)と時間t(第2のモデルがフレーム対する操作を完了する)との間の時間差によって特定される時間tコストが非常に小さいことが必要になるためである。
【0050】
図8は、本開示の実施形態によるリアルタイムの顔検出のためのマルチスレッドプログラミングをグラフで示す。ハードリアルタイムの顔検出の実装の性能を向上させるのに、マルチスレッドプログラミングによって図7に示された実施形態の制限を克服することが期待される。図8に示すように、各イメージフレーム(f…f)を複数のパーティション(P…P)に分割し、並列コンピューティング用の複数のshave(S…S)を使用して、これらのパーティションに対して処理をする。イメージフレームの各パーティションは他のパーティションから独立しているため、shaveが現在のイメージフレームのパーティションのコンピューティングを完了すると、他のshaveのコンピューティングに影響を及ぼすことなく、次のイメージフレームのパーティションを処理することができる。複数のイメージフレーム(スレッド)の動的スケジューリングは、shave間で調整するように第2のCPUコアによって処理される。
【0051】
実施形態において、複数のshaveは、複数のスレッドを並行して処理することができ、いくつかのshaveは一つのイメージフレームを処理し、いくつかのshaveは次のイメージフレームを処理する。図8の点線810または点線820に示すように、所定の時刻で同時に並行して処理されるフレームパーティションのセットは、波面(wave front)と呼ばれる。波面の時系列のフレームスパンは、2としまたは2より大きいとしてもよく、例えば、shaveは、二つまたは複数のフレームを同時に処理してもよい。このような構成により、shaveの待機時間が短縮され、shaveのコンピューティング效率が最大化されるため、リアルタイム性能が向上される。イメージフレームのすべてのパーティションの処理を完了すると、すべてのパーティションの結果を合併して、イメージフレームに対応する出力を取得する。
【0052】
一つまたは複数の実施形態において、イメージフレームは、検出のための複数の潜在的な人間の顔イメージを含むことができる。従って、イメージフレームに対応する顔検出モデルからの各出力はそれぞれ複数の領域を含むことができ、各領域はそれぞれ一つの潜在的な人間の顔に関連する。モデルの構造と人間の顔のパラメータ(シャープネス、コントラスト、向き、ノイズ等)に応じて、一部の人間の顔は、他の人間の顔よりもっと高い検出確率を有してもよい。さらに、一部の人間の顔は、検出確率を、一の顔検出モデルを使用する方を他の顔検出モデルを使用するよりも高くしてもよい。従って、イメージフレームの顔検出システムの最終出力は、二つの顔検出モデルを使用した結果の組み合わせであってもよく、例えば、最終出力の一部の領域は第1のモデルからのもので、最終出力の他の一部の領域は、第2のモデルからのものであってもよい。
【0053】
図9は、本発明の実施形態によるイメージフレームfでの顔検出のための二つのモデルの並列コンピューティングをグラフで示す。図9に示すように、イメージフレームf(例えば、第1のフレームf)を複数のパーティション(P…P)に分割し、二つの顔検出モデル(mとm)が並列コンピューティング用の複数のshave(S…S)を使用してこれらのパーティションを処理する。二つのモデルは、それぞれ顔検出アルゴリズムの実装に使用される複数の層(例えば、コンボリューション層)を含む。一つまたは複数の実施形態において、二つの顔検出モデルmとmがパラメータを共有するか、または一つもしくは複数の層については同じである。従って、共有段階(S)において、共有層(ltからltまで)に渡る全体のshaveは、並列コンピューティングを実装する。ここで、図9のltは、顔検出モデルに関する第1の層の時系列時間ステップでコンピューティングすることが指定されている。コンピューティングが層ltx+1に関する時系列時間ステップに入った場合、顔検出モデルがパラメータを共有しない場合、別の段階(S)でshaveを二つのshaveグループに分割する。第1のshaveグループ(SからSまで、Mは、Nより小さい整数)は、第1の顔検出モデルmに指定し、第2のshaveグループ(SM+1からSまで)は、第2の顔検出モデルmに指定する。一つまたは複数の実施形態において、別の段階で、shaveは、顔検出モデル間で均等に分割され、各モデルはいずれもコンピューティングのためにshaveの半分を使用する。一つまたは複数の実施形態において、別の段階で、shaveは顔検出モデル間で不均一に分割される。ここで、二つの顔検出モデルのコンピューティング時間がほぼ同じになるように、より多くのリソースを必要とする顔検出モデルは、より多くのshaveを使用することが求められる。例えば、顔検出モデルmが顔検出モデルmより複雑である場合(より多くの層またはより多くのパラメータを有する)は、より多くのshaveを顔検出モデルmに割り当るようにしてもよい。
【0054】
図10は、本発明の実施形態によるリアルタイムの顔検出を実現するのに、リアルタイムのマルチスレッドプログラミングの実装のためのプロセスを示す。最初に、カメラセンサーは、一つまたは複数のイメージを捕捉する(1005)。一つまたは複数のイメージを第1のCPUコアと、第2のCPUコアと、複数のshaveとを含むプロセッサに伝送する(1010)。一つまたは複数の実施形態において、第2のCPUコアは、各イメージフレームを複数のパーティションに分割し(1015)、フレームごとのパーティションの数はshaveの数と同じである。第2のCPUコアは、各shaveに初期(または第1の)イメージフレームの一つのパーティションを割り当てることにより、コンピューティングタスクをスケジューリングする(1020)。複数のshaveは、少なくとも一つのオブジェクト検出モデルを使用して、オブジェクト検出を並行して実行する(1025)。少なくとも一つの顔検出モデルを使用する詳細な並列コンピューティングの実施形態は、図8および/または図9の関連説明を参照することができる。一つまたは複数の実施形態において、第2のCPUコアは、スケジューリングされたコンピューティングタスクを完了したshaveに次のイメージフレームのパーティションを割り当てることによって、コンピューティングタスクスケジューリングを動的に更新する(1030)。これにより、それらのshaveはすべてのshaveがスケジューリングされたコンピューティングタスクを完了するまで待つ必要がなくなる。ステップ1030のプロセスは、すべてのイメージフレームが分割されてコンピューティングのために割り当てられるまで動的スケジューリング動作を伴う自己更新ステップであってもよい。イメージフレームのすべてのパーティションの処理が完了すると、イメージフレームに対応する出力を生成するように、すべてのパーティションの結果を合併する(1035)。
【0055】
E.システムの実施形態
実施形態において、本明細書の態様は、一つまたは複数の情報処理システム/コンピューティングシステムを関してもよく、含んでもよく、利用してもよく、合併してもよく、または一つまたは複数の情報処理システム/コンピューティングシステムで実施されてもよい。コンピューティングシステムは、任意の形式の情報、インテリジェンスまたはデータの任意の手段または手段の組み合わせをコンピューティング、計算、決定、分類、処理、伝送、受信、取得(retrieve)、発信(originate)、ルーティング、交換(switch)、格納、表示、通信、視覚化、検出、記録、再現、処理または利用する動作を含むことができる。例えば、コンピューティングシステムは、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ)、タブレットコンピュータ、ファブレット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートパッケージ、サーバー(例えば、ブレードサーバーまたはラックサーバー)、ネットワークストレージ装置、カメラまたはその他の適切な装置であってもよく、サイズ、形状、性能、機能、及び価格を変更することも可能である。コンピューティングシステムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、一つまたは複数の処理リソース(例えば、中央処理ユニット(CPU)またはハードウェアまたはソフトウェア制御ロジック等)、ROMおよび/または他のタイプのメモリを含むことができる。コンピューティングシステムの追加コンポーネントは、一つまたは複数のディスクドライブ、外部装置と通信するための一つまたは複数のネットワークポート、及び様々な入力及び出力(I/O)デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンおよび/またはビデオディスプレイ等)を含むことができる。コンピューティングシステムは、様々なハードウェアコンポーネント間で通信を伝送するように動作可能な一つまたは複数のバスをさらに含むことができる。
【0056】
図11は、本発明の実施形態によるコンピューティングデバイス/情報処理システム(またはコンピューティングシステム)の概略ブロック図を示す。システム1100に示された機能は、コンピューティングシステムの様々な実施形態をサポートするように動作し得ることを理解されるべきである。ただし、コンピューティングシステムは、図11に示すようにより少ないまたはより多いコンポーネントを含む異なる構成であり、かつ異なるコンポーネントを含み得ることが理解されるべきである。
【0057】
図11に示すように、コンピューティングシステム1100は、一つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)1101を含み、CPU1101は、コンピューティングリソースを提供し、コンピュータを制御する。CPU1101は、マイクロプロセッサ等を実装することができ、一つまたは複数のグラフィックス処理ユニット(GPU)1119および/または数学コンピューティング用の浮動小数点コプロセッサをさらに含むことができる。システム1100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、またはその両方を含むシステムメモリ1102を含むことができる。
【0058】
図11に示すように、複数のコントローラと周辺装置を提供することができる。入力コントローラ1103は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルおよび/またはタッチペン等の様々な入力装置1104へのインターフェースを表す。コンピューティングシステム1100は、記憶媒体(例えば、テープまたはディスク)または光学媒体(オペレーティングシステム、ユーティリティ、及びアプリケーションの指令を記録するプログラムであって、これらは本開示の様々な態様を実装しているプログラムの実施形態を含むことができる)、一つまたは複数の記憶装置1108とインターフェースするための、記憶装置コントローラ1107をさらに含むことができる。記憶装置1108は、処理されたデータまたは本発明に従って処理されるデータを記憶するために使用されることができる。システム1100は、ディスプレイ装置1111にインターフェースを提供するためのディスプレイコントローラ1109をさらに含むことができ、ディスプレイ装置1111は、陰極線管(CRT)、薄膜トランジスタ(TFT)ディスプレイ、有機発光ダイオード、電気発光パネル、プラスマパネルまたは他のタイプのディスプレイであってもよい。コンピューティングシステム1100は、一つまたは複数の周辺装置1106のための一つまたは複数の周辺コントローラまたはインターフェース1105をさらに含むことができる。周辺装置の例として、一つまたは複数のプリンタ、スキャナー、入力装置、出力デバイス、センサー等を含むことができる。通信コントローラ1114は、一つまたは複数の通信装置1115とインターフェースすることができ、これによって、システム1100は、様々なネットワーク(インターネット、クラウドリソース(例えば、イーサネットクラウド、ファイバチャネルオーバーイーサネット(FCoE)/データセンターブリッジング(DCB)クラウド等)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、記憶領域ネットワーク(SAN))のうちの任意なネットワーク、または適切な電磁キャリア信号(赤外線信号を含む)を介してリモート装置に接続されることができる。
【0059】
示されたシステムにおいて、すべての主なシステムコンポーネントをバス1116に接続することができ、バス1116は複数の物理的バスを表すことができる。ただし、様々なシステムコンポーネントは、物理的に互いに近接しまたは近接しないようにすることができる。例えば、入力データおよび/または出力データは、ある物理的な場所から別の物理的な場所にリモートで伝送することができる。さらに、本開示の様々な態様を実施するプログラムは、ネットワークを介して遠隔位置(例えば、サーバー)からアクセスすることができる。このようなデータおよび/またはプログラムは、様々な機械可読媒体の中から任意の機械可読媒体を介して伝送することができ、機械可読媒体は、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープ等の磁気媒体、例えば、CD-ROM、及びホログラフィック装置等の光学媒体、磁気光学媒体、及びハードウェアデバイスを含むが、これに限定されず、前記ハードウェアデバイスは、プログラムコードを記憶または記憶して実行するように特別に構成され、前記ハードウェアデバイスは、例えば、アプリケーション固有の集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フラッシュメモリ装置、およびROMとRAMデバイスである。
【0060】
本開示の態様は、一つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニットを利用して、段階で実行される指令が一つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体に符号化することができる。一つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体は、揮発性メモリと不揮発性メモリを含むことができることに留意されたい。ハードウェア実装方法またはソフトウェア/ハードウェア実装方法を含む代替実施方法が可能であることに留意されたい。ハードウェアに実装される機能は、ASIC、プログラム可能なアレイ、デジタル信号処理回路等を使用して実装することができる。従って、請求項における「手段」という用語は、ソフトウェア実装方法とハードウェア実装方法との両方をカバーすることを意図する。同様に、本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体または媒体」という用語は、その上に実行される指令プログラムを有するソフトウェアおよび/またはハードウェアまたはそれらの組み合わせを含む。これらの実装代替案を念頭において、図面と付随の説明は、当業者がプログラムコード(即ち、ソフトウェア)を書き込みおよび/または回路(即ち、バードウェア)を製造するのに必要な処理を実行するために必要とする機能情報を提供することを理解されたい。
【0061】
本発明の実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を実行するためのコンピュータコードを有する非一時的な有形のコンピュータ可読媒体を有するコンピュータ製品に関するであってもよいことに留意されたい。媒体とコンピュータコードとは、本開示の目的のために特別に設計及び構築された媒体及びコンピュータコードであるか、またはそれらは、関連技術分野の当業者に知られているか、または利用可能であり得る。有形のコンピュータ可読媒体の例として、たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープ等の磁気媒体、例えば、CD-ROM及びホログラフィック装置等の光学媒体、磁気光学媒体、及び、例えば、アプリケーション固有の集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フラッシュメモリ装置、ROM、及びRAMデバイスなどのプログラムコードを記憶または記憶して実行するように特別に構成されたハードウェアを含むが、これに限定されない。コンピュータコードの例として、マシンコード(例えば、コンパイラによって生成されたコード)、及びインタプリタを使用してコンピュータによって実行されることができる高レベルのコードを含むファイルを含む。本開示の実施形態は、プログラムモジュール内の処理デバイスによって実行されることができる機械実行可能な指として、全体的または部分的に実装することができる。プログラムモジュールの例は、ライブラリ、プログラム、ルーチン、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造を含む。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカル、リモート、またはその両方の設定に物理的に配置することができる。
【0062】
当業者は、コンピューティングシステムもプログラミングも本開示の実施にとって重要ではないことを認識されている。当業者は、複数の上述要素が物理的および/または機能的にサブモジュールに分割されるか、または一緒に組み合わされ得ることをさらに認識されている。
【0063】
当業者は、前述の実施例及び実施形態が例示的であり、本開示の範囲を限定しないことを理解される。当業者が本明細書を読み、添付の図面を研究した後、当業者にて自明である本発明のすべての置換、強化、均等物、組み合わせまたは改善は本来の精神及び範囲内に含まれることを意図する。さらに、請求項における任意の要素は、複数の従属関係、構成、及び組み合わせを有する異なる方法で設定可能であることに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11