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特許7268094ロック解除装置、ロック装置、バッテリ交換移動プラットフォーム及び高速バッテリ交換システム
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  • 特許-ロック解除装置、ロック装置、バッテリ交換移動プラットフォーム及び高速バッテリ交換システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】ロック解除装置、ロック装置、バッテリ交換移動プラットフォーム及び高速バッテリ交換システム
(51)【国際特許分類】
   B60S 5/06 20190101AFI20230425BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20230425BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20230425BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20230425BHJP
【FI】
B60S5/06
B60L50/60
B60L53/80
B60K1/04 A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021120084
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2019556413の分割
【原出願日】2017-12-29
(65)【公開番号】P2021178634
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】201611257049.0
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710052840.6
(32)【優先日】2017-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519180172
【氏名又は名称】シャンハイ ディェンバー ニュー エナジー テクノロジー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519238325
【氏名又は名称】オールトン ニュー エナジー オートモーティヴ テクノロジー グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジャンピン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, チャンファ
(72)【発明者】
【氏名】ディ, シヨン
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/144955(WO,A2)
【文献】特開2002-145435(JP,A)
【文献】特開昭58-061301(JP,A)
【文献】特開平08-226513(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105150820(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102180200(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 5/06
B60L 50/60
B60L 53/80
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレールを含む移動部と、
電気自動車のロック機構をロック解除するためのロック解除部と、
前記ロック解除部を駆動して前記ガイドレール上を移動させるための駆動装置と、
前記ロック解除部に接続される復帰装置とを含み、
前記復帰装置は、前記ガイドレールに沿って移動した前記ロック解除部を制御して最初の位置に自動的に戻し、前記復帰装置は、伸縮可能な弾性部材であり、
前記ロック解除部は、ロック解除エジェクタロッドを含み、前記ロック解除部は、中空の固定筒をさらに含み、前記固定筒の側壁には、固定筒の軸方向に延びる帯状溝が開けられ、前記ロック解除エジェクタロッドの底端には、前記帯状溝に嵌め込まれるとともに帯状溝に沿ってスライド可能なリミット部材が設置されることを特徴とする、ロック解除装置。
【請求項2】
前記ロック解除エジェクタロッドは、ガイドレールに上方に向かって設置されるとともにガイドレールに沿って移動可能であり、
前記駆動装置は、前記ロック解除部に接続される駆動部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のロック解除装置。
【請求項3】
前記移動部は、前記ガイドレールに取り付けられるとともに前記ガイドレールに沿って移動可能な移動シートをさらに含み、ロック解除エジェクタロッドは前記移動シートに設置され、
記固定筒は、前記移動シートの上面に垂直に取り付けられ、前記ロック解除エジェクタロッドの底端は、弾性部材を介して前記固定筒内に可動に取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載のロック解除装置。
【請求項4】
前記駆動部は、プッシュロッドを介して前記移動シートに接続され、前記プッシュロッドは、電気プッシュロッド、油圧プッシュロッド又は空気圧プッシュロッドのうちの一つであることを特徴とする、請求記載のロック解除装置。
【請求項5】
前記移動シートの前記プッシュロッドに近い一端には、内側溝を有するスライド溝シートが設けられ、前記スライド溝シートの側壁には、ガイドレール方向に延びるスライド溝が設置され、前記プッシュロッドの一端が、前記スライド溝シートの溝内に位置し、当該一端には前記スライド溝に嵌め込まれる固定部材が設置され、
前記移動シートの表面に固定板が取り付けられ、前記ロック解除部と前記スライド溝シートとは、前記固定板に取り付けられることを特徴とする、請求項に記載のロック解除装置。
【請求項6】
前記ガイドレールの両端には、それぞれ前記ロック解除部の移動位置を制限するセンサがさらに設置されることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のロック解除装置。
【請求項7】
ガイドレールを含む移動部と、
電気自動車のロック機構をロック解除するためのロック解除部と、
前記ロック解除部を駆動して前記ガイドレール上を移動させるための駆動装置と、を含み、
前記移動部は、移動シートをさらに含み、前記ロック解除部は、前記移動シートに取り付けられ、
前記駆動装置は、接続部材を介して前記ロック解除部又は移動シートに接続される駆動制御システムを含み、
前記駆動制御システムは、
取付プラットフォームと、
前記取付プラットフォームに取り付けられる駆動部であって、対向して設置された能動駆動アセンブリと受動駆動アセンブリとを含み、前記受動駆動アセンブリはコンベアベルトテンション装置を含む駆動部と、
コンベアベルトと接続部材とを含み、前記コンベアベルトは、前記能動駆動アセンブリと受動駆動アセンブリとに接続され、コンベアベルトは、前記能動駆動アセンブリによって駆動されて時計回り又は反時計回りに回転し、前記接続部材は、コンベアベルトに取り付けられるとともに、移動部材を接続し、前記コンベアベルトは、能動駆動アセンブリの駆動で移動部材を駆動して水平に往復移動させる伝動部と、を含むことを特徴とする、ロック解除装置。
【請求項8】
前記能動駆動アセンブリは、モータと、駆動軸と、駆動輪とを含み、前記モータは、前記取付プラットフォームに固定して取り付けられ、前記駆動輪は、駆動輪ブラケットを介して前記取付プラットフォームに取り付けられ、前記モータは、駆動軸を介して前記駆動輪に接続され、前記駆動輪を回転駆動し、
前記受動駆動アセンブリは、テンションブラケットを介して前記取付プラットフォームに取り付けられる従動輪をさらに含み、前記コンベアベルトの両端は、それぞれ駆動輪及び従動輪の表面に回し掛けられ、駆動輪及び従動輪によってテンションがかけられ、
前記モータは、マイクロモータであり、前記駆動輪及び従動輪は、同期プーリであり、前記コンベアベルトの内面にラックが設けられ、前記ラックは、同期プーリの表面に噛み合うことを特徴とする、請求項に記載のロック解除装置。
【請求項9】
前記接続部材は、対向して設置された側板と、側板間に位置する底板とを有するU字形板であり、前記側板間の幅は、前記コンベアベルトの幅より大きく、前記U字形板は、開口を下向きにして吊り下げられる方式で前記コンベアベルトに取り付けられ、前記U字形板の対向する側板には、移動部材を接続するためのスナップ溝が設けられることを特徴とする、請求項またはに記載のロック解除装置。
【請求項10】
前記コンベアベルトは、着脱可能なコンベアベルトであり、前記コンベアベルトの二つの着脱端には、それぞれ伝動ベルト取付穴が設けられ、前記U字形板の底板の対応する位置に底板取付穴が設けられ、ネジが前記底板取付穴を貫通してU字形板とコンベアベルトとを接続して固定することを特徴とする、請求項に記載のロック解除装置。
【請求項11】
前記接続部材は、前記コンベアベルトのU字形板とは反対側に設けられたラックベルトをさらに含み、前記ラックベルトには、前記コンベアベルトの伝動ベルト取付穴に対応する位置にラックベルト取付穴が設けられ、ネジは、U字形板、コンベアベルト、及びラックベルトのラックベルト取付穴を順次貫通してコンベアベルトと接続部材とを取り付けて固定することを特徴とする、請求項10に記載のロック解除装置。
【請求項12】
前記駆動制御システムは、リミットセンサをさらに含み、前記リミットセンサは、ブラケットを介して取付プラットフォームに取り付けられるとともに、接続部材が移動する二つのリミット位置に設けられ、前記リミットセンサは、前記駆動部に接続され、接続部材が移動するリミット位置を制御することを特徴とする、請求項11のいずれかに記載のロック解除装置。
【請求項13】
前記コンベアベルトテンション装置は、
前記取付プラットフォームに可動に取り付けられ、一端がコンベアベルトを取り付けるテンションブラケットと、
前記テンションブラケットの他端に取り付けられるとともに、前記テンションブラケットに弾性的に接続され、コンベアベルトのテンションの度合いを調節するテンション調節部と、を含むことを特徴とする、請求項12のいずれかに記載のロック解除装置。
【請求項14】
前記テンションブラケットは、取付プラットフォームに可動に取り付けられた底板と、底板の前記コンベアベルトの取付端から離れた他端に設けられた端板とを有し、前記テンション調節部は、固定板と、制限板と、貫通部材と、弾性部材とを含み、前記固定板は、前記テンションブラケット外の端板側の取付プラットフォームに設けられ、前記制限板は、底板の制限口を貫通して前記テンションブラケット内の取付プラットフォームに設けられ、前記貫通部材の両端は、それぞれ制限板及び固定板に固定されるとともに、前記端板を貫通し、前記弾性部材は、制限板と端板との間の貫通部材の一部に設けられ、両端が、制限板と端板とを押圧することを特徴とする、請求項13に記載のロック解除装置。
【請求項15】
前記貫通部材は、ネジとナットとを含み、前記ネジは、前記制限板、端板及び固定板を貫通し、貫通端にナットが取り付けられ、前記弾性部材はばねであり、及び/又は、
前記テンションブラケットは、前記底板の両側に側板が設けられ、前記コンベアベルトの一端が、ギアを介して前記テンションブラケットの側板に取り付けられ、前記コンベアベルトの他端が、駆動輪に接続されることを特徴とする、請求項14に記載のロック解除装置。
【請求項16】
前記テンションブラケットの底板には、コンベアベルトの長手方向に延びるスライド溝とスライド溝ネジとがさらに設けられ、前記スライド溝ネジは、前記スライド溝を貫通して取付プラットフォームに取り付けられ、前記スライド溝ネジのヘッドの幅は、前記スライド溝の幅より大きいことを特徴とする、請求項14または15に記載のロック解除装置。
【請求項17】
前記移動シートにスナップバーが取り付けられ、前記ロック解除装置は、前記スナップバーを前記接続部材のスナップ溝に挿入することによって駆動制御システムに接続されることを特徴とする、請求項16のいずれかに記載のロック解除装置。
【請求項18】
前記スナップ溝は、水平方向に延びる幅を有し、スナップバーがスナップ溝の幅範囲内で水平移動するように、前記スナップ溝の幅は、前記スナップバーの幅より大きいことを特徴とする、請求項17に記載のロック解除装置。
【請求項19】
ロック機構と、ロック解除機構とを含み、
前記ロック機構は、ロックベースと、ロックリンクとを含み、前記ロックベースは、ロックポイントを提供するとともに、ロック対象部材を挿入させるロックスロットを有し、前記ロックリンクは、ロックタングを介して前記ロックベースに可動に接続され、前記ロックタングは、ロック対象部材が前記ロックスロットに挿入した後の離脱を防止するストップブロックを有し、
前記ロック解除機構は、請求項1~18のいずれかに記載のロック解除装置を含み、前記ロック解除装置におけるロック解除エジェクタロッドは、前記ロックリンクを押し、前記ロックリンクは、上昇中に、前記ロックタングを駆動して回転させることにより、前記ストップブロックがそのロック位置から離れることを特徴とする、ロック装置。
【請求項20】
バッテリ交換移動プラットフォームであって、
バッテリ交換移動プラットフォーム全体を駆動して地面上を移動させるための走行駆動部と、
前記走行駆動部に取り付けられ、バッテリの交換中にバッテリを昇降させるための持ち上げ部と、
前記持ち上げ部の頂部に取り付けられ、交換用バッテリ又は取り外されたバッテリを載置するためのバッテリ取付部と、を含み、
前記バッテリ取付部の上面に請求項1~18のいずれかに記載のロック解除装置が取り付けられて、駆動装置の制御で電気自動車におけるバッテリロック機構をロック解除することを特徴とする、バッテリ交換移動プラットフォーム。
【請求項21】
電気自動車の交換用バッテリと、電気自動車から取り外された充電対象バッテリとを置くためのバッテリラックと、
取り外された充電対象バッテリをバッテリラックに入れるとともに、バッテリラックから交換用バッテリを取り出すためのスタッカーと、
請求項20に記載のバッテリ交換移動プラットフォームと、を含むことを特徴とする、高速バッテリ交換システム。
【発明の詳細な説明】
【関連書類の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年12月30日に提出された中国特許出願CN201611257049.0、および2017年1月24日に提出された中国特許出願CN201710052840.6の優先権を主張するものであり、当該中国特許出願の全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電気自動車の分野に関し、特に、電気自動車にロックされたバッテリをロック解除するロック解除装置、当該ロック解除装置を用いたロック装置、当該ロック解除装置を用いたバッテリ交換移動プラットフォーム、及び当該バッテリ交換移動プラットフォームを用いた高速バッテリ交換システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電気自動車のバッテリの取り付け方式は、一般に固定式と交換可能式に分けられる。固定式のバッテリは、一般に自動車に固定され、充電時には直接自動車を充電対象とする。交換可能式のバッテリは、一般に移動可能な取り付ける方式を採用し、バッテリを随時取り外して、交換又は充電することができ、交換又は充電が完了した後、再度車体に取り付けることができる。
【0004】
バッテリが電気自動車に取り付けられた後、脱落を避けるために、一般にロック機構によって電気自動車にロックされる。バッテリを交換するたびに、ロック解除する必要がある。一つのバッテリは、通常、対称的に配置された複数のロック位置を有し、複数のロック位置の同時及び自動的なロック解除をどのように実現するかは、バッテリの自動交換方式では解決する必要のある課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、電気自動車にロックされたバッテリを自動的にロック解除して、バッテリの自動的な交換を実現するロック解除装置を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、上記のロック解除装置を用いたロック装置を提供することである。
【0007】
本発明の第3の目的は、上記のロック解除装置を用いたバッテリ交換移動プラットフォームを提供することである。
本発明の第4の目的は、上記のバッテリ交換移動プラットフォームを用いた高速バッテリ交換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって提供されるロック解除装置は、ガイドレールを含む移動部と、電気自動車のロック機構をロック解除するためのロック解除部と、前記ロック解除部を駆動して前記ガイドレール上を移動させるための駆動装置と、前記ロック解除部に接続される復帰装置とを含み、前記復帰装置は、前記ガイドレールに沿って移動した前記ロック解除部を制御して最初の位置に自動的に戻し、前記復帰装置は、伸縮可能な弾性部材であり、前記ロック解除部は、ロック解除エジェクタロッドを含み、前記ロック解除部は、中空の固定筒をさらに含み、前記固定筒の側壁には、固定筒の軸方向に延びる帯状溝が開けられ、前記ロック解除エジェクタロッドの底端には、前記帯状溝に嵌め込まれるとともに帯状溝に沿ってスライド可能なリミット部材が設置される。本発明の一実施形態では、前記移動部は、前記ガイドレールに取り付けられるとともに前記ガイドレールに沿って移動可能な移動シートをさらに含み、ロック解除エジェクタロッドは前記移動シートに設置され、前記固定筒は、前記移動シートの上面に垂直に取り付けられ、前記ロック解除エジェクタロッドの底端は、弾性部材を介して前記固定筒内に可動に取り付けられる。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記ロック解除エジェクタロッドは、ガイドレールに上方に向かって設置されるとともにガイドレールに沿って移動可能であり、前記駆動装置は、前記ロック解除部に接続される駆動部を含む。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記固定筒の側壁には、固定筒の軸方向に延びる帯状溝が開けられ、前記ロック解除エジェクタロッドの底端には、前記帯状溝に嵌め込まれるとともに帯状溝に沿ってスライド可能なリミット部材が設置される。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記駆動部は、プッシュロッドを介して前記移動シートに接続され、前記プッシュロッドは、電気プッシュロッド、油圧プッシュロッド又は空気圧プッシュロッドのうちの一つである。本発明の一実施形態では、前記移動シートの前記プッシュロッドに近い一端には、内側溝を有するスライド溝シートが設けられ、前記スライド溝シートの側壁には、ガイドレール方向に延びるスライド溝が設置され、前記プッシュロッドの一端が、前記スライド溝シートの溝内に位置し、当該一端には前記スライド溝に嵌め込まれる固定部材が設置され、前記移動シートの表面に固定板が取り付けられ、前記ロック解除部と前記スライド溝シートとは、前記固定板に取り付けられる。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記ロック解除装置は、復帰装置をさらに含み、前記復帰装置は、前記ロック解除部に接続され、前記復帰装置は、ガイドレールに沿って移動した前記ロック解除部を制御して最初の位置に自動的に戻し、前記復帰装置は、伸縮可能な弾性部材であり、及び/又は、前記ガイドレールの両端には、それぞれ前記ロック解除部の移動位置を制限するセンサがさらに設置される。
【0013】
本発明によって提供される他のロック解除装置は、ガイドレールを含む移動部と、電気自動車のロック機構をロック解除するためのロック解除部と、前記ロック解除部を駆動して前記ガイドレール上を移動させるための駆動装置と、を含み、前記移動部は、移動シートをさらに含み、前記ロック解除部は、前記移動シートに取り付けられ、前記駆動装置は、接続部材を介して前記ロック解除部又は移動シートに接続される駆動制御システムを含む。
【0014】
記駆動制御システムは、取付プラットフォームと、前記取付プラットフォームに取り付けられる駆動部であって、対向して設置された能動駆動アセンブリと受動駆動アセンブリとを含み、前記受動駆動アセンブリは、コンベアベルトテンション装置を含む駆動部と、コンベアベルトと接続部材とを含み、前記コンベアベルトは、前記能動駆動アセンブリと受動駆動アセンブリとに接続され、コンベアベルトは、前記能動駆動アセンブリによって駆動されて時計回り又は反時計回りに回転し、前記接続部材は、コンベアベルトに取り付けられるとともに、移動部材を接続し、前記コンベアベルトは、能動駆動アセンブリの駆動で移動部材を駆動して水平に往復移動させる伝動部と、を含む。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記能動駆動アセンブリは、モータと、駆動軸と、駆動輪とを含み、前記モータは、前記取付プラットフォームに固定して取り付けられ、前記駆動輪は、駆動輪ブラケットを介して前記取付プラットフォームに取り付けられ、前記モータは、駆動軸を介して前記駆動輪に接続され、前記駆動輪を回転駆動し、前記受動駆動アセンブリは、テンションブラケットを介して前記取付プラットフォームに取り付けられる従動輪をさらに含み、前記コンベアベルトの両端は、それぞれ駆動輪及び従動輪の表面に回し掛けられ、駆動輪及び従動輪によってテンションがかけられ、前記モータは、マイクロモータであり、前記駆動輪及び従動輪は、同期プーリであり、前記コンベアベルトの内面にラックが設けられ、前記ラックは、同期プーリの表面に噛み合う。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記接続部材は、対向して設置された側板と、側板間に位置する底板とを有するU字形板であり、前記側板間の幅は、前記コンベアベルトの幅より大きく、前記U字形板は、開口を下向きにして吊り下げられる方式で前記コンベアベルトに取り付けられ、前記U字形板の対向する側板には、移動部材を接続するためのスナップ溝が設けられる。本発明の一実施形態では、前記コンベアベルトは、着脱可能なコンベアベルトであり、前記コンベアベルトの二つの着脱端には、それぞれ伝動ベルト取付穴が設けられ、前記U字形板の底板の対応する位置に底板取付穴が設けられ、ネジが前記底板取付穴を貫通してU字形板とコンベアベルトとを接続して固定する。本発明の一実施形態では、前記接続部材は、前記コンベアベルトのU字形板とは反対側に設けられたラックベルトをさらに含み、前記ラックベルトには、前記コンベアベルトの伝動ベルト取付穴に対応する位置にラックベルト取付穴が設けられ、ネジは、U字形板、コンベアベルト、及びラックベルトのラックベルト取付穴を順次貫通してコンベアベルトと接続部材とを取り付けて固定する。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記駆動制御システムは、リミットセンサをさらに含み、前記リミットセンサは、ブラケットを介して取付プラットフォームに取り付けられるとともに、接続部材が移動する二つのリミット位置に設けられ、前記リミットセンサは、前記駆動部に接続され、接続部材が移動するリミット位置を制御する。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記コンベアベルトテンション装置は、前記取付プラットフォームに可動に取り付けられ、一端が、コンベアベルトを取り付けるテンションブラケットと、前記テンションブラケットの他端に取り付けられるとともに、前記テンションブラケットに弾性的に接続され、コンベアベルトのテンションの度合いを調節するテンション調節部と、を含む。
【0019】
本発明の一実施形態では、前記テンションブラケットは、取付プラットフォームに可動に取り付けられた底板と、底板の前記コンベアベルトの取付端から離れた他端に設けられた端板とを有し、前記テンション調節部は、固定板と、制限板と、貫通部材と、弾性部材とを含み、前記固定板は、前記テンションブラケット外の端板側の取付プラットフォームに設けられ、前記制限板は、底板の制限口を貫通して前記テンションブラケット内の取付プラットフォームに設けられ、前記貫通部材の両端は、それぞれ制限板及び固定板に固定されるとともに、前記端板を貫通し、前記弾性部材は、制限板と端板との間の貫通部材の一部に設けられ、両端が、制限板と端板とを押圧する。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記貫通部材は、ネジとナットとを含み、前記ネジは、前記制限板、端板及び固定板を貫通し、貫通端にナットが取り付けられ、前記弾性部材はばねであり、及び/又は、前記テンションブラケットは、前記底板の両側に側板が設けられ、前記コンベアベルトの一端が、ギアを介して前記テンションブラケットの側板に取り付けられ、前記コンベアベルトの他端が、駆動輪に接続される。
【0021】
本発明の一実施形態では、前記テンションブラケットの底板には、コンベアベルトの長手方向に延びるスライド溝とスライド溝ネジがさらに設けられ、前記スライド溝ネジは、前記スライド溝を貫通して取付プラットフォームに取り付けられ、前記スライド溝ネジのヘッドの幅は、前記スライド溝の幅より大きい。
【0022】
本発明の一実施形態では、前記移動シートにスナップバーが取り付けられ、前記ロック解除装置は、前記スナップバーを前記接続部材のスナップ溝に挿入することによって駆動制御システムに接続される。本発明の一実施形態では、前記スナップ溝は、水平方向に延びる幅を有し、スナップバーがスナップ溝の幅範囲内で水平移動するように、前記スナップ溝の幅は、前記スナップバーの幅より大きい。
【0023】
本発明はロック装置をさらに提供し、前記ロック装置は、ロック機構と、ロック解除機構とを含み、前記ロック機構は、ロックベースと、ロックリンクとを含み、前記ロックベースは、ロックポイントを提供するとともに、ロック対象部材を挿入させるロックスロットを有し、前記ロックリンクは、ロックタングを介して前記ロックベースに可動に接続され、前記ロックタングは、ロック対象部材が前記ロックスロットに挿入した後の離脱を防止するストップブロックを有し、前記ロック解除機構は、上記のロック解除装置を含み、前記ロック解除装置におけるロック解除エジェクタロッドは、前記ロックリンクを押して、前記ロックリンクは、上昇中に、前記ロックタングを駆動して回転させることにより、前記ストップブロックがそのロック位置から離れる。
【0024】
本発明はバッテリ交換移動プラットフォームをさらに提供し、前記バッテリ交換移動プラットフォームは、バッテリ交換移動プラットフォーム全体を駆動して地面上を移動させるための走行駆動部と、前記走行駆動部に取り付けられ、バッテリの交換中にバッテリを昇降させるための持ち上げ部と、前記持ち上げ部の頂部に取り付けられ、交換用バッテリ又は取り外されたバッテリを載置するためのバッテリ取付部と、を含み、前記バッテリ取付部の上面に上記のロック解除装置が取り付けられて、駆動装置の制御で電気自動車におけるバッテリロック機構をロック解除する。
【0025】
本発明は、電気自動車の交換用バッテリと、電気自動車から取り外された充電対象バッテリとを置くためのバッテリラックと、取り外された充電対象バッテリをバッテリラックに入れるとともに、バッテリラックから交換用バッテリを取り出すためのスタッカーと、上記のバッテリ交換移動プラットフォームと、を含む高速バッテリ交換システムをさらに提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以下の有益な効果を奏する。本発明は、ロック解除部、駆動装置及び復帰装置の協力によって、所定の空間内で動作するようにロックロードを制御し、電気自動車におけるバッテリのロックを自動的に解除して、バッテリを電気自動車から取り外し、バッテリ交換移動プラットフォームによって自動交換することができる。プロセス全体が完全に自動化され、手動による介入を必要とせず、バッテリの交換効率が向上する。本発明では、バッテリラック、スタッカー及びバッテリ交換移動プラットフォームによって一つの完全な電気自動車の自動高速バッテリ交換システムを構成して、複数の電気自動車の高速バッテリ交換ライン作業を実現することができる。交換時に、電気自動車が指定された位置に停止していれば、5~10分以内にバッテリの自動交換を完了することができ、交換プロセスにわたって手動による介入をまったく必要とせず、労働強度を低減し、交換効率を大幅に向上させることができる。本発明の駆動制御システムは、構造がコンパクトであり、ロック解除が迅速で、信頼性が高く、特に電気自動車での使用に適する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例1の一実施形態の高速バッテリ交換システムの概略構造図である。
図2図1に示すバッテリ交換移動プラットフォームの概略構造図である。
図3】本発明の実施例1の一実施形態のロック解除装置の概略構造図である。
図4図3の概略斜視図である。
図5】本発明の実施例2の駆動制御システムの構造の概略斜視図である。
図6図5の駆動制御システムの構造の概略分解斜視図である。
図7図6の駆動制御システムの構造のさらなる概略分解斜視図である。
図8図7の駆動制御システムの部分構造の概略斜視図である。
図9図7の駆動制御システムの部分構造の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明を、実施例を用いてさらに説明するが、本発明は、記載される実施例の範囲に限定されるべきではない。
【0029】
実施例1
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る高速バッテリ交換システム100は、一般に、バッテリ104を置くためのバッテリラック101と、スタッカー102と、バッテリ交換移動プラットフォーム103と、を含む。
【0030】
当該バッテリラック101に置かれたバッテリ104は、電気自動車105に取り付けられる交換用バッテリと、電気自動車105から取り外された充電対象バッテリとを含み、バッテリラック101には、フレームで構成された複数の載置層が設置される。
【0031】
当該バッテリ交換移動プラットフォーム103は、電気自動車105における充電対象バッテリを取り外してスタッカー102に搬送するとともに、スタッカー102から交換用バッテリを受け取って電気自動車105に取り付ける。当該バッテリ交換移動プラットフォーム103は、走行可能でバッテリ104の昇降を持ち上げ可能な持ち上げ装置と、持ち上げ装置に取り付けられ、かつ電気自動車105における充電対象バッテリを自動的に取り外すか、又は交換用バッテリを電気自動車105に自動的に取り付けるためのバッテリ取付部とを含む。
【0032】
当該スタッカー102は、バッテリ交換移動プラットフォーム103によって取り外された充電対象バッテリをバッテリラック101に入れるとともに、バッテリラック101から交換用バッテリを取り出してバッテリ交換移動プラットフォーム103に置く。当該スタッカー102は、レールによってバッテリラック101を水平方向および垂直方向に移動させ、かつバッテリ104を取り出す・入れるための伸長可能な伸縮ブラケットを含む。
【0033】
作業時に、バッテリラック101、スタッカー102、及びバッテリ交換移動プラットフォーム103は、一つの完全な電気自動車の自動高速バッテリ交換システムを構成し、複数の電気自動車の高速バッテリ交換ライン作業を実現することができる。交換時に、電気自動車が指定された位置に停止していれば、5~10分以内にバッテリの自動交換を完了することができ、交換プロセスにわたって手動による介入をまったく必要とせず、労働強度を低減し、交換効率を大幅に向上させることができる。
【0034】
図2に示すように、本発明の一実施形態のバッテリ交換移動プラットフォーム103は、一般に、持ち上げ部107と、バッテリ取付部108と、走行駆動部106とを含む。
【0035】
当該走行駆動部106は、装置全体のバッテリ104の取り出し・置く過程及び交換過程における移動を駆動する。具体的な駆動方式は、従来の巻き上げ駆動、ラックギア駆動、ローラ駆動、又はレール駆動など、バッテリ交換移動プラットフォーム103を移動することができる任意の方式であってもよい。
【0036】
当該持ち上げ部107は、走行駆動部106に取り付けられており、バッテリ104の交換中に、電気自動車105の底部でバッテリ104を昇降制御させる。当該持ち上げ部107は、垂直方向に昇降可能な持ち上げ装置1071と、持ち上げ装置1071の昇降を駆動する持ち上げ駆動部1072とを含むことができる。具体的には、持ち上げ装置1071は、ヒンジ接続式伸縮ロッド構造、ガイドレール構造、伸縮式チューブ構造など、垂直方向に伸張させることができる任意の従来の構造であってもよい。持ち上げ駆動部1072は、油圧駆動、電気駆動、空気圧駆動などの従来の動力であってもよい。
【0037】
当該バッテリ取付部108は、持ち上げ装置1071の頂部に設置されており、交換用バッテリ又は取り外された充電対象バッテリを載置する。当該バッテリ取付部108の上面には、ロック解除装置が取り付けられ、対応する駆動装置の制御によって、電気自動車におけるバッテリロック機構のロック解除を行い、自動的に電気自動車105のバッテリ104の取り外し及びロックを行う。
【0038】
本実施形態のバッテリ交換移動プラットフォーム103は、走行駆動部106の制御によって電気自動車105の底部に移動し、持ち上げ駆動部1072によって持ち上げ装置1071を駆動して上昇させ、バッテリ取付部108のロック解除装置を、電気自動車105の底部のバッテリ取付ベース内のバッテリロック機構に接触させて、充電対象バッテリのロック状態を解除する。次に、バッテリ取付部108を制御して水平方向に移動させ、ロック解除後の充電対象バッテリを電気自動車から取り外して直接バッテリ取付部108に落下させる。次に、持ち上げ駆動部1072によって持ち上げ装置1071を制御して下降させ、走行駆動部106によってバッテリ交換移動プラットフォーム103を駆動してバッテリラック101まで移動させ、スタッカー102によって充電対象バッテリを取り出すとともに交換用バッテリを置く。次に、走行駆動部106によってバッテリ交換移動プラットフォーム103を駆動して電気自動車105の下方に戻し、持ち上げ駆動部1072によって持ち上げ装置1071を駆動して上昇させ、バッテリ取付部108によって交換用バッテリを電気自動車105のバッテリ取付ベース内に嵌め込み、そして、バッテリ取付部108を平行に移動させて、交換用バッテリをバッテリ取付ベース内にロックさせる。次に、持ち上げ駆動部1072の持ち上げ装置1071によってバッテリ取付部108を下降させた後、走行駆動部106によってバッテリ交換移動プラットフォーム103を電気自動車105の底部から外に移動させる。これにより、一台の電気自動車105の自動バッテリ高速交換プロセスが完了する。
【0039】
図3に示すように、本発明一実施形態のロック解除装置は、一般に、移動部40と、ロック解除部10と、駆動装置とを含む。前記移動部40は、ガイドレールと、ガイドレールに取り付けられ、ガイドレールに移動可能な移動シートとを含み、前記ロック解除部10は、移動シートに垂直設置されたロック解除エジェクタロッドを含み、前記駆動装置は、前記ロック解除部を駆動して前記ガイドレール上を移動させる。前記駆動装置は、具体的には、ロック解除部10に接続された駆動部20を含み、駆動部20は、移動シートに接続されるとともに、移動シートを駆動してガイドレールに沿って移動させるプッシュロッドを含む。
【0040】
本実施形態では、当該ロック解除装置は、当該バッテリロック機構をロック解除するために、電気自動車の底部のバッテリ取付ベース内のバッテリロック機構に接触する必要がある。当該ロック解除装置は、バッテリを交換する装置に取り付けて、ロック解除すると同時にバッテリを交換することができる。当該バッテリを交換する装置は、バッテリ交換移動プラットフォーム103のバッテリ取付部108であってもよい。
【0041】
バッテリを交換する前に、駆動部20は、ロック解除部10を駆動してバッテリ取付部108の表面上を水平移動させて、最終的に電気自動車105のバッテリロック機構のロック解除点に対応する位置に留まり、バッテリ交換移動プラットフォーム103を駆動して上昇させ、ロック解除部10のロック解除エジェクタロッドが上昇中にロック機構におけるロック解除点に接触して、当該ロック解除点を押し上げてロックを解除する。
【0042】
ロック解除部10、駆動部20、及び移動部40の協力によって、所定のレール内を移動するようにロック解除エジェクタロッドを制御することができるとともに、電気自動車における充電対象バッテリを自動的にロック解除して、充電対象バッテリを電気自動車から取り外して、バッテリ交換移動プラットフォーム103によって自動的に交換することができる。プロセス全体が完全に自動化され、手動による介入を必要とせず、電気自動車のバッテリ交換効率が向上する。
【0043】
図4に示すように、当該移動部40は、ロック解除部10を取り付けるために用いられる。移動部40により、ロック解除部10が移動する時にレールから外れず、ロック解除部10の移動が容易になる。他の実施形態では、移動部40は、固定点に固定されたガイドレール41と、ガイドレール41にスライド可能に取り付けられた移動シート42とを含むスライド機構であってもよい。ロック解除部10は、移動シート42に固定される。駆動部20は、プッシュロッドの動きによって移動シートの移動を駆動することにより、ロック解除部10を制御してガイドレール41上を移動させる。移動シート42は、直接にロック解除部10の一部として用いられてもよいし、ロック解除部10を取り付けるベースとして用いられてもよい。他の実施形態では、これに代えて、当該スライド機構は、ローラ、チェーン、コンベアベルトなどの他の従来の移動方式を採用してもよい。
【0044】
本発明の一実施形態では、当該ロック解除部10は、移動シート42の表面に垂直に取り付けられた中空の固定筒11をさらに含むことができる。ロック解除エジェクタロッド13の底端は、固定筒11内に可動に取り付けられるとともに、固定筒11内から離脱することができない。固定筒11内には、ロック解除エジェクタロッド13に押圧力を付勢するばね112が設置される。ばね112は、ロック解除エジェクタロッドに、固定筒の未固定端に常に維持される弾性力を加えることができ、ロック解除エジェクタロッドが電気自動車の底部のバッテリロック機構に接触した場合に、衝撃力がある所定の値(ばねの弾性力)より大きいと、固定筒内に引き込むことができるため、ロック解除エジェクタロッドとバッテリロック機構とを保護して、激しい接触による損傷を避けることができる。
【0045】
ロック解除エジェクタロッド13と固定筒11との移動可能な取り付け方式は、以下の構造を採用することができる。
固定筒11の未固定端には、円心に向かって突出する止め輪又は止めブロックが設置され、ロック解除エジェクタロッド13の底部には、直径が当該止め輪又は止めブロックの直径より大きくかつ固定筒11内径以下である制限テーブルを設置することができ、ロック解除エジェクタロッド13の上端は、止め輪又は止めブロックによって囲まれた穴を貫通することができる。ロック解除エジェクタロッド13がばねによって押し上げられた場合、底端の制限テーブルによって固定筒11内に制限される。
【0046】
さらに、本発明の一実施形態では、ロック解除エジェクタロッド13と固定筒11との移動可能な取り付け方法は、以下の構造を採用することもできる。
固定筒11の側壁に固定筒11の軸方向に延びる帯状溝111が設置され、ロック解除エジェクタロッド13の底端には、帯状溝111に嵌め込まれ、かつばね112の弾性力の作用で帯状溝111に沿って上下にスライド可能なリミット部材132が設けられ、リミット部材132と帯状溝111とによってロック解除エジェクタロッド13の移動可能な最高位置が限定される。具体的には、リミット部材132は、ネジ及びナットであってもよく、ネジは、帯状溝111を貫通して、ロック解除エジェクタロッド13のネジ穴にネジ込まれ、ナットは、ネジのネジ帯状溝111から露出するヘッドにねじ込まれる。ロック解除エジェクタロッド13の固定筒11外に位置する一方の端部が、収縮可能なテーパ端131であってもよく、当該テーパ端131は、バッテリロック機構におけるロック解除点機構の形状にマッチングしており、移動中に引っかかることがなく、安定した接触を形成することができる。ロック解除エジェクタロッド13は、外部の圧力を受けたときに固定筒11内に自由に圧縮され、当該外部の圧力がなくなった後、ばね112は、ロック解除エジェクタロッド13を常に固定筒11外に突出することができる。
【0047】
本発明の一実施形態では、駆動部20のプッシュロッド21は、電気プッシュロッド、油圧プッシュロッド又は空気圧プッシュロッドのうちの一つであってもよい。駆動部20は、油圧ポンプ、空気圧ポンプ、又はサーボモータ(図示せず)など、対応するプッシュロッド21に対応する動力を供給する動力装置をさらに含むことができる。本発明は、電気プッシュロッドを使用してロック解除部10を押して移動させることで、電気プッシュロッドのシリンダ本体211を、固定点(例えば、バッテリ取付部108)に固定するとともに、ピストンロッド212を介してロック解除部10に接続され、ピストンロッド212の伸縮によってロック解除部10を水平移動する。
【0048】
本発明の一実施形態では、移動シート42にスライド溝シート16とスライド溝161とがさらに設けられ、当該スライド溝シート16は、プッシュロッド21が接続される側に位置し、スライド溝161は、スライド溝シート16に位置するとともに、プッシュロッド21の伸縮方向に延び、プッシュロッド21には、当該スライド溝161に嵌め込まれるとともに、プッシュロッド21の移動に伴って当該スライド溝161に沿ってスライド可能な固定部材が設けられ、駆動部20は、プッシュロッド21を駆動して水平方向に伸縮させ、プッシュロッド21に位置する固定部材は、スライド溝161内をスライドして、スライド溝161のリミット位置までスライドした後スライド溝シート16及び移動シート42をつれて移動することにより、ロック解除部10がガイドレール上を水平移動する。具体的には、スライド溝161は、二つ設置され、二つのスライド溝161は、スライド溝シート16に対向して設置することができ、電気プッシュロッドのピストンロッド212は、スライド溝シート16内に位置し、固定部材は、ピストンロッド212の貫通孔を貫通して、二つのスライド溝内にそれぞれ嵌め込むことができる。
【0049】
本発明の一実施形態では、ロック解除部10とスライド溝シート16とは、固定板14によって移動シート42に固定して取り付けることができる。本実施形態では、固定板14は移動シート42に固定接続されたが、直接に移動シート42を固定板14とすることもできる。また、プッシュロッド21からスライド溝シート16に加える力をより均一にするために、具体的には、スライド溝シート16は、固定板14を直接に折り曲げて形成するものであってもよい。
【0050】
本発明の一実施形態では、当該ロック解除装置は、自動復帰するようにロック解除部を制御する復帰装置30をさらに含むことができ、当該復帰装置30は、ロック解除部10の駆動部20とは反対側、すなわちガイドレール41のプッシュロッド21とは反対側に取り付けられ、ロック解除部10がロック解除動作を完了した後、復帰装置30によってロック解除部10を元の停止位置に引き戻される。復帰装置30は、駆動部20と同様な装置であってもよいし、ばねのような受動的な弾性部材構造であってもよい。また、他の実施形態では、当該ロック解除部10の復帰は、駆動部20によって実現することもできる。すなわち駆動部は、ロック解除部10を押して移動させた後、ロック解除部10を引いて元の位置に戻すことができる。
【0051】
本発明の一実施形態では、ロック解除装置は、位置センサをさらに含むことができる。当該位置センサは二つであり、それぞれガイドレール41の両端に設けられるとともに、移動シート42の移動位置を制限する。位置センサによって移動シート42が感知された場合、移動シート42は移動を停止する。
【0052】
本発明の一実施形態はロック装置を開示し、当該ロック装置は、ロック機構とロック解除機構とを含み、当該ロック機構は、電気自動車に取り付けるためのロックベースと、ロックリンクと含み、ロックベースは、ロックポイントを供給するとともに、バッテリパックのロックシャフトを挿入させるためのロックスロットを有し、ロックリンクは、ロックタングを介してロックベースに可動に接続され、ロックタングは、ロックシャフトがロックスロットに挿入した後の離脱を防止するストップブロックを有し、ロック解除機構は、前述した各実施例におけるロック解除装置を含み、ロック解除装置におけるロック解除エジェクタロッド13は、ロックリンクを押すことにより、ロックベース内を回転するようにロックタングを駆動する。
【0053】
バッテリを交換する前に、プッシュロッド21は、ガイドレール41に沿って移動するようにロック解除エジェクタロッド13を駆動するにより、ロック解除エジェクタロッド13がロックリンクの対応する位置に位置合わせられる。ロック解除エジェクタロッド13の底部のばね112は、ロック解除エジェクタロッド13を常にロックリンクに当接させることができ、ロックリンクが押し上げて上方へ移動すると同時に水平移動し、ロック解除部10は、移動シート42と共にガイドレール41上を水平移動し、ロック解除プロセスの全体において、ロック解除エジェクタロッド13は、ロックリンクに常に接触しており、ロックリンクの上方への移動及び水平への移動は、それと共に回転するようにロックベースにおけるロックタングを駆動し、ロックスロットの通路を閉塞していたストップブロックは、ロックタングと共に回転してロックスロットから離れることにより、ロックスロットの通路は開放され、すなわちロック機構のロックが解除される。ロック解除後、バッテリを移動することにより、バッテリのロックシャフトがロックスロットから外に移動し、バッテリが車体から分離され、バッテリが取り外される。
【0054】
実施例2
図5図9に示すように、駆動制御システムは、取付プラットフォーム110を含み、当該取付プラットフォーム110にテンションブラケット120が設けられる。当該テンションブラケット120の一端は、コンベアベルト130を取り付けるために用いられる。
【0055】
当該テンションブラケット120の他端にテンション調節部140が取り付けられ、当該テンション調節部140は、当該テンションブラケット120に弾性的に接続されるとともに、コンベアベルト130のテンションの度合いを調節する。
【0056】
当該テンションブラケット120は、取付プラットフォーム110に可動に取り付けられた底板121と、底板121の当該コンベアベルト130の取付端から離れた他端に設けられる端板122とを有する。当該テンション調節部140は、固定板141と、制限板142と、貫通部材143と、弾性部材144とを含む。
【0057】
当該固定板141は、当該テンションブラケット120外の端板側の取付プラットフォーム110に設けられ、当該制限板142は、底板121の制限口1211を貫通して当該テンションブラケット120内の取付プラットフォーム110に設けられる。当該貫通部材143の両端は、それぞれ制限板142及び固定板141に固定されるとともに、当該端板122を貫通する。当該弾性部材144は、制限板142と端板122との間の貫通部材143の一部に設けられ、両端が制限板142及び端板122を押圧する。
【0058】
当該貫通部材143は、ネジ1431とナット1432とを含み、当該ネジ1431は、当該制限板142、端板122及び固定板141を貫通し、貫通端にナット1432が取り付けられる。当該弾性部材144はばねである。
【0059】
当該テンションブラケット120は、当該底板121の両側に側板123が設けられ、当該コンベアベルト130の一端は、ギアを介して当該テンションブラケット120の側板123に取り付けられ、当該コンベアベルト130の他端は、駆動輪150に接続される。
【0060】
当該テンションブラケット120の底板121には、コンベアベルトの長手方向に延びるスライド溝1212とスライド溝ネジ1213とがさらに設けられ、当該スライド溝ネジ1213は、当該スライド溝1212を貫通して取付プラットフォーム110に取り付けられる。当該スライド溝ネジ1213のヘッドの幅は、当該スライド溝1212の幅より大きい。
【0061】
当該駆動制御システムは、能動駆動アセンブリと受動駆動アセンブリとを含む。当該能動駆動アセンブリは、モータ151と、駆動軸152と、駆動輪150とを含み、当該モータ151は、当該取付プラットフォーム110に固定して取り付けられ、当該駆動輪150は、駆動輪ブラケット153を介して当該取付プラットフォーム110に取り付けられ、当該モータ151は、駆動軸152を介して当該駆動輪150に接続されるとともに、当該駆動輪150を回転駆動する。当該受動駆動アセンブリは、従動輪170をさらに含み、当該従動輪170は、テンションブラケット120を介して当該取付プラットフォーム110に取り付けられる。当該コンベアベルト130の両端は、それぞれ駆動輪150及び従動輪170の表面に回し掛けられるとともに、駆動輪150及び従動輪170によってテンションがかけられる。
【0062】
当該駆動制御システムは、伝動部をさらに含み、当該伝動部は、コンベアベルト130と、接続部材160とを含み、当該コンベアベルト130は、当該能動駆動アセンブリと受動駆動アセンブリに接続され、当該能動駆動アセンブリは、コンベアベルトを駆動して時計回り又は反時計回りに回転させる。当該接続部材60は、コンベアベルト130に取り付けられるとともに、移動部材を接続する。当該コンベアベルト130は、能動駆動アセンブリの駆動で移動部材を駆動して水平に往復移動させる。
【0063】
当該接続部材160は、対向して設置された側板161と、側板間に位置する底板162とを有するU字形板である。当該側板間の幅は、当該コンベアベルトの幅より大きく、当該U字形板は、開口を下向きにして吊り下げられる方式で当該コンベアベルトに取り付けられる。当該U字状の板には、対向する側板161に移動部材を接続するためのスナップ溝1611が設けられる。
【0064】
当該コンベアベルト130は、着脱可能なコンベアベルトであり、当該コンベアベルト130の二つの着脱可能な端には、それぞれコンベアベルト取付穴131が設けられる。当該U字形板の底板162の対応する位置には、底板取付穴1621が設けられ、ネジが上記の底板取付穴1621及びコンベアベルト取付穴131を貫通することにより、U字形板160とコンベアベルト130とを接続して固定する。
【0065】
当該接続部材160は、ラックベルト163をさらに含む。当該ラックベルト163は、当該コンベアベルトのU字形板とは反対側に設けられ、当該ラックベルトには、当該コンベアベルトのコンベアベルト取付穴131に対応する位置にラックベルト取付穴1631が設けられる。ネジは、U字形板の底板取付穴1621、コンベアベルト取付穴131、及びラックベルトのラックベルト取付穴1631を順次貫通してコンベアベルト130と接続部材160とを取り付けて固定する。
【0066】
当該モータは、マイクロモータであり、当該駆動輪及び従動輪は、同期プーリであり、当該コンベアベルトの内面には、ラックギアが設けられる。当該ラックギアは、同期プーリの表面に噛み合い、ラックベルト163は、コンベアベルト130の表面のラックギアに噛み合い、ラックベルト163とU字形板の底板162とによってコンベアベルト両側からコンベアベルトを挟持する。
【0067】
当該駆動制御システムは、リミットセンサ180をさらに含む。当該リミットセンサ180は、ブラケット181を介して取付プラットフォーム110に取り付けられ、かつ接続部材160が移動する二つのリミット位置に設けられ、当該リミットセンサ180は、当該駆動部に接続され、接続部材160が移動するリミット位置を制御する。
【0068】
図6に示すように、ロック解除装置は、上記の駆動制御システムを含み、移動部190とロック解除部193とをさらに含む。
【0069】
当該移動部190は、移動ガイドレール191と、移動シート192とを含む。ロック解除部193は、上記の移動シート192に取り付けられ、電気自動車のロック機構をロック解除する。ロック解除部193は、ガイドレール91上を移動することができる。
【0070】
当該移動シート192にスナップバー1921が取り付けられ、当該ロック解除装置は、当該スナップバー1921を当該接続部材のスナップ溝1611に挿入することによって駆動制御システムに接続される。
【0071】
当該スナップ溝1611は、水平方向に延びる幅を有し、スナップバー1921をスナップ溝の幅範囲内で水平移動させるため、当該スナップ溝1611の幅は、当該スナップバー1921の幅より大きい。
【0072】
当該駆動制御システムの動作プロセスについて以下に説明する。
【0073】
モータ151が駆動輪150を回転駆動すると、コンベアベルトが駆動されて左へ走行し、接続部材160によってロック解除部193が駆動されて左へ移動する。リミットセンサ180によってロック解除部193が検出されると、モータ151が停止する。このとき、ロック解除部193のスナップバー1921は、車両の自重によって、車両のバッテリパックのロックを解除する。このロック解除プロセスでは、接続部材160のスナップ溝1611によってロック解除部193がロック機構の軌跡に自在に追従して動くことにより、バッテリパックのロックを解除する。
【0074】
バッテリパックのロックが解除された後、ソフトウェアからの命令によってモータ151が逆回転して、右へ移動するようにロック解除部190を駆動する。他方のリミットセンサ180によってロック解除部190が検出されると、モータ151が停止する。この位置は、ロック解除後にバッテリパックが取り外される場合にロック解除部190が位置する回避位置である。
【0075】
また、弾性部材144を利用することにより、コンベアベルト130が疲労によって伸びた場合、制限板142と従動輪ブラケット端板122との間に位置する圧縮されたばね144がテンションブラケット120を押して固定板141の方向に移動させ、ばね144の弾性力がコンベアベルトの張力と釣り合うと、コンベアベルト130がテンション状態に復元される。モータが異常負荷を受けた場合、弾性部材144によってコンベアベルト130が自動で歯をスキップすることにより、モータを保護する。
【0076】
本実施例のロック装置は、実施例1のロック装置とほぼ同じであり、本実施例のロック解除機構が、本実施例のロック解除装置を含む点で異なっている。本実施例のバッテリ交換移動プラットフォームは、実施例1のバッテリ交換移動プラットフォームとほぼ同じであり、本実施例のバッテリ交換移動プラットフォームのバッテリ取付部の上面に本実施例のロック解除装置が取り付けられている点で異なっている。本実施例の高速バッテリ交換システムは、実施例1の高速バッテリ交換システムとほぼ同じであり、本実施例の高速バッテリ交換システムが本実施例のバッテリ交換移動プラットフォームを含む点で異なっている。
【0077】
ここまで、当業者は、本文において本発明の複数の例示的な実施例を詳細に示して説明したが、本発明の趣旨と範囲を逸脱せず、本発明に開示された内容に基づいて、本発明の原理に適合する他の多くの変形または修正を直接的に特定又は導出可能であることを認識することができる。したがって、本発明の範囲は、すべての変形または修正を網羅するものとして理解および見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9