(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230425BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20230425BHJP
H10N 30/20 20230101ALI20230425BHJP
H10N 30/88 20230101ALI20230425BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/03 400Z
H10N30/20
H10N30/88
(21)【出願番号】P 2021500694
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2019051998
(87)【国際公開番号】W WO2020011403
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】102018116912.4
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018126473.9
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518379278
【氏名又は名称】テーデーカー エレクトロニクス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ホプファー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】カストル,ハラルト
(72)【発明者】
【氏名】ネウウィルス,ダニエール
(72)【発明者】
【氏名】プヒライトネル,ロマン
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/095900(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/046201(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/057340(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/060011(WO,A1)
【文献】特開2013-080483(JP,A)
【文献】特表2000-502210(JP,A)
【文献】米国特許第08854319(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0127881(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
H10N 30/20
H10N 30/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作要素と、
圧電アクチュエータを有する、触覚信号を生成するための素子と、
を備えるアセンブリであって、
前記素子は、前記操作要素の下に配置されており、前記操作要素に振動を生成するように構成されており、
前記操作要素は、ハウジング壁の領域であ
り、
前記素子は機械的増幅要素を備え、
前記機械的増幅要素は、前記圧電アクチュエータの、長手方向における長さ変化によって、前記機械的増幅要素の領域を前記長手方向に対する垂直方向に移動させるように、前記圧電アクチュエータに固定されており、
前記機械的増幅要素は、ストリップ形状の金属ブラケットであり、
前記金属ブラケットは、2つの端部領域と、2つの端部領域の間に配置されたサブパーツとを含み、端部領域はアクチュエータの表面上に直接置かれ、サブ領域はクリアランスによってアクチュエータの表面から離間しており、
前記機械的増幅要素は、凹部が形成されておらず、一定の壁強度を有する、
アセンブリ。
【請求項2】
前記操作要素及び触覚信号を生成するための前記素子はユニットを構成している、
請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータは、前記操作要素の作動の結果として変形し、その際、前記操作要素の前記作動を検出するように構成されている、
請求項1又は2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジング壁は、前記操作要素として機能する前記領域において、他の領域よりもより大きな機械的変形可能性を有する、
請求項1乃至3いずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記操作要素として機能する前記領域の前記ハウジング壁は、他の領域よりもより薄い、及び/又は
前記操作要素として機能する前記領域の前記ハウジング壁は、少なくとも1つのノッチによって前記ハウジング壁の残りの領域から分離されている、
請求項1乃至4いずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記操作要素を形成する前記ハウジング壁の前記領域上に、作動機能を示すシンボルが配置されている、
請求項1乃至5いずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項7】
触覚信号を生成するための前記素子は、前記操作要素と後壁との間にクランプされている、
請求項1乃至6いずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記後壁の剛性は、前記圧電アクチュエータの剛性よりもより大きい、及び/又は、
前記圧電アクチュエータの剛性は、前記操作要素の剛性よりもより大きい、
請求項7記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記操作要素及び前記後壁は、相互に堅固に接続されている、
請求項7又は8記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記触覚信号を生成するための素子は、前記操作要素及び/又は前記後壁に取り付けられている、
請求項7乃至9いずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項11】
触覚信号を生成する複数の素子を備え、前記複数の素子は、それぞれ1つの圧電アクチュエータを有し、アレイとして隣り合って配置されている、
請求項1乃至
10いずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項12】
各前記圧電アクチュエータは、残りの前記圧電アクチュエータとは別個に読み取られ、駆動制御されることができる、
請求項
11記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記素子の前記アレイは、前記操作要素のジェスチャ制御を認識するように構成されており、
電子機器は、評価ユニットを備え、
前記評価ユニットは、前記圧電アクチュエータのそれぞれにおいて生成された電圧を読み取り、前記圧電アクチュエータにおいて生成された電圧から、それぞれの前記圧電アクチュエータにかけられた圧力プロファイルを推定し、前記圧力プロファイルを前記ジェスチャ制御のジェスチャに変換するように構成されている、
請求項
11又は
12記載のアセンブリ。
【請求項14】
操作要素として使用されるように構成された領域を備えるハウジング壁と、
それぞれ1つの圧電アクチュエータを有する、触覚信号を生成するための複数の素子であって、アレイとして隣り合って配置されており、前記複数の素子は前記ハウジング壁の前記領域の下方に配置されている、複数の素子と、
各前記圧電アクチュエータにおいて、生成された電圧を読み取り、前記圧電アクチュエータにおいて生成された電圧からそれぞれの前記圧電アクチュエータにかけられた圧力プロファイルを推定するように構成されている評価ユニットと、
を備え、
前記素子は機械的増幅要素を備え、
前記機械的増幅要素は、前記圧電アクチュエータの、長手方向における長さ変化によって、前記機械的増幅要素の領域を前記長手方向に対する垂直方向に移動させるように、前記圧電アクチュエータに固定されており、
前記機械的増幅要素は、ストリップ形状の金属ブラケットであり、
前記金属ブラケットは、2つの端部領域と、2つの端部領域の間に配置されたサブパーツとを含み、端部領域はアクチュエータの表面上に直接置かれ、サブ領域はクリアランスによってアクチュエータの表面から離間しており、
前記機械的増幅要素は、凹部が形成されておらず、一定の壁強度を有する
、アセンブリ。
【請求項15】
各前記圧電アクチュエータは、残りの前記圧電アクチュエータとは別個に読み取られ、駆動制御されることができる、
請求項
14記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記評価ユニットは、前記圧力プロファイルをジェスチャ制御のジェスチャに変換するように構成されている、
請求項
14又は
15記載のアセンブリ。
【請求項17】
請求項1乃至
16いずれか1項記載のアセンブリを備える、医療機器。
【請求項18】
請求項1乃至
16いずれか1項記載のアセンブリを備える、産業用機械。
【請求項19】
請求項1乃至
16いずれか1項記載のアセンブリを備える、厨房機器。
【請求項20】
請求項1乃至
16いずれか1項記載のアセンブリを備える、電子気化機器。
【請求項21】
請求項1乃至
16いずれか1項記載のアセンブリを備える、電子機器。
【請求項22】
携帯電話、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、又は、フィットネス、心拍数、睡眠若しくは健康トラッカーである、請求項
21記載の電子機器。
【請求項23】
請求項1乃至
16いずれか1項記載のアセンブリを備える、スタイラス。
【請求項24】
前記触覚信号を生成するための素子は、前記スタイラスのタッチチップを振動させるか、又は
前記触覚信号を生成するための素子は、前記スタイラスのハウジングの領域を振動させる、
請求項
23記載のスタイラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作要素と、触覚信号を生成するための素子と、を備えるアセンブリ、及び、触覚信号を生成するための複数の素子を備えるアセンブリに関する。さらに、本発明は、かかるアセンブリをそれぞれ備える、医療機器、産業用機械、厨房機器、電子気化機器、電子機器、及びスタイラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話、タブレット、ラップトップ、又は入力ペン、所謂スタイラスなどの電子機器の機械的な操作要素は、より良い操作性のために、接触感応性の触覚フィードバックが搭載されるようになってきている。触覚フィードバックは、操作要素をスライドさせたり、持ち上げたりすることで発生させることができる。ここでは、主に所謂パチニ小体や他のユーザの圧力受容体を刺激するために、数マイクロメートルの範囲のシフトと数ミリ秒の振動時間(Ausschlagszeiten)が所望される。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、小さな所要空間(Platzbedarf)で触覚信号を生成することができる素子が設けられた、改良されたアセンブリを提供するという課題を解決する。さらなる課題は、触覚信号を生成するための複数の素子を有する、改良されたアセンブリを提供することである。
【0004】
これらの課題は、独立請求項の対象物によって解決される。
【0005】
操作要素と、触覚信号を生成するための素子と、を備えるアセンブリであって、素子は圧電アクチュエータを有し、操作要素の下に配置されており、操作要素に振動を生成するように構成されている、アセンブリが提案されている。
【0006】
本明細書では、操作要素とは、アセンブリ又はアセンブリを備える機器のユーザが、制御命令をアセンブリ又は他のコンポーネントに与えることができる任意の要素を指すことができる。操作要素は、例えば、ボタンなどの機械的要素であることができる。操作要素は、ユーザの接触によって作動する機器の任意の要素であることができる。それは、例えば、プッシュボタン、ロータリーボタン、レギュレーター、又は電子機器の表面の接触感応性領域であることができる。
【0007】
触覚信号を生成するために圧電アクチュエータを使用することは、顕著な利点を提供する。圧電アクチュエータは短い応答時間と減衰時間とを有する。したがって、触覚信号を生成する時点や期間を非常に正確に決定することができる。さらに、圧電アクチュエータに印加する周波数及び電圧を変化させることで、操作要素が振動する振幅と周波数を決定することができる。このようにして、操作要素において異なる触覚信号を生成することを可能にすることができる。
【0008】
特に、素子は、操作要素の直ぐ下に配置することができる。その際、操作要素と素子とは、互いに当接し接触することができる。特に、素子の機械的増幅要素は、操作要素の下端部に当接することができる。本明細書では、下端部とは、操作要素を操作する際にユーザが触れる操作要素の面又は側から離れた方向を向いている面又は側を指すことができる。
【0009】
圧電アクチュエータは、アンバランスモータやリニア共振器などの振動を発生させるための他のコンポーネントに比べて、小さい体積を有する。このように、素子に圧電アクチュエータを使用することで、非常に小さな所要空間を有する素子を構成することができる。したがって、素子は、小型化に関する高い要求を満たすことができる。
【0010】
一実施形態によれば、制御要素と触覚信号を生成するための素子は、ユニットを形成することができる。本明細書では、「ユニット」とは、全体的に機器内に組み込まれることができる構造単位又はモジュールを指すことができる。特に、操作要素がハウジングの領域である実施形態では、操作要素と素子とがユニットとして形成されることができる。他の実施形態でも、操作要素と素子とは、ユニット又はモジュールとして形成されることができる。例えば、アセンブリがスタイラスで使用される場合、操作要素と触覚信号を生成するための素子とはユニットを形成することができる。
【0011】
圧電アクチュエータは、操作要素の作動(Betaetigung)の結果として変形し、その際、操作要素の作動を検出するように構成されていてもよい。したがって、触覚信号を生成するための素子は、操作要素の作動を認識する(erkennt)センサとして用いられることもできる。このように、コンポーネントは二重の機能を有することができる。電子機器において、触覚信号を生成するためと、操作要素の作動を認識するための、別個のコンポーネントは、省略されることができる。
【0012】
操作要素はボタンであることができる。例えば、所謂ホームボタンであることができる。また、操作要素は、機器の側方ハウジング壁に配置されたボタンであることができる。
【0013】
あるいは、操作要素は、ハウジング壁の領域又は操作要素として機能する機器の他の任意の表面(Oberflaeche)の領域であることができる。ハウジング壁又は他の表面の領域が操作要素として使用される場合、ハウジング壁の開口は必要とされず、それに応じて、通常かかる開口を封止するシーリングを省略することができる。従来の操作要素、例えばハウジング壁に設けられたボタンの場合、通常、水、埃、又は汚れの侵入からハウジングを保護するためにシーリングが必要である。シーリングを省略することで、電子機器の製造を簡素化し、電子機器のコストを低減することができる。
【0014】
ハウジング壁は、操作要素として機能する領域において、他の領域よりも大きな機械的変形可能性を有することができる。これにより、振動が、操作要素として機能するハウジング壁の領域に制限されて留まることを確実にすることができる。ユーザに快適な使用体験を提供するためには、電子機器全体が振動するのではなく、操作要素のみが振動することが望ましい。
【0015】
ハウジング壁は、操作要素として機能する領域では、別の領域よりもより薄いことができる。あるいは又はさらに、操作要素として機能するハウジング壁の領域は、少なくとも1つのノッチ(Kerbe)によってハウジング壁の他の領域から分離されることができる。ノッチ及びより薄い構成は、それぞれ、操作要素として機能するハウジング壁の領域に、振動を局所的に閉じ込めることを可能にすることができる。
【0016】
操作要素を形成するハウジング壁の領域には、シンボルが配置されることができる。シンボルは作動機能を示すことができる。作動機能はその領域を押圧することでトリガされることができる。例えば、作動機能は、音量(Lautstaerke)を上げ又は下げるものであることができる。
【0017】
触覚信号を生成するための素子は、操作要素と後壁との間にクランプされることができる。その際、操作要素は、特にハウジング壁の領域であることができる。また、後壁は、ハウジング壁の内部領域によって形成されることができる。操作要素は、隙間のない制御表面であってもよい。
【0018】
後壁の剛性は、圧電アクチュエータの剛性よりもより大きいことができる。したがって、圧電アクチュエータが振動すると、後壁は振動しないか、又は少なくともわずかな程度にしか振動しない。あるいは又はさらに、圧電アクチュエータの剛性は、操作要素の剛性よりもより大きいことができる。したがって、圧電アクチュエータの振動が操作要素に伝達されることができる。操作要素及び後壁の剛性は、とりわけ、それらのそれぞれの厚さによって決定される。操作要素は、後壁よりもより小さい厚さを有することができる。これは、操作要素の剛性が後壁の剛性よりもより小さくなるという影響を与えることができる。操作要素の剛性は、圧電アクチュエータの剛性の1%~50%であることができる。
【0019】
剛性は工学力学(Technischen Mechanik)における量である。これは、力又はモーメントによる弾性変形に対するボディの抵抗力を説明している。ここで言及した剛性は、特に、対応する要素の曲げ剛性であることができる。
【0020】
操作要素が、圧電アクチュエータ及び後壁よりもより小さい剛性を有することで、圧電アクチュエータを振動させたときに、操作要素のみ、又は少なくともほぼ操作要素のみが変形することを確実にすることができる。このようにして、触覚信号の強度を最大化することができる。操作要素の厚さ、及び操作要素と後壁との間の接続部の適切な選択は、操作要素のばね作用を最適化することができる。
【0021】
操作要素及び後壁は相互に堅固に接続されることができる。例えば、操作要素及び後壁は、ネジ止めされることができる。あるいは、操作要素及び後壁は、一体的に形成され、例えば、単一のハウジング壁の異なる領域から形成されることができる。その際、操作要素は、ハウジング壁の外向きの領域によって形成され、後壁は、ハウジング壁の内向きの領域によって形成されることができる。ハウジング壁は、操作要素を形成する領域と後壁を形成する領域とを隔てる中空空間を有することができる。中空空間内には、触覚信号を生成するための素子が配置されることができる。
【0022】
触覚信号を生成するための素子は、操作要素及び/又は後壁に取り付けられることができる。特に、素子は、接着接続によって操作要素及び/又は後壁に取り付けられることができる。操作要素及び後壁の少なくとも一方に素子を取り付けることで、稼働時の素子の滑りを防止することができる。
【0023】
素子は、機械的増幅要素を備え、機械的増幅要素は、長手方向におけるアクチュエータの長さ変化によって、機械的増幅要素の領域を長手方向に垂直な方向に移動させるように、圧電アクチュエータに固定されている。アクチュエータは、その長手方向がハウジング壁と平行になるように配置されることができる。長手方向は、操作要素の操作方向に対して垂直であることができる。長手方向は、積層方向に対して垂直であることができる。このように、機械的増幅要素により、d31効果に由来する圧電アクチュエータの長さ変化は、長さ変化に垂直な往復運動又は引き上げ運動(Hubbewegung)に変換することができる。その際、往復運動は、長さ変化よりも実質的により大きな振幅を有することができる。例えば、往復運動の振幅は、長さ変化の振幅の5倍~40倍であることができる。特に、往復運動の振幅は、長さ変化の振幅の10~20倍であることができる。このように、アクチュエータを増幅要素と組み合わせることで、著しくより強い操作要素の振動を生じさせることができる。
【0024】
増幅要素は、金属製のブラケットであることができる。金属は、例えば、チタンであることができる。チタンは、熱膨張係数が圧電アクチュエータの熱膨張係数に非常に近いため、温度変化の際に機械的応力が発生しないという利点がある。
【0025】
機械的増幅要素は、凹部がなく(frei von Einkerbungen)、一定の壁強度(Wandstaerke)を有することができる。増幅要素に凹部を設けないことは、増幅要素の製造を容易にすることを可能にすることができる。特に、機械的増幅要素の厚さが、増幅要素の変形を過度に阻害しない程度に小さい場合には、機械的増幅要素は凹部を有さないべきである。代替的な実施形態では、増幅要素は、機械的増幅要素の変形に対する機械的抵抗を減少させる少なくとも1つの凹部を有することができる。特に、増幅要素の変形が多くの力を必要とする厚さを有する増幅要素の場合、増幅要素での凹部の使用は有用である。凹部が増幅要素の変形を容易にすることができるからである。
【0026】
機械的増幅要素は、圧電アクチュエータに接着接続されることができる。
【0027】
電子機器は、触覚信号を発生させるための複数の素子を備えることができ、複数の素子は、それぞれが圧電アクチュエータを有し、アレイ状に隣り合って配置されることができる。その際、アレイは、一列の構成要素から構成されていてもよい。あるいは、アレイは、m個の列とn個の行を有するm×nの行列を形成するように配置された素子から構成されることができ、ここでmとnは任意の自然数である。複数の素子は、操作要素の下、特に、操作要素の直ぐ下に配置されることができる。
【0028】
触覚信号を生成するための複数の素子を組み合わせることで、様々な利点を得ることができる。これにより、複数の素子の振動を利用することができるので、より強力な触覚信号を生成することができる。素子が、操作要素の作動を検出するためのセンサとして追加的に使用される場合、操作要素が作動したという事実に加えて、複数の素子のアレイを使用することで、操作要素のどの位置で作動が行われたかを決定されることもできる。
【0029】
各圧電アクチュエータは、残りアクチュエータとは別個に読み取られ、駆動制御されることができる。これにより、各アクチュエータは別個に、センサとして、及び触覚フィードバックを生成するために使用されることができる。
【0030】
素子のアレイは、操作要素のジェスチャ制御を認識するように構成されることができる。電子機器は、評価ユニットをさらに備え、評価ユニットは、各圧電アクチュエータにおいて、生成された電圧を読み取り、圧電アクチュエータにおいて生成された電圧から、それぞれのアクチュエータにかけられた圧力プロファイルを推定し、圧力プロファイルをジェスチャ制御のジェスチャに変換するように構成されている。したがって、触覚信号を生成するために使用される1つの素子を、制御ジェスチャを認識するためにも使用することが可能となる。
【0031】
さらなる態様によれば、本発明は、触覚信号を生成するための複数の素子を備えるアセンブリであって、素子はそれぞれ圧電アクチュエータを有し、素子はアレイとして隣り合って配置されている。アセンブリは、評価ユニットをさらに備え、圧電アクチュエータのそれぞれで生成された電圧を読み取り、圧電アクチュエータで生成された電圧から、圧電アクチュエータに印加される圧力プロファイルを推定するように構成されることができる。複数の素子は、本発明の第1態様に関連して記載された素子であることができる。特に、素子は、第1態様に関連して記載された機械的増幅要素を備えることができる。
【0032】
各圧電アクチュエータは、残りのアクチュエータとは別個に読み取られ、駆動制御されることができる。評価ユニットは、圧力プロファイルをジェスチャ制御のジェスチャに変換するように設計されることができる。
【0033】
さらなる態様によれば、本発明は、上述のいずれかのアセンブリを有する医療機器に関する。医療装置は、超音波診断装置であってもよい。あるいは、医療機器は、手術台であってもよい。その際、操作要素は、例えばボタンなどの手術台上に配置された操作要素、又は、手術台の接触感応性領域であることができる。
【0034】
さらなる態様によれば、本発明は、上述したアセンブリのうちの1つを備える産業用機械に関する。本発明の産業用機械は、例えば、CNCフライス盤(CNC-Fraese)であることができる。触覚信号を生成するための素子は、触覚信号を生成するためにCNCフライス盤の操作要素を振動させることができる。
【0035】
さらなる態様によれば、本発明は、上述したいずれかのアセンブリを有する厨房機器に関する。厨房機器は、例えば、レンジ(Herd)やミキサー(Mixer)などであることができる。その際、操作要素は、例えばボタンなどのレンジ上に配置された要素であるか、又は、レンジプレートの接触感応性の領域であることができる。
【0036】
さらなる態様によれば、本発明は、上述のいずれかのアセンブリを有する電子気化機器に関する。電子気化装置は、例えば、電子タバコであることができる。
【0037】
別の側面によれば、本発明は、上述のいずれかの配置からなる電子装置に関する。電子デバイスは、例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、又はフィットネス、心拍数、睡眠若しくは健康トラッカーであってもよい。
【0038】
さらなる態様によれば、本発明は、上述のいずれかのアセンブリを有するスタイラスに関する。スタイラスは、電子機器の入力ペンと称されることもできる。スタイラスはタッチペンとも称される。スタイラスとは、タッチスクリーンやタブレットの操作に用いられるペンのことである。
【0039】
触覚信号を生成するための素子は、触覚信号を生成するために、スタイラスのタッチチップ(Tastspitze)を振動させることができる。あるいは又はさらに、触覚信号を生成する素子は、触覚信号を生成するために、スタイラスのハウジングの領域を振動させることができる。その際、スタイラスのタッチチップは運動しないままでいる(unbewegt bleiben)ことができる。
【0040】
以下では、本発明の好ましい実施形態を、図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】触覚信号を生成するための素子を斜視図で示す図である。
【
図5】さらなる電子機器の一部を模式的に示す図である。
【
図6】さらなる実施形態による従った電子デバイスを示す図である。
【
図7】さらなる実施形態による電子デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は触覚信号を生成するための素子1を斜視図で示す。
図2は素子1の側面を示す。
図3は素子1の表面の上面図を示す。
【0043】
素子1は圧電アクチュエータ11及び2つの機械的増幅要素13a,13bを示す。素子1は特に、操作信号を検出し、触覚信号を生成するための電子機器に使用されることができる。あるいは、素子は、例えば、医療機器、産業用機械、厨房機器、電子気化機器、又は、スタイラスなどの、操作信号を検出し、触覚信号を生成する他の機器に使用されることもできる。
【0044】
圧電アクチュエータ11は、積層方向Sにおいて交互に上下に積層された内部電極21及び圧電層22からなる積層体を備える。圧電アクチュエータ11は、第1端面24上に配置された第1外部電極23及び第2端面上に配置された第2外部電極を備える。内部電極21は、積層方向Sにおいて交互に、第1外部電極23又は第2外部電極23とコンタクトしている、
【0045】
圧電層22は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)セラミックスであることができる。PZTセラミックスは、さらにNd及びNiを含むことができる。あるいは、PZTセラミックスは、Nd、K、及び場合によってはCuをさらに含むことができる。あるいは、圧電層22は、Pb(ZrxTi1-x)O3+yPb(Mn1/3Nb2/3)O3を含有する組成を有することができる。
【0046】
内部電極21は、銅を含有するか、銅からなる。
【0047】
圧電アクチュエータ11は矩形状である。その際、基底面は、その面法線が積層方向Sに向いている面である。基底面は長方形である。基底面の長辺は、圧電アクチュエータ11の長さLを画定し、基底面の短辺は圧電アクチュエータ11の幅Bを画定する。
【0048】
圧電アクチュエータ11は5mmと20mmとの間の長さLを有し、2mmと8mmとの間の幅Bを有する。第1実施例によれば、圧電アクチュエータ11は、12mmの長さLを有し、4mmの幅Bを有する。第2実施例によればm圧電アクチュエータ11は、9mmの長さLを3.75mmの幅Bを有する。
【0049】
積層方向における圧電アクチュエータ11の広がりは、圧電アクチュエータの高さHを画定する。圧電アクチュエータ11の高さHは、200μmと1000μmとの間にある。例えば高さHは第1及び第2実施例において、それぞれ500μmである。
【0050】
アクチュエータ11は2つの絶縁領域12を有する。それぞれの絶縁領域12はアクチュエータ11の端部領域に形成されている。特に、それぞれの絶縁領域12はアクチュエータの端面(Stirnflaeche)24の領域に形成されている。
【0051】
絶縁領域12において、一方の極性の内部電極21のみがアクチュエータ11の端面24まで達する。絶縁領域12はアクチュエータ11のコンタクトに使用されることができる。例えば、それぞれの絶縁領域12は、電気的コンタクトのための外部電極23が設けられることができる。
【0052】
また、アクチュエータ11は、電圧が印加された際にアクチュエータ11の変形(方向R1における膨張)が起こるように構成されている。特に、圧電層22は、内部電極21間に電圧を印加することにより、アクチュエータ11の横方向収縮を生じさせ、アクチュエータ11の長さが積層方向Sに垂直に変化するように分極されている。その結果、アクチュエータの膨張は、電界方向及び分極方向に対して横方向に生じる(d31効果)。
【0053】
積層方向Sにおける長さ変化の効果を強化するために、装置は2つの増幅要素13a,13bを有する。アクチュエータ11に電圧が印加されると、増幅要素13a,13bは少なくとも部分的にアクチュエータ11の膨張の変化に続いて、後に詳述するように変形する。特に、両増幅要素13a,13bは、増幅要素13a,13bのそれぞれ1つの部分領域17a、17bが、アクチュエータ11の長さの変化にしたがって、積層方向Sにおいて往復運動(Hubbewegung)を行うように寸法決めされて、アクチュエータ11と接続されており、往復運動の振幅はアクチュエータの長さの変化の振幅よりも大きい。
【0054】
アクチュエータ11は、増幅要素13a,13bの間に配置されている。増幅要素13a,13bは、それぞれアクチュエータ11の上面25と下面26に少なくとも部分的に置かれている。
【0055】
それぞれの増幅要素13a,13bは一体的に形成されている。それぞれの増幅要素13a,13bは矩形状を有する。それぞれの増幅要素13a,13bはストリップ形状を有する。それぞれの増幅要素13a,13bは湾曲又は屈色して形成されている。それぞれの増幅要素13a,13bは弓状に形成されている。例えば、それぞれの増幅要素13a,13bは板状ストリップを有する。それぞれの増幅要素13a,13bはチタンを含有するか、又はチタンからなる。板状ストリップは、以下で詳細に述べるように、屈曲している。
【0056】
一体型の各増幅要素13a,13bは、複数の領域又は区画に分割されている。このように、各増幅要素13a,13bは、部分領域又は第1領域17a,17bを有する。各部分領域17a,17bは、第1区間又は中間領域19a,19bを有する。
【0057】
部分領域17a,17bは、さらに、2つの第2区画又は接続領域20a,20bをそれぞれ有する。それぞれの増幅要素13a,13bの2つの接続領域20a,20bは、それぞれの増幅要素13a,13bの中間領域19a,19bに直接隣接している。すなわち、それぞれの増幅要素13a,13bの中間領域19a,19bは、換言すると、両側を両接続領域20a,20bによって囲まれている。
【0058】
各増幅要素13a,13bは、さらに2つの端部領域18a,18bを有する。端部領域18a、18bは、それぞれの増幅要素13a、13bの接続領域20a、20bに直接接続する。換言すると、それぞれの接続領域20a,20bは、端部領域18a,18bを増幅要素13a,13bの中間領域19a,19bに接続する。
【0059】
それぞれの増幅要素の両端部領域18a,18bは、アクチュエータ11の表面上に直接置かれている。このように、第1増幅要素13の第1及び第2端部領域18aは、アクチュエータ11の上面25の部分領域上に置かれている。さらに、第2増幅要素13bの第1及び第2の端部領域18bは、アクチュエータ11の上面25又は下面26の部分領域上に置かれている。
【0060】
好ましくは、端部領域18a,18bは、アクチュエータ11の表面に解除不可能(unloesbar)に接続されている。特に、端部領域18a,18bは、接着接続部15によってアクチュエータ11の表面に接続されている。
【0061】
それぞれの部分領域17a,17bは、アクチュエータ11の表面から離間して配置されている。特に、それぞれの部分領域17a,17bとアクチュエータ11の下面26又は上面25との間に、クリアランス領域16が配置されている。クリアランス領域16は高さhを有する。アクチュエータ11と部分領域17a,17bとの間のクリアランス高さhは、0.2mmから2.0mmの間であり、第1実施形態では0.75mmであり、第2実施形態では0.4mmであり、クリアランス高さhは、アクチュエータ11に電圧が印加されず、増幅要素13a,13bに外力が印加されていない場合の部分領域17a,17bと圧電アクチュエータ11との間の最大距離を示している。
【0062】
クリアランス領域16の高さhは、それぞれの部分領域17a,17bに沿って変化する。例えば、それぞれの部分領域17a,17bの中間領域19a,19bは、アクチュエータ11の表面と平行になるように形成されている。このように、クリアランス領域16の高さhは、中間領域19a,19bの領域で最大となる。一方、それぞれの接続領域20a,20bは、アクチュエータ11の表面に対して斜めに延在する。換言すると、それぞれの接続領域20a,20bは、アクチュエータ11の上面25又は下面26と、角度をなしている。好ましくは、角度は45°以下である。したがって、クリアランス領域16の高さhは、中間領域19a,19bからそれぞれの増幅要素13a,13bの端部領域18a,18bに向かう方向に減少する。したがって、それぞれの増幅要素13a,13bは、湾曲した形状を有している。
【0063】
本明細書に示されていない代替的な実施形態では、それぞれの増幅要素13a,13bは、増幅要素のそれぞれの領域の間に、少なくとも1つの薄肉部、好ましくは複数の薄肉部(Ausduennungen)を有することができる。
【0064】
機械的増幅要素13a,13bは、0.1mmと0.4mmとの間の厚さを有するチタン板である。
例えば、板は0.2mmの厚さを有する。ここに記載された範囲の板厚さの場合、往復運動を実行するために必要な板の変形を小さな力で引き起こすことができる。したがって、薄肉部によって板の変形性を高める必要はない。したがって、シートには、薄肉部や凹部がなくてもよい。
【0065】
それぞれの増幅要素13a,13bの平坦な中間領域19a,19bは、1.5mmと5.0mmとの間の長さを有することができる。第1実施形態では、中間領域19a,19bは3.5mmの長さである。第2実施形態では、中間領域は2.5mmの長さである。端部領域18a,18bは1.0mmと0.5mmとの間の長さであることができる。第1及び第2実施例では、端部領域18a,18bはそれぞれ0.7mmの長さである。0.5mmより短い長さは選択されるべきではない。なぜなら、さもなければ、端部領域18a,18bとアクチュエータ11と間の接着接続部15が十分に強く形成されることができないからである。
【0066】
アクチュエータ11及び両増幅要素13a,13bからなる素子の全体高さは、5.0mmと1.0mmとの間にあることができる。第1実施例では、全体高さは2.4mmである。第2実施例では、全体高さは1.7mmである。
【0067】
電子機器及び他の機器にも素子を使用するために、小型化は重要な考慮事項である。上述の寸法を有する本明細書に記載された素子によって、触覚信号を生成し、その際、非常に小さいスペース要件しか有さない素子が提供される。上述の寸法を有する素子は、例えば携帯電話又は時計ハウジングの側壁のところのボタンの下に配置され得る。
【0068】
60Vの印加電圧において、第1実施例では、25μmの自由振り出し又は往復(eine freie Auslenkung, beziehungsweise ein Hub)及び3.5Nのブロック力(Blockierkraft)となる。剛性は0.14N/μmである。第2実施例では、60Vの印加電圧において、15μmの自由振り出し又は往復、及び2.5Nのブロック力となる。剛性は0.16N/μmである。
【0069】
ここで、アクチュエータ11に電圧が印加されると、それぞれの増幅要素13a,13bの部分領域17a,17bは、アクチュエータ11に対して相対的に第2方向R2に移動する。第2方向R2は、第1方向R1に対して垂直である。第2方向R2は、積層方向Sに沿った方向である。
【0070】
特に、中間領域10a,19bは第2方向R2に移動する。その際、それぞれの増幅要素13a,13bは、中間領域19a,19bと接続領域20a、20bとの間、並びに接続領域20a,20bと端部領域18a,18bとの間の遷移部で屈曲する。
【0071】
一方、第2方向R2における端部18a,18bの移動は、アクチュエータ11との接着接続部15によって阻止されている。むしろ、端部領域18a,18bは、アクチュエータ11と共に第1方向R1に移動する。したがって、端部領域18a,18bと部分領域17a,17bとの間には相対的運動がある。
【0072】
図4は、圧電アクチュエータ11と増幅要素13a,13bからなる触覚信号を生成するための素子1が操作要素2の下に配置された配置を模式的に示している。
【0073】
このアセンブリは、例えば、ハウジング壁3を有する電子機器に使用することができる。操作要素2は、ハウジング壁3に配置されている。制御要素2は、ボタンである。操作要素2は、電子機器のユーザによって押圧されることで操作されることができる。圧電アクチュエータ11及び2つの増幅要素13a,13bからなる素子1は、操作要素2の直ぐ下に配置されている。これにより、圧電アクチュエータ11の上面25上に配置された増幅要素13aが直接、操作要素2に当接する。
【0074】
操作要素2が押圧されると、操作要素2は増幅要素13aに力をかける。増幅要素13aにかけられる力によって、増幅要素13aは変形し、特に、端部領域18a,18bは第1方向R1において互いに離れるように移動する。増幅要素13aにかけられる力と、それに伴う増幅要素13aの変形とによって、圧電アクチュエータ11も長手方向にも変形するように、増幅要素13aが圧電アクチュエータ11に取り付けられている。その結果、圧電アクチュエータ11に電圧が発生する。この電圧は検出されることができ、このようにして、操作要素2の作動を推定することができる。このために、圧電アクチュエータ11には、圧電アクチュエータ11で発生する電圧を評価するマイクロコントローラが接続されることができる。このように、圧電アクチュエータ11は、操作要素2の作動を認識するセンサとして、電子機器において使用されることができる。
【0075】
さらに、圧電アクチュエータ11は、触覚信号を生成するものであることができる。アクチュエータ11に電圧が印加されると、アクチュエータ11は長手方向に変形し、それに伴って増幅要素13aが往復運動を行う。操作要素2の直接下に素子1が配置されていることに基づいて、増幅要素13aが往復運動を行う際に、操作要素2も往復運動を行う。その結果、操作要素2の振動を発生させることができ、これはユーザによって操作要素2上の触覚信号として知覚される。例えば、この触覚信号は、ユーザが操作要素2の作動を確認できる触覚フィードバックとして使用されることができる。
【0076】
図5は、別の機器の一部を示す概略図である。
図5に示す実施例では、圧電アクチュエータ11と増幅要素13a,13bとからなる素子1は、電子機器の操作要素2の下方に配置されている。操作要素2は、ハウジング壁の領域4である。
【0077】
ハウジング壁の下に圧電アクチュエータを配置することによって、ハウジング壁そのものを操作要素として用いることができるようになる。
図5に示すように、指やペンで押されると、ハウジング壁は変形する。その結果、ハウジング壁の直接下に配置されたアクチュエータも変形し、
図4を参照して説明した実施例と同様の方法でハウジング壁の作動は認識されることができる。
【0078】
圧電アクチュエータ11は、さらに、操作要素2として使用されるハウジング壁3の領域4を振動させ、それによって触覚信号を発生させるために使用されることができる。
【0079】
ハウジング壁3自体が操作要素2として使用されると、ハウジング内を埃、汚れ、水から保護するようにハウジング壁3内に配置された操作要素2を構成するために、他の場合にはしばしば必要とされるシールが不要になるという利点が生じる。
【0080】
図4に示すボタンなどの、市販の操作要素2は、通常、数グラムの低質量を有している。操作要素2と素子1とが、まとまって、簡略化されたバネ質量システム(Feder-Masse-System)を形成している。共振周波数f
0(=固有周波数/1回きりの励起の際のバネ質量単システムの自由スイング)は次のようになる。
【0081】
【数1】
ここで、Dは剛性であり、mはシステムの質量である。
【0082】
また、操作が、上述したように、ハウジング壁3を介して直接行われる場合には、素子1とハウジングとを有するシステム全体を考慮しなければならない。この場合、共振周波数が、素子1のハウジング内への組み込みに大きく依存するため、説明がより複雑になる。ここでは、ハウジング全体が振動するのではなく、可能であれば、素子1の上にあるハウジング壁3の領域のみが振動するようにしなければならない。
【0083】
図6は、さらなる実施形態による機器を示す。
図5に示す実施形態と比較して、操作要素2として使用される領域4のハウジング壁3は、操作要素2として使用されない領域5のハウジング壁3よりも低い壁強度で仕上げられている。操作要素2として使用される領域4におけるハウジング壁3の強度がより小さいことによって、ハウジング壁3からアクチュエータ11へのより良好な圧力伝達を提供することができる。また、ハウジング壁3の領域4は、その減少した厚さのため、
図5に示す機器よりもより大きな機械的変形性を有する。したがって、領域4には、アクチュエータ11によって、より強い振動を与えられることができ、したがってより強い触覚信号が発生する。さらに、ハウジング壁3の領域4、5の異なる厚さのために、操作要素2として機能しないハウジング壁3の領域5が振動させられないことだけでなく、振動が局所的に制限されたままである、ことを保証することができる。したがって、領域4の薄い形態により、振動に関して、領域4をハウジング壁の他の領域5から隔離することが可能となる。
【0084】
代替的に又は付加的に、操作要素2として機能するハウジング壁3の領域4は、1つ以上の切り欠き(Kerben)によって、ハウジング壁3の他の領域5から分離されていてもよい。これは、振動の局所的な制限をもたらすこともできる。
【0085】
図7は、さらなる実施形態によるアセンブリを示す。本実施形態においても、ハウジング壁3の領域4が操作要素2として使用される。触覚信号を発生させるための複数の素子1は、ハウジング壁の領域の下にアレイ状に配置されている。
【0086】
それぞれのアクチュエータ11の上面25に配置された機械的増幅要素13aは、ハウジング壁3の内側面に当接している。アレイ内の各圧電アクチュエータ11を個別に駆動制御し、個別に読み出すことができる。このように、操作要素2の作動を認識するだけでなく、操作要素2がどの位置で作動しているかを認識することも可能である。これにより、ジェスチャ制御の認識が可能となることができる。例えば、指又はペンが操作要素2の上でスワイプされた場合に、認識することができる。具体的には、操作方向と操作速度を認識することができる。
【0087】
ユーザがジェスチャ制御によって機器を操作する場合、例えば、指又はペンをアクチュエータ11の上の操作要素2として提供されたハウジング壁3の領域4上を移動させることによって、それぞれの圧力及び移動速度に応じて、異なる圧力プロファイル、したがって、異なる電圧がそれぞれのアクチュエータ11に印加される。これらの信号は、アクチュエータ11に接続されたマイクロコントローラによって、対応するジェスチャに変換されることができる。
【0088】
例えば、アクチュエータ11は、電子機器の側方ハウジング壁3の下に設けられ、音量アップ/ダウンボタンに代わるものであることができる。なお、一方向へのスワイプは「音量アップ」機能に相当し、反対方向へのスワイプは「音量ダウン」機能に相当することができる。
【0089】
圧電アクチュエータ11のアレイの使用は、さらに、異なる位置で操作要素2上に局所的に触覚信号を生成することを可能にする。複数の圧電アクチュエータ11は、触覚信号を生成するためにいくつのアクチュエータ11が使用されるかに応じて、異なる強度の触覚信号を生成することができる。これにより、例えば、触覚信号の強度を、音量に関する情報をユーザに提供するように適合させることが可能になり、例えば、触覚信号の強度は、音楽の音量に比例することができる。
【0090】
図8は、上述したアセンブリを有するスタイラス27を示している。スタイラス27は、ペン状の入力及び/又は出力機器である。特に、スタイラス27は、操作表面28のためのペン状の入力及び/又は出力機器として使用されることができる。操作表面28は、例えば、携帯電話やタブレットの画面であることができる。また、例えば、操作表面28は、例えばコンロなどの厨房機器又は例えば手術台などの医療機器などの接触感応面であることができる。また、操作表面28は、例えばテーブルトップ又はガラス板などのプレートであることもできる。この場合、プレートは、拡張現実アプリケーションの枠組みで使用されることができる。さらに、操作表面28は、仮想表面であることもできる。
【0091】
スタイラス27は、ユーザに触覚信号を送ることを可能にする上述のアセンブリを有している。触覚信号を発生させるために、タッチチップ29又はスタイラス27の基体30の領域のいずれかを振動させる。その結果、ユーザにおいて触覚的印象が生成され得る。例えば、ユーザには、スタイラス27が表面上を移動するような印象を与えることができる。そのために、スタイラス27は、表面上のスタイラス27の移動の触覚的印象をユーザに与える振動を生成するように構成された触覚信号を生成するための少なくとも1つの素子1を有する上述のアセンブリを有している。
【0092】
スタイラス27は、2つの異なる動作モードで使用することができる。第1動作モードは、「再生モード(Wiedergabemodus)」とも称される。その際、圧電アクチュエータ11は、ユーザに触覚の印象を与える振動を生成するために使用される。また、第2動作モードは、「読込モード(Einlesemodus)」とも称される。その際、スタイラス27は表面に沿って案内される。その際、表面によってスタイラス27に及ぼされる力は、スタイラス27によって、特に圧電アクチュエータ11又はそれに接続された電子機器によって認識され、そこから計算された表面プロファイルが記憶される。「再生モード」では、例えば、「読込モード」に記憶された表面プロファイルを再現する触覚信号を生成することができる。
【0093】
図8に示すスタイラス27は、圧電アクチュエータ11を有する、触覚信号を発生させるための素子1と、操作要素2とを有するユニット31を備える。
図8では、図示を容易にするために、素子1は図示していない。操作要素2は、スタイラス27のハウジング壁3の領域4である。触覚信号を発生させる場合には、圧電アクチュエータ11は、そのためにハウジング壁3の領域4を振動させることができる。
【0094】
さらに、スタイラス27は、タッチチップ29を構成する。タッチチップ29は、スタイラス27の使用時に操作表面28に面するスタイラス27の筆記端部(Schreib-Ende)に配置されている。タッチチップ29は、センシングユニットを形成することができる。タッチチップ29内には、近接センサ及び/又は他の電子素子が配置されることができる。
【0095】
さらに、スタイラス27は、基体30を有する。基体30は、アセンブリを収容する。さらに、基体30内には、駆動制御電子機器、電源、及び各種センサが配置されることができる。センサは、その際、例えば、加速度センサ及び/又は変位センサ及び/又は近接センサを含むことができる。駆動制御電子機器は、圧電アクチュエータ11を駆動制御するように構成されることができる。その際、駆動制御電子機器によって圧電アクチュエータ11に印加される信号は、センサによって捕捉される測定データを考慮して適合されることができる。
【0096】
図9は、第2の実施形態に従ったスタイラス27を示す。第2実施形態では、スタイラス27は、触覚信号を生成するための複数の素子1を有する。素子1は、それぞれスタイラス27の基体30内に配置されている。素子1は、スタイラス27のハウジング壁3に近接して配置されている。第2実施形態によるスタイラス27のさらなる特徴は、
図8で示されるスタイラス27に対応する。
【0097】
【0098】
触覚信号を発生させるための素子1は、操作要素2と後壁32との間にクランプされている。操作要素2は、ハウジング壁3の領域4によって形成されている。後壁32は、ハウジング壁3のさらなる領域によって形成されている。また、後壁32と操作要素2とは、互いにネジ止めされた、あるいは、互いに強固に接続されたハウジング部分によって形成されることができる。
【0099】
操作要素2と後壁32との間には、中空空間33が配置されている。触覚信号を発生させるための素子1は、中空空間33内に配置されている。素子1は、圧電アクチュエータ11と2つの増幅要素13a,13bとからなる。増幅要素13bの一方は、接着層34によって後壁32に接着されている。
【0100】
操作要素2は、スリットの無い操作表面である。操作表面は、ユーザに対して、視認可能であり、操作可能である。操作表面上には、例えば音量(Lautstaerke)を増大させ又は低減させるような、特定の操作機能を表すシンボルが配置される。
【0101】
典型的には、後壁32の剛性は、圧電アクチュエータ11の剛性よりもはるかに大きい。それどころか、アクチュエータ11の剛性は、ここではダイヤフラムとして表され得るハウジングの肉薄部によって形成された操作要素2の剛性よりも大きい。ダイヤフラムの剛性の典型的な値は、アクチュエータ11の剛性の1%~50%の範囲である。
【0102】
上記構成によれば、薄肉部のみが確実に変形するので、ユーザへの触覚フィードバックの強度を最大限に高める最大化することができる。また、厚さ又は、薄肉部と後壁32との接続部を変化させることで、薄肉部のバネ効果を最適化することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 素子(Bauteil)
2 操作要素(Bedienelement)
3 ハウジング壁(Gehaeusewand )
4 ハウジング壁の領域(Bereich der Gehaeusewand)
5 ハウジング壁の領域(Bereich der Gehaeusewand)
11 圧電アクチュエータ(Piezoelektrischen Aktuator)
12 絶縁領域(Isolationsbereich)
13a 増幅要素(Verstaerkungselement)
13b 増幅要素(Verstaeaerkungselement)
15 接着接続(Klebeverbindung )
16 クリアランス領域(Freibereich)
17a,17b 部分領域(Teilbereich)
18a,18b 端部領域(Endbereich)
19a,19b 部分領域の第1セクション/中間領域(Erster Abschnitt des Teilbereichs/mittlerer Bereich)
20a,20b 部分領域の第2セクション/接続領域(Zweiter Abschnitt des Teilbereichs/Verbindungsbereich)
21 内部電極(Innenelektrode)
22 圧電層(Piezoelektrische Schicht)
23 外部電極(Aussenelektrode)
24 端面(Stirnflaeche)
25 上面(Oberseite)
26 下面(Unterseite)
27 スタイラス(Stylus)
28 操作表面(Bedienoberflaeche)
29 タッチチップ(Tastspitze)
30 基体(Grundkoerper)
31 ユニット(Einheit)
32 後壁(Rueckwand)
33 中空空間(Hohlraum)
34 接着層(Klebeschicht )
B アクチュエータの幅(Breite des Aktuators)
h クリアランス領域の高さ(Hoehe des Freibereichs)
H アクチュエータの高さ(Hoehe des Aktuators)
L アクチュエータの長さ(Laenge des Aktuators)
R1 第1方向(Erste Richtung)
R2 第2方向(Zweite Richtung)
S 積層方向(Stapelrichtung)