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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】液状体検出装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20230425BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230425BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20230425BHJP
   B05C 21/00 20060101ALI20230425BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20230425BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C11/00
B05C21/00
G01B11/00 Z
A45D34/04 550
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021515747
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2019018134
(87)【国際公開番号】W WO2020217524
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 素樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 基治
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】岡村 武則
(72)【発明者】
【氏名】穴井 一成
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503749(JP,A)
【文献】特開平08-323271(JP,A)
【文献】特開平04-027552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00- 5/04
7/00-21/00
G01B11/00-11/30
A45D34/00-34/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体吐出部と、
前記液状体吐出部が吐出した液状体を検出するセンサと、
前記センサを前記液状体の吐出方向に交差する方向に移動させるセンサ移動部と、を備え、
前記センサを前記交差する方向に複数備え、
前記センサ移動部は、複数の前記センサを移動させ
前記センサ移動部は、
複数の前記センサを保持する保持部材と、
前記保持部材を移動する駆動部と、を備え
前記液状体吐出部は、
吐出する液状体を貯蔵する貯蔵部と、
前記液状体を吐出するプッシュポンプと、備え、
前記駆動部は、前記プッシュポンプを押圧して前記液状体を吐出させる押圧部と連動する
状体検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯蔵タンクに貯蔵している化粧料等を、自動で吐出して供給するディスペンサが知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2016/029104号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ディスペンサから液状体を吐出する際に、液状体を貯蔵している貯蔵タンクから、実際に液状体が吐出されたかどうか検出しておらず不明であった。
【0005】
本発明の一実施形態は、液状体吐出装置において、液状体が吐出されたことを安定して検出することができる装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の液状体検出装置は、液状体吐出部と、前記液状体吐出部が吐出した液状体を検出するセンサと、前記センサを前記液状体の吐出方向に交差する方向に移動させるセンサ移動部と、を備え、前記センサを前記交差する方向に複数備え、前記センサ移動部は、複数の前記センサを移動させ、前記センサ移動部は、複数の前記センサを保持する保持部材と、前記保持部材を移動する駆動部と、を備え、前記液状体吐出部は、吐出する液状体を貯蔵する貯蔵部と、前記液状体を吐出するプッシュポンプと、を備え、前記駆動部は、前記プッシュポンプを押圧して前記液状体を吐出させる押圧部と連動する。

【発明の効果】
【0007】
液状体吐出装置において、液状体が吐出されたことを安定して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る液状体吐出システムの一例の全体構成図である。
図2】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の全体図である。
図3】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の容器の斜視図である。
図4】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の内部構成を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の内部構成を示す斜視図である。
図6】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の内部構成を示す上面図である。
図7】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の吐出機構の詳細を示す斜視図である。
図8】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の機能ブロック図である。
図9】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の吐出検出装置の拡大図である。
図10】本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の吐出検出装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
<液状体吐出システム1>
図1は、本実施形態に係る液状体吐出システム1の一例の全体構成図である。
【0011】
本実施形態に係る液状体吐出システム1は、液状体吐出装置100、情報処理端末200、サーバ装置300、を備える。液状体吐出装置100、情報処理端末200、サーバ装置300は、ネットワーク400を介して、接続されている。液状体吐出装置100については後で説明する。情報処理端末200は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯端末である。情報処理端末200により、使用者の情報等をサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、サーバとしての処理を行う情報処理装置(コンピュータ)である。サーバ装置300は、液状体吐出装置100の使用者や液状体吐出装置100の状態について管理する。また、サーバ装置300は、情報処理端末200により送られてきた使用者の情報等や一般に公開されている気象情報等に基づいて、液状体吐出装置100をどのように動作させるかを決定する。
【0012】
本実施形態の液状体吐出システム1では、液状体吐出装置100は、サーバ装置300からネットワーク400を介して、液状体吐出装置100の動作についての情報(動作情報)を受信する。そして、液状体吐出装置100は、受信した動作情報に基づいて処理を行う。さらに、液状体吐出装置100は、受信した動作情報に基づいて処理した結果をサーバ装置300に送信する。そして、サーバ装置300は、液状体吐出装置100の状態等について情報を更新する。
【0013】
なお、図1では、それぞれ1台の液状体吐出装置100、情報処理端末200、サーバ装置300がネットワーク400に接続されているが、それぞれの台数については、図1の台数に限らない。例えば、複数台の液状体吐出装置100と情報処理端末200が、一つのサーバ装置300に接続してもよい。また、サーバ装置300の処理を分散して複数のサーバ装置300で処理を行うようにしてもよい。さらにまた、液状体吐出装置100をネットワーク400に接続せずに、液状体吐出装置100単独で動作させるようにしてもよい。
【0014】
<液状体吐出装置100>
次に、液状体吐出装置100について説明する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の全体図である。図2(A)は、液状体吐出装置100の上面図(平面図)、図2(B)は液状体吐出装置100の正面図、図2(C)は、液状体吐出装置100の側面図である。また、図2(D)は、液状体吐出装置100の斜視図である。
【0016】
液状体吐出装置100は、上面部101、上部筐体102、下部筐体103、底面部104を備える。液状体吐出装置100は、略円筒形の形状である。下部筐体103は、手挿入部105を備える。また、下部筐体103は、手挿入部105の上部に、抽出口106、人体感知センサ107を備える。手挿入部105に使用者が手を挿入すると、人体感知センサ107が手を検知する。人体感知センサ107が手を感知すると、後述する容器500の内部に貯蔵された貯蔵液(液状体)が、抽出口106から吐出される。液状体吐出装置100は、容器用蓋108を備える。容器用蓋108は。上面部101と上部筐体102にまたがって、設けられている。使用者は、容器用蓋108を開けて、容器用蓋108を開けた部分から露出される後述する容器500を交換する。また、液状体吐出装置100は、上面部101に、ボタン(スイッチ)109を備える。使用者がボタン109を押すと、液状体吐出装置100の動作を開始する。
【0017】
<容器500>
次に容器500について説明する。
【0018】
図3は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の容器500の斜視図である。
【0019】
容器500は、例えば、乳液やセラム等の化粧品等の液状体(貯蔵液)を貯蔵する容器である。なお、乳液は、例えば、朝用や夜用にそれぞれ複数の種類の乳液を用いることができる。また、セラムは、例えば、酸化防止用、乾燥防止用、ストレス軽減用等の複数種類のセラムを用いることができる。
【0020】
本実施形態の容器500は、本体510、蓋520、を備える。本体510には、貯蔵液(液状体)が貯蔵されている。蓋520は、本体510に螺合等により取り付けられる。蓋520は、フランジ521、プッシュボタン(押圧部材)522、パイプ524と、を備える。パイプ524のプッシュボタン522の反対側の端部には、貯蔵液(液状体)が吐出される吐出口526を備える。プッシュボタン522が押圧されると、容器500内の液状体(貯蔵液)が吐出される。
【0021】
なお、容器500の本体510が、貯蔵部の一例である。また、蓋520のプッシュボタン522により、容器500はプッシュポンプとして機能する。
【0022】
容器500は、本体510の底面部に、RFIDタグ550を備える。RFIDタグ550は、それぞれの容器500に付された固有識別子や容器500に貯蔵されている液状体(貯蔵液)の商品種別の情報、液状体の有効期限、残量等を記憶する。容器500がRFIDタグ550を備えることにより、容器500に貯蔵されている液状体(貯蔵液)の使用期限や使用量の管理、容器500の誤挿入の防止、偽造品の流通防止、容器500及び容器500に貯蔵されている液状体(貯蔵液)のトレーサビリティの確保等を行うことができる。
【0023】
なお、本実施形態の容器500では、RFIDタグ550を用いているが、容器500の情報を記録する手段としては、RFIDタグに限らない。例えば、バーコード等を用いてもよい。
【0024】
本実施形態の容器500は、プッシュボタン522が下になるように、後述する液状体吐出装置100の回転テーブル110の容器収納部120に収納される。具体的には、容器500は、矢印Iの方向に容器収納部120へ挿入されることにより、容器収納部120に収納される。
【0025】
<回転テーブル110>
図4図5は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の内部構成を示す斜視図である。図4図5は、上部筐体102と上部筐体102内部の一部を取り除いて、回転テーブル110を露出した状態の図である。図4は、容器500が、容器収納部120に収納されていない状態の図である。図5は、容器500が、容器収納部120に収納された状態の図である。
【0026】
本実施形態の液状体吐出装置100は、上部筐体102の内部、下部筐体103の上部に、回転テーブル110を備える。回転テーブル110は、回転軸112を中心に、上部筐体102、下部筐体103に対して相対的に矢印Aの方向又は矢印Aとは反対方向に回転する。なお、本実施形態の液状体吐出装置100では、回転テーブル110を用いて、容器500を回転移動させているが、移動方法については回転に限らない。例えば、水平に直線上を容器収納部120が移動する移動テーブルを用いてもよい。このように、回転テーブル110は、上部筐体102、下部筐体103に対して相対的に移動可能となっている。なお、回転テーブル110は、移動テーブルの一例である。
【0027】
回転テーブル110は、容器500を収納する容器収納部120を備える。容器収納部120は、回転軸112を中心とする円周の円周方向に等間隔に配置される。本実施形態の回転テーブル110は、容器収納部120を合計5カ所に備える。それぞれの容器収納部120を容器収納部121、122、123、124、125と表す。容器収納部121には、容器501が収納される。同様に、容器収納部122、123、124、125には、それぞれ容器502、503、504、505が収納される。なお、上記の説明では、各容器収納部120に対して特定の容器500が収納されているが、各容器収納部120には、どの容器500でも収納可能になっている。また、容器収納部120に収納した容器500のパイプ524は、回転テーブル110の回転軸112に対して容器収納部120より外側になるように収納される。
【0028】
回転テーブル110の容器収納部120は、容器500を固定する固定構造(図省略)を備える。容器500は、容器収納部120に収納している際に、図5の垂直上方向に移動しないように、固定構造により固定されている。
【0029】
それぞれの容器500は、回転テーブル110が回転することにより、上部筐体102、下部筐体103に対して回転する。
【0030】
図6は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の内部構成を示す上面図である。図6は、容器500が容器収納部120に収納された状態の回転テーブル110を上側から見た図である。図6(A)は、容器500(容器501)が抽出口106の上部に位置している状態を表している。なお、図6(A)は、図5の液状体吐出装置100を、上側から見た図である。抽出口106の上部の容器501の位置を吐出位置PosAという。本実施形態の液状体吐出装置100においては、容器500は合計5本容器収納部120に収納されうるので、回転テーブル110が回転軸112回りに72°回転することにより、容器501、502、503、504、505が、順次吐出位置PosAの位置に来ることになる。
【0031】
図6(B)は、図6(A)で示す状態から、回転テーブル110が、矢印Aの方向に36度回転した状態を表している。図6(B)は、容器501と容器502の中間部分が、抽出口106の上部に位置している状態を表している。回転軸112に対して、吐出位置PosAの反対側の位置(図6(B)において容器504の位置)を交換位置PosBという。図6(B)では、図6(A)で示す回転テーブル110が36°回転することにより、容器504(500)も36°回転してPosBの位置となる。なお、容器用蓋108を開けると、交換位置PosBにある容器500が外に露出される。使用者は、交換位置PosBにある容器500を別の容器500と交換することができる。
【0032】
このように、本実施形態の液状体吐出装置100では、回転テーブル110を回転軸112回りに36°ごとに回転する構成とすることにより、各容器501~505を順次吐出位置PosA又は交換位置PosBの位置とすることができる。
【0033】
本実施形態の液状体吐出装置100では、図6のように、吐出位置PosAと交換位置PosBとは、平面視(上面視)において位置が異なる。
【0034】
<吐出機構130>
図7は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の吐出機構130の詳細を示す斜視図である。
【0035】
液状体吐出装置100は、回転テーブル110の吐出位置PosAに対応する位置に吐出機構130を備える。本実施形態に係る吐出機構130は、吐出用モータ131、減速機132、カム133、摺動部材134、固定部材135を備える。吐出用モータ131の回転軸は、減速機132に接続する。減速機132は、カム133と接続する。減速機132は、吐出用モータ131の回転を減速して、カム133を回転させる。カム133は、略扇状の偏心カムである。カム133は、摺動部材134の減速機132側の面に設けられた凹部1341に挿入される。カム133が回転すると、カム133が凹部1341の内面と接触することにより、摺動部材134を上下に摺動させる。固定部材135は、摺動部材134を上下に摺動させるように保持しながら、摺動部材134を固定する部材である。
【0036】
回転テーブル110は、容器500を吐出位置PosAに移動する。吐出位置PosAにある容器500のプッシュボタン522の位置と摺動部材134の先端部136の位置は、上面視で一致する。摺動部材134が容器500の方向(上方向)に摺動すると、摺動部材134の先端部136は、容器500のプッシュボタン522に接触し、容器500のプッシュボタン522を容器500の本体510方向に押圧する。容器500の本体510と蓋520は、動かないように不図示の固定構造により固定されている。したがって、容器500のプッシュボタン522が押圧されることによって、容器500に貯蔵される貯蔵液(吐出液)が吐出される。なお、液状体吐出装置100は、プッシュボタン522を押圧する回数によって、貯蔵液(吐出液)の量を制御する。
【0037】
なお、容器500が液状体吐出部の一例である。また、吐出機構130が押圧部の一例である。
【0038】
<制御装置140>
図8は、本実施形態に係る液状体吐出装置100の一例の機能ブロック図である。
【0039】
液状体吐出装置100は、制御装置140を備える。制御装置140は、液状体吐出装置100の動作を制御する。制御装置140は、装置制御部141、通信制御部142、回転制御部143、吐出制御部144、位置検出部145、吐出検出部146、入出力部147、RFID制御部148を備える。
【0040】
装置制御部141は、装置全体の制御を行う。
【0041】
通信制御部142は、液状体吐出装置100と、情報処理端末200やサーバ装置300との通信の制御を行う。通信制御部142は、液状体吐出装置100に備えられた通信部180を制御する。通信部180は、通信制御部142の制御に基づいて、ネットワーク400を介して、情報処理端末200やサーバ装置300と通信を行う。なお、通信部180による通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信や無線LAN(Local Area Network)による通信、LTE(Long Term Evolution)等の携帯通信等により行う。
【0042】
回転制御部143は、回転テーブル110の回転を制御する。回転テーブル110は、回転用モータ113に接続される。回転制御部143は、回転用モータ113の回転を制御することにより、回転テーブル110の回転を制御する。
【0043】
吐出制御部144は、液状体(貯蔵液)の吐出の制御を行う。吐出制御部144は、吐出機構130の吐出用モータ131の回転を制御することにより、液状体(貯蔵液)の吐出の制御を行う。
【0044】
位置検出部145は、所定の容器500が、所定の位置、例えば、吐出位置PosA又は交換位置PosB、にあるかどうかを検出する。位置検出部145は、液状体吐出装置100に備えられた位置検出装置150の検出結果より、所定の容器500の位置を検出する。
【0045】
吐出検出部146は、吐出位置PosAにある容器500から、液状体(貯蔵液)が、吐出されたかどうかを検出する。吐出検出部146は、液状体吐出装置100に備えられた吐出検出装置160の検出結果より、液状体(貯蔵液)が、吐出されたかどうかを検出する。
【0046】
入出力部147は、使用者からの入力を受け付けや使用者への情報の出力を行う。入出力部147は、ボタン109の押下を検出して、使用者からの入力を受け付ける。また、入出力部147は、LED駆動部170を制御して、液状体吐出装置100に備えられたLEDの発光を制御して、使用者へ情報の出力を行う。
【0047】
RFID制御部148は、容器500のRFIDタグ550に記録された情報の入力と出力を制御する。RFID制御部148は、液状体吐出装置100に備えられたRFIDリーダライタ190を制御して、容器500のRFIDタグ550からの情報の読み込みやRFIDタグ550への情報の書き込みを行う。
【0048】
なお、制御装置140の各機能は、不図示の記憶装置に読み出し可能に記憶されるプログラムによってCPU(Central Processing Unit)が動作することにより実現される。例えば、これらの各機能は、CPUを含むマイクロコンピュータにおけるハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。また、制御装置140を複数の処理装置に分けてもよいし、制御装置140に別の機能を取り込んでもよい。
【0049】
<液状体吐出装置100の動作>
サーバ装置300は、使用者の年齢、肌の特性、肌の状態等の個人の情報や使用する日の温度、湿度、天候等の環境情報、時刻情報等から、使用者が使用する液状体吐出装置100から吐出する液状体の種類と量を決定する。使用者は、液状体吐出装置100のボタン(スイッチ)109を押下すると、液状体吐出装置100はサーバ装置300にそして、サーバ装置300は、吐出する液状体の種類と量の情報(吐出液情報)を液状体吐出装置100に送信する。なお、手挿入部105に使用者が手を挿入した際に、液状体吐出装置100は、液状体吐出装置100が収納している容器500に対応した1種類又は複数種類の液状体を吐出する。液状体吐出装置100は、吐出液情報の量に基づいて、それぞれの液状体を吐出する。
【0050】
液状体吐出装置100の装置制御部141は、サーバ装置300から受信した吐出液状体情報から、液状体吐出装置100に収納された容器500(501、502、503、504、505)中のどの容器500の液状体を吐出するか特定する。そして、装置制御部141は、特定した吐出する容器500について、液状体をどれくらいの量を吐出するか、すなわち、プッシュボタン522を何回押圧するかを算出する。
【0051】
そして、手挿入部105に使用者が手を挿入すると、装置制御部141は、回転制御部143を制御することによって、液状体を吐出させたい容器500の容器収納部120を吐出位置PosAに回転移動させる。次に、装置制御部141は、吐出制御部144を制御して、容器500のプッシュボタン522を算出した回数押圧して、液状体を吐出する。
【0052】
<吐出検出装置160>
図9は、液状体吐出装置100の吐出検出装置160部分の拡大図である。また、図10は、本実施形態に係る液状体吐出装置の一例の吐出検出装置の機能ブロック図である。
【0053】
吐出検出装置160について説明する。吐出検出装置160は、3組のセンサ161、162、163と、当該センサ161、162、163を載置するプレート164と、プレート164を移動させるカムプレート165と、吐出検出装置制御部166とを備える。
【0054】
センサ161、162、163について説明する。本実施形態の吐出検出装置160のセンサ161、162、163は、容器500の吐出口526から液状体が吐出する方向(吐出方向)に対して、交差する方向に複数並んで設けられている。
【0055】
ここでは、センサ161について説明する。センサ161は、発光部1611と、受光部1612を備える。発光部1611は、発光素子を備える。発光素子としては、例えば、発光ダイオードである。発光部1611は、発光素子が発光した光を受光部1612に向けて出射する。受光部1612は、受光素子を備える。受光素子としては、例えば、フォトダイオードである。受光部1612は、発光部1611から出射した光を受光素子で受光する。なお、発光部1611と受光部1612との間の光が伝搬する領域が、センサ161のセンサ検知範囲である。
【0056】
発光部1611が出射する光は、液状体により吸収又は反射される波長の光である。したがって、発光部1611と受光部1612の間のセンサ検知範囲に、液状体がある場合には、発光部1611を出射した光は、液状体によって遮られることから受光部1612での受光量が減少する。このように、光の減少の有無によって、センサ検知範囲に液状体が吐出されたかどうかを検出することができる。
【0057】
なお、センサ162、163は、センサ161と同じセンサである。すなわち、センサ162、163は、それぞれ発光部1621、1631、受光部1622、1632を備える。センサ162、163の動作はセンサ161と同様である。
【0058】
次に、センサ161、162、163を載置するプレート164について説明する。プレート164は、発光部載置部1641、受光部載置部1642、開口部1643、を備える。発光部載置部1641には、センサ161、162、163の発光部1611、1621、1631が配置されている。受光部載置部1642には、センサ161、162、163の受光部1612、1622、1632が配置されている。発光部載置部1641と受光部載置部1642は、開口部1643をはさんで配置されている。このようにして、プレート164の開口部1643の上部が、センサ161、162,163それぞれのセンサ検知範囲となる。容器500の吐出口526から吐出された液状体は、開口部1643を通過して、抽出口106から吐出する。
【0059】
なお、本実施形態では、発光部載置部1641と受光部載置部1642のように、センサの発光部と受光部で、プレート164に載置する場所を変えているが、センサのセンサ検知領域が開口部1643の上部になるようにセンサが載置されていれば、受光部と発光部の配置を変更してもよい。例えば、開口部1643の一方側に、順にセンサの発光部、受光部、発光部を配置して、他方側に順にセンサの対応する受光部、発光部、受光部を配置してもよい。
【0060】
次に、プレート164を移動させるカムプレート165について説明する。
【0061】
カムプレート165は、斜め方向に形成された傾斜溝1651と横方向に形成された横溝1652を備える。傾斜溝1651には、吐出機構130の摺動部材134から突出した突起1342が嵌入されている。横溝1652には、吐出機構130の固定部材135から突出した突起1351が嵌入されている。また、カムプレート165の上部は、吐出機構130の固定部材135から突出した抑え部材1352により、上方向に移動しないように保持されている。
【0062】
液状体吐出装置100が液状体を吐出するときに、吐出機構130の摺動部材134が上方向に摺動する。摺動部材134が上方向に摺動すると、摺動部材134の突起1342が上方向に移動する。突起1342は、カムプレート165の傾斜溝1651に嵌入されていることから、突起1342が上に移動すると、カムプレート165の傾斜溝1651に沿って移動する。カムプレート165は、横溝1652に嵌入された固定部材135の突起1351と抑え部材1352によって、上下方向の動作は制限されている。したがって、突起1342が上に移動すると、カムプレート165の傾斜溝1651に沿って移動することによって、カムプレート165は横方向、すなわち、液状体の吐出方向と交差する方向、に移動する。そして、プレート164は、横方向、すなわち、液状体の吐出方向と交差する方向、に移動する。これにより、プレート164に設けられているセンサ161、162、163が横方向、すなわち、容器500の吐出口526から液状体が吐出する方向(吐出方向)に対して、交差する方向であって、センサ161、162、163が並ぶ方向と同じ方向に移動する。
【0063】
なお、プレート164がセンサを保持する保持部材の一例である。カムプレート165及び吐出機構130がセンサ移動部の一例である。また、吐出検出装置160が、液状体検出装置の一例である。
【0064】
このようにして、本実施形態の吐出検出装置160は、容器500から液状体を吐出する吐出機構130、詳細には、容器500のプッシュボタン522を押圧して液状体を吐出させる摺動部材134と、プレート164とは連動している。
【0065】
<作用・効果>
本実施形態の吐出検出装置160においては、吐出検出装置160は、液状体が吐出されたかどうかを検出するセンサ161、162、163を、容器500の吐出口526から液状体が吐出する方向(吐出方向)に対して、交差する方向に並べて配置している。それによって、例えば、本来であれば、センサ162で液状体を検出する場合に、例えば、吐出口526への液状体の付着等により吐出方向がずれて、センサ162のセンサ検知範囲からずれたとしても、センサ161又は163で検出すること可能となる。したがって、センサ161、162、163のように、センサを液状体の吐出方向と交差する方向に複数備えることにより、安定して液状体を検出することができる。
【0066】
また、本実施形態の吐出検出装置160のプレート164は、容器500の吐出口526から液状体が吐出する方向(吐出方向)に対して、交差する方向であって、センサ161、162、163が並ぶ方向と同じ方向(図9の矢印Mの方向)に移動する。
【0067】
プレート164を移動して、センサ161、162、163を移動することによって、センサ161と162の間、センサ162と163の間に、液状体の吐出方向がずれたとしても、液状体を検出することが可能となる。したがって、センサ161、162、163を移動させることにより、さらに安定して液状体を検出することができる。
【0068】
本実施形態の液状体吐出装置100では、プッシュポンプを構成している容器500を押圧する吐出機構130と、プレート164を移動させるカムプレート165が連動することにより、液状体の吐出にあわせて、センサを移動させることができる。それによって、液状体の検出を安定して検出することができる。
【0069】
さらに、液状体とセンサの移動を連動させることにより、液状体の吐出にあわせて、センサを移動させることが可能となり、液状体の検出を安定して検出することができる。
【0070】
本実施形態の液状体吐出システム1において、サーバ装置300は、液状体吐出装置100の状態を管理している。例えば、液状体吐出装置100の容器500に貯蔵されている液状体の残量を管理する。本実施形態の吐出検出装置160を用いることによって、液状体が吐出したことを検出することによって、残量の管理を正確に行うことができる。
【0071】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【0072】
例えば、吐出検出装置160のセンサの数は、3個に限らない。吐出検出装置160のセンサの数は、2個でもよいし、4個以上でもよい。
【符号の説明】
【0073】
100 液状体吐出装置
130 吐出機構
160 吐出検出装置
161 センサ
162 センサ
163 センサ
164 プレート
165 カムプレート
500 容器
510 本体
520 蓋
図1
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