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  • 特許-スパークギャップに点火するための配置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】スパークギャップに点火するための配置
(51)【国際特許分類】
   H01T 2/02 20060101AFI20230425BHJP
   F02P 3/01 20060101ALI20230425BHJP
   F02P 7/02 20060101ALI20230425BHJP
   F02P 13/00 20060101ALI20230425BHJP
   H01T 15/00 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
H01T2/02 F
F02P3/01 A
F02P7/02 301A
F02P7/02 301B
F02P13/00 301A
H01T15/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021516735
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2019074205
(87)【国際公開番号】W WO2020078622
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】102018125528.4
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019101448.4
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522067846
【氏名又は名称】デーン エスエー
【氏名又は名称原語表記】DEHN SE
【住所又は居所原語表記】Hans-Dehn-Strasse 1 92318 Neumarkt i.d.OPf. Deutschland
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュトラングフェルト ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ハース セバスティアン
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0160614(US,A1)
【文献】実開昭55-032655(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 2/02
F02P 3/01
F02P 7/02
F02P 13/00
H01T 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主電極(H2)に配置され、該主電極(H2)から絶縁されたトリガ電極(T)によってスパークギャップに点火するための配置であって、
前記トリガ電極(T)は、少なくとも1つの電圧スイッチング素子又は電圧監視素子(A)を介して他方の主電極(H1)に電気的に接続することができ、前記トリガ電極(T)と前記他方の主電極(H1)との間には空隙が存在し、
前記トリガ電極(T)は、絶縁層(I)と、いずれかの前記主電極(H1,H2)の材料より低導電率の材料(M)からなる層とともにサンドイッチ構造を形成しており、前記絶縁層(I)は、薄箔又はラッカー層として構成され、前記低導電率の材料(M)からなる層は、前記一方の主電極(H2)に接触又は載置されている配置において、
弱エネルギーの過電圧事象を前記主電極(H1,H2)間に形成されたスパークギャップを応答させずに放電するために、前記サンドイッチ構造の前記絶縁層(I)を点火領域よりも外側で前記絶縁層(I)の中の中断(U)によって中断し、前記トリガ電極(T)と低導電率の材料(M)とを導電接続し、及び/又は応答挙動に影響を与える電気部品を前記トリガ電極(T)と前記主電極(H2)との間に接続したことを特徴とする配置。
【請求項2】
前記絶縁層(I)の中断(U)によって前記トリガ電極(T)と前記層(M)との間の電気接続が形成されており、
前記層(M)の限られた導電率又は抵抗により過電圧事象の放電可能なエネルギー量が決まることを特徴とする請求項1記載の配置。
【請求項3】
前記電気部品は抵抗器(R)であることを特徴とする請求項1記載の配置。
【請求項4】
低エネルギー量の過電圧事象の場合には、電流は前記電気部品(R)及び/又は前記層(M)を通って前記主電極(H2)に流れ、
前記電気部品(R)及び/又は前記層(M)における電圧降下の大きさにより、過電圧が直接放電されるか、或いは、前記電圧降下によって点火領域又はフラッシュオーバー領域(Z)において前記絶縁部(I)のフラッシュオーバーが生じることで前記主電極(H1,H2)間のスパークギャップが点火されるかが決まることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配置。
【請求項5】
前記トリガ電極(T)は、箔プリント回路基板の導体トラックにより形成され、前記絶縁層(I)は、前記導体トラック上の絶縁カバー、特にラッカー層、により形成され、
前記絶縁カバーは、前記中断(U)のために露出しており、該露出領域が前記層(M)と接続していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の配置。
【請求項6】
前記層(M)は、導電性プラスチック材料からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の配置。
【請求項7】
前記層(M)は、炭素繊維を含有する材料からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載された、一方の主電極に配置され、該主電極から絶縁されたトリガ電極によってスパークギャップに点火するための配置であって、トリガ電極は、少なくとも1つの電圧スイッチング素子又は電圧監視素子を介して他方の主電極に電気的に接続することができ、一方の主電極と他方の電極との間には空隙が存在し、トリガ電極は、絶縁層と、いずれかの主電極の材料より低導電率の材料からなる層とともにサンドイッチ構造を形成しており、絶縁層は、薄箔又はラッカー層として構成され、低導電率の材料からなる層は、一方の主電極に接触又は載置されている配置に関する。
【背景技術】
【0002】
スパークギャップは、その挙動により、絶縁破壊型スパークギャップとスライド型スパークギャップとに区別することができる。これらのスパークギャップは、トリガ方式で実行可能であるが、非トリガ方式でも実行可能である。トリガ方式のスパークギャップの場合、主電極に加えて少なくとも1つのトリガ電極が存在する。トリガ方式のスパークギャップの場合の点火は、適宜絶縁されたトリガ電極の応答電圧が高くなる点火用変圧器を使って行われるか、或いは、点火用変圧器を用いずに主電極に対してトリガ電極を特定の配置で配置することによって行われる。
【0003】
トリガ方式のスパークギャップの場合、基本的に、その応答挙動は制御可能である。
【0004】
独国実用新案第20020771(U1)号明細書に記載された、過電圧によって生じる有害な外乱変数を放電するための耐圧連結されたスパークギャップ配置の場合、放電室内に部分スパークギャップを形成するための導電性ハウジングを介して、トリガ電圧を直接印加することができる。主電極間の主スパークギャップは、部分スパークギャップを介して点火される。さらに、この配置では、トリガ装置の一部として点火用変圧器が使われている。
【0005】
しかしながら、点火用変圧器はかなりの設置スペースを必要とする。さらに、二次側における点火用変圧器で生成された点火電圧の大きさは、一次側の電流変化di/dTによって変化する。このような電流パルスが十分な傾斜を有していない場合、二次側で生じる電圧は、安全にスパークギャップに点火するには不十分となる。
【0006】
トリガ電極が一方の主電極と接続していれば点火用変圧器を省略することができる。このような解決策では、点火処理において、一方の主電極とトリガ電極との間でスライディング放電が誘発され、一定時間後に該スライドディング放電が他方の主電極に到達して点火処理を誘発する。
【0007】
このような解決策は、例えば、独国特許第10146728(B4)号明細書に開示されている。
【0008】
このようなトリガ電極は、2つの主電極の一方と恒久的電気接接触している。これは、主電位のガルバニック絶縁がされていないことを意味する。このことから、トリガ回路内に電圧スイッチング素子を、例えばガスアレスタとして、接続しなくてはならない。
【0009】
一方の主電極に配置され、両主電極から絶縁されたトリガ電極を有する、スパークギャップに点火するための配置は、独国特許出願公開第102011102937(A1)号明細書からすでに知られており、この配置によれば、応答挙動を広範囲にわたって指定することができる。
【0010】
これに関して、一般的解決策は、絶縁層と、一方の主電極の材料より低導電率の材料からなる層とともにサンドイッチ構造を形成しているトリガ電極を有している。絶縁層は、薄箔又はラッカー層として構成されていることが好ましい。低導電率の材料からなる層は、一方の主電極に接触又は載置されている。
【0011】
サンドイッチ構造の層誘電体は、絶縁部の誘電体の第1部分静電容量と、誘電体である低導電率の材料の第2部分静電容量との直列接続として表されており、これらの部分静電容量は非常に低く選択されている。
【0012】
サンドイッチ構造の材料Mは一方の主電極の材料よりも導電性が劣ることが多い。点火アークは材料Mからなる層の厚みを介して延長される。
【0013】
トリガ電極と導電性が悪い材料からなる層との間の薄い絶縁部は、プリント回路基板によって実施可能であることが好ましい。このとき、トリガ電極は設けられた導体トラックに対応し、絶縁層はその上に配置されたラッカー層に対応するが、端面部には依然としてラッカー層は存在しない。
【0014】
独国特許出願公開第102011102937(A1)号明細書の開示内容を本願の主題として説明したが、これに記載された既知の解決策は、ホーンスパークギャップとして構成することが好ましい配置の基点領域でプラズマジェット又はプラズマビームを作成するものである。このビームにより、イオン化ガス及び電荷キャリアが強力且つ高速に意図的に移動する。この移送は、主電極間の主線の点火を大きく加速させるためのものであり、これにより、トリガ電極及びサンドイッチ構造の負荷を低減させることができるとともにスパークギャップの残留電圧が低下する。
【0015】
上述したプラズマジェットの効果は、好ましい方向のイオン化ガス流を発現させるという特徴がある。この先行技術によれば、ビームの発生だけでなく方向にも、主線の高速点火の効果が現れるような影響を与えるという手段を取ることができる。主電極間の空隙を越えるためには、提案されている、空隙距離を非常に効果的にイオン化することができるビームが特に適しており、結果として、上記の好ましいホーンスパークギャップの効果的な動作を確実にすることができる。電極配置並びに絶縁層及び低導電率の材料からなる層により、無作為にしか発生させられなかったプラズマジェットを好ましく方向付けすることができる。特に、低導電率の材料をガスの搬送に適したものとすることができ、これにより、プラズマジェットをより的を絞って生成することが可能になる。
【0016】
旧来の非絶縁式電流トリガ法と比較すると、独国特許出願公開第102011102937(A1)号明細書に記載された解決策は、主スパークギャップに非常に高速で点火することができるという利点を提供しており、これによりスパークギャップ配置の他の全ての部品へのエネルギー負荷が小さくなり、よって、これらを小型化することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、最小の比較的低エネルギーパルスの過電圧事象であってもスパークギャップ全体に点火するのに十分であるということは1つの欠点である。これにより、対応するサージアレスタ配置の好ましくない劣化が起こり得る。
【0018】
以上のことから、本発明の目的は、トリガ電極を使ってスパークギャップに点火するための改良された配置であって、プラズマジェット点火により得られる利点を利用するためにプラズマジェット点火の基本原理に立ち返る一方、低エネルギー量の過電圧事象の場合には、主電極間、特にホーンスパークギャップの主電極間の実際の過負荷範囲が作動しないようにすることで、この種のスパークギャップに適宜装備されるサージアレスタの早期劣化が生じないようにした配置の特定である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の目的は請求項1に記載の特徴の組み合わせにかかる配置によって達成され、下位請求項には少なくとも実用的な構成及び発展形態を示している。
【0020】
かくして、一方の主電極に配置され、該主電極から絶縁されたトリガ電極によってスパークギャップに点火するための配置を前提とする。
【0021】
トリガ電極は、少なくとも1つの電圧スイッチング素子又は電圧監視素子を介して他方の主電極に電気的に接続することができる。
【0022】
一方の主電極と他方の主電極との間には空隙が存在する。
【0023】
トリガ電極は、絶縁層と、いずれかの主電極の材料より低導電率の材料からなる層とともにサンドイッチ構造を形成している。
【0024】
絶縁層は、薄箔又はラッカー層として構成されることが好ましい。低導電率の材料からなる層は、一方の主電極に接触又は載置されている。
【0025】
本発明によれば、この配置は、さらに、エネルギー限界又はエネルギー閾値を決められるように形成されており、決定された限界値又は閾値未満では、弱エネルギーの過電圧事象は主電極間のスパークギャップを応答させずに放電される。限界値又は閾値を超えた場合には、これに応じて誘発される放電処理が主スパークギャップへの点火によって行われる。
【0026】
限界値又は閾値の決定及びこの決定のために設けられる手段については、引き続き、スパークギャップ自体に空間的且つ構造的に一体化させることができるものに立ち返ることのみが本発明の基本概念に含まれる。場合によっては必要となるハウジングフィードスルーのための付加的な外付け回路並びに他の構造的手段は除外するものとする。
【0027】
本発明によれば、弱エネルギーの過電圧事象を主電極間に形成されたスパークギャップを応答させずに放電するために、サンドイッチ構造の絶縁層は点火領域よりも外側で中断されている。或いは又は加えて、応答挙動に影響を与える電気部品がトリガ電極とスパークギャップに一体化された主電極との間に接続されている。
【0028】
絶縁層の中断によってトリガ電極と低導電率の層との間の電気接続が形成されており、過電圧事象の放電可能なエネルギー量は、低導電率の層の限られた導電率又は抵抗により決定することができる。その結果として、上述の限界値又は閾値を決定することができる。
【0029】
一実施形態として、上述の電気部品は、一体化させることができる小型の抵抗器である。
【0030】
エネルギー量が最小の過電圧事象、例えばバーストパルスは、基本的に、その低い又は最小のパルスエネルギーが低導電率の層で低減されるため、スパークギャップ全体の点火を生じさせることがない。
【0031】
過電圧又は過電圧事象のエネルギー量がより高い場合、スパークギャップ全体が実質的に遅れて点火される。パルスのエネルギーが所定レベルを超える場合、この高い電圧が低導電率の層で降下して補助点火スパークギャップが点火され、これにより主スパークギャップに点火することができる。遅れの度合いは、構造設計及び材料の大きさ又は材料の特性により影響を与えることができる。補助点火スパークギャップへの点火は、点火領域における絶縁部のフラッシュオーバーによって行われる。
【0032】
エネルギー量がより高い過電圧の場合、例えば、直接的又は間接的なフラッシュパルスの場合は、常に、先行技術から知られているように、主スパークギャップが比較的早く点火される。
【0033】
一つの好ましい形態としては、トリガ電極は、箔プリント回線基板の導体トラックにより形成され、絶縁層は、導体トラック上の絶縁カバー、特にラッカー層、により形成される。
【0034】
絶縁カバーは、上述の中断のために露出しており、導体トラックの露出部分を低導電率の層に接続することができる。
【0035】
低導電率の層は、導電性プラスチック材料で構成可能又は炭素繊維を含有する材料から形成可能であることが好ましい。
【0036】
以下、本発明について、例示的な実施形態に基づいて図面を使いながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】スパークギャップの主電極及びサンドイッチ構造の基本的配置の等価回路図であって、絶縁層と一方の主電極の材料より低導電率の材料からなる層とを備えたトリガ電極と、トリガ電極とこれに関連する主電極との間の抵抗器としての電気部品の並列接続とを含む等価回路図である。
図2図1と同様の図であるが、低エネルギー量の過電圧事象の場合にはスパークギャップ全体を応答させずに直接放電するために、トリガ電極が点火領域よりも外側で低導電率の材料の層に接触するように絶縁層が中断されている図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1及び図2に示した図は、主電極H2側が絶縁層Iで覆われた導電性を有するトリガ電極Tを備える。
【0039】
絶縁層Iの次に、低導電率の材料Mからなる層が覆っている。
【0040】
材料Mからなる層は、第2主電極H2の表面に載置されている。
【0041】
トリガ電極Tと主電極H1との間に接続部Aを介して外部素子を接続することができる。ここで設けられる手段には、例えば、ガスアレスタ、バリスタ、ダイオード等の電気部品が含まれる。
【0042】
主電極H1及びD2によって形成されるスパークギャップは、ホーンスパークギャップとして構成することができ、経路Lと経路N/PENとの間に電気的に接続される。
【0043】
図示の構成は、原則として、独国特許出願公開第102011102937(A1)号明細書に記載されたプラズマジェット生成のための配置及びその構造設計についての説明に対応している。これに関して、開示側において、独国特許出願公開第102011102937(A1)号明細書中の当該技術分野の当業者の常識の実施にかかる関連説明部分を参照している。
【0044】
本発明によれば、図1のように、応答挙動に影響を与える電気部品Rがトリガ電極Tと主電極2の間に接続される。抵抗器Rの値によって応答挙動が決まり、これにより、対応するスパークギャップの点火処理に基づくエネルギー限界値が決まる。
【0045】
対応する過電圧事象のエネルギー量が低い場合、抵抗器Rを介して生じる電圧降下は、当該配置の点火領域での点火ができるほどではない。したがって、低エネルギーの過電圧事象は、主スパークギャップが応答することなく、したがって、主スパークギャップが不必要に劣化することなく、抵抗器Rの配置を経由して直接放電することができる。
【0046】
図2の図には、抵抗器Rの並列接続の代わりに完全一体化させた解決策が示されている。
【0047】
これに関して、薄い絶縁層Iが点火領域及びフラッシュオーバー領域よりも外側で中断されてトリガ電極Tと低導電率の材料Mとが導電接続されている。これにより、材料Mの抵抗値のおかげで、電極H1とH2の間の主スパークギャップを応答させることなく、トリガ電極から低導電率の材料M及び主電極H2を通る経路を介して過電圧事象を放電することができるようになっている。
【0048】
この場合、過電圧のエネルギー量はとても低いので、ごく少量の電流しか流れず、導電性が悪い材料Mで降下する電圧は、絶縁層Iをフラッシュオーバーさせるほどではない。よって、フラッシュオーバー領域は応答せず、当該過電圧はエネルギーマッピング領域のみによって放電される。
【0049】
これに対して、材料Mで降下する電圧が絶縁層Iをフラッシュオーバーさせて点火火花を生成するような過電圧事象によって電流が非常に大きく増加した場合には、スパークギャップ全体が点火される。
【0050】
本発明にかかるこの実施形態では、材料Mからなる層は、トリガ電極から主電極H2までの直接フラッシュオーバー間隙を広げて点火アークを延長する役割を有するだけでなく、実際には、トリガ電極を層Mに接触させることで、弱い過電圧事象を放電するために当該低導電性の材料の抵抗値が利用される。この構成により、特に非常に弱い過電圧事象の場合には、応答挙動を制御するための別の電気部品又は電子部品を完全に不要とすることができる。
図1
図2