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特許7268148医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラム
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  • 特許-医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラム 図1
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  • 特許-医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 15/00 20180101AFI20230425BHJP
   G16H 70/40 20180101ALI20230425BHJP
【FI】
G16H15/00
G16H70/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021522225
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2020019573
(87)【国際公開番号】W WO2020241332
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2019101351
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000149837
【氏名又は名称】富士フイルム富山化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】羽田 真司
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-026253(JP,A)
【文献】特開2005-032062(JP,A)
【文献】特開2005-292979(JP,A)
【文献】特開2011-048822(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103530840(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 15/00
G16H 70/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記受け付けた前記医療情報と登録情報とが一致するか否かを判断する判断部と、
前記受け付けた前記医療情報と前記登録情報とが一致しない場合に、機械学習により構成された学習済みモデルであって、入力された医療情報を前記医療情報の種別に応じて標準化して出力する学習済みモデルを用いて、前記受け付けた前記医療情報に対する前記登録情報の候補を生成する候補生成部と、
前記候補のうちから選択された医療情報、または前記候補を修正した医療情報を前記受け付けた前記医療情報と関連付けて前記登録情報として登録する登録部と、
を備える医療情報登録支援装置。
【請求項2】
前記入力受付部は、登録対象である医療行為及び/または医療行為の結果、医療材料、及び医薬品のうちいずれかを示す情報と、前記登録対象がどのように実行、取得、もしくは使用されるかを示す情報と、のうち少なくとも一方を含む情報を前記医療情報として受け付ける請求項1に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項3】
前記入力受付部は前記医療情報として薬剤の用法名を示す情報の入力を受け付け、
前記候補生成部は前記登録情報の候補として前記薬剤の服用タイミングの候補を生成する請求項1または2に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項4】
前記判断部は、薬剤の用法名を示す情報と薬剤の服用タイミングとが関連付けて記録された変換テーブルを参照して前記判断を行う請求項3に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項5】
前記学習済みモデルは、前記受け付けた前記用法名に基づいて前記薬剤の用法タイプを推定する第1の学習済みモデルと、用法タイプに基づいて前記薬剤の服用タイミングを推定する第2の学習済みモデルと、を有する請求項3または4に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項6】
前記候補生成部は、前記用法タイプを前記受け付けた用法名及び前記推定された服用タイミングと関連付けて前記用法タイプの候補を生成し、
前記登録部は前記生成された前記用法タイプの候補のうちから選択された用法タイプ、または前記用法タイプの候補を修正した用法タイプを前記受け付けた用法名と関連付けて登録する請求項5に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項7】
前記候補生成部は、前記用法タイプに応じて、前記受け付けた用法名から前記薬剤の服用時点を示す時点情報を生成し、前記生成した時点情報を前記服用タイミングの候補とする請求項5または6に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項8】
前記第1の学習済みモデル及び前記第2の学習済みモデルは自然言語処理のアルゴリズムに基づいて構築された学習済みモデルである請求項5から7のいずれか1項に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項9】
前記第1の学習済みモデル及び前記第2の学習済みモデルはニューラルネットワークにより構成される学習済みモデルである請求項5から8のいずれか1項に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項10】
前記修正に基づいて前記学習済みモデルに追加学習を行わせる学習部を備え、
前記候補生成部は前記追加学習が行われた前記学習済みモデルを用いて前記候補を生成する請求項1から9のいずれか1項に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項11】
前記修正に基づいて追加学習用データを生成するデータ生成部を備え、
前記学習部は前記学習済みモデルに前記追加学習用データを用いた追加学習を行わせる請求項10に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項12】
前記受け付けた前記医療情報を規格化する規格化部を備え、
前記判断部は前記規格化された前記医療情報に基づいて前記判断を行う請求項1から11のいずれか1項に記載の医療情報登録支援装置。
【請求項13】
プロセッサを備える医療情報登録支援装置の作動方法であって、
前記プロセッサは、
医療情報の入力を受け付け、
前記受け付けた前記医療情報と登録情報とが一致するか否かを判断し、
前記受け付けた前記医療情報と前記登録情報とが一致しない場合に、機械学習により構成された学習済みモデルであって、入力された医療情報を前記医療情報の種別に応じて標準化して出力する学習済みモデルを用いて、前記受け付けた前記医療情報に対する前記登録情報の候補を生成し、
前記候補のうちから選択された医療情報、または前記候補を修正した医療情報を前記受け付けた前記医療情報と関連付けて前記登録情報として登録する、
作動方法
【請求項14】
請求項13に記載の作動方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記記録媒体に格納された指令がコンピュータによって読み取られた場合に請求項14に記載のプログラムをコンピュータに実行させる記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報の登録を支援する医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、医療情報が様々な装置やシステムで使用される。その際には、医師等が実施する医療行為や医療行為の結果、使用する医療材料や医薬品を、医療機関の様々な装置やシステムに登録して使用される。例えば、患者に処方する薬剤(医薬品)の場合、個々の薬剤に応じた用法の情報(用法コード、用法名)が医療機関のシステム(例えば、電子カルテ、レセプト、監査支援のシステム)で使用される。例えば特許文献1では、診療支援装置が薬剤の区分に応じた用法コードをリスト表示し、ユーザが用法コードを選択、編集して用法を入力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-020772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤に関しては、患者に処方され得る薬剤の数が多いため用法名も多数存在し、また病院や薬局等の医療機関及びユーザ(医師、薬剤師)によって、実質的な用法が同じでも入力される用法名にばらつきが存在する。また、薬剤と用法名は必ずしも1対1に対応せず、病状や医師、薬剤師の判断により同じ薬剤でも用法名が異なる場合がある。このような状況で、全て入力された通りに登録してしまうと、類似の用法名が多数登録されたり情報の不足や重複が生じたりして、混乱の原因となりかねない。さらに、使用目的(監査支援等)によっては、用法を服用タイミングに変換及び/または分解して登録する必要がある。このように、用法名の登録はユーザにとって負荷が高い作業であるが、特許文献1等の従来技術はこのような事情を考慮したものではなかった。そして、このように「入力される情報の表記等にばらつきが存在し、登録の負荷が高い」という問題は、薬剤の用法名以外の医療情報についても存在する。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ユーザが医療情報を容易に登録することができる医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る医療情報登録支援装置は、医療情報の入力を受け付ける入力受付部と、受け付けた医療情報と登録情報とが一致するか否かを判断する判断部と、受け付けた医療情報と登録情報とが一致しない場合に、機械学習により構成された学習済みモデルであって、入力された医療情報を医療情報の種別に応じて標準化して出力する学習済みモデルを用いて、受け付けた医療情報に対する登録情報の候補を生成する候補生成部と、候補のうちから選択された医療情報、または候補を修正した医療情報を受け付けた医療情報と関連付けて登録情報として登録する登録部と、を備える。
【0007】
第1の態様では、入力受付部が受け付けた医療情報と登録済みの医療情報とが一致しない場合(登録されていない場合を含んでいてよい)、候補生成部が、機械学習により構成された学習済みモデルであって、入力された医療情報を医療情報の種別に応じて標準化して出力する学習済みモデルを用いて、受け付けた医療情報に対する登録情報の候補を生成する。このためユーザは、候補を選択または修正することにより、入力した医療情報の表記等にばらつきがある場合でも、標準化された医療情報を容易に登録することができる。なお、医療情報の「標準化」とは、医療情報をあらかじめ定められた基準に従って出力することを含む。また、候補生成部は、機械学習の手法として例えば深層学習のアルゴリズムを使用して構成された学習済みモデルを用いることができる。
【0008】
第2の態様に係る医療情報登録支援装置は第1の態様において、入力受付部は、登録対象である医療行為及び/または医療行為の結果、医療材料、及び医薬品のうちいずれかを示す情報と、登録対象がどのように実行、取得、もしくは使用されるかを示す情報と、のうち少なくとも一方を含む情報を医療情報として受け付ける。第2の態様は医療情報の具体的態様及び構成を規定するものである。「登録対象である医療行為及び/または医療行為の結果、医療材料、及び医薬品のうちいずれかを示す情報」(医療情報の種別を示す情報の例)としては、「医療行為」の場合、例えば手術、検査、診察、診断、手技、処置の名称、術式を挙げることができ、「医療行為の結果」の場合は診断名、所見等を挙げることができる。また、「医療材料」の場合は、例えば手術、検査等で使用される医療材料や患者が使用する医療材料の種類、名称を挙げることができる。「医薬品」の場合、例えば手術、検査等で使用される医薬品や患者が服用する医薬品の種類、名称を挙げることができる。
【0009】
また、「登録対象がどのように実行、取得、もしくは使用されるかを示す情報」の例としては、「実行、取得、使用」の条件、回数、タイミング等を挙げることができ、登録対象の種別(医療行為、医療行為の結果、医療材料、医薬品のいずれであるか)によって異なっていてよい。
【0010】
第3の態様に係る医療情報登録支援装置は第1または第2の態様において、入力受付部は医療情報として薬剤の用法名を示す情報の入力を受け付け、候補生成部は登録情報の候補として薬剤の服用タイミングの候補を生成する。薬剤の用法名(医療情報の一態様)は服用条件、回数、タイミング等の情報を含んでいるが、医師、薬剤師等のユーザによって、あるいは薬剤を処方する医療機関(薬局等)ごとに用法名の表現がばらつく場合がある。このため、上述した特許文献1のような従来の技術では登録の負荷が高いが、第3の態様によればユーザは薬剤の用法名を容易に登録することができる。
【0011】
第4の態様に係る医療情報登録支援装置は第3の態様において、判断部は、薬剤の用法名を示す情報と薬剤の服用タイミングとが関連付けて記録された変換テーブルを参照して判断を行う。第4の態様は、医療情報と登録情報とが一致するか否かの判断手法の一態様を規定するものである。変換テーブルには、薬剤の用法名を示す情報と用法タイプとが関連付けて登録されていてもよい。
【0012】
第5の態様に係る医療情報登録支援装置は第3または第4の態様において、学習済みモデルは、受け付けた用法名に基づいて薬剤の用法タイプを推定する第1の学習済みモデルと、用法タイプに基づいて薬剤の服用タイミングを推定する第2の学習済みモデルと、を有する。第5の態様は、学習済みモデルの構成の一態様を規定するものである。第2の学習済みモデルは第1の学習済みモデルが推定した用法タイプを用いてもよいし、別途推定あるいは入力された用法タイプを用いてもよい。
【0013】
第6の態様に係る医療情報登録支援装置は第5の態様において、候補生成部は、用法タイプを受け付けた用法名及び推定された服用タイミングと関連付けて用法タイプの候補を生成し、登録部は生成された用法タイプの候補のうちから選択された用法タイプ、または用法タイプの候補を修正した用法タイプを受け付けた用法名と関連付けて登録する。第6の態様によれば、用法名、用法タイプ、及び服用タイミングが関連付けて登録される。候補生成部は、用法タイプの候補を生成する際に、第1の学習済みモデルで推定した用法タイプを用いてもよいし、別途推定あるいは入力された用法タイプを用いてもよい。
【0014】
第7の態様に係る医療情報登録支援装置は第5または第6の態様において、候補生成部は、用法タイプに応じて、受け付けた用法名から薬剤の服用時点を示す時点情報を生成し、生成した時点情報を服用タイミングの候補とする。第7の態様において、候補生成部は1つの時点が1回の服用を示す時点情報を生成することができる。
【0015】
第8の態様に係る医療情報登録支援装置は第5から第7の態様のいずれか1つにおいて、第1の学習済みモデル及び第2の学習済みモデルは自然言語処理のアルゴリズムに基づいて構築された学習済みモデルである。自然言語処理のアルゴリズムは、用法名のように文字や数字で表現される情報の処理に有効である。
【0016】
第9の態様に係る医療情報登録支援装置は第5から第8の態様のいずれか1つにおいて、第1の学習済みモデル及び第2の学習済みモデルはニューラルネットワークにより構成される学習済みモデルである。第9の態様において、ニューラルネットワークとして、例えばRNN(Recurrent Neural Network)を用いることができる。
【0017】
第10の態様に係る医療情報登録支援装置は第1から第9の態様のいずれか1つにおいて、修正に基づいて学習済みモデルに追加学習を行わせる学習部を備え、候補生成部は追加学習が行われた学習済みモデルを用いて候補を生成する。第10の態様によれば、追加学習により登録情報の候補の生成精度を向上させることができる。
【0018】
第11の態様に係る医療情報登録支援装置は第10の態様において、修正に基づいて追加学習用データを生成するデータ生成部を備え、学習部は学習済みモデルに追加学習用データを用いた追加学習を行わせる。学習部は、修正後のデータを正解データ(教師データ)として学習させることができる。
【0019】
第12の態様に係る医療情報登録支援装置は第1から第11の態様のいずれか1つにおいて、受け付けた医療情報を規格化する規格化部を備え、判断部は規格化された医療情報に基づいて判断を行う。規格化の例としては、医療情報の記載における全角と半角の変換、漢数字とアラビア数字の変換、漢字の異字体から統一語への変換等を挙げることができ、これらの処理により判断や候補生成の精度を向上させることができる。
【0020】
上述した目的を達成するため、本発明の第13の態様に係る医療情報登録支援方法は、医療情報の入力を受け付ける入力受付工程と、受け付けた医療情報と登録情報とが一致するか否かを判断する判断工程と、受け付けた医療情報と登録情報とが一致しない場合に、機械学習により構成された学習済みモデルであって、入力された医療情報を医療情報の種別に応じて標準化して出力する学習済みモデルを用いて、受け付けた医療情報に対する登録情報の候補を生成する候補生成工程と、候補のうちから選択された医療情報、または候補を修正した医療情報を受け付けた医療情報と関連付けて登録情報として登録する登録工程と、を有する。第13の態様によれば、第1の態様と同様に、ユーザは医療情報を容易に登録することができる。なお第13の態様に係る医療情報登録支援方法は、第2から第12の態様と同様の構成をさらに備えていてもよい。
【0021】
上述した目的を達成するため、本発明の第14の態様に係るプログラムは第13の態様に係る医療情報登録支援方法をコンピュータに実行させる。第14の態様によれば、第1,第13の態様と同様に、ユーザは医療情報を容易に登録することができる。なお14の態様において、プログラムは第2から第12の態様と同様の構成をさらに有する医療情報登録支援方法をコンピュータに実行させてもよい。また、これらプログラムのコンピュータ読み取り可能なコードを記録した非一時的記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラムによれば、ユーザは医療情報を容易に登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、第1の実施形態に係る用法名登録支援装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、処理部の機能ブロック図である。
図3図3は、用法名登録処理の手順を示すフローチャートである。
図4図4は、用法コード及び用法名の例を示す図である。
図5図5は、変換テーブルの例を示す図である。
図6図6は、RNNの構造を示す図である。
図7図7は、学習済みモデルが推定する時点の例を示す図である。
図8図8は、学習済みモデルにより推定した候補の例を示す図である。
図9図9は、候補及び登録情報の例を示す図である。
図10図10は追加学習用データの例を示す図である。
図11図11は、登録用法名を用いた一包化監査支援の様子を示す図である。
図12図12は、ラベルが貼付された監査済み分包袋の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る医療情報登録支援装置医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラムの実施形態についての詳細な説明は以下の通りである。説明においては、添付図面が参照される。
【0025】
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係る用法名登録支援装置10(医療情報登録支援装置)の構成を示すブロック図である。用法名登録支援装置10は薬剤の用法名(医療情報の一態様)の登録支援を行う装置であり、コンピュータを用いて実現することができる。図1に示すように、用法名登録支援装置10は処理部100、記憶部200、表示部300、及び操作部400を備え、互いに接続されて必要な情報が送受信される。これらの構成要素については各種の設置形態を採用することができ、各構成要素が1箇所(1筐体内、1室内等)に設置されていてもよいし、離れた場所に設置されネットワークを介して接続されていてもよい。また、用法名登録支援装置10は不図示のネットワークを介して不図示の病院内システムや外部サーバ、あるいは外部データベース等に接続し、必要に応じて情報を取得することができる。
【0026】
<処理部の構成>
図2は処理部100の構成を示す図である。処理部100は入力受付部102(入力受付部)、判断部104(判断部)、候補生成部106(候補生成部)、登録部108(登録部)、学習部110(学習部)、データ生成部112(データ生成部)、規格化部114(規格化部)、通信制御部116、及び表示制御部118を備える。処理部100は、さらにCPU130(CPU:Central Processing Unit)、ROM140(ROM:Read Only Memory)、及びRAM150(RAM:Random Access Memory)を備える。なお、これらの各部による処理はCPU130の制御の下で行われる。
【0027】
上述した処理部100の各部の機能は、各種のプロセッサ(processor)を用いて実現できる。各種のプロセッサには、例えばソフトウェア(プログラム)を実行して各種の機能を実現する汎用的なプロセッサであるCPUが含まれる。また、上述した各種のプロセッサには、画像処理に特化したプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)も含まれる。さらに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路なども上述した各種のプロセッサに含まれる。
【0028】
各部の機能は1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ、またはCPUとGPUの組み合わせ)で実現されてもよい。また、1つのプロセッサが複数の機能を実現してもよい。複数の機能を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント、サーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能として実現する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、システム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の機能は、ハードウェア的な構造として、上述した各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0029】
上述したプロセッサあるいは電気回路がソフトウェア(プログラム)を実行する際は、実行するソフトウェアのコンピュータ(例えば、処理部100を構成する各種のプロセッサや電気回路、及び/またはそれらの組み合わせ)で読み取り可能なコードをROM140(図2を参照)等の非一時的記録媒体に記憶しておき、プロセッサがそのソフトウェアを参照する。非一時的記録媒体に記憶しておくソフトウェアは、本発明に係る用法名登録支援方法(医療情報登録支援方法)を実行するためのプログラム(用法名登録支援プログラム、医療情報登録支援プログラム)を含む。プログラムのコードは、ROM140ではなく各種光磁気記録装置、半導体メモリ等の非一時的記録媒体に記録されていてもよい。ソフトウェアを用いた処理の際には例えばRAM150が一時的記憶領域として用いられ、また例えば不図示のEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)に記憶されたデータを参照することもできる。
【0030】
<記憶部の構成>
記憶部200はDVD(Digital Versatile Disk)、ハードディスク(Hard Disk)、各種半導体メモリ等の非一時的記録媒体及びその制御部により構成され、用法名の登録情報、追加学習用データ等が記憶される。
【0031】
<表示部及び操作部の構成>
表示部300はモニタ310(表示装置)を備えており、入力した用法名(医療情報)、記憶部200に記憶された情報、処理部100による処理の結果等を表示することができる。操作部400は入力デバイス及び/またはポインティングデバイスとしてのキーボード410及びマウス420を含んでおり、ユーザはこれらのデバイス及びモニタ310の画面を介して、本発明に係る用法名登録支援方法(医療情報登録支援方法)の実行に必要な操作を行うことができる(後述)。モニタ310をタッチパネルにより構成し、ユーザがそのタッチパネルを介して操作を行えるようにしてもよい。操作部400によりユーザが実行できる操作には、例えば登録情報の候補の修正が含まれる。
【0032】
<用法名登録支援方法の処理>
以下、図3のフローチャートを参照しつつ、上述した構成の用法名登録支援装置10による用法名登録支援方法の処理について説明する。
【0033】
入力受付部102は、薬剤の用法コード及び用法名の入力を受け付ける(ステップS100:入力受付工程)。用法名は「薬剤(医薬品)がどのように使用あるいは服用されるか」を示す情報を含んでおり、本発明における「医療情報」の一態様である(用法名以外の医療情報については「用法名以外の登録支援」の項を参照)。また、用法名は処方データ(処方箋リーダ等で読み取った処方箋の情報、または処方箋に基づいて医師、薬剤師等のユーザが入力及び/または編集等した情報)により定まる。図4は用法コード及び用法名の例を示す図である。なお、入力に他のデータ(例えば、後述する「分類」のデータ)が含まれていてもよい。
【0034】
なお、入力される用法コード及び用法名は操作部400を介したユーザの操作によるものでもよいし、通信制御部116を介して他の装置やシステム(例えば、一包化装置;図10を参照)から取得したものでもよい。また、用法名登録支援装置10は複数のデータ(用法コード及び用法名)の入力を一括して受け付けて各データについてステップS120以下の処理を行ってもよいし、1つのデータの入力とそのデータについての処理が終了してから次のデータの入力とその処理を行ってもよい。
【0035】
規格化部114は、ステップS100で受け付けた医療情報を規格化する(ステップS110:規格化工程)。「規格化」の例としては医療情報の表記における全角と半角の変換、漢数字とアラビア数字の変換等を挙げることができ、規格化部114がこれらの処理を行うことにより、判断や候補生成(後述)の精度を向上させることができる。
【0036】
判断部104は、用法名(医療情報)と登録情報とが一致するか否かを判断する(ステップS120:判断工程)。判断部104は、判断の際に、薬剤の用法名を示す情報と薬剤の服用タイミングとが関連付けて記録された変換テーブルを参照する。図5は変換テーブルの例を示す図である。図5の変換テーブルにおいて、「用法名」の列は入力及び規格化された用法名を示し、「登録情報」の列は標準化(この例では、用法名を個々の服用タイミング(時点)に分解し、服用タイミングを読点“、”で区切る)されて登録された情報である。なお、図5では変換テーブルが用法名及び時点分割された登録情報を含む例を示しているが、変換テーブルは用法タイプの情報を含んでいてもよい。
【0037】
判断部104は、受け付けた医療情報と変換テーブルの情報とが完全に一致する場合にステップS120の判断を肯定することができ、判断が肯定された場合(ステップS120でYES)、すなわち受け付けた医療情報が既に登録されている場合は、次のデータ(用法コード及び用法名)についてステップS120以下の処理を行う。
【0038】
<学習済みモデルを用いた登録情報の候補の生成>
ステップS120の判断が否定された場合(受け付けた用法名(医療情報)と登録情報とが一致しない場合)、候補生成部106(候補生成部)は、機械学習により構成された学習済みモデル107を用いて、受け付けた用法名に対する登録情報の候補を生成する(ステップS130~S170:候補生成工程)。詳細を以下に説明するように、学習済みモデル107は、入力された用法名から服用タイミングの候補を出力する(医療情報の種別に応じた標準化の一例)学習済みモデルである。学習済みモデル107は、用法名に基づいて薬剤の用法タイプを推定する第1の学習済みモデル107A(第1の学習済みモデル)と、用法タイプに基づいて薬剤の服用タイミングを推定する第2の学習済みモデル107B(第2の学習済みモデル)と、を有する(図2参照)。
【0039】
<学習済みモデルの構成>
学習済みモデル107(第1の学習済みモデル107A及び第2の学習済みモデル107B)は、自然言語処理のアルゴリズムに基づいて構築された学習済みモデルである。具体的には、学習済みモデル107をRNN(Recurrent Neural Network:ニューラルネットワークの一態様)により構成することができる。図6はRNNによる第2の学習済みモデル107Bの構成例を示す図である(第1の学習済みモデル107Aでも同様の構成を採用することができる)。第2の学習済みモデル107Bは入力層510、隠れ層520、及び出力層530を有し、隠れ層520が現在の時刻(時刻t)の状態を示す隠れ層522と過去の時刻(時刻t-1)の状態を示す隠れ層524とを有する点で通常のニューラルネットワークと異なる。第2の学習済みモデル107Bは、時刻t-1における隠れ層の状態を保持して次の時刻tの入力に使うことにより、自然言語のように時系列的に入力される情報の過去の履歴(本実施形態では、受け付けた用法名における文字や単語の前後関係)を利用した推定を行うことができる。なお、第2の学習済みモデル107Bは、RNNの一種であるLSTM(Long Short-Term Memory)を用いて構成されていてもよい。
【0040】
<過去の登録内容等を学習データとした機械学習>
学習済みモデル107(第1の学習済みモデル107A及び第2の学習済みモデル107B)は、例えば学習部110がRNN等のニューラルネットワークに過去の登録内容を学習データとした機械学習を行わせることで構築することができる。学習部110は、この機械学習に、例えば入力した用法名(医療情報)とその用法名に基づいて登録されたデータ(登録情報)とを組とした学習データを用いることができる。また、学習部110は、標準的な用法名とその用法名に対応するデータとを組とした学習データを用いてもよい(後述する追加学習についても同様)。
【0041】
<用法タイプの推定>
候補生成部106は、入力されたデータに分類欄があるか否かを判断する(ステップS130:候補生成工程)。分類欄は、薬剤の用法タイプを示す情報、例えば「時点分割」タイプ(朝食後に服用する、就寝前に服用する、等)「必要時」タイプ(胃痛時に服用、胸痛発作時に服用等)、「そのまま(入力された用法名そのまま)」タイプ(「1日4回 6時間毎」等)を含む。入力されたデータに分類欄がある場合(ステップS130でYES)、候補生成部106は分類欄のデータから用法タイプを決定して(ステップS140:候補生成工程)、ステップS160に進む。一方、入力されたデータに分類欄がない場合(ステップS130でNO)、候補生成部106は第1の学習済みモデル107Aを用いて用法タイプを推定する(ステップS150:候補生成工程)。第1の学習済みモデル107Aは、入力された用法名(医療情報の一態様)を標準化して出力する学習済みモデルである。なお、医療情報の「標準化」とは、医療情報をあらかじめ定められた基準に従って出力することを含み、第1の学習済みモデル107Aは、あらかじめ決められた用法タイプ(例えば上述した「時点分割」、「必要時」、「そのまま」)のいずれかを出力することができる。
【0042】
<服用タイミングの推定>
候補生成部106は、用法タイプに基づいて薬剤の服用タイミングを推定する第2の学習済みモデル107Bを用いて、服用タイミングを推定する(ステップS160:候補生成工程)。服用タイミングの推定において、候補生成部106は、分類欄のデータから決定した用法タイプ、または第1の学習済みモデル107Aを用いて推定した用法タイプを第2の学習済みモデル107Bに入力する。また、候補生成部106は、上述した用法名(規格化後)を第2の学習済みモデル107Bに入力する。第2の学習済みモデル107Bは、用法タイプに応じて用法名(医療情報の一態様)を標準化して出力する学習済みモデルである。なお、医療情報の「標準化」とは、医療情報をあらかじめ定められた基準に従って出力することを含み、第2の学習済みモデル107Bは、以下のような処理を行うことができる。
【0043】
図7は時点情報の例を示す表である。なお、用法名に複数の時点情報が含まれている場合(薬剤を1日に複数回服用する場合)、第2の学習済みモデル107Bは、例えば各時点情報を読点“、”区切りで列挙して出力することができる。個々の時点情報の生成、及び各時点情報の読点による列挙は、用法名(医療情報)の標準化の一態様である。また、食事は、例えば「朝飯」、「朝ご飯」、「朝食」のように表記することができるが、第2の学習済みモデル107Bが食事のタイミングを基準とした時点情報を生成する際にいずれかの表記に統一することも標準化の一態様である。図7の例では、第2の学習済みモデル107Bは表記を「朝食」で統一している。同様に、図7の例では、「寝る前」、「おやすみ前」、「就寝前」等は「就寝前」で統一している。上述した例の他に、第2の学習済みモデル107Bは時刻を24時間制で統一してもよい。
【0044】
候補生成部106は、このようにして学習済みモデル107により薬剤の服用時点を示す時点情報を生成し、生成した時点情報を服用タイミングの候補とする。
【0045】
<候補の選択または修正>
候補生成部106及び表示制御部118は、生成した服用タイミングの候補をモニタ310(表示装置)に表示させる(ステップS170:候補生成工程、登録工程)。候補生成部106及び表示制御部118は決定した用法タイプ、または推定した用法タイプの候補を合わせて表示してもよく、また候補が複数存在する場合は複数の候補を表示してもよい。図8は用法タイプの候補及び服用タイミングの候補(用法名に含まれる時点情報)の例を示す図である。登録部108は、操作部400を介したユーザの操作による候補の選択または修正を受け付ける。これにより、ユーザは不適切な候補を修正することができる。
【0046】
<服用タイミングの登録>
上述した選択または修正が確定したら(ステップS180でYES:登録工程)、確定した服用タイミング(登録情報)と用法名とを関連付けて登録する(ステップS190:登録工程)。登録部108は、表示した用法タイプの候補のうちから選択された用法タイプ、または用法タイプの候補を修正した用法タイプを受け付けた用法名と関連付けて登録してもよい(ステップS190:登録工程)。ステップS190における登録は、登録部108が上述した変換テーブルを更新(データを追加)することにより行うことができる。図9は用法タイプ及び服用タイミングについての、候補及び確定情報の例を示す図である。なお、図9の例において、参照符号600~610の欄は候補(参照符号600A~610Aの欄)が修正されていることを示す。例えば、参照符号600Aの欄では用法タイプが「必要時」と推定されているが、参照符号600の欄にあるように「時点分割」と修正されている。また、参照符号610Aの欄では服用タイミングが「起床時、朝食後、昼食後、夕食後、夕食後」と推定されているが、参照符号610の欄にあるように「起床時、朝食後、昼食後、夕食後」と修正されている。
【0047】
このように、第1の実施形態では入力された用法名から服用タイミング(登録情報)の候補が推定され、用法名と服用タイミングとが関連付けて登録されるので、ユーザは用法名を個別に登録する必要がなく、用法名(医療情報)を容易に登録することができる。
【0048】
<追加学習用データの生成及び追加学習>
データ生成部112(データ生成部)は、上述した服用タイミングの候補に対する選択または修正が確定したら、確定した選択または修正に基づいて追加学習用データを生成する(ステップS200:データ生成工程)。データ生成部112は、操作部400を介したユーザの操作(例えば、OKボタンのクリック)に応じて「選択または修正が確定した」と判断することができる。データ生成部112は、用法タイプについても追加学習用データを生成してよい。
【0049】
データ生成部112は、推定が正しくなく候補の修正が行われた用法名について追加学習用データを作成することができる。例えば、図9の例では参照符号600~610の欄は候補が修正されているので、これらのデータ(用法コードが40,43,225,226のデータ)について追加学習用データ(正解データ、教師データ)を作成する。図10は、用法タイプ及び服用タイミングに対する追加学習用データの例である。学習部110(学習部)は、学習済みモデル107に対し、追加学習用データを用いた追加学習を行わせる(追加学習工程)。学習部110は、追加学習用データを生成するごとに追加学習を行わせてもよいし、定期的に、あるいはユーザの指示に応じて随時行わせてもよい。このような追加学習により、学習済みモデル107による推定精度を向上させることができる。なお、図3のフローチャートでは、追加学習工程は図示を省略している。
【0050】
<用法名登録支援装置等の利用形態>
<登録用法名を用いた一包化監査支援>
上述した実施形態に係る用法名登録支援装置、用法名登録支援方法、及びプログラムは、例えば以下の形態で利用できる。図11は一包化監査支援の流れを示す図である。医師が処方箋を作成し、必要に応じて医師や薬剤師が処方箋を修正して処方データが作成され、この処方データに基づいて1回に服用する薬剤が一包化(分包化)される。一包化は一包化装置で行われ、一包化装置により用法がデータ化(用法コード、用法名等)される。そして、このデータが用法名登録支援装置10等で登録され、服用タイミングのデータが得られる。監査支援装置は一包化された薬剤が処方データの通りであるかを判断し、「処方データの通りである」と判断した分包袋に服用タイミングを印字またはラベル貼付する。図12は監査された分包袋にラベルが貼付された様子を示す図である。図12の(a)部分は朝食後に服用する薬剤の分包袋700に「朝食後」と印字されたラベル710が貼付された様子を示し、同図の(b)部分は就寝前に服用する薬剤の分包袋702に「就寝前」と印字されたラベル712が貼付された様子を示す。ラベル710,712に示された服用タイミングは、用法名登録支援装置10で登録された服用タイミング(この例では、時点分割されている)である。
【0051】
<用法名以外の登録支援>
本発明の医療情報登録支援装置、医療情報登録支援方法、及びプログラムは、第1の実施形態で説明した薬剤の用法名だけでなく様々な医療情報を処理することができる。ここで「医療情報」は、登録対象である医療行為及び/または医療行為の結果、医療材料、及び医薬品のうちいずれかを示す情報と、登録対象がどのように実行、取得、もしくは使用されるかを示す情報と、のうち少なくとも一方を含む情報である。登録対象に関し、「医療行為」の例としては手術、検査、診察、診断、手技、処置の名称や術式を挙げることができ、「医療行為の結果」の例としては手術や検査の結果、診断名、病名、症状名、所見等を挙げることができる。また、「医療材料」の例としては手術、検査等で使用される医療材料や患者が使用する医療材料の種類、名称を挙げることができる。「医薬品」については、錠剤やカプセル型の固形の薬剤や注射剤等の液体の薬剤や気体の薬剤でもよく、また患者が服用(内服)する薬剤だけでなく点眼、塗る、貼る等外用により使用する薬剤の種類や名称でもよい。また、「医薬品」は手術や検査で使用される医薬品の種類、名称でもよい。また、「登録対象がどのように実行、取得、もしくは使用されるかを示す情報」は「実行、取得、使用」の条件、回数、タイミング等を挙げることができ、登録対象の種別(医療行為、医療行為の結果、医療材料、医薬品のいずれであるか)によって異なっていてよい。
【0052】
本発明の医療情報登録支援装置、医療情報登録支援装置の作動方法、及びプログラムによれば、これらの医療情報に関し表記等にばらつきがある場合でも、ユーザは医療情報を容易に登録することができる。
【0053】
以上で本発明の実施形態及び他の例に関して説明してきたが、本発明は上述した態様に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 用法名登録支援装置
100 処理部
102 入力受付部
104 判断部
106 候補生成部
107 学習済みモデル
107A 第1の学習済みモデル
107B 第2の学習済みモデル
108 登録部
110 学習部
112 データ生成部
114 規格化部
116 通信制御部
118 表示制御部
130 CPU
140 ROM
150 RAM
200 記憶部
300 表示部
310 モニタ
400 操作部
410 キーボード
420 マウス
510 入力層
520 隠れ層
522 隠れ層
524 隠れ層
530 出力層
700 分包袋
702 分包袋
710 ラベル
712 ラベル
S100~S200 用法名登録支援方法(医療情報登録支援方法)の各ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12