(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】先端ネットワークにおけるモバイル統合アクセス及びバックホールのシステムモデル及びアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20230425BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20230425BHJP
H04W 12/033 20210101ALI20230425BHJP
H04W 12/037 20210101ALI20230425BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W92/20 110
H04W12/033
H04W12/037
(21)【出願番号】P 2021530817
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 US2019058986
(87)【国際公開番号】W WO2020112295
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-14
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507220730
【氏名又は名称】エイ・ティ・アンド・ティ インテレクチュアル プロパティ アイ,エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ゴシュ,アルナバ
(72)【発明者】
【氏名】マイムンダー,ミラプ
(72)【発明者】
【氏名】ノブラン,トーマス
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】AT & T,Setup and connection establishment for IAB with NSA[online],3GPP TSG RAN WG3 #101 R3-184756,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_101/Docs/R3-184756.zip>,2018年08月11日
【文献】KDDI Corporation,NSA relay architecture[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_01_NR R2-1800571,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2018_01_NR/Docs/R2-1800571.zip>,2018年01月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含む第1の中継ノード
機器により、
前記第1の中継ノード機器の第1の制御プレーン機能とドナーノード機器の第2の制御プレーン機能を介して前記ドナーノード
機器への第1の接続
を確立することを実現するステップであって、
前記第1の制御プレーン機能および前記第2の制御プレーン機能は制御プレーントラフィックに第1のセキュリティプロトコルを使用し、前記第1の接続はマスターセルグループに対して設定され
、前記第1の中継ノード機器の前記第1の制御プレーン機能および前記ドナーノード機器の前記第2の制御プレーン機能は、統合アクセス及びバックホールネットワークにおいて、前記第1の中継ノード機器および前記ドナーノード機器の間に星型アーキテクチャを確立する、第1の接続を
確立することを実現するステップと、
前記第1の中継ノード
機器により、
前記第1の中継ノード機器の第1のユーザープレーン機能および第2の中継ノード機器の第2のユーザープレーン機能を介して前記第2の中継ノード
機器への第2の接続
を確立することを実現するステップであって、
前記第1のユーザープレーン機能および前記第2のユーザープレーン機能はユーザープレーントラフィックに前記第1のセキュリティプロトコルとは異なる第2のセキュリティプロトコルを使用し、前記第1の中継ノード機器の前記第1のユーザープレーン機能および前記第2の中継ノード機器の前記第2のユーザープレーン機能は、統合アクセス及びバックホールネットワークにおいて、前記第1の中継ノード機器および前記第2の中継ノード機器の間にマルチホップアーキテクチャを確立し、前記第1のユーザープレーン機能は、前記第1の制御プレーン機能から分離され、独立して動作し、前記第2の接続は2次セルグループに対して設定され、前記第1の接続と前記第2の接続
は別個の接続であ
り、前記第1の中継ノード機器の第1のハンドオーバーは、前記星型アーキテクチャに基づく前記第1の中継ノード機器の子ノードの第2のハンドオーバーをトリガしない、第2の接続を実現するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の中継ノード
機器により、前記第1の中継ノード
機器のマスターセルグループ担体への前記第1の接続を用いることに基づいて制御プレーンプロシージャを実行するステップを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の中継ノード
機器により、前記第2の接続を介してバックホールトラフィックを搬送するステップを更に含み、前記バックホールトラフィックが、前記第1の中継ノード
機器及び前記第2の中継ノード
機器の2次セルグループ担体により担持される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マスターセルグループは前記ドナーノード機器を含み、前記2次セルグループは前記子ノードを含み、前記子ノードが前記第1の中継ノード機器と比較して低いホップ順序の中継ノードである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の中継ノード機器および前記第2の中継ノード機器は通信ネットワーク内で完全なモビリティ用に設定されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の中継ノード機器はドローン装置に分類される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の中継ノード機器によって、前記第2の接続を介した2次セルグループ再構成シグナリングの送信を実現するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の中継ノード機器および前記第2の中継ノード機器は、第5世代通信プロトコルに従って動作するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、
プロセッサによって実行されると、
第1の中継ノード機器の第1の制御プレーンおよびドナーノード機器の第2の制御プレーンを介して前記第1の中継ノード機器および前記ドナーノード機器の間に第1の接続を確立するステップであって、前記第1の制御プレーンおよび前記第2の制御プレーンは制御プレーントラフィックに第1のセキュリティプロトコルを使用し、前記第1の接続はマスターセルグループに対して設定され、前記第1の中継ノード機器の前記第1の制御プレーンおよび前記ドナーノード機器の前記第2の制御プレーンは、統合アクセス及びバックホールネットワークにおいて、前記第1の中継ノード機器および前記ドナーノード機器の間に星型アーキテクチャを確立する、ステップと、
前記第1の中継ノード機器の第1のユーザープレーンおよび第2の中継ノード機器の第2のユーザープレーンを介して、前記第1の中継ノード機器および前記第2の中継ノード機器の間に第2の接続を確立するステップであって、前記第1のユーザープレーンおよび前記第2のユーザープレーンはユーザープレーントラフィックに前記第1のセキュリティプロトコルとは異なる第2のセキュリティプロトコルを使用し、前記第1の中継ノード機器の前記第1のユーザープレーンおよび前記第2の中継ノード機器の前記第2のユーザープレーンは、統合アクセス及びバックホールネットワークにおいて、前記第1の中継ノード機器および前記第2の中継ノード機器の間にマルチホップアーキテクチャを確立するステップとを含む動作の実行を実現する実行可能命令を格納するメモリとを備え、
前記第1のユーザープレーンは、前記第1の制御プレーンから分離され、独立して動作し、前記第2の接続は2次セルグループに対して設定され、前記第1の接続と前記第2の接続は別個の接続であり、前記第1の中継ノード機器の第1のハンドオーバーは、前記星型アーキテクチャに基づく前記第1の中継ノード機器の子ノードの第2のハンドオーバーをトリガしない、システム。
【請求項10】
前記動作が、
前記第1の中継ノード機器のマスターセルグループ担体への前記第1の接続を用いることに基づいて制御プレーンプロシージャを実行するステップをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の接続を介してバックホールトラフィックを搬送するステップを更に含み、前記バックホールトラフィックが、前記第1の中継ノード機器及び前記第2の中継ノード機器の2次セルグループ担体により担持される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記マスターセルグループは前記ドナーノード機器を含み、前記2次セルグループは前記子ノードを含み、前記子ノードが前記第1の中継ノード機器と比較して低いホップ順序の中継ノードである、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作が、
前記第2の接続を介した2次セルグループ再構成シグナリングを送信するステップをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の中継ノード機器および前記第2の中継ノード機器はドローン装置に分類される、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月30日出願の米国仮特許出願第62/773,881号明細書「SYSTEM MODEL AND ARCHITECTURE FOR MOBILE INTEGRATED ACCESS AND BACKHAUL」及び2019年3月29日出願の米国非仮特許出願第16/370,229号明細書「SYSTEM MODEL AND ARCHITECTURE FOR MOBILE INTEGRATED ACCESS AND BACKHAUL IN ADVANCED NETWORKS」の優先権を主張するものであり、各々の全文を本明細書に明示的に引用している。
【0002】
本開示は一般に移動通信分野に関し、より具体的には、先端ネットワーク(例:4G、5G、6G及び以降)への統合アクセス及びバックホール概念に基づいて移動中継をサポートするシステム及びアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0003】
データ中心アプリケーションに対する大いなる需要に応えるべく、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)システム及び無線通信用の第4世代(4G)標準の仕様の1個以上の態様を用いるシステムは、無線通信用の第5世代(5G)及び/又は第6世代(6G)標準に拡張されよう。来るべき5G、6G、又は他の次世代無線通信用の標準に関連付けられたレベルのサービスを提供すべく特有の課題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
各種の非限定的な実施形態について、添付の図面を参照しながら詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に記述する1個以上の実施形態による例示的且つ非限定的な無線通信システムを示す。
【
図2】本明細書に記述する1個以上の実施形態によるモバイルネットワーク(例:無線通信システム)の例示的且つ非限定的な実施形態を示す。
【
図3】本明細書に記述する1個以上の実施形態による統合アクセス及びバックホールネットワークにおける異なるモビリティ種別を示す。
【
図4】本明細書に記述する1個以上の実施形態によるユーザープレーンと制御プレーンアーキテクチャの分離の模式的表現を示す。
【
図5】本明細書に記述する1個以上の実施形態によるモバイル統合アクセス及びバックホールの制御プレーン及びユーザープレーンのトポロジを示す。
【
図6】本明細書に記述する1個以上の実施形態による先端ネットワークにおけるモバイル統合アクセス及びバックホールを実現可能にする例示的且つ非限定的な中継ノードの装置を示す。
【
図7】本明細書に記述する1個以上の実施形態による中継ノード装置に関連付けられたユーザープレーンと制御プレーンの分離を実現する例示的且つ非限定的なコンピュータ実装方法のフロー図を示す。
【
図8】本明細書に記述する1個以上の実施形態による先端ネットワークにおいて統合アクセス及びバックホールを実現する例示的且つ非限定的なコンピュータ実装方法のフロー図を示す。
【
図9】本明細書に記述する1個以上の実施形態による無線通信を実現するシステムアーキテクチャに係わるべく動作可能な一例示的モバイルハンドセットの一例示的ブロック図を示す。
【
図10】本明細書に記述する1個以上の実施形態による無線通信を実現するシステムアーキテクチャに係わるべく動作可能な一例示的コンピュータの一例示的ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施形態の例を示す添付図面を参照しながら、1個以上の実施形態について以下により詳細に述べる。以下の記述において、説明目的で、各種実施形態を完全に理解いただけるよう多くの具体的な詳細事項を開示している。しかし、各種実施形態はこれらの具体的な詳細事項無しで(且つ特定のネットワーク化された環境又は標準に一切適用することなく)実施することができる。
【0007】
本明細書において、先端ネットワークのモバイル統合アクセス及びバックホール(IAB)のシステムモデル及びアーキテクチャを実現可能なシステム、方法、製造品目、及び他の実施形態又は実装について記述する。より具体的には、無線通信システムに関係すると共に先端ネットワークのIAB(統合アクセス及びバックホール)概念に基づく移動中継をサポートするシステム及びアーキテクチャに関係する態様について以下に記述する。
【0008】
長期的進化(LTE)(例:mmWaveスペクトル)と比較してニューラジオ(NR)でより広い帯域幅が利用可能と期待されること及び膨大な多入力多出力(MIMO)又はNRにおけるマルチビームシステムのネイティブ展開に起因して、統合アクセス及びバックホールリンクを開発して展開する機会が利用できる。これは、ユーザー装備(UE)機器へのアクセスを提供すべく規定された制御及びデータチャネル/プロシージャの多くの上に構築することにより、自己バックホールされたNRセルの密ネットワークの展開をより統合的且つより簡単に行えるようにするものである。
【0009】
本明細書において、先端ネットワークのモバイル統合アクセス及びバックホールのシステムモデル及びアーキテクチャを実現可能なシステム、方法、製造品目、及び実施形態又は実装について記述する。開示する態様は、マルチホップIABネットワークの移動中継をサポートする解決策及びアーキテクチャを提供する。3GPPからの現在のIAB解決策では中継ノードの完全なモビリティをサポートすることができない。しかし、開示する態様は、制御プレーンとユーザープレーンが極めて異なるトポグラフィカルアーキテクチャを有している新たなアーキテクチャをサポートする解決策を提供する。
【0010】
一実施形態は、プロセッサを含む第1の中継ノード装置により、ドナーノード装置への第1の接続を実現するステップを含んでいてよい方法に関する。第1の接続はマスターセルグループに対して設定されていてよい。本方法はまた、第1の中継ノード装置により、第2の中継ノード装置への第2の接続を実現するステップを含んでいてよい。第2の接続は2次セルグループに対して設定されていてよい。第1の接続と第2の接続は別個の接続であってよい。
【0011】
一実装によれば、第1の接続を実現するステップは、第1の中継ノード装置の制御プレーンアーキテクチャを介して第1の接続を実現するステップを含んでいてよい。本実装では更に、制御プレーンアーキテクチャが星型アーキテクチャを含んでいてよい。また、第2の接続を実現するステップは、第2の中継ノード装置のユーザープレーンアーキテクチャを介して第2の接続を実現するステップを含んでいてよい。ユーザープレーンアーキテクチャはマルチホップアーキテクチャを含んでいてよく、且つ制御プレーンアーキテクチャから分離可能である。
【0012】
本方法は、いくつかの実装によれば、第1の中継ノード装置により、第1の中継ノード装置のマスターセルグループ担体への第1の接続を用いることに基づいて制御プレーンプロシージャを実行するステップを含んでいてよい。代替的又は追加的に、本方法は、第1の中継ノード装置により、第2の接続を介してバックホールトラフィックを搬送するステップを含んでいてよい。バックホールトラフィックを第1の中継ノード装置及び第2の中継ノード装置の2次セルグループ担体が担持してもよい。
【0013】
一実施形態は、中継ノード装置の制御プレーンアーキテクチャを含んでいてよい通信ネットワークアーキテクチャに関する。制御プレーンアーキテクチャは星型アーキテクチャを含んでいてよい。更に、通信ネットワークアーキテクチャは中継ノード装置のユーザープレーンアーキテクチャを含んでいてよい。ユーザープレーンアーキテクチャは、制御プレーンアーキテクチャから分離(又は独立)可能である。更に、ユーザープレーンアーキテクチャはマルチホップアーキテクチャを含んでいてよい。中継ノード装置は、第5世代無線ネットワーク通信プロトコル、又は他の先端通信プロトコルに従い動作すべく構成されていてよい。
【0014】
一例において、星型アーキテクチャは、中継装置のグループ内の各中継装置がドナーノード装置に直接接続されているアーキテクチャを含んでいてよい。本例では更に、制御プレーンアーキテクチャは、ドナーノード装置から1ホップ離れた統合アクセス及びバックホールノードのグループ内の各々の統合アクセス及びバックホールノード装置を含んでいてよい。
【0015】
いくつかの実装によれば、制御プレーンアーキテクチャは、中継ノード装置でアクセスドナーノード装置に送られた通信インターフェースメッセージを含んでいてよい。これらの実装では更に、通信インターフェースメッセージはF1アプリケーションプロトコルメッセージを含んでいてよい。
【0016】
いくつかの実装によれば、制御プレーンアーキテクチャは、中継ノード装置で1個の装置に送られた無線リソース制御メッセージを含んでいてよい。いくつかの実装において、制御プレーンアーキテクチャは、アクセスドナーノード装置によりサービスされているユーザー装備機器に送られた無線リソース制御メッセージを含んでいてよい。いくつかの実装によれば、制御プレーンアーキテクチャは、F1アプリケーションプロトコルメッセージ内に担持された無線リソース制御メッセージを含んでいてよい。
【0017】
別の実施形態は、プロセッサと、当該プロセッサにより実行された場合に動作を実行させる実行可能な命令を保存するメモリを含んでいてよい中継ノード装置に関する。中継ノード装置は、星型アーキテクチャを含む制御プレーン及びマルチホップアーキテクチャを含むユーザープレーンを含んでいてよい。ユーザープレーンは、モビリティ及びハンドオーバー目的で制御プレーンから分離可能である。
【0018】
一例において、制御プレーンは、アクセスドナーノード装置によりサービスされているユーザー装備機器に送られた無線リソース制御メッセージを含んでいてよい。別の例において、無線リソース制御メッセージは中継ノード装置の1個のノードに送信可能である。更なる例において、制御プレーンは、中継ノード装置のアクセスドナーノードに送られた通信インターフェースメッセージを含んでいてよい。
【0019】
一実装によれば、星型アーキテクチャは、中継装置のグループ内の各中継装置がドナーノード装置に直接接続されているアーキテクチャを含んでいてよい。当該実装では更に、制御プレーンは、ドナーノード装置から1ホップ離れている統合アクセス及びバックホールノードのグループ内の統合アクセス及びバックホールノードの各々を含んでいてよい。
【0020】
ここで
図1を参照するに、本明細書に記述する1個以上の実施形態による非限定的な一例である無線通信システム100を示す。1個以上の実施形態において、無線通信システム100は第1のUE102
1、第2のUE102
2として示す1個以上のユーザー装備機器(UE)を含んでいてよい。簡潔のため2個のUEしか示していないが、無線通信システム100が多数のUEを含んでいてよいことを注記しておく。非限定的な用語であるユーザー装備は、セルラ又は移動通信システム内のネットワークノードと通信可能な任意の種類の機器を指してよい。UEは、垂直及び水平要素を有する1個以上のアンテナパネルを含んでいてよい。UEの例として、目標装置、装置対装置(D2D)UE、機械型UE又は機械対機械(M2M)通信可能なUE、携帯情報端末(PDA)、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ搭載設備(LME)、移動通信可能にされたユニバーサルシリアルバス(USB)ドングル、移動能力を有するコンピュータ、携帯電話等のモバイル機器、ラップトップ埋め込み設備(LEE、例えばモバイルブロードバンドアダプタ等)を有するラップトップ、モバイルブロードバンドアダプタを有するタブレットコンピュータ、着用可能装置、仮想現実(VR)装置、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置、スマートカー、機械式通信(MTC)装置等を含んでいる。ユーザー機器(例:第1のUE102
1、第2のUE102
2)はまた、無線通信を行うインターネットオブシングス(IOT)装置を含んでいてよい。
【0021】
各種の実施形態において、無線通信システム100は、1個以上の無線通信ネットワークプロバイダによりサービスされる無線通信ネットワークであるか、又は当該無線通信ネットワークを含んでいる。例示的な実施形態において、UE(例:第1のUE1021、第2のUE1022)はネットワークノード装置104を介して無線通信ネットワークに通信可能に結合されていてよい。ネットワークノード(例:ネットワークノード装置)はユーザー機器(UE)と通信可能であるため、UEと、より広いセルラネットワークとの間に接続性を提供する。
【0022】
ネットワークノードはキャビネット及び/又は他の保護されたエンクロージャ、アンテナマスト、及び各種の送信動作(例:MIMO動作)を実行するための複数のアンテナを含んでいてよい。ネットワークノードは、アンテナの構成及び種類に応じてセクターとも呼ばれる複数のセルにサービスすることができる。例示的な実施形態において、UE(例:第1のUE1021、第2のUE1022)は無線リンクを介して通信データをネットワークノード装置104との間で送信及び/又は受信することができる。ネットワークノード装置104からUE(例:第1のUE1021、第2のUE1022)への破線矢印はダウンリンク(DL)通信を表し、UE(例::第1のUE1021、第2のUE1022)からネットワークノード(例:ネットワークノード装置104)への実線矢印はアップリンク(UL)通信を表す。
【0023】
無線通信システム100は更に、ネットワークノード装置104を介して各種のUE(例:第1のUE1021、第2のUE1022)への無線通信サービスの提供を実現することができる1個以上の通信サービスプロバイダネットワーク106、及び/又は当該1個以上の通信サービスプロバイダネットワーク106に含まれる各種の追加的なネットワーク装置(図示せず)を含んでいてよい。当該1個以上の通信サービスプロバイダネットワーク106は以下を含むがこれらに限定されない各種の異種ネットワークを含んでいてよい:セルラネットワーク、フェムトネットワーク、ピコセルネットワーク、マイクロセルネットワーク、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、Wi-Fiサービスネットワーク、ブロードバンドサービスネットワーク、エンタープライズネットワーク、クラウドベースネットワーク等。例えば、少なくとも1個の実装において、無線通信システム100は、各種の地理的領域に跨る大規模無線通信ネットワークであっても、又は含んでいてもよい。当該実装によれば、1個以上の通信サービスプロバイダネットワーク106は、無線通信ネットワーク及び/又は当該無線通信ネットワークの各種の追加的な装置及び要素(例:追加的なネットワーク装置及びセル、追加的なUE、ネットワークサーバ装置等)であっても、又は含んでいてよい。ネットワークノード装置104は、1個以上のバックホールリンク108を介して1個以上の通信サービスプロバイダネットワーク106に接続可能である。例えば、1個以上のバックホールリンク108は、T1/E1電話線、デジタル加入者線(DSL)(例:同期又は非同期のいずれか)、非対称DSL(ADSL)、光ファイババックボーン、同軸ケーブル等の有線リンク要素を含んでいてよい。1個以上のバックホールリンク108はまた、地上無線インターフェース又は深宇宙リンク(例:航行用衛星通信リンク)を含んでいてよい見通し線(LOS)又は非LOSリンク等の、但しこれらに限定されない無線リンク要素を含んでいてよい。
【0024】
無線通信システム100は、装置間(例えばUE(例:第1のUE1021、第2のUE1022)とネットワークノード装置104間)の無線ラジオ通信を実現する各種のセルラシステム、技術、及び変調モードを用いることができる。例示的な実施形態を5Gニューラジオ(NR)システムについて記述しているが、これらの実施形態は、UEが複数の搬送波、例えばLTE FDD/TDD、GSM/GERAN、CDMA2000等を用いて動作する任意の無線アクセス技術(RAT)又はマルチRATシステムに適用できる。
【0025】
例えば、無線通信システム100は、移動通信用グローバルシステム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、長期的進化(LTE)、LTE周波数分割二重化(LTE FDD)、LTE時分割二重化(TDD)、高速パケットアクセス(HSPA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、広帯域CDMA(WCMDA)、CDMA2000、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、マルチキャリア符号分割多重アクセス(MC-CDMA)、シングルキャリア符号分割多重アクセス(SC-CDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、直交周波数分割多重化(OFDM)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT拡散OFDM)シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、フィルタバンクベースマルチキャリア(FBMC)、ゼロテイルDFT拡散OFDM(ZTDFT-s-OFDM)、一般化周波数分割多重化(GFDM)、固定移動収束(FMC)、ユニバーサル固定移動収束(UFMC)、ユニークワードOFDM(UW-OFDM)、ユニークワードDFT拡散OFDM(UWDFT-Spread-OFDM)、巡回プレフィックスOFDM CP-OFDM、リソースブロックフィルタードOFDM、WiFi、WLAN、WiMax等のグローバルシステムに従って動作することができる。しかし、無線通信システム100の各種の特徴及び機能について特に記述しており、無線通信システム100の装置(例えばUE(例:第1のUE1021、第2のUE1022)及びネットワークノード装置104)は、1個以上のマルチキャリア変調スキームを用いて無線信号通信を行うべく構成されており、データ記号は多周波数サブ搬送波(例:OFDM、CP-OFDM、DFT拡散OFMD、UFMC、FMBC等)を介して同時に送信可能である。これらの実施形態はUEのシングルキャリア及びマルチキャリア(MC)又は搬送波集約(CA)動作に適用できる。搬送波集約という用語は「マルチキャリアシステム」、「マルチセル動作」、「マルチキャリア動作」、「マルチキャリア」送信及び/又は受信とも称する(例:互いに置換可能に称する)。いくつかの実施形態が、いずれかの搬送波でマルチRAB(ラジオ担体)にも適用可能(すなわち、データ及び音声が同時にスケジューリングされる)であることに注意されたい。
【0026】
各種の実施形態において、無線通信システム100は、5G無線ネットワークの特徴及び機能を提供及び使用すべく構成されていてよい。5G無線通信ネットワークは、指数的に増大するデータトラフィックの需要を満たして、人々及び機械が実質的に待ち時間ゼロでギガビットデータ信号レートを享受できるようにすることが期待されている。4Gと比較して、5Gはより多様なトラフィックシナリオをサポートする。例えば、4Gネットワークがサポートする従来のUE(例:電話、スマートフォン、タブレット、PC、テレビ、インターネット対応テレビ等)間の各種のデータ通信に加え、5Gネットワークを用いて自動運転自動車環境に付随するスマートカー同士のデータ通信、及び機械的通信(MTC)をサポートすることができる。
【0027】
例えば、
図2に、本明細書に記述する1個以上の実施形態による、モバイルネットワーク(例:無線通信システム200)の一実施形態の非限定的な例を示す。無線通信システム200は上述の統合アクセス及びバックホールリンクの一例である。
【0028】
第1のUE2021、第2のUE2022~第NのUE202N(例:第1のUE1021、第2のUE1022)、Nは整数、として示すユーザー機器(UE)が中継ノード(例:中継DU204)に接続可能である。例えば、これらのUE(例:第1のUE2021、第2のUE2022、及び第NのUE202N)が各々のアクセスリンク(例:第1のアクセスリンク2061、第2のアクセスリンク2062~第Nのアクセスリンク206N)を介して中継DU204に接続可能である。中継DU204は、これらのUE(例:第1のUE2021、第2のUE2022、及び第NのUE202N)から見て従来の基地局として動作する(例:機能する)ことができる。いくつかの実装によれば、中継DU204(例:中継ノード)は、アクセス及びバックホールリンクを時間、周波数、又は空間(例:ビームに基づく動作)に関して多重化することができる。
【0029】
中継DU204は、中継/バックホールリンクを介してドナーDU208に接続可能である。中継/バックホールリンク(例:IABリンク210)は、UE(例:第1のUE2021、第2のUE2022、及び第NのUE202N)と中継DU204の間のアクセスリンク(例:第1のアクセスリンク2061、第2のアクセスリンク2062~第Nのアクセスリンク206N)と同じ無線インターフェースを共有していてよい。
【0030】
ドナーDU208と中継DU204の間のIABリンク210は、中継DU204によりサービスされている全てのUE(例:第1のUE2021、第2のUE2022、及び第NのUE202N)に対してユーザープレーンを搬送してプレーンデータを制御することができる。従って、IABリンク210は、中継DU204によりサービスされているUEにサービスしている複数の異なる担体への/からの多重化パケット、及び中継DU204とドナーDU208の間のバックホール通信からの多重化パケットを含んでいてよい。上述のように、バックホール及びアクセスリンクの両方に対して同一スペクトルが用いられており、従ってIABリンクは異なる多重化スキームを用いてバックホール及びアクセスリンクを用いてUL及びDL送信を行うことができる。
【0031】
更に、中継DU204とは異なり、ドナーDU208は、コアネットワーク(CN214)に接続可能な中央装置(CU212)に有線接続することができる。CU212とドナーDU208の間のネットワークインターフェース(例:通信インターフェース)は(例:3GPP仕様毎の)F1(又はF1-U)インターフェース216と呼ばれる場合がある。図示していないが、いくつかの実装によれば、ドナーDU208は1個以上のUEにサービスすることができる。
【0032】
IABフレームワークは、階層木アーキテクチャに基づいてマルチホップネットワークを実現することができる。この種のIABフレームワークにおいて、全ての中継ノード(IABノードとも称する)を固定する必要がある。IABフレームワークは動的ルートスイッチング及びトポロジ適応をサポートできるが、これらをサポートできるのはより遅い時間スケールだけである。特に小さいセル環境に置かれた場合にモビリティイベントが生起する時間スケールではない。
【0033】
図3に、本明細書に記述する1個以上の実施形態によるIABネットワークにおける異なるモビリティ種別を示す。本明細書に記述する他の実施形態で用いられる類似要素の重複的説明は簡潔のため割愛する。
【0034】
同図に示す第1の木構造302は、ノードの木モビリティ304階層、及びノードのノードモビリティ308階層を表す第2の木構造306を表す。マルチホップIABネットワークにおいて、異なるモビリティモデル(例:木モビリティ304及び/又はノードモビリティ308)を見ることができる。
【0035】
木モビリティ304の場合、中継ノード310がハンドオーバーを実行した場合、その下の木構造全体が不変のままである。換言すれば、木のモバイルノードの下の中継ノードは自身の関連付けを変えない。この種の木に基づくモビリティは、リリース15が既にサポートする基本UE(MT)モビリティだけを必要とするため、3GPPリリース16IABでサポート可能である。しかし、木に基づくモビリティは、大幅に異なるモビリティ条件を有するかもしれない子ノードが遅かれ早かれ関係性を変えざるを得ないため、移動中継をサポートするには充分良くない。
【0036】
ノードモビリティ308の場合、所与の中継ノード(例:中継ノード310)がハンドオーバーを受けた場合、自身の全ての子ノード(例:中継ノードの下の木のノード)もハンドオーバーを受ける可能性がある。
【0037】
ノードに基づくモビリティ(例:ノードモビリティ308)等の移動中継の方が望ましい場合があるのは、木の異なるノードが異なる方向へ移動している可能性があるからであり、従って1個のノードのモビリティが他のノードのトポロジ関係の変化をもたらす可能性がある。また、ハンドオーバー/トポロジ変化イベントトリガーは、通常の無線リソース管理(RRM)測定値又はモビリティイベント閾値に加え、例えばホップ順序、中継(相対)速度、及び中継ノード及び/又は目標親ノードで接続された子孫の数を含む複数の要素を考慮することができる。ノードに基づくモビリティは、親ノード/ネットワークにより管理可能であり、又は中継ノードにより自律的又は条件付きハンドオーバープロシージャを直接介して起動されてもよい。
【0038】
一例において、IAB用の3GPP仕様のリリース16は木に基づくモビリティをサポートしており、これはロードバランシング、ブロッキングの緩和等各種の目的に有用な場合がある。しかし、木に基づくモビリティは、移動中継に必要とされる完全ノードに基づくモビリティをサポートしない。
【0039】
モバイルIABネットワークに対する堅牢且つ信頼性の高い解決策を提供すべく、中継ノードの制御プレーンアーキテクチャとユーザープレーンアーキテクチャが分離されたアーキテクチャを以下に提供する。ユーザープレーンは、マルチホップアーキテクチャ(リリース16IABのものと同様であり得る)に基づいていてよい。しかし、制御プレーンは星型アーキテクチャ(例:星型アーキテクチャ又は星型構成)に基づいていてよい。星型アーキテクチャにおいて、各中継MTはドナーに直接接続されている。これは制御プレーンに対して、全てのIABノードがドナーノードから常に正確に1ホップ離れていることを示唆する。
【0040】
図4に、本明細書に記述する1個以上の実施形態によるユーザープレーンと制御プレーンアーキテクチャの分離の模式的表現400を示す。本明細書に記述する他の実施形態で用いられる類似要素の重複的説明は簡潔のため割愛する。
【0041】
ユーザープレーンアーキテクチャ402を
図4の下部に示し、制御プレーンアーキテクチャ404を
図4の上部に示している。図示するように、ドナー中央装置(CU)すなわちドナーCU406は、第1の分散装置(Du)制御プレーン(CP)すなわち第1のDU-CP機能408
1、及び中央装置(CU)ユーザープレーンすなわちCU-UP機能410を含んでいてよい。ドナーDU412は、第2のDU-CP機能408
2及びDU-UP機能414を含んでいてよい。更に、中継DU416は第3のDU-CP機能408
3及び第1のIAB DU-UP機能418
1を含んでいてよい。また、アクセスDU420は第4のDU-CP機能408
4及び第2のIAB DU-UP機能418
2を含んでいてよい。
【0042】
図5に、本明細書に記述する1個以上の実施形態によるモバイルIAB用の制御プレーンのトポロジ及びユーザープレーンを示す。本明細書に記述する他の実施形態で用いられる類似要素の重複的説明は簡潔のため割愛する。
【0043】
図5に示しているのは、中継ノードユーザープレーン504(左側)を含む第1の木構造502及び中継ノード制御プレーン508(右側)を含む第2の木構造506である。制御プレーンが、中継ノードでアクセスDUに送られたF1-APメッセージ、又は中継ノードでMTに送られた無線リソース制御(RRC)メッセージ、及び/又はアクセスDUによりサービスされているUEに送られたRRCメッセージを含むことに注意されたい。いくつかの実装によれば、F1-APメッセージ内で1個以上のRRCメッセージを搬送することができる。
【0044】
図4、5に、ユーザープレーン(Uプレーン)及び制御プレーン(Cプレーン)が別個アーキテクチャ(例:ユーザープレーンアーキテクチャ402、制御プレーンアーキテクチャ404)を有するモバイルIABネットワークを示す。制御プレーンとユーザープレーンをこのように分離する利点は、各ノードの各々の制御プレーン(一次)接続が直接ドナーへの接続であるため、所与のノードのモビリティ及びハンドオーバーが子ノードのハンドオーバーを誘発しないことである。これが特に真であるのは、同じく
図4に示すように、mmWave(FR2)周波数と比較してより長距離の接続性を可能にする6GHz未満(FR1)の周波数を介して制御プレーンが接続されている場合である。制御プレーン接続にFR1を用いることで子ノードのハンドオーバーの必要性を大幅に減らすことが可能になる。
【0045】
また、制御プレーンの星型トポロジは、複数ホップを追跡する旨のシグナリングを行うことを制御プレーンに要求することで中間ノードモビリティによる遅延又は接続失敗を生じさせることなく、モバイルIABネットワークにおける測定/計測報告及び構成の集中化を可能にする。また、セキュリティプロトコル交換のため複数トンネル/ホップを要求することなく中継ノードとドナーの間の端末間で制御プレーンシグナリングのセキュリティを確保することができる。また、ユーザープレーンデータは、制御プレーントラフィックとは異なるセキュリティプロトコル及びシグナリング機構(例:パケットデータ収束プロトコル(PDCP)対ネットワークドメインセキュリティ(NDS))を用いてもよい。
【0046】
この種の分離は、中継MTで二重接続性を利用することにより実現することができる。中継MTは、ドナーノードをMCGとして、及び中継DUをSCGとして用いることができる。このように、この二重接続性フレームワークの下で、異なる親ノードへの子ノードのノードモビリティ及び紐付け直しは、完了したハンドオーバーではなくSCG再構成により扱うことができる。
【0047】
また、中継MTと親中継ノードとの間の接続性は、固定IABノードMT等の完全RRC接続を必要としないが、より低い層(例:適応又はMAC層)で管理されてよい。これはシグナリングのオーバーヘッドが少なく且つ遅延が短縮されるという利点があり、ノードが頻繁にトポロジ適応/モビリティイベントに直面する場合に有利であろう。
【0048】
いくつかの実装によれば、マルチホップモバイルIABネットワークにおいて、各中継ノードはMCG及びSCGに対して二つの別個の接続を維持することができる。MCGはドナーノードであってよい。MCG接続は典型的に6GHz未満のスペクトルにあるが、開示する態様に他のスペクトルを利用してもよい。各中継ノードに対するSCGはより低いホップ順序で別の中継ノードであってよい。
【0049】
いくつかの実装によれば、全てのバックホールトラフィックは、SCG担体で中継ノードへ搬送することができる。更に、いくつかの実装において、MCG担体を各種の制御プレーンプロシージャに用いることができる。このようなプロシージャは、ユーザープレーンのSCGノードを追加及び/又は除去するためのハンドオーバーシグナリング、ルーティングテーブル更新、及びSCG再構成を含んでいる、これらに限定されない。
【0050】
更に、二重接続性を介した制御プレーンとユーザープレーンの分離は中継ノードMT用であってよい。全てのアクセスUEは、各種の実装によれば、正規UEとして(例:二重接続性無しで)ネットワークに依然として接続可能である。
【0051】
リリース16IABは、無線中継の利用によりマルチホップネットワークの展開を可能にする。しかし、IABのRel16設計は中継ノードの固定を必要とする。これは当該特徴のユースケース及び適用可能性を限定するものである。例えば、グループモビリティ等のユースケース又はバス、ドローン等のモバイルインフラへの中継ノードの展開は不可能である。開示する態様は、中継ノードが完全モバイルとなることを可能にすることにより解決策を提供する。
【0052】
開示する態様は、中継ノードの制御プレーンとユーザープレーンに別個トポロジを有することに基づいていてよい。ユーザープレーンはマルチホップトポロジを有していてよい。しかし、制御プレーンは、分離されていて単一ホップの星型トポロジを有している。換言すれば、全てのノードは制御プレーン上のドナーノードから1ホップだけ離れている。一実施形態において、二重接続性を用いて制御プレーン接続とユーザープレーン接続を分離することにより、それらのトポロジを完全に独立させることが可能になる。
【0053】
制御プレーンがドナーから常に1ホップ離れているため、従来のRel15モビリティはドナー内で中継ノードのモビリティをサポート可能である。Rel15からのコアネットワークベースのハンドオーバーメカニズムもまた2個のドナー間の中継ノードのモビリティをサポート可能である。これはまた、中継ノードのユーザープレーンが親ノードを変えた場合、ユーザープレーンは一切のモビリティプロシージャを必要としないことを意味する。これは単に、より簡単且つより軽量なRRCプロシージャであるSCG再構成により実現可能である。更に、各中継ノードが制御プレーン上のドナーから単一ホップの距離を維持するため、SCG再構成シグナリングを制御プレーンに送ることができる。このようにユーザープレーンと単一ホップ制御プレーンのトポロジが別々であることにより堅牢なモビリティ設計が可能になる。中継ノードがある親から別の親に移動した場合、単一ホップ制御プレーンを用いることによりネットワークのトポロジ及び付随するルーティングを極めて容易且つ確実に変更することができる。
【0054】
図6に、本明細書に記述する1個以上の実施形態による、先端ネットワークにおけるモバイル統合アクセス及びバックホールを実現可能な中継ノード装置600の非限定的な例を示す。本開示において説明する中継ノード装置600、装置、又は処理の態様は、機械に実装された、例えば1個以上の機械に関連付けられた1個以上の計算機可読媒体(又は複数の媒体)に実装された機械実行可能要素を構成することができる。このような要素は、1個以上の機械、例えばコンピュータ、計算装置、仮想機械等により実行された場合、記述された動作を当該機械に実行させることができる。いくつかの実装によれば、中継ノード装置600は、ネットワーク装置のグループの1個のネットワーク装置であってよい。本明細書に記述する他の実施形態で用いられる類似要素の重複的説明は簡潔のため割愛する。
【0055】
各種の実施形態において、中継ノード装置600は、プロセッサを含み、及び/又は、有線及び/又は無線ネットワークとの有効及び/又は実働通信が可能な任意の種類の要素、機械、機器、施設、装置、及び/又は計器であってよい。
【0056】
図6に示すように、中継ノード装置600は、制御プレーン602、ユーザープレーン604、送受信要素606、少なくとも1個のメモリ608、少なくとも1個のプロセッサ610、及び少なくとも1個のデータストレージ612を含んでいてよい。制御プレーン602は(例えば第2の木構造506と同様の)星型アーキテクチャを含んでいてよい。一例において、星型アーキテクチャは、中継装置のグループ内の各中継装置がドナーノード装置に直接接続されているアーキテクチャを含んでいてよい。更に、制御プレーン602は、ドナーノード装置から単一ホップだけ離れた統合アクセス及びバックホールノードのグループ内の各々の統合アクセス及びバックホールノードを含んでいてよい。
【0057】
ユーザープレーン604は、(例えば第1の木構造502と同様の)マルチホップアーキテクチャを含んでいてよい。ユーザープレーン604は、モビリティ及びハンドオーバー目的で制御プレーン602から分離可能である。
【0058】
いくつかの実装によれば、制御プレーン602は1個以上の無線リソース制御メッセージ614を含んでいてよい。1個以上の無線リソース制御メッセージ614は、(送受信要素606を介して)アクセスドナーノード装置618によりサービスされているユーザー装備機器616に送ることができる。いくつかの実装によれば、1個以上の無線リソース制御メッセージ614は中継ノード装置600の1個のノードに送信可能である。
【0059】
更に、制御プレーン602は1個以上の通信インターフェースメッセージ620を含んでいてよい。1個以上の通信インターフェースメッセージ620は中継ノード装置600のアクセスドナーノードに送信可能である。
【0060】
送受信要素606は、ユーザー装備機器616、他のネットワーク装置、及び/又は他の通信装置との間でデータを送信及び/又は受信すべく構成されていてよい。送受信要素606を介して、中継ノード装置600がデータを並行して送受信すること、異なる時点でデータを送受信すること、又はこれら組み合わせが可能である。いくつかの実装によれば、送受信要素606は、中継ノード装置600とユーザー装備機器616との間の通信を実現することができる。
【0061】
少なくとも1個のメモリ608は、少なくとも1個のプロセッサ610に動作可能に接続することができる。少なくとも1個のメモリ608は、少なくとも1個のプロセッサ610により実行された場合に、動作の実行を実現する実行可能な命令を保存することができる。更に、少なくとも1個のプロセッサ610を用いて、少なくとも1個のメモリ608に保存されたコンピュータ実行可能要素を実行することができる。
【0062】
例えば、少なくとも1個のメモリ608は、本明細書に記述するように先端ネットワークにおけるモバイル統合アクセス及びバックホールに関連付けられたプロトコルを保存することができる。更に、少なくとも1個のメモリ608は、中継ノード装置600が保存されたプロトコル及び/又はアルゴリズムを用いて、本明細書に記述するように無線ネットワーク内での通信を向上させるべく、中継ノード装置600、ユーザー装備機器616、他のネットワーク装置、及び/又は他のユーザー装備機器の間の通信を制御する動作を実現することができる。
【0063】
本明細書に記述するデータストレージ(例:メモリ)要素が、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれでもよいこと、又は揮発性及び不揮発性メモリの両方を含んでいてよいことを理解されたい。一例として、但し非限定的に、不揮発性メモリは読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能ROM(PROM)、電気的プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、又はフラッシュメモリを含んでいてよい。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでいてよい。一例として、但し非限定的に、RAMは多くの形式、例えば同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、二重データレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、及び直接RambusRAM(DRRAM)で利用できる。開示する態様のメモリは、これら及び他の適当な種類のメモリを非限定的に含むものとする。
【0064】
少なくとも1個のプロセッサ610は、先端ネットワークにおける統合アクセス及びバックホールに関する情報の各々の分析を実現することができる。少なくとも1個のプロセッサ610は、受信した情報の分析及び/又は生成専用のプロセッサ、中継ノード装置600の1個以上の要素を制御するプロセッサ、及び/又は受信した情報の分析及び生成の両方を行って中継ノード装置600の1個以上の要素を制御するプロセッサであってよい。
【0065】
更に、ネットワーク装置(例:ネットワークノード、ネットワークノード装置)という用語は本明細書において、通信装置にサービスしている、及び/又は通信装置が無線信号を受信可能な他のネットワークノード、ネットワーク要素又は別のネットワークノードに接続された任意の種類のネットワークノードを指す。セルラ無線アクセスネットワーク(例:ユニバーサル移動通信システム(UMTS)ネットワーク)において、ネットワークノードは基地送信局(BTS)、無線基地局、無線ネットワークノード、基地局、NodeB、eNodeB(例:進化型NodeB)等と称する場合がある。5G用語において、ネットワークノードはgNodeB(例:gNB)装置と称する場合がある。ネットワークノードはまた、各種の送信動作(例:MIMO動作)を実行する複数アンテナを含んでいてよい。ネットワークノードはキャビネット及び他の保護された筐体、アンテナマスト、並びに実際のアンテナを含んでいてよい。ネットワークノードは、アンテナの構成及び種類に応じてセクターとも呼ばれる複数のセルにサービスすることができる。ネットワークノードの例(例えばネットワークノード装置104)は以下を含んでいてよいが、これらに限定されない:NodeB装置、基地局(BS)装置、アクセスポイント(AP)装置、及び無線アクセスネットワーク(RAN)装置。ネットワークノードはまた、以下を含むマルチ標準無線(MSR)無線ノード装置を含んでいてよい:MSR BS、eノードB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ(BSC)、中継器、中継器を制御するドナーノード、基地送信局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、リモート無線装置(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、分散アンテナシステム(DAS)内のノード等。
【0066】
図7に、本明細書に記述する1個以上の実施形態による、中継ノード装置に関連付けられたユーザープレーンと制御プレーンの分離を実現する非限定的なコンピュータ実装方法700の例のフロー図を示す。本明細書に記述する他の実施形態で用いられる類似要素の重複的説明は簡潔のため割愛する。
【0067】
いくつかの実装において、プロセッサを含むシステムは、コンピュータ実装方法700、及び/又は本明細書に記述する他の方法を実行することができる。他の実装において、プロセッサを含む装置(例:中継ノード装置600)は、コンピュータ実装方法700、及び/又は本明細書に記述する他の方法を実行することができる。他の実装において、機械可読記憶媒体は、プロセッサにより実行された場合に、コンピュータ実装方法700及び/又は本明細書に記述する他の方法に関して記述する動作であり得る動作の実行を可能にする実行可能な命令を含んでいてよい。更なる実装において、計算機可読記憶装置は、実行に応答して、プロセッサを含むシステムに、コンピュータ実装方法700に関して記述する動作及び/又は本明細書に記述する他の方法であり得る動作を実行させる、実行可能な命令を含んでいる。
【0068】
コンピュータ実装方法700のステップ702において、1個以上のプロセッサに結合された第1の中継ノード装置がドナーノード装置への第1の接続を実現することができる。第1の接続はマスターセルグループに対して設定されていてよい。
【0069】
いくつかの実装によれば、第1の接続の実現は第1の中継ノード装置の制御プレーンアーキテクチャを介して第1の接続を実現するステップを含んでいてよい。制御プレーンアーキテクチャは星型アーキテクチャを含んでいてよい。星型アーキテクチャにおいて、各中継MTはドナーに直接接続されている。従って、制御プレーンの場合、全てのIABノードは常にドナーノードから正確に1ホップ離れている。
【0070】
更に、コンピュータ実装方法700のステップ704において、第1の中継ノード装置は第2の中継ノード装置への第2の接続を実現することができる。第2の接続は2次セルグループに対して設定されていてよい。また、第1の接続と第2の接続は別個の接続であってよい。
【0071】
いくつかの実装によれば、第2の接続の実現は第2の中継ノードのユーザープレーンアーキテクチャを介して第2の接続を実現するステップを含んでいてよい。ユーザープレーンアーキテクチャはマルチホップアーキテクチャを含んでいてよく、且つ制御プレーンアーキテクチャから分離可能である。
【0072】
図8に、本明細書に記述する1個以上の実施形態による、先端ネットワークにおける統合アクセス及びバックホールを実現するコンピュータ実装方法800の非限定的な例のフロー図を示す。本明細書に記述する他の実施形態で用いられる類似要素の重複的説明は簡潔のため割愛する。
【0073】
いくつかの実装において、プロセッサを含むシステムはコンピュータ実装方法700、コンピュータ実装方法800、及び/又は本明細書に記述する他の方法を実行することができる。他の実装において、プロセッサを含む装置(例:中継ノード装置600)はコンピュータ実装方法700、コンピュータ実装方法800、及び/又は本明細書に記述する他の方法を実行することができる。他の実装において、機械可読記憶媒体は、プロセッサにより実行された場合に、コンピュータ実装方法700、コンピュータ実装方法800、及び/又は本明細書に記述する他の方法に関して記述する動作であり得る動作の実行を可能にする実行可能な命令を含んでいてよい。更なる実装において、計算機可読記憶装置が、実行に応答して、プロセッサを含むシステムに、コンピュータ実装方法700、コンピュータ実装方法800、及び/又は本明細書に記述する他の方法に関して記述する動作であり得る動作を実行させる実行可能な命令を含んでいる。
【0074】
コンピュータ実装方法800は、ステップ802において、ドナーノード装置への少なくとも第1の接続が第1の中継ノード装置(例:中継ノード装置600)により確立可能である場合、開始することができる。少なくとも第1の接続はマスターセルグループに対して設定されていてよい。更に、コンピュータ実装方法800のステップ804において、第1の中継ノード装置により第2の中継ノード装置への少なくとも第2の接続を確立することができる。少なくとも第2の接続は2次セルグループに対して設定されていてよい。各種の実装によれば、少なくとも第1の接続と少なくとも第2の接続は別個の接続であってよい。
【0075】
いくつかの実装によれば、第1の接続の確立は第1の中継ノード装置の制御プレーンアーキテクチャを介して第1の接続を確立するステップを含んでいてよい。制御プレーンアーキテクチャは星型アーキテクチャを含んでいてよい。追加的に、又は代替的に、いくつかの実装において、第2の接続の確立は第2の中継ノードのユーザープレーンアーキテクチャを介して第2の接続を実現するステップを含んでいてよい。ユーザープレーンアーキテクチャはマルチホップアーキテクチャを含んでいてよく、且つ制御プレーンアーキテクチャから分離可能である。
【0076】
コンピュータ実装方法800はまた、ステップ806において、第1の中継ノードにより、第1の中継ノード装置のマスターセルグループ担体への第1の接続を用いることに基づいて制御プレーンプロシージャを実行するステップを含んでいてよい。追加的に、又は代替的に、コンピュータ実装方法800はステップ808において、第1の中継ノード装置により、第2の接続を介してバックホールトラフィックを搬送するステップを含んでいてよく、バックホールトラフィックを第1の中継ノード装置及び第2の中継ノード装置の2次セルグループ担体が担持する。
【0077】
データ中心アプリケーションに対する膨大な需要に応えるべく、4G標準をニューラジオ(NR)アクセスとも呼ばれる5Gに適用することができる。5Gネットワークは以下を含んでいてよい:数万ユーザー向けにサポートされる毎秒数十メガビットのデータ信号レート、同じオフィス階で勤務する数十人の要員に毎秒1ギガビットを同時に(又は並行して)提供できること、大量のセンサ展開向けに数十万の同時(又は並列)接続をサポートできること、4Gと比較してスペクトル効率を向上できること、カバレッジの拡張、シグナリング効率が向上すること、及び長期的進化(LTE)と比較して短縮した遅延。
【0078】
5G NRシステムが満足させるべき各種のサービスがあり得る。例えば、5G NRは、データ信号レートが主な基準である高ブロードバンドアプリケーションに利用可能な拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービスを提供すべきである。別の例では、5G NRは、より短い遅延で10-5のパケットエラーレートが求められる超高信頼性通信に利用可能なURLLCサービスを提供すべきである。更に別の例において、5G NRは、機械型通信の接続に利用可能な大規模機械通信(mMTC)サービスを提供すべきである。
【0079】
いくつかの実施形態において、非限定的な用語である無線ネットワークノード又は単にネットワークノードを用いており、UEにサービスしている、及び/又はUEが信号を受信する他のネットワークノード又はネットワーク要素及び/又は任意の無線ノードに接続された任意の種類のネットワークノードを指す。無線ネットワークノードの例として、ノードB、基地局(BS)、MSR BS等のマルチ標準無線(MSR)無線ノード、gNodeB、eノードB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ(BSC)、中継器、中継器を制御するドナーノード、基地送信局(BTS)、アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、リモート無線装置(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、分散アンテナシステム(DAS)システム内のノード等がある。
【0080】
いくつかの実施形態において、非限定的な用語であるユーザー機器(UE)を用いており、セルラ又は移動通信システム内の無線ネットワークノードと通信する任意の種類の無線機器を指す。UEの例として、目標装置、装置対装置(D2D)UE、機械型UE又は機械対機械(M2M)通信可能なUE、PDA、iPad(登録商標)、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ埋め込み機器(LEE)、ラップトップ搭載設備(LME)、USBドングル等がある。
【0081】
各種の実施形態を特にNRについて記述する。しかし、これら各種の実施形態は、UEが複数の搬送波(例:LTE FDD/TDD、GSM/GERAN、Wi Fi、WLAN、WiMax、CDMA2000等)を用いて動作する任意のRAT又はマルチRATシステムにも適用できる。
【0082】
本明細書に記述するのは、アーキテクチャ、モデル、システム、装置、ノード、方法、製造物、及び先端ネットワーク(例:4G、5G以降)の統合アクセス及びバックホール概念に基づいてモバイル中継器を実現及びサポート可能な他の実施形態又は実装である。先端ネットワークの統合アクセス及びバックホール概念に基づいてモバイル中継器の実現及びサポートは、通信ネットワークに接続された任意の種類の装置(例:モバイルハンドセット、コンピュータ、携帯機器等)、あらゆるモノのインターネット(IoT)機器(例:トースタ、コーヒーメーカー、ブラインド、音楽プレーヤ、スピーカー等)、及び/又は任意のコネクテッド車両(自動車、飛行機、宇宙ロケット、及び/又は他の少なくとも部分的に自動化された車両(例:ドローン))と接続して実行することができる。いくつかの実施形態において、非限定的な用語であるユーザー機器(UE)を用いている。これは、セルラ又は移動通信システム内の無線ネットワークノードと通信する任意の種類の無線機器を指す場合がある。UEの例として、目標装置、装置対装置(D2D)UE、機械型UE又は機械対機械(M2M)通信可能なUE、PDA、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ埋め込み機器(LEE)、ラップトップ搭載設備(LME)、USBドングル等がある。要素、要素及びアンテナポートという用語は置換可能に用いられる場合があるが、本開示では同じ意味を有していることに注意されたい。これらの実施形態は、UEのシングルキャリア及びマルチキャリア(MC)又は搬送波集約(CA)動作に適用可能である。搬送波集約(CA)という用語は、「マルチキャリアシステム」、「マルチセル動作」、「マルチキャリア動作」、「マルチキャリア」送信及び/又受信とも呼ばれる(例えば:置換可能に呼ばれる)。
【0083】
いくつかの実施形態において、非限定的な用語である無線ネットワークノード又は単にネットワークノードを用いている。これは1個以上のUEにサービスしている、及び/又は1個以上のUEが信号を受信する他のネットワークノード又はネットワーク要素又は任意の無線ノードに接続された任意の種類のネットワークノードを指す場合がある。無線ネットワークノードの例として、ノードB、基地局(BS)、MSR BS等のマルチ標準無線(MSR)ノード、eノードB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ(BSC)、中継器、中継器を制御するドナーノード、基地送信局(BTS)、アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、RRU、RRH、分散アンテナシステム(DAS)内のノード等がある。
【0084】
クラウド無線アクセスネットワーク(RAN)は、5Gネットワークにおけるソフトウェア定義ネットワーク(SDN)及びネットワーク機能仮想化(NFV)等の概念の実装を可能にすることができる。本開示は、5Gネットワークに対する汎用チャネル状態情報フレームワーク設計を実現することができる。本開示の特定の実施形態は、ネットワーク内及びネットワークとトラフィック目的地との間でトラフィックのルーティングを制御可能なSDNコントローラを含んでいてよい。SDNコントローラを5Gネットワークアーキテクチャとマージして、オープンアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介したサービス提供を可能にして、ネットワークコアを全インターネットプロトコル(IP)、クラウドに基づく、且つソフトウェア駆動の電気通信ネットワークの方へ移動させることができる。SDNコントローラはポリシー及び課金ルール機能(PCRF)ネットワーク要素と協働又はこれを代替できるため、サービスの品質及びトラフィック管理並びにルーティング等のポリシーを端末同士で同期させて管理することができる。
【0085】
ここで
図9を参照するに、本明細書に記述する1個以上の実施形態による、無線通信を実現するシステムアーキテクチャに係わるべく動作可能な例示的モバイルハンドセット900の例示的ブロック図を示す。同図にモバイルハンドセットを示しているが、他の機器がモバイル機器であってもよく、モバイルハンドセットは単に本明細書に記述する各種の実施形態の実施形態の概念を提示するに過ぎないと理解されたい。以下の記述は、各種の実施形態を実装可能な適当な環境の一例を簡潔且つ一般的に記述することを目的としている。この記述は機械可読記憶媒体に実装されたコンピュータ実行可能な命令の一般的な概念を含んでいるが、当業者には本発明がまた他のプログラムモジュールとの組み合わせ及び/又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装できることが理解されよう。
【0086】
一般に、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装するアプリケーション(例:プログラムモジュール)はルーティン、プログラム、要素、データ構造等を含んでいてよい。更に、当業者には、本明細書に記述する方法がシングルプロセッサ又はマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、及びパーソナルコンピュータ、携帯計算装置、マイクロプロセッサベース又はプログラム可能家電等を含み、これらの各々が1個以上の関連付けられた装置に動作可能に結合可能な他のシステム構成により実現できることが理解されよう。
【0087】
計算装置は典型的に各種の機械可読媒体を含んでいてよい。機械可読媒体は、コンピュータからアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよく、揮発性及び不揮発性媒体の両方、着脱可能及び着脱不可能な媒体を含んでいる。一例として、但し非限定的に、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいてよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報を記憶する任意の方法又は技術で実装された揮発性及び/又は不揮発性媒体、着脱可能及び/又は着脱不可能な媒体を含んでいてよい。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは所望の情報の保存に使用可能であって、コンピュータからアクセス可能な他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0088】
通信媒体は典型的にコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の搬送機構等の変調データ信号内の他のデータを実装し、任意の情報配信媒体を含んでいる。「変調データ信号」という用語は、情報を当該信号に符号化すべく自身の1個以上の特徴が設定又は変更された信号を意味する。一例として、但し非限定的に、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続等の有線媒体、及び音響、RF、赤外線及び他の無線媒体等の無線媒体を含んでいる。上述のものの任意の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0089】
ハンドセットは、全てのオンボード動作及び機能を制御及び処理するプロセッサ902を含んでいる。メモリ904は、データ及び1個以上のアプリケーション906(例:ビデオプレーヤソフトウェア、ユーザーフィードバック要素ソフトウェア等)を保存すべくプロセッサ902とのインターフェースを有している。他のアプリケーションは、ユーザーフィードバック信号を開始させる所定の音声命令の音声認識を含んでいてよい。アプリケーション906は、メモリ904及び/又はファームウェア908に保存して、メモリ904及び/又はファームウェア908のいずれか又は両方からプロセッサ902により実行可能である。ファームウェア908はまた、ハンドセット900の初期化を実行するためのスタートアップコードを保存することができる。通信要素910は、外部システム、例えばセルラネットワーク、VoIPネットワーク等との有線/無線通信を実現すべくプロセッサ902とのインターフェースを有している。ここで、通信要素910はまた、対応する信号通信のために適当なセルラトランシーバ911(例:GSMトランシーバ)及び/又は免許不要トランシーバ913(例:Wi-Fi、WiMax)を含んでいてよい。ハンドセット900は、携帯電話、移動通信能力を有するPDA、及びメッセージ送信専用機器等の装置であってよい。通信要素910はまた、地上無線ネットワーク(例:放送)、デジタル衛星無線ネットワーク、及びインターネットベースの無線サービスネットワークから通信受信を実現する。
【0090】
ハンドセット900は、テキスト、画像、ビデオ、テレフォニ機能(例:発信者番号通知機能)、セットアップ機能、及びユーザー入力を表示するディスプレイ912を含んでいる。例えば、ディスプレイ912はまた、マルチメディアコンテンツ(例:音楽メタデータ、メッセージ、壁紙、グラフィックス等)の表示を行う「画面」と称する場合もある。ディスプレイ912はビデオも表示することができ、ビデオクオートの生成、編集及び共有を実現することができる。シリアルI/Oインターフェース914がプロセッサ902と通信可能に設けられていてハードワイヤ接続、及び他のシリアル入力機器(例:キーボード、キーパッド及びマウス)を介して有線及び/又は無線シリアル通信(例:USB及び/又はIEEE1394)を実現する。これにより、例えばハンドセット900の更新及びトラブルシューティングをサポート可能である。音声機能には、例えばユーザーがユーザーフィードバック信号を生成すべく適当なキー又はキーの組み合わせを押した旨の指示に関する音声信号を出力するスピーカーを含んでいてよい音声I/O要素916が備えられている。音声I/O要素916はまた、データ及び/又はテレフォニ音声データを記録すべく、及び電話通話への音声信号を入力すべくマイクロホンを介した音声信号の入力を実現する。
【0091】
ハンドセット900は、SIC(加入者識別要素)をカード加入者識別モジュール(SIM)又はユニバーサルSIM920の形式で収容してSIMカード920とプロセッサ902のインターフェースを提供するスロットインターフェース918を含んでいてよい。しかし、SIMカード920がハンドセット900に内蔵されていて、データ及びソフトウェアをダウンロードすることにより更新できることも理解されたい。
【0092】
ハンドセット900は通信要素910を介してIPデータトラフィックを処理して、ISP又はブロードバンドケーブルプロバイダを介して、例えばインターネット、企業内イントラネット、家庭内ネットワーク、個人領域ネットワーク等のIPネットワークからのIPトラフィックを受容することができる。従って、ハンドセット900がVoIPトラフィックを用いて、符号化又は復号化された形式のいずれかでIPに基づくマルチメディアコンテンツを受信することができる。
【0093】
ビデオ処理要素922(例:カメラ)が、符号化されたマルチメディアコンテンツを復号化すべく設けられていてよい。ビデオ処理要素922はビデオクオートの生成、編集、及び共有の実現を支援することができる。ハンドセット900はまた、電池及び/又はAC電源サブシステムの形式の電源924を含み、電源924は電力I/O要素926により外部電力システム又は充電機器(図示せず)へのインターフェースを提供可能である。
【0094】
ハンドセット900はまた、受信したビデオコンテンツを処理する、及びビデオ内容を記録して送信するビデオ要素930を含んでいてよい。例えば、ビデオ要素930はビデオクオートの生成、編集、及び共有を実現することができる。位置追跡要素932は、ハンドセット900の位置の地理的特定を実現する。上述のように、これはユーザーが自動的に又は手動でフィードバック信号を送信した場合に生じ得る。ユーザー入力要素934はユーザーによる品質フィードバック信号の送信を実現する。ユーザー入力要素934はまた、ビデオクオートの生成、編集、及び共有を実現することができる。ユーザー入力要素934は、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラスペン、及び/又はタッチスクリーン等、従来の入力機器技術を含んでいてよい。
【0095】
再びアプリケーション906に言及するに、ヒステリシス要素936が、アクセスポイントに関連付ける時点の決定に利用するヒステリシスデータの分析及び処理を実現する。Wi-Fiトランシーバ913がアクセスポイントのビーコンを検知した場合にヒステリシス要素936の起動を実現するソフトウェアトリガー要素938が設けられていてよい。SIPクライアント940によりハンドセット900がSIPプロトコルをサポートして、SIP登録サーバに加入者を登録できるようにする。アプリケーション906はまた、マルチメディアコンテンツ、例えば音楽を少なくとも発見、再現及び保存する能力を提供するクライアント942を含んでいてよい。
【0096】
ハンドセット900は、通信要素910に関して上で述べたように、屋内のネットワーク無線トランシーバ913(例:Wi-Fiトランシーバ)を含んでいる。この機能は、二重モードGSMハンドセット900へのIEEE802.11等の屋内無線リンクをサポートする。ハンドセット900は、無線音声とデジタル無線チップセットを単一の携帯機器に組み合わせることができるハンドセットを介して少なくとも衛星無線サービスを受容することができる。
【0097】
ここで
図10を参照するに、本明細書に記述する1個以上の実施形態による、無線通信を実現するシステムアーキテクチャに関わるべく動作可能な例示的コンピュータ1000の例示的ブロック図を示す。コンピュータ1000は、有線又は無線通信ネットワークとサーバ(例:マイクロソフトサーバ)及び/又は通信機器の間のネットワーク及び通信機能を提供することができる。各種の態様の追加的な概念を説明すべく、
図10及び以下の議論は、本発明の各種の態様を実装して主体と第三者の間のトランザクションの確立を実現することができる適当な計算環境の簡潔且つ一般的記述を提供することを意図している。上の記述は1個以上のコンピュータで動作可能なコンピュータ実行可能命令の一般的概念であるが、当業者は本発明が他のプログラムモジュールと組み合わせて、及び/又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装できることを認識されよう。
【0098】
一般に、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装するプログラムモジュールはルーティン、プログラム、要素、データ構造等を含んでいてよい。更に、当業者には、本発明の方法がシングルプロセッサ又はマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、及びパーソナルコンピュータ、携帯計算装置、マイクロプロセッサベース又はプログラム可能家電等を含み、これらの各々が1個以上の関連付けられた装置に動作可能に結合可能な他のコンピュータシステム構成により実現できることが理解されよう。
【0099】
本発明の図示する態様はまた、通信ネットワークを介して接続されたリモート処理機器により特定のタスクが実行される分散計算環境で実施することができる。分散計算環境において、プログラムモジュールはローカル及びリモートメモリ記憶装置に配置することができる。
【0100】
計算装置は典型的に、コンピュータ可読記憶媒体又は通信媒体を含んでいてよい各種の媒体を含み、これら二つの用語は本明細書において以下のように互いに異なる意味で用いられる。
【0101】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータからアクセス可能な任意の利用可能な記憶媒体であってよく、揮発性及び不揮発性媒体の両方、着脱可能及び着脱不可能な媒体を含んでいる。一例として、但し非限定的に、コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ可読命令、プログラムモジュール、構造化データ、又は非構造化データ等の情報を記憶する任意の方法又は技術で実装されていてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは所望の情報の保存に使用可能な他の有形及び/又は非一時的媒体を含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、1個以上のローカル又はリモート計算装置から、当該媒体に保存された情報に関する各種の動作に対する、例えばアクセスリクエスト、クエリ又は他のデータ照会プロトコルを介してアクセス可能である。
【0102】
通信媒体はコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は例えば搬送波又は他の搬送機構等、変調データ信号などのデータ信号内の他の構造化又は非構造化データを実装し、任意の情報配信又は搬送媒体を含んでいる。用語「変調データ信号」又は信号群は、情報を1個以上の信号に符号化すべく自身の1個以上の特徴が設定又は変更された信号を意味する。一例として、但し非限定的に、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続等の有線媒体、及び音響、RF、赤外線及び他の無線媒体等の無線媒体を含んでいる。
【0103】
図10を参照するに、エンドユーザー機器に関して本明細書に記述する各種の態様の実装はコンピュータ1000を含んでいてよく、コンピュータ1000は処理装置1004、システムメモリ1006及びシステムバス1008を含んでいる。システムバス1008は、システムメモリ1006を含むがこれに限定されないシステム要素を処理装置1004に結合する。処理装置1004は、各種の市販プロセッサのいずれかであってよい。デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャも処理装置1004として採用されてよい。
【0104】
システムバス1008は、各種の市販バスアーキテクチャの任意のものを用いて、(メモリコントローラの有無に依らず)メモリバス、周辺バス、及びローカルバスと更に相互接続可能ないくつかの種類のバス構造の任意のものであってよい。システムメモリ1006は、読出し専用メモリ(ROM)1027及びランダムアクセスメモリ(RAM)1012を含んでいる。基本入出力システム(BIOS)がROM、EPROM、EEPROM等の不揮発メモリ1027に保存されていて、BIOSは、スタートアップ時等にコンピュータ1000内で要素間の情報転送を支援する基本ルーティンを含んでいる。RAM1012はまた、データキャッシング用のスタティックRAM等の高速RAMを含んでいてよい。
【0105】
コンピュータ1000は更に、内蔵ハードディスクドライブ(HDD)1014(例:EIDE、SATA)であって適当なシャーシ(図示せず)で外付け用に構成されていてもよい内蔵ハードディスクドライブ1014、(例えば着脱可能ディスケット1018を読み書きする)磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)1016、及び(例えばCD-ROMディスク1022を読み、又はDVD等の他の高容量光媒体を読み書きする)光ディスクドライブ1020を含んでいる。ハードディスクドライブ1014、磁気ディスクドライブ1016と光ディスクドライブ1020は、ハードディスクドライブインターフェース1024、磁気ディスクドライブインターフェース1026及び光ドライブインターフェース1028の各々によりシステムバス1008に接続されていてよい。外部ドライブ実装用のインターフェース1024はユニバーサルシリアルバス(USB)及びIEEE1394インターフェース技術の少なくとも一方又は両方を含んでいる。他の外部ドライブ接続技術は本発明の主題の範囲内である。
【0106】
ドライブ及び付随するコンピュータ可読媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令等の不揮発性記憶装置を提供する。コンピュータ1000の場合、ドライブと媒体は、適当なデジタル形式での任意のデータの保存を受容する。上述のコンピュータ可読媒体はHDD、着脱可能磁気ディスケット、及びCD又はDVD等の着脱可能光媒体に言及しているが、当業者はコンピュータ1000により読み取り可能な他の種類の媒体、例えばZipドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、カートリッジ等も例示的な動作環境で利用可能であること、更に、そのような媒体はいずれも開示する発明の方法を実行するコンピュータ実行可能命令を含んでいてよいことを認識されよう。
【0107】
オペレーティングシステム1030、1個以上のアプリケーションプログラム1032、他のプログラムモジュール1034及びプログラムデータ1036を含む多くのプログラムモジュールをドライブ及びRAM1012に保存することができる。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュール及び/又はデータの全部又は一部はRAM1012にもキャッシュすることができる。本発明が各種の市販オペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせにより実行できることを認識されたい。
【0108】
ユーザーは、1個以上の有線/無線入力機器、例えばキーボード1038及びマウス1040等のポインティング機器を介して命令及び情報をコンピュータ1000に入力することができる。他の入力機器(図示せず)としてマイクロホン、IRリモート制御、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン等が含まれていてよい。これら及び他の入力機器は、システムバス1008に結合されているがパラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース等、他のインターフェースにより接続可能な入力機器インターフェース1042を介して処理装置1004に接続されている場合が多い。
【0109】
モニタ1044又は他の種類のディスプレイ装置もまた、ビデオアダプタ1046等のインターフェースを介してシステムバス1008に接続されている。モニタ1044に加え、コンピュータ1000は典型的にスピーカー、プリンタ等、他の周辺出力機器(図示せず)を含んでいる。
【0110】
コンピュータ1000は、リモートコンピュータ1048等、1個以上のリモートコンピュータへの有線及び/又は無線通信による論理的接続を用いてネットワーク化された環境で動作可能である。リモートコンピュータ1048は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、可搬コンピュータ、マイクロプロセッサベースの娯楽機器、ピア機器又は他の共通ネットワークノードであってよく、且つ典型的にコンピュータとの関連で記述された要素の多く又は全てを含んでいるが、簡潔のためメモリ/記憶装置1050だけを示している。図示する論理的接続はローカルエリアネットワーク(LAN)1052及び/又はより大きいネットワーク、例えばワイドエリアネットワーク(WAN)1054への有線/無線接続性を含んでいる。このようなLAN及びWANネットワーク環境はオフィス及び企業では日常的であり、イントラネット等、企業全体わたるコンピュータネットワークを実現し、これらの全てはインターネット等のグローバル通信ネットワークに接続可能である。
【0111】
LANネットワーク環境で用いられている場合、コンピュータ1000は、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェース又はアダプタ1056を介してローカルネットワーク1052に接続されている。アダプタ1056は、無線アダプタ1056との通信用に配置された無線アクセスポイントも含んでいてよいLAN1052への有線又は無線通信を実現することができる。
【0112】
WANネットワーク環境で用いられている場合、コンピュータ1000はモデム1058を含んでいてよく、又はWAN1054を介して通信サーバに接続されているか、又は、インターネット等により、WAN1054を介して通信を確立する他の手段を有している。モデム1058は、内蔵又は外付けされた有線又は無線機器であってよく、入力機器インターフェース1042を介してシステムバス1008に接続されている。ネットワーク環境において、コンピュータとの関連で表示されている複数のプログラムモジュール、又はそれらの一部をリモートメモリ/記憶装置1050に保存することができる。図示するネットワーク接続は例示的であって、コンピュータ間で通信リンクを確立する他の手段を用いてよいことが認識されよう。
【0113】
コンピュータは、無線通信すべく動作可能に配置された任意の無線機器又は主体、例えばプリンタ、スキャナ、デスクトップ及び/又は可搬コンピュータ、携帯情報端末、通信衛星、無線検出可能タグ(例:キオスク、新聞売店、洗面所)及び電話に関連付けられた機器の任意の部分又は位置と通信すべく動作可能である。これは少なくともWi-Fi及びBluetooth(登録商標)無線技術を含んでいる。従って通信は、従来のネットワークと同様の所定の構造であっても、又は少なくとも2個の機器間の単なるアドホック通信であってもよい。
【0114】
Wi-Fiすなわち無線忠実度は自宅のソファー、ホテルの部屋、又は執務中の会議室から無線でインターネットとの接続を可能にする。Wi-Fiは、コンピュータ等の装置に基地局圏内の屋内外の任意の場所でデータを送受信できるようにする、携帯電話で用いられるものと同様の無線技術である。Wi-Fiネットワークは、安全、高信頼性、且つ高速の無線接続を提供するIEEE802.11と呼ばれる無線技術(a,b,g等)を用いる。Wi-Fiネットワークを用いてコンピュータを、相互に、インターネットに、及び(IEEE802.3又はイーサネットを用いる)有線ネットワークに接続することができる。Wi-Fiネットワークは、免許不要の2.4及び5GHzの無線帯域、例えば9Mbps(802.11a)又は54Mbps(802.11b)のデータレートで、又は両方の帯域(二重帯域)を含む製品を用いて動作するため、ネットワークは多くのオフィスで用いられる基本16BaseT有線イーサネットネットワークと同様の現実世界の性能を提供することができる。
【0115】
従来の4Gシステムと差別化する5Gの態様はNRを使用することである。NRアーキテクチャは、RACHプロシージャに用いるリソースの独立構成のため複数展開するケースをサポートすべく設計されていてよい。NRは、LTEが提供するものに追加的なサービスを提供できるため、LTE及びNRの短所及び長所を利用することが奏功して本明細書に記述するようにLTEとNRとの相互作用を実現することができる。
【0116】
本明細書全体を通じて「1個の実施形態」又は「一実施形態」という文言は、当該実施形態との関連で記述する特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1個の実施形態に含まれることを意味する。従って、「1個の実施形態において」、「一態様において」又は「一実施形態において」という語句が本明細書全体を通じて様々な箇所で出現しても必ずしも全てが同一実施形態を指す訳ではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が任意の適当な仕方で1個以上の実施形態に組み合わされている場合がある。
【0117】
本開示で用いるように、いくつかの実施形態において、「要素」、「システム」、「インターフェース」等の要素は、コンピュータ関連の主体又は1個以上の特定の機能を有する動作可能な装置に関係する主体を指すか又はこれらを含むことを意図しており、主体は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェア、及び/又はファームウェアのいずれであってもよい。一例として、要素は、プロセッサで動作している処理、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、コンピュータ実行可能命令、プログラム及び/又はコンピュータであってよいが、これらに限定されない。例示的に、但し非限定的に、サーバで動作しているアプリケーション及びサーバの両方が要素であり得る。
【0118】
1個以上の要素が処理及び/又は実行スレッド内に常駐していてよく、且つ1個の要素が1個のコンピュータに局在化していても、及び/又は2個以上のコンピュータに分散されていてもよい。また、これらの要素は、各種のデータ構造が保存されている各種の計算機可読媒体から実行することができる。これらの要素は、例えば1個以上のデータパケット(例:ローカルシステム、分散システム内で別の要素と、及び/又はインターネット等のネットワークを介して他のシステムと信号を介して対話している1個の要素からのデータ)を有する信号に従って、ローカル及び/又はリモート処理を介して通信することができる。別の例として、要素は、1個以上のプロセッサにより実行されるソフトウェアアプリケーション又はファームウェアアプリケーションにより動作する電気又は電子回路により動作する機械的部分が提供される特定の機能を有する装置であってよく、プロセッサは当該装置に内蔵又は外付けされていて、ソフトウェア又はファームウェアアプリケーションの少なくとも一部を実行することができる。更に別の例として、要素は、機械部分無しで電子要素全体の特定の機能を提供する装置であってよく、電子要素は、当該電子要素の機能の少なくとも一部を提供するソフトウェア又はファームウェアを実行すべくプロセッサを含んでいてよい。一態様において、要素は、例えばクラウドコンピュータシステム内で、仮想機械を介して電子要素をエミュレートすることができる。各種の要素を別個要素として例示してきたが、例示的な実施形態から逸脱することなく、複数の要素を単一の要素として実装できること、又は単一の要素を複数の要素として実装できることを認識されたい。
【0119】
また、「例」及び「例示的」という用語を本明細書ではインスタンス又は説明図としての意味で用いている。本明細書において「例」又は「例示的」と記述する任意の実施形態又は設計は、必ずしも他の実施形態又は設計よりも好適又は有利であるとは言えない。むしろ、例又は例示的という単語の使用は概念を具体的に提示することを意図している。本出願で用いる「又は」という用語は排他的「又は」ではなく包含的「又は」を意味することを意図している。すなわち、別途指定されているか又は文脈から明らかでない限り、「XがA又はBを用いる」は自然な包含的置換のいずれをも意味することを意図している。すなわち、XがAを用いる、XがBを用いる、又はXがA及びBを用いる場合、「XがA又はBを用いる」は上述のいずれの例でも満たされる。また、本出願及び添付の請求項で用いる冠詞「a」及び「an」は、別途指定されているか又は文脈から単数形を指すことが明らかでない限り、一般に「1個以上の」を意味するものと解釈すべきである。
【0120】
更に、「モバイル機器設備」、「移動局」、「モバイル」、「加入者局」、「アクセス端末」、「端末」、「ハンドセット」、「通信機器」、「モバイル機器」(及び/又は類似用語を表す語)はデータ、制御、声、映像、音、ゲーム又は実質的に任意のデータストリーム又はシグナリングストリームを受信又は搬送する無線通信サービスの加入者局又はモバイル機器が利用する無線機器を指していてよい。上述の用語は本明細書において関連図面を参照しながら置換可能に用いられている。同様に、「アクセスポイント(AP)」、「基地局(BS)」、BSトランシーバ、BS機器、セルサイト、セルサイト機器、「ノードB(NB)」、「進化ノードB(eノードB)」、「ホームノードB(HNB)」等の用語は本出願において置換可能に用いられており、1個以上の加入者からデータ、制御、声、映像、音、ゲーム又は実質的に任意のデータストリーム又はシグナリングストリームを送信及び/又は受信する無線ネットワーク要素又は機器を指す。データ及びシグナリングストリームはパケット化されているか又はフレーム単位のフローであってよい。
【0121】
更に、文脈から各用語間の特定の差異が正当化されない限り、「機器」、「通信機器」、「モバイル機器」、「加入者」、「顧客主体」、「消費者」、「顧客主体」、「主体」等の用語は本明細書を通じて置換可能に用いられる。このような用語が人間主体又はシミュレートされた視覚、音声認識等を提供可能な人工知能(例:複雑な数式に基づいて推論する能力)を介してサポートされた自動化された要素を指していてよいことを認識すべきである。
【0122】
本明細書に記述する実施形態は、無線忠実度(Wi-Fi)、移動通信用グローバルシステム(GSM)、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)、マイクロ波アクセス用世界相互運用性(WiMAX)、拡張汎用パケット無線サービス(拡張GPRS)、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)長期的進化(LTE)、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、高速パケットアクセス(HSPA)、Z波、Zigbee(登録商標)及び他の802.XX無線技術及び/又はレガシー通信技術を含むがこれらに限定されない実質的に任意の無線通信技術で利用可能である。
【0123】
本明細書に記述する各種の態様はニューラジオ(NR)に関係していてよく、独立無線アクセス技術として、又は例えば長期的進化(LTE)等の別の無線アクセス技術に支援された非独立無線アクセス技術として展開可能である。本明細書において各種の態様及び実施形態を5G、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)、及び/又は長期的進化(LTE)、又は他の次世代ネットワークの観点から記述してきたが、当該技術が3G、4G、又はLTEシステムにも適用できるため、開示する態様は5G、UMTS実装及び/又はLTE実装に限定されない。例えば、開示する実施形態の態様又は特徴は実質的に任意の無線通信技術でも利用可能である。このような無線通信技術は、UMTS、符号分割多重アクセス(CDMA)、Wi-Fi、マイクロ波アクセス用世界相互運用性(WiMAX)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張GPRS、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)、LTE、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、高速パケットアクセス(HSPA)、進化型高速パケットアクセス(HSPA+)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、Zigbee、及び別のIEEE 802.XX技術を含んでいてよい。また、本明細書に開示する実質的に全ての態様はレガシー通信技術で利用することができる。
【0124】
本明細書で用いる「5G」はNRアクセスとも称する場合がある。従って、5Gシステムのダウンリンク制御チャネルのリンク適応を実現するシステム、方法、及び/又は機械可読記憶媒体が望まれる。本明細書で用いる5Gネットワークの1個以上の態様は、数万ユーザーに対してサポートされる数毎秒数十メガビット(Mbps)のデータ信号レート、数十ユーザー(例:同一オフィス階で数十人の作業者)に少なくとも毎秒1ギガビット(Gbps)を同時に提供し、大量のセンサ展開に対して数十万件の同時接続がサポートされ、4Gと比較してスペクトル効率が大幅に向上し、4Gと比較してカバレッジが改善され、4Gと比較してシグナリング効率が向上し、及び/又はLTEと比較して遅延が大幅に減少したことを含んでいてよいが、これらに限定されない。
【0125】
5Gシステム用の二段階ダウンリンク制御チャネルを実現するシステム、方法及び/又は機械可読記憶媒体を本明細書において提供する。LTE、長期的進化発展形(LTE-A)、高速パケットアクセス(HSPA)等のレガシー無線システムは、ダウンリンク制御チャネルに固定変調形式を用いる。固定変調形式は、ダウンリンク制御チャネル形式が常に一種類の変調(例:直交位相偏移キーイング(QPSK))で符号化され、固定符号レートを有していることを示唆する。更に、前方誤り訂正(FEC)エンコーダはレートマッチングされた単一の固定母符号レート1/3を用いる。この設計はチャネル統計量を考慮していない。例えば、BS機器からモバイル機器へのチャネルが極めて良好な場合、制御チャネルはこの情報を用いて変調、符号レートを調整することができないため、制御チャネルに不要に電力を割り当てる。同様に、BSからモバイル機器へのチャネルが不足していれば、モバイル機器が受信した情報を固定された変調及び符号レートだけでは復号化できない恐れがある。本明細書で用いる「推測する」又は「推論」という用語は一般に、イベント及び/又はデータを介して取得した観察結果の組からシステム、環境、ユーザー及び/又は意図の状態を理由付けするか又は推論する処理を指す。取得したデータ及びイベントは、ユーザーデータ、機器データ、環境データ、センサからのデータ、センサデータ、アプリケーションデータ、暗示的データ、明示的データ等を含んでいてよい。推論を用いて特定のコンテキスト又は動作を識別すること、又は例えばデータ及びイベントの考慮に基づいて注目する状態にわたり確率分布を生成することができる。
【0126】
推論はまた、イベント及び/又はデータの組からより高水準のイベントを生成すべく用いられる技術を指していてもよい。このような推論は、イベント同士が時間的に近接して相関しているか否か、及びイベントとデータが1又は複数のイベント及びデータソースから生じたか否かを観察したイベント及び/又は保存されたイベントデータの組から新たなイベント又は動作の生成につながる。各種の分類プロシージャ及び/又はシステム(例:サポートベクトル機械、ニューラルネットワーク、エキスパートシステム、ベイズ信頼度ネットワーク、ファジー論理、及びデータ融合エンジン)を、開示主題に関連する自動及び/又は推論動作の実行に関連して用いることができる。
【0127】
また、各種の実施形態は、標準的なプログラミング及び/又は工学的技術を用いて、コンピュータを制御して開示主題を実行するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの任意の組み合わせを製造する方法、装置、又は製造物として実装することができる。本明細書で用いる「製造物」という用語は、任意のコンピュータ可読装置、機械可読装置、コンピュータ可読搬送波、コンピュータ可読媒体、機械可読媒体、コンピュータ可読(又は機械可読)記憶/通信媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを含むことを意図している。例えば、コンピュータ可読媒体は、磁気記憶装置、例えばハードディスク、フロッピーディス、磁気テープ、光ディスク(例:コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、Blu-ray Disc(登録商標)(BD))、スマートカード、フラッシュメモリ装置(例:カード、スティック、キードライブ)、及び/又は記憶装置及び/又は上述のコンピュータ可読媒体の任意のものをエミュレートする仮想装置を含んでいてよいが、これらに限定されない。無論、当業者には、各種の実施形態の範囲又は概念から逸脱することなく当該構成に多くの変更をなし得ることが認識されよう。
【0128】
要約書に記述する事項を含む、開示主題の図示する実施形態の上述の説明は、網羅的であること、又は開示する実施形態を開示形式そのものに限定することを意図していない。本明細書において特定の実施形態及び例を例示目的で記述しているが、当業者には理解されるように、そのような実施形態及び例の範囲内で考慮される各種の変更が可能である。
【0129】
この点に関して、本明細書において各種の実施形態及び対応する図面との関連で主題について記述してきたが、主題から逸脱することなく開示主題の同一、類似、代替的、又は置換機能を実行するために、適宜、他の同様の実施形態を使用できること、又は記述する実施形態に変更及び追加を実施できることを理解されたい。従って、開示主題を本明細書に記述する単一の実施形態だけに限定すべできなく、むしろ添付の請求項に従いその幅及び範囲を解釈すべきである。