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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】顧客支援ロボットピッキング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230425BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021531936
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2019063922
(87)【国際公開番号】W WO2020117636
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】16/210,775
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519067275
【氏名又は名称】ローカス ロボティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェルティー、ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、マイケル チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】リーヴィット、カレン
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507830(JP,A)
【文献】特表2018-528558(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278047(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客支援ロボットピッキングのためのシステムによって実行される、顧客支援ロボットピッキングのための方法であって、
注文を受けたピッキングされるべき品物に近接している小売空間内の所定のロケーションであるポーズ・ロケーションにロボットをナビゲートするステップであって、前記小売空間が、顧客による購入のための品物を有する、ナビゲートするステップと、
前記ロボットが、前記ロボットと通信しているセンサーによって、前記ロボットに近接したゾーン内に位置する顧客を識別するステップと、
前記注文を受けたピッキングされるべき前記品物を識別する情報を前記ロボット上の表示装置、前記顧客が利用する装置、又は前記顧客への通信用に提供された装置を介して前記顧客に通信するステップと、
前記顧客によってピッキングされた前記品物を識別するために、前記顧客による前記品物の提示を検出するステップと、
前記顧客による前記品物のピッキングに対応するデータを含めるために、顧客アカウント用データベースに格納された顧客パフォーマンス・データを更新するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記支援する顧客の前記識別に応答して、前記ロボットを介して、前記顧客アカウント用データベースにアクセスするステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記顧客アカウント用データベースから前記更新された顧客パフォーマンス・データを受信するステップと、
前記顧客パフォーマンス・データに応答して、前記ロボットの対話型ディスプレイ・デバイス上に、顧客支援達成率の少なくとも1つのグラフィック表現をレンダリングするステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記識別するステップが、
前記センサーによって、前記顧客のIDタグを読み取るステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記IDタグが、受動RFIDタグ、能動RFIDタグ、Bluetoothトランシーバ、又はニアフィールド通信(NFC)ビーコンのうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記センサーが、RFIDリーダー、Bluetoothトランシーバ、又はNFCトランシーバのうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記識別するステップが、
前記センサーによって、前記顧客の顔画像をキャプチャするステップと、
前記キャプチャされた顔画像を画像認識データベースと比較するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記センサーが、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、画像センサー、電荷結合デバイス(CCD)、又はCMOSセンサーのうちの少なくとも1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記識別するステップが、
前記センサーによって、前記顧客の声紋、前記顧客の網膜パターン、又は前記顧客の指紋パターンのうちの少なくとも1つをキャプチャするステップと、
前記顧客の声紋、前記顧客の網膜パターン、又は前記顧客の指紋パターンのうちの前記キャプチャされた少なくとも1つを、対応する顧客アカウントデータベースと比較するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記センサーが、イメージング・デバイス、カメラ、ビデオ・カメラ、オーディオ・センサー、網膜スキャナ、指紋スキャナ、赤外線スキャナ、バー・コード・スキャナ、又はRFIDリーダーのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記レンダリングするステップが、
前記対話型ディスプレイ・デバイス上に少なくとも1つの顧客報酬を表示するステップ
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの顧客報酬が、前記顧客によって達成されたマイルストーンに応答してレンダリングされる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記マイルストーンが、前記顧客によってピッキングされた、あらかじめ定義された数のユニット、前記顧客のあらかじめ定義されたピッキングレート、又は誤ったユニットを走査することなしに前記顧客によってピッキングされた、あらかじめ定義された数のユニットのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの顧客報酬が、獲得された割引、無料販売促進品物、店舗クレジット、キャッシュ・バック・インセンティブ、引き換え可能なロイヤルティ・ポイント、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
顧客支援ロボットピッキングのためのシステムであって、
顧客による購入のための品物を有する小売空間内で動作するロボットと、
前記ロボットと電子通信しているセンサーと
を備え、
前記ロボットが、
プロセッサと、
命令を格納するメモリと
を備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ロボットに、
注文を受けたピッキングされるべき品物に近接している前記小売空間内の所定のロケーションであるポーズ・ロケーションに前記ロボットをナビゲートすることと、
前記センサーによって、前記ロボットに近接したゾーン内に位置する顧客を識別することと、
前記注文を受けたピッキングされるべき前記品物を識別する情報を前記ロボット上の表示装置、前記顧客が利用する装置、又は前記顧客への通信用に提供された装置を介して前記顧客に通信することと、
前記顧客によってピッキングされた前記品物を識別するために、前記顧客による前記品物の提示を検出することと、
前記顧客による前記品物のピッキングに対応するデータを含めるために、顧客アカウント用データベースに格納された顧客パフォーマンス・データを更新することと
を行わせる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月5日に出願された米国特許出願第16/210,775号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ロボットピッキングに関し、より詳細には、顧客支援ロボットピッキングに関する。
【背景技術】
【0003】
小売業者からインターネットを通じて宅配又は店内ピックアップ用に製品を注文することは、極めて普及している買い物のやり方である。適時に、正確に、及び効率的な様式でそのような注文を履行することは、控えめに言っても物流的に難しい。バーチャル・ショッピング・カートの「精算する」ボタンをクリックすると「注文」が生じる。注文は、特定の宛先に出荷されるか、又は顧客によるピックアップ用に小売ロケーションにおいて保持されるべきである品物のリスティングを含む。「履行」のプロセスは、店内顧客に開かれている小売環境からこれらの品物を物理的に取ること又は「ピッキング(picking)」することと、それらを梱包することと、指定された宛先にそれらを出荷すること又は顧客ピックアップ用に特定されたオンサイト・ロケーションにおいてそれらをステージングする(stage)ことのいずれかとを伴う。したがって、小売環境における注文履行プロセスの重要な目標は、店内買い物経験に悪影響を及ぼすことなしに、できるだけ短い時間で、できるだけ多くの品物をピッキング及び梱包することである。
【0004】
注文履行プロセスは、一般に、注文にリストされたものを含む、多くの製品を含んでいる小売環境内で行われる。したがって、注文履行の作業の中には、注文にリストされた様々な品物を見つけ、収集するために小売環境をあちこち動くことがある。加えて、最終的に出荷又はステージングされることになる製品が、まず、小売環境内に受け入れられ、出荷又は店内ピックアップのために、店内顧客及び注文を履行しているピッカー(ピッキング者)の両方によってそれらが容易に取り出され得るように、小売環境全体にわたる整然とした様式で小売ディスプレイ・シェルビング(retail display shelving)にストック(配置)される必要がある。
【0005】
小売環境では、配達及び注文されている商品が、互いから遠くに離れ、多数の他の商品の中で分散されて格納されることがある。商品を配置及びピッキングするために人間の作業者のみを使用する注文履行プロセスは、作業者が多大な歩行を行うことを必要とし、非効率的で時間がかかることがある。履行プロセスの効率は、単位時間当たり出荷される品物の数の関数であるので、時間が増加すると効率が低減し、ピッキング作業を実施するために必要とされる従業員の数が増加する。
【0006】
小売環境では、品物の配置及びピッキングは、一般に、余剰のレジ係、フロア担当者、ストック担当者など、小売従業員によって実施される。すなわち、概して、専門の「ピッカー(ピッキング者)」は、一般に、小売環境において利用可能でない。したがって、大量の店内ピックアップ又は出荷されるべき注文の店内ピッキングは、人手レベル(staffing level)を増加させる必要を生じ、それにより、コストを増加させることがある。代わりに、人手レベルが十分に増加されない場合、小売従業員がピッキング作業に気を取られ、したがって、店内顧客に注意を払わないことにより、店内顧客経験に悪影響が及ぼされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願第15/807,672号
【文献】米国特許出願第15/254,321号
【発明の概要】
【0008】
ピッキング効率を増加させ、必要とされる人手負荷を低減するために、人間の機能を実施するためにロボットが使用され得るか、又は人間の活動を補足するためにロボットが使用され得る。たとえば、ロボットは、小売環境全体にわたって分散された様々なロケーションにいくつかの品物を「配置」するために、或いは梱包及び出荷又はステージングのために様々なロケーションから品物を「ピッキング」するために割り当てられ得る。ピッキング及び配置は、ロボットのみによって、又は人間の作業者の支援を受けて行われ得る。たとえば、ピッキング動作の場合、人間の作業者は、棚から品物をピッキングし、それらをロボットに配置するか、又は配置動作の場合、人間の作業者は、ロボットから品物をピッキングし、それらを棚に配置するであろう。小売環境において効率をさらに推進するために、店内顧客が、ピッキング作業のうちの少なくともいくつかを実施するために人間の作業者として活用され得る。
【0009】
本明細書では、小売環境におけるピッキング効率の改善のための、顧客支援ロボットピッキングのための方法及びシステムが提供される。
【0010】
一態様では、本発明は、顧客支援ロボットピッキングのための方法を採用する。本方法は、ピッキングされるべき品物に近接している小売空間内のポーズ・ロケーション(pose location)にロボットをナビゲートするステップであって、小売空間が、顧客による購入のための品物を有する、ナビゲートするステップを含む。本方法は、ロボットが、ロボットと通信しているセンサーによって、ロボットに近接したゾーン内に位置する顧客を識別するステップをも含む。
本方法は、ピッキングされるべき品物を識別する情報を顧客に通信するステップをも含む。本方法は、識別のために顧客による品物の提示を検出するステップをも含む。本方法は、顧客による品物のピッキングに対応するデータを含めるために、顧客アカウントに格納された顧客パフォーマンス・データを更新するステップをも含む。
【0011】
いくつかの実施例では、本方法は、支援する顧客の識別に応答して、ロボットを介して、顧客アカウントにアクセスするステップも含む。いくつかの実施例では、本方法は、顧客アカウントから、更新された顧客パフォーマンス・データを受信するステップをも含む。いくつかの実施例では、本方法は、顧客パフォーマンス・データに応答して、ロボットの対話型ディスプレイ・デバイス上に、顧客支援達成率の少なくとも1つのグラフィック表現をレンダリングするステップをも含む。いくつかの実施例では、識別するステップは、センサーによって、顧客のIDタグを読み取るステップをも含む。いくつかの実施例では、IDタグは、受動RFIDタグ、能動RFIDタグ、Bluetoothトランシーバ、又はニアフィールド通信(NFC)ビーコンのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施例では、センサーは、RFIDリーダー、Bluetoothトランシーバ、又はNFCトランシーバのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施例では、識別するステップは、センサーによって、顧客の顔画像をキャプチャするステップをも含む。いくつかの実施例では、識別するステップは、キャプチャされた顔画像を画像認識データベースと比較するステップをも含む。いくつかの実施例では、センサーは、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、画像センサー、電荷結合デバイス(CCD)、又はCMOSセンサーのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施例では、識別するステップは、センサーによって、顧客の声紋、顧客の網膜パターン、又は顧客の指紋パターンのうちの少なくとも1つをキャプチャするステップをも含む。いくつかの実施例では、識別するステップは、顧客の声紋、顧客の網膜パターン、又は顧客の指紋パターンのうちのキャプチャされた少なくとも1つを、対応する顧客アカウント・データベースと比較するステップをも含む。いくつかの実施例では、センサーは、イメージング・デバイス、カメラ、ビデオ・カメラ、オーディオ・センサー、網膜スキャナ、指紋スキャナ、赤外線スキャナ、バー・コード・スキャナ、又はRFIDリーダーのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施例では、レンダリングするステップは、対話型ディスプレイ・デバイス上に少なくとも1つの顧客報酬を表示するステップをも含む。いくつかの実施例では、少なくとも1つの顧客報酬は、顧客によって達成されたマイルストーンに応答してレンダリングされる。いくつかの実施例では、マイルストーンは、顧客によってピッキングされた、あらかじめ定義された数のユニット、顧客のあらかじめ定義されたピッキングレート、又は誤ったユニットを走査することなしに顧客によってピッキングされた、あらかじめ定義された数のユニットのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施例では、少なくとも1つの顧客報酬は、獲得された割引、無料販売促進品物、店舗クレジット、キャッシュ・バック・インセンティブ、引き換え可能なロイヤルティ・ポイント、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数を含む。
【0012】
別の態様では、本発明は、顧客支援ロボットピッキングのためのシステムを採用する。本システムは、顧客による購入のための品物を有する小売空間内で動作するロボットを含む。本システムは、ロボットと電子通信しているセンサーをも含む。ロボットは、プロセッサを含む。ロボットは、命令を格納するメモリをも含む。命令は、プロセッサによって実行されたとき、ロボットに、ピッキングされるべき品物に近接している小売空間内のポーズ・ロケーションにロボットをナビゲートさせる。命令はまた、プロセッサによって実行されたとき、ロボットに、センサーによって、ロボットに近接したゾーン内に位置する顧客を識別させる。命令はまた、プロセッサによって実行されたとき、ロボットに、ピッキングされるべき品物を識別する情報を顧客に通信させる。命令はまた、プロセッサによって実行されたとき、ロボットに、識別のために顧客による品物の提示を検出させる。命令はまた、プロセッサによって実行されたとき、ロボットに、顧客による品物のピッキングに対応するデータを含めるために、顧客アカウントに格納された顧客パフォーマンス・データを更新させる。
【0013】
本発明のこれら及び他の特徴は、以下の発明を実施するための形態及び添付図から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】小売環境の上面図である。
図2A図1に示されている小売環境内で使用されるロボットのうちの1つのベースの正面図である。
図2B図1に示されている小売環境内で使用されるロボットのうちの1つのベースの斜視図である。
図3】アーマチュア(armature)を装備し、図1に示されている棚の前に駐機された図2A及び図2B中のロボットの斜視図である。
図4】ロボット上のレーザー・レーダーを使用して作成された図1の小売環境の部分マップである。
図5】小売環境全体にわたって分散された基準マーカーのロケーションを特定し、基準マーカー・ポーズ(fiducial marker poses)を格納するためのプロセスを表すフロー・チャートである。
図6】基準識別子(fiducial identification)とポーズ(pose)とのマッピングの表である。
図7】品物ロケーションと基準識別子とのマッピングの表である。
図8】製品SKUとポーズとのマッピング・プロセスを表すフロー・チャートである。
図9図3に示されているロボットのタブレットのアーキテクチャを示すブロック図である。
図10図9に示されているタブレットによって実行されるプロシージャのフロー・チャートである。
図11図3に示されているロボットの代替タブレットのアーキテクチャを示すブロック図である。
図12図3に示されているロボットのタブレット上にレンダリングされる例示的な顧客支援達成率を示す図である。
図13図3のロボットにおいて実装される例示的なコンピューティング・システムのブロック図である。
図14】本明細書で説明される小売動作において利用され得る、例示的な分散型ネットワークのネットワーク図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面において説明及び/又は示され、以下の説明において詳述される非限定的な実施例及び実例を参照しながら、本開示並びに本開示の様々な特徴及び有利な詳細が、より十分に説明される。図面に示される特徴は、必ずしも、一定の縮尺で描かれているとは限らず、一実施例の特徴は、本明細書に明示的に記載されていない場合でも、当業者が認識するように他の実施例とともに採用され得ることに留意されたい。よく知られている構成要素及び処理技法の説明は、本開示の実施例を不必要に不明瞭にしないように、省略され得る。本明細書で使用される実例は、本開示が実施され得るやり方の理解を容易にし、さらに当業者が本開示の実施例を実施することを可能にするためのものにすぎない。したがって、本明細書の実例及び実施例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。その上、類似の参照番号が、図面のいくつかの図の全体にわたって同様の部分を表すことに留意されたい。
【0016】
本発明は顧客支援ロボットピッキングに関する。特定の適用例に制限されないが、本発明が使用され得る1つの好適な適用例は、小売環境内での注文履行である。この適用例でのロボットの使用は、顧客支援ロボットピッキングのためのコンテキストを提供するために説明されるが、その適用例に限定されない。本明細書で使用される「小売環境」という用語は、顧客が、商品、製品、サービス、又はそれらの組合せを求めて買い物をすることができる、任意の物理的環境を含み得る。たとえば、小売環境は、限定はしないが、小売店、電気店、百貨店、「ビッグ・ボックス」小売業者、金物店、ホームセンター、スーパーマーケット、食品雑貨店、モール、アウトドア・マーケット、園芸用品店、顧客が買い物をすることができる任意の他の物理的環境、又はそれらの組合せを含み得る。
【0017】
図1を参照すると、一般的な小売環境10が、注文に含まれ得る様々な品物で満たされた棚12を含む。動作中、小売管理システム15が、店内で注文をピック・アップし、及び/又は、注文を配達宛先に出荷させることになる顧客から、注文16の到来ストリームを受信する。注文16の着信ストリームは、次いで、小売管理システム15によって注文サーバ14に送られる。注文サーバ14は、特に、誘導プロセス中のロボット18への割当てのために、注文に優先度を付け、グループ化し得る。ロボットが、顧客によって処理ステーション(たとえばステーション100)において誘導されたとき、注文16は、実行のためにワイヤレスにロボット18に割り当てられ、通信される。注文サーバ14は、小売管理システム15及び小売管理ソフトウェアと相互動作するように構成された個別ソフトウェア・システムをもつ別個のサーバであり得、又は注文サーバ機能性が、小売管理ソフトウェアに組み込まれ、小売管理システム15上で実行され得ることが、当業者によって理解されよう。
【0018】
好ましい実施例では、図2A及び図2Bに示されているロボット18が、レーザー・レーダー22を有する自律型車輪付きベース20を含む。ベース20は、ロボット18が注文サーバ14及び/又は他のロボットから命令を受信することとそれらにデータを送信することとを可能にするトランシーバ(図示せず)と、デジタル光学カメラ24a及び24bのペアとをも採用する。ロボット・ベースは、自律型車輪付きベース20に電力供給するバッテリーを再充電するための電気充電ポート26をも含む。ベース20は、ロボットの環境を表す情報をキャプチャするためにレーザー・レーダーとカメラ24a及び24bとからデータを受信するプロセッサ(図示せず)をさらに採用する。小売環境10内のナビゲーションに関連付けられた様々な作業を実行すること、並びに、図3に示されているように、棚12に配置された基準マーカー30までナビゲートすることを行うために、プロセッサとともに動作するメモリ(図示せず)がある。基準マーカー30(たとえば2次元バー・コード)は、注文された品物のロケーションに対応する。本発明のナビゲーション手法が、図4図8に関して以下で詳細に説明される。基準マーカーは、充電ステーションを識別するためにも使用され、そのような充電ステーション基準マーカーまでのナビゲーションは、注文された品物のビン/ロケーションまでのナビゲーションと同じである。ロボットが充電ステーションまでナビゲートすると、ロボットを充電ステーションとドッキングさせるためのより精密なナビゲーション手法が使用される。
【0019】
再び図2Bを参照すると、ベース20は、品物を担持するために通い箱(tote)又はビンが格納され得る、上部表面32を含む。複数の交換可能なアーマチュア40のうちのいずれか1つを係合させる、連結器34も示されており、アーマチュア40のうちの1つが図3に示されている。図3中の特定のアーマチュア40は、品物を受け取る通い箱44を担持するための通い箱保持具42(この場合、棚)と、タブレット48を支持するためのタブレット保持具46(又はラップトップ/他のユーザ入力デバイス)とを採用する。いくつかの実施例では、アーマチュア40は、品物を担持するための1つ又は複数の通い箱を支持する。他の実施例では、ベース20は、受け取られた品物を担持するための1つ又は複数の通い箱を支持する。本明細書で使用される「通い箱」という用語は、限定はしないが、貨物保持具、ビン、かご、棚、品物をつるすことができるロッド、台車、木枠、ラック、スタンド、架台、容器、箱、缶、入れ物、及び置場を含む。
【0020】
現在のロボット技術では、物体のロボット操作に関連する機能的困難により、棚から迅速に及び効率的に品物をピッキングし、それらを通い箱44に配置することは技術的に難しい。したがって、現在、品物をピッキングする、より効率的なやり方は、注文された品物を棚12から物理的に取り出し、それをロボット18、たとえば通い箱44に配置する作業を実行するために、顧客50を使用することである。ロボット18は、顧客50が読み取ることができるタブレット48(又はラップトップ/他のユーザ入力デバイス)を介して、又は顧客50によって使用されるハンドヘルド・デバイスに注文を送信することによって、注文を顧客50に通信する。
【0021】
ロボット18は、注文サーバ14から注文16を受信すると、たとえば図3に示されているように、最初のロケーションに進む。ロボット18は、メモリに格納され、プロセッサによって実行されるナビゲーション・ソフトウェアに基づいて、これを行う。ナビゲーション・ソフトウェアは、レーザー・レーダー22によって収集された環境に関するデータと、特定の品物が見つけられ得る小売環境10内のロケーションに対応する基準マーカー30の基準識別子(「ID」)を識別するメモリ中の内部表と、ナビゲートするためのカメラ24a及び24bとに頼る。
【0022】
ロボット18は、正しいロケーション(ポーズ)に達すると、品物が格納された棚12の前にそれ自体を駐機し、顧客50が棚12から品物を取り出し、それを通い箱44に配置するのを待つ。ロボット18が、取り出すべき他の品物を有する場合、ロボット18はそれらのロケーションに進む。次いで、ロボット18によって取り出された(1つ又は複数の)品物は、図1の処理ステーション100に配達され、それらは梱包され、出荷される。処理ステーション100は、この図に関して、ロボットを誘導すること及び荷下ろし/梱包することが可能であるものとして説明されたが、処理ステーション100は、ロボットが、ステーションにおいて誘導されるか又は荷下ろし/梱包されるかのいずれかであるように、すなわち、ロボットが、単一の機能を実施するように制限され得るように、構成され得る。
【0023】
各ロボットが1つ又は複数の注文を履行していることがあり、各注文が1つ又は複数の品物からなり得ることが、当業者によって理解されよう。一般に、効率を増加させるために、何らかの形態のルート最適化ソフトウェアが含まれることになるが、これは、本発明の範囲外であり、したがって、本明細書では説明されない。
【0024】
本発明の説明を簡略化するために、単一のロボット18及び顧客50が説明される。ただし、図1から明らかであるように、一般的な履行動作は、注文の絶え間ないストリームに応じるために、小売環境内で互いの間で働く多くのロボット及び顧客を含む。
【0025】
本発明のベースラインナビゲーション手法、並びに取り出されるべき品物のSKUと、品物がある小売環境内の基準マーカーに関連付けられた基準ID/ポーズとの意味マッピング(semantic mapping)が、図4図8に関して以下で詳細に説明される。
【0026】
1つ又は複数のロボット18を使用して、小売環境10のマップが作成されなければならず、小売環境全体にわたって分散された様々な基準マーカーのロケーションが決定されなければならない。これを行うために、ロボット18のうちの1つ又は複数が、小売環境をナビゲートしているとき、そのレーザー・レーダー22並びに同時位置特定及びマッピング(SLAM:simultaneous localization and mapping)を利用して、図4のマップ10aを構築/更新しており、これは、未知環境のマップを構築又は更新する計算上の問題である。普及しているSLAM近似解法は、粒子フィルタ及び拡張カルマン・フィルタを含む。SLAM GMapping(グリッド・マッピング)手法は好ましい手法であるが、任意の好適なSLAM手法が使用され得る。
【0027】
ロボット18は、そのレーザー・レーダー22を利用して、ロボット18が空間全体にわたって移動し、レーザー・レーダーが環境を走査するときに受け取る反射に基づいて、空間内のオープン空間112、壁114、物体116、及び棚12などの他の静的障害物を識別するとき、小売環境10のマップ10aを作成する。
【0028】
マップ10aを構築している(又はマップ10aをその後更新している)間、1つ又は複数のロボット18は小売環境10中をナビゲートし、カメラ26を使用して環境を走査し、品物が格納された図3の32及び34などのストック・ロケーションに近接した棚上の、小売環境全体にわたって分散された基準マーカー(2次元バー・コード)のロケーションを特定する。ロボット18は、原点110など、基準のための知られている開始点又は原点を使用する。図3及び図4の基準マーカー30などの基準マーカーのロケーションが、ロボット18によってそのカメラ26を使用して特定されたとき、原点110に対する小売環境内のロケーションが決定される。
【0029】
ホイール・エンコーダ及び方位センサーの使用によって、ベクトル120と、小売環境10内のロボットの位置とが決定され得る。基準マーカー/2次元バー・コードのキャプチャされた画像と、その知られているサイズとを使用して、ロボット18は、基準マーカー/2次元バー・コードのロボットに対する配向及びロボットからの距離、すなわちベクトル130を決定することができる。ベクトル120及び130が知られれば、原点110と基準マーカー30との間のベクトル140が決定され得る。ベクトル140と、ロボット18に対する基準マーカー/2次元バー・コードの決定された配向とから、基準マーカー30に対する四元数(x,y,z,ω)によって定義されるポーズ(位置及び配向)が決定され得る。
【0030】
基準マーカーロケーション特定プロセスについて説明する図5のフロー・チャート200が説明される。これは、初期マッピング・モードで実施され、ロボット18が、ピッキングすること、配置すること及び/又は他の作業を実施している間に、小売環境内で新しい基準マーカーに遭遇したとき実施される。ステップ202において、ロボット18は、カメラ26を使用して画像をキャプチャし、ステップ204において、キャプチャされた画像内で基準マーカーを探索する。ステップ206において、基準マーカーが画像中で見つけられた場合(ステップ204)、その基準マーカーが、ロボット18のメモリ34中にある図6の基準表300にすでに格納されているかどうかが決定される。基準情報がすでにメモリに格納されている場合、フロー・チャートは、別の画像をキャプチャするためのステップ202に戻る。その基準情報がメモリにない場合、上記で説明されたプロセスに従ってポーズが決定され、ステップ208において、その基準情報は、基準対ポーズのルックアップ表300に追加される。
【0031】
各ロボットのメモリに格納され得るルックアップ表300では、各基準マーカーについて、基準識別子、1、2、3などと、各基準識別子に関連付けられた基準マーカー/バー・コードのポーズとが含まれる。ポーズは、配向とともに小売環境内のx,y,z座標からなるか、又は四元数(x,y,z,co)からなる。
【0032】
同じく各ロボットのメモリに格納され得る図7の別のルックアップ表400中に、特定の基準ID404、たとえば数「11」に相関された小売環境10内の品物ロケーション(たとえば402a~402f)のリスティングがある。品物ロケーションは、この実例では7つの英数文字からなる。最初の6文字(たとえばL01001)は、小売環境内の棚ロケーションに関係し、最後の文字(たとえばA~F)は、棚ロケーションにおける特定の品物ロケーションを識別する。この実例では、基準ID「11」に関連付けられた6つの異なる品物ロケーションがある。各基準ID/マーカーに関連付けられた1つ又は複数の品物ロケーションがあり得る。
【0033】
英数字の品物ロケーションは、品物が格納された小売環境10内の物理的ロケーションに対応するものとして、人間、たとえば図3の顧客50にとって理解可能である。しかしながら、英数字の品物ロケーションはロボット18にとって意味がない。基準IDにロケーションをマッピングすることによって、ロボット18は、図6の表300の情報を使用して基準IDのポーズを決定し、次いで、本明細書で説明されるようにポーズにナビゲートすることができる。
【0034】
本発明による注文履行プロセスが、図8のフロー・チャート500に表されている。ステップ502において、小売管理システム15から、注文サーバ14は、取り出されるべき1つ又は複数の品物からなり得る注文を取得する。注文割当てプロセスは、かなり複雑であり、本開示の範囲を越えることに留意されたい。1つのそのような注文割当てプロセスは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月1日に出願された、「Order Grouping in Warehouse Order Fulfillment Operations」と題する、同一出願人が所有する米国特許出願第15/807,672号に記載されている。また、ロボットは、単一のロボットが、品物又はコンパートメントごとに1つずつ、複数の注文を実行することを可能にする通い箱アレイを有し得ることに留意されたい。そのような通い箱アレイの実例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月1日に出願された、「Item Storage Array for Mobile Base in Robot Assisted Order-Fulfillment Operations」と題する、米国特許出願第15/254,321号に記載されている。
【0035】
引き続き図8を参照すると、ステップ504において、小売管理システム15によって品物の(1つ又は複数の)SKU番号が決定され、ステップ506において、(1つ又は複数の)SKU番号から(1つ又は複数の)品物ロケーションが決定される。次いで、注文に関する品物ロケーションのリストがロボット18に送信される。ステップ508において、ロボット18は品物ロケーションを基準IDに相関させ、ステップ510において、基準IDから各基準IDのポーズが取得される。ステップ512において、ロボット18は、図3に示されているようにそのポーズにナビゲートし、顧客は、取り出されるべき品物を適切な品物ロケーションからピッキングし、それをロボットに配置することができる。
【0036】
小売管理システム15/注文サーバ14によって取得された、SKU番号及び品物ロケーションなどの品物固有情報は、ロボット18上のタブレット48に送信され得、それにより、顧客50は、ロボットが各基準マーカー・ロケーションに到着したときに取り出されるべき特定の品物を通知され得る。
【0037】
SLAMマップ及び基準IDのポーズが知られれば、ロボット18は、様々なロボット・ナビゲーション技法を使用して、基準IDのうちのいずれか1つに容易にナビゲートすることができる。好ましい手法は、小売環境10内のオープン空間112、及び壁114、棚(棚12など)及び他の障害物116の知識を与えられて、基準マーカー・ポーズへの初期ルートを設定することを伴う。ロボットがそのレーザー・レーダー26を使用して小売環境をあちこち動き始めたとき、ロボットは、固定の障害物、或いは他のロボット18及び/又は顧客50などの動的障害物のいずれかがその経路にあるかどうかを決定し、基準マーカーのポーズへのその経路を繰り返し更新する。ロボットは、障害物を避けながら最も効率的及び効果的な経路を常に探索して、約50ミリ秒ごとにそのルートを再計画する。
【0038】
本明細書で両方とも説明される、SLAMナビゲーション技法と組み合わせられた製品SKU/基準IDと基準ポーズとのマッピング技法を用いて、ロボット18は、小売環境内のロケーションを決定するためのグリッド線及び中間基準マーカーを伴う、一般に使用されるより複雑なナビゲーション手法を使用する必要なしに、極めて効率的及び効果的に小売環境空間をナビゲートすることが可能である。
【0039】
顧客識別及び達成率トラッキング
上記で説明されたように、一般に、ロボット18は、正しいロケーション(ポーズ)に達すると、品物が格納された棚12の前にそれ自体を駐機し、顧客50が棚12から品物を取り出し、それを通い箱44に配置するのを待つ。次に図9及び図10を参照すると、ロボット18と顧客50との間の各ピッキング対話(picking interaction)について、ロボット18は、顧客50を識別し、たとえば、顧客によってピッキングされた品物の数、顧客のピッキングレート、及び/又はエラー・レート(たとえば、誤ったユニットを走査することなしに顧客によってピッキングされたユニットの数又は誤って走査された品物の割合)など、ピッキング対話に関連付けられたピッキングパフォーマンスをトラッキングするように構成され得る。
【0040】
特に、ロボット18が基準30に近接した正しいポーズ・ロケーションに駐機されると、ロボット18は、ロボット18が基準マーカー30に近接したポーズに駐機した時間を決定するために、ロボット18と通信しているデータベースのデータベース・クロックに問い合わせることができる(図10の方法600のステップ601)。ロボットは、次いで、データベース中に、ポーズにおける到着時間の記録を作成することができる(ステップ603)。いくつかの実施例では、ロボット18は、データベース・クロックに問い合わせる代わりに、データベース・タイマーに時間を計数することを開始させ得る。いずれの場合も、目標は、ロボット18がどれくらいの時間の間待ち続けるかを決定することである。
【0041】
いくつかの実施例では、ロボット18と通信しているデータベースは、リモート・スタンドアロン・データベースであり得る。いくつかの実施例では、データベースは、RMS15のメモリ又は注文サーバ14に組み込まれ得る。いくつかの実施例では、データベースはタブレット48に組み込まれ得る。そのような実施例では、タブレット・プロセッサ52は、次いで、ロボット18が基準マーカー30に近接したポーズに駐機した時間を決定するために、タブレット・クロック54に問い合わせることができる(図10の方法600のステップ601)。タブレット・プロセッサ52は、次いで、タブレット・メモリ58中に、ポーズにおける到着時間の記録56を作成することができる(ステップ603)。いくつかの実施例では、タブレット・クロック54に問い合わせる代わりに、タブレット・プロセッサ52は、代わりに、タブレット・タイマー60に時間を計数することを開始させ得る。
【0042】
概して、ロボット18がポーズに駐機された後、顧客50は、ロボット18を見て、ロボット18のほうへ歩くことになる。顧客50は、次いで、どの品物が取り出されるべきかを決定するためにタブレット48を調べ、棚12から品物を取り出し、それをロボット18上に、たとえば、通い箱44に配置する。いくつかの実施例では、ピッキング作業の完了時、品物がロボット18上に配置されたとき、ロボット18は、各ポーズにおいて費やされた滞在時間を決定するために、データベース・クロックに再び問い合わせるか又はデータベース・タイマーを停止することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、ロボット18は、近接度センサー62を含むことができる。いくつかの実施例では、近接度センサー62は、ロボット18に接近する任意の顧客50を検出するように構成され得る。図3にさらに示されているように、ロボット18を囲む近接ゾーン66に顧客50が入ると、近接度センサー62は、顧客50によって担持又は装着されたタグ64を検出することができる(ステップ605)。そのようなタグ64は、能動又は受動RFIDタグ、Bluetoothデバイス、ニアフィールド通信(NFC)デバイス、セルフォン、スマートフォン、或いは任意の他の好適なデバイスを含むことができる。
【0044】
再び図9及び図10を参照すると、顧客50がタグ64を担持している限り、近接度センサー62は、次いで、タグ64に関する情報をデータベースに通信する(ステップ607)。データベースは、次いで、タグ64に関連付けられた識別情報の記録をとるために記録を更新する。所望される場合、ロボットは、顧客50がゾーンに入った時間をも記録することができる(ステップ609)。
【0045】
顧客50は、次いで、どの1つ又は複数の品物がピッキングされるべきであるかを知るためにタブレット48を調べる。代わりに、ロボット18は(たとえば、タブレット48を介して)、ピッキングされるべき品物に関する情報を、顧客50によって使用されるハンドヘルド・デバイスに送信することができる。顧客50は、次いで、棚12から1つ又は複数の品物を取り出し、1つ又は複数の品物を通い箱44に配置し、その時点において、ロボット18は、作業完了を示し、そのポーズにおけるロボット18の滞在時間を決定するために、データベース・クロックに再び問い合わせこと又はデータベース・タイマーを停止することのいずれかを行う。顧客50は、次いでゾーン66を出る。
【0046】
いくつかの実施例では、顧客50が品物を取り出すためにゾーン66を出る必要がないように、ロボット18のポーズ・ロケーションが位置決めされ得る。そのために、より一般的には、ゾーン66のサイズは、特定の適用例に応じて変動することができる。たとえば、いくつかの実施例では、ゾーン66は、ロボット18のロケーションを中心とする直径約1~2メートルであり得る。
【0047】
所望される場合、近接度センサー62は、ゾーン66からの顧客50(及び、適用可能な場合、添付のタグ64)の離脱を検出し(ステップ611)、離脱時間を反映するために記録56を更新することができる(ステップ613)。顧客50がゾーン66を出た後、ロボット18は、次いで、別の棚12又はチェックアウトのための梱包ステーションであり得る、ロボット18の次の行き先に移動する(ステップ615)。
【0048】
図11に示されている他の実施例では、ロボット48がゾーン66内の顧客50を検出するための識別タグ64を顧客50は担持する必要がない。代わりに、タブレット48がオンボード識別システム86に結合される。たとえば、図11に示されているように、オンボード識別システム86は、ユーザ認識デバイス90から識別情報を受信するように構成され、顧客50を識別するために識別データベース92を調べるようにさらに構成された識別システム88を含む。たとえば、いくつかの実施例では、ユーザ認識デバイス90は、(たとえば、電荷結合デバイス(CCD)又はCMOSセンサーなどの画像センサーを有する)イメージング・デバイス、カメラ、ビデオ・カメラ、オーディオ・センサー、網膜スキャナ、指紋スキャナ、赤外線スキャナ、バー・コード・スキャナ、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数を含むことができる。いくつかの実施例では、識別データベース92は、顔認識データベース、網膜データベース、音声パターン・データベース、指紋データベース、バー・コード・データベース、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0049】
顧客識別方法にかかわらず、ロボット18は、ピッキング及び任意の関連付けられた顧客パフォーマンス・データを、対応する顧客アカウントに関連付けることができる。タブレット48によって収集されたデータは、次いで、顧客アカウントに格納された顧客パフォーマンス・データとの関連付けのために、データが得られたときにリアルタイムで又は周期的にのいずれかで小売管理システム15及び/又は注文サーバ14に送信され得る。このようにして収集されたデータは、顧客50並びにロボット18と対話した任意の他の顧客のパフォーマンスに報酬を与えるための基礎を提供する。一般的に、顧客50によってピッキングされた品物の数、顧客50のピッキングレート、及び/又はエラー・レート(たとえば、誤ったユニットを走査することなしに顧客50によってピッキングされたユニットの数又は誤って走査された品物の割合)など、顧客パフォーマンス・データは、顧客インセンティブ報酬プログラムに関して使用され得る。
【0050】
パフォーマンスを評価することに加えて、タブレット48によって収集されたデータ、特に、顧客識別データは、顧客50が、許可された支援する顧客であるか、小売環境の特定の領域において、又は特定の顧客のために動作することを許可されるかどうかを決定するために、セキュリティ目的で小売管理システム15によって使用され得る。その上、識別データは、タブレット48によって使用される言語など、顧客50のための選好を設定するために使用され得る。
【0051】
システム全体ベースで、複数のロボット18と複数の顧客50との間の複数の対話に対応するデータ(たとえば、小売環境内の様々なロケーション全体にわたって複数の小売環境ピッカー顧客50と各々が対話するロボット18の集団を有する小売環境の場合のように)。したがって、たとえば、図1に表されているように、他のロボット18のすべてが、同じく、それらが対話する顧客50からデータを収集し、データを管理サーバ84に送信する。このデータは、したがって、店内人手レベルを設定するのを支援し、顧客50に提供されるインセンティブ報酬の、情報に基づくアセスメント及び調整を可能にし、顧客支援ピッキングに関連付けられた獲得された値をトラッキングするための管理に利用可能である。
【0052】
顧客アクティビティを示す、ロボット18によって収集され、小売管理システム15に送信されるデータは、ロボット18がポーズに到着した後に顧客がゾーン66に入るための時間の量と、顧客50がゾーン66に入った後に顧客50がそのゾーンを出るためにかかる時間の量と、棚12から品物をピッキングし、ロボット18上に配置すること、又はロボット18から品物をピッキングし、それを棚12上に配置することなど、定義された機能を顧客50が実施するためにかかる時間の量と、もしあれば、いくつの誤った品物が顧客50によって走査されるかとのうちの1つ又は複数に関する情報を含む。
【0053】
そのようなデータの使用によって、小売管理システム15は、顧客アクティビティを示す、収集された情報に少なくとも部分的に基づいて、顧客効率をトラッキングするように構成され得る。管理システム15は、この情報に少なくとも部分的に基づいて、小売環境統計値を維持するように構成され得る。収集/算出された顧客効率及び他の統計値は、顧客パフォーマンスを高めるためのインセンティブとして又は管理による他のやり方で使用され得る。
たとえば、特定のポーズが、顧客がピッキング機能を実施するための異常に長い時間、顧客がゾーン66に入ってから、ゾーン66から出るまでの間の異常に長い時間、又はそのポーズに到着してから、顧客がゾーン66に入るまでの間の異常に長い時間に関連付けられる限り、管理システム15及び/又は注文サーバ14は、対応する棚ロケーションへの近接を改善し、及び/又は、ロボット可視性を改善するために、ポーズ・ロケーションを更新することができる。
【0054】
顧客インセンティブ報酬プログラム
上記で説明されたように、小売環境では、品物の配置及びピッキングは、一般に、余剰のレジ係、フロア担当者、ストック担当者など、小売従業員によって実施される。したがって、大量の店内ピックアップ又は出荷されるべき注文の店内ピッキングは、人手レベルを増加させる必要を生じ、それにより、コストを増加させ、及び/又は、小売従業員がピッキング作業に気を取られ、したがって、店内顧客に注意を払わないことにより、店内顧客経験に悪影響を及ぼすことがある。そのような追加されるコストを低減し、小売従業員を店内顧客が利用可能なようにしておくために、いくつかの実施例では、ロボット18を使用する顧客支援ピッキングが実装され得る。顧客50に顧客支援ピッキングプログラムに参加することを奨励するために、いくつかの実施例では、顧客インセンティブ報酬プログラムが実装され得る。
【0055】
図12に示されているように、顧客インセンティブ報酬プログラムは、いくつかの実施例では、少なくとも部分的にタブレット48のディスプレイ700を介して顧客50に提示され得る。特に、たとえば図12に示されているように、ディスプレイ700は、顧客50に対応する現在の従業員パフォーマンスの1つ又は複数のインジケータを含むことができる。そのようなパフォーマンス・インジケータは、たとえば、バッジ701、パフォーマンス・メーター703、パフォーマンス目標705、獲得されたインセンティブのリスティング707、又はそれらの組合せを含むことができる。さらに、図12に示されているディスプレイ700の要素は説明の目的にすぎず、追加のテキスト・データ、数値データ、代替グラフィック、又は他の顧客パフォーマンスに関係するオブジェクトが、いくつかの実施例において顧客に提供され得ることが明らかであろう。たとえば、顧客50は、いくつかの実施例では、小売環境における任意の顧客によって達成されたこれまでの最高ピッキングレート(1時間ごとのユニット)、顧客50によって達成されたこれまでの最高ピッキングレート、1日、1週、1ヵ月、四半期、1年、又は任意の他の時間ウィンドウの間、小売環境における任意の顧客50によって達成された最高ピッキングレート、1日、1週、1ヵ月、四半期、1年、又は任意の他の時間ウィンドウの間、顧客によって達成された最高ピッキングレート、1時間、1日、1週、1ヵ月、四半期、1年、又は任意の他の時間ウィンドウ中に小売環境における任意の顧客によってピッキングされたユニットの最高数、1時間、1日、1週、1ヵ月、四半期、1年、又は任意の他の時間ウィンドウ中に顧客50によってピッキングされたユニットの最高数、平均的な顧客50のピッキングレート、顧客50によってピッキングされたユニットのこれまでの数、すべての顧客50の平均ピッキングレート、これまでのものなのか、1日、1週、1ヵ月、四半期、1年、又は任意の他の時間ウィンドウ中のものなのかにかかわらず、すべての顧客50によって小売環境においてピッキングされた総ユニット、これまでのものなのか、1日、1週、1ヵ月、四半期、1年、又は任意の他の時間ウィンドウ中のものなのかにかかわらず、すべての顧客50の小売環境における平均的な合計ピッキングレート、或いは任意の他の好適なパフォーマンス・データのうちの1つ又は複数を照会することができる。
【0056】
バッジ701は、いくつかの実施例では、1つ又は複数のマイルストーンを達成すると、顧客50に与えられ得る。マイルストーンは、たとえば、顧客50によってピッキングされたユニットの数(たとえば、25、50、100、1,000、10,000、又はユニットの任意の他の数)、顧客50が1つ又は複数のあらかじめ決定された時間期間の間、あらかじめ定義されたピッキングレートを維持すること、顧客50によるパーソナル・ベストのピッキングレートの達成、あらかじめ決定された時間の量の間、顧客50によって、エラーなしピッキング(たとえば、誤った品物をピッキングしないこと)を行うこと、或いは任意の他の好適なマイルストーン又は達成率を含むことができる。
【0057】
パフォーマンス・メーター703は、いくつかの実施例では、顧客固有の目標又は基準、ピア・パフォーマンス、或いはそれらの組合せのうちの1つ又は複数に対する顧客50のパフォーマンスを示すことができる。たとえば、マイルストーン又はインセンティブに達するために、顧客50は、1ヵ月で100個のユニットをピッキングするターゲットを有し得、これは、他の顧客ピッカーに対する「平均」又は中間パフォーマンス(たとえば、図12に示されているパフォーマンス・メーター703上の「平均」)として示され得る。パフォーマンス・メーター703は、次いで、顧客50のピッキングされたユニットの実際の数に基づいて、パフォーマンスが「不良」であるのか、「不十分」であるのか、「平均」であるのか、「良好」であるのか、「優秀」であるのかを示すことができる。たとえば、いくつかの実施例では、不良は、25未満の任意の数のユニットであり得、不十分は、25から74の間の任意の数のユニットであり得、平均は、75から124の間の任意の数のユニットであり得、良好は、125から149の間の任意の数のユニットであり得、優秀は、150よりも大きい任意の数のユニットであり得る。ただし、パフォーマンス・メーター703は、顧客50のパフォーマンス・ステータスを伝達するために、任意の好適なグラフィック(たとえば、図示のようなダイヤル・メーター、セグメント化されたバー、立体バー、又は任意の他の好適なグラフィック)であり得、色、グレースケール、テキスト、画像、又はそれらの任意の数及び組合せを含むことができることが、本開示に鑑みて明らかであろう。さらに、「不良」、「不十分」、「平均」、「良好」、及び「優秀」とラベル付けされた、5つのパフォーマンス・カテゴリーを含むものとして示されているが、パフォーマンス・メーター703は、任意の数のセグメント、カテゴリー、他のパフォーマンス・インジケータ、又はそれらの組合せを有することができ、それらのセグメント、カテゴリー、他のパフォーマンス・インジケータ、又はそれらの組合せは、ラベル付けされないか、又は所望される任意の好適なラベルがラベル付けされ得ることが、本開示に鑑みて明らかであろう。
【0058】
パフォーマンス目標705は、次のマイルストーンに達するための目標パフォーマンス・レベルに使用され、及び/又は最近のパフォーマンス達成率を示すことができる。たとえば、図12に示されているように、顧客50は、100個の品物をピッキングすることによって「ゴールド・レベル」を達成しており、200個のピッキングされた品物に達することによって、次のレベルを達成することができる。ただし、様々な実施例に従って任意のタイプ及び階調のパフォーマンス・レベルが使用され得ることが、本開示に鑑みて明らかであろう。
【0059】
顧客支援ピッキングプログラムは、さらに、顧客アカウントを介して、顧客達成率を認識するための報酬/報奨機構を提供することができる。そのような報酬は、タブレット48上に表示される、獲得されたインセンティブのリスティング707を介して、ロボット18によって提示され得る。リスティング707は、顧客50によって達成されたパフォーマンス・レベルに関連付けられたインセンティブ報酬のリストを顧客50に提供することができる。たとえば、図12に示されているように、顧客は、顧客50の次の購入の25%オフ、5ドルのギフト・カード、及び来月のすべての購入の5%オフを獲得した。より一般的には、顧客報酬は、獲得された割引、無料販売促進品物、店舗クレジット、キャッシュ・バック・インセンティブ、引き換え可能なロイヤルティ・ポイント、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数を含むことができる。ただし、様々な実施例に関して任意の報酬体系が使用され得ることが、本開示に鑑みて明らかであろう。
【0060】
ロボット18のタブレット48上に表示されるものとして本明細書で説明されたが、顧客パフォーマンス・データ及び結果は、ディスプレイを含む任意の好適なデバイス上に表示され得ることが、本開示に鑑みて明らかであろう。たとえば、指定された時間期間中に実施された顧客支援ピッキングの総数は、いくつかの実施例では、小売環境に位置する及び小売環境の周りの1つ又は複数の大きいディスプレイ上に提示され得、したがって、顧客及び従業員は、ロボット18を照会する必要なしに、合計された小売環境全体のパフォーマンスを観察することができる。さらに、いくつかの実施例では、ロボット18及び/又はタブレット48は、ハンドヘルド又はウェアラブル・デバイス(たとえば、モバイル・フォン、スマート・ウォッチ、拡張現実グラス、ハンドヘルド・スキャナ、他の好適なデバイス、又はそれらの組合せ)と通信していることがあり、これは、顧客パフォーマンス・データ及び結果を(たとえば、オーディオ又はビデオ・メッセージを介して)顧客50に表示するか又は場合によっては通信するために使用され得る。
【0061】
非限定的な例示的なコンピューティング・デバイス
図13は、図1図12を参照しながら上記で説明された様々な実施例に従って使用され得るような例示的なコンピューティング・デバイス810、又はそれの部分のブロック図である。コンピューティング・デバイス810は、例示的な実施例を実装するための1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令又はソフトウェアを格納するための1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、限定はしないが、1つ又は複数のタイプのハードウェア・メモリ、非一時的有形媒体(たとえば、1つ又は複数の磁気ストレージ・ディスク、1つ又は複数の光ディスク、1つ又は複数のフラッシュ・ドライブ)などを含むことができる。たとえば、コンピューティング・デバイス810中に含まれるメモリ816は、本明細書で開示される動作を実施するためのコンピュータ可読及びコンピュータ実行可能命令又はソフトウェアを格納することができる。たとえば、メモリは、図1図12に関して説明されるように、様々な開示される動作を実施するようにプログラムされたソフトウェア・アプリケーション840を格納することができる。コンピューティング・デバイス810はまた、メモリ816に格納されたコンピュータ可読及びコンピュータ実行可能命令又はソフトウェア並びにシステム・ハードウェアを制御するための他のプログラムを実行するために、構成可能な及び/又はプログラム可能なプロセッサ812及び関連付けられたコア814と、随意に、(たとえば、複数のプロセッサ/コアを有する計算デバイスの場合)1つ又は複数の追加の構成可能な及び/又はプログラム可能な処理デバイス、たとえば(1つ又は複数の)プロセッサ812’及び関連付けられた(1つ又は複数の)コア814’とを含むことができる。プロセッサ812及び(1つ又は複数の)プロセッサ812’は、各々、単一コア・プロセッサ又は複数コア・プロセッサ(814及び814’)であり得る。
【0062】
コンピューティング・デバイス810において仮想化が採用され得、それにより、コンピューティング・デバイスにおけるインフラストラクチャ及びリソースが動的に共有され得る。複数のプロセッサ上で実行するプロセスを扱うために仮想マシン824が提供され得、それにより、プロセスは、複数のコンピューティング・リソースではなく1つのコンピューティング・リソースのみを使用しているように見える。また、複数の仮想マシンが1つのプロセッサとともに使用され得る。
【0063】
メモリ816は、限定はしないが、DRAM、SRAM、EDO RAMなど、計算デバイス・メモリ又はランダム・アクセス・メモリを含むことができる。メモリ816は、同様に他のタイプのメモリ、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0064】
ユーザは、例示的な実施例に従って提供され得る1つ又は複数のユーザ・インターフェース802を表示することができる、コンピュータ・モニタなど、視覚ディスプレイ・デバイス801を通してコンピューティング・デバイス810と対話することができる。コンピューティング・デバイス810は、ユーザからの入力を受信するための他のI/Oデバイス、たとえば、キーボード又は任意の好適なマルチ・ポイント・タッチ・インターフェース818、ポインティング・デバイス820(たとえば、マウス)を含むことができる。キーボード818及びポインティング・デバイス820は、視覚ディスプレイ・デバイス801に結合され得る。コンピューティング・デバイス810は、他の好適な従来のI/O周辺機器を含むことができる。
【0065】
コンピューティング・デバイス810は、本明細書で開示される動作を実施するデータ及びコンピュータ可読命令及び/又はソフトウェアを格納するための、限定はしないが、ハード・ドライブ、CD-ROM、又は他のコンピュータ可読媒体など、1つ又は複数のストレージ・デバイス834をも含むことができる。例示的なストレージ・デバイス834はまた、例示的な実施例を実装するために必要とされる任意の好適な情報を格納するための1つ又は複数のデータベースを格納することができる。データベースは、データベース中の1つ又は複数の品物を追加、削除、及び/又は更新するために任意の好適な時間において手動で又は自動的に更新され得る。
【0066】
コンピューティング・デバイス810は、限定はしないが、標準電話回線、LAN又はWANリンク(たとえば、802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(たとえば、ISDN、フレーム・リレー、ATM)、ワイヤレス接続、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)、又は上記のいずれか又はすべての何らかの組合せを含む、様々な接続を通して、1つ又は複数のネットワーク・デバイス832を介して、1つ又は複数のネットワーク、たとえば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)又はインターネットとインターフェースするように構成されたネットワーク・インターフェース822を含むことができる。ネットワーク・インターフェース822は、内蔵ネットワーク・アダプタ、ネットワーク・インターフェース・カード、PCMCIAネットワーク・カード、カード・バス・ネットワーク・アダプタ、ワイヤレス・ネットワーク・アダプタ、USBネットワーク・アダプタ、モデム、又は通信が可能な任意のタイプのネットワークにコンピューティング・デバイス810をインターフェースし、本明細書で説明される動作を実施するのに好適な任意の他のデバイスを含むことができる。その上、コンピューティング・デバイス810は、ワークステーション、デスクトップ・コンピュータ、サーバ、ラップトップ、ハンドヘルド・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、或いは、通信が可能であり、本明細書で説明される動作を実施するために十分なプロセッサ・パワー及びメモリ容量を有する他の形式のコンピューティング又は電気通信デバイスなど、任意の計算デバイスであり得る。
【0067】
コンピューティング・デバイス810は、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティング・システム(Microsoft、ワシントン州レドモンド)のバージョンのいずれか、Unix及びLinux(登録商標)オペレーティング・システムの異なるリリース、MacintoshコンピュータのためのMAC OS(登録商標)(Apple,Inc.、カリフォルニア州クパチーノ)オペレーティング・システムの任意のバージョン、任意の埋込みオペレーティング・システム、任意のリアルタイム・オペレーティング・システム、任意のオープン・ソース・オペレーティング・システム、任意のプロプライエタリ・オペレーティング・システム、又は、コンピューティング・デバイス上で実行し、本明細書で説明される動作を実施することが可能な任意の他のオペレーティング・システムなど、任意のオペレーティング・システム826を実行することができる。例示的な実施例では、オペレーティング・システム826は、ネイティブ・モード又はエミュレートされたモードで実行され得る。例示的な実施例では、オペレーティング・システム826は、1つ又は複数のクラウド・マシン・インスタンス上で実行され得る。
【0068】
図14は、いくつかの分散型実施例の例示的な計算デバイス・ブロック図である。図1図12、及び上記の例示的な説明の部分は、個々の又は共通のコンピューティング・デバイス上で各々動作する、小売管理システム15及び注文サーバ14を参照するが、小売管理システム15、注文サーバ14、及び/又はゾーン・サーバのうちのいずれか1つが、代わりに、別個のサーバ・システム901a~901dにおいて、及び場合によっては、キオスク、デスクトップ・コンピュータ・デバイス902、又はモバイル・コンピュータ・デバイス903など、ユーザ・システムにおいて、ネットワーク905にわたって分散され得ることを認識されよう。たとえば、注文サーバ14及び/又はゾーン・サーバは、ロボット18のタブレット48の間で分散され得る。いくつかの分散型システムでは、小売環境管理システム・ソフトウェア、注文サーバ・ソフトウェア、及びゾーン・エンジンのうちのいずれか1つ又は複数のモジュールが、サーバ・システム901a~901d上に別個にあり得、ネットワーク905にわたって互いと通信していることがある。
【0069】
本発明の上記の説明は、当業者が、それの最良の形態であると現在見なされるものを製作及び使用することを可能にし、当業者は、本明細書の特定の実施例及び実例の変形形態、組合せ、及び等価物の存在を理解し、諒解する。本発明の上記で説明された実施例は、実例にすぎないものとする。本明細書に添付された特許請求の範囲によって単独で定義される、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって特定の実施例に対して改変、変更及び変形が実施され得る。したがって、本発明は、上記で説明された実施例及び実例によって限定されない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14