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特許7268167顧客サポート呼の第2の要素認証のためのシステムおよび方法
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  • 特許-顧客サポート呼の第2の要素認証のためのシステムおよび方法 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】顧客サポート呼の第2の要素認証のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/35 20130101AFI20230425BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20230425BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20230425BHJP
【FI】
G06F21/35
G06F21/31
G06F21/60 360
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021542373
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020023134
(87)【国際公開番号】W WO2020190934
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】16/357,266
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519111877
【氏名又は名称】キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Capital One Services, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100210701
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 義則
(72)【発明者】
【氏名】イリンチック,ライコ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,ケイトリン
(72)【発明者】
【氏名】ルール,ジェフリー
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-041001(JP,A)
【文献】特開2016-127426(JP,A)
【文献】米国特許第09894199(US,B1)
【文献】特開2008-276422(JP,A)
【文献】特開2001-352324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00
G06F 21/30-21/46
G06F 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理コンポーネントおよびメモリコンポーネントを備える1つまたは複数のサーバを、備えるシステムであって、前記メモリコンポーネントは、前記処理コンポーネントによって実行可能な命令を格納するように構成され、前記命令は、実行されると、前記処理コンポーネントに、
認証情報を処理して、サービスを実行するユーザを認証することと、
前記ユーザの前記サービスを実行するために第2の要素認証が必要であることを決定することと、
前記ユーザに関連付けられたデバイスに認証要求を送信して、前記第2の要素認証を実行することと、
前記デバイスから暗号文を受信することであって、前記暗号文は、非接触カードによって生成され、前記暗号文は、暗号化されたカウンタ値を備え、前記カウンタ値は、前記非接触カードによって維持され、無線通信に応答してインクリメントするように構成される、ことと、
前記暗号化された暗号文を復号して、復号されたカウンタ値を生成することであって、前記暗号化された暗号文は、前記非接触カードに関連付けられたマスター鍵から生成された多様化された鍵で復号される、ことと、
前記復号されたカウンタ値を格納されたカウンタ値と比較することにより、前記第2の要素認証を実行することと、
前記格納されたカウンタ値と一致する前記復号されたカウンタ値に応答して前記サービスを有効にすることと、
を実行させる、システム。
【請求項2】
前記処理コンポーネントは、前記格納されたカウンタ値と一致しない前記復号されたカウンタ値に応答して前記サービスの実行を防止するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記非接触カードに関連付けられた前記マスター鍵を格納するように構成されたストレージを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ストレージは、前記非接触カードに関連付けられた前記格納されたカウンタ値を格納するようにさらに構成され、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記暗号文は、前記非接触カードを識別するための暗号化された一意の識別子をさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理コンポーネントは、
第1の通信チャネルを介して前記認証情報を受信し、
前記第1の通信チャネルとは異なる第2の通信チャネルを介して前記第2の要素認証を実行する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理コンポーネントは、
前記サービスが顧客サービス呼であることを決定し、
前記サービスが前記顧客サービス呼であることに応答して、前記第2の要素認証が必要であることを決定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
2の認証要求を決定するための前記処理コンポーネントは、第1のコールエージェントから第2のコールエージェントに切り替わる顧客サービス呼を含む前記サービスに基づいて必要とされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
2の認証要求を決定するための前記処理コンポーネントは、疑わしいアクティビティを検出するコールエージェントに基づいて必要とされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
コンピュータで実現する方法であって、
認証情報を処理して、サービスを実行するユーザを認証することと、
前記ユーザの前記サービスを実行するために第2の要素認証が必要であることを決定することと、
前記ユーザに関連付けられたデバイスに認証要求を送信して、前記第2の要素認証を実行することと、
前記デバイスから暗号文を受信することであって、前記暗号文は、非接触カードによって生成され、前記暗号文は、暗号化されたカウンタ値を備え、前記カウンタ値は、前記非接触カードによって維持され、無線通信に応答してインクリメントするように構成されることと、
前記暗号化された暗号文を復号して、復号されたカウンタ値を生成することであって、前記暗号化された暗号文は、前記非接触カードに関連付けられたマスター鍵から生成された多様化された鍵で復号される、ことと、
前記復号されたカウンタ値を格納されたカウンタ値と比較することにより、前記第2の要素認証を実行することと、
前記格納されたカウンタ値と一致する前記復号されたカウンタ値に応答して前記サービスを有効にすることと、
を含む方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記格納されたカウンタ値と一致しない前記復号されたカウンタ値に応答して前記サービスの実行を防止することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記非接触カードに関連付けられたストレージに前記マスター鍵を格納することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記非接触カードに関連付けられたストレージに前記格納されたカウンタ値を格納すること
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記暗号文は、前記非接触カードを識別するための暗号化された一意の識別子をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
第1の通信チャネルを介して前記認証情報を受信することと、
前記第1の通信チャネルとは異なる第2の通信チャネルを介して前記第2の要素認証を実行することと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、
前記サービスが顧客サービス呼であることを決定することと、
前記サービスが前記顧客サービス呼であることに応答して、前記第2の要素認証が必要であることを決定することと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
2の認証要求を決定することは、第1のコールエージェントから第2のコールエージェントに切り替わる顧客サービス呼を含む前記サービスに基づいて必要とされる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
2の認証要求を決定することは、疑わしいアクティビティを検出するコールエージェントに基づいて必要とされる、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
命令を含むコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、処理回路によって実行されると、前記処理回路に、
認証情報でユーザを認証することと、
前記ユーザに要求されたサービスを実行するために第2の要素認証が必要であることを決定することと、
前記ユーザに関連付けられたデバイスに認証要求を通信することと、
前記デバイスを介して非接触カードから暗号文を受信することであって、前記暗号文は、暗号化されたカウンタ値を備え、前記カウンタ値は、前記非接触カードによって維持され、無線通信に応答してインクリメントするように構成される、ことと、
前記非接触カードに関連付けられたマスター鍵から多様化された鍵を決定することと、
前記暗号化された暗号文を前記多様化された鍵で復号して、復号されたカウンタ値を生成することと、
前記復号されたカウンタ値を格納されたカウンタ値と比較することにより、前記第2の要素認証を実行することと、
前記格納されたカウンタ値と一致する前記復号されたカウンタ値に応答して前記サービスを有効にすることと、
を実行させる、
コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記命令は、前記処理回路に、
前記格納されたカウンタ値と一致しない前記復号されたカウンタ値に応答して、前記サービスの実行を防止させる、
請求項19に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2019年3月18日に出願された「顧客サポート呼の第2の要素認証のためのシステムおよび方法」という名称の米国特許出願第16/357,266号の優先権を主張する。前述の出願の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
コールセンタサービスは通常、クライアントがアカウントにアクセス、変更、削除、またはその他の方法で制御できるようにするために、サービスプロバイダによって提供される。セキュリティの観点から、コールセンタのトランザクションは、機密の顧客情報を悪意のある第三者に公開し得るため、コールセンタは、企業の最もリスクの高い領域になり得る。顧客コールセンタで特定の日に受信される呼の最大90%は、顧客アカウントへの不適切なアクセスを試みている不正な発信者からのものである。
【0003】
これらのセキュリティ上の懸念に対処するために、支払いカード業界セキュリティ標準評議会(PCI SSC)は、支払いカード業界(PCI)セキュリティ標準の継続的な進化を管理している。サービスプロバイダは、機密の顧客データを保護するためにPCI標準への準拠を実施する責任がある。例えば、PCI標準は、クライアントが顧客アカウント情報にアクセスおよび/または変更することを許可する前に従うべき認証標準を指示し得る。コールセンタでは、パスワードの交換、個人的な質問への回答、生体認証データなどの形でクライアント認証が必要になり得る。しかしながら、認証技術は、情報や資金を盗もうとしてクライアントになりすますために、詐欺師が着信番号、電子メールアドレス、IPアドレスなどをマスクまたは変更する「なりすまし」や「フィッシング」などの問題の影響を受けることがよくある。外部リスクは、顧客情報を盗む目的で、サービスプロバイダの通信、特に、コールセンタの通信を監視するハッカによっても引き起こされる。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、情報アクセス要求を認証するためのデバイスは、顧客サービスエージェントから認証要求を受信するように構成された顧客サービスインターフェースであって、認証要求は、第1の通信チャネルを介してクライアントのデバイスから顧客サービスエージェントによって受信されたアクセス要求に関連付けられる、顧客サービスインターフェースを含む。認証要求は、デバイスがアクセス要求によって求められる情報へのアクセスを承認されているかどうかを決定するために使用され得る。デバイスはさらに、クライアントの事前検証された連絡先情報を備えるクライアントデータを格納するように構成されたストレージデバイスと、事前検証された連絡先情報を使用して確立された第2の通信チャネルを介して第2の要素認証要求をクライアントにプッシュするように構成されたクライアントインターフェースを含む。クライアントインターフェースは、クライアントから認証応答を受信するように構成し得る。第2の通信チャネルは、第1の通信チャネルとは異なり得る。デバイスは、第2の要素認証要求を生成するための、顧客サービスインターフェースとクライアントインターフェースに結合された認証サーバを含み、認証応答と格納されているクライアントデータの一致に応じて、アクセス要求によって求められる情報へのアクセスを選択的にロック解除する。
【0005】
他の態様によれば、顧客サービスエージェントが受信したアクセス要求を認証するための方法は、顧客サービスエージェントからの認証要求を受信することであって、認証要求は、第1の通信チャネルを介してクライアントのデバイスから前記顧客サービスエージェントによって受信されたアクセス要求に関連付けられるステップを含む。認証要求は、デバイスがアクセス要求によって求められる情報にアクセスできるかどうかを決定するために使用され得る。方法は、データストアからクライアントの事前検証された連絡先情報を含むクライアントデータを取得することと、事前検証された連絡先情報を使用して、第2の通信チャネルを介して認証要求をデバイスにプッシュすることのステップを含む。認証要求は、クライアントからの第2の要素認証の要求を備え得る。方法は、第2の通信チャネルを介してデバイスから第2の要素認証応答を受信することと、第2の要素認証応答を前記クライアントデータと比較することと、アクセス要求によって求められた情報へのアクセスを選択的にロック解除することを含む、比較のステップに応じてクライアントを選択的に認証することとのステップを含む。
【0006】
さらなる態様によれば、顧客サービスエージェントが受信した情報アクセス要求を認証するための方法は、顧客サービスエージェントからの認証要求の受信することであって、認証要求は、クライアントのデバイスからの第1の通信チャネルを介して顧客サービスエージェントによって受信されたアクセス要求に関連付けられるステップを含む。第1の通信チャネルは、セッション識別子を含み得、認証要求は、デバイスがクライアントアクセス要求によって求められる情報へのアクセスを許可されているかどうかを決定するために使用され得る。方法は、データストアからクライアントの事前検証されたクライアント連絡先情報を取得することと、事前検証されたクライアント連絡先情報を使用して確立された第2の通信チャネルを使用して認証要求をデバイスにプッシュすることのステップを含み得る。第2の通信チャネルは、第1の通信チャネルとは異なり得る。認証要求は、クライアントの非接触カードからの暗号文の要求を含み得、方法は、アクセス要求の認証することは、第2の通信チャネルを介してクライアントデバイスから暗号文を受信することを含み、クライアントに関連付けられた鍵のコピーを使用して暗号文を復号し、復号されたカウンタ情報を提供することと、復号されたカウンタ情報を、クライアントのために維持されているカウンタのコピーと比較することと、情報へのアクセスを選択的にロック解除することを含む、比較のステップに応じて、クライアントデバイスを選択的に認証することとのステップを含む。方法は、事前検証されたクライアント連絡先情報に応答して生成された第3の通信チャネルを使用してアクセス要求をクライアントに通知することであって、第3の通信チャネルは、第1および第2の通信チャネルの両方とは異なる、こととのステップをさらに含む。
【0007】
顧客データへのアクセスを許可する前に認証情報を交換するために異なる通信チャネルを使用すると、悪意のある当事者がすべてのクライアント通信インターフェースを中断できないため、機密の顧客情報が開示される可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】例示的な実施形態に係る、顧客の要求を事前認証するように構成されたデータ伝送システムのブロック図である。
図1B】例示的な実施形態に係る、認証されたアクセスを提供するためのシーケンスを示す図である。
図2図1Aのシステムで使用され得る認証情報を格納するための非接触カードの例である。
図3図2の非接触カードの例示的なコンポーネントを示す詳細なブロック図である。
図4図1Aの非接触カードとクライアントデバイスとの間で交換されるメッセージの例示的なフィールドの図である。
図5】本発明の態様をサポートするために利用され得る、図1Aのシステムのコンポーネントの詳細なブロック図である。
図6】本発明の態様に係る呼認証中に図4のコンポーネントによって一実施形態で実行され得る例示的なステップを説明するために提供されるデータフロー図である。
図7図2の非接触カードを使用する呼ルーティングプロセスの一実施形態の間に実行され得る例示的なステップを説明するために提供されるデータフロー図である。
図8図2の非接触カードを使用する呼ルーティングプロセスの他の実施形態の間に実行され得る例示的なステップを説明するために提供されるデータフロー図である。
図9】事前認証されたサービス要求を受け入れるコールサービスセンタにおける例示的な呼処理パイプラインを示すブロック図である。
図10】クライアントデータに提供され得る階層化されたセキュリティ制御を説明するために提供されるブロック図である。
図11】一実施形態において、顧客サービスエージェントおよび認可サービスによって実行され得る例示的なステップを説明するために提供されるフロー図である。
図12A】様々な実施形態において顧客サービスエージェントおよびクライアントに表示され得る例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)コンテンツを示している。
図12B】様々な実施形態において顧客サービスエージェントおよびクライアントに表示され得る例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)コンテンツを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のいくつかの実施形態の目的は、オズボーンらによって2018年11月29日に出願された「非接触カードの暗号化認証のためのシステムおよび方法」と題され、参照により本明細書に援用される米国特許出願第16/205,119号(以下、119出願という)に記載されているように、1つまたは複数の非接触カードに組み込まれた1つまたは複数の鍵の使用である。非接触カードは、認証や、ユーザが非接触カードに加えて別の物理トークンを携帯する必要があるその他の多くの機能を実行するために使用され得る。非接触インターフェースを採用することにより、非接触カードは、ユーザのデバイス(携帯電話など)とカード自体との間で相互作用および通信するための方法を提供され得る。例えば、多くのクレジットカードトランザクションの基礎となるEMVプロトコルは、Android(登録商標)のオペレーティングシステムには十分であるが、読み取り専用でのみ使用されるため、近距離無線通信(NFC)の使用に関してより制限されているiOS(登録商標)には課題がある認証プロセスを含む。かなりの距離で動いているデバイスを読み取るために使用され得るRFIDとは異なる。119出願に記載されている非接触カードの例示的な実施形態は、NFC技術を利用し得る。
【0010】
したがって、サービスプロバイダの多要素認証機能とインテリジェントな呼ルーティングを活用して、顧客コールセンタのセキュリティと効率を向上させるシステムおよび方法が開示されている。顧客サポート要求の事前認証により、呼処理中に機密の顧客データが悪用される可能性が低くなる。クライアントに一意に関連付けられた非接触カードは、認証の第2の要素を提供して、クライアントの悪意のある第三者のなりすましの可能性を減らし得る。事前承認された顧客サポート呼は、悪意のある呼の干渉や情報の盗難の機会を減らす方法で、インテリジェントかつ効率的にルーティングされる。
【0011】
他の態様によれば、顧客サービス要求の処理中に、顧客サービス担当者がクライアントをさらに認証することが有益であり得ることが認識されている。そのようなさらなる認証は、パスワードおよび連絡先情報を含む非常に機密性の高いデータの変更を許可する前、またはローンサービスなどの特定のサービスへのアクセスを許可する前を含む様々な理由で実行され得る。顧客が顧客サービスエージェント間で転送された場合、または顧客サービスエージェントがクライアント情報へのアクセスを求めるクライアントの信頼性に疑いを持った場合にも、さらなる認証が必要になり得る。
【0012】
一態様によれば、認証は、情報アクセスを要求するために使用されるもの以外の通信チャネルおよびプロトコルを使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、通信チャネルは、サービスプロバイダによって事前に検証されたクライアントの連絡先情報を使用して確立される。いくつかの実施形態では、アクセスが許可された後、電子メールまたはテキストメッセージングなどの他の通信方法を使用して、クライアントにそのようなアクセスを通知し得る。認証の様々な段階で異なる通信チャネルとプロトコルを使用すると、悪意のある第三者が認証に使用される各通信媒体に同時に干渉することが困難になるため、悪意のある第三者の干渉の可能性が制限される。
【0013】
本発明のこれらおよび他の特徴は、図を参照して説明され、ここで、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を参照するために使用される。
【0014】
この出願で使用される「システム」、「コンポーネント」、および「ユニット」という用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことを意図しており、その例は、本明細書に記載されている。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、ハードディスクドライブ、(光および/または磁気記憶媒体の)複数のストレージドライブ、オブジェクト、実行可能なもの、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。実例として、サーバ上で実行されているアプリケーションとサーバの両方は、コンポーネントであり得る。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行スレッド内に配置され得、コンポーネントは、1つのコンピュータにローカライズされ、および/または2つ以上のコンピュータに分散され得る。
【0015】
さらに、コンポーネントは、動作を調整するために、様々なタイプの通信媒体によって互いに通信可能に結合され得る。調整には、一方向または双方向の情報交換が含まれ得る。例えば、コンポーネントは、通信媒体を介して通信される信号の形で情報を通信し得る。この情報は、様々な信号線に割り当てられた信号として実施され得る。このような割り当てでは、各メッセージは、信号である。しかしながら、さらなる実施形態は、代替的に、データメッセージを使用し得る。このようなデータメッセージは、様々な接続を介して送信され得る。例示的な接続には、パラレルインターフェース、シリアルインターフェース、およびバスインターフェースが含まれる。
【0016】
図1Aは、ネットワーク115を介してサービスプロバイダ120に結合された1つまたは複数のクライアントデバイス110を含むシステム100を示している。一態様によれば、クライアントデバイス110は、ネットワーク対応コンピュータを備え、ネットワーク115および125を介してサービスプロバイダ120と通信して、サービスプロバイダのコンテンツおよびサービスにアクセスする。
【0017】
本明細書で言及されるように、ネットワーク対応コンピュータは、例えば、コンピュータデバイス、または、例えば、サーバ、ネットワークアプライアンス、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、モバイルデバイス、電話、ハンドヘルドPC、携帯情報端末(PDA)、シンクライアントデバイス、ファットクライアントデバイス、インターネットブラウザ、またはその他のデバイスを含む通信デバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0018】
したがって、クライアントデバイス110は、プロセッサおよびメモリを含み得、処理回路は、本明細書に記載の機能を実行するために必要に応じて、プロセッサ、メモリ、エラーおよびパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、および改ざん防止ハードウェアを含む追加のコンポーネントを含み得ることが理解される。クライアントデバイス110は、ディスプレイおよび入力デバイスをさらに含み得る。ディスプレイは、コンピュータモニタ、フラットパネルディスプレイ、および液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマパネル、およびブラウン管ディスプレイを含むモバイルデバイス画面などの視覚情報を提示するための任意のタイプのデバイスであり得る。入力デバイスは、タッチスクリーン、キーボード、マウス、カーソル制御デバイス、タッチスクリーン、マイク、デジタルカメラ、ビデオレコーダまたはカムコーダなど、ユーザのデバイスによって利用可能でサポートされている情報をユーザのデバイスに入力するための任意のデバイスを含み得る。これらのデバイスは、情報を入力し、本明細書に記載のソフトウェアおよび他のデバイスと相互作用するために使用され得る。
【0019】
1つまたは複数のクライアントデバイス110はまた、例えば、Apple(登録商標)のiPhone(登録商標)、iPod(登録商標)、iPad(登録商標)、またはAppleのiOS(登録商標)オペレーティングシステムを実行するその他のモバイルデバイス、MicrosoftのWindows(登録商標)モバイルオペレーティングシステムを実行する任意のデバイス、および/または他のスマートフォンまたは同様のウェアラブルモバイルデバイスなどのモバイルデバイスであり得る。
【0020】
図1Aの様々なクライアントデバイス110は、携帯電話142、ラップトップ144、タブレット148、および端末146を含む。クライアントデバイス110は、サービスプロバイダ120との通信に特に適合されたシンクライアントアプリケーションを含み得る。シンクライアントアプリケーションは、クライアントデバイスのメモリに格納され、クライアントデバイスによって実行されたときに動作可能であり、クライアントデバイスとサービスプロバイダアプリケーションとの間のインターフェースを制御し、クライアントデバイスのユーザがサービスプロバイダコンテンツおよびサービスにアクセスできるようにし得る。
【0021】
いくつかの例では、ネットワーク115は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数であり得、クライアントデバイス110をサービスプロバイダ120に接続するように構成され得る。例えば、ネットワーク115は、光ファイバネットワーク、パッシブ光ネットワーク、ケーブルネットワーク、インターネットネットワーク、衛星ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、移動体通信のためのグローバルシステム、パーソナルコミュニケーションサービス、パーソナルエリアネットワーク、無線アプリケーションプロトコル、マルチメディアメッセージングサービス、拡張メッセージングサービス、ショートメッセージサービス、時間分割マルチプレックスベースのシステム、コード分割マルチアクセスベースのシステム、D-AMPS、Wi-Fi、固定無線データ、IEEE802.11b、802.15.1、802.11nおよび802.11g、ブルートゥース(登録商標)、NFC、無線周波数識別(RFID)、Wi-Fiなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0022】
さらに、ネットワーク115は、電話回線、光ファイバ、IEEEイーサネット902.3、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、無線パーソナルエリアネットワーク(「WPAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、またはインターネットなどのグローバルネットワークを含み得るがこれらに限定されない。さらに、ネットワーク115は、インターネットネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせをサポートし得る。ネットワーク115は、スタンドアロンネットワークとして、または互いに協力して動作する、1つのネットワーク、または上記の任意の数の例示的なタイプのネットワークをさらに含み得る。ネットワーク115は、それらが通信可能に結合されている1つまたは複数のネットワーク要素の1つまたは複数のプロトコルを利用し得る。ネットワーク115は、他のプロトコルとの間でネットワークデバイスの1つまたは複数のプロトコルに変換し得る。
【0023】
1つまたは複数の例によれば、ネットワーク115は、例えば、インターネット、サービスプロバイダのプライベートネットワーク125、ケーブルテレビネットワーク、クレジットカードアソシエーションネットワークなどの企業ネットワーク、ホームネットワークなど、複数の相互接続されたネットワークの一部であり得ることを理解されたい。さらに、プライベートネットワーク125は、ネットワーク115上に階層化された仮想プライベートネットワークとして実施され得る。
【0024】
サービスプロバイダ120は、一実施形態では、ネットワーク115を介してクライアントにコンピュータベースのサービスを提供する事業である。現代のほとんど全てのサービスプロバイダは、インターネットを使用して潜在的な消費者にサービスを提供している。サービスの提供は、通常、サービスプロバイダの専用リソースを使用して動作するソフトウェアアプリケーションの形式で提供される。クライアントに特定のサービスを提供するソフトウェアとハードウェアの組み合わせは、本明細書では「サーバ」と呼ばれる。サーバは、しばしば企業または事業ネットワークと呼ばれる、サービスプロバイダのプライベートネットワーク125を介して通信し得る。プライベートネットワーク125は、ネットワーク115に関して上記で説明したように、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせを備え得る。
【0025】
図1Aのシステムでは、サービスプロバイダ120は、アプリケーションサーバ150、認証サーバ160、および顧客関係管理(CRM)サーバ140を含むように示されている。各サーバは、個別のデバイスとして示されているが、アプリケーションとサーバは、企業全体に分散され得、「クラウド」リソースなどの分散リソースの場合は、ネットワーク115全体に分散され得ることを理解されたい。アプリケーションサーバ150は、サービスプロバイダ120によって提供される1つまたは複数のアプリケーションサービス、例えば、アカウント管理サービスをサポートし得る。CRMサーバ140は、クライアントからワークステーション132、135で動作する1つまたは複数の呼処理エージェントへの着信呼の処理および転送を含む、サービスプロバイダ120のクライアントに顧客サポートサービスを提供するために使用され得る。
【0026】
データベース130は、例えば、アプリケーションサーバ150および認証サーバ160によって使用される顧客アカウント、資格情報、および他の認証情報を格納するために使用され得るデータストレージリソースを備える。データベース130は、ローカルストレージ、分散データセンタストレージ、またはクラウドベースのストレージの任意の組み合わせを備える結合されたデータリソースから構成され得る。
【0027】
一態様によれば、非接触カード105は、1つまたは複数のクライアントデバイス110との無線通信、例えば、近距離無線通信(NFC)し得る。例えば、非接触カード105は、NFCまたは他の短距離プロトコルを介して通信するように構成された、無線周波数識別チップなどの1つまたは複数のチップを備え得る。他の実施形態では、非接触カード105は、ブルートゥース(登録商標)、衛星、および/またはWiFiを含むがこれらに限定されない他の手段を介してクライアントデバイス110と通信し得る。119出願で説明されているように、非接触カード105は、非接触カード105がそれぞれのクライアントデバイスの範囲内にあるときに、NFCを介してカードリーダ端末146、携帯電話142、ラップトップ144、および/またはタブレット148のうちの1つと通信するように構成され得る。以下でより詳細に説明するように、非接触カード105は、クライアントデバイスを認証するためにサービスプロバイダによって使用され得る暗号文を生成するために暗号化アルゴリズムを使用して変換され得る鍵およびカウンタ情報を含み得る。
【0028】
図1Bは、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る認証されたアクセスを提供するための例示的なシーケンスを示すタイミング図である。システム100は、非接触カード105およびクライアントデバイス110を備え得、これは、アプリケーション122およびプロセッサ124を含み得る。図1Bは、図1Aに示されているのと同様のコンポーネントを参照し得る。
【0029】
ステップ102で、アプリケーション122は、非接触カード105と通信する(例えば、非接触カード105に近づけられた後)。アプリケーション122と非接触カード105との間の通信は、アプリケーション122と非接触カード105との間のNFCデータ転送を可能にするために、クライアントデバイス110のカードリーダ(図示せず)に十分に近い非接触カード105を含み得る。
【0030】
ステップ104で、クライアントデバイス110と非接触カード105との間で通信が確立された後、非接触カード105は、メッセージ認証コード(MAC)暗号文を生成する。いくつかの例では、これは、非接触カード105がアプリケーション122によって読み取られるときに発生し得る。特に、これは、NFCデータ交換フォーマットに従って作成され得る近距離無線通信データ交換(NDEF)タグのNFC読み取りなどの読み取り時に発生し得る。例えば、アプリケーション122などのリーダは、NDEF生成アプレットのアプレットIDを用いて、アプレット選択メッセージなどのメッセージを送信し得る。選択が確認されると、選択ファイルメッセージのシーケンスとそれに続く読み取りファイルメッセージが送信され得る。例えば、シーケンスは、「機能ファイルの選択」、「機能ファイルの読み取り」、および「NDEFファイルの選択」を含み得る。この時点で、非接触カード105によって維持されるカウンタ値は、更新またはインクリメントされ得、その後に「NDEFファイルの読み取り」が続き得る。この時点で、ヘッダと共有秘密を含み得るメッセージが生成され得る。次に、セッション鍵は、生成され得る。MAC暗号文は、メッセージから作成され得、これは、ヘッダと共有秘密を含み得る。次に、MAC暗号文は、ランダムデータの1つまたは複数のブロックと連結され得、MAC暗号文と乱数(RND)は、セッション鍵で暗号化され得る。その後、暗号文とヘッダは、連結され、ASCII16進数として符号化され、NDEFメッセージフォーマットで返され得る(「NDEFファイルの読み取り」メッセージに応答)。
【0031】
いくつかの例では、MAC暗号文は、NDEFタグとして送信され得、他の例では、MAC暗号文は、ユニフォームリソースインジケータとともに(例えば、フォーマットされた文字列として)含まれ得る。
【0032】
いくつかの例では、アプリケーション122は、非接触カード105に要求を送信するように構成され得、要求は、MAC暗号文を生成するための命令を備える。
【0033】
ステップ106で、非接触カード105は、MAC暗号文をアプリケーション122に送信する。いくつかの例では、MAC暗号文の送信は、NFCを介して行われるが、本開示は、それに限定されない。他の例では、この通信は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、または他の無線データ通信手段を介して行われ得る。
【0034】
ステップ108で、アプリケーション122は、MAC暗号文をプロセッサ124に通信する。
【0035】
ステップ112で、プロセッサ124は、アプリケーション122からの命令に従って、MAC暗号文を検証する。例えば、以下で説明するように、MAC暗号文は、検証され得る。
【0036】
いくつかの例では、MAC暗号文の検証は、クライアントデバイス110とのデータ通信におけるサービスプロバイダ120などのクライアントデバイス110以外のデバイスによって実行され得る(図1Aに示されるように)。例えば、プロセッサ124は、MAC暗号文を検証し得るサービスプロバイダ120に送信するためにMAC暗号文を出力し得る。
【0037】
いくつかの例では、MAC暗号文は、検証の目的でデジタル署名として機能し得る。この検証を実行するために、公開鍵非対称アルゴリズム、例えば、デジタル署名アルゴリズムとRSAアルゴリズム、またはゼロ知識プロトコルなどの他のデジタル署名アルゴリズムを使用し得る。
【0038】
より具体的には、一態様によれば、非接触カード105は、サポート要求をCRMサーバ140に転送する前に、顧客サポート要求を事前認証するためにアプリケーションサービスプロバイダに提供される第1の認証資格情報と併せて使用され得る。この方法での顧客サポート要求の事前認証には、2つの利点がある。認証情報はCRMに転送されないため、コールセンタエージェントによるそのような情報の悪用の機会が回避される。さらに、認証の第2の要素として非接触カードを使用すると、特定のデバイス/電話番号を特定の個人(すなわち、カードの所有者)に関連付けることができるため、これにより、悪意のある第三者がクライアントを「なりすまし」、すなわち、偽装する機能が除去される。他の態様によれば、以下に説明する事前認証通信プロトコルは、呼処理のための特定の通信チャネルを識別または使用し、それにより、クライアントのなりすましの機会を低減する。
【0039】
本明細書に記載のシステムおよび方法の例示的な実施形態は、CRMサーバ40による認証をバイパスするために使用され得る多要素セキュリティ認証を提供するように構成され得、それにより、呼処理中の機密の顧客情報の盗難の可能性を低減する。
【0040】
セキュリティ要素認証は、複数のプロセスを備え得る。第1の認証プロセスは、ログインし、デバイス上で実行されている1つまたは複数のアプリケーションを介してユーザを検証することを備え得る。第2の認証プロセスは、ログインと検証が成功した後に動作して、ユーザに1つまたは複数の非接触カードに関連付けられた1つまたは複数の行動を行わせ得る。事実上、セキュリティ要素認証プロセスは、ユーザの身元を安全に証明することと、非接触カードに関連付けられた1つまたは複数のタップジェスチャを含むがこれに限定されない1つまたは複数のタイプの行動をユーザに行わせることの両方を含み得る多要素認証プロセスを備える。いくつかの例では、1つまたは複数のタップジェスチャは、ユーザによるデバイスへの非接触カードのタップを備え得る。いくつかの例では、デバイスは、モバイルデバイス、キオスク、端末、タブレット、または受信したタップジェスチャを処理するように構成された任意の他のデバイスを備え得る。
【0041】
例えば、認証の第1層を提供するために、クライアントは、クライアントデバイスで実行されるインターネットブラウザアプリケーションを使用してサービスプロバイダのウェブページにリンクすることにより、サービスプロバイダのウェブサイトにアクセスし得る。ブラウザは、Google(登録商標)Chrome(登録商標)、InternetExplorer(登録商標)、Safari(登録商標)などのソフトウェアアプリケーションであり、サービスプロバイダアプリケーションのハイパーテキストマークアップ言語(HTML)ウェブページを、クライアントデバイスを操作するクライアントに適したフォーマットに変換するためのプログラミングコードを含む。サービスプロバイダのウェブサイトへのアクセスの一部として、サービスプロバイダは、パスワード情報、事前に格納されたクエリへの回答、生体認証情報、画像、またはクライアントデバイスのユーザがサービスプロバイダによって管理されているアカウントを含むコンテンツおよびサービスへのアクセスを承認されていることを確認するその他のメカニズムを含む第1の承認情報を要求し得る。
【0042】
コールセンタのサポートなど、サービスプロバイダが提供する特定のリスクの高いサービスは、多要素認証の恩恵を受け得る。例えば、サービスプロバイダは、クライアントのログイン中の認証プロセスを高速化するために、クライアントのブラウザ内に第1レベルの認証情報をクッキーとして格納し得る。ブラウザのクッキー、および関連するパスワードやその他のデータは、発見や誤用に対して脆弱である。したがって、顧客サポートへの呼中に発生し得るように、ユーザが機密性の高い情報や個人情報にアクセスまたは変更できるようにする前に、ユーザがアクセスの権限を有することを検証することが重要である。
【0043】
一態様によれば、非接触カード105は、クライアントデバイスのユーザに第2の認証を提供するために使用され得る。一実施形態では、以下でより詳細に説明するように、非接触カードは、クライアントデバイスのユーザを検証するために使用され得る暗号文を生成するために使用され得る鍵、カウンタ、および暗号処理機能を含む。カウンタは、カードの所有者の以前の行動を有利に反映する。例えば、カウンタは、ユーザが以前にサービスプロバイダの特定のサービスにアクセスした回数を反映し得る。この情報は、悪意のある第三者が正確に収集することは事実上不可能である。
【0044】
一態様によれば、および以下でより詳細に説明するように、暗号文交換は、バックチャネル通信を使用して発生し、本明細書の目的のために、「バックチャネル」は、認証トークンの交換のためにクライアントと認証サーバとの間に確立される通信チャネルである。いくつかの実施形態では、バックチャネル認証に使用される通信チャネルは、サービスプロバイダアプリケーションサーバとクライアントとの間に確立されたアプリケーション通信チャネルとは異なる。例えば、サービスプロバイダのウェブインターフェースを介したクライアントとサービスプロバイダとの間の通信は、事前に検証されたクライアントの連絡先に直接発行されるバックチャネル呼、テキスト、または電子メールを使用して認証され得る。他の実施形態では、通信チャネルは、バックチャネル通信リンクを確立するときに、アプリケーション通信チャネルからの情報(セッション情報など)を活用し得る。
【0045】
クライアントが高リスクサービスへのアクセスを求めるとき、いくつかの実施形態では、サービス提供アプリケーションは、例えば、上記のように、タップまたはその他の方法によってカード105をクライアントデバイス110の1つに通信可能に結合するように、非接触カード105を使用して認証の第2のレベルを提供するようにユーザに促し得る。
【0046】
第2の認証に続いて、以下で詳しく説明するように、サービスプロバイダは、クライアントデバイスにデータを返す。データは、クライアントがCRMサーバ140との通信リンクを開始することを可能にするデータを含み得る。このようなデータは、CRMサービスプロバイダアプリケーションへのリンクやコールセンタの電話番号などの連絡先情報を含み得る。いくつかの実施形態では、連絡先情報は、CRMまたはコールセンタの制御情報で拡張され得る。例えば、制御情報は、CRMまたはコールセンタに、コールセンタで通常実行される認証または対話型音声応答(IVR)プロセスをバイパスするように指示し得、クライアントがサービスプロバイダアプリケーション/非接触カードの多要素認証プロセスによってすでに事前認証されていることを考慮し得る。
【0047】
上記の説明では、第1の認証は、個人、生体認証、質問、またはその他の認証情報を使用するものとして説明されているが、いくつかの例では、デバイス上で実行されるクライアントアプリケーションが、非接触カードのタップに応答してデバイスのアプリケーションを最初にアクティブ化または起動し得ることが認識される。このような例では、第1の認証プロセスと第2の認証プロセスの両方で、以下で詳しく説明する鍵/カウンタ非接触カード認証プロセスが使用される。いくつかの実施形態では、クライアント側アプリケーションがクライアントデバイスにインストールされていない場合、カードリーダに近接する非接触カードのタップは、アプリケーションのダウンロードを開始し得る(アプリケーションのダウンロードページへのナビゲーションなど)。インストールに続いて、非接触カードをタップすると、アプリケーションがアクティブ化または起動され、その後、例えば、アプリケーションまたは他のバックエンド通信を介して、非接触カードのアクティブ化が開始され得る。いくつかの例では、1つまたは複数のアプリケーションは、ユーザの身元を確認するために、午後3時51分に起動したこと、午後3時56分にトランザクションが処理されたこと、または行われたことなど、非接触カードの1つまたは複数のタップジェスチャを介して起動されたことを決定するように構成され得る。
【0048】
いくつかの例では、データは、生体認証/ジェスチャ認証としてタップ行動について収集され得る。例えば、暗号的に安全で傍受されにくい一意の識別子が1つまたは複数のバックエンドサービスに送信され得る。一意の識別子は、個人に関する二次情報を検索するように構成され得る。二次情報は、社会保障情報、クエリ応答、パスワード、アカウント情報などを含むがこれらに限定されない、ユーザに関する個人を特定できる情報を備え得る。いくつかの例では、二次情報は、非接触カード内に格納され得る。
【0049】
図2は、1つまたは複数の非接触カード200を示しており、カード200の前面または背面に表示された指定サービスプロバイダ205によって発行された、クレジットカード、デビットカード、またはギフトカードなどの支払いカードを備え得る。いくつかの例では、非接触カード200は、支払いカードとは関係がなく、識別カードを備え得るが、これに限定されない。いくつかの例では、支払いカードは、デュアルインターフェースの非接触支払いカードを備え得る。非接触カード200は、プラスチック、金属、および他の材料から構成される単一の層、または1つまたは複数の積層された層を含み得る基板210を備え得る。例示的な基板材料には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルアセテート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、陽極酸化チタン、パラジウム、金、カーボン、紙、および生分解性材料が含まれる。いくつかの例では、非接触カード300は、ISO/IEC7810規格のID-1フォーマットに準拠する物理的特性を有し得、そうでなければ、非接触カードは、ISO/IEC14443規格に準拠し得る。しかしながら、本開示による非接触カード200は、異なる特性を有し得ることが理解され、本開示は、非接触カードが支払いカードに実施されることを必要としない。
【0050】
非接触カード200はまた、カードの前面および/または背面に表示される識別情報215、および接触パッド220を含み得る。接触パッド220は、ユーザデバイス、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップ、またはタブレットコンピュータなどの他の通信デバイスとの接触を確立するように構成され得る。非接触カード200はまた、図2に示されていない処理回路、アンテナおよび他のコンポーネントを含み得る。これらのコンポーネントは、接触パッド220の後ろまたは基板210上の他の場所に配置され得る。非接触カード200はまた、カードの背面に配置され得る磁気ストリップまたはテープを含み得る(図2には示されていない)。
【0051】
図3に示されるように、図3Aの接触パッド320は、マイクロプロセッサ330およびメモリ335を含む、情報を格納および処理するための処理回路325を含み得る。処理回路は325、本明細書で説明される機能を実行するために必要に応じて、プロセッサ、メモリ、エラーおよびパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、および改ざん防止ハードウェアを含む追加のコンポーネントを含み得ることが理解される。
【0052】
メモリ335は、読み取り専用メモリ、ライトワンス読み取りマルチプルメモリ、または読み取り/書き込みメモリ、例えば、RAM、ROM、およびEEPROMであり得、非接触カード300は、これらのメモリのうちの1つまたは複数を含み得る。読み取り専用メモリは、工場出荷時に読み取り専用としてプログラム可能または1回限りのプログラム可能であり得る。1回限りのプログラム可能性により、1回書き込みを行ってから、何度も読み取ることができる。ライトワンス/読み取りマルチプルメモリは、メモリチップが工場から出荷された後のある時点でプログラムされ得る。一度メモリがプログラムされると、それは書き換えられ得ないが、それは何度も読み取られ得る。読み取り/書き込みメモリは、工場出荷後に何度もプログラムおよび再プログラムされ得る。何度も読み取られ得る。
【0053】
メモリ335は、1つまたは複数のアプレット340、1つまたは複数のカウンタ345、および顧客識別子350を格納するように構成され得る。1つまたは複数のアプレット340は、Javaカードアプレットなどの1つまたは複数の非接触カード上で実行するように構成された1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを備え得る。しかしながら、アプレット340は、Javaカードアプレットに限定されず、代わりに、非接触カードまたは限られたメモリを有する他のデバイス上で動作可能な任意のソフトウェアアプリケーションであり得ることが理解される。1つまたは複数のカウンタ345は、整数を格納するのに十分な数値カウンタを備え得る。顧客識別子350は、非接触カード300のユーザに割り当てられた一意の英数字の識別子を備え得、識別子は、非接触カードのユーザを他の非接触カードのユーザから区別し得る。いくつかの例では、顧客識別子350は、顧客とその顧客に割り当てられたアカウントの両方を識別し得、さらに、顧客のアカウントに関連付けられた非接触カードを識別し得る。
【0054】
前述の例示的な実施形態のプロセッサおよびメモリ要素は、接触パッドを参照して説明されているが、本開示はそれに限定されない。これらの要素は、パッド320の外側に実施されてもよく、パッド220から完全に分離されていてもよく、または接触パッド320内に配置されたプロセッサ330およびメモリ335要素に加えてさらなる要素として実施され得る。
【0055】
いくつかの例では、非接触カード300は、1つまたは複数のアンテナ355を備え得る。1つまたは複数のアンテナ355は、非接触カード300内および接触パッド320の処理回路325の周りに配置され得る。例えば、1つまたは複数のアンテナ355は、処理回路325と一体であり得、1つまたは複数のアンテナ355は、外部ブースタコイルと共に使用され得る。他の例として、1つまたは複数のアンテナ355は、接触パッド320および処理回路325の外部にあり得る。
【0056】
一実施形態では、非接触カード300のコイルは、空芯変圧器の二次側として機能し得る。端末は、電力または振幅変調を遮断することによって非接触カード300と通信し得る。非接触カード300は、非接触カードの電源接続のギャップを使用して端末から送信されたデータを推測し得、これは、1つまたは複数のコンデンサを介して機能的に維持され得る。非接触カード300は、非接触カードのコイルの負荷を切り替えるか、または負荷変調することによって、通信を戻し得る。負荷変調は、干渉によって端末のコイルで検出され得る。
【0057】
上で説明したように、非接触カード300は、スマートカードまたはJavaカードなどの限られたメモリを有する他のデバイス上で動作可能なソフトウェアプラットフォーム上に構築され得、1つまたは複数のアプリケーションまたはアプレットは、安全に実行され得る。アプレットは、非接触カードに追加されて、様々なモバイルアプリケーションベースのユースケースで多要素認証(MFA)用のワンタイムパスワード(OTP)を提供し得る。アプレットは、モバイルNFCリーダなどのリーダからの近距離無線データ交換(NDEF)要求などの1つまたは複数の要求に応答し、NDEFテキストタグとして符号化された暗号的に安全なOTPを備えるNDEFメッセージを生成するように構成され得る。
【0058】
図4は、例示的な実施形態に係る例示的なNDEFショートレコードレイアウト(SR=1)400を示している。NDEFメッセージは、クライアントデバイス110が非接触カード105と通信するための標準化された方法を提供する。いくつかの例では、NDEFメッセージは、1つまたは複数のレコードを備え得る。NDEFレコード400は、メッセージ開始(MB)フラグ403a、メッセージ終了(ME)フラグ403b、チャンクフラグ(CF)403c、ショートレコード(SR)フラグ403d、ID長さ(IL)フラグ403e、およびタイプ名フォーマット(TNF)フィールド403fを含む、レコードの残りを解釈する方法を定義する複数のフラグを含むヘッダ402を含む。MB403aおよびMEフラグ403bは、メッセージのそれぞれの最初と最後のレコードを示すように設定され得る。CF403cおよびILフラグ403eは、データが「チャンク」(メッセージ内の複数のレコードに分散されたデータ)であるかどうか、またはIDタイプ長フィールド408が関連するかどうかをそれぞれ含む、レコードに関する情報を提供する。メッセージに1つのレコードしか含まれてない場合は、SRフラグ403dが設定され得る。
【0059】
TNFフィールド403fは、NFCプロトコルによって定義されるように、フィールドが含むコンテンツのタイプを識別する。これらのタイプは、空の、よく知られた(NFCフォーラムのレコードタイプ定義(RTD)で定義されたデータ)、多目的インターネットメール拡張(MIME)[RFC2046で定義]、絶対ユニフォームリソース識別子(URI)[RFC3986で定義]、外部(ユーザ定義)、不明、変更なし[チャンク用]、予約済みを含む。
【0060】
NFCレコードの他のフィールドは、タイプ長404、ペイロード長406、ID長408、タイプ410、ID412、およびペイロード414を含む。ペイロードタイプの長さをバイト単位で含む。タイプ長フィールド404は、ペイロードで検出されたデータの正確な種類を指定する。ペイロード長406は、バイト単位のペイロードの長さを含む。レコードは、最大4,294,967,295バイト(または2^32-1バイト)のデータを含む。ID長さ408は、IDフィールドの長さをバイト単位で含む。タイプ410は、ペイロードに含まれるデータのタイプを識別する。ID412は、外部アプリケーションがNDEFレコード内で伝送されるペイロード全体を識別するための手段を提供する。ペイロード414は、メッセージを備える。
【0061】
いくつかの例では、安全なチャネルプロトコルの下でSTOREDATA(E2)を実施することにより、データを最初に非接触カードに格納し得る。このデータは、カードに一意の個人ユーザID(pUID)のほか、1つまたは複数の初期鍵、セッション鍵を含む暗号化処理データ、データ暗号化鍵、乱数、および以下で詳しく説明するその他の値を含み得る。これらの値は、顧客サービスを処理する前にクライアントを事前認証するために使用され得るメッセージ認証コード(MAC)を生成するために使用され得る。
【0062】
様々な態様に係る安全な認証をサポートするために非接触カードに入力するために初期化中に非接触カード105および認証サーバ160と交換され得る例示的な情報は、以下の表1に示されている。
【0063】
【表1】
【0064】
初期化後、非接触カードと認証サーバの両方が、カード所有者を一意に識別するための情報を格納する。これらの機能は、以下に説明するように、高リスクサービスへのクライアントアクセスを認証するための1つの態様に従って使用され得る。
【0065】
図5は、非接触カード510が、表1に含まれるような情報を格納し得、ユーザをサービスプロバイダの高リスクサービスに接続する前にユーザを認証するために使用され得る通信システムを示している。一態様では、「高リスクサービス」は、サービスが機密の顧客または他の情報を公開する機会があるため、多要素認証プロセスの恩恵を受け得るサービスである。図3に関して説明したように、各非接触カードは、識別子、鍵、乱数などのような1つまたは複数の一意に識別する属性を含む顧客情報518を格納するためのメモリ516を含み得る。一態様では、メモリは、本明細書で説明される認証プロセスを制御するためにマイクロプロセッサ512によって実行されるときに動作可能な認証アプレット517をさらに含む。さらに、各非接触カード510は、1つまたは複数のアプリケーショントランザクションカウンタ(ATC)514、およびインターフェース515を含み得る。上記のように、一実施形態では、インターフェースは、NFCまたは他の通信プロトコルを動作する。
【0066】
クライアントデバイス520はまた、非接触カードと通信するためのカードインターフェース525、およびクライアントデバイス520が上記のような様々な通信プロトコルを使用してサービスプロバイダと通信することを可能にする1つまたは複数の他のネットワークインターフェース(図示せず)を含む。クライアントデバイスは、サービスプロバイダアプリケーションとクライアントデバイス520のユーザとの間の通信を可能にする、キーボードまたはタッチスクリーンディスプレイのうちの1つまたは複数を含み得るユーザインターフェース526をさらに含み得る。クライアントデバイス520はさらに、サービスプロバイダのアプリケーションへのアクセスおよび使用を容易にするためにサービスプロバイダによってクライアントに提供され得る、例えば、クライアント側アプリケーション523を含む、クライアントデバイス520の動作を制御する情報およびプログラムコードを格納するメモリ522を含む。一実施形態では、クライアント側アプリケーション523は、認証情報を非接触カード510からサービスプロバイダによって提供される1つまたは複数のサービスに通信するように構成されたプログラムコードを含む。クライアント側アプリケーション523は、ユーザインターフェース526に表示されるサービスプロバイダ(SP)アプリケーションインターフェース527で受信された入力を介して制御され得る。例えば、ユーザは、SPアプリケーションインターフェース527の一部として提供されるアイコン、リンク、または他のメカニズムを選択して、クライアント側アプリケーションを起動して、SPアプリケーションサービスにアクセスし得る。
【0067】
図1Aに関して述べたように、クライアントデバイス520は、顧客関係管理(CRM)サーバ540および認証サーバ550を含む、サービスプロバイダ505によって提供される様々なサービスに接続され得る。一実施形態では、CRMサーバ540は、受信されたサポート呼のルーティングおよび受信された呼の呼処理パイプライン542への転送を管理する。認証サーバ550は、サービスプロバイダのクライアントのための表1のような情報を格納するためのクライアント情報テーブル552を含む。認証サーバ554は、クライアントカウンタ値テーブル556からの情報を使用してクライアントに対して様々な認証プロセスを実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを含む。一実施形態では、認証サーバはさらに、認証メッセージをクライアントデバイスと交換するためのクライアントインターフェース557と、認証メッセージをCRMサーバ540と交換するための顧客サービスインターフェース553とを含むことが示されている。認証サーバはまた、非接触カード510と組み合わせて認証を実行するために以下に説明されるように使用され得るクライアントカウンタ値テーブル556を含み得る。
【0068】
図6は、クライアントを事前認証するための多要素認証プロトコルの一部として鍵多様化技術を使用するように構成された、非接触カード601、クライアントデバイス611、およびサービスプロバイダ621の認証サービスによって実行され得る様々なステップを示している。例えば、クライアントデバイス611にアクセスできる非接触カード601のカード所有者は、コールセンタサポートなどの高リスクサービスへのアクセスのための多要素認証を求めることを含む、サービスへのアクセスを可能にするためにサービスプロバイダ621からの認証を求め得る。
【0069】
ステップ610で、クライアントデバイス611は、最初に、ログイン資格情報をサービスプロバイダと交換することによって、サービスプロバイダ621によって維持されるクライアントアカウントにアクセスし、ログイン資格情報は、パスワード、鍵、生体認証データ、画像データ、クエリを含み得るが、これらに限定されない。一実施形態では、クライアントは、SPアプリケーションインターフェース527を介してクライアント側アプリケーションを起動することによって、このアクセスを開始し得る。アプリの起動は、ユーザからの第1の資格情報を受け入れるように構成されたサービスプロバイダのウェブページの表示を含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1のレベルの認証は、第2のレベルの認証について以下に説明する暗号文交換プロセスを使用して実行され得る。サービスプロバイダアプリは、非接触カード601をクライアントデバイス611にタップすることによって起動され得、サービスプロバイダアプリへのアクセスを許可するための前兆として暗号文交換を開始する。
【0071】
サービスプロバイダは、ステップ620で資格情報を受信し、これらの資格情報を、認証サーバによって維持されているクライアントの資格情報と比較する。ステップ622でログイン資格情報が一致しない場合、サービスプロバイダは、ステップ631に進み、他の方法を使用してクライアントデバイスの認証を追求する。ステップ622で一致があると決定された場合、クライアントは、認証され、サービスプロバイダは、クライアントデバイス611によって維持されるクライアント側アプリケーションと調整して、サービスプロバイダのウェブページをクライアントに表示して、1つまたは複数のサービスへのアクセスを可能にする。
【0072】
ステップ614で、クライアントデバイスは、高リスクアプリケーション、例えば、顧客サービスアプリケーションへのアクセスを要求する。クライアントは、例えば、サービスプロバイダのウェブサイトで提供される複数のハイパーリンクのうちの1つを選択して、クライアントを選択されたサービスに誘導することによって、アクセスを要求し得る。ハイパーリンクは、例えば、サービスのランディングページのウェブアドレスを含み得る。あるいは、ハイパーリンクは、顧客サポートシステムの電話番号を含み得る。
【0073】
ステップ624で顧客サービス要求を受信すると、サービスプロバイダは、選択されたサービスが、認証の第2のレベルから利益を得るであろう高リスクサービスであると決定する。例えば、非接触カードを使用して第2の要素認証を提供する実施形態では、サービスプロバイダは、検証目的で暗号文を取得するために非接触カードを使用するようにクライアントデバイスに促し得る。プロンプトは、テキストプロンプト、視覚プロンプト、可聴プロンプト、およびその他の利用可能な表示メカニズムを含む、非接触カードを使用する必要があることをクライアントに示す任意の方法であり得る。
【0074】
クライアントデバイス611は、ステップ616でこの要求を受信し、非接触カードを使用する。一態様では、クライアントデバイスは、上記のNFC通信チャネルを使用して、非接触カードとメッセージを交換し、非接触カードが協力して、対称鍵、対称暗号化処理、およびカウンタの組み合わせを通じて第2の要素認証を提供する。
【0075】
ステップ602で、非接触カードは、認証要求を受信する。ステップ604で、非接触カード内の処理コンポーネントは、アプリケーションサービストランザクション(AST)カウンタをインクリメントし、対称暗号化アルゴリズムを使用して非接触カードに格納されたマスター鍵を使用してカウンタを符号化し、多様化された鍵を生成する。暗号化アルゴリズムは、対称暗号化アルゴリズム、HMACアルゴリズム、およびCMACアルゴリズムのうちの少なくとも1つを含むグループから選択され得る。いくつかの例では、多様化値を処理するために使用される対称アルゴリズムは、所望の長さの多様化された対称鍵を生成するために必要に応じて使用される任意の対称暗号化アルゴリズムを備え得る。対称アルゴリズムの非限定的な例は、3DES(トリプルデータ暗号化アルゴリズム)または高度暗号化標準(AES)128などの対称暗号化アルゴリズム、HMAC-SHA-256などの対称ハッシュベースのメッセージ認証(HMAC)アルゴリズム、AES-CMACなどの対称暗号ベースのメッセージ認証コード(CMAC)アルゴリズムを含み得る。選択された対称アルゴリズムの出力が十分に長い鍵を生成しない場合、異なる入力データと同じマスター鍵を用いて対称アルゴリズムの複数の反復を処理するなどの技術により、必要に応じて組み合わせて十分な長さの鍵を生成する複数の出力を生成し得ることが理解される。
【0076】
非接触カードの処理コンポーネントは、選択された暗号化アルゴリズムを使用し、マスター対称鍵を使用してカウンタ値を処理し得る。例えば、非接触カード601は、対称暗号化アルゴリズムを選択し、非接触カードによって処理される認証トランザクションごとにインクリメントするカウンタを使用し得る。次に、非接触カード601は、マスター対称鍵を使用して選択された対称暗号化アルゴリズムでカウンタ値を暗号化して、多様化された対称鍵を生成し得る。
【0077】
一態様では、多様化された対称鍵を使用して、認証目的で送信する前にカウンタを処理し得る。例えば、非接触カード601は、対称暗号化アルゴリズムおよび多様化された対称鍵を使用してカウンタ値を暗号化し得、出力は、暗号化されたMAC暗号文を備える。次に、非接触カード601は、認証のために暗号文をサービスプロバイダ621に送信し得る。いくつかの例では、カウンタ値は暗号化され得ない。これらの例では、カウンタ値は、暗号化なしで、ブロック230で送信デバイス205と受信デバイス210との間で送信され得る。
【0078】
一実施形態では、暗号文を備える認証メッセージのテンプレートは、実際の動的認証データを提供するための周知のインデックスを備えた第1のレコードを備え得る。以下の表2は、クライアントデバイス611と非接触カード601との間で交換され得る認証メッセージの一例である。
【0079】
【表2】
【0080】
一例では、追加のタグが追加される場合、第1のバイトは、メッセージの開始を示すように変更されるが、終了は示さず、後続のレコードが追加され得る。ID長さがゼロであるため、ID長さフィールドとIDは、レコードから省略される。以下の表3に示されているメッセージの例は、UDKAUT鍵。派生AUTセッション鍵(0x1234を使用);バージョン1.0;pATC=0x1234;RND=76a6627b67a8cfbb;MAC=<計算された8バイト>を含み得る。第1の列は、NDEFメッセージデータへのアドレス/インデックスを備え得る。
【0081】
【表3】
【0082】
ステップ618で、クライアントデバイス611は、暗号文を受信し、それをサービスプロバイダ621に転送する。ステップ626で、サービスプロバイダがステップ624で第2の要素認証を要求した後、一実施形態では、サービスプロバイダ621の認証サーバは、クライアントデバイスを使用してクライアントのアカウントに関連付けられた非接触カードのカード所有者に関連付けられたクライアント情報を取得する。クライアント情報は、クライアントのマスター鍵と非接触カードのアプリケーションサービストランザクションのカウンタを含み得る。サービスプロバイダ621は、マスター鍵と、非接触カードによって使用される暗号化アルゴリズムと一致する暗号化アルゴリズムを使用して、取得されたカウンタ値を符号化して、多様化された鍵のサービスプロバイダコピーを生成する。
【0083】
ステップ628で、サービスプロバイダは、多様化された鍵を使用して暗号文を復号し、非接触カードによって転送されたカウンタ値を公開する。ステップ629で、サービスプロバイダは、公開されたカウンタを、サービスプロバイダによって取得されたカウンタと比較し、これは、ユーザの第2の認証を提供する。一致するものがない場合、クライアントは、サービスへのアクセスを許可されず、ステップ631で、サービスプロバイダ621は、他の方法を使用してユーザを認証しようとし得る。ステップ629で一致がある場合、サービスプロバイダは、630でCRMサーバとの呼処理を開始する。一態様では、図7および図8に関して説明するように、サービス提供は、サービスプロバイダによってすでに実行された事前認証を活用するために、CRMまたはクライアントデバイスの1つを制御するための1つまたは複数のメッセージを生成し得る。
【0084】
次に非接触カードが認証に使用されるときに、異なるカウンタ値が選択されて、異なる多様化された対称鍵が生成され得、通信を監視している悪意のある当事者が通信を復号することを困難にする。サービスプロバイダと非接触カードの両方は、当事者間で合意された事前に決定されたインクリメントパターンに従ってカウンタをインクリメントする。例えば、カウンタは、1ずつ、またはパターンで、例えば、第1のトランザクションの場合は、1ずつ、第2の場合は、2ずつ、第3の場合は、3ずつ、またはトランザクションごとに5ずつインクリメントし得る。非接触カードとサービスプロバイダは、共通のカウンタ、共通のインクリメントパターン、共通のマスター鍵、および共通の暗号化アルゴリズムを使用するため、トランザクションごとに多様化された鍵が変更されるが、送信デバイスと受信デバイスの両方が同じ鍵を有する。
【0085】
上記のように、いくつかの例では、鍵多様化値は、カウンタ値を使用して達成され得る。鍵多様化値の他の非限定的な例は、新しい多様化された鍵が必要になるたびに生成されるランダムナンス;送信デバイスと受信デバイスから送信されたカウンタ値の完全な値;送信デバイスと受信デバイスから送信されたカウンタ値の一部;送信デバイスと受信デバイスによって独立して維持されるが、2つの間で送信されないカウンタ;送信デバイスと受信デバイスとの間で交換されるワンタイムパスコード;カウンタの暗号化ハッシュを含む。119出願で説明されているいくつかの例では、鍵多様化値の1つまたは複数の部分は、複数の多様化された鍵を作成するために当事者によって使用され得る。例えば、カウンタは、鍵多様化値として使用され得る。
【0086】
他の例では、カウンタの一部は、鍵多様化値として使用され得る。複数のマスター鍵値が当事者間で共有される場合、複数の多様化された鍵値は、本明細書に記載のシステムおよびプロセスによって取得され得る。新しい多様化値、したがって新しい多様化された対称鍵は、必要に応じて何度でも作成され得る。最も安全なケースでは、送信デバイスと受信デバイスとの間で機密データを交換するたびに、新しい多様化値が作成され得る。実際には、これにより、単一のセッション鍵などのワンタイム使用鍵が作成され得る。
【0087】
図6に関して説明されたものの代わりとなる他の様々な対称暗号化/復号技術は、参照により本明細書に援用される119出願に記載されている。
【0088】
図7図8はそれぞれ、コールセンタサービスへのアクセスを求めるクライアントの事前認証に続いて実行され得るトランザクションフローの例を示している。一実施形態では、非接触カードに格納された顧客情報は、クライアントに固有のコールセンタ情報を含み得る。コールセンタ情報は、例えば、番号を含み得る。番号は、IPアドレス、電話番号、または他の連絡先アドレス、乱数、またはIPアドレス、電話番号、または他の連絡先アドレスまたは乱数の任意の部分または組み合わせを備え得る。図7は、非接触カード701からのコールセンタ情報を使用して、クライアントデバイス702と顧客サービスエージェント705との間の通信リンクを定義する、呼ルーティングプロセス700のコンポーネント間で発生し得る例示的なメッセージングを示している。
【0089】
図6に示される多要素事前認証プロセスに続いて、サービスプロバイダの認証サーバ703は、顧客サービスウェブコンテンツ710をクライアントインターフェースに投入する。ウェブコンテンツは、連絡先情報、CRMサーバと通信するためのURL、電話番号、またはその他の連絡先アドレスを備える連絡先情報を含み得る。リンクを選択すると、クライアントデバイスとCRMサーバとの間に通信リンクが生成される。一実施形態によれば、顧客サービスウェブコンテンツは、非接触カード701との接続を要求するプロンプト711を含む。
【0090】
非接触カード701は、プロンプトを受信すると、格納された事前認証番号712をクライアントデバイスに転送し、これにより、それを認証サーバ703に提供する。一実施形態では、格納された事前認証番号712は、クライアントデバイスの事前認証に関連付けられた一意の番号を含む。通信リンクの生成時に、事前認証番号の少なくとも一部は、連絡先情報に付加され得る。例えば、ウェブコンテンツ710は、顧客サービス電話番号1-800-123-4567へのリンクを含み得る。非接触カードは、クライアントデバイスが電話番号を追加する7777の事前認証番号を提供し得る。クライアントデバイスは、セルラネットワークを介して-800-123-4567,,,,7777への呼715を開始する。アプリケーションサーバは、714の非接触カードからの番号が追加された着信呼をCRMに警告する。CRMは、事前認証番号を有する着信呼を監視し、顧客サービスエージェントパイプラインの716で呼を発信するときに認証をバイパスする。
【0091】
図7のプロセスは、非接触カードに格納された事前認証番号を含むが、いくつかの実施形態では、クライアントデバイスは、呼に追加するための事前認証番号を生成するように構成され得る。事前認証番号は、例えば、図6に記載されているように、非接触カードとの暗号文交換に続いて、非接触カードとの通信に応答して生成され得る。いくつかの実施形態では、事前認証番号は、顧客サポート要求ごとに変更され得る。このような取り決めは、偽のクライアントデバイスが事前認証番号を持たず、CRMサーバで認証がバイパスされないため、悪意のある当事者によるリダイレクトから顧客サポート呼を保護する。
【0092】
他の実施形態では、図8に示されるように、悪意のある干渉から呼処理をさらに保護するために、呼処理は、顧客サービスエージェントによって開始される。図6のプロセスを使用した事前認証に続いて、顧客サポートウェブコンテンツ810がクライアントデバイスに提供される。一実施形態では、コンテンツは、クライアントデバイスの再認証を促すためのプロンプト811を含む。非接触カード812は、上記のように暗号文を生成し、これは、検証のために、クライアントデバイス702を介して認証サーバ703に転送される。認証サーバが暗号文を検証すると、ステップ814で、認証サーバは、呼の承認をバイパスするようにCRMサーバに指示する。ステップ815で、呼は、承認をバイパスして、コールエージェントキューに入れられ、ステップ816で、CRMは、バックチャネル呼を開始する。ここで、バックチャネル呼は、サーバ(例えば、CRMサーバ)とクライアントデバイスの電話番号、IPアドレスなどとの間に直接確立された通信リンクを介して開始される呼である。
【0093】
いくつかの実施形態では、再認証のステップは、顧客サービスエージェント705によるステップ816での呼の開始に続いて起こり得、呼が前の認証と呼処理との間でリダイレクトされないことを確実にする。顧客サービスエージェントがクライアントアクセスを再認証またはさらに承認するために使用され得る方法については、以下で詳しく説明する。そのような実施形態は、前の認証と呼処理との間に遅延がある場合、例えば、顧客サービスキューでの長い待機、またはスケジュールされたコールバックがある場合に有益であり得る。
【0094】
図9は、CRMサービス900の一実施形態のいくつかの例示的なコンポーネントを示している。CRMサービス900は、認証論理906およびエージェント割り当てユニット910を含むように示されている。着信呼901は、事前認証フィルタ902に転送される。事前認証フィルタ902は、上記のように、認証サーバから受信した事前認証番号を格納し得る。事前認証されていない着信呼は、認証キュー904に転送される。認証論理は、認証キュー904から着信呼を取得し、認証サーバ(図示せず)と連携して、上記の認証方法の任意の組み合わせを使用してクライアントを検証する。認証されると、呼は、キュー908に転送される。
【0095】
事前認証されていると決定された着信呼は、事前認証フィルタ902からキュー908に直接転送される。悪意のある干渉の可能性を最小限に抑えるために有利なことに、事前認証番号が格納されている呼がこの方法でバイパスされると、事前認証番号が事前認証フィルタ902から削除される。
【0096】
したがって、キュー908は、リソースのロードに従ってエージェント割り当てユニット910によって処理するためにエージェント920、922、924に割り当てられる認証された呼を格納する。このような構成により、事前認証された呼は、顧客コールセンタにインテリジェントにルーティングされ得、処理の遅延を最小限に抑え得る。
【0097】
したがって、サービスプロバイダの多要素認証機能およびインテリジェントな呼ルーティングを活用して、顧客コールセンタでのセキュリティおよび効率を向上させるシステムおよび方法が説明されてきた。他の態様によれば、上記の認証プロセスの利点は、呼処理中に顧客サービスエージェントによってさらに活用され得ることが理解される。例えば、顧客サービスエージェントは、クライアント情報へのアクセスをより細かく制御したり、継続的なクライアントの信頼性を検証したりするために、認証レベルの向上を要求し得る。図6の多要素認証プロセスは、高リスクサービスへのアクセスを許可する前にクライアントを認証するのに有益であると説明されているが、高リスクサービス内でも、クライアントアカウントを危殆化する可能性が高いデータとアクションがあり、それゆえにアクセスを制限すべきであることを理解されたい。
【0098】
例えば、個人のアカウントの残高よりも個人のアカウントのパスワードを開示するリスクが高くなる。さらに、これらの連絡手段は、通常パスワードの変更中に使用されるため、個人が電話番号や電子メールを変更できるようにすることには大きなリスクがあり、悪意のあるユーザがこれらのデータを変更した場合、適切なクライアントによるアカウントへのアクセスが失われ得る。
【0099】
図10を簡単に参照すると、本発明の態様に従って動作するシステム1000の例示的なコンポーネントのサブセットのブロック図は、データサーバ1036を使用してクライアントデータ1040にアクセスする複数の顧客サービスエージェント(CSA)1032、1034を備え得る。クライアントデータ1040は、概念的に、高機密性データ1042、中機密性データ1044、および低機密性データ1046を含む階層化されたデータ構造に配分される。したがって、各層は、データ機密性の異なるレベルと、それに付随するアクセス制御の異なる程度に関連付けられている。いくつかの実施形態では、データ項目1045などの影付きのデータ項目によって示されるように、特定の機密データは、承認されていない当事者が利用できないようにされ得る。
【0100】
したがって、アカウント乗っ取り詐欺を防止し、一実施形態では、顧客サービスエージェント(または顧客サービスエージェントワークステーション上で実行されるソフトウェア)は、呼中にさらなる要素認証を積極的に要求し得る。例えば、顧客サービスエージェントは、グラフィックユーザインターフェース(GUI)ダッシュボード上のボタンを肯定的に選択して、認証プロセスを実行するための認証サーバへの要求を生成し得る。あるいは、顧客サービスは、アクセスが制限されていると示される画面上のデータ要素を選択し得、その選択は、さらなる要素認証の生成を積極的にもたらし得る。
【0101】
生成された追加要素認証要求は、アクセス要求を開始したデバイスがクライアントに関連付けられており、クライアント(またはクライアントによって承認された誰か)が物理的に所有していることの両方を検証することが望ましい多くの形式をとり得る。例えば、「プッシュ」メッセージは、認証サーバによってクライアントデバイスに発行され得、プッシュメッセージは、承認されたデバイスに対して個人的であるか、または承認されたクライアントに対して個人的である認証データを要求するプロンプトを含む。
【0102】
例えば、このような認証方法は、アプリケーション内通知(アプリ内チャレンジのCaptialOne(登録商標)SwiftIDなど)、ショートメッセージサービス(SMS)コード交換、および図6に関して説明されている非接触カード認証プロセスを含み得るが、これらに限定されない。
【0103】
SwiftIDアプリケーション内チャレンジは、登録時にクライアントの電話の画像をキャプチャすることによってクライアントを認証する。クライアントは、認証サーバからプッシュ通知を受信したら電話画面をスワイプして、アクティビティを確認する。SwiftIDは、電話のキャプチャされた画像をファイルに登録されている画像と比較することで信頼性を確認し、画像の相関関係に基づいてクライアントを検証する。SMSコード交換は、クライアントの事前検証済みの連絡先情報にプッシュされる一意のコードと、サービスプロバイダアプリにコードを入力することでデバイスの所有を証明するクライアントを含む。
【0104】
図6で説明したように、非接触カードの認証方法は、上記のNFC通信チャネルを使用して非接触カードとメッセージを交換し、非接触カードと協調して、対称鍵、対称暗号化処理、およびカウンタの組み合わせを通じて第2の要素認証を提供する。
【0105】
ここで図11を参照して、本発明の態様を利用する顧客サービス認証プロセス1100の一実施形態で実行され得る例示的なステップがここで説明される。顧客サービス認証プロセスは、図11のプロセスのステップを実行するために顧客サービスエージェントからの入力に応答して動作する顧客サービスエージェントのワークステーション上で動作するソフトウェアプログラムとして実施され得る。以下の説明の目的上、顧客サービスエージェントによって実行されると説明されている操作には、ソフトウェアのオペレータとソフトウェア自体の両方によって実行される操作が含まれることを意味する。
【0106】
ステップ1122で、顧客サービスエージェント1120は、例えば、好ましくはクライアントが呼処理の前に事前認証される図1図9に関して説明されたプロセスを使用して、クライアントとの通信リンクを確立する。
【0107】
ステップ1123で、顧客サービスエージェント1120は、クライアントからアクセス要求を受信する。ステップ1124で、顧客サービスエージェントは、クライアントがアクセスを承認されているかどうかを決定する。前述のように、クライアントデータに関連付けられた複数レベルの承認があり、低リスクデータ、サービス、または機能が、高リスクデータ、サービス、または機能よりも自由にアクセスできるようになり得ることを理解されたい。したがって、顧客サービスの呼処理には、すでに実行されている事前認証で十分であり得る場合もあれば、追加の認証が必要な場合もあり得る。しかしながら、メールアドレスや電話番号の変更など、状況によっては、そのような事前認証では不十分な場合があり得る。一態様によれば、試みられた各アクセスは、アクセスが許可される前に満たされなければならない承認レベルに関連付けられている。
【0108】
いくつかの実施形態では、認証サーバは、クライアントごとに、クライアントの承認レベルを格納し得る。一実施形態では、承認レベルは、数値スケールとして表し得、値は、データベース130にクライアントデータとして格納されるクライアントデータの一部として、各クライアントに対して格納され得る。
【0109】
ステップ1124で、顧客サービスエージェントは、アクセス要求の承認レベルを要求しているクライアントの承認レベルと比較することによって、要求されたアクセスに対してクライアントが承認されているかどうかを決定する。クライアントが承認されている場合、プロセスはステップ1128に進み、そこでアクセスが許可される。例えば、いくつかの実施形態では、そのようなアクセスの承認は、顧客サービスエージェントおよびクライアントの一方または両方に機密情報を可視化し得る。他の実施形態では、承認は、データフィールドのロックを解除し、変更を可能にし得る。
【0110】
ステップ1129で、通知がクライアントに転送される。一実施形態では、通知は、クライアントの事前検証された連絡先アドレス、例えば、事前検証されたメールアドレスに送信されたメール、または事前検証された電話番号に送信されたテキストメッセージに転送される。好ましくは、通知を転送するために使用される通信チャネルは、情報へのアクセスを要求するためにクライアントによって使用される通信チャネルとは異なる。例えば、クライアントがウェブアプリケーションを使用してアクセスを要求し、その通知が独立したメールアプリケーションでサポートされているメールアドレスに送信され得る。他の通信チャネルを使用してクライアントに通知を提供することは、悪意のある第三者がクライアントになりすましてアクセスする機会を減らすのに役立つ。通知ステップ1129は、ステップ1128でのアクセスに続いて発生することが示されているが、様々な実施形態では、そのような通知は、アクセスを許可する前に発生し得、クライアントがそのような要求を発行しなかった場合の修復を可能にするための遅延を伴う。
【0111】
ステップ1124で、最初の事前承認が要求されたアクセスに対して不十分であると決定された場合、ステップ1125で、顧客サービスエージェントは、サーバからの追加の認証を要求し、認証結果を待つためにステップ1126で処理される。
【0112】
ステップ1131で、認証サーバが認証要求を受信すると、ステップ1132で、認証サーバは、認証要求をクライアントにプッシュする。一態様によれば、バックチャネル通信リンクは、事前に検証された通信チャネルを使用して、認証サーバとクライアントデバイスとの間に確立され得る。例えば、認証サーバは、電話番号、インターネットモバイル機器識別子(IMEI)、インターネットプロトコル(IP)アドレスなどを含むがこれらに限定されない、各クライアントの1つまたは複数の事前検証済み連絡先情報を格納し得る。「プッシュ」リクエストは、事前に検証された連絡先情報を使用してクライアントに送信され得る。「プッシュ」リクエストには、特定の形式の認証情報(すなわち、SwiftID、SMSコード、暗号文など)のリクエストが含まれる。クライアントがアクセスを求めるチャネルとは異なるチャネルを使用して認証要求をクライアントにプッシュすることにより、詐欺師が機密情報へのアクセスを許可される機会が減少する。
【0113】
事前に検証された連絡先へのプッシュに加えて、あるいは、いくつかの実施形態では、プッシュメッセージおよび関連する認証応答は、クライアント/顧客サービスエージェント通信セッションに関連付けられたセッション識別子を使用して、クライアントと認証サーバとの間で交換され得る。セッションIDは、ウェブサイトのサーバがクライアントの訪問(セッション)中にクライアントに割り当てる一意の番号である。これは、時間制限のある一意の値であるため、ハッカがセッション通信を正常に復号して侵入することは困難な場合が多い。セッションIDは、顧客サービスエージェントとクライアントデバイスの両方で、クッキー、フォームフィールド、またはURL(ユニフォームリソースロケータ)として格納され得る。多くのサーバは、セッション識別子を生成するより複雑な方法を含むアルゴリズムを使用しているため、セッション識別子を使用して通信を転送すると、クライアント/顧客サービスエージェントの通信にセキュリティの層がさらに追加される。
【0114】
ステップ1134で、認証サーバ1130は、クライアントデバイスを認証するために使用される認証トークン(すなわち、電話画像、SMSコード、暗号文)を受信する。認証サーバ1130は、トークンをデータストアから取得された期待値と比較し、認証または拒否信号の1つを顧客サービスエージェントに転送する。
【0115】
ステップ1126で、顧客サービスエージェントが拒否信号を受信した場合、クライアントは、認証されず、プロセスは、ステップ1127に進み、そこでアクセス要求が拒否される。このような場合、顧客サービスエージェントは、他の認証手段を探すか、呼を終了するか、不正処理のために呼を転送し得る。ステップ1126で、顧客サービスエージェントが認証信号を受信した場合、要求されたアクセスは、ステップ1128で許可され、メールがステップ1129で転送されて、クライアントにアクセス要求を通知する。
【0116】
いくつかの実施形態では、要求された変更の実施は、クライアントからのメールへの応答を待つ間、遅延され得る。例えば、メールメッセージには、アクセス要求が承認されたことを示すクライアントからの肯定的な指示の要求が含まれ得る。いくつかの実施形態では、メール要求は、さらなる認証、例えば、SwiftID、SMSコード、または暗号文交換を要求し得る。
【0117】
図12Aおよび図12Bは、図11に関して上記のプロセスを使用して通信し得る顧客サービスエージェント(CSA)1232およびクライアント1234の例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)ディスプレイを示している。顧客サービスエージェントが処理のための呼を受信すると、顧客サービス画面1220は、ユーザ名1222、パスワード1224、および社会保障番号1226など、クライアントに関する情報を表示する様々なフィールドを含み得る。クライアントディスプレイ1250は、同様に、ユーザ名1252、パスワード1254、および社会保障番号1256を含む、顧客サービスエージェントに表示される1つまたは複数の情報フィールドのサブセットを含み得る。一態様によれば、上記のように、特定の情報は、エンティティそれぞれの承認レベルに応じて、CSA1232および/またはクライアントの一方または両方に表示され得ない。したがって、図12Aでは、CSA1232は、クライアントのパスワード1224または社会保障番号1226を表示することを承認されていない。しかしながら、クライアント1234は、これらのフィールドを表示することを承認されている。しかしながら、ロックアイコン1258は、クライアントがそれ以上の認証なしにフィールドを変更することを承認されていないことを示している。図11のようなステップを使用してクライアントをさらに認証するプロセスは、顧客サービスエージェントがディスプレイ上の認証ボタン1260を選択することによって、またはCSA1232またはクライアント1234の一方または両方がロックアイコン1258などのロックアイコンの1つを選択することによってなど、様々な方法で開始され得る。さらに、上記のように、CSA1232がクライアントの信頼性に疑わしい場合、呼処理中の任意の時点で、CSAは、認証プロセスを開始するために認証ボタン1260を選択し得る。
【0118】
したがって、複数の異なる通信チャネルを使用してクライアントの信頼性を検証することにより、顧客サービストランザクション中にクライアント情報への悪意のあるアクセスの機会を減らすシステムおよび方法が示され、説明されてきた。このような認証は、事前認証の後に、または事前認証の代わりに実行され得る。
【0119】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「一実施形態」または「実施形態」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所における「一実施形態では」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特に断りのない限り、上記の特徴は、任意の組み合わせで一緒に使用できると認識されている。したがって、別々に議論された任意の特徴は、特徴が互いに互換性がないことに留意されない限り、互いに組み合わせて使用され得る。
【0120】
本明細書で使用される表記法および命名法を一般的に参照して、本明細書の詳細な説明は、コンピュータまたはコンピュータのネットワーク上で実行されるプログラム手順として実施され得る機能ブロックまたはユニットに関して提示され得る。これらの手順の説明および表現は、当業者によって、それらの作業の実体を当業者に最も効果的に伝えるために使用される。
【0121】
手順はここにあり、一般に、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の操作であると考えられている。これらの操作は、物理量の物理的な操作を必要とする操作である。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、およびその他の方法で操作できる電気信号、磁気信号、または光信号の形をとる。主に一般的な使用法の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶと便利な場合がある。しかしながら、これらおよび類似の用語は全て、適切な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意されたい。
【0122】
さらに、実行される操作は、追加または比較などの用語で参照されることが多く、これらは一般に、人間のオペレータによって実行される知的な演算に関連付けられている。1つまたは複数の実施形態の一部を形成する、本明細書に記載の操作のいずれにおいても、人間のオペレータのそのような能力は必要ではないか、またはほとんどの場合望ましくない。むしろ、操作は機械操作である。様々な実施形態の操作を実行するための有用な機械には、汎用デジタルコンピュータまたは同様のデバイスが含まれる。
【0123】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「結合された」および「接続された」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、必ずしも相互の同義語として意図されているわけではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的または電気的に接触していることを示すために、「接続された」および/または「結合された」という用語を使用して説明され得る。しかしながら、「結合された」という用語はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協力または相互作用していることを意味し得る。
【0124】
様々な実施形態はまた、これらの操作を実行するための装置またはシステムに関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得るか、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される汎用コンピュータを備え得る。本明細書に提示される手順は、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。本明細書の教示に従って書かれたプログラムと共に様々な汎用機械を使用され得、または必要な方法ステップを実行するためのより特殊な装置を構築することが便利であることがわかり得る。これらの様々な機械に必要な構造は、与えられた説明から明らかになる。
【0125】
読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように、開示の要約が提供されていることが強調されている。請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解した上で提出される。さらに、前述の詳細な説明では、開示を合理化するために、様々な特徴が単一の実施形態にまとめられている。この開示方法は、請求された実施形態が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、以下の請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立している。添付の請求の範囲において、「含む」および「その中」という用語は、それぞれ「備える」および「ここで」というそれぞれの用語の平易な英語の同等物として使用される。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値要件を課すことを意図するものではない。
【0126】
上で説明されたことは、開示されたアーキテクチャの例を含む。もちろん、コンポーネントおよび/または方法論の考えられる全ての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、さらに多くの組み合わせおよび順列が可能であることを認識し得る。したがって、新規のアーキテクチャは、添付の請求の範囲の精神および範囲内にあるそのような全ての変更、修正、および変形を包含することを意図している。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B