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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】故障検出装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20230425BHJP
   G01R 31/52 20200101ALI20230425BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/52
H02J7/00 X
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021542455
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 KR2020000997
(87)【国際公開番号】W WO2020153702
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0007615
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンドン
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-14558(JP,A)
【文献】特許第5832620(JP,B1)
【文献】特開2016-80532(JP,A)
【文献】特開2008-232978(JP,A)
【文献】特開2019-78619(JP,A)
【文献】特開昭55-9146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/50
G01R 31/36
G01R 31/08
G01R 19/165
G01R 31/28
G01R 31/00
H02J 7/00
B60L 58/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号に応じて車両バッテリーの充電状態を表示する表示器の故障を検出する故障検出装置において、
前記制御信号に、電圧値の変化の有無、立ち上がりエッジの有無、又は立ち下がりエッジの有無のいずれかである所定のイベントが発生すると、インターラプト信号を生成するインターラプト生成部と、
前記制御信号のアナログ値をデジタル値に変換して前記制御信号の電圧値を検出する電圧検出部と、そして、
前記表示器が動作中である場合に、前記インターラプト信号の生成の有無および前記制御信号の電圧値に応じて、前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断する判断部と、を含む故障検出装置。
【請求項2】
前記判断部は、
前記インターラプト信号が生成され、前記制御信号の電圧値が第1しきい値よりも大きく、前記第1しきい値よりも大きい第2しきい値よりも小さい範囲に含まれると、前記表示器が正常に動作するものと判断し、
前記インターラプト信号が生成され、前記制御信号の電圧値が前記第1しきい値よりも大きく、前記第2しきい値よりも小さい範囲に含まれていないと、前記表示器に故障が発生したものと判断する請求項1に記載の故障検出装置。
【請求項3】
前記判断部は、
前記インターラプト信号が生成され、前記制御信号の電圧値が第1しきい値よりも小さいか、または等しければ、前記表示器の故障の類型を接地短絡と判断し、
前記制御信号の電圧値が第2しきい値よりも大きいか、または等しければ、前記表示器の故障の類型をケーブル開放と判断する請求項2に記載の故障検出装置。
【請求項4】
前記判断部は、
前記インターラプト信号が生成されない場合、前記表示器に故障が発生したものと判断する請求項1に記載の故障検出装置。
【請求項5】
前記判断部は、
前記制御信号の電圧値が第3しきい値よりも小さいか、または等しければ、前記表示器の故障の類型を接地短絡と判断し、
前記制御信号の電圧値が第3しきい値よりも大きければ、前記表示器の故障の類型をバッテリー短絡と判断する請求項4に記載の故障検出装置。
【請求項6】
前記判断部は、
前記表示器が動作中ではない場合に、前記制御信号の電圧値に応じて前記表示器の故障の有無および故障の類型を判断する請求項1に記載の故障検出装置。
【請求項7】
前記判断部は、前記表示器が動作中ではない場合に、
前記制御信号の電圧値が第4しきい値よりも小さいか、または等しければ、前記表示器が正常の状態であるものと判断し、
前記制御信号の電圧値が第4しきい値よりも大きければ、前記表示器の故障の類型をバッテリー短絡と判断する請求項6に記載の故障検出装置。
【請求項8】
制御信号に応じて車両バッテリーの充電状態を表示する表示器の故障を検出する故障検出装置を用いる故障検出方法において、
前記制御信号に、電圧値の変化の有無、立ち上がりエッジの有無、又は立ち下がりエッジの有無のいずれかである所定のイベントが発生すると、インターラプト信号を生成するステップと、
前記制御信号のアナログ値をデジタル値に変換して前記制御信号の電圧値を検出するステップと、そして、
前記表示器が動作中である場合に、前記インターラプト信号の生成の有無および前記制御信号の電圧値に応じて、前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップと、を含む故障検出方法。
【請求項9】
前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップは、
前記表示器の動作の有無を判断するステップと、
前記表示器が動作中である場合に、前記インターラプト信号が発生したと判断されると、前記制御信号の電圧値に応じて、前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップと、そして、
前記表示器が動作中ではない場合に、前記制御信号の電圧値に基づいて前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップと、を含む請求項8に記載の故障検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、故障検出装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(Electric Vehicle、EV)またはプラグインハイブリッド自動車(Plug-In Hybrid Electric Vehicle、PHEV)のようなエコカーは、バッテリー充電のために充電所に設置された電気自動車の充電設備(Electric Vehicle Supply Equipment、EVSE)を用いる。
【0003】
このために、電気自動車の充電装置(Electric Vehicle Charging Controller、EVCC)は、EV内に搭載され、EVおよびEVSEと通信し、電気自動車の充電を制御する。
【0004】
例えば、EVCCが電気自動車から充電開始を指示する信号を受信すると、充電を開始するように制御でき、電気自動車から充電終了を指示する信号を受信すると、充電を終了するように制御できる。
【0005】
電気自動車の充電方法は、充電時間に応じて急速充電と緩速充電に区分され得る。急速充電の場合は、充電器から供給される直流電流によってバッテリーが充電され、緩速充電の場合は、充電器に供給される交流電流によってバッテリーが充電される。したがって、急速充電に使用される充電器を急速充電器または直流充電器と呼び、緩速充電に使用される充電器を緩速充電器または交流充電器と呼ぶ。
【0006】
一方、電気自動車は、高電圧および高電流で充電されるため、充電中に安全に関する要求が増加している。このために電気自動車の充電口には、充電状態を表示するLED表示器が設置されており、使用者は、充電口のLED表示器によって充電状態を点検する。しかし、LED表示器の故障を検出することができず、使用者が故障を認知しても故障の原因を知ることができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施例は、電気自動車の充電状態を表示する表示器の故障の有無および故障の類型を検出する故障検出装置およびこれを用いる故障検出方法に関するものである。
【0008】
実施例で解決しようとする課題は、これに限定されるものではなく、以下に説明する課題の解決手段や実施形態から把握されることができる目的や効果も含まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
制御信号に応じて車両バッテリーの充電状態を表示する表示器の故障を検出する故障検出装置において、本発明の実施例による故障検出装置は、前記制御信号が既設定された所定のイベントを満足すると、インターラプト信号を生成するインターラプト生成部と、前記制御信号のアナログ値をデジタル値に変換して前記制御信号の電圧値を検出する電圧検出部と、そして、前記表示器の動作の有無、前記インターラプト信号の生成の有無および前記制御信号の電圧値のうち、少なくとも1つに基づいて前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断する判断部と、を含む。
【0010】
前記判断部は、前記表示器が動作中であると判断されると、前記インターラプト信号の生成の有無および前記制御信号の電圧値に応じて前記表示器の故障の有無および故障の類型を判断できる。
【0011】
前記判断部は、前記インターラプト信号が生成され、前記制御信号の電圧値が第1しきい値よりも大きく、前記第1しきい値よりも大きい第2しきい値よりも小さい範囲に含まれると、前記表示器が正常に動作するものと判断し、前記インターラプト信号が生成され、前記制御信号の電圧値が前記第1しきい値よりも大きく、前記第2しきい値よりも小さい範囲に含まれていないと、前記表示器に故障が発生したものと判断できる。
【0012】
前記判断部は、前記インターラプト信号が生成され、前記制御信号の電圧値が第1しきい値よりも小さいか、または等しければ、前記表示器の故障の類型を接地短絡と判断し、前記制御信号の電圧値が第2しきい値よりも大きいか、または等しければ、前記表示器の故障の類型をケーブル開放と判断できる。
【0013】
前記判断部は、前記インターラプト信号が生成されない場合、前記表示器に故障が発生したものと判断できる。
【0014】
前記判断部は、前記制御信号の電圧値が第3しきい値よりも小さいか、または等しければ、前記表示器の故障の類型を接地短絡と判断し、前記制御信号の電圧値が第3しきい値よりも大きければ、前記表示器の故障の類型をバッテリー短絡と判断できる。
【0015】
前記判断部は、前記表示器が動作中ではないと判断されると、前記制御信号の電圧値に応じて前記表示器の故障の有無および故障の類型を判断できる。
【0016】
前記判断部は、前記制御信号の電圧値が第4しきい値よりも小さいか、または等しければ、前記表示器が正常の状態であるものと判断し、前記制御信号の電圧値が第4しきい値よりも大きければ、前記表示器の故障の類型をバッテリー短絡と判断できる。
【0017】
制御信号に応じて車両バッテリーの充電状態を表示する表示器の故障を検出する故障検出装置を用いる故障検出方法において、本発明の実施例による故障検出方法は、前記制御信号が既設定された所定のイベントを満足すると、インターラプト信号を生成するステップと、前記制御信号のアナログ値をデジタル値に変換して前記制御信号の電圧値を検出するステップと、そして、前記表示器の動作の有無、前記インターラプト信号の生成の有無および前記制御信号の電圧値のうち、少なくとも1つに基づいて前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップと、を含む。
【0018】
前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップは、前記表示器の動作の有無を判断するステップと、前記表示器が動作中であると判断されると、前記インターラプト信号が発生したと判断されると、前記インターラプト信号の生成の有無および前記制御信号の電圧値のうち、少なくとも1つに基づいて前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップと、そして、前記表示器が動作中ではないと判断されると、前記制御信号の電圧値に基づいて前記表示器の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断するステップと、を含み得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例による別の故障検出のためのハードウェアを設置しなくても、表示器の制御信号分析を通じて表示器の故障の有無および故障の類型を手軽に検出できる長所がある。
【0020】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は、前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例による故障検出装置を用いる故障検出システムを示す図面である。
【0022】
図2】本発明の実施例による故障検出装置の構成図である。
【0023】
図3】本発明の実施例による判断部の第1実施例を説明するための図面である。
【0024】
図4】本発明の実施例による判断部の第2実施例を説明するための図面である。
【0025】
図5】本発明の実施例による判断部の第3実施例を説明するための図面である。
【0026】
図6】本発明の実施例による故障検出方法のフローチャートである。
【0027】
図7図6のS640のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0028】
図8図7のS643のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0029】
図9図7のS644のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0030】
図10図7のS645のステップを詳細に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を具体的に説明する。
【0032】
ただし、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態として具現でき、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち、1つ以上を選択的に結合、置換して使用できる。
【0033】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに、特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解できる意味として解釈されることができ、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0034】
また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0035】
本明細書において、単数形は、言句で特に言及しない限り、複数形も含み得、「Aおよび(と)B、Cのうち、少なくとも1つ(または1つ以上)」として記載される場合に、A、B、Cで組み合わせられるすべての組み合わせのうち、1つ以上を含み得る。
【0036】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用できる。
【0037】
これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などに限定されない。
【0038】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載される場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素との間にあるまた他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含み得る。
【0039】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものとして記載される場合、上(うえ)または下(した)は、2つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、1つ以上のまた他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、1つの構成要素を基準に上側方向だけでなく、下側方向の意味も含み得る。
【0040】
図1は、本発明の実施例による故障検出装置を用いる故障検出システムを示す図面である。
【0041】
電気自動車は、車両を構成する部品の故障を診断するために故障コード(DTC、Diagnostic Trouble Code)を必要とする。本発明の実施例による故障検出システムは、電気自動車の充電時に電気自動車のバッテリー充電状態を表す表示器40の故障状態を検出するために故障コードを判断するための情報を検出できる。
【0042】
図1を参照すると、本発明の実施例による故障検出システムは、レギュレータ10、電流制限器20、PWM制御器30、表示器40およびマイクロコントローラ50を含み得る。
【0043】
レギュレータ(Regulator)10は、電圧を安定化させる装置であり得る。レギュレータ10は、入力される直流電圧が安定的に出力されるように制御できる。例えば、レギュレータ10は、コンバーター(Converter)から入力された直流電圧を12[V]大きさの直流電圧で安定化させて出力できる。
【0044】
電流制限器(Current Limiter)20は、レギュレータ10から入力された直流電圧による電流が既設定された大きさ以上になると、電流の流れを遮断させる装置であり得る。電流制限器20は、レギュレータ10とPWM制御器30との間に配置され、レギュレータ10から入力された直流電圧による電流が既設定された大きさ以上になると、電流の流れを遮断させることによって、レギュレータ10の出力電圧がPWM制御器30に入力されないように制御できる。例えば、レギュレータ10から入力された12[V]大きさの直流電圧による電流が20[mA]を超過すると、電流を遮断することができる。これによって、過電流からPWM制御器30を保護できる長所がある。
【0045】
PWM制御器(PWM Controller)30は、表示器40に入力される制御信号を生成し得る。制御信号は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)方式による制御信号であり得る。PWM制御器30は、レギュレータ10が出力した直流電圧およびマイクロコントローラ50が出力した制御命令に基づいて制御信号を生成し得る。PWM制御器30が生成するPWM方式の制御信号は、レギュレータ10が出力する直流電圧と同じ大きさであり得る。例えば、レギュレータ10が12[V]大きさの直流電圧を出力する場合、PWM制御器30は、12[V]大きさの制御信号を生成し得る。
【0046】
表示器(Indicator)40は、PWM制御器30が出力する制御信号に応じて車両バッテリーの充電状態を表示し得る。表示器40は、車両バッテリーの未充電、充電中および充電準備状態のうち、いずれか1つの状態を表示し得る。前記未充電、充電中および充電準備状態は、車両バッテリーの充電状態の一例として、表示器40は、この外にも様々な充電状態を表示し得る。本発明の実施例によると、表示器40は、電気自動車の充電口に配置され得る。表示器40は、LED素子によって具現できる。
【0047】
マイクロコントローラ(Micro Controller Unit)50は、制御命令を生成してPWM制御器30に送信し得る。このとき、制御命令は、5[V]の電圧の大きさを有するPWM方式の信号であり得る。マイクロコントローラ50は、PWM制御器30が表示器40に送信する制御信号の入力を受け得る。マイクロコントローラ50は、2つの入力端子を介して制御信号の入力を受け得る。2つの入力端子のうち、第1入力端子を介して入力された制御信号は、電圧値を検出するのに用いられ得、2つの入力端子のうち、第2入力端子を介して入力された制御信号は、インターラプト信号を生成するのに用いられ得る。第1入力端子は、ADCポート(ADC Port)であり得、第2入力端子は、インターラプトポート(Interrupt Port)であり得る。ADCポートは、持続的に覚めていることができ、インターラプトポートは、所定の周期で覚めることができる。
【0048】
図1に示したように、マイクロコントローラ50は、本発明の実施例による故障検出装置100を含み得る。故障検出装置100は、マイクロコントローラ50を介して具現されるアルゴリズムであり得るが、これに限定されない。故障検出装置100は、PWM制御器30が表示器40に送信する制御信号を分析し、表示器40の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断できる。故障検出装置100についての詳細な構成は、以下の図面を通じて詳細に説明する。
【0049】
図2は、本発明の実施例による故障検出装置の構成図である。
【0050】
図2を参照すると、本発明の実施例による故障検出装置100は、インターラプト生成部110、電圧検出部120および判断部130を含み得る。
【0051】
インターラプト生成部110は、制御信号が既設定された所定のイベントを満足すると、インターラプト信号を生成し得る。インターラプト生成部に入力される制御信号は、マイクロコントローラ50の第2入力端子、すなわち、インターラプトポートを介して入力された制御信号であり得る。インターラプト生成部110は、制御信号の電圧値の変化の有無、立ち上がりエッジの有無、立ち下がりエッジの有無のような所定のイベントによってインターラプト信号を生成し得る。例えば、インターラプト生成部110は、制御信号から立ち下がりエッジが検出されるイベントが発生すると、インターラプト信号を生成し得る。
【0052】
電圧検出部120は、制御信号のアナログ値をデジタル値に変換して制御信号の電圧値を検出できる。電圧検出部120に入力される制御信号は、マイクロコントローラ50の第1入力端子、すなわち、ADCポートを介して入力された制御信号であり得る。電圧検出部120は、アナログ信号である制御信号をサンプリング(Sampling)、量子化(Quantization)およびコーディング(Coding)のようなシーケンスを通じてデジタル信号に変換し得る。電圧検出部120は、デジタル信号に変換された制御信号をモニタリングすることによって、制御信号の電圧値を検出できる。
【0053】
判断部130は、表示器40の動作の有無、インターラプト信号の生成の有無および制御信号の電圧値のうち、少なくとも1つに基づいて表示器40の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断できる。このとき、表示器40の動作の有無は、マイクロコントローラ50から入力され得る。例えば、判断部130は、マイクロコントローラ50から表示器40の動作の有無についてのトリガー信号の入力を受け得る。一方では、表示器40の動作の有無は、マイクロコントローラ50がPWM制御器30に入力する制御命令に基づいて判断できる。例えば、判断部130は、PWM制御器30に入力される制御命令を分析し、表示器40の動作の有無を判断できる。
【0054】
本発明の実施例によると、判断部130は、表示器40の動作の有無、インターラプト信号の生成の有無および制御信号の電圧値に基づいて表示器40の故障の有無および故障の類型を判断する3つのシーケンスを含み得る。
【0055】
第1シーケンスは、表示器40が動作しており、インターラプト信号が生成された場合、制御信号の電圧値を既設定されたしきい値と比較して表示器40の故障の有無および故障の類型を判断する判断部130のプロセスを意味し得る。
【0056】
第2シーケンスは、表示器40が動作しており、インターラプト信号が生成されない場合、制御信号の電圧値を既設定されたしきい値と比較して表示器40の故障の有無および故障の類型を判断する判断部130のプロセスを意味し得る。
【0057】
第3シーケンスは、表示器40が動作していない場合、制御信号の電圧値を既設定されたしきい値と比較して表示器40の故障の有無および故障の類型を判断する判断部130のプロセスを意味し得る。
【0058】
第1シーケンスでは、2つのしきい値(第1しきい値および第2しきい値)が用いられ得、第2シーケンスおよび第3シーケンスには、それぞれ1つのしきい値(第3しきい値および第4しきい値)が用いられ得る。このとき、第1しきい値、第3しきい値および第4しきい値は、互いに同じ値が設定され得る。第2しきい値は、第1しきい値よりも大きい値が設定され得る。
【0059】
判断部130の各シーケンスについては、以下の図面を参照して詳細に説明する。
【0060】
図3は、本発明の実施例による判断部の第1実施例を説明するための図面である。
【0061】
図3は、判断部130が第1シーケンスによって表示器40の故障の有無および故障の類型を判断するプロセスを示す。
【0062】
第1シーケンスは、表示器40が動作しており、インターラプト信号が生成された場合に行われ得る。判断部130は、表示器40が動作中であると判断されると、インターラプト信号の生成の有無および制御信号の電圧値に応じて表示器40の故障の有無および故障の類型を判断できる。
【0063】
具体的に、判断部130は、インターラプト信号が生成され、制御信号の電圧値が第1しきい値よりも大きく、第2しきい値よりも小さい範囲に含まれると、表示器40が正常に動作するものと判断できる。
【0064】
一方、判断部130は、インターラプト信号が生成され、制御信号の電圧値が第1しきい値よりも大きく、第2しきい値よりも小さい範囲に含まれていないと、表示器40に故障が発生したものと判断できる。
【0065】
故障が発生したものと判断されると、判断部130は、表示器40の故障の類型を判断できる。具体的に、判断部130は、インターラプト信号が生成され、制御信号の電圧値が第1しきい値よりも小さいか、または等しければ、表示器40の故障の類型を接地短絡と判断し、制御信号の電圧値が第2しきい値よりも大きいか、または等しければ、表示器40の故障の類型をケーブル開放と判断できる。
【0066】
図3では、第1しきい値が2[V]、第2しきい値が13[V]に設定された場合を示している。判断部130は、制御信号の電圧値が2[V]と13[V]の間にある場合に、表示器40が正常動作(Normal Operation)していると判断できる。判断部130は、制御信号の電圧値が2[V]よりも小さいか、または等しい範囲にある場合に、表示器40が接地短絡(Short to Ground)による故障が発生したものと判断できる。判断部130は、制御信号の電圧値が13[V]よりも大きいか、または等しい範囲にある場合に、表示器40がケーブル開放(Cable Open)による故障が発生したものと判断できる。
【0067】
図4は、本発明の実施例による判断部の第2実施例を説明するための図面である。
【0068】
図4は、判断部130が第2シーケンスによって表示器40の故障の有無および故障の類型を判断するプロセスを示す。
【0069】
第2シーケンスは、表示器40が動作しており、インターラプト信号が生成されない場合に行われ得る。判断部130は、表示器40が動作中であるが、インターラプト信号が生成されない場合は、表示器40に故障が発生したものと判断できる。
【0070】
故障が発生したものと判断されると、判断部130は、制御信号の電圧値が第3しきい値よりも小さいか、または等しければ、表示器40の故障の類型を接地短絡と判断し、制御信号の電圧値が第3しきい値よりも大きければ、表示器40の故障の類型をバッテリー短絡と判断できる。
【0071】
図4では、第3しきい値が2[V]に設定された場合を示している。判断部130は、制御信号の電圧値が2[V]よりも小さいか、または等しい範囲にある場合に、表示器40が接地短絡(Short to Ground)による故障が発生したものと判断できる。判断部130は、制御信号の電圧値が2[V]よりも大きい範囲にある場合に、表示器40がバッテリー短絡(Short to BATT)による故障が発生したものと判断できる。
【0072】
図5は、本発明の実施例による判断部の第3実施例を説明するための図面である。
【0073】
図5は、判断部130が第3シーケンスによって表示器40の故障の有無および故障の類型を判断するプロセスを示す。
【0074】
第3シーケンスは、表示器40が動作していない場合に行われ得る。第3シーケンスは、インターラプト信号を考慮せずに制御信号の電圧値に基づいて表示器40の故障の有無および故障の類型を判断できる。
【0075】
判断部130は、制御信号の電圧値が第4しきい値よりも小さいか、または等しければ、表示器40が正常の状態であるものと判断し、制御信号の電圧値が第4しきい値よりも大きければ、表示器40の故障の類型をバッテリー短絡と判断できる。
【0076】
図5では、第4しきい値が2[V]に設定された場合を示している。判断部130は、制御信号の電圧値が2[V]よりも小さいか、または等しい範囲にある場合に、表示器40が正常の状態であるものと判断できる。判断部130は、制御信号の電圧値が2[V]よりも大きい範囲にある場合に、表示器40がバッテリー短絡(Short to BATT)による故障が発生したものと判断できる。
【0077】
図6は、本発明の実施例による故障検出方法のフローチャートである。
【0078】
図6を参照すると、本発明の実施例による故障検出装置100を用いる故障検出方法は、S610、S620、S630およびS640のステップを含み得る。
【0079】
まず、故障検出装置100は、制御信号の入力を受け得る(S610)。このとき、制御信号は、PWM制御器30が表示器40に送信する制御信号を意味し得る。
【0080】
故障検出装置100のインターラプト生成部110は、制御信号が既設定された所定のイベントを満足すると、インターラプト信号を生成し得る(S620)。
【0081】
故障検出装置100の電圧検出部120は、制御信号のアナログ値をデジタル値に変換して制御信号の電圧値を検出できる(S630)。
【0082】
故障検出装置100の判断部130は、表示器40の動作の有無、インターラプト信号の生成の有無および制御信号の電圧値のうち、少なくとも1つに基づいて表示器40の故障の有無および故障の類型のうち、少なくとも1つを判断できる(S640)。
【0083】
図7は、図6のS640のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0084】
図7を参照すると、図6のS640のステップは、S641ないしS645のステップを含み得る。
【0085】
先に、判断部130は、表示器40の動作の有無を判断できる(S641)。
【0086】
表示器40が動作中であると判断されると、判断部130は、インターラプト信号が生成されているかを判断できる(S642)。
【0087】
インターラプト信号が生成されていると判断されると、判断部130は、第1シーケンスによって表示器40の故障の有無および故障の類型を判断できる(S643)。
【0088】
一方、インターラプト信号が生成されていないと判断されると、判断部130は、第2シーケンスによって表示器40の故障の有無および故障の類型を判断できる(S644)。
【0089】
表示器40が動作中ではないと判断されると、判断部130は、インターラプト信号の生成の有無を考慮せずに、第3シーケンスによって表示器40の故障の有無および故障の類型を判断できる(S645)。
【0090】
図8は、図7のS643のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0091】
図8を参照すると、図7のS643のステップは、S643-1ないしS643-5のステップを含み得る。
【0092】
先に、判断部130は、制御信号の電圧値が第1しきい値と第2しきい値との間に含まれるかどうかを判断できる(S643-1)。
【0093】
制御信号の電圧値が第1しきい値と第2しきい値との間に含まれると判断されると、判断部130は、表示器40が正常に動作するものと判断できる(S643-2)。
【0094】
一方、制御信号の電圧値が第1しきい値と第2しきい値との間に含まれていないと判断されると、判断部130は、表示器40が故障したものと判断できる(S643-3)。
【0095】
このとき、制御信号の電圧値が第1しきい値よりも小さいか、または等しければ、判断部130は、表示器40の故障の類型が接地短絡であるものと判断できる(S643-4)。
【0096】
そして、制御信号の電圧値が第2しきい値よりも大きいか、または等しければ、判断部130は、表示器40の故障の類型がケーブル開放であるものと判断できる(S643-5)。
【0097】
図9は、図7のS644のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0098】
図9を参照すると、図7のS644のステップは、S644-1ないしS644-3のステップを含み得る。
【0099】
先に、判断部130は、制御信号の電圧値が第3しきい値よりも小さいか、または等しいかを判断できる(S644-1)。
【0100】
制御信号の電圧値が第3しきい値よりも小さいか、または等しい場合、判断部130は、表示器40に故障が発生したし、故障の類型は、接地短絡であるものと判断できる(S644-2)。
【0101】
一方、制御信号の電圧値が第3しきい値よりも大きい場合、判断部130は、表示器40に故障が発生したし、故障の類型は、バッテリー短絡であるものと判断できる(S644-3)。
【0102】
図10は、図7のS645のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0103】
図10を参照すると、図7のS645のステップは、S645-1ないしS645-3のステップを含み得る。
【0104】
先に、判断部130は、制御信号の電圧値が第4しきい値よりも小さいか、または等しいかを判断できる(S645-1)。
【0105】
制御信号の電圧値が第4しきい値よりも小さいか、または等しい場合、判断部130は、表示器40が正常の状態であるものと判断できる(S645-2)。
【0106】
一方、制御信号の電圧値が第4しきい値よりも大きい場合、判断部130は、表示器40に故障が発生したし、故障の類型は、バッテリー短絡であるものと判断できる(S645-3)。
【0107】
本発明の実施例による別の故障検出のためのハードウェアを設置しなくても、表示器の制御信号分析を通じて表示器の故障の有無および故障の類型を手軽に検出できる長所がある。
【0108】
本実施例で使用される「~部」という用語は、ソフトウェアまたはFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「~部」は、ある役割を遂行する。しかしながら、「~部」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「~部」は、アドレッシングできる記録媒体にあるように構成され得、1つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成され得る。したがって、一例として、「~部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウエア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含む。構成要素と「~部」の中で提供される機能は、より小さな数の構成要素および「~部」に結合されるか、または追加的な構成要素と「~部」にさらに分離し得る。更に、構成要素および「~部」は、デバイスまたはセキュリティマルチメディアカード内の1つまたはそれ以上のCPUを再生させるように具現できる。
【0109】
以上で実施例を中心に説明したが、これは、単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上に例示されていない様々の変形と応用が可能であることが分かる。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に係る相違点は、添付された請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10