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  • 特許-柔軟に挿入可能なプロファイルクランプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】柔軟に挿入可能なプロファイルクランプ
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20230425BHJP
   F16L 23/06 20060101ALN20230425BHJP
   F16B 5/10 20060101ALN20230425BHJP
【FI】
F16B2/08 N
F16L23/06
F16B5/10 M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021559148
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2020058992
(87)【国際公開番号】W WO2020207846
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】102019109196.9
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】マーカス クラメー
(72)【発明者】
【氏名】ナタン ランツマン
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-019535(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108506615(CN,A)
【文献】特開2007-024237(JP,A)
【文献】特開2013-210043(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00126655(GB,A)
【文献】特開平11-093918(JP,A)
【文献】特公昭46-035643(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0127162(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00- 2/26
F16L 23/00- 25/14
F16B 7/00- 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプバンド(2)とクランプ装置(3)とを備え、
前記クランプバンド(2)の内側(7)に、周方向に互いに間隔を空けた少なくとも2つのプロファイルセグメント(8)が配置され、
該プロファイルセグメント(8)が、少なくとも1つのラッチ式接続部(9)によって前記クランプバンド(2)に接続され
前記クランプバンド(2)が、前記ラッチ式接続部(9)を構成するための少なくとも1つの開口部(14,17)を有し、該開口部(14,17)に挿入可能な少なくとも1つのロック要素(13)が、前記クランプバンド(2)に対向する前記プロファイルセグメント(8)の背面側(10)に配置され、
前記クランプバンド(2)の前記開口部(14,17)が、前記クランプバンド(2)の周方向(U)に延びる細長い形状を有するプロファイルクランプ(1)。
【請求項2】
前記プロファイルセグメント(8)の前記ロック要素(13)が、前記クランプバンド(2)の少なくとも1つの開口部(14)に、嵌め込んでロックおよび/または摩擦係合する方法で挿入可能である請求項1に記載のプロファイルクランプ。
【請求項3】
少なくとも1つの前記ロック要素(13)が、前記クランプバンド(2)に対向する前記プロファイルセグメント(8)の前記背面側(10)に配置され、前記プロファイルセグメント(8)と一体的に構成されている請求項1または請求項に記載のプロファイルクランプ。
【請求項4】
少なくとも1つの前記ロック要素(13)が、打ち抜き状態でおよび/または曲げ加工によって前記プロファイルセグメント(8)に導入されている請求項から請求項のいずれかに記載のプロファイルクランプ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記プロファイルセグメント(8)が、前記クランプバンド(2)から離れる方向を向いた内面側(11)において開いている、円形、長方形、三角形、または台形のプロファイルを有する請求項1から請求項のいずれかに記載のプロファイルクランプ。
【請求項6】
前記クランプバンド(2)が、少なくとも2つのプロファイルセグメント(8)とは異なる材料により形成されている請求項1から請求項のいずれかに記載のプロファイルクランプ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記プロファイルセグメント(8)にシール要素(12)を配置することができ、該シール要素(12)は、前記クランプバンド(2)から離れる方向を向いている前記プロファイルセグメント(8)の内面側(11)に延びている請求項1から請求項のいずれかに記載のプロファイルクランプ。
【請求項8】
前記シール要素(12)を固定するための少なくとも1つの薄いプレート(16)が、前記クランプバンド(2)から離れる方向に向かう前記プロファイルセグメント(8)の前記内面側(11)に配置されている請求項に記載のプロファイルクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプバンドと、周方向に互いに間隔を空けて配置された2つのクランプジョーを有するクランプ装置とを有するプロファイルクランプであって、クランプジョーが、それぞれクランプバンド上の端部側に配置され、少なくとも1つのクランプ手段によって互いに向かう方向に移動可能であり、周辺側に互いに間隔をあけて配置された少なくとも2つのプロファイルセグメントが、クランプバンドの内側に配置されているプロファイルクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
2つの配管を液密接続するためには、一般的にプロファイルクランプが使用される。これらの配管は、端部側に配置されそれぞれの配管を超えて半径方向に突出する接続フランジを有する。プロファイルクランプは、互いに背を向けている端面において配管の接続フランジの周りに係合し、軸方向に押し付けることができる。接続フランジの押し付けは、傾斜面の原理を利用して行われる。このため、プロファイルクランプは、半径方向外側に向かって先細になるプロファイルを有するプロファイルセグメントを有している。
【0003】
プロファイルクランプは、相当するクランプ力を導入できるように、完全に金属から製造されることが多い。この場合、プロファイルセグメントは、一般に、溶接接続またははんだ接続によってクランプバンドに固定されるか、またはクランプバンド自体が対応するプロファイル断面を備えている。プロファイルクランプの製造は、溶接接続の導入の結果、特に複雑であり、材料の選択が制限される。さらに、金属製のプロファイルクランプは、例えばプラスチック材料やガラスを含む繊細で壊れやすい接続フランジを損傷する可能性がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、複雑さを抑えて製造することができ、繊細な材料からなる接続フランジにも使用することができるプロファイルクランプを提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な特徴は、請求項1の特徴部分に記載されている。請求項2から11は、実施形態に関するものである。
【0006】
本発明は、クランプバンドとクランプ装置とを有するプロファイルクランプに関するものである。クランプ装置は、周方向に互いに間隔を空けて配置された2つのクランプジョーを有する。このクランプジョーは、それぞれクランプバンドの端部側に配置されている。少なくとも1つのクランプ手段により、クランプジョーは互いに向かう方向に移動可能である。クランプ手段により、クランプジョーの間隔を狭めて、プロファイルクランプを締め付けたり、閉じたりすることができる。クランプバンドの内側には、周辺側で互いに間隔を空けて配置された少なくとも2つのプロファイルセグメントが配置されており、プロファイルセグメントは、少なくとも1つのラッチ式接続によってクランプバンドに接続され、クランプバンドが、ラッチ式接続部を構成するための少なくとも1つの開口部を有し、開口部に挿入可能な少なくとも1つのロック要素が、クランプバンドに対向するプロファイルセグメントの背面側に配置され、クランプバンドの開口部が、クランプバンドの周方向に延びる細長い形状を有している。
【0007】
クランプバンドとクランプジョーは、好ましくは、金属材料から製造されてもよい。クランプ装置のクランプ手段は、例えば、緩めることができるまたは緩めることができないねじ接続の形態で、または調整可能なまたは剛性の高いトグルレバー式留め具などの形態で構成されてもよい。
【0008】
プロファイルセグメントは、好ましくは、ラッチ式接続によってクランプバンドに固定される。これにより、プロファイルセグメントを固定するための溶接やはんだ付けはもはや必要がない。その結果、本発明に係るプロファイルクランプには、異なる材料の組み合わせを使用することができる。特に、互いに溶接またははんだ付けすることができない材料の組み合わせを使用することができる。プロファイルセグメントは、例えば、繊維複合材料、エラストマー材料、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックなどから製造することができる。また、プロファイルセグメントは、金属材料で構成されていてもよく、ラッチ式接続の結果、クランプバンド上でのプロファイルセグメントの組み立てが簡素化および高速化される。
【0009】
このようなプロファイルクランプは、結果的に、金属と比較して「柔らかい」材料で作られたプロファイルセグメントを有し、結果的に、ガラス、複合材料またはプラスチック材料の接続フランジにも使用することができる。
【0010】
一実施形態によれば、クランプバンドは、ラッチ式接続を構成するための少なくとも1つの開口部を有する。クランプバンドの開口部に挿入可能な少なくとも1つのロック要素が、プロファイルセグメントのクランプバンドに対向する側に配置されている。その結果、少なくとも1つのラッチ式接続は、プロファイルセグメントの少なくとも1つのロック要素と開口部との協働によって構成することができる。
【0011】
クランプバンドは、使用されるプロファイルクランプごとに、プロファイルクランプの少なくとも1つのロック要素を受け入れることができる少なくとも1つの開口部を有することが好ましい。有利には、ロック要素が各開口部に挿入可能である。この場合には、開口部の寸法は、ロック要素が突出してそこにポジティブロック方式で係合することができるように寸法を決めることができる。これにより、各プロファイルセグメントは、少なくとも1つの構成されたラッチ式接続によって、クランプバンド上に固定して配置することができる。代わりに、または追加的に、クランプバンドの周方向に細長く形成された少なくとも1つの開口部が設けられてもよく、そのような開口部は、複数のラッチ式接続を形成するために、1つまたは複数のプロファイルセグメントの複数のロック要素を受け入れることもできる。
【0012】
開口部は、好ましくは、クランプバンドの軸方向またはクランプバンドの周方向に対して横方向に、クランプバンドの中央に配置された状態で導入されてもよい。同様に、ロック要素は、プロファイルセグメントのクランプバンドに対向する側面に、軸方向に中心がある状態で配置されていてもよい。
【0013】
プロファイルセグメントのロック要素がクランプバンドの少なくとも1つの開口部に嵌め込んでロックおよび/または摩擦係合するように挿入可能な場合、ラッチ式接続は技術的に特に簡単な方法で構成することができ、迅速に製造することができる。プロファイルセグメントのクランプバンドへの挿入は、手動または自動で行われ、クランプバンドとプロファイルセグメントとの間に永久的な接続を形成するのに十分である。
【0014】
別の実施形態によれば、クランプバンドの開口部は、クランプバンドの周方向に延びる細長い形状を有する。細長い形状に形成された開口部は、複数のロック要素を受け入れるために使用することができる。代わりに、または追加的に、1つまたは複数のロック要素を細長い開口部に挿入して、周方向に移動可能なラッチ式接続を形成することもできる。その結果、細長い開口部はレールとしての役割を果たし、つまり、開口部やクランプバンドの経路に沿って、プロファイルセグメントを周方向に規定通りに移動させることができる。これにより、プロファイルクランプが締め付けられる際にプロファイルセグメントと接続フランジとの間に生じる摩擦力を低減することができる。
【0015】
さらに回別の実施形態によれば、少なくとも1つのロック要素は、クランプバンドに対向するプロファイルセグメントの側面に配置され、クランプバンドに一体的に構成されている。好ましくは、プロファイルセグメントは、プラスチック材料によって構成され、クランプバンドとのラッチ式接続を行うための1つ以上の背面側ロック要素を有していてもよい。このようなプロファイルセグメントは、例えば、射出成形法を用いて製造することができる。あるいは、ロック要素を備えたプロファイルセグメントは、積層造形法によって製造することができる。ロック要素は、例えば、接着または溶接によって、プロファイルセグメントの背面側に配置することもできる。プロファイルセグメントの背面は、クランプバンドに対向するプロファイルセグメントの側面である。
【0016】
少なくとも1つのロック要素が、打ち抜かれかつ/または曲げられた状態でプロファイルセグメントに導入される場合には、ロック要素は、技術的に特に簡単な方法で製造することができる。それにより、プロファイルセグメントは、プラスチック材料または金属によって構成できる。ラッチ式接続部では、圧力と温度の作用により、材料がプロファイルセグメントの背面側に押し出され、ロック要素を形成することができる。背面側から押し出された材料は、ポジティブロックまたは摩擦係合するラッチ式接続を形成するために使用することができます。
【0017】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのプロファイルセグメントは、円形、長方形、三角形、または台形のプロファイルを有しており、クランプバンドから離れる方向を向いた面側で開いている。プロファイルセグメントは、この例では、プロファイルベースによって互いに接続された2つのプロファイルフランクを有している。異なる形状のプロファイルセグメントを、汎用的に使用できるクランプバンドと組み合わせることもできる。特に、プロファイルセグメントのみが異なるプロファイルクランプは、プロファイルセグメントのみを変更することによって提供することができる。その結果、製造プロセスを簡略化することができる。
【0018】
別の実施形態によれば、クランプバンドは、少なくとも2つのプロファイルセグメントと同一の材料または異なる材料から形成されている。ラッチ式接続により、互いに接着結合または溶接することができない材料を互いに組み合わせることができる。例えば、クランプ装置を備えたクランプバンドが金属で構成され、プロファイルセグメントがプラスチック材料で構成されていてもよい。特に、プロファイルセグメントは、繊維強化プラスチック材料、カーボン、エラストマー材料などで構成されていてもよい。プロファイルセグメントは、代わりに、または追加的に、金属ストリップまたはリブによって、少なくとも部分的に硬化または補強されていてもよい。この場合、プロファイルセグメントは、プラスチック材料で覆われた金属製のベース部材を備えていてもよい。
【0019】
プロファイルセグメントがクランプバンドに溶接されておらず、代わりにラッチ式接続によって互いに「カチッ」と嵌め込まれるので、プロファイルクランプの製造のために、より多様な材料を使用することができる。
【0020】
少なくとも1つのプロファイルセグメントにシール要素を配置することができれば、接続フランジ間の個別のシールおよび中間リングの使用は不要になる。シール要素は、好ましくは、クランプバンドから離れる方向を向いているプロファイルセグメントの内側に延びている。例えば、シール要素は、プロファイルセグメントの内側に沿って周方向に延び、径方向内方に延びるシールリングまたは環状フラットシールの形態で構成されてもよい。好ましくは、シール要素は途切れていない、つまり閉じた円として構成されており、少なくとも部分的にクランプバンドおよび/または少なくとも1つのプロファイルセグメントに接続されている。これにより、接続フランジに対するシール要素の向きを気にする必要がない。
【0021】
シール要素を受け入れる少なくとも1つの薄いプレートが、プロファイルセグメントの内側にクランプバンドから離れる方向に向って配置されている場合、シール要素は、プロファイルセグメント上で特に簡単な方法で配置および方向づけることができる。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つの薄いプレートは、開かれたプロファイルに、軸方向の中央に導入される。シール要素は、好ましくは、薄いプレートが突出してシール要素を固定することができる半径方向に導入された凹部または溝を有していてもよい。特に、少なくとも1つの薄いプレートは、異なるシール要素と組み合わせることができるようにしてもよい。
【0023】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの薄いプレートは、軸方向に剛性または柔軟性を有するように構成されている。プロファイルクランプの用途に応じて、接続フランジがプロファイルクランプのプロファイルセグメントに配置されたときの軸方向の補正を可能にすることができる。剛性のある薄いプレートでは、プロファイルクランプにおける固定された接続位置を接続フランジの接続位置として定義することができる。
【0024】
本発明の他の特徴、詳細、および利点は、特許請求の範囲の文言、および図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態に係るプロファイルクランプの斜視図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3】別の実施形態に係るプロファイルクランプの斜視図である。
図4図2のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るプロファイルクランプ1の斜視図である。プロファイルクランプ1は、クランプバンド2と、クランプ装置3とを備えている。クランプバンド2は、例えば、高張力鋼のような金属または合金から製造される。
【0027】
クランプ装置3は、互いに間隔Dを空けて周方向に配置された2つのクランプジョー4を有する。クランプジョー4は、それぞれクランプバンド2の端部に配置されている。少なくとも1つのクランプ手段5によって、クランプジョーは、互いに向かう方向に移動することができる。図示された実施形態によれば、クランプ装置3は、トグルレバー式留め具として構成されている。
【0028】
ねじ6によって調整可能なレバーが、クランプ手段5として使用される。ねじ6を用いて、クランプ手段5の閉状態におけるクランプジョー4間の間隔Dを調整することができる。図1および図3では、クランプ装置3が閉じた状態で示されている。
【0029】
クランプバンド2の内面側7には、本実施形態によれば、3つのプロファイルセグメント8が配置されている。プロファイルセグメント8は、周方向Uに互いに間隔を空けて配置されている。そのために、プロファイルセグメント8は、ラッチ式接続部9によってクランプバンド2に固定された状態に接続されている。
【0030】
プロファイルセグメント8は、クランプバンド2に対向する側または背面側10と、クランプバンド2から離れる方向を向いた内面側11とを有する。背面側10において、プロファイルセグメント8は、ラッチ式接続部9によってクランプバンド2の内面側7に結合されている。一実施形態によれば、各プロファイルセグメント8は、クランプバンド2に、2つのラッチ式接続部9において配置されている。
【0031】
クランプバンド2から離れる方向を向いたプロファイルセグメント8の内面側11には、シール要素12が設けられている。シール要素12は、環状のシールリップとして構成されており、プロファイルセグメント8の内側に周方向に延びている。
【0032】
図2は、ラッチ式接続部9の構造を説明するための図1のA-A断面を示している。ラッチ式接続部9は、ロック要素13とクランプバンド2に設けられた開口部14との相互作用によって形成されている。
【0033】
ロック要素13は、プロファイルセグメント8の背面側10に形成されている。図示された例によれば、プロファイルセグメント8は、一体的に製造されてもよいし、少なくとも1つのロック要素13と一体的に製造されてもよい。例えば、プロファイルセグメント8および少なくとも1つのロック要素13は、プラスチック材料または繊維強化プラスチック材料から製造されてもよい。
【0034】
開口部14は、クランプバンド2に開けられている。例えば、複数の開口部14が、クランプバンド2に、互いに定められた間隔で打ち抜かれてもよい。開口部14およびロック要素13は、本実施形態では、矩形の基本形状を有している。
【0035】
ロック要素13は、軸方向Aにおいて、突起部15により、開口部14の軸方向の大きさよりもわずかに大きく形成されている。これにより、径方向Rに所定の力を加えることにより、ロック要素13を、開口部14を貫通して押し、ラッチまたはロックすることができる。この相互作用の結果、ラッチ式接続部9が形成される。このため、ロック要素13は、開口部14の縁部を係合させることができるアンダーカットを有していてもよい。
【0036】
プロファイルセグメント8は、その背面側10に、少なくとも1つのロック要素13を有し、クランプバンド2から離れる方向を向いた内面側11において開く台形プロファイルを有する。本実施形態では、プロファイルセグメント8のプロファイルフランクの間の開き角度Bは90°である。しかし、開き角度Bは、90°よりも大きくても小さくてもよい。
【0037】
開くように構成されたプロファイルセグメント8の内面側11には、薄いプレート16が配置されている。薄いプレート16は、プロファイルセグメント8から径方向Rに延び、シール要素12のスロット内に挿入されている。薄いプレート16は、プロファイルセグメント8にポジティブロック方式または物質的に係合する方法で接続されてもよく、その結果、プロファイルセグメントに対して固定された方法でシール要素12を少なくとも周方向および/または軸方向に位置決めする。この例において、プロファイルクランプの締付けの結果として直径の減少が発生する場合に、シール要素とプロファイルセグメントとの間の相対的な動きを可能にするために、半径方向に固定されないようにすることができる。別の実施形態によれば、薄いプレート16は、環状にプレス加工され、プロファイルセグメントの開き角度Bに固定接続されずに離脱不能に挿入されてもよい。
【0038】
プロファイルセグメント8は、2つの配管の接続フランジ(図示せず)を受け入れる役割を果たす。好ましくは、シール要素12の両側の軸方向Aに、配管の接続フランジが配置され、クランプ装置3が閉じることにより、接続フランジがプロファイルセグメント8によって、軸方向に互いに向かう方向に、かつシール要素12に対して押し付けられてもよい。
【0039】
図3は、別の実施形態によるプロファイルクランプ1を示している。図1に示すプロファイルクランプ1とは対照的に、この例では、シール要素は設けられていない。さらに、周方向Uの開口部14は、プロファイルセグメント8のロック要素13よりも大幅に大きい寸法になっている。例えば、開口部は、ロック要素13の大きさと比較して、周方向Uに2倍から10倍の大きさを有していてもよい。このような細長い開口部17により、プロファイルセグメント8は、ラッチされたロック要素13上において周方向Uに移動することができる。この例において、細長い開口部17は、プロファイルセグメント8の周方向の移動を可能にするガイドとして機能する。プロファイルセグメント8は、開口部17内で変位することができるので、プロファイルクランプ1が締め付けられるときに、プロファイルセグメント8と接続フランジとの間の摩擦力を低減することができる。
【0040】
図4は、図3の断面B-Bを示す図である。ここでは、ロック要素13が、打ち抜き/曲げ加工によってプロファイルセグメント8に導入されていることが示されている。このようにして打ち抜かれたプロファイルセグメント8は、金属シートから製造することができる。ロック要素13は、軸方向Aにおいて、開口部17よりもわずかに大きく、その結果、摩擦係合および/またはポジティブロックの方法で開口部に挿入することができる。
【0041】
ロック要素13の形状に応じて、プロファイルセグメント8は、この目的のために設けられた開口部14,17に、横方向または軸方向から斜めに挿入することができる。あるいは、プロファイルセグメント8は、開口部14,17に半径方向Rにラッチできるようになっていてもよい。
【0042】
本発明は、上述した実施形態の1つに限定されるものではなく、代わりに多くの方法で変形することができる。したがって、例えば、2つ以上または3つ以上のプロファイルセグメントを設けることもできる。さらに、プロファイルセグメントは、例えば、それぞれがクランプバンドの異なるまたは共通の開口部に受け入れられる少なくとも1つのロック要素を有する2つのフランク要素を備えた複数の部分で構成されてもよい。
【0043】
構造的な詳細、空間的な配置、および方法のステップを含む、特許請求の範囲、明細書、および図面から得られるすべての特徴および利点は、個別でも、極めて多様な組み合わせでも、本発明に不可欠なものである。
【符号の説明】
【0044】
1 プロファイルクランプ
2 クランプバンド
3 クランプ装置
4 クランプジョー
5 クランプ手段
6 クランプ手段の調整ネジ
7 クランプバンドの内側
8 プロファイルセグメント
9 ラッチ式接続部
10 プロファイルセグメントの背面側
11 プロファイルセグメントの内面側
12 シール要素
13 ロック要素
14 開口部
15 突起部
16 薄いプレート
17 細長い開口部
A 軸方向
B プロファイルセグメントの開き角度
D クランプジョーの間隔
R 径方向
U 周方向
図1
図2
図3
図4