(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】搬送システムおよび搬送システムに用いられるガイド機構
(51)【国際特許分類】
B65G 47/53 20060101AFI20230425BHJP
B65G 21/20 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B65G47/53 Z
B65G21/20 A
(21)【出願番号】P 2022196536
(22)【出願日】2022-12-08
【審査請求日】2022-12-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506429606
【氏名又は名称】株式会社S&Sエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大矢 敏弘
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-095411(JP,A)
【文献】特開平03-078657(JP,A)
【文献】特開平04-080118(JP,A)
【文献】特開平06-001427(JP,A)
【文献】実用新案登録第2512367(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52-47/72
B65G 47/22-47/32
B65G 21/20
G01N 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送方向に延び、搬送物を載せて前記第1搬送方向に搬送する第1搬送面と、前記第1搬送方向と直交する第1幅方向の前記第1搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第1側壁と、を有する第1ベルトコンベアと、
前記第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延び、前記搬送物を載せて第2搬送方向に搬送する第2搬送面と、前記第2搬送方向と直交する第2幅方向の前記第2搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第2側壁と、を有する第2ベルトコンベアと、
前記第1側壁と前記第2側壁とを接続し、前記第1搬送面上を搬送される前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変えて、前記第2搬送面上に搬送させるガイド機構と、
を備える搬送システムであって、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアは、
前記第2搬送面の上流端が前記第1搬送面の前記第1搬送方向に沿うように前記第1搬送面の側方に接続され、又は、前記第1搬送面の下流端が前記第2搬送面の前記第2搬送方向に沿うように前記第2搬送面の側方に接続され、
前記ガイド機構は、
前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変化させると共に、鉛直方向の高さを有する第3搬送面を含み、前記第1搬送面から搬送されて前記第3搬送面に接触した前記搬送物を前記第2搬送面に搬送する第3搬送部と、
前記第1搬送面の前記第2搬送方向における上流側に位置する外縁側の第1側壁と、前記第1搬送面の前記第2搬送方向における下流側に位置する内縁側の第1側壁とを有する前記一対の第1側壁のうちの前記外縁側の第1側壁よりも前記第1搬送方向に直交する第1幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第1側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する入口壁部と、
前記第2搬送面の前記第1搬送方向における下流側に位置する外縁側の第2側壁と、前記第2搬送面の前記第1搬送方向における上流側に位置する内縁側の第2側壁とを有する前記一対の第2側壁のうちの前記外縁側の第2側壁よりも前記第2搬送方向に直交する第2幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第2側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する出口壁部とを有して、
前記第1搬送面および前記第2搬送面に跨るように配置され、前記搬送物を前記第3搬送部に接触させると共に、前記入口壁部または前記出口壁部の少なくともいずれかを通過可能に構成させることで、前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変え
、
前記第3搬送面は、前記第1搬送方向と前記第2搬送方向の両方に交差する第3搬送方向に延び、直線に沿った形状であることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記第3搬送部は、
前記第1搬送方向および前記第2搬送方向に交差する第3搬送方向に延び、且つ、前記第3搬送方向に直交する第3幅方向が鉛直方向に沿うように、前記第3搬送面が配置され
、前記第3搬送方向への回転力を有する部材であることを特徴とする
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記出口壁部は、鉛直方向に見て、曲線状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項4】
第1搬送方向に延び、搬送物を載せて前記第1搬送方向に搬送する第1搬送面と、前記第1搬送方向と直交する第1幅方向の前記第1搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第1側壁と、を有する第1ベルトコンベアと、
前記第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延び、前記搬送物を載せて第2搬送方向に搬送する第2搬送面と、前記第2搬送方向と直交する第2幅方向の前記第2搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第2側壁と、を有する第2ベルトコンベアと、
前記第1側壁と前記第2側壁とを接続し、前記第1搬送面上を搬送される前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変えて、前記第2搬送面上に搬送させるガイド機構と、を備え、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアは、
前記第2搬送面の上流端が前記第1搬送面の前記第1搬送方向に沿うように前記第1搬送面の側方に接続される、又は、前記第1搬送面の下流端が前記第2搬送面の前記第2搬送方向に沿うように前記第2搬送面の側方に接続される搬送システムに用いられるガイド機構であって、
前記ガイド機構は、
前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変化させると共に、鉛直方向の高さを有する第3搬送面を含み、前記第1搬送面から搬送されて前記第3搬送面に接触した前記搬送物を前記第2搬送面に搬送する第3搬送部と、
前記第1搬送面の前記第2搬送方向における上流側に位置する外縁側の第1側壁と、前記第1搬送面の前記第2搬送方向における下流側に位置する内縁側の第1側壁とを有する前記一対の第1側壁のうちの前記外縁側の第1側壁よりも前記第1搬送方向に直交する第1幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第1側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する入口壁部と、
前記第2搬送面の前記第1搬送方向における下流側に位置する外縁側の第2側壁と、前記第2搬送面の前記第1搬送方向における上流側に位置する内縁側の第2側壁とを有する前記一対の第2側壁のうちの前記外縁側の第2側壁よりも前記第2搬送方向に直交する第2幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第2側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する出口壁部とを有して、
前記第1搬送面および前記第2搬送面に跨るように配置され、前記搬送物を前記第3搬送部に接触させると共に、前記入口壁部または前記出口壁部の少なくともいずれかを通過可能に構成させることで、前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変え
、
前記第3搬送面は、前記第1搬送方向と前記第2搬送方向の両方に交差する第3搬送方向に延び、直線に沿った形状であることを特徴とするガイド機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物を搬送するベルトコンベアを備えた搬送システムおよび搬送システムに用いられるガイド機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送物を搬送するベルトコンベアを備えた搬送システムがある。例えば、特許文献1には、病院等の建築物において、筒状の検体管(特許文献1の患者から採取した血液や尿等を収容する採血管等の検体管)を搬送するためのベルトコンベアを備える搬送システムが開示されている。特許文献1の搬送システムでは、複数の検体管を搬送物であるパレットに入れて、パレットを搬送面上に置いて搬送している。
【0003】
このような搬送システムにおいて、搬送物の搬送先に合わせて、搬送物を搬送するベルトコンベアの搬送方向を変えることが求められる。搬送物の搬送方向を変えたい場合、例えば、搬送方向の異なる2つのベルトコンベアを、特許文献2に開示されたカーブコンベアや特許文献3に開示されたターンテーブルなどを介して接続する構成が考えられる。また、パレット等の搬送物が搬送面から脱落しないようにするために、搬送面の幅方向の両側に、鉛直方向に高さを有する側壁を設けることがある。さらに、筒状の検体管は、大きさの異なる様々な種類がある場合がある。様々な種類の複数の筒状検体管を容易に搬送するために、筒状検体管をパレット等の容器に入れることなく、ベルトコンベアの搬送面上に筒状検体管を横倒しに置いて、検体管を搬送物として搬送する搬送システムがある。搬送面上に筒状検体管を横倒しに置いて搬送する搬送システムでは、搬送面の幅方向の両側に、搬送物である筒状検体管が脱落しないようにするために、鉛直方向に高さを有する側壁を設ける必要性が特に高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-146988号公報
【文献】特開平9-315532号公報
【文献】特許4885472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーブコンベアやターンテーブルは、設置場所を十分に確保する必要がある上、構造が複雑になる。そこで、簡易な構成で、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送するベルトコンベアの搬送方向を変えることが求められる。そのために、
図5に示すように、第1ベルトコンベアおよび第2ベルトコンベアの2つのベルトコンベアをそれらの搬送方向が直交するように、第1ベルトコンベアの下流端を第2ベルトコンベアの上流側から第2ベルトコンベアの搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させると共に、接続される2つのベルトコンベアに跨るように、側壁と同じように鉛直向きに立ち上がったガイド機構を設置することが考えられる。鉛直方向に見て円弧状になるように形成したガイド機構を、接続される2つのベルトコンベアの外縁側に配置することで、第1ベルトコンベアから搬送される搬送物をガイド機構に当てて、円弧状のガイド機構に沿わせるようにして第2ベルトコンベアに移動させることで、搬送物の搬送方向を変えることができる。
【0006】
上述の構成だと、接続される2つのベルトコンベアの外縁側に設置されるガイド機構と内縁側に設けられる側壁との間の幅が、搬送方向に直交する2つのベルトコンベアの搬送面の幅より狭くなる。そのため、搬送面の幅方向に長い搬送物が搬送されている場合は、搬送方向を変化させるガイド機構付近で、搬送物が固定されてしまい、スムーズに通過しないおそれがある。詳しく説明すると、例えば、第1ベルトコンベアで搬送される搬送物の第1幅方向の長さに対して接続される2つのベルトコンベアの外縁側に設置されるガイド機構と内縁側に設けられる側壁との間の幅が狭い場合に、搬送物を搬送するとき、搬送物の側面がガイド機構、外縁側の側壁、内縁側の側壁に同時に接触する場合がある。これにより、搬送物は、ガイド機構と内縁側および外縁側の側壁によって固定されて移動できなくなってしまう。
【0007】
特に搬送物が円筒状である場合、ガイド機構と内縁側および外縁側の側壁によって固定される場合だけでなく、搬送物が外縁側の側壁だけに接触し固定されていない場合でも、搬送物が移動できなくなってしまうことがある。詳しく説明すると、互いに直交する2つのベルトコンベアに搬送物が跨ったとき、円筒状の搬送物は、一方のベルトコンベアの回転力と、それと直交する他方のベルトコンベアの回転力とを同時に受け、搬送されることなく回転しながらその場に留まってしまう。
【0008】
本発明は、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送する搬送システムであって、簡易な構成でベルトコンベアの搬送方向を変えると共に、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物を通過させて搬送できる搬送システムまたは搬送システムに用いられるガイド機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の搬送システムは、第1搬送方向に延び、搬送物を載せて前記第1搬送方向に搬送する第1搬送面と、前記第1搬送方向と直交する第1幅方向の前記第1搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第1側壁と、を有する第1ベルトコンベアと、前記第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延び、前記搬送物を載せて第2搬送方向に搬送する第2搬送面と、前記第2搬送方向と直交する第2幅方向の前記第2搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第2側壁と、を有する第2ベルトコンベアと、前記第1側壁と前記第2側壁とを接続し、前記第1搬送面上を搬送される前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変えて、前記第2搬送面上に搬送させるガイド機構と、を備える搬送システムであって、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアは、前記第2搬送面の上流端が前記第1搬送面の前記第1搬送方向に沿うように前記第1搬送面の側方に接続され、又は、前記第1搬送面の下流端が前記第2搬送面の前記第2搬送方向に沿うように前記第2搬送面の側方に接続され、前記ガイド機構は、前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変化させると共に、鉛直方向の高さを有する第3搬送面を含み、前記第1搬送面から搬送されて前記第3搬送面に接触した前記搬送物を前記第2搬送面に搬送する第3搬送部と、前記第1搬送面の前記第2搬送方向における上流側に位置する外縁側の第1側壁と、前記第1搬送面の前記第2搬送方向における下流側に位置する内縁側の第1側壁とを有する前記一対の第1側壁のうちの前記外縁側の第1側壁よりも前記第1搬送方向に直交する第1幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第1側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する入口壁部と、前記第2搬送面の前記第1搬送方向における下流側に位置する外縁側の第2側壁と、前記第2搬送面の前記第1搬送方向における上流側に位置する内縁側の第2側壁とを有する前記一対の第2側壁のうちの前記外縁側の第2側壁よりも前記第2搬送方向に直交する第2幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第2側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する出口壁部とを有して、前記第1搬送面および前記第2搬送面に跨るように配置され、前記搬送物を前記第3搬送部に接触させると共に、前記入口壁部または前記出口壁部の少なくともいずれかを通過可能に構成させることで、前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変えることを特徴とする。
【0010】
本発明では、第1ベルトコンベアおよび第2ベルトコンベアの2つのベルトコンベアをそれらの搬送方向が直交するように、第2ベルトコンベアの上流端を第1ベルトコンベアの上流側から第1ベルトコンベアの搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させる、又は、第1ベルトコンベアの下流端を第2ベルトコンベアの上流側から第2ベルトコンベアの搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させる。なお、本発明において、「2つの方向が直交する」とは、2つの方向がほぼ直交する場合も含む。以下同様である。そして、第3搬送部と入口壁部と出口壁部を有し、第1搬送面および第2搬送面に跨るように配置されるガイド機構により、カーブコンベアやターンテーブルを用いることなく、搬送物の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に変えている。ここで、ガイド機構の入口壁部が外縁側の第1側壁よりも第1幅方向の外側に広がっており、ガイド機構の出口壁部が外縁側の第2側壁よりも第2幅方向の外側に広がっている。すなわち、ガイド機構の入口壁部には第1搬送面よりも第1幅方向に広がった空間が存在し、ガイド機構の出口壁部には第2搬送面よりも第2幅方向に広がった空間が存在する。このため、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送した場合に、幅方向に長い搬送物が、第1ベルトコンベアから第1ベルトコンベアとは搬送方向が異なる第2ベルトコンベアに搬送されるとき、これらの空間に入り込むことで、固定されることを防止することができる。以上によって、本発明の搬送システムでは、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送する搬送システムであって、簡易な構成でベルトコンベアの搬送方向を変えると共に、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物を通過させて搬送できる。
【0011】
また、本発明の搬送システムでは、前記第3搬送面は、前記第1搬送方向と前記第2搬送方向の両方に交差する第3搬送方向に延びることが好ましい。
【0012】
第3搬送面が曲線に沿った形状である場合、搬送物の姿勢が変わると、搬送物の側面との接触が解かれてしまうおそれがある。本発明では、直線に沿った形状である第3搬送面は、搬送物の姿勢が変わったとしても、搬送物の側面との接触を維持したままにできる。このため、第3搬送面による搬送物の搬送を効率的に行うことができる。また、直線に沿った形状である第3搬送面は、製造が容易である。
【0013】
また、本発明の搬送システムでは、前記第3搬送部は、前記第1搬送方向および前記第2搬送方向に交差する第3搬送方向に延び、且つ、前記第3搬送方向に直交する第3幅方向が鉛直方向に沿うように、前記第3搬送面が配置される第3ベルトコンベアであることが好ましい。
【0014】
第3ベルトコンベアの回転力により、第3搬送面に接触する搬送物をよりスムーズに搬送できる。
【0015】
また、本発明の搬送システムでは、前記出口壁部は、鉛直方向に見て、曲線状に形成されることが好ましい。
【0016】
本発明では、搬送物は第1ベルトコンベアから第2ベルトコンベアに向かって搬送される。この場合、搬送物の端は、第3搬送部に沿って移動した後、出口壁部に接触し、さらにその後、外縁側の第2側壁に接触する。本発明では、出口壁部は、曲線状に形成されている。このため、搬送物を曲線状の出口壁部に沿わせて、外縁側の第2側壁までスムーズに導くことができる。
【0017】
本発明のガイド機構は、第1搬送方向に延び、搬送物を載せて前記第1搬送方向に搬送する第1搬送面と、前記第1搬送方向と直交する第1幅方向の前記第1搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第1側壁と、を有する第1ベルトコンベアと、前記第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延び、前記搬送物を載せて第2搬送方向に搬送する第2搬送面と、前記第2搬送方向と直交する第2幅方向の前記第2搬送面の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第2側壁と、を有する第2ベルトコンベアと、前記第1側壁と前記第2側壁とを接続し、前記第1搬送面上を搬送される前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変えて、前記第2搬送面上に搬送させるガイド機構と、を備え、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアは、前記第2搬送面の上流端が前記第1搬送面の前記第1搬送方向に沿うように前記第1搬送面の側方に接続される、又は、前記第1搬送面の下流端が前記第2搬送面の前記第2搬送方向に沿うように前記第2搬送面の側方に接続される搬送システムに用いられるガイド機構であって、前記ガイド機構は、前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変化させると共に、鉛直方向の高さを有する第3搬送面を含み、前記第1搬送面から搬送されて前記第3搬送面に接触した前記搬送物を前記第2搬送面に搬送する第3搬送部と、前記第1搬送面の前記第2搬送方向における上流側に位置する外縁側の第1側壁と、前記第1搬送面の前記第2搬送方向における下流側に位置する内縁側の第1側壁とを有する前記一対の第1側壁のうちの前記外縁側の第1側壁よりも前記第1搬送方向に直交する第1幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第1側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する入口壁部と、前記第2搬送面の前記第1搬送方向における下流側に位置する外縁側の第2側壁と、前記第2搬送面の前記第1搬送方向における上流側に位置する内縁側の第2側壁とを有する前記一対の第2側壁のうちの前記外縁側の第2側壁よりも前記第2搬送方向に直交する第2幅方向の外側に配置されて、前記外縁側の第2側壁に接続されると共に、前記第3搬送部に接続され、鉛直方向の高さを有する出口壁部とを有して、前記第1搬送面および前記第2搬送面に跨るように配置され、前記搬送物を前記第3搬送部に接触させると共に、前記入口壁部または前記出口壁部の少なくともいずれかを通過可能に構成させることで、前記搬送物の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に変えることを特徴とする。
【0018】
本発明では、第1ベルトコンベアおよび第2ベルトコンベアの2つのベルトコンベアをそれらの搬送方向が直交するように、第2ベルトコンベアの上流端を第1ベルトコンベアの上流側から第1ベルトコンベアの搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させる、又は、第1ベルトコンベアの下流端を第2ベルトコンベアの上流側から第2ベルトコンベアの搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させる。そして、第3搬送部と入口壁部と出口壁部を有し、第1搬送面および前記第2搬送面に跨るように配置されるガイド機構により、カーブコンベアやターンテーブルを用いることなく、搬送物の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に変えている。ここで、ガイド機構の入口壁部が外縁側の第1側壁よりも第1幅方向の外側に広がっており、ガイド機構の出口壁部が外縁側の第2側壁よりも第2幅方向の外側に広がっている。すなわち、ガイド機構の入口壁部には第1搬送面よりも第1幅方向に広がった空間が存在し、ガイド機構の出口壁部には第2搬送面よりも第2幅方向に広がった空間が存在する。このため、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送した場合に、幅方向に長い搬送物が、第1ベルトコンベアから第1ベルトコンベアとは搬送方向が異なる第2ベルトコンベアに搬送されるとき、これらの空間に入り込むことで、固定されることを防止することができる。以上によって、本発明の搬送システムでは、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送する搬送システムであって、簡易な構成でベルトコンベアの搬送方向を変えると共に、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物を通過させて搬送できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、搬送物をベルトコンベア上に置いて搬送する搬送システムであって、簡易な構成でベルトコンベアの搬送方向を変えると共に、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物を通過させて搬送できる搬送システムまたは搬送システムに用いられるガイド機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態の搬送システムの構成を示す平面図である。
【
図2】本実施形態の搬送システムの構成を示す斜視図である。
【
図4】変形例の搬送システムの構成を示す平面図である。
【
図5】本願発明の課題を説明するための参考図であって、2つのベルトコンベアを搬送方向が直交するように直接接続させると共に、円弧状のガイド機構を配置したときの様子を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、
図1~
図3を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る搬送システム1の構成を示す平面図である。
図2は、搬送システム1の構成を示す斜視図である。以下、
図1の紙面垂直方向を重力の作用する鉛直方向とする。
図1の紙面手前側が鉛直方向の上である。以下、上記の方向を適宜使用して説明する。
【0023】
本実施形態にかかる搬送システム1は、例えば、施設内に設置される。本実施形態の搬送システム1は、搬送物を搬送するためのものである。搬送物は、例えば、
図3に示すような円筒状の搬送物60であってよい。
図3に示す円筒状の搬送物60は、中心軸線Cの延びる方向(以下、中心軸線方向とも言う)の一方側の端部に取り付けられた着脱可能なキャップ61を有する。円筒状の搬送物60は、中心軸線方向の他方側の端部に行くほど中心軸線方向に直交する断面の直径が小さくなる形状を有する。なお、
図3の搬送物60の例では、キャップ61を有しているが、搬送物60はキャップを有さなくてよい。また、
図3の円筒状の搬送物60は、中心軸線方向の他方側の端部に行くほど中心軸線方向に直交する断面の直径が小さくなる形状であるが、中心軸線方向の両側の端部に行くほど中心軸線方向に直交する断面の直径が小さくなる形状であっても良いし、中心軸線方向の他方側の端部に行くほど中心軸線方向に直交する断面の直径が大きくなる形状であっても良いし、中心軸線方向の両側の端部の先に行くほど中心軸線方向に直交する断面の直径が大きくなる形状であっても良いし、中心軸線方向に直交する断面の直径が同じまたはほぼ同じ円柱状の形状であってもよい。また、搬送システム1に搬送される搬送物は、円筒状の搬送物60に限定されない。搬送物は、角筒状の搬送物でもよく、複数の円筒状の容器60を収容可能な箱形状のパレットでもよい。
【0024】
図1および
図2に示すように、搬送システム1は、第1ベルトコンベア10と、第2ベルトコンベア20と、ガイド機構30と、を含む。第1ベルトコンベア10は、第1搬送方向(
図1の紙面上下方向)の上流側(
図1の紙面下方)から下流側(
図1の紙面上方)に向かって搬送物60を搬送するためのものである(
図1の実線矢印Aを参照)。第2ベルトコンベア20は、第1搬送方向と直交する第2搬送方向(
図1の紙面左右方向)の上流側(
図1の紙面右方)から下流側(
図1の紙面左方)に向かって搬送物60を搬送するためのものである(
図1の実線矢印Bを参照)。なお、
図1および
図2では、第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20の一部のみを図示している。
【0025】
第1ベルトコンベア10は、第1搬送面11と、一対の第1側壁12と、を有する。第1搬送面11は、第1搬送方向に延びる。第1搬送面11は、搬送物60を載せて第1搬送方向に搬送するものである(
図1の実線矢印Aを参照)。第1搬送面11は、例えば、第1ベルトコンベア10の第1搬送方向における両端にそれぞれ配置された2つのローラ(不図示)に掛けられる環状ベルトの外周面である。第1搬送面11は、2つのローラに巻き掛けられる部分以外は、鉛直方向に直交する平面である。2つのローラ(不図示)は第1搬送方向と直交する第1幅方向に沿った回転軸を中心に回転可能であり、不図示のモータによって回転駆動されることで環状ベルトを回転させる。環状ベルトが回転することにより、第1搬送面11に載せられた搬送物60は第1搬送方向の上流側から下流側に搬送される。
【0026】
第1搬送面11の第1幅方向の長さは、搬送物60の中心軸線方向に直交する断面における最大直径D1よりも大きければよい。第1搬送面11の第1幅方向の長さは、最大直径D1の2倍以上であってよい。より詳細には、第1搬送面11の第1幅方向の長さは、複数の搬送物60のうちの最も直径D1が大きい搬送物60の直径D1である最大直径D1よりも大きく、最大直径D1の2倍以上であってよい。ここで、搬送物60の直径D1とは、搬送物60の中心軸線方向に直交する断面における最も直径が大きくなる箇所の直径のことである。これにより、第1搬送面11は、複数の搬送物60を第1幅方向に並べて搬送することができる。
【0027】
一対の第1側壁12は、第1搬送面11の第1幅方向の外側の両端にそれぞれ設けられている。各第1側壁12は、鉛直方向の高さを有する。各第1側壁12の第1搬送面11からの高さは、例えば、搬送物60の直径D1よりも高いことが好ましい。ここで、搬送物60の直径D1とは、搬送物60の中心軸線方向に直交する断面における最も直径が大きくなる箇所の直径のことである。または、搬送システム1が搬送物60以外の搬送物(例えばパレット等)を搬送する場合、各第1側壁12の第1搬送面11からの高さは、当該搬送物の鉛直方向の高さよりも高いことが好ましい。これにより、搬送物60(又は他の搬送物)が第1搬送面11から脱落することを防止できる。また、各第1側壁12は、第1搬送方向に平行な方向に設けられる。
【0028】
第2ベルトコンベア20は、第2搬送面21と、一対の第2側壁22と、を有する。第2搬送面21は、第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延びる。第2搬送面21は、搬送物60を載せて第2搬送方向に搬送するものである(
図1の実線矢印Bを参照)。第2搬送面21は、例えば、第2ベルトコンベア20の第2搬送方向における両端にそれぞれ配置された2つのローラ(不図示)に掛けられる環状ベルトの外周面である。第2搬送面21は、2つのローラに巻き掛けられる部分以外は、鉛直方向に直交する平面である。2つのローラ(不図示)は第2搬送方向と直交する第2幅方向に沿った回転軸を中心に回転可能であり、不図示のモータによって回転駆動されることで環状ベルトを回転させる。環状ベルトが回転することにより、第2搬送面21に載せられた搬送物60は第2搬送方向の上流側から下流側に搬送される。
【0029】
第2搬送面21の第2幅方向の長さは、搬送物60の中心軸線方向に直交する断面における最大直径D1よりも大きければよく、最大直径D1の2倍以上であることがより好ましい。より詳細には、第2搬送面21の第2幅方向の長さは、複数の搬送物60のうちの最も直径D1が大きい搬送物60の直径D1である最大直径D1よりも大きければよく、最大直径D1の2倍以上であることが好ましい。これにより、第2搬送面21は、複数の搬送物60を第2幅方向に並べて搬送することができる。なお、本実施形態では、第1搬送面11の第1幅方向の長さと第2搬送面21の第2幅方向の長さとは、略同じである。
【0030】
一対の第2側壁22は、第2搬送面21の第2幅方向の外側の両端にそれぞれ設けられている。各第2側壁22は、鉛直方向の高さを有する。各第2側壁22の第2搬送面21からの高さは、例えば、搬送物60の直径D1よりも高いことが好ましい。または、搬送システム1が搬送物60以外の搬送物(例えばパレット等)を搬送する場合、各第2側壁22の第2搬送面21からの高さは、当該搬送物の鉛直方向の高さよりも高いことが好ましい。これにより、搬送物60(又は他の搬送物)が第2搬送面21から脱落することを防止できる。また、各第2側壁22は、第2搬送方向に平行な方向に設けられる。
【0031】
本実施形態の搬送システム1では、第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20は、第2搬送面21の上流端が第1搬送面11の第1搬送方向に沿うように第1搬送面11の側方に接続されている。本実施形態において、第1ベルトコンベア10の搬送速度は、第2ベルトコンベア20の搬送速度と同じである。なお、第1ベルトコンベア10の搬送速度は、第2ベルトコンベア20の搬送速度以下であってよい。
【0032】
一対の第1側壁12は、外縁側の第1側壁12aと内縁側の第1側壁12bとから構成される。
図1に示すように、外縁側の第1側壁12aは、第1搬送面11の第2搬送方向における上流側に位置する。別の言い方をすれば、外縁側の第1側壁12aは、その下端が第2搬送方向における第2搬送面21の上流側に位置する。さらに別の言い方をすると、外縁側の第1側壁12aは、第1搬送面11の第1幅方向の
図1の紙面右側の外側に設けられている。また、
図1に示すように、内縁側の第1側壁12bは、第1搬送面11の第2搬送方向における下流側に位置する。別の言い方をすれば、内縁側の第1側壁12bは、第2搬送面21が接続される第1搬送面11の側方に配置される。さらに別の言い方をすると、内縁側の第1側壁12bは、第1搬送面11の第1幅方向の
図1の紙面左側の外側に設けられている。
【0033】
一対の第2側壁22は、外縁側の第2側壁22aと内縁側の第2側壁22bとから構成される。
図1に示すように、外縁側の第2側壁22aは、第2搬送面21の第1搬送方向における下流側に位置する。別の言い方をすると、外縁側の第2側壁22aは、第2搬送面21の第2幅方向の
図1の紙面上側の外側に設けられている。また、
図1に示すように、内縁側の第2側壁22bは、第2搬送面21の第1搬送方向における上流側に位置する。別の言い方をすると、内縁側の第2側壁22bは、第2搬送面21の第2幅方向の
図1の紙面下側の外側に設けられている。
【0034】
ここで、簡易な構成で搬送物60の搬送方向を変えるために、
図5に示すように、接続される第1ベルトコンベア10と第2ベルトコンベア20に跨るように、側壁と同じように鉛直向きに立ち上がったガイド機構80を設置することが考えられる。なお、
図5において、本実施形態と共通する構成については、同じ符号を付している。鉛直方向に見て円弧状になるように形成したガイド機構80を、接続される2つのベルトコンベアの外縁側に配置することで、第1ベルトコンベア10から搬送される搬送物60をガイド機構80に当てて、円弧状のガイド機構80に沿わせるようにして第2ベルトコンベア20に移動させることで、搬送物60の搬送方向を変えることができる。
【0035】
上述の構成だと、接続される2つのベルトコンベアの外縁側に設置されるガイド機構80と内縁側に設けられる側壁との間の幅が、搬送方向に直交する2つのベルトコンベアの搬送面の幅より狭くなる。具体的には、ガイド機構80と内縁側の第1側壁12bとの間の幅が第1搬送面11の第1幅方向の長さよりも狭くなる。或いは、ガイド機構80と内縁側の第2側壁22bとの間の幅が第2搬送面21の第2幅方向の長さよりも狭くなる。そのため、幅方向に長さを有する搬送物60が搬送されている場合は、搬送方向を変化させるガイド機構80付近で、搬送物60が固定されてしまい、スムーズに通過しないおそれがある。詳しく説明すると、例えば、第1ベルトコンベア10で搬送される搬送物60の直径D1に対してガイド機構80と内縁側に設けられる側壁(内縁側の第1側壁12b又は内縁側の第2側壁22b)との間の幅が狭い場合に、次のようなことが起こり得る。すなわち、搬送物60を搬送するとき、搬送物60の中心軸線方向の一方端がガイド機構80に接触し、他方端が外縁側の第1側壁12aに接触し、側面が内縁側の第1側壁12bに接触する。これにより、搬送物60は、ガイド機構80と内縁側の第1側壁12b及び外縁側の第1側壁12aによって3箇所が固定されて移動できなくなってしまう。上記の問題は、ガイド機構80と内縁側の第2側壁22b及び外縁側の第2側壁22aによって搬送物60が固定されることでも同様に生じ得る。
【0036】
さらに、上記の問題は、複数の搬送物60が搬送方向と直交する幅方向に並んでまとめて搬送される場合にも同様に起こりうる。すなわち、搬送方向を変化させるガイド機構80付近で、複数の搬送物60が密集して固定されてしまい、スムーズに通過しないおそれがある。詳しく説明すると、例えば、第1ベルトコンベア10の第1幅方向に並んだ複数の搬送物60の第1幅方向の合計の長さに対してガイド機構80と内縁側に設けられる側壁(内縁側の第1側壁12b又は内縁側の第2側壁22b)との間の幅が狭い場合に、次のようなことが起こり得る。第1幅方向に並んだ複数の搬送物60が密集したまとまりとなり、第1幅方向に並んだ複数の搬送物60のうちの最も外側の搬送物60の一方端がガイド機構80に接触し他方端が外縁側の第1側壁12aに接触すると共に、複数の搬送物60のうちの最も内縁側の搬送物60の側面が内縁側の第1側壁12bに接触する。これにより、第1幅方向に並んだ複数の搬送物60のまとまりが、ガイド機構80と内縁側の第1側壁12b及び外縁側の第1側壁12aによって3箇所が固定されて移動できなくなってしまう。上記の問題は、ガイド機構80と内縁側の第2側壁22b及び外縁側の第2側壁22aによって複数の搬送物60のまとまりが固定されることでも同様に生じ得る。
【0037】
そこで、本実施形態の搬送システム1は、簡易な構成でベルトコンベアの搬送方向を変えると共に、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物60を通過させて搬送するために、以下に説明するガイド機構30を有する。
【0038】
ガイド機構30は、搬送物60の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に変えるためのものである。
図1および
図2に示すように、ガイド機構30は、第3ベルトコンベア31(本発明の第3搬送部に相当)と、入口壁部32と、出口壁部33と、内縁ガイド壁部34と、を有する。ガイド機構30は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置される。
【0039】
第3ベルトコンベア31は、第3搬送面44を含む。ガイド機構30は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置されていれば、第3搬送面44は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨っていても、跨っていなくてもよい。但し、
図1および
図2に示すように、第3搬送面44は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置されることが好ましい。言い換えれば、第3搬送面44は、第1搬送面11の鉛直方向の上方且つ第2搬送面21の鉛直方向の上方となる位置に配置されることが好ましい。これにより、第1搬送面11から第2搬送面21への搬送物60の受け渡しをスムーズに行うことができる。第3搬送面44は、第1搬送面11から搬送されて接触した搬送物60を第2搬送面21に搬送するものである。第3搬送面44は、鉛直方向の高さを有する。第3搬送面44の鉛直方向の高さは、例えば、第1側壁12aの鉛直方向の高さと略同じである。また、第3ベルトコンベア31は、第3搬送方向の両端にそれぞれ配置され、鉛直方向を回転軸とする駆動ローラ41および従動ローラ42と、駆動ローラ41および従動ローラ42に掛けられる環状ベルト43と、駆動源45とを含む。駆動源45は、例えば、駆動ローラ41を回転駆動させるモータである。駆動ローラ41は、駆動源45によって回転駆動される。具体的には、駆動源45は、駆動ローラ41と直接接触する回転体を有し、回転体の回転に伴って駆動ローラ41が回転する。従動ローラ42は、回転自在のローラである。駆動ローラ41および従動ローラ42は、逆に配置されていてもよい。環状ベルト43は、例えばタイミングベルトである。駆動ローラ41の回転力が環状ベルト43に伝わることで、環状ベルト43が回転する。第3搬送面44は、環状ベルト43の外周面である。つまり、第3搬送面44は、駆動ローラ41および従動ローラ42に巻き掛けられる部分以外は、鉛直方向に沿った平面である。第3搬送面44は、第1搬送面11および第2搬送面21と直交する。
【0040】
本実施形態では、環状ベルト43は、第1搬送方向と第2搬送方向との両方に交差する第3搬送方向に延びている。すなわち、環状ベルト43の外周面である第3搬送面44は、第1搬送方向と第2搬送方向との両方に交差する第3搬送方向に延びている。また、第3搬送面44は、第3搬送方向と直交する第3幅方向(
図2参照)が鉛直方向に沿うように配置されている。なお、第3搬送方向は、例えば、第1搬送方向に対して45度傾いた方向であり、且つ、第2搬送方向に対して45度傾いた方向である。第3搬送方向は、第1搬送方向と第2搬送方向とがなす狭角の範囲内の方向である。
【0041】
図1に示すように、入口壁部32は、外縁側の第1側壁12aよりも第1幅方向の外側に配置されている。入口壁部32は、外縁側の第1側壁12aに接続されると共に、第3ベルトコンベア31に接続される。入口壁部32は、鉛直方向の高さを有する。入口壁部32の鉛直方向の高さは、例えば、第1側壁12aの鉛直方向の高さと略同じである。
【0042】
図1に示すように、出口壁部33は、外縁側の第2側壁22aよりも第2幅方向の外側に配置されている。出口壁部33は、外縁側の第2側壁22aに接続されると共に、第3ベルトコンベア31に接続される。出口壁部33は、鉛直方向の高さを有する。出口壁部33の鉛直方向の高さは、例えば、第1側壁12aの鉛直方向の高さと略同じである。
【0043】
また、
図1に示すように、出口壁部33は、鉛直方向に見て、曲線状に形成される。より詳細には、出口壁部33の第2搬送方向における上流端が、出口壁部33の第2搬送方向における下流端よりも第2幅方向の外側となるように、鉛直方向に見て曲線状に形成されている。なお、出口壁部33は、出口壁部33の第2搬送方向における上流端が、出口壁部33の第2搬送方向における下流端よりも第2幅方向の外側となるように、鉛直方向に見て直線状に形成されていてもよい。
【0044】
図1に示すように、内縁ガイド壁部34は、内縁側の第1側壁12bと内縁側の第2側壁22bに接続される。より詳細には、内縁ガイド壁部34は、内縁側の第1側壁12bの第1搬送方向における下端と、内縁側の第2側壁22bの第2搬送方向における上端とに接続される。内縁ガイド壁部34は、第3ベルトコンベア31に対向する位置に配置されている。内縁ガイド壁部34は鉛直方向の高さを有する。内縁ガイド壁部34の鉛直方向の高さは、例えば、第1側壁12aの鉛直方向の高さと略同じである。内縁ガイド壁部34は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置されている。また、内縁ガイド壁部34は、鉛直方向に見て、曲線状に形成される。より詳細には、内縁ガイド壁部34は、鉛直方向に見て、第1搬送面11および第2搬送面21に対して凸状の曲線に形成される。第3ベルトコンベア31によって搬送される搬送物60は、第3ベルトコンベア31と内縁ガイド壁部34との間を通過する。なお、内縁ガイド壁部34は配置されていなくてもよい。この場合、例えば、内縁側の第1側壁12bと内縁側の第2側壁22bとは直接接続される。
【0045】
以上のように本実施形態の搬送システム1は、第1ベルトコンベア10と、第2ベルトコンベア20と、ガイド機構30とを含む。第1ベルトコンベア10は、第1搬送方向に延び、搬送物60を載せて第1搬送方向に搬送する第1搬送面11と、第1搬送方向と直交する第1幅方向の第1搬送面11の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第1側壁12と、を有する。第2ベルトコンベア20は、第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延び、搬送物60を載せて第2搬送方向に搬送する第2搬送面21と、第2搬送方向と直交する第2幅方向の第2搬送面21の外側の両端にそれぞれ設けられて鉛直方向の高さを有する一対の第2側壁22と、を有する。ガイド機構30は、第1側壁12と第2側壁22とを接続し、第1搬送面11上を搬送される搬送物60の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に変えて、第2搬送面21上に搬送させるものである。第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20は、第2搬送面21の上流端が第1搬送面11の第1搬送方向に沿うように第1搬送面11の側方に接続されている。ガイド機構30は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置される。ガイド機構30は、第3ベルトコンベア31と、入口壁部32と、出口壁部33とを有する。第3ベルトコンベア31は、第3搬送面44を有すると共に、鉛直方向の高さを有し、第1搬送面11から搬送されて接触した搬送物60を第2搬送面21に搬送する。入口壁部32は、外縁側の第1側壁12aよりも第1幅方向の外側に配置されて、外縁側の第1側壁12aに接続されると共に、第3ベルトコンベア31に接続され、鉛直方向の高さを有する。出口壁部33は、外縁側の第2側壁22aよりも第2幅方向の外側に配置されて、外縁側の第2側壁22aに接続されると共に、第3ベルトコンベア31に接続され、鉛直方向の高さを有する。ガイド機構30は、搬送物60を第3ベルトコンベア31に接触させると共に、入口壁部32または出口壁部33の少なくともいずれかを通過可能に構成させることで、搬送物60の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に変える。
【0046】
本実施形態の搬送システム1では、第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20の2つのベルトコンベアをそれらの搬送方向が直交するように、第2ベルトコンベア20の上流端を第1ベルトコンベア10の上流側から第1搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させる、又は、第1ベルトコンベア10の下流端を第2ベルトコンベア20の上流側から第2搬送方向の下流側に向かう側面に直接接続させる。そして、第3ベルトコンベア31と入口壁部32と出口壁部33を有し、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置されるガイド機構30により、カーブコンベアやターンテーブルを用いることなく、搬送物60の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に変えている。ここで、ガイド機構30の入口壁部32が外縁側の第1側壁12aよりも第1幅方向の外側に広がっており、ガイド機構30の出口壁部33が外縁側の第2側壁22aよりも第2幅方向の外側に広がっている。すなわち、ガイド機構30の入口壁部32には第1搬送面11よりも第1幅方向に広がった空間が存在し、ガイド機構30の出口壁部33には第2搬送面21よりも第2幅方向に広がった空間が存在する。このため、搬送物60をベルトコンベア上に置いて搬送した場合に、幅方向に長い搬送物60が、第1ベルトコンベア10から第1ベルトコンベア10とは搬送方向が異なる第2ベルトコンベア20に搬送されるとき、これらの空間に入り込むことで、固定されることを防止することができる。以上によって、本実施形態の搬送システム1では、搬送物60をベルトコンベア上に置いて搬送する搬送システム1であって、簡易な構成でベルトコンベアの搬送方向を変えると共に、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物60を通過させて搬送できる。
【0047】
また、本実施形態の搬送システム1では、第3搬送面44は、第1搬送方向と第2搬送方向の両方に交差する第3搬送方向に延びる。第3搬送面44が曲線に沿った形状である場合、搬送物60の姿勢が変わると、搬送物60の側面との接触が解かれてしまうおそれがある。本実施形態では、直線に沿った形状である第3搬送面44は、搬送物60の姿勢が変わったとしても、搬送物60の側面との接触を維持したままにできる。このため、第3搬送面44による搬送物60の搬送を効率的に行うことができる。また、直線に沿った形状である第3搬送面44は、製造が容易である。
【0048】
また、本実施形態の搬送システム1では、第3搬送部は、第1搬送方向および第2搬送方向に交差する第3搬送方向に延び、且つ、第3搬送方向に直交する第3幅方向が鉛直方向に沿うように、第3搬送面44が配置される第3ベルトコンベア31である。第3ベルトコンベア31の回転力により、第3搬送面44に接触する搬送物60をよりスムーズに搬送できる。
【0049】
さらに、本実施形態の搬送システム1では、出口壁部33は、鉛直方向に見て、曲線状に形成される。本実施形態では、搬送物60は第1ベルトコンベア10から第2ベルトコンベア20に向かって搬送される。この場合、搬送物60の一方端は、第3ベルトコンベア31に沿って移動した後、出口壁部33に接触し、さらにその後、外縁側の第2側壁22aに接触する。本実施形態では、出口壁部33は、曲線状に形成されている。このため、搬送物60を曲線状の出口壁部33に沿わせて、外縁側の第2側壁22aまでスムーズに導くことができる。
【0050】
また、本実施形態にかかる搬送システム1は、例えば、病院内に設置される。本実施形態の搬送システム1で搬送する搬送物60は、例えば、患者から採取した血液や尿等を収容する検体管(採血管、採尿管など)である。検体管60の搬送方向が第1搬送方向から第2搬送方向に変わるときに、検体管60と各第1側壁12、各第2側壁22、ガイド機構80(
図5参照)等との接触によって検体管60に衝撃が加わると、検体管60内の成分が変化してしまう可能性がある。また、検体管60の中心軸線方向の端部に大きな力がかかると、搬送中の検体管60からキャップ61が外れてしまう可能性がある。この点、本実施形態の搬送システム1は、搬送方向を変化させる際にスムーズに検体管60を通過させて搬送できる。このため、検体管60に衝撃が加わることを抑制できるため、検体管60内の成分が変化してしまうことを抑制できるとともに、搬送中の検体管60からキャップ61が外れることを抑制できる。
【0051】
ところで、互いに直交する第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20に搬送物60が跨ったとき、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、搬送物60が、第1ベルトコンベア10の回転力と、それと直交する第2ベルトコンベア20の回転力とを同時に受け、搬送されることなく回転しながらその場に留まってしまう。この点、本実施形態の搬送システム1では、ガイド機構30を設けることによって、搬送方向を変化させる際にスムーズに搬送物60を通過させて搬送できる。これにより、搬送システム1によって搬送物60を搬送する場合でも、上記のように搬送物60がその場に留まってしまうという問題を回避することができる。
【0052】
以下に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0053】
上記実施形態では、第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20は、第2搬送面21の上流端が第1搬送面11の第1搬送方向に沿うように第1搬送面11の側方に接続されている。しかしながら、
図4に示すように、第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20は、第1搬送面11の下流端が第2搬送面21の第2搬送方向に沿うように第2搬送面21の側方に接続されていてもよい。但し、
図4のように第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20を配置する場合、第2搬送面21を構成する環状ベルトは、第1搬送面11と接続する側部においてめくれが発生する可能性がある。このため、
図4のように第1ベルトコンベア10および第2ベルトコンベア20を配置する場合、第2搬送面21が第1搬送面11よりも下方となるように段差を設けることが望ましい。これにより、第1搬送面11によって搬送される搬送物60は、第2搬送面21を構成する環状ベルトのめくれに接触することなく、第1搬送面11よりも下方にある第2搬送面21にスムーズに搬送される。また、この場合においても、ガイド機構30は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置されていれば、第3搬送面44は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨っていても、
図4のように跨っていなくてもよい。但し、第3搬送面44は、第1搬送面11および第2搬送面21に跨るように配置されることが好ましい。言い換えれば、第3搬送面44は、第1搬送面11の鉛直方向の上方且つ第2搬送面21の鉛直方向の上方となる位置に配置されることが好ましい。これにより、第1搬送面11から第2搬送面21への搬送物60の受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0054】
上記実施形態では、第3搬送方向は、第1搬送方向に対して45度傾いた方向であり、且つ、第2搬送方向に対して45度傾いた方向である。しかしながら、第3搬送方向は上記に限られず、第1搬送方向と第2搬送方向とがなす狭角の範囲内の方向であればよい。第3搬送方向は、例えば、第1搬送方向に対して60度傾いた方向であり、且つ、第2搬送方向に対して30度傾いた方向であってもよいし、第1搬送方向に対して30度傾いた方向であり、且つ、第2搬送方向に対して60度傾いた方向であってもよい。
【0055】
上記実施形態では、第3ベルトコンベア31は、駆動ローラ41を回転駆動させるモータである駆動源45を有する。しかしながら、第3ベルトコンベア31は、モータである駆動源45を有していなくてもよい。例えば、第3ベルトコンベア31は、第1ベルトコンベア10の第1搬送方向の回転力又は第2ベルトコンベア20の第2搬送方向の回転力を、第3搬送方向の回転力に変換する、いわゆる丸ベルトを有するものでもよい。
【0056】
上記実施形態では、第3搬送面44は、第1搬送方向と第2搬送方向の両方に交差する第3搬送方向に延びている。しかしながら、第3搬送面44は、鉛直方向に見て、曲線に沿っていてもよい。
【0057】
上記実施形態では、第3搬送部は第3ベルトコンベア31である。しかしながら、第3搬送部は、ベルトコンベアに限られない。例えば、第3搬送部は、鉛直方向の高さを有し、回転力を有しない壁部材でもよい。この場合も、第3搬送部は、第1搬送面11および第2搬送面21と直交する。
【0058】
上記実施形態では、各第1側壁12の第1搬送面11からの高さは、搬送物60の直径D1よりも高い。しかしながら、各第1側壁12の第1搬送面11からの高さは、搬送物60の直径D1よりも低くてもよい。各第2側壁22の第2搬送面21からの高さについても同様である。
【0059】
上記実施形態では、第1搬送面11の第1幅方向の長さと、第2搬送面21の第2幅方向の長さとは略同じである。しかしながら、第1搬送面11の第1幅方向の長さと、第2搬送面21の第2幅方向の長さとは同じでなくてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 搬送システム、10 第1ベルトコンベア、11 第1搬送面、12 第1側壁、20 第2ベルトコンベア、21 第2搬送面、22 第2側壁、30 ガイド機構、31 第3ベルトコンベア、32 入口壁部、33 出口壁部、44 第3搬送面、60 搬送物
【要約】 (修正有)
【課題】簡易な構成で搬送方向を変え搬送物をスムーズに搬送できる搬送システム用のガイド機構を提供する。
【解決手段】搬送システム1は第1ベルトコンベア10と、第2ベルトコンベア20と、ガイド機構30とを含む。第1ベルトコンベアは第1搬送面11と一対の第1側壁12とを有し、第2ベルトコンベアは第1搬送方向と直交する第2搬送方向に延びる第2搬送面21と一対の第2側壁22とを有し、ガイド機構は第3ベルトコンベア31と、入口壁部32と、出口壁部33とを有し、第3ベルトコンベアは第1搬送面から搬送されて接触した搬送物を第2搬送面に搬送する。入口壁部は外縁側の第1側壁12aよりも第1幅方向の外側に配置されて外縁側の第1側壁に接続されると共に、第3ベルトコンベアに接続される。出口壁部は外縁側の第2側壁22aよりも第2幅方向の外側に配置されて外縁側の第2側壁に接続されると共に、第3ベルトコンベアに接続される。
【選択図】
図1